JP2004129666A - 染色体上のfadR遺伝子がノックアウトされたL−トレオニン生成変異微生物及びこれを用いたL−トレオニンの製造方法 - Google Patents

染色体上のfadR遺伝子がノックアウトされたL−トレオニン生成変異微生物及びこれを用いたL−トレオニンの製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】既存のL−トレオニン発酵生産方法は生産性が低いか、生産コストが高い。生産菌株改良によって生産効率上昇,コスト低減を目的とする。
【解決手段】アミノ酸L−トレオニンを生成することが可能な微生物の染色体中に存在するfadR遺伝子がノックアウトされていることを特徴とするアミノ酸L−トレオニンの生成用変異微生物及びこれを用いたL−トレオニンの製造方法に関するものである。本変異微生物はL−トレオニンの収率を増加させる。
【選択図】図1

Description

 本発明は、L−トレオニン生産微生物及びこれを用いたL−トレオニンの製造方法に関する。より詳細には、本発明は、L−トレオニン生産微生物の染色体上に存在するfadR遺伝子を、cre遺伝子及びloxp部位のような部位特異的相同性組み換えシステムを用いてノックアウトさせ、L−トレオニンの生合成過程でaceBAKオペロンの発現が抑制されないようにすることにより、高収率でL−トレオニンを生成する変異微生物及びこれを用いたL−トレオニンの製造方法に関する。
 L−トレオニンは、必須アミノ酸の一種であって、飼料及び食品添加剤として広く使用されており、医薬品を合成するための医薬原料としても使用されている。L−トレオニンは、発酵法で製造するが、大腸菌(Escherichia)、コリネ型細菌(coryneform bacteria)、セラチア属細菌(Seratia)、プロビデンシア(Providencia)属菌株の野生株から誘導された人工変異株を使用している。例えば、日本国特公昭56−10037号公報には、エシェリキア(Escherichia)属に属し、ジアミノピメリン酸及びメチオニンを要求し、その生合成系がトレオニンのフィードバック抑制作用(feedback inhibition)を阻止する微生物を用いる方法が記述されている。日本国特開昭58−224684号公報には、ブレビバクテリウム(Brevibacterium)属に属し、S−(2−アミノエチル)−L−システイン及びα−アミノ−β−ヒドロキシバレリアン酸に対する耐性を有し、L−イソロイシン及びL−リジン栄養要求性微生物を用いる方法が記述されている。韓国特許公開公報第87−8022号には、エシェリキア属に属し、ジアミノピメリン酸、メチオニン要求性、α−アミノ−β−ヒドロキシバレリアン酸耐性をもち、リファンピシン、リジン、メチオニン、アスパラギン酸及びホモセリンの少なくとも1種の物質に対する耐性を有し或いは低下したL−トレオニン分解能を有する微生物を用いた方法が記述されている。日本国特開平2−219582号公報には、プロビデンシア(Providencia)属に属し、α−アミノ−β−ヒドロキシバレリアン酸、L−エチオニン、チアイソロイシン(thiaisoleucine)、オキシチアミン(oxythiamine)及びスルファグアニジン(sulfaguanidine)耐性を有し、L−ロイシン要求性、L−イソロイシンリーキー(leaky)型要求性微生物を用いる方法が記述されている。
 ところが、上述した公知の方法は、L−トレオニン生産性が高くないか、或いはジアミノピメリン酸要求性又はイソロイシン要求性のような高価の物質を添加しなければならないという欠点がある。すなわち、ジアミノピメリン酸要求性菌株を使用する場合、ジアミノピメリン酸を追加発酵させなければならないのでコスト負担要因が大きく、イソロイシン要求性菌株を使用する場合にも、イソロイシンを発酵培地に添加しなければならないが、この場合、イソロイシンが高価なので、コスト上昇要因となる。
