JP2004125837A - 可変分散補償装置およびその電源回路 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】石英基板30に載置されたグレーティングを有するファイバグレーティング44と、このファイバグレーティング44のグレーティングに沿って石英基板30に設けられた複数のヒータエレメント36とを備えるFG加熱ユニット20と、石英基板30を加熱または冷却するペルチェ34と、FG加熱ユニット20の温度を検出するサーミスタ48と、複数のヒータエレメント36に供給する電力を制御するヒータ制御回路220と、このヒータ制御回路220から複数のヒータエレメント36に供給される電力およびサーミスタ48の検出温度に基づいてペルチェ34へ供給する電力を制御するペルチェ制御回路24とを備える。
【選択図】 図2
Description
【発明の属する技術分野】
この発明は、光ファイバ通信システムを伝送する光信号の波長分散を補償する可変分散補償装置に関するものであり、特に、この波長分散の分散補償を安定化させた可変分散補償装置およびその電源回路に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
近年は情報化社会であり、大量かつ多様な情報を高速に伝送することができる光ファイバ通信システムは、我々の生活に欠かすことのできない重要なシステムとして位置づけられる。この光ファイバ通信システムは、光信号を発生する信号源、光信号を伝送するための光ファイバ伝送ライン、光信号を検出し復調する光受信器などから構成されるのが一般的である。
【0003】
この光ファイバ通信システムにおいて、ある所定の波長範囲の光信号を用いて波長分散が正の光ファイバを伝送させる場合、長い波長成分の光信号は短い波長成分の光信号より伝搬速度が遅いため遅延が生じる。光信号波形はこの遅延により劣化する。特に、多数のチャネルを広い波長領域に渡って伝送させる場合には、このような伝搬速度差(分散)を精密に補償する分散補償が必要となる。
【0004】
この分散補償はチャープグレーティングを用いることにより達成することができる。このチャープグレーティングを光ファイバの伝送路内に介在させることにより、波長の短い光信号を波長の長い光信号よりも長いパスを通過するように反射させることができる。この場合、このチャープグレーティングは光信号に負の波長分散を与えることになる。その結果、この負の波長分散特性を有するチャープグレーティングによって、光ファイバを伝送する光信号の正の分散特性を補償することができる。
【0005】
いま、グレーティングで反射する波長(ブラッグ波長)をλB、グレーティングの等価屈折率をNeff、グレーティングの間隔をΛとすると、ブラッグ波長λBは以下の式で与えられる。
λB=2・Neff・Λ ・・・(1)
【0006】
式(1)から明らかなように、グレーティングピッチΛを線形に変化させることで、ブラッグ波長λBを線形に変化させることができる。つまり、光信号の入射側からグレーティングピッチΛを線形に減少させれば、線形な負の分散特性を得ることができる。
【0007】
一方、伝送路を構成する光ファイバには種々の外的要因が印加される。この外的要因の主なものは温度および応力である。光ファイバに局所的な温度変化あるいは応力変化が生じると光ファイバの屈折率が変化する。光ファイバの屈折率変化は光信号の新たな分散を生じさせ、固定的なグレーティングでは新たな分散を補償することができない。
【0008】
この課題に対し、特開2000−235170号公報(先行技術1)には、可変分散補償装置が記載されている。この先行技術1に示された可変分散補償装置では、ファイバグレーティングに複数のマイクロヒータが設けられ、このマイクロヒータに加えられる電力がマイクロヒータ毎に調整され、ファイバグレーティングの長さ方向に渡って形成された温度分布によりグレーティングの屈折率Neffの分布が変化してブラッグ波長λBが調整され、光信号の分散が可変的に補償されることが開示されている。
【0009】
また、特開平10−221658号公報(先行技術2)には、光ファイバグレーティングの周囲に複数のヒータを配置することによって、グレーティングに線形チャープ特性を与える技術が開示されている。
【0010】
さらに、特開2000−252920号公報(先行技術3)には、グレーティングを有した光導波路の温度勾配を変化させる可変分散補償装置が記載されている。この先行技術3に記載された可変分散補償装置では、2つのペルチェ素子を用いてグレーティングにある温度を与えることで、グレーティングの等価屈折を長手方向に変化させ、2つのペルチェ素子間の温度勾配により分散量を可変する技術が開示されている。
【0011】
【特許文献1】
特開2000−235170号公報(第3頁、図1)
【特許文献2】
特開平10−221658号公報(第3頁、図1)
【特許文献3】
特開2000−252920号公報(第3頁、図1)
【0012】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、先行技術1および2に記載された従来の可変分散補償装置では、ファイバグレーティングのグレーティング範囲に配置される複数のヒータの発熱量を調整することで、ファイバグレーティングに所望の温度分布を与えているが、周囲の温度変化に伴ってファイバグレーティング自体の平均温度が変化し、ファイバグレーティングのブラッグ反射波長の中心波長がずれるという問題点があった。
【0013】
また、先行技術3に記載された可変分散補償装置においても、温度検出器と光導波路との間に間接的に介在する部材が熱抵抗となり、この熱抵抗に起因して生じる温度検出器の検出温度と光導波路の温度との温度差によって、温度制御回路がグレーティングの平均温度を一定に制御することができず、グレーティングのブラッグ反射中心波長がずれるという問題点があった。
【0014】
この発明は、上記従来技術が有する課題に鑑みてなされたものであり、ファイバグレーティングやチャープグレーティングを有する光導波路において、グレーティングで反射される反射波長の中心波長を安定化させることができる可変分散補償装置およびその電源回路を得ることを目的とする。
【0015】
【課題を解決するための手段】
上述した課題を解決し、目的を達成するために、この発明にかかる可変分散補償装置にあっては、基板に載置されたグレーティングを有する光導波路と、この光導波路のグレーティングに沿って基板に設けられた複数のヒータエレメントとを備える加熱ユニットと、前記基板を加熱または冷却する加熱/冷却素子と、前記加熱ユニットの温度を検出する温度検出器と、前記複数のヒータエレメントに供給する電力を制御するヒータ制御器と、前記ヒータ制御器から前記複数のヒータエレメントに供給される電力および前記温度検出器の検出温度に基づいて前記加熱/冷却素子へ供給する電力を制御する加熱/冷却素子制御器とを備えることを特徴とする。
【0016】
この発明によれば、加熱ユニットは、基板に載置された光導波路のグレーティングに沿って複数のヒータエレメントを具え、この加熱ユニットの加熱/冷却素子は基板を加熱または冷却し、この加熱ユニットの温度検出器は加熱ユニットの温度を検出する。一方、ヒータ制御器は、複数のヒータエレメントに供給する電力を制御する。また、加熱/冷却素子制御器は、ヒータ制御器から複数のヒータエレメントに供給される電力と温度検出器の検出温度とに基づいて加熱/冷却素子へ供給する電力を制御する。
【0017】
この発明にかかる電源回路にあっては、光導波路のグレーティングに沿って設けられた複数のヒータエレメントと、当該グレーティングを加熱または冷却する加熱/冷却素子と、前記光導波路のグレーティングを固定する固定部材に設けられた温度検出器とを備えた可変分散補償装置に対して、当該ヒータエレメントに供給する電力および当該ペルチェに供給する電力を出力する電源回路であって、前記複数のヒータエレメントに出力する電力を制御するヒータ制御器と、前記ヒータ制御器から前記複数のヒータエレメントに出力される電力および前記温度検出器から出力される出力信号に基づいて前記加熱/冷却素子へ出力する電力を制御する加熱/冷却素子制御器とを備えたことを特徴とする。
【0018】
この発明によれば、ヒータ制御器は、複数のヒータエレメントに出力する電力を制御する。また、加熱/冷却素子制御器はヒータ制御器から複数のヒータエレメントに出力される電力および温度検出器から出力される出力信号に基づいて加熱/冷却素子へ出力する電力を制御する。
【0019】
【発明の実施の形態】
以下、この発明にかかる可変分散補償装置およびその電源回路の実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、この実施の形態によりこの発明が限定されるものではない。
【0020】
実施の形態1.
