JP2004127805A - プラズマディスプレイの枯化冷却方法および枯化冷却装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】PDPパネル20の下方に配置させPDPパネル20の背面と平行に移動する送風機2を設け、一つのモ−タ4により送風機2から送られる空気をPDPパネルの背面を一様に吹き付けながら送風機2を往復移動させることにより、PDPパネルの部分的温度上昇は抑制される。
【選択図】 図1
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、プラズマディスプレイ(以下、「PDP」と呼ぶ)の枯化(エ−ジング)中にPDPのパネルを冷却するPDPの枯化冷却方法および枯化冷却装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
一般に、PDPは、放電ガスを封入し、パネルに組立後に、所定時間にわたり継続的に表示面内の全ての放電セルを点灯させエ−ジングが行われている。このエ−ジングを行うことによって誘電体層の表層部が物理的および化学的に清浄化され、放電開始電圧が下がって駆動が容易になるとともに放電が安定化する。
【0003】
このように、PDPでは、プラズマ放電を利用して画像表示を行うため、画像表示しているガラス部分は、プラズマ放電に起因して相当の発熱がある。特に、この発熱量は、表示画像の明暗に応じた量であるため、パネルの全面として見れば、画像表示に応じた局所的な温度の不均一が生じる。その結果、ガラス基板に部分的に大きな熱歪みが生じ、ガラス基板に割れが生ずるという問題がある。このため、長時間セルを点灯させるエ−ジング装置では、パネルの背面にファンを配置し強制的にパネルを冷却する必要があった。
【0004】
このエ−ジング中にパネルを冷却装置には、特に専用の設備がなく、パネルと同等の大きさの板部材に小型のファンを複数取り付けた簡単なものが用いられていた。そして、架台の上にパネルのエ−ジングトレイを載せ、下方に冷却装置を配置し、エ−ジングトレイに取付けられたPDPパネルの全てのセルに通電し、ファンの送風によりPDPパネルを冷却しながらエ−ジングを行っていた。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、この簡便な冷却装置では、板部材に取付けられるファンがが点在して配置されるので、ファンの配置されていない部分が温度上昇し送風されている部分が冷却するという温度ムラが生じるという問題があった。この温度ムラが時間の経過に伴って大きくなり、PDPのガラス板に亀裂が生じ、枯化時間に至るまでに破壊されるという問題がある。
【0006】
また、この冷却装置は効率が悪く、しかも複数のファンを同時に稼働させることは、エネルギ−の消耗が大きく運用コストが高くなるという欠点がある。
【0007】
従って、本発明の目的は、省資源で運用できるとともにPDPパネル表面に亀裂を生じさせることなくPDPパネルを枯化できるプラズマディスプレイの枯化冷却方法および枯化冷却装置を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明の特徴は、プラズマディスプレイパネルの各側面を押さえ固定するクランパと各クランパを介して前記プラズマディスプレイパネルの各電極に通電し前記プラズマディスプレイパネルを枯化させるエ−ジングトレイと、前記プラズマディスプレイパネルの背面に向け空気を送風する送風機とを備え、前記プラズマディスプレイパネルと平行に前記送風機を移動させながら送風することにより前記プラズマディスプレイパネルを冷却するプラズマディスプレイの枯化冷却方法である。また、
前記送風機の移動は往復移動であることが望ましい。
【0009】
本発明の他の特徴は、プラズマディスプレイパネルの各側面を押さえ固定するクランパと各クランパを介して前記プラズマディスプレイパネルの各電極に通電し前記プラズマディスプレイパネルを枯化させるエ−ジングトレイと、前記プラズマディスプレイの背面に向け空気を送風する送風機と、前記プラズマディスプレイと平行に前記送風機を移動させる移動機構とを備えるプラズマディスプレイ枯化冷却装置である。
【0010】
また、前記プラズマディスプレイと平行に前記送風機が往復移動させる切替機構を備えることが望ましい。さらに、前記移動機構の動力源は、前記送風機を回転させるモ−タから得ることが望ましい。一方、好ましくは、前記送風機の送風口が、前記送風機の移動方向と直交する方向に伸びる矩形状であるとともに前記プラズマディスプレイパネルの前記方向の辺の長さより稍長いことである。また、前記送風機は、一台であることが望ましい。
