JP2004129504A - アスタキサンチン含有脂質の製造方法 - Google Patents

アスタキサンチン含有脂質の製造方法 Download PDF

Info

Publication number
JP2004129504A
JP2004129504A JP2002294420A JP2002294420A JP2004129504A JP 2004129504 A JP2004129504 A JP 2004129504A JP 2002294420 A JP2002294420 A JP 2002294420A JP 2002294420 A JP2002294420 A JP 2002294420A JP 2004129504 A JP2004129504 A JP 2004129504A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
astaxanthin
culture
cysts
producing
dark
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2002294420A
Other languages
English (en)
Inventor
Kenichi Higashiyama
東山 堅一
Naomichi Nishio
西尾 尚道
Shiyunei Kakizono
柿薗 俊英
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Suntory Ltd
Original Assignee
Suntory Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Suntory Ltd filed Critical Suntory Ltd
Priority to JP2002294420A priority Critical patent/JP2004129504A/ja
Publication of JP2004129504A publication Critical patent/JP2004129504A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Preparation Of Compounds By Using Micro-Organisms (AREA)
  • Micro-Organisms Or Cultivation Processes Thereof (AREA)

Abstract

【課題】緑藻ヘマトコッカス・プルビアリスの培養方法を改善することによって、暗所条件下でシストを形成かつ成熟させ、効率よくアスタキサンチン含有脂質を製造する方法を提供する。
【解決手段】緑藻ヘマトコッカス・プルビアリスを暗所でかつ0.01〜0.5vvmの相対通気量の通気下で培養することからなる、シストにアスタキサンチンを40〜700pg/cell以上蓄積させた緑藻ヘマトコッカス・プルビアリスの藻体の製造方法、および該藻体からアスタキサンチン含有物を得ることを特徴とする、遊離型アスタキサンチン、アスタキサンチン脂肪酸モノエステル、アスタキサンチン脂肪酸ジエステル、およびこれらの混合物からなる群から選択される成分を主成分として含む、アスタキサンチン含有脂質の製造方法。
【選択図】 なし

