JP2005091408A - 分散補償器 - Google Patents

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Abstract

【課題】光ファイバ伝送における分散補償や波形整形に必要な分散制御を簡単な構成で可変に行うことができる分散補償器を提供する。
【解決手段】グレーティング112が形成されたコアを有する少なくとも1つの光ファイバ111と、グレーティング112の光伝搬方向における温度分布を制御する発熱部とを備え、発熱部は、光伝搬方向に沿って配列された複数の発熱要素114を有しており、複数の発熱要素114に含まれる第1の発熱要素は、第1の抵抗率を有する材料から形成された第1導電体層を有し、かつ、複数の発熱要素114に含まれる第2の発熱要素は、第1の抵抗率とは異なる第2の抵抗率を有する材料から形成された第2導電体層を有している。
【選択図】図1

Description

本発明は、光ファイバ通信などで生じる光信号の波長分散を補償する分散補償器に関する。
近年の光ネットワークの進歩に伴い、光ファイバ伝送路における分散補償技術の重要性がますます増加している。既設の1.3μm帯の光ファイバ伝送路を用いて伝送損失の低い1.5μm帯の光を伝送させる場合、17ps/km・nm程度の波長分散が生じる。このため、光信号の伝送レートが高くなる場合や伝送距離が長くなる場合に、波長分散による光信号の劣化が顕著に生じるため、適宜、波長分散を補償する必要がある。
従来、このような波長分散を補償する装置として代表的なものに分散補償器がある。分散補償器は、光信号を伝送させる通常の光ファイバが有している分散特性とは逆の分散特性を持つ分散補償ファイバを用い、これによって光ファイバ伝送路における波長分散による光信号の波形変化を相殺して分散を補償する。このような分散補償器には、分散補償ファイバが数km以上も必要となるため、装置を小型化できないという欠点がある。
他のタイプの分散補償器としては、光ファイバのコア中にグレーティング(回折格子)を形成したファイバグレーティングを用いる装置が知られている。このようなタイプの分散補償器は、光ファイバの軸方向に沿ってグレーティング周期が変化しているチャープブラッググレーティングを用いている。
ファイバグレーティングは光ファイバのコア中に連続的な屈折率変調の周期をArの2次高調波やKrFの紫外レーザ光で干渉露光、もしくは位相マスクを用いて作製される。ブラッグ波長λBはグレーティングの周期Λとグレーティングの実効屈折率neffを用いてλB=2×neff×Λと表される。長手方向に回折格子周期が変化しているグレーティングはチャープファイバグレーティングと呼ばれている。グレーティングの周期Λが連続的に変化するために、ブラッグ反射波長λBも連続的に変化する。このため、ファイバグレーティング内の各反射波長λBに対応した光の反射点までの距離に応じて遅延時間が異なるため、波長分散を持たせることができる。
こうしたチャープファイバグレーティングの性質を利用して、波長分散補償器を実現することができる。図5は、このようなグレーティングファイバを備えた分散補償器の構成を示している(特許文献1)。以下、図5の分散補償器の構成と動作を説明する。
図5の分散補償器は、入力端子514a、入出力端子514b、および出力端子514cを有する光サーキュレータ513と、光サーキュレータ513の入出力端子514bに結合されたファイバグレーティング515とを備えている。
光サーキュレータ513の入力端子514aおよび出力端子514cは、それぞれ、不図示の伝送用光ファイバに結合されている。伝送用光ファイバを通して伝送されてきた光信号の波形は、伝送用光ファイバに存在する波長分散の影響を受けて変化しているものとする。
ファイバグレーティング515のコア516には、グレーティングの周期(グレーティング間隔)が連続的かつ単調に変化しているチャープブラッググレーティングが形成されている。