【0011】
【発明の実施の形態】
次に、本発明について図面を参照して説明する。
【0012】
図1は本発明の一実施の形態におけるプラズマディスプレイ枯化冷却装置を示す斜視図である。このプラズマディスプレイ枯化冷却装置は、図1に示すように、PDPパネル20の各側面を押さえ固定するクランパ1a,1b,1c,1dと、各クランパ1a,1b,1c,1dを介してPDPパネル20の各電極に通電し前記プラズマディスプレイパネルを枯化させるエ−ジングトレイ1と、架台3の下方に配置されPDPパネル20の背面に向け空気を送風する送風機2と、PDPパネル20と平行に送風機2を移動させる移動機構とを備えている。
【0013】
また、送風機2を移動させる移動機構は、モ−タ4の回転軸からの回転を伝達し回転速度を減速するギヤボックス8と、ギヤボックス8から導出されるピニオンと噛み合うラック6と、送風機2の移動を案内するガイドバ−5とを備えている。さらに、モ−タ4およびギヤボックス8は、送風機2と一体化するように連結され、送風機2とともに移動する。なお、ラック6およびガイドバ−5は、送風機2の移動に干渉しないように、ベ−スプレ−ト17に取付けられている。
【0014】
なお、吸気口10から吸気される空気は、矩形状の送風口9から排出される。送風口9の長手方向の寸法は、PDPパネル20の幅方向の寸法より稍大きいことが望ましい。また、運用コストおよび構造の単純化の点を考慮すると、送風機2は一台が望ましい。
【0015】
一方、エ−ジングトレイ1を構成するクランパ1aは、PDPパネル20の走査端子に通電する電極を有している。このクランパ1aに対向するPDPパネル20の側辺をクランプするクランパ1cは、PDPパネル20の共通端子を押さえる電極をもっている。また、クランパ1bとクランパ1dは、PDPパネルのデ−タ端子に通電するための電極を有している。そして、図示されていない枯化駆動回路により各クランプ1a,1b,1c,1dに通電されPDPパネル20の全てのセルが動作しエ−ジングが行われる。
【0016】
図2は図1のギヤボックス近傍を示す図である。送風機2の羽根を回転させるモ−タ4の回転軸7にはベベルギヤ−16aが取付けられている。また、ギャ−ボックス8には、図2に示すように、ベベルギヤ−16aと噛み合うベベルギヤ−16bをもつ減速機11を備えている。そして、減速機11の出力軸に取り付けられたベベルギヤ−16cと噛み合うベベルギヤ−16dを介してベベルギヤ−16eが回転され、ピニオン12に回転を伝達している。このように、一つのモ−タ4の回転動力が送風機2の移動力に兼用されている。
【0017】
また、クラッチ14は、ベベルギヤ−16dをスプラインシャフト13にスライドさせベベルギヤ−16eに噛み合うように動作させる。そして、クラッチ14をオフすると、内蔵のスプリングの付勢により、後退しベベルギヤ−16dとベベルギヤ−16eおよびベベルギヤ−16cの噛み合いが外れる。なお、クラッチ15を付勢すると、ベベルギヤ−16fがスプラインシャフト13上を摺動し、ベベルギヤ−16eおよびベベルギヤ−16cと噛み合い、ピニオン12は反対方向に回転する。
【0018】
このスプラインシャフト13を使うことにより、ベベルギヤ−16cから外れたベベルギヤ−16fでも、ベベルギヤ−16cと噛み合うベベルギヤ−16dによって回転しているので、各ベベルギヤ−16c,16d,16e,16fの回転が同期が採れるので回転方向の切換えが円滑にできる。
【0019】
図3(a)および(b)は図1のプラズマディスプレイ枯化冷却装置の動作を説明する図である。まず、図2に示すギヤボックス8のクラッチ14がオンの状態でスタ−トする。送風機2は、エ−ジング中のPDPパネル20に送風しながら、図3(a)に示すように、ピニオン12が回転し噛み合うラック6によって、送風機2は矢印の方向に移動する。
【0020】
次に、送風機2がストロ−クエンドに達すると、図示していないリミットスイッチが動作し、図2のクラッチ14がオフし、クラッチ15が動作しピニオン12の回転方向が変わり、送風機2は、図3(b)に示すように、PDPパネル20に送風しながら、矢印の方向に移動する。
【0021】
また、送風機2が図3(a)に示すストロ−クエンドに達すると、リミットスイッチが動作し、図2のクラッチ15がオフし、クラッチ14が動作しピニオン12の回転方向が元の正回転に戻り、矢印の方向に送風機2が移動する。
【0022】
このような送風機2の繰り返して往復移動させることにより、エ−ジング中のPDPパネル20を一様に冷却し、部分的に温度上昇を抑制する。
【0023】
【発明の効果】
