JP2004128830A - プレゼンテーション用撮影装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】通常撮影と赤外光等の特定波長光撮影の切り換えを短時間かつ円滑に行うことができるとともに、構成の簡素化が図られるプレゼンテーション用撮影装置を提供する。
【解決手段】被写体からの撮像光路をビームスプリッタ63によって通常撮影用と赤外光撮影用とに分割し、通常撮影用の撮像光路に通常撮影用撮像素子61Aを、また、赤外光撮影用の撮像光路に赤外光撮影用撮像素子61Bを配備する。赤外光撮影用撮像素子61Bとビームスプリッタとの間に赤外光のみが透過する光学フィルタ64を固定して、赤外光撮影用の撮像光路を形成する。通常撮影時には通常撮影用撮像素子61Aによる撮影画像を用い、ポインティング等には赤外光撮影用撮像素子61Bによる撮影画像データを用いる。
【選択図】 図3
【解決手段】被写体からの撮像光路をビームスプリッタ63によって通常撮影用と赤外光撮影用とに分割し、通常撮影用の撮像光路に通常撮影用撮像素子61Aを、また、赤外光撮影用の撮像光路に赤外光撮影用撮像素子61Bを配備する。赤外光撮影用撮像素子61Bとビームスプリッタとの間に赤外光のみが透過する光学フィルタ64を固定して、赤外光撮影用の撮像光路を形成する。通常撮影時には通常撮影用撮像素子61Aによる撮影画像を用い、ポインティング等には赤外光撮影用撮像素子61Bによる撮影画像データを用いる。
【選択図】 図3
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、プレゼンテーション用として好適な撮影装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
スクリーン等に原稿や図面等の資料を映し、その資料画像を参照しながら聴衆に対して資料の内容をプレゼンターが説明するプレゼンテーションを行う場合、資料画像を表示する装置としてはOHPが一般的であったが、近年では、資料提示装置が普及してきている。資料提示装置は資料を被写体とする動画用のカメラを有し、カメラで撮影した資料の画像を、例えば液晶プロジェクタによってスクリーンに投影するようにして用いられるものである。
【0003】
ところでプレゼンテーションにあっては、プレゼンターが資料画像の特定箇所にポインティングを行って説明を行う場合が多い。ポインティング用のツールとしてはレーザポインタが一般的であったが、レーザ光が聴衆の目に入射する危険性が問題視されたため、レーザポインタに代わる安全なポインティング方式が種々提案されている。本出願人は、特願2002−216470で、プレゼンターの近傍に生成した仮想スクリーンに対してプレゼンターが指示マークによってポインティングの操作を行い、その指示マークをカメラで撮影して仮想スクリーン上での指示マークの座標を算出し、その座標にポイント画像を生成してスクリーンに映る資料画像にポイント画像を合成する方式を提案した。これによると、プレゼンターが仮想スクリーンに対して指示マークで擬似的にポインティングし、その動きをカメラで撮影させることにより、あたかもスクリーン上でポインティングしている如くスクリーン上にポイント画像が生成するのである。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
上記仮想スクリーンは、指示マークを仮想スクリーンの対角2点である2つの基準点に順次位置させてこれをカメラで撮影し、これら基準点に基づき仮想スクリーンの座標を生成している。この時に、指示マークを明確に撮影することができるように、指示マークを特定波長光(具体的には赤外光)を含む発光体とし、一方、この指示マークを撮影可能とする赤外光透過用の光学フィルタをカメラの撮像光路中に挿脱自在に設け、仮想スクリーン生成時にはこの光学フィルタを撮像光路中に挿入している。また、指示マークによるポインティング操作時にも、指示マークが明確に撮影され、しかも背景が映らないようにするために光学フィルタをカメラの撮像光路中に挿入している。
【0005】
上記光学フィルタは、資料の撮影時やプレゼンター撮影時等の通常撮影時にはカメラの撮像光路中から外れており、仮想スクリーンの生成時やポインティング時、すなわち指示マークの撮影時(赤外光撮影時)にはカメラの撮像光路中に挿入されていなければならず、したがって撮影対象に応じて光学フィルタの挿脱操作が必要になってくる。この挿脱操作は手動であれば面倒であり、また、駆動機構を設けたり、さらには電気的に遠隔操作できるようにすれば、構成の複雑化を招く。また、いずれの場合も挿脱に時間を要し、使い勝手の点で不満が生じるものであった。
【0006】
よって本発明は、通常撮影と赤外光等の特定波長光撮影の切り換えを短時間かつ円滑に行うことができるとともに、構成の簡素化が図られるプレゼンテーション用撮影装置を提供することを目的としている。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明は、被写体から撮像手段に至る撮像光路が通常撮影用と特定波長光撮影用とに分割され、これら通常撮影用の撮像光路および特定波長光撮影用の撮像光路にそれぞれ撮像手段が配備されていることを特徴としている。
【0008】
本発明では、通常撮影用の撮像光路に配備された撮像手段によって撮影された画像を用いるか、特定波長光のみを撮影する特定波長光撮影用の撮像光路に配備された撮像手段によって撮影された画像を用いるかを切り換えることにより、通常撮影と特定波長光撮影を瞬時に切り換えることができる。このため、従来のように光学フィルタを挿脱することにより通常撮影と特定波長光撮影を切り換える手間が省かれる。また、光学フィルタの挿脱のための機構を必要としないので、構成の簡素化が図られる。
【0009】
本発明の特定波長光撮影用の撮像光路を形成する手法としては、同光路中に特定波長光のみを透過させる光学フィルタを設ける形態が挙げられる。この他には、光分割特性を特定波長光成分とそれ以外の成分とに分割するミラーやプリズム等のビームスプリッタによって、撮像光路を特定波長光用と通常撮影用とに分割する形態が挙げられる。このようなビームスプリッタを用いると光学フィルタが不要となり、構成の簡素化が一層図られる。また、光を無駄なく利用できるといった利点もある。なお、本発明の特定波長光としては赤外光が挙げられる。
