JP2004128856A - 音声信号処理装置 - Google Patents

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Izumi Matsumoto
松本 泉
Taisuke Amano
天野 泰典
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Matsushita Electric Industrial Co Ltd
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Abstract

【課題】収音した音声信号のSN比の劣化を生じることなく所望の音声以外の雑音を除去するとともに、音量レベルの変動を抑えることが可能な音声信号処理装置を提供すること。
【解決手段】複数のマイクエレメント111、112、113が同一線上に配置されたマイクユニットと、各マイクエレメントからの音声信号を音源に近い順番に遅延させて加算するために従属接続された第1の遅延制御部101と1以上の第2の遅延制御部102とを備え、第1の遅延制御部101は、音源に最も近いマイクエレメント111からの音声信号を遅延させて音源に2番目に近いマイクエレメント112からの音声信号に同相で加算し、第2の遅延制御部102は、音源に3番目に近いマイクエレメント113以降のマイクエレメント毎に対応して設けられ、各マイクエレメントからの音声信号を同相で加算するようにした構成を有している。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、音響システムに使用される音声信号処理装置に関し、さらに詳しくは、音源との位置関係に応じて収音特性を変えることができる音声信号処理装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
マイクロフォンを用いて特定の話者の音声を収音しようとする際に、収音しようとする話者以外から発せられる雑音を同時に取り込んだり、話者とマイクロフォンの位置関係の変化により収音された音声信号のレベルが変動したりして、収音対象の音声を聞き取り易いように又は良好に収音できない場合がある。
【0003】
従来、このような問題を解決する技術としては、例えば、特開2000−278786号公報に開示されたものが知られている。従来の技術は、収音されて電気信号に変換された音声信号をフィルタによって所定の帯域毎の信号成分に分割し、分割した各帯域の信号成分のダイナミックレンジを圧縮するものであり、かかる信号処理を用いて雑音を除去しつつ音量の変動を抑えようとするものである。
【0004】
以下、図26を用いて従来の音声信号処理装置の動作について説明する。
図26において、マイクロフォンユニット2610は、マイクエレメント2611とプリアンプ2612によって構成され、マイクエレメント2611は、空気の振動である音声を電気信号に変換する素子であり、プリアンプ2612は、マイクエレメント2611が出力した電気信号を増幅し、所望のマイクロフォン感度を得るための増幅器である。
【0005】
デジタル信号処理LSI2620は、内部にAD変換器2621、周波数帯域分割フィルタ2622、レベル変換器2623およびDA変換器2624を装備する。ここで、AD変換器2621は、入力されたアナログ音声信号の標本化と量子化を行ってデジタル信号に変換するものであり、周波数帯域分割フィルタ2622は、AD変換器2621によって変換された音声信号を複数個のバンドパスフィルタにより帯域毎に分割するフィルタである。
【0006】
また、レベル変換器2623は、周波数帯域分割フィルタ2622によって分割された各帯域の音声信号に対し、信号レベルの大きい帯域についてはレベルを下げる処理を行い、小さい帯域についてはレベルを上げる処理を行う等の非線形なゲイン制御を行ってダイナミックレンジを圧縮するとともに、帯域毎に圧縮した音声信号を再度ミキシングしてDA変換器に出力するようになっている。
【0007】
制御部2630はCPU(Central Processing Unit)などにより構成される制御回路であり、デジタル信号処理LSI2620に信号処理プログラムをロードし、周波数帯域分割フィルタ2622とレベル変換器2623による演算処理の際に用いる係数の変更などの制御を行うようになっている。
【0008】
次に、上記、従来の音声信号処理装置が雑音を除去しつつ音量の変動を抑える動作について説明する。マイクロフォンユニット2610が収音しようとする特定話者等の所望の音声以外に、風雑音や衝撃音等の所望の音声とは異なる周波数帯域の雑音が混入された場合、周波数帯域分割フィルタ2622によって音声と雑音が分離され、レベル変換器2623により個々にダイナミックレンジの圧縮がなされる。
【0009】
この動作により振幅の大きな雑音が混入された場合も、雑音のレベルのみが抑圧され、所望の音声の音量には影響を与えない。また、話者とマイクロフォンの位置関係の変化により音量が変動した場合にもダイナミックレンジの圧縮により音声レベルが均一化される。
上記、従来の音声信号処理装置は、以上のような構成および動作により、収音した音声に所望する音声帯域外のノイズが混入した場合に帯域外のノイズを抑圧しながらも所望する帯域の音声のレベルをほぼ一定に保ち、聞き取り易さを阻害する帯域外雑音や音量の変動を抑えようとするものである。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、このような従来の音声信号処理装置では、上記の帯域分割と非線形なゲイン制御を併用する信号処理を行うため、音声信号に周波数特性の乱れと波形の非線形歪を生じることになり、ノイズ除去効果の発生に連動して収音した音声の音質変化が起こり不自然な音質になるとともに、所望の音声帯域内に周囲雑音が発生した場合には、雑音除去の効果が得られないだけでなく音声レベルに変動が起こり聞き取り易さを阻害することになるという問題があった。
【0011】
また、マイクロフォンの感度一定の状態でダイナミックレンジを抑圧するために音声信号に対し相対的に回路雑音が大きくなりSN比が低下し聞き取り易さを阻害するという問題もあった。
さらに、収音した音声を音声認識処理にかける場合には、このような周波数特性の乱れと波形の非線形歪により認識率が低下するという問題もあった。
【0012】
本発明はこのような問題を解決するためになされたもので、収音した音声信号に周波数特性の乱れや波形の非線形歪に加えダイナミックレンジ圧縮によるSN比の劣化を生じることなく所望の音声以外の雑音を除去するとともに、音量レベルの変動を抑えることができ、さらに音声認識処理を行う際にも認識率を高めることが可能な音声信号処理装置を提供するものである。
【0013】
【課題を解決するための手段】
本発明の音声信号処理装置は、音源から発せられる音声を電気信号に変換して音声信号を生成する2つのマイクエレメントが配置されたマイクユニットと、前記音源に最も近いマイクエレメントからの第1の音声信号を遅延させて前記音源に最も遠いマイクエレメントからの第2の音声信号に加算して加算音声信号を生成する遅延制御部とを備え、前記遅延制御部は、前記第1の音声信号を遅延させて遅延音声信号を生成する遅延回路と、前記第2の音声信号と前記遅延音声信号とを加算する加算器と、前記遅延音声信号と前記第2の音声信号との間の遅延量を検出する比較器と、前記比較器の出力信号を積分して前記遅延回路が遅延させる遅延量の情報を生成する積分器とを有し、前記加算器が前記音源に最も近いマイクエレメントからの第1の音声信号を前記音源に最も遠いマイクエレメントからの第2の音声信号に同相で加算して前記加算音声信号を生成するようにした構成を有している。この構成により、音源位置に応じて指向角を制御するため、収音した音声信号に周波数特性の乱れや波形の非線形歪に加えダイナミックレンジ圧縮によるSN比の悪化を生じることなく所望の音声以外の雑音を除去するとともに、音量レベルの変動を抑えることができ、さらに音声認識処理を行う際にも認識率を高めることができる音声信号処理装置を実現することができる。
【0014】
また、本発明の音声信号処理装置は、音源から発せられる音声を電気信号に変換して音声信号を生成する複数のマイクエレメントが同一線上に配置されたマイクユニットと、前記各マイクエレメントからの音声信号を前記音源に近い順番に遅延させて加算するために従属接続された第1の遅延制御部と1以上の第2の遅延制御部とを備え、前記第1の遅延制御部は、前記音源に最も近いマイクエレメントからの音声信号を遅延させて前記音源に2番目に近いマイクエレメントからの音声信号に加算し、前記第2の遅延制御部は、前記音源に3番目に近いマイクエレメント以降のマイクエレメント毎に対応して設けられ、前記第1の遅延制御部は、前記音源に最も近いマイクエレメントからの音声信号を遅延させて第1の遅延音声信号を生成する第1の遅延回路と、前記音源に2番目に近いマイクエレメントからの音声信号と前記第1の遅延音声信号とを加算する第1の加算器と、前記第1の遅延音声信号と前記音源に2番目に近いマイクエレメントから音声信号との間の遅延量を検出する第1の比較器と、前記第1の比較器の出力信号を積分して前記第1の遅延回路が遅延させる遅延量の情報を生成する第1の積分器とを有し、前記第1の加算器が、前記音源に最も近いマイクエレメントからの音声信号と前記音源に2番目に近いマイクエレメントからの音声信号とを同相に加算するようにし、前記各第2の遅延制御部は、前段の遅延制御部からの音声信号を遅延させて第2の遅延音声信号を生成する第2の遅延回路と、前段のマイクエレメントからの音声信号を遅延させて第3の遅延音声信号を生成する第3の遅延回路と、この段のマイクエレメントからの音声信号と前記第2の遅延音声信号とを加算する第2の加算器と、この段のマイクエレメントからの音声信号と前記第3の遅延音声信号との間の遅延量を検出する第2の比較器と、前記第2の比較器の出力信号を積分して前記第2の遅延回路または第3の遅延回路が遅延させる遅延量の情報を生成する第2の積分器とを有し、前記第2の加算器が、前記音源に最も近いマイクエレメントから前段までのマイクエレメントまでのマイクエレメントからの音声信号を同相に加算するようにした構成を有している。この構成により、3つ以上のマイクエレメントを有するマイクユニットについても音源位置に応じて指向角を制御するため、収音した音声信号に周波数特性の乱れや波形の非線形歪に加えダイナミックレンジ圧縮によるSN比の悪化を生じることなく所望の音声以外の雑音を除去するとともに、音量レベルの変動を抑えることがより効果的にでき、さらに音声認識処理を行う際にも認識率を高めることが可能な音声信号処理装置を実現することができる。
【0015】
また、本発明の音声信号処理装置は、音源から発せられる音声を電気信号に変換して音声信号を生成する2つのマイクエレメントが配置されたマイクユニットと、前記音源に最も近いマイクエレメントからの第1の音声信号を遅延させて前記音源に最も遠いマイクエレメントからの第2の音声信号に加算して加算音声信号を生成する遅延制御部とを備え、前記遅延制御部は、前記第1の音声信号を遅延させて遅延音声信号を生成する遅延回路と、前記第2の音声信号と前記遅延音声信号とを加算する加算器と、前記遅延音声信号と前記第2の音声信号との間の遅延量を検出する比較器と、前記比較器の出力信号を積分して前記遅延回路が遅延させる遅延量の情報を生成する積分器と、前記比較器と前記積分器との電気的接続の開閉を行う開閉器とを有し、前記加算器が前記音源に最も近いマイクエレメントからの第1の音声信号を前記音源に最も遠いマイクエレメントからの第2の音声信号に同相で加算して前記加算音声信号を生成するようにし、前記音声信号処理装置は、前記開閉器を電気的に開閉させるための操作手段とを備え、前記積分器は、前記開閉器が閉の場合は前記比較器からの出力信号を積分して前記遅延回路が遅延させる前記遅延量の情報を生成し、前記開閉器が開の場合は開となる直前の前記遅延量の情報を維持するようにした構成を有している。この構成により、開閉器を設けて積分器の出力を固定することができるようになったため、指向角を固定することができ、長時間に亘って音源位置が大きく変化しない場合等に、安定した収音が可能な音声信号処理装置を実現することができる。
【0016】
また、本発明の音声信号処理装置は、音源から発せられる音声を電気信号に変換して音声信号を生成する複数のマイクエレメントが同一線上に配置されたマイクユニットと、前記各マイクエレメントからの音声信号を前記音源に近い順番に遅延させて加算するために従属接続された第1の遅延制御部と1以上の第2の遅延制御部とを備え、前記第1の遅延制御部は、前記音源に最も近いマイクエレメントからの音声信号を遅延させて前記音源に2番目に近いマイクエレメントからの音声信号に加算し、前記第2の遅延制御部は、前記音源に3番目に近いマイクエレメント以降のマイクエレメント毎に対応して設けられ、前記第1の遅延制御部は、前記音源に最も近いマイクエレメントからの音声信号を遅延させて第1の遅延音声信号を生成する第1の遅延回路と、前記音源に2番目に近いマイクエレメントからの音声信号と前記第1の遅延音声信号とを加算する第1の加算器と、前記第1の遅延音声信号と前記音源に2番目に近いマイクエレメントから音声信号との間の遅延量を検出する第1の比較器と、前記第1の比較器の出力信号を積分して前記第1の遅延回路が遅延させる遅延量の情報を生成する第1の積分器と、前記第1の比較器と前記第1の積分器との電気的接続の開閉を行う開閉器とを有し、前記第1の加算器が、前記音源に最も近いマイクエレメントからの音声信号と前記音源に2番目に近いマイクエレメントからの音声信号とを同相に加算するようにし、前記各第2の遅延制御部は、前段の遅延制御部からの音声信号を遅延させて第2の遅延音声信号を生成する第2の遅延回路と、前段のマイクエレメントからの音声信号を遅延させて第3の遅延音声信号を生成する第3の遅延回路と、この段のマイクエレメントからの音声信号と前記第2の遅延音声信号とを加算する第2の加算器と、この段のマイクエレメントからの音声信号と前記第3の遅延音声信号との間の遅延量を検出する第2の比較器と、前記第2の比較器の出力信号を積分して前記第2の遅延回路または第3の遅延回路が遅延させる遅延量の情報を生成する第2の積分器と、前記第2の比較器と前記第2の積分器との電気的接続の開閉を行う開閉器とを有し、前記音声信号処理装置は、各前記開閉器を電気的に開閉させるための操作手段とを備え、前記各積分器は、前記対応する開閉器が閉の場合は対応する比較器からの出力信号を積分して対応する遅延回路が遅延させる前記遅延量の情報を生成し、対応する開閉器が開の場合は開となる直前の前記遅延量の情報を維持するようにし、前記第2の加算器が、前記音源に最も近いマイクエレメントから前段までのマイクエレメントまでのマイクエレメントからの音声信号を同相に加算するようにした構成を有している。この構成により、この構成により、3つ以上のマイクエレメントを有するマイクユニットについても各マイクエレメント毎に開閉器を設けて積分器の出力を固定することができるようになったため、より効果的に音量レベルの変動を抑えることができることに加え、指向角を固定することができ、長時間に亘って音源位置が大きく変化しない場合等に、安定した収音が可能な音声信号処理装置を実現することができる。
【0017】
また、本発明の音声信号処理装置は、音源から発せられる音声を電気信号に変換して音声信号を生成する複数のマイクエレメントが同一線上に配置されたマイクユニットと、前記各マイクエレメントからの音声信号を前記音源に近い順番に遅延させて加算するために従属接続された第1の遅延制御部と1以上の第2の遅延制御部とを備え、前記第1の遅延制御部は、前記音源に最も近いマイクエレメントからの音声信号を遅延させて前記音源に2番目に近いマイクエレメントからの音声信号に加算し、前記第2の遅延制御部は、前記音源に3番目に近いマイクエレメント以降のマイクエレメント毎に対応して設けられ、前記第1の遅延制御部は、前記音源に最も近いマイクエレメントからの音声信号を遅延させて第1の遅延音声信号を生成する第1の遅延回路と、前記音源に2番目に近いマイクエレメントからの音声信号と前記第1の遅延音声信号とを加算する第1の加算器と、前記第1の遅延音声信号と前記音源に2番目に近いマイクエレメントから音声信号との間の遅延量を検出する第1の比較器と、前記第1の比較器の出力信号を積分して前記第1の遅延回路が遅延させる遅延量の情報を生成する第1の積分器と、前記第1の比較器と前記第1の積分器との電気的接続の開閉を行う開閉器とを有し、前記第1の加算器が、前記音源に最も近いマイクエレメントからの音声信号と前記音源に2番目に近いマイクエレメントからの音声信号とを同相に加算するようにし、前記各第2の遅延制御部は、前段の遅延制御部からの音声信号を遅延させて第2の遅延音声信号を生成する第2の遅延回路と、前段のマイクエレメントからの音声信号を遅延させて第3の遅延音声信号を生成する第3の遅延回路と、この段のマイクエレメントからの音声信号と前記第2の遅延音声信号とを加算する第2の加算器と、この段のマイクエレメントからの音声信号と前記第3の遅延音声信号との間の遅延量を検出する第2の比較器と、前記第2の比較器の出力信号を積分して前記第2の遅延回路または第3の遅延回路が遅延させる遅延量の情報を生成する第2の積分器と、前記第2の比較器と前記第2の積分器との電気的接続の開閉を行う開閉器とを有し、前記音声信号処理装置は、各前記開閉器を電気的に開閉させるための操作手段とを備え、前記各積分器は、前記対応する開閉器が閉の場合は対応する比較器からの出力信号を積分して対応する遅延回路が遅延させる前記遅延量の情報を生成し、対応する開閉器が開の場合は開となる直前の前記遅延量の情報を維持するようにし、前記第2の加算器が、前記音源に最も近いマイクエレメントから前段までのマイクエレメントまでのマイクエレメントからの音声信号を同相に加算するようにし、前記操作手段は、外部からの入力に応じて前記各開閉器を電気的に閉じさせるための閉信号を発生し、前記音声信号処理装置は、さらに、前記第1の積分器からの出力信号のうち高周波数成分を通過させる第1の高域通過フィルタと、前記第1の高域通過フィルタを通過した信号の振幅が所定値以上である場合に検出信号を出力する第1の検出手段と、前記第2の積分器からの出力信号のうち高周波数成分を通過させる第2の高域通過フィルタと、前記第2の高域通過フィルタを通過した信号の振幅が所定値以上である場合に検出信号を出力する第2の検出手段と、前記第1の検出手段が出力する前記検出信号、前記第2の検出手段が出力する前記検出信号、および前記操作手段が出力する前記閉信号に応じて前記各開閉器を開閉する制御回路とを備え、前記制御回路は、前記第1の検出手段が出力する前記検出信号または前記第2の検出手段が出力する前記検出信号があり、かつ前記操作手段が前記閉信号を発生した場合に前記各開閉器を閉じ、前記第1の検出手段が出力する前記検出信号および前記第2の検出手段が出力する前記検出信号がない場合に、前記各開閉器を開くようにした構成を有している。この構成により、積分器の出力変動を検出するための高域通過フィルタおよび検出器を設け、指向角の制御を行うため、操作者は開閉器を開放するタイミングに注意を払う必要が無く、操作性を向上することが可能な音声信号処理装置を実現することができる。
【0018】
また、本発明の音声信号処理装置は、外部の装置から入力された音声信号を増幅する増幅器と、前記増幅器で増幅された音声信号のうちの所定時間内における最大値を検出して保持する動作を繰り返す最大値保持回路と、前記最大値保持回路が保持する各前記時間内の最大値から基準値を差し引いて差分信号を生成する引算回路と、前記引算回路が生成する差分信号を積分して前記増幅器の増幅率を制御する制御信号を生成する積分器とを備え、前記増幅器は、前記積分器からの制御信号に応じて前記最大値が一定となるように増幅率を変更するようにした構成を有している。この構成により、マイクロフォンからの出力信号を一定レベルに保つように増幅・制御を行うため、音源とマイクとの距離が変動した場合でも安定したレベルで音源からの音声を収音することが可能な音声信号処理装置を実現することができる。
【0019】
また、本発明の音声信号処理装置は、外部の装置から入力された音声信号を増幅する増幅器と、前記増幅器で増幅された音声信号のうちの所定時間内における最大値を検出して保持する動作を繰り返す最大値保持回路と、前記最大値保持回路が保持する各前記時間内の最大値から基準値を差し引いて差分信号を生成する引算回路と、前記引算回路が生成する差分信号を積分して前記増幅器の増幅率を制御する制御信号を生成する積分器と、前記引算回路と前記積分器との電気的接続の開閉を行う開閉器と、前記開閉器を電気的に開閉させるための操作手段とを備え、前記積分器は、前記開閉器が閉の場合は前記引算回路が生成する差分信号を積分して前記制御信号を生成し、前記開閉器が開の場合は開となる直前の前記制御信号を維持し、前記増幅器は、前記積分器からの制御信号に応じて前記最大値が一定となるように増幅率を変更するようにした構成を有している。この構成により、開閉器を設けて積分器の出力を固定することができるようになったため、プリアンプの増幅率を固定することができ、長時間に亘って音源位置が大きく変化しない場合等に、安定した収音が可能な音声信号処理装置を実現することができる。
【0020】
また、本発明の音声信号処理装置は、外部の装置から入力された音声信号を増幅する増幅器と、前記増幅器で増幅された音声信号のうちの所定時間内における最大値を検出して保持する動作を繰り返す最大値保持回路と、前記最大値保持回路が保持する各前記時間内の最大値から基準値を差し引いて差分信号を生成する引算回路と、前記引算回路が生成する差分信号を積分して前記増幅器の増幅率を制御する制御信号を生成する積分器と、前記引算回路と前記積分器との電気的接続の開閉を行う開閉器と、外部からの入力に応じて前記開閉器を電気的に開閉させるための閉信号を発生する操作手段と、前記積分器からの出力信号のうち高周波数成分を通過させる高域通過フィルタと、前記高域通過フィルタを通過した信号の振幅が所定値以上である場合に検出信号を出力する検出手段と、前記検出手段が出力する前記検出信号および前記操作手段が出力する前記閉信号に応じて前記開閉器を開閉する制御回路とを備え、前記制御回路は、前記検出手段が出力する前記検出信号があり、かつ前記操作手段が前記閉信号を発生した場合に前記開閉器を閉じ、前記検出手段が出力する前記検出信号がない場合に、前記開閉器を開くようにし、前記積分器は、前記開閉器が閉の場合は前記引算回路が生成する差分信号を積分して前記制御信号を生成し、前記開閉器が開の場合は開となる直前の前記制御信号を維持し、前記増幅器は、前記積分器からの制御信号に応じて前記最大値が一定となるように増幅率を変更するようにした構成を有している。この構成により、積分器の出力変動を検出するための高域通過フィルタおよび検出器を設け、出力信号のマイク感度制御を行うため、操作者は開閉器を開放するタイミングに注意を払う必要が無く、操作性を向上することが可能な音声信号処理装置を実現することができる。
【0021】
また、本発明の音声信号処理装置は、音源から発せられる音声を電気信号に変換して音声信号を生成する複数のマイクエレメントが同一線上に配置されたマイクユニットと、前記各マイクエレメントからの音声信号を前記音源に近い順番に遅延させて加算するために従属接続された第1の遅延制御部と1以上の第2の遅延制御部と、最終段の前記遅延制御部からの出力信号の増幅および雑音除去を含む所定の信号処理を行うマイク感度制御部とを備え、前記第1の遅延制御部は、前記音源に最も近いマイクエレメントからの音声信号を遅延させて前記音源に2番目に近いマイクエレメントからの音声信号に加算し、前記第2の遅延制御部は、前記音源に3番目に近いマイクエレメント以降のマイクエレメント毎に対応して設けられ、前記第1の遅延制御部は、前記音源に最も近いマイクエレメントからの音声信号を遅延させて第1の遅延音声信号を生成する第1の遅延回路と、前記音源に2番目に近いマイクエレメントからの音声信号と前記第1の遅延音声信号とを加算する第1の加算器と、前記第1の遅延音声信号と前記音源に2番目に近いマイクエレメントから音声信号との間の遅延量を検出する第1の比較器と、前記第1の比較器の出力信号を積分して前記第1の遅延回路が遅延させる遅延量の情報を生成する第1の積分器と、前記第1の比較器と前記第1の積分器との電気的接続の開閉を行う第1の開閉器とを有し、前記第1の加算器が、前記音源に最も近いマイクエレメントからの音声信号と前記音源に2番目に近いマイクエレメントからの音声信号とを同相に加算するようにし、前記各第2の遅延制御部は、前段の遅延制御部からの音声信号を遅延させて第2の遅延音声信号を生成する第2の遅延回路と、前段のマイクエレメントからの音声信号を遅延させて第3の遅延音声信号を生成する第3の遅延回路と、この段のマイクエレメントからの音声信号と前記第2の遅延音声信号とを加算する第2の加算器と、この段のマイクエレメントからの音声信号と前記第3の遅延音声信号との間の遅延量を検出する第2の比較器と、前記第2の比較器の出力信号を積分して前記第2の遅延回路または第3の遅延回路が遅延させる遅延量の情報を生成する第2の積分器と、前記第2の比較器と前記第2の積分器との電気的接続の開閉を行う第2の開閉器とを有し、前記第2の加算器が、前記音源に最も近いマイクエレメントから前段までのマイクエレメントまでのマイクエレメントからの音声信号を同相に加算するようにし、前記マイク感度制御部は、最終段の前記遅延制御部からの出力信号を増幅する増幅器と、前記増幅器で増幅された音声信号のうちの所定時間内における最大値を検出して保持する動作を繰り返す最大値保持回路と、前記最大値保持回路が保持する各前記時間内の最大値から基準値を差し引いて差分信号を生成する引算回路と、前記引算回路が生成する差分信号を積分して前記増幅器の増幅率を制御する制御信号を生成する第3の積分器と、前記引算回路と前記第3の積分器との電気的接続の開閉を行う第3の開閉器と、外部からの入力に応じて前記開閉器を電気的に開閉させるための閉信号を発生する操作手段と、前記積分器からの出力信号のうち高周波数成分を通過させる高域通過フィルタと、前記高域通過フィルタを通過した信号の振幅が所定値以上である場合に検出信号を出力する検出手段と、前記検出手段が出力する前記検出信号および前記操作手段が出力する前記閉信号に応じて前記開閉器を開閉する制御回路とを備え、前記制御回路は、前記検出手段が出力する前記検出信号があり、かつ前記操作手段が前記閉信号を発生した場合に各前記開閉器を閉じ、前記検出手段が出力する前記検出信号がない場合に、各前記開閉器を開くようにし、前記第3の積分器は、前記第3の開閉器が閉の場合は前記引算回路が生成する差分信号を積分して前記制御信号を生成し、前記第3の開閉器が開の場合は開となる直前の前記制御信号を維持し、前記増幅器は、前記第3の積分器からの制御信号に応じて前記最大値が一定となるように増幅率を変更するようにした構成を有している。この構成により、指向角制御を行う構成部とマイク感度制御を行う構成部とを併せて設けたため、装置と話者との向きについての相対位置関係のみならず装置と話者との距離についても変動があっても、周囲雑音の混入を抑制し、良好に音声を収音することが可能な音声信号処理装置を実現することができる。
