JP2004128569A - リモコンシステム - Google Patents
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Abstract
【課題】トイレブースのリモコンでは、複数の光軸を持つ発光素子を同時に発光させており消費電流が多い。このため電池寿命が長く形状の大きな電池を選定せざるを得ず、リモコンが大型になりデザイン性が損なわれていた。複数の発光素子を使用していても消費電流を増やさず、リモコンの電池寿命を延ばし、電池の小型化ができる行うことを本発明の目的とする。
【解決手段】光軸が異なる複数の発光素子を有したリモコンで、発光素子の組み合わせをさまざまな発光パターンで試す。リモコンが送出する通信コードには発光素子を識別するコードを乗せて発光する。トイレ装置は、受信した発光パターンの中から、最小の消費電流で駆動できる発光パターンを抽出する。リモコンに得られた最小発光パターンを登録することで、以降、リモコンは最小の消費電流で発光することができる。
【選択図】 図1
【解決手段】光軸が異なる複数の発光素子を有したリモコンで、発光素子の組み合わせをさまざまな発光パターンで試す。リモコンが送出する通信コードには発光素子を識別するコードを乗せて発光する。トイレ装置は、受信した発光パターンの中から、最小の消費電流で駆動できる発光パターンを抽出する。リモコンに得られた最小発光パターンを登録することで、以降、リモコンは最小の消費電流で発光することができる。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、複数の光軸をもつ発光装置の発光方法に係り、特にトイレブースの温水洗浄便座に好適なリモコン装置及びリモコンシステムに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来のトイレブースの温水洗浄便座の操作のためのリモコンは、壁に設置されることが多い。温水洗浄便座に座った使用者から見て右の壁、もしくは左の壁に設置される。使用者は、温水便座に座って便座を操作したいときに、右手もしくは左手で壁に設置されたリモコンを操作する。
【0003】
リモコンを操作すると、赤外発光LEDなどを使用した発光素子から、温水洗浄便座内にある受光素子へ、操作キーもしくは機能モードに対応した通信コードが送られる。トイレブース内の温水洗浄便座では、リモコンから温水洗浄便座へ送出される通信コードの直接光が、使用者の体、もしくは衣服によって遮られることが多い。このため、光軸の異なる複数の発光素子をリモコンへ設け、それぞれの光軸を、壁、床、もしくは天井などへ向けて通信コードを発光し、その反射光を温水洗浄便座へ向けることで通信品質を確保している。
【0004】
また、温水洗浄便座のリモコンでは、壁の反射を積極的に利用することを前提にしているので、壁の状態、つまり色調や表面の乱反射状態によって、受光部へ届く光量が大きく左右される。どのようなトイレブースの壁、床の状態でも確実に受光部分へ光が届くよう、全部の発光素子を同時に発光すると同時に、それぞれの発光素子への電流をも増やして、受光素子へ届く光量を確保しているのである。
【0005】
光軸を複数個用いるリモコンでは、前述のように壁や床などの反射を利用しているので、光軸が受光部とは別の方向に向いている発光素子の光は受光部へ届いていない場合が多い。つまり、実際には光軸が一致する発光素子しか、受光部へ送る通信コードの光量に寄与していないのである。
【0006】
また、リモコンの電源には電池が使われる。電池は、流す電流、経過する時間によって電圧降下の大きさがわかっている。様々な電池のうち、同じ電流、同じ経過時間であっても、電圧降下が少ない電池ほど、電池寿命が長いとされ、一般には外形形状が大きくなる傾向がある。電池を使用するセットの電流量と希望する電池寿命、セット側の形状制約からくる電池の設置スペース、などの条件によって、使用する電池を選定する。
【0007】
リモコンにおいて、発光時の電流量の占める割合は、全消費電流量での20%〜60%になる。近年、リモコンは設置場所や意匠性向上のために小型化が求められており、電池に割り当てられた設置スペースがますます縮小化し、よりサイズの小さな電池、より寿命の短い電池を選定せざるを得ない状況にある。そのためにはリモコンの消費電流の低減が必要である。
【0008】
また、複数の光軸を持つ発光素子の受光量を読みとる従来技術には、リモコンではなく光電センサーにおいて、複数の発光素子に1対1に対向する複数の受光素子を設置し、発光素子を順次発光させ、発光に同期して対向する受光素子から受光量を読みとり、各受光量のうちの最小受光量を表示する方法(例えば、特許文献1参照)などが提案されている。
【0009】
さらに、リモコンを有するトイレブースの温水洗浄便座では、操作部がリモコン側へ集約されており、使用者が便座に腰掛けた際に、便座の操作部や表示部は使用者の見える範囲にはない。よって、温水洗浄便座は発音体(例えばスピーカやブザー)を有しており、使用者がリモコンのスイッチを押し、便座本体がリモコンの通信コードを受信すると、発音体を鳴動させて、便座の動作状態を報知する。
【特許文献1】
特開2002−124168号公報(第2図)
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
前述のように、トイレブースのリモコンでは、複数の光軸を持つ発光素子を同時に発光させており、消費電流が多く電池寿命が短くなるので、さらに大きな電池を選定さざるを得ず、リモコンが大型化してしまい、設置場所が無くなり、意匠性も損なわれる。
【0011】
また、光軸がずれ、受光本体に光が届いていないリモコンの発光素子は、受光光量にはほとんど寄与せず、その発光素子に流れる電流は無駄に消費している。特許文献1にあるような方法では、全てのトイレブースに対応するように、複数の発光素子の光軸に一対一に一致する光軸を設けることは不可能である。施行現場によって壁などの状況が大きく異なっているためである。また、必要がない発光素子を不点灯にしようとしても、どの発光素子が必要のない発光素子であるのかわからない。
【0012】
さらに、リモコンを有する温水洗浄便座で、受光本体の受光光量が適切であるかどうかを使用者へ通知する際には、操作部などの表示できる場所がなく、使用者へ表示器での受光光量の通知が出来ない。
【0013】
さらに、前記特許文献1では少なくとも2つ以上の発光素子から同時に発光した光を、1つの受光素子で受光して受光量を検知する方法は述べられていない。複数の発光素子と一つの受光素子で受光する温水洗浄便座などのリモコンでは、同時に2つ以上発光させて光量を増加する手法は必須である。
【0014】
本発明は、上記問題を解決するためになされたもので、本発明の目的は、複数の発光素子を使用していても消費電流を増やさず、リモコンの電池寿命を延ばし、電池の小型化に有益なリモコンシステムを提供することにある。
【0015】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために請求項1は、複数の赤外線発光素子と、前記複数の赤外線発光素子にそれぞれ対応して駆動する選択発光駆動手段とを有するリモコン装置において、前記赤外線発光素子単体もしくは前記複数の赤外線発光素子の一部で構成される赤外線発光素子群に対応した自己識別する通信コードを有するとともに、それぞれの赤外線発光素子単体もしくは前記複数の赤外線発光素子の一部で構成される赤外線発光素子群に対応した前記通信コードで選択発光駆動手段を駆動して送信する。
これにより、トイレ装置本体では選択された赤外線送信素子が通信コードより判別できるのでこれをトイレ装置本体などに表示させてどの赤外線送信素子のとき正常に受信されたかがわかり有効な赤外線送信素子が認識できる。
【0016】
請求項2は、請求項1記載のリモコン装置において、前記赤外線発光素子に供給する電流を調整する電流制限手段と有するとともに、赤外線発光素子単体もしくは前記複数の赤外線発光素子の一部で構成される赤外線発光素子群の発光駆動時、前記電流制限手段を調節して駆動する。
これにより、電流制限手段で電池の消耗度合いを想定して電流を減少させて、赤外線発光素子を選択させて発光させるので、トイレ装置本体で正常に受信された赤外線発光素子が数ヶ所有ったとしても、このように電流を減少させて送受信させることで、有効度の高い赤外線発光素子も絞り込んでいくことが可能となる。