図1は、この発明にかかる可変分散補償装置を備えた光ファイバ通信システムにおける光信号の流れを示す説明図である。この光ファイバ通信システムは、光ファイバ10、サーキュレータ12、可変分散補償装置14、光受信器16を備えている。同図において、図示しない信号源からの光信号は光ファイバ10を伝送してサーキュレータ12に到達する。このサーキュレータ12で分離された光信号は経路aで示されるように光ファイバ10を介してサーキュレータ12に接続された可変分散補償装置14に供給される。可変分散補償装置14で分散補償され反射した光信号はサーキュレータ12に再入力される。サーキュレータ12に再入力された光信号は経路bで示されるように光受信器16に供給される。この光受信器16は、入力した光信号を検出して復調する。
【0021】
図2は、図1に示した可変分散補償装置14の構成を示すブロック図である。可変分散補償装置14は、ファイバグレーティング44、ファイバグレーティング(FG)加熱ユニット20、ヒータ制御回路220およびペルチェ制御回路24を備えている。同図において、図示しないサーキュレータ12からの光信号はFG加熱ユニット20に入力される。この入力された光信号は、FG加熱ユニット20でブラッグ反射されてサーキュレータ12に再入力される。
【0022】
FG加熱ユニット20は、ヒータ360と、ペルチェ34と、サーミスタ48とを備えている。ここで、ヒータ360には図示しない複数のヒータエレメント(後述)が直線上に配置され、ファイバグレーティング44に所望の温度分布を与える。このとき、ファイバグレーティング44の等価屈折率Neffが任意の値をとることができ、その結果、式(1)にしたがってブラッグ波長λBも任意の値に設定できるので、所望の分散特性が得られる。
【0023】
なお、可変分散補償装置14に加えて固定型分散補償装置を光ファイバ伝送路内に設けることもできる。このように構成すれば、固定型分散補償装置により光信号の分散を粗く補償し、可変分散補償装置14で光信号の分散を精密に補償することができる。
【0024】
ヒータ制御回路220は、図示しないコントローラからの分散制御信号Sに基づいてヒータ360に供給する電力(より具体的には電流)を調整する。このヒータ制御回路220からの制御により、ヒータ360の発熱量は、図示しない複数のヒータエレメント(後述する)へそれぞれ供給される電力の総電力がPmとなるように制御される。
【0025】
ペルチェ34は、熱電半導体素子で構成され、基板を加熱もしくは冷却する。また、サーミスタ48は、ファイバグレーティング44を固定するために設けられた図示しないファイバグレーティング(FG)固定用キャップ(後述)の上面に具えられ、このFG固定用キャップの温度を検出する。ペルチェ34の発熱量または吸熱量は、ペルチェ制御回路24から出力される電力Pbによって制御される。
【0026】
サーミスタ48は、検出温度に応じた出力信号である温度信号をペルチェ制御回路24のA/D変換器301に出力する。なお、ヒータ制御回路220およびペルチェ制御回路24には外部から図示しない駆動電力が供給される。
【0027】
このペルチェ制御回路24の動作をさらに詳細に説明する。図2において、ペルチェ制御回路24は、ヒータ制御回路220から出力された制御信号Psに基づきδT(Ps)を演算する回路を具えている。後述するが、このδT(Ps)は制御信号Psに比例するので、この実施の形態の演算回路としては乗算器300を用いている。また、制御信号PsとδT(Ps)との関係が非線型な場合であっても、この演算回路の構成次第で、任意の関数のδT(Ps)を持たせることもできる。なお、ヒータ制御回路220から出力される制御信号Psはヒータ制御回路220からヒータ360に供給される総電力Pmに応じて決定される値であり、一方、δT(Ps)は制御信号Psと1対1に対応する関係にあるので、Ps=Pmと考えて、δT(Pm)=δT(Ps)と見なして以下の説明を行う。
【0028】
この乗算器300が生成した関数δT(Ps)と、基準温度出力器302から出力されるファイバグレーティング44の反射中心波長を所望の温度とするための目標温度T0とが、減算回路303に入力され、本方式のサーミスタ目標温度Tm(=T0−δT(Ps))が得られる。さらに、A/D変換器301でディジタルに変換された検出温度Tと、本方式のサーミスタ目標温度Tmとが減算回路304に入力され、電力Pbが生成される。この電力PbがFG加熱ユニット20のペルチェ34に入力され、サーミスタ48の検出温度Tがサーミスタ目標温度Tmに安定化されるようにフィードバック制御される。
【0029】
このように、ペルチェ制御回路24は、FG加熱ユニット20のサーミスタ48で検出された温度信号に基づいてペルチェ34をフィードバック制御し、基板を加熱もしくは冷却するための電力Pbをペルチェ34に出力し、基板を介してファイバグレーティング44の温度を、所望の温度に維持するように動作する。
【0030】
なお、加熱/冷却装置としてペルチェ34を用いるのが好適であるが、基板を加熱もしくは冷却することによって基板温度を所望の温度に維持できるものであれば、ペルチェ34以外の他の加熱/冷却装置を用いても良い。
【0031】
図3は、FG加熱ユニット20の詳細を示した斜視図であり、図4は図3に示すFG加熱ユニット20を構成する石英基板30、ヒータエレメント36およびファイバグレーティング44の構成を示す側面図である。なお、図4では説明の都合上、FG固定用キャップ46を図示していない。
【0032】
図3または図4において、石英基板30の表面にはファイバグレーティング44の軸線に沿って、このファイバグレーティング44のグレーティング範囲をカバーするように複数のヒータエレメント36が直線上に形成されている。石英基板30は熱伝導率が小さく、ヒータエレメント36からの熱が拡散するのを抑制する。この実施の形態では、n=34として、34個のヒータエレメント(36−1〜36−n)を形成している。なお、ヒータエレメント36には、それぞれのエレメントの面積が小さい、エレメント数が多い、エレメント間隔が小さい等の条件が要求される。また、この実施の形態では、基板材料は石英としているが、勿論この材料に限られるものではなく、他の材料から構成されるようにしてもよい。ただし、他の材料を用いる場合には、その熱伝導率が小さいものがよく、例えば熱伝導率0.005W/mm℃以下のものを使うのが好適である。