Description

【0001】
【産業上の利用分野】
本発明は、緑藻ヘマトコッカス・プルビアリス(Haematococcus pluvialis)を暗所もしくは光照射を行わないで培養することを特徴とする、シストにアスタキサンチンを蓄積させた藻体の製造方法、および該藻体からアスタキサンチン及びアスタキサンチンを含有する脂質を採取製造する方法に関する。
【0002】
【従来技術】
アスタキサンチンは、甲殻類の殻や卵、鮭の肉、キンメダイの表皮など、動物界にきわめて広く分布している赤色カロチノイドの一種であり、肉色や体色の発現に関わっている。アスタキサンチンの用途としては、赤色色素として養殖マスや養殖マダイの発色飼料として利用されているほか、その強力な抗酸化作用により、医薬活性成分としての用途も検討されている(特許第3163127号)。また、健康食品の素材としても既に実用化されている。
【0003】
緑藻ヘマトコッカス・プルビアリスは細胞内に多量のアスタキサンチンを蓄積することから、ヘマトコッカスの明所培養法によるアスタキサンチン生産が実用化されている(NatuRose Technical Bulletin #78, Cyanotech Corporation (2000); Food Style 21, 5(12):25−35 (2001))。緑藻ヘマトコッカス・プルビアリスの特徴として、そのライフサイクルには栄養細胞とシストが存在することが挙げられる。栄養細胞(vegetative cell)とは、2本の鞭毛を有する卵型の遊泳細胞であり、ゼラチン状の細胞壁を持つ。栄養細胞のアスタキサンチン含量は10pg/cell程度と低い(J. Ferment. Bioeng. 74:17−20 (1992))。それに対して、シスト(cyst, 別名aplanospore, akinete)とは、球形細胞であり、ゼラチン質の内側に硬い細胞壁を有し、鞭毛を持たないことが特徴であり、栄養細胞とシストとは観察により明確に区別することができる。栄養細胞から変化したばかりのシストはアスタキサンチン含量が低く、褐色あるいは赤褐色の色調を有し未成熟シスト(brown−red immature cyst)と呼ばれている。未成熟シストのアスタキサンチン含量は30 pg/cell程度(Biotechnol. Lett. 19(6):507−509 (1997))である。培養条件を整えることによって、培養時間とともにシスト細胞内のアスタキサンチン含量が増加し、赤色の色調へと変化し、このようなシストは成熟シスト(red mature cyst)と呼ばれている。アスタキサンチン含量の高いシストとしては613pg/cell(Biotechnol. Lett. 16(2):133−138 (1994))もの高含量の報告がある。
【0004】
一般に緑藻類は光合成によりエネルギーを得るため、明所でなければ増殖やアスタキサンチン生産が行なえないと考えられてきた(生物工学会誌, 71(4):233−237 (1993))。そのため、ヘマトコッカス・プリビアリスの培養によるアスタキサンチン生産条件の検討は、その殆どが光照射を伴う明所培養で行なわれ、明所培養法が実用化されている。例えば屋外池で太陽光を利用してヘマトコッカス・プルビアリスを培養する方法や、屋外ドームで太陽光を利用してヘマトコッカス・プルビアリスを培養する方法でアスタキサンチンの工業生産が行なわれている(Food Style 21, 5(12):25−35 (2001))。これら太陽光を利用した明所培養は、光照射のためのエネルギーコストや光照射装置の設備投資費用が安価であることが長所がある反面、屋外系において雑菌汚染を防止するための対策が必要である。藻類ドナリエラの場合は高塩濃度培地を用いることによって、藻類スプルリナの場合は高pH培地を用いるなど、特殊な培地環境にすることによって雑菌汚染を防ぐ対策がなされている(Appl. Microbiol. Biotechnol. 51:431−438 (1999))。ところが、緑藻ヘマトコッカス・プルビアリスの場合、ドナリエラやスピルリナなどと異なり1M以上の塩濃度や高pHに耐性ではないため、ドナリエレラやスピルリナで用いられている雑菌汚染対策をヘマトコッカス・プルビアリスに適用することはできない。さらに、ヘマトコッカス・プルビアリスの生育最適温度が栄養細胞では20℃前後、シストでは30℃前後と低いため、太陽光を利用した屋外培養では、太陽熱への対策として冷却設備は不可欠である。
【0005】
一方、屋内で明所培養を行なうためには、光照射のためのエネルギーコストや照射設備の投資コストがかかることが問題であるため、コストダウンを目的とした様々な研究開発が行なわれている。例えば、光照射効率を高める目的でチューブラーリアクター(J. Appl. Phycol. 5:593−604 (1993))やエアリフト型光リアクター(J. Ferment. Bioeng. 82:113−118 (1996))などを用いた培養が報告されている。
【0006】
また、光照射による明所培養は、培養液中の藻体濃度がより高濃度になればなるほど、藻体自身によって光が遮られるために培養液深部への光照射が不十分になるという根本的な欠点を有している。
【0007】
上に述べたように、明所培養法は様々な課題を有していることを背景として、光に依存しない暗所培養法の開発が試みられ、暗所培養においても、酢酸を炭素源にすることによって栄養細胞として増殖すること、さらに、増殖と連動してアスタキサンチンが細胞内に蓄積されることが見出された(J. Ferment. Bioeng. 74:17−20 (1992))。さらに、培地塩濃度を高めることによって、暗所培養においてもシストを形成できることも見出された(Biotechnol. Lett. 19(6):507−509 (1997))。しかし、暗所培養で得られるアスタキサンチン濃度は明所培養に比べて非常に低く、例えば、Kobayashiらの報告(Biotechnol. Lett. 19(6):507−509 (1997))では、暗所培養で得られたアスタキサンチン濃度は明所培養で得られた濃度の30%である。ヘマトコッカスのライフサイクルは、栄養細胞とシストに大別でき、栄養細胞のアスタキサンチン含量は低く、それに対してシストでは高含量のアスタキサンチンを細胞内に蓄積することが知られている(蛋白質核酸酵素, 46(14):2073−2077 (2001))。ところが、栄養細胞からシスト細胞への形態変化には光が必須であると報告(生物工学, 71:426−428 (1993))されており、暗所では栄養細胞で増殖する。暗所では栄養細胞で増殖するので細胞当たりアスタキサンチン含量が低いため、細胞濃度を高めても培養液当たりのアスタキサンチン濃度が低い。この問題を解決するため、Kobayashiら(Biotechnol. Lett.19(6):507−509 (1997))は、暗所培養でシスト誘発の試みを行い、塩濃度を上げることによって暗所でシスト化することに成功した。しかし、暗所で形成されたシストはアスタキサンチン含量が30pg/cellと低い。
