JP2004127917A - 線材パッキング算出方法、その装置及びそのプログラム - Google Patents

線材パッキング算出方法、その装置及びそのプログラム Download PDF

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Abstract

【課題】複数の線材をできるだけ小さい円形状に束ねてパッキングしてその外径を取得するために有効な算出方法、その装置及びそのプログラムを提供する。
【解決手段】コンピュータを用いて、ワイヤーハーネスを構成する複数の線材を、包含円からはみ出している線材からできるだけ遠くに配置変更し、これによりできたスペースにはみ出している線材を挿し込むという操作を繰り返し計算することにより、複数の線材を囲むワイヤーハーネスの外径が効率的に取得される。特に、円ボロノイ図の概念を採用することにより、非常に簡便、かつ短時間で、ワイヤーハーネスの外径を取得することができるようになる。
【選択図】   図2

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、複数の線材をできるだけ小さい円形状に束ねてパッキングしてその外径を取得するための算出方法、その装置及びそのプログラムに関する。
【0002】
【従来の技術】
車両や屋内には、複数の電線等の線材が束ねられて構成され、電子機器、電子部品等を電気的に接続するワイヤーハーネスとよばれるワイヤー様構造物が配策されている。このようなワイヤーハーネスは、近年、スペース効率向上等の観点から、電気的特性を低下させず、かつできるだけコンパクトなものが求められている。これにともない、設計段階において、より正確にワイヤーハーネスの外径を計算する必要がでてくるが、従来、その計算は、経験や以下に示す算出方法により行われていたのみであり、特に、有効な算出方法は提案されていなかった。
【0003】
以下に、図8を用いて、従来のワイヤーハーネスの外径の算出方法による問題点を示す。図8(a)は比較的少ない線材で構成されるワイヤーハーネスを示し、図8(b)は比較的多い線材で構成されるワイヤーハーネスを示す図である。
【0004】
従来の算出方法においては、図8(a)に示すように、n本の線材aが与えられた時、これら線材a及びこれら線材aで構成されるワイヤーハーネス10の断面を円形とみなし、これら線材aで構成されるワイヤーハーネス10の直径Lを、
πL/4=KΣ(πl /4)という式に基づき求める。
ここで、lは線材aの直径を示し、Kはすきま係数を示す。上記すきま係数Kは、様々な線材の数や配置にそれぞれ適合するようにそれぞれ求めるのは困難であるため、ワイヤーハーネス10を構成する線材の数や配置によらず、すべての場合に対して常に一定の値が用いられる。
【0005】
ところが、図8(a)及び図8(b)に示すように、同等の直径Lをもつワイヤーハーネスでも、構成される線材a、a′の数や配置によって、それらのすきま11、11′の面積は異なることは明らかである。それにも拘わらず、上記のように常に一定の値のすきま係数Kを用いてその直径Lを求めると、その値は不正確なものになってしまい、実用的ではなかった。
【0006】
【非特許文献1】
A.オカベ,B.ブーツ,K.スギハラ アンド S.N.チョイ(A.Okabe, B.Boots, K.Sugiharaand S.N.Choi)著,「スペーシアル テセレーションズ−コンセプツ アンド アプリケーションズ オブ ボロノイ ダイアグラムズ(Spatial Tessellations −Concepts and Applications ofVoronoi Diagrams)」,第2版,ジョン ワイリーアンド サンズ,チチェスター(John Wiley andSons,Chichester),2000年
【非特許文献2】
D.S.キム アンド K.スギハラ(D.S.Kim andK.Sugihara)著,「ボロノイ ダイアグラム オブ アサークル セット フロム ボロノイ ダイアグラム オブ ア ポイント セット,I(Voronoi diagram of acircle set from Voronoi diagramof a point set,I)」,第18巻,トポロジー コンピュータ エイディッド ジオメトリック デザイン(Topology Computer AidedGeometric Design),2001年,pp.541−562
【非特許文献3】
D.S.キム アンド K.スギハラ(D.S.Kim andK.Sugihara)著,「ボロノイ ダイアグラム オブ アサークル セット フロム ボロノイ ダイアグラム オブ アポイント セット,II(Voronoi diagram of acircle set from Voronoi diagramof a point set,II)」,第18巻,ジオメトリ.コンピュータ エイディッド ジオメトリック デザイン(Geometry.Computer AidedGeometric Design),2001年,pp.563−585
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
このように、従来、任意の数の線材で構成されるワイヤーハーネスの外径を求めるための実用的な方法はなく、いうまでもなく、それらをできるだけ小さい円形状に束ねてパッキングした際のワイヤーハーネスの外径を取得するための有効な算出方法もなかった。
【0008】
