JP4263592B2 - 線材パッキング計算における偏り軽減計算方法、その装置及びそのプログラム - Google Patents

線材パッキング計算における偏り軽減計算方法、その装置及びそのプログラム Download PDF

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本発明は、ワイヤーハーネス等を構成する複数の線材をできるだけコンパクトにパッキング計算した際に生じる、複数の線材の偏りを軽減するための計算方法、その装置及びそのプログラムに関する。
車両や屋内には、複数の線材等の線材が束ねられて構成され、電子機器、電子部品等を電気的に接続するワイヤーハーネスとよばれるワイヤー様構造物が配策されている。このようなワイヤーハーネスは、近年、スペース効率向上等の観点から、電気的特性を低下させず、且つできるだけコンパクトなものが求められている。これにともない、設計段階において、できるだけコンパクト且つ精度良く、実際の断面に近いワイヤーハーネスを計算しておく必要がでてくるが、従来、このための有効な計算方法は特に提案されていなかった。
そこで、本特許出願人らは、下記特許文献1にて、コンピュータを用いて、複数の線材の断面形状に対応する各円を互いに重ならないようにできるだけ小さい円形状に束ねてパッキングしてその外径及び各線材の位置情報を取得するための計算方法を提案した。これにより、従来、計算困難であると考えられていた、複数の円が互いに重ならないようにできるだけ小さい円形状に束ねてパッキングされた際の包含円の計算が可能になった。なお、包含円は、複数の線材が束ねららたワイヤーハーネスの断面に対応するものである。
なお、本出願の発明に関連する先行技術文献情報としては次のものがある。
特願2003−179718号 A.オカベ,B.ブーツ,K.スギハラ アンド S.N.チョイ(A.Okabe, B.Boots, K.Sugihara and S.N.Choi)著,「スペーシアル テセレーションズ−コンセプツ アンド アプリケーションズ オブ ボロノイ ダイアグラムズ(Spatial ステップTessellations−Concepts and Applications of Voronoi Diagrams)」,第2版,ジョン ワイリー アンド サンズ,チチェスター(John Wiley and Sons,Chichester),2000年 D.S.キム アンド K.スギハラ(D.S.Kim and K.Sugihara)著,「ボロノイ ダイアグラム オブ ア サークル セット フロム ボロノイ ダイアグラム オブ ア ポイント セット,I(Voronoi diagram of a circle set from Voronoi diagram of a point set,I)」,第18巻,トポロジー コンピュータ エイディッド ジオメトリック デザイン(ステップTopology Computer Aided Geometric Design),2001年,pp.541−562 D.S.キム アンド K.スギハラ(D.S.Kim and K.Sugihara)著,「ボロノイ ダイアグラム オブ ア サークル セット フロム ボロノイ ダイアグラム オブ ア ポイント セット,II(Voronoi diagram of a circle set from Voronoi diagram of a point set,II)」,第18巻,ジオメトリ.コンピュータ エイディッド ジオメトリック デザイン(Geometry.Computer Aided Geometric Design),2001年,pp.563− 585
ところが、上記特許文献1の方法では、複数の線材をできるだけ小さい円形状に束ねてパッキングすることを主目的としているため、最小に近い包含円を効率的に求めるためには非常に有効であるが、各線材の最適配置までは考慮されていなかった。例えば、図15(a)に示すように、複数の線材の断面形状に対応する各円C11、C12、C13、C14、…、の包含円Cを、上記特許文献1の方法で求めた場合、包含円Cの直径は最小となるが、小円C13、C14、…、が、包含円Cの一箇所に偏ってしまう場合も発生する。
そして、図15(a)のような算出結果に基づいて凸包計算すると、図15(b)に示すようになる。これを複数の線材で構成されるワイヤーハーネスに当てはめると、このワイヤーハーネスの断面形状は、図15(b)に示す凸包V′から明らかなように非常に歪なものとなることがわかる。このような断面形状のワイヤーハーネスに対して、テープ巻き等の外装部材を装着する場合、必要以上に外装部材が必要となったり、装着作業がしづらくなることもある。また、線材の偏りによって、屈曲特性が悪化したり、線材の破損がしやすくなることもあり得る。このような問題までも解決したパッキング計算方法は、未だ提案されてない。
よって本発明は、上述した現状に鑑み、パッキング計算した際に生じる線材の偏りを軽減するための計算方法、その装置及びそのプログラムを提供することを課題としている。
上記課題を解決するためになされた請求項1記載の計算方法は、複数の線材をパッキング計算した際に生じる前記線材の偏りを軽減するための計算方法であって、前記パッキング計算を行うために、複数の線材に対応する複数の円を互いに重ならないように円形状に束ねてパッキングしたときに、前記複数の円のうち2以上の円に外接し、かつ、前記複数の円全てを囲む最小包含円を求めると共に、前記包含円及びこのときの前記複数の円の位置に関する情報を算出する包含円計算工程と、前記包含円計算工程で求めた前記複数の円のそれぞれに対して、前記包含円内の他の任意の2円に外接するような移動位置候補を探索し、前記移動位置候補のうちで、前記包含円の中心に現在よりも近接し、前記他の任意の2円と重なることがなく、且つ、前記包含円の中心に最も近接する移動位置に当該円を移動する移動工程と、少なくとも、前記移動工程で求めた前記複数の円の位置に関する情報を出力する出力工程と、を含むことを特徴とする。
上記課題を解決するためになされた請求項2記載の計算方法は、請求項1記載の計算方法において、前記移動工程で求めた前記複数の円の凸包を求める凸包計算工程、を更に含むことを特徴とする。