 かかる問題点を克服するために、本発明者は、イソロイシンリーキー型要求性菌株を使用して発酵培地内にイソロイシンを添加する必要がなく、リジン合成の中間媒体であるジアミノピメリン酸要求性菌株を使用しないながらも従来の菌株より発酵法によって高濃度のL−トレオニンを生成することが可能な菌株として、L−メチオニン類似体に対する耐性、メチオニン栄養要求性、L−トレオニン類似体に対する耐性、イソロイシンリーキー型要求性、L−リジン類似体に対する耐性及びα−アミノ酪酸耐性を有し、L−トレオニンを生産することが可能な大腸菌に属する微生物を開発し、このような微生物及びこれを用いたL−トレオニンの製造方法に対し特許登録を受けたことがある(韓国特許公告第92−8365号)
 本発明者は、L−トレオニンの生産収率をさらに高めることが可能な菌株を開発するために鋭意研究を重ね、脂肪酸分解関連オペロン(fad operon)とグリオキシレートバイパスオペロン(aceBAK operon)の発現調節因子であるfadR遺伝子を標的としてL−トレオニンの生産量の向上を図った。fadR蛋白質は、細胞内脂肪酸濃度が高い場合、fadオペロンとaceBAKオペロンの発現を抑制し、脂肪酸濃度が低い場合、脂肪酸生合成関連オペロンの発現を増加させるものと知られている(J. E. Cronan Jr, and D. Lapore, E. coli and Salmonella, vol 1, pp211-214)。aceBAKオペロンは、クエン酸回路(TCA cycle)の中間体であるイソシトレートをグリオキシレートに転換させ、グリオキシレートをマレートに転換させ、マレートをオキサロアセテートに転換させる5段階反応によってピルベート(pyruvate)からオキサロアセテートを合成する。反面、クエン酸回路は、8段階反応によってピルベートからオキサロアセテートを合成し、この過程で中間体が二酸化炭素を含めて他の代謝中間体に転換される。従って、aceBAKオペロンの発現が減少すると、グリオキシレート回路反応が抑制されるので、クエン酸回路を介して炭素源が他の代謝中間体に転換される比率が高くなり、同量の炭素源に対してトレオニンの生産収率は減少することになる。また、この過程でトレオニン生合成過程に効率的なaceBAKオペロンの発現も抑制する。従って、aceBAK発現を高めて高濃度のトレオニン生産菌株を開発するためには、fadR遺伝子は必須的にノックアウトさせなければならない。また、抗生剤マーカーが染色体上に組み込まれる場合、前記マーカーは別の遺伝子のノックアウトに再び使用することができないため、染色体から前記マーカー遺伝子を除去する必要がある。このため、本発明者は、fadR遺伝子をノックアウトさせるためにcre/loxp部位特異的組み換えシステムを適用した。
 本発明者は、ノックアウト突然変異技術(Knockout Mutation Technology)を用いてL−トレオニン生成微生物の染色体上に存在するfadR遺伝子を組み換えによってノックアウトさせることにより、高濃度のL−トレオニン生成菌株を開発し、実質的にこの菌株を発酵に利用して、著しく改善した収率でL−トレオニンを得ることができる。
 従って、一つの観点として、本発明は、アミノ酸L−トレオニンを生成することが可能な微生物の染色体中に存在するfadR遺伝子がノックアウトされていることを特徴とするアミノ酸L−トレオニンの生成用変異微生物を提供する。
 他の観点として、本発明は、fadR遺伝子又はこのDNAフラグメントのノックアウトカセット(knock-out cassette)を製造し、L−トレオニン生成微生物に導入して、微生物の染色体上に存在するfadR遺伝子と組み換え、fadR遺伝子がノックアウトされた変異微生物を選択することを特徴として、アミノ酸L−トレオニンの生成用変異微生物を製造する方法を提供する。
 さらに他の観点として、本発明は、アミノ酸L−トレオニンを生成することが可能な微生物の染色体中に存在するfadR遺伝子がノックアウトされたL−トレオニンの生成用変異微生物を培養し、培養物からアミノ酸L−トレオニンを精製することを特徴として、アミノ酸L−トレオニンを製造する方法を提供する。
 さらに他の観点として、本発明は、微生物のfadR遺伝子の内部にこれの両側末端にloxp部位が隣接した抗生剤マーカーを挿入し、fadR遺伝子又はこのDNAフラグメントのノックアウトされたカセットを提供し、前記loxp部位はloxp部位特異的な組み換え酵素をコードするcre遺伝子を発現させることにより、組み込まれた突然変異体(integrated mutants)の染色体から前記抗生剤マーカーを除去するのに使用される。