よって本発明は、上述した現状に鑑み、任意の数の複数の線材をできるだけ小さい円形状に束ねてパッキングしてその外径を取得するために有効な算出方法、その装置及びそのプログラムを提供することを課題としている。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するためになされた請求項1記載の線材パッキング算出方法は、コンピュータを用いて、複数の線材を互いに重ならないようにできるだけ小さい円形状に束ねてパッキングしてその外径を取得するための算出方法であって、前記複数の線材の断面形状をそれぞれの外形に対応した直径を有する複数の円とみなして、平面上に互いに重ならないように配置される前記複数の円を包含する包含円を想定する包含円想定工程と、前記包含円と同じ中心を有し、かつこの包含円より少し小さく、少なくとも、前記複数の円のうちのひとつがはみ出す目標円を定める目標円定義工程と、前記目標円からはみ出している円を挿込試行円とし、前記挿込試行円以外の前記複数の円が、互いに重なることなく前記目標円内でできるだけ遠くに移動可能な位置を探索する探索工程と、前記探索工程による探索結果に基づいて前記複数の円を配置変更することによりできる前記目標円内のスペースに前記挿込試行円を挿し込む挿込工程と、前記挿込試行円のすべてが前記目標円内に挿し込まれた場合には、現在よりも少し小さく、かつ前記挿込試行円を有する新たな前記目標円を定めたうえで、前記探索工程に戻る第1探索制御工程、を含み、前記目標円定義工程、前記探索工程、前記挿込工程及び前記第1探索制御工程を繰り返し実行することにより、前記包含円を徐々に小さくしていく、ことを特徴とする。
【0010】
請求項1記載の発明によれば、コンピュータを用いて、上記目標円定義工程、探索工程、挿込工程及び第1探索制御工程を繰り返し実行することにより、複数の線材の包含円を徐々に小さくしていく。これにより、複数の線材を囲む円の外径が効率的に取得される。
【0011】
上記課題を解決するためになされた請求項2記載の線材パッキング算出方法は、請求項1記載の線材パッキング算出方法において、前記探索工程では、前記挿込試行円及び前記複数の円のうちのひとつを除いた円群と、前記目標円と、で円ボロノイ図を作成し、前記円ボロノイ図における各境界辺を形成する両側円に接する前記ひとつの円の中心が、前記境界辺上にあるか否かを前記挿込試行円以外の前記複数の円に対して調べていくことにより、これらの円が前記目標円内で移動可能である位置を探索する、ことを特徴とする。
【0012】
請求項2記載の発明によれば、円ボロノイ図を利用することにより、挿込試行円の移動候補位置探索が非常に簡便化される。
【0013】
上記課題を解決するためになされた請求項3記載の線材パッキング算出方法は、請求項1又は請求項2記載の線材パッキング算出方法において、前記目標円定義工程、前記探索工程、前記挿込工程及び前記第1探索制御工程と共に繰り返し実行され、前記挿込試行円の挿し込みが不可能である場合には、前記包含円と現在の前記目標円との中間的な大きさであって、かつ前記挿込試行円を有する他の新たな前記目標円を定めたうえで、前記探索工程に戻る第2探索制御工程、を更に含むことを特徴とする。
【0014】
請求項3記載の発明によれば、挿込試行円の挿し込みが不可能である場合には、包含円と現在の目標円との中間的な大きさの目標円を定めたうえで、探索工程に戻す第2探索制御工程を更に含むことにより、複数の線材を囲む円の外径がより効率的に取得される。
【0015】
上記課題を解決するためになされた請求項4記載の線材パッキング算出装置は、複数の線材を互いに重ならないようにできるだけ小さい円形状に束ねてパッキングしてその外径を算出するための装置であって、前記複数の線材の断面形状をそれぞれの外形に対応した直径を有する複数の円とみなして、平面上に互いに重ならないように配置される前記複数の円を包含する包含円を想定する包含円想定手段と、前記包含円と同じ中心を有し、かつこの包含円より少し小さく、少なくとも、前記複数の円のうちのひとつがはみ出す目標円を定める目標円定義手段と、前記目標円からはみ出している円を挿込試行円とし、前記挿込試行円以外の前記複数の円が、互いに重なることなく前記目標円内でできるだけ遠くに移動可能な位置を探索する探索手段と、前記探索手段による探索結果に基づいて前記複数の円を配置変更することによりできる前記目標円内のスペースに前記挿込試行円を挿し込む挿込手段と、前記挿込試行円のすべてが前記目標円内に挿し込まれた場合には、現在よりも少し小さく、かつ前記挿込試行円を有する新たな前記目標円を定めたうえで、前記探索手段による探索を行わせる第1探索制御手段と、前記複数の線材に関する初期情報を入力する入力手段と、少なくとも、前記包含円の外径を出力する出力手段と、を含むことを特徴とする。
【0016】
請求項4記載の発明によれば、入力手段にて複数の線材に関する初期情報を入力し、目標円定義手段、探索手段、挿込手段及び第1探索制御手段にて、徐々に複数の線材の包含円を小さくしていき、出力手段にてその包含円の外径を出力する。これにより、複数の線材を囲む円の外径が効率的に取得される。
【0017】
上記課題を解決するためになされた請求項5記載の線材パッキング算出装置は、請求項4記載の線材パッキング算出装置において、前記出力手段5が、前記包含円及び前記複数の円のそれぞれの位置情報も出力する、ことを特徴とする。
【0018】
請求項5記載の発明によれば、包含円及び複数の円のそれぞれの位置情報も出力されるので、複数の線材の配置も含めて、それらを囲む円の外径が効率的に取得される。
【0019】
上記課題を解決するためになされた請求項6記載の線材パッキング算出装置は、請求項4又は請求項5記載の線材パッキング算出装置において、前記探索手段が、前記挿込試行円及び前記複数の円のうちのひとつを除いた円群と、前記目標円と、で円ボロノイ図を作成し、前記円ボロノイ図における各境界辺を形成する両側円に接する前記ひとつの円の中心が、前記境界辺上にあるか否かを前記挿込試行円以外の前記複数の円に対して調べていくことにより、これらの円が前記目標円内で移動可能である位置を探索する第2探索手段、を含むことを特徴とする。