【0022】
また、本発明の音声信号処理装置は、外部の装置から入力された音声信号を増幅する増幅器と、前記増幅器で増幅された音声信号のうちの所定時間内における最大値を検出して保持する動作を繰り返す最大値保持回路と、前記最大値保持回路が保持する各前記時間内の最大値から基準値を差し引いて差分信号を生成する引算回路と、前記引算回路が生成する差分信号を積分して前記増幅器の増幅率を制御する制御信号を生成する積分器と、前記引算回路と前記積分器との電気的接続の開閉を行う開閉器と、外部からの入力に応じて前記開閉器を電気的に開閉させるための閉信号を発生する操作手段と、前記積分器からの出力信号のうち高周波数成分を通過させる高域通過フィルタと、前記高域通過フィルタを通過した信号の振幅が所定値以上である場合に検出信号を出力する検出手段と、前記検出手段が出力する前記検出信号および前記操作手段が出力する前記閉信号に応じて前記開閉器を開閉する制御回路と、前記増幅器の出力信号中の雑音を除去するための雑音フィルタと、前記増幅器の出力信号または前記雑音フィルタの出力信号のいずれかを選択して出力する切替手段と、前記積分器の出力信号が所定の基準値未満の場合は、前記切替手段に前記増幅器の出力信号を選択させ、前記積分器の出力信号が所定の基準値以上の場合は、前記切替手段に前記雑音フィルタの出力信号を選択させる切替信号を発生する比較器とを備え、前記制御回路は、前記検出手段が出力する前記検出信号があり、かつ前記操作手段が前記閉信号を発生した場合に前記開閉器を閉じ、前記検出手段が出力する前記検出信号がない場合に、前記開閉器を開くようにし、前記積分器は、前記開閉器が閉の場合は前記引算回路が生成する差分信号を積分して前記制御信号を生成し、前記開閉器が開の場合は開となる直前の前記制御信号を維持し、前記増幅器は、前記積分器からの制御信号に応じて前記最大値が一定となるように増幅率を変更するようにした構成を有している。この構成により、積分器の出力変動を検出して雑音除去する構成としたため、音源とマイクロフォンの位置関係が変化した場合にも、操作者は開閉器を開放するタイミングに注意を払う必要がなく簡便に、均一なレベルで収音することが可能となるとともに、音源がマイクロフォンから遠ざかりマイク感度が高くなった場合に増加する周囲雑音を抑制することが可能な音声信号処理装置を実現することができる。
【0023】
また、本発明の音声信号処理装置は、音源から発せられる音声を電気信号に変換して音声信号を生成する複数のマイクエレメントが同一線上に配置されたマイクユニットと、前記各マイクエレメントからの音声信号を前記音源に近い順番に遅延させて加算するために従属接続された第1の遅延制御部と1以上の第2の遅延制御部とを備え、前記第1の遅延制御部は、前記音源に最も近いマイクエレメントからの音声信号を遅延させて前記音源に2番目に近いマイクエレメントからの音声信号に加算し、前記第2の遅延制御部は、前記音源に3番目に近いマイクエレメント以降のマイクエレメント毎に対応して設けられ、前記第1の遅延制御部は、前記音源に最も近いマイクエレメントからの音声信号を遅延させて第1の遅延音声信号を生成する第1の遅延回路と、前記音源に2番目に近いマイクエレメントからの音声信号と前記第1の遅延音声信号とを加算する第1の加算器と、前記第1の遅延音声信号と前記音源に2番目に近いマイクエレメントから音声信号との間の遅延量を検出する第1の比較器と、前記第1の比較器の出力信号を積分して前記第1の遅延回路が遅延させる遅延量の情報を生成する第1の積分器と、前記第1の比較器と前記第1の積分器との電気的接続の開閉を行う開閉器とを有し、前記第1の加算器が、前記音源に最も近いマイクエレメントからの音声信号と前記音源に2番目に近いマイクエレメントからの音声信号とを同相に加算するようにし、前記各第2の遅延制御部は、前段の遅延制御部からの音声信号を遅延させて第2の遅延音声信号を生成する第2の遅延回路と、前段のマイクエレメントからの音声信号を遅延させて第3の遅延音声信号を生成する第3の遅延回路と、この段のマイクエレメントからの音声信号と前記第2の遅延音声信号とを加算する第2の加算器と、この段のマイクエレメントからの音声信号と前記第3の遅延音声信号との間の遅延量を検出する第2の比較器と、前記第2の比較器の出力信号を積分して前記第2の遅延回路または第3の遅延回路が遅延させる遅延量の情報を生成する第2の積分器と、前記第2の比較器と前記第2の積分器との電気的接続の開閉を行う開閉器とを有し、前記音声信号処理装置は、各前記開閉器を電気的に開閉させるための操作手段とを備え、前記各積分器は、前記対応する開閉器が閉の場合は対応する比較器からの出力信号を積分して対応する遅延回路が遅延させる前記遅延量の情報を生成し、対応する開閉器が開の場合は開となる直前の前記遅延量の情報を維持するようにし、前記第2の加算器が、前記音源に最も近いマイクエレメントから前段までのマイクエレメントまでのマイクエレメントからの音声信号を同相に加算するようにし、前記操作手段は、外部からの入力に応じて前記各開閉器を電気的に閉じさせるための閉信号を発生し、前記音声信号処理装置は、さらに、前記第1の積分器からの出力信号のうち高周波数成分を通過させる第1の高域通過フィルタと、前記第1の高域通過フィルタを通過した信号の振幅が所定値以上である場合に検出信号を出力する第1の検出手段と、前記第2の積分器からの出力信号のうち高周波数成分を通過させる第2の高域通過フィルタと、前記第2の高域通過フィルタを通過した信号の振幅が所定値以上である場合に検出信号を出力する第2の検出手段と、前記第1の検出手段が出力する前記検出信号、前記第2の検出手段が出力する前記検出信号、および前記操作手段が出力する前記閉信号に応じて前記各開閉器を開閉する制御回路と、最終段の前記遅延制御部からの出力信号中の雑音を除去するための雑音フィルタと、最終段の前記遅延制御部の出力信号または前記雑音フィルタの出力信号のいずれかを選択して出力する切替手段と、最終段の前記遅延制御部の前記積分器からの出力信号が所定の基準値未満の場合は、前記切替手段に最終段の前記遅延制御部からの出力信号を選択させ、最終段の前記遅延制御部の前記積分器からの出力信号が所定の基準値以上の場合は、前記切替手段に前記雑音フィルタの出力信号を選択させる比較器とを備え、前記制御回路は、前記第1の検出手段が出力する前記検出信号または前記第2の検出手段が出力する前記検出信号があり、かつ前記操作手段が前記閉信号を発生した場合に前記各開閉器を閉じ、前記第1の検出手段が出力する前記検出信号および前記第2の検出手段が出力する前記検出信号がない場合に、前記各開閉器を開くようにした構成を有している。この構成により、積分器の出力変動を検出して雑音除去する構成としたため、音源とマイクロフォンの位置関係が変化した場合にも、操作者は開閉器を開放するタイミングに注意を払う必要がなく簡便に、均一なレベルで収音することが可能な音声信号処理装置を実現することができる。
【0024】
また、本発明の音声信号処理装置は、音源から発せられる音声を電気信号に変換して音声信号を生成する複数のマイクエレメントが同一線上に配置されたマイクユニットと、前記各マイクエレメントからの音声信号を前記音源に近い順番に遅延させて加算するために従属接続された第1の遅延制御部と1以上の第2の遅延制御部と、最終段の前記遅延制御部からの出力信号の増幅および雑音除去を含む所定の信号処理を行うマイク感度制御部とを備え、前記第1の遅延制御部は、前記音源に最も近いマイクエレメントからの音声信号を遅延させて前記音源に2番目に近いマイクエレメントからの音声信号に加算し、前記第2の遅延制御部は、前記音源に3番目に近いマイクエレメント以降のマイクエレメント毎に対応して設けられ、前記第1の遅延制御部は、前記音源に最も近いマイクエレメントからの音声信号を遅延させて第1の遅延音声信号を生成する第1の遅延回路と、前記音源に2番目に近いマイクエレメントからの音声信号と前記第1の遅延音声信号とを加算する第1の加算器と、前記第1の遅延音声信号と前記音源に2番目に近いマイクエレメントから音声信号との間の遅延量を検出する第1の比較器と、前記第1の比較器の出力信号を積分して前記第1の遅延回路が遅延させる遅延量の情報を生成する第1の積分器と、前記第1の比較器と前記第1の積分器との電気的接続の開閉を行う第1の開閉器とを有し、前記第1の加算器が、前記音源に最も近いマイクエレメントからの音声信号と前記音源に2番目に近いマイクエレメントからの音声信号とを同相に加算するようにし、前記各第2の遅延制御部は、前段の遅延制御部からの音声信号を遅延させて第2の遅延音声信号を生成する第2の遅延回路と、前段のマイクエレメントからの音声信号を遅延させて第3の遅延音声信号を生成する第3の遅延回路と、この段のマイクエレメントからの音声信号と前記第2の遅延音声信号とを加算する第2の加算器と、この段のマイクエレメントからの音声信号と前記第3の遅延音声信号との間の遅延量を検出する第2の比較器と、前記第2の比較器の出力信号を積分して前記第2の遅延回路または第3の遅延回路が遅延させる遅延量の情報を生成する第2の積分器と、前記第2の比較器と前記第2の積分器との電気的接続の開閉を行う第2の開閉器とを有し、前記第2の加算器が、前記音源に最も近いマイクエレメントから前段までのマイクエレメントまでのマイクエレメントからの音声信号を同相に加算するようにし、前記マイク感度制御部は、最終段の前記遅延制御部からの出力信号を増幅する増幅器と、前記増幅器で増幅された音声信号のうちの所定時間内における最大値を検出して保持する動作を繰り返す最大値保持回路と、前記最大値保持回路が保持する各前記時間内の最大値から基準値を差し引いて差分信号を生成する引算回路と、前記引算回路が生成する差分信号を積分して前記増幅器の増幅率を制御する制御信号を生成する第3の積分器と、前記引算回路と前記第3の積分器との電気的接続の開閉を行う第3の開閉器と、外部からの入力に応じて前記開閉器を電気的に開閉させるための閉信号を発生する操作手段と、前記積分器からの出力信号のうち高周波数成分を通過させる高域通過フィルタと、前記高域通過フィルタを通過した信号の振幅が所定値以上である場合に検出信号を出力する検出手段と、前記検出手段が出力する前記検出信号および前記操作手段が出力する前記閉信号に応じて前記開閉器を開閉する制御回路と、請求項4に記載の積分器を第3の積分器として、前記第3の積分器からの出力信号のうち高周波数成分を通過させる高域通過フィルタと、前記高域通過フィルタを通過した信号の振幅が所定値以上である場合に検出信号を出力する検出手段と、前記検出手段が出力する前記検出信号および前記操作手段が出力する前記閉信号に応じて各前記開閉器を開閉する制御回路とを備え、前記制御回路は、前記検出手段が出力する前記検出信号があり、かつ前記操作手段が前記閉信号を発生した場合に各前記開閉器を閉じ、前記検出手段が出力する前記検出信号がない場合に、各前記開閉器を開くようにし、前記制御回路は、前記検出手段が出力する前記検出信号があり、かつ前記操作手段が前記閉信号を発生した場合に各前記開閉器を閉じ、前記検出手段が出力する前記検出信号がない場合に、各前記開閉器を開くようにし、前記第3の積分器は、前記第3の開閉器が閉の場合は前記引算回路が生成する差分信号を積分して前記制御信号を生成し、前記第3の開閉器が開の場合は開となる直前の前記制御信号を維持し、前記増幅器は、前記第3の積分器からの制御信号に応じて前記最大値が一定となるように増幅率を変更するようにした構成を有している。この構成により、積分器の出力変動を検出して雑音除去する構成としたため、音源とマイクロフォンの位置関係が変化した場合にも、操作者は開閉器を開放するタイミングに注意を払う必要がなく簡便に、均一なレベルで収音することが可能となるとともに、音源がマイクロフォンから遠ざかりマイク感度が高くなった場合に増加する周囲雑音を抑制することが可能な音声信号処理装置を実現することができる。
【0025】
また、本発明の音声信号処理装置は、音源から発せられる音声を電気信号に変換して音声信号を生成する複数のマイクエレメントが同一線上に配置されたマイクユニットと、前記マイクエレメント毎に設けられ、対応する前記マイクエレメントが生成した音声信号を増幅する増幅器と、前記増幅器毎に設けられ、対応する前記増幅器が増幅した信号の絶対値をとって絶対値信号を生成する絶対値回路と、前記絶対値回路毎に設けられ、対応する絶対値回路が生成する絶対値信号を積分する積分器と、前記各積分器が積分した信号のうち最大の信号を出力した積分器に対応する切替信号を逐次生成する比較器と、前記切替信号に応じて前記増幅器の出力信号を選択して選択出力信号として出力する切替手段とを備えた構成を有している。この構成により、音源との位置関係に応じて収音するマイクロフォン系統を切り替えるため、音源が移動しても音源位置に最も近いマイクロフォンの出力が選択され音量の低下を防止することができるとともに、音源から離れたマイクロフォンで収音した音声は出力されないので周囲雑音の混入も抑制することが可能な音声信号処理装置を実現することができる。
【0026】
また、本発明の音声信号処理装置は、音源から発せられる音声を電気信号に変換して音声信号を生成する複数のマイクエレメントが同一線上に配置されたマイクユニットと、前記マイクエレメント毎に設けられ、対応する前記マイクエレメントが生成した音声信号を増幅する増幅器と、前記増幅器毎に設けられ、対応する前記増幅器が増幅した信号の絶対値をとって絶対値信号を生成する絶対値回路と、前記絶対値回路毎に設けられ、対応する絶対値回路が生成する絶対値信号を積分する積分器と、前記各積分器が積分した信号のうち最大の信号を出力した積分器に対応する切替信号を逐次生成する比較器と、前記切替信号に応じて前記増幅器の出力信号を選択して選択出力信号として出力する切替手段と、隣り合う前記マイクエレメントに対応する積分器の出力信号間の差分信号を生成する、隣り合う前記マイクエレメント毎の引算器と、前記比較器の切替信号に応じて前記引算回路の出力信号を選択して出力する第2の切替手段と、前記第2の切替手段が出力した信号の絶対値をとって絶対値差分信号を生成する第2の絶対値回路と、前記絶対値差分信号を積分する第2の積分器と、前記第2の積分器の出力信号から所定の基準信号を差し引いて前記各増幅器の増幅率を制御する制御信号を生成する第2の引算回路とを備え、前記マイクエレメントが配置された線方向に前記音源が移動して前記マイクエレメントから離れていく際に生ずる前記選択出力信号の信号レベルの低下を補償するように動作する構成を有している。この構成により、音源との位置関係に応じて収音するマイクロフォン系統を切り替えるため、音源が移動しても音源位置に最も近いマイクロフォンの出力が選択され音量の低下を防止することができるとともに、音源から離れたマイクロフォンで収音した音声は出力されないので周囲雑音の混入も抑制することができるだけでなく、音源の位置が所定の範囲外に外れた場合にはマイク感度が高くなり音量低下の防止効果を高めることが可能な音声信号処理装置を実現することができる。
【0027】
また、本発明の音声信号処理装置は、音源から発せられる音声を電気信号に変換して音声信号を生成する複数のマイクエレメントが同一線上に配置されたマイクユニットと、前記マイクエレメント毎に設けられ、対応する前記マイクエレメントが生成した音声信号を増幅する増幅器と、前記増幅器毎に設けられ、対応する前記増幅器が増幅した信号の絶対値をとって絶対値信号を生成する絶対値回路と、前記絶対値回路毎に設けられ、対応する絶対値回路が生成する絶対値信号を積分する積分器と、前記各積分器が積分した信号のうち最大の信号を出力した積分器に対応する切替信号を逐次生成する比較器と、前記切替信号に応じて前記増幅器の出力信号を選択して選択出力信号として出力する切替手段と、隣り合う前記マイクエレメントに対応する積分器の出力信号間の差分信号を生成する、隣り合う前記マイクエレメント毎の引算器と、前記比較器の切替信号に応じて前記引算回路の出力信号を選択して出力する第2の切替手段と、前記第2の切替手段が出力した信号の絶対値をとって絶対値差分信号を生成する第2の絶対値回路と、前記絶対値差分信号を積分する第2の積分器と、前記切替手段が出力する選択出力信号中の雑音を除去するための雑音フィルタと、前記切替手段が出力する選択出力信号または前記雑音フィルタの出力信号のいずれかを選択して出力する第3の切替手段と、前記第2の積分器の出力信号が所定の基準値未満の場合は、前記第3の切替手段に前記選択出力信号を選択させ、前記積分器の出力信号が所定の基準値以上の場合は、前記第3の切替手段に前記雑音フィルタの出力信号を選択させる切替信号を発生する比較器とを備えた構成を有している。この構成により、音源との位置関係に応じて収音するマイクロフォン系統を切り替えるため、音源が移動しても音源位置に最も近いマイクロフォンの出力が選択され音量の低下を防止することができるとともに、音源から離れたマイクロフォンで収音した音声は出力されないので周囲雑音の混入も抑制することができるだけでなく、音源の位置が所定の範囲外に外れた場合には雑音フィルタが有効となり雑音除去効果を高めることが可能な音声信号処理装置を実現することができる。
【0028】
また、本発明の音声信号処理装置は、音源から発せられる音声を電気信号に変換して音声信号を生成する複数のマイクエレメントが同一線上に配置されたマイクユニットと、前記マイクエレメント毎に設けられ、対応する前記マイクエレメントが生成した音声信号を増幅する増幅器と、前記増幅器毎に設けられ、対応する前記増幅器が増幅した信号の絶対値をとって絶対値信号を生成する絶対値回路と、前記絶対値回路毎に設けられ、対応する絶対値回路が生成する絶対値信号を積分する積分器と、前記各積分器が積分した信号のうち最大の信号を出力した積分器に対応する切替信号を逐次生成する比較器と、前記切替信号に応じて前記増幅器の出力信号を選択して選択出力信号として出力する切替手段と、隣り合う前記マイクエレメントに対応する積分器の出力信号間の差分信号を生成する、隣り合う前記マイクエレメント毎の引算器と、前記比較器の切替信号に応じて前記引算回路の出力信号を選択して出力する第2の切替手段と、前記第2の切替手段が出力した信号の絶対値をとって絶対値差分信号を生成する第2の絶対値回路と、前記絶対値差分信号を積分する第2の積分器と、前記切替手段が出力する選択出力信号中の雑音を除去するための雑音フィルタと、前記切替手段が出力する選択出力信号または前記雑音フィルタの出力信号のいずれかを選択して出力する第3の切替手段と、前記第2の積分器の出力信号が所定の基準値未満の場合は、前記第3の切替手段に前記選択出力信号を選択させ、前記積分器の出力信号が所定の基準値以上の場合は、前記第3の切替手段に前記雑音フィルタの出力信号を選択させる切替信号を発生する比較器と、前記第2の積分器の出力信号から所定の基準信号を差し引いて前記各増幅器の増幅率を制御する制御信号を生成する第2の引算回路を備え、前記マイクエレメントが配置された線方向に前記音源が移動して前記マイクエレメントから離れていく際に生ずる前記選択出力信号の信号レベルの低下を補償するように動作する構成を有している。この構成により、音源との位置関係に応じて収音するマイクロフォン系統を切り替えるため、音源が移動しても音源位置に最も近いマイクロフォンの出力が選択され音量の低下を防止することができるとともに、音源から離れたマイクロフォンで収音した音声は出力されないので周囲雑音の混入も抑制することができるだけでなく、音源の位置が所定の範囲外に外れた場合には雑音フィルタが有効となり雑音除去効果を高めることができるとともに雑音フィルタが有効となり、雑音除去効果を高めることが可能な音声信号処理装置を実現することができる。
【0029】
また、本発明の音声信号処理装置は、音源から発せられる音声を電気信号に変換して音声信号を生成する複数のマイクエレメントが同一線上に配置されたマイクユニットと、前記各マイクエレメントからの音声信号を前記音源に近い順番に遅延させて加算するために従属接続された第1の遅延制御部と1以上の第2の遅延制御部とを備え、前記第1の遅延制御部は、前記音源に最も近いマイクエレメントからの音声信号を遅延させて前記音源に2番目に近いマイクエレメントからの音声信号に加算し、前記第2の遅延制御部は、前記音源に3番目に近いマイクエレメント以降のマイクエレメント毎に対応して設けられ、前記第1の遅延制御部は、前記音源に最も近いマイクエレメントからの音声信号を遅延させて第1の遅延音声信号を生成する第1の遅延回路と、前記音源に2番目に近いマイクエレメントからの音声信号と前記第1の遅延音声信号とを加算する第1の加算器と、前記第1の遅延音声信号と前記音源に2番目に近いマイクエレメントから音声信号との間の遅延量を検出する第1の比較器と、前記第1の比較器の出力信号を積分して前記第1の遅延回路が遅延させる遅延量の情報を生成する第1の積分器と、前記第1の比較器と前記第1の積分器との電気的接続の開閉を行う開閉器とを有し、前記第1の加算器が、前記音源に最も近いマイクエレメントからの音声信号と前記音源に2番目に近いマイクエレメントからの音声信号とを同相に加算するようにし、前記各第2の遅延制御部は、前段の遅延制御部からの音声信号を遅延させて第2の遅延音声信号を生成する第2の遅延回路と、前段のマイクエレメントからの音声信号を遅延させて第3の遅延音声信号を生成する第3の遅延回路と、この段のマイクエレメントからの音声信号と前記第2の遅延音声信号とを加算する第2の加算器と、この段のマイクエレメントからの音声信号と前記第3の遅延音声信号との間の遅延量を検出する第2の比較器と、前記第2の比較器の出力信号を積分して前記第2の遅延回路または第3の遅延回路が遅延させる遅延量の情報を生成する第2の積分器と、前記第2の比較器と前記第2の積分器との電気的接続の開閉を行う開閉器とを有し、前記音声信号処理装置は、各前記開閉器を電気的に開閉させるための操作手段とを備え、前記各積分器は、前記対応する開閉器が閉の場合は対応する比較器からの出力信号を積分して対応する遅延回路が遅延させる前記遅延量の情報を生成し、対応する開閉器が開の場合は開となる直前の前記遅延量の情報を維持するようにし、前記第2の加算器が、前記音源に最も近いマイクエレメントから前段までのマイクエレメントまでのマイクエレメントからの音声信号を同相に加算するようにし、前記操作手段は、外部からの入力に応じて前記各開閉器を電気的に閉じさせるための閉信号を発生し、前記音声信号処理装置は、さらに、前記第1の積分器からの出力信号のうち高周波数成分を通過させる第1の高域通過フィルタと、前記第1の高域通過フィルタを通過した信号の振幅が所定値以上である場合に検出信号を出力する第1の検出手段と、前記第2の積分器からの出力信号のうち高周波数成分を通過させる第2の高域通過フィルタと、前記第2の高域通過フィルタを通過した信号の振幅が所定値以上である場合に検出信号を出力する第2の検出手段と、前記第1の検出手段が出力する前記検出信号、前記第2の検出手段が出力する前記検出信号、および前記操作手段が出力する前記閉信号に応じて前記各開閉器を開閉する制御回路と、外部から入力されたフィルタ係数に応じたフィルタ特性を有し、最終段の前記遅延制御部からの出力信号中の雑音を除去する雑音フィルタと、最終段の前記遅延制御部の前記積分器からの出力信号の周波数スペクトルに応じて前記雑音フィルタのフィルタ係数を算出し、前記雑音フィルタに入力するフィルタ係数算出手段とを備え、前記制御回路は、前記第1の検出手段が出力する前記検出信号または前記第2の検出手段が出力する前記検出信号があり、かつ前記操作手段が前記閉信号を発生した場合に前記各開閉器を閉じ、前記第1の検出手段が出力する前記検出信号および前記第2の検出手段が出力する前記検出信号がない場合に、前記各開閉器を開くようにした構成を有している。この構成により、積分器の出力変動に応じて算出されたフィルタ係数を用いて雑音除去を行うため、指向角制御によって指向角が広くなるほど雑音除去効果が高まり、より効果的に雑音を抑制することが可能な音声信号処理装置を実現することができる。
【0030】
