JP2004129066A - マルチバンド無線機 - Google Patents
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Abstract
【課題】同一構成の広域帯送受信部を複数持つことによる回路部品コストや消費電力の大幅な増加を抑えたマルチバンド無線機を提供する。
【解決手段】複数の送受信部のうち、所定の周波数範囲で動作する第1の送受信部と、動作可能な周波数範囲が第1の送受信部の動作可能な周波数範囲の全体または一部と互いに同一である第2の送受信部と、第1の送受信部及び第2の送受信部における接続を切り替えるスイッチ部と、第1の送受信部及び第2の送受信部が共に動作可能な周波数範囲において送受信を行う場合、受信信号に基づいてスイッチ部を切り替えて、第1の送受信部及び第2の送受信部のIF周波数とRF周波数の変換を行う周波数変換部を共用して送受信を制御する制御部とを具備する。
【選択図】 図1
【解決手段】複数の送受信部のうち、所定の周波数範囲で動作する第1の送受信部と、動作可能な周波数範囲が第1の送受信部の動作可能な周波数範囲の全体または一部と互いに同一である第2の送受信部と、第1の送受信部及び第2の送受信部における接続を切り替えるスイッチ部と、第1の送受信部及び第2の送受信部が共に動作可能な周波数範囲において送受信を行う場合、受信信号に基づいてスイッチ部を切り替えて、第1の送受信部及び第2の送受信部のIF周波数とRF周波数の変換を行う周波数変換部を共用して送受信を制御する制御部とを具備する。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、複数の信号を扱う独立した無線チャンネルを処理するために複数の送受信部が同時に動作するマルチバンド無線機に関する。
【0002】
【従来の技術】
ソフトウェア無線機等、複数の無線方式や複数の周波数帯に対応する無線機においては、方式間ダイバシティ、方式間ソフトオーバー、或いは複数の無線システムを同時に使用することにより通信速度を向上させるといった方法が一般的に利用されている。
また、SDMA(空間分割多重アクセス)においては、通信容量(収容局数)を増大させるために、伝搬環境に応じてアンテナの指向性を変えることができるスマートアンテナを用いて時空間分割を行うことにより帯域幅を増大させることなく多元接続を実現している。
これらのシステムにおいては、複数の信号を扱う独立した無線チャンネルを処理するために複数の広帯域送受信部を持ち、これら複数の送受信部が同時に動作する。
従来のマルチバンド無線機においては、各チャンネルの同時動作が無線方式に柔軟に対応するべく、すべてのチャンネルに広域帯をカバーするRF部が上述の複数の送受信部各々に設けられている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、同一構成の広域帯送受信部を複数持つ構成では、回路規模の増大によりコストやサイズ、また消費電力の大幅な増加を伴うという問題点があった。
【0004】
本発明は、このような事情を考慮してなされたものであり、その目的は、同一構成の広域帯送受信部を複数持つことによる回路部品コストや消費電力の大幅な増加を抑えたマルチバンド無線機を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明は上記の課題を解決すべくなされたもので、請求項1に記載の発明は、複数の周波数で同時に受信または送信、或いは送受信をする複数の送受信部を具備するマルチバンド無線機において、前記複数の送受信部のうち、所定の周波数範囲で動作する第1の送受信部と、動作可能な周波数範囲が、前記第1の送受信部の動作可能な周波数範囲の全体または一部と互いに同一である第2の送受信部と、前記第1の送受信部及び前記第2の送受信部における接続を切り替えるスイッチ部と、前記第1の送受信部及び前記第2の送受信部が共に動作可能な周波数範囲において送受信を行う場合、受信信号に基づいて前記スイッチ部を切り替えて、前記第1の送受信部及び前記第2の送受信部のIF周波数とRF周波数の変換を行う周波数変換部を共用して送受信を制御する制御部とを具備することを特徴とする。
【0006】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の発明において、前記制御部は、前記第1の送受信部及び前記第2の送受信部が同一のチャンネル周波数で動作する場合、前記第1の送受信部及び前記第2の送受信部のローカル発振器を共用して送受信を行うことを制御することを特徴とする。
【0007】
請求項3に記載の発明は、請求項1に記載の発明において、受信側において共有する前記周波数変換部は、RF周波数の複数のチャンネル信号を所定のIF周波数に周波数変換する周波数変換手段を具備することを特徴とする。
【0008】
請求項4に記載の発明は、請求項3に記載の発明において、前記第1の送受信部または前記第2の送受信部が具備する前記周波数変換部のうち、共用されない周波数変換部は動作を停止することを特徴とする。
【0009】
請求項5に記載の発明は、請求項1に記載の発明において、送信側において共有する前記周波数変換部は、変調したIF信号またはベースバンド信号を前記第1の送受信部及び前記第2の送受信部のIF中心周波数よりチャンネル周波数のオフセットを持つIF周波数に周波数変換した複数のIF信号を合成する信号加算手段と、該合成したIF信号を所定のRF周波数に変換する周波数変換手段とを具備することを特徴とする。
【0010】