【0017】
上記目的を達成するために請求項3は、複数の赤外線発光素子と、前記赤外線発光素子を選択発光駆動する選択発光駆動手段とを有するリモコンと、前記リモコンを壁面に固定する固定手段と、前記リモコンの操作により動作するトイレ装置と、前記トイレ装置に設けられ前記リモコンが発する赤外線光の受光光量値を測定する赤外線受光測定手段ととを有するリモコンシステムにおいて、前記リモコンの固定設置に応じ前記複数の赤外線発光素子の内、所定の赤外線発光素子を選択し発光させ、前記受光光量値は前記トイレ装置が動作可能な値であり、かつ前記リモコンの赤外発光素子の駆動電流は最小となる選択発光素子をリモコンへ設定することを特徴とする。
【0018】
リモコンシステムのリモコンは、複数の赤外線発光素子を選択発光駆動手段によって、各々独立に発光素子を発光できる。選択発光駆動手段では、発光素子を選択すると同時に発光素子の発光電流を切り替えることも出来る。
【0019】
リモコンの選択発光駆動手段は、赤外線発光素子のどれを発光するかを選択し、その選択発光素子の選択組み合わせを一つずつ試す。リモコンシステムのトイレ装置は、リモコンから発光した赤外線光を赤外線受光素子で受光し、赤外線受光測定手段によって、各選択発光素子の選択組み合わせに対応した受光光量値を一つずつ得る。
【0020】
得られた受光光量値がトイレ装置が動作可能な値であると判断できた際、その選択発光素子を発光素子の駆動電流とともに記憶する。全ての選択組み合わせを試し、各々の駆動電流を得て、駆動電流が最小となる選択組み合わせ方法をリモコンへ設定する。以降リモコンは、前記設定された最小駆動電流で選択発光素子を発光する。
【0021】
発光素子の駆動方法としては、全発光素子を同じ電流で駆動しても良いし、発光素子毎に駆動電流を変えても良い。発光素子を同じ電流で駆動する場合には、発光素子の個数を消費電流と置き換えても差し支えない。
【0022】
このように、適量な受光光量で、最小個数の発光素子の選択組み合わせを把握できるので、リモコンの発光素子の光軸がトイレ装置に合っていない受光光量に寄与していない無駄な発光素子の発光を抑制でき、リモコンの消費電流を押さえることができる。
【0023】
また、固定設置とは、永久固定であっても変更可能な固定であっても良い。リモコンシステムのリモコンは、固定された壁の位置によって赤外線発光素子の発光方向が決定される。固定位置が変更された場合は、設定された時と発光方向が異なってくるので、再度前記方法により選択組み合わせを試して、最適な組み合わせをリモコンへ設定する。
【0024】
請求項4は、請求項3記載のリモコンシステムにおいて、前記トイレ装置は前記受光光量値を報知する受光光量値報知手段を有することを特徴とするので、特殊な受光光量測定器使用することなくトイレ装置だけで簡単に受光光量値を把握できる。
【0025】
請求項5は、請求項4記載のリモコンシステムにおいて、前記受光光量値報知手段は受光光量値を音声で報知する報知手段であることを特徴とするので、トイレ装置で得られた受光光量値を試験者へ音声でわかりやすく報知できる。
【0026】
音声報知手段の音声とは、例えば受光光量値に応じて周波数を変える音声、受光光量値に応じて発生時間が変わる音声、また音声合成による受光光量値の読み上げのように、受光光量値を音声の音色に変換したものである。試験者は聴いた音声の音色によって受光光量値を得る。
【0027】
近年のリモコンタイプの温水洗浄便座のように、トイレ装置に座った試験者の位置から見える範囲に受光光量値表示のためのスペースがない場合でも、試験者に対し音声によって確実に通知できトイレ装置に報知のための表示器は必要ない。
【0028】
請求項6は、請求項4記載のリモコンシステムにおいて、前記リモコンは前記トイレ装置の受光光量値報知手段が報知した受光光量値を解読する受光光量値解読手段を有し、前記リモコンシステムの受光光量値を前記リモコンへ遠隔通知することを特徴とするので、トイレ装置の報知した受光光量値を正確にリモコン装置が把握することができる。
【0029】
例えばリモコンがマイコンなどを内蔵しており、プログラムの手順に沿って選択発光の全ての組み合わせを試す個々の選択発光毎に受光量解読手段で解読した受光光量値を記憶し、受光光量値はトイレ装置が動作可能な値で、かつ発光駆動電流が最小になる選択組み合わせをマイコンのプログラムが設定する。このように、受光光量値解読手段によりリモコンが試験者の手を介在することなく自動で設定作業を行うことができ操作が簡便になる。
【0030】
請求項7は、請求項6記載のリモコンシステムにおいて、前記リモコンは、受光光量値解読手段で解読した受光光量値を表示する受光光量値表示手段を有することを特徴とするので、リモコン装置が把握したトイレ装置の報知した受光光量値をリモコン表面に表示するので、試験者はトイレ装置の受光光量値を正確に把握することができる。
【0031】
【発明の実施の形態】
本発明の内容を、より理解しやすくするため、以下に実施例を用い手解説する。
【0032】
【実施例1】
通常、リモコンには小型電池が用いられ、単三電池、リチウム電池等を使用することが多い。単三電池の直径約15mmに対し、リチウム・コイン型電池は例えば約3mmであり、リモコンの厚みを大幅に薄くすることが期待できる。しかしながら、これらの電池の容量は単三マンガン電池で約800mAh、リチウム・コイン型電池は約200mAhと、リチウム・コイン型電池では小型化と引き替えに、電池寿命が約1/4となってしまう。近年、リモコンの小型化が求められており、例えばリチウム・コイン型電池を使用すると、前記電池の容量から考えて、消費電流を1/4にしなければならない。リモコンの電池の消費電流のうち、発光素子の電流が占める割合は、消費電流量での60%以上に達し、発光素子の消費電流を下げなければ、小型電池採用によるリモコン本体の小型化は望めない。
【0033】
また、壁に取り付けられるリモコン、とりわけトイレブースの壁に取り付けられる温水洗浄便座用のリモコンでは、リモコンと温水洗浄便座の受光部との間での赤外発光による通信の光線が使用者の体、衣服などで遮られることが多く、リモコンの発光素子は、ひとつは右壁、一つは左壁、一つは前方壁というように、それぞれ光軸が異なっており、トイレブース内の壁、床の光線の反射を積極的に利用しながら通信を行っている。図2(a)に本実施例のリモコンの操作スイッチを示す。操作キーは例えば「1」から「9」まである。
【0034】
本発明の実施例1のブロック図を図1に示す。実施例1では、リモコンの発光素子には赤外発光LED、トイレ装置の受光素子として赤外受光ダイオード、または、赤外フォトトランジスタ等を使用する。リモコンは、通信コードを用いて操作状態を本体へ送出する。通信コードは、複数の発光素子のパルス投光を集合したものとなっている。発光素子は、流す電流によって発光光量が異り、流す電流が多い程、発光光量が大きくなる。さらには、同時に点灯させる個数が多い方が発光光量が大きくなるが、消費する電流が大きくなる。
【0035】
発光素子は選択発光駆動手段によって、それぞれ独立に発光させることができる。よって発光の組み合わせパターンとしては、発光素子の個数をN個とすると(2のN乗)−1個存在する。さらに、発光素子は流す電流を個別に調節することができる。図5に選択発光駆動手段の実施例の配線図を示す。No.1からNo.3の、それぞれの光軸が異なる3個の発光素子に、それぞれ駆動回路が設けられる。発光素子No.1用駆動回路にあるD1が発光素子である。Q1はD1を流れる電流を制御する電流制御素子であり、この実施例ではNPNトランジスタを使用している。抵抗R2はQ1のエミッタとGND間に設けられ、Q1のIcつまり、D1を流れる電流を検知する電流検知抵抗である。R1はD1に流れる電流を制限するものである。Q1のベースはオペアンプOP1に出力が接続される。OP1の負入力は前記電流検出抵抗R2に接続されており、OP1、Q1、R1で電流フィードバック回路を構成し、OP1は、正入力の電圧に等しい電圧がR2の両端に現れるように、Q1を制御している。例えばD1に流れる電流をId1とすると、OP1の正入力には、Vdi1=R2×Id1なる設定電圧Vdi1を加えればよい。
【0036】