また、本発明の音声信号処理装置は、音源から発せられる音声を電気信号に変換して音声信号を生成する複数のマイクエレメントが同一線上に配置されたマイクユニットと、前記各マイクエレメントからの音声信号を前記音源に近い順番に遅延させて加算するために従属接続された第1の遅延制御部と1以上の第2の遅延制御部とを備え、前記第1の遅延制御部は、前記音源に最も近いマイクエレメントからの音声信号を遅延させて前記音源に2番目に近いマイクエレメントからの音声信号に加算し、前記第2の遅延制御部は、前記音源に3番目に近いマイクエレメント以降のマイクエレメント毎に対応して設けられ、前記第1の遅延制御部は、前記音源に最も近いマイクエレメントからの音声信号を遅延させて第1の遅延音声信号を生成する第1の遅延回路と、前記音源に2番目に近いマイクエレメントからの音声信号と前記第1の遅延音声信号とを加算する第1の加算器と、前記第1の遅延音声信号と前記音源に2番目に近いマイクエレメントから音声信号との間の遅延量を検出する第1の比較器と、前記第1の比較器の出力信号を積分して前記第1の遅延回路が遅延させる遅延量の情報を生成する第1の積分器と、前記第1の比較器と前記第1の積分器との電気的接続の開閉を行う開閉器とを有し、前記第1の加算器が、前記音源に最も近いマイクエレメントからの音声信号と前記音源に2番目に近いマイクエレメントからの音声信号とを同相に加算するようにし、前記各第2の遅延制御部は、前段の遅延制御部からの音声信号を遅延させて第2の遅延音声信号を生成する第2の遅延回路と、前段のマイクエレメントからの音声信号を遅延させて第3の遅延音声信号を生成する第3の遅延回路と、この段のマイクエレメントからの音声信号と前記第2の遅延音声信号とを加算する第2の加算器と、この段のマイクエレメントからの音声信号と前記第3の遅延音声信号との間の遅延量を検出する第2の比較器と、前記第2の比較器の出力信号を積分して前記第2の遅延回路または第3の遅延回路が遅延させる遅延量の情報を生成する第2の積分器と、前記第2の比較器と前記第2の積分器との電気的接続の開閉を行う開閉器とを有し、前記音声信号処理装置は、各前記開閉器を電気的に開閉させるための操作手段とを備え、前記各積分器は、前記対応する開閉器が閉の場合は対応する比較器からの出力信号を積分して対応する遅延回路が遅延させる前記遅延量の情報を生成し、対応する開閉器が開の場合は開となる直前の前記遅延量の情報を維持するようにし、前記第2の加算器が、前記音源に最も近いマイクエレメントから前段までのマイクエレメントまでのマイクエレメントからの音声信号を同相に加算するようにし、前記操作手段は、外部からの入力に応じて前記各開閉器を電気的に閉じさせるための閉信号を発生し、前記音声信号処理装置は、さらに、前記第1の積分器からの出力信号のうち高周波数成分を通過させる第1の高域通過フィルタと、前記第1の高域通過フィルタを通過した信号の振幅が所定値以上である場合に検出信号を出力する第1の検出手段と、前記第2の積分器からの出力信号のうち高周波数成分を通過させる第2の高域通過フィルタと、前記第2の高域通過フィルタを通過した信号の振幅が所定値以上である場合に検出信号を出力する第2の検出手段と、前記第1の検出手段が出力する前記検出信号、前記第2の検出手段が出力する前記検出信号、および前記操作手段が出力する前記閉信号に応じて前記各開閉器を開閉する制御回路と、最終段の前記遅延制御部の積分器からの出力信号の周波数スペクトルに応じて、最終段の前記遅延制御部からの出力信号のうちの通過させる信号成分の周波数帯を決定する帯域幅制御手段と、最終段の前記遅延制御部からの出力信号のうち前記帯域幅制御手段が決定した周波数帯の信号成分を通過させる帯域通過フィルタとを備え、前記制御回路は、前記第1の検出手段が出力する前記検出信号または前記第2の検出手段が出力する前記検出信号があり、かつ前記操作手段が前記閉信号を発生した場合に前記各開閉器を閉じ、前記第1の検出手段が出力する前記検出信号および前記第2の検出手段が出力する前記検出信号がない場合に、前記各開閉器を開くようにした構成を有している。この構成により、積分器の出力変動に応じて設定された通過帯域の信号を出力するため、音源がマイクエレメントの同軸上からはずれ、遅延回路の遅延時間が短くなるほど帯域通過フィルタの通過帯域が狭くなり、所望する話者の発音する音声帯域外の雑音を抑制する効果を高くすることが可能な音声信号処理装置を実現することができる。
【0031】
また、本発明の音声信号処理装置は、音源から発せられる音声を電気信号に変換して音声信号を生成する複数のマイクエレメントが同一線上に配置されたマイクユニットと、前記各マイクエレメントからの音声信号を前記音源に近い順番に遅延させて加算するために従属接続された第1の遅延制御部と1以上の第2の遅延制御部とを備え、前記第1の遅延制御部は、前記音源に最も近いマイクエレメントからの音声信号を遅延させて前記音源に2番目に近いマイクエレメントからの音声信号に加算し、前記第2の遅延制御部は、前記音源に3番目に近いマイクエレメント以降のマイクエレメント毎に対応して設けられ、前記第1の遅延制御部は、前記音源に最も近いマイクエレメントからの音声信号を遅延させて第1の遅延音声信号を生成する第1の遅延回路と、前記音源に2番目に近いマイクエレメントからの音声信号と前記第1の遅延音声信号とを加算する第1の加算器と、前記第1の遅延音声信号と前記音源に2番目に近いマイクエレメントから音声信号との間の遅延量を検出する第1の比較器と、前記第1の比較器の出力信号を積分して前記第1の遅延回路が遅延させる遅延量の情報を生成する第1の積分器と、前記第1の比較器と前記第1の積分器との電気的接続の開閉を行う開閉器とを有し、前記第1の加算器が、前記音源に最も近いマイクエレメントからの音声信号と前記音源に2番目に近いマイクエレメントからの音声信号とを同相に加算するようにし、前記各第2の遅延制御部は、前段の遅延制御部からの音声信号を遅延させて第2の遅延音声信号を生成する第2の遅延回路と、前段のマイクエレメントからの音声信号を遅延させて第3の遅延音声信号を生成する第3の遅延回路と、この段のマイクエレメントからの音声信号と前記第2の遅延音声信号とを加算する第2の加算器と、この段のマイクエレメントからの音声信号と前記第3の遅延音声信号との間の遅延量を検出する第2の比較器と、前記第2の比較器の出力信号を積分して前記第2の遅延回路または第3の遅延回路が遅延させる遅延量の情報を生成する第2の積分器と、前記第2の比較器と前記第2の積分器との電気的接続の開閉を行う開閉器とを有し、前記音声信号処理装置は、各前記開閉器を電気的に開閉させるための操作手段とを備え、前記各積分器は、前記対応する開閉器が閉の場合は対応する比較器からの出力信号を積分して対応する遅延回路が遅延させる前記遅延量の情報を生成し、対応する開閉器が開の場合は開となる直前の前記遅延量の情報を維持するようにし、前記第2の加算器が、前記音源に最も近いマイクエレメントから前段までのマイクエレメントまでのマイクエレメントからの音声信号を同相に加算するようにし、前記操作手段は、外部からの入力に応じて前記各開閉器を電気的に閉じさせるための閉信号を発生し、前記音声信号処理装置は、さらに、前記第1の積分器からの出力信号のうち高周波数成分を通過させる第1の高域通過フィルタと、前記第1の高域通過フィルタを通過した信号の振幅が所定値以上である場合に検出信号を出力する第1の検出手段と、前記第2の積分器からの出力信号のうち高周波数成分を通過させる第2の高域通過フィルタと、前記第2の高域通過フィルタを通過した信号の振幅が所定値以上である場合に検出信号を出力する第2の検出手段と、前記第1の検出手段が出力する前記検出信号、前記第2の検出手段が出力する前記検出信号、および前記操作手段が出力する前記閉信号に応じて前記各開閉器を開閉する制御回路と、外部から入力されたフィルタ係数に応じたフィルタ特性を有し、最終段の前記遅延制御部からの出力信号中の雑音を除去する雑音フィルタと、最終段の前記遅延制御部の前記積分器からの出力信号の周波数スペクトルに応じて前記雑音フィルタのフィルタ係数を算出し、前記雑音フィルタに入力するフィルタ係数算出手段と、最終段の前記遅延制御部の積分器からの出力信号の周波数スペクトルに応じて、前記雑音フィルタからの出力信号のうちの通過させる信号成分の周波数帯を決定する帯域幅制御手段と、前記雑音フィルタからの出力信号のうち前記帯域幅制御手段が決定した周波数帯の信号成分を通過させる帯域通過フィルタとを備え、前記制御回路は、前記第1の検出手段が出力する前記検出信号または前記第2の検出手段が出力する前記検出信号があり、かつ前記操作手段が前記閉信号を発生した場合に前記各開閉器を閉じ、前記第1の検出手段が出力する前記検出信号および前記第2の検出手段が出力する前記検出信号がない場合に、前記各開閉器を開くようにした構成を有している。この構成により、積分器の出力変動に応じて雑音フィルタのフィルタ係数と帯域通過フィルタの通過帯域幅とを制御するため、音源がマイクエレメントの同軸上からはずれ、遅延回路の遅延時間が短くなるほどウィナーフィルタによる雑音除去効果が高くなるとともに帯域通過フィルタの通過帯域が狭くなり、所望する話者の発音する音声帯域内の雑音と音声帯域外の雑音を抑制する効果を同時に高くすることが可能な音声信号処理装置を実現することができる。
【0032】
また、本発明の音声信号処理装置は、音源から発せられる音声を電気信号に変換して音声信号を生成する2つのマイクエレメントが配置されたマイクヘッドと、前記各マイクエレメントの位置を制御するためのマイクヘッド制御部とを備え、前記マイクヘッドは、さらに、前記各マイクエレメントを移動させるスライダと、前記スライダを前記スライダの移動方向に駆動するための駆動手段と、前記スライダの移動量に応じた信号を出力するポテンショメータとを有し、前記マイクヘッド制御部は、前記第1の音声信号を遅延させて遅延音声信号を生成する遅延回路と、前記第2の音声信号と前記遅延音声信号とを加算する加算器と、前記遅延音声信号と前記第2の音声信号との間の遅延量を検出する比較器と、前記比較器の出力信号を積分して前記遅延回路が遅延させる遅延量の情報を生成する積分器と、前記比較器と前記積分器との電気的接続の開閉を行う第1の開閉器と、前記第積分器からの出力信号のうち高周波数成分を通過させる高域通過フィルタと、前記高域通過フィルタを通過した信号の振幅が所定値以上である場合に検出信号を出力する検出手段と、外部からの入力に応じて前記各開閉器を電気的に閉じさせるための閉信号を発生する操作手段と、前記第1の積分器の出力レベルと前記ポテンショメータの出力レベルとが一致するように駆動手段を制御するサーボ回路と、前記サーボ回路と前記駆動手段との電気的接続の開閉を行う第2の開閉器と、前記検出手段が出力する前記検出信号および前記操作手段が出力する前記閉信号に応じて前記各開閉器を開閉する制御信号を生成する制御回路とを有し、前記制御回路は、前記検出手段が出力する前記検出信号があり、かつ前記操作手段が前記閉信号を発生した場合に前記各開閉器を閉じ、前記検出手段が出力する前記検出信号がない場合に、前記各開閉器を開き、前記積分器は、前記第1の開閉器が閉の場合は前記比較器からの出力信号を積分して前記遅延回路が遅延させる前記遅延量の情報を生成し、前記第1の開閉器が開の場合は開となる直前の前記遅延量の情報を維持する構成を有している。この構成により、マイクエレメント間を通過する直線からの音源の位置関係に応じてマイクエレメントを移動させるため、マイクヘッド1810の軸上から音源が離れた時に音源とマイクヘッド1810の軸方向の距離が増大し、相対的にマイクヘッド1810に対する音声の入射角が小さくなり、指向角の増大を抑制することができ、周囲雑音の混入を抑制することが可能な音声信号処理装置を実現することができる。
【0033】
また、本発明の音声信号処理装置は、音源から発せられる音声を電気信号に変換して音声信号を生成する2つのマイクエレメントが配置されたマイクヘッドと、前記各マイクエレメントの位置を制御するためのマイクヘッド制御部とを備え、前記マイクヘッドは、さらに、前記各マイクエレメントを移動させるスライダと、前記スライダを前記スライダの移動方向に駆動するための駆動手段と、前記スライダの移動量に応じた信号を出力するポテンショメータとを有し、前記マイクヘッド制御部は、前記第1の音声信号を遅延させて遅延音声信号を生成する遅延回路と、前記第2の音声信号と前記遅延音声信号とを加算する加算器と、前記遅延音声信号と前記第2の音声信号との間の遅延量を検出する比較器と、前記比較器の出力信号を積分して前記遅延回路が遅延させる遅延量の情報を生成する積分器と、前記比較器と前記積分器との電気的接続の開閉を行う第1の開閉器と、前記第積分器からの出力信号のうち高周波数成分を通過させる高域通過フィルタと、前記高域通過フィルタを通過した信号の振幅が所定値以上である場合に検出信号を出力する検出手段と、外部からの入力に応じて前記各開閉器を電気的に閉じさせるための閉信号を発生する操作手段と、前記第1の積分器の出力レベルと前記ポテンショメータの出力レベルとが一致するように駆動手段を制御するサーボ回路と、前記サーボ回路と前記駆動手段との電気的接続の開閉を行う第2の開閉器と、前記検出手段が出力する前記検出信号および前記操作手段が出力する前記閉信号に応じて前記各開閉器を開閉する制御信号を生成する制御回路とを有し、前記加算器の出力信号中の雑音を除去するための雑音フィルタと、前記制御回路から制御信号が出力されたときに前記雑音フィルタの出力信号を選択して出力する切替手段とをさらに備え、前記制御回路は、前記検出手段が出力する前記検出信号があり、かつ前記操作手段が前記閉信号を発生した場合に前記各開閉器を閉じ、前記検出手段が出力する前記検出信号がない場合に、前記各開閉器を開き、前記積分器は、前記第1の開閉器が閉の場合は前記比較器からの出力信号を積分して前記遅延回路が遅延させる前記遅延量の情報を生成し、前記第1の開閉器が開の場合は開となる直前の前記遅延量の情報を維持する構成を有している。この構成により、モータが駆動している期間、雑音フィルタの効果が有効となり、安価な直流モータとパルス駆動式のサーボ回路を用いることにより駆動ノイズが大きくなり音声経路に混入しても雑音フィルタによって除去されるので、マイクヘッドの可動部分にかかるコストを抑えることができ、より安価にすることが可能な音声信号処理装置を実現することができる。
【0034】
また、本発明の音声信号処理装置は、音源から発せられる音声を電気信号に変換して音声信号を生成する複数のマイクエレメントが同一線上に配置されたマイクユニットと、前記各マイクエレメントからの音声信号を前記音源に近い順番に遅延させて加算するために従属接続された第1の遅延制御部と1以上の第2の遅延制御部と、最終段の前記遅延制御部からの出力信号の増幅および雑音除去を含む所定の信号処理を行うマイク感度制御部とを備え、前記第1の遅延制御部は、前記音源に最も近いマイクエレメントからの音声信号を遅延させて前記音源に2番目に近いマイクエレメントからの音声信号に加算し、前記第2の遅延制御部は、前記音源に3番目に近いマイクエレメント以降のマイクエレメント毎に対応して設けられ、前記第1の遅延制御部は、前記音源に最も近いマイクエレメントからの音声信号を遅延させて第1の遅延音声信号を生成する第1の遅延回路と、前記音源に2番目に近いマイクエレメントからの音声信号と前記第1の遅延音声信号とを加算する第1の加算器と、前記第1の遅延音声信号と前記音源に2番目に近いマイクエレメントから音声信号との間の遅延量を検出する第1の比較器と、前記第1の比較器の出力信号を積分して前記第1の遅延回路が遅延させる遅延量の情報を生成する第1の積分器と、前記第1の比較器と前記第1の積分器との電気的接続の開閉を行う第1の開閉器とを有し、前記第1の加算器が、前記音源に最も近いマイクエレメントからの音声信号と前記音源に2番目に近いマイクエレメントからの音声信号とを同相に加算するようにし、前記各第2の遅延制御部は、前段の遅延制御部からの音声信号を遅延させて第2の遅延音声信号を生成する第2の遅延回路と、前段のマイクエレメントからの音声信号を遅延させて第3の遅延音声信号を生成する第3の遅延回路と、この段のマイクエレメントからの音声信号と前記第2の遅延音声信号とを加算する第2の加算器と、この段のマイクエレメントからの音声信号と前記第3の遅延音声信号との間の遅延量を検出する第2の比較器と、前記第2の比較器の出力信号を積分して前記第2の遅延回路または第3の遅延回路が遅延させる遅延量の情報を生成する第2の積分器と、前記第2の比較器と前記第2の積分器との電気的接続の開閉を行う第2の開閉器とを有し、前記第2の加算器が、前記音源に最も近いマイクエレメントから前段までのマイクエレメントまでのマイクエレメントからの音声信号を同相に加算するようにし、前記マイク感度制御部は、最終段の前記遅延制御部からの出力信号を増幅する増幅器と、前記増幅器で増幅された音声信号のうちの所定時間内における最大値を検出して保持する動作を繰り返す最大値保持回路と、前記最大値保持回路が保持する各前記時間内の最大値から基準値を差し引いて差分信号を生成する引算回路と、前記引算回路が生成する差分信号を積分して前記増幅器の増幅率を制御する制御信号を生成する第3の積分器と、前記引算回路と前記第3の積分器との電気的接続の開閉を行う第3の開閉器と、外部からの入力に応じて前記開閉器を電気的に開閉させるための閉信号を発生する操作手段と、前記積分器からの出力信号のうち高周波数成分を通過させる高域通過フィルタと、前記高域通過フィルタを通過した信号の振幅が所定値以上である場合に検出信号を出力する検出手段と、前記検出手段が出力する前記検出信号および前記操作手段が出力する前記閉信号に応じて前記開閉器を開閉する制御回路と、請求項4に記載の積分器を第3の積分器として、前記第3の積分器からの出力信号のうち高周波数成分を通過させる高域通過フィルタと、前記高域通過フィルタを通過した信号の振幅が所定値以上である場合に検出信号を出力する検出手段と、前記検出手段が出力する前記検出信号および前記操作手段が出力する前記閉信号に応じて各前記開閉器を開閉する制御回路とを備え、前記制御回路は、前記検出手段が出力する前記検出信号があり、かつ前記操作手段が前記閉信号を発生した場合に各前記開閉器を閉じ、前記検出手段が出力する前記検出信号がない場合に、各前記開閉器を開くようにし、前記制御回路は、前記検出手段が出力する前記検出信号があり、かつ前記操作手段が前記閉信号を発生した場合に各前記開閉器を閉じ、前記検出手段が出力する前記検出信号がない場合に、各前記開閉器を開くようにし、前記第3の積分器は、前記第3の開閉器が閉の場合は前記引算回路が生成する差分信号を積分して前記制御信号を生成し、前記第3の開閉器が開の場合は開となる直前の前記制御信号を維持し、前記増幅器は、前記第3の積分器からの制御信号に応じて前記最大値が一定となるように増幅率を変更するようにし、さらに前記第2の比較器の出力信号に応じた表示をする表示手段とを備えた構成を有している。この構成により、音源とマイクロフォンとの位置関係が変化したことをユーザに警告することが可能となるため、音源とマイクロフォンとの位置関係や周囲雑音の状況を意識することなく簡便に操作することが可能な音声信号処理装置を実現することができる。
【0035】
また、本発明の音声信号処理装置は、外部の装置から入力された音声信号を増幅する増幅器と、前記増幅器で増幅された音声信号のうちの所定時間内における最大値を検出して保持する動作を繰り返す最大値保持回路と、前記最大値保持回路が保持する各前記時間内の最大値から基準値を差し引いて差分信号を生成する引算回路と、前記引算回路が生成する差分信号を積分して前記増幅器の増幅率を制御する制御信号を生成する積分器と、前記引算回路と前記積分器との電気的接続の開閉を行う開閉器と、前記開閉器を電気的に開閉させるための操作手段と、前記信号レベルに対して抵抗値が対数特性で変化する第1の可変抵抗素子と固定抵抗素子とによって前記増幅器の出力を分圧する分圧器と、前記積分器からの制御信号の信号レベルの大小を反転して反転制御信号を生成するインバータとを備え、前記積分器は、前記開閉器が閉の場合は前記引算回路が生成する差分信号を積分して前記制御信号を生成し、前記開閉器が開の場合は開となる直前の前記制御信号を維持し、、前記増幅器は、信号レベルに対して対数特性で抵抗値が変化する第2の可変抵抗器を介して前記増幅率を変更させ、前記積分器からの制御信号を前記第1の可変抵抗素子または前記第2の可変抵抗素子のいずれかに抵抗値を変化させる信号として入力し、前記インバータからの反転制御信号を前記積分器からの制御信号が入力されない可変抵抗素子に抵抗値を変化させる信号として入力し、双方の前記可変抵抗素子の前記対数特性を相殺し前記積分器の出力に対し線形特性でマイク感度を制御するようにし、前記積分器からの制御信号に応じて前記最大値が一定となるように増幅率を変更するようにした構成を有している。この構成により、可変抵抗素子を制御することによってマイク感度を制御するため、簡易かつ安価で対数特性のデジタル制御型の可変抵抗素子を使用しながら、リニア特性で感度の低いところでも高いところでも同程度の分解能で感度制御を行うことができ、簡易な構成でかつ安価に製作することが可能な音声信号処理装置を実現することができる。
【0036】
また、本発明の音声信号処理装置は、音源から発せられる音声を電気信号に変換して音声信号を生成する複数のマイクエレメントが同一線上に配置されたマイクユニットと、前記各マイクエレメントからの音声信号を前記音源に近い順番に遅延させて同相で加算するために従属接続された第1の遅延制御部と1以上の第2の遅延制御部を含む指向角制御部と、前記指向角制御部からの出力信号の増幅および雑音除去を含む所定の信号処理を行うマイク感度制御部とを備え、前記第1の遅延制御部は、前記音源に最も近いマイクエレメントからの音声信号を遅延させて前記音源に2番目に近いマイクエレメントからの音声信号に加算し、前記第2の遅延制御部は、前記音源に3番目に近いマイクエレメント以降のマイクエレメント毎に対応して設けられ、前記第1の遅延制御部は、前記音源に最も近いマイクエレメントからの音声信号を遅延させて第1の遅延音声信号を生成する第1の遅延回路と、前記音源に2番目に近いマイクエレメントからの音声信号と前記第1の遅延音声信号とを加算する第1の加算器と、前記第1の遅延音声信号と前記音源に2番目に近いマイクエレメントから音声信号との間の遅延量を検出する第1の比較器と、前記第1の比較器の出力信号を積分して前記第1の遅延回路が遅延させる遅延量の情報を生成する第1の積分器と、前記第1の積分器と前記第1の遅延回路との電気的接続の開閉を行う第1の開閉器とを有し、前記各第2の遅延制御部は、前段の遅延制御部からの音声信号を遅延させて第2の遅延音声信号を生成する第2の遅延回路と、前段のマイクエレメントからの音声信号を遅延させて第3の遅延音声信号を生成する第3の遅延回路と、この段のマイクエレメントからの音声信号と前記第2の遅延音声信号とを加算する第2の加算器と、この段のマイクエレメントからの音声信号と前記第3の遅延音声信号との間の遅延量を検出する第2の比較器と、前記第2の比較器の出力信号を積分して前記第2の遅延回路または第3の遅延回路が遅延させる遅延量の情報を生成する第2の積分器と、前記第2の積分器と前記第2の遅延回路または前記第3の遅延回路との電気的接続の開閉を行う第2の開閉器とを有し、前記マイク感度制御部は、最終段の前記遅延制御部の第2の加算器が生成した音声信号を増幅する増幅器と、前記増幅器で増幅された音声信号のうちの所定時間内における最大値を検出して保持する動作を繰り返す最大値保持回路と、前記最大値保持回路が保持する各前記時間内の最大値から基準値を差し引いて差分信号を生成する引算回路と、前記引算回路が生成する差分信号を積分して前記増幅器の増幅率を制御する制御信号を生成する第3の積分器と、前記増幅器の出力信号中の雑音を除去するための雑音フィルタと、前記増幅器の出力信号または前記雑音フィルタの出力信号のいずれかを選択して出力する切替手段と、前記第3の積分器が生成した制御信号が入力されたとき、前記第3の積分器の出力信号が所定の基準値未満の場合は、前記切替手段に前記増幅器の出力信号を選択させ、前記第3の積分器の出力信号が所定の基準値以上の場合は、前記切替手段に前記雑音フィルタの出力信号を選択させる切替信号を発生する第3の比較器と、前記第1の積分器が生成した制御信号が入力されたとき、この制御信号のうちの高周波成分を通過させる高域通過フィルタと、前記増幅器、前記高域通過フィルタ、および前記比較器と前記第3の積分器との電気的接続の開閉を行う第3の開閉器と、前記高域通過フィルタを通過した信号の振幅が所定値以上である場合に検出信号を出力する第1の検出手段と、前記第1の検出手段が出力する前記検出信号に応じて前記開閉器を開閉させるための開閉信号を出力する制御回路と、前記増幅器からの出力信号のうち、負の振幅部分を反転して正の振幅からなる絶対値信号を生成する絶対値回路と、前記絶対値回路が生成した絶対値信号を平滑化する第4の積分器と、前記第4の積分器によって平滑された絶対値信号のレベルと所定の基準値とに応じた制御切替信号を出力する第2の検出手段と、前記第2の検出手段から出力された制御切替信号に応じて前記制御回路と前記第1の開閉器および第2の開閉器との間の経路を電気的に開閉する第4の開閉器と、前記第2の検出手段から出力された制御切替信号に応じて前記制御回路と前記第3の開閉器との間の経路を電気的に開閉する第5の開閉器とを有し、前記第2の検出手段は、前記平滑化された絶対値信号のレベルが前記所定の基準値以下のときに前記第4の開閉器および前記第5の開閉器を閉じさせて前記制御回路からの前記開閉信号を前記第1の開閉器および第2の開閉器に出力させ、前記第1の加算器が、前記音源に最も近いマイクエレメントからの音声信号と前記音源に2番目に近いマイクエレメントからの音声信号とを同相に加算するようにし、前記第2の加算器が、前記音源に最も近いマイクエレメントから前段までのマイクエレメントまでのマイクエレメントからの音声信号を同相に加算するようにし、前記増幅器は、前記第3の積分器からの制御信号に応じて前記最大値が一定となるように増幅率を変更するようにした構成を有している。この構成により、無音区間を検出してその期間の音声経路特性を変化させるため、指向角制御と感度制御および雑音除去の効果を得ながらも、より自然な音質を得ることができ、音声波形に波形の非線形歪を生じることがなく、音声認識処理を施す際の認識率低下を高めることが可能な音声信号処理装置を実現することができる。
【0037】