【0033】
それぞれのヒータエレメント36には電極38が接続されている。電極38は、ヒータエレメント36を挟むように2列の電極アレイから構成されている。電極38は中継基板40に形成された端子42にワイヤでボンディングされる。ファイバグレーティング44は、FG固定用キャップ46により石英基板30上の所定位置に固定される。FG固定用キャップ46は、ファイバーグレーティングの位置決めと固定のために用いられ、ファイバーグレーティングの温度分布に悪影響を及ぼさぬよう、石英を素材としている。サーミスタ48は、FG固定用キャップ46の上面に接触して載置される。サーミスタ48は、FG固定用キャップ46の上面に熱良導性の接着剤を塗布して固定する、もしくは放熱シートを挟んで固定することによって、放熱性を高めるのが好ましい。サーミスタ48は、FG固定用キャップ46の温度を検出し、温度に応じた温度信号をペルチェ制御回路24に供給する。石英基板30の下部にはヒートスプレッダ32を介してペルチェ34が設けられている。なお、サーミスタ48を、FG固定用キャップ46を介さずに直接ファイバグレーティング44に搭載することは、サーミスタ48の介在に起因して、搭載部周辺での歪みや温度分布の変化等によりファイバグレーティング44の屈折率が変化することがあるので、好ましくない。
【0034】
石英基板30、ヒートスプレッダ32、ペルチェ34およびFG固定用キャップ46はケース50内に収納される。ケース50にはカバー5が設けられ、その内部は密閉される。ファイバグレーティング44は、ケース50に設けられた溝を貫通して外部に延び、図示しない光ファイバ10に接続される。また、光ファイバ10はサーキュレータ12に接続される。
【0035】
ところで、一般的に、ファイバグレーティングのグレーティング周辺に設けた複数のヒータエレメントにより生成される温度分布が階段状の場合、この階段状の温度分布に起因して伝送品質に悪影響を与える群遅延リップルが発生する。この群遅延リップルの周期はヒータの個数分布に依存しており、一定以上の周期を持つ群遅延リップルの存在は高ビットレートの場合には大きな影響を与える。したがって、グレーティング近傍に設けるヒータエレメントの個数を適切に選定する必要がある。
【0036】
例えば、グレーティング近傍に複数のヒータエレメントを設けて各ヒータエレメントごとに異なる温度分布を与えた場合、1個のヒータエレメント内の温度分布はほぼ均一であり、この温度分布がそのままグレーティングに伝達され、階段状の温度分布になる。このような階段状の温度分布が存在すると、チャープグレーティングによる等価屈折率の変化も階段状となり、群遅延リップルを生じる。この群遅延リップルには様々な周期のものがあり、使用する光通信システムのビットレートにより影響が異なることが知られている。可変分散補償装置を最も必要とする40Gbit/s以上のビットレートでは、特に周期が0.1nm以上の群遅延リップルが大きく影響する。
【0037】
この実施の形態で用いられる複数のヒータエレメント36は、可変分散補償装置を構成している光導波路のグレーティングの長手方向における長さlの関数であるグレーティングピッチΛ(l)と等価屈折率Neff(l)とによって規定される個数分布で配置されている。これによってヒータエレメント36による階段状の温度分布の影響を抑制して、グレーティングによる反射光に生じる群遅延リップルを小さくし、さらに群遅延リップルの周期を小さくできる。また、この個数分布を適切に選択することによって、ヒータエレメント36による階段状の温度分布の影響を抑制し、グレーティングの群遅延リップルを小さくし、さらに群遅延リップルの周期を小さくすることができる。少なくとも数十個のヒータエレメント36を配置するのが良く、この実施の形態のように、光導波路のグレーティング近傍に設けるヒータエレメントの個数が34個程度であれば、群遅延リップルを十分に抑圧した可変分散補償装置を得ることができる。
【0038】
図5は、FG加熱ユニット20を構成する電極38の周辺部の構成を示す平面図である。説明の都合上、FG固定用キャップ46およびファイバグレーティング44はその一部を破断させて示している。同図において、複数のヒータエレメント36を挟むように、複数の電極38Aと1つのコモン電極38Bが設けられている。電極38Aおよび38Bはヒータエレメント36と平行に形成されており、各ヒータエレメント36と電極38Aおよびコモン電極38Bとは、配線パターン39で接続される。なお、電極38Aおよびコモン電極38Bは、ヒータエレメント36および配線パターン39より厚く形成される。ヒータエレメント36の厚さは0.5μm以下、配線パターン39の厚さは約3μm、電極38A、コモン電極38Bの厚さは約10μmである。これらの電極38Aおよびコモン電極38Bに電圧を印加するとヒータエレメント36に電流が流れヒータエレメント36が発熱することを利用して、ファイバグレーティング44に温度分布が生成される。
【0039】
図6は、可変分散補償装置14のヒータ制御回路220の構成を示すブロック図である。同図において、直流電源11は複数のヒータエレメント36−1〜36−nへ直流(DC)電流を供給する直流電源である。スイッチング手段であるパルス電流発生部130は、共通アース端子4と直流電源11から供給される直流電流に含まれるスイッチングノイズを除去するEMI除去フィルタ120との間に並列に接続された複数のヒータエレメント36−1〜36−nにそれぞれ直列に接続された複数のスイッチ140−1〜140−nを備えている。各スイッチ140−i(i=1〜n)は、制御パルスを受信するための制御端子150−iを備えており、制御パルスを受信している間のみオンとなる。したがって、各スイッチ140−i(i=1〜n)は、印加される制御パルスのパルス幅に等しいパルス幅のパルス電流を生成して対応するヒータエレメント36−i(i=1〜n)へ供給する。なお、各スイッチ140−i(i=1〜n)は、トランジスタなどのスイッチング素子が用いられる。