【0008】
暗所培養によるアスタキサンチンの生産は、藻類クロロコッカム(Chlorococcum)による生産が報告(Appl. Microbiol. Biotechnol. 55:537−540 (2001))されている。この報告では、暗所でかつ相対通気量0.33vvm条件下で、酢酸、二価鉄イオンおよび過酸化水素の添加による化学ストレスがカロテノイド合成を誘発することについて述べられている。
【0009】
また、古林らはヘマトコッカス・プルビアリスを2段階(前培養および本培養)で培養し、その1段目(前培養)を暗所で培養する方法を報告(特許第3163127号)しているが、2段目の培養(本培養)は明所で行なわれており、本発明が目指すところの本培養を暗所化する試みは行なっていない。
【0010】
このように、暗所培養において、酢酸を炭素源にすることによって増殖することが静置培養(1日あたり1回の割合で振盪)で(J. Ferment. Bioeng. 74:17−20(1992))、さらに、高塩濃度培地を用いることによってシスト化できることが静置培養(培養中を通じて静置)で(Biotechnol. Lett. 19(6):507−509 (1997))既に報告されているものの、これらは何れもフラスコによる静置培養であり、好気的環境条件にすることは意図されていない。また、Kobayashiら(Biotechnol. Lett. 19(6):507−509 (1997))は暗所でシスト形成に成功したものの、そのシストはアスタキサンチン含量が30 pg/cellと低い。
【0011】
【特許文献1】
特許第3163127号
【非特許文献1】
Food Style 21, 5(12):25−35 (2001)
【非特許文献2】
NatuRose Technical Bulletin #78, Cyanotech Corporation (2000)
【非特許文献3】
J. Ferment. Bioeng. 74:17−20 (1992)
【非特許文献4】
Biotechnol. Lett. 16(2):133−138 (1994)
【非特許文献5】
Appl. Microbiol. Biotechnol. 51:431−438 (1999)
【非特許文献6】
J. Appl. Phycol. 5:593−604 (1993)
【非特許文献7】
J. Ferment. Bioeng. 82:113−118 (1996)
【非特許文献8】
Biotechnol. Lett. 19(6):507−509 (1997)
【非特許文献9】
蛋白質核酸酵素, 46(14):2073−2077 (2001)
【非特許文献10】
生物工学, 71:426−428 (1993)
【非特許文献11】
Appl. Microbiol. Biotechnol. 55:537−540 (2001)
【0012】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、緑藻ヘマトコッカス・プルビアリスの培養方法を改善することによって、暗所または光照射を行わない条件下でシストの形成を誘発させ成熟させることで、高濃度のアスタキサンチンを蓄積させた緑藻の藻体を、効率よく製造する方法を提供する。
【0013】
本発明はさらに、シストにアスタキサンチンを蓄積させた藻体からアスタキサンチン含有脂質を製造する方法を提供する。
【0014】
【課題を解決するための手段】
ある種の緑藻、例えばヘマトコッカス・プルビアリスは、明所培養で栄養細胞からシストへと形態変化し培養条件を整えることによって600 pg/cellを超えるような著量のアスタキサンチンを蓄積する(Biotechnol. Lett. 16(2):133−138 (1994))。そこで、本発明者らは、シスト化誘発に着目し、暗所でシスト化を誘発しかつアスタキサンチン含量を高める方法を鋭意検討した。検討を重ねた結果、従来は明所でのみ高いアスタキサンチン含量を有するシストを形成することが知られていたヘマトコッカス・プルビアリスは、暗所または光照射を行わない場合であっても、好気的環境条件にすれば高いアスタキサンチン含量を有するシストを形成させることを見出し、本発明を完成させた。
【0015】
したがって本発明は、緑藻、例えばヘマトコッカス・プルビアリスを好気的条件下で培養することによって、従来は不可能であった暗所または光照射不存在下でシスト形成とアスタキサンチンの蓄積を促進させ、シストにアスタキサンチンを蓄積させた緑藻の藻体を製造する方法、および該培養物からアスタキサンチン及びアスタキサンチンを含有する脂質を採取する工程を包含する、アスタキサンチン含有脂質の製造方法である。暗所で好気的環境条件を整えることによって、シスト形成を誘発させかつアスタキサンチン含量を高めるという着想は、従来存在しなかった。
【0016】
緑藻、例えばヘマトコッカス・プルビアリスによって生合成されるアスタキサンチン(3,3’−ジヒドロキシ−β,β−カロテン−4,4’−ジオン)は、遊離型とエステル型で細胞内に蓄積される。エステル型としては、例えば、アスタキサンチン脂肪酸モノエステル、アスタキサンチン脂肪酸ジエステルが挙げられる(J. Ferment. Bioeng. 71:335−339 (1991); Phytochemistry 20:2561−2564 (1981))。本発明において、アスタキサンチンとは、これら遊離型アスタキサンチンおよび/又はエステル型アスタキサンチンの単一物あるいは混合物を意味する。また、アスタキサンチン含有脂質とは、アスタキサンチン、およびアスタキサンチンを含有するヘマトコッカス・プリビアリス藻体由来の脂溶性成分混合物を意味する。
【0017】
本明細書でいう暗所もしくは光照射を行わない培養とは、光合成・光誘導などの生物反応を意図した光照射を培養中の藻体に対して行なわないことであり、藻体の接種作業や培養状態の観察などの工程操作を実施するために最小限の光が照射される場合や、作業の都合上、培養中の緑藻が光合成・光誘導などの生物反応を行うには不十分な照明の下で行う培養も暗所もしくは光照射を行わない培養に含まれる。以下、本明細書ではそのような条件の培養を、単に暗所培養と総称する。
【0018】