入力光511は、光サーキュレータ513の入力端子514aに入力されると、入出力端子514bを介してファイバグレーティング515に達する。ファイバグレーティング515のコア516は、入力光511をブラッグ反射によって光サーキュレータ513の入出力端子514bに向けて反射する。ファイバグレーティング515における入力光511の反射位置は、グレーティング周期が軸方向に分布を有しているため、波長に応じて異なっている。すなわち、グレーティング周期の軸方向分布は、伝送用光ファイバにおける波長分散に起因して生じる入力光511の波形変化を元に戻すように設定されている。より具体的には、ファイバグレーティング515に入力され、反射されてきた光がファイバグレーティング515で受ける波長分散は、信号伝送用光ファイバにおける波長分散と絶対値が同一で極性が反対になるように調整されている。この結果、ファイバグレーティング515で反射されて再び入出力端子514bから光サーキュレータ513に戻った光が出力端子514cから出力光512として出力されるとき、波長分散が補償された状態になっている。
図5に示すファイバグレーティング515の波長分散は、あらかじめ設定され、固定された値を有している。このため、その波長帯域や補償量を動的に変化させることはできない。入力光511が伝送用光ファイバで受ける波長分散の影響を適切に補償するには、グレーティング周期を動的に変化させることにより、反射帯域や分散を変化させることのできることが好ましい。このような機能を有する分散補償器が特許文献1などに開示されている。特許文献1が開示する分散補償器では、ファイバグレーティングにヒータ等によって温度勾配を付与することにより、ファイバグレーティングに熱膨張を与え、それによってグレーティングの反射波長や反射帯域を動的に変化させることが可能である。
次に、図6を参照しながら、従来の分散補償器を説明する。この分散補償器は、特許文献1に記載されている。
図6に示す分散補償器は、基板4上に設けられたグレーティング付き光ファイバ1と、発熱用の抵抗体から成る複数のヒータ発熱部15と、各ヒータ発熱部15の両端に接続された導電体のテーパ付きパターン16とを備えている。
ヒータ発熱部15およびテーパ付きパターン16から構成される複数のヒータが光ファイバ1に沿って一列に並べられている。光ファイバ1は、そのグレーティング部が上記ヒータの配列領域と重なるように搭載されている。
図6からわかるように、ヒータ発熱部15は長手方向が光ファイバ1の軸線方向と平行になるように配置され、所定の間隔を置いて配列されており、各ヒータ発熱部15には、テーパ付パターン16を介して不図示の電源から電流が供給される。パターン16は、ヒータ発熱部15から離れるに従って断面積が拡大する形状を有しているため、ヒータ発熱部15の近傍以外の部分では、電気抵抗が充分に低く、発熱が抑制されている。
図6に示す分散補償器では、ヒータ発熱部15を流れる電流が熱に変換されて光ファイバ1に伝達される。個々のヒータ発熱部15を流れる電流は、各ヒータ発熱部15に接続された一対のテーパ付きパターン16の一方から他方へと流れる。
この分散補償器では、各ヒータ発熱部15における発熱量に差を設けることにより、光ファイバ1に温度勾配を付与することができる。
特開2002‐196290号公報
上記の分散補償器では、各ヒータ発熱部15における発熱量に差を設けるため、個々のヒータ発熱部15を流れる電流の大きさを調節している。すなわち、個々のヒータ発熱部15を流れる電流を高い精度で調節するには、特別の電源回路を用いる必要がある。
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、光ファイバ伝送における分散補償や波形整形に必要な分散制御を簡単な構成で可変に行うことができる分散補償器を提供することにある。
本発明による分散補償器は、グレーティングが形成されたコアを有する少なくとも1つの光伝送路と、前記グレーティングの光伝搬方向における温度分布を制御する発熱部とを備えた分散補償器であって、前記発熱部は、前記光伝搬方向に沿って配列された複数の発熱要素を有しており、前記複数の発熱要素に含まれる第1の発熱要素は、第1の抵抗率を有する材料から形成された第1導電体層を有し、かつ、前記複数の発熱要素に含まれる第2の発熱要素は、前記第1の抵抗率とは異なる第2の抵抗率を有する材料から形成された第2導電体層を有している。
