JP2004126625A - 複屈折性フィルムの製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】複屈折性に加えて旋光性も具備して液晶のツイストに対しても補償できる延伸フィルムを得て、薄くて軽く、コントラストや視野角に優れるSTN型等の液晶表示装置を得ることができる複屈折性フィルムの製造方法の開発。
【解決手段】ポリマーからなるフィルムに、異方向に、かつその方向の角度変化θを式:0+mπ<θ<90+mπ(ただしmは、0又は1以上の整数である)で表される範囲で制御して、2回以上の延伸処理を施すことにより複屈折性と旋光性を具備する延伸フィルムを得ることを特徴とする複屈折性フィルムの製造方法。
【効果】2枚の偏光板間に配置して一方の偏光板を回転させた場合に、その色度座標x,yがCIE色度図上で円型の軌跡を形成する特性を示し、着色防止による白黒表示やカラー表示の達成度等に優れるSTN型等の液晶表示装置が得られる。
【選択図】 図1
【解決手段】ポリマーからなるフィルムに、異方向に、かつその方向の角度変化θを式:0+mπ<θ<90+mπ(ただしmは、0又は1以上の整数である)で表される範囲で制御して、2回以上の延伸処理を施すことにより複屈折性と旋光性を具備する延伸フィルムを得ることを特徴とする複屈折性フィルムの製造方法。
【効果】2枚の偏光板間に配置して一方の偏光板を回転させた場合に、その色度座標x,yがCIE色度図上で円型の軌跡を形成する特性を示し、着色防止による白黒表示やカラー表示の達成度等に優れるSTN型等の液晶表示装置が得られる。
【選択図】 図1
Description
本発明は、STN型等の液晶表示装置の着色防止やコントラストの向上等に有用な、複屈折性と旋光性を具備する複屈折性フィルムの製造方法に関する。
低電圧、低消費電力でIC回路との直結が可能な液晶表示装置が、その表示機能の多様性や軽量化の可能性等に着目されてパーソナルコンピュータやワードプロセッサ、データターミナル装置等の種々の画面表示に使用されており、最近では大容量表示性や高速応答性に優れることよりTN型に代わるSTN型の液晶表示装置が主流となっている。
前記のスーパーツイステッドネマチック(STN)型液晶では、TN型に比べてそのツイスト角が大きいため液晶表示画像が青や黄系統に着色し、白黒表示ではコントラストや視認性を低下させ、またカラー表示を阻害する原因となっている。そのため、種々の着色防止手段が提案されている。
従来、前記の着色防止手段として延伸フィルムからなる位相差板を用いる方式が提案されている。しかしながら、従来の一般的な位相差板では旋光性を示さず、複屈折性による位相差に対処できるだけで液晶のツイストに対する補償効果に乏しく、高コントラストの液晶表示装置に対処できない問題点があった。
複屈折性と旋光性を示す複屈折性フィルムとしては、1/2波長板からなる延伸フィルム、又は旋光性物質にて旋光性を付与した延伸フィルムが知られていた。しかしながら、前者では旋光子として機能する波長が実質的に単色光のみである難点があり、後者では旋光性の付与に旋光性物質を用いる必要のある難点があった。
特開平6−3525号公報
特開平6−27319号公報
本発明は、複屈折性に加えて旋光性も具備して液晶のツイストに対しても補償できる延伸フィルムを得て、薄くて軽く、コントラストや視野角に優れるSTN型等の液晶表示装置を得ることができる複屈折性フィルムの製造方法の開発を課題とする。
本発明は、ポリマーからなるフィルムに、異方向に、かつその方向の角度変化θを式:0+mπ<θ<90+mπ(ただしmは、0又は1以上の整数である)で表される範囲で制御して、2回以上の延伸処理を施すことにより複屈折性と旋光性を具備する延伸フィルムを得ることを特徴とする複屈折性フィルムの製造方法を提供するものである。
本発明によれば、延伸処理にて旋光性も付与できて、複屈折性と旋光性を具備する薄くて軽く、液晶のツイストに対しても補償できる、延伸フィルムからなる製造容易な複屈折性フィルムを得ることができ、これは2枚の偏光板間に配置して一方の偏光板を回転させた場合に、その色度座標x,yがCIE色度図上で円型の軌跡を形成する特性を示し、それを用いて着色防止による白黒表示やカラー表示の達成度、コントラスト、視野角等に優れるSTN型等の液晶表示装置を得ることができる。