以上説明したように本発明は、PDPパネルに平行に移動する送風機を設け、送風機から送られる空気をPDPパネルの面を一様に吹き付けることにより、PDPパネルの部分的温度上昇は抑制され、温度ムラが無くなり、PDPパネルの破損が皆無となり、歩留まりの向上が図れるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施の形態におけるプラズマディスプレイ枯化冷却装置を示す斜視図である。
【図2】図1のギャボックス近傍を示す図である。
【図3】図1のプラズマディスプレイ枯化冷却装置の動作を説明する図である。
【符号の説明】
1 エ−ジングトレイ
1a,1b,1c,1d クランパ
2 送風機
3 架台
4 モ−タ
5 ガイドバ−
6 ラック
7 回転軸
8 ギヤボックス
9 送風口
10 吸気口
11 減速機
12 ピニオン
13 スプラインシャフト
14,15 クラッチ
16a,16b,16c,16d,16e,16f ベベルギヤ−
17 ベ−スプレ−ト
20 PDPパネル
Claims (7)
- プラズマディスプレイパネルの各側面を押さえ固定するクランパと各クランパを介して前記プラズマディスプレイパネルの各電極に通電し前記プラズマディスプレイパネルを枯化させるエ−ジングトレイと、前記プラズマディスプレイパネルの背面に向け空気を送風する送風機とを備え、前記プラズマディスプレイパネルと平行に前記送風機を移動させながら送風することにより前記プラズマディスプレイパネルを冷却することを特徴とするプラズマディスプレイの枯化冷却方法。
- 前記送風機の移動は往復移動であることを特徴とする請求項1記載のプラズマディスプレイの枯化冷却方法。
- プラズマディスプレイパネルの各側面を押さえ固定するクランパと各クランパを介して前記プラズマディスプレイパネルの各電極に通電し前記プラズマディスプレイパネルを枯化させるエ−ジングトレイと、前記プラズマディスプレイの背面に向け空気を送風する送風機と、前記プラズマディスプレイパネルと平行に前記送風機を移動させる移動機構とを備えることを特徴とするプラズマディスプレイ枯化冷却装置。
- 前記プラズマディスプレイパネルと平行に前記送風機が往復移動させる切替機構を備えることを特徴とする請求項3記載のプラズマディスプレイ枯化冷却装置。
- 前記移動機構の動力源は、前記送風機を回転させるモ−タから得ることを特徴とする請求項3または請求項4記載のプラズマディスプレイ枯化冷却装置。
- 前記送風機の送風口が、前記送風機の移動方向と直交する方向に伸びる矩形状であるとともに前記プラズマディスプレイパネルの前記方向の辺の長さより稍長いことを特徴とする請求項3、請求項4または請求項5記載のプラズマディスプレイ枯化冷却装置。
- 前記送風機は、一台であることを特徴とする請求項3、請求項4、請求項5または請求項6記載のプラズマディスプレイ枯化冷却装置。
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JP2002292251A JP2004127805A (ja) | 2002-10-04 | 2002-10-04 | プラズマディスプレイの枯化冷却方法および枯化冷却装置 |
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WO2005008709A1 (ja) * | 2003-07-18 | 2005-01-27 | Matsushita Electric Industrial Co., Ltd. | プラズマディスプレイパネルのエージング方法およびエージング装置 |
JP2005056831A (ja) * | 2003-07-18 | 2005-03-03 | Matsushita Electric Ind Co Ltd | プラズマディスプレイパネルのエージング方法およびエージング装置 |
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2002
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JP4496870B2 (ja) * | 2003-07-18 | 2010-07-07 | パナソニック株式会社 | プラズマディスプレイパネルのエージング方法およびエージング装置 |
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JP4492237B2 (ja) * | 2004-07-26 | 2010-06-30 | パナソニック株式会社 | ガス放電パネルのエージング方法およびエージング装置 |
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