JP2004129516A - 鮮度保持材およびその加工法 - Google Patents

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Abstract

【課題】食料品を新鮮な状態に長期間保つことのできる鮮度保持材を提供する。
【解決手段】炭酸リチウムおよび/または苦灰石と、角閃石とを含むセラミックス材料を有する鮮度保持材であって、樹脂製、紙製、布製、エラストマー製、ゴム製のいずれか1種または2種以上の組み合わせたものを主成分とし、フィルム状、シート状、ネット状、ペレット状、キャップ形状、マット形状および他の適当な成形形状のいずれか1種または2種以上の組み合わせた形態の鮮度保持材である。
【選択図】     なし

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、食料品の鮮度保持材およびその加工法に関するものである。詳しくは、野菜、果物などの植物系、魚介類(貝類、甲殻類、イカやタコなどの軟体動物などを含む)および牛、豚、鶏などの畜産物の食肉類(レバーなどの臓物等を含む)、牛乳、鶏卵などの動物系、の生鮮食料品(その加工品や調理品を含む)の鮮度保持材およびその加工法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
農産物の場合、食用に利用する植物の部位が最も食用に適した時期(完熟した時期)に収穫したもののほうが、未成熟な時期に収穫後に完熟させたものよりも味も香りもよい。しかしながら、野菜や果物などの多くは完熟するのを待たず、むしろ生育初期の未成熟な時期に収穫するものが多い。特に近年の輸送技術の発達や都市部への人口の一極集中の問題などもあり、新鮮な野菜や果物は日本全国、さらには世界各国の生産地から日本全国の各消費地まで空輸ないし陸輸されてきている。さらに我が国では複雑な流通過程が存在するため、こうした各生産地で収穫されてから最終消費者の手に届くまでかなりの日数を要するという問題もあり、生育初期の未成熟な時期に収穫する傾向がより一層強まっている。ところが、こうした野菜や果物などは収穫後もなお成長をつづけ鮮度劣化していく。収穫後に流通過程で要する日数や各過程での保存状態によっては店頭で販売される前に鮮度低下が進行し、販売期間が制約されたり、安値販売せざるを得ないなど商品価値を減じることになる。
【0003】
例えば、タケノコ、アスパラガスなどは収穫後、鮮度低下により食用とする部位の繊維化が進み硬くなると同時にリグニンなどが維管束の管壁に沈着するために苦みを呈するなど、その商品価値が低下する。
【0004】
また、ほうれん草、レタス、ネギなどの葉菜類では抽苔し、大根、牛蒡、人参などの根菜類では根の中心に空洞ができる(鬆がはいる)など鮮度低下により、その商品価値が低下する。そのため、これら現象を充分考慮する必要があった。
【0005】
また、近年の遺伝子組み替え食物などバイオ技術の急速な進歩により、トマトなどの一部の食料品では、非遺伝子組み替え食物に比べて腐敗しにくく長期間保存ができるものの米国などから輸入され市販されるようになっている。しかしながら、一方では、こうした遺伝子組み替え食物の安全性に対しては十分な研究がなされておらず、ヨーロッパ各国などでは輸入を禁止する動きもある。我が国でも、こうした遺伝子組み替え食料品に対しては表示義務が課せられるなど、多くの消費者がその安全性に懐疑的であるのが現状であり、食用に利用する植物の部位が最も食用に適した時期に収穫され、新鮮なまま鮮度保持された安全な食料品(残留農薬の心配がなく、好ましくは遺伝子組み替え食物でない食料品)が店頭(最終消費地)に提供されることを多くの消費者が強く要望している。
【0006】
さらに、一般的に細菌が繁殖するためには食料品中に利用できる水が40〜50質量%含まれていることが必要であり、またカビなどの生育には13〜20質量%の水分が必要であるが、多くの収穫後の野菜や果物などの新鮮な食料品では、こうした水分量を有するため、収穫後、新鮮なまま鮮度保持された安全な食料品を消費者に提供するには、抗菌性、防カビ性付与により、食料品の鮮度(品質)を保持し、商品価値の低下を防止する必要がある。
【0007】
そこで、これらの点を充分考慮して、収穫後、新鮮な野菜や果物などの生鮮食品を新鮮な状態により長く保つことのできる鮮度保持機能を有するフィルムの開発が望まれていた。
【0008】
こうした要望に対して、野菜や果物などの生鮮食品の鮮度を保持するための鮮度保持フィルムには多数の種類がある。例えば、母材樹脂は、一般的にポリエチレン、ポリプロピレンなどのオレフィン樹脂が多く、添加混入により練り込まれるものとしては、ゼオライト、セラミックス、さんご粉末(以上は、過熟ガス・エチレンの吸収材)、銀置換ゼオライト(抗菌性付与による腐敗防止)などの無機多孔質、界面活性剤(防曇性付与により、水滴による野菜の品質劣化防止)、ヒノキチオール(抗菌性)などの有機物がある。なかでもエチレンの吸収および銀イオンによる抗菌性付与を目的とした銀置換ゼオライト添加混入ポリプロピレンフィルムなどが数多く開発されており、一部にはさらに遠赤効果を付与するために遠赤外線を出すセラミックスを添加混入してなるものなども提案されている。
【0009】
しかしながら、これらの鮮度保持フィルムでもなお、収穫から多くの流通過程を経て市場にでるころにはその鮮度が低下しているため、どうしても、本来のおいしい野菜や果物を生産地から離れた消費者に届けることができなかった。そのため、最近では直接農家から消費者に届ける新たなマーケットも形成されつつあるが、値段が割高となるため、ごく一部の富裕層が購入できるに止まっている。
【0010】
また、一般に魚介類などの水産物は水からあげられた直後はまだ元気で生きているが、やがて動かなくなり死んでしまう。死ぬまでの時間は魚介類の種類や水揚げ後の保存状況などによって異なり、放置の仕方によっても異なるが、動かず長く生きる魚や貝類、タコ(軟体動物)、エビ、カニ(甲殻類)などと、激しく動いて死んでしまう魚やイカ(軟体動物)などもある。早ければ、10分ぐらいで遅いときでも4〜5時間後に魚体が硬くなる。この現象を死後硬直という。
【0011】
さらに死後硬直によって硬化した筋肉にある時間を経過すると次第にやわらかくなり、硬さが減ってくる。この現象を解硬という。
【0012】
魚体の組織自身の酵素による組織内の成分の分解を自己消化という。この自己消化、微生物などの作用により新鮮度が低下する過程を鮮度低下という。特に微生物の作用で腐った状態になり分解生成物が生成することを腐敗現象という。
【0013】
こうした食料品が腐るという現象は腐敗細菌などのような微生物が繁殖し、その作用で腐敗生産物ができていやな臭気になり、さらに毒性を呈するものである。こうした鮮度低下により生ずるドリップなどに対しては鮮度低下が消費者の目にとまると鮮度が良くないことがわかってしまうため、該ドリップを吸収し、容器にドリップがたまらないようにするためにドリップ吸収シートなどが開発されているが、鮮度保持目的に開発されたものではなく、鮮度低下を防止し得るものではない。そのため、魚介類等の動物系の食料品を長期間保存する方法としては、現在、瞬間冷凍技術を使って、こうした動物系の食料品の細胞が破壊されないような研究が進められているものの、高コストであるため高価な食材に適用されているが、なお多くの食料品は通常に冷凍を行うだけであるため、むしろ長期保存後に解凍する際には、細胞が破壊され、ドリップが大量に滲み出し、食味も損なわれるものであり、安価に長期保存可能な鮮度保持技術は開発されていないのが現状である。すなわち、捕獲後、自己消化、微生物などの作用による鮮度低下を防止し、新鮮な状態をより長期間維持させることで、動物系の生鮮食品の鮮度を保持することができる鮮度保持技術につき現在多くの開発が進められているが、安価な鮮度保持材に関しては十分なものは何ら提供されてないのが現状である。
【0014】
また、牛肉、豚肉、鶏肉などの畜産物などの動物系の生鮮食品においても、同様に、屠殺後死んでおり、そのまま放置すると、死亡→死後硬直→解硬・自己消化→腐敗の段階を経て鮮度が落ち、腐敗する。ただし、これら温血動物系の鮮度食品では、死後硬直を終えて自己消化にはいると、肉質は軟化し、色が良くなり、風味を帯びて非常においしくなる。これを熟成と称するが、この状態の鮮度をできるだけ長持間保持することが望ましい。よって、本発明の動物系の生鮮食品には、この熟成状態の食品を含むものとする。また、これらの牛肉、豚肉、鶏肉などの畜産物などの温血動物系の生鮮食品(特に熟成後のもの)では、細菌やかびに汚染されやすく、塾生後はできるだけ新鮮なうちに食するのが好ましいといえる。すなわち、一般的に細菌が繁殖するためには食品中に利用できる水が40〜50質量%含まれていることが必要であり、またカビなどの生育には13〜20質量%の水分が必要であるが、牛肉、豚肉、鶏肉などの動物系の生鮮食品では、こうした水分量を有するため、安全で且つ新鮮なまま鮮度保持された動物系の生鮮食品を市場(最終消費地)に提供するには、抗菌性、防カビ性による抑制作用、あるいは防曇性付与により、水滴による動物系の生鮮食品の品質劣化防止が必要となる。
【0015】
そこで、これらの点を充分考慮して、安全で且つ新鮮な魚介類や畜産物などの動物系の生鮮食品を新鮮な状態により長く保つことのできる鮮度保持機能を有するフィルムなどの鮮度保持材の開発が望まれていた。
【0016】
こうした要望に対して、新鮮な魚介類や畜産物などの生鮮食品の鮮度を保持するための鮮度保持フィルムには、上記植物系の食品に使われているものと同様なものがある。
【0017】
しかしながら、これらの鮮度保持フィルムでもなお、新鮮な魚介類や畜産物の食肉等を収穫から多くの流通過程を経て店頭にて加工して切り身や食肉として販売するころにはその鮮度が失われ、ドリップがでるため、どうしても、本来のおいしい新鮮な魚介類や畜産物の食肉等を生産地から離れた消費者に届けることができなかった。そのため、最近では直接水産市場や畜産農家から消費者に届ける新たなマーケットも形成されつつあるが、値段が割高となるため、ごく一部の富裕層が購入できるに止まっている。
【0018】
また、近年、都市部など学生や単身者が多く暮らすようになり、生活スタイルも多様化してきており、これにあわせて24時間営業しているようなコンビニエンスストアが数多く出店され、簡単で手軽に野菜や果物が食べられるように、サラダやフルーツの盛り合わせとして売られており、こうした加工・調理野菜や果物については、品質保証期限が短く設定されており購入されずに廃棄されるものも少なくなく、鮮度保持により品質保証期限を伸ばすことができれば、食材の多くを輸入にたよるわが国において、貴重な食材を無駄に廃棄するのを防ぐことができる点で重要であり、こうした加工調理品についても、長期間鮮度を保持し得る高機能な鮮度保持材が強く求められているのが現状である。同様に、生活スタイルの多様化により、一般家庭でも共働きなどが増えているため簡単に調理できる状態まで加工されて市販される食材を買い求める人が増えており、特にスーパーマーケットなどでは、魚介類をそのまま販売するのではなく切り身や刺身などに加工し、これをラップした状態で売られていることが多く、食肉類も、食べやすいようにスライスした状態のものがラップされて売られている。また、季節によっては、鍋セットとして、切り身や野菜などが加工され、簡単に調理できる状態で売られることもある。こうした加工・調理済みの新鮮な魚介類や畜産物の食肉等については、特に細胞の破壊が進行しやすく、ドリップ現象を生じさせやすく、より高い鮮度保持性を有することがより一層重要であり、こうした加工調理品についても長期間鮮度を保持し得る高機能な鮮度保持材が強く求められているのが現状である。