上記課題を解決するためになされた請求項3記載の計算方法は、請求項1又は請求項2記載の計算方法において、前記包含円計算工程は、前記複数の線材の断面形状をそれぞれの外形に対応した直径を有する複数の円とみなして、平面上に互いに重ならないように配置される前記複数の円を包含する包含円を想定する包含円想定工程と、前記包含円と同じ中心を有し、かつこの包含円より少し小さく、少なくとも、前記複数の円のうちのひとつがはみ出す目標円を定める目標円定義工程と、前記目標円からはみ出している円を挿込試行円とし、前記挿込試行円以外の前記複数の円が、互いに重なることなく前記目標円内できるだけ遠くに移動可能な位置を探索する探索工程と、前記探索工程による探索結果に基づいて前記複数の円を配置変更することによりできる前記目標円内のスペースに前記挿込試行円を挿し込む挿込工程と、前記挿込試行円のすべてが前記目標円内に挿し込まれた場合には、現在よりも少し小さく、かつ前記挿込試行円を有する新たな前記目標円を定めたうえで、前記探索工程に戻る第1探索制御工程、を含んで構成され、前記目標円定義工程、前記探索工程、前記挿込工程及び前記第1探索制御工程を繰り返し実行することにより、前記包含円を徐々に小さくしていき、前記包含円を求めると共に、この包含円の位置及び前記複数の円の位置に関する情報を算出する、ことを特徴とする。
上記課題を解決するためになされた請求項4記載の計算方法は、請求項1〜請求項3のいずれか一項に記載の計算方法において、前記目標円定義工程、前記探索工程、前記挿込工程及び前記第1探索制御工程と共に繰り返し実行され、前記挿込試行円の挿し込みが不可能である場合には、前記包含円と現在の前記目標円との中間的な大きさであって、かつ前記挿込試行円を有する他の新たな前記目標円を定めたうえで、前記探索工程に戻る第2探索制御工程、を更に含むことを特徴とする。
上記課題を解決するためになされた請求項5記載の計算方法は、請求項1〜請求項4のいずれか一項に記載の計算方法において、前記探索工程では、前記挿込試行円及び前記複数の円のうちのひとつを除いた円群と、前記目標円と、で円ボロノイ図を作成し、前記円ボロノイ図における各境界辺を形成する両側円に接する前記ひとつの円の中心が、前記境界辺上にあるか否かを前記挿込試行円以外の前記複数の円に対して調べていくことにより、これらの円が前記目標円内で移動可能である位置を探索する、ことを特徴とする。
上記課題を解決するためになされた請求項6記載の計算装置は、図1の基本構成図に示すように、複数の線材をパッキング計算した際に生じる前記線材の偏りを軽減するための計算装置であって、前記パッキング計算を行うために、複数の線材に対応する複数の円を互いに重ならないように円形状に束ねてパッキングしたときに、前記複数の円のうち2以上の円に外接し、かつ、前記複数の円全てを囲む最小包含円を求めると共に、前記包含円及びこのときの前記複数の円の位置に関する情報を算出する包含円計算手段3Aと、前記包含円計算手段3Aで求めた前記複数の円のそれぞれに対して、前記包含円内の他の任意の2円に外接するような移動位置候補を探索し、前記移動位置候補のうちで、前記包含円の中心に現在よりも近接し、前記他の任意の2円と重なることがなく、且つ、前記包含円の中心に最も近接する移動位置に当該円を移動する移動手段3Bと、少なくとも、前記移動手段3Bで求めた前記複数の円の位置に関する情報を出力する出力手段3Dと、を含むことを特徴とする。
上記課題を解決するためになされた請求項7記載の計算装置は、図1の基本構成図に示すように、請求項6記載の計算装置において、前記移動手段3Bで求めた前記複数の円の凸包を求める凸包計算手段3C、を更に含むことを特徴とする。
上記課題を解決するためになされた請求項8記載の計算プログラムは、図1の基本構成図に示すように、複数の線材をパッキング計算した際に生じる前記線材の偏りを軽減するために、コンピュータを、前記パッキング計算を行うために、複数の線材に対応する複数の円を互いに重ならないように円形状に束ねてパッキングしたときに、前記複数の円のうち2以上の円に外接し、かつ、前記複数の円全てを囲む最小包含円を求めると共に、前記包含円及びこのときの前記複数の円の位置に関する情報を算出する包含円計算手段3A、前記包含円計算手段3Aで求めた前記複数の円のそれぞれに対して、前記包含円内の他の任意の2円に外接するような移動位置候補を探索し、前記移動位置候補のうちで、前記包含円の中心に現在よりも近接し、前記他の任意の2円と重なることがなく、且つ、前記包含円の中心に最も近接する移動位置に当該円を移動する移動手段3B、少なくとも、前記移動手段3Bで求めた前記複数の円の位置に関する情報を出力する出力手段3D、として機能させる、ことを特徴とする。
請求項1、請求項6及び請求項8記載の発明によれば、複数の線材をパッキングしたときの包含円(以下、請求項における『包含円』とは、複数の円のうち2以上の円に外接し、かつ、前記複数の円全てを囲む最小包含円をいう。)内の複数の円のそれぞれに対して、包含円内の他の任意の2円に外接するような移動位置候補が探索され、移動位置候補のうちで、包含円の中心に現在よりも近接し、他の任意の2円と重なることがなく、且つ、包含円の中心に最も近接する移動位置に当該円が移動される。これにより、包含円内の複数の円が包含円の中心により近接するように寄せ集められる。すなわち、線材の中央寄せが行われる。
請求項2及び請求項7記載の発明によれば、包含円の中心により近接するように寄せ集められた複数の円の凸包が求められる。
請求項3記載の発明によれば、包含円の計算においては、目標円定義工程(手段)、探索工程(手段)、挿込工程(手段)及び第1探索制御工程(手段)が繰り返し実行されて、複数の線材に対する包含円が徐々に小さくされていき、包含円が効率的に求められると共に、この包含円の位置及び複数の円の位置に関する情報も算出されるので、中央寄せの前提となる包含円が効率的に求められる。
請求項4記載の発明によれば、挿込試行円の挿し込みが不可能である場合には、包含円と現在の目標円との中間的な大きさの目標円を定めたうえで、探索工程に戻す第2探索制御工程を更に含んでいるので、中央寄せの前提となる包含円が効率的に求められる。
請求項5記載の発明によれば、円ボロノイ図を利用することにより、挿込試行円の移動候補位置探索が非常に簡便化される。したがって、中央寄せの前提となる包含円が短時間に求められる。