本発明に用いる典型的緑藻ヘマトコッカス・プルビアリスは、単細胞で淡水に生息する緑藻類であり、例えば、Haematococcus pulvialis ASTB BS2, CALU 9, CALU 333, CAUP G1002, CCAO, IBASU 38, IPPAS H−23, MUR 01, 02, 62, 63, 64, 65, 66, 67, 68, 69, 71, 72, 75, 76, 77, NIES 144, NIVA CHL9, SMBA がある(”World Catalogue of Algae” p.132−133, Japan Scientific Societies Press (1989))。Haematococcus lacustrisの中にはヘマトコッカス・プルビアリスと同一のものもあり、このような同一のものとしてATCC 30402, SAG 34−1a, 1b, 1c, 1d, 1e, 1f, 1h, 1k, 1l, 1m, 1n, UTEX 16がある(”World Catalogue of Algae” p.132−133, Japan Scientific Societies Press (1989))。
【0019】
緑藻ヘマトコッカス・プルビアリスの栄養細胞(vegetative cell)は、通常、2本の鞭毛をもつ遊泳細胞として存在し、緑藻クラミドモナスと同様に親細胞の壁内で分裂して増殖する。栄養細胞の周りには、ゼラチン状の細胞壁を持つ。栄養細胞は、窒素源が欠乏した培養基に移すことによりゼラチン質の内側に厚い強固な細胞壁を発達させ、やがて細胞は遊泳を停止して、無性的あるいは有性的に、硬い細胞壁を有しアスタキサンチン含有脂質を大量に含有し得るシスト(cyst, 別名; aplanospore, akinete)を形成し、培養条件が整えば著量のアスタキサンチンを蓄積し、未成熟シストから成熟スシストへと変化する(J. Ferment. Bioeng. 84(1):94−97 (1997))。このように、緑藻ヘマトコッカス・プルビアリスのライフサイクルには栄養細胞とシストが存在し、栄養細胞とシストの判別は観察によって容易に行なうことができる。
【0020】
本発明において、ヘマトコッカス・プルビアリスの暗所培養は、以下の条件で行なう。緑藻ヘマトコッカス・プルビアリスは、自然界においては、炭酸ガスと光エネルギーで生育する光合成生物であるため、暗所で培養させるためには、炭酸ガスに代替し得る炭素源を従属栄養として十分な量を含む培地を用いる(生物工学会誌, 71(4):233−237 (1993))。炭素源として、例えば、従来から知られている酢酸、ピルビン酸、エタノール、TCA関連有機酸等など(特開平11−56346)のほかに、糖、脂肪酸、脂肪酸エステルおよび油脂などを用いることができる。TCA関連有機酸としては、例えば、クエン酸、αケトグルタル酸、コハク酸、フマル酸、リンゴ酸等(特許第3163127号)がある。炭素源としては、これら何れも用いることができるが、好ましくは酢酸を使用する(J. Ferment. Bioeng. 74(1):17−20 (1992))。これら炭素源に加えて、従来から知られているように、アスパラギン、グリシン、グルタミン等のアミノ酸のような窒素源とを含む群の中から選ばれる1種または2種以上に更に酵母エキスを組み合わせた培地が用いられる(特許第3163127号)が、これ以外に、マルトエキス、コーンスティープリカー、ポリペプトン、ペプトン、大豆粉、脱脂大豆粉、硫酸アンモニウム、酢酸アンモニウム、燐酸アンモニウム、アンモニア、硝酸、硝酸ナトリウム、硝酸カリウムを1種または2種以上を適宜組み合わせた培地が用いられる。これら培地成分の他に、アスタキサンチン合成を促進させるために、二価鉄イオン(Fe2+)を生じる無機塩類やHなどを添加して酸化的ストレスを与えることができる(生物工学会誌, 71(4):233−237 (1993))。
【0021】
本発明の方法は、ヘマトコッカス・プルビアリスの培養を1段階で行い、下記本培養の項で記載する通気および温度条件の暗所培養を、5〜12日間行うことにより、シストにアスタキサンチンを蓄積させた緑藻の藻体を得ることができる。1段階の培養による場合、必要なら、培養初期の1〜4日間を15〜25℃、好ましくは20℃前後で、暗所かつ非通気下で行って栄養増殖させ、次いで下記本培養の項で記載する通気および温度条件の暗所培養を、4〜8日間行うことにより、シストにアスタキサンチンを蓄積させた緑藻の藻体を得ることもできる。
【0022】
本発明の好ましい態様として、ヘマトコッカス・プルビアリスの培養は1段階で行う代りに、前培養と本培養の多段階に分けて行ってよい。多段階法における前培養と本培養は次の様に行う。
【0023】
前培養
ヘマトコッカス・プルビアリスを液体培養し、その藻体あるいはアスタキサンチン含有脂質を得るためには、保存藻体をまず少量の培地に接種し、その後、大容積の培地へと順次接種を行いながらスケールアップを図るが、本培養とは、藻体あるいはアスタキサンチン含有脂質を回収するために行なう最終ステップの培養を意味する。また、前培養とは順次継代しながら行なうスケールアップ途上の各段階の培養を意味する。
【0024】
前培養条件としては、明所培養で独立栄養増殖又は従属栄養増殖させるか、あるいは暗所培養で従属栄養増殖させるか、何れの方法でもよい。また、細胞形態も栄養細胞あるいはシストの何れでもよいが、本培養へ接種する藻体はできるだけ多いほうが好ましいため、より増殖能の高い栄養細胞で培養するほうが好ましい。栄養細胞として培養するための温度は、15〜25℃、好ましくは20℃前後である。シストでは、25〜35℃が適しており、好ましくは30℃前後である。
【0025】
前培養の条件を、暗所培養で従属栄養増殖させる好ましい態様で説明すると、次の通りである。例えば、炭素源として酢酸ナトリウムを含む培地として、酵母エキス 2g/L、酢酸ナトリウム 1.2g/L、L−アスパラギン 0.4g/L、塩化マグネシウム六水和物 0.2g/L、硫酸第一鉄七水和物 0.01g/L、塩化カルシウム二水和物 0.02g/Lからなる培地を用いる。これらの成分の量は例示であり、適宜変更してよい。培地に接種した後、培養温度約20℃で前培養(第1段目)を開始する。前培養では栄養細胞として増殖させ、4日間の培養を行なう。次いで、必要に応じてこの培養液を、次段階の前培養(第2段目)の培地へ接種する。前培養の段数は、本培養の液量に応じて、適宜決めればよく、前培養の段数毎に同様の接種操作を繰り返えして、前培養の液量を段数とともに増やしてゆく。
【0026】
本培養
本発明の目的は、本培養において高いアスタキサンチン含量を有するヘマトコッカス・プルビアリス藻体を得ることによって、より多くのアスタキサンチン含有脂質を得ることであり、本培養を暗所かつ好気的条件下で行なうことが特徴である。
【0027】
前培養から本培養へ接種する細胞形態は、栄養細胞あるいはシストの何れでもよい。前培養を栄養細胞として得た場合、藻体はそのままシスト化せずに用いることができるが、所望であれば好気的条件下でシスト化を誘発してから本培養に接種してもよい。
【0028】