また、本発明の音声信号処理装置は、音源から発せられる音声を電気信号に変換して音声信号を生成する複数のマイクエレメントが同一線上に配置されたマイクユニットと、前記各マイクエレメントからの音声信号を前記音源に近い順番に遅延させて同相で加算するために従属接続された第1の遅延制御部と1以上の第2の遅延制御部を含む指向角制御部と、前記指向角制御部からの出力信号の増幅および雑音除去を含む所定の信号処理を行うマイク感度制御部とを備え、前記第1の遅延制御部は、前記音源に最も近いマイクエレメントからの音声信号を遅延させて前記音源に2番目に近いマイクエレメントからの音声信号に加算し、前記第2の遅延制御部は、前記音源に3番目に近いマイクエレメント以降のマイクエレメント毎に対応して設けられ、前記第1の遅延制御部は、前記音源に最も近いマイクエレメントからの音声信号を遅延させて第1の遅延音声信号を生成する第1の遅延回路と、前記音源に2番目に近いマイクエレメントからの音声信号と前記第1の遅延音声信号とを加算する第1の加算器と、前記第1の遅延音声信号と前記音源に2番目に近いマイクエレメントから音声信号との間の遅延量を検出する第1の比較器と、前記第1の比較器の出力信号を積分して前記第1の遅延回路が遅延させる遅延量の情報を生成する第1の積分器と、前記第1の積分器と前記第1の遅延回路との電気的接続の開閉を行う第1の開閉器とを有し、前記各第2の遅延制御部は、前段の遅延制御部からの音声信号を遅延させて第2の遅延音声信号を生成する第2の遅延回路と、前段のマイクエレメントからの音声信号を遅延させて第3の遅延音声信号を生成する第3の遅延回路と、この段のマイクエレメントからの音声信号と前記第2の遅延音声信号とを加算する第2の加算器と、この段のマイクエレメントからの音声信号と前記第3の遅延音声信号との間の遅延量を検出する第2の比較器と、前記第2の比較器の出力信号を積分して前記第2の遅延回路または第3の遅延回路が遅延させる遅延量の情報を生成する第2の積分器と、前記第2の積分器と前記第2の遅延回路または前記第3の遅延回路との電気的接続の開閉を行う第2の開閉器とを有し、前記マイク感度制御部は、最終段の前記遅延制御部の第2の加算器が生成した音声信号を増幅する増幅器と、前記増幅器で増幅された音声信号のうちの所定時間内における最大値を検出して保持する動作を繰り返す最大値保持回路と、前記最大値保持回路が保持する各前記時間内の最大値から基準値を差し引いて差分信号を生成する引算回路と、前記引算回路が生成する差分信号を積分して前記増幅器の増幅率を制御する制御信号を生成する第3の積分器と、前記増幅器の出力信号中の雑音を除去するための雑音フィルタと、前記増幅器の出力信号または前記雑音フィルタの出力信号のいずれかを選択して出力する切替手段と、前記第3の積分器が生成した制御信号が入力されたとき、前記第3の積分器の出力信号が所定の基準値未満の場合は、前記切替手段に前記増幅器の出力信号を選択させ、前記第3の積分器の出力信号が所定の基準値以上の場合は、前記切替手段に前記雑音フィルタの出力信号を選択させる切替信号を発生する第3の比較器と、前記第1の積分器が生成した制御信号が入力されたとき、この制御信号のうちの高周波成分を通過させる高域通過フィルタと、前記増幅器、前記高域通過フィルタ、および前記比較器と前記第3の積分器との電気的接続の開閉を行う第3の開閉器と、前記高域通過フィルタを通過した信号の振幅が所定値以上である場合に検出信号を出力する第1の検出手段と、前記第1の検出手段が出力する前記検出信号に応じて前記開閉器を開閉させるための開閉信号を出力する制御回路と、前記増幅器からの出力信号のうち、負の振幅部分を反転して正の振幅からなる絶対値信号を生成する絶対値回路と、前記絶対値回路が生成した絶対値信号を平滑化する第4の積分器と、前記第4の積分器によって平滑された絶対値信号のレベルと所定の基準値とに応じた制御切替信号を出力する第2の検出手段と、前記第2の検出手段から出力された制御切替信号に応じて前記制御回路と前記第1の開閉器および第2の開閉器との間の経路を電気的に開閉する第4の開閉器と、前記第2の検出手段から出力された制御切替信号に応じて前記制御回路と前記第3の開閉器との間の経路を電気的に開閉する第5の開閉器とを有し、前記第2の検出手段は、前記平滑化された絶対値信号のレベルが前記所定の基準値以下のときに前記第4の開閉器および前記第5の開閉器を閉じさせて前記制御回路からの前記開閉信号を前記第1の開閉器および第2の開閉器に出力させ、前記第1の加算器が、前記音源に最も近いマイクエレメントからの音声信号と前記音源に2番目に近いマイクエレメントからの音声信号とを同相に加算するようにし、前記第2の加算器が、前記音源に最も近いマイクエレメントから前段までのマイクエレメントまでのマイクエレメントからの音声信号を同相に加算するようにし、前記増幅器は、前記第3の積分器からの制御信号に応じて前記最大値が一定となるように増幅率を変更するようにし、さらに各前記開閉器を閉にするための前記制御切替信号を前記制御回路に生成させるためのトリガを生成して前記制御回路に出力するための操作手段を備え、前記操作手段からの前記トリガと前記第2の検出手段からの制御切替信号とが制御回路に入力されたとき、前記第4の開閉器および前記第5の開閉器が閉じられ、前記第1の開閉器、前記第2の開閉器、および前記第3の開閉器の開閉器が閉じられるようにした構成を有している。この構成により、操作子を設けて制御開始のトリガを入力できるようにしたため、音源とマイクユニットの位置関係が変化した場合にも、操作者が開閉器を開放するタイミングに集中することなく簡便に、マイクユニットの指向角を最小限に保つことで周囲の雑音を拾いにくくできるとともに均一なレベルで収音することが可能な音声信号処理装置を実現することができる。
【0038】
また、本発明の音声信号処理装置は、音源から発せられる音声を電気信号に変換して音声信号を生成する複数のマイクエレメントが同一線上に配置されたマイクユニットと、前記各マイクエレメントからの音声信号を前記音源に近い順番に遅延させて同相で加算するために従属接続された第1の遅延制御部と1以上の第2の遅延制御部を含む指向角制御部と、前記指向角制御部からの出力信号の増幅および雑音除去を含む所定の信号処理を行うマイク感度制御部とを備え、前記第1の遅延制御部は、前記音源に最も近いマイクエレメントからの音声信号を遅延させて前記音源に2番目に近いマイクエレメントからの音声信号に加算し、前記第2の遅延制御部は、前記音源に3番目に近いマイクエレメント以降のマイクエレメント毎に対応して設けられ、前記第1の遅延制御部は、前記音源に最も近いマイクエレメントからの音声信号を遅延させて第1の遅延音声信号を生成する第1の遅延回路と、前記音源に2番目に近いマイクエレメントからの音声信号と前記第1の遅延音声信号とを加算する第1の加算器と、前記第1の遅延音声信号と前記音源に2番目に近いマイクエレメントから音声信号との間の遅延量を検出する第1の比較器と、前記第1の比較器の出力信号を積分して前記第1の遅延回路が遅延させる遅延量の情報を生成する第1の積分器と、前記第1の積分器と前記第1の遅延回路との電気的接続の開閉を行う第1の開閉器とを有し、前記各第2の遅延制御部は、前段の遅延制御部からの音声信号を遅延させて第2の遅延音声信号を生成する第2の遅延回路と、前段のマイクエレメントからの音声信号を遅延させて第3の遅延音声信号を生成する第3の遅延回路と、この段のマイクエレメントからの音声信号と前記第2の遅延音声信号とを加算する第2の加算器と、この段のマイクエレメントからの音声信号と前記第3の遅延音声信号との間の遅延量を検出する第2の比較器と、前記第2の比較器の出力信号を積分して前記第2の遅延回路または第3の遅延回路が遅延させる遅延量の情報を生成する第2の積分器と、前記第2の積分器と前記第2の遅延回路または前記第3の遅延回路との電気的接続の開閉を行う第2の開閉器とを有し、前記マイク感度制御部は、最終段の前記遅延制御部の第2の加算器が生成した音声信号を増幅する増幅器と、前記増幅器で増幅された音声信号のうちの所定時間内における最大値を検出して保持する動作を繰り返す最大値保持回路と、前記最大値保持回路が保持する各前記時間内の最大値から基準値を差し引いて差分信号を生成する引算回路と、前記引算回路が生成する差分信号を積分して前記増幅器の増幅率を制御する制御信号を生成する第3の積分器と、前記増幅器の出力信号中の雑音を除去するための雑音フィルタと、前記増幅器の出力信号または前記雑音フィルタの出力信号のいずれかを選択して出力する切替手段と、前記第3の積分器が生成した制御信号が入力されたとき、前記第3の積分器の出力信号が所定の基準値未満の場合は、前記切替手段に前記増幅器の出力信号を選択させ、前記第3の積分器の出力信号が所定の基準値以上の場合は、前記切替手段に前記雑音フィルタの出力信号を選択させる切替信号を発生する第3の比較器と、前記第1の積分器が生成した制御信号が入力されたとき、この制御信号のうちの高周波成分を通過させる高域通過フィルタと、前記増幅器、前記高域通過フィルタ、および前記比較器と前記第3の積分器との電気的接続の開閉を行う第3の開閉器と、前記高域通過フィルタを通過した信号の振幅が所定値以上である場合に検出信号を出力する第1の検出手段と、前記第1の検出手段が出力する前記検出信号に応じて前記開閉器を開閉させるための開閉信号を出力する制御回路と、前記増幅器からの出力信号のうち、負の振幅部分を反転して正の振幅からなる絶対値信号を生成する絶対値回路と、前記絶対値回路が生成した絶対値信号を平滑化する第4の積分器と、前記第4の積分器によって平滑された絶対値信号のレベルと所定の基準値とに応じた制御切替信号を出力する第2の検出手段と、前記第2の検出手段から出力された制御切替信号に応じて前記制御回路と前記第1の開閉器および第2の開閉器との間の経路を電気的に開閉する第4の開閉器と、前記第2の検出手段から出力された制御切替信号に応じて前記制御回路と前記第3の開閉器との間の経路を電気的に開閉する第5の開閉器とを有し、前記第2の検出手段は、前記平滑化された絶対値信号のレベルが前記所定の基準値以下のときに前記第4の開閉器および前記第5の開閉器を閉じさせて前記制御回路からの前記開閉信号を前記第1の開閉器および第2の開閉器に出力させ、前記第1の加算器が、前記音源に最も近いマイクエレメントからの音声信号と前記音源に2番目に近いマイクエレメントからの音声信号とを同相に加算するようにし、前記第2の加算器が、前記音源に最も近いマイクエレメントから前段までのマイクエレメントまでのマイクエレメントからの音声信号を同相に加算するようにし、前記増幅器は、前記第3の積分器からの制御信号に応じて前記最大値が一定となるように増幅率を変更するようにし、さらに各前記開閉器を閉にするための前記制御切替信号を前記制御回路に生成させるためのトリガを生成して前記制御回路に出力するための操作手段と、最終段の前記遅延制御部の積分手段からの出力信号に応じた表示を行う表示手段とを備え、前記操作手段からの前記トリガと前記第2の検出手段からの制御切替信号とが制御回路に入力されたとき、前記第4の開閉器および前記第5の開閉器が閉じられ、前記第1の開閉器、前記第2の開閉器、および前記第3の開閉器の開閉器が閉じられるようにした構成を有している。この構成により、表示手段を設けたため、音源とマイクユニットとの位置関係が変化したことをユーザに警告することが可能となり、音源とマイクユニットとの位置関係や周囲雑音の状況を意識することなく簡便に操作することが可能となるだけでなく、音声波形に波形の非線形歪を生じることがなく音声認識処理にかける際の認識率低下を高めることが可能な音声信号処理装置を実現することができる。
【0039】
また、本発明の音声信号処理装置は、音源から発せられる音声を電気信号に変換して音声信号を生成する複数のマイクエレメントが同一線上に配置されたマイクユニットと、前記各マイクエレメントからの音声信号を前記音源に近い順番に遅延させて同相で加算するために従属接続された第1の遅延制御部と1以上の第2の遅延制御部を含む指向角制御部と、前記指向角制御部からの出力信号の増幅および雑音除去を含む所定の信号処理を行うマイク感度制御部とを備え、前記第1の遅延制御部は、前記音源に最も近いマイクエレメントからの音声信号を遅延させて前記音源に2番目に近いマイクエレメントからの音声信号に加算し、前記第2の遅延制御部は、前記音源に3番目に近いマイクエレメント以降のマイクエレメント毎に対応して設けられ、前記第1の遅延制御部は、前記音源に最も近いマイクエレメントからの音声信号を遅延させて第1の遅延音声信号を生成する第1の遅延回路と、前記音源に2番目に近いマイクエレメントからの音声信号と前記第1の遅延音声信号とを加算する第1の加算器と、前記第1の遅延音声信号と前記音源に2番目に近いマイクエレメントから音声信号との間の遅延量を検出する第1の比較器と、前記第1の比較器の出力信号を積分して前記第1の遅延回路が遅延させる遅延量の情報を生成する第1の積分器と、前記第1の積分器と前記第1の遅延回路との電気的接続の開閉を行う第1の開閉器とを有し、前記各第2の遅延制御部は、前段の遅延制御部からの音声信号を遅延させて第2の遅延音声信号を生成する第2の遅延回路と、前段のマイクエレメントからの音声信号を遅延させて第3の遅延音声信号を生成する第3の遅延回路と、この段のマイクエレメントからの音声信号と前記第2の遅延音声信号とを加算する第2の加算器と、この段のマイクエレメントからの音声信号と前記第3の遅延音声信号との間の遅延量を検出する第2の比較器と、前記第2の比較器の出力信号を積分して前記第2の遅延回路または第3の遅延回路が遅延させる遅延量の情報を生成する第2の積分器と、前記第2の積分器と前記第2の遅延回路または前記第3の遅延回路との電気的接続の開閉を行う第2の開閉器とを有し、前記マイク感度制御部は、最終段の前記遅延制御部の第2の加算器が生成した音声信号を増幅する増幅器と、前記増幅器で増幅された音声信号のうちの所定時間内における最大値を検出して保持する動作を繰り返す最大値保持回路と、前記最大値保持回路が保持する各前記時間内の最大値から基準値を差し引いて差分信号を生成する引算回路と、前記引算回路が生成する差分信号を積分して前記増幅器の増幅率を制御する制御信号を生成する第3の積分器と、前記増幅器の出力信号中の雑音を除去するための雑音フィルタと、前記増幅器の出力信号または前記雑音フィルタの出力信号のいずれかを選択して出力する切替手段と、前記第3の積分器が生成した制御信号が入力されたとき、前記第3の積分器の出力信号が所定の基準値未満の場合は、前記切替手段に前記増幅器の出力信号を選択させ、前記第3の積分器の出力信号が所定の基準値以上の場合は、前記切替手段に前記雑音フィルタの出力信号を選択させる切替信号を発生する第3の比較器と、前記第1の積分器が生成した制御信号が入力されたとき、この制御信号のうちの高周波成分を通過させる高域通過フィルタと、前記増幅器、前記高域通過フィルタ、および前記比較器と前記第3の積分器との電気的接続の開閉を行う第3の開閉器と、前記高域通過フィルタを通過した信号の振幅が所定値以上である場合に検出信号を出力する第1の検出手段と、前記第1の検出手段が出力する前記検出信号に応じて前記開閉器を開閉させるための開閉信号を出力する制御回路と、前記増幅器からの出力信号のうち、負の振幅部分を反転して正の振幅からなる絶対値信号を生成する絶対値回路と、前記絶対値回路が生成した絶対値信号を平滑化する第4の積分器と、前記第4の積分器によって平滑された絶対値信号のレベルと所定の基準値とに応じた制御切替信号を出力する第2の検出手段と、前記第2の検出手段から出力された制御切替信号に応じて前記制御回路と前記第1の開閉器および第2の開閉器との間の経路を電気的に開閉する第4の開閉器と、前記第2の検出手段から出力された制御切替信号に応じて前記制御回路と前記第3の開閉器との間の経路を電気的に開閉する第5の開閉器とを有し、前記第2の検出手段は、前記平滑化された絶対値信号のレベルが前記所定の基準値以下のときに前記第4の開閉器および前記第5の開閉器を閉じさせて前記制御回路からの前記開閉信号を前記第1の開閉器および第2の開閉器に出力させ、前記第1の加算器が、前記音源に最も近いマイクエレメントからの音声信号と前記音源に2番目に近いマイクエレメントからの音声信号とを同相に加算するようにし、前記第2の加算器が、前記音源に最も近いマイクエレメントから前段までのマイクエレメントまでのマイクエレメントからの音声信号を同相に加算するようにし、前記増幅器は、前記第3の積分器からの制御信号に応じて前記最大値が一定となるように増幅率を変更するようにし、さらに各前記開閉器を閉にするための前記制御切替信号を前記制御回路に生成させるためのトリガを生成して前記制御回路に出力するための操作手段と、最終段の前記遅延制御部の積分手段からの出力信号に応じた表示を行う表示手段と、前記第3の積分器の出力に応じて前記雑音フィルタのフィルタ係数を算出するフィルタ係数算出手段とを備え、前記操作手段からの前記トリガと前記第2の検出手段からの制御切替信号とが制御回路に入力されたとき、前記第4の開閉器および前記第5の開閉器が閉じられ、前記第1の開閉器、前記第2の開閉器、および前記第3の開閉器の開閉器が閉じられるようにし、前記雑音フィルタは、フィルタ係数算出手段によって算出された前記フィルタ係数に応じたフィルタ特性で前記増幅器の出力信号中の雑音を除去するようにした構成を有している。この構成により、フィルタ係数算出手段を設けため、指向角制御によって指向角が広くなり雑音フィルタからの出力を選択している場合には、指向角が広くなるほど雑音除去効果が高まり、より効果的に雑音を抑制することが可能となるだけでなく、音声波形に波形の非線形歪を生じることがなく音声認識処理にかける際の認識率低下を高めることが可能な音声信号処理装置を実現することができる。
【0040】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について、図面を用いて説明する。
(第1の実施の形態)
図1は、本発明の第1の実施の形態の音声信号処理装置のブロック構成を示す図である。図1(a)において、音声信号処理装置100aは、音源から発せられる音声を電気信号に変換して音声信号を生成する複数のマイクエレメント(図1(a)では3個)111、112、113が同一線上に配置されたマイクユニットと、各マイクエレメント111、112、113からの音声信号を音源に近い順番に遅延させて加算するために従属接続された第1の遅延制御部101と1以上の第2の遅延制御部(図1(a)では1個)102とを含むように構成される。
【0041】
ここで、第1の遅延制御部101は、音源に最も近いマイクエレメント111からの音声信号を遅延させて音源に2番目に近いマイクエレメント112からの音声信号に加算するようになっており、第2の遅延制御部102は、音源に3番目に近いマイクエレメント113以降のマイクエレメント毎に対応させて設けられ、前段の遅延制御部からの出力信号を遅延させて、第2の遅延制御部102と対応するマイクエレメントからの出力信号に加算して出力するようになっている。
【0042】
第1の遅延制御部101は、マイクエレメント111からの音声信号を遅延させて第1の遅延音声信号を生成する第1の遅延回路121、マイクエレメント112からの音声信号と第1の遅延音声信号とを加算する第1の加算器131、第1の遅延音声信号とマイクエレメント112から音声信号との間の遅延量を検出する第1の比較器151、および第1の比較器151の出力信号を積分して第1の遅延回路121が遅延させる遅延量の情報を生成する第1の積分器161を有する。
【0043】
また、各第2の遅延制御部102は、前段の遅延制御部101からの音声信号を遅延させて第2の遅延音声信号を生成する第2の遅延回路122、前段のマイクエレメント112からの音声信号を遅延させて第3の遅延音声信号を生成する第3の遅延回路142、この段のマイクエレメント113からの音声信号と第2の遅延音声信号とを加算する第2の加算器132、この段のマイクエレメント113からの音声信号と第3の遅延音声信号との間の遅延量を検出する第2の比較器152、および第2の比較器152の出力信号を積分して第2の遅延回路または第3の遅延回路が遅延させる遅延量の情報を生成する第2の積分器162とを有する。
【0044】
マイクエレメント111、112、113は、入射した音声を電気信号に変換して音声信号を生成し、この音声信号を出力するようになっており、同一線上に配置される。
第1の遅延回路121は、第1の積分器161が出力する信号に応じた遅延量で、第1のマイクエレメント111によって出力された音声信号を遅延させ、第1の加算器131に出力するようになっている。
【0045】
第1の加算器131は、第2のマイクエレメント112によって出力された音声信号と、第1の遅延回路121によって出力された信号とを加算し、第2の遅延回路122に出力するようになっている。
第2の遅延回路122は、第2の積分器162が出力する信号に応じた遅延量で、第1の加算器131によって出力された信号を遅延させ、第2の加算器132に出力するようになっている。
【0046】
第2の加算器132は、第3のマイクエレメント113によって出力された信号と、第2の遅延回路122によって出力された信号とを加算して外部に出力するようになっている。
第3の遅延回路142は、第2の積分器162が出力する信号に応じた遅延量で、第2のマイクエレメント112によって出力された信号を遅延させ、第2の比較器152に出力するようになっている。
以上の遅延回路121、122、142は、例えば、オールパスフィルタ等によって構成されるのでも良い。
【0047】
第1の比較器151は、第1の遅延回路121によって出力された信号と、第2のマイクエレメント112によって出力された信号とを入力とし、入力された両方の信号を比較して両方の信号間の立ち上がり時間差を計測し、計測した時間差に関する情報である時間差情報を第1の積分器161に出力するようになっている。
【0048】
第1の積分器161は、第1の比較器151によって出力された時間差情報を入力とし、入力された時間差情報に基づいて上記マイクエレメント111が出力した信号を遅延させる時間である遅延量に関する情報を生成し、第1の遅延回路121に出力するようになっている。遅延量は、第1の比較器151によって検出される時間差が縮む方向に符号を付すものとする。具体的には、上記の時間差に所定の定数をかけた値とするのでも良い。
【0049】
同様に、第2の比較器152は、第3の遅延回路142によって出力された信号と、第3のマイクエレメント113によって出力された信号とを入力とし、入力された両方の信号を比較して両方の信号間の立ち上がり時間差を計測し、計測した時間差に関する情報である時間差情報を第2の積分器162に出力するようになっている。
【0050】
第2の積分器162は、第2の比較器152によって出力された時間差情報を入力とし、入力された時間差情報に基づいて上記第1の加算器131が出力した信号を遅延させる時間である遅延量に関する情報を生成し、第2の遅延回路122及び第3の遅延回路142に出力するようになっている。遅延量は、例えば、上記の時間差に所定の定数をかけた値とするのでも良い。
【0051】
次に、マイクエレメント111、112、113によって構成されるマイクユニットの指向角制御の動作について説明する。初めに、図1のAの方向から音声が入射する場合について説明する。具体的には、話者がA方向からマイクロフォンに向かって音声を発している場合が該当する。
【0052】
まず、第1のマイクエレメント111によって出力された信号と第2のマイクエレメント112によって出力された信号との立ち上がり時間差は、第1の比較器151によって計測され、検出された立ち上がり時間差は、第1の積分器161によって立ち上がり時間差に応じた上記の遅延量に変換され、遅延量の情報は、第1の遅延回路121に出力される。
【0053】
次に、第1のマイクエレメント111によって出力された信号は、第1の遅延回路121によって遅延され、第1の比較器151によって検出される立ち上がり時間差は減少することになる。その結果、立ち上がり時間差に応じた遅延量が第1の遅延回路121にフィードバックされ、第1の遅延回路121によって補正されて出力される信号と、第2のマイクエレメント112の出力信号との間の時間遅延は除去されることになる。
【0054】
上記のように動作することにより、第1のマイクエレメント111によって出力された信号と、第2のマイクエレメント112によって出力された信号とは同相で加算され、強め合うことになる。
同様に、第3のマイクエレメント113によって出力される信号も第1のマイクエレメント111及び第2のマイクエレメント112によって出力された信号と同相で加算され、強め合うことになる。
【0055】
この状態で、すなわち、A方向から入射する音声が強め合うように遅延される指向角の下では、B方向から入射する信号に対しては各マイクエレメントによって出力される信号には位相のずれが生じることになり、上記の場合のように互いに強め合うことは起こらない。または、各信号の位相がばらばらであり、弱め合う場合も発生する。つまり、A方向からの音声に位相が合うようになっている(以下、整相という。)場合、マイクユニット全体としての指向角が狭くなりB方向からの断続的な雑音を拾いにくくなる。
【0056】
なお、第1の積分器161の積分定数は、除去すべき対象である雑音の発生期間に対して十分に長い時間とし、音声信号処理装置100aからの出力が安定するように設定するものとする。
【0057】
A方向に整相された状態で、話者の顔の動きなどにより音源とマイクユニットとの位置関係が変化し、B方向から音声が進入するような配置となったときは、B方向からの音声に対して第1の遅延回路121からの出力と第2のマイクエレメント112からの出力との間の立ち上がり時間差がなくなるように第1の積分器161によって出力される遅延量が変化し、指向角がB方向を向くように整相される。
【0058】
その結果、音声信号処理装置100aは、B方向から入射される音声の方向に整相され、指向角固定の超指向性マイクロフォンを用いるときのような感度低下は起こらない。そして、マイクユニットの同軸方向から更に外れた位置で発生する雑音、すなわち、B方向以外の方向から入る雑音に対しては、前記の雑音除去効果が得られる。
【0059】
以上説明したように、本発明の第1の実施の形態の音声信号処理装置は、音源位置に応じて指向角を制御するため、収音した音声信号に周波数特性の乱れや波形の非線形歪に加えダイナミックレンジ圧縮によるSN比の悪化を生じることなく所望の音声以外の雑音を除去するとともに、音量レベルの変動を抑えることができ、さらに音声認識処理を行う際にも認識率を高めることができる。
【0060】
なお、上記では、マイクエレメントが3個の場合について説明したが、図1(b)に示すようにマイクエレメントが2個であっても同様の効果が得られる。この場合、音声信号処理装置100bは、マイクエレメント111、112および第1の遅延制御部101を含むように構成され、第1の遅延制御部101によって上記の指向角の制御がなされる。
【0061】
また、マイクエレメントが4個以上の場合であっても、4個目以降のマイクエレメントに対応させて上記の第2の遅延制御部102を従属接続させて設けることによって、同様の効果を得ることが得られる。この場合、新たに設けられた各第2の遅延制御部102は、前段の信号とこの付加された第2の遅延制御部102に対応するマイクエレメントからの音声信号とが入力され、上記の各動作を行う。
また、マイクユニット以外の全ての構成要素については、アナログ回路で実現するのでも良いし、デジタル回路で実現するのでも良い。
【0062】
(第2の実施の形態)
図2は、本発明の第2の実施の形態の音声信号処理装置のブロック構成を示す図である。図2(a)において、音声信号処理装置200aは、本発明の第1の実施の形態の音声信号処理装置100aを構成する第1の遅延制御部101に第1の開閉器211を設け、第2の遅延制御部102に第2の開閉器212を設け、さらに各開閉器211、212を開閉するための操作子221を設けたものである。
【0063】