請求項1、請求項6及び請求項8記載の発明によれば、複数の線材をパッキングしたときの包含円内の複数の円のそれぞれに対して、包含円内の他の任意の2円に外接するような移動位置候補が探索され、移動位置候補のうちで、包含円の中心に現在よりも近接し、他の任意の2円と重なることがなく、且つ、包含円の中心に最も近接する移動位置に当該円が移動される。これにより、包含円内の複数の円が包含円の中心により近接するように寄せ集められる。したがって、複数の線材をパッキングしたときの線材の偏りを軽減できる。
請求項2及び請求項7記載の発明によれば、包含円の中心により近接するように寄せ集められた複数の円の凸包が求められる。したがって、線材の偏りが軽減されたワイヤーハーネスに対して、更にテープ巻き等の外装部材の予測や見積もり等も行うことができる。
請求項3記載の発明によれば、包含円の計算においては、目標円定義工程(手段)、探索工程(手段)、挿込工程(手段)及び第1探索制御工程(手段)が繰り返し実行されて、複数の線材に対する包含円が徐々に小さくされていき、包含円が効率的に求められると共に、この包含円の位置及び複数の円の位置に関する情報も算出される。したがって、中央寄せの前提となる包含円をより効率的に求めることができる。
請求項4記載の発明によれば、挿込試行円の挿し込みが不可能である場合には、包含円と現在の目標円との中間的な大きさの目標円を定めたうえで、探索工程に戻す第2探索制御工程を更に含んでいるので、中央寄せの前提となる包含円を更に効率的に求めることができる。
請求項5記載の発明によれば、円ボロノイ図を利用することにより、挿込試行円の移動候補位置探索が非常に簡便化される。したがって、中央寄せの前提となる包含円をより短時間に求めることができる。
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。まず、図2を用いて、本線材パッキング計算方法を実現するためのハードウエア構成を説明する。図2は、本発明の計算方法及びその装置を実現するためのハードウエア構成の一例を示すブロック図である。
図2に示すように、そのハードウエア構成は、公知のパーソナルコンピュータや汎用コンピュータ等で実現される。このコンピュータは、入力装置1、I/O(入出力インターフェース回路)2、CPU(Central Processing Unit)3、メモリ4、出力装置5及びリードライト装置6を含んで構成される。入力装置1、メモリ4、出力装置5及びリードライト装置6は、I/O2等を介して、CPU3に電気的に接続されている。
入力装置1は、後述の処理においてその入力データを投入するのに用いられる、例えば、キーボードやマウスデバイスである。CPU3は、入力装置1や出力装置5等を制御するための制御部31及び後述の本計算方法に係る処理をメモリ4に格納されるプログラムにしたがって行う演算部32を含んでいる。
メモリ4は、後述の本計算方法に係る各処理に対応するプログラム等を格納するプログラムメモリ41及びCPU3が行う各種処理のための作業領域が割り当てられた演算用メモリ42を含んでいる。そして、出力装置5は、CPU3が行った処理結果を出力する、例えば、モニタディスプレイや印字装置である。
リードライト装置6は、CDやDVD等の記録媒体7に格納される本発明に係る偏り計算プログラムを含む、線材パッキング計算プログラム7a(例えば、後述する図3、図6、図7、図8、図9、図10、図12に示すような処理手順のプログラム)を読み込み、これを上記プログラムメモリ41に転送するための装置である。また、リードライト装置6は、計算結果を記録媒体7に書き込む機能も有する。なお、このコンピュータには、図示しないモデムボードやLANカード等の通信インターフェースが含まれていてもよい。
CPU3は、リードライト装置6にて読み込まれた線材パッキング計算プログラム7aをメモリ4のプログラムメモリ41にインストールする。そして、電源投入後には、このプログラム7aが立ちあがり、このコンピュータは偏り計算処理を含む、線材パッキング計算装置として機能する。線材パッキング計算プログラム7aは、上記構成を有する他のパーソナルコンピュータや汎用コンピュータ等にもインストール可能であり、インストール後は、そのコンピュータが線材パッキング計算装置として機能する。
なお、記録媒体7に格納される線材パッキング計算プログラム7aは、請求項8に対応する計算プログラムも含む。線材パッキング計算プログラム7aは、CDやDVD等の記録媒体7のみならず、インターネットや専用回線、LAN等の通信回線を経由して、このコンピュータに提供されたものであってもよい。
次に、図3〜図5を用いて、本発明の一実施形態に係る基本処理手順について説明する。図3は、本発明の計算方法の一実施形態に係る基本処理手順を示すフローチャートである。図4は、配置図及び配置表の例を示す図である。図5(a)は、図3の処理手順による計算結果の例を示す図であり、図5(b)は、図5(a)の計算結果に対して凸包計算した結果の例を示す図である。
本計算方法では、ワイヤーハーネスを構成する複数の線材の断面形状をそれぞれの外形に対応した直径を有する複数の円とみなす。複数の円は、例えば、上述した図15(a)に示したように、C11、C12、C13、C14、…、で表される。
本計算方法では、まず、図3のステップT1において、任意に初期配置されたC11、C12、C13、C14、…、が、例えば、図15(a)に示したようなイメージの配置図(但し、初期配置ではまだこのように偏っていなく分散的である場合が多い)として、そして、その数値情報が、例えば、図4に示すようなイメージの配置表として、出力装置5にて出力される。但し、ここでは、まだ包含円Cは計算されていないので、これに関する情報は出力されない。上記配置図及び配置表は、モニタディスプレイ上への表示のみならずプリントアウトするようにしてもよい。なお、初期配置図は、例えば、図4に示すように、各円に予め割り付けられた電線ID、各円の中心位置(x1、y1)、…、(x5、y5)、…、そして、電線半径r1、…、r3、…、等が含まれる。
次に、ステップT2において、包含円計算処理が行われる。包含円計算処理については、図6以降でS1〜S9として詳細に説明するが、ここで簡単に説明すると、この処理では、上記各円ciを互いに重ならないようにできるだけ小さい円形状に束ねてパッキングしたときの各円ciの包含円を求めると共に、この包含円及びこのときの各円ciの位置に関する情報、例えば、中心位置座標及び半径を算出する。なお、ステップT2は、請求項中の包含円計算工程及び包含円計算手段に対応する。
