JP3262885B2 - 水硬性キャスト材 - Google Patents

水硬性キャスト材

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JP3262885B2 JP07619993A JP7619993A JP3262885B2 JP 3262885 B2 JP3262885 B2 JP 3262885B2 JP 07619993 A JP07619993 A JP 07619993A JP 7619993 A JP7619993 A JP 7619993A JP 3262885 B2 JP3262885 B2 JP 3262885B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、骨折、捻挫、脱臼及び
変形等の整形外科的疾患の治療に用いられる水硬性キャ
スト材、より詳細には、水と接触して硬化するイソシア
ネート官能性樹脂を担持する基材からなるキャスト材に
関する。
【0002】
【従来の技術】骨折、捻挫、脱臼及び変形等の整形外科
的疾患の治療のため使用されるキャスト材として、軽量
で、通気性があり、X線透過性が良く、耐水性、耐久性
が高く、かつかさばらない理想的なものに、水と接触し
て硬化するイソシアネート官能性樹脂をガラス繊維やポ
リエステル繊維で編んだ比較的目の粗いテープに含浸
し、このテープをロール状に巻き取ったものを湿気不透
過性の袋に密封しておき、使用時袋を開封してテープを
水に浸し、準備された患部に巻き付け硬化させるものが
ある。
【0003】この種のキャスト材には種々のものが提案
されており、二成分系硬化剤の第1液体成分を含浸した
繊維質多孔性テープの芯部に、第2液体成分を同液体に
対し不透過性で加圧により破壊し得る容器に封入したも
のを挿入した整形外科用材料(特開昭58−17556
1号公報)、2個以上の水酸基を有する化合物又は多価
イソシアネート化合物を含浸した布と、多価イソシアネ
ート化合物又は2個以上の水酸基を有する化合物とから
なるギプス材料(特開昭60−31760号公報)、目
の開いた繊維性基布に硬化を促進させる成分を含まない
ウレタンプレポリマーを塗布したものと、それと分離し
たウレタンプレポリマーの硬化剤とからなる整形外科用
材料(実開昭63−130031号公報)、ポリオール
とポリイソシアネートとからなるウレタンプレポリマー
を主成分とする水硬化性樹脂を繊維形成物に塗布し湿気
不透過性の袋に封入したものと、水溶性ポリアミン化合
物を含有する硬化剤とを使用する水硬性キャスト(特願
平3−45696号明細書)、開口を有する繊維性基布
に硬化を促進する成分を含む水活性のウレタンプレポリ
マーを塗布したものと、それと分離した水を主成分とす
る泡状の硬化剤とを使用する水硬性キャスト(特開平3
−202068号公報)などがある。
【0004】これらの水硬性キャストに使用される樹脂
は、皮膚や使用時施術者が手にはめるポリエチレン、ポ
リ塩化ビニル、酢酸ビニル、ゴム等からなるグローブに
接着し、又そのタックが強いため、患部に適用する際正
確なモデリングや層間強度を上げるための圧着及び末端
処理がうまくできず、また高価なグローブを使い捨てに
しなければならない等の欠点がある。この点を改良する
ため、潤滑剤を含有する硬化性樹脂で被覆した可撓性の
シート材が提案されている(特開昭62−87162号
公報)。潤滑剤としては、硬化性樹脂に共有結合で結合
された親水性基、硬化性樹脂に対し非反応性の添加物、
硬化性樹脂と化学的に結合するような添加物が用いら
れ、シート材の表面の動摩擦係数が約1.2未満となる
ような量だけ添加される。しかしながら、これらの潤滑
剤のうち第1と第3の潤滑剤は硬化性樹脂との反応性が
高いため保存中シート材が自己硬化反応を起こして使用
できない状態となり、長期保存が不可能であり、第2の
潤滑剤は硬化性樹脂との相溶性が悪く表面にブリードし
てくるため、キャスティングしたときの層間接着性が弱