【0020】
請求項6記載の発明によれば、第2探索手段にて円ボロノイ図を利用することにより、挿込試行円の移動候補位置探索が非常に簡便化される。
【0021】
上記課題を解決するためになされた請求項7記載の線材パッキング算出装置は、請求項4、請求項5、又は請求項6記載の線材パッキング算出装置において、前記挿込試行円の挿し込みが不可能である場合には、前記包含円と現在の前記目標円との中間的な大きさであって、かつ前記挿込試行円を有する他の新たな前記目標円を定めたうえで、前記探索手段による探索を行わせる第2探索制御手段、を更に含むことを特徴とする。
【0022】
請求項7記載の発明によれば、第2探索制御手段にて挿込試行円の挿し込みが不可能である場合には、包含円と現在の目標円との中間的な大きさの目標円を定めたうえで、探索手段による探索を再度行わせることにより、複数の線材を囲む円の外径がより効率的に取得される。
【0023】
上記課題を解決するためになされた請求項8記載の線材パッキング算出プログラムは、複数の線材を互いに重ならないようにできるだけ小さい円形状に束ねてパッキングしてその外径を算出するために、コンピュータを、前記複数の線材の断面形状をそれぞれの外形に対応した直径を有する複数の円とみなして、平面上に互いに重ならないように配置される前記複数の円を包含する包含円を想定する包含円想定手段、前記包含円と同じ中心を有し、かつこの包含円より少し小さく、少なくとも、前記複数の円のうちのひとつがはみ出す目標円を定める目標円定義手段、前記目標円からはみ出している円を挿込試行円とし、前記挿込試行円以外の前記複数の円が、互いに重なることなく前記目標円内でできるだけ遠くに移動可能な位置を探索する探索手段、前記探索手段による探索結果に基づいて前記複数の円を配置変更することによりできる前記目標円内のスペースに前記挿込試行円を挿し込む挿込手段、前記挿込試行円のすべてが前記目標円内に挿し込まれた場合には、現在よりも少し小さく、かつ前記挿込試行円を有する新たな前記目標円を定めたうえで、前記探索手段による探索を行わせる第1探索制御手段、前記複数の線材に関する初期情報を入力する入力手段、少なくとも、前記包含円の外径を出力する出力手段、として機能させる、ことを特徴とする。なお、この請求項8の発明にも、同様に、上記請求項5〜請求項7の発明の主旨を付加することが可能である。
【0024】
請求項8記載の発明によれば、コンピュータを、目標円定義手段、探索手段、挿込手段、第1探索制御手段、入力手段及び出力手段として機能させることにより、徐々に複数の線材の包含円を小さくしていき、その包含円の外径を出力させる。
【0025】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
まず、図1を用いて、本線材パッキング算出方法を実現するためのハードウエア構成を説明する。図1は、本発明の算出方法及びその装置を実現するためのハードウエア構成の一例を示すブロック図である。
【0026】
図1に示すように、そのハードウエア構成は、公知のパーソナルコンピュータや汎用コンピュータ等で実現される。このコンピュータは、入力装置1、I/O(入出力インターフェース回路)2、CPU(Central Processing Unit)3、メモリ4、出力装置5及びリードライト装置6を含んで構成される。入力装置1、メモリ4、出力装置5及びリードライト装置6は、I/O2等を介して、CPU3に電気的に接続されている。
【0027】
入力装置1は、後述の処理においてその入力データを投入するのに用いられる、例えば、キーボードやマウスデバイスである。CPU3は、入力装置1や出力装置5等を制御するための制御部31及び後述の本算出方法に係る処理をメモリ4に格納されるプログラムにしたがって行う演算部32を含んでいる。
【0028】
メモリ4は、後述の後述の本算出方法に係る各処理に対応するプログラム等を格納するプログラムメモリ41及びCPU3が行う各種処理のための作業領域が割り当てられた演算用メモリ42を含んでいる。そして、出力装置5は、CPU3が行った処理結果を出力する、例えば、モニタディスプレイや印字装置である。
【0029】
リードライト装置6は、CDROM等の記録媒体7に格納される本発明に係る線材パッキング算出プログラム7a(例えば、後述する図2、図4、図5、図6に示すような処理手順のプログラム)を読み込み、これを上記プログラムメモリ41に転送するための装置である。また、リードライト装置6は、算出結果を記録媒体7に書き込む機能も有する。なお、このコンピュータには、図示しないモデムボードやLANカード等の通信インターフェースが含まれていてもよい。
【0030】
CPU3は、リードライト装置6にて読み込まれた線材パッキング算出プログラム7aをメモリ4のプログラムメモリ41にインストールする。そして、電源投入後には、このプログラム7aが立ちあがり、このコンピュータは線材パッキング算出装置として機能する。線材パッキング算出プログラム7aは、上記構成を有する他のパーソナルコンピュータや汎用コンピュータ等にもインストール可能であり、インストール後は、そのコンピュータが線材パッキング算出装置として機能する。
【0031】
なお、記録媒体7に格納される線材パッキング算出プログラム7aは、請求項8に対応する。線材パッキング算出プログラム7aは、CDROM等の記録媒体7のみならず、インターネットや専用回線、LAN等の通信回線を経由して、このコンピュータに提供されたものであってもよい。