本培養は、シスト化を誘発しアスタキサンチン含量を高めるために、好気的条件が必要である。好気的条件にする手段としては、培養液上面から液中への酸素の拡散、培養液の振盪や攪拌による上面空気の巻き込み、培養液中への空気通気、培養液中への空気通気と攪拌の組合せなどの方法を一つあるいは組み合わせて行なう。中でも、培養液中に通気するのが好ましく、相対通気量0.01vvm以上で通気するのがより好ましいが、通気コストおよび過剰通気による発泡の問題に配慮すれば、0.01vvm以上1vvm以下、さらにより好ましくは0.1vvm以上0.5vvm以下で通気することがさらにより好ましい。培養温度については、25〜35℃が適しており、好ましくは30℃前後である。
【0029】
本発明の目的を達成するための方法を具体的に例示すると、本培養へ接種する前培養の藻体は多いほうが好ましい。そのため、前培養から、本培養へ接種する際は、前培養液をそのまま本培養培地へ接種する方法を用いることもできるが、好ましくは、前培養液を遠心と上澄み除去によって濃縮し、得られた藻体懸濁液を本培養の培地へ接種する方法を用いる。本培養の培地としては、例えば酵母エキス 2g/L、酢酸ナトリウム 2.5g/L、L−アスパラギン 0.4g/L、塩化マグネシウム六水和物 0.2g/L、硫酸第一鉄七水和物 0.01g/L、塩化カルシウム二水和物 0.02g/Lからなる培地を用いることができ、培養中に適宜酢酸ナトリウム 3.7 g/L(培地当たり濃度として)を添加することができる。本培養培地へ、本培養培地量の10%に相当する前培養液量の藻体を接種した後、培養温度30℃、相対通気量0.5vvmで8日間培養する。本発明においては、本培養を暗所でかつ好気的条件で行なうことによってシストを形成させ、シスト内のアスタキサンチン含量を高めることが特徴であるが、本発明の培養方法を行なうことによって、暗所であるにもかかわらず、栄養細胞からシストへの変化と、シスト内へのアスタキサンチンの蓄積が観察される。
【0030】
蓄積されるアスタキサンチンの量は、40pg/cell以上であり、シスト中には613pg/cellもの高含量の蓄積が報告(Biotechnol. Lett. 16(2):133−138 (1994))されていることから、600pg/cell近い高含量のアスタキサンチン蓄積が起こりうることが推察される。
【0031】
アスタキサンチン含有脂質
このようにして本培養したヘマトコッカス・プルビアリスは、暗所であるにもかかわらず、シストの形成と著量のアスタキサンチンの蓄積が見られる。この高いアスタキサンチン含量を有するシストよりアスタキサンチン含有脂質を採取できる。
【0032】
蓄積されるアスタキサンチンの組成は、その多くがアスタキサンチン脂肪酸モノエステルであり、次いで少量のアスタキサンチン脂肪酸ジエステルおよび遊離型アスタキサンチンから成る。従来の暗所培養法においては、栄養細胞からシストへの変化が起こり難く、あるいはシストが形成されても、そのアスタキサンチン含量は低いものであった。しかし、本発明では、好気的条件で行なうことによって、暗所培養でもアスタキサンチン含量の高いシストを形成することができる。
【0033】
アスタキサンチン含有脂質の採取法として、まずは、本培養を終えた後、培養液をそのままかあるいは殺菌、濃縮などの処理を施した後、自然沈降、遠心分離、濾過などの既知の固液分離手段を用いてヘマトコッカス・プルビアリス藻体を回収する。固液分離を助けるために、凝集剤や濾過助剤を添加してもよい。凝集剤としては、例えば、塩化アルミニウム、塩化カルシウム、アルギン酸ナトリウム、キトサンなどを使用できる。濾過助剤としては、例えば、珪藻土を使用できる。次いで、回収した藻体を好ましくは破砕するが、破砕しなくともよい。藻体破砕には、ガラスビーズを加えグラインディングにより破砕する方法、浸透圧による方法、フレンチプレスを用いる方法、マントンゴーリンを用いる方法、氷結による方法、押出造粒機による方法、さらには超音波破砕法などの既知の方法の何れか一つあるいは組み合わせて行なう。藻体は好ましくは乾燥させるが、乾燥しなくともよい。藻体乾燥には、流動層乾燥、スプレードライ、凍結乾燥などの既知の方法の何れか一つあるいは組み合わせて行なう。また、培養液をそのままかあるいは滅菌、濃縮などの処理を施した後に、ドラムドライヤーや、加熱機能付造粒機などの機器で処理することによって、藻体回収、破砕、乾燥を同時に行なうこともできる。
【0034】
このような手段で処理した藻体より、メタノール、エタノール、ヘキサンあるいはアセトンなどの有機溶媒による抽出、超臨界炭酸ガスによる抽出、または圧搾による抽出を行なうことによってアスタキサンチン含有脂質を回収することができる。アスタキサンチン含有脂質より、液体クロマトグラフィー、分子蒸留などの既知の分離精製手段を適宜利用することによって、アスタキサンチン、あるいは所望のアスタキサンチン純度を有するアスタキサンチン含有脂質を得ることができる。得られるアスタキサンチン含有脂質の構成成分の多くは、アスタキサンチン脂肪酸モノエステルであり、その他の構成成分として、アスタキサンチン脂肪酸ジエステル、遊離型アスタキサンチンを含む(J. Ferment. Bioeng. 71:335−339 (1991); Phytochemistry 20:2561−2564 (1981))。また、アスタキサンチンを藻体より抽出することなく利用することもでき、例えば、藻体をそのまま、あるいはあるいは破砕や乾燥などの処理を施した藻体を、養魚における発色飼料などの用途に利用することもできる。
【0035】
【実施例】
実施例1(明所および暗所でのフラスコ培養)
暗所で通気した場合の、細胞形態変化とアスタキサンチン濃度を調べる目的で培養実験を行い、明所培養を対照実験として行なった。
【0036】
緑藻ヘマトコッカス・プルビアリス(Haematococcus pluvialis)NIES−144を用いた。基本培地として、酵母エキス 2 g/L、酢酸ナトリウム 1.2 g/L、L−アスパラギン 0.4 g/L、塩化マグネシウム六水和物 0.2 g/L、硫酸第一鉄七水和物0.01 g/L、塩化カルシウム二水和物 0.02 g/L、pH6.8の組成の培地を用いた。
【0037】
前培養としては、基本培地100mLを200mL容三角フラスコに調製し、4日間の静置培養を20℃で行なった。次いで、本培養は、基本培地100mLを200mL容三角フラスコに調製し、先の前培養液を10%(v/v)接種し、温度30℃で本培養を行なった。前培養から本培養へ接種した時の細胞形態は栄養細胞であった。本培養の条件としては、1−1)完全暗所で通気、1−2)明所で静置、の計2条件下でフラスコ培養した。条件1−1)の通気は、滅菌したシリコンチューブをフラスコに取り付け、チューブをポンプにつないで除菌空気を送り込む方法で行い、通気量は1mL/min(=相対通気量0.01vvm)で行なった。
【0038】