【0019】
また、現在使われている鮮度保持フィルムや包材には、各種の薬品添加剤(安定剤、可塑剤、酸化防止剤など)が使用されており、その多くは家庭ゴミと一緒に廃棄され焼却処理に回されることになる。こうした場合に、焼却処理の時点でダイオキシン類の発生を免れることはできない。また、最近では、ダイオキシン対策法やPL法により、ダイオキシン類を発生しない安全なプラスチックなどとして塩素を含まない樹脂及び添加剤だけを用いて製造したフィルムも開発されている。しかしながら、後述する国立環境研究所と岐阜県保健環境研究所の共同研究グループの実験から明らかなように、たとえフィルム自身に塩素を含まないようにしても、多くの食塩を含む家庭ゴミと一緒に焼却されれば、ダイオキシン類の発生源となり得る。すなわち、国立環境研究所と岐阜県保健環境研究所の共同研究グループの実験により、都市ごみの焼却のような熱化学反応によるダイオキシン類の生成のメカニズムにつき塩素(特に食塩)が関与することが実証された。これによれば、1日90kgを焼却できる小型焼却炉を使い、新聞紙や重油だけを燃やしただけだとダイオキシン類の発生量は、焼却物1g当たり1ng(=1ng/g)以下であるが、新聞紙とポリ塩化ビニルのシートを一緒に焼却するとダイオキシン類の発生量が150ng/gと急増し、同様に、新聞紙に食塩水を浸して燃やした場合もダイオキシン類の発生量が100ng/gと急増する結果が得られたというものである。さらに、食塩水を浸した新聞紙に塩素を含まないプラスチックのポリエチレンを加えて燃やしてもダイオキシン類の発生量は100ng/gと高くなることも実験で確認できたとするものである。以上の実験結果から、ダイオキシン類の発生量は、焼却物中に含まれる塩素の量と関係していると結論づけている。このことから、塩素を含まないフィルムを用いても同様の結果になることはまず間違いないと言える。従って、焼却時に周囲に塩素(食塩)が存在していてもなお、ダイオキシン類を発生させることのないフィルムは、未だ開発されていないのが現状である。なお、本明細書では、ダイオキシン対策法で法律上規定されるポリ塩化ジベンゾパラジオキシン(PCDDs)、ポリ塩化ジベンゾフラン(PCDFs)およびコプラナーポリ塩化ビフェニル(コプラナーPCB)をダイオキシン類とする。なお、ダイオキシンによる人体に対する影響について、米国の公的研究機関による最新の研究結果により、発ガン性のおそれがある物質から、極めて発ガン性の強い物質であるとの研究報告がなされ、「発ガン性物質」に加えられることになり、ダイオキシン類の発生防止技術の確立が急務となっている。
【0020】
【発明が解決しようとする課題】
そこで、本発明の目的は、食料品の鮮度保持材およびその加工法を提供するものである。
【0021】
本発明は、より具体的には、優れた遠赤外線の放射性、マイナスイオン発生能、蒸散防止能、抗菌性、防かび性、脱臭性を有し、食料品の鮮度を長期間保つことのできる鮮度保持材およびその加工法を提供するものである。
【0022】
また、本発明の目的は、上記鮮度保持に加え、さらに焼却時などの熱化学反応により生成されるダイオキシン類および塩化水素ガスの発生を抑制することのできる鮮度保持材およびその加工法を提供するものである。
【0023】
【課題を解決するための手段】
本発明者は、腐敗や臭いの原因である細菌の増殖を抑え、生鮮食品の鮮度低下を抑制することで、より長期間の鮮度保持が図れる可能性があり、収穫ないし捕獲したおいしい新鮮な果物や野菜、魚介類や畜産物の食肉等を鮮度を失うことなく提供できるとの考えに基づき、鋭意検討した結果、鮮度保持には以下のことが重要であるとの知見を得た。すなわち、収穫ないし・捕獲後の果実た野菜、魚介類や食肉類の鮮度低下や品質変化に深く関係する事象は基本的には生産物自体の生理的および生化学的変化に基づいている。この様な事象には、蒸散作用あるいは水分損失呼吸作用、エチレン作用、酸化還元作用など、即ち種々の物質代謝に伴う成分変化等が挙げられる。そして、その生理作用も複雑になる。そこで、これらに対応するため、下記表2、3に示す諸特性を兼ね備えたセラミックス材料(鉱物・岩石)を用いて食料品(果実、野菜、魚介、肉類等)に対し鮮度を保持させることのできる鮮度保持材を提供することができることを見出し、本発明を完成したものである。
【0024】
詳しくは、従来のように抗菌作用、脱臭作用、防かび作用、遠赤効果のある材料をだけでは、生鮮食料品の鮮度低下を効果的に抑制することは困難である。そこで、本発明者は、食料品の周辺で、遠赤効果を付与し、有効にマイナスイオンを発生させ、蒸散防止作用を高め、さらに高い抗菌性、防かび性および脱臭性を付与することによって、これらが総合的(相乗的)に機能して生鮮食料品の鮮度低下を効果的に抑制することができることを見出たものである。さらに塩化水素ガスおよびダイオキシン類の発生抑制に炭酸リチウムや苦灰石が有効かつ効果的であることを見いだし本発明を完成するに至ったものである。
【0025】
すなわち、本発明の上記目的は、下記(1)〜(15)により達成することかできる。
【0026】
(1) 炭酸リチウムおよび/または苦灰石と、角閃石とを含むセラミックス材料を有することを特徴とする鮮度保持材。
【0027】
(2) 前記セラミックス材料が、さらに酸化チタンを含有することを特徴とする上記(1)に記載の鮮度保持材。
【0028】
(3) 前記セラミックス材料が、さらにシリカを含むことを特徴とする上記(1)または(2)に記載の鮮度保持材。
【0029】
(4) 前記角閃石の含有量が、セラミックス材料全量に対して15〜75質量%の範囲であることを特徴とする上記(1)〜(3)のいずれか1つに記載の鮮度保持材。
【0030】
(5) 前記炭酸リチウムの含有量が、セラミックス材料全量に対して15〜50質量%の範囲であることを特徴とする上記(1)〜(4)のいずれか1つに記載の鮮度保持材。
【0031】
(6) 前記苦灰石の含有量が、セラミックス材料全量に対して20〜50質量%の範囲であることを特徴とする上記(1)〜(5)のいずれか1つに記載の鮮度保持材。
【0032】
(7) 前記酸化チタンの含有量が、セラミックス材料全量に対して2.5質量%であることを特徴とする上記(1)〜(6)のいずれか1つに記載の鮮度保持材。
【0033】
(8) 前記シリカの含有量が、セラミックス材料全量に対して2.5質量%であることを特徴とする上記(1)〜(7)のいずれか1つに記載の鮮度保持材。
【0034】
(9) 前記セラミックス材料の粒度が15μm以下の範囲であることを特徴とする上記(1)〜(8)のいずれか1つに記載の鮮度保持材。
【0035】
(10) 前記セラミックス材料の含有量が、鮮度保持材全量に対して2.5〜15質量%の範囲であることを特徴とする上記(1)〜(9)のいずれか1つに記載の鮮度保持材。
【0036】
(11) 前記鮮度保持材の形状が、フィルム形状、シート形状、ネット形状、ペレット形状、キャップ形状、マット形状および成形体形状のいずれか1種または2種以上の組み合わせであることを特徴とする上記(1)〜(10)のいずれか1つに記載の鮮度保持材。
【0037】
(12) 前記鮮度保持材が、樹脂製、紙製、布製、エラストマー製、ゴム製のいずれか1種または2種以上の組み合わせたものを主成分とすることを特徴とする上記(1)〜(11)のいずれか1つに記載の鮮度保持材。
【0038】
(13) 鮮度保持材の母材に対し、前記セラミックス材料を2.5〜15質量%の範囲で添加混入してなる材料を鮮度保持材形成原料とすることを特徴とする上記(1)〜(12)のいずれか1つに記載の鮮度保持材の加工法。
【0039】
(14) 前記セラミックス材料を2.5〜15質量%の範囲で添加混入してなる材料を鮮度保持材の基材に担持させてなることを特徴とする上記(1)〜(12)のいずれか1つに記載の鮮度保持材の加工法。
【0040】
(15) 前記セラミックス材料を2.5〜15質量%の範囲で添加混入してなる材料を鮮度保持材の基材に被覆させてなることを特徴とする上記(1)〜(12)のいずれか1つに記載の鮮度保持材の加工法。
【0041】
【発明の実施の形態】
本発明の鮮度保持材は、炭酸リチウムおよび/または苦灰石と、角閃石とを含むセラミックス材料を有することを特徴とするものである。好ましくは、炭酸リチウムおよび/または苦灰石と、角閃石と、酸化チタンと、シリカとを含むセラミックス材を有することを特徴とするものであり、より好ましくは炭酸リチウム、苦灰石、角閃石、酸化チタンおよびシリカを、食料品の周辺で、遠赤効果を付与し、有効にマイナスイオンを発生させ、蒸散防止作用を高め、さらに高い抗菌性、防かび性および脱臭性を付与することができるように、所定の配合比率にて含むセラミックス材料を適量含有することを特徴とするものである。これにより、食料品の周辺で、遠赤効果を付与し、有効にマイナスイオンを発生させ、蒸散防止作用を高め、さらに高い抗菌性、防かび性および脱臭性を付与することができ、鮮度を長期間保持することができ、長期間腐敗防止および品質低下防止を図ることができる。さらに塩化水素ガスおよびダイオキシン類の発生を抑制することができるため、鮮度保持材廃棄物を焼却しても発ガン性物質などを生じることがなく、環境にやさしいものである。すなわち、本発明に係る鮮度保持材の特性としては、放射率が90%以上、好ましくは93%以上、より好ましくは94%以上、マイナスイオン発生数が350ケ/cc/sec以上、好ましくは400ケ/cc/sec以上、より好ましくは450ケ/cc/sec以上、蒸散防止係数が90%以上、好ましくは93%以上、より好ましくは95%以上、防カビ特性評価が3であり、脱臭率および抗菌率がいずれも90%以上、好ましくは93%以上、より好ましくは94%以上という高い値を有し、これらの総合的ないし相乗的な働きにより、従来にない優れた鮮度保持効果を発現し得るものである。したがって、食料品のpH値についても、下記表5に示すように中性域(6.5〜7.4程度)を長期間保持することができるものである。
【0042】
本発明の鮮度保持材に用いることのできるセラミックス材料の主要な構成成分につき、pH、放射率、防かび性、マイナスイオン発生数、平均鮮度保持率、活性率、脱臭性および抗菌性を下記表1に示す。
【0043】
【表1】
Figure 2004129516
【0044】
ここで、明細書中の放射率(%)は、赤外法(分光器;日本分光工業株式会社製)により仮想黒体と試料(20×30×2mmの板状に加工したもの)の放射率を比較することにより求めた。より詳しくは、試料の表面温度を所定の温度(100℃)にし、仮想黒体との比較放射率を計測し求めたものである。