【0032】
次に、図2〜図7を用いて、本発明の算出方法の一実施形態に係る処理手順について説明する。そこで、まず、図2を用いて、本算出方法の基本処理手順について説明する。図2は、本発明の算出方法の一実施形態に係る基本処理手順を示すフローチャートである。
【0033】
本算出方法では、ワイヤーハーネスを構成する複数の線材の断面形状をそれぞれの外形に対応した直径を有する複数の円とみなし、これら円を断面にもつn本の円柱を束ねた時、その全体を囲む円の大きさを調べるという問題に帰着させる。実際的には、上記コンピュータを用いて、複数の線材をできるだけ小さい円形状に束ねてパッキングしてその外径を取得するための有効な算出方法を考える。
【0034】
図2に示す基本処理においては、入力情報としては、ワイヤーハーネスを構成する電線等の複数の線材の断面形状をそれぞれの外形に対応したn個の円c、c、…、cの半径r、r、…、r、1より小さくて十分1に近い数p、例えば、p=0.95、及び十分小さい正数である終了基準値ε、例えば、終了基準値ε=min((r、r、…、r)/100)が与えられる。
【0035】
また、出力情報としては、n個の円c、c、…、cを互いに重ならないように詰め込める、なるべく小さい円の半径R、及びこのときの円C、円c、c、…、cの位置情報が出力される。
【0036】
このため、図2に示すステップS1においては、まず、円c、c、…、cを互いに重ならないように平面上に配置し、それらを囲む大円、すなわち包含円Cを見つける。
【0037】
次に、ステップS2、ステップS3及びステップS4においては、上記包含円Cと同じ中心を持ち、半径が包含円Cの上記p倍である円、すなわち、目標円Dを定める。すなわち、ステップS2、ステップS3のN及びステップS4からなるループでは、包含円Cと同じ中心を有し、かつこの包含円Cより少し小さく、少なくとも、複数の円c、c、…、cのうちのひとつが包含円Dからはみ出すような目標円Dを定める。なお、以下の処理過程では、円c、c、…、cが目標円Dの中に入るように配置を変更していく。
【0038】
次に、ステップS5においては、探索挿込処理を行う。すなわち、ここでは、目標円Dからはみ出している任意のひとつの円cから、距離の大きい順に円c以外の円を取り出し、より遠くへ置けるものはできるだけ遠くへ移動させ、そのような移動ができない場合は現位置に残す。そして、このような移動によりできたスペースにひとつのこの円cを移動する、すなわち、挿し込むことを試みる。なお、このステップS3の処理については、図4〜図7を用いて後で説明を加える。
【0039】
次に、ステップS6においては、上記ステップS5における円cの挿し込みが成功したか否かを判定し、成功の場合はステップS3に戻り(ステップS6のY)、さもなければステップS7に進む(ステップS6のN)。ステップS3に戻ると、他にはみ出している円があるか否を判定し、これがあればこのはみ出している円に対して再度ステップS5の探索挿込処理を行い、なければステップS4に進んで上記と同様の処理を行うことになる。
【0040】
一方、ステップS7においては、上記包含円Cと挿込みが成功しなかった上記目標円Dとの中間の大きさの円を、新たに目標円Dに定める。次に、ステップS8において、上記ステップS7の処理に用いられた包含円及び目標円Dのそれぞれの半径の差が上記終了基準値ε以下か否かを判定し、この差が終了基準値εより大きければ上記ステップS3に戻り上記と同様の処理を繰り返し(ステップS8のN)、この差が終了基準値ε以下であればステップS9に進む(ステップS8のY)。
【0041】
ステップS9においては、この包含円Cの半径を最終的な、ワイヤーハーネスの半径Rとしてこれを出力装置5に出力する。また、このときの包含円C及び各円c、c、…、cの位置情報も出力装置5に出力する。これら出力は、モニタディスプレイ上であってもよいし、紙上への印字であってもよい。なお、上記p及び終了基準値εを適宜、若干変更してもよい。
【0042】
上記処理手順による各円のふるまいを図3を用いて示す。図3は、図2の処理手順によるふるまいを示す図であり、特に、図3(a)は初期状態を示し、図3(b)は目標円からはみ出した挿込試行円を示し、図3(c)は図3(b)の挿込試行円を目標円の内部に挿し込んだ様子を示し、そして、図3(d)は最終結果を示す図である。
【0043】
図3(a)においては、与えられたn個の円cの初期配置と、それらを囲む包含円Cが示されている。図3(b)においては、処理の途中の状態が示され、現在得られている包含円Cより少し小さい目標円D、及びこの目標円Dからはみ出す円のひとつであり、挿し込みが試行される挿込試行円cが示されている。
【0044】
また、図3(c)においては、図3(b)で示した挿込試行円cに対して、図2に示したステップS5の探索挿込処理が施されたあとの状態が示されている。なお、図3(c)中、円m(粗斜線を囲む円群)は、上記探索挿込処理において挿込試行円cを挿し込むために移動した移動円群を示している。なお、この図からわかるように、他のはみ出している円も、挿込試行円cの挿込処理の過程で、目標円Dに入ることもある。そして、図3(d)においては、すべてのはみだしている円に対して、挿込処理が行われた結果が示されている。
【0045】
このように、ワイヤーハーネスを構成する複数の線材を、包含円からはみ出している線材からできるだけ遠くに配置変更し、これによりできたスペースにはみ出している線材を挿し込むという操作を繰り返し計算することにより、複数の線材を囲むワイヤーハーネスの外径が効率的に取得される。
【0046】