【0040】
一方、制御パルス発生部160は、パルス幅の初期値を記憶する初期値記憶部170、パルス幅の増分値を記憶するパルス幅増分値記憶部180、補正係数を記憶する補正係数記憶部190、制御パルス発生部160を制御するマイクロプロセッサ等の制御部200、パルス幅を決定するための加算器210−i(i=2〜n)、補正係数記憶部190に記憶されている補正係数を乗ずる乗算器220−i(i=1〜n)、所定の繰り返し周波数の基準信号を生成する基準信号発生器230および乗算結果に応じたパルス幅の制御パルスを生成するパルス発生器240−i(i=1〜n)を備えている。
【0041】
この制御パルス発生部160において、初期値記憶部170は、制御部200から出力されるパルス電流の最小パルス幅を決定するための初期値Pw0を記憶する。パルス幅増分値記憶部180は、初期値Pw0とともに複数のパルス電流のパルス幅を決定するためのパルス幅増分値ΔPwを記憶する。補正係数記憶部190は、初期値Pw0およびパルス幅増分値ΔPwにより決まる複数のパルス電流のパルス幅をそれぞれ補正するための補正係数C1〜Cnを記憶する。加算器210−2は、初期値記憶部170に記憶されている初期値Pw0とパルス幅増分値記憶部180に記憶されているパルス幅増分値ΔPwとを加算し、加算器210−i(i=3〜n)は加算器210−(i−1)(i=3〜n)の加算結果とパルス幅増分値記憶部180に記憶されているパルス幅増分値ΔPwとを加算する。すなわち、加算器210−i(i=2〜n)は、(Pw0+ΔPw×(i−1))を加算結果として出力する。乗算器220−1は初期値記憶部170に記憶されている初期値Pw0に補正係数記憶部190に記憶されている補正係数C1を乗じ、乗算器220−i(i=2〜n)は、加算器210−iの加算結果に補正係数記憶部190に記憶されている補正係数Ci(i=2〜n)を乗じて、それぞれパルス発生器240−i(i=1〜n)に出力する。
【0042】
同様に、パルス発生器240−i(i=1〜n)は、制御端子に印加される基準信号発生器230からの基準信号に基づいて乗算器220−i(i=1〜n)のそれぞれの乗算結果に応じたパルス幅の制御パルスを生成する。これらの各制御パルスは、パルス電流発生部130の各スイッチ140−i(i=1〜n)に送出される。制御部200は、図示しない外部装置から与えられる所望の分散量を設定するための分散制御信号Sに基づき、所望の分散量が得られるように、初期値Pw0、パルス幅増分値ΔPwおよび補正係数C1〜Cnを決定し、初期値記憶部170、パルス幅増分値記憶部180および補正係数記憶部190に、初期値Pw0、パルス幅増分値ΔPwおよび補正係数C1〜Cnをそれぞれ書き込んでおく。
【0043】
図7は、制御パルス発生部160からパルス電流発生部130の各スイッチ140−i(i=1〜n)に送出される制御パルスの波形の一例を示すタイムチャートである。同図に示し、かつ、上述したように、パルス電流発生部130の各スイッチ140−i(i=1〜n)に送出されるパルス信号は、基準信号の繰り返し周波数で決まる周期で送出される。また、各スイッチ140−i(i=1〜n)のそれぞれには、初期値Pw0のパルス幅を有するパルス信号(スイッチ140−1)と、この初期値Pw0を初期値としてパルス幅増分値ΔPwが増分されたパルス幅を有するパルス信号(スイッチ140−i(i=2〜n))とがそれぞれ出力される。
【0044】
つぎに、実施の形態1にかかる可変分散補償装置14に入射した光信号が分散補償される動作について説明する。まず、補償すべき光信号の波長分散が波長に依存していないとみなせる場合(すなわち、補償すべき光信号の群遅延時間が波長に対して線形に変化するとみなせるほど狭い波長帯域の光信号が可変分散補償装置14に入射する場合)を考える。このとき、ファイバグレーティング44に与えるべき温度分布は線形であればよい。具体的には、各パルス電流のパルス幅を決定する制御パルスの幅は、初期値Pw0、パルス幅増分値ΔPwにより決定され、各乗算器220−iには補正係数Ciとして1が設定され、制御パルス発生部160が生成するパルス信号は、そのパルス幅が線形に増加するパルス信号である。なお、図7で示す制御パルス信号の波形は、ここで仮定したような狭い波長帯域の光信号が入射した場合に制御パルス発生部160が出力するパルス信号の波形を示している。
【0045】
図7に示すようなパルス信号が各スイッチ140−iのそれぞれに印加された場合、ヒータエレメント36−1〜36−nにそれぞれのパルス幅に応じた電流が流れる。このとき、進行方向に向かって線形に増大する温度分布がファイバグレーティング44の光軸に沿って生成される。このような温度分布が形成されると、このファイバグレーティング44は、入射した光信号に負の波長分散(群遅延分散)を与える。すなわち、波長の短い成分ほど多くの遅延を受けてファイバグレーティング44から出射される。
【0046】
なお、入射した光信号に正の波長分散を与える場合には、ヒータ制御回路220は、同一の繰り返し周波数を有しファイバグレーティング44の光軸に沿って形成されたヒータエレメント36−1、36−2、・・・、36−nの順にパルス電流が線形的に減少するパルス信号を同一の時間に生成し、それぞれのヒータエレメント36−1〜36−nにそれぞれ供給するようにすればよい。この場合、ファイバグレーティング44の進行方向に向かって線形に減少する温度分布がファイバグレーティング44の光軸に沿って生成される。
【0047】
しかしながら、図7に示すようなパルス幅が順次線形的に増大するパルス電流を複数のヒータエレメント36−1〜36−nにそれぞれ供給したとしても、通常、熱伝導等により所望の線形な温度分布は得られない。この場合、各乗算器220−iに1以外の補正係数Ciが設定される。補正係数Ciを決定するために、ファイバグレーティング44の温度分布が実測される。この実測された温度分布に基づき、パルス幅の補正が必要なパルス電流に対応する各乗算器220−iには1以外の補正係数Ciを設定すればよい。
【0048】