なお、音声信号処理装置200aの構成手段のうち、上記本発明の第1の実施の形態の音声信号処理装置100aにおける構成手段と同様の処理を行うものには同一の符号を付し、その説明を省略する。また、第1の遅延制御部101、第1の開閉器211、第2の遅延制御部102、および第2の開閉器212によって構成される部分を遅延開閉制御部220という。遅延開閉制御部220には、第2の加算器132の出力端子O1、第1の積分器161の出力端子S1、第2の積分器162の出力端子S2、並びに第1の開閉器211および第2の開閉器212への入力端子が設けられている。
【0064】
第1の開閉器211は、第1の比較器151と第1の積分器161との間の信号経路を開閉するようになっており、物理的に開閉する方式であっても、論理的に開閉する方式であっても良い。
同様に、第2の開閉器212は、第2の比較器152と第2の積分器162との間の信号経路を開閉するようになっている。
【0065】
操作子221は、第1および第2の開閉器211、212を開閉させる操作を入力させるようになっている。また、第1および第2の積分器161、162は、第1および第2の開閉器211、212が開放された場合、開放される直前の出力信号を出力し続けるものとする。
以下、第1および第2の開閉器211、212の開閉に伴う動作について説明する。
【0066】
第1および第2の開閉器211、212が開放され、第1および第2の積分器161、162に入力する信号が遮断された場合、第1および第2の積分器161、162からの出力信号は、開放される直前の出力信号を維持する。その結果、第1および第2の開閉器211、212が開放されている間、指向角は一定に固定され、音声信号からは周囲の雑音が安定して除去される。
【0067】
また、音源とマイクユニットとの位置関係が変化しない限り安定した収音が可能である。ここで、音源とマイクユニットとの位置関係が変化した場合、操作者は拡声している音声または録音用のモニタ出力等により、聴感上の異変や目でみた音源とマイクユニットとの位置関係の異変を認めた場合に、周囲雑音の発生状況を確認した上で操作子221を操作して第1および第2の開閉器211、212を閉じる。
【0068】
第1および第2の開閉器211、212が閉じられると、音声信号処理装置200は、上記の本発明の第1の実施の形態の音声信号処理装置100と同一の動作をする。第1および第2の開閉器211、212が閉じた状態で、操作者が音源とマイクユニットとの位置関係が安定したことを認識した場合、再度操作子221を操作して第1および第2の開閉器211、212を開放し、指向角の制御を停止させることができる。
【0069】
以上説明したように、本発明の第2の実施の形態の音声信号処理装置は、開閉器を設けて積分器の出力を固定することができるようになったため、指向角を固定することができ、長時間に亘って音源位置が大きく変化しない場合等に、安定した収音が可能となる。
【0070】
なお、上記では、マイクエレメントが3個の場合について説明したが、図2(b)に示すようにマイクエレメントが2個であっても同様の効果が得られる。この場合、音声信号処理装置200bは、マイクエレメント111、112と、第1の遅延制御部201と、操作子221とを含むように構成され、第1の遅延制御部201によって上記の指向角の制御がなされる。
【0071】
また、マイクエレメントが4個以上の場合であっても、4個目以降のマイクエレメントに対応させて上記の第2の遅延制御部202を従属接続させて設け、各遅延制御部の開閉器を操作子221が開閉するように構成することによって、同様の効果を得ることが得られる。この場合、新たに設けられた各第2の遅延制御部202は、前段の信号とこの付加された第2の遅延制御部202に対応するマイクエレメントからの音声信号とが入力され、上記の各動作を行う。
【0072】
さらに、第1および第2の開閉器211、212と操作子221を1つの1回路1接点のスイッチで実現するのでも、第1および第2の開閉器211、212をリレーやアナログスイッチなどの制御素子で実現して操作子221と分離するのでも良い。また、本発明の第1の実施の形態と同様に、マイクユニット以外の全ての構成要素については、アナログ回路で実現するのでも良いし、デジタル回路で実現するのでも良い。
【0073】
(第3の実施の形態)
図3は、本発明の第3の実施の形態の音声信号処理装置のブロック構成を示す図である。図3において、音声信号処理装置300は、本発明の第2の実施の形態の音声信号処理装置200aを構成する第1の積分器161の出力端に第1の高域通過フィルタ(High Pass Filter、以下、単にHPFともいう。)311と第1の検出器321を直列接続して設け、第2の積分器162の出力端に第2の高域通過フィルタ312と第2の検出器322を直列接続して設け、各検出器321、322と操作子331からの信号に応じて各開閉器211、212を制御する制御回路341を設けたものである。なお、音声信号処理装置300の構成手段のうち、上記本発明の第2の実施の形態の音声信号処理装置200aにおける構成手段と同様の処理を行うものには同一の符号を付し、その説明を省略する。
【0074】
第1の高域通過フィルタ311は、第1の積分器161の出力が変化したときに、この出力の変化成分(高域成分)を選択的に第1の検出器321に出力するようになっている。
検出器321は、第1の高域通過フィルタ311からの出力が所定値(以下、基準値という。)以上である場合、検出信号を制御回路341に出力するようになっている。
【0075】
同様に、第2の高域通過フィルタ312は、第2の積分器162の出力が変化したときに、この出力の変化成分(高域成分)を選択的に第2の検出器322に出力するようになっている。
第2の検出器322は、第2の高域通過フィルタ312からの出力が所定値以上(以下、基準値という。)である場合、検出信号を制御回路341に出力するようになっている。
【0076】
操作子331は、外部からの入力に応じて各開閉器211、212を電気的に閉じさせるための閉信号を発生するようになっている。
制御回路341は、第1の検出器321または第2の検出器322によって検出信号が出力されているときに、操作子331から閉信号が出力された場合に、各開閉器211、212を電気的に閉じさせ、いずれの検出信号も出力されていない場合に、各開閉器211、212を電気的に開かせる。
【0077】
以下、操作子331が操作されたときの動作について説明する。操作子331が操作されたとき、例えば、操作者が異変を感じて操作したとき、制御回路341からの出力により第1および第2の開閉器211、212が閉じられ、上記の本発明の第1の実施の形態の音声信号処理装置100aと同一の動作をする。
【0078】
第1および第2の開閉器211、212が閉じられて指向角制御が安定すると、第1および第2の高域通過フィルタ311、312の出力が減少し、上記の基準値以下になり、第1および第2の検出器321、322からの検出信号も停止する。これを受け、制御回路341は、第1および第2の開閉器211、212を開放し、指向角制御を停止させる。
【0079】
以上説明したように、本発明の第3の実施の形態の音声信号処理装置は、積分器の出力変動を検出するための高域通過フィルタおよび検出器を設け、指向角の制御を行うため、操作者は開閉器を開放するタイミングに注意を払う必要が無く、操作性を向上することができる。
【0080】
なお、遅延制御部の段数が1段または3段以上であっても同様の効果が得られ、その動作については自明であるためその説明を省略する。
また、本発明の第1および第2の実施の形態と同様に、マイクエレメント以外の全ての構成要素はアナログ回路で実現しても良いしデジタル回路で実現しても良い。
【0081】
(第4の実施の形態)
図4は、本発明の第4の実施の形態の音声信号処理装置のブロック構成を示す図である。図4において、音声信号処理装置400は、マイクロフォン110、マイクロフォン110の出力信号を分離すると共に変圧する変圧器411、変圧器411からの出力を増幅するプリアンプ420、プリアンプ420の増幅率を変更する可変抵抗素子421、プリアンプ420の出力の最大値を保持する最大値保持回路431、所定の基準値を発生する基準値発生手段432、プリアンプ420の出力の最大値から上記の基準値を差し引く引算回路441、および引算回路441の出力信号中の急激に変化する成分を除去するための積分器451を含むように構成される。
【0082】
マイクロフォン110は、入射した音声を電気信号に変換して出力するようになっている。
プリアンプ420は、マイクロフォン110によって出力される信号が入力され、入力された信号を所望の信号レベルの信号に増幅するようになっている。
可変抵抗素子421は、積分器451によって出力される信号に応じてプリアンプ420の増幅率(以下、ゲインともいう。)を変化させるようになっている。
【0083】
最大値保持回路431は、プリアンプ420の出力信号のうち、一定時間内における出力信号の最大値を逐次更新して保持するようになっている。
基準値発生手段432は、引算回路441によって差し引く基準値を発生するようになっている。例えば、所定の基準電圧を発生するものでも良い。
【0084】
引算回路441は、最大値保持回路431から出力された信号と基準値発生手段432から供給される所定の基準値とが入力され、最大値保持回路431から出力された信号から上記の基準値を差し引いて差分信号を生成し、積分器451に出力するようになっている。
【0085】
積分器451は、引算回路441によって出力された差分信号が入力され、入力された差分信号中の時間変動の急峻な信号成分を除去して制御信号を生成し、上記の可変抵抗素子421に出力するようになっている。
【0086】
以下、音源とマイクロフォン110の位置関係が変化した場合の動作について説明する。ここでは、主に、音源とマイクロフォン110との距離関係の変化を問題とし、距離関係の変化に応じてする動作について説明する。
音源がマイクロフォン110に接近したり離れたりすることによってマイクロフォン110から出力される音声信号の信号レベルが変化すると、信号レベルの変化に応じて上記の最大値が最大値保持回路431によって保持する。
【0087】
最大値保持回路431から出力された最大値が引算回路441に入力される基準値より小さい場合、負の符合の差分信号が引算回路441によって発生され、積分器451に出力される。差分信号中の時間変動の急峻な信号成分は積分器451によって除去され、可変抵抗素子421の制御信号として出力され、この制御信号に応じてプリアンプ420の増幅率を増加させるように可変抵抗素子421の抵抗値が変化させられる。
【0088】
一方、最大値保持回路431から出力された最大値が引算回路441に入力される基準値より大きい場合、正の符合の差分信号が引算回路441によって発生され積分器451に出力される。差分信号中の時間変動の急峻な信号成分は積分器451によって除去され、可変抵抗素子421の制御信号として出力され、この制御信号に応じてプリアンプ420の増幅率を減少させるように可変抵抗素子421の抵抗値が変化させられる。
【0089】
これによって、プリアンプ420から出力される信号は、最大値の信号レベルを一定にするための帰還がかけられ、安定したレベルを維持していることができる。特に、レベルの均一化を初段で行うのでゲイン増加による回路ノイズの増大を最小限にとどめることができ、高いSN比を確保することができる。
【0090】
以上説明したように、本発明の第4の実施の形態の音声信号処理装置は、マイクロフォンからの出力信号を一定レベルに保つように増幅・制御を行うため、音源とマイクとの距離が変動した場合でも安定したレベルで音源からの音声を収音することができる。
なお、本発明の第1から第3の実施の形態と同様に、マイクエレメント以外の全ての構成要素はアナログ回路で実現しても良いしデジタル回路で実現しても良い。
【0091】
(第5の実施の形態)
図5は、本発明の第5の実施の形態の音声信号処理装置のブロック構成を示す図である。図5において、音声信号処理装置500は、本発明の第4の実施の形態の音声信号処理装置400に、開閉器511と操作子521を設けたものである。なお、音声信号処理装置500の構成手段のうち、上記本発明の第4の実施の形態の音声信号処理装置400における構成手段と同様の処理を行うものには同一の符号を付し、その説明を省略する。
【0092】
開閉器511は、引算回路441と第1の積分器451との間の信号経路を開閉するようになっており、物理的に開閉する方式であっても、論理的に開閉する方式であっても良い。
操作子521は、開閉器511を開閉させる操作を入力させるようになっている。また、開閉器511が開放された場合、積分器451からは開放される直前の出力信号が出力され続けるものとする。
【0093】
以下、開閉器511の開閉に伴う動作について説明する。
開閉器511が開放され、積分器451に入力する信号が開放された場合、積分器451からは開放される直前の出力信号が出力され続ける。その結果、開閉器511が開放されている間、増幅率は一定値に維持され、音声信号処理装置500は、音源とマイクロフォンの位置関係が変化しない限り安定した収音ができる。
【0094】
ここで、音源とマイクロフォンの位置関係が変化した場合、操作者は拡声している音声または録音用のモニタ出力等により、聴感上の異変や目でみた音源とマイクロフォンの位置関係の異変を認めた場合に、周囲雑音の発生状況を確認した上で操作子221を操作して開閉器511を閉じる。
【0095】
開閉器511が閉じられると、音声信号処理装置500は、上記の本発明の第4の実施の形態の音声信号処理装置400と同一の動作をする。開閉器511が閉じた状態で、操作者が音源とマイクロフォンの位置関係が安定したことを認識した場合、再度操作子521を操作して開閉器511を開放し、マイク感度の制御を停止させることができる。
【0096】
以上説明したように、本発明の第5の実施の形態の音声信号処理装置は、開閉器を設けて積分器の出力を固定することができるようになったため、プリアンプの増幅率を固定することができ、長時間に亘って音源位置が大きく変化しない場合等に、安定した収音を可能とする。
【0097】
なお、開閉器511と操作子521を1つの1回路1接点のスイッチで実現するのでも、開閉器511をリレーやアナログスイッチなどの制御素子で実現して操作子521と分離するのでも良い。また、本発明の第1から第4の実施の形態と同様に、マイクロフォン、変圧器、およびプリアンプ以外の全ての構成要素については、アナログ回路で実現するのでも良いし、デジタル回路で実現するのでも良い。
【0098】
(第6の実施の形態)
図6は、本発明の第6の実施の形態の音声信号処理装置のブロック構成を示す図である。図6において、音声信号処理装置600は、本発明の第5の実施の形態の音声信号処理装置500を構成する積分器451の出力端に高域通過フィルタ(以下、HPFともいう。)611と検出器621を直列接続して設け、検出器621と操作子631からの信号に応じて開閉器511を制御する制御回路641を設けたものである。なお、音声信号処理装置600の構成手段のうち、上記本発明の第5の実施の形態の音声信号処理装置500における構成手段と同様の処理を行うものには同一の符号を付し、その説明を省略する。
【0099】
高域通過フィルタ611は、積分器451の出力が変化したときに、この出力の変化成分(高域成分)を選択的に検出器621に出力するようになっている。
検出器621は、高域通過フィルタ611からの出力が所定値(以下、基準値という。)以上である場合、検出信号を制御回路641に出力するようになっている。
【0100】
操作子631は、外部からの入力に応じて開閉器511を電気的に閉じさせるための閉信号を発生するようになっている。
制御回路641は、検出器621によって検出信号が出力されているときに、操作子631から閉信号が出力された場合に、開閉器511を電気的に閉じさせ、いずれの検出信号も出力されていない場合に、開閉器511を電気的に開かせる。
【0101】
以下、操作子631が操作されたときの動作について説明する。操作子631が操作されたとき、例えば、操作者が異変を感じて操作したとき、制御回路641からの出力により開閉器511が閉じられ、上記の本発明の第4の実施の形態の音声信号処理装置400と同一の動作をする。
【0102】
開閉器511が閉じられてマイク感度制御が安定すると、高域通過フィルタ611の出力が減少し、上記の基準値以下になり、検出器621からの検出信号も停止する。これを受け、開閉器511は制御回路641によって開放され、プリアンプ420の出力信号のレベル制御であるマイク感度制御が停止する。
【0103】
以上説明したように、本発明の第6の実施の形態の音声信号処理装置は、積分器の出力変動を検出するための高域通過フィルタおよび検出器を設け、出力信号のマイク感度制御を行うため、操作者は開閉器を開放するタイミングに注意を払う必要が無く、操作性を向上することができる。
なお、本発明の第1から第5の実施の形態と同様に、マイクロフォン、変圧器、およびプリアンプ以外の全ての構成要素については、アナログ回路で実現するのでも良いし、デジタル回路で実現するのでも良い。
【0104】
(第7の実施の形態)
図7は、本発明の第7の実施の形態の音声信号処理装置のブロック構成を示す図である。図7において、音声信号処理装置700は、本発明の第6の実施の形態の音声信号処理装置600を構成するマイクロフォン110に換えて、本発明の第2の実施の形態の音声信号処理装置200aの出力端が接続され、操作子221に換えて音声信号処理装置600の制御回路の出力端子を接続した構成となっている。なお、音声信号処理装置700の構成手段のうち、上記本発明の第2の実施の形態の音声信号処理装置200aにおける構成手段および本発明の第6の実施の形態の音声信号処理装置600における構成手段と同様の処理を行うものには同一の符号を付し、その説明を省略する。
【0105】
制御回路711は、検出器621と操作子631によって出力される信号を入力とし、操作子631からの出力信号があったときに検出器621からの検出信号がある場合、検出信号が消滅するまで第1および第2の開閉器211、212および開閉器511を閉じ、検出信号が存在しない場合は、第1および第2の開閉器211、212および開閉器511を開放する制御を行うようになっている。
【0106】
以下、操作子631が操作されたときの動作について説明する。操作子631が操作されたとき、例えば、操作者が異変を感じて操作したとき、制御回路711からの出力により第1および第2の開閉器211、212および開閉器511が閉じられ、上記の本発明の第1の実施の形態の音声信号処理装置100および上記の本発明の第4の実施の形態の音声信号処理装置400と同一の動作をする。
【0107】
上記の動作によって、プリアンプ420の出力信号のレベルが安定すると高域通過フィルタ611によって出力される信号が減少し、検出器621からは検出信号が出力されなくなる。この検出信号が出力されなくなると、第1および第2の開閉器211、212および開閉器511は制御回路711によって開放され、指向角制御およびマイク感度制御は終了する。
【0108】
以上説明したように、本発明の第7の実施の形態の音声信号処理装置は、指向角制御を行う構成部とマイク感度制御を行う構成部とを併せて設けたため、装置と話者との向きについての相対位置関係のみならず装置と話者との距離についても変動があっても、周囲雑音の混入を抑制し、良好に音声を収音することができる。
【0109】
また、指向角制御およびマイク感度制御を行うため、操作者は開閉器を開放するタイミングに注意を払う必要が無く、操作性を向上することができる。
なお、本発明の第1から第6の実施の形態と同様に、マイクロフォン、変圧器、およびプリアンプ以外の全ての構成要素については、アナログ回路で実現するのでも良いし、デジタル回路で実現するのでも良い。
【0110】
(第8の実施の形態)
図8は、本発明の第8の実施の形態の音声信号処理装置のブロック構成を示す図である。図8において、音声信号処理装置800は、本発明の第6の実施の形態の音声信号処理装置600に、第2の基準値を発生する第2の基準値発生手段832、積分器451からの出力信号と上記第2の基準値とを比較する比較器831、プリアンプ420の出力信号に含まれる雑音を除去するための雑音フィルタ811、および比較器831からの出力に応じてプリアンプ420からの出力信号または雑音フィルタ811の出力信号のいずれかを選択する切替器821を設けたものである。なお、音声信号処理装置800の構成手段のうち、上記本発明の第6の実施の形態の音声信号処理装置600における構成手段と同様の処理を行うものには同一の符号を付し、その説明を省略する。
【0111】
雑音フィルタ811は、プリアンプ420からの出力信号を入力とし、入力された信号に含まれる雑音を除去するためのフィルタであり、例えば、ウィナーフィルタを用いるのでも良い。
切替器821は、比較器831からの出力信号に応じてプリアンプ420からの出力信号または雑音フィルタ811の出力信号のいずれかを選択して出力する手段である。
【0112】
第2の基準値発生手段832は、比較器831によって比較される基準値を発生する手段である。例えば、所定の基準電圧を発生するものでも良い。
【0113】
比較器831は、積分器451から出力された信号と第2の基準値発生手段832から供給される所定の基準値とを入力とし、積分器451から出力された信号と基準値とを比較し、積分器451から出力された信号が基準値を超えた場合に、切替器821に雑音フィルタ811の出力信号を選択させ、積分器451から出力された信号が基準値以下の場合に、切替器821にプリアンプ420の出力信号を選択させる切替信号を切替器821に出力する手段である。雑音フィルタ811としては、例えば特許第3010864号に開示されたものと同等のものを用いるのでも良い。
【0114】
以下、操作子631が操作されたときの動作について説明する。操作子631が操作されたとき、例えば、操作者が異変を感じて操作したとき、制御回路641からの出力により開閉器511が閉じられ、上記の本発明の第4の実施の形態の音声信号処理装置400と同一の動作をする。
【0115】
開閉器511が閉じられてマイク感度制御が安定すると、高域通過フィルタ611の出力が減少し、上記の基準値以下になり、検出器621からの検出信号も停止する。これを受け、開閉器511は制御回路641によって開放され、マイク感度制御は停止する。
一方、上記の動作とは独立に、積分器451からの出力信号のレベルが第2の基準値発生手段832によって発生される基準値を超えた場合、切替器821が出力する信号を雑音フィルタ811の出力信号に切り替えさせる信号が比較器831によって出力される。
【0116】
比較器831によって出力される切替信号に応答して、雑音フィルタ811によって雑音除去された信号が選択されて出力され、雑音除去処理が施されていない信号は切替器821によって選択されない。
【0117】
以上説明したように、本発明の第8の実施の形態の音声信号処理装置は、積分器の出力変動を検出して雑音除去する構成としたため、音源とマイクロフォンの位置関係が変化した場合にも、操作者は開閉器を開放するタイミングに注意を払う必要がなく簡便に、均一なレベルで収音することが可能となるとともに、音源がマイクロフォンから遠ざかりマイク感度が高くなった場合に増加する周囲雑音を抑制することができる。
なお、本発明の第1から第7の実施の形態と同様に、マイクロフォン、変圧器、およびプリアンプ以外の全ての構成要素については、アナログ回路で実現するのでも良いし、デジタル回路で実現するのでも良い。
【0118】
(第9の実施の形態)
図9は、本発明の第9の実施の形態の音声信号処理装置のブロック構成を示す図である。図9において、音声信号処理装置900は、本発明の第3の実施の形態の音声信号処理装置300に、第2の基準値を発生する第2の基準値発生手段912、第2の積分器162からの出力信号と上記第2の基準値とを比較する比較器911、第2の加算器132の出力信号に含まれる雑音を除去するための雑音フィルタ811、および比較器911からの出力に応じて第2の加算器132からの出力信号または雑音フィルタ811の出力信号のいずれかを選択する切替器821を設けたものである。なお、音声信号処理装置900の構成手段のうち、上記本発明の第3の実施の形態の音声信号処理装置300における構成手段および本発明の第8の実施の形態の音声信号処理装置800における構成手段と同様の処理を行うものには同一の符号を付し、その説明を省略する。
【0119】
以下、操作子331が操作されたときの動作について説明する。操作子331が操作されたとき、例えば、操作者が異変を感じて操作したとき、制御回路341からの出力により第1および第2の開閉器211、212が閉じられ、上記の本発明の第1の実施の形態の音声信号処理装置100と同一の動作をする。
【0120】
第1および第2の開閉器211、212が閉じられて指向角制御が安定すると、第1および第2の高域通過フィルタ311、312の出力が減少し、上記の基準値以下になり、第1および第2の検出器321、322からの検出信号も停止する。これを受け、第1および第2の開閉器211、212は、制御回路341によって開放され、マイク感度制御は停止する。
【0121】
一方、上記の動作とは独立に、積分器451からの出力信号のレベルが第2の基準値発生手段832によって発生される基準値を超えた場合、切替器821が出力する信号を雑音フィルタ811の出力信号に切り替えさせる信号が比較器831によって出力される。
第1および第2の開閉器211、212が閉じられて指向角制御が安定すると、第1および第2の高域通過フィルタ311、312からの出力が低下し、第1および第2の検出器321、322から検出信号が出力されなくなる。
【0122】
第1および第2の開閉器211、212が閉じられてマイク感度制御が安定すると、制御回路341は、第1および第2の開閉器211、212を開放し、指向角制御は停止する。
一方、上記の動作とは独立に、第2の積分器162からの出力信号のレベルが第2の基準値発生手段912によって発生される基準値を超えた場合、切替器821が出力する信号を雑音フィルタ811の出力信号に切り替えさせる信号が比較器831によって出力される。
【0123】