また、選択発光駆動手段のSW1からSW3はそれぞれの発光素子の点灯、消灯を制御するスイッチであり、スイッチが閉じているときは、前述の電流設定値が発光素子駆動回路へ入力されて、電流設定値に従った電流で発光素子を点灯する、スイッチが開いているときには、発光素子駆動回路のOP1の正入力には0Vが入力されるので発光素子は消灯する。このように、発光素子の点灯はスイッチSW1からSW3で制御でき、発光素子に流れる電流は電流設定値で設定できる。本実施例では、発光素子No.1からNo.3それぞれに電流設定値を設けているが、状況に応じて電流を設定する機能は省略できる。その際は、最低、D1、R1、Q1の3点で駆動回路を構成できる。
【0037】
図6に通信コードのフォーマットを示す。通信コードのうち10はコード種別部分であって、トイレ装置はこの部分を読み取って、リモコンが検査モードにあるのか、通常動作モードにあるのかを識別する。例えば、種別が1ビットに割り当てられてあり、通常動作時は‘0’、検査時は‘1’が書き込まれる。発光素子選択部11にはどの発光素子が選択されており、どのように電流を流したかという情報が記述されいる。例えば、発光しない場合を‘00’、100mA流した場合は‘01’、200mA流した場合は‘10’、300mA流した場合は‘11’というコードを割り付けるとするとし、「No.1」、「No.2」、「No.3」の発光素子にそれぞれ、「流さない」、「100mA」、「200mA」という電流値を流した場合には、発光素子選択部11は‘000110’となる。12は全ての発光素子の電流値を加算したもので、前記発光では、No.1からNo.3までの合計値が300mAであるので、電流値部12は、例えば100mAを1ビットとして2進数表記すると‘0011’という値になる。このように通信コードの電流値部12を見れば発光素子全ての合計電流が、発光素子部11を見れば発光素子個別の光らせ方がわかる。
【0038】
また、通信コードの各「1」「0」のビットパターンは、パルス発光期間と不発光期間が組み合わさったものとなっており、「1」が短い発光期間と短い不発光期間が組み合わさったもの、「0」が短い発光期間と長い不発光期間が組み合わさったもので構成されている。パルス発生期間はパルス周期TがT=1/40KHzで、点灯デューティ比が30%であり、発光素子に電流を流す期間はデューティ比30%の部分である。パルス発光期間を一定周期のパルス光とすることで、図1の受光手段は、そのパルス成分(交流成分)のみを増幅し、バンドパスフィルターでその周波数のパルスのみを取り出すことで、外乱光などのノイズの影響を取り除いている。
【0039】
本発明の発光素子は、それぞれ別の方向を向いており、光軸が異なっている。発光素子を出た光は、トイレブース内の壁に何度か反射してトイレ装置の受光部に届くため、反射の度に光量が弱まる。さらに光軸の中心が最大の光量が得られる場所であり、光軸に沿ってない光は光量が減ってしまう。発光素子が複数あると、壁での反射量が多い素子ほど、光軸に沿っている素子ほどリモコン通信のための発光量に寄与していることになるが、それ以外の発光素子は発光量に寄与していない。つまり、複数ある光軸のうち、通信用の光量として寄与していない光軸が必ず存在している。これら光が届いていない光軸を持つ発光素子を光らせることは、消費電流の低減の意味ではまったくの無駄である。さらには、トイレブースの壁が、壁紙の色や表面の拡散反射の状態で大きく反射量が異なるので、従来の温水洗浄便座用のリモコン等では、無駄な発光素子を含めて発光素子の電流を大きくしてこれらの光量の損失に対応せざるを得ず、無効な電流を消費していた。
【0040】
本発明の実施例1では、通信に寄与していない発光素子の投光電流をなくすために、本発明がどのにしてそれらの無駄な発光素子を見つけて除去するかを、図4のフローチャートを用いて説明する。まず、試験者はリモコンを検査モードとする。検査モードとは、発光素子の発光パターンを試験するためのモードであり、通常の動作モードとは区別される。検査モードと通常動作は互いにモード移行スイッチを押すことによって変更する。検査モードとするためには、リモコンの特定のキーを押して行う。例えば「1」キーと「2」キーを同時に2秒間押す。検査モードに入れば、通常動作は禁止される。
【0041】
リモコンは、複数の発光パターンを備える。発光パターンは、どの発光素子を選択し、それらをどれくらいの電流を流すかを個別に示す情報である。発光パターンは前述のように、発光素子数、また流す電流値の数に応じた個数となる。
【0042】
試験者より、検査モード指令を受けたリモコンは、まず一つ目の発光パターンで各発光素子を光らせる。同時に、発光素子選択情報と発光電流値情報を含めて発光パターンが通信コードとしてトイレ装置に向け送出される。送出された通信コードは、幾度か壁に反射しながらトイレ装置まで到達し、トイレ装置で読み込まれる。もし壁の反射量が小さく、トイレ装置で読めないほど光量が弱い通信コードは、通信不可能な発光パターンとして取り捨てられる。トイレ装置では、通信コードのコード種別部10を判定して、通常動作モードであれば通常動作を続ける。コード種別部10が検査モードであれば、トイレ装置は通信コードの電流値を読みとり、過去記録されている最小電流の発光パターンの電流値と比較する。もし受信した通信コードの電流値の方が小さければ、その発光パターンを最小値の発光パターンとして記録する。一方、受信した通信コードの電流値の方が大きければ、その発光パターンは取り捨てる。もし初回の発光であれば、電流値は値として取りうる最大のものとなっており、発光パターンの過去の記憶はない。
【0043】
次にトイレ装置は、受信した通信コードが最終発光パターンかどうかを判定し、最終発光パターンでなければ次の通信コードの読みとりを行う。最終パターンであるかどうかは、パターンに特別な属性情報を記して識別すればよい。例えば取り得ない発光の選択、「全てを発光させない」などとして識別する。最終発光パターンが受信されれば、全てのパターンを試験を終えたことになり、記録されている発光パターンは全発光パターンの中で最小の電流値で駆動できる発光パターンとなっている。
【0044】
次にトイレ装置は、このように得られた最小の電流値の発光パターン番号を、トイレ装置に設けられた表示器に表示する。例えば、7セグLEDなどで発光パターン番号を表示しても良いし、他の機能のために既に存在しているLED表示器などと共用して表示しても良い。さらには、試験者にわかりやすいよう、「最適なの発光パターンは4番です。」などと音声メッセージで報知しても良い。
【0045】
最小の発光パターンが把握できた試験者は、その発光パターン番号をリモコンへ登録する。登録の際は、例えば「1」と「8」キーを同時に押した後、発光パターン番号を数字キーで登録する。次に、例えば試験者は「1」と「9」キーを同時に押して通常動作に戻す。通常動作に戻ったリモコンは、登録された最小の発光パターンで、それ以降発光素子の発光を行う。
【0046】
【実施例2】
次に、実施例2として、試験者が音声報知手段を利用して最適な発光パターンを見つける例を図7のフローチャートに沿って説明する。試験者は、例えば図2の(b)にあるように、発光しようとする発光素子の発光パターンの割付表を参照して、目的の発光パターンに対応する操作キー(図2のa)を押下する。通常リモコンには必ず操作スイッチが存在している。それら操作スイッチにそれぞれ発光パターンを割り付ける。図2の割付表では、例えば発光素子No.1だけを点灯するためには、操作スイッチ「1」を押下する。同じく、発光素子No.2とNo.3を同時点灯するためには、操作スイッチ「6」を押下する。発光素子の全ての投光パターンが操作操作スイッチに割り付けられてある。
【0047】
一方、別のリモコンでは、発光パターンの数に対して操作スイッチの数が少ない場合がある。その際は、複数の操作スイッチを同時に押したり、操作スイッチの押す回数や、押す時間によって発光パターンを切り替える。
【0048】
試験者がリモコンの操作スイッチを押下すると、リモコンは前記割付表に従って所定の発光素子を点灯する。発光素子は図5に示す前述の発光駆動回路によって点灯される。試験者より、発光指令を受けたリモコンは、まず一つ目の発光パターンで各発光素子を光らせる。同時に発光パターンが、通信コードとしてトイレ装置に向け送出される。発光された通信コードは、幾度か壁に反射しながらトイレ装置に到達する。トイレ装置では、通信コードのコード種別部10を判定して、通常動作モードであれば通常動作を続ける。コード種別部10が検査モードであれば、図2の赤外線受光測定手段で現在の受光光量の絶対値を把握する。