請求項6に記載の発明は、請求項5に記載の発明において、前記第1の送受信部または前記第2の送受信部が具備する前記周波数変換部のうち、共用されない周波数変換部は動作を停止することを特徴とする。
【0011】
請求項7に記載の発明は、請求項3または請求項5に記載の発明において、前記周波数変換手段は、IFフィルタの帯域幅を周波数変換するRF周波数の複数のチャンネル信号を包含する帯域幅に切り替えることを特徴とする。
【0012】
請求項8に記載の発明は、請求項1に記載の発明において、前記制御部は、共用する各送受信部の送信電力に応じて、前記IF周波数とRF周波数の変換を行う周波数変換部を共用する複数の送受信部の数を制御することを特徴とする。
【0013】
【発明の実施の形態】
まず本発明の基本的な考え方について説明する。本発明は、広域送受信部を複数持つことによる回路規模の増大を抑えるため、RFハードウェアリソースの最適化を行う。すなわち、2つ以上の異なる周波数(周波数帯またはチャンネル)で同時に通信を行う無線機において、それぞれの周波数毎に独立している送受信部の周波数カバー範囲を所定の範囲に設定する。また、複数の送受信部が同一の周波数帯で動作する場合は、送受信部の一部を共用する構成とする。さらに、複数の送受信部が同一の周波数帯で動作する場合は、RF部より変調部前のローカル発振器を共用する。
【0014】
以下、図面を参照して本発明の一実施形態について説明する。図1は、本実施形態のマルチバンド無線機の全体構成を示すブロック図である。本実施形態におけるマルチバンド無線機は、5チャンネルの送受信部A〜E、アンテナ42A〜42E、スイッチ22、スイッチ41B〜41E、モデム21A〜21E、制御部100、上位レイヤ処理部200からなる。
図2〜6に送受信部A〜Eの回路構成図を示す。送受信部A・Bは、図2及び図3に示すように800MHz帯から2.4GHz帯において動作可能であり、送受信部C・Dは、図4及び図5に示すように2.4GHz帯から5GHz帯、送受信部Eは図6に示すように800MHz帯から5GHz帯において動作可能である。
【0015】
本実施形態のマルチバンド無線機は、屋外での利用時にはセルラーシステムを利用し、屋内や無線LAN等がサービスされる限定地域においては無線LANを利用する。通信断続の無いスムーズなハンドオーバーを実現するためには、周波数帯の異なるセルラー用と無線LAN用の2つの送受信部を同時に動作させることで方式間ソフトハンドオーバーを行う必要がある。1つの周波数帯において、チャンネルの異なる複数のシステム間のハンドオーバーを行う場合、複数の送受信部を設けていても、それぞれのカバー範囲において重なりが無い場合には、目的の周波数帯における異なる無線システム間のソフトハンドオーバーを行うことができない。このため、本実施形態においては、少なくとも1つ全ての周波数帯(800MHz帯から5GHz帯)で動作可能である送受信部Eをまず設ける。
【0016】
しかし、低い周波数帯から高い周波数帯まで全ての領域で動作可能であるRF部の実現は容易でないことから、要求される周波数帯の低い方の周波数帯で動作する送受信部と高い周波数帯で動作する送受信部とに分けることで他の送受信部の設計を容易にできる構成とする。すなわち、さらに上述の周波数帯を例えば、2つの周波数帯(800MHz帯から2.4GHz帯と2.4GHz帯から5GHz帯)に分割し、それぞれの周波数帯のみで動作可能な送受信部A・B、送受信部C・Dを設け、計5つの送受信部によって目的周波数での同時動作を実現する。
【0017】
さらに、RF部だけでなくIF部や変復調部においても、低い周波数ではチャンネル帯域幅が広くなく通信速度も主に音声に適した程度の遅いものであるのに対し、高い周波数ではチャンネル帯域幅が広く通信速度も画像や大容量のファイル伝送が可能な非常に高速なものとなる。このように通信速度とチャンネル帯域についても異なることから、各送受信部の動作範囲を分けることでRF部からモデム部の効率的な設計が容易になる。
【0018】
送受信部A〜Eの回路構成は、図2 ̄図6に示すようにRF部、IF部、ベースバンド部を要部とし、スイッチ、加算器の構成を異にする。以下、まず送受信部Aの回路構成について、図2を参照して説明する。
送受信部Aは、RFアンプ1A、ミキサ2A・7A・11A・16A、ローカル発振器3A・9A、IFフィルタ4A・15A、IFアンプ5A・14A、ADコンバータ6A、BB(=ベースバンド)フィルタ8A・10A、加算器12A、DAコンバータ13A、パワーアンプ17Aからなり、受信側は、アンテナ42Aより入力されたRF信号をBB信号に変換し、モデム21に出力すると共に、送信側は、モデム21より入力されたBB信号をRF信号に変換し、アンテナ42Aに出力する。
【0019】
また、他の送受信部B〜Eについても同様に上述の構成となり、送受信部Bは、送受信部Aに新たにスイッチ30B・31B・32B、加算器33Bを設け、加算器12Aに相当する加算器を持たない構成である。
また、送受信部Cは、送受信部Aに新たにスイッチ30C・31C・32C・34C、加算器33Cを設けた構成である。
また、送受信部Dは、送受信部Aに新たにスイッチ30D・31D・32D、加算器33Dを設け、加算器12Aに相当する加算器を持たない構成である。
また、送受信部Eは、送受信部Aに新たにスイッチ30E・31E・32Eを設け、加算器12Aに相当する加算器を持たない構成である。
【0020】