【0045】
明細書中のマイナスイオン発生数(ケ/cc/sec)は、マイナスイオン計測機械(株式会社ダン科学製;空気イオンカウンタ−MODEL:83−1001B−MkII)を使用して測定したものである。ここでは、試料から約5〜10cm離れた場所で測定した値を用いた。
【0046】
明細書中の蒸散防止係数(%)は、野菜(茄子、胡瓜)、果物(桃)、鮮魚(さば切り身)、肉類(牛肉)を用いて行った、いずれも略同じような結果になることから、ここでは、実験が比較的短時間で得えられる利点を有することから、桃を用いた。まず、評価基準の基礎となるとして、略同じ程度に熟した桃を収穫後に通常の発泡ポリエチレン製のフルーツキャップに入れたものの質量(M)を測定する。その後、恒温恒湿下(23〜27℃で湿度60〜70%)で1時間(対象物により適宜間隔を変更して差し支えない)ごとにその質量(M)を測定する。(M−M)/M×100=15(%)となる時点(T)を割り出す。次に、セラミックス材料を5質量%混入した発泡ポリエチレン製のフルーツキャップを用いて、算出したTまで実験を行って、(M−M)/M×100の値を算出し、蒸散防止係数(%)とした。通常、生鮮食料品は(M−M)/M×100が15(%)程度になると、その商品価値が大幅に低下するため、この値を用いた。なお、各試料ごとに略同じ程度に熟した桃10個を用いて、これらの平均値を用いた。
【0047】
明細書中の防カビ特性は、JIS Z2911(カビ抵抗試験方法)に従って行った。具体的には、培養:試料、試験片をそれぞれの規定にしたがって処理し規定のカビを接種した後、規定の条件に保って培養した。接種:試料、試験片にカビを接種するには、胞子懸湯液を噴霧器、ピペットで、試料、試験片の表面に均等にまきかけた。また、試験結果の表示は、培養の結果試料、試験片の表面に生じた菌糸の発育状態を肉眼で調べ、下記の判定法により1〜3の評価に分けた。
【0048】
カビ抵抗性(防カビ特性)の評価;
3:試料、試験片の接種した部分に菌糸の発育が認められない。
【0049】
2:試料、試験片の接種した部分に認められる菌糸の発育部分の面積は全面積の1/3を超えない。
【0050】
1:試料、試験片の接種した部分に認められる菌糸の発育部分の面積は全面積の1/3を超える。
【0051】
また、本発明での脱臭率(%)は、テドラーバッグ内に試料1g(セラミックス材料の各構成成分、セラミックス材料)及び臭いガス600mlを投入し3時間経過後のガス濃度の変化を測定し、下記式により脱臭率を求めた。なお、ガス種には、アルカリ性ガスとしてアンモニア、酸性ガスとして硫化水素を使用した。尚、ガス濃度は、アンモニアは、吸光光度法ないし電位差計を用い、硫化水素は、ガスクロマトグラフ分析計ないし炎光光度検出器を用いて行った。
【0052】
【数1】
Figure 2004129516
【0053】
脱臭率(%)=((ブランクガス濃度−試料ガス濃度)/ブランクガス濃度)×100
本明細書中の抗菌率(%)は、日本防菌防黴学会で認定されている測定法を用いるものとする。すなわち、菌類(球菌;ブドウ球菌、桿菌;大腸菌)に対する抗菌率に関しては、セラミックスおよびセラミックス材料の試料につき、シェーク法により測定した。この測定法の概要を以下に簡単に説明する。
【0054】
シェーク法;粉末形態の加工製品等に適用し得る抗菌力評価方法であって、リン酸緩衝液中に試料と、供試菌とを共存させ、一定の時間(例えば、0.5時間)振とう後に生残菌数を測定するものである。すなわち、水溶液中に分散させた試料と供試菌とを振とうにより強制的に接触作用させて効果を確認する方法である。
【0055】
本発明の鮮度保持材に用いることのできるセラミックス材料では、食料品(加工・調理品を含む)、なかでも食用に適した時期に収穫された野菜、果物、魚介類、肉類などの生鮮食品およびそれらを含む加工・調理品に対して、高い放射性、マイナスイオン発生能、蒸散防止作用、防かび性、高活性、脱臭性、防かび性、抗菌性を有することにより、これらの食料品(加工・調理品を含む)を新鮮な状態に長期間保つことができる。さらにセラミックス材料中に、所定の割合で炭酸リチウムや苦灰石を含有する場合には、鮮度保持材を廃棄し燃焼する際にダイオキシン類および塩化水素ガスの発生を抑制する効果をも奏することができるものである。また、これらセラミックス材料では、いずれも鉱物資源を利用したものであり、比較的安価に安定して供給されるものであり、また食品添加物としても使用されるなどその安全性が高く食料包装材等に安心して利用できる。また、好物資源ゆえ環境汚染などの問題を起こす心配もないものである。
【0056】
上記セラミックス材料の配合成分の1つである角閃石は、上記表2に示すとおり、生鮮食料品の鮮度低下の原因の1つである蒸散防止作用に優れ、さらにマイナスイオンの発生数(発生能力)及び遠赤外線の放射率が極めて高いものである。また、他のセラミックス成分と混合してセラミックス材料にして鮮度保持材に用いた場合でもこれらの特性を発揮できる。また、角閃石は安定した鉱物であるため、長期間その効力を維持できるものである。
【0057】
上記角閃石の含有量は、セラミックス材料全量に対し通常2.5〜85質量%、好ましくは5〜80質量%、より好ましくは15〜75質量%の範囲である。角閃石の含有量が2.5質量%未満の場合には、角閃石の持つ高い遠赤外線の放射性、マイナスイオン発生特性(周囲の空気をマイナスイオン化する特性)、蒸散防止作用が有効に活用できず、上記した各種特性の相互作用としてもたらされる鮮度保持効果が十分に発揮し得ない虞れがある。一方、角閃石の含有量が85質量%を越える場合には、遠赤外線の放射性、マイナスイオン発生特性(周囲の空気をマイナスイオン化する特性)、蒸散防止作用は十分に確保される反面、炭酸リチウム、苦灰石、酸化チタンなどの含有量が相対的に低下するため、十分な防カビ性、抗菌性、脱臭性、活性率を発現させることが困難となり、やはり上記した各種特性の相互作用としてもたらされる鮮度保持効果が十分に発揮し得ない虞れがあるほか、塩化水素ガス(ひいてはダイオキシン類)の発生抑制特性を有効に発現させることが困難となるおそれがある。
【0058】
上記セラミックス材料の成分の1つである苦灰石は、下記表2に示すとおり、蒸散防止作用、防カビ特性、脱臭率、抗菌率が高く、他のセラミックス成分と混合してセラミックス材料にして鮮度保持材に利用する場合には、遠赤外線の放射率、マイナスイオン発生能力を補完することで、これらすべての特性をバランス良く発現させることができる。
【0059】
本発明に用いることのできる苦灰石には、未焼成の苦灰石、焼成した苦灰石および該焼成した苦灰石と同様のCaO/MgO組成を持つ共生鉱物の少なくとも1種が含まれるものである。未焼成の苦灰石とは、一般にカルシウムとマグネシウムの複合炭酸塩CaMg(COまたはこれを主成分とする岩石をいう。この未焼成の苦灰石を加熱すると700〜800℃でMgCO分が分解してCOを放出し、主に炭酸カルシウム(CaCO)と酸化マグネシウム(MgO)の焼成物(焼成した苦灰石の1種)となり、さらに900〜950℃でCaCOが分解してCOを放出し、主に酸化カルシウム(CaO)と酸化マグネシウム(MgO)の焼成物(焼成した苦灰石の他の1種)となる特性を有している。苦灰石は、蒸散防止作用、防カビ特性、脱臭率、抗菌率を有するものであって、さらに簡単に製造することができ、極めて安価であり、安全性に優れ、触媒的に母材原料の樹脂等を劣化させることもなく、耐光性、耐熱性にも優れるものである。好ましくは未焼成の苦灰石を900〜1200℃、特には1000〜1100℃の温度で焼成してなる苦灰石を含有するものが望ましい。さらに、未焼成の苦灰石や焼成した苦灰石を含有する組成物を適当な方法によって焼結してもよい。適当な粒度の苦灰石を製造する方法としては、適当な比率で配合された苦灰石を含有する組成物を、混合機及び粉砕機に順次複数回にわたって投入して、該組成物を所定の粒度に揃えかつ均一に混合することで得られる。さらに焼成した苦灰石を含有する組成物では、しかる後に900℃以上の温度で焼成するなどしてもよいほか、未焼成の苦灰石を900℃以上、より好ましくは900〜1200℃、特には1000〜1100℃の温度で焼成して、焼成した苦灰石とし、さらに他の組成物成分(焼成した苦灰石を含む場合には、未焼成の苦灰石を700〜800℃での焼成温度で焼成しておく。)を適当な比率で配合し、混合機及び粉砕機に順次複数回にわたって投入して、該組成物を所定の粒度に揃えかつ均一に混合し、しかる後200〜500℃の焼成温度で焼成するなどしてもよい。
【0060】
苦灰石として焼成した苦灰石や共生鉱物を配合したセラミックス材料を具備する鮮度保持材では、使用済みのものを廃棄物として焼却した際に、周辺に塩素化合物が存在する一般的な都市ゴミ等の焼却処理の環境下においても、苦灰石として焼成した苦灰石や共生鉱物を含有する各種製品と塩化物(食塩やポリ塩化ビニル樹脂材など)との熱化学反応によりダイオキシン類および塩化水素ガス(酸性雨の原因でもあり、急性毒性を持つ)が発生するのを効果的に抑制することができるものである。このことは、現在問題になっている塩化物(例えば、食塩やポリ塩化ビニルやポリ塩化ビニリデン等)を焼却するような場合に、ダイオキシン類および塩化水素ガスの発生を効果的に抑制することができるものである。こうしたダイオキシン類の生成機構は十分に解明されていないが、少なくとも焼成した苦灰石や共生鉱物が関与することで、毒性の高いダイオキシン類および塩化水素ガスの生成を妨げることができる。本発明者は、焼成した苦灰石や共生鉱物の場合に、後述する炭酸リチウムと同様に、ダイオキシン類ないしその前駆体の発生の一因となっている塩素(ないし塩化水素ガス)と直接的に熱化学反応して、あるいは塩素(ないし塩化水素ガス)との熱化学反応に触媒的に作用してダイオキシン類やその前駆体以外の安定な化合物にすることによってダイオキシン類の発生を抑制することができると推論するものである。
【0061】
また、苦灰石の純度に関しては、例えば、純度99.999%のような高純度でなくてもよく、例えば、未焼成の苦灰石を例にとれば、原産地である栃木県南西部の葛生地区などにおいて採鉱される際の純度ないしその後の簡単な精製により得られる程度(純度95〜98%程度)であればよい。これは本発明者が苦灰石につき実験を行った結果、若干不純物を含有しているものであっても使用時に、表2に示す十分に高い特性を奏し、さらに焼却時のダイオキシン発生抑制作用を奏することがわかったためであり、さらにコスト的にも有利である。また、不純物には、鉛などの人体に有害な物質は含まれておらず、食品包装材などに利用可能なことがわかったためである。
【0062】