次に、上記図2のステップS5の探索挿込処理について、図4を用いて説明を加える。図4は、図2における探索挿込処理を示すフローチャートである。
【0047】
図4に示す探索挿込処理においては、入力情報として、n個の円cの半径rと、それらの中心(x、y)、i=1、2、…、n、及び目標円Dが与えられる。但し、n個の円cは互いに重なることはなく、また最後の円cは目標円Dからはみ出しているとする。なお、この他にもはみ出している円があってもよい。
【0048】
また、出力情報としては、既に目標円D内に入っている円をこの目標円Dからはみ出させることなく、最後の円cを目標円D内へ挿し込むことができるなら成功結果としてそれを実現するn個の円の中心位置が出力され、できないなら失敗結果としてその旨示すメッセージが出力される。
【0049】
まず、探索挿込処理のステップS51においては、n個の円cを、上記最後の円cから遠い順に並べ替える。この順は、詳しくは、n個の円cのそれぞれの中心と、最後の円cの中心と、の距離に基づく。そして、ここで、並び替えた結果の円番号を、簡単のために、新ためてc、c、…、cとする。なお、以下、この最後の円を挿込試行円とよぶ。
【0050】
次に、i=1、2、…、n−1に対して、ステップS52〜ステップS54a(又はステップS54b)に示す処理を行う。ステップS52においては、探索処理を行う。すなわち、円cが、目標円D内で他の円と重ならずに移動可能な移動候補位置を探索する。詳しくは、この探索処理では、図5に示す第1探索処理、又は図6に示す第2探索処理が行われる。第1探索処理では、円cが目標円D内で他の円と重ならずに、現在の円cの位置より、挿込試行円cから遠くなるような移動候補位置を探索する。また、図6に示す第2探索処理では、円ボロノイ図の概念を用いて、円cが目標円D内で他の円と重ならずに移動可能な移動候補位置を探索する。これらについては後述する。
【0051】
そして、ステップS53及びステップS54a、ステップS54bにおいては、上記探索処理にて移動候補位置があればその中で挿込試行円cから最も遠い位置へ円cを移動し(ステップS53のY、ステップS54a)、移動候補位置がなければ円cを現在位置に残す(ステップS53のN、ステップS54b)。このような処理が、i=1、2、…、n−1に対して行われた後、ステップS55に進む。なお、上記ステップS52〜ステップS54が請求項の探索工程に対応している。
【0052】
次に、ステップS55においては、上記ステップS52〜ステップS54a(又はステップS54b)からなるループ処理にてできた目標円D内のスペースに対しての、挿込試行円cの挿し込みを試行する。
【0053】
そして、ステップS56及びステップS57a、ステップS57bにおいては、上記挿し込みの試行により挿し込みが成功すれば、挿込試行円cをそこへ移動し(ステップS56のY、ステップS57a)、挿し込みができなければ、その旨示すメッセージを出力する(ステップS56のN、ステップS57b)。なお、上記成功時には、それを実現するn個の円の中心位置が出力される。そして、これらステップS51〜ステップS57a(又はステップS57b)からなる一連の処理が終了すれば、図2に示すこれに続く処理に戻る。
【0054】
更に、図5及び図6を用いて、上記探索処理の2例について説明を加える。まず、第1探索処理を図5を用いて説明する。図5は、第1探索処理を示すフローチャートである。
【0055】
図5の第1探索処理においては、n個の円cを移動するスペースがあった時、上記挿込試行円cから最も遠くへ移動した状態では、円cは2つの円に接しているはずであるということに着目している。但し、この接する2つの円のうちのひとつは、上記目標円Dの場合もある。そこで、ここでは、与えられたn個の円cと目標円Dの全体がなす集合をS={c、c、…、c、D}とおく。そして、円c以外の全ての2つの円c、c∈Sに対して、以下のステップS521〜ステップS529に示す処理を行う。
【0056】
まず、ステップS521においては、半径rの円cが、円cと円cの両方に接する位置を探す。但し、円c又は円cが目標円D以外の円なら外側から接し、目標円Dなら内側から接するものとする。そのような位置は、高々、2個しかなく、その場合の中心をそれぞれ(x′、y′)、(x″、y″)とする。
【0057】
次に、ステップS522においては、上記2個のうちの一方の位置に移動させると、円cは現在位置よりも挿込試行円Cから遠くなるか否かを判定する。すなわち、一方の中心(x′、y′)から挿込試行円Cの中心までの距離X′と、現在位置の円cの中心から挿込試行円Cの中心までの距離Xと、を比較し、距離X′が距離Xより大きければステップS523に進み(ステップS522のY)、さもなければ後述するステップS526に進む(ステップS522のN)。
【0058】
ステップS523においては、円c、円c、円c及び目標円D以外の全ての円に対して、半径rの円cを上記中心(x′、y′)に置いた時、重なるか否かを調べ、その重なりをステップS524において判定する。ここで、どの円とも重ならないと判定されればステップS525に進み(ステップS524のN)、ステップS525において上記中心(x′、y′)を円cの移動候補位置のひとつに加え、さもなければステップS526に進む(ステップS524のY)。
【0059】
更に、上記一方の中心(x′、y′)を他方の中心(x″、y″)に置き換えて、上記ステップS522〜ステップS525と同様、以下のステップS526〜ステップS529の処理を行う。ステップS526においては、上記2個のうちの他方の位置に移動させると、円cは現在位置よりも挿込試行円Cから遠くなるか否かを判定する。すなわち、他方の中心(x″、y″)から挿込試行円Cの中心までの距離X″と、現在位置の円cの中心から挿込試行円Cの中心までの距離Xと、を比較し、距離X″が距離Xより大きければステップS527に進み(ステップS526のY)、さもなければ直接次に進む(ステップS526のN)。
