JP2004129902A - スプリント材 - Google Patents

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Yoshikazu Matsumoto
松本 義和
Shozo Onishi
大西 捷三
Yukihiro Kato
加藤 幸弘
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Abstract

【課題】水硬化性樹脂を使用したスプリント材において、水中に浸漬することなく簡便に使用することができるものを得ようとする。
【解決手段】患部に当接する緩衝材6の上に、基材3に水硬化性樹脂4を保持させた支持材5を載置する。この支持材5の上をカバー材2で覆い、カバー材2と緩衝材6によって上記支持材5を包むようにしている。上記カバー材2は、水硬化性樹脂4と非反応性で撥油性を持っている。こうしたスプリント材1の上記カバー材2の外方から水を噴霧する。水はカバー材2を透過して支持材5に到達し、水硬化性樹脂4との反応が始まる。上記緩衝材6側を患部に直接当てて形を整え、弾力包帯を巻いてモールディングをする。硬化がさらに進み、全体が硬化して患部を固定するスプリントになる。
【選択図】   図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、整形外科分野、スポーツ分野において体の一部に適用し、治療又は保護の目的で患部を固定又は支持するスプリント材に関する。特に、人や動物の骨折、捻挫、矯正などの治療や予防に、またスポーツ等において転倒、衝撃などから身体を保護するためのスプリント材に関する。
【0002】
【従来の技術】
整形外科分野では、スプリント材は骨折、捻挫又は変形等の疾患部位を外方から覆うようにして、固定、矯正又は支持を行う目的で使用される。骨折等の直後は患部が大きく腫れており発熱もあるので、すぐにギプスを巻くことができず、先ずスプリント材を当てて患部を固定している。また、簡便性と共に正確な固定、支持ができるため脱臼、捻挫等の場合にも使用されている。
以前は、スプリント材として木片や梯子状シーネを、予め当て材を当ててから患部に適用し、その上から伸縮性包帯等を巻いて固定していたが、患部との適合性に劣る点があった。
【0003】
その後、開放(連続)気泡型フォームシート等に水硬化性樹脂を保持させたスプリント材が開示され多く用いられるようになった。この水硬化性樹脂を用いたスプリント材は、ゴム手袋を手に嵌めて密封した袋から取り出し、水を張ったバケツ等の中に全体を浸して水硬化性樹脂に水を供給するようにする。そして、水の中から引き上げて軽く絞り、予め下巻き材を巻いておいた患部にスプリント材を当てて沿わせるようにし、その上から弾力包帯を巻いて水硬化性樹脂を硬化させる。硬化したスプリント材は、患部に合致した支持固定を行うと共に容易に取り外しもできるようにしたものである。(特許文献1)
【0004】
更に、その後水硬化性樹脂を保持させたものを被覆材で包んだスプリント材も提供されるようになった。これらの水硬化性樹脂を用いたスプリント材は、いずれもバケツに溜めた水等に全体を浸けることによって、水硬化性樹脂に対して水が充分に接触して硬化反応が円滑に進むようにする必要がある。従って、作業が何かと煩雑であるし、作業中に水が周りに飛び散って治療室が汚れたりすることもあった。
また、上記被覆材で包んだスプリント材では、下巻き材を必要とせず直接患部に当てがうことができるものもある。しかしその場合にも、バケツから引き上げたときに被覆材が多量の水を含んでいるので、そのままでは患部の皮膚表面に当てることができない。そこで、患部に適用する前に被覆材の表面をタオル等で押さえて、余分な水を吸い取り除去する必要があった。また、これらの操作を行っても十分に水を除去することは難しく、未だ表面が濡れて湿ったスプリント材を皮膚に当てて適用しなければならない。皮膚表面はその湿気によって蒸れるし、乾燥するのに時間がかかることもあり、患者は何かと不快に感じることが多かった。また、皮膚の弱い人や患部に傷がある場合には更に多くの支障を生じていた。
【0005】
【特許文献1】
特許第2686271号公報