本実施形態における送受信器Aの特徴は、受信側において、ADコンバータ6Aの出力信号をラインA3を介して送受信器Bのスイッチ31Bへ、またB3を介して送受信器Cのスイッチ31Cへ、またC5を介して送受信器Dのスイッチ31Dへ、またD5を介して送受信器Eのスイッチ31Eに出力する点である。また送信側においては、 加算器12Aがミキサ11Aの出力と、送受信器Bの加算器33Bの出力(ラインA4)とを加算し、加算器33Bがミキサ11Bの出力と、送受信器Cの加算器33Cの出力(ラインB4)とを加算し、加算器33Cがミキサ11Cの出力と、送受信器Dの加算器33Dの出力(ラインC7)とを加算し、加算器33Dがミキサ11Dの出力と、送受信器Dのミキサ11Eの出力(ラインD7)とを加算する点である。
【0021】
上述の送受信器Aの特徴は、送受信器Cにおいても同様であり、受信側においては、送受信器CにおけるADコンバータ6Cの出力信号は、送受信器D・Eのスイッチ31D・31Eにも出力される。
また、送信側においては、加算器12Cにおいて、送受信器D・Eのミキサ11D・11Eの出力信号が入力されて合成される。
【0022】
制御部100は、各送受信部A〜Eの出力する信号情報に基づいて上述のスイッチの開閉の制御を行う。すなわち、制御部100は、アンテナ42A〜Eからの入力信号をスイッチ41B〜41Eを切り替えて各送受信部A〜Eに入力する制御を行うとともに、スイッチ22によって各送受信部A〜Eが出力する出力信号を各モデム21A〜21Eに出力する制御を行う。また、各モデム21A〜21Eが出力する信号を各送受信部A〜Eに出力する制御を行うとともに、スイッチ41B〜41Eを切り替えて各送受信部A〜Eが出力する信号をアンテナ42A〜Eに出力する制御を行う。
【0023】
以下、本実施形態におけるマルチバンド無線機の具体的な動作について、説明する。送受信器の共用時に、どの送受信器が同時に動作を行うかに関して以下4つのケース毎に分類し説明する。
(ケース1)
800MHz帯のCDMAによるセルラーシステムを利用した音声通話と5GHz帯高速無線LANを利用したソフトウェアダウンロードを同時に行う場合、送受信器Aと送受信器Cとを同時に動作させる。この場合、制御部100は、スイッチ41Cを制御してアンテナ42Cと送受信部Cとを接続する。このとき、送受信器Aと送受信器Cの扱う周波数帯が互いに異なるため、回路の共有は行われない。
また、セルラーシステムにおいて、受信ダイバシティを行う場合は、制御部100は、さらに送受信部Bの受信部を同時に動作させる。
【0024】
(ケース2)
800MHz帯のTDMAによるセルラーシステムから800MHz帯のCDMAによるセルラーシステム、または、2GHz帯のCDMAによるセルラーシステムのどちらか通信費または通信品質が有利なシステムにシステム間ハンドオーバーを行う場合、800MHz帯のTDMAは送受信部Aを使用し、800MHz帯のCDMAには送受信部Bを利用し、2GHz帯のCDMAには送受信部Eを利用する。すなわち、ハンドオーバー完了後には、送受信部Aから送受信部B、或いは、送受信部Eに音声処理が引き継がれる。以下に、AとBが同時に動作する場合の回路共有について説明する。
【0025】
受信側において、送受信部Aは、TDMAとCDMAのRF信号をIF信号に周波数変換するワイドダウンコンバータとして動作する。すなわち、アンテナ42Aより入力されたTDMA及びCDMARF信号は、RFアンプ1Aによって増幅され、ローカル発振器3A及びミキサ2AによりTDMA及びCDMAIF信号に変換される。このIF信号は、IFフィルター5Aによってフィルタリングされた後、IFアンプにより再度増幅される。そして、ADコンバータ6Aでデジタル変換された後、ミキサ7A及びラインA3とスイッチ31を介して送受信部Bのミキサ7Bに入力される。ミキサ7Aは、TDMAIF信号をTDMABB信号に変換するダウンコンバータとして、ミキサ7BはCDMAIF信号をCDMABB信号に変換するダウンコンバータとして動作し、それぞれ周波数変換される。出力されたTDMABB信号は、BBフィルタ8Aによりフィルタリングされた後、スイッチ22を介してモデム21Aに出力される。また、CDMABB信号は、BBフィルタ8Bによりフィルタリングされた後、スイッチ22を介してモデム21Bに出力される。モデム21A、21Bに入力された信号は、復調されて上位レイヤ処理部200に入力される。
【0026】
送信側において、送受信部Aは、TDMAとCDMAのIF信号をRF信号に周波数変換するワイドアップコンバータとして動作する。すなわち、より送受信器AのBBフィルタ10Aに入力されたTDMABB信号は、フィルタリングされた後、送受信器Aのミキサ11Aにおいて、TDMAIF信号に周波数変換される。また、送受信器BのBBフィルタ10Bに入力されたCDMABB信号は、フィルタリングされた後、送受信器Bのミキサ11Bにおいて、CDMAIF信号に周波数変換される。TDMAIF信号とCDMAIF信号は、A4、スイッチ32B、及び加算器33Bを介して加算器12Aに出力され合成される。合成されたTDMA及びCDMAIF信号は、DAコンバータ13Aによってアナログ信号に変換された後、IFアンプによって増幅される。増幅されたTDMA及びCDMAIF信号は、IFフィルタ15Aによってフィルタリングされた後、ローカル発振器3A及びミキサ16AによってTDMA及びCDMARF信号に周波数変換される。TDMA及びCDMARF信号は、パワーアンプ17Aによって増幅された後、アンテナ42Aに出力されて送信される。
【0027】
なお、この時使用されていない送受信部BのRFフロントエンド部であるRFアンプ1BからADコンバータ6B、DAコンバータ13Bからパワーアンプ17Bは動作を停止する。