【0060】
ステップS528においては、円c、円c、円c及び目標円D以外の全ての円に対して、半径rの円cを上記中心(x″、y″)に置いた時、重なるか否かを調べ、その重なりをステップS528において判定する。ここで、どの円とも重ならないと判定されればステップS529に進み(ステップS528のN)、ステップS529において上記中心(x″、y″)を円cの移動候補位置のひとつに加え、さもなければ直接次に進む(ステップS528のY)。このような処理が、円c以外の全ての2つの円c、cに対して行われると、図4に示すこれに続く処理に戻る。
【0061】
このような、第1探索処理を用いることにより、従来、図8で示した方法や経験によりで行っていたワイヤーハーネスの外径の計算が改善されて、より正確に行えるようになる。したがって、ワイヤーハーネスの設計の一助となる。その一方で、第1探索処理を用いると、計算量が膨大になるという問題も生じる。すなわち、上記図5に示した第1探索処理では、円c、円c、円cの組に対して、上記のような操作を行うので、その計算時間はO(n)となる。上記図4の探索挿入処理では、これをすべてのi=1、2、…、nに対して行うので、その計算時間はO(n)となる。更に、図2の処理では、これを組み込んで繰り返し処理が行われるので、全体の計算量は、膨大なものになってしまう。これを以下の図6に示す第2探索処理では改善する。
【0062】
図6は、第2探索処理を示すフローチャートである。図7(a)は円の集合の一例を示す図であり、図7(b)及び図7(c)はそれぞれ、図7(a)の円の集合に対する円ボロノイ図及びラゲール円ボロノイ図である。
【0063】
まず、この第2探索処理の基本的な考え方を示す。この第2探索処理においては、公知のボロノイ図の概念を利用して、挿込試行円cの移動候補位置の探索を効率化する。すなわち、上記第1探索処理においては、この円cの移動候補位置を求めるために、すべての円の組c、cと接する位置を求めたが、ボロノイ図の概念を利用すると、その候補を限定することができる。
【0064】
平面上に互いに重ならない有限個の円が与えられた時、どの円に最も近いかによって平面を分割することができる。この分割図形は円ボロノイ図とよばれ、これは、上記非特許文献1にも示されている。
【0065】
例えば、図7(a)に示される円群に対する円ボロノイ図は、図7(b)に示す通りである。図7(b)におけるボロノイ辺とよばれる境界辺e上の点は、2つの円c、cから等しい距離にあって、他の円はもっと遠くにあるという性質を持っている。したがって、2つ円c、cに接し、他の円と重ならない円は、円ボロノイ図の境界辺e上に中心をもつことになる。よって、円cの移動候補位置は、円ボロノイ図の境界辺eを挟む2つの円c、cの組だけに対して探せばよい。n個の円の円ボロノイ図の境界辺eの数はnに比例する本だから、検索すべき円c、cの組は、上記図5の第1探索処理がO(n)であるのに対し、ここでは、O(n)になる。
【0066】
更に、2つの円c、cと接する円cの移動位置候補に対して、上記図5の第1探索処理では、円c以外のすべての円c、cとの重なりの検査を行ったが、ここでは、その必要もなくなる。すなわち、円cの移動候補位置が、境界辺e上にあるか否かを調べれば十分である。なぜなら、境界辺e上にあれば、他の円と重なることはなく、境界辺e上になければ他の円と重なることが、円ボロノイ図の性質から導かれるからである。したがって、O(n)の検査時間をO(1)にすることができる。
【0067】
このような考え方に基づく、第2探索処理の処理手順は以下の図6に示すようになる。図6のステップS521′においては、まず、上記円集合S−{c}、すなわち、円c以外の全円に対する円ボロノイ図を作る。ここで、この円集合S−{c}はn個の円で構成されるので、境界辺の数もnに比例する。
【0068】
そして、各境界辺e、(j=1、2、…、n)に対して、以下のステップS522′〜ステップS525′の処理を行う。
【0069】
ステップS522′においては、境界辺eの両側の円c、cに接する半径rの円c′を作る。但し、ここでも、円c又は円cが目標円D以外の円なら外側から接し、目標円Dなら内側から接するものとする。なお、そのような円は、高々、2個、存在する。
【0070】
そして、ステップS523′において上記のように接する半径rの円c′が有りと判定され(ステップS523′のY)、更にステップS524′においてその中心が境界辺e上に有ると判定されれば(ステップS524′のY)、ステップS525′に進んでこの円c′を円cの移動候補位置に加える。さもなければ、直接次に進む(ステップS523′のN、ステップS524′のN)。このような処理が、すべての境界辺eに対して行われると、図4に示すこれに続く処理に戻る。
【0071】
上記説明から明らかなように、ボロノイ図の概念を利用することにより、円cの移動候補位置の探索が非常に簡略化されることがわかる。n個の円の円ボロノイ図は、O(nlogn)の計算時間で作ることができることが、上記非特許文献1に示されている。したがって、上記ステップS521′の処理は、O(nlogn)時間で実行できる。一方、n個の円の円ボロノイ図の境界辺はnに比例する本数しかないので、上記ステップS522′〜ステップS524′の処理は、O(n)時間で実行できる。以上より、図6で示した第2探索処理の計算時間は、O(nlogn)となる。参考までに、上記図5で示した第1探索処理では、O(n)の計算時間を要したので、大きく効率向上していることがわかる。ちなみに、この図6の第2探索処理を、上記図4の探索挿込処理に組み込むと、上記図4の探索挿込処理では、この図6の処理をO(n)回実行するので、図4の探索挿込処理の計算時間はO(nlogn)となる。