上記苦灰石の含有量は、セラミックス材料全量に対し通常10〜60質量%、好ましくは20〜50質量%、より好ましくは15〜30質量%、特に好ましくは15〜25質量%の範囲である。苦灰石の含有量が10質量%未満の場合には、苦灰石の持つ高い蒸散防止作用、防カビ特性、脱臭性、抗菌性が有効に活用できず、他の有効成分との複合化(併用)によっても、上記した各種特性の相互作用(相乗作用)としてもたらされる鮮度保持効果が十分に発揮し得ない虞れがあり、鮮度保持材の性能低下を招く恐れが生じる場合がある。また鮮度保持材を廃棄し焼却する際に塩化水素ガスやダイオキシン類等の発生を十分に抑制するのが困難な場合もある。一方、苦灰石の含有量が60質量%を越える場合には、蒸散防止作用、防カビ特性、脱臭性、抗菌性は十分に確保される反面、炭酸リチウム、角閃石、酸化チタンなどの含有量が相対的に低下するため、十分な遠赤外線の放射性、マイナスイオン発生特性(周囲の空気をマイナスイオン化する特性)、活性率を発現させることが困難となり、やはり上記した各種特性の相互作用としてもたらされる鮮度保持効果が十分に発揮し得ない虞れがある。
【0063】
上記セラミックス材料の成分の1つである炭酸リチウムは、上記表2に示すとおり、蒸散防止作用、防カビ特性、脱臭率、抗菌率が高く、他のセラミックス成分と混合してセラミックス材料にして鮮度保持材に利用する場合には、遠赤外線の放射率、マイナスイオン発生能力を補完することで、これらすべての特性をバランス良く発現させることができる。
【0064】
上記炭酸リチウムを配合したセラミックス材料を有する鮮度保持材を廃棄物として焼却した際に、周辺に塩素化合物が存在する一般的な都市ゴミ等の焼却処理の環境下においても、炭酸リチウムを含有する各種製品と塩化物(食塩やポリ塩化ビニル樹脂材など)との熱化学反応によりダイオキシン類および塩化水素ガス(酸性雨の原因でもあり、急性毒性を持つ)が発生するのを効果的に抑制することができるものである。このことは、現在問題になっている塩化物(例えば、食塩やポリ塩化ビニルやポリ塩化ビニリデン等)を焼却するような場合に、ダイオキシン類および塩化水素ガスの発生を効果的に抑制することができるものである。こうしたダイオキシン類の生成機構は十分に解明されていないが、少なくとも本発明のセラミックス材料の炭酸リチウムが関与することで、毒性の高いダイオキシン類および塩化水素ガスの生成が妨げられるものと考える。本発明者は、セラミックス材料の炭酸リチウムがダイオキシン類ないしその前駆体の発生の一因となっている塩素(ないし塩化水素ガス)と直接的に熱化学反応して、あるいは塩素(ないし塩化水素ガス)との熱化学反応に触媒的に作用してダイオキシン類やその前駆体以外の安定な化合物にすることによってダイオキシン類の発生を抑制することができると推論するものである。
【0065】
なお、セラミックス材料では、上記炭酸リチウム以外のリチウム化合物も同じような性能(程度の差はある)を発現できることから、人体に対し安全で無害であれば使用することができる。
【0066】
ここで、リチウムは地球上に広く分布しており、鉱物、岩石、土壌および自然水中に微量存在する。特に主要鉱石はリチア雲母、リチア輝石、ペンタライトなどである。現在、リチウム鉱の原鉱として用いられているものは、ウロコ雲母、リシア輝石、ペタル石、ユークリプタイト、ベニウンモ、チンワルドウンモ、マナンドナイト、トリフィル石、リシオフィライト、アンブリゴ石(LiAl(FePO4 ))、フレモンタイト、シックラー石などである。こうしたリチウムを含有する鉱物は、燐酸、砒酸、バナジン酸ないし珪酸塩等を含む鉱物である。下記表2にリチウムを含有する鉱物をはじめとするリチウム化合物を示す。
【0067】
【表2】
Figure 2004129516
【0068】
よって、本発明に用いることのできる炭酸リチウム、その他のリチウム化合物には、こうしたリチウムを含有する鉱物、該鉱物から所定の加工工程を経て製造された炭酸リチウム、その他のリチウム化合物のほか、天然の鹹水から製造(回収)された炭酸リチウムなどのリチウム化合物も含まれるものである。好ましくはリチウム化合物中に占めるリチウム含量比率が大きなものである。とりわけ炭酸リチウムは、リチウム電池の大量生産に伴い原料資材も安価なものとなっており、安価に生産でき、また安全性に優れ、触媒的にプラスチック等に使用した場合でも母材の樹脂等を劣化させることもなく、耐光性、耐熱性にも優れたものである。
【0069】
こうした炭酸リチウム、その他のリチウム化合物の製造方法に関しては、特に制限されるものではなく、従来公知の製造技術を適当に利用することで得ることができる。すなわち、炭酸リチウムを例にとれば、(1)採鉱、破砕(粗、中、細)、湿式粉砕(すいひ)、選鉱(重液および浮遊など)を経て得られたリチウム鉱石(リシア輝石、リシア雲母などのアルミノ珪酸塩;本発明のリチウム化合物にはこれらリチウム鉱物も含む。)の粉末を約1100℃でか焼したのち、硫酸を添加し250℃でばい焼して水溶性の硫酸リチウムを生成させる。これを水で浸出し、浸出液にpH調整、精製、濃縮などの操作を加えたのち、炭酸ナトリウム溶液を添加して炭酸リチウムの沈澱を析出させ、分離、洗浄、乾燥する方法、(2)濃縮、精製した鹹水に炭酸ナトリウム溶液を添加して炭酸リチウムを沈澱させ、これを回収する方法等が利用できる。
【0070】
また、こうした炭酸リチウム、その他のリチウム化合物の純度に関しては、例えば、純度99.999%のような高純度でなくてもよく、例えば、炭酸リチウムを例にとれば、原産国である米国などから輸入される際の純度ないしその後の簡単な精製により得られる程度(純度95.0〜98.0%程度)であれるほうがむしろ望ましいと言える。これは本発明者が炭酸リチウムにつき実験を行った結果、高純度のものよりも、むしろ若干不純物を含有しているものの方が抗菌性やダイオキシン発生抑制効果が高くなることがわかったためであり、さらにコスト的にも有利である。
【0071】
上記炭酸リチウムの含有量は、セラミックス材料全量に対し通常10〜60質量%、好ましくは15〜50質量%、より好ましくは15〜30質量%、特に好ましくは15〜25質量%の範囲である。炭酸リチウムの含有量が10質量%未満の場合には、炭酸リチウムの持つ高い蒸散防止作用、防カビ特性、脱臭性、抗菌性が有効に活用できず、他の有効成分との複合化(併用)によっても、上記した各種特性の相互作用(相乗作用)としてもたらされる鮮度保持効果が十分に発揮し得ない虞れがあり、鮮度保持材の性能低下を招く恐れが生じる場合がある。また鮮度保持材を廃棄し焼却する際に塩化水素ガスやダイオキシン類等の発生を十分に抑制するのが困難な場合もある。一方、炭酸リチウムの含有量が60質量%を越える場合には、蒸散防止作用、防カビ特性、脱臭性、抗菌性は十分に確保される反面、苦灰石、角閃石、酸化チタンなどの含有量が相対的に低下するため、十分な遠赤外線の放射性、マイナスイオン発生特性(周囲の空気をマイナスイオン化する特性)、活性率を発現させることが困難となり、やはり上記した各種特性の相互作用としてもたらされる鮮度保持効果が十分に発揮し得ない虞れがある。
【0072】
なお、上記炭酸リチウム以外の他のリチウム化合物の含有量については、炭酸リチウムと同様に、セラミックス材料全体に対して通常通常10〜60質量%、好ましくは15〜50質量%、より好ましくは15〜30質量%、特に好ましくは15〜25質量%の範囲である。これらリチウム化合物の含有量が10質量%未満の場合には、セラミックス材料を使用した鮮度保持材にリチウム化合物が持つ高い蒸散防止作用、防カビ特性、脱臭性、抗菌性を有効かつ効果的に発揮させることが困難な場合がある。また鮮度保持材を廃棄し焼却する際に塩化水素ガスやダイオキシン類の発生を十分に抑制するのが困難な場合がある。また、他の有効成分を併用する際に相乗的な効果が十分に発揮されないおそれがある。一方、リチウム化合物の含有量が60質量%を超える場合には、他の有効成分の含有量が制限されるため、遠赤外線の放射性(=高い放射率を有する)、マイナスイオン発生能、蒸散防止作用、防カビ特性、脱臭性、抗菌性の全てについてバランスよく発揮し、かつ焼却時にダイオキシン類およびその前駆体(塩化水素等の塩素化合物や塩素系ガス)の発生抑制作用を発揮するのが困難な場合がある。
【0073】
上記セラミックス材料の成分の1つであるシリカ(ケイ酸塩鉱物を含む)は、下記表2に示すとおり、放射率及び脱臭率が極めて高い値を示している。そのため、他のセラミックス成分と混合してセラミックス材料にして鮮度保持材に用いた場合、放射性及び脱臭率を比較的高く保持できるものである。
【0074】
上記シリカの含有量は、セラミックス材料全量に対し通常0.5〜10質量%、好ましくは1〜5質量%、より好ましくは2〜4質量%、特に好ましくは2.5±0.5質量%の範囲である。シリカの含有量が0.5質量%未満の場合には、シリカの持つ高い遠赤外線の放射性、蒸散防止作用及び脱臭力を有効かつ効果的に発揮させるのが困難な場合がある。また、他の有効成分である苦灰石、角閃石、炭酸リチウム、酸化チタン等との併用(複合化)に際し、相乗的な効果が十分に発揮されないおそれがある。一方、シリカの含有量が10質量%を超える場合には、他の有効成分である苦灰石、角閃石、酸化チタン、炭酸リチウム等の含有量が制限されるため、シリカが持ち合わせていないマイナスイオン発生能力、防カビ特性、抗菌性等を十分に補填することが困難となる場合があり、遠赤外線の放射性、マイナスイオン発生数(発生能力)、蒸散防止作用、防カビ特性、抗菌率および脱臭率といった諸特性をバランスよく、効果的に発揮するのが困難な場合がある。
【0075】
上記セラミックス材料の成分の1つである酸化チタンは、下記表2に示すとおり、放射率が最も高く、さらに表2の欄外に記載したように活性率100%を有するものである。そのため、他のセラミックス成分と混合してセラミックス材料にして鮮度保持材に用いた場合、放射性を比較的高く保持できるほか、他の成分活性を高めることができる点で有用である。上記酸化チタンには、チタン鉱物などを含んでいてもよい。
【0076】
上記酸化チタンの含有量は、活性特性を有効に発現できる適量を含有させることが有効かつ効果的であり、セラミックス材料全量に対して、通常0.5〜10質量%、好ましくは1〜5質量%、より好ましくは2〜4質量%、特に好ましくは2.5±0.5質量%の範囲である。酸化チタンの含有量が0.5質量%未満の場合には、酸化チタンの持つ高い放射率及び活性特性を有効かつ効果的に発揮させるのが困難な場合がある。また、他の有効成分である苦灰石、角閃石、炭酸リチウム、シリカ等との併用に際し、相乗的な効果が十分に発揮されないおそれがある。一方、酸化チタンの含有量が10質量%を超える場合には、他の有効成分である苦灰石、角閃石、炭酸リチウム、シリカ等の含有量が制限されるため、酸化チタンが持ち合わせていない高いマイナスイオン発生能力や蒸散防止作用、防カビ特性、脱臭性、抗菌性を十分に補填することが困難となる場合があり、これらの諸特性をバランスよく、効果的に発揮するのが困難な場合がある。
【0077】
上記したようにセラミックス材料は、所望の特性を有効に発現し得るように必須成分、さらには任意成分を上記に規定する含有量の範囲で加えて複合化(=多機能化)することによって、その鮮度保持材の特性が増すものである。
【0078】