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、スプリント材を水に浸けたりすることなく、外方から水を噴霧して患部に適用することで簡便に患部の固定ができて使い易く、患者にも不快感を与えないスプリント材を得ようとするものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明は、患部の皮膚表面を保護する緩衝材の上に、水により硬化する水硬化性樹脂を基材に保持させた支持材を位置させ、この支持材の上に水硬化性樹脂と非反応性で撥油性があって外方から噴霧して供給した水の透過性がよいカバー材で覆う。こうしたスプリント材は、上記カバー材の上から少量の水を噴霧などによって供給し、そのまま緩衝材側から患部に当てるようにして適用することができる。
【0008】
【発明の実施の形態】
本発明のスプリント材1は、最外層(患部と反対側)にカバー材2を設け、その内側に基材3に水硬化性樹脂4を保持させた支持材5を位置させ、さらにその内側(支持材の皮膚側)には緩衝材6を設けている。そして、このカバー材2と緩衝材6によって支持材5を包むようにしている。場合によっては、カバー材により緩衝材6と支持材5の全体を包むようにすることもできる。
【0009】
このカバー材2は、支持材の水硬化性樹脂を露出させることなく、素手で直接操作しても水硬化性樹脂に触れないようにすることができるもので、スプリント材の上から弾力包帯を巻いて患部に固定するときに未硬化の樹脂が包帯に付着しないようにすることができる。そして、このカバー材は、外方から供給される水を支持材に速やかに浸透させる。
【0010】
こうしたカバー材は、外方から供給した水がスムーズに透過する透水性と、通気性と共に、適度な腰があり、水硬化性樹脂が浸透して表面に出てこず、水硬化性樹脂と非反応性であることが好ましい。例えば、その開口率としては約10〜60%程度で、好ましくは約30〜50%程度がよく、厚さは、約0.5〜8mm程度であり、好ましくは約1〜4mm程度である。素材としては、ポリフルオロエチレン系、ポリエステル系、ポリオレフィン系、ポリ塩化ビニル系等の合成繊維やレーヨン等の半合成繊維、綿等の天然繊維などを使用した編み物、織物、不織布、シートなどを用いることができる。
上記開口率は、一定範囲内における空隙が占める面積の割合であって、基材の拡大写真を撮り写真を画像認識して機械的に求めることができる。
【0011】
このカバー材には、未硬化の水硬化性樹脂が付着し浸透することを防ぐために、例えば、パーフルオロアルキル基および水酸基を有する化合物とアクリル酸、メタクリル酸等をエステル化反応させて作ったアクリル酸誘導体(パーフルオロモノマー)を主成分とする共重合体で、共重合体成分としてはアルキル(メタ)アクリレート、塩化ビニルなどのモノマー、2−ヒドロキシエチルメタアクリレート、N―メチルアクリルアミドなどの架橋性モノマーを使用したフッ素系処理剤で撥油処理を行って改善するとよい。また、この撥油処理によって撥水性も得られ、噴霧された水が効率よく支持材に到達するようになる。
また、上記カバー材にポリフルオロエチレン系等の繊維を使用すれば、特に上記撥油処理を行うことなく撥油性を得ることができることがある。
【0012】
上記緩衝材6は、患部に対する緩衝性を有しており、未硬化の水硬化性樹脂が浸透し難く、適度の通気性があるものが好ましい。また、こうした緩衝材には、支持材の水硬化性樹脂と非反応性で柔らかく患部の形状に追随して変形しやすいもの(成形性が良いもの)がよい。例えば、ポリエステル系、ポリオレフィン系、ポリ塩化ビニル系等の合成繊維やレーヨン等の半合成繊維、綿等の天然繊維などを使用した厚みのある不織布、立体的な編物や織物などがある。また、ウレタン系、ポリオレフィン系、エチレン・酢酸ビニル共重合体(EVA)等の単体や複合体の均一発泡体、スキン層を有する発泡体、更に前記各材料の積層体、不織布や立体編物・織物と発泡体の組合せ構造体などにすることができる。
【0013】
この緩衝材の厚さは上記作用を有するものであれば比較的薄いものが望ましいが、通常、約3〜17mm程度、好ましくは約4〜15mm程度である。3mmより薄いと上記作用が得難くなり、17mmを超えると成形性が悪くなる。
この緩衝材により、患部側への当りを柔らかくし、硬化時における水と水硬化性樹脂との反応熱の患部側への伝達を防ぎ、供給された水が皮膚へ移行するのを防ぐことができる。
【0014】