また、送受信部Aと送受信部Bの総送信電力が送受信部Aのパワーアンプ17Aの許容電力を超えるときは、送信における送受信部Aと送受信部Bの回路共有を行わず、それぞれの回路のパワーアンプ17A、17Bを用いる。
【0028】
以上詳述したように、送受信部Aと送受信部Bの回路の共用を図ることで消費電力の増大を削減することができる。
【0029】
(ケース3)
ケース2において、800MHz帯のCDMA送受信部Bもハンドオーバー先として必要な場合に、送受信部A・B・Eの回路共有を行う場合について説明する。ケース2における送受信部Bの動作と同様に、送受信部Eは、受信時において、CDMAIF信号をCDMABB信号に変換するダウンコンバータとして動作する。すなわち、送受信部AのADコンバータ6Aでデジタル変換されたIF信号をミキサ7Eで受けて、CDMABB信号に周波数変換する。CDMABB信号は、スイッチを22介してモデム21Eに入力され、復調された後、上位レイヤ処理部200に出力される。
また送受信部Eは、送信時において、CDMABB信号をBBフィルタ10Eによってフィルタリングした後、ミキサ11EによってCDMAIF信号に周波数変換する。送受信部Eによって周波数変換されたCDMAIF信号は、スイッチ32Eより加算器12Aに出力され、送受信部Aによって周波数変換されたTDMAIF信号と送受信部Bによって周波数変換されたCDMAIF信号と共に合成される。
【0030】
なお、この時使用されていない送受信部EのRFフロントエンド部であるRFアンプ1EからADコンバータ6E、DAコンバータ13Eからパワーアンプ17Eは動作を停止する。
また、送受信部A、送受信部B及び送受信部Eの総送信電力が送受信部Aのパワーアンプ17Aの許容電力を超えるときは、送信における送受信部A、送受信部B及び送受信部Eの回路共有を行わず、それぞれの回路のパワーアンプ17A、17B、17Eを用いる。
【0031】
以上詳述したように、送受信部Aまたは送受信部Bの動作可能範囲を送受信部Eより狭く設定した場合であっても、回路共用に関し、十分な柔軟性を確保することができ、冗長な回路が削減され、コストの削減ができる。
【0032】
(ケース4)
2.4GHz帯の無線LANを利用して、送受信各5チャンネルのMIMO(Multi Input Multi Output)システムによって11Mbpsの55Mbpsに高速化するとき、送受信部A〜Eを同時に動作させ、スイッチ41B〜41Eを制御することにより個別にアンテナ42A〜Eに接続させる。このとき、スイッチ30B〜30Eを制御することにより、ローカル発振器3Aの出力信号をミキサ2B〜2E・16B〜16Eに送り、ローカル信号の共用を行う。このとき、ローカル発振器3B〜3Eは停止させることで、ローカル発振器3A〜3Eに関わる消費電力を1/5に削減することができる。
【0033】
なお、本実施形態においては、IFでのデジタル化を行う無線の構成例を示し、共用する受信部からの信号分離と共用する送信部への信号加算は、デジタル部で行った。これにより多くのアナログ回路が共通化できる。また、同時にアナログ部に必要なダイナミックレンジを複数に分割することで、アナログ部において受信信号分離と送信信号加算に高性能な部品が必要なくなり大幅なコスト削減ができる。
【0034】
【発明の効果】
以上説明したように請求項1の発明は、複数の送受信部のうち、所定の周波数範囲で動作する第1の送受信部と、動作可能な周波数範囲が第1の送受信部の動作可能な周波数範囲の全体または一部と互いに同一である第2の送受信部と、第1の送受信部及び第2の送受信部における接続を切り替えるスイッチ部と、第1の送受信部及び第2の送受信部が共に動作可能な周波数範囲において送受信を行う場合、受信信号に基づいてスイッチ部を切り替えて、第1の送受信部及び第2の送受信部のIF周波数とRF周波数の変換を行う周波数変換部を共用して送受信を制御する制御部とを具備するので、同一構成の広域帯送受信部を複数持つことによる回路部品コストや消費電力の大幅な増加を抑えることができる効果が得られる。
【0035】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の発明において、制御部は、第1の送受信部及び第2の送受信部が同一のチャンネル周波数で動作する場合、第1の送受信部及び第2の送受信部のローカル発振器を共用して送受信を行うことを制御するので、ローカル発振器に関わる消費電力を削減することができる効果を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本実施形態のマルチバンド無線機の全体構成を示すブロック図である。
【図2】図1における送受信部Aの回路構成図である。
【図3】図1における送受信部Bの回路構成図である。
【図4】図1における送受信部Cの回路構成図である。
【図5】図1における送受信部Dの回路構成図である。
【図6】図1における送受信部Eの回路構成図である。
【符号の説明】
A〜E…送受信部
21A〜21E…モデム
22、41B〜41E…スイッチ
42A〜42E…アンテナ
100…制御部
200…上位レイヤ処理部
【発明の属する技術分野】
本発明は、複数の信号を扱う独立した無線チャンネルを処理するために複数の送受信部が同時に動作するマルチバンド無線機に関する。
【0002】
【従来の技術】
ソフトウェア無線機等、複数の無線方式や複数の周波数帯に対応する無線機においては、方式間ダイバシティ、方式間ソフトオーバー、或いは複数の無線システムを同時に使用することにより通信速度を向上させるといった方法が一般的に利用されている。