細胞濃度の測定は、培養液を適宜希釈懸濁した後、トーマ血球計算板を用いて細胞数を計測することにより行なった。アスタキサンチン濃度の測定法としては、細胞をグラスファイバーフィルターで吸引濾過して回収し、グラスファイバーフィルターと細胞を一緒に乳鉢で破砕した後、アセトン抽出した。遠心分離により得られたアセトン溶液上清の吸光度(波長480nm、750nm)を測定してカロテノイド濃度を求めた(”A Practical Handbook of Sea Water Analysis” p.185−206, Fisheries Research Board of Cnanada (1968))。ヘマトコッカスのシスト細胞中に蓄積されるカロテノイドの殆どはアスタキサンチンであることを確認済みであることから(J. Ferment. Bioeng. 71(5):335−339 (1991))、得られたカロテノイド濃度をアスタキサンチン濃度として表した。
【0039】
培養の後、遠心分離により藻体を回収し、アセトン抽出によってアスタキサンチン含有脂質を回収した。
培養の結果、得られたアスタキサンチン濃度は、各条件で表1に示すとおり、1−1) 5.12 mg/L、1−2) 19 mg/Lであった。細胞形態に関しては、1−1)および1−2)の両条件でシストが形成されたことを、顕微鏡観察によって確認した。
【0040】
従来報告されている暗所培養では、細胞当たりアスタキサンチン含量がせいぜい30pg/cell程度(Biotechnol. Lett. 19(6):507−509 (1997))であるのに対し、本実施例の条件1−1)では、91 pg/cellにまで増加した。
【0041】
暗所培養でも、通気することによって高アスタキサンチン含量を有する成熟シストが形成され、その結果として、より多くのアスタキサンチン含有脂質が得られることが分かった。
【0042】
【表1】
Figure 2004129504
【0043】
実施例2(前培養液濃縮接種法による、暗所でのエアーリフト通気培養)
相対通気量条件がアスタキサンチン生産に及ぼす影響を調べる目的で、エアーリフト培養槽による暗所通気培養を行なった。
【0044】
実施例1と同様に前培養を行なった。次いで、本培養の培地として、酵母エキス 2 g/L、酢酸ナトリウム 2.5 g/L、L−アスパラギン 0.4 g/L、塩化マグネシウム六水和物 0.2 g/L、硫酸第一鉄七水和物 0.01 g/L、塩化カルシウム二水和物 0.02 g/L、pH6.8の組成の本培養用培地500mLをエアーリフト培養槽(内径7cm、高さ21cm)に調製した。前培養液の接種は、表2に記す2通りの条件、即ち条件2−1)では前培養液をそのまま本培養へ接種する方法(本培養液量の10%に相当する前培養液量に含まれる藻体を接種)、条件2−2)では前培養液より遠心上澄を一部除去する方法で3倍濃縮した液を本培養へ接種する方法(本培養液量の30%に相当する前培養液量に含まれる藻体を接種)で行い、培養温度30℃、通気量80mL/min(=相対通気量0.16vvm)で暗所培養を開始した。培養4日目に酢酸ナトリウム3.7g/L(培養液量当たり濃度として)を添加し、8日間の暗所培養を行なった。
【0045】
培養の結果、表2に示すアスタキサンチン濃度が得られた。細胞形態は、2−1),2−2)の両条件でシスト化したことを観察により確認した。培養の後、遠心分離により藻体を回収し、アセトン抽出によってアスタキサンチン含有脂質を回収した。回収したアスタキサンチン量を測定した結果、条件2−1)からは3mgの、条件2−2)からは5mgのアスタキサンチンを各々得ることができた。得られたアスタキサンチン含有脂質の組成をTLC法(0.2mm厚シリカゲルプレート、展開溶媒 アセトン:n−ヘキサン=3:7、赤色スポットを目視で確認、Rf値:アスタキサンチン脂肪酸ジエステル 0.93、アスタキサンチン脂肪酸モノエステル 0.69、遊離型アスタキサンチン 0.40)にて調べたところ、アスタキサンチンの多くがアスタキサンチン脂肪酸モノエステルであり、次いで少量のアスタキサンチン脂肪酸ジエステルおよび遊離型アスタキサンチンを含んでいることが確認された。
【0046】
実施例1(相対通気量;0.01vvm)と本実施例の条件2−1)(相対通気量;0.16vvm)の比較より、相対通気量を高めるほど、より高いアスタキサンチン濃度が得られることがわかった。さらに本実施例の条件2−1)と条件2−2)の比較より、前培養から本培養への藻体量を増やすほど、より高いアスタキサンチン濃度が得られることが明らかになり、高いアスタキサンチン濃度が得られた条件2−2)の方が、条件2−1)よりも多くのアスタキサンチン含有脂質を得ることができた。
【0047】
【表2】
Figure 2004129504
【0048】
実施例3(前培養液濃縮接種法による暗所での円柱型リアクター通気培養)
前培養から本培養へ接種する藻体量がアスタキサンチン生産に及ぼす影響を調べることを第一の目的とし、さらに、実施例2のエアリフト培養よりも培養液量当たりの通気量(相対通気量)を増加させ通気の影響を調べることを第二の目的として実験を行なった。第二の目的である通気量の影響を調べるために、培養容器は円柱型リアクターを用いた。
【0049】
実施例1と同様に前培養を行ない、実施例2と同様の本培養用培地80mLを円柱型リアクター(内径3cm、高さ20cm)に調製し、前培養液を表3記載の3条件で接種した。条件3−1)では本培養液量の10%に相当する前培養液に含まれる藻体を、条件3−2)では本培養液量の30%に相当する前培養液に含まれる藻体を、条件3−3)では本培養液量の50%に相当する前培養液に含まれる藻体を各々接種し、条件3−2)および条件3−3)における前培養液の濃縮は実施例2と同様の方法で行なった。温度30℃、通気量40mL/min(=相対通気量0.5vvm)で通常空気を通気しながら暗所培養を行なった。培養4日目に酢酸ナトリウム3.7g/L(培養液量当たりの濃度として)を添加し、8日間の暗所培養を行なった。前培養から本培養へ接種した時の細胞形態は栄養細胞であった。
【0050】
実験の結果、表3に示すアスタキサンチン濃度が得られた。細胞形態は、3−1),3−2), 3−3)でシストが形成されていることを観察により確認した。培養の後、遠心分離により藻体を回収し、アセトン抽出によってアスタキサンチン含有脂質を回収した
前培養から本培養への藻体量を増やすほど、より高いアスタキサンチン濃度が得られることが明らかになった。また、実施例2との比較より、培養液量当たりの相対通気量を増やすことほど、より高いアスタキサンチン濃度が得られることも確認された。また、アスタキサンチン濃度が高いほど、多くのアスタキサンチン含有脂質が得られることを確認した。
【0051】
【表3】
Figure 2004129504