上記緩衝材は複層にすることができ、下層(接皮側)は、患部へ当りをより和らげるように、通気性があり、皮膚への刺激性がなく、抗菌性のあるものが望ましい。この場合下層に通気性のあるものを用いれば、上層(非接皮側)に通気性のない若しくは乏しい材料を用いることができる。図2に示すものは、緩衝材6の下層7にポリエステル繊維の不織布を用い、上層8にエチレン・酢酸ビニル共重合体の発泡シートを使用している
【0015】
上記カバー材2と緩衝材6の間には支持材5が位置しており、この支持材5は、基材3に水硬化性樹脂4を保持させている。上記基材は、水硬化性樹脂と非反応性であって、引張弾性率が高いものがよく、少なくとも約800Mpa程度以上のものが好ましい。また、供給された水が浸透し、拡散し易くするため、1cm当り約15〜35個程度の開口を有し、開口率が約12〜48%程度であることが望ましい。こうした基材には、ガラス繊維、カーボン繊維、アラミド繊維、ポリエステル繊維、ポリプロピレン繊維その他を使用した織物、編物、不織布等がある。
【0016】
上記基材に保持させる水硬化性樹脂には、水と反応してウレタン樹脂となるポリウレタンプレポリマーを用いるとよい。このポリウレタンプレポリマーは、ポリオール成分とポリイソシアネートとを反応させて得られる末端にイソシアネート基を有する組成物である。
【0017】
上記ポリオールには、ポリエチレングリコール(PEG)、エチレンオキサイドとプロピレンオキサイドのランダムまたはブロック共重合体などがある。このポリオールの数平均分子量としては約200〜4000程度のものが望ましく、分子量が200以下では剛性が大きく、硬くて脆い性質となり、分子量4000以上では剛性が小さく固定材としての強度が不足することがある。また、これらのポリオールと共に公知のポリオールも用いることができ、例えばポリプロピレングリコール(PPG)、ビスフェノール系ジオール(BP、BPE)などを適宜混合して用いることができる。上記ポリオールのエチレンオキサイド成分はポリウレタンプレポリマー組成物中に約5wt%以上含有することが好ましく、約18wt%以上含有すると一層好ましい。
【0018】
上記ポリイソシアネートには、従来公知のポリイソシアネートを使用することができ、例えば4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート、2,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート、ポリメチレンポリフェニルポリイソシアネート、p−フェニレンジイソシアネート及びこれらのカルボジイミド変性ポリイソシアネートなどがあり、これらは単独または2種以上組合せて使用することができる。好ましくは、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート、2,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)、及びこれらのカルボジイミド変性ポリイソシアネート(変性MDI)を用いるとよい。
【0019】
末端にイソシアネート基を有するポリウレタンプレポリマーを得るための、ポリオールとポリイソシアネートとの配合比率は、通常ポリオール1当量当りポリイソシアネートを約2〜5当量、好ましくは約2.5〜5当量にする。両者の反応は、通常約30〜100℃、好ましくは約50〜80℃で加熱攪拌することで達成される。ポリウレタンプレポリマーの粘度は、通常室温23℃で約10〜50Pa・s、好ましくは約15〜40Pa・sにするとよい。
【0020】
反応触媒としては、貯蔵安定性に優れたものを選択使用するとよく、従来からよく知られているものとして、ジモルホリノジエチルエーテル、ビス(2,6−ジメチルモルホリノ)ジエチルエーテル、置換モルホリノジエチルエーテル類等があり、これらを単独または2種以上混合して用いることができる。
上記ポリウレタンプレポリマーには適宜安定剤を含有させるとよく、こうした安定剤としては公知のベンゾイルクロライド、メタンスルホン酸、p−トルエンスルホン酸等を使用することができる。これらの安定剤も単独または2種以上混合して用いることができる。
【0021】