本発明の製造方法は、ポリマーからなるフィルムに、異方向に、かつその方向の角度変化θを式:0+mπ<θ<90+mπ(ただしmは、0又は1以上の整数である)で表される範囲で制御して、2回以上の延伸処理を施すことにより複屈折性と旋光性を具備する延伸フィルムからなる複屈折性フィルムを得るものである。
前記した異方向に2回以上の延伸処理を施すことにより、複屈折性に加えて旋光性も具備する延伸フィルムが得られる。これは、1回目の延伸処理による分子配向に加えて、別の方向への2回目以降の延伸処理による新たな分子配向が付加され、その異方向の延伸処理にてフィルム内に蓄積された別方向の分子配向がその屈折率の最大方向に基づいて延伸フィルムの厚さ方向において変化し、その分子配向の方向変化が旋光性を生じさせるものと思われる。
本発明による複屈折性フィルム、すなわち複屈折性と旋光性を具備する延伸フィルムは、それを2枚の偏光板間に配置して一方の偏光板を回転させた場合に、その色度座標x,yがCIE色度図上で円や楕円などの円型の軌跡を形成する。その軌跡の例を図1に示した。色度図の内部に示した、光源の色度座標点を囲む楕円形が円型軌跡の一例である。
前記において色度座標x,yの軌跡は、JIS Z 8701などによる公知の操作に基づいて求めることができる。すなわち例えば図2の如く、ハロゲンランプからなるC光源11、グラントムソンプリズムからなる偏光板12,13及びフォトマル14からなる光学系における偏光板12,13の間に、複屈折性フィルム1を配置し、一方の偏光板、例えば偏光板13を所定角度、例えば10度ずつ回転させてその角度ごとに分光透過率を測定し、その測定値からJIS Z 8701による公式に基づいてXYZ表色系における三刺激値を求め、それより各回転角における色度座標を算出して、それをxy色度図上にプロットする方法などにより当該軌跡を視覚化することができる。
ポリマーフィルムに対する異方向の延伸処理は、一軸や二軸等の適宜な方式で行うことができる。先の延伸処理による分子配向を残しつつ、後の延伸処理による別方向の新たな分子配向の付加は、フィルムを形成するポリマーのガラス転移温度以下に延伸温度を設定して、先の延伸処理における延伸温度よりも低い延伸温度で後の延伸処理を行う方式にて効率的に行いうるが、この方式に限定されず、適宜な方式で分子配向を付与してよい。
異方向の延伸処理において、その異方向としての、先後の延伸処理おける延伸方向の角度変化θは、式:0+mπ<θ<90+mπ(ただしmは、0又は1以上の整数である)で表される範囲で制御される。一軸延伸の場合には、先の延伸軸に対する角度変化が45〜60度となる方向に後の一軸延伸処理を施して、先の延伸処理による分子配向とは別方向の新たな分子配向を付加し、複屈折性と旋光性を示す特性を付与する方式が好ましい。
前記の式を満足する、延伸方向の角度変化θをもたせた異方向の延伸処理は、フィルムの厚さ方向において屈折率の最大方向(分子配向)を効率よく変化させる点、従って前記の如く旋光性を効率よく付与する点よりも有利である。得られる延伸フィルムにおける複屈折性ないし位相差や旋光性等は、延伸倍率や延伸方向等の延伸条件を変えることにより制御することができる。
延伸フィルムの製造に際しては、必要に応じ熱収縮性フィルムの接着下に延伸処理することもできる。一軸や二軸等の普通の延伸処理ではフィルム面に対して略平行な方向に分子配向するが、熱収縮性フィルム接着下での延伸処理ではフィルム面に対して傾斜する方向に分子配向させることもできる。従って延伸フィルム内における分子配向の方向は、フィルム面に対して平行であってもよいし、傾斜していてもよい。
複屈折性フィルム(延伸フィルム)を形成するポリマーとしては、光学的に透明なフィルムを形成しうる適宜なものを用いうる。好ましくは、固有の複屈折値が大きくて溶液製膜により均質なフィルムを形成しうるポリマーである。ポリマーは、ホモポリマー、コポリマー、それらの誘導体、ブレンド物などの適宜な形態で用いることができる。
好ましく用いうるポリマーとしては、例えばポリカーボネート、ポリアリレート、ポリスルホン、ポリエチレンテレフタレート、ポリアミド、ポリイミド、ポリエーテルスルホンなどがあげられる。就中、ポリカーボネート系高分子、ポリアリレート系高分子、ポリスルホン系高分子、ポリエステル系高分子などは特に好ましく用いうる。