【0049】
例えば、図2に示すトイレ装置の赤外線受光測定手段の中に設けてある、受光回路の積分回路の出力電圧値を、マイコンのA/Dコンバータなどで読み取り、受光光量値を得る。この受光光量値に応じて後述のように音色を変更し、音声報知手段から発音体を通じて音声を発生する。温水洗浄便座には、既に警報やスイッチの押下を知らせるなど別の目的でスピーカーなどの発音体が取り付けられており、特に大きな部品追加もなく実現する事が出来る。
【0050】
図2示すトイレ装置の音声報知手段とは、読み取った受光光量に応じて発生する音声の音色を変更するものである。図9(a)では、読み取った読み取った受光光量値を周波数に変換する実施例を示している。本実施例ではグラフ15に示すように受光光量の電圧が0Vの際に440Hz、受光光量の最大値である1.2Vの際は880Hzとなっている。電圧が0V以上1.2V以下の場合、周波数が線形に変化する。また、図9(b)では、音声の発生時間に変換する実施例を示している。17のように有音部では440Hz(固定)の音を発生する。有音部17の長さは、グラフに示すように受光光量が0Vの際は0秒、1.2Vの際は3秒になる。
【0051】
さらに、受光光量に閾値(例えば0.3V)を設け、受光光量電圧が閾値以上になった場合に発生するようにする。このようにすれば、試験者は音が発生する場合のみ、判定を下すようようすればよいので、より正確に判定を行うことができる。また、受光光量が閾値以上になった場合、前記周波数や発生時間などでその光量の値を示すこともできるので、レベルの大小も判別できる。
【0052】
試験者は、トイレ装置から発せられた音声を聞き、前記受光光量を音色へ変更する方法の逆の変換を行って、音色から受光光量を推定する。前記方法に示すように受光光量の絶対値を線形変換することにより、逆変換が容易に可能となる。例えば、トイレ装置から880Hzの周波数の音が発生されれば、受光光量は1.2Vであることが分かる。実際には、トイレ装置側で受光光量に閾値を設けて音声を発生する、前記の方法を使用して、音声が発生していれば受光光量が適切であり、さらにその際に周波数の高低で受光光量の強さを知るようにすれば、試験者(人間)にもわかりやすいものとすることができる。
【0053】
さて、受光光量が適切であると判定できれば、試験者は発光素子の数、もしくは消費電流を調べる。発光素子と消費電流がいくらであるかは、操作スイッチの割付表から明確にわかる。もし既に、何度か操作スイッチを押下していて、前回の検査結果が記録されているのであれば、その値(発光素子の数や消費電流量)と今回の値を比較して、低い方の検査値と発光パターン(押下した操作スイッチ)を採用し再度記録する。
【0054】
このようにして、全ての発光パターン(全ての操作スイッチ)を検査し終えると、最終的には受光光量が適切で、最小点灯個数、もしくは最小消費電流の発光パターンが得られることになる。
【0055】
最小の発光パターンが把握できた試験者は、前述の方法と同じく、その発光パターン番号をリモコンへ登録する。通常動作に戻ったリモコンは、登録された最小の発光パターンで、それ以降発光素子の発光を行う。
【0056】
【実施例3】
続いて、リモコンが自動的に無駄な発光素子を見つけ除去する実施例3の手順を図8のフローチャートに従って順に説明する。実施例2に示す、試験者がリモコンを操作して行う方法では、試験者が操作スイッチを一つづつ押して試したが、この自動化方法では、リモコンが検査プログラムにそって試験者の介在なしに最適な発光パターンを見つける。
【0057】
まず、試験者はリモコンを検査モードにする。リモコンには検査用の複数の発光パターンが登録されてある。発光パターンは予め検査の順番が定められており、検査モードとなったリモコンは、発光パターンの順番に従って一つずつ検査していく。まず、一つ目の発光パターンが試される。発光方法は前記方法と同じである。発光パターンを受光したトイレ装置は、前記方法と同じく、受光光量に従って音色を変えた音声を発生する。
【0058】
図2に示すリモコンには、受光光量値解読手段が備えられており、試験者を介在せずに受光光量を推察することが出来る。例えば受光光量に比例して周波数を変える方法では、受光光量値解読手段は読み込んだ音声の周波数から受光光量を推察する。同様に音声の発生時間を変える方法では、受光光量値解読手段は音声の発生時間より受光光量を推察する。いずれの場合も、トイレ装置が変換した方法の逆変換を行うことで実現する。例えば周波数を分析する方法としては、読み込んだ音信号を交流信号とし、GNDレベルと交差するタイミングでその周期から周波数を推測するゼロクロス手法や、またPLL(Phase LockedLoop)を使用して周波数を推測する手法などが利用できる。あるいは、電話機のダイアルトーンパルスコードで利用されるDTMFによって、エンコード、デコードができる素子も利用することが出来る。また、音声の発生時間を読み取る方法では、音量に閾値を設け、音量がその閾値以上である期間がどれくらいかで把握することが出来る。
【0059】
リモコンは読み取った受光光量に閾値を設け、その閾値を受光光量が上回っていれば適切な発光パターンとして、その発光パターンを記録する。前記試験者が行っていた方法と同じように、リモコンは前回発光パターン試験時の検査結果と今回のものとを比較し、発光素子の個数もしくは、その発光電流の小さい発光パターンの方を採用する。プログラムされた検査発光パターンに従って、全ての検査パターンを終了すると、最終的には最適な発光パターンが自動的に得られるわけである。
【0060】
さらに、リモコンにある受光光量値解読手段から得られた受光光量に応じて、リモコン上にそのレベルを表示する。表示器には、数値表示器、レベルメータ等を使用する。表示器を設けて試験者に受光光量を知らせることで、受光量の把握がより容易になる。特に試験者が自分で最適な発光パターンを見つける際には、自らの耳に頼ることなく、定量的に正確に受光光量を表示器で把握できるので、より正確に最適な発光パターンを見つけることができる。自動で発光パターンを見つける際にも、受光光量を見つけている状況を確認できるので、わかりやすくなる。
【0061】
【発明の効果】
本発明によれば、複数の光軸の発光素子を持ち、同時に光らせるリモコンであっても、消費電流を低減することで、電池寿命を延ばすことができ、小型の電池を使用することで、リモコンの外形形状を小さくできる手法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例1に係わるリモコンシステムを示すブロック図である。
【図2】本発明の実施例2に係わるリモコンシステムを示すブロック図である。
【図3】本発明の実施例2に係わるリモコンの操作スイッチと発光パターンの割付け状態示す割付表である。
【図4】本発明の実施例1に係わる検査者が最適な発光パターンを設定する手順を示すフローチャートである。
【図5】本発明のリモコンの発光素子駆動手段の実施例を示す接続図である。
【図6】本発明のリモコンとトイレ装置との通信コードの実施例を示す通信フォーマット図である。
【図7】本発明の実施例2に係わる検査者が最適な発光パターンを設定する手順を示すフローチャートである。
【図8】本発明の実施例3に係わるリモコンが最適な発光パターンを自動で設定する実施例の流れを示すフローチャートである。
【図9】本発明の実施例2ならびに実施例3に係わる本発明の音声報知手段の変換方法を示すグラフである。
【符号の説明】
10…コード種別部
11…発光素子選択部
12…電流値部
15…受光量と周波数の関係を示す対応グラフ
16…無音部
17…有音部
【発明の属する技術分野】
本発明は、複数の光軸をもつ発光装置の発光方法に係り、特にトイレブースの温水洗浄便座に好適なリモコン装置及びリモコンシステムに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来のトイレブースの温水洗浄便座の操作のためのリモコンは、壁に設置されることが多い。温水洗浄便座に座った使用者から見て右の壁、もしくは左の壁に設置される。使用者は、温水便座に座って便座を操作したいときに、右手もしくは左手で壁に設置されたリモコンを操作する。