【0010】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して本発明の一実施形態を説明する。
図1は、一実施形態に係る撮影装置を具備する資料提示装置を用いたプレゼンテーションシステムの全体を概略的に示している。図1中の符号Pはプレゼンター、10はスクリーン、20はスクリーン10に画像を投影するプロジェクタ、30は制御部、40はパソコンである。パソコン40では画像のデータが生成され、その画像データが、パソコン40から制御部30に入力される。そして、制御部30で処理された画像データがプロジェクタ20に入力され、その画像データに基づく画像がプロジェクタ20からスクリーン10に投影される。
【0011】
図1で符号50は資料提示装置である。この資料提示装置50は、図2に示すように、資料載置台51と、この資料載置台51にアーム52を介して支持された撮影装置としてのカメラ部60とから構成されている。上記制御部30は資料載置台51の内部に収容されている。
【0012】
アーム52は、上下方向に延びる鉛直部52aの上端に前方(資料載置台51の中央方向)に向かって延びる水平部52bが取り付けられた逆L字状のもので、鉛直部52aは伸縮自在に構成され、水平部52bは鉛直部52aに対して水平回転自在に取り付けられている。鉛直部52aの伸縮および水平部52bの水平回転は手動で行うようになっており、任意の位置で固定できる。水平部52bに関しては、通常は資料載置台51に置いた原稿等の資料を被写体として撮影可能とするため、前方に延びた状態で固定される。
【0013】
カメラ部60は、アーム52の水平部52bの先端に、雲台等を介して撮影方向が下向きから前方に水平を越える範囲で首振り可能に取り付けられており、資料載置台51に置かれる資料を撮影する下向き位置と、前方に向いた略水平位置の2位置のいずれかの位置に手動または自動で切り換えられる。
【0014】
図3は、カメラ部60の詳細を示している。このカメラ部60は、同一構成の2つの撮像素子61A,61B、ズームレンズ62、ビームスプリッタ63および光学フィルタ64を備えており、これら構成要素がカメラヘッド65内に収納され、オートフォーカス機能を備えている。撮像素子61A,61BはCCD等からなるもので、図3はカメラ部60が下向き位置にある状態を示しており、この状態では、ズームレンズ62の光軸は資料載置台51に直交し、ズームレンズ62の上方にビームスプリッタ63が配置されている。
【0015】
2つの撮像素子61A,61Bは、通常撮影用カメラと赤外光撮影用カメラである。通常撮影用撮像素子61Aはビームスプリッタ63の上方に配置されており、撮像光路が下向きで、ズームレンズ62によって資料載置台51上の被写体像が結像される位置に配置されている。通常撮影用撮像素子61Aと赤外光撮影用撮像素子61Bの撮像光路に関して換言するならば、被写体から見た場合の撮像光路がズームレンズ62を通過した後にビームスプリッタ63によって通常撮影用と赤外光撮影用とに分割されている。そして、通常撮影用の撮像光路に通常撮影用撮像素子61Aが配備され、赤外光撮影用の撮像光路に赤外光撮影用撮像素子61Bが配備されている。赤外光撮影用撮像素子61Bとビームスプリッタ63との間には、赤外光撮影用撮像素子61Bの撮像光路中に挿入された状態で、赤外光のみを撮影可能とする光学フィルタ64が固定されている。
【0016】
ビームスプリッタ63はハーフミラーやハーフプリズム等で構成されるものであり、通常撮影用撮像素子61Aおよび赤外光撮影用撮像素子61Bのいずれの光軸に対しても45゜の角度で交わる状態に傾斜している。このビームスプリッタ63の通常撮影用撮像素子61A側の光路は透過光路であり、ビームスプリッタ63を透過する。一方、赤外光撮影用撮像素子61B側の光路は反射光路であって、ズームレンズ62を通過するとビームスプリッタ63に反射して光軸が90゜屈曲し、屈曲した後は赤外光撮影用撮像素子61Bに至る。
【0017】
上述したように、ビームスプリッタ63から各撮像素子61A,61Bまでの各距離L1,L2がほぼ等しいことにより、各撮像素子61A,61Bの画角は互いにほぼ一致する。図3の線66は、ズームレンズ62を通して各撮像素子61A,61Bに結像する画角を表している。
【0018】
制御部30には、撮像素子61A,61B両方の撮影画像が入力される。制御部30では、撮像素子61Bで撮影された赤外光撮影画像データをポイント画像の合成位置や仮想スクリーンの基準点等を抽出するのに用いる。
【0019】
図1および図2でプレゼンターPが手に持っているのは、通信ボックス70である。図4に示すように、通信ボックス70の先端部には、LED等からなる赤外光を含む光を発する発光部71が設けられている。この発光部71が、図1および図2に示す仮想スクリーン11の基準点A,Bを設定したりポインティング操作を行ったりする際の指示手段である。仮想スクリーン11は、基準点A,Bを結ぶ対角線に基づき、プレゼンターPによって例えば自身の右側に設定される。仮想スクリーン11は、図5に示すように、プレゼンターPが通信ボックス70の発光部71によって擬似的にポインティング操作するための矩形状のX軸(水平軸)およびY軸(鉛直軸)を備えた二次元的空間であって、基本的にはプレゼンターPの右腕の動きでカバーされる範囲とされる。
【0020】
通信ボックス70には、発光部71を発光させて基準点A,Bを設定するための基準点設定用スイッチ72と、ポインティングを行うためのポインタスイッチ73とが設けられている。基準点設定用スイッチ72をONすると基準点設定用の赤外光が発光部71から発光し、ポインタスイッチ73をONするとポインティング用の赤外光が発光部71から発光する。
【0021】
図2に示すように、資料載置台51の前面には、赤外光を受光する受光部54と、この受光部54が基準点設定用の赤外光を認識し、撮像素子61Bで撮影された赤外光撮影画像から発光点の位置を認識したことを点滅によって知らせる認識表示部55が設けられている。受光部54はフォトダイオード等で構成され、認識表示部55はLED等で構成される。カメラ部60による撮影画像は、制御部30に入力される。また、カメラ部60のズームレンズ62の倍率調整およびオートフォーカス機能は、発光部71によってはじめに設定される基準点Aを自動的に探索して画角内の所定位置に配置すべく、制御部30によって制御されるようになっている。