好ましい複屈折性フィルムは、70%以上の光透過率を示して無彩色のものである。また液晶表示装置の製造工程などの如く、加熱処理等の環境条件で分子配向が緩和されるおそれのある場合などには、その緩和防止の点などよりガラス転移温度が105℃以上、就中110℃以上のポリマーからなる複屈折性フィルムが好ましい。
本発明による複屈折性フィルムは、それを用いて液晶のツイスト等による光学特性を高度に補償でき、STN型液晶等の複屈折性と旋光性を示す液晶セルの視認性を補償することができる。これは、延伸フィルム(複屈折性フィルム)が複屈折性と旋光性を具備し、それに基づいて上記CIE色度図上で図9に例示のSTN型液晶等の場合と同様に円型の軌跡を示すものであること、特に混色系として波長幅を有する旋光特性を具備することによるものと思われる。
従来の例えば一軸延伸フィルムや同時又は逐次の二軸延伸フィルムの如く、複屈折性のみを具備して旋光性は具備しない複屈折性フィルムが当該CIE色度図上に示す軌跡は、図8の如く直線である。従って当該CIE色度図上で円型の軌跡を示すことは、複屈折性に加えて旋光性も具備することに基づく特性であると思われる。
本発明による複屈折性フィルムは、単層フィルムを延伸処理してなる単層の延伸フィルムからなることが一般的であるが、非接着又は接着の複層フィルムを延伸処理してなる単層又は複層の延伸フィルムからなっていてもよい。
従って複屈折性フィルムは、単層の延伸フィルムからなっていてもよいし、図3の如く同種又は異種のフィルム15,16の接着層2を介した重畳物などとして形成されていてもよい。その重畳数は任意であり、重畳数や光軸の配置角度などにより位相差等の光学特性を制御することができる。なお複屈折性フィルムの厚さは、位相差等の光学特性に応じて適宜に決定することができる。一般には、柔軟性等の点より単層フィルムに基づき500μm以下、就中200μm以下の厚さとされる。
また複屈折性フィルムは、その実用に際して例えば位相差フィルムや厚さ方向に分子配向した視角特性改善用のフィルムの如き別種の複屈折性フィルム、あるいは保護フィルムや偏光板等の他の光学素子の1種又は2種以上と重畳して用いることもできる。重畳の組合せは、液晶表示装置の視認性の補償等に要求される光学特性などに応じて適宜に決定することができる。
ちなみに複屈折性フィルムと偏光板を組合せることで、楕円偏光板を形成することができる。図4に接着層2を介して複屈折性フィルム1と偏光板3を積層してなる楕円偏光板を例示した。
偏光板としては、偏光フィルムなどの適宜なものを用いることができ、特に限定はない。一般には、ポリビニルアルコール系フィルム、部分ホルマール化ポリビニルアルコール系フィルム、エチレン・酢酸ビニル共重合体系部分ケン化フィルムの如き親水性高分子フィルムにヨウ素及び/又は二色性染料を吸着させて延伸したもの、ポリビニルアルコールの脱水処理物やポリ塩化ビニルの脱塩酸処理物の如きポリエン配向フィルムなどからなる偏光フィルムが用いられる。偏光フィルムの厚さは通例5〜800μmであるが、これに限定されない。
偏光板は、偏光フィルムの片側又は両側に透明保護層を有するものであってもよい。透明保護層の形成材としては、透明性、機械的強度、熱安定性、水分遮蔽性などに優れるものが好ましく用いうる。その代表例としては、ポリエステル系樹脂、ポリエーテルスルホン系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリイミド系樹脂、ポリオレフィン系樹脂、アクリル系樹脂、アセテート系樹脂の如きポリマーなどがあげられる。透明保護層は、上記の複屈折性フィルムに兼ねさせることもできる。
複屈折性フィルム同士やそれと偏光板などを接着するための透明な接着剤や粘着剤等の種類については特に限定はないが、各機能フィルムの光学特性の変化防止等の点より、硬化や乾燥の際に高温のプロセスを要しないものが好ましく、長時間の硬化処理や乾燥時間を要しないものが望ましい。
楕円偏光板には、その複屈折性フィルムや偏光板ないし透明保護層を紫外線吸収剤、例えばサリチル酸エステル系化合物、ベンゾフェノン系化合物、ベンゾトリアゾール系化合物、シアノアクリレート系化合物、ニッケル錯塩系化合物等で処理する方式などにより紫外線吸収能をもたせることもできる。