また、SDMA(空間分割多重アクセス)においては、通信容量(収容局数)を増大させるために、伝搬環境に応じてアンテナの指向性を変えることができるスマートアンテナを用いて時空間分割を行うことにより帯域幅を増大させることなく多元接続を実現している。
これらのシステムにおいては、複数の信号を扱う独立した無線チャンネルを処理するために複数の広帯域送受信部を持ち、これら複数の送受信部が同時に動作する。
従来のマルチバンド無線機においては、各チャンネルの同時動作が無線方式に柔軟に対応するべく、すべてのチャンネルに広域帯をカバーするRF部が上述の複数の送受信部各々に設けられている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、同一構成の広域帯送受信部を複数持つ構成では、回路規模の増大によりコストやサイズ、また消費電力の大幅な増加を伴うという問題点があった。
【0004】
本発明は、このような事情を考慮してなされたものであり、その目的は、同一構成の広域帯送受信部を複数持つことによる回路部品コストや消費電力の大幅な増加を抑えたマルチバンド無線機を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明は上記の課題を解決すべくなされたもので、請求項1に記載の発明は、複数の周波数で同時に受信または送信、或いは送受信をする複数の送受信部を具備するマルチバンド無線機において、前記複数の送受信部のうち、所定の周波数範囲で動作する第1の送受信部と、動作可能な周波数範囲が、前記第1の送受信部の動作可能な周波数範囲の全体または一部と互いに同一である第2の送受信部と、前記第1の送受信部及び前記第2の送受信部における接続を切り替えるスイッチ部と、前記第1の送受信部及び前記第2の送受信部が共に動作可能な周波数範囲において送受信を行う場合、受信信号に基づいて前記スイッチ部を切り替えて、前記第1の送受信部及び前記第2の送受信部のIF周波数とRF周波数の変換を行う周波数変換部を共用して送受信を制御する制御部とを具備することを特徴とする。
【0006】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の発明において、前記制御部は、前記第1の送受信部及び前記第2の送受信部が同一のチャンネル周波数で動作する場合、前記第1の送受信部及び前記第2の送受信部のローカル発振器を共用して送受信を行うことを制御することを特徴とする。
【0007】
請求項3に記載の発明は、請求項1に記載の発明において、受信側において共有する前記周波数変換部は、RF周波数の複数のチャンネル信号を所定のIF周波数に周波数変換する周波数変換手段を具備することを特徴とする。
【0008】
請求項4に記載の発明は、請求項3に記載の発明において、前記第1の送受信部または前記第2の送受信部が具備する前記周波数変換部のうち、共用されない周波数変換部は動作を停止することを特徴とする。
【0009】
請求項5に記載の発明は、請求項1に記載の発明において、送信側において共有する前記周波数変換部は、変調したIF信号またはベースバンド信号を前記第1の送受信部及び前記第2の送受信部のIF中心周波数よりチャンネル周波数のオフセットを持つIF周波数に周波数変換した複数のIF信号を合成する信号加算手段と、該合成したIF信号を所定のRF周波数に変換する周波数変換手段とを具備することを特徴とする。
【0010】
請求項6に記載の発明は、請求項5に記載の発明において、前記第1の送受信部または前記第2の送受信部が具備する前記周波数変換部のうち、共用されない周波数変換部は動作を停止することを特徴とする。
【0011】
請求項7に記載の発明は、請求項3または請求項5に記載の発明において、前記周波数変換手段は、IFフィルタの帯域幅を周波数変換するRF周波数の複数のチャンネル信号を包含する帯域幅に切り替えることを特徴とする。
【0012】
請求項8に記載の発明は、請求項1に記載の発明において、前記制御部は、共用する各送受信部の送信電力に応じて、前記IF周波数とRF周波数の変換を行う周波数変換部を共用する複数の送受信部の数を制御することを特徴とする。
【0013】
【発明の実施の形態】
まず本発明の基本的な考え方について説明する。本発明は、広域送受信部を複数持つことによる回路規模の増大を抑えるため、RFハードウェアリソースの最適化を行う。すなわち、2つ以上の異なる周波数(周波数帯またはチャンネル)で同時に通信を行う無線機において、それぞれの周波数毎に独立している送受信部の周波数カバー範囲を所定の範囲に設定する。また、複数の送受信部が同一の周波数帯で動作する場合は、送受信部の一部を共用する構成とする。さらに、複数の送受信部が同一の周波数帯で動作する場合は、RF部より変調部前のローカル発振器を共用する。
【0014】
以下、図面を参照して本発明の一実施形態について説明する。図1は、本実施形態のマルチバンド無線機の全体構成を示すブロック図である。本実施形態におけるマルチバンド無線機は、5チャンネルの送受信部A〜E、アンテナ42A〜42E、スイッチ22、スイッチ41B〜41E、モデム21A〜21E、制御部100、上位レイヤ処理部200からなる。
図2〜6に送受信部A〜Eの回路構成図を示す。送受信部A・Bは、図2及び図3に示すように800MHz帯から2.4GHz帯において動作可能であり、送受信部C・Dは、図4及び図5に示すように2.4GHz帯から5GHz帯、送受信部Eは図6に示すように800MHz帯から5GHz帯において動作可能である。
【0015】