【0022】
また、通信ボックス70には、画像切換スイッチ74が設けられている。画像切換スイッチ74は、プロジェクタ20からスクリーン10に投影される画像を、パソコン40の画像(パソコン画像)か、あるいはカメラ部60の通常撮影用撮像素子61Aによる撮影画像(カメラ画像)かのいずれかに選択するためのスイッチである。画像切換スイッチ74を作動させると画像切換用の赤外光が発光部71から発光し、その光は資料載置台51の受光部54で受光され、さらに受光信号が制御部30に入力する。制御部30は受光信号が入力するとパソコン画像からカメラ画像、あるいはその逆に画像を切り換えて画像信号をプロジェクタ20に出力する。
【0023】
上記基準点設定用スイッチ72、ポインタスイッチ73および画像切換スイッチ74をONすることにより発光部71から発光する赤外光は、変調周波数または変調パターンの違いによって識別される。なお、波長が異なる3種の赤外光を発光させて識別可能としてもよい。
【0024】
制御部30は、一般的な画像解析の手法により、カメラ部60の赤外光撮影用撮像素子61Bで撮影された基準点A,Bに基づき、仮想スクリーン11のXY座標を生成する。そして、仮想スクリーン11上で移動する通信ボックス70の発光部71の位置が常に赤外光撮影用撮像素子61Bで撮影されるとともに制御部30に入力され、制御部30は仮想スクリーン11の座標上での発光部71の座標を逐一算出する。そして、プロジェクタ20に出力される画像データと発光部71の座標データを処理し、出力画像における算出した発光部71の座標にポイント画像を合成する。
【0025】
次に、上記システムの利用方法の一例を、「資料提示装置から離れた位置でのポインティング」と「資料提示装置に置いた資料へのポインティング」に分けて説明する。
【0026】
(1)資料提示装置から離れた位置でのポインティング
図6を参照して、仮想スクリーン11を用いたポインティングの動作を説明する。
【0027】
A.仮想スクリーン11の設定
まず、プレゼンターPは通信ボックス70の画像切換スイッチ74により、プロジェクタ20からスクリーン10に投影される画像をパソコン画像に設定する。また、カメラ部60を略水平位置とし、必要に応じてアーム52の鉛直部52aを伸縮させるとともに水平部52bを水平回転させ、カメラ部60の撮影方向をプレゼンターPに向ける。
【0028】
ズームレンズ62の倍率を小さくしてカメラ部60を広角撮影とし、プレゼンターPの方向を撮影している状態から、プレゼンターPは右手に持った通信ボックス70を右側の空間の左下に停止させ、基準点設定用のスイッチ72をONして発光部71の位置である基準点Aをマークする(ステップS101)。次いで、カメラ部60が必要に応じてパンおよびチルトのアングル変換をしつつ、発光部71を自動的に探索する(ステップS102)。赤外光撮影用撮像素子61Bが基準点Aである発光部71を撮影すると(ステップS103)、認識表示部55が点滅する(ステップS104)。基準点Aの位置は、制御部30に入力される。
【0029】
次に、一旦基準点設定用スイッチ72をOFFにしてから、プレゼンターPは右腕を伸ばして通信ボックス70の発光部71を右側の空間の右上に停止させ、基準点設定用スイッチ72をONして基準点Aに対する対角隅点となる基準点Bをマークする(ステップS105)。赤外光撮影用撮像素子61Bが基準点Bである発光部71を撮影すると(ステップS106)、認識表示部55が点滅する(ステップS107)。基準点Bの位置は、制御部30に入力される。
【0030】
続いて、カメラ部60のズームレンズ62の倍率を上げてズームアップし、必要に応じてパン、チルトとをそれぞれ自動的に行い、基準点A,Bを結ぶ対角線に基づき設定される仮想スクリーン11を、カメラ部60の画角内に大きく写し込む(ステップS108)。図5は、この状態のカメラ部60の撮影範囲Vを示している。次に、制御部30は、カメラ部60で撮影されている固定的な基準点A,Bを結ぶ対角線に基づき、図5に示す矩形状の仮想スクリーン11のXY座標を生成する(ステップS109)。以上により固定的な仮想スクリーン11がプレゼンターPの右側に設定され、その仮想スクリーン11を、赤外光撮影用撮像素子61Bで撮影するための、パン・チルト・撮影倍率がプリセット値として記憶される。
【0031】
B.プレゼンターによるポインティング
引き続きプレゼンターPは通信ボックス70のポインタスイッチ73をONにして、赤外光撮影状態を前記プリセット値に基づいて設定させた状態で、発光部71を仮想スクリーン11上で移動させるポインティングを行う(ステップS110)。発光部71の位置は常に赤外光撮影用撮像素子61Bにより撮影されて制御部30に入力され、制御部30は、仮想スクリーン11の座標上での発光部71の座標を算出する(ステップS111)。さらに制御部30は、発光部71の座標をスクリーン10上の座標に変換し、ポイント画像の座標を生成する(ステップS112)。
【0032】
一方、パソコン40は画像データを制御部30に出力する。この画像データは、スクリーン10に投影されるポイント画像を含まない画像データである。そして、制御部30は、そのパソコン画像における上記ポイント画像の座標の位置に所定のポイント画像を合成する(ステップS113)。こうして、画像データが生成される。この画像データはプロジェクタ20に出力され、プロジェクタ20から、パソコン画像にポイント画像が合成された画像がスクリーン10に投影される(ステップS114)。これにより、仮想スクリーン11上の発光部71の位置に対応するスクリーン10上の点にポイント画像が投影される。プレゼンターPはスクリーン10に投影されるポイント画像を見ながら、通信ボックス70の発光部71を適宜に移動させてポインティングを行う。
【0033】
(2)資料提示装置に置いた資料へのポインティング
次に、資料提示装置50の資料載置台51に置いた原稿等の資料をスクリーン10に投影し、その資料に対して直接ポインティングを行う動作を、図7を参照して説明する。この動作は、例えば上記プレゼンテーション中においてパソコン40に格納されていない手書き原稿等をスクリーン10に投影する場合などに行われる。
【0034】