上記水硬化性樹脂には揺変性付与剤を加えると支持材中の偏在化を一層防ぐことができる。こうした揺変性付与剤としては、シリカ、酸化チタン、有機系のポリアルキレングリコールの末端水酸基を水酸基処理剤で処理したポリアルキレン変性化合物で一般にポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコールまたはこれらの共重合体を塩化メチル、脂肪酸等で処理したものがある。また、芳香族カルボン酸エステル類、D−ソルビトールと芳香族アルデヒドとのアセタール化反応により合成されたベンジリデンソルビトール、ジトリリデンソルビトール類等を使用することができる。使用量としては、水硬化性ウレタンプレポリマーに対して約0.01〜3wt%程度、好ましくは約0.03〜1wt%程度である。
【0022】
界面活性剤を水硬化性樹脂と共に用いることができ、カチオン系、両性イオン系が使用できる。中でも非イオン系としては非脂肪酸アルカノールアミド系、ソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレン脂肪酸エステル、エチレングリコール脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンアルキルエーテル等、アニオン系としてはエーテルカルボン酸、スルホサクシネート、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸塩、アルキル硫酸塩、ポリオキシエチレンラウリルエーテル硫酸トリエタノールアミン、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸ナトリウム等、カチオン系としてはアルキルアンモニユウム塩等が使用できる。又、添加量としては水硬化性樹脂中に対し約0.1〜3%程度で、水硬化性樹脂へ直接配合したり、基材に水硬化性樹脂を保持させた後に、噴霧や塗布によって表面に付着処理してもよい。この界面活性剤は、水硬化性樹脂に対する濡れや浸透性を一層良化する。
【0023】
本発明のポリウレタンプレポリマーには更に、必要に応じて消泡剤、酸化防止剤、粘度調整剤、粘着力抑制剤、紫外線吸収剤、顔料や染料等の着色剤等の各種添加剤を適宜使用することができる。
【0024】
ポリウレタンプレポリマーの調製にあたっては、ポリオールとポリイソシアネートとから得られたポリウレタンプレポリマーに、上記触媒、安定剤、各種添加剤を加えればよい。また、上記ポリウレタンプレポリマーを製造する際にポリオール、ポリイソシアネートと共に、あらかじめ触媒、安定剤、各種添加剤の一部または全量を加えておいてもよい。
【0025】
上記基材3にポリウレタンプレポリマーを保持させるには、従来公知の方法でよく、例えば低湿度に調整された室内でポリウレタンプレポリマーをロールによって基材に塗布する方法によって行うことができる。得られたものを保存するには、湿気を遮断できる容器や包装材中に密封するとよい。
【0026】
上記した水硬化性樹脂を保持させた基材は、一枚で使用することもできるが、通例、適用部位に応じた強度が得られるように複数枚を重ねて支持材にするとよい。上肢などあまり強い作用が加わらない場合には少ない枚数でよいが、下肢用等には枚数を増やすとよい。基材にガラス繊維で形成した編布を使用する場合には、約2〜15枚程度の範囲内で選択すればよく、汎用品としては約4〜8枚程度重ねたものを支持材にするとよい。図1、図2に示すものでは5枚重ねている。
【0027】
このスプリント材1を使用するときには、湿気不透過性の包装材等から、手に手袋を嵌めることなくスプリント材を取り出し、カバー材側から噴霧器、エアゾール容器等を使用して水を噴霧する。供給された水はカバー材を通過して支持材へ浸透して行き、水硬化性樹脂との反応が始まる。このスプリント材の緩衝材側を直接患部に当て、外側から手で触りながら形を整え、その上から弾力包帯で巻いてモールディングをする。次第に硬化が進み全体が硬化すればスプリントが出来上がって、患部を固定することができ、必要に応じ随時これを取り外すこともできる。
【0028】
上記した噴霧等によって供給する水に界面活性剤を加えておくと、水硬化性樹脂に対する水の浸透がよくなるので好ましいことが多い。この界面活性剤としては、非イオン系、アニオン系、カチオン系、両性系界面活性剤のいずれも使用可能であるが、上記した水硬化性樹脂と共に使用するような界面活性剤を用いるとよい。
【0029】
【実施例】
実施例及び比較例として下記するカバー材、支持材、緩衝材及び水硬化性樹脂を用意した。