すなわち、上記表1に示すようにセラミックス材料の構成成分ごとにその特性が異なるため、各セラミックス材料の成分毎の特性を充分検討して所望のセラミックス材料の成分混合比率を決めることが望ましく、放射率、マイナスイオンの発生特性、蒸散防止作用、防カビ性、脱臭率、抗菌率、活性特性、さらにダイオキシン類および塩化水素ガスの発生抑制特性などを充分考慮すると共に、使用用途に適した色合いが出せるように、求める特性に合致するセラミックス材料を作ることが望ましい。上記表1にあげたセラミックスを複合化することによってそれぞれの特性を相乗化したセラミックス材料の例として下記表3にセラミックス材料1〜7を例示する。また、下記表4には、表3のセラミックス材料1〜7における放射率、マイナスイオン発生数、蒸散防止係数、防カビ特性、脱臭率および抗菌率の特性を示す。
【0079】
【表3】
Figure 2004129516
【0080】
【表4】
Figure 2004129516
【0081】
上記表4に示すように、複合化されたセラミックス材料1〜7の特性は、遠赤外線の放射性を有し、更にマイナスイオンの発生体であり、脱臭、抗菌力及び防カビ性に富んでいる。なお、複合化されたセラミックス材料1〜7の特性は、本発明の最大の目的である、果実、野菜及び魚類・肉類などの食料品の収穫ないし捕獲後の鮮度保持にある。
【0082】
この点については、上記諸特性に加え、さらに食料品等の含有する含有水分に対しては蒸散防止の作用がある。即ち食料品の付着水及び自由水に対しての作用効果を有するものである。
【0083】
更に食料品のpH値を中性域に保持させる特性を併せ有している。下記表5に上記セラミックス材料1〜7による食料品のpH値を示す。
【0084】
【表5】
Figure 2004129516
【0085】
上記表5の食料品のpHは、セラミックス材料を5質量%含有したフルーツキャップに生鮮食料品を入れ、上記蒸散防止係数を求める際に求めた時間Tが経過後に、該生鮮食料品を取り出し、生鮮食料品をミキサー等でジュースにした直後に、その液汁のpHを測定した値を示す。なお、生鮮食料品には、桃10個づつを用い(蒸散防止係数の測定で使用したもの)、これらのpH値の範囲を示した。
【0086】
食料品を収穫・捕獲後は、保水力、pH変化を中性域に置くことが望ましいが、本発明の鮮度保持材を用いることにより、上記表5から明らかなように、食料品の収穫・捕獲後に、保水力、pH変化を中性域に置くことができるものである。また、本発明のセラミックス材料は、上記表3、4に示すように、優れた遠赤外線の放射性、マイナスイオン発生能、蒸散防止作用、防カビ力、脱臭性および抗菌性を有している。
【0087】
詳しくは、本発明の鮮度保持材に用いることのできるセラミックス材料の(遠赤外線の)放射率は、その組み合わせにもよるが、通常90%以上、好ましくは93%以上、より好ましくは94%以上である。該放射率が90%未満の場合には、これを用いて形成させた鮮度保持フィルムや包装材などの鮮度保持材により食料品に対して有効な鮮度保持効果を発現させるのが困難な場合がある。
【0088】
本発明の鮮度保持材に用いることのできるセラミックス材料のマイナスイオン発生数は、構成成分の組み合わせ、配合比率にもよるが、350ケ/cc/sec以上、好ましくは400ケ/cc/sec以上、より好ましくは450ケ/cc/sec以上である。マイナスイオン発生数が350ケ/cc/sec未満の場合には、これを用いて形成させた鮮度保持フィルムや包装材などの鮮度保持材により食料品に対して有効な鮮度保持効果を発現させるのが困難な場合がある。
【0089】
本発明の鮮度保持材に用いることのできるセラミックス材料の蒸散防止係数は、構成成分の組み合わせ、配合比率にもよるが、90%以上、好ましくは93%以上、より好ましくは95%以上である。食料品、特に生鮮食品の平均鮮度保持率が90%未満の場合には、これを用いて形成させた鮮度保持フィルムや包装材などの鮮度保持材により食料品に対して有効な鮮度保持効果を発現させるのが困難な場合がある。
【0090】
本発明の鮮度保持材に用いることのできるセラミックス材料の防カビ特性(JIS Z 2911)は、構成成分の組み合わせ、配合比率にもよるが、3である。食料品の防カビ特性が2以下の場合には、これを用いて形成させた鮮度保持フィルムや包装材などの鮮度保持材に同様の防カビ特性、ひいては鮮度保持効果を発現させることが困難であり、食料品に対して有効な防カビ効果が十分発揮できないおそれがある。
【0091】
本発明の鮮度保持材に用いることのできるセラミックス材料の脱臭率は、脱臭対象(酸系ないしアルカリ系)やセラミックス材料の組み合わせにもよるが、90%以上、好ましくは93%以上、より好ましくは94%以上である。該脱臭率が90%未満の場合には、これを用いて形成させた鮮度保持フィルムや包装材などの鮮度保持材において、ある程度その性能が低下することから、鮮度保持フィルムや包装材などとして利用する上で十分な脱臭効果が認められないおそれがある。
【0092】
本発明の鮮度保持材に用いることのできるセラミックス材料の抗菌率は、抗菌対象(大腸菌やブドウ球菌など)やその組み合わせにもよるが、90%以上、好ましくは93%以上、より好ましくは94%以上である。該抗菌率が90%未満の場合には、これを用いて形成させた鮮度保持フィルムや包装材などの鮮度保持材において、ある程度その性能が低下することから、鮮度保持フィルムや包装材などとして利用する上で十分な抗菌効果が認められないおそれがある。
【0093】
本発明の鮮度保持材に用いることのできるセラミックス材料の塩素(塩化水素ガス)の分解率(後述する実施例のダイオキシン類の発生抑制特性に強く関係するものである。)は、その組み合わせにもよるが、通常95%以上、好ましくは98%以上、より好ましくは99%以上である。該分解率が、95%未満の場合には、これを用いて形成させた鮮度保持フィルムや包装材などの鮮度保持材を焼却する際に、ダイオキシン類および塩化水素ガスの発生を十分に抑制することが困難である。
【0094】
次に、本発明の鮮度保持材に用いられる上記セラミックス材料の含有量は、使用形態により異なるため一義的に規定することはできないが、セラミックス材料の持つ機能を有効かつ効果的に発現し得る範囲であれば、特に制限されるものではない。具体的には、鮮度保持フィルムでは、セラミックス材料の含有量は、鮮度保持材全量に対し2〜30質量%、好ましくは2.5〜15質量%、より好ましくは4〜8質量%、特に好ましくは5〜7質量%の範囲である。セラミックス材料の含有量が、鮮度保持材全量に対し2質量%未満の場合には、セラミックス材料の持つ多機能特性を十分に発揮させることができず、鮮度保持効果が十分に得られないおそれがある。一方、セラミックス材料の含有量が、鮮度保持材全量に対し30質量%を越える場合には、材料の強度や材料の透明性が低下する場合がある。なお、鮮度保持材の使用形態が、他のシート材や成型材などによる食品包装材、食品保護材、食品緩衝材などの場合においても、上記フィルム形態での含有量の範囲内もしくはそれ以上の使用が可能であり、使用形態ごとに事前に簡単な予備実験などを行うことで、最適な含有量の範囲を知ることができるので、ここでの使用形態ごとの最適な含有量の開示は省略する。
【0095】
本発明の鮮度保持材に用いることのできるセラミックス材料の粒度も、使用形態により異なるため一義的に規定することはできないが、セラミックス材料の持つ機能を有効に発現し得る範囲であれば特に制限されるものではなく、通常15μm以下、好ましくは10μm以下、より好ましくは5μm以下の範囲である。セラミックス材料の粒度が15μmを越える場合には、使用形態によっては、その成形が困難となったり、材料の強度が低下する場合が生じるおそれがある。なお、下限については特に制限されるものではない。これは、(1)セラミックス材料を微粉末の状態で鮮度保持材形成原料に添加し、成形加工することで鮮度保持フィルムや鮮度保持シートなどの鮮度保持材を製造しても、また(2)既存の食品包装フィルムや包装シートなどの表面に該鮮度保持材形成原料をコーティングするなどして多層構造の鮮度保持フィルムや鮮度保持シートなどの鮮度保持材を製造しても、十分にその特性を発現できるためである。セラミックス材料は、鮮度保持材に分散させた状態(一部は表面に露出している)で有効に多機能性を示すことから、何らかの触媒作用が働くか、あるいは全く別の新規な作用機序によるものといえる。このことは、本発明者が、セラミックス材料の上に包装シートを載せ、該包装シートの上に生鮮食品をおいたものと、包装シートの上に生鮮食品をおいたものとで実験を行った結果、セラミックス材料を包装シートの下に敷いたものの方が、鮮度保持期間が長くなるという知見を得ることができた。このことから、セラミックス材料が直接生鮮食品に接していなくとも効果が現れたことを考えると、鮮度保持材に分散されたセラミックス材料も鮮度保持に影響を与えているものと思われる。
【0096】
本発明の鮮度保持材は、上記セラミックス材料を適量含有するものであればよく、各種樹脂(プラスチック)製(発泡樹脂ないしプラスチック製を含む)、紙製、布製、エラストマー・ゴム製、木材製などのいずれか1種または2種以上を組み合わせたものを主成分としてなるものであり、食料品の鮮度保持に供される各種包装材、保護材、緩衝材などとして幅広く利用できるものである。さらに、樹脂製、紙製、布製、エラストマー・ゴム製、木材製などのいずれか1種または2種以上を組み合わせたものを主成分とする鮮度保持材は、さらにアルミニウムなどの金属を蒸着したものなど従来公知の各種材料を用いてなる積層構造(ラミネート構造)としたものであってもよい。
【0097】