まず、カメラ部60を下向きとし、かつ、アーム52を適宜操作してカメラ部60が資料載置台51に置かれた資料を撮影できる状態とする。そして、上記と同様にして資料載置台51上におけるカメラ部60の撮影範囲内に仮想スクリーン11を設定する(ステップS201)。この場合の仮想スクリーン11の設定は、カメラ部60による撮影範囲が資料載置台51上に限られ固定的であることから、予め行っておいてもよい。次に、通信ボックス70の画像切換スイッチ74により、プロジェクタ20からスクリーン10に投影される画像をカメラ画像に切り換える(ステップS202)。これによって、資料載置台51に置かれた資料は通常撮影用撮像素子61Aで撮影され、その撮影画像(資料画像)がプロジェクタ20からスクリーン10に投影される。
【0035】
次に、通常撮影用撮像素子61Aで撮影した資料画像を制御部30が静止画像として処理し、その静止画像をプロジェクタ20に出力してスクリーンに投影させる(ステップS203)。この状態で通信ボックス70の発光部71またはペンライトを資料上で適宜に移動させてポインティングを行う(ステップS204)。これにより、スクリーン10に投影される資料の静止画像に対し、赤外光撮影用撮像素子61Bで撮影された発光部71の位置に対応したポイント画像が合成される。このように、通常撮影用撮像素子61Aによって取り込んだ資料画像を静止画像として処理し、赤外光撮影用撮像素子61Bで発光部71を撮影して静止画像にポイント画像を合成させれば、通信ボックス70やプレゼンターPの手がスクリーンに映って資料が見えにくくなることなく、資料画像にポインティングを行うことができる。また、仮想スクリーン11を資料などの被写体に一致させると、資料上で直接指示することが可能である。
【0036】
上記動作は発光部71によるポインティングであるが、発光部71またはペンライトを発光させながら資料上で連続して動かすことにより、文字等を描くことができる。その場合、制御部30は発光部71を画像データとして取り込み、資料上の仮想スクリーン11の座標上での発光部71の座標を算出してポイント画像を生成し、移動する発光部71の直前のポイント画像と上記ポイント画像を合成する。これを繰り返すことにより、資料上で移動する発光部71に対応するスクリーン10上の点にポイント画像が連続して投影され、その画像は発光部71を発光させながら動かした軌跡となる。これによって文字等を描くことができる。なお、このような動作は、上記「資料提示装置から離れた位置でのポインティング」の場合にも実行することができる。
【0037】
以上の実施形態によれば、資料提示装置50の資料載置台51に置いた資料をスクリーン10に投影することができることは勿論のこと、カメラ部60の赤外光撮影用撮像素子61Bによって発光部71を撮影することにより、プレゼンテーション用のポイント画像をスクリーン10に投影することができる。このシステムでは、レーザポインタのようにレーザ光をスクリーンに投射するものではないので、レーザ光による危険性が根本的に解消され、安全性が確立される。
【0038】
本実施形態では、通常撮影は通常撮影用撮像素子61Aで撮影し、通信ボックス70の発光部71を撮影する場合、すなわち仮想スクリーン11を生成したりポインティングを行ったりする赤外光撮影は赤外光撮影用撮像素子61Bで撮影するのであり、それら両方の画像が制御部30に入っているのでカメラを切り換えることなく使用できる。したがって、従来のように1つのカメラの撮像光路中に光学フィルタを挿脱するといった手間が省かれ、また、光学フィルタの挿脱のための機構を必要としないので、構成の簡素化が図られる。
【0039】
上記の説明では通常撮影は資料を撮影する場合を例に挙げているが、通常撮影としてはこの他に、プレゼンターや聴衆、あるいは会場全体を被写体とする場合もある。その場合にはカメラ部60を略水平位置とし、アーム52の水平部52bを適宜に回転させる。このような被写体をスクリーン10に投影すれば、プレゼンテーションをより一層充実させることができる。なお、アーム52の操作(鉛直部52aの伸縮および水平部52bの回転)やカメラ部60の首振り操作を通信ボックス70で遠隔操作できるようにすれば、このような通常撮影をスムーズに行うことができる。
【0040】
また、赤外光撮影用撮像素子61Bが撮影する仮想スクリーン11および発光部71の座標は、画像処理技術によって求められ、したがって、画像処理技術のプロセスで、発光部71の手振れを補正したり、ポイント画像を円や線は勿論のこと矢印や手の形等の任意の形状に生成したりすることができる。よって、安定したポイント画像をスクリーン10に投影することができるとともに、そのポイント画像を複雑多様な形状に変換することができる。
【0041】
なお、上記赤外光撮影用撮像素子61Bは発光部71を撮影できればよいことから、モノクロ撮像素子であってかまわない。また、赤外光撮影用の撮像光路は光学フィルタ64を配置することにより形成しているが、ビームスプリッタ63として、光分割特性を赤外光成分とそれ以外の成分とに分割するタイプを用いれば、光学フィルタ64を用いることなく赤外光撮影用の撮像光路を形成することができる。これによると、構成の簡素化が一層図られるとともに、光を無駄なく利用できるといった利点がある。
【0042】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、撮像光路を通常撮影用と特定波長光撮影用とに分割し、これら撮像光路に撮像手段をそれぞれ配備したことを特徴とするから、通常撮影と特定波長光撮影の切り換えを行う必要がなく、従来の方法のように光学フィルタの挿脱時間や操作による円滑なプレゼンテーションを阻害する要因を排除でき、しかもこの作用を簡素な構成で実現することができるといった効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態の撮影装置を具備する資料提示装置を用いたプレゼンテーションシステムの概略図ある。
【図2】プレゼンテーションシステムの概略を示す斜視図である。
【図3】カメラ部の構成を示す側面図である。
【図4】通信ボックスの平面図である。
【図5】カメラ部の撮影範囲に生成した仮想スクリーンを示す図である。
【図6】プレゼンテーションの動作例を示すフローチャートである。
【図7】プレゼンテーションの他の動作例を示すフローチャートである。