また、補償すべき波長分散が波長に依存して変化する場合(すなわち、群遅延時間が波長に対して線形に変化しているとみなせない広波長帯域の光信号が入射する場合)を考える。このとき、ファイバグレーティング44に与えるべき温度分布は非線形である必要がある。波長分散の波長依存性は、ある傾きをもつ直線によって表され、この傾きは、シングルモードファイバの場合、0.06ps/nm/kmである。したがって、このような光ファイバ中を100km伝搬する度に、1nm波長が異なる2つのスペクトル成分は6ps/nmだけ累積の波長分散が異なることになる。このような場合、1以外の値を有する補正係数Ciを各乗算器220−iに設定することが好ましい。
【0049】
ところで、チャープグレーティングは、必ずしも設計通りの格子ピッチを有していない。チャープグレーティングをファイバグレーティング44に書き込む際の誤差によりグレーティングピッチは所望の値からずれてしまう。したがって、補償すべき波長分散が波長に依存していないとみなせる場合であっても、ファイバグレーティング44に与えるべき温度分布を理想的な線形な分布からずらす必要がある。この場合、波長分散に対応する物理量が所定の値(例えば最小値)になるように、各乗算器220−iに設定されるCiを決める必要がある。
【0050】
図8は、チャープグレーティングに誤差が存在する場合などに補正係数C1〜Cnを修正する手順を示すフローチャートである。図6のヒータ制御回路220および図8のフローにおいて、分散制御信号Sがヒータ制御回路220の制御パルス発生部160へ送出されると(ステップS101)、制御パルス発生部160の制御部200は、受信した分散制御信号Sに基づいてファイバグレーティング44の温度分布を変更する必要があるか否かを判断する(ステップS102)。ファイバグレーティング44の温度分布を変更する必要がある場合、制御部200は、初期値記憶部170に記憶されている初期値Pw0、パルス幅増分値記憶部180に記憶されているパルス幅増分値ΔPwおよび補正係数記憶部190に記憶されている補正係数C1〜Cnを変更する(ステップS103)。なお、どのように初期値Pw0、パルス幅増分値ΔPwおよび補正係数C1〜Cnを変更するかは予め実験等により決定される。この結果、パルス発生器240−1〜240−nが生成する制御パルスのパルス幅が変更され、この変更されたパルス幅の制御パルスがパルス電流発生部130に送出される(ステップS104)。そして、最終的に、ファイバグレーティング44の光軸に沿った温度分布が変更される(ステップS105)。
【0051】
この実施の形態1の可変分散補償装置では、FG固定用キャップ46の上面でファイバグレーティング44の中心部付近に搭載されたサーミスタ48によって、FG固定用キャップ46の温度が検出される。サーミスタ48をファイバグレーティング44に直接搭載しない理由は、上述したように、このサーミスタ48の搭載によるファイバグレーティング44の屈折率の変化を避けるためである。このような場合でも、可能な限りその温度を一定に制御するために、ファイバグレーティング44の中心部分のできる限り近傍で温度をモニタリングすることが好適である。
【0052】
しかし、サーミスタ48とファイバグレーティング44との間に、FG固定用キャップ46が介在することによる熱抵抗が存在するため、ヒータエレメント36に総電力Pを印加すると、サーミスタ48とファイバグレーティング44との間に温度差ΔT(P)が生じる。
【0053】
図9(a)は、ヒータ制御回路220からヒータエレメント36に電力供給しながら、サーミスタ48の温度が目標温度で一定となるようにペルチェ34を制御した場合のヒータ印加電力と、サーミスタ48の出力信号によって計測される温度および反射中心波長の測定結果をもとに算出されるファイバグレーティング44の温度(ファイバ温度)との関係を示す図であり、図9(b)は、ファイバグレーティング44に図9(a)に示す温度勾配(線形電力勾配)を与えたときに、ファイバグレーティング44の軸線方向の位置(FBG位置)と、このFBG位置に対するファイバ温度との関係を示す図である。なお、ここでいう反射中心波長とは、ファイバグレーティング44の3dB帯域の中心のことをさす。
【0054】
図9(a)に示すように、サーミスタ48の出力温度をサーミスタ目標温度T0に固定するようにペルチェ34を制御しても、ヒータエレメント36に供給される電力に応じて、ファイバグレーティング44の中心温度は目標よりもΔT(P)だけ高い温度に固定されてしまう。その結果ファイバグレーティング44の反射中心波長が目標波長からずれてしまう。なお、ファイバグレーティング44の中心から離れるに従って、ファイバファイバグレーティング44の温度がペルチェ上面の温度T2に近づく。
【0055】
図10は、ヒータエレメント36に電力を供給した場合のファイバグレーティング44で反射される光信号の波長に対する損失特性の例を示す図である。同図に示すように、ファイバグレーティング44の反射損失は、ファイバグレーティング44が反射する波長帯域に渡って平坦である。この平坦部分の損失から3dB落ちたところの波長範囲が3dB帯域である。また、同図に示すように、ヒータエレメント36に電力を印加すると、ファイバグレーティング44の中心温度が目標値よりもΔT(P)だけ高くなる分、反射中心波長が長波長側にシフトする。この事実は、ヒータ印加電力Pと、サーミスタ48とファイバグレーティング44との間に生じる温度差ΔT(P)との関係は、ファイバグレーティングの反射中心波長を測定すればよいことを意味する。
【0056】
このようにして、異なるヒータ印加電力に対するファイバグレーティング44の反射中心波長ずれを測定すれば、ファイバグレーティング44の反射中心波長のずれ量とファイバグレーティング44の中心温度との関係に基づいて、ヒータエレメント36へのヒータ印加電力Pに対するファイバグレーティング44の中心温度を示す関数ΔT(P)を打ち消す(補正する)ための、関数δT(P)を求めることができる。ここで言う中心温度とは、ファイバグレーティング44の中央部の温度を代表する温度を指し示す。多くの場合、ΔT(P)はPに比例するので、δT(P)=ΔT(P)として、δT(P)がPに比例するように演算する乗算器を用いることによって制御系を簡潔に構成しやすい。