本発明の鮮度保持材の他の構成成分は、上記樹脂製、紙製、布製、エラストマー・ゴム製、木材製などにより異なるものであるが、従来公知の各種母材成分および添加剤が使用できることは言うまでもない。樹脂およびゴム製品を例に挙げれば、まず、主成分である母材樹脂成分または母材ゴム成分としては、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、ポリ−p−キシリレン、ポリ酢酸ビニル、ポリアクリレート、ポリメタクリレート、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、フッ素系プラスチック、ポリアクリロニトリル、ポリビニルエーテル、ポリビニルケトン、ポリエーテル、ポリカーボネート、熱可塑性ポリエステル、ポリアミド(ナイロン類)、ジエン系プラスチック、ポリウレタン系プラスチック、耐熱性高分子(芳香族ポリアミド、ポリフェニレン、ポリキシリレン、ポリフェニレンオキシド、ポリスルホン、芳香族ヘテロ環ポリマー、はしご型ポリマーなど)等の熱可塑性樹脂(熱可塑性プラスチック)、フェノール樹脂、フラン樹脂、キシレン・ホルムアルデヒド樹脂、ケトン・ホルムアルデヒド樹脂、尿素樹脂、メラミン樹脂、アニリン樹脂、アルキド樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、エポキシ樹脂、トリアリルシアヌレート樹脂、トリス(2−ヒドロキシエチル)イソシアヌレートのホルムアルデヒド樹脂、アクロレイン系樹脂、トリアジン系樹脂等の熱硬化性樹脂(熱硬化性プラスチック)、天然ゴム系プラスチック、セルロース系プラスチック、タンパク質系プラスチック、デンプンからのプラスチック等の天然プラスチック、パルプ、天然ゴム、合成ゴム等が挙げられ、例としては、ポリテトラクロロエチレン、ポリジメチルシロキサン(シリコン)、ブチルゴム、ポリプロピレン、ポリエチレン、水素添加ポリブタジエン、ポリブタジエン/スチレン(85/15、75/25、60/40)、ポリイソブチレン、ポリブタジエン、ポリブチルアクリレート、ポリエチレルヘキシルメタクリレート、ポリエトキシメチルメタクリレート、ポリプロピルアクリレート、ポリスチレン、ポリサルファイド(チオコールゴム)、ポリスチレンジビニルベンゼン、ポリメチルメタクリレート、ネオプレン、ポリブタジエン/アクリロニトリル(75/25)、ポリエチルアクリレート、ポリメチルアクリレート、ポリウレタン、エチルセルロース、ポリビニルクロルアセテート、ポリエチレングリコールテレフタレート(テトロン)、セルロースジアセテート、セルロースジニトレート、ポリメチレノキサイド(デルリン)、ポリビニルデンクロライド(サラン)、ポリメタアクリロニトリル、ポリアクリロニトリル等が例示できる。特に、フィルムおよびシート材料に適するものとしては、例えば、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン(ABS);アクリロニトリル−アクリル酸メチル共重合体(ゴム変成品);セロハン(再生セルロース);エチルセルロース、酢酸セルロース、酢酸酪酸セルロース、プロピオン酸セルロース、三酢酸セルロース等のセルロース類;エチレン−テトラフルオロエチレン共重合体(ETFE)、テトラフルオロエチレン−ヘキサフルオロプロピレン共重合体(FEP)、ポリクロロエチレン−トリフルオロエチレン共重合体(PCTFE)、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、ポリフッ化ビニル(PVF)等のフッ素系プラスチック;アイオノマー;ナイロン−6、ナイロン−6,6、ナイロン−11、ナイロン−12等のポリアミド;ポリブチレン;ポリカーボネート;ポリエステル(ポリエチレンテレフタレート);低密度ポリエチレン(LDPE)、中密度ポリエチレン(MDPE)、高密度ポリエチレン(HDPE)、超高分子量ポリエチレン(UHMWPE)などのポリエチレン;酢酸ビニル、アクリル酸メチルなどのエチレン共重合体;ポリイミド;ポリメタクリル酸メチル(PMMA);ポリプロピレン(押出成形品、二軸延伸品など);ポリスチレン(配向グレード、発泡体など);ポリスチレン、ポリエーテルスルホンなどのスルホン系ポリマー;ポリウレタネラストマー;ポリビニルアルコール;ポリ塩化ビニル(非可塑化グレード、可塑化グレードなど);塩化ビニル−アセテート共重合体(非可塑化グレード、可塑化グレードなど)等が例示できる。特にフィルム材料では、好ましくは非吸水性樹脂であることが望ましく、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィン系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリスチレン系樹脂、ナイロン(ポリアミド)系樹脂、エチレンビニルアルコール共重合体、ポリ塩化ビニル系樹脂等が例示できる。さらに、吸水性である織布、不織布およびアルミ箔などに母材原料を張り合わせることによって、それぞれの素材の特性(吸水性、耐水・耐油性、熱・光反射性、ガスバリヤー性など)をさらに生かすことができるので、多くの分野で用いることができる。
【0098】
また、上記母材樹脂成分および母材ゴム成分以外にも、必要に応じて、従来既知の各種添加剤、例えば、発泡剤、滑剤、着色剤、顔料、熱安定剤、紫外線安定剤(紫外線吸収剤)、酸化防止剤(抗酸化剤)、可塑剤、硬化剤、触媒、充填剤、補強材、増量剤、帯電防止剤、難燃剤、抗菌・防カビ剤等をそれぞれの性能(機能)が十分に発現し得る範囲内で適宜含有されていてもよい。
【0099】
また、鮮度保持材の使用用途としては、食料品を収穫または捕獲後からエンドユーザーによって食されるまでの間に、該食料品に応じて適宜最適な形態を選択すればよく、特に制限されるべきものではなく、例えば、包装用途としては、ラッピングフィルム、包装紙、食料品用容器(トレー)、牛乳パック、卵ケース、段ボール箱、ザル、発泡ポリエチレンなどのケース、布袋などが挙げられ、緩衝・保護用途(包装用途とを兼ねるものも含む)としては、野菜や果物など植物系の保護用ネット、フルーツキャップ、マット、ペレット状の緩衝材、パッキング材などが挙げられ、鮮度劣化によるドリップ処理用途としては、動物系の生鮮食料品、特に魚や食肉の切り身などのドリップ吸収シートが挙げられるが、これらに制限されるべきものではない。
【0100】
また、鮮度保持材の形態は、上記鮮度保持材の使用用途に応じて適宜最適な形態を選択すればよく、特に制限されるべきものではなく、例えば、フィルム状(ラミネート構造ないし積層構造を含む。また、いわゆるポリ袋などのフィルムの加工品を含む。例えば、ラッピング用のフィルムや食品収納袋など)、シート状(ラミネート構造ないし積層構造を含む。また、いわゆるダンボール箱などのシートの加工品を含む。例えば、野菜や果物を収納する包装紙やダンボール板を箱に加工して使用する場合などが該当する。)、ネット状(みかんなどの果物を入れるようなネット状の袋、桃やメロンなどを保護するために下半分を包み込むような発泡樹脂製のネット状の袋などが該当する)、布製の袋状物(芋や玉ねぎ等を入れておく通気性のよい包材として使用する)、ペレット状(野菜や果物と収納箱との隙間に入れて緩衝材やパッキング材などとして使用する。)、その他、任意の成形形態(例えば、食品トレー、食品収納容器、ザル、発泡スチロールなどの収納ケース、りんご箱などの底に敷き窪み部にりんごなどがちょうど収まるように成型されたものなどが該当する。)のいずれか1種または2種以上を組み合わせたものなどが例示されるが、これらに限定されるものではない。好ましくは、遠赤外線の放射性、該食料品周辺でのマイナスイオンの発生作用、蒸散防止作用、防カビ性、脱臭性、抗菌性、活性特性の総合的な働きによる鮮度保持効果が強く求められる部材、例えば、食料品に直接接する部分や食料品を包装する際に用いられる部材など、食料品への直接的な作用効率の観点からこうした鮮度保持材の表面部分にこうした特性を有するセラミックス材料が効果的に含有されていることが各種機能を高める上で特に有用かつ効果的である。また、これらを焼却する際にダイオキシン類の生成に不可欠な塩素含有の樹脂や添加剤を含有する鮮度保持材形成原料を用いて成形加工されている鮮度保持材はもとより、塩素を含有しない鮮度保持材であっても、食塩を含む家庭ごみと一緒に廃棄焼却される場合においても、ダイオキシン類や塩化水素ガスの発生に関与し得ることも十分にあり得るが、如何なる環境下で焼却処理されようと本発明の鮮度保持材では、ダイオキシン類や塩化水素ガスの発生を有用かつ効果的に抑制できるものである。
【0101】
本発明に係る鮮度保持材は、上記セラミックス材料の持つ諸特性を損なうことなく下記に示すように同等の諸特性を有することから、上記に説明するような優れた作用効果を奏することができるものといえる。
【0102】
すなわち、本発明の鮮度保持材の(遠赤外線の)放射率は、その組み合わせにもよるが、通常90%以上、好ましくは93%以上、より好ましくは94%以上である。該放射率が90%未満の場合には、鮮度保持フィルムや包装材などとして利用する上で十分な遠赤外線の放射による遠赤効果が認められず、所望の多機能性を発現させるのが困難となり、総合的(相乗的)な作用として鮮度保持効果を十分に発現するのが困難となるおそれがある。
【0103】
本発明の鮮度保持材のマイナスイオン発生数は、構成成分の組み合わせ、配合比率にもよるが、350ケ/cc/sec以上、好ましくは400ケ/cc/sec以上、より好ましくは450ケ/cc/sec以上である。マイナスイオン発生数が350ケ/cc/sec未満の場合には、鮮度保持フィルムや包装材などとして利用する上で十分なマイナスイオン効果が認められず、所望の多機能性を発現させるのが困難となり、総合的(相乗的)な作用として鮮度保持効果を十分に発現するのが困難となるおそれがある。
【0104】
本発明の鮮度保持材の蒸散防止係数は、構成成分の組み合わせ、配合比率にもよるが、90%以上、好ましくは93%以上、より好ましくは95%以上である。食料品の蒸散防止係数が90%未満の場合にも、鮮度保持フィルムや包装材などとして利用する上で十分な蒸散防止効果が認められず、所望の多機能性を発現させるのが困難となり、総合的(相乗的)な作用作用として鮮度保持効果を十分に発現するのが困難となるおそれがある。
【0105】
本発明の鮮度保持材の防カビ特性(JIS Z 2911)は、構成成分の組み合わせ、配合比率にもよるが、3である。食料品の防カビ特性が2以下の場合にも、鮮度保持フィルムや包装材などとして利用する上で食料品に対して有効な防カビ効果が十分発揮できず、所望の多機能性を発現させるのが困難となり、総合的(相乗的)な作用として鮮度保持効果を十分に発現するのが困難となるおそれがある。
【0106】
本発明の鮮度保持材の脱臭率は、脱臭対象(酸系ないしアルカリ系)やセラミックス材料の組み合わせにもよるが、通常90%以上、好ましくは93%以上、より好ましくは94%以上である。該脱臭率が90%未満の場合には、鮮度保持フィルムや包装材などとして利用する上で十分な脱臭効果が認められず、所望の多機能性を発現させるのが困難となり、総合的(相乗的)な作用として鮮度保持効果を十分に発現するのが困難となるおそれがある。
【0107】
本発明の鮮度保持材の抗菌率は、抗菌対象(大腸菌やブドウ球菌など)やその組み合わせにもよるが、通常90%以上、好ましくは93%以上、より好ましくは94%以上である。該抗菌率が90%未満の場合には、鮮度保持フィルムや包装材などとして利用する上で十分な抗菌効果が認められず、所望の多機能性を発現させるのが困難となり、総合的(相乗的)な作用として鮮度保持効果を十分に発現するのが困難となるおそれがある。
【0108】
本発明の鮮度保持材の活性率は、その組み合わせにもよるが、通常90%以上、好ましくは95%以上、より好ましくは97%以上である。該活性率が90%未満の場合には、鮮度保持フィルムや包装材などとして利用する上で十分に多機能性を高める(活性させる)ことが困難となり、総合的(相乗的)な作用として鮮度保持効果を十分に発現するのが困難となるおそれがある。
【0109】
本発明の鮮度保持材の塩素(塩化水素ガス)の分解率(及びダイオキシン類の発生抑制率)は、その組み合わせにもよるが、通常95%以上、好ましくは98%以上、より好ましくは99%以上である。該分解率(及びダイオキシン類の発生抑制率)が、95%未満の場合には、鮮度保持フィルムや包装材などとして使われる鮮度保持材を廃棄後に焼却する際に、ダイオキシン類および塩化水素ガスの発生を十分に抑制することが困難である。
【0110】