【0072】
なお、上記円ボロノイ図の簡便な計算法は、上記非特許文献1記載のラゲールボロノイ図を作り、次に、上記非特許文献2及び上記非特許文献3記載の辺のフリップ操作によって、これを円ボロノイ図に変更する方法である(図7(c)参照)。
【0073】
このように、本実施形態によると、コンピュータを用いて、ワイヤーハーネスを構成する複数の線材を、包含円からはみ出している線材からできるだけ遠くに配置変更し、これによりできたスペースにはみ出している線材を挿し込むという操作を繰り返し計算することにより、複数の線材を囲むワイヤーハーネスの外径が効率的に取得できる。特に、円ボロノイ図の概念を採用することにより、非常に簡便、かつ短時間で、ワイヤーハーネスの外径を取得することができるようになる。
【0074】
なお、上記実施形態では、ワイヤーハーネスの外径を求めるために、半径を出力しているが、これは直径であってもよいことはいうまでもない。また、上記のようにワイヤーハーネスの半径を出力するだけでなく、各線材の配置を示す情報を出力するようにしてもよい。また、p及びεの値は、上記実施形態で示した値に限定されず、本発明の主旨の範囲で適宜変更可能である。
【0075】
【発明の効果】
以上説明したように、請求項1記載の発明によれば、コンピュータを用いて、上記目標円定義工程、探索工程、挿込工程及び第1探索制御工程を繰り返し実行することにより、複数の線材の包含円を徐々に小さくしていく。したがって、複数の線材を囲む円の外径を効率的に取得できる。
【0076】
請求項2記載の発明によれば、円ボロノイ図を利用することにより、挿込試行円の移動候補位置探索が非常に簡便化される。したがって、複数の線材を囲む円の外径を短時間に取得できる。
【0077】
請求項3記載の発明によれば、挿込試行円の挿し込みが不可能である場合には、包含円と現在の目標円との中間的な大きさの目標円を定めたうえで、探索工程に戻す第2探索制御工程を更に含んでいるので、複数の線材を囲む円の外径をより効率的に取得できる。
【0078】
請求項4記載の発明によれば、入力手段にて複数の線材に関する初期情報を入力し、目標円定義手段、探索手段、挿込手段及び第1探索制御手段にて、徐々に複数の線材の包含円を小さくしていき、出力手段にてその包含円の外径を出力する。したがって、複数の線材を囲む円の外径を効率的に取得できる。
【0079】
請求項5記載の発明によれば、包含円及び複数の円のそれぞれの位置情報も出力されるので、複数の線材の配置も含めて、それらを囲む円の外径が効率的に取得できる。
【0080】
請求項6記載の発明によれば、第2探索手段にて円ボロノイ図を利用することにより、挿込試行円の移動候補位置探索が非常に簡便化される。したがって、複数の線材を囲む円の外径を短時間に取得できる。
【0081】
請求項7記載の発明によれば、第2探索制御手段にて挿込試行円の挿し込みが不可能である場合には、包含円と現在の目標円との中間的な大きさの目標円を定めたうえで、探索手段による探索を再度行わせるようにしているので、複数の線材を囲む円の外径をより効率的に取得できる。
【0082】
請求項8記載の発明によれば、コンピュータを、目標円定義手段、探索手段、挿込手段、第1探索制御手段、入力手段及び出力手段として機能させることにより、徐々に複数の線材の包含円を小さくしていき、その包含円の外径を出力させる。したがって、複数の線材を囲む円の外径を効率的に取得できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の算出方法及びその装置を実現するためのハードウエア構成の一例を示すブロック図である。
【図2】本発明の算出方法の一実施形態に係る基本処理手順を示すフローチャートである。
【図3】図3(a)は初期状態を示し、図3(b)は目標円からはみ出した挿込試行円を示し、図3(c)は図3(b)の挿込試行円を目標円の内部に挿し込んだ様子を示し、そして、図3(d)は最終結果を示す図である。
【図4】図2における探索挿込処理を示すフローチャートである。
【図5】第1探索処理を示すフローチャートである。
【図6】第2探索処理を示すフローチャートである。
【図7】図7(a)は円の集合の一例を示す図であり、図7(b)及び図7(c)はそれぞれ、図7(a)の円の集合に対する円ボロノイ図及びラゲール円ボロノイ図である。
【図8】図8(a)は比較的少ない線材で構成されるワイヤーハーネスを示し、図8(b)は比較的多い線材で構成されるワイヤーハーネスを示す図である。
【符号の説明】
1 入力装置
2 入出力インターフェース回路
3 CPU
4 メモリ
5 出力装置
C 包含円
D 目標円
 挿込試行円
 移動円
 境界辺

Claims (8)

  1. コンピュータを用いて、複数の線材を互いに重ならないようにできるだけ小さい円形状に束ねてパッキングしてその外径を取得するための算出方法であって、
    前記複数の線材の断面形状をそれぞれの外形に対応した直径を有する複数の円とみなして、平面上に互いに重ならないように配置される前記複数の円を包含する包含円を想定する包含円想定工程と、
    前記包含円と同じ中心を有し、かつこの包含円より少し小さく、少なくとも、前記複数の円のうちのひとつがはみ出す目標円を定める目標円定義工程と、
    前記目標円からはみ出している円を挿込試行円とし、前記挿込試行円以外の前記複数の円が、互いに重なることなく前記目標円内でできるだけ遠くに移動可能な位置を探索する探索工程と、