次に、ステップT3において、ステップT2で計算された包含円C及びこれを構成する円C11、C12、C13、C14、…、が、例えば、図15(a)に示したようなイメージの配置図として、そして、その数値情報が、例えば、図4に示すようなイメージの配置表として、出力装置5にて出力される。ここでは、計算された包含円C及びこれに関連する情報、すなわち、包含円Cの中心位置(X1、Y1)やその半径R1も追加される。
次に、ステップT4において、上記ステップT2の包含円計算処理の結果に対して、中央寄せ計算処理が行われる。中央寄せ計算処理については、図12以降でステップP1〜ステップP5として詳細に説明するが、ここで簡単に説明すると、この処理では、上記ステップT2の包含円計算処理で求めた複数の円C11、C12、C13、C14、…、のそれぞれに対して、包含円C内の他の任意の2円に外接するように移動試行し、移動試行の結果、包含円Cの中心により近接し、且つ、他の任意の2円と重なることのない場合にのみ、当該円を試行した位置に移動する。このような、中央寄せ計算処理の結果は、例えば、図5(a)に示すようになる。なお、ステップT4は、請求項中の移動工程及び移動手段に対応する。
次に、ステップT5において、上記ステップT4の中央寄せ計算処理の結果に対して、凸包計算が行われる。この凸包計算については、周知の手法が利用可能である。凸包計算の結果は、例えば、図5(b)に示すようになる。したがって、偏りが軽減されたワイヤーハーネスに対して、テープ巻き等の外装部材の予測や見積もり等も行うことができる。なお、ステップT5は、請求項中の凸包計算工程及び凸包計算手段に対応する。
そして、ステップT6において、ステップT4による中央寄せ計算処理の結果及びステップT5による凸包計算の結果が出力される。中央寄せ計算処理の結果としては、包含円C及びこれを構成する円C11、C12、C13、C14、…、が、例えば、図5(a)に示すようなイメージの配置図として、そして、その数値情報が、例えば、図4に示すようなイメージの配置表として、出力装置5にて出力される。ここでも、計算された各円C11、C12、C13、C14、…、包含円C及びこれに関連する情報、すなわち、それらの中心位置やその半径が出力される。また、凸包計算の結果としては、複数の円C11、C12、C13、C14、…、及びこれらの凸包Vが、例えば、図5(b)に示すようなイメージの凸包図として出力装置5にて出力される。なお、凸包計算後の複数の円C11、C12、C13、C14、…、の数値情報は、上記中央寄せ計算処理の結果と同様なので必ずしも出力する必要はない。
次に、図6〜図11を用いて、図3におけるステップT2の包含円計算処理について詳細に説明する。そこで、まず、図6を用いて、この包含円計算処理の基本処理手順について説明する。図6は、包含円計算処理に係る基本処理手順を示すフローチャートである。
本計算処理では、ワイヤーハーネスを構成する複数の線材の断面形状をそれぞれの外形に対応した直径を有する複数の円とみなし、これら円を断面にもつn本の円柱を束ねた時、その全体を囲む円の大きさを調べるという問題に帰着させる。実際的には、上記コンピュータを用いて、複数の線材をできるだけ小さい円形状に束ねてパッキングしてその外径を取得するための有効な計算方法を考える。なお、図6〜図11においては、本包含円計算処理を汎用的に理解するために、図4及び図5で示した各円ciとはその大きさ、その数及びその配置を若干変えて記載している。
図6に示す基本処理においては、入力情報としては、ワイヤーハーネスを構成する線材等の複数の線材の断面形状をそれぞれの外形に対応したn個の円c1、c2、…、cnの半径r1、r2、…、rn、1より小さくて十分1に近い数p、例えば、p=0.95、及び十分小さい正数である終了基準値ε、例えば、終了基準値ε=min((r1、r2、…、rn)/100)が与えられる。
また、出力情報としては、n個の円c1、c2、…、cnを互いに重ならないように詰め込める、なるべく小さい円の半径R、及びこのときの円C、円c1、c2、…、cnの位置情報が出力される。
このため、図6に示すステップS1においては、まず、円c1、c2、…、cnを互いに重ならないように平面上に配置し、それらを囲む大円、すなわち包含円Cを見つける。
次に、ステップS2、ステップS3及びステップS4においては、上記包含円Cと同じ中心を持ち、半径が包含円Cの上記p倍である円、すなわち、目標円Dを定める。すなわち、ステップS2、ステップS3のN及びステップS4からなるループでは、包含円Cと同じ中心を有し、且つこの包含円Cより少し小さく、少なくとも、複数の円c1、c2、…、cnのうちのひとつが包含円Cからはみ出すような目標円Dを定める。なお、以下の処理過程では、円c1、c2、…、cnが目標円Dの中に入るように配置を変更していく。
次に、ステップS5においては、探索挿込処理を行う。すなわち、ここでは、目標円Dからはみ出している任意のひとつの円ciから、距離の大きい順に円ci以外の円を取り出し、より遠くへ置けるものはできるだけ遠くへ移動させ、そのような移動ができない場合は現位置に残す。そして、このような移動によりできたスペースにひとつのこの円ciを移動する、すなわち、挿し込むことを試みる。なお、このステップS5の処理については、図8〜図11を用いて後で説明を加える。
次に、ステップS6においては、上記ステップS5における円ciの挿し込みが成功したか否かを判定し、成功の場合はステップS3に戻り(ステップS6のY)、さもなければステップS7に進む(ステップS6のN)。ステップS3に戻ると、他にはみ出している円があるか否を判定し、これがあればこのはみ出している円に対して再度ステップS5の探索挿込処理を行い、なければステップS4に進んで上記と同様の処理を行うことになる。
一方、ステップS7においては、上記包含円Cと挿込みが成功しなかった上記目標円Dとの中間の大きさの円を、新たに目標円Dに定める。次に、ステップS8において、上記ステップS7の処理に用いられた包含円及び目標円Dのそれぞれの半径の差が上記終了基準値ε以下か否かを判定し、この差が終了基準値εより大きければ上記ステップS3に戻り上記と同様の処理を繰り返し(ステップS8のN)、この差が終了基準値ε以下であればステップS9に進む(ステップS8のY)。