次に、本発明の鮮度保持機能を有する鮮度保持材(包装材などの製品)の製造方法は、鮮度保持材の母材に対し、前記セラミックス材料を2〜30質量%、好ましくは2.5〜15質量%、より好ましくは5〜8質量%、特に好ましくは5〜7質量%の範囲で添加、混入してなる材料を鮮度保持材形成原料とすることを特徴とするものである。セラミックス材料の添加量が、鮮度保持材の母材全量に対し2質量%未満の場合には、セラミックス材料の持つ多機能特性を十分に発揮させることができない場合がある。一方、セラミックス材料の添加量が、鮮度保持材の母材全量に対し30質量%を越える場合には、材料の強度や材料の透明性が低下する場合がある。本発明の製造方法の他の要件(製造条件など)に関しては、特に制限されるものではなく、成型品やフィルムなど様々な形態に関するプラスチック製造加工(2次加工を含む)技術、紙・パルプ製造技術、ゴム・エラストマー製造加工技術、塗料・塗装製造加工技術、繊維加工技術(紡製加工技術や織編加工技術など)、木材加工技術、コーティング技術、粉体注入技術、さらにはこれらの複合(積層やラミネート)化技術、さらには各種製品組立技術などを適宜利用して製造できる。すなわち、今日までにも無機系充填剤などを樹脂、繊維、ゴム、塗料、木材などに加えることは一般的な手法であり、こうした無機系充填剤と同様にして本発明のセラミックス材料を加えればよく、製造上の技術的な問題はなく、あらゆる材料に適用でき、また所望の形態に加工することができるものである。例えば、チタンなどの硬い成分を使用する場合には、対応する成形装置の材質などに留意することは既に公知なものであり、また、無機系添加剤を均一に分散させる添加剤なども既に多く開発されており、これらを添加する時期に関しても既によく知られているように成形直前がよい場合や、マスターバッチに予め添加しておくのがよい場合など個々に決定すべきであり、使用する材料や添加剤に応じて適切な装置材料の選択などを含めて使用する装置の種類や操作条件等を適宜決定すればよい。本発明の鮮度保持材(包装材などの製品)の製造方法のうち、代表的な鮮度保持材の製造方法につき簡単に例示するが、本発明がこれらに限定されるものでないことはいうまでもない。
【0111】
本発明のセラミックス材料を所定量含有してなる鮮度保持材の製造方法としては、母材原料の樹脂やパルプやエラストマー・ゴムなどに、セラミックス材料、さらには各種添加剤を必要に応じて配合してなる配合材料を用いて成形加工するものである。かかる配合操作は、目的とする鮮度保持材の形態に応じて適宜選択されるべきものであり、(1)母材原料、セラミックス材料及び他の添加剤(副資材)を適量づつ配合し、これに必要に応じて適当な溶剤を用いて液状混合し、更に必要に応じて含浸、乾燥、粉砕、造粒操作を単独で行って、あるいは2以上の操作を順次行って、ペースト、溶液、プリプレグ、樹脂含浸塗布紙、プリミックス、粉末、ペレットなど形態の配合材料を形成しても良いし、(2)母材原料、セラミックス材料及び他の添加剤(副資材)を適量づつ配合し、これに必要に応じて適当な溶剤を用いて固(粉)状混合し混練し、さらに必要に応じて粉砕または造粒して、混練物、粉末、ペレットなど形態の配合材料を形成しても良い。また、その後の、成形・加工方法も、目的とする鮮度保持材の形態に応じて適宜選択されるべきものであり、各種配合材料に適した成形加工法、例えば、スラッシュ成形(ペースト)、ディップ成形(ペースト)、注型(溶液)、発泡加工・発泡成形(溶液、ペレット)、積層成形(プリプレグ、樹脂含浸塗布紙、シート;配合材料である混練物を、さらにカレンダ加工または押出成形して得られる配合材料の形態の1つ)、粉末成形(粉末)、圧縮成形(プリミックス、粉末、ペレット)、トランスファ成形(粉末、ペレット)、射出成形(ペレット)、カレンダ加工(混練物)、押出成形(さらにブロー成形することもある)(混練物)、真空成形(シート)を利用すれば良い。さらに、こうした成形品は、適当な処理によって加工できる。例えば、印刷適性の改良、放射線によるポリマーの架橋、真空蒸着を用いた成形品表面への金属薄膜コーティング等を挙げることができるなど、従来公知の様々な成形加工法を適用することができる。また、これら樹脂加工品である容器、フィルム、シート等の成形加工品以外にも、繊維、塗料、接着剤、木材および木材加工品、皮革などに関しても、従来既知の製造方法を適宜利用して製造することができる。さらに、木材や皮革等については、後述する製造方法を適用することが望ましい。すなわち、真空装置内部に対象となる木材や皮革原料を入れておき、減圧させることで、これらの原料内も減圧されるので、この時点ないし常圧に戻す際にセラミックス材料を適当な溶液に均一に分散させたものを噴霧することで、こうした減圧された原料表面にセラミックス材料を注入するとした技術などが例示できる。また上記セラミックス材料を造粒化してなる造粒物を本発明の鮮度保持材とする場合には、セラミックス材料と水とを混合し、成形加工して造粒した後、か焼することで所望の造粒物を作ることができる。また、成形加工して造粒した後に、乾燥し、その後にか焼することをことで所望の造粒物を作ることができる。造粒物の場合には、セラミックス材料の含有量は、水を加えた総重量を基準として80〜95質量%とするのが好ましい。また、乾燥温度は、65〜85℃の範囲であるのが好ましく、か焼温度は、600〜700℃の範囲であるのが好ましい。
【0112】
本発明の鮮度保持材の母材原料としては、特に制限されるものではなく、その用途、例えば、樹脂、ゴム、紙類、木材、繊維、接着剤、塗料、皮革などにより異なるものであり一義的に規定することはできないものであり、あらゆる種類の樹脂、ゴム(エラストマーを含む)、紙・パルプ、木材、皮革等を単独若しくは適当に組み合わせて母材原料とすることができるものである。さらにアルミニウム等の金属材料、ガラスなどの無機材料などの不燃性の母材原料(基材)等と組み合わせることもできる。すなわち、本発明の鮮度保持材としては、該母材原料にセラミックス材料および他の添加剤(副資材)を配合し成形加工して得られる高分子化合物(プラスチック、ゴム、エラストマー)や紙・パルプなどの一次加工品やこれらの二次加工品があり、こうした鮮度保持材において、本発明の作用効果を十分に発揮することができるものであればよい。さらに、木材や皮革などに上述する注入法により加えた加工品があり、こうした鮮度保持材においも、本発明の作用効果を十分に発揮することができるものであればよい。特に、汎用性のある高分子化合物を母材原料とするプラスチックの成形加工品(鮮度保持材)が幅広い分野に適用でき、またあらゆる形態に成形加工できる利点を有する。なお、これらの各成分の具体例に関しては、既に説明したとおりであり、上記セラミックス材料以外にも、従来公知の各種母材成分その他の添加剤の中から適宜選択して利用することができる。
【0113】
なお、本発明の鮮度保持材および鮮度保持方法の鮮度保持の対象は、上述してきたように、食料品であればよく、(1)植物系の生鮮食品、例えば、タケノコ、大根、牛蒡、人参、しょうがなどの根菜類、ほうれん草、レタス、キャベツ、葱、長葱、白菜、セロリ、パセリ、オオバ、茗荷、小松菜などの葉菜類、トマト、胡瓜、瓜、ムキインドウ、ピーマン、オクラ、茄子、インゲン、アスパラガス、ブロッコリー、カリフラワー、モロヘイヤ、枝豆、椎茸、モヤシ、南瓜、大蒜、生姜、アロエ、紫蘇、柘榴、冬瓜などの新鮮な野菜(きのこ類を含む);桃、苺、夏甘、青梅、枇杷、林檎、梨、西瓜、柿、無花果、葡萄、蜜柑、夏蜜柑、グレープフルーツ、マンゴー、ブルーベリー、メロンなどの新鮮な果物;さらにこれらの加工・調理品(コンビニエンスストアなどで直ぐに食べられるように加工・調理したカット野菜、カット果物、各種サラダセット、鍋焼きうどんセット、水炊きセットなど)を含むものであり、さらに一部に動物系の食料品や穀類加工食品、調味料やドレッシングなどを含んでいてもよいし、(2)動物系の生鮮食品、例えば、鯵、キス、鮪、鰯、鮃、鰈、赤魚、穴子、鰆、マアジ、鯛、秋刀魚、鰹、鯖、ハマチ、鰻、泥鰌、鱧、廁などの魚類(その卵、例えば、イクラなどを含む)、ホタテ貝、ミル貝、赤貝、アワビ、ウニなどの貝類、カニ、エビなどの甲殻類、イカ、タコなどの軟体動物、牛、豚、鶏などの畜産物の食肉、レバーなどの臓物、鶏卵、牛乳などの生鮮食料品;さらにこれらの加工・調理品(切り身、刺身、剥き貝、剥き身のエビやカニ、スライスした牛肉、豚肉、セットにした鍋料理などを含むものであり、さらに一部に野菜や果物等の植物系の生鮮食料品や穀類加工食品、調味料やドレッシングなどを含んでいてもよい。
【0114】
【実施例】
鮮度保持材の製造例
セラミックス材料として上記表2に示す配合比率のセラミックス材料1〜7をそれぞれ所定比率(5質量%)で母材の合成樹脂に添加混入して鮮度保持材形成原料とした。母材の合成樹脂には、ポリエチレンまたは発泡ポリスチレンを使用した。
【0115】
得られたそれぞれの鮮度保持材形成原料を用いて、野菜用の包装用フィルムと果物用のキャップネット(保護ないし緩衝機能を有するネット状の発泡材)、魚介類用のラップフィルムと肉類用のドリップ吸収シートをそれぞれ作製し、鮮度保持材とした。得られたそれぞれ鮮度保持材の諸特性(表4と同じ測定項目)を測定した。得られた結果は、表4の複合セラミックス材料の諸特性と略同等であった。そこで、以下の実施例では、本発明品として、表4のセラミックス材料1を用いて行った。
【0116】
実験例1
包装用プラスチックフィルムとして、セラミックス材料1を5質量%配合したポリエチレンフィルム(本発明品)、並びに比較用に、セラミックス材料を含まない市販のポリエチレンフィルム(従来品)をそれぞれ用いて、新鮮な野菜を包装し、その後の野菜の経時的な変化を下記表6に示す鮮度表示表に従って判定し、その結果を下記表7に示す。表7中の経時時間ごとの鮮度表示指数は、下記表6の鮮度保持表の判定基準に従って行い、10個のサンプルが最大数を占める指数とした。
【0117】
新鮮な野菜には、胡瓜を用い、各々10個をサンプルとした。いずれも収穫日が同じで完熟度も同程度のものを注意深く選んだ。これらの新鮮な胡瓜を上記包装用プラスチックフィルムにて、それぞれ市販の形態(胡瓜全体をフィルムで包む形態)に包装し、経時的な変化を観察した。
【0118】
本実施例では、本発明品と従来品との包装用プラスチックフィルムにつき、同じ野菜に関して、同じ包装形態で同じ判定基準にて判断することができるため、本発明品と従来品とのとの間の比較が容易にできる形にまとまっている。
【0119】
【表6】
Figure 2004129516
【0120】
【表7】
Figure 2004129516
【0121】
実験例2
果物用の農業用緩衝材(通称;フルーツキャップ;果実などの保護ないし緩衝に用いられる発泡ポリエチレン製ネット)として、セラミックス材料1を5質量%配合してなる発泡ポリエチレン製のフルーツキャップ(本発明品)、並びに比較用に市販の発泡ポリスチレン製のフルーツキャップ(市販品)を用いて、果実をフルーツキャップに収納し、その後の果実の経時的な変化を上記表6に示す鮮度表示表に従って判定し、その結果を下記表8に示す。表8中の経時時間ごとの鮮度表示指数は、10個のサンプルが最大数を占める指数とした。