比較器911によって出力される切替信号に応答して、雑音フィルタ811によって雑音除去された信号が選択されて出力され、雑音除去処理が施されていない信号は切替器821によって選択されない。
【0124】
以上説明したように、本発明の第9の実施の形態の音声信号処理装置は、積分器の出力変動を検出して雑音除去する構成としたため、音源とマイクユニットとの位置関係が変化した場合にも、操作者は開閉器を開放するタイミングに注意を払う必要がなく簡便に、均一なレベルで収音することが可能となる。
なお、本発明の第1から第8の実施の形態と同様に、マイクロフォン以外の全ての構成要素については、アナログ回路で実現するのでも良いし、デジタル回路で実現するのでも良い。
【0125】
(第10の実施の形態)
図10は、本発明の第10の実施の形態の音声信号処理装置のブロック構成を示す図である。図10において、音声信号処理装置1000は、本発明の第7の実施の形態の音声信号処理装置700に、第2の基準値を発生する第2の基準値発生手段1012、第2の積分器162からの出力信号と上記第2の基準値とを比較する比較器1011、第2の加算器132の出力信号に含まれる雑音を除去するための雑音フィルタ811、および比較器1011からの出力に応じて第2の加算器132からの出力信号または雑音フィルタ811の出力信号のいずれかを選択する切替器821を設けたものである。なお、音声信号処理装置1000の構成手段のうち、上記本発明の第7の実施の形態の音声信号処理装置700における構成手段および本発明の第8の実施の形態の音声信号処理装置800における構成手段と同様の処理を行うものには同一の符号を付し、その説明を省略する。
【0126】
以下、操作子631が操作されたときの動作について説明する。操作子631が操作されたとき、例えば、操作者が異変を感じて操作したとき、制御回路711からの出力により第1および第2の開閉器211、212および開閉器511が閉じられ、上記の本発明の第1の実施の形態の音声信号処理装置100および上記の本発明の第4の実施の形態の音声信号処理装置400と同一の動作をする。
【0127】
上記の動作によって、プリアンプ420の出力信号のレベルが安定すると高域通過フィルタ611によって出力される信号が減少し、検出器621からは検出信号が出力されなくなる。この検出信号が出力されなくなると、制御回路711は、第1および第2の開閉器211、212および開閉器511を開放し、指向角制御およびマイク感度制御は終了する。
【0128】
一方、上記の動作とは独立に、積分器451からの出力信号のレベルが第2の基準値発生手段1012によって発生される基準値を超えた場合、切替器821が出力する信号を雑音フィルタ811の出力信号に切り替えさせる信号が比較器1011によって出力される。
【0129】
以上説明したように、本発明の第10の実施の形態の音声信号処理装置は、積分器の出力変動を検出して雑音除去する構成としたため、音源とマイクユニットとの位置関係が変化した場合にも、操作者は開閉器を開放するタイミングに注意を払う必要がなく簡便に、均一なレベルで収音することが可能となるとともに、音源がマイクロフォンから遠ざかりマイク感度が高くなった場合に増加する周囲雑音を抑制することができる。
なお、本発明の第1から第9の実施の形態と同様に、マイクロフォン、変圧器、およびプリアンプ以外の全ての構成要素については、アナログ回路で実現するのでも良いし、デジタル回路で実現するのでも良い。
【0130】
(第11の実施の形態)
図11は、本発明の第11の実施の形態の音声信号処理装置のブロック構成を示す図である。図11において、音声信号処理装置1100は、マイクエレメント111、112、113、マイクエレメント毎に設けられたプリアンプ1101、1102、1103、プリアンプ毎に設けられ、プリアンプの出力信号の絶対値を算出する絶対値回路1111、1112、1113、絶対値回路毎に設けられ、絶対値回路の出力信号から急峻な時間変化成分を除去する積分器1121、1122、1123、各積分器からの出力信号を比較する比較器1130、および、比較結果に基づいて出力する信号を選択する切替器1141を含むように構成される。
【0131】
マイクエレメント111、112、113は、それぞれ、入射した音声を電気信号に変換してプリアンプ1101、1102、1103に出力するようになっている。
プリアンプ1101、1102、1103は、それぞれ、マイクエレメント111、112、113によって出力される信号を入力とし、入力された信号を所望の信号レベルの信号に増幅して絶対値回路1111、1112、1113に出力するようになっている。
【0132】
絶対値回路1111、1112、1113は、それぞれ、プリアンプ1101、1102、1103からの出力のうち、負の振幅部分を反転して正の振幅の信号を生成し、積分器1121、1122、1123に出力するようになっている。
積分器1121、1122、1123は、それぞれ、絶対値回路1111、1112、1113からの出力信号を平滑化して比較器1130に出力するようになっている。
【0133】
比較器1130は、積分器1121、1122、1123からの出力信号のうち、どの積分器からの出力信号が最大かを判定し、最大の信号を出力している積分器に対応するプリアンプを選択させる制御信号を切替器1141に出力するようになっている。
切替器1141は、比較器1130によって出力された制御信号に応じてプリアンプを選択するようになっている。
【0134】
以下、マイクロフォンと音源の位置関係が変化した場合の動作について図11を用いて説明する。通常、話者は第1のマイクエレメント111と第3のマイクエレメント113の双方からの距離が等しくなる図中Aの位置で第2のマイクエレメント112に向かって発声し、このとき絶対値回路1111、1112、1113のうち、絶対値回路1112の出力が最も大きく、同様に積分器1121、1122、1123のうち積分器1122の出力が最も大きくなっている。
【0135】
したがって、比較器1130によって積分器1122の系統が選択され、切替器1141の接点がプリアンプ1102の出力に接続される。この状態から話者の顔の動きなどにより音源が図中Bの位置に移動した場合、絶対値回路1111、1112、1113のうち、絶対値回路1113の出力が最も大きくなり、同様に積分器1121、1122、1123のうち積分器1123の出力が最も大きくなる。したがって、比較器1130によって積分器1123の系統が選択され、切替器1141の接点がプリアンプ1143の出力に切り替えられる。
【0136】
以上説明したように、本発明の第11の実施の形態の音声信号処理装置は、音源との位置関係に応じて収音するマイクロフォン系統を切り替えるため、音源が移動しても音源位置に最も近いマイクロフォンの出力が選択され音量の低下を防止することができるとともに、音源から離れたマイクロフォンで収音した音声は出力されないので周囲雑音の混入も抑制することができる。
【0137】
なお、上記のマイクロフォンとしては、どのような指向性を有するマイクロフォンを使用してもよく、一般に入手可能な安価なマイクロフォンで構成することが可能である。
また、複数のマイクエレメントを1つの筐体に収め、マイクユニットとして用いるのでもよい。
【0138】
さらに、本実施の形態では、マイクロフォンを3個使用し、それぞれに絶対値回路、積分器を設けた場合について説明したが、マイクロフォンの総数は2個以上であればいくつ使用しても構わない。この場合も、マイクロフォン毎に絶対値回路、積分器を設けることにより同様の効果が得られる。
なお、本発明の第1から第10の実施の形態と同様に、マイクロフォンおよびプリアンプ以外の全ての構成要素については、アナログ回路で実現するのでも良いし、デジタル回路で実現するのでも良い。
【0139】
(第12の実施の形態)
図12は、本発明の第12の実施の形態の音声信号処理装置のブロック構成を示す図である。図12において、音声信号処理装置1200は、本発明の第11の実施の形態の音声信号処理装置1100に、積分器間の出力の差分を生成する第1または第2の引算回路1211、1212、第1または第2の引算回路1211、1212のいずれかの出力信号を選択する第2の切替器1221、第4の絶対値回路1231、第4の積分器1241、第3の引算回路1251、および基準値発生手段1252を設けたものである。なお、音声信号処理装置1200の構成手段のうち、上記本発明の第11の実施の形態の音声信号処理装置1100における構成手段と同様の処理を行うものには同一の符号を付し、その説明を省略する。
【0140】
第1の引算回路1211は、第1の積分器1121の出力信号と第2の積分器1122の出力信号との差の信号を生成し、第2の切替器1221に出力するようになっている。
同様に、第2の引算回路1212は、第3の積分器1123の出力信号と第2の積分器1122の出力信号との差の信号を生成し、第2の切替器1221に出力するようになっている。なお、各引算回路での差の取り方は、いずれの出力信号から残りの出力信号を引くのでもよい。
【0141】
第2の切替器1221は、比較器1130の出力信号に応じて第4の絶対値回路1231に出力する信号を切り替えるようになっている。具体的には、第1の積分器1121の出力が最も大きい場合に第1の引算回路1211の出力に切り替え、第3の積分器1123の出力が最も大きい場合は、第2の引算回路1212の出力に切り替えさせ、第2の積分器1122の出力が最も大きい場合は、信号入力のない端子に切り替える。
【0142】
第4の絶対値回路1231は、第2の切替器1221からの信号の絶対値をとり、第4の積分器1241に出力するようになっている。
第4の積分器1241は、第4の絶対値回路1231からの出力信号を平滑化して第3の引算回路1251に出力するようになっている。
【0143】
基準値発生手段1252は、引算回路1251によって差し引く基準値を発生するようになっている。例えば、所定の基準電圧を発生するものでも良い。
第3の引算回路1251は、基準値発生手段1252が発生した基準値を第4の積分器1241の出力信号から差し引くようになっている。
【0144】
以下、マイクロフォンと音源の位置関係が変化した場合の動作について図12を用いて説明する。通常の話者の位置Aから位置Bを越えさらに位置Cまで移動した場合、第3のプリアンプ1103の出力が最大となり、比較器1130によりマイクロフォン113の系統が選択され、切替器1141に連動して切替器1221の接点が第2の引算回路1212側の接点に接続される。このとき第4の絶対値回路1231にて第2の引算回路1212の出力の絶対値が算出され、第4の積分器1241にて安定化された後、第3の引算回路1251によって基準レベルとの差が求められる。
【0145】
この第3の引算回路1251の出力に応じてプリアンプ1101、1102、1103のゲインが制御され、各プリアンプの出力の差が大きいほどマイク感度が高くなり、差が小さいほどマイク感度は低くなる。
音源が第2のマイクエレメント112を越えて第1のマイクエレメント111の方向に移動した場合は、同様の動作が行われて、第1のマイクエレメント111によって収音された信号が増幅され、選択される。
【0146】
以上説明したように、本発明の第12の実施の形態の音声信号処理装置は、音源との位置関係に応じて収音するマイクロフォン系統を切り替えるため、音源が移動しても音源位置に最も近いマイクロフォンの出力が選択され音量の低下を防止することができるとともに、音源から離れたマイクロフォンで収音した音声は出力されないので周囲雑音の混入も抑制することができるだけでなく、音源の位置が所定の範囲外に外れた場合にはマイク感度が高くなり音量低下の防止効果を高めることができる。
【0147】
なお、上記のマイクロフォンとしては、どのような指向性を有するマイクロフォンを使用してもよく、一般に入手可能な安価なマイクロフォンで構成することが可能である。
また、複数のマイクエレメントを1つの筐体に収め、マイクユニットとしてもちいるのでもよい。
【0148】
さらに、本実施の形態では、マイクロフォンを3個使用する場合について説明したが、マイクロフォンの総数は2個以上であればいくつ使用しても構わない。この場合も、マイクロフォンの系列間に引算回路を設けることにより同様の効果が得られる。
なお、本発明の第1から第11の実施の形態と同様に、マイクロフォンおよびプリアンプ以外の全ての構成要素については、アナログ回路で実現するのでも良いし、デジタル回路で実現するのでも良い。
【0149】
(第13の実施の形態)
図13は、本発明の第13の実施の形態の音声信号処理装置のブロック構成を示す図である。図13において、音声信号処理装置1300は、本発明の第11の実施の形態の音声信号処理装置1100に、積分器間の出力の差分を生成する引算回路1211、1212、引算回路1211、1212のいずれかの出力信号を選択する第2の切替器1221、第4の絶対値回路1231、第4の積分器1241、第2の比較器1311、基準値発生手段1312、雑音フィルタ1321、および第3の切替器1331を設けたものである。なお、音声信号処理装置1300の構成手段のうち、上記本発明の第11の実施の形態の音声信号処理装置1100における構成手段および第12の実施の形態の音声信号処理装置1200における構成手段と同様の処理を行うものには同一の符号を付し、その説明を省略する。
【0150】
雑音フィルタ1321は、切替器1141からの信号を入力とし、入力された信号に含まれる雑音を除去するためのフィルタであり、例えば、ウィナーフィルタを用いるのでも良い。
第3の切替器1331は、第2の比較器1311からの出力信号に応じて切替器1141からの信号または雑音フィルタ1321の出力信号のいずれかを選択して出力する手段である。
基準値発生手段1312は、第2の比較器1311が比較の対象とする基準値を発生するようになっている。例えば、所定の基準電圧を発生するものでも良い。
【0151】
第2の比較器1311は、第4の積分器1241から出力された信号と基準値発生手段1312から出力される基準値とを入力とし、第4の積分器1241から出力された信号と基準値とを比較し、第4の積分器1241から出力された信号が基準値を超えた場合に、第3の切替器1331に雑音フィルタ1321の出力信号を選択させ、第4の積分器1241から出力された信号が基準値以下の場合に、第3の切替器1331に切替器1141の出力信号を選択させる信号を第3の切替器1331に出力するようになっている。雑音フィルタ1321としては、例えば特許第3010864号に開示されたウィナーフィルタと同等のものを用いるのでも良い。
【0152】
以下、マイクロフォンと音源の位置関係が変化した場合の動作について図13を用いて説明する。通常の話者の位置Aから位置Bを越えさらに位置Cまで移動した場合、第3のプリアンプ1103の出力が最大となり、比較器1130によりマイクロフォン113の系統が選択され、切替器1141に連動して切替器1221の接点が第2の引算回路1212側の接点に接続される。
【0153】
このとき第4の絶対値回路1231にて第2の引算回路1212の出力の絶対値が算出され、第4の積分器1241にて安定化された後、第2の比較器1311によって基準レベルと比較され、安定化後の信号レベルが基準レベルより大きい場合は、雑音フィルタ1321によって雑音除去された信号が出力され、基準レベルより小さい場合は、切替器1141の選択した信号が出力される。
【0154】
以上説明したように、本発明の第13の実施の形態の音声信号処理装置は、音源との位置関係に応じて収音するマイクロフォン系統を切り替えるため、音源が移動しても音源位置に最も近いマイクロフォンの出力が選択され音量の低下を防止することができるとともに、音源から離れたマイクロフォンで収音した音声は出力されないので周囲雑音の混入も抑制することができるだけでなく、音源の位置が所定の範囲外に外れた場合には雑音フィルタが有効となり雑音除去効果を高めることができる。
【0155】
なお、上記のマイクロフォンとしては、どのような指向性を有するマイクロフォンを使用してもよく、一般に入手可能な安価なマイクロフォンで構成することが可能である。
また、複数のマイクエレメントを1つの筐体に収め、マイクユニットとしてもちいるのでもよい。
【0156】
さらに、本実施の形態では、マイクロフォンを3個使用する場合について説明したが、マイクロフォンの総数は2個以上であればいくつ使用しても構わない。この場合も、マイクロフォンの系列間に引算回路を設けることにより同様の効果が得られる。
なお、本発明の第1から第12の実施の形態と同様に、マイクロフォンおよびプリアンプ以外の全ての構成要素については、アナログ回路で実現するのでも良いし、デジタル回路で実現するのでも良い。
【0157】
(第14の実施の形態)
図14は、本発明の第14の実施の形態の音声信号処理装置のブロック構成を示す図である。図14において、音声信号処理装置1400は、本発明の第13の実施の形態の音声信号処理装置1300に、第3の引算回路1411、および第2の基準値発生手段1412を設けたものである。なお、音声信号処理装置1400の構成手段のうち、上記本発明の第13の実施の形態の音声信号処理装置1300における構成手段と同様の処理を行うものには同一の符号を付し、その説明を省略する。
【0158】
第4の積分器1241は、第4の絶対値回路1231からの出力信号を平滑化して第2の比較器1311および第3の引算回路1411に出力するようになっている。
第2の基準値発生手段1412は、第3の引算回路1411が差し引く基準値を発生するようになっている。例えば、所定の基準電圧を発生するものでも良い。
【0159】
第3の引算回路1411は、第2の基準値発生手段1412が発生した基準値を第4の積分器1241の出力信号から差し引き、プリアンプ1101、1102、1103に出力するようになっている。
【0160】
以下、マイクロフォンと音源の位置関係が変化した場合の動作について図14を用いて説明する。通常の話者の位置Aから位置Bを越えさらに位置Cまで移動した場合、第3のプリアンプ1103の出力が最大となり、比較器1130によりマイクロフォン113の系統が選択され、切替器1141に連動して切替器1221の接点が第2の引算回路1212側の接点に接続される。
【0161】
このとき第4の絶対値回路1231によって第2の引算回路1212の出力の絶対値が算出され、第4の積分器1241にて安定化された後、第2の比較器1311によって基準レベルと比較され、安定化後の信号レベルが基準レベルより大きい場合は、雑音フィルタ1321によって雑音除去された信号が出力され、基準レベルより小さい場合は、切替器1141の選択した信号が出力される。
【0162】
一方、第4の積分器1241によって安定化された信号と基準レベルとの差が第3の引算回路1411によって求められ、第3の引算回路1411の出力に応じてプリアンプ1101、1102、1103のゲインが制御され、各プリアンプの出力の差が大きいほどマイク感度が高くなり、差が小さいほどマイク感度は低くなる。
【0163】
音源が第2のマイクエレメント112を越えて第1のマイクエレメント111の方向に移動した場合は、同様の動作が行われて、第1のマイクエレメント111によって収音された信号が増幅され、選択される。
【0164】
以上説明したように、本発明の第14の実施の形態の音声信号処理装置は、音源との位置関係に応じて収音するマイクロフォン系統を切り替えるため、音源が移動しても音源位置に最も近いマイクロフォンの出力が選択され音量の低下を防止することができるとともに、音源から離れたマイクロフォンで収音した音声は出力されないので周囲雑音の混入も抑制することができるだけでなく、音源の位置が所定の範囲外に外れた場合には雑音フィルタが有効となり雑音除去効果を高めることができるとともに雑音フィルタが有効となり、雑音除去効果を高めることができる。
【0165】
なお、マイク感度制御と雑音フィルタの切替の基準レベルはそれぞれ個別に設定可能であり、これらの基準レベルの設定により前記所定の範囲の大きさが決定される。
また、上記のマイクロフォンとしては、どのような指向性を有するマイクロフォンを使用してもよく、一般に入手可能な安価なマイクロフォンで構成することが可能である。
また、複数のマイクエレメントを1つの筐体に収め、マイクユニットとしてもちいるのでもよい。
【0166】
さらに、本実施の形態では、マイクロフォンを3個使用する場合について説明したが、マイクロフォンの総数は2個以上であればいくつ使用しても構わない。この場合も、マイクロフォンの系列間に引算回路を設けることにより同様の効果が得られる。
なお、本発明の第1から第13の実施の形態と同様に、マイクロフォンおよびプリアンプ以外の全ての構成要素については、アナログ回路で実現するのでも良いし、デジタル回路で実現するのでも良い。
【0167】
(第15の実施の形態)
図15は、本発明の第15の実施の形態の音声信号処理装置のブロック構成を示す図である。図15において、音声信号処理装置1500は、本発明の第3の実施の形態の音声信号処理装置300に、フィルタ係数算出手段1511、および雑音フィルタ1512を設けたものである。なお、音声信号処理装置1500の構成手段のうち、上記本発明の第3の実施の形態の音声信号処理装置300における構成手段と同様の処理を行うものには同一の符号を付し、その説明を省略する。
【0168】
図15において、フィルタ係数算出段1511は、雑音フィルタ1512のフィルタ処理に用いるフィルタ係数を算出するようになっている。具体的には、ウィナーフィルタによって得られた雑音パワースペクトルの推定値を減算する際の比例定数β等を算出するものである。
雑音フィルタ1512は、フィルタ係数算出手段1511によって算出されたフィルタ係数を用いて第1の加算器131からの出力信号に対して雑音除去のためのフィルタ処理をするようになっている。
【0169】
フィルタ係数算出手段1511と雑音フィルタ1512とは同一のDSPで実現するのでもよく、その場合は、積分器の出力値と比例定数βの関連を示す係数テーブルを予め設けておき、係数テーブルを参照して積分器の出力値に応じた比例定数βの値を読み出し、フィルタの演算を行うことによって実現される。
上記の比例定数βは、積分器161、162の出力と逆比例的に関連づけられ、積分器の出力が小さくなるほどβの値が大きくなり、ウィナーフィルタによる雑音除去効果が高くなるようになっている。
【0170】
以上説明したように、本発明の第15の実施の形態の音声信号処理装置は、積分器の出力変動に応じて算出されたフィルタ係数を用いて雑音除去を行うため、指向角制御によって指向角が広くなるほど雑音除去効果が高まり、より効果的に雑音を抑制することができる。
なお、本発明の第1から第14の実施の形態と同様に、マイクエレメントとプリアンプと雑音フィルタとフィルタ係数算出段以外の全ての構成要素については、アナログ回路で実現するのでも良いし、デジタル回路で実現するのでも良い。
【0171】
(第16の実施の形態)
図16は、本発明の第16の実施の形態の音声信号処理装置のブロック構成を示す図である。図16において、音声信号処理装置1600は、本発明の第3の実施の形態の音声信号処理装置300に、帯域幅制御手段1611、および帯域通過フィルタ(Band Pass Filter、単に、BPFともいう。)1612を設けたものである。なお、音声信号処理装置1600の構成手段のうち、上記本発明の第3の実施の形態の音声信号処理装置300における構成手段と同様の処理を行うものには同一の符号を付し、その説明を省略する。
【0172】
図16において、帯域幅制御手段1611は、第2の積分器162の出力信号に応じて帯域通過フィルタ1612の通過帯域を制御するようになっている。具体的には、第2の積分器162の出力信号が小さいほど通過帯域を狭くするのでも良い。
帯域通過フィルタ1612は、帯域幅制御手段1611の制御の下に帯域を設定し、第1の加算器131からの出力信号に対して雑音除去のためのフィルタ処理をするようになっている。
【0173】
以上説明したように、本発明の第16の実施の形態の音声信号処理装置は、積分器の出力変動に応じて設定された通過帯域の信号を出力するため、音源がマイクエレメントの同軸上からはずれ、遅延回路の遅延時間が短くなるほど帯域通過フィルタの通過帯域が狭くなり、所望する話者の発音する音声帯域外の雑音を抑制する効果を高くすることができる。
【0174】
また、ウィナーフィルタに比べて簡易にできるため、所望する音声帯域内の周囲雑音が少ない環境向けの用途には、上記の帯域通過フィルタで雑音除去することで足り、ウィナーフィルタを用いるより簡易かつ安価な装置を提供することができる。
なお、本発明の第1から第15の実施の形態と同様に、マイクエレメント以外の全ての構成要素については、アナログ回路で実現するのでも良いし、デジタル回路で実現するのでも良い。
【0175】
(第17の実施の形態)
図17は、本発明の第17の実施の形態の音声信号処理装置のブロック構成を示す図である。図17において、音声信号処理装置1700は、本発明の第15の実施の形態の音声信号処理装置1500に、帯域幅制御手段1611、および帯域通過フィルタ1612を設けたものである。なお、音声信号処理装置1700の構成手段のうち、上記本発明の第15の実施の形態の音声信号処理装置1500における構成手段および第16の実施の形態の音声信号処理装置1600における構成手段と同様の処理を行うものには同一の符号を付し、その説明を省略する。
【0176】
以下、第2の積分器162からの出力信号がフィルタ係数算出手段1511と帯域幅制御手段1611とに入力した場合の動作について図17を用いて説明する。
まず、第2の積分器162からの出力信号に応じた雑音フィルタ1512のフィルタ係数がフィルタ係数算出手段1511によって算出され、算出されたフィルタ係数を適用したフィルタ処理が第2の加算器132の出力信号に施されて雑音除去される。
【0177】
次に、帯域通過フィルタ1612の通過帯域は、帯域幅制御手段1611によって第1の積分器161の出力信号に応じて制御される。具体的には、第1の積分器161の出力信号が小さいほど通過帯域を狭くする等の制御がなされる。
雑音フィルタ1512の出力は、上記のように制御された通過帯域幅の帯域通過フィルタ1612によって雑音が除去される。
【0178】