本実施形態のマルチバンド無線機は、屋外での利用時にはセルラーシステムを利用し、屋内や無線LAN等がサービスされる限定地域においては無線LANを利用する。通信断続の無いスムーズなハンドオーバーを実現するためには、周波数帯の異なるセルラー用と無線LAN用の2つの送受信部を同時に動作させることで方式間ソフトハンドオーバーを行う必要がある。1つの周波数帯において、チャンネルの異なる複数のシステム間のハンドオーバーを行う場合、複数の送受信部を設けていても、それぞれのカバー範囲において重なりが無い場合には、目的の周波数帯における異なる無線システム間のソフトハンドオーバーを行うことができない。このため、本実施形態においては、少なくとも1つ全ての周波数帯(800MHz帯から5GHz帯)で動作可能である送受信部Eをまず設ける。
【0016】
しかし、低い周波数帯から高い周波数帯まで全ての領域で動作可能であるRF部の実現は容易でないことから、要求される周波数帯の低い方の周波数帯で動作する送受信部と高い周波数帯で動作する送受信部とに分けることで他の送受信部の設計を容易にできる構成とする。すなわち、さらに上述の周波数帯を例えば、2つの周波数帯(800MHz帯から2.4GHz帯と2.4GHz帯から5GHz帯)に分割し、それぞれの周波数帯のみで動作可能な送受信部A・B、送受信部C・Dを設け、計5つの送受信部によって目的周波数での同時動作を実現する。
【0017】
さらに、RF部だけでなくIF部や変復調部においても、低い周波数ではチャンネル帯域幅が広くなく通信速度も主に音声に適した程度の遅いものであるのに対し、高い周波数ではチャンネル帯域幅が広く通信速度も画像や大容量のファイル伝送が可能な非常に高速なものとなる。このように通信速度とチャンネル帯域についても異なることから、各送受信部の動作範囲を分けることでRF部からモデム部の効率的な設計が容易になる。
【0018】
送受信部A〜Eの回路構成は、図2 ̄図6に示すようにRF部、IF部、ベースバンド部を要部とし、スイッチ、加算器の構成を異にする。以下、まず送受信部Aの回路構成について、図2を参照して説明する。
送受信部Aは、RFアンプ1A、ミキサ2A・7A・11A・16A、ローカル発振器3A・9A、IFフィルタ4A・15A、IFアンプ5A・14A、ADコンバータ6A、BB(=ベースバンド)フィルタ8A・10A、加算器12A、DAコンバータ13A、パワーアンプ17Aからなり、受信側は、アンテナ42Aより入力されたRF信号をBB信号に変換し、モデム21に出力すると共に、送信側は、モデム21より入力されたBB信号をRF信号に変換し、アンテナ42Aに出力する。
【0019】
また、他の送受信部B〜Eについても同様に上述の構成となり、送受信部Bは、送受信部Aに新たにスイッチ30B・31B・32B、加算器33Bを設け、加算器12Aに相当する加算器を持たない構成である。
また、送受信部Cは、送受信部Aに新たにスイッチ30C・31C・32C・34C、加算器33Cを設けた構成である。
また、送受信部Dは、送受信部Aに新たにスイッチ30D・31D・32D、加算器33Dを設け、加算器12Aに相当する加算器を持たない構成である。
また、送受信部Eは、送受信部Aに新たにスイッチ30E・31E・32Eを設け、加算器12Aに相当する加算器を持たない構成である。
【0020】
本実施形態における送受信器Aの特徴は、受信側において、ADコンバータ6Aの出力信号をラインA3を介して送受信器Bのスイッチ31Bへ、またB3を介して送受信器Cのスイッチ31Cへ、またC5を介して送受信器Dのスイッチ31Dへ、またD5を介して送受信器Eのスイッチ31Eに出力する点である。また送信側においては、 加算器12Aがミキサ11Aの出力と、送受信器Bの加算器33Bの出力(ラインA4)とを加算し、加算器33Bがミキサ11Bの出力と、送受信器Cの加算器33Cの出力(ラインB4)とを加算し、加算器33Cがミキサ11Cの出力と、送受信器Dの加算器33Dの出力(ラインC7)とを加算し、加算器33Dがミキサ11Dの出力と、送受信器Dのミキサ11Eの出力(ラインD7)とを加算する点である。
【0021】
上述の送受信器Aの特徴は、送受信器Cにおいても同様であり、受信側においては、送受信器CにおけるADコンバータ6Cの出力信号は、送受信器D・Eのスイッチ31D・31Eにも出力される。
また、送信側においては、加算器12Cにおいて、送受信器D・Eのミキサ11D・11Eの出力信号が入力されて合成される。
【0022】
制御部100は、各送受信部A〜Eの出力する信号情報に基づいて上述のスイッチの開閉の制御を行う。すなわち、制御部100は、アンテナ42A〜Eからの入力信号をスイッチ41B〜41Eを切り替えて各送受信部A〜Eに入力する制御を行うとともに、スイッチ22によって各送受信部A〜Eが出力する出力信号を各モデム21A〜21Eに出力する制御を行う。また、各モデム21A〜21Eが出力する信号を各送受信部A〜Eに出力する制御を行うとともに、スイッチ41B〜41Eを切り替えて各送受信部A〜Eが出力する信号をアンテナ42A〜Eに出力する制御を行う。
【0023】
以下、本実施形態におけるマルチバンド無線機の具体的な動作について、説明する。送受信器の共用時に、どの送受信器が同時に動作を行うかに関して以下4つのケース毎に分類し説明する。
(ケース1)
800MHz帯のCDMAによるセルラーシステムを利用した音声通話と5GHz帯高速無線LANを利用したソフトウェアダウンロードを同時に行う場合、送受信器Aと送受信器Cとを同時に動作させる。この場合、制御部100は、スイッチ41Cを制御してアンテナ42Cと送受信部Cとを接続する。このとき、送受信器Aと送受信器Cの扱う周波数帯が互いに異なるため、回路の共有は行われない。