ステップS9においては、この包含円Cの半径を最終的な、ワイヤーハーネスの半径Rとしてこれを算出する。また、このときの包含円C及び各円c1、c2、…、cnの位置情報も算出する。これら算出結果は、上記図3で示したステップT6の処理のために受け渡される。なお、上記p及び終了基準値εを適宜、若干変更してもよい。
上記処理手順による各円のふるまいを図7を用いて示す。図7は、図6の処理手順によるふるまいを示す図であり、特に、図7(a)は初期状態を示し、図7(b)は目標円からはみ出した挿込試行円を示し、図7(c)は図7(b)の挿込試行円を目標円の内部に挿し込んだ様子を示し、そして、図7(d)は最終結果を示す図である。
図7(a)においては、与えられたn個の円ciの初期配置と、それらを囲む包含円Cが示されている。図7(b)においては、処理の途中の状態が示され、現在得られている包含円Cより少し小さい目標円D、及びこの目標円Dからはみ出す円のひとつであり、挿し込みが試行される挿込試行円cnが示されている。
また、図7(c)においては、図7(b)で示した挿込試行円cnに対して、図6に示したステップS5の探索挿込処理が施されたあとの状態が示されている。なお、図7(c)中、円mi(粗斜線を囲む円群)は、上記探索挿込処理において挿込試行円cnを挿し込むために移動した移動円群を示している。なお、この図からわかるように、他のはみ出している円も、挿込試行円cnの挿込処理の過程で、目標円Dに入ることもある。そして、図7(d)においては、すべてのはみだしている円に対して、挿込処理が行われた結果が示されている。
このように、ワイヤーハーネスを構成する複数の線材を、包含円からはみ出している線材からできるだけ遠くに配置変更し、これによりできたスペースにはみ出している線材を挿し込むという操作を繰り返し計算することにより、複数の線材を囲むワイヤーハーネスの外径が効率的に取得される。
次に、上記図6のステップS5の探索挿込処理について、図8を用いて説明を加える。図8は、図6における探索挿込処理を示すフローチャートである。
図8に示す探索挿込処理においては、入力情報として、n個の円ciの半径riと、それらの中心(xi、yi)、i=1、2、…、n、及び目標円Dが与えられる。但し、n個の円ciは互いに重なることはなく、また最後の円cnは目標円Dからはみ出しているとする。なお、この他にもはみ出している円があってもよい。
また、出力情報としては、既に目標円D内に入っている円をこの目標円Dからはみ出させることなく、最後の円cnを目標円D内へ挿し込むことができるなら成功結果としてそれを実現するn個の円の中心位置が出力され、できないなら失敗結果としてその旨示すメッセージが出力される。
まず、探索挿込処理のステップS51においては、n個の円ciを、上記最後の円cnから遠い順に並べ替える。この順は、詳しくは、n個の円ciのそれぞれの中心と、最後の円cnの中心と、の距離に基づく。そして、ここで、並び替えた結果の円番号を、簡単のために、新ためてc1、c2、…、cnとする。なお、以下、この最後の円を挿込試行円とよぶ。
次に、i=1、2、…、n−1に対して、ステップS52〜ステップS54a(又はステップS54b)に示す処理を行う。ステップS52においては、探索処理を行う。すなわち、円ciが、目標円D内で他の円と重ならずに移動可能な移動候補位置を探索する。詳しくは、この探索処理では、図9に示す第1探索処理、又は図10に示す第2探索処理が行われる。第1探索処理では、円ciが目標円D内で他の円と重ならずに、現在の円ciの位置より、挿込試行円cnから遠くなるような移動候補位置を探索する。また、図10に示す第2探索処理では、円ボロノイ図の概念を用いて、円ciが目標円D内で他の円と重ならずに移動可能な移動候補位置を探索する。これらについては後述する。
そして、ステップS53及びステップS54a、ステップS54bにおいては、上記探索処理にて移動候補位置があればその中で挿込試行円cnから最も遠い位置へ円ciを移動し(ステップS53のY、ステップS54a)、移動候補位置がなければ円ciを現在位置に残す(ステップS53のN、ステップS54b)。このような処理が、i=1、2、…、n−1に対して行われた後、ステップS55に進む。なお、上記ステップS52〜ステップS54が請求項の探索工程に対応している。
次に、ステップS55においては、上記ステップS52〜ステップS54a(又はステップS54b)からなるループ処理にてできた目標円D内のスペースに対しての、挿込試行円cnの挿し込みを試行する。
そして、ステップS56及びステップS57a、ステップS57bにおいては、上記挿し込みの試行により挿し込みが成功すれば、挿込試行円cnをそこへ移動し(ステップS56のY、ステップS57a)、挿し込みができなければ、その旨示すメッセージを出力する(ステップS56のN、ステップS57b)。なお、上記成功時には、それを実現するn個の円の中心位置が出力される。そして、これらステップS51〜ステップS57a(又はステップS57b)からなる一連の処理が終了すれば、図6に示すこれに続く処理に戻る。
更に、図9及び図10を用いて、上記探索処理の2例について説明を加える。まず、第1探索処理を図9を用いて説明する。図9は、第1探索処理を示すフローチャートである。
図9の第1探索処理においては、n個の円ciを移動するスペースがあった時、上記挿込試行円cnから最も遠くへ移動した状態では、円ciは2つの円に接しているはずであるということに着目している。但し、この接する2つの円のうちのひとつは、上記目標円Dの場合もある。そこで、ここでは、与えられたn個の円ciと目標円Dの全体がなす集合をS={c1、c2、…、cn、D}とおく。そして、円ci以外の全ての2つの円cj、ck∈Sに対して、以下のステップS521〜ステップS529に示す処理を行う。
まず、ステップS521においては、半径riの円ciが、円cjと円ckの両方に接する位置を探す。但し、円cj又は円ckが目標円D以外の円なら外側から接し、目標円Dなら内側から接するものとする。そのような位置は、高々、2個しかなく、その場合の中心をそれぞれ(x′i、y′i)、(x″i、y″i)とする。