【0122】
なお、新鮮な果実には、桃をサンプルとし、各10個を用いた。いずれも収穫日が同じで完熟度も同程度のものを注意深く選んだ。
【0123】
本実施例では、本発明品と従来品の発泡ポリエチレン製のフルーツキャップつき、同じ果実に関して、同じ緩衝(包装)形態として同じ判定基準にて判断することができるため、本発明品と従来品との間の比較が容易にできる形にまとまっている。
【0124】
【表8】
Figure 2004129516
【0125】
上記表7、8の結果から明らかなように、野菜や果実を収穫後一定期間(実験期間)経過後に、従来品では鮮度の急激な低下が見られたが、本発明品では、実験期間中は十分に食用に供することのできる鮮度を保持している(すなわち、鮮度低下が緩やかである)ことが確認でき、両者の鮮度保持機能に有為な差異があることがわかった。すなわち、植物系の生鮮食品の鮮度保持材として、本発明品が優れた鮮度保持機能を有するものであることが確認できた。
【0126】
実験例3
包装用プラスチックフィルムとして、実施例1と同様のフィルムを用いると共に、セラミックス材料1を5質量%配合した発泡ポリスチレン製の食品用トレイを用いて、鮮魚(鯖切り身)をトレイに入れ、これを包装用プラスチックフィルムで包装し、その後の鮮魚の切り身のpH値の経時的な変化を測定した。同様に比較用に、セラミックス材料を含まない市販のポリエチレンフィルムおよび発泡ポリスチレン製の食品用トレイをそれぞれ用いて、鮮魚の切り身のpH値の経時的な変化を測定した。
【0127】
新鮮な鮮魚には、即殺後に加工・調理を行った鯖の切り身を用い、各々10個をサンプルとした。いずれも一緒に捕獲した同程度の大きさのものを選んだ。これらの新鮮な鮮魚を上記包装用プラスチックフィルムにて、それぞれ市販の形態(切り身を食品用トレイに入れ、これらをまとめて包装用プラスチックフィルムで包む形態)に包装し、pHの経時変化を観察した。得られた結果を下記表9に示す。なお、pHは、切り身をミキサーでペースト状にし、このペースト状物のpHをpH測定器で測定した。
【0128】
【表9】
Figure 2004129516
【0129】
実験例4
包装用プラスチックフィルムとして、実施例1と同様のフィルムを用いると共に、セラミックス材料1を5質量%配合した発泡ポリスチレン製の食品用トレイおよびセラミックス材料1を5質量%担持したドリップ防止シートを用いて、肉類(牛肉)をトレイに入れ、これを包装用プラスチックフィルムで包装し、その後の牛肉の経時的な質量変化率(%)を測定した。同様に比較用に、セラミックス材料を含まない市販のポリエチレンフィルム、市販の発泡ポリスチレン製の食品用トレイおよび市販のドリップ防止シートをそれぞれ用いて、牛肉の経時的な質量変化率(%)を測定した。
【0130】
新鮮な肉類には、牛肉(スライスした肉)を用い、各々10サンプル用意した。いずれも同じ牛肉のスライス品から選んだ。これらの新鮮な牛肉を上記包装用プラスチックフィルムにて、それぞれ市販の形態(牛肉をドリップ防止シートを敷いた食品用トレイに入れ、これらをまとめて包装用プラスチックフィルムで包む形態)に包装し、経時的な質量変化を観察した。得られた結果を下記表10に示す。なお、牛肉の質量変化率は、スライスして包装した直後の質量(M)を基準に、その後、経時的に測定した質量(M)とした場合、(M−M)/M×100として求めた。なお、時間経過に伴い牛肉の鮮度劣化に伴いドリップがでてくるため、これを取り除いて質量を測定した。
【0131】
【表10】
Figure 2004129516
【0132】
上記表9、10の結果から明らかなように、即殺または屠殺後一定期間(実験期間)経過後に、従来品では鮮度の急速な低下が見られたが、本発明品では、実験期間中は十分に食用に供することのできる鮮度を保持している(すなわち、鮮度低下が軽微である)ことが確認でき、両者の鮮度保持機能に有為な差異があることがわかった。すなわち、動物系の生鮮食品の鮮度保持材として、本発明品が優れた鮮度保持機能を有するものであることが確認できた。
【0133】
なお、鮮魚および肉類では、
▲1▼魚;即殺→硬直→解硬→軟化現象
▲2▼牛・豚;屠殺→熟成→保冷→解凍・ドリップ現象
と時間の経過と共に生鮮食品の状態が変化するため、一般的に鮮魚や肉類の鮮度(食味まで考慮)を維持することが大切である。特に、牛や豚などの温血動物系の食品では、上述したように屠殺後熟成期間は食味などから必要な期間である。
【0134】
よって、魚では、即殺〜硬直までの間、通常即殺後20時間経過前に(必要に応じてこの間に加工・調理を行ってもよい)、鮮度保持処理を行い、解硬および軟化現象が生じるのをできるだけ遅らせることが望ましい。そのため、本実施例では、傷みやすい鯖を用い、即殺後に加工・調理を行った切り身を用いた。
【0135】
同様に、肉類では、屠殺〜熟成までの間、好ましくは屠殺後2〜3日間程度熟成した後に(さらに必要に応じて熟成後にスライス加工・調理を行った後に)鮮度保持処理を行い、解硬および軟化現象が生じるのをできるだけ遅らせることが望ましい。そのため、本実施例では、屠殺後2日間熟成後さらに20時間おいて加工・調理を行ってスライス肉にし、このスライス肉を用いた。
【0136】
かかる鮮度保持試験は、鮮魚(鯖)および肉類(牛肉)につき、各々のサンプルを用い、包装後、所定の温度(常温;15〜20℃、湿度65%)に設定された恒温恒湿室に入れ、経時的な変化を観察した。
【0137】
【発明の効果】
本発明に係る鮮度保持材では、特に新鮮な食料品に対し優れた遠赤外線の放射性、マイナスイオン発生能、蒸散防止能、抗菌性、防かび性、脱臭性を有し、食料品を新鮮な状態に長期間保つことができる。本発明は、セラミックス(鉱物、岩石)の固有に保有している特性(遠赤外線放射性、マイナスイオンの発生力、脱臭力、抗菌力、更に防カビ力)を総合的に用いた複合材=鮮度保持材(フィルム状、キャップ状、ネット状、シート状、不織布)であり、画期的な発明である。
【0138】
また、本発明に係る鮮度保持材では、さらに焼却時などの熱化学反応により生成されるダイオキシン類および塩化水素ガスの発生を抑制することができるため、各消費者が使用後の鮮度保持材を一般ごみとして廃棄、焼却処理した場合であっても、かかる鮮度保持材に起因する環境汚染物質を産生することがなく、環境にやさしい材料として極めて有用に活用することができる。
【0139】
また、本発明では、生鮮食品を新鮮な状態で長期間保存することができるため、収穫後、流通過程(コンテナや倉庫内)で長期間を要するような場合であってもなお新鮮な状態のものを提供することができるものである。従って、全国各地の特産品や名産品を全国各地に輸送することができ、地域格差なく全国各地の新鮮な特産品などを食することができるようになる、優れた保存技術を提供できる。さらに収穫後の流通過程にとどまらず、その後の店頭での販売中や、最終消費者に行きわたった後、最終的に食用に供するまでの間を通じて新鮮な状態を提供することができるものである。

Claims (15)

  1. 炭酸リチウムおよび/または苦灰石と、角閃石とを含むセラミックス材料を有することを特徴とする鮮度保持材。
  2. 前記セラミックス材料が、さらに酸化チタンを含有することを特徴とする請求項1に記載の鮮度保持材。
  3. 前記セラミックス材料が、さらにシリカを含むことを特徴とする請求項1または2に記載の鮮度保持材。
  4. 前記角閃石の含有量が、セラミックス材料全量に対して15〜75質量%の範囲であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の鮮度保持材。
  5. 前記炭酸リチウムの含有量が、セラミックス材料全量に対して15〜50質量%の範囲であることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の鮮度保持材。
  6. 前記苦灰石の含有量が、セラミックス材料全量に対して20〜50質量%の範囲であることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の鮮度保持材。
  7. 前記酸化チタンの含有量が、セラミックス材料全量に対して2.5質量%であることを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載の鮮度保持材。
  8. 前記シリカの含有量が、セラミックス材料全量に対して2.5質量%であることを特徴とする請求項1〜7のいずれか1項に記載の鮮度保持材。
  9. 前記セラミックス材料の粒度が15μm以下の範囲であることを特徴とする請求項1〜8のいずれか1項に記載の鮮度保持材。
  10. 前記セラミックス材料の含有量が、鮮度保持材全量に対して2.5〜15質量%の範囲であることを特徴とする請求項1〜9のいずれか1項に記載の鮮度保持材。
  11. 前記鮮度保持材の形状が、フィルム形状、シート形状、ネット形状、不織布形状、ペレット形状、キャップ形状、マット形状および成形体形状のいずれか1種または2種以上の組み合わせであることを特徴とする請求項1〜10のいずれか1項に記載の鮮度保持材。
  12. 前記鮮度保持材が、樹脂製、紙製、布製、エラストマー製、ゴム製のいずれか1種または2種以上の組み合わせたものを主成分とすることを特徴とする請求項1〜11のいずれか1項に記載の鮮度保持材。
  13. 鮮度保持材の母材に対し、前記セラミックス材料を2.5〜15質量%の範囲で添加混入してなる材料を鮮度保持材形成原料とすることを特徴とする請求項1〜12のいずれか1項に記載の鮮度保持材の加工法。
  14. 前記セラミックス材料を2.5〜15質量%の範囲で添加混入してなる材料を鮮度保持材の基材に担持させてなることを特徴とする請求項1〜12のいずれか1項に記載の鮮度保持材の加工法。
  15. 前記セラミックス材料を2.5〜15質量%の範囲で添加混入してなる材料を鮮度保持材の基材に被覆させてなることを特徴とする請求項1〜12のいずれか1項に記載の鮮度保持材の加工法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2007169109A (ja) * 2005-12-22 2007-07-05 Tajima Inc 複合セラミックスおよびその製造方法並びに該複合セラミックスを使用した合成樹脂組成物
JP2008095262A (ja) * 2006-10-16 2008-04-24 Dynic Corp 天然石微粉末または/および天然土微粉末を含有する紙用塗料
JP2012019740A (ja) * 2010-07-15 2012-02-02 Union Sangyo:Kk 鮮度保持部材及びその製造方法
JP2020196676A (ja) * 2019-05-31 2020-12-10 株式会社プラスラボ 低温用殺菌又は消臭剤、該剤が添加されている氷又はシャーベット

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