また、セルラーシステムにおいて、受信ダイバシティを行う場合は、制御部100は、さらに送受信部Bの受信部を同時に動作させる。
【0024】
(ケース2)
800MHz帯のTDMAによるセルラーシステムから800MHz帯のCDMAによるセルラーシステム、または、2GHz帯のCDMAによるセルラーシステムのどちらか通信費または通信品質が有利なシステムにシステム間ハンドオーバーを行う場合、800MHz帯のTDMAは送受信部Aを使用し、800MHz帯のCDMAには送受信部Bを利用し、2GHz帯のCDMAには送受信部Eを利用する。すなわち、ハンドオーバー完了後には、送受信部Aから送受信部B、或いは、送受信部Eに音声処理が引き継がれる。以下に、AとBが同時に動作する場合の回路共有について説明する。
【0025】
受信側において、送受信部Aは、TDMAとCDMAのRF信号をIF信号に周波数変換するワイドダウンコンバータとして動作する。すなわち、アンテナ42Aより入力されたTDMA及びCDMARF信号は、RFアンプ1Aによって増幅され、ローカル発振器3A及びミキサ2AによりTDMA及びCDMAIF信号に変換される。このIF信号は、IFフィルター5Aによってフィルタリングされた後、IFアンプにより再度増幅される。そして、ADコンバータ6Aでデジタル変換された後、ミキサ7A及びラインA3とスイッチ31を介して送受信部Bのミキサ7Bに入力される。ミキサ7Aは、TDMAIF信号をTDMABB信号に変換するダウンコンバータとして、ミキサ7BはCDMAIF信号をCDMABB信号に変換するダウンコンバータとして動作し、それぞれ周波数変換される。出力されたTDMABB信号は、BBフィルタ8Aによりフィルタリングされた後、スイッチ22を介してモデム21Aに出力される。また、CDMABB信号は、BBフィルタ8Bによりフィルタリングされた後、スイッチ22を介してモデム21Bに出力される。モデム21A、21Bに入力された信号は、復調されて上位レイヤ処理部200に入力される。
【0026】
送信側において、送受信部Aは、TDMAとCDMAのIF信号をRF信号に周波数変換するワイドアップコンバータとして動作する。すなわち、より送受信器AのBBフィルタ10Aに入力されたTDMABB信号は、フィルタリングされた後、送受信器Aのミキサ11Aにおいて、TDMAIF信号に周波数変換される。また、送受信器BのBBフィルタ10Bに入力されたCDMABB信号は、フィルタリングされた後、送受信器Bのミキサ11Bにおいて、CDMAIF信号に周波数変換される。TDMAIF信号とCDMAIF信号は、A4、スイッチ32B、及び加算器33Bを介して加算器12Aに出力され合成される。合成されたTDMA及びCDMAIF信号は、DAコンバータ13Aによってアナログ信号に変換された後、IFアンプによって増幅される。増幅されたTDMA及びCDMAIF信号は、IFフィルタ15Aによってフィルタリングされた後、ローカル発振器3A及びミキサ16AによってTDMA及びCDMARF信号に周波数変換される。TDMA及びCDMARF信号は、パワーアンプ17Aによって増幅された後、アンテナ42Aに出力されて送信される。
【0027】
なお、この時使用されていない送受信部BのRFフロントエンド部であるRFアンプ1BからADコンバータ6B、DAコンバータ13Bからパワーアンプ17Bは動作を停止する。
また、送受信部Aと送受信部Bの総送信電力が送受信部Aのパワーアンプ17Aの許容電力を超えるときは、送信における送受信部Aと送受信部Bの回路共有を行わず、それぞれの回路のパワーアンプ17A、17Bを用いる。
【0028】
以上詳述したように、送受信部Aと送受信部Bの回路の共用を図ることで消費電力の増大を削減することができる。
【0029】
(ケース3)
ケース2において、800MHz帯のCDMA送受信部Bもハンドオーバー先として必要な場合に、送受信部A・B・Eの回路共有を行う場合について説明する。ケース2における送受信部Bの動作と同様に、送受信部Eは、受信時において、CDMAIF信号をCDMABB信号に変換するダウンコンバータとして動作する。すなわち、送受信部AのADコンバータ6Aでデジタル変換されたIF信号をミキサ7Eで受けて、CDMABB信号に周波数変換する。CDMABB信号は、スイッチを22介してモデム21Eに入力され、復調された後、上位レイヤ処理部200に出力される。
また送受信部Eは、送信時において、CDMABB信号をBBフィルタ10Eによってフィルタリングした後、ミキサ11EによってCDMAIF信号に周波数変換する。送受信部Eによって周波数変換されたCDMAIF信号は、スイッチ32Eより加算器12Aに出力され、送受信部Aによって周波数変換されたTDMAIF信号と送受信部Bによって周波数変換されたCDMAIF信号と共に合成される。
【0030】
なお、この時使用されていない送受信部EのRFフロントエンド部であるRFアンプ1EからADコンバータ6E、DAコンバータ13Eからパワーアンプ17Eは動作を停止する。
また、送受信部A、送受信部B及び送受信部Eの総送信電力が送受信部Aのパワーアンプ17Aの許容電力を超えるときは、送信における送受信部A、送受信部B及び送受信部Eの回路共有を行わず、それぞれの回路のパワーアンプ17A、17B、17Eを用いる。
【0031】
以上詳述したように、送受信部Aまたは送受信部Bの動作可能範囲を送受信部Eより狭く設定した場合であっても、回路共用に関し、十分な柔軟性を確保することができ、冗長な回路が削減され、コストの削減ができる。
【0032】
(ケース4)