く、得られた硬化シートの強度が所定値より低くなった
り、又使用中層間分離を起こすことがある。さらに、い
ずれの潤滑剤を含むシート材も、キャスティング操作時
巻き戻しが軽すぎるためロールの未使用部分までがほど
けてしまい、途中でモデリングをするための操作が不可
能になるという欠点を有している。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、保存
安定性に優れ、硬化後に得られる層間接着力が高く、キ
ャスティング時必要に応じて硬化性樹脂のタックを抑制
することのできる水硬性キャスト材を得ることにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】上述の目的を達成するた
め、本発明においては、目の開いた繊維性基布にポリオ
ールと過剰のポリイソシアネートとからなるウレタンプ
レポリマーを主成分とする水硬性樹脂組成物を含浸した
水硬性キャスト本体を気密容器中に封入したものと、水
硬性キャスト本体と分離され水硬性樹脂組成物のタック
を抑制するタックフリー剤とからなり、タックフリー剤
は分子中にイソシアネート基と反応する反応基を有する
界面活性剤を含有する。
【0007】目の開いた繊維性基布としては、ガラス繊
維糸、ポリエステル繊維糸、綿糸等の素材を編んだり、
織ったり、又は不織布化したりして形成したテープを用
いることができ、その厚さは0.1〜5mm、目付量は
50〜500g/m2 程度が好ましく、目視できる開口
を有するものが適している。
【0008】水硬性組成物の主成分であるウレタンプレ
ポリマーを形成するポリオールとしては通常のものが使
用できる。例えばアルキレンオキサイド(エチレンオキ
サイド、プロピレンオキサイド等)を低分子ポリオール
(エチレングリコール、プロピレングリコール、ブチレ
ングルコール、グリセリン、トリメチロールプロパン、
トリエタノールアミン、ペンタエリストール、ソルビト
ール等)及びポリアミン(エチレンジアミン、ジエチレ
ントリアミン、トリレンジアミン等)に付加した構造を
有するポリエーテルポリオール、ポリカルボン酸(コハ
ク酸、マレイン酸、セバシン酸、アジピン酸、フマル
酸、フタル酸等)と上記の低分子ポリオールとの反応に
より得られるポリエステルポリオールなどが挙げられ
る。これらのポリオールは単独又は2種以上を混合して
用いることがきる。これらの中で好ましいのは低分子
ポリオールのアルキレンオキサイド付加物であるポリエ
ーテルポリオールであり、特に好ましいのはポリプロピ
レンエーテルジオール及びトリオールであり、平均分子
量200〜2500、好ましくは400〜1000のも
のである。
【0009】又ポリイソシアネートとしては通常のポリ
イソシアネートを使用することができる。中でも、芳香
族ポリイソシアネートが好ましい。例えば2,4‐トル
エンジイソシアネート、2,6‐トルエンジイソシアネ
ート、4,4′‐ジフェニルメタンジイソシアネート、
2,4′‐ジフェニルメタンジイソシアネート、2,
2′‐ジフェニルメタンジイソシアネート、ポリメチレ
ンポリフェニレンポリイソシアネート、及びこれらのカ
ルボジイミド変成ポリイソシアネートなどが挙げられ
る。これらのポリイソシアネートは単独または2種以上
混合して用いることができる。特に好ましいのは4,
4′‐ジフェニルメタンジイソシアネート又は4,4′
‐ジフェニルメタンジイソシアネートの一部をカルボジ
イミド変性したものである。
【0010】ポリオールとポリイソシアネートとの比率
は、通常ポリオール1当量に対しポリイソシアネート2
〜5当量である。ウレタンプレポリマーはポリオールと
ポリイソシアネートとを、窒素ガスを流しながら通常3
0〜120℃で加熱攪拌することで得られる。
【0011】水硬化性樹脂組成物には、主成分のウレタ
ンプレポリマーのほかに触媒、安定剤、消泡剤等が配合
される。
【0012】触媒としてはポリウレタン用のものを使用