 本発明は、脂肪酸分解関連オペロン(fad operon)とグリオキシレートバイパスオペロン(aceBAK operon)の発現調節因子であるfadR遺伝子を標的としてL−トレオニンの生産量の向上を特徴とする。より具体的には、本発明は、ノックアウト突然変異技術を用いてL−トレオニン生成微生物の染色体上に存在するfadR遺伝子を相同組み換えによってノックアウトさせることにより、トレオニン合成過程でaceBAKオペロンの発現がfadR蛋白質によって妨害されず円滑になされるようにしてL−トレオニンの生産量を増大させるものである。
 このような本発明のアイデアは、原核及び真核を含んだL−トレオニンを生成することが可能な全ての微生物に適用することができ、代表的な微生物としては、L−トレオニンを生成するために従来より使用されている大腸菌、コリネ型細菌、セラチア属細菌、プロビデンシア属細菌に属する変異菌株などを挙げることができる。好ましくは、L−メチオニン類似体に対する耐性、メチオニン栄養要求性、L−トレオニン類似体に対する耐性、イソロイシンリーキー型要求性、L−リジン類似体に対する耐性及びα−アミノ酪酸耐性を有し、L−トレオニンを生産することが可能な大腸菌に属する微生物である。別の好ましい微生物群は、元来のホスホエノールピルビン酸カルボキシラーゼ(ppc)遺伝子、トレオニンオペロンに含有された酵素の他にさらに1コピー以上のホスホエノールピルビン酸カルボキシラーゼ遺伝子、及びトレオニンオペロンに含有された遺伝子thrA、thrB及びthrCが染色体DNAの中に挿入された変異微生物である。
 本発明によってL−トレオニン生成微生物の染色体に存在するfadR遺伝子をノックアウトさせる方法は、ノックアウト突然変異技術によって行うことができる。このノックアウト突然変異は、試験管内で必ずしも必要なものではないが、便利には優性選別マーカーを提供する外来DNA断片が天然染色体DNAの特定の蛋白質コード領域内に挿入され、その配列がノックアウトされることを意味する。蛋白質コード領域内におけるノックアウト突然変異は、野生型蛋白質の発現を抑制し、通常その蛋白質によって提供される機能を喪失させる。
 ノックアウトの手続は、ノックアウト遺伝子カセットを菌株の培養物と混合して行うことができる。天然的に、菌株はDNAの取り込みに対しコンピテント(competent)して形質転換することができるが、予め菌株を適切な方法によってDNA取り込みにコンピテントであるように作ることが好ましい(参照:LeBlanc et al., Plasmid 28, 130-145, 1992; Pozzi et al., J. Bacteriol. 178, 6087-6090, 1996)。ノックアウト遺伝子カセットは、選択マーカーを提供することが可能な外来DNA断片がクローニングされた天然染色体DNAのフラグメントを意味する。ノックアウト遺伝子カセットは、ゲノムDNAの切片内に外来DNA断片を導入し、この配列の野生型染色体コピーをノックアウトカセットで置き換えることにより形成される。一様態として、ノックアウトプロトコルは標的部位のDNAを含んだ「テール」がノックアウトカセットの5’及び3’末端に残っているように標的DNA内に外来DNA断片をクローニングすることを含む。テールは少なくとも50個の塩基対でなければならず、好ましくは効率的な組み換え及び/又は遺伝子転換のために200〜500個の塩基対でなければならない。便利上、標的DNA内にクローニングされた外来DNAはまた、選択マーカー、例えば抗生剤耐性遺伝子を提供する。標的DNAが抗生剤耐性遺伝子によってノックアウトされる場合、形質転換体の選択は適切な抗生物質が含有された寒天平板上で実施する。形質転換の後、ノックアウトカセットが導入された細胞分画は、そのカセットのゲノムDNAテールに沿って同種組み換え又は遺伝子転換を経ることになり、結果として、野生型ゲノム配列はノックアウトカセットで置き換えられる。ノックアウト組み換えがなされたか否かは、例えばサザンブロットハイブリダイゼーションによって容易に確認することができ、さらに便利にはPCRによって検証することができる。