液晶表示装置の形成に際しては、本発明による複屈折性フィルムを液晶セルと偏光板の間に配置することが表示装置の視認性の補償性の点などより好ましい。図5にその例を示した。4が液晶セルである。複屈折性フィルムは、液晶セルの片側又は両側における偏光板との間に配置することが好ましい。
液晶セルとしては適宜なものを用いうるが、本発明による複屈折性フィルムは、STN型の如く複屈折性と旋光性を示す液晶セルに特に有利に用いうる。視認性の補償などの点より好ましく用いうる複屈折性フィルムは、液晶セルによる旋光型の複屈折を可及的に補償するものである。これにより、着色を防止してコントラストや視角特性が改良された白黒表示やカラー表示を実現することができる。
重量平均分子量が8万のポリカーボネートの20重量%メチレンクロライド溶液をステンレスベルト上に流延し、残留揮発分が3%になるまで乾燥させたのち剥離して得たフィルムを158℃で一軸延伸し、ついでその延伸軸に対して45度の方向に150℃で再度一軸延伸して、複屈折性と旋光性を具備する延伸フィルムからなる複屈折性フィルムを得た。
重量平均分子量が8万のポリカーボネートの20重量%メチレンクロライド溶液をステンレスベルト上に流延し、残留揮発分が3%になるまで乾燥させたのち剥離して得たフィルムを158℃で一軸延伸し、それよりその延伸軸に対して60度の角度方向に打抜いた打抜きフィルムを熱収縮性フィルムで粘着層を介して接着挟持し、ロール状に丸めた状態で153℃で一軸延伸しその熱収縮性フィルムを剥がして、複屈折性と旋光性を具備する延伸フィルムからなる複屈折性フィルムを得た。
重量平均分子量が8万のポリカーボネートの20重量%メチレンクロライド溶液をステンレスベルト上に流延し、残留揮発分が3%になるまで乾燥させたのち剥離して得たフィルムを熱収縮性フィルムで粘着層を介して接着挟持し、158℃で一軸延伸した後それより熱収縮性フィルムを剥がし、得られたフィルムをその延伸軸に対して60度の方向に150℃で一軸延伸して、複屈折性と旋光性を具備する延伸フィルムからなる複屈折性フィルムを得た。
比較例1
重量平均分子量が8万のポリカーボネートの20重量%メチレンクロライド溶液をステンレスベルト上に流延し、残留揮発分が3%になるまで乾燥させたのち剥離して得たフィルムを158℃で一軸延伸して、複屈折性は具備するが旋光性は具備しない一軸延伸フィルムを得た。
重量平均分子量が8万のポリカーボネートの20重量%メチレンクロライド溶液をステンレスベルト上に流延し、残留揮発分が3%になるまで乾燥させたのち剥離して得たフィルムを158℃で一軸延伸して、複屈折性は具備するが旋光性は具備しない一軸延伸フィルムを得た。
比較例2
重量平均分子量が8万のポリカーボネートの20重量%メチレンクロライド溶液をステンレスベルト上に流延し、残留揮発分が3%になるまで乾燥させたのち剥離して得たフィルムを158℃で縦横(直交)方向に同時二軸延伸して、複屈折性は具備するが旋光性は具備しない二軸延伸フィルムを得た。
重量平均分子量が8万のポリカーボネートの20重量%メチレンクロライド溶液をステンレスベルト上に流延し、残留揮発分が3%になるまで乾燥させたのち剥離して得たフィルムを158℃で縦横(直交)方向に同時二軸延伸して、複屈折性は具備するが旋光性は具備しない二軸延伸フィルムを得た。
比較例3
重量平均分子量が8万のポリカーボネートの20重量%メチレンクロライド溶液をステンレスベルト上に流延し、残留揮発分が3%になるまで乾燥させたのち剥離して得たフィルムを158℃で縦横(直交)方向に逐次二軸延伸して、複屈折性は具備するが旋光性は具備しない二軸延伸フィルムを得た。
重量平均分子量が8万のポリカーボネートの20重量%メチレンクロライド溶液をステンレスベルト上に流延し、残留揮発分が3%になるまで乾燥させたのち剥離して得たフィルムを158℃で縦横(直交)方向に逐次二軸延伸して、複屈折性は具備するが旋光性は具備しない二軸延伸フィルムを得た。
評価試験
xy色度図
実施例、比較例1で得た複屈折性フィルム又は一軸延伸フィルムをTFF−120AFT(オーク製作所製)における偏光板間に配置し色度測定モードにて分光透過率を測定した。測定は、一方の偏光板をその吸収軸が45度となるように設定して、それに試料を延伸軸が0度となるように設置し、検光子側の偏光板をその吸収軸に基づいて0〜180度の範囲で10度刻みで回転させ、各設定角度での分光透過率より色度を求めた。