【符号の説明】
60…カメラ部(撮影装置)
61A…通常撮影用撮像素子(撮像手段)
61B…赤外光撮影用撮像素子(撮像手段)
63…ビームスプリッタ
64…光学フィルタ
【発明の属する技術分野】
本発明は、プレゼンテーション用として好適な撮影装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
スクリーン等に原稿や図面等の資料を映し、その資料画像を参照しながら聴衆に対して資料の内容をプレゼンターが説明するプレゼンテーションを行う場合、資料画像を表示する装置としてはOHPが一般的であったが、近年では、資料提示装置が普及してきている。資料提示装置は資料を被写体とする動画用のカメラを有し、カメラで撮影した資料の画像を、例えば液晶プロジェクタによってスクリーンに投影するようにして用いられるものである。
【0003】
ところでプレゼンテーションにあっては、プレゼンターが資料画像の特定箇所にポインティングを行って説明を行う場合が多い。ポインティング用のツールとしてはレーザポインタが一般的であったが、レーザ光が聴衆の目に入射する危険性が問題視されたため、レーザポインタに代わる安全なポインティング方式が種々提案されている。本出願人は、特願2002−216470で、プレゼンターの近傍に生成した仮想スクリーンに対してプレゼンターが指示マークによってポインティングの操作を行い、その指示マークをカメラで撮影して仮想スクリーン上での指示マークの座標を算出し、その座標にポイント画像を生成してスクリーンに映る資料画像にポイント画像を合成する方式を提案した。これによると、プレゼンターが仮想スクリーンに対して指示マークで擬似的にポインティングし、その動きをカメラで撮影させることにより、あたかもスクリーン上でポインティングしている如くスクリーン上にポイント画像が生成するのである。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
上記仮想スクリーンは、指示マークを仮想スクリーンの対角2点である2つの基準点に順次位置させてこれをカメラで撮影し、これら基準点に基づき仮想スクリーンの座標を生成している。この時に、指示マークを明確に撮影することができるように、指示マークを特定波長光(具体的には赤外光)を含む発光体とし、一方、この指示マークを撮影可能とする赤外光透過用の光学フィルタをカメラの撮像光路中に挿脱自在に設け、仮想スクリーン生成時にはこの光学フィルタを撮像光路中に挿入している。また、指示マークによるポインティング操作時にも、指示マークが明確に撮影され、しかも背景が映らないようにするために光学フィルタをカメラの撮像光路中に挿入している。
【0005】
上記光学フィルタは、資料の撮影時やプレゼンター撮影時等の通常撮影時にはカメラの撮像光路中から外れており、仮想スクリーンの生成時やポインティング時、すなわち指示マークの撮影時(赤外光撮影時)にはカメラの撮像光路中に挿入されていなければならず、したがって撮影対象に応じて光学フィルタの挿脱操作が必要になってくる。この挿脱操作は手動であれば面倒であり、また、駆動機構を設けたり、さらには電気的に遠隔操作できるようにすれば、構成の複雑化を招く。また、いずれの場合も挿脱に時間を要し、使い勝手の点で不満が生じるものであった。
【0006】
よって本発明は、通常撮影と赤外光等の特定波長光撮影の切り換えを短時間かつ円滑に行うことができるとともに、構成の簡素化が図られるプレゼンテーション用撮影装置を提供することを目的としている。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明は、被写体から撮像手段に至る撮像光路が通常撮影用と特定波長光撮影用とに分割され、これら通常撮影用の撮像光路および特定波長光撮影用の撮像光路にそれぞれ撮像手段が配備されていることを特徴としている。
【0008】
本発明では、通常撮影用の撮像光路に配備された撮像手段によって撮影された画像を用いるか、特定波長光のみを撮影する特定波長光撮影用の撮像光路に配備された撮像手段によって撮影された画像を用いるかを切り換えることにより、通常撮影と特定波長光撮影を瞬時に切り換えることができる。このため、従来のように光学フィルタを挿脱することにより通常撮影と特定波長光撮影を切り換える手間が省かれる。また、光学フィルタの挿脱のための機構を必要としないので、構成の簡素化が図られる。
【0009】
本発明の特定波長光撮影用の撮像光路を形成する手法としては、同光路中に特定波長光のみを透過させる光学フィルタを設ける形態が挙げられる。この他には、光分割特性を特定波長光成分とそれ以外の成分とに分割するミラーやプリズム等のビームスプリッタによって、撮像光路を特定波長光用と通常撮影用とに分割する形態が挙げられる。このようなビームスプリッタを用いると光学フィルタが不要となり、構成の簡素化が一層図られる。また、光を無駄なく利用できるといった利点もある。なお、本発明の特定波長光としては赤外光が挙げられる。
【0010】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して本発明の一実施形態を説明する。
図1は、一実施形態に係る撮影装置を具備する資料提示装置を用いたプレゼンテーションシステムの全体を概略的に示している。図1中の符号Pはプレゼンター、10はスクリーン、20はスクリーン10に画像を投影するプロジェクタ、30は制御部、40はパソコンである。パソコン40では画像のデータが生成され、その画像データが、パソコン40から制御部30に入力される。そして、制御部30で処理された画像データがプロジェクタ20に入力され、その画像データに基づく画像がプロジェクタ20からスクリーン10に投影される。
【0011】
図1で符号50は資料提示装置である。この資料提示装置50は、図2に示すように、資料載置台51と、この資料載置台51にアーム52を介して支持された撮影装置としてのカメラ部60とから構成されている。上記制御部30は資料載置台51の内部に収容されている。
【0012】
アーム52は、上下方向に延びる鉛直部52aの上端に前方(資料載置台51の中央方向)に向かって延びる水平部52bが取り付けられた逆L字状のもので、鉛直部52aは伸縮自在に構成され、水平部52bは鉛直部52aに対して水平回転自在に取り付けられている。鉛直部52aの伸縮および水平部52bの水平回転は手動で行うようになっており、任意の位置で固定できる。水平部52bに関しては、通常は資料載置台51に置いた原稿等の資料を被写体として撮影可能とするため、前方に延びた状態で固定される。