【0003】
リモコンを操作すると、赤外発光LEDなどを使用した発光素子から、温水洗浄便座内にある受光素子へ、操作キーもしくは機能モードに対応した通信コードが送られる。トイレブース内の温水洗浄便座では、リモコンから温水洗浄便座へ送出される通信コードの直接光が、使用者の体、もしくは衣服によって遮られることが多い。このため、光軸の異なる複数の発光素子をリモコンへ設け、それぞれの光軸を、壁、床、もしくは天井などへ向けて通信コードを発光し、その反射光を温水洗浄便座へ向けることで通信品質を確保している。
【0004】
また、温水洗浄便座のリモコンでは、壁の反射を積極的に利用することを前提にしているので、壁の状態、つまり色調や表面の乱反射状態によって、受光部へ届く光量が大きく左右される。どのようなトイレブースの壁、床の状態でも確実に受光部分へ光が届くよう、全部の発光素子を同時に発光すると同時に、それぞれの発光素子への電流をも増やして、受光素子へ届く光量を確保しているのである。
【0005】
光軸を複数個用いるリモコンでは、前述のように壁や床などの反射を利用しているので、光軸が受光部とは別の方向に向いている発光素子の光は受光部へ届いていない場合が多い。つまり、実際には光軸が一致する発光素子しか、受光部へ送る通信コードの光量に寄与していないのである。
【0006】
また、リモコンの電源には電池が使われる。電池は、流す電流、経過する時間によって電圧降下の大きさがわかっている。様々な電池のうち、同じ電流、同じ経過時間であっても、電圧降下が少ない電池ほど、電池寿命が長いとされ、一般には外形形状が大きくなる傾向がある。電池を使用するセットの電流量と希望する電池寿命、セット側の形状制約からくる電池の設置スペース、などの条件によって、使用する電池を選定する。
【0007】
リモコンにおいて、発光時の電流量の占める割合は、全消費電流量での20%〜60%になる。近年、リモコンは設置場所や意匠性向上のために小型化が求められており、電池に割り当てられた設置スペースがますます縮小化し、よりサイズの小さな電池、より寿命の短い電池を選定せざるを得ない状況にある。そのためにはリモコンの消費電流の低減が必要である。
【0008】
また、複数の光軸を持つ発光素子の受光量を読みとる従来技術には、リモコンではなく光電センサーにおいて、複数の発光素子に1対1に対向する複数の受光素子を設置し、発光素子を順次発光させ、発光に同期して対向する受光素子から受光量を読みとり、各受光量のうちの最小受光量を表示する方法(例えば、特許文献1参照)などが提案されている。
【0009】
さらに、リモコンを有するトイレブースの温水洗浄便座では、操作部がリモコン側へ集約されており、使用者が便座に腰掛けた際に、便座の操作部や表示部は使用者の見える範囲にはない。よって、温水洗浄便座は発音体(例えばスピーカやブザー)を有しており、使用者がリモコンのスイッチを押し、便座本体がリモコンの通信コードを受信すると、発音体を鳴動させて、便座の動作状態を報知する。
【特許文献1】
特開2002−124168号公報(第2図)
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
前述のように、トイレブースのリモコンでは、複数の光軸を持つ発光素子を同時に発光させており、消費電流が多く電池寿命が短くなるので、さらに大きな電池を選定さざるを得ず、リモコンが大型化してしまい、設置場所が無くなり、意匠性も損なわれる。
【0011】
また、光軸がずれ、受光本体に光が届いていないリモコンの発光素子は、受光光量にはほとんど寄与せず、その発光素子に流れる電流は無駄に消費している。特許文献1にあるような方法では、全てのトイレブースに対応するように、複数の発光素子の光軸に一対一に一致する光軸を設けることは不可能である。施行現場によって壁などの状況が大きく異なっているためである。また、必要がない発光素子を不点灯にしようとしても、どの発光素子が必要のない発光素子であるのかわからない。
【0012】
さらに、リモコンを有する温水洗浄便座で、受光本体の受光光量が適切であるかどうかを使用者へ通知する際には、操作部などの表示できる場所がなく、使用者へ表示器での受光光量の通知が出来ない。
【0013】
さらに、前記特許文献1では少なくとも2つ以上の発光素子から同時に発光した光を、1つの受光素子で受光して受光量を検知する方法は述べられていない。複数の発光素子と一つの受光素子で受光する温水洗浄便座などのリモコンでは、同時に2つ以上発光させて光量を増加する手法は必須である。
【0014】
本発明は、上記問題を解決するためになされたもので、本発明の目的は、複数の発光素子を使用していても消費電流を増やさず、リモコンの電池寿命を延ばし、電池の小型化に有益なリモコンシステムを提供することにある。
【0015】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために請求項1は、複数の赤外線発光素子と、前記複数の赤外線発光素子にそれぞれ対応して駆動する選択発光駆動手段とを有するリモコン装置において、前記赤外線発光素子単体もしくは前記複数の赤外線発光素子の一部で構成される赤外線発光素子群に対応した自己識別する通信コードを有するとともに、それぞれの赤外線発光素子単体もしくは前記複数の赤外線発光素子の一部で構成される赤外線発光素子群に対応した前記通信コードで選択発光駆動手段を駆動して送信する。
これにより、トイレ装置本体では選択された赤外線送信素子が通信コードより判別できるのでこれをトイレ装置本体などに表示させてどの赤外線送信素子のとき正常に受信されたかがわかり有効な赤外線送信素子が認識できる。
【0016】
請求項2は、請求項1記載のリモコン装置において、前記赤外線発光素子に供給する電流を調整する電流制限手段と有するとともに、赤外線発光素子単体もしくは前記複数の赤外線発光素子の一部で構成される赤外線発光素子群の発光駆動時、前記電流制限手段を調節して駆動する。
これにより、電流制限手段で電池の消耗度合いを想定して電流を減少させて、赤外線発光素子を選択させて発光させるので、トイレ装置本体で正常に受信された赤外線発光素子が数ヶ所有ったとしても、このように電流を減少させて送受信させることで、有効度の高い赤外線発光素子も絞り込んでいくことが可能となる。
【0017】
上記目的を達成するために請求項3は、複数の赤外線発光素子と、前記赤外線発光素子を選択発光駆動する選択発光駆動手段とを有するリモコンと、前記リモコンを壁面に固定する固定手段と、前記リモコンの操作により動作するトイレ装置と、前記トイレ装置に設けられ前記リモコンが発する赤外線光の受光光量値を測定する赤外線受光測定手段ととを有するリモコンシステムにおいて、前記リモコンの固定設置に応じ前記複数の赤外線発光素子の内、所定の赤外線発光素子を選択し発光させ、前記受光光量値は前記トイレ装置が動作可能な値であり、かつ前記リモコンの赤外発光素子の駆動電流は最小となる選択発光素子をリモコンへ設定することを特徴とする。
【0018】
リモコンシステムのリモコンは、複数の赤外線発光素子を選択発光駆動手段によって、各々独立に発光素子を発光できる。選択発光駆動手段では、発光素子を選択すると同時に発光素子の発光電流を切り替えることも出来る。
【0019】
リモコンの選択発光駆動手段は、赤外線発光素子のどれを発光するかを選択し、その選択発光素子の選択組み合わせを一つずつ試す。リモコンシステムのトイレ装置は、リモコンから発光した赤外線光を赤外線受光素子で受光し、赤外線受光測定手段によって、各選択発光素子の選択組み合わせに対応した受光光量値を一つずつ得る。
【0020】
得られた受光光量値がトイレ装置が動作可能な値であると判断できた際、その選択発光素子を発光素子の駆動電流とともに記憶する。全ての選択組み合わせを試し、各々の駆動電流を得て、駆動電流が最小となる選択組み合わせ方法をリモコンへ設定する。以降リモコンは、前記設定された最小駆動電流で選択発光素子を発光する。
【0021】
発光素子の駆動方法としては、全発光素子を同じ電流で駆動しても良いし、発光素子毎に駆動電流を変えても良い。発光素子を同じ電流で駆動する場合には、発光素子の個数を消費電流と置き換えても差し支えない。