 一様態として、本発明のノックアウト突然変異は、次の過程を含む。L−トレオニンを生産することが可能な菌株からゲノムDNAを分離し、これを鋳型として通常の技術を用いたポリメラーゼ連鎖反応(PCR)によってfadR遺伝子を増幅する。これにより得られたfadR遺伝子を適切なプラスミド又はその他のベクター内にクローニングし、形成された組み換えベクターを形質転換によって大腸菌のような宿主細胞内に導入する。形質転換体を培養増殖した後、これらからfadR遺伝子を有する組み換えベクターを抽出する。抽出された組み換えベクター内のfadR遺伝子に抗生剤耐性遺伝子フラグメントを挿入して、fadR遺伝子がノックアウトされた組み換えベクターを製作し、この組み換えベクターを前記のように形質転換によって宿主細胞内に導入して培養する。得た形質転換体から増殖された組み換えベクターを分離し、適切な制限酵素の処理によってfadR遺伝子のノックアウトカセットフラグメントを得る。これらのフラグメントを、L−トレオニンを生産することが可能な菌株にエレクトロポレーション(electroporation)法のような通常の技術によって導入させた後、抗生剤耐性を用いて、抗生剤マーカーを含むfadR遺伝子のフラグメントが染色体上の野生fadR遺伝子と組み換えて生長を重ねても、引き続きfadR遺伝子のノックアウト特性を有する菌株が単離される。
 当業者は、本発明のノックアウトカセット及びDNAフラグメントが一般的なクローニング方法によって製造できることを認知するであろう。本発明に係るfadR遺伝子を標的とするオリゴヌクレオチドプライマーを使用したPCR増幅方法が好ましい。PCR増幅方法は、本分野によく知られている(参照:PCR Protocols: A Guide to Method and Application, Ed. M. Innis et al., Academic Press(1990);又は米国特許第4,889,818号)。PCRはゲノムDNA、適切な酵素、プライマー及び緩衝液を含み、便利にはDNAサーマルサイクラー(DNA Thermal Cycler)(Perkin Elmer Cetus, Norwalk, Conn. USA)で実施する。陽性PCR結果は、例えば適切なサイズのDNAフラグメントをアガロースゲル電気泳動によって検出することにより決定する。
 好ましい様態として、本発明は、L−トレオニンを生産することが可能な変異菌株として、L−メチオニン類似体に対する耐性、メチオニン栄養要求性、L−トレオニン類似体に対する耐性、イソロイシンリーキー型要求性、L−リジン類似体に対する耐性及びα−アミノ酪酸耐性を有する菌株を使用する。L−メチオニン類似体としてはD,L−エチオニン、ノルロイシン、α−メチルメチオニン又はL−メチオニン−D,L−スルホキシミンが含まれる。L−トレオニン類似体としてはα−アミノ−β−ヒドロキシバレリアン酸又はD,L−トレオニンヒドロキサメートが含まれる。L−リジン類似体としてはS−(2−アミノエチル)−L−システイン又はδ−メチル−L−リジンが含まれる。
 特に好ましい様態として、本発明者は、組み換えプラスミドpT7blue/fadR及びpT7ΔfadR::loxpcatを製作してこれからノックアウトカセットΔfadR::loxpcatを収得し、この切片をL−メチオニン類似体に対する耐性、メチオニン栄養要求性、L−トレオニン類似体に対する耐性、イソロイシンリーキー型要求性、L−リジン類似体に対する耐性及びα−アミノ酪酸耐性を有する大腸菌KCCM10236にエレクトロポレーション法で形質転換させることにより、野生fadR遺伝子がノックアウトされて母菌株KCCM10236に比べて高濃度のL−トレオニンを生成する新菌株を開発した。この新菌株は大腸菌FTR1201と命名し、2002年9月16日にブダペスト協約の下に国際寄託機関Korean Culture Center of Microorganismsに寄託番号KCCM−10422で寄託された。