(1)カバー材
I:ポリエステル繊維の編物、開口率34%、厚さ0.8mm(実施例・比較例)
II:ポリエステル繊維の編物、開口率32%、厚さ1.2mm(実施例)
III:ポリエステル繊維の編物、開口率45%、厚さ2.0mm(実施例)
IV:ポリエステル繊維の編物、開口率21%、厚さ0.8mm(実施例)
V:ポリエステル繊維の編物、開口率18%、厚さ0.8mm(比較例)
VI:ポリエステル繊維の編物、開口率62%、厚さ2.0mm(比較例)
(2)支持材
VII:ガラス繊維編物、開口数23個/cm、開口率22%の基材に水硬化性樹脂を220g/mの割合で塗布して7枚重ねる  (実施例)
VIII:ガラス繊維編物、開口数8個/cm、開口率50%の基材に水硬化性樹脂を220g/mの割合で塗布して7枚重ねる  (比較例)
(3)緩衝材(上層:非接皮側)
IX:エチレン・酢酸ビニル共重合体のフォームシート、比重0.33、厚さ1.5mm(実施例、比較例)
(4)緩衝材(下層:接皮側)
X:ポリエステル繊維の不織布、厚さ2.0mm、目付量200g/m(実施例、比較例)
(5)水硬化性樹脂
使用原料を図3に示し、配合処方を図4に示す。
【0030】
(サンプルの作成)
実施例1は、フッ素系撥油剤 (旭ガラス(株)製・アサヒガードAG−7600)で処理されたカバー材Iと緩衝材(上層+下層)とを重ね、幅13cm、長さ50cmになるように長手方向の一側を溶融切断した。カバー材と緩衝材の間に水硬化性樹脂XIを使用した支持材VIIを幅10cm、長さ50cmにしたものを挿入し、もう一方の長手方向を溶融切断し幅12cmとし、こうしたものを湿気不透過性のアルミニウムラミネート袋に窒素封入して密封した。
実施例2〜5、比較例1〜3及び7は図6、図7に示す構成によりスプリント材を形成した。また実施例2〜6、比較例1〜3、6では実施例1と同様にフッ素系撥油剤で撥油処理を行った。比較例4、5、7ではカバー材がフッ素系処理剤で処理していない。
実施例6は、実施例1の緩衝材の上層を除いたものであり、比較例6は、比較例3の緩衝材上層を除いたものである。
【0031】
(装着試験)
上記各実施例、比較例のものを、作製3日後に包装袋から取り出し、カバー材表面にアニオン系界面活性剤・ポリオキシエチレンラウリルエーテル硫酸トリエタノールアミン(サンデットET・三洋化成工業(株)製)を1wt%含有する水15gを均一状態に噴霧した。次にこうしたスプリント材を緩衝材側から上肢部に直接適用し、カバー材の上から弾性包帯を巻き付けて固定した。上記スプリント材を上肢部に適用したときに、皮膚に対してスプリント材からの濡れがあるか否か(適用時の濡れ性)、及び10分後に荷重負担が可能であるか否かの硬化性(10分後の硬化性)について確認した。
【0032】
(支持材の試験)
上記した基材に水硬化性樹脂を保持させた支持材の特性について試験を行った。支持材の実施例と比較例の構成は図6に示すとおりである。スプリント材のカバー材表面に、上記界面活性剤を1%含有する水15gを均一に噴霧し、その上に幅15cm×長さ55cm×厚さ1cmのガラス板を載せて3分間保持した。その後支持材以外のカバー材等を取り剥がし、支持材のみとした。この支持材を、支点間距離50mm、試験速度100mm/minの条件でオートグラフにより3点曲げ試験を行い、2mm変位したときの強度を、上記水の噴霧後7分、同10分の時点で初期硬化性として測定した。また、上記水を噴霧してから24時間後(1日後)の圧縮強度を測定した。
【0033】
(樹脂移行試験)
実施例1、2と比較例4,5,7をアルミラミネート袋包装の状態で、カバー材側を下にして、2kg/100cmの荷重をかけ、40℃の雰囲気中に2日間放置し、その後袋包装からスプリント材を取り出しカバー材表面への水硬化性樹脂の移行を目視にて観察した。
【0034】
(装着試験結果)
図5に示すように、実施例1及び6は緩衝材上層の有無にかかわらず、スプリント材から患部の皮膚表面に対する適用時の濡れが見られず、水を噴霧して10分後には荷重をかけても変形が見られず適切なものであることが判った。比較例3は皮膚表面に対する適用時の濡れが見られないが、比較例6では濡れが見られた。また、比較例はいずれも水硬化性樹脂のエチレンオキシド(EO)含量が少なく噴霧後10分では充分に硬化しておらず、荷重をかけると変形するので、荷重をかけることができない。