【0057】
図11(a)は、ヒータエレメント36に1Wの電力を供給した場合のファイバグレーティング44で反射される光信号の波長に対する損失特性を示す図である。同図に示すように、ヒータエレメントに1Wの電力を印加すると、ファイバグレーティングの反射中心波長は、電力を印加していないときに比べて約40pm長波長側にずれる。一般的にファイバグレーティングの反射中心波長は、ファイバグレーティング中心温度が+1℃変化すると、長波長側に約10pmずれることが知られている。したがって、この40pmの波長ずれは、温度に換算すると+4℃に相当することがわかる。
【0058】
これに対して、図11(b)は、図11(a)に示す条件と同一条件で、サーミスタ目標温度を4℃下げた場合のファイバグレーティング44で反射される光信号の波長に対する損失特性を示す図である。同図に示すように、電力を印加しない場合と印加した場合とのファイバグレーティング44のブラッグ反射の中心波長を一致させることができる。
【0059】
このように、ファイバグレーティング44の反射中心波長の波長ずれを測定し、得られた結果から、ファイバグレーティング44の中心温度を目標温度T0にほぼ一致させるための補正量を求める。この際、サーミスタ48に設定するサーミスタ目標温度Tmが、本来のサーミスタ目標温度T0よりもδT(P)だけ低くなるように設定することにより、ファイバグレーティングのブラッグ反射中心波長を正確に固定することができる。
【0060】
図12(a)は、ヒータ制御回路220からヒータエレメント36に電力供給されるヒータ印加電力とファイバグレーティング44の温度が目標温度で一定となるようにペルチェ34によって制御されるサーミスタ温度の目標値との関係を示す図であり、図12(b)は、ファイバグレーティング44に図12(a)に示す温度勾配(線形電力勾配)を与えたときに、ファイバグレーティング44の位置(FBG位置)と、このFBG位置に対するファイバ温度との関係を示す図である。
【0061】
実際、ファイバグレーティング44の温度をダイレクトにモニタリングするのは非常に困難なことであり、この手法を用いることによって、単純な構造のままで正確にファイバグレーティング44の温度をモニタリングすることが可能となる。
【0062】
なお、可変分散補償装置14には固体差があるので、関数δT(p)は、その固体差に応じて設定する必要がある。δT(p)の具体的な関数形の取得は以下のように行う。
▲1▼ サーミスタの目標温度は、Tm=T0としておく。ここでサーミスタ48から出力される温度T0は、ヒータに印加電力Pを与えない場合の、ファイバグレーティング44の中心温度を与えるものとみなす。この温度T0は、所望とする反射中心波長が概ね所望の値となるように設定しておく。
▲2▼ 図示しない制御部200からヒータ印加電力P=0[W]を与えるように、ヒータ制御回路220に与える分散制御信号Sを設定する。
▲3▼ 図示しない分散測定器を光ファイバ10に接続し、ファイバグレーティング44の反射損失特性を測定する。
▲4▼ ▲3▼で得られた反射損失特性から3dB中心波長λを算出する。
▲5▼ 例えば、ヒータ印加電力P=0.1[W]となるように、ヒータ制御回路220に与える分散制御信号Sを設定し、再度▲3▼〜▲4▼を実行する。
▲6▼ 同様に、P=0.2、0.3、…として、▲3▼〜▲4▼を繰り返し実行する。
▲7▼ Pとλの関係をグラフ上にプロットする。
▲8▼ Δλ=10pmがΔT=1℃に対応することを利用して、▲7▼で得たグラフのλ軸を温度軸に変換する。
▲9▼ ▲8▼のグラフからPとδT(P)の関係を得る。
【0063】
このようにして、δT(P)の関数形を得た後、その関数形を論理回路に埋め込む。この際、関数形は線形でも非線形でも構わないが、線形の方が処理は簡単であり、回路規模が小さくなる点で好適である。この実施の形態では、δT(P)の関数形として線形な回路を用いた例を示しており、回路として乗算器300を用いている。
【0064】
以上のように、この実施の形態によれば、基板に載置されたグレーティングを有する光導波路と、光導波路のグレーティングに沿って基板に設けられた複数のヒータエレメントとを具えた加熱ユニットと、基板を加熱または冷却する加熱/冷却素子と、加熱ユニットの温度を検出する温度検出器と、複数のヒータエレメントに供給する電力を制御するヒータ制御器と、このヒータ制御器から複数のヒータエレメントに供給される電力および温度検出器の検出温度に基づいて加熱/冷却素子へ供給する電力を制御する加熱/冷却素子制御器とを備えるように構成しているので、グレーティングで反射される反射波長の中心波長を安定化させることができる。
【0065】
また、この実施の形態によれば、加熱/冷却素子制御器は、ヒータ制御器から複数のヒータエレメントに供給される電力に基づいて出力される制御信号および温度検出器から出力される検出温度を用いて加熱/冷却素子を制御することができるので、光導波路のグレーティングを加熱し、光信号の波長分散を補償するようにグレーティングに温度勾配を与えても、グレーティングの反射中心波長を安定化させるように、グレーティングに所望の温度分布を与えることができる。
【0066】
また、この実施の形態によれば、加熱/冷却素子制御器は、制御信号に応じて光導波路の中心温度を目標温度にほぼ一致させるために温度検出器に設定する電力を逆算する演算器を備え、この演算回路の出力と、設定温度と、温度検出器の検出温度とに基づいて光導波路のグレーティングの反射中心波長を安定化させるように温度制御するので、光導波路のグレーティングを加熱し、光信号の波長分散を補償するようにグレーティングに温度勾配を与えても、グレーティングの反射中心波長を安定化させるように、グレーティングに所望の温度分布を与えることができる。また、群遅延リップルを十分に抑圧することができる。
【0067】
また、この実施の形態によれば、光導波路を固定するための光導波路固定用キャップをさらに備え、この光導波路固定用キャップに温度検出器を備えるようにしているので、光導波路のグレーティングに直接搭載することによる温度検出器の介在に起因して、搭載部周辺での歪みや温度分布の変化等によりファイバグレーティングの屈折率が変化することを抑制することができる。