できるが、貯蔵安定性をよくするため、例えば(N,N
‐ジメチルアミノエチル)エーテル、ビス(4‐モルホ
リノエチル)エーテル、ビス(4‐(2,6‐(ジメチ
ルモルホリノ)エチル)エーテルなどが挙げられる。こ
れらの触媒は単独又は2種以上混合して用いてもよい。
触媒の使用量はウレタンプレポリマー100重量部に対
して通常0.05〜10重量部である。
【0013】安定剤としては、メタンスルホン酸、ベン
ゾイルクロライド等のスルホン酸類、酸クロライド類が
挙げられる。これらの安定剤は単独又は2種以上混合し
て用いることができる。安定剤の添加量は使用する触媒
の種類により異なるが、触媒100重量部に対して通常
1〜30重量部である。
【0014】消泡剤としては、シリコーン系、ノニオン
系界面活性剤が使用でき、添加量はウレタンプレポリマ
ー100重量部に対し0.01〜5重量部である。
【0015】水硬性樹脂組成物の粘度は20℃で150
00〜30000cps、好ましくは20000〜25
000cpsである。この値より低い粘度では、基布に
含浸させたとき流れやすく、基布上に均一に分布せず、
硬化したとき基布の層間接着力、厚みが一様にならな
い。又この値より高い粘度では、基布に含浸させたとき
逆に流れにくく、同様に基布上に均一に分布しない。上
述の値の範囲の粘度を用いると、水硬性樹脂組成物は基
布に均一に含浸され、硬化したとき基布の層間接着力、
厚みが一様になり、又モデリングのため基布の表面を手
で撫でるとき抵抗を与えない。
【0016】水硬性樹脂組成物の基布への含浸量は、基
布の種類(素材、目付量、組織等)により異なるが、ほ
ぼ50〜800g/m2 の範囲で、一般に基布を水硬性
樹脂組成物中に浸漬し、組成物に十分なじませた後引き
上げ、加圧ロールで余分の組成物を取り除いて得た量が
好ましい。
【0017】水硬性キャスト本体の気密容器としては、
例えばポリエチレン/アルミニウム/ポリプロピレンの
ような多層構造の湿分不透過性の素材を用いて形成した
ものを用いることができる。
【0018】本発明で用いられるタックフリー剤は、水
硬性樹脂組成物の主成分であるウレタンプレポリマー分
子中にあるNCO基と反応する基を有する界面活性剤を
含有する。NCO基と反応する基としてはヒドロキシル
基(-OH)、イミノ基(=NH)、アミノ基(-N
2)、カルボキシル基(-COOH)などが挙げられ
る。これらの基を分子中に有する界面活性剤としては、
非イオン界面活性剤、シリコーン系界面活性剤、アニオ
ン界面活性剤、カチオン界面活性剤、両性界面活性剤な
どが挙げられる。
【0019】非イオン界面活性剤としては、ポリエチレ
ングリコール型(高級アルコールエチレンオキサイド付
加物、アルキルフェノールエチレンオキサイド付加物、
脂肪酸エチレンオキサイド付加物、多価アルコール脂肪
酸エステルエチレンオキサイド付加物、高級アルキルア
ミンエチレンオキサイド付加物、脂肪酸アミドエチレン
オキサイド付加物、油脂のエチレンオキサイド付加物、
ポリプロピレングリコールエチレンオキサイド付加物な
ど)、多価アルコール型(グリセロールの脂肪酸エステ
ル、ペンタエリスリトールの脂肪酸エステル、ソルビト
ール及びソルビタンの脂肪酸エステル、ショ糖の脂肪酸
エステル、多価アルコールのアルキルエーテル、アルカ
ノールアミン類の脂肪酸アミドなど)が挙げられる。
リコーン系界面活性剤としては、ポリエーテル変成シリ
コーン、アルコール変成シリコーン、アミン変成シリコ
ーン、フェノール変成シリコーン、カルボキシ変成シリ
コーンなどが挙げられる。アニオン界面活性剤として
は、ヒマシ油石ケン、ロート油(低硫酸化ヒマシ油)な
どが挙げられる。カチオン界面活性剤としては、アミン
塩型(ラウリルアミノプロピオン酸塩、トリエタノール
アミンモノステアレート酢酸塩、2-ペプタテセニルヒ
ドロキシエチルイミダゾリンなど)、第4級アンモニウ
ム塩型(キャタナックSN(アメリカンシアナミド社
製)など)が挙げられる。両性界面活性剤としては、ア