次に、ステップS522においては、上記2個のうちの一方の位置に移動させると、円ciは現在位置よりも挿込試行円Cnから遠くなるか否かを判定する。すなわち、一方の中心(x′i、y′i)から挿込試行円Cnの中心までの距離X′と、現在位置の円ciの中心から挿込試行円Cnの中心までの距離Xと、を比較し、距離X′が距離Xより大きければステップS523に進み(ステップS522のY)、さもなければ後述するステップS526に進む(ステップS522のN)。
ステップS523においては、円ci、円cj、円ck及び目標円D以外の全ての円に対して、半径riの円ciを上記中心(x′i、y′i)に置いた時、重なるか否かを調べ、その重なりをステップS524において判定する。ここで、どの円とも重ならないと判定されればステップS525に進み(ステップS524のN)、ステップS525において上記中心(x′i、y′i)を円ciの移動候補位置のひとつに加え、さもなければステップS526に進む(ステップS524のY)。
更に、上記一方の中心(x′i、y′i)を他方の中心(x″i、y″i)に置き換えて、上記ステップS522〜ステップS525と同様、以下のステップS526〜ステップS529の処理を行う。ステップS526においては、上記2個のうちの他方の位置に移動させると、円ciは現在位置よりも挿込試行円Cnから遠くなるか否かを判定する。すなわち、他方の中心(x″i、y″i)から挿込試行円Cnの中心までの距離X″と、現在位置の円ciの中心から挿込試行円Cnの中心までの距離Xと、を比較し、距離X″が距離Xより大きければステップS527に進み(ステップS526のY)、さもなければ直接次に進む(ステップS526のN)。
ステップS527においては、円ci、円cj、円ck及び目標円D以外の全ての円に対して、半径riの円ciを上記中心(x″i、y″i)に置いた時、重なるか否かを調べ、その重なりをステップS528において判定する。ここで、どの円とも重ならないと判定されればステップS529に進み(ステップS528のN)、ステップS529において上記中心(x″i、y″i)を円ciの移動候補位置のひとつに加え、さもなければ直接次に進む(ステップS528のY)。このような処理が、円ci以外の全ての2つの円cj、ckに対して行われると、図8に示すこれに続く処理に戻る。
このような、第1探索処理を用いることにより、従来、図8で示した方法や経験により行っていたワイヤーハーネスの外径の計算が改善されて、より正確に行えるようになる。したがって、ワイヤーハーネスの設計の一助となる。その一方で、第1探索処理を用いると、計算量が膨大になるという問題も生じる。すなわち、上記図9に示した第1探索処理では、円ci、円cj、円ckの組に対して、上記のような操作を行うので、その計算時間はO(n3)となる。上記図8の探索挿入処理では、これをすべてのi=1、2、…、nに対して行うので、その計算時間はO(n4)となる。更に、図6の処理では、これを組み込んで繰り返し処理が行われるので、全体の計算量は、膨大なものになってしまう。これを以下の図10に示す第2探索処理では改善する。
図10は、第2探索処理を示すフローチャートである。図11(a)は円の集合の一例を示す図であり、図11(b)及び図11(c)はそれぞれ、図11(a)の円の集合に対する円ボロノイ図及びラゲール円ボロノイ図である。
まず、この第2探索処理の基本的な考え方を示す。この第2探索処理においては、公知のボロノイ図の概念を利用して、挿込試行円ciの移動候補位置の探索を効率化する。すなわち、上記第1探索処理においては、この円ciの移動候補位置を求めるために、すべての円の組cj、ckと接する位置を求めたが、ボロノイ図の概念を利用すると、その候補を限定することができる。
平面上に互いに重ならない有限個の円が与えられた時、どの円に最も近いかによって平面を分割することができる。この分割図形は円ボロノイ図とよばれ、これは、上記非特許文献1にも示されている。
例えば、図11(a)に示される円群に対する円ボロノイ図は、図11(b)に示す通りである。図11(b)におけるボロノイ辺とよばれる境界辺ej上の点は、2つの円ck、clから等しい距離にあって、他の円はもっと遠くにあるという性質を持っている。したがって、2つ円ck、clに接し、他の円と重ならない円は、円ボロノイ図の境界辺ej上に中心をもつことになる。よって、円ciの移動候補位置は、円ボロノイ図の境界辺ejを挟む2つの円ck、clの組だけに対して探せばよい。n個の円の円ボロノイ図の境界辺ejの数はnに比例する本数だから、検索すべき円ck、clの組は、上記図9の第1探索処理がO(n2)であるのに対し、ここでは、O(n)になる。
更に、2つの円ck、clと接する円ciの移動位置候補に対して、上記図9の第1探索処理では、円ci以外のすべての円cj、ckとの重なりの検査を行ったが、ここでは、その必要もなくなる。すなわち、円ciの移動候補位置が、境界辺ej上にあるか否かを調べれば十分である。なぜなら、境界辺ej上にあれば、他の円と重なることはなく、境界辺ej上になければ他の円と重なることが、円ボロノイ図の性質から導かれるからである。したがって、O(n)の検査時間をO(1)にすることができる。
このような考え方に基づく、第2探索処理の処理手順は以下の図10に示すようになる。図10のステップS521′においては、まず、上記円集合S−{ci}、すなわち、円ci以外の全円に対する円ボロノイ図を作る。ここで、この円集合S−{ci}はn個の円で構成されるので、境界辺の数もnに比例する。
そして、各境界辺ej、(j=1、2、…、n)に対して、以下のステップS522′〜ステップS525′の処理を行う。
ステップS522′においては、境界辺ejの両側の円ck、clに接する半径riの円c′iを作る。但し、ここでも、円ck又は円clが目標円D以外の円なら外側から接し、目標円Dなら内側から接するものとする。なお、そのような円は、高々、2個、存在する。
そして、ステップS523′において上記のように接する半径riの円c′iが有りと判定され(ステップS523′のY)、更にステップS524′においてその中心が境界辺ej上に有ると判定されれば(ステップS524′のY)、ステップS525′に進んでこの円c′iを円ciの移動候補位置に加える。さもなければ、直接次に進む(ステップS523′のN、ステップS524′のN)。このような処理が、すべての境界辺ejに対して行われると、図8に示すこれに続く処理に戻る。