 本発明の新菌株は、菌株KCCM10236から誘導されたもので、菌株KCCM10236は大腸菌TF4076から誘導されたものである。L−トレオニン生産菌株としてのTF4076(KFCC10718、韓国特許公告第92−8365号)は、メチオニン要求性、トレオニン類似体(例えば、α−アミノ−β−ヒドロキシバレリアン酸、AHV)に対する耐性、リジン類似体(例えば、S−(2−アミノエチル)−L−システイン、AEC)に対する耐性、イソロイシン類似体(例えば、α−アミノ酪酸)に対する耐性、メチオニン類似体(例えば、エチオニン)に対する耐性などの特性を持っている。前記韓国特許の全体内容は本願に参考として援用される。L−トレオニンを生産するに当たって、ホスホエノールピルビン酸(phosphoenol pyruvate,PEP)はトレオニンの代謝経路の中間体であるオキサロアセテート(oxaloacetate)の前駆体である。KCCM10236菌株はL−トレオニンの生産菌株である前記大腸菌TF4076の染色体からポリメラーゼ連鎖反応によって得たホスホエノールピルビン酸カルボキシラーゼ遺伝子(phosphoenol pyruvate carboxylase gene,ppc遺伝子)とトレオニンオペロン(thr operon)を再び母菌株TF4076の染色体に挿入させることにより、TF4076の染色体DNAの中にppc遺伝子とトレオニンオペロンの数を2個に増加させた。従って、KCCM10236菌株は、PEPからトレオニン生合成の中間体であるオキサロアセテートに転換させる酵素としてのppc遺伝子の発現量と、アスパラギン酸(aspartate)からトレオニンを合成する経路関連遺伝子(thrA:aspartokinase I-homoserine dehydrogenase,thrB:homoserine kinase,thrC:threonine synthase)の発現量を増加させることにより、L−トレオニンの生産量を向上させることを特徴とする。
 トレオニン生産菌株KCCM10236からゲノムDNA(genomic DNA)を抽出する。このゲノムDNAを鋳型としてPCRを実施してfadR遺伝子を増幅する。PCRの産物をアガロースゲルで電気泳動して単離し、単離されたfadR遺伝子又はこの切片を適切なベクター内に挿入させる。形成された組み換えベクター内のfadR遺伝子に抗生剤耐性遺伝子切片を挿入させ、fadR遺伝子がノックアウトされた組み換えベクターを形成する。この組み換えベクターから抗生剤耐性遺伝子切片を含んだノックアウトfadR遺伝子又はこの切片を単離する。単離されたノックアウトfadR遺伝子又はこの断片を大腸菌KCCM10236のようなL−トレオニン生産菌株にエレクトロポレーション法のような通常の手段により形質転換させ、L−トレオニンを高収率で生成する菌株を収得する。
 本発明において、ベクターは、fadR遺伝子のノックアウトカセット又はこのフラグメントを製造する過程で外来DNAを宿主細胞に導入するのに使用される核酸分子である。一般に使用されるベクターの例としては、天然状態又は組み換え状態のプラスミド、コスミド、ウィルス及びバクテリオファージが挙げられる。
 本発明によって、fadR遺伝子がノックアウトされ且つL−トレオニンを生成することが可能な本発明の変異菌株からL−トレオニンを量産するために、その菌株を発酵させ、発酵液から目的のL−トレオニンを分離する全工程は本分野でよく知られている。L−トレオニンの生産に使用される培地としては、炭素源、窒素源、無機物質、及び菌株が要求する微量栄養素(trace amounts of nutrients)を適切に含有する限り、全ての合成培地及び天然培地を使用することができる。炭素源の例としては、グルコース、フルクトース、ラクトース、糖蜜、セルロース加水分解物及び澱粉加水分解物のような炭水化物、ピルビン酸、酢酸、フマル酸、リンゴ酸及び乳酸のような有機酸、並びにグリセリン及びエタノールのようなアルコール類を含む。窒素源の例としては、アンモニア、様々な無機酸(たとえば、塩化アンモニウム、硫酸アンモニウム、酢酸アンモニウム及びリン酸アンモニウム)、有機酸のアンモニウム塩、アミン、ペプトン、肉エキス(meat extract)、コーンスティープリカー(Corn Steep Liquor)、カゼイン加水分解物、大豆ケーキ加水分解物、様々な発酵させた細胞及びその消化物質を含む。無機物質の例としては、リン酸二水素カリウム、リン酸水素二カリウム、リン酸マグネシウム、硫酸マグネシウム、塩化マグネシウム、塩化ナトリウム、硫酸第1鉄、硫酸マンガン、硫酸銅、塩化カルシウム及び炭酸カルシウムを含む。