【0068】
また、この実施の形態によれば、ヒータ制御器は、光導波路に温度分布を与えてこの光導波路の屈折率を変化させるために複数のヒータエレメントに流す電流を制御するための制御パルスを生成する制御パルス生成手段と、この制御パルスのパルス幅を補正する制御パルス補正手段とを備え、この制御パルス補正手段は、光導波路に与えるべき温度分布を理想的な線形分布からずらす必要がある場合に、制御パルスのパルス幅を補正するようにしているので、応答性に優れた動的な分散補償が可能となる。
【0069】
なお、グレーティングを有する光導波路と、光導波路と熱的に間接的に接続された温度検出器と、この温度検出器の検出温度に基づいて温度制御する加熱/冷却素子制御器とを備えて、この加熱/冷却素子制御器が、光導波路と温度検出器との間の熱抵抗に影響を受けずに、グレーティングの反射中心波長を安定化させるように温度制御できるものであれば、他の構成であっても構わない。
【0070】
なお、ここでいうところの加熱ユニットはFG加熱ユニット20に対応する。同様に、加熱/冷却素子はペルチェ34に対応し、温度検出器はサーミスタ48に対応し、ヒータ制御器はヒータ制御回路220に対応し、加熱/冷却素子制御器はペルチェ制御回路24に対応する。
【0071】
また、ここでいうところの演算器は、乗算器300、減算回路303および304により実現される。同様に、制御パルス生成手段は、初期値記憶部170、パルス幅増分値記憶部180、補正係数記憶部190、制御部200、加算器210−2〜210−nおよび乗算器220−1〜220−nにより実現され、制御パルス補正手段は、補正係数記憶部190、制御部200および乗算器220−1〜220−nにより実現される。
【0072】
実施の形態2.
図13は、実施の形態2にかかるFG加熱ユニット20を構成する電極38の周辺部とファイバグレーティング44の保持部の構成を示す平面図である。説明の都合上、ファイバグレーティング44はその一部を破断させて示している。同図において、複数のヒータエレメント36を挟むように、複数の電極38Aと1つのコモン電極38Bが設けられている。電極38A、コモン電極38Bはヒータエレメント36と平行に形成されており、各ヒータエレメント36と電極38A、コモン電極38Bは配線パターン39で接続される。ファイバグレーティング44は、石英基板30の軸線方向の両端に設けられた一対のガイド板500aと500bの間に挟まれるように配置され、ガイド板500a、500bによって保持されて接着固定される。これによって、ファイバグレーティング44の半径方向(軸線に垂直な方向)に、ファイバグレーティング44の位置決めができる。
【0073】
ガイド板500a、500bは、夫々厚さ約10μm程度の長方形状の薄膜板で形成され、ガイド板500a、500bの上面と石英基板30の上面との間に段差が設けられる。この段差は、石英基板30の上面にファイバグレーティング44を載置する前、ガイド板500aと500bとの間に、ファイバグレーティング44を挟み込むための間隙を与える。この間隙は、ファイバグレーティング44を載置する際に、ファイバグレーティング44の位置がずれない程度に近接して配置される。
【0074】
電極38A、コモン電極38Bに電圧を印加することでヒータエレメント36に電流が流れヒータエレメント36は発熱する。電極38A、コモン電極38Bはヒータエレメント36および配線パターン39より厚く形成される。ヒータエレメント36の厚さは0.5μm以下、配線パターン39の厚さは約3μm、電極38A、コモン電極38Bの厚さは約10μmである。実施の形態1では、FG固定用キャップ46の上面にサーミスタ48を載置していたが、実施の形態2では、コモン電極38Bの上面に載置している。また、このサーミスタ48は、ファイバグレーティング44のグレーティングが形成される範囲の中心部分の温度をモニタリングするため、コモン電極38Bの中央部分に載置される。
【0075】
FG加熱ユニット20はこのように構成され、その他の構成や、ヒータ制御回路220、ペルチェ制御回路24、ペルチェ34等との接続構成、および反射中心波長を安定化させるという作用効果については、実施の形態1と同様である。
【0076】
然るに、この実施の形態によれば、基板の上面の両端に光導波路を固定するための一対のガイド板をそれぞれ備えるようにしているので、実施の形態1で用いた光導波路固定用キャップが不要になるという効果がある。また、FG固定用キャップ46を用いてファイバグレーティング44を固定していないので、ファイバグレーティング44周辺の熱容量を小さくすることができ、ある温度勾配ΔTを得るために要するヒータ消費電力が、実施の形態1と比べてより小さくなる。
【0077】
【発明の効果】
以上説明したとおり、この発明によれば、加熱ユニットの加熱/冷却素子は基板を加熱または冷却し、加熱ユニットの温度検出器は加熱ユニットの温度を検出するとともに、ヒータ制御器は複数のヒータエレメントに供給する電力を制御し、加熱/冷却素子制御器はヒータ制御器から複数のヒータエレメントに供給される電力と温度検出器の検出温度とに基づいて加熱/冷却素子へ供給する電力を制御するようにしているので、グレーティングで反射される反射波長の中心波長を安定化させることができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明にかかる可変分散補償装置を備えた光ファイバ通信システムにおける光信号の流れを示す説明図である。
【図2】図1に示した可変分散補償装置の構成を示すブロック図である。
【図3】FG加熱ユニットの詳細を示した斜視図である。
【図4】図3に示すFG加熱ユニットを構成する石英基板、ヒータエレメントおよびファイバグレーティングの構成を示す側面図である。
【図5】FG加熱ユニットを構成する電極の周辺部の構成を示す平面図である。
【図6】可変分散補償装置のヒータ制御回路の構成を示すブロック図である。
【図7】制御パルス発生部からパルス電流発生部の各スイッチに送出される制御パルスの波形の一例を示すタイムチャートである。