ミン酸型(ラウリルアミノプロピオン酸メチル塩酸塩、
ラウリルアミノプロピオン酸トリウムなど)、ベタイン
型(ラウリルジヒドロキシエチルベタインなど)などが
挙げられる。これらの界面活性剤は単独又は2種以上混
合して用いることができる。これらの界面活性剤のうち
特に好ましいのは非イオン界面活性剤、シリコーン系界
面活性剤である。タックフリー剤の使用量は、濃度が小
さいとタックフリー化作用がなく、高いとタックフリー
化が均等になりにくく、3〜20%が好ましい。
【0020】タックフリー剤には消泡剤を添加して操作
性を高めることができる。この消泡剤としては、低級ア
ルコール系消泡剤(メタノール、エタノール、イソプロ
パノール、sec-ブタノール、n-ブタノールなど)、
有機極性化合物系消泡剤(アミルアルコール、ジイソブ
チルカルビノール、トリブチルフォスフェート、オレイ
ン酸、トール油、金属セッケン、ソルビタンラウリン酸
モノエステル、ソルビタンオレイン酸トリエステル、ポ
リエチレングリコール脂肪酸エステル、プルロニック型
非イオン界面活性剤、ポリプロピレングリコール、ポリ
プロピレングリコール誘導体など)、鉱物油系消泡剤
(鉱物油の界面活性剤配合品、鉱物油と脂肪酸金属塩の
界面活性剤配合品など)、シリコーン樹脂系消泡剤(
リコーン樹脂、シリコーン樹脂の界面活性剤配合品、
リコーン樹脂の無機粉末配合品など)などが挙げられ
る。これらのタックフリー剤は単独又は2種以上を混合
して用いることができる。
【0021】タックフリー剤の使用形態は種々のものが
可能であり、液状のタックフリー剤をポンプ式容器に充
填し、使用に際して必要量を汲み上げ、手に装着したグ
ローブに取り巻き上げたキャスト本体上に延ばす方法、
ティッシュのような薄葉材に液状のタックフリー剤を含
浸させ、手に装着したグローブ表面又は巻き上げたキャ
スト本体に塗り付けるようにする方法、或いはタックフ
リー剤をスプレイ容器に充填し、グローブ表面又は巻き
上げたキャスト本体上に泡状に吹き出させ、これを延ば
すようにして用いる方法などがある。
【0022】
【作用】本発明においては、繊維性基布に水硬性樹脂組
成物を含浸した水硬性キャスト本体とタックフリー剤と
を分離して、保存中は水硬性樹脂組成物とタックフリー
剤との反応を全く無くし、使用に際して始めて水硬性キ
ャスト本体に水を含ませて水硬性樹脂組成物の反応を進
ませ、層間の接着や硬化がある程度進行した段階で巻き
上げたキャスト本体の表面にタックフリー剤を適用する
ことにより、樹脂組成物の粘着性に妨げられることなく
円滑にモデリングが可能となり、表面に残存したタック
フリー剤は表面の水硬性樹脂組成物と反応して消滅し、
内部に浸透して層間剥離を起こすことはない。
【0023】
【実施例】次に本発明の実施例及び比較例について説明
する。
【0024】本発明で用いられる水硬性樹脂組成物を得
るため、ポリプロピレンエーテルジオールと4,4′‐
ジフェニルメタンジイソシアネートとを1:2.5の当
量比で配合し、窒素ガスを流しながら80℃で加熱攪拌
してポリウレタンプレポリマーを作り、これに触媒とし
てビス(モルホリノエチル)エーテル、安定剤としてメ
タンスルホン酸、消泡剤としてシリコン系のものを添加
した。そのポリプロピレンエーテルジオールの平均分子
量を変えて、粘度が中間的な値の17000cps、2
4300cpsと、比較的低い値の12500cps
と、比較的高い値の35000cpsとの4種類を作成
した。
【0025】次にガラス繊維(ECG‐751/0 1.0
Z)糸を用い経13.5本/inch、緯14.0本/
inchの密度でラッシェル編みした基布(320g/
2)に、上記4種類の粘度の水硬性樹脂組成物をそれ
ぞれ含浸塗布して水硬性キャスト本体を4種類(実施例
I〜IV)作成した。それぞれ粘度17000cps、
24300cpsの組成物を使用した実施例I、IIの
水硬性キャスト本体においては水硬性樹脂組成物の塗布