【0022】
このように、適量な受光光量で、最小個数の発光素子の選択組み合わせを把握できるので、リモコンの発光素子の光軸がトイレ装置に合っていない受光光量に寄与していない無駄な発光素子の発光を抑制でき、リモコンの消費電流を押さえることができる。
【0023】
また、固定設置とは、永久固定であっても変更可能な固定であっても良い。リモコンシステムのリモコンは、固定された壁の位置によって赤外線発光素子の発光方向が決定される。固定位置が変更された場合は、設定された時と発光方向が異なってくるので、再度前記方法により選択組み合わせを試して、最適な組み合わせをリモコンへ設定する。
【0024】
請求項4は、請求項3記載のリモコンシステムにおいて、前記トイレ装置は前記受光光量値を報知する受光光量値報知手段を有することを特徴とするので、特殊な受光光量測定器使用することなくトイレ装置だけで簡単に受光光量値を把握できる。
【0025】
請求項5は、請求項4記載のリモコンシステムにおいて、前記受光光量値報知手段は受光光量値を音声で報知する報知手段であることを特徴とするので、トイレ装置で得られた受光光量値を試験者へ音声でわかりやすく報知できる。
【0026】
音声報知手段の音声とは、例えば受光光量値に応じて周波数を変える音声、受光光量値に応じて発生時間が変わる音声、また音声合成による受光光量値の読み上げのように、受光光量値を音声の音色に変換したものである。試験者は聴いた音声の音色によって受光光量値を得る。
【0027】
近年のリモコンタイプの温水洗浄便座のように、トイレ装置に座った試験者の位置から見える範囲に受光光量値表示のためのスペースがない場合でも、試験者に対し音声によって確実に通知できトイレ装置に報知のための表示器は必要ない。
【0028】
請求項6は、請求項4記載のリモコンシステムにおいて、前記リモコンは前記トイレ装置の受光光量値報知手段が報知した受光光量値を解読する受光光量値解読手段を有し、前記リモコンシステムの受光光量値を前記リモコンへ遠隔通知することを特徴とするので、トイレ装置の報知した受光光量値を正確にリモコン装置が把握することができる。
【0029】
例えばリモコンがマイコンなどを内蔵しており、プログラムの手順に沿って選択発光の全ての組み合わせを試す個々の選択発光毎に受光量解読手段で解読した受光光量値を記憶し、受光光量値はトイレ装置が動作可能な値で、かつ発光駆動電流が最小になる選択組み合わせをマイコンのプログラムが設定する。このように、受光光量値解読手段によりリモコンが試験者の手を介在することなく自動で設定作業を行うことができ操作が簡便になる。
【0030】
請求項7は、請求項6記載のリモコンシステムにおいて、前記リモコンは、受光光量値解読手段で解読した受光光量値を表示する受光光量値表示手段を有することを特徴とするので、リモコン装置が把握したトイレ装置の報知した受光光量値をリモコン表面に表示するので、試験者はトイレ装置の受光光量値を正確に把握することができる。
【0031】
【発明の実施の形態】
本発明の内容を、より理解しやすくするため、以下に実施例を用い手解説する。
【0032】
【実施例1】
通常、リモコンには小型電池が用いられ、単三電池、リチウム電池等を使用することが多い。単三電池の直径約15mmに対し、リチウム・コイン型電池は例えば約3mmであり、リモコンの厚みを大幅に薄くすることが期待できる。しかしながら、これらの電池の容量は単三マンガン電池で約800mAh、リチウム・コイン型電池は約200mAhと、リチウム・コイン型電池では小型化と引き替えに、電池寿命が約1/4となってしまう。近年、リモコンの小型化が求められており、例えばリチウム・コイン型電池を使用すると、前記電池の容量から考えて、消費電流を1/4にしなければならない。リモコンの電池の消費電流のうち、発光素子の電流が占める割合は、消費電流量での60%以上に達し、発光素子の消費電流を下げなければ、小型電池採用によるリモコン本体の小型化は望めない。
【0033】
また、壁に取り付けられるリモコン、とりわけトイレブースの壁に取り付けられる温水洗浄便座用のリモコンでは、リモコンと温水洗浄便座の受光部との間での赤外発光による通信の光線が使用者の体、衣服などで遮られることが多く、リモコンの発光素子は、ひとつは右壁、一つは左壁、一つは前方壁というように、それぞれ光軸が異なっており、トイレブース内の壁、床の光線の反射を積極的に利用しながら通信を行っている。図2(a)に本実施例のリモコンの操作スイッチを示す。操作キーは例えば「1」から「9」まである。
【0034】
本発明の実施例1のブロック図を図1に示す。実施例1では、リモコンの発光素子には赤外発光LED、トイレ装置の受光素子として赤外受光ダイオード、または、赤外フォトトランジスタ等を使用する。リモコンは、通信コードを用いて操作状態を本体へ送出する。通信コードは、複数の発光素子のパルス投光を集合したものとなっている。発光素子は、流す電流によって発光光量が異り、流す電流が多い程、発光光量が大きくなる。さらには、同時に点灯させる個数が多い方が発光光量が大きくなるが、消費する電流が大きくなる。
【0035】
発光素子は選択発光駆動手段によって、それぞれ独立に発光させることができる。よって発光の組み合わせパターンとしては、発光素子の個数をN個とすると(2のN乗)−1個存在する。さらに、発光素子は流す電流を個別に調節することができる。図5に選択発光駆動手段の実施例の配線図を示す。No.1からNo.3の、それぞれの光軸が異なる3個の発光素子に、それぞれ駆動回路が設けられる。発光素子No.1用駆動回路にあるD1が発光素子である。Q1はD1を流れる電流を制御する電流制御素子であり、この実施例ではNPNトランジスタを使用している。抵抗R2はQ1のエミッタとGND間に設けられ、Q1のIcつまり、D1を流れる電流を検知する電流検知抵抗である。R1はD1に流れる電流を制限するものである。Q1のベースはオペアンプOP1に出力が接続される。OP1の負入力は前記電流検出抵抗R2に接続されており、OP1、Q1、R1で電流フィードバック回路を構成し、OP1は、正入力の電圧に等しい電圧がR2の両端に現れるように、Q1を制御している。例えばD1に流れる電流をId1とすると、OP1の正入力には、Vdi1=R2×Id1なる設定電圧Vdi1を加えればよい。
【0036】
また、選択発光駆動手段のSW1からSW3はそれぞれの発光素子の点灯、消灯を制御するスイッチであり、スイッチが閉じているときは、前述の電流設定値が発光素子駆動回路へ入力されて、電流設定値に従った電流で発光素子を点灯する、スイッチが開いているときには、発光素子駆動回路のOP1の正入力には0Vが入力されるので発光素子は消灯する。このように、発光素子の点灯はスイッチSW1からSW3で制御でき、発光素子に流れる電流は電流設定値で設定できる。本実施例では、発光素子No.1からNo.3それぞれに電流設定値を設けているが、状況に応じて電流を設定する機能は省略できる。その際は、最低、D1、R1、Q1の3点で駆動回路を構成できる。
【0037】
図6に通信コードのフォーマットを示す。通信コードのうち10はコード種別部分であって、トイレ装置はこの部分を読み取って、リモコンが検査モードにあるのか、通常動作モードにあるのかを識別する。例えば、種別が1ビットに割り当てられてあり、通常動作時は‘0’、検査時は‘1’が書き込まれる。発光素子選択部11にはどの発光素子が選択されており、どのように電流を流したかという情報が記述されいる。例えば、発光しない場合を‘00’、100mA流した場合は‘01’、200mA流した場合は‘10’、300mA流した場合は‘11’というコードを割り付けるとするとし、「No.1」、「No.2」、「No.3」の発光素子にそれぞれ、「流さない」、「100mA」、「200mA」という電流値を流した場合には、発光素子選択部11は‘000110’となる。12は全ての発光素子の電流値を加算したもので、前記発光では、No.1からNo.3までの合計値が300mAであるので、電流値部12は、例えば100mAを1ビットとして2進数表記すると‘0011’という値になる。このように通信コードの電流値部12を見れば発光素子全ての合計電流が、発光素子部11を見れば発光素子個別の光らせ方がわかる。
【0038】