【0035】
(支持材の試験結果)
図6に示すように、実施例1〜3はカバー材の開口率が32%以上のもので、支持材は実施例1に使用されている基材と樹脂である。10分後の初期硬化性は約65N以上が好ましいと考えられており、いずれもこれを満足している。
実施例4は実施例1に使用されている基材と樹脂であるが、カバー材が開口率21%のものである。このものは噴霧した水がカバー材をやや透過しにくく、実施例1に比べて初期硬化性の数値は少し低いが使用に適するものとなっている。
実施例5は実施例1の支持材の水硬化性樹脂にXIIを使用したものであり、実施例1に比べて初期硬化性の数値はやや低いが使用に適するものとなっている。比較例1は支持材が実施例1に使用されている基材と樹脂であるが、カバー材が開口率18%ものであり、噴霧した水がカバー材を透過しにくいため、充分な初期硬化性が得られていない。比較例2および比較例3は、いずれも支持材に使用されている水硬化性ウレタン樹脂のEO含量が低いため、充分な初期硬化性が得られていない。
24時間後強度については、実施例も比較例も305N以上の数値であって一応必要な強度がえられていた。
【0036】
(樹脂の移行試験結果)
図7に示すように、カバー材に対して撥油処理された実施例1、2はその厚さに関係なくカバー材表面への水硬化性樹脂の移行はないが、実施例1、2とそれぞれ同じカバー材で撥油処理されない比較例4、5は水硬化性樹脂の表面への移行が認められた。また、比較例7は開口率62%と開口率が大きすぎることもあり水硬化性樹脂の移行が認められた。
【0037】
【発明の効果】
本発明は、上記したように適用時にゴム手袋などを使用せずに素手で、湿気不透過性の包装材からスプリント材を取り出し、カバー材の上から少量の水をかければ水が支持材に浸透して行き、水硬化性樹脂の硬化が始まるので、操作が簡単であり、使用する水の量も少なくてすみ、患部、作業場周囲を汚さずにすむ。また、従来のようにバケツ等に多量の水を準備したり、スプリント材を水に浸けた後、タオル等を用意して余分な水を取ったり、それら使用した道具の後片付けをしなくてもよい。さらに、スプリント材を患部に適用してから硬化が終了するまでの間、緩衝材によって、水の浸透が防がれるし、支持材の反応熱が皮膚側に伝わらないので不快感を感じることもない。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例を示す一部切欠斜視図である。
【図2】本発明の他の実施例を示す一部切欠斜視図である。
【図3】実施例及び比較例に使用した水硬化性樹脂の原料を示す図表である。
【図4】実施例及び比較例に使用した水硬化性樹脂の配合処方を示す図表である。
【図5】実施例及び比較例の患部への装着試験の結果を示す図表である。
【図6】実施例及び比較例の支持材の試験の結果を示す図表である。
【図7】実施例及び比較例の樹脂の移行試験の結果を示す図表である。
【符号の説明】
1 スプリント材
2 カバー材
3 基材
4 水硬化性樹脂
5 支持材
6 緩衝材

Claims (7)

  1. 患部に当接する緩衝材と、該緩衝材の上に載置され基材に水硬化性樹脂を保持させた支持材と、該支持材の上を覆っており水硬化性樹脂と非反応性で撥油性を有し、外方から噴霧される水を透過して上記支持材に供給することができるカバー材を具備することを特徴とするスプリント材。
  2. 上記カバー材がフッ素処理剤で撥油処理されている請求項1記載のスプリント材。
  3. 上記カバー材の開口率が10〜60%である請求項1または2記載のスプリント材。
  4. 上記支持材の基材が1cm当たり15〜35個の開口を有し、開口率が12〜48%である請求項1〜3のいずれかに記載のスプリント材。
  5. 緩衝材が複数層で構成されている請求項1〜4のいずれかに記載のスプリント材。
  6. 上記水硬化性樹脂はポリオール成分とポリイソシアネートを含むポリウレタンプレポリマーと触媒を有し、該水硬化性樹脂に対しポリオール成分としてエチレンオキサイド成分を5wt%以上含有する請求項1〜5のいずれかに記載のスプリント材。
  7. 上記水硬化性樹脂には揺変性付与剤が含まれている請求項1〜6のいずれかに記載のスプリント材。
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