上記説明から明らかなように、ボロノイ図の概念を利用することにより、円ciの移動候補位置の探索が非常に簡略化されることがわかる。n個の円の円ボロノイ図は、O(nlogn)の計算時間で作ることができることが、上記非特許文献1に示されている。したがって、上記ステップS521′の処理は、O(nlogn)時間で実行できる。一方、n個の円の円ボロノイ図の境界辺はnに比例する本数しかないので、上記ステップS522′〜ステップS524′の処理は、O(n)時間で実行できる。以上より、図10で示した第2探索処理の計算時間は、O(nlogn)となる。参考までに、上記図9で示した第1探索処理では、O(n3)の計算時間を要したので、大きく効率向上していることがわかる。ちなみに、この図10の第2探索処理を、上記図8の探索挿込処理に組み込むと、上記図8の探索挿込処理では、この図10の処理をO(n)回実行するので、図8の探索挿込処理の計算時間はO(n2logn)となる。
なお、上記円ボロノイ図の簡便な計算法は、上記非特許文献1記載のラゲールボロノイ図を作り、次に、上記非特許文献2及び上記非特許文献3記載の辺のフリップ操作によって、これを円ボロノイ図に変更する方法である(図11(c)参照)。
このように、本包含円計算処理によると、コンピュータを用いて、ワイヤーハーネスを構成する複数の線材を、包含円からはみ出している線材からできるだけ遠くに配置変更し、これによりできたスペースにはみ出している線材を挿し込むという操作を繰り返し計算することにより、複数の線材を囲むワイヤーハーネスの外径が効率的に取得できる。特に、円ボロノイ図の概念を採用することにより、非常に簡便、且つ短時間で、ワイヤーハーネスの外径を取得することができるようになる。
更に、図12〜図14を用いて、図3におけるステップT4の中央寄せ計算処理について詳細に説明する。図12は、中央寄せ計算処理に係る処理手順を示すフローチャートである。図13(a)〜図13(c)は、中央寄せ計算処理における各円の振る舞いを示す図である。図14は、中央寄せ計算処理を補足説明するための図である。
中央寄せ計算処理は以下の基本処理手順にしたがう。
1.ある円Ciについて、任意の2円に接する位置で、包含円の中心から一番近い位置に移動する。任意の2円の組み合わせは、自円を除くすべての円の組み合わせについて行う。
(ア)移動した結果、現在の位置より包含円の中心から遠くなる場合には移動しない。
(イ)移動した結果、他の円と重なる場合には移動しない。
2.全ての円について上記1を行う。
フローチャートを用いてより具体的に説明すると、図12のステップP1においては、包含円C内の複数の円C1、C2、C3、C4、C5、…、CmのうちのひとつCiに対して移動位置を探索する。例えば、図13(a)のC1については、図13(b)の点線で示すように、C1以外の全ての2円の組み合わせに基づく、複数の移動位置候補が探索される。なお、任意の2円に接する円、例えば、図14の点線で示すように、2円C2、C3に接する円C1は2つ存在するが、図13では、図をみやすくするため、一方を省略している。
そして、ステップP2〜ステップP4において、上記探索した円Ci(例えば、C1)の移動位置候補のうちで、包含円Cの中心Pから遠ざかることなく(ステップP2のN)、この円Ci以外の円と重なることがなく(ステップP3のN)、最も包含円Cの中心Pに近接する移動位置にこの円Ciを移動する(ステップP4)。すなわち、ステップP2でY又はステップP3でYの場合には、この円Ciの移動は実行されない。
そして、このような処理が、全ての円C1、C2、C3、C4、C5、…、Cmについて試行され、これが終了すると、図3の処理に戻る。
このように、本中央寄せ計算処理によれば、例えば、図6〜図11で説明した特許文献1に基づく処理手順を用いて、複数の線材をパッキングしたときに算出される包含円C内の複数の円Ciのそれぞれに対して、包含円C内の他の任意の2円に外接するような移動位置候補が探索され(ステップP1)、移動位置候補のうちで、包含円Cの中心Pに現在よりも近接し(ステップP2のN)、他の任意の2円と重なることがなく(ステップP3のN)、且つ、包含円Cの中心Pに最も近接する移動位置に当該円が移動される(ステップP4)。これにより、包含円C内の複数の円が包含円の中心Pにより近接するように寄せ集められる。したがって、複数の線材をパッキングしたときの線材の偏りを軽減できる。
なお、上記実施形態においては、パッキング計算を特許文献1の処理手順を利用する例を示したが、本発明は、パッキング計算をこれに限定するものでない。なお、例示したパッキング計算において、ワイヤーハーネスの外径を求めるために、半径を出力しているが、これは直径であってもよいことはいうまでもない。また、包含円計算処理におけるp及びεの値は、上記実施形態で示した値に限定されず、本発明の主旨の範囲で適宜変更可能である。更に、本発明は、車両内に配策されるワイヤーハーネスのみならず、屋内等に配策されるワイヤーハーネスにも同様に適用可能である。
本発明の基本構成を示すブロック図である。 本発明の計算方法及びその装置を実現するためのハードウエア構成の一例を示すブロック図である。 本発明の計算方法の一実施形態に係る基本処理手順を示すフローチャートである。 配置図及び配置表の例を示す図である。 図5(a)は、図3の処理手順による計算結果の例を示す図であり、図5(b)は、図5(a)の計算結果に対して凸包計算した結果の例を示す図である。 包含円計算処理に係る基本処理手順を示すフローチャートである。 図7(a)は初期状態を示し、図7(b)は目標円からはみ出した挿込試行円を示し、図7(c)は図7(b)の挿込試行円を目標円の内部に挿し込んだ様子を示し、そして、図7(d)は最終結果を示す図である。 図6における探索挿込処理を示すフローチャートである。 第1探索処理を示すフローチャートである。 第2探索処理を示すフローチャートである。 図11(a)は円の集合の一例を示す図であり、図11(b)及び図11(c)はそれぞれ、図11(a)の円の集合に対する円ボロノイ図及びラゲール円ボロノイ図である。 中央寄せ計算処理に係る処理手順を示すフローチャートである。 図13(a)〜図13(c)は、中央寄せ計算処理における各円の振る舞いを示す図である。 中央寄せ計算処理を補足説明するための図である。 図15(a)は、パッキング計算により、偏りが発生した例を示す図であり、図15(b)は、図15(a)の計算結果に対して凸包計算した結果の例を示す図である。