 培養は、例えば通気の下で振盪培養又は回転培養(spinner culture)させることにより、好気の条件下で行われる。培養温度は20〜40℃の範囲、好ましくは28〜37℃である。培地のpHは5〜9の範囲、好ましくは約中性である。pH調整は炭酸カルシウム、有機又は無機酸、アルカリ溶液、アンモニア、pH緩衝液などを用いて行う。一般に、L−トレオニンは1〜7日間培養させることにより、培養物内に形成されて蓄積される。培養のための選択的な方法は、例えば連続培養、半連続培養及び回分培養のいずれか一つである。
 培養を完了した後、細胞などの沈殿物を培養物から除去し、L−トレオニンはイオン交換クロマトグラフィー、濃縮、脱塩などを組み合わせて使用することにより除去することができる。例えば、培養ブロス(culture broth)からのL−トレオニンの回収は下記の方法で行われる。細胞を除去しようとする培養ブロスを塩酸でpH2に調整する。その後、ブロス溶液を強酸イオン交換樹脂を介して通過させ、吸着剤を希釈アンモニア水溶液で溶出させる。アンモニアを蒸発させた後、収得される溶液を濃縮させる。アルコールを濃縮物に加えた後、冷却の下に形成された結晶を収集することにより、L−トレオニンを収得することができる。
 本発明は下記の実施例でより具体的に例示されるであろう。ところが、これらの実施例は本発明の具現例に過ぎず、本発明の範囲を限定するものではない。
 組み換えプラスミド製作とこれを用いたfadR遺伝子のノックアウト
 ゲノミックチップシステム(QIAGEN Genomic-tip system)を用いてトレオニン生産菌株KCCM10236菌株からゲノムDNAを抽出し、このゲノムDNA鋳型からポリメラーゼ連鎖反応(PCR)を用いてfadR遺伝子のORF(Open Reading Frame)を含むDNAフラグメント、約0.8kbを増幅した。使用されたプライマーは5’-tcg cgg aag agt aca tta ttg-3’と 5’-atc ggg ggc gca aag aag tcc-3’であり、変性(denaturation)段階は94℃で30秒間、アニーリング(annealing)段階は55℃で30秒間、伸長(extension)段階は72℃で1分間実施し、30周期を行った。
 このPCR結果物を1.0%アガロースゲルで電気泳動した後、0.8kbサイズのバンドを溶出して得、pT7Blueクローニングベクター(Novagen Co.)のEcoRVに16℃で一晩中連結させた(図1)。これにより形成された組み換えプラスミドpT7Blue/fadRを大腸菌NM522に形質転換させ、カルベニシリン(50mg/L)入り固体培地に塗抹して37℃で一晩中培養した。
 コロニーを白金耳に付けてカルベニシリン入りの3mL液体培地に接種して一晩中培養した後、ミニプレップキット(QIAGEN mini prep kit)を用いてプラスミドDNAを抽出した。プラスミドDNAを制限酵素SacIIで処理した後、fadR遺伝子のクローニングを確認した。確認されたプラスミドpT7Blue/fadRを制限酵素SacIIで処理した後、0.8%アガロースゲルで約3.8kbサイズのバンドを溶出し、さらにクレノウ(Klenow)酵素を処理して平滑断端(blunt end)に作った。ここに、プラスミドploxpcat2(Gosset et al, A family of removable cassettes designed to obtain Ab-resistance-free genomic modifications of E. coli, Gene 247, pp255-264)を制限酵素HincIIで処理して得たloxp部分を含むクロラムフェニコール耐性遺伝子フラグメント(約1.1kb)を平滑断端連結させて組み換えプラスミドpT7ΔfadR::loxpcat(約5.0kb)を得た(図2)。
 この組み換えプラスミドpT7ΔfadR::loxpcatをNM522に形質転換させ、カルベニシリンとクロラムフェニコール(それぞれ50mg/Lと15mg/L)入り固体培地に塗抹して32℃で一晩中培養した。コロニーを白金耳に付けてカルベニシリンとクロラムフェニコール入りの3mL液体培地に接種して一晩中培養した後、ミニプレップキット(QIAGEN mini prep kit)を用いてプラスミドDNAを抽出した。このプラスミドDNAを制限酵素KpnI、PstIで処理して0.7%アガロースゲルで約2.2kbサイズのDNAフラグメントΔfadR::loxpcatを溶出した(図2)。このDNAフラグメントΔfadR::loxpcatをトレオニン生産菌株(KCCM10236)にエレクトロポレーション法で導入させてクロラムフェニコール含有の固体培地に塗抹した後、選抜したコロニーに対するフラスコ力価確認実験を行った。