量は210g/m2 、200g/m2 であった。この水
硬性キャスト本体を60℃の恒温加熱機に2日間放置し
ても水硬性樹脂組成物は均等に含浸した状態で保たれて
いた。粘度12500cpsの組成物を用いた実施例I
IIの水硬性キャスト本体は水硬性樹脂組成物を180
g/m2の塗布量で十分全体的に含浸させることはでき
たが、60℃の恒温加熱機に2日間放置すると水硬性樹
脂組成物が基布の上部にほとんどなく、下部に移行して
しまい、水硬性キャスト本体としては好ましいものでは
なかった。また粘度35000cpsの組成物を用いた
実施例IVの水硬性キャスト本体は樹脂組成物の基布と
のなじみが悪く、均等に塗布するためには含浸時間を長
くしなければならず、製造上の問題があった。
【0026】タックフリー剤としては、非イオン界面活
性剤にプルロニック非イオン界面活性剤(エチレンオキ
サイド含有率80%)(旭電化工業株式会社製)ノニ
ルフェノールエチレンオキサイド付加物、アニオン系界
面活性剤にラウリン酸ジエタノールアミド、カチオン系
界面活性剤にトリエタノールアミンモノステアレート酢
酸塩、両性界面活性剤にラウリルアミノプロピルジメチ
ルベタイン、シリコーン系界面活性剤にSH3771
(東レダウコーニングシリコーン株式会社製のシリコー
ングリコール共重合体構造を持つ非イオン界面活性剤)
を用いて次のようなタックフリー剤の実施例A〜Eを作
成した。これらのタックフリー剤は耐圧容器に充填し、
泡状に噴出させて使用した。
【0027】 実施例A(非イオン界面活性剤処方) プルロニック非イオン界面活性剤 25部 (エチレンオキサイド含有率80%) ノニルフェノールエチレンオキサイド 10部 水 65部 実施例B(アニオン系界面活性剤処方) ラウリン酸ジエタノールアミド 3部 ロート油 10部 エタノール 10部 水 77部 実施例C(カチオン系界面活性剤処方) トリエタノールアミンモノステアレート酢酸塩 10部 ラウリン酸ジエタノールアミド 5部 プロピレングリコール 5部 エタノール 10部 水 70部 実施例D(両性界面活性剤処方) ラウリルアミノプロピルジメチルベタイン 10部 ポリエチレングリコール(分子量1000) 5部 エタノール 10部 水 75部 実施例E(シリコーン系界面活性剤処方) SH3771(東レダウコーニングシリコーン社製) 5部 エタノール 10部 水 85部
【0028】次に本発明の水硬性キャスト本体の代表例
として前述の実施例Iを用い、タックフリー剤の実施例
A〜Eを用いて実際にキャストを作成し、種々の項目に
ついて評価を行った。また従来のものとの比較のため、
比較例1として前述の実施例Iのみを用いタックフリー
剤を全く用いないでキャストを作成し、また比較例2と
して前述の実施例Iで用いた水硬性樹脂組成物にこの中
に含有する-NCO基と非反応性のタックフリー剤とし
てシリコーン系界面活性剤(東レダウケミカル社製シリ
コーンオイルSH-200)5%を添加したものを基布
に含浸させた水硬性キャスト本体を用いてキャストを作
成し、同様の評価を行った。評価項目としては、操作
性、層間接着強度、圧縮変形強度及び抽出試験を用い
た。
【0029】操作性は、水硬性キャスト本体を気密容器
より取り出し、水道水に浸して充分水と接触させた後引
き上げ、75mmφのパイプに巻き、この間のべたつき
感、すべり感、層間の結合状態、及び巻終わりの仕上が
り状態を感覚により評価した。なお操作は手にグローブ
をはめて行い、本発明の実施例についてはタックフリー
剤をグローブに均等に延ばし、巻き始めから使用した。
【0030】層間接着強度の評価は、水硬性キャスト本
体を気密容器より取り出し、幅75mm、長さ100m
mにカットした2枚のシートを水道水に浸して充分水と
接触させた後引き上げ、比較例1、2を除いてタックフ
リー剤をこのシートの表面に塗り、2枚のシートを張り
合わせその一端の50mm部分を剥がして180°に開
き硬化させ、20℃の乾燥機中に一昼夜放置後引張試験