好ましい実施形態において、前記光伝送路および前記発熱部を支持する基板を更に備えている。
好ましい実施形態において、前記光伝送路は、ファイバグレーティングであり、前記基板には、前記ファイバグレーティングを保持するための溝が形成されており、前記ファイバグレーティングは前記溝に固定されている。
好ましい実施形態において、前記基板は、前記ファイバークレーティングの熱伝導率以下の熱伝導率を有している。
好ましい実施形態において、前記第1導電体層および前記第2導電体層は、前記基板上に形成され、かつ、直列的に接続されている。
好ましい実施形態において、前記発熱部に電流を流すための回路を更に備えており、前記回路は、少なくとも第1および第2導電体層に同じ大きさの電流を流す。
前記複数の発熱要素は直列的に接続されており、前記回路は、前記複数の発熱要素に同じ大きさの電流を流す。
好ましい実施形態において、前記基板上に形成された温度検出器を更に備えており、前記回路は、前記温度検出器の出力に基づいて、前記電流の大きさを調節することができる。
好ましい実施形態において、前記基板上に形成された温度検出器および温度保持手段を更に備えており、前記温度保持手段は、前記温度検出器の出力に基づいて、前記光伝送路の温度分布を一定に保持する。
好ましい実施形態において、前記温度保持手段は、ペルチェ素子を含む。
好ましい実施形態において、前記温度保持手段および前記発熱部は、それぞれ、前記基板上において前記光伝送路を挟む領域に配置されている。
好ましい実施形態において、前記第1および第2導電体層は、略同じ平面形状を有している。
好ましい実施形態において、前記第1および第2導電体層は、略同じ厚さを有している。
好ましい実施形態において、前記複数の発熱要素は、各々の発熱量が前記光伝送路に沿って線形的に変化するように配置されている。
好ましい実施形態において、前記複数の発熱要素は、各々の発熱量が前記光伝送路に沿って二次関数的に変化するように配置されている。
好ましい実施形態において、前記グレーティングは、光伝搬方向に沿って格子間隔が変化している。
本発明によれば、抵抗率の異なる材料からなる導電体層を用いて複数の発熱要素を形成することにより、簡単な構成により、ファイバグレーティングに所望の温度勾配を付与する分散補償器を提供することができる。
以下、本発明による光変調素子の実施形態を説明する。
図1は、本実施形態に係る分散補償器の全体構成を示す概略図である。
本実施形態の分散補償器は、ブラッググレーティング112が形成されたコアを有する少なくとも1つの光伝送路(光ファイバ111)と、ブラッググレーティング112の光伝搬方向における温度分布を制御する発熱部とを備えている。この発熱部は、光伝搬方向に沿って配列された複数の発熱要素114から構成されている。
光伝送路として機能する光ファイバ111は、基板113上に固定されている。基板113には、光ファイバ111を保持するための溝115が形成されており、光ファイバ111は溝115に固定されている。この溝115は、断面がV字型またはU字型であることが好ましく、そのサイズは光ファイバ111を適切に指示支持するように設定される。
本実施形態で用いる基板113は、発熱要素114で生じる熱を外部に逃さず、光ファイバ111の加熱を効率的に利用するため、熱伝導率が比較的低い材料から形成することが好ましい。具体的には、基板113は、光ファイバ111の熱伝導率と同等か、それ以下の熱伝導率を有している材料から形成されるが好ましい。本実施形態の基板113は、石英ガラスから形成されている。