【0013】
カメラ部60は、アーム52の水平部52bの先端に、雲台等を介して撮影方向が下向きから前方に水平を越える範囲で首振り可能に取り付けられており、資料載置台51に置かれる資料を撮影する下向き位置と、前方に向いた略水平位置の2位置のいずれかの位置に手動または自動で切り換えられる。
【0014】
図3は、カメラ部60の詳細を示している。このカメラ部60は、同一構成の2つの撮像素子61A,61B、ズームレンズ62、ビームスプリッタ63および光学フィルタ64を備えており、これら構成要素がカメラヘッド65内に収納され、オートフォーカス機能を備えている。撮像素子61A,61BはCCD等からなるもので、図3はカメラ部60が下向き位置にある状態を示しており、この状態では、ズームレンズ62の光軸は資料載置台51に直交し、ズームレンズ62の上方にビームスプリッタ63が配置されている。
【0015】
2つの撮像素子61A,61Bは、通常撮影用カメラと赤外光撮影用カメラである。通常撮影用撮像素子61Aはビームスプリッタ63の上方に配置されており、撮像光路が下向きで、ズームレンズ62によって資料載置台51上の被写体像が結像される位置に配置されている。通常撮影用撮像素子61Aと赤外光撮影用撮像素子61Bの撮像光路に関して換言するならば、被写体から見た場合の撮像光路がズームレンズ62を通過した後にビームスプリッタ63によって通常撮影用と赤外光撮影用とに分割されている。そして、通常撮影用の撮像光路に通常撮影用撮像素子61Aが配備され、赤外光撮影用の撮像光路に赤外光撮影用撮像素子61Bが配備されている。赤外光撮影用撮像素子61Bとビームスプリッタ63との間には、赤外光撮影用撮像素子61Bの撮像光路中に挿入された状態で、赤外光のみを撮影可能とする光学フィルタ64が固定されている。
【0016】
ビームスプリッタ63はハーフミラーやハーフプリズム等で構成されるものであり、通常撮影用撮像素子61Aおよび赤外光撮影用撮像素子61Bのいずれの光軸に対しても45゜の角度で交わる状態に傾斜している。このビームスプリッタ63の通常撮影用撮像素子61A側の光路は透過光路であり、ビームスプリッタ63を透過する。一方、赤外光撮影用撮像素子61B側の光路は反射光路であって、ズームレンズ62を通過するとビームスプリッタ63に反射して光軸が90゜屈曲し、屈曲した後は赤外光撮影用撮像素子61Bに至る。
【0017】
上述したように、ビームスプリッタ63から各撮像素子61A,61Bまでの各距離L1,L2がほぼ等しいことにより、各撮像素子61A,61Bの画角は互いにほぼ一致する。図3の線66は、ズームレンズ62を通して各撮像素子61A,61Bに結像する画角を表している。
【0018】
制御部30には、撮像素子61A,61B両方の撮影画像が入力される。制御部30では、撮像素子61Bで撮影された赤外光撮影画像データをポイント画像の合成位置や仮想スクリーンの基準点等を抽出するのに用いる。
【0019】
図1および図2でプレゼンターPが手に持っているのは、通信ボックス70である。図4に示すように、通信ボックス70の先端部には、LED等からなる赤外光を含む光を発する発光部71が設けられている。この発光部71が、図1および図2に示す仮想スクリーン11の基準点A,Bを設定したりポインティング操作を行ったりする際の指示手段である。仮想スクリーン11は、基準点A,Bを結ぶ対角線に基づき、プレゼンターPによって例えば自身の右側に設定される。仮想スクリーン11は、図5に示すように、プレゼンターPが通信ボックス70の発光部71によって擬似的にポインティング操作するための矩形状のX軸(水平軸)およびY軸(鉛直軸)を備えた二次元的空間であって、基本的にはプレゼンターPの右腕の動きでカバーされる範囲とされる。
【0020】
通信ボックス70には、発光部71を発光させて基準点A,Bを設定するための基準点設定用スイッチ72と、ポインティングを行うためのポインタスイッチ73とが設けられている。基準点設定用スイッチ72をONすると基準点設定用の赤外光が発光部71から発光し、ポインタスイッチ73をONするとポインティング用の赤外光が発光部71から発光する。
【0021】
図2に示すように、資料載置台51の前面には、赤外光を受光する受光部54と、この受光部54が基準点設定用の赤外光を認識し、撮像素子61Bで撮影された赤外光撮影画像から発光点の位置を認識したことを点滅によって知らせる認識表示部55が設けられている。受光部54はフォトダイオード等で構成され、認識表示部55はLED等で構成される。カメラ部60による撮影画像は、制御部30に入力される。また、カメラ部60のズームレンズ62の倍率調整およびオートフォーカス機能は、発光部71によってはじめに設定される基準点Aを自動的に探索して画角内の所定位置に配置すべく、制御部30によって制御されるようになっている。
【0022】
また、通信ボックス70には、画像切換スイッチ74が設けられている。画像切換スイッチ74は、プロジェクタ20からスクリーン10に投影される画像を、パソコン40の画像(パソコン画像)か、あるいはカメラ部60の通常撮影用撮像素子61Aによる撮影画像(カメラ画像)かのいずれかに選択するためのスイッチである。画像切換スイッチ74を作動させると画像切換用の赤外光が発光部71から発光し、その光は資料載置台51の受光部54で受光され、さらに受光信号が制御部30に入力する。制御部30は受光信号が入力するとパソコン画像からカメラ画像、あるいはその逆に画像を切り換えて画像信号をプロジェクタ20に出力する。
【0023】
上記基準点設定用スイッチ72、ポインタスイッチ73および画像切換スイッチ74をONすることにより発光部71から発光する赤外光は、変調周波数または変調パターンの違いによって識別される。なお、波長が異なる3種の赤外光を発光させて識別可能としてもよい。
【0024】