Claims (9)

  1. 緑藻を暗所もしくは光照射を行わないでかつ通気下で培養することからなる、通気しないこと以外は同じ条件で培養する場合に比べてシストの形成を増加させ、そのシストにアスタキサンチンを蓄積させた緑藻の藻体の製造方法。
  2. 通気が、0.01〜0.5vvmの相対通気量で行われることを特徴とする、請求項1に記載の緑藻の藻体の製造方法。
  3. 本培養の液量に対して10〜50%の前培養の培養液から得られた藻体を本培養の培養液に添加して、暗所もしくは光照射を行わないでかつ通気下で培養することを特徴とする、請求項1または2に記載の緑藻の藻体の製造方法。
  4. 前培養を栄養細胞が増殖する条件下で行い、続いて暗所もしくは光照射を行わないでかつ通気下での本培養によりシストを形成させて、シストにアスタキサンチンを蓄積させることを特徴とする、請求項3に記載の緑藻の藻体の製造方法。
  5. 緑藻がヘマトコッカス・プルビアリスである請求項1ないし4のいずれか1項に記載の緑藻の藻体の製造方法。
  6. シストに蓄積させたアスタキサンチンが、40pg/cell以上である、請求項1ないし5のいずれか1項に記載の緑藻の藻体の製造方法。
  7. シストに蓄積させたアスタキサンチンが、700pg/cell以上である、請求項6に記載の緑藻の藻体の製造方法。
  8. 請求項1ないし7のいずれか1項に記載の製造方法によって得られた緑藻の藻体からアスタキサンチン含有物を得ることを特徴とする、アスタキサンチン含有脂質の製造方法。
  9. アスタキサンチン含有脂質が、遊離型アスタキサンチン、アスタキサンチン脂肪酸モノエステル、アスタキサンチン脂肪酸ジエステル、およびこれらの混合物からなる群から選択される成分を主成分として含む脂質である、請求項8に記載のアスタキサンチン含有脂質の製造方法。
JP2002294420A 2002-10-08 2002-10-08 アスタキサンチン含有脂質の製造方法 Pending JP2004129504A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2002294420A JP2004129504A (ja) 2002-10-08 2002-10-08 アスタキサンチン含有脂質の製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2002294420A JP2004129504A (ja) 2002-10-08 2002-10-08 アスタキサンチン含有脂質の製造方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2004129504A true JP2004129504A (ja) 2004-04-30