発熱部に含まれる各発熱要素114は、基板113上に設けられた導電体層から構成されている。導電体層は、後に詳しく説明するように、配列順序(位置)に応じて適切に選択された抵抗率を有する材料から形成されている。本実施形態では、同じ平面サイズおよび厚さを有する5つの導電体層が、基板上113上において、光伝搬方向に沿って直線的に配列されており、配線を介して相互に直列的に接続されている。各発熱要素114の導電体層は、その材料が異なる点を除けば、同一の平面形状および厚さを有しているため、その作製が容易であり、製造コストを低減できる。
図1の例で、各発熱要素114の導電体層が、光ファイバ111と基板113との間に設けられている。すなわち、各導電体層は溝115を横切るように配置されている。このため、導電体層の厚さに相当する深さを有し、導電体層の平面形状に対応した形状を有する凹部を基板113上に形成しておくことが好ましい。この場合、各凹部に対応する導電体層をはめ込むことになる。厚さの等しい導電体層を配列する場合、各凹部の深さを一定にすればよいため、基板113の表面に凹部を形成する加工が容易になる。なお、発熱要素114の導電体層は、光ファイバ111を覆うように配置されても良い。
直列的に接続された発熱要素114には、電流発生装置117が接続されており、電流発生装置117の働きによって発熱要素114を電流が流れることになる。発熱要素114は、上述のように、所定の抵抗率を持つ導電体層を含んでいるため、導電体層を電流が流れると、ジュール熱を発する。導電体層は、例えば、鉄、銅、インバール、ニクロムなどの金属から形成されていることが好ましい。本発明では、5つの導電体層の少なくとも2つは異なる抵抗率を有する材料から形成されているため、同じ大きさの電流が流れても異なる大きさのジュール熱を生成することになる。その結果、簡単な回路構成により、発熱部による発熱量に対して、光伝搬方向に沿った分布を与えることができる。このような発熱量の分布は、光ファイバに光伝搬方向における温度分布を与え、グレーティングの格子間隔を微細に調節することを可能にする。
本実施形態では、基板113上には温度検知器116が設けられている。温度検出器116は、1つの発熱要素114に接する位置に設けられている。なお、温度検知器116は、発熱要素114に接する必要はないが、接していることにより、発熱要素114の温度を速やかに検知することができるため、温度制御の応答性が向上する。ファイバグレーティングの現実の温度を検知するため、ファイバグレーティングに温度検知器116を接触させるように配置しても良い。
発熱要素114に電流を供給する電流発生装置117は、温度検知器116にも接続されており、温度検出器116からの出力を受け取る。電流発生装置117は、温度検知器116の出力に基づいて発熱要素114に流す電流の大きさを調節する。これにより、発熱要素114の温度を所望の温度に制御できる。
次に、発熱要素114による発熱を更に詳細に説明する。
導電体層の光伝搬方向におけるサイズ(長さ)をlm、光伝播方向に垂直な面の断面積をSm2、導電体層の抵抗率をρとする。このとき、導電体層の電気抵抗Rは、R=ρ×l/Sで与えられる。また、導電体層での消費電力をP、導電体層を流れる電流をIとすると、P=I2Rの関係が得られる。導電体層の発熱量Qは、Q=P×t(tは時間)で表わされるため、Q=I2R×t=I2(ρ×l/S)×tで表わされる。
上記のことから明らかなように、電流Iが一定の場合、発熱量Qは抵抗率ρに比例して変化する。このため、発熱要素114に用いる導電体層を、抵抗率ρの異なる材料から形成した場合、各導電体層を流れる電流Iが一定でも、各導電体層で生じる発熱量Qを変化させることが可能である。
なお、抵抗率ρが等しい材料から各導電体層を形成する場合であっても、形状ファクタ(長さlおよび/または断面積S)を変化させることにより、各導電体層の発熱量Qを変化させることが可能である。この場合、例えば、平面形状や平面サイズが同一でも、厚さを変化させることにより、断面積Sを調節できるため、それによって発熱量Qを発熱要素毎に変化させることが可能になる。ただし、導電体層の厚さを変化させる場合は、基板の表面の凹部に導電体層をはめこむことが難しくなることは前述したとおりである。