符号の説明
1 入力装置
2 入出力インターフェース回路
3 CPU
4 メモリ
5 出力装置
C 包含円
D 目標円
n 挿込試行円
n 移動円
j 境界辺

Claims (8)

  1. 複数の線材をパッキング計算した際に生じる前記線材の偏りを軽減するための計算方法であって、
    前記パッキング計算を行うために、複数の線材に対応する複数の円を互いに重ならないように円形状に束ねてパッキングしたときに、前記複数の円のうち2以上の円に外接し、かつ、前記複数の円全てを囲む最小包含円を求めると共に、前記包含円及びこのときの前記複数の円の位置に関する情報を算出する包含円計算工程と、
    前記包含円計算工程で求めた前記複数の円のそれぞれに対して、前記包含円内の他の任意の2円に外接するような移動位置候補を探索し、前記移動位置候補のうちで、前記包含円の中心に現在よりも近接し、前記他の任意の2円と重なることがなく、且つ、前記包含円の中心に最も近接する移動位置に当該円を移動する移動工程と、
    少なくとも、前記移動工程で求めた前記複数の円の位置に関する情報を出力する出力工程と、
    を含むことを特徴とする線材パッキング計算における偏り軽減計算方法。
  2. 請求項1記載の計算方法において、
    前記移動工程で求めた前記複数の円の凸包を求める凸包計算工程、
    を更に含むことを特徴とする線材パッキング計算における偏り軽減計算方法。
  3. 請求項1又は請求項2記載の計算方法において、
    前記包含円計算工程は、
    前記複数の線材の断面形状をそれぞれの外形に対応した直径を有する複数の円とみなして、平面上に互いに重ならないように配置される前記複数の円を包含する包含円を想定する包含円想定工程と、前記包含円と同じ中心を有し、かつこの包含円より少し小さく、少なくとも、前記複数の円のうちのひとつがはみ出す目標円を定める目標円定義工程と、前記目標円からはみ出している円を挿込試行円とし、前記挿込試行円以外の前記複数の円が、互いに重なることなく前記目標円内できるだけ遠くに移動可能な位置を探索する探索工程と、前記探索工程による探索結果に基づいて前記複数の円を配置変更することによりできる前記目標円内のスペースに前記挿込試行円を挿し込む挿込工程と、前記挿込試行円のすべてが前記目標円内に挿し込まれた場合には、現在よりも少し小さく、かつ前記挿込試行円を有する新たな前記目標円を定めたうえで、前記探索工程に戻る第1探索制御工程、を含んで構成され、前記目標円定義工程、前記探索工程、前記挿込工程及び前記第1探索制御工程を繰り返し実行することにより、前記包含円を徐々に小さくしていき、前記包含円を求めると共に、この包含円の位置及び前記複数の円の位置に関する情報を算出する、
    ことを特徴とする線材パッキング計算における偏り軽減計算方法。
  4. 請求項1〜請求項3のいずれか一項に記載の計算方法において、
    前記目標円定義工程、前記探索工程、前記挿込工程及び前記第1探索制御工程と共に繰り返し実行され、
    前記挿込試行円の挿し込みが不可能である場合には、前記包含円と現在の前記目標円との中間的な大きさであって、かつ前記挿込試行円を有する他の新たな前記目標円を定めたうえで、前記探索工程に戻る第2探索制御工程、
    を更に含むことを特徴とする線材パッキング計算における偏り軽減計算方法。
  5. 請求項1〜請求項4のいずれか一項に記載の計算方法において、
    前記探索工程では、
    前記挿込試行円及び前記複数の円のうちのひとつを除いた円群と、前記目標円と、で円ボロノイ図を作成し、前記円ボロノイ図における各境界辺を形成する両側円に接する前記ひとつの円の中心が、前記境界辺上にあるか否かを前記挿込試行円以外の前記複数の円に対して調べていくことにより、これらの円が前記目標円内で移動可能である位置を探索する、
    ことを特徴とする線材パッキング計算における偏り軽減計算方法。
  6. 複数の線材をパッキング計算した際に生じる前記線材の偏りを軽減するための計算装置であって、
    前記パッキング計算を行うために、複数の線材に対応する複数の円を互いに重ならないように円形状に束ねてパッキングしたときに、前記複数の円のうち2以上の円に外接し、かつ、前記複数の円全てを囲む最小包含円を求めると共に、前記包含円及びこのときの前記複数の円の位置に関する情報を算出する包含円計算手段と、
    前記包含円計算手段で求めた前記複数の円のそれぞれに対して、前記包含円内の他の任意の2円に外接するような移動位置候補を探索し、前記移動位置候補のうちで、前記包含円の中心に現在よりも近接し、前記他の任意の2円と重なることがなく、且つ、前記包含円の中心に最も近接する移動位置に当該円を移動する移動手段と、
    少なくとも、前記移動手段で求めた前記複数の円の位置に関する情報を出力する出力手段と、
    を含むことを特徴とする線材パッキング計算における偏り軽減計算装置。
  7. 請求項6記載の計算装置において、
    前記移動手段で求めた前記複数の円の凸包を求める凸包計算手段、
    を更に含むことを特徴とする線材パッキング計算における偏り軽減計算装置。
  8. 複数の線材をパッキング計算した際に生じる前記線材の偏りを軽減するために、コンピュータを、
    前記パッキング計算を行うために、複数の線材に対応する複数の円を互いに重ならないように円形状に束ねてパッキングしたときに、前記複数の円のうち2以上の円に外接し、かつ、前記複数の円全てを囲む最小包含円を求めると共に、前記包含円及びこのときの前記複数の円の位置に関する情報を算出する包含円計算手段、
    前記包含円計算手段で求めた前記複数の円のそれぞれに対して、前記包含円内の他の任意の2円に外接するような移動位置候補を探索し、前記移動位置候補のうちで、前記包含円の中心に現在よりも近接し、前記他の任意の2円と重なることがなく、且つ、前記包含円の中心に最も近接する移動位置に当該円を移動する移動手段、
    少なくとも、前記移動手段で求めた前記複数の円の位置に関する情報を出力する出力手段、として機能させる、
    ことを特徴とする線材パッキング計算における偏り軽減計算プログラム。
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