xy色度図
実施例、比較例1で得た複屈折性フィルム又は一軸延伸フィルムをTFF−120AFT(オーク製作所製)における偏光板間に配置し色度測定モードにて分光透過率を測定した。測定は、一方の偏光板をその吸収軸が45度となるように設定して、それに試料を延伸軸が0度となるように設置し、検光子側の偏光板をその吸収軸に基づいて0〜180度の範囲で10度刻みで回転させ、各設定角度での分光透過率より色度を求めた。
前記の結果より作成したxy色度図を図1及び図6〜図8に示した。図1は実施例2の場合、図6は実施例1の場合、図7は実施例3の場合、図8は比較例1の場合である。各xy色度図より、実施例の場合、従って複屈折性と旋光性を具備するものの場合には、色度座標x,yが光源の色度座標点を包囲する状態で円型の軌跡を示していることが判る(図1、図6、図7)。
一方、一軸延伸フィルムからなる比較例1の場合、従って複屈折性は具備するが旋光性は具備しないものの場合における当該軌跡は、直線であることが判る(図8)。
前記した円型と直線との軌跡結果の相違は、複屈折性フィルムが複屈折性に加えて旋光性も具備しているか否かの違いに基づくと思われる。すなわち複屈折性物質がニコル間で示す色偏光理論(例えば「応用光学」、久保田宏著、岩波全書発行、P163)より、前記した旋光性の具否の違いに基づいて当該軌跡の相違が生じていると推定することができる。
視認性
図9に示した如く色度座標x,yが円型の軌跡を示すSTN型液晶セルの視認側に実施例、比較例1で得た複屈折性フィルム又は一軸延伸フィルムを配置し、その配置体の両側に偏光フィルム(日東電工社製、NPF−EG1225DU)をセットして液晶表示装置を形成し、駆動状態と非駆動状態における光の透過率を測定して、その比をコントラストとして算出した。また、そのコントラストが5以上となる視野角を調べた。
図9に示した如く色度座標x,yが円型の軌跡を示すSTN型液晶セルの視認側に実施例、比較例1で得た複屈折性フィルム又は一軸延伸フィルムを配置し、その配置体の両側に偏光フィルム(日東電工社製、NPF−EG1225DU)をセットして液晶表示装置を形成し、駆動状態と非駆動状態における光の透過率を測定して、その比をコントラストとして算出した。また、そのコントラストが5以上となる視野角を調べた。
前記の結果を次表に示した。
実施例1 実施例2 実施例3 比較例1
コントラスト 15 23 25 10
視野角(度) −28〜30 −37〜50 −38〜47 −25〜27
実施例1 実施例2 実施例3 比較例1
コントラスト 15 23 25 10
視野角(度) −28〜30 −37〜50 −38〜47 −25〜27
表より、本発明による複屈折性フィルムを用いることで、コントラストに優れる液晶表示装置を形成できることが判る。また熱収縮性フィルムを用いて延伸処理したフィルムの如く、色度座標x,yの当該軌跡が液晶セルの当該軌跡に近似するほど視野角特性も向上するなど、より高度の補償を達成できることが判る。
なお比較例2、3で得た二軸延伸フィルムについても前記に準じてxy色度図を作成すると共に、STN型液晶セルに適用してその視認性を調べたところ、xy色度図上での当該軌跡は、図8の比較例1の場合と同様に直線であった。また視認性についてもそのコントラストや視野角は、比較例1と略同じ値であった。
1,15,16:複屈折性フィルム
2:接着層
3:偏光板
4:液晶セル
特許出願人 日東電工株式会社
代 理 人 藤 本 勉
2:接着層
3:偏光板
4:液晶セル
特許出願人 日東電工株式会社
代 理 人 藤 本 勉
Claims (2)
- ポリマーからなるフィルムに、異方向に、かつその方向の角度変化θを式:0+mπ<θ<90+mπ(ただしmは、0又は1以上の整数である)で表される範囲で制御して、2回以上の延伸処理を施すことにより複屈折性と旋光性を具備する延伸フィルムを得ることを特徴とする複屈折性フィルムの製造方法。
- 請求項1において、延伸フィルムがそれを2枚の偏光板間に配置して一方の偏光板を回転させた場合に、その色度座標x,yがCIE色度図上で円型の軌跡を形成するものである複屈折性フィルムの製造方法。
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