制御部30は、一般的な画像解析の手法により、カメラ部60の赤外光撮影用撮像素子61Bで撮影された基準点A,Bに基づき、仮想スクリーン11のXY座標を生成する。そして、仮想スクリーン11上で移動する通信ボックス70の発光部71の位置が常に赤外光撮影用撮像素子61Bで撮影されるとともに制御部30に入力され、制御部30は仮想スクリーン11の座標上での発光部71の座標を逐一算出する。そして、プロジェクタ20に出力される画像データと発光部71の座標データを処理し、出力画像における算出した発光部71の座標にポイント画像を合成する。
【0025】
次に、上記システムの利用方法の一例を、「資料提示装置から離れた位置でのポインティング」と「資料提示装置に置いた資料へのポインティング」に分けて説明する。
【0026】
(1)資料提示装置から離れた位置でのポインティング
図6を参照して、仮想スクリーン11を用いたポインティングの動作を説明する。
【0027】
A.仮想スクリーン11の設定
まず、プレゼンターPは通信ボックス70の画像切換スイッチ74により、プロジェクタ20からスクリーン10に投影される画像をパソコン画像に設定する。また、カメラ部60を略水平位置とし、必要に応じてアーム52の鉛直部52aを伸縮させるとともに水平部52bを水平回転させ、カメラ部60の撮影方向をプレゼンターPに向ける。
【0028】
ズームレンズ62の倍率を小さくしてカメラ部60を広角撮影とし、プレゼンターPの方向を撮影している状態から、プレゼンターPは右手に持った通信ボックス70を右側の空間の左下に停止させ、基準点設定用のスイッチ72をONして発光部71の位置である基準点Aをマークする(ステップS101)。次いで、カメラ部60が必要に応じてパンおよびチルトのアングル変換をしつつ、発光部71を自動的に探索する(ステップS102)。赤外光撮影用撮像素子61Bが基準点Aである発光部71を撮影すると(ステップS103)、認識表示部55が点滅する(ステップS104)。基準点Aの位置は、制御部30に入力される。
【0029】
次に、一旦基準点設定用スイッチ72をOFFにしてから、プレゼンターPは右腕を伸ばして通信ボックス70の発光部71を右側の空間の右上に停止させ、基準点設定用スイッチ72をONして基準点Aに対する対角隅点となる基準点Bをマークする(ステップS105)。赤外光撮影用撮像素子61Bが基準点Bである発光部71を撮影すると(ステップS106)、認識表示部55が点滅する(ステップS107)。基準点Bの位置は、制御部30に入力される。
【0030】
続いて、カメラ部60のズームレンズ62の倍率を上げてズームアップし、必要に応じてパン、チルトとをそれぞれ自動的に行い、基準点A,Bを結ぶ対角線に基づき設定される仮想スクリーン11を、カメラ部60の画角内に大きく写し込む(ステップS108)。図5は、この状態のカメラ部60の撮影範囲Vを示している。次に、制御部30は、カメラ部60で撮影されている固定的な基準点A,Bを結ぶ対角線に基づき、図5に示す矩形状の仮想スクリーン11のXY座標を生成する(ステップS109)。以上により固定的な仮想スクリーン11がプレゼンターPの右側に設定され、その仮想スクリーン11を、赤外光撮影用撮像素子61Bで撮影するための、パン・チルト・撮影倍率がプリセット値として記憶される。
【0031】
B.プレゼンターによるポインティング
引き続きプレゼンターPは通信ボックス70のポインタスイッチ73をONにして、赤外光撮影状態を前記プリセット値に基づいて設定させた状態で、発光部71を仮想スクリーン11上で移動させるポインティングを行う(ステップS110)。発光部71の位置は常に赤外光撮影用撮像素子61Bにより撮影されて制御部30に入力され、制御部30は、仮想スクリーン11の座標上での発光部71の座標を算出する(ステップS111)。さらに制御部30は、発光部71の座標をスクリーン10上の座標に変換し、ポイント画像の座標を生成する(ステップS112)。
【0032】
一方、パソコン40は画像データを制御部30に出力する。この画像データは、スクリーン10に投影されるポイント画像を含まない画像データである。そして、制御部30は、そのパソコン画像における上記ポイント画像の座標の位置に所定のポイント画像を合成する(ステップS113)。こうして、画像データが生成される。この画像データはプロジェクタ20に出力され、プロジェクタ20から、パソコン画像にポイント画像が合成された画像がスクリーン10に投影される(ステップS114)。これにより、仮想スクリーン11上の発光部71の位置に対応するスクリーン10上の点にポイント画像が投影される。プレゼンターPはスクリーン10に投影されるポイント画像を見ながら、通信ボックス70の発光部71を適宜に移動させてポインティングを行う。
【0033】
(2)資料提示装置に置いた資料へのポインティング
次に、資料提示装置50の資料載置台51に置いた原稿等の資料をスクリーン10に投影し、その資料に対して直接ポインティングを行う動作を、図7を参照して説明する。この動作は、例えば上記プレゼンテーション中においてパソコン40に格納されていない手書き原稿等をスクリーン10に投影する場合などに行われる。
【0034】
まず、カメラ部60を下向きとし、かつ、アーム52を適宜操作してカメラ部60が資料載置台51に置かれた資料を撮影できる状態とする。そして、上記と同様にして資料載置台51上におけるカメラ部60の撮影範囲内に仮想スクリーン11を設定する(ステップS201)。この場合の仮想スクリーン11の設定は、カメラ部60による撮影範囲が資料載置台51上に限られ固定的であることから、予め行っておいてもよい。次に、通信ボックス70の画像切換スイッチ74により、プロジェクタ20からスクリーン10に投影される画像をカメラ画像に切り換える(ステップS202)。これによって、資料載置台51に置かれた資料は通常撮影用撮像素子61Aで撮影され、その撮影画像(資料画像)がプロジェクタ20からスクリーン10に投影される。
【0035】
次に、通常撮影用撮像素子61Aで撮影した資料画像を制御部30が静止画像として処理し、その静止画像をプロジェクタ20に出力してスクリーンに投影させる(ステップS203)。この状態で通信ボックス70の発光部71またはペンライトを資料上で適宜に移動させてポインティングを行う(ステップS204)。これにより、スクリーン10に投影される資料の静止画像に対し、赤外光撮影用撮像素子61Bで撮影された発光部71の位置に対応したポイント画像が合成される。このように、通常撮影用撮像素子61Aによって取り込んだ資料画像を静止画像として処理し、赤外光撮影用撮像素子61Bで発光部71を撮影して静止画像にポイント画像を合成させれば、通信ボックス70やプレゼンターPの手がスクリーンに映って資料が見えにくくなることなく、資料画像にポインティングを行うことができる。また、仮想スクリーン11を資料などの被写体に一致させると、資料上で直接指示することが可能である。