 選別菌株に対する三角フラスコでのトレオニン生産力価比較実験
 抗生剤クロラムフェニコール含有の固体培地に塗抹して、選別したコロニー30株を選抜し、表1に示すトレオニン力価培地を用いて三角フラスコでトレオニンの生産性を比較した。
Figure 2004129666
 32℃の培養器でLB固体培地中に一晩中培養した単一コロニーを25mlの力価培地に1白金耳ずつ接種して32℃、250rpmで48時間培養した。分析結果を下記表2に示した。
Figure 2004129666
 コントロール菌株のKCCM10236菌株は、23g/Lである反面、fadR遺伝子が破壊された組み換え菌株は全てがコントロール菌株に比べて優れた成績を示し、これらの菌株は同様に約24〜25g/Lの収得率を示した。この結果より、濃度がコントロール菌株に比べて約8%程度向上したことを観察し、その中の一つの菌株を大腸菌FTR1201(KCCM−10422)と命名した。
 サザンブロット分析を用いたfadR遺伝子のノックアウト確認実験
 実施例2で選択した菌株のfadR遺伝子がノックアウトされたか否かを確認するために、サザンブロット分析を行った。コントロール菌株のKCCM10236菌株と前記選択されたFTR1201(KCCM−10422)菌株をクロラムフェニコール含有の3mL液体培地で一晩中培養した後、ゲノムキット(QIAGEN genomic kit 20)を用いてゲノムDNAを分離した。
 このゲノムDNAを制限酵素XmnIで一晩中切断し、0.7%アガロースゲルで電気泳動してDNAフラグメントの大きさ別に分離した。電気泳動済みのゲルを毛細管伝達 (Molecular Cloning vol 1. pp6.31-6.38)方法を用いて、DNAをナイロン膜(YOUNG Sci. Biodyne B Membrane)に付着させた。この膜を乾燥させた後、UV(120mJ/cm2、SpectroLinkerTM)を照射して、付いていたDNAを膜に固定させた(Molecular Cloning, vol 1. pp6.45)。この膜を55℃で2時間予備プレハイブリダイゼーション化溶液(prehybridization solution I)(Roche #1093657)で処理して予備ハイブリッド化させ、変性されたDNAプローブを入れた後、55℃に固定されたハイブリダイゼーションオーブン(BAMBINO 230300)内で一晩中ハイブリダイゼーションさせた。
 前記プローブは次のように準備した。QIAGENキットを用いて分離したプラスミドploxpcat2を制限酵素HincIIで処理して、loxp部分を含むクロラムフェニコール耐性遺伝子フラグメント(約1.1kb)を得た。このDNA断片を100℃の熱水で5分間加熱した後、直ちに氷で再び5分間冷却させて一本鎖DNA分子に作った。このDNAをDIG標識及び検出キット(Roche #1093657)を用いて37℃で一晩中反応させてDIG−UDP標識のDNAプローブを製造した。
 ハイブリダイゼーションが終わると、洗浄溶液I、II(Roche #1093657)を用いて、膜に非特異的にハイブリダイゼーションされたDNAを除去した。プレハイブリダイゼーション緩衝液2(Roche #1093657)を用いて常温で30分間膜をマスキングした後、DIG−UTPに特異的に結合する抗DIG抗体を添加して常温で30分間反応させた。洗浄溶液III (Roche #1093657)を用いて、非特異的に膜に付着している抗DIG抗体を除去し、前記標識及び検出キット(Roche #1093657)を用いて、バンドが現われるまで常温で発色反応させた。FLA−5000イメージシステム(FUJIFILM)を用いてイメージをスキャニングした。その結果は、図3に示す通りである。コントロール菌株KCCM10236(レイン3)ではクロラムフェニコール耐性遺伝子がないため、何のバンドも表わさなかった。反面、本発明で選択されたFTR1201(KCCM−10422)菌株(レイン2)では予想通りに約2.8kb程度のバンドが見られた。これはfadR遺伝子の一部1.7kbとクロラムフェニコール耐性遺伝子約1.1kbとを合わせて約2.8kbサイズが得られたものである。