    前記探索工程による探索結果に基づいて前記複数の円を配置変更することによりできる前記目標円内のスペースに前記挿込試行円を挿し込む挿込工程と、
    前記挿込試行円のすべてが前記目標円内に挿し込まれた場合には、現在よりも少し小さく、かつ前記挿込試行円を有する新たな前記目標円を定めたうえで、前記探索工程に戻る第1探索制御工程、を含み、
    前記目標円定義工程、前記探索工程、前記挿込工程及び前記第1探索制御工程を繰り返し実行することにより、前記包含円を徐々に小さくしていく、
    ことを特徴とする線材パッキング算出方法。
  2. 請求項1記載の線材パッキング算出方法において、
    前記探索工程では、
    前記挿込試行円及び前記複数の円のうちのひとつを除いた円群と、前記目標円と、で円ボロノイ図を作成し、前記円ボロノイ図における各境界辺を形成する両側円に接する前記ひとつの円の中心が、前記境界辺上にあるか否かを前記挿込試行円以外の前記複数の円に対して調べていくことにより、これらの円が前記目標円内で移動可能である位置を探索する、
    ことを特徴とする線材パッキング算出方法。
  3. 請求項1又は請求項2記載の線材パッキング算出方法において、
    前記目標円定義工程、前記探索工程、前記挿込工程及び前記第1探索制御工程と共に繰り返し実行され、
    前記挿込試行円の挿し込みが不可能である場合には、前記包含円と現在の前記目標円との中間的な大きさであって、かつ前記挿込試行円を有する他の新たな前記目標円を定めたうえで、前記探索工程に戻る第2探索制御工程、
    を更に含むことを特徴とする線材パッキング算出方法。
  4. 複数の線材を互いに重ならないようにできるだけ小さい円形状に束ねてパッキングしてその外径を算出するための装置であって、
    前記複数の線材の断面形状をそれぞれの外形に対応した直径を有する複数の円とみなして、平面上に互いに重ならないように配置される前記複数の円を包含する包含円を想定する包含円想定手段と、
    前記包含円と同じ中心を有し、かつこの包含円より少し小さく、少なくとも、前記複数の円のうちのひとつがはみ出す目標円を定める目標円定義手段と、
    前記目標円からはみ出している円を挿込試行円とし、前記挿込試行円以外の前記複数の円が、互いに重なることなく前記目標円内でできるだけ遠くに移動可能な位置を探索する探索手段と、
    前記探索手段による探索結果に基づいて前記複数の円を配置変更することによりできる前記目標円内のスペースに前記挿込試行円を挿し込む挿込手段と、
    前記挿込試行円のすべてが前記目標円内に挿し込まれた場合には、現在よりも少し小さく、かつ前記挿込試行円を有する新たな前記目標円を定めたうえで、前記探索手段による探索を行わせる第1探索制御手段と、
    前記複数の線材に関する初期情報を入力する入力手段と、
    少なくとも、前記包含円の外径を出力する出力手段と、
    を含むことを特徴とする線材パッキング算出装置。
  5. 請求項4記載の線材パッキング算出装置において、
    前記出力手段は、
    前記包含円及び前記複数の円のそれぞれの位置情報も出力する、
    ことを特徴とする線材パッキング算出装置。
  6. 請求項4又は請求項5記載の線材パッキング算出装置において、
    前記探索手段は、
    前記挿込試行円及び前記複数の円のうちのひとつを除いた円群と、前記目標円と、で円ボロノイ図を作成し、前記円ボロノイ図における各境界辺を形成する両側円に接する前記ひとつの円の中心が、前記境界辺上にあるか否かを前記挿込試行円以外の前記複数の円に対して調べていくことにより、これらの円が前記目標円内で移動可能である位置を探索する第2探索手段、
    を含むことを特徴とするパッキング算出装置。
  7. 請求項4、請求項5、又は請求項6記載の線材パッキング算出装置において、
    前記挿込試行円の挿し込みが不可能である場合には、前記包含円と現在の前記目標円との中間的な大きさであって、かつ前記挿込試行円を有する他の新たな前記目標円を定めたうえで、前記探索手段による探索を行わせる第2探索制御手段、
    を更に含むことを特徴とする線材パッキング算出装置。
  8. 複数の線材を互いに重ならないようにできるだけ小さい円形状に束ねてパッキングしてその外径を算出するために、コンピュータを、
    前記複数の線材の断面形状をそれぞれの外形に対応した直径を有する複数の円とみなして、平面上に互いに重ならないように配置される前記複数の円を包含する包含円を想定する包含円想定手段、
    前記包含円と同じ中心を有し、かつこの包含円より少し小さく、少なくとも、前記複数の円のうちのひとつがはみ出す目標円を定める目標円定義手段、
    前記目標円からはみ出している円を挿込試行円とし、前記挿込試行円以外の前記複数の円が、互いに重なることなく前記目標円内でできるだけ遠くに移動可能な位置を探索する探索手段、
    前記探索手段による探索結果に基づいて前記複数の円を配置変更することによりできる前記目標円内のスペースに前記挿込試行円を挿し込む挿込手段、
    前記挿込試行円のすべてが前記目標円内に挿し込まれた場合には、現在よりも少し小さく、かつ前記挿込試行円を有する新たな前記目標円を定めたうえで、前記探索手段による探索を行わせる第1探索制御手段、
    前記複数の線材に関する初期情報を入力する入力手段、
    少なくとも、前記包含円の外径を出力する出力手段、として機能させる、
    ことを特徴とする線材パッキング算出プログラム。
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