【0036】
上記動作は発光部71によるポインティングであるが、発光部71またはペンライトを発光させながら資料上で連続して動かすことにより、文字等を描くことができる。その場合、制御部30は発光部71を画像データとして取り込み、資料上の仮想スクリーン11の座標上での発光部71の座標を算出してポイント画像を生成し、移動する発光部71の直前のポイント画像と上記ポイント画像を合成する。これを繰り返すことにより、資料上で移動する発光部71に対応するスクリーン10上の点にポイント画像が連続して投影され、その画像は発光部71を発光させながら動かした軌跡となる。これによって文字等を描くことができる。なお、このような動作は、上記「資料提示装置から離れた位置でのポインティング」の場合にも実行することができる。
【0037】
以上の実施形態によれば、資料提示装置50の資料載置台51に置いた資料をスクリーン10に投影することができることは勿論のこと、カメラ部60の赤外光撮影用撮像素子61Bによって発光部71を撮影することにより、プレゼンテーション用のポイント画像をスクリーン10に投影することができる。このシステムでは、レーザポインタのようにレーザ光をスクリーンに投射するものではないので、レーザ光による危険性が根本的に解消され、安全性が確立される。
【0038】
本実施形態では、通常撮影は通常撮影用撮像素子61Aで撮影し、通信ボックス70の発光部71を撮影する場合、すなわち仮想スクリーン11を生成したりポインティングを行ったりする赤外光撮影は赤外光撮影用撮像素子61Bで撮影するのであり、それら両方の画像が制御部30に入っているのでカメラを切り換えることなく使用できる。したがって、従来のように1つのカメラの撮像光路中に光学フィルタを挿脱するといった手間が省かれ、また、光学フィルタの挿脱のための機構を必要としないので、構成の簡素化が図られる。
【0039】
上記の説明では通常撮影は資料を撮影する場合を例に挙げているが、通常撮影としてはこの他に、プレゼンターや聴衆、あるいは会場全体を被写体とする場合もある。その場合にはカメラ部60を略水平位置とし、アーム52の水平部52bを適宜に回転させる。このような被写体をスクリーン10に投影すれば、プレゼンテーションをより一層充実させることができる。なお、アーム52の操作(鉛直部52aの伸縮および水平部52bの回転)やカメラ部60の首振り操作を通信ボックス70で遠隔操作できるようにすれば、このような通常撮影をスムーズに行うことができる。
【0040】
また、赤外光撮影用撮像素子61Bが撮影する仮想スクリーン11および発光部71の座標は、画像処理技術によって求められ、したがって、画像処理技術のプロセスで、発光部71の手振れを補正したり、ポイント画像を円や線は勿論のこと矢印や手の形等の任意の形状に生成したりすることができる。よって、安定したポイント画像をスクリーン10に投影することができるとともに、そのポイント画像を複雑多様な形状に変換することができる。
【0041】
なお、上記赤外光撮影用撮像素子61Bは発光部71を撮影できればよいことから、モノクロ撮像素子であってかまわない。また、赤外光撮影用の撮像光路は光学フィルタ64を配置することにより形成しているが、ビームスプリッタ63として、光分割特性を赤外光成分とそれ以外の成分とに分割するタイプを用いれば、光学フィルタ64を用いることなく赤外光撮影用の撮像光路を形成することができる。これによると、構成の簡素化が一層図られるとともに、光を無駄なく利用できるといった利点がある。
【0042】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、撮像光路を通常撮影用と特定波長光撮影用とに分割し、これら撮像光路に撮像手段をそれぞれ配備したことを特徴とするから、通常撮影と特定波長光撮影の切り換えを行う必要がなく、従来の方法のように光学フィルタの挿脱時間や操作による円滑なプレゼンテーションを阻害する要因を排除でき、しかもこの作用を簡素な構成で実現することができるといった効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態の撮影装置を具備する資料提示装置を用いたプレゼンテーションシステムの概略図ある。
【図2】プレゼンテーションシステムの概略を示す斜視図である。
【図3】カメラ部の構成を示す側面図である。
【図4】通信ボックスの平面図である。
【図5】カメラ部の撮影範囲に生成した仮想スクリーンを示す図である。
【図6】プレゼンテーションの動作例を示すフローチャートである。
【図7】プレゼンテーションの他の動作例を示すフローチャートである。
【符号の説明】
60…カメラ部(撮影装置)
61A…通常撮影用撮像素子(撮像手段)
61B…赤外光撮影用撮像素子(撮像手段)
63…ビームスプリッタ
64…光学フィルタ
Claims (4)
- 被写体から撮像手段に至る撮像光路が通常撮影用と特定波長光撮影用とに分割され、これら通常撮影用の撮像光路および特定波長光撮影用の撮像光路にそれぞれ撮像手段が配備されていることを特徴とするプレゼンテーション用撮影装置。
- 前記特定波長光撮影用の撮像光路中に、特定波長光のみを透過させる光学フィルタが設けられていることを特徴とする請求項1に記載のプレゼンテーション用撮影装置。
- 光分割特性を特定波長光成分とそれ以外の成分とに分割するビームスプリッタによって、前記撮像光路が前記特定波長光用と前記通常撮影用とに分割されていることを特徴とする請求項1に記載のプレゼンテーション用撮影装置。
- 前記特定波長光が赤外光であることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のプレゼンテーション用撮影装置。
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-
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