また、通信コードの各「1」「0」のビットパターンは、パルス発光期間と不発光期間が組み合わさったものとなっており、「1」が短い発光期間と短い不発光期間が組み合わさったもの、「0」が短い発光期間と長い不発光期間が組み合わさったもので構成されている。パルス発生期間はパルス周期TがT=1/40KHzで、点灯デューティ比が30%であり、発光素子に電流を流す期間はデューティ比30%の部分である。パルス発光期間を一定周期のパルス光とすることで、図1の受光手段は、そのパルス成分(交流成分)のみを増幅し、バンドパスフィルターでその周波数のパルスのみを取り出すことで、外乱光などのノイズの影響を取り除いている。
【0039】
本発明の発光素子は、それぞれ別の方向を向いており、光軸が異なっている。発光素子を出た光は、トイレブース内の壁に何度か反射してトイレ装置の受光部に届くため、反射の度に光量が弱まる。さらに光軸の中心が最大の光量が得られる場所であり、光軸に沿ってない光は光量が減ってしまう。発光素子が複数あると、壁での反射量が多い素子ほど、光軸に沿っている素子ほどリモコン通信のための発光量に寄与していることになるが、それ以外の発光素子は発光量に寄与していない。つまり、複数ある光軸のうち、通信用の光量として寄与していない光軸が必ず存在している。これら光が届いていない光軸を持つ発光素子を光らせることは、消費電流の低減の意味ではまったくの無駄である。さらには、トイレブースの壁が、壁紙の色や表面の拡散反射の状態で大きく反射量が異なるので、従来の温水洗浄便座用のリモコン等では、無駄な発光素子を含めて発光素子の電流を大きくしてこれらの光量の損失に対応せざるを得ず、無効な電流を消費していた。
【0040】
本発明の実施例1では、通信に寄与していない発光素子の投光電流をなくすために、本発明がどのにしてそれらの無駄な発光素子を見つけて除去するかを、図4のフローチャートを用いて説明する。まず、試験者はリモコンを検査モードとする。検査モードとは、発光素子の発光パターンを試験するためのモードであり、通常の動作モードとは区別される。検査モードと通常動作は互いにモード移行スイッチを押すことによって変更する。検査モードとするためには、リモコンの特定のキーを押して行う。例えば「1」キーと「2」キーを同時に2秒間押す。検査モードに入れば、通常動作は禁止される。
【0041】
リモコンは、複数の発光パターンを備える。発光パターンは、どの発光素子を選択し、それらをどれくらいの電流を流すかを個別に示す情報である。発光パターンは前述のように、発光素子数、また流す電流値の数に応じた個数となる。
【0042】
試験者より、検査モード指令を受けたリモコンは、まず一つ目の発光パターンで各発光素子を光らせる。同時に、発光素子選択情報と発光電流値情報を含めて発光パターンが通信コードとしてトイレ装置に向け送出される。送出された通信コードは、幾度か壁に反射しながらトイレ装置まで到達し、トイレ装置で読み込まれる。もし壁の反射量が小さく、トイレ装置で読めないほど光量が弱い通信コードは、通信不可能な発光パターンとして取り捨てられる。トイレ装置では、通信コードのコード種別部10を判定して、通常動作モードであれば通常動作を続ける。コード種別部10が検査モードであれば、トイレ装置は通信コードの電流値を読みとり、過去記録されている最小電流の発光パターンの電流値と比較する。もし受信した通信コードの電流値の方が小さければ、その発光パターンを最小値の発光パターンとして記録する。一方、受信した通信コードの電流値の方が大きければ、その発光パターンは取り捨てる。もし初回の発光であれば、電流値は値として取りうる最大のものとなっており、発光パターンの過去の記憶はない。
【0043】
次にトイレ装置は、受信した通信コードが最終発光パターンかどうかを判定し、最終発光パターンでなければ次の通信コードの読みとりを行う。最終パターンであるかどうかは、パターンに特別な属性情報を記して識別すればよい。例えば取り得ない発光の選択、「全てを発光させない」などとして識別する。最終発光パターンが受信されれば、全てのパターンを試験を終えたことになり、記録されている発光パターンは全発光パターンの中で最小の電流値で駆動できる発光パターンとなっている。
【0044】
次にトイレ装置は、このように得られた最小の電流値の発光パターン番号を、トイレ装置に設けられた表示器に表示する。例えば、7セグLEDなどで発光パターン番号を表示しても良いし、他の機能のために既に存在しているLED表示器などと共用して表示しても良い。さらには、試験者にわかりやすいよう、「最適なの発光パターンは4番です。」などと音声メッセージで報知しても良い。
【0045】
最小の発光パターンが把握できた試験者は、その発光パターン番号をリモコンへ登録する。登録の際は、例えば「1」と「8」キーを同時に押した後、発光パターン番号を数字キーで登録する。次に、例えば試験者は「1」と「9」キーを同時に押して通常動作に戻す。通常動作に戻ったリモコンは、登録された最小の発光パターンで、それ以降発光素子の発光を行う。
【0046】
【実施例2】
次に、実施例2として、試験者が音声報知手段を利用して最適な発光パターンを見つける例を図7のフローチャートに沿って説明する。試験者は、例えば図2の(b)にあるように、発光しようとする発光素子の発光パターンの割付表を参照して、目的の発光パターンに対応する操作キー(図2のa)を押下する。通常リモコンには必ず操作スイッチが存在している。それら操作スイッチにそれぞれ発光パターンを割り付ける。図2の割付表では、例えば発光素子No.1だけを点灯するためには、操作スイッチ「1」を押下する。同じく、発光素子No.2とNo.3を同時点灯するためには、操作スイッチ「6」を押下する。発光素子の全ての投光パターンが操作操作スイッチに割り付けられてある。
【0047】
一方、別のリモコンでは、発光パターンの数に対して操作スイッチの数が少ない場合がある。その際は、複数の操作スイッチを同時に押したり、操作スイッチの押す回数や、押す時間によって発光パターンを切り替える。
【0048】
試験者がリモコンの操作スイッチを押下すると、リモコンは前記割付表に従って所定の発光素子を点灯する。発光素子は図5に示す前述の発光駆動回路によって点灯される。試験者より、発光指令を受けたリモコンは、まず一つ目の発光パターンで各発光素子を光らせる。同時に発光パターンが、通信コードとしてトイレ装置に向け送出される。発光された通信コードは、幾度か壁に反射しながらトイレ装置に到達する。トイレ装置では、通信コードのコード種別部10を判定して、通常動作モードであれば通常動作を続ける。コード種別部10が検査モードであれば、図2の赤外線受光測定手段で現在の受光光量の絶対値を把握する。
【0049】
例えば、図2に示すトイレ装置の赤外線受光測定手段の中に設けてある、受光回路の積分回路の出力電圧値を、マイコンのA/Dコンバータなどで読み取り、受光光量値を得る。この受光光量値に応じて後述のように音色を変更し、音声報知手段から発音体を通じて音声を発生する。温水洗浄便座には、既に警報やスイッチの押下を知らせるなど別の目的でスピーカーなどの発音体が取り付けられており、特に大きな部品追加もなく実現する事が出来る。
【0050】
図2示すトイレ装置の音声報知手段とは、読み取った受光光量に応じて発生する音声の音色を変更するものである。図9(a)では、読み取った読み取った受光光量値を周波数に変換する実施例を示している。本実施例ではグラフ15に示すように受光光量の電圧が0Vの際に440Hz、受光光量の最大値である1.2Vの際は880Hzとなっている。電圧が0V以上1.2V以下の場合、周波数が線形に変化する。また、図9(b)では、音声の発生時間に変換する実施例を示している。17のように有音部では440Hz(固定)の音を発生する。有音部17の長さは、グラフに示すように受光光量が0Vの際は0秒、1.2Vの際は3秒になる。
【0051】
さらに、受光光量に閾値(例えば0.3V)を設け、受光光量電圧が閾値以上になった場合に発生するようにする。このようにすれば、試験者は音が発生する場合のみ、判定を下すようようすればよいので、より正確に判定を行うことができる。また、受光光量が閾値以上になった場合、前記周波数や発生時間などでその光量の値を示すこともできるので、レベルの大小も判別できる。
【0052】