 発酵槽を用いたトレオニン比較実験
 実施例2で選別され、実施例3で遺伝子破壊が確認された菌株FTR1201(KCCM−10422)とKCCM10236コントロール菌株を用いて5Lの発酵槽でトレオニン生産性を比較した。初期培地の組成は下記表3に示した。
Figure 2004129666
 種菌培養はLB培地にブドウ糖10g/LとL−メチオニンを0.1g/Lとなるように添加した培地を使用し、発酵槽の初期接種体積は初期培養体積の3%〜5%で調整した。追加糖は6回にわたって添加し、追加後のブドウ糖の濃度が5%となるようにし、追加時点はブドウ糖が枯渇した時点である。また、ブドウ糖を追加する際、第1リン酸カリウム(KH-2PO4)を重量基準で1%となるように添加した。初期培養体積は1.5L、最終体積は3.0L、発酵終了後に投入された総ブドウ糖の濃度は250g/Lである。撹拌速度は700〜1000rpmにし、pHと温度はそれぞれ7.0と32℃にした。培養中のpH調整は25〜28%のアンモニア水を使用した。また、通気量は0.5vvmに調整した。
 その結果は下記表4に示されている。
Figure 2004129666
 コントロール菌株は93.5g/Lのトレオニンを生産して、消費したブドウ糖に対して37.4%の収率を示す反面、本発明に係る組み換え新菌株FTR1201は102g/Lのトレオニンを生産して41%の収率を示すことにより、コントロール菌株の濃度に比べて9%の収率向上を示した。
 本発明によってfadR遺伝子がノックアウトされたL−トレオニン生成微生物はL−トレオニンの収率を増大させる。
図1は本発明に係る組み換えプラスミドpT7Blue/fadRの作製図である。 図2は本発明に係る組み換えプラスミドpT7ΔfadR::loxpcatからDNAフラグメントΔfadR::loxpcatを得た作製図である。 図3は本発明に係るノックアウトされたfadR遺伝子の染色体上における組み換えを示すサザンブロット分析(southern blotting analysis)結果である。

Claims (9)

  1.  アミノ酸L−トレオニンを生成することが可能な微生物の染色体中に存在するfadR遺伝子がノックアウトされていることを特徴とするアミノ酸L−トレオニンの生成用変異微生物。
  2.  微生物が大腸菌である、請求項1に記載の変異微生物。
  3.  大腸菌がL−メチオニン類似体に対する耐性、メチオニン栄養要求性、L−トレオニン類似体に対する耐性、イソロイシンリーキー型要求性、L−リジン類似体に対する耐性及びα−アミノ酪酸耐性を有することを特徴とする、請求項2に記載の変異微生物。
  4.  微生物が、元来のホスホエノールピルビン酸カルボキシラーゼ遺伝子、トレオニンオペロンに含有された酵素の他にさらに1コピー以上のホスホエノールピルビン酸カルボキシラーゼ遺伝子、及びトレオニンオペロンに含有された遺伝子thrA、thrB及びthrCが染色体DNAの中に挿入された菌株である、請求項1に記載の変異微生物。
  5.  変異微生物が大腸菌FTR1201(KCCM−10422)である、請求項1〜4のいずれか1項に記載の変異微生物。
  6.  ノックアウトされたfadR遺伝子又はこのDNAフラグメントを製造し、L−トレオニン生成微生物に導入させて微生物の染色体上のfadR遺伝子と組み換え、fadR遺伝子がノックアウトされた変異微生物を選別することを特徴とする、アミノ酸L−トレオニンの生成用変異微生物を製造する方法。
  7.  微生物のfadR遺伝子の内部に抗生剤マーカーを挿入してノックアウトされたfadR遺伝子又はこのDNAフラグメント。
  8.  請求項7において、ノックアウトされたfadR遺伝子のDNAフラグメントがΔfadR::loxpcatである、請求項7に記載のノックアウトされたfadR遺伝子又はこのDNAフラグメント。
  9.  請求項1による変異微生物を培養し、培養物からアミノ酸L−トレオニンを単離することを特徴とする、アミノ酸L−トレオニンを製造する方法。
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