Family

ID=32284963

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2002294420A Pending JP2004129504A (ja) 2002-10-08 2002-10-08 アスタキサンチン含有脂質の製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2004129504A (ja)

Cited By (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
EP1760157A1 (en) 2005-09-06 2007-03-07 Yamaha Hatsudoki Kabushiki Kaisha Green algae having a high astaxanthin content and method for producing the same
US7566551B2 (en) 2004-05-26 2009-07-28 Yamaha Hatsudoki Kabushiki Kaisha Method of producing xanthophyll
EP1724357A4 (en) * 2004-03-04 2010-11-17 Suntory Holdings Ltd METHOD FOR PRODUCING ASTAXANTHE-CONTAINING LIPIDS
JP2015149977A (ja) * 2014-02-19 2015-08-24 株式会社デンソー 藻類の培養方法
JP2016202054A (ja) * 2015-04-21 2016-12-08 鹿島建設株式会社 ラン藻類大量生産方法
CN114286856A (zh) * 2019-09-23 2022-04-05 山东拜昂生物技术有限公司 一种培养雨生红球藻生产虾青素的方法
CN114729297A (zh) * 2019-09-23 2022-07-08 山东拜昂生物技术有限公司 一种异养培养雨生红球藻生产虾青素的方法

Cited By (12)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
EP1724357A4 (en) * 2004-03-04 2010-11-17 Suntory Holdings Ltd METHOD FOR PRODUCING ASTAXANTHE-CONTAINING LIPIDS
US7566551B2 (en) 2004-05-26 2009-07-28 Yamaha Hatsudoki Kabushiki Kaisha Method of producing xanthophyll
EP1760157A1 (en) 2005-09-06 2007-03-07 Yamaha Hatsudoki Kabushiki Kaisha Green algae having a high astaxanthin content and method for producing the same
JP2015149977A (ja) * 2014-02-19 2015-08-24 株式会社デンソー 藻類の培養方法
JP2016202054A (ja) * 2015-04-21 2016-12-08 鹿島建設株式会社 ラン藻類大量生産方法
CN114286856A (zh) * 2019-09-23 2022-04-05 山东拜昂生物技术有限公司 一种培养雨生红球藻生产虾青素的方法
CN114729297A (zh) * 2019-09-23 2022-07-08 山东拜昂生物技术有限公司 一种异养培养雨生红球藻生产虾青素的方法
JP2022548092A (ja) * 2019-09-23 2022-11-16 バイオアルゴ(ダブリュエフ)カンパニー,リミテッド ヘマトコッカス・プルビアリス(Haematococcus pluvialis)の従属栄養培養によってアスタキサンチンを産生する方法
JP2022548872A (ja) * 2019-09-23 2022-11-22 バイオアルゴ(ダブリュエフ)カンパニー,リミテッド ヘマトコッカス・プルビアリス(Haematococcus pluvialis)を培養して、アスタキサンチンを産生する方法
EP4036216A4 (en) * 2019-09-23 2023-10-18 Bioalgo (WF) Co., Ltd METHOD FOR GROWING HAEMATOCOCCUS PLUVIALIS TO PRODUCE ASTAXANTHIN
CN114729297B (zh) * 2019-09-23 2024-04-12 山东拜昂生物技术有限公司 一种异养培养雨生红球藻生产虾青素的方法
CN114286856B (zh) * 2019-09-23 2024-05-24 山东拜昂生物技术有限公司 一种培养雨生红球藻生产虾青素的方法

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US20080038774A1 (en) Process For Producing Astaxanthin-Containing Lipids
EP1808483B1 (en) Process for obtaining lutein from algae
Vonshak Recent advances in microalgal biotechnology
WO2014015841A2 (zh) 一种利用微藻高效生产虾青素的新方法
JP2007097584A (ja) アスタキサンチン含有量の高い緑藻およびその製造方法
Asker et al. Production of canthaxanthin by Haloferax alexandrinus under non-aseptic conditions and a simple, rapid method for its extraction
EP0877817A1 (en) A procedure for large-scale production of astaxanthin from haematococcus
JPWO2007029627A1 (ja) アスタキサンチン含量の高い緑藻抽出物およびその製造方法
CN104404118B (zh) 一种利用海水促进雨生红球藻生产天然虾青素的方法
WO2008155781A2 (en) Golden yellow algae and method of producing the same
US20220340950A1 (en) Method for culturing haematococcus pluvialis to produce astaxanthin
WO2012047120A1 (en) Heterotrophic microbial production of xanthophyll pigments
JPH0568585A (ja) アスタキサンチンの製造方法
CA2539069C (en) Process for producing carotenoid compound
CN108587914B (zh) 一种分离纯化雨生红球藻藻种的方法
EP4036217A1 (en) Method for producing astaxanthin by heterotrophic culture of haematococcus pluvialis
JP2004129504A (ja) アスタキサンチン含有脂質の製造方法
Borowitzka Algae as food
TW200934872A (en) A strain of genetically reengineered escherichia coli for biosynthesis of high yield carotenoids after mutation screening
AU2020320436A1 (en) Astaxanthin over-producing strains of Phaffia rhodozyma
EP1806411B1 (en) Process for obtaining zeaxanthin from algae
RU2573944C1 (ru) Штамм микроводоросли haematococcus pluvialis - продуцент натурального астаксантина
CN113462575A (zh) 一种雨生红球藻培养基及其制备方法和雨生红球藻培养方法
KR20100040589A (ko) 글루타치온의 대량 생산방법
JPH0739389A (ja) アスタキサンチンの製造方法