以上説明したように、本発明の第17の実施の形態の音声信号処理装置は、積分器の出力変動に応じて雑音フィルタのフィルタ係数と帯域通過フィルタの通過帯域幅とを制御するため、音源がマイクエレメントの同軸上からはずれ、遅延回路の遅延時間が短くなるほどウィナーフィルタによる雑音除去効果が高くなるとともに帯域通過フィルタの通過帯域が狭くなり、所望する話者の発音する音声帯域内の雑音と音声帯域外の雑音を抑制する効果を同時に高くすることができる。
なお、本発明の第1から第16の実施の形態と同様に、マイクエレメント以外の全ての構成要素については、アナログ回路で実現するのでも良いし、デジタル回路で実現するのでも良い。
【0179】
(第18の実施の形態)
図18は、本発明の第18の実施の形態の音声信号処理装置のブロック構成を示す図である。図18において、音声信号処理装置1800は、音源が発する音声を検出して音声信号を生成するマイクヘッド1810およびマイクヘッド1810を制御するマイクヘッド制御部1820を含むように構成される。
【0180】
ここで、マイクヘッド1810は、マイクエレメント111、112、マイクエレメント111、112をスライドさせるスライダ1811、スライダ1811の移動方向に配置された2つの支点間に張られた輪状の駆動ベルト1812、スライダ1811と駆動ベルト1812とを繋ぐ構造体であるホルダ1813、スライダ1811の直線動作量に応じた信号を出力するポテンショメータ1814、およびスライダ1811を移動させるモータ1815を含むように構成される。
【0181】
また、入力信号を遅延させる遅延回路121、音声信号の加算を行う加算器131、加算器において加算される信号間の遅延を検出する比較器151、比較器からの出力信号中の急激に変化する成分を除去するための積分器161、開閉器211、1822、高域通過フィルタ311、検出器321、操作子331、制御回路341、およびサーボ回路1821を含むように構成される。なお、音声信号処理装置1800の構成手段のうち、上記本発明の第3の実施の形態の音声信号処理装置300における構成手段と同様の処理を行うものには同一の符号を付し、その説明を省略する。
【0182】
サーボ回路1821は、積分器161の出力レベルとポテンショメータ1814の出力レベルとが一致するようにモータ1815の回転量を制御する回路である。
第2の開閉器1822は、制御回路341の出力信号に応じて、サーボ回路1821とモータ1815間の接続経路を開閉するものである。
【0183】
以下、マイクエレメント111、112を通過する直線(以下、マイクヘッド1810の軸という。)から音源が離れた際にマイクエレメント111、112を物理的に音源方向から遠ざける動作について説明する。
まず、マイクヘッド1810の軸から音源が離れると、指向角制御が行われ積分器161の出力が小さくなる。
【0184】
一方、ポテンショメータ1814の出力レベルは、ホルダ1813がモータ1815に近い側に移動すると小さくなり、モータ1815から遠い側に移動すると大きくなる。したがって、積分器161の出力が小さくなるとサーボ回路1821の働きによりホルダ1813がモータから遠くなる方向、すなわち、マイクエレメント111、112の位置が音源から遠くなる方向に移動するようにモータ1815が回転し、積分器161の出力レベルとポテンショメータ1814の出力レベルが一致する位置で停止する。
【0185】
上記のように、マイクヘッド1810の軸から音源が離れると、マイクエレメント111、112における音源からの経路差が減少するために遅延回路121の遅延量が小さくなり、遅延量の減少に応じて積分器161の出力が小さくなり、マイクヘッド1810が音源方向から物理的に遠ざかるように動作する。
【0186】
以上説明したように、本発明の第18の実施の形態の音声信号処理装置は、マイクエレメント間を通過する直線からの音源の位置関係に応じてマイクエレメントを移動させるため、マイクヘッド1810の軸上から音源が離れた時に音源とマイクヘッド1810の軸方向の距離が増大し、相対的にマイクヘッド1810に対する音声の入射角が小さくなり、指向角の増大を抑制することができ、周囲雑音の混入を抑制することができる。
【0187】
(第19の実施の形態)
図19は、本発明の第19の実施の形態の音声信号処理装置のブロック構成を示す図である。図19において、音声信号処理装置1900は、本発明の第18の実施の形態の音声信号処理装置1800に、雑音フィルタ1911および切替器1912を設けたものである。なお、音声信号処理装置1900の構成手段のうち、上記本発明の第18の実施の形態の音声信号処理装置1800における構成手段と同様の処理を行うものには同一の符号を付し、その説明を省略する。
【0188】
雑音フィルタ1911は、プリアンプ420からの出力信号を入力とし、入力された信号に含まれる雑音を除去するためのフィルタであり、例えば、ウィナーフィルタを用いるのでも良い。
切替器1912は、制御回路341からの出力信号に応じてプリアンプ420からの出力信号または雑音フィルタ1911の出力信号のいずれかを選択して出力する手段である。
【0189】
以下、マイクヘッド1810の軸から音源が離れた場合の雑音フィルタ1911および切替器1912の動作について説明する。
マイクヘッド1810の軸上から音源が離れた場合、雑音フィルタ1911の出力信号を選択させる信号が制御回路341から切替器1912に出力され、雑音フィルタ1911によって雑音除去処理が施された信号が切替器1912によって選択され、出力される。
【0190】
これによって、切替器1912によって出力される信号は、加算器131の出力信号から雑音フィルタ1911の出力信号に切り替えられる。また、マイクヘッド1810の軸上から音源が離れることによって指向角制御が行われ、モータ1815が駆動されている間、雑音フィルタ1911によって雑音除去処理が施された信号を出力することになる。
【0191】
以上説明したように、本発明の第19の実施の形態の音声信号処理装置は、モータが駆動している期間、雑音フィルタの効果が有効となり、安価な直流モータとパルス駆動式のサーボ回路を用いることにより駆動ノイズが大きくなり音声経路に混入しても雑音フィルタによって除去されるので、マイクヘッドの可動部分にかかるコストを抑えることができ、より安価に装置を提供することができる。
【0192】
なお、本発明の第1から第18の実施の形態と同様に、マイクエレメント、マイクヘッドおよび雑音フィルタ以外の全ての構成要素については、アナログ回路で実現するのでも良いし、デジタル回路で実現するのでも良い。特に、マイクヘッド以外の構成要素を1つのデジタル信号処理チップで構成することで小型化が実現でき、1つのマイクユニットの中に収めることも可能となる。
【0193】
(第20の実施の形態)
図20は、本発明の第20の実施の形態の音声信号処理装置のブロック構成を示す図である。図20において、音声信号処理装置2000は、本発明の第10の実施の形態の音声信号処理装置1000に、表示手段2011を設けたものである。なお、音声信号処理装置2000の構成手段のうち、上記本発明の第10の実施の形態の音声信号処理装置1000における構成手段と同様の処理を行うものには同一の符号を付し、その説明を省略する。
【0194】
表示手段2011は、第2の比較器152の出力端C1からの出力信号のレベルを表示するようになっている。
表示手段2011として、例えばLED(Light Emitting Diode)を用いる場合、第2の比較器152の出力がゼロのときにLEDが消灯し、音源とマイクロフォンとの位置関係が変化すると第2の比較器152からの出力が発生し、LEDは点灯する。
【0195】
第2の比較器152からの出力が大きくなり、LEDの輝度が高くなることによって、操作者等に収音動作の異常を知らせる。これにより、操作者等は、操作子631を操作して指向角制御、感度制御および雑音除去処理の制御が実行され、指向角制御が安定して終了するとLEDは消滅する。
【0196】
以上説明したように、本発明の第20の実施の形態の音声信号処理装置は、音源とマイクロフォンとの位置関係が変化したことをユーザに警告することが可能となるため、音源とマイクロフォンとの位置関係や周囲雑音の状況を意識することなく簡便に操作することができる。
なお、本発明の第1から第19の実施の形態と同様に、マイクエレメント、プリアンプおよび雑音フィルタ以外の全ての構成要素については、アナログ回路で実現するのでも良いし、デジタル回路で実現するのでも良い。
【0197】
(第21の実施の形態)
図21は、本発明の第21の実施の形態の音声信号処理装置のブロック構成を示す図である。図21において、音声信号処理装置2100は、マイクロフォン110、マイクロフォン110の出力信号を分離すると共に変圧する変圧器411、変圧器411からの出力を増幅するプリアンプ2120、プリアンプ2120の増幅率を調整するための第1の可変抵抗素子2121、プリアンプ2120の出力端に設けられた固定抵抗素子2131、外部からの信号に応じて抵抗値が変わる第2の可変抵抗素子2141、固定抵抗素子2131からの出力の最大値を保持する最大値保持回路431、所定の基準値を発生する基準値発生手段432、固定抵抗素子2131からの出力の最大値から上記の基準値を差し引く引算回路441、および引算回路441の出力信号中の急激に変化する成分を除去するための積分器451、引算回路441と積分器451の間の経路を電気的に開閉する開閉器511、開閉器511を動作させる操作子521およびインバータ2151を含むように構成される。なお、音声信号処理装置2100の構成手段のうち、上記本発明の第5の実施の形態の音声信号処理装置500における構成手段と同様の処理を行うものには同一の符号を付し、その説明を省略する。
【0198】
第1の可変抵抗素子2121は、積分器451からの出力に応じて抵抗値が変化するようになっており、例えば、デジタル制御型の可変抵抗素子でもよい。
同様に、第2の可変抵抗素子2141は、積分器451から出力されインバータ2151によってレベルの大小が反転された信号に応じて抵抗値が変化するようになっている。第2の可変抵抗素子2141も、第1の可変抵抗素子2121と同様にデジタル制御型の可変抵抗素子であってもよい。
【0199】
以下、音声信号処理装置2100の感度特性が図21のグラフに示すように、直線的に変化する動作について説明する。
積分器451からの出力信号のレベルが高くなるとインバータ2151によって第1の可変抵抗素子2121に出力される制御信号は、低いレベルの信号が出力され、プリアンプ2120のゲインが増大し、マイク感度が高くなる。
【0200】
一方、第2の可変抵抗素子2141への制御信号入力は積分器451の出力が大きくなるほど大きくなり、プリアンプ2120の出力の減衰量が減少し相対的にマイク感度は高くなる。このように双方の可変抵抗素子2121、2141の対数特性を打ち消しあうように感度の制御が合成され、結果としてリニアな感度特性が得られる。
【0201】
以上説明したように、本発明の第21の実施の形態の音声信号処理装置は、可変抵抗素子を制御することによってマイク感度を制御するため、簡易かつ安価で対数特性のデジタル制御型の可変抵抗素子を使用しながら、リニア特性で感度の低いところでも高いところでも同程度の分解能で感度制御を行うことができ、簡易かつ安価な装置を提供することができる。
なお、本発明の第1から第20の実施の形態と同様に、マイクエレメントおよびプリアンプ以外の全ての構成要素については、アナログ回路で実現するのでも良いし、デジタル回路で実現するのでも良い。
【0202】
(第22の実施の形態)
図22は、本発明の第22の実施の形態の音声信号処理装置のブロック構成を示す図である。図22において、音声信号処理装置2200は、本発明の第10の実施の形態の音声信号処理装置1000に、絶対値回路2211、第3の積分器2221、第2の検出器2231、および第4および第5の開閉器2241、2242を設けたものである。
【0203】
なお、音声信号処理装置2200の構成手段のうち、上記本発明の第10の実施の形態の音声信号処理装置1000における構成手段と同様の処理を行うものには同一の符号を付し、その説明を省略する。また、音声信号処理装置2200を構成する遅延開閉制御部2220は、説明の都合上、本発明の第2の実施の形態に係るの遅延開閉制御部220とは、第1の開閉器211と第1の積分器161とが相互に入れ替わり、第2の開閉器212と第2の積分器162とが相互に入れ替わった構成になっているが、本発明の第2の実施の形態に係るの遅延開閉制御部220と同様の機能を有するものである。
【0204】
絶対値回路2211は、プリアンプ420からの出力信号のうち、負の振幅部分を反転して正の振幅からなる絶対値信号を生成し、積分器2221に出力するようになっている。
第3の積分器2221は、それぞれ、絶対値回路2211からの出力信号を平滑化して検出器2231に出力するようになっている。
【0205】
第2の検出器2231は、第3の積分器によって平滑された絶対値信号のレベルと所定の基準値とに応じた制御切替信号を出力するようになっている。具体的には、だい3の積分器2221からの出力信号のレベルが基準値以下であるとき、基準値以内であれば第4の開閉器2241と開閉器第5の開閉器2242を閉じ、基準値を超える場合はこれらを開放させる制御切替信号を出力するようになっている。
【0206】
第4の開閉器2241は、第2の検出器2231から出力された制御切替信号に応じて制御回路711と第1および第2の開閉器211、212との間の経路を電気的に開閉するようになっている。
同様に、第5の開閉器2242は、第2の検出器2231から出力された制御切替信号に応じて制御回路711と第3の開閉器511との間の経路を電気的に開閉するようになっている。
【0207】
以下、話者が発音している場合と発音してない場合の動作について説明する。
話者が発音すると、指向角制御が遅延開閉制御部2220によって実行され、感度制御が縮小画像生成手段420によって実行される。マイクユニットから音声が入力されている間は、プリアンプ420からの出力信号は、絶対値回路2211によって絶対値の信号に変換され、積分器2221によって平滑化処理され、検出器2231によって積分器2221からの出力信号が上記の基準値以下か否かが判断され、基準値を超えるようになった場合は、第4の開閉器2241および第5の開閉器2242が開放され、制御回路711からの出力が遮断され、積分器451からの出力が遮断され、指向角制御と感度制御が停止する。
【0208】
次に、話者が発音を停止して、積分器2221からの出力信号が上記の基準値以下となった場合は、第4の開閉器2241および第5の開閉器2242が閉鎖され、制御回路711からの出力が遅延開閉制御部2220の入力端子S3に入力され、積分器451からの出力がプリアンプ420の端子F1に入力され、指向角制御と感度制御が実行される。
【0209】
その結果、和手段が発音を停止している期間に指向角と感度の変化が発生し、話者が発音を継続している期間は、音声経路の特性は安定し、変化しないこととなる。
【0210】
以上説明したように、本発明の第22の実施の形態の音声信号処理装置は、無音区間を検出してその期間の音声経路特性を変化させるため、指向角制御と感度制御および雑音除去の効果を得ながらも、より自然な音質を得ることができる。
また、音声波形に波形の非線形歪を生じることがなく、音声認識処理を施す際の認識率低下を高めることができる。
【0211】
なお、どれだけの長さの無音状態をもって無音区間を検出するかは積分器2221の積分定数によって設定することが可能であり、話者の話速に応じて調整することも可能である。
また、発明の第1から第21の実施の形態と同様に、マイクエレメント、プリアンプ、および雑音フィルタ以外の全ての構成要素については、アナログ回路で実現するのでも良いし、デジタル回路で実現するのでも良い。
【0212】
(第23の実施の形態)
図23は、本発明の第23の実施の形態の音声信号処理装置のブロック構成を示す図である。図23において、音声信号処理装置2300は、本発明の第22の実施の形態の音声信号処理装置2200に、操作子2311を設けたものである。なお、音声信号処理装置2300の構成手段のうち、上記本発明の第22の実施の形態の音声信号処理装置2200における構成手段と同様の処理を行うものには同一の符号を付し、その説明を省略する。
【0213】
操作子2311は、制御回路711にトリガを出力し、制御回路711に開閉器2241、2242を閉じさせるための制御切替信号を生成させるための操作をユーザに行わせるようになっている。
【0214】
これによって、ユーザが音源とマイクユニットとの位置関係の変化を知覚したときに、音声信号処理装置2300に指向角制御と感度制御を行わせるために操作子2311を操作して制御回路711にトリガを出力すると、上記で説明した指向角制御と感度制御が行われ、音源とマイクユニットとの位置関係が安定したときに指向角制御と感度制御が停止することになる。そして、話者または操作者が異変に気づいたときに、無音期間に指向角と感度および雑音フィルタ811の制御を音声信号処理装置2300に行わせることができる。
【0215】
以上説明したように、本発明の第23の実施の形態の音声信号処理装置は、操作子2311を設けて制御開始のトリガを入力できるようにしたため、音源とマイクユニットの位置関係が変化した場合にも、操作者が開閉器を開放するタイミングに集中することなく簡便に、マイクユニットの指向角を最小限に保つことで周囲の雑音を拾いにくくできるとともに均一なレベルで収音することができる。
【0216】
また、簡易かつ安価で対数特性のデジタル制御型の可変抵抗素子を使用しながら、リニア特性で感度の低いところでも高いところでも同程度の分解能で感度制御を行うことができ、簡易かつ安価な装置を提供することができる。
なお、本発明の第1から第22の実施の形態と同様に、マイクエレメント、プリアンプ、および雑音フィルタ以外の全ての構成要素については、アナログ回路で実現するのでも良いし、デジタル回路で実現するのでも良い。
【0217】
(第24の実施の形態)
図24は、本発明の第24の実施の形態の音声信号処理装置のブロック構成を示す図である。図24において、音声信号処理装置2400は、本発明の第23の実施の形態の音声信号処理装置2300に、本発明の第20の実施の形態の操作子2011を設けたものである。なお、音声信号処理装置2400の構成手段のうち、上記本発明の第23の実施の形態の音声信号処理装置2300における構成手段と同様の処理を行うものには同一の符号を付し、その説明を省略する。
【0218】
表示手段2011は、図22に示す第2の比較器152の出力端C1からの出力信号のレベルを表示するようになっている。
表示手段2011として例えば発光手段としてのLEDを用いる場合、表示手段2011は、第2の比較器152からの出力が安定しているときに消灯し、音源とマイクユニットとの位置関係が変化したときに発光し、第2の比較器152からの出力の増大に応じてLEDの駆動電流が増大して輝度が高くなるようになっている。
【0219】
表示手段2011としてのLEDの輝度が高くなり、LEDが発光していることを知覚したユーザが操作子2311を操作すると、指向角と感度および雑音除去の制御が無音期間に実行され、指向角制御が安定して終了するとLEDは消灯する。
【0220】
以上説明したように、本発明の第24の実施の形態の音声信号処理装置は、表示手段2011を設けたため、音源とマイクユニットとの位置関係が変化したことをユーザに警告することが可能となり、音源とマイクユニットとの位置関係や周囲雑音の状況を意識することなく簡便に操作することが可能となるだけでなく、音声波形に波形の非線形歪を生じることがなく音声認識処理にかける際の認識率低下を高めることができる。
【0221】
なお、本発明の第1から第23の実施の形態と同様に、マイクエレメント、プリアンプ、および雑音フィルタ以外の全ての構成要素については、アナログ回路で実現するのでも良いし、デジタル回路で実現するのでも良い。
【0222】
(第25の実施の形態)
図25は、本発明の第25の実施の形態の音声信号処理装置のブロック構成を示す図である。図25において、音声信号処理装置2500は、本発明の第24の実施の形態の音声信号処理装置2400に、本発明の第15の実施の形態のフィルタ係数算出手段1511を設けたものである。なお、音声信号処理装置2500の構成手段のうち、上記本発明の第24の実施の形態の音声信号処理装置2400における構成手段と同様の処理を行うものには同一の符号を付し、その説明を省略する。
【0223】
フィルタ係数算出段1511は、雑音フィルタ811のフィルタ処理に用いるフィルタ係数を算出するようになっている。具体的には、ウィナーフィルタによって得られた雑音パワースペクトルの推定値を減算する際の比例定数β等を算出するものである。
雑音フィルタ811は、フィルタ係数算出手段1511によって算出されたフィルタ係数を用いてプリアンプ420からの出力信号に対して雑音除去のためのフィルタ処理をするようになっている。
【0224】
フィルタ係数算出手段1511と雑音フィルタ811とは同一のDSPで実現するのでもよく、その場合は、積分器の出力値と比例定数βの関連を示す係数テーブルを予め設けておき、係数テーブルを参照して積分器の出力値に応じた比例定数βの値を読み出し、フィルタの演算を行うことによって実現される。
上記の比例定数βは、積分器161、162の出力と逆比例的に関連づけられ、積分器の出力が小さくなるほどβの値が大きくなり、ウィナーフィルタによる雑音除去効果が高くなるようになっている。その結果、雑音フィルタ811からの出力を選択している場合には、微調整がなされた雑音フィルタ811の出力が選択されることになる。
【0225】
以上説明したように、本発明の第25の実施の形態の音声信号処理装置は、フィルタ係数算出手段1511を設けため、指向角制御によって指向角が広くなり雑音フィルタからの出力を選択している場合には、指向角が広くなるほど雑音除去効果が高まり、より効果的に雑音を抑制することが可能となるだけでなく、音声波形に波形の非線形歪を生じることがなく音声認識処理にかける際の認識率低下を高めることができる。
【0226】
なお、本発明の第1から第24の実施の形態と同様に、マイクエレメント、プリアンプ、雑音フィルタ、およびフィルタ係数算出段以外の全ての構成要素については、アナログ回路で実現するのでも良いし、デジタル回路で実現するのでも良い。
【0227】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明は、収音した音声信号に周波数特性の乱れや波形の非線形歪に加えダイナミックレンジ圧縮によるSN比の悪化を生じることなく所望の音声以外の雑音を除去するとともに、音量レベルの変動を抑えることができ、さらに音声認識処理を行う際にも認識率を高めることが可能な音声信号処理装置を実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態の音声信号処理装置のブロック図
【図2】本発明の第2の実施の形態の音声信号処理装置のブロック図
【図3】本発明の第3の実施の形態の音声信号処理装置のブロック図
【図4】本発明の第4の実施の形態の音声信号処理装置のブロック図
【図5】本発明の第5の実施の形態の音声信号処理装置のブロック図
【図6】本発明の第6の実施の形態の音声信号処理装置のブロック図
【図7】本発明の第7の実施の形態の音声信号処理装置のブロック図
【図8】本発明の第8の実施の形態の音声信号処理装置のブロック図
【図9】本発明の第9の実施の形態の音声信号処理装置のブロック図
【図10】本発明の第10の実施の形態の音声信号処理装置のブロック図
【図11】本発明の第11の実施の形態の音声信号処理装置のブロック図
【図12】本発明の第12の実施の形態の音声信号処理装置のブロック図
【図13】本発明の第13の実施の形態の音声信号処理装置のブロック図
【図14】本発明の第14の実施の形態の音声信号処理装置のブロック図
【図15】本発明の第15の実施の形態の音声信号処理装置のブロック図
【図16】本発明の第16の実施の形態の音声信号処理装置のブロック図
【図17】本発明の第17の実施の形態の音声信号処理装置のブロック図
【図18】本発明の第18の実施の形態の音声信号処理装置のブロック図
【図19】本発明の第19の実施の形態の音声信号処理装置のブロック図
【図20】本発明の第20の実施の形態の音声信号処理装置のブロック図
【図21】本発明の第21の実施の形態の音声信号処理装置のブロック図
【図22】本発明の第22の実施の形態の音声信号処理装置のブロック図
【図23】本発明の第23の実施の形態の音声信号処理装置のブロック図
【図24】本発明の第24の実施の形態の音声信号処理装置のブロック図
【図25】本発明の第25の実施の形態の音声信号処理装置のブロック図
【図26】従来の音声信号処理装置のブロック図
【符号の説明】
100a、100b、200a、200b、300、400、500、600、700、800、900、1000、1100、1200、1300、1400、1500、1600、1700、1800、1900、2000、2100、2200、2300、2400、2500、2600 音声信号処理装置
101、102 遅延制御部
110、2611 マイクロフォン
111、112、113 マイクエレメント
121、122、141、142 遅延回路
131、132 加算器
151、152、831、911、1011、1130、1311 比較器
161、162、451、1121、1122、1123、1241、2221 積分器
211、212、511、1822、2241、2242 開閉器
220、2220 遅延開閉制御部
221、331、521、631、2311 操作子
311、312、611 高域通過フィルタ
321、322、621、2231 検出器
341、641、711 制御回路
411 変圧器
420、1101、1102、1103、2120、2612 プリアンプ
421、2121、2141 可変抵抗素子
431 最大値保持回路
432、832、912、1012、1252、1312、1412 基準値発生手段
441、1211、1212、1251、1411 引算回路
811、1321、1512、1911 雑音フィルタ
821、1141、1221、1331、1912 切替器