【図8】チャープグレーティングに誤差が存在する場合などに補正係数C1〜Cnを修正する手順を示すフローチャートである。
【図9】(a)はヒータ制御回路からヒータエレメントに電力供給しながら、サーミスタの温度が目標温度で一定となるようにペルチェを制御した場合のヒータ印加電力と、サーミスタの出力信号によって計測される温度およびファイバグレーティングにサーミスタを直接付着させて計測したファイバグレーティングの温度(ファイバ温度)との関係を示す図であり、(b)はファイバグレーティングに(a)に示す温度勾配(線形電力勾配)を与えたときに、ファイバグレーティングの位置(FBG位置)と、このFBG位置に対するファイバ温度との関係を示す図である。
【図10】ヒータエレメントに電力を供給した場合のファイバグレーティングで反射される光信号の波長に対する損失特性の例を示す図である。
【図11】(a)はヒータエレメントに1Wの電力を供給した場合のファイバグレーティングで反射される光信号の波長に対する損失特性を示す図であり、(b)は(a)に示す条件と同一条件で、サーミスタ目標温度を4℃下げた場合のファイバグレーティング44で反射される光信号の波長に対する損失特性を示す図である。
【図12】(a)はヒータ制御回路からヒータエレメントに電力供給されるヒータ印加電力とファイバグレーティングの温度が目標温度で一定となるようにペルチェによって制御されるサーミスタ温度の目標値との関係を示す図であり、(b)はファイバグレーティングに(a)に示す温度勾配(線形電力勾配)を与えたときに、ファイバグレーティングの位置(FBG位置)と、このFBG位置に対するファイバ温度との関係を示す図である。
【図13】実施の形態2にかかるFG加熱ユニットを構成する電極の周辺部とファイバグレーティングの保持部の構成を示す平面図である。
【符号の説明】
4 共通アース端子、5 カバー、10 光ファイバ、11 直流電源、12サーキュレータ、14 可変分散補償装置、16 光受信器、20 FG加熱ユニット、24 ペルチェ制御回路、30 石英基板、32 ヒートスプレッダ、34 ペルチェ、36 ヒータエレメント、38,38A 電極、38B コモン電極、39 配線パターン、40 中継基板、42 端子、44 ファイバグレーティング、46 FG固定用キャップ、48 サーミスタ、50 ケース、120 EMI除去フィルタ、130 パルス電流発生部、140−1〜140−n スイッチ、150−1〜150−n 制御端子、160 制御パルス発生部、170 初期値記憶部、180 パルス幅増分値記憶部、190 補正係数記憶部、200 制御部、210−2〜210−n 加算器、220 ヒータ制御回路、220−1〜220−n,300 乗算器、230 基準信号発生器、240−1〜240−n パルス発生器、301 A/D変換器、302 基準温度出力器、303,304 減算回路、360 ヒータ、500a,500b ガイド板。
Claims (7)
- 基板に載置されたグレーティングを有する光導波路と、
この光導波路のグレーティングに沿って基板に設けられた複数のヒータエレメントと、
を備える加熱ユニットと、
前記基板を加熱または冷却する加熱/冷却素子と、
前記加熱ユニットの温度を検出する温度検出器と、
前記複数のヒータエレメントに供給する電力を制御するヒータ制御器と、
前記ヒータ制御器から前記複数のヒータエレメントに供給される電力および前記温度検出器の検出温度に基づいて前記加熱/冷却素子へ供給する電力を制御する加熱/冷却素子制御器と、
を備えた可変分散補償装置。 - 前記加熱/冷却素子制御器は、前記ヒータ制御器から前記複数のヒータエレメントに供給される電力に応じて出力される制御信号および前記温度検出器から出力される検出信号との差に基づいて、前記加熱/冷却素子を制御することを特徴とする請求項1に記載の可変分散補償装置。
- 前記加熱/冷却素子制御器は、前記制御信号に比例して変化する信号を出力する演算器を備え、
前記光導波路のグレーティングの反射中心波長に対応した温度と前記演算器の出力とに基づいて演算される出力信号が、前記温度検出器の検出温度と一致するように温度制御することを特徴とする請求項2に記載の可変分散補償装置。 - 前記基板と共に前記光導波路のファイバーグレーティングを挟んで固定する光導波路固定用キャップをさらに備え、この光導波路固定用キャップに前記温度検出器を備えることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一つに記載の可変分散補償装置。
- 前記基板の上面の両端に前記光導波路を固定するための一対のガイド板をそれぞれ備え、前記温度検出器は当該基板上に配置されることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一つに記載の可変分散補償装置。
- 前記ヒータ制御器は、
前記光導波路に温度分布を与えてこの光導波路の屈折率を変化させるために前記複数のヒータエレメントに流す電流を制御するための制御パルスを生成する制御パルス生成手段と、
この制御パルスのパルス幅を補正する制御パルス補正手段と、
を備え、
この制御パルス補正手段は、前記光導波路に与えるべき温度分布を理想的な線形分布からずらす必要がある場合に、前記制御パルスのパルス幅を補正することを特徴とする請求項1〜5のいずれか一つに記載の可変分散補償装置。 - 光導波路のグレーティングに沿って設けられた複数のヒータエレメントと、当該グレーティングを加熱または冷却する加熱/冷却素子と、前記光導波路のグレーティングを固定する固定部材に設けられた温度検出器とを備えた可変分散補償装置に対して、当該ヒータエレメントに供給する電力および当該加熱/冷却素子に供給する電力を出力する電源回路であって、
前記複数のヒータエレメントに出力する電力を制御するヒータ制御器と、
前記ヒータ制御器から前記複数のヒータエレメントに出力される電力および前記温度検出器から出力される出力信号に基づいて前記加熱/冷却素子へ出力する電力を制御する加熱/冷却素子制御器と、
を備えることを特徴とする電源回路。
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