機で測定することにより行った。
【0031】圧縮変形強度の評価は、75mm幅の水硬
性キャスト本体を気密容器より取り出し、水道水に浸し
て充分水と接触させた後引き上げ、60mmφのパイプ
に操作性の評価試験で用いたと同様の方法で巻き、硬化
後パイプより外し、さらに20℃の乾燥機中に一昼夜放
置後引張試験機で5mm圧縮時の強度を測定することに
より行った。
【0032】抽出試験は、層間接着強度の評価に用いた
検体を使用し、これを多量のエタノールにより抽出し
出物の有無を測定した。
【0033】評価の結果を次表に示す。
【表1】
【0034】表から分かるように、操作性については本
発明のものはすべて適度のべたつき感を有し良好に操作
することができたが、比較例1はべたつきが大きく極め
て操作し難く、比較例2は逆にべたつきが小さく、操作
に問題があった。層間接着強度、圧縮変形強度について
は本発明のものは4%前後の強度低下があるに過ぎず実
用上全く問題はないのに対し、比較例2では層間接着強
度が45%に、圧縮変形強度が89%に低下し、特に層
間接着力が大幅に低下したことは、キャストが時間の経
過に従い劣化し層間の結合が緩み強度がなくなることに
つながるものである。又本発明においては抽出が全くな
かったのに対し、比較例2のものは抽出があり、これは
水に濡れたとき滑りを増すため足にキャストを適用した
ような場合滑る危険性があった。
【0035】以上の他、水硬性キャスト材の重要な条件
である保存安定性を評価するため、タックフリー剤の実
施例Aで用いたプルロニック非イオン界面活性剤(エチ
レンオキサイド含有率80%)とノニルフェノールエチ
レンオキサイドを2:1に配合した混合物を水硬性キャ
スト本体の実施例Iで用いた水硬性樹脂組成物に8%配
合した水硬性樹脂組成物を用いて水硬性キャスト本体を
比較のため作成し、加熱加速度試験で評価した結果、実
施例Iの保存安定性はこの比較例より50%以上高かっ
た。
【0036】
【発明の効果】本発明によれば、水硬性キャスト本体を
水に浸して患部に適用する際、水硬性キャスト本体内に
は全くタックフリー剤が含有されていないため、巻かれ
て層状に重ねられた水硬性キャスト本体は樹脂組成物間
の粘着性でもって巻かれた状態に保持され、水硬性キャ
スト本体の自重でほどけたり落下することがないから、
タックフリー剤をつけたグローブを装着した両手で十分
モデリング操作をほどこすことができ、この際少量のタ
ックフリー剤が水硬性キャスト本体の表面に付着する
が、これは表面の樹脂組成物と反応して消滅し、内部に
浸入してキャストの強度低下や層間接着力の低下を惹き
起おこすことはない。又水硬性キャスト本体の硬化後入
浴等してもタックフリー剤の溶出や皮膚刺激を生ずるこ
ともなく、保存期間中も水硬性キャスト本体は長期にわ
たって安定して保持されるものである。

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 目の開いた繊維性基布にポリオール類と
    過剰のポリイソシアネート類からなるウレタンプレポリ
    マーを主成分とする水硬性樹脂組成物を含浸した水硬性
    キャスト本体を気密容器中に封入したものと、水硬性キ
    ャスト本体と分離され前記水硬性樹脂組成物のタックを
    抑制するタックフリー剤とからなり、タックフリー剤は
    分子中にイソシアネート基と反応する反応基を有する界
    面活性剤を含有することを特徴とする水硬性キャスト
    材。
  2. 【請求項2】 水硬性樹脂組成物がポリオール類と過剰
    のポリイソシアネート類から得られ、末端に2個以上の
    イソシアネート基を有するウレタンプレポリマーを主成
    分とする組成物で、粘度が20℃で15000cps〜
    30000cpsであることを特徴とする請求項1記載
    の水硬性キャスト材。
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