1111、1112、1113、1231、2211 絶対値回路
1511 フィルタ係数算出手段
1611 帯域幅制御手段
1612 帯域通過フィルタ
1810 マイクヘッド
1811 スライダ
1812 駆動ベルト
1813 ホルダ
1814 ポテンショメータ
1815 モータ
1820 マイクヘッド制御部
1821 サーボ回路
2011 表示手段
2131 固定抵抗素子
2151 インバータ
2610 マイクロフォンユニット
2620 デジタル信号処理LSI(DSP)
2621 AD変換器
2622 周波数帯域分割フィルタ
2623 レベル変換器
2624 DA変換器
2630 制御部
A、B 入力音声の方向
B1、B2 直流入力端子
I1、I2、I3、I4、I5、F1、S3 入力端子
O1、O2、S1、S2 出力端子

Claims (27)

  1. 音源から発せられる音声を電気信号に変換して音声信号を生成する2つのマイクエレメントが配置されたマイクユニットと、前記音源に最も近いマイクエレメントからの第1の音声信号を遅延させて前記音源に最も遠いマイクエレメントからの第2の音声信号に加算して加算音声信号を生成する遅延制御部とを備え、前記遅延制御部は、前記第1の音声信号を遅延させて遅延音声信号を生成する遅延回路と、前記第2の音声信号と前記遅延音声信号とを加算する加算器と、前記遅延音声信号と前記第2の音声信号との間の遅延量を検出する比較器と、前記比較器の出力信号を積分して前記遅延回路が遅延させる遅延量の情報を生成する積分器とを有し、前記加算器が前記音源に最も近いマイクエレメントからの第1の音声信号を前記音源に最も遠いマイクエレメントからの第2の音声信号に同相で加算して前記加算音声信号を生成するようにしたことを特徴とする音声信号処理装置。
  2. 音源から発せられる音声を電気信号に変換して音声信号を生成する複数のマイクエレメントが同一線上に配置されたマイクユニットと、前記各マイクエレメントからの音声信号を前記音源に近い順番に遅延させて加算するために従属接続された第1の遅延制御部と1以上の第2の遅延制御部とを備え、前記第1の遅延制御部は、前記音源に最も近いマイクエレメントからの音声信号を遅延させて前記音源に2番目に近いマイクエレメントからの音声信号に加算し、前記第2の遅延制御部は、前記音源に3番目に近いマイクエレメント以降のマイクエレメント毎に対応して設けられ、前記第1の遅延制御部は、前記音源に最も近いマイクエレメントからの音声信号を遅延させて第1の遅延音声信号を生成する第1の遅延回路と、前記音源に2番目に近いマイクエレメントからの音声信号と前記第1の遅延音声信号とを加算する第1の加算器と、前記第1の遅延音声信号と前記音源に2番目に近いマイクエレメントから音声信号との間の遅延量を検出する第1の比較器と、前記第1の比較器の出力信号を積分して前記第1の遅延回路が遅延させる遅延量の情報を生成する第1の積分器とを有し、前記第1の加算器が、前記音源に最も近いマイクエレメントからの音声信号と前記音源に2番目に近いマイクエレメントからの音声信号とを同相に加算するようにし、前記各第2の遅延制御部は、前段の遅延制御部からの音声信号を遅延させて第2の遅延音声信号を生成する第2の遅延回路と、前段のマイクエレメントからの音声信号を遅延させて第3の遅延音声信号を生成する第3の遅延回路と、この段のマイクエレメントからの音声信号と前記第2の遅延音声信号とを加算する第2の加算器と、この段のマイクエレメントからの音声信号と前記第3の遅延音声信号との間の遅延量を検出する第2の比較器と、前記第2の比較器の出力信号を積分して前記第2の遅延回路または第3の遅延回路が遅延させる遅延量の情報を生成する第2の積分器とを有し、前記第2の加算器が、前記音源に最も近いマイクエレメントから前段までのマイクエレメントまでのマイクエレメントからの音声信号を同相に加算するようにしたことを特徴とする音声信号処理装置。
  3. 前記遅延制御部は、さらに、前記比較器と前記積分器との電気的接続の開閉を行う開閉器を有し、前記音声信号処理装置は、前記開閉器を電気的に開閉させるための操作手段とを備え、前記積分器は、前記開閉器が閉の場合は前記比較器からの出力信号を積分して前記遅延回路が遅延させる前記遅延量の情報を生成し、前記開閉器が開の場合は開となる直前の前記遅延量の情報を維持するようにしたことを特徴とする請求項1に記載の音声信号処理装置。
  4. 前記第1の遅延制御部は、さらに、前記第1の比較器と前記第1の積分器との電気的接続の開閉を行う開閉器を有し、前記第2の遅延制御部は、さらに、前記第2の比較器と前記第2の積分器との電気的接続の開閉を行う開閉器を有し、前記音声信号処理装置は、各前記開閉器を電気的に開閉させるための操作手段とを備え、前記各積分器は、前記対応する開閉器が閉の場合は対応する比較器からの出力信号を積分して対応する遅延回路が遅延させる前記遅延量の情報を生成し、対応する開閉器が開の場合は開となる直前の前記遅延量の情報を維持するようにしたことを特徴とする請求項2に記載の音声信号処理装置。
  5. 前記操作手段は、外部からの入力に応じて前記各開閉器を電気的に閉じさせるための閉信号を発生し、前記音声信号処理装置は、さらに、前記第1の積分器からの出力信号のうち高周波数成分を通過させる第1の高域通過フィルタと、前記第1の高域通過フィルタを通過した信号の振幅が所定値以上である場合に検出信号を出力する第1の検出手段と、前記第2の積分器からの出力信号のうち高周波数成分を通過させる第2の高域通過フィルタと、前記第2の高域通過フィルタを通過した信号の振幅が所定値以上である場合に検出信号を出力する第2の検出手段と、前記第1の検出手段が出力する前記検出信号、前記第2の検出手段が出力する前記検出信号、および前記操作手段が出力する前記閉信号に応じて前記各開閉器を開閉する制御回路とを備え、前記制御回路は、前記第1の検出手段が出力する前記検出信号または前記第2の検出手段が出力する前記検出信号があり、かつ前記操作手段が前記閉信号を発生した場合に前記各開閉器を閉じ、前記第1の検出手段が出力する前記検出信号および前記第2の検出手段が出力する前記検出信号がない場合に、前記各開閉器を開くようにしたことを特徴とする請求項4に記載の音声信号処理装置。
  6. 外部の装置から入力された音声信号を増幅する増幅器と、前記増幅器で増幅された音声信号のうちの所定時間内における最大値を検出して保持する動作を繰り返す最大値保持回路と、前記最大値保持回路が保持する各前記時間内の最大値から基準値を差し引いて差分信号を生成する引算回路と、前記引算回路が生成する差分信号を積分して前記増幅器の増幅率を制御する制御信号を生成する積分器とを備え、前記増幅器は、前記積分器からの制御信号に応じて前記最大値が一定となるように増幅率を変更するようにしたことを特徴とする音声信号処理装置。
  7. 前記引算回路と前記積分器との電気的接続の開閉を行う開閉器と、前記開閉器を電気的に開閉させるための操作手段とを備え、前記積分器は、前記開閉器が閉の場合は前記引算回路が生成する差分信号を積分して前記制御信号を生成し、前記開閉器が開の場合は開となる直前の前記制御信号を維持するようにしたことを特徴とする請求項6に記載の音声信号処理装置。
  8. 前記操作手段は、外部からの入力に応じて前記開閉器を電気的に閉じさせるための閉信号を発生し、前記音声信号処理装置は、さらに、前記積分器からの出力信号のうち高周波数成分を通過させる高域通過フィルタと、前記高域通過フィルタを通過した信号の振幅が所定値以上である場合に検出信号を出力する検出手段と、前記検出手段が出力する前記検出信号および前記操作手段が出力する前記閉信号に応じて前記開閉器を開閉する制御回路とを備え、前記制御回路は、前記検出手段が出力する前記検出信号があり、かつ前記操作手段が前記閉信号を発生した場合に前記開閉器を閉じ、前記検出手段が出力する前記検出信号がない場合に、前記開閉器を開くようにしたことを特徴とする請求項7に記載の音声信号処理装置。
  9. 音源から発せられる音声を電気信号に変換して音声信号を生成する複数のマイクエレメントが同一線上に配置されたマイクユニットと、前記各マイクエレメントからの音声信号を前記音源に近い順番に遅延させて加算するために従属接続された第1の遅延制御部と1以上の第2の遅延制御部とを備え、前記第1の遅延制御部は、前記音源に最も近いマイクエレメントからの音声信号を遅延させて前記音源に2番目に近いマイクエレメントからの音声信号に加算し、前記第2の遅延制御部は、前記音源に3番目に近いマイクエレメント以降のマイクエレメント毎に対応して設けられ、前記第1の遅延制御部は、前記音源に最も近いマイクエレメントからの音声信号を遅延させて第1の遅延音声信号を生成する第1の遅延回路と、前記音源に2番目に近いマイクエレメントからの音声信号と前記第1の遅延音声信号とを加算する第1の加算器と、前記第1の遅延音声信号と前記音源に2番目に近いマイクエレメントから音声信号との間の遅延量を検出する第1の比較器と、前記第1の比較器の出力信号を積分して前記第1の遅延回路が遅延させる遅延量の情報を生成する第1の積分器と、前記第1の比較器と前記第1の積分器との電気的接続の開閉を行う第1の開閉器とを有し、前記第1の加算器が、前記音源に最も近いマイクエレメントからの音声信号と前記音源に2番目に近いマイクエレメントからの音声信号とを同相に加算するようにし、前記各第2の遅延制御部は、前段の遅延制御部からの音声信号を遅延させて第2の遅延音声信号を生成する第2の遅延回路と、前段のマイクエレメントからの音声信号を遅延させて第3の遅延音声信号を生成する第3の遅延回路と、この段のマイクエレメントからの音声信号と前記第2の遅延音声信号とを加算する第2の加算器と、この段のマイクエレメントからの音声信号と前記第3の遅延音声信号との間の遅延量を検出する第2の比較器と、前記第2の比較器の出力信号を積分して前記第2の遅延回路または第3の遅延回路が遅延させる遅延量の情報を生成する第2の積分器と、前記第2の比較器と前記第2の積分器との電気的接続の開閉を行う第2の開閉器とを有し、前記第2の加算器が、前記音源に最も近いマイクエレメントから前段までのマイクエレメントまでのマイクエレメントからの音声信号を同相に加算するようにし、前記増幅器は、最終段の前記第2の加算器からの出力信号を入力信号として増幅し、前記制御回路は、前記検出手段が出力する前記検出信号があり、かつ前記操作手段が前記閉信号を発生した場合に前記各開閉器を閉じ、前記検出手段が出力する前記検出信号がない場合に、前記開閉器を開き、前記各積分器は、前記対応する開閉器が閉の場合は対応する比較器からの出力信号を積分して対応する遅延回路が遅延させる前記遅延量の情報を生成し、対応する開閉器が開の場合は開となる直前の前記遅延量の情報を維持するようにしたことを特徴とする請求項8に記載の音声信号処理装置。
  10. 前記増幅器の出力信号中の雑音を除去するための雑音フィルタと、前記増幅器の出力信号または前記雑音フィルタの出力信号のいずれかを選択して出力する切替手段と、前記積分器の出力信号が所定の基準値未満の場合は、前記切替手段に前記増幅器の出力信号を選択させ、前記積分器の出力信号が所定の基準値以上の場合は、前記切替手段に前記雑音フィルタの出力信号を選択させる切替信号を発生する比較器とを備えたことを特徴とする請求項8に記載の音声信号処理装置。
  11. 最終段の前記遅延制御部からの出力信号中の雑音を除去するための雑音フィルタと、最終段の前記遅延制御部の出力信号または前記雑音フィルタの出力信号のいずれかを選択して出力する切替手段と、最終段の前記遅延制御部の前記積分器からの出力信号が所定の基準値未満の場合は、前記切替手段に最終段の前記遅延制御部からの出力信号を選択させ、最終段の前記遅延制御部の前記積分器からの出力信号が所定の基準値以上の場合は、前記切替手段に前記雑音フィルタの出力信号を選択させる比較器とを備えたことを特徴とする請求項5に記載の音声信号処理装置。
  12. 前記操作手段は、外部からの入力に応じて前記開閉器を電気的に閉じさせるための閉信号を発生し、前記音声信号処理装置は、さらに、請求項4に記載の積分器を第3の積分器として、前記第3の積分器からの出力信号のうち高周波数成分を通過させる高域通過フィルタと、前記高域通過フィルタを通過した信号の振幅が所定値以上である場合に検出信号を出力する検出手段と、前記検出手段が出力する前記検出信号および前記操作手段が出力する前記閉信号に応じて各前記開閉器を開閉する制御回路とを備え、前記制御回路は、前記検出手段が出力する前記検出信号があり、かつ前記操作手段が前記閉信号を発生した場合に各前記開閉器を閉じ、前記検出手段が出力する前記検出信号がない場合に、各前記開閉器を開くようにしたことを特徴とする請求項9に記載の音声信号処理装置。
  13. 音源から発せられる音声を電気信号に変換して音声信号を生成する複数のマイクエレメントが同一線上に配置されたマイクユニットと、前記マイクエレメント毎に設けられ、対応する前記マイクエレメントが生成した音声信号を増幅する増幅器と、前記増幅器毎に設けられ、対応する前記増幅器が増幅した信号の絶対値をとって絶対値信号を生成する絶対値回路と、前記絶対値回路毎に設けられ、対応する絶対値回路が生成する絶対値信号を積分する積分器と、前記各積分器が積分した信号のうち最大の信号を出力した積分器に対応する切替信号を逐次生成する比較器と、前記切替信号に応じて前記増幅器の出力信号を選択して選択出力信号として出力する切替手段とを備えたことを特徴とする音声信号処理装置。
  14. 隣り合う前記マイクエレメントに対応する積分器の出力信号間の差分信号を生成する、隣り合う前記マイクエレメント毎の引算器と、前記比較器の切替信号に応じて前記引算回路の出力信号を選択して出力する第2の切替手段と、前記第2の切替手段が出力した信号の絶対値をとって絶対値差分信号を生成する第2の絶対値回路と、前記絶対値差分信号を積分する第2の積分器と、前記第2の積分器の出力信号から所定の基準信号を差し引いて前記各増幅器の増幅率を制御する制御信号を生成する第2の引算回路とを備え、前記マイクエレメントが配置された線方向に前記音源が移動して前記マイクエレメントから離れていく際に生ずる前記選択出力信号の信号レベルの低下を補償するように動作するようにしたことを特徴とする請求項13に記載の音声信号処理装置。
  15. 隣り合う前記マイクエレメントに対応する積分器の出力信号間の差分信号を生成する、隣り合う前記マイクエレメント毎の引算器と、前記比較器の切替信号に応じて前記引算回路の出力信号を選択して出力する第2の切替手段と、前記第2の切替手段が出力した信号の絶対値をとって絶対値差分信号を生成する第2の絶対値回路と、前記絶対値差分信号を積分する第2の積分器と、前記切替手段が出力する選択出力信号中の雑音を除去するための雑音フィルタと、前記切替手段が出力する選択出力信号または前記雑音フィルタの出力信号のいずれかを選択して出力する第3の切替手段と、前記第2の積分器の出力信号が所定の基準値未満の場合は、前記第3の切替手段に前記選択出力信号を選択させ、前記積分器の出力信号が所定の基準値以上の場合は、前記第3の切替手段に前記雑音フィルタの出力信号を選択させる切替信号を発生する比較器とを備えたことを特徴とする請求項13に記載の音声信号処理装置。
  16. 前記第2の積分器の出力信号から所定の基準信号を差し引いて前記各増幅器の増幅率を制御する制御信号を生成する第2の引算回路を備え、前記マイクエレメントが配置された線方向に前記音源が移動して前記マイクエレメントから離れていく際に生ずる前記選択出力信号の信号レベルの低下を補償するように動作するようにしたことを特徴とする請求項15に記載の音声信号処理装置。
  17. 外部から入力されたフィルタ係数に応じたフィルタ特性を有し、最終段の前記遅延制御部からの出力信号中の雑音を除去する雑音フィルタと、最終段の前記遅延制御部の前記積分器からの出力信号の周波数スペクトルに応じて前記雑音フィルタのフィルタ係数を算出し、前記雑音フィルタに入力するフィルタ係数算出手段とを備えたことを特徴とする請求項5に記載の音声信号処理装置。
  18. 最終段の前記遅延制御部の積分器からの出力信号の周波数スペクトルに応じて、最終段の前記遅延制御部からの出力信号のうちの通過させる信号成分の周波数帯を決定する帯域幅制御手段と、最終段の前記遅延制御部からの出力信号のうち前記帯域幅制御手段が決定した周波数帯の信号成分を通過させる帯域通過フィルタとを備えたことを特徴とする請求項5に記載の音声信号処理装置。
  19. 外部から入力されたフィルタ係数に応じたフィルタ特性を有し、最終段の前記遅延制御部からの出力信号中の雑音を除去する雑音フィルタと、最終段の前記遅延制御部の前記積分器からの出力信号の周波数スペクトルに応じて前記雑音フィルタのフィルタ係数を算出し、前記雑音フィルタに入力するフィルタ係数算出手段と、最終段の前記遅延制御部の積分器からの出力信号の周波数スペクトルに応じて、前記雑音フィルタからの出力信号のうちの通過させる信号成分の周波数帯を決定する帯域幅制御手段と、前記雑音フィルタからの出力信号のうち前記帯域幅制御手段が決定した周波数帯の信号成分を通過させる帯域通過フィルタとを備えたことを特徴とする請求項5に記載の音声信号処理装置。
  20. 音源から発せられる音声を電気信号に変換して音声信号を生成する2つのマイクエレメントが配置されたマイクヘッドと、前記各マイクエレメントの位置を制御するためのマイクヘッド制御部とを備え、前記マイクヘッドは、さらに、前記各マイクエレメントを移動させるスライダと、前記スライダを前記スライダの移動方向に駆動するための駆動手段と、前記スライダの移動量に応じた信号を出力するポテンショメータとを有し、前記マイクヘッド制御部は、前記第1の音声信号を遅延させて遅延音声信号を生成する遅延回路と、前記第2の音声信号と前記遅延音声信号とを加算する加算器と、前記遅延音声信号と前記第2の音声信号との間の遅延量を検出する比較器と、前記比較器の出力信号を積分して前記遅延回路が遅延させる遅延量の情報を生成する積分器と、前記比較器と前記積分器との電気的接続の開閉を行う第1の開閉器と、前記第積分器からの出力信号のうち高周波数成分を通過させる高域通過フィルタと、前記高域通過フィルタを通過した信号の振幅が所定値以上である場合に検出信号を出力する検出手段と、外部からの入力に応じて前記各開閉器を電気的に閉じさせるための閉信号を発生する操作手段と、前記第1の積分器の出力レベルと前記ポテンショメータの出力レベルとが一致するように駆動手段を制御するサーボ回路と、前記サーボ回路と前記駆動手段との電気的接続の開閉を行う第2の開閉器と、前記検出手段が出力する前記検出信号および前記操作手段が出力する前記閉信号に応じて前記各開閉器を開閉する制御信号を生成する制御回路とを有し、前記制御回路は、前記検出手段が出力する前記検出信号があり、かつ前記操作手段が前記閉信号を発生した場合に前記各開閉器を閉じ、前記検出手段が出力する前記検出信号がない場合に、前記各開閉器を開き、前記積分器は、前記第1の開閉器が閉の場合は前記比較器からの出力信号を積分して前記遅延回路が遅延させる前記遅延量の情報を生成し、前記第1の開閉器が開の場合は開となる直前の前記遅延量の情報を維持するようにしたことを特徴とする音声信号処理装置。
  21. 前記加算器の出力信号中の雑音を除去するための雑音フィルタと、前記制御回路から制御信号が出力されたときに前記雑音フィルタの出力信号を選択して出力する切替手段とを備えたことを特徴とする請求項20に記載の音声信号処理装置。
  22. 前記第2の比較器の出力信号に応じた表示をする表示手段とを備えたことを特徴とする請求項12に記載の音声信号処理装置。
  23. 前記信号レベルに対して抵抗値が対数特性で変化する第1の可変抵抗素子と固定抵抗素子とによって前記増幅器の出力を分圧する分圧器と、前記積分器からの制御信号の信号レベルの大小を反転して反転制御信号を生成するインバータとを備え、前記増幅器は、信号レベルに対して対数特性で抵抗値が変化する第2の可変抵抗器を介して前記増幅率を変更させ、前記積分器からの制御信号を前記第1の可変抵抗素子または前記第2の可変抵抗素子のいずれかに抵抗値を変化させる信号として入力し、前記インバータからの反転制御信号を前記積分器からの制御信号が入力されない可変抵抗素子に抵抗値を変化させる信号として入力し、双方の前記可変抵抗素子の前記対数特性を相殺し前記積分器の出力に対し線形特性でマイク感度を制御するようにしたことを特徴とする請求項7に記載の音声信号処理装置。
  24. 音源から発せられる音声を電気信号に変換して音声信号を生成する複数のマイクエレメントが同一線上に配置されたマイクユニットと、前記各マイクエレメントからの音声信号を前記音源に近い順番に遅延させて同相で加算するために従属接続された第1の遅延制御部と1以上の第2の遅延制御部を含む遅延開閉制御部と、前記遅延開閉制御部からの出力信号の増幅および雑音除去を含む所定の信号処理を行うマイク感度制御部とを備え、前記第1の遅延制御部は、前記音源に最も近いマイクエレメントからの音声信号を遅延させて前記音源に2番目に近いマイクエレメントからの音声信号に加算し、前記第2の遅延制御部は、前記音源に3番目に近いマイクエレメント以降のマイクエレメント毎に対応して設けられ、前記第1の遅延制御部は、前記音源に最も近いマイクエレメントからの音声信号を遅延させて第1の遅延音声信号を生成する第1の遅延回路と、前記音源に2番目に近いマイクエレメントからの音声信号と前記第1の遅延音声信号とを加算する第1の加算器と、前記第1の遅延音声信号と前記音源に2番目に近いマイクエレメントから音声信号との間の遅延量を検出する第1の比較器と、前記第1の比較器の出力信号を積分して前記第1の遅延回路が遅延させる遅延量の情報を生成する第1の積分器と、前記第1の積分器と前記第1の遅延回路との電気的接続の開閉を行う第1の開閉器とを有し、前記各第2の遅延制御部は、前段の遅延制御部からの音声信号を遅延させて第2の遅延音声信号を生成する第2の遅延回路と、前段のマイクエレメントからの音声信号を遅延させて第3の遅延音声信号を生成する第3の遅延回路と、この段のマイクエレメントからの音声信号と前記第2の遅延音声信号とを加算する第2の加算器と、この段のマイクエレメントからの音声信号と前記第3の遅延音声信号との間の遅延量を検出する第2の比較器と、前記第2の比較器の出力信号を積分して前記第2の遅延回路または第3の遅延回路が遅延させる遅延量の情報を生成する第2の積分器と、前記第2の積分器と前記第2の遅延回路または前記第3の遅延回路との電気的接続の開閉を行う第2の開閉器とを有し、前記マイク感度制御部は、最終段の前記遅延制御部の第2の加算器が生成した音声信号を増幅する増幅器と、前記増幅器で増幅された音声信号のうちの所定時間内における最大値を検出して保持する動作を繰り返す最大値保持回路と、前記最大値保持回路が保持する各前記時間内の最大値から基準値を差し引いて差分信号を生成する引算回路と、前記引算回路が生成する差分信号を積分して前記増幅器の増幅率を制御する制御信号を生成する第3の積分器と、前記増幅器の出力信号中の雑音を除去するための雑音フィルタと、前記増幅器の出力信号または前記雑音フィルタの出力信号のいずれかを選択して出力する切替手段と、前記第3の積分器が生成した制御信号が入力されたとき、前記第3の積分器の出力信号が所定の基準値未満の場合は、前記切替手段に前記増幅器の出力信号を選択させ、前記第3の積分器の出力信号が所定の基準値以上の場合は、前記切替手段に前記雑音フィルタの出力信号を選択させる切替信号を発生する第3の比較器と、前記第1の積分器が生成した制御信号が入力されたとき、この制御信号のうちの高周波成分を通過させる高域通過フィルタと、前記増幅器、前記高域通過フィルタ、および前記比較器と前記第3の積分器との電気的接続の開閉を行う第3の開閉器と、前記高域通過フィルタを通過した信号の振幅が所定値以上である場合に検出信号を出力する第1の検出手段と、前記第1の検出手段が出力する前記検出信号に応じて前記開閉器を開閉させるための開閉信号を出力する制御回路と、前記増幅器からの出力信号のうち、負の振幅部分を反転して正の振幅からなる絶対値信号を生成する絶対値回路と、前記絶対値回路が生成した絶対値信号を平滑化する第4の積分器と、前記第4の積分器によって平滑された絶対値信号のレベルと所定の基準値とに応じた制御切替信号を出力する第2の検出手段と、前記第2の検出手段から出力された制御切替信号に応じて前記制御回路と前記第1の開閉器および第2の開閉器との間の経路を電気的に開閉する第4の開閉器と、前記第2の検出手段から出力された制御切替信号に応じて前記制御回路と前記第3の開閉器との間の経路を電気的に開閉する第5の開閉器とを有し、前記第2の検出手段は、前記平滑化された絶対値信号のレベルが前記所定の基準値以下のときに前記第4の開閉器および前記第5の開閉器を閉じさせて前記制御回路からの前記開閉信号を前記第1の開閉器および第2の開閉器に出力させ、前記第1の加算器が、前記音源に最も近いマイクエレメントからの音声信号と前記音源に2番目に近いマイクエレメントからの音声信号とを同相に加算するようにし、前記第2の加算器が、前記音源に最も近いマイクエレメントから前段までのマイクエレメントまでのマイクエレメントからの音声信号を同相に加算するようにし、前記増幅器は、前記第3の積分器からの制御信号に応じて前記最大値が一定となるように増幅率を変更するようにしたことを特徴とする音声信号処理装置。
  25. 各前記開閉器を閉にするための前記制御切替信号を前記制御回路に生成させるためのトリガを生成して前記制御回路に出力するための操作手段を備え、前記操作手段からの前記トリガと前記第2の検出手段からの制御切替信号とが制御回路に入力されたとき、前記第4の開閉器および前記第5の開閉器が閉じられ、さらに、前記第1の開閉器、前記第2の開閉器、および前記第3の開閉器の開閉器が閉じられるようにしたことを特徴とする請求項24に記載の音声信号処理装置。
  26. 最終段の前記遅延制御部の積分手段からの出力信号に応じた表示を行う表示手段を備えたことを特徴とする請求項25に記載の音声信号処理装置。
  27. 前記第3の積分器の出力に応じて前記雑音フィルタのフィルタ係数を算出するフィルタ係数算出手段を備え、前記雑音フィルタは、フィルタ係数算出手段によって算出された前記フィルタ係数に応じたフィルタ特性で前記増幅器の出力信号中の雑音を除去するようにしたことを特徴とする請求項26に記載の音声信号処理装置。
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