2.4GHz帯の無線LANを利用して、送受信各5チャンネルのMIMO(Multi Input Multi Output)システムによって11Mbpsの55Mbpsに高速化するとき、送受信部A〜Eを同時に動作させ、スイッチ41B〜41Eを制御することにより個別にアンテナ42A〜Eに接続させる。このとき、スイッチ30B〜30Eを制御することにより、ローカル発振器3Aの出力信号をミキサ2B〜2E・16B〜16Eに送り、ローカル信号の共用を行う。このとき、ローカル発振器3B〜3Eは停止させることで、ローカル発振器3A〜3Eに関わる消費電力を1/5に削減することができる。
【0033】
なお、本実施形態においては、IFでのデジタル化を行う無線の構成例を示し、共用する受信部からの信号分離と共用する送信部への信号加算は、デジタル部で行った。これにより多くのアナログ回路が共通化できる。また、同時にアナログ部に必要なダイナミックレンジを複数に分割することで、アナログ部において受信信号分離と送信信号加算に高性能な部品が必要なくなり大幅なコスト削減ができる。
【0034】
【発明の効果】
以上説明したように請求項1の発明は、複数の送受信部のうち、所定の周波数範囲で動作する第1の送受信部と、動作可能な周波数範囲が第1の送受信部の動作可能な周波数範囲の全体または一部と互いに同一である第2の送受信部と、第1の送受信部及び第2の送受信部における接続を切り替えるスイッチ部と、第1の送受信部及び第2の送受信部が共に動作可能な周波数範囲において送受信を行う場合、受信信号に基づいてスイッチ部を切り替えて、第1の送受信部及び第2の送受信部のIF周波数とRF周波数の変換を行う周波数変換部を共用して送受信を制御する制御部とを具備するので、同一構成の広域帯送受信部を複数持つことによる回路部品コストや消費電力の大幅な増加を抑えることができる効果が得られる。
【0035】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の発明において、制御部は、第1の送受信部及び第2の送受信部が同一のチャンネル周波数で動作する場合、第1の送受信部及び第2の送受信部のローカル発振器を共用して送受信を行うことを制御するので、ローカル発振器に関わる消費電力を削減することができる効果を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本実施形態のマルチバンド無線機の全体構成を示すブロック図である。
【図2】図1における送受信部Aの回路構成図である。
【図3】図1における送受信部Bの回路構成図である。
【図4】図1における送受信部Cの回路構成図である。
【図5】図1における送受信部Dの回路構成図である。
【図6】図1における送受信部Eの回路構成図である。
【符号の説明】
A〜E…送受信部
21A〜21E…モデム
22、41B〜41E…スイッチ
42A〜42E…アンテナ
100…制御部
200…上位レイヤ処理部
Claims (8)
- 複数の周波数で同時に受信または送信、或いは送受信をする複数の送受信部を具備するマルチバンド無線機において、
前記複数の送受信部のうち、所定の周波数範囲で動作する第1の送受信部と、
動作可能な周波数範囲が、前記第1の送受信部の動作可能な周波数範囲の全体または一部と互いに同一である第2の送受信部と、
前記第1の送受信部及び前記第2の送受信部における接続を切り替えるスイッチ部と、
前記第1の送受信部及び前記第2の送受信部が共に動作可能な周波数範囲において送受信を行う場合、受信信号に基づいて前記スイッチ部を切り替えて、前記第1の送受信部及び前記第2の送受信部のIF周波数とRF周波数の変換を行う周波数変換部を共用して送受信を制御する制御部と
を具備することを特徴とするマルチバンド無線機。 - 前記制御部は、前記第1の送受信部及び前記第2の送受信部が同一のチャンネル周波数で動作する場合、前記第1の送受信部及び前記第2の送受信部のローカル発振器を共用して送受信を行うことを制御する
ことを特徴とする請求項1に記載のマルチバンド無線機。 - 受信側において共有する前記周波数変換部は、RF周波数の複数のチャンネル信号を所定のIF周波数に周波数変換する周波数変換手段を具備することを特徴とする請求項1に記載のマルチバンド無線機。
- 前記第1の送受信部または前記第2の送受信部が具備する前記周波数変換部のうち、共用されない周波数変換部は動作を停止する
ことを特徴とする請求項3に記載のマルチバンド無線機。 - 送信側において共有する前記周波数変換部は、変調したIF信号またはベースバンド信号を前記第1の送受信部及び前記第2の送受信部のIF中心周波数よりチャンネル周波数のオフセットを持つIF周波数に周波数変換した複数のIF信号を合成する信号加算手段と、該合成したIF信号を所定のRF周波数に変換する周波数変換手段と
を具備することを特徴とする請求項1に記載のマルチバンド無線機。 - 前記第1の送受信部または前記第2の送受信部が具備する前記周波数変換部のうち、共用されない周波数変換部は動作を停止する
ことを特徴とする請求項5に記載のマルチバンド無線機。 - 前記周波数変換手段は、IFフィルタの帯域幅を周波数変換するRF周波数の複数のチャンネル信号を包含する帯域幅に切り替える
ことを特徴とする請求項3または請求項5に記載のマルチバンド無線機。 - 前記制御部は、共用する各送受信部の送信電力に応じて、前記IF周波数とRF周波数の変換を行う周波数変換部を共用する複数の送受信部の数を制御する
ことを特徴とする請求項1に記載のマルチバンド無線機。
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