試験者は、トイレ装置から発せられた音声を聞き、前記受光光量を音色へ変更する方法の逆の変換を行って、音色から受光光量を推定する。前記方法に示すように受光光量の絶対値を線形変換することにより、逆変換が容易に可能となる。例えば、トイレ装置から880Hzの周波数の音が発生されれば、受光光量は1.2Vであることが分かる。実際には、トイレ装置側で受光光量に閾値を設けて音声を発生する、前記の方法を使用して、音声が発生していれば受光光量が適切であり、さらにその際に周波数の高低で受光光量の強さを知るようにすれば、試験者(人間)にもわかりやすいものとすることができる。
【0053】
さて、受光光量が適切であると判定できれば、試験者は発光素子の数、もしくは消費電流を調べる。発光素子と消費電流がいくらであるかは、操作スイッチの割付表から明確にわかる。もし既に、何度か操作スイッチを押下していて、前回の検査結果が記録されているのであれば、その値(発光素子の数や消費電流量)と今回の値を比較して、低い方の検査値と発光パターン(押下した操作スイッチ)を採用し再度記録する。
【0054】
このようにして、全ての発光パターン(全ての操作スイッチ)を検査し終えると、最終的には受光光量が適切で、最小点灯個数、もしくは最小消費電流の発光パターンが得られることになる。
【0055】
最小の発光パターンが把握できた試験者は、前述の方法と同じく、その発光パターン番号をリモコンへ登録する。通常動作に戻ったリモコンは、登録された最小の発光パターンで、それ以降発光素子の発光を行う。
【0056】
【実施例3】
続いて、リモコンが自動的に無駄な発光素子を見つけ除去する実施例3の手順を図8のフローチャートに従って順に説明する。実施例2に示す、試験者がリモコンを操作して行う方法では、試験者が操作スイッチを一つづつ押して試したが、この自動化方法では、リモコンが検査プログラムにそって試験者の介在なしに最適な発光パターンを見つける。
【0057】
まず、試験者はリモコンを検査モードにする。リモコンには検査用の複数の発光パターンが登録されてある。発光パターンは予め検査の順番が定められており、検査モードとなったリモコンは、発光パターンの順番に従って一つずつ検査していく。まず、一つ目の発光パターンが試される。発光方法は前記方法と同じである。発光パターンを受光したトイレ装置は、前記方法と同じく、受光光量に従って音色を変えた音声を発生する。
【0058】
図2に示すリモコンには、受光光量値解読手段が備えられており、試験者を介在せずに受光光量を推察することが出来る。例えば受光光量に比例して周波数を変える方法では、受光光量値解読手段は読み込んだ音声の周波数から受光光量を推察する。同様に音声の発生時間を変える方法では、受光光量値解読手段は音声の発生時間より受光光量を推察する。いずれの場合も、トイレ装置が変換した方法の逆変換を行うことで実現する。例えば周波数を分析する方法としては、読み込んだ音信号を交流信号とし、GNDレベルと交差するタイミングでその周期から周波数を推測するゼロクロス手法や、またPLL(Phase LockedLoop)を使用して周波数を推測する手法などが利用できる。あるいは、電話機のダイアルトーンパルスコードで利用されるDTMFによって、エンコード、デコードができる素子も利用することが出来る。また、音声の発生時間を読み取る方法では、音量に閾値を設け、音量がその閾値以上である期間がどれくらいかで把握することが出来る。
【0059】
リモコンは読み取った受光光量に閾値を設け、その閾値を受光光量が上回っていれば適切な発光パターンとして、その発光パターンを記録する。前記試験者が行っていた方法と同じように、リモコンは前回発光パターン試験時の検査結果と今回のものとを比較し、発光素子の個数もしくは、その発光電流の小さい発光パターンの方を採用する。プログラムされた検査発光パターンに従って、全ての検査パターンを終了すると、最終的には最適な発光パターンが自動的に得られるわけである。
【0060】
さらに、リモコンにある受光光量値解読手段から得られた受光光量に応じて、リモコン上にそのレベルを表示する。表示器には、数値表示器、レベルメータ等を使用する。表示器を設けて試験者に受光光量を知らせることで、受光量の把握がより容易になる。特に試験者が自分で最適な発光パターンを見つける際には、自らの耳に頼ることなく、定量的に正確に受光光量を表示器で把握できるので、より正確に最適な発光パターンを見つけることができる。自動で発光パターンを見つける際にも、受光光量を見つけている状況を確認できるので、わかりやすくなる。
【0061】
【発明の効果】
本発明によれば、複数の光軸の発光素子を持ち、同時に光らせるリモコンであっても、消費電流を低減することで、電池寿命を延ばすことができ、小型の電池を使用することで、リモコンの外形形状を小さくできる手法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例1に係わるリモコンシステムを示すブロック図である。
【図2】本発明の実施例2に係わるリモコンシステムを示すブロック図である。
【図3】本発明の実施例2に係わるリモコンの操作スイッチと発光パターンの割付け状態示す割付表である。
【図4】本発明の実施例1に係わる検査者が最適な発光パターンを設定する手順を示すフローチャートである。
【図5】本発明のリモコンの発光素子駆動手段の実施例を示す接続図である。
【図6】本発明のリモコンとトイレ装置との通信コードの実施例を示す通信フォーマット図である。
【図7】本発明の実施例2に係わる検査者が最適な発光パターンを設定する手順を示すフローチャートである。
【図8】本発明の実施例3に係わるリモコンが最適な発光パターンを自動で設定する実施例の流れを示すフローチャートである。
【図9】本発明の実施例2ならびに実施例3に係わる本発明の音声報知手段の変換方法を示すグラフである。
【符号の説明】
10…コード種別部
11…発光素子選択部
12…電流値部
15…受光量と周波数の関係を示す対応グラフ
16…無音部
17…有音部
Claims (7)
- 複数の赤外線発光素子と、前記複数の赤外線発光素子にそれぞれ対応して駆動する選択発光駆動手段とを有するリモコン装置において、前記赤外線発光素子単体もしくは前記複数の赤外線発光素子の一部で構成される赤外線発光素子群に対応した自己識別する通信コードを有するとともに、それぞれの赤外線発光素子単体もしくは前記複数の赤外線発光素子の一部で構成される赤外線発光素子群に対応した前記通信コードで選択発光駆動手段を駆動して送信することを特徴とするリモコン装置。
- 請求項1記載のリモコン装置において、前記赤外線発光素子に供給する電流を調整する電流制限手段と有するとともに、赤外線発光素子単体もしくは前記複数の赤外線発光素子の一部で構成される赤外線発光素子群の発光駆動時、前記電流制限手段を調節して駆動することを特徴とするリモコン装置。
- 複数の赤外線発光素子と、前記赤外線発光素子を選択発光駆動する選択発光駆動手段とを有するリモコン装置と、前記リモコンを壁面に固定する固定手段と、前記リモコンの操作により動作するトイレ装置と、前記トイレ装置に設けられ前記リモコンが発する赤外線光の受光光量値を測定する赤外線受光測定手段とを有するリモコンシステムにおいて、前記リモコンの固定設置に応じ前記複数の赤外線発光素子の内、所定の赤外線発光素子を選択し発光させ、前記受光光量値は前記トイレ装置が動作可能な値であり、かつ前記リモコンの赤外発光素子の駆動電流は最小となる選択発光素子をリモコンへ設定することを特徴とするリモコンシステム。
- 請求項3記載のリモコンシステムにおいて、前記トイレ装置は前記受光光量値を報知する受光光量値報知手段を有することを特徴とするリモコンシステム。
- 請求項4記載のリモコンシステムにおいて、前記受光光量値報知手段は受光光量値を音声で報知する報知手段であることを特徴とするリモコンシステム。
- 請求項4記載のリモコンシステムにおいて、前記リモコンは前記トイレ装置の受光光量値報知手段が報知した受光光量値を解読する受光光量値解読手段を有し、前記リモコンシステムの受光光量値を前記リモコンへ遠隔通知することを特徴とするリモコンシステム。
- 請求項6記載のリモコンシステムにおいて、前記リモコンは、受光光量値解読手段で解読した受光光量値を表示する受光光量値表示手段を有することを特徴とするリモコンシステム。
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