本実施形態では、このようにして各発熱要素114における発熱量Qを調節することにより、光ファイバ111のコア中に形成されたブラッググレーティング112の温度分布を制御することができ、所望の温度勾配を付与できる。
本実施形態の分散補償器には、好適には、光ファイバ中を伝送してきた超短パルス光が入力される。超短パルス光は広い周波数スペクトル成分を有しているため、光ファイバ中を伝送するうちに波長分散の影響を特に受けやすい。波長分散の影響を受けた超短パルス光は、光ファイバ伝搬前の光パルスと比較すると、パルス幅が広がってしまう。
本実施形態の分散補償器によれば、電流発生装置117から発熱要素114に供給される電流を調節することにより、発熱要素114からの発熱量を制御し、それによって温度勾配を光ファイバ111のコア中のブラッググレーティング112に付与することができる。温度勾配が与えられたブラッググレーティング112では、温度に応じて熱膨張し、各部位の格子間隔が変化する。その結果、所望の波長帯域における残留分散値を減ずることができる。
以下、本発明の実施例を説明する。
(実施例1)
本実施例では、図1に示す構成を有する分散補償器を作製した。基板113に設けた5つの発熱要素114は、それぞれ、同一の形状および大きさの導電体層を有している。平面レイアウト上、各導電体層の形状は長方形であり、それぞれの光伝搬方向のサイズは30000μm、光伝搬方向に垂直な方向のサイズは300μm、厚さは250μmである。ただし、5つの導電体層の材料は、図1の左側から、それぞれ、クロメル、コンスタンタン、アルメル、タンタル、および銅である。
クロメルの抵抗率ρ1は70×10-8(Ω・m)、コンスタンタンの抵抗率ρ2は49×10-8(Ω・m)、アルメルの抵抗率ρ3は28.1×10-8(Ω・m)、タンタルの抵抗率ρ4は12.3×10-8(Ω・m)、銅の抵抗率ρ5は1.55×10-8(Ω・m)である。このため、発熱要素114の抵抗を、それぞれ、R1〜R5としたとき、R1=0.7Ω、R2=0.49Ω、R3=0.28Ω、R4=0.123Ω、R5=0.155Ωとなる。
上記の発熱要素に200秒間だけ1アンペアの電流を流すと、各発熱要素114の単位時間あたりの発熱量Qは、それぞれ、Q1=140J、Q2=98J、Q3=56.2J、Q4=24.6J、Q5=3.1Jとなる。
5つの発熱要素について、材料、抵抗R、発熱量Q、および温度上昇ΔTを以下の表1に示す。
Figure 2005091408
本実施例では、発熱要素114の位置に応じて発熱量Qが線形的に変化しているため、発熱要素114によるファイバグレーティングの温度上昇も線形的である。
ファイバグレーティング112は、光伝搬方向に沿って格子間隔が変化するチャープ構造を有している。このようなファイバグレーティング112を有する本実施形態の分散補償器では、波長帯域が1550nmから1552.5nmで−120ps/nmの分散量を補償できる。上記の5つの発熱要素114に電流を流し、表1に示すような温度勾配をチャープファイバグレーティングに与えることにより、ファイバグレーティング112において発熱要素114に対応する部位の温度が、それぞれ、例えば、39.8℃、37.9℃、36.1℃、34.2℃、および32.4℃に変化する。このような温度分布が後与えられることにより、ブラッググレーティングによるブラッグ反射の波長が変化する。その結果、群遅延が図2に示すように変化する。分散は、群遅延を一次微分したものである。このため、本実施例によれば、温度分布を変化させることにより、補償可能な分散量を−100ps/nmへと変化させることができる。
(実施例2)
本実施例では、各発熱要素114に用いる導電体層の材料を変更することにより、2次関数状に変化する温度勾配をファイバグレーティング112に与える。本実施例でも、基本的には、図1に示す構成の分散補償器を作製した。実施例1と異なる点は、下記の表2に示す材料を用いた点にある。銅の抵抗率ρ1は49×10-8(Ω・m)、タンタルの抵抗率ρ2は12.3×10-8(Ω・m)、コンスタンタンの抵抗率ρ3は1.55×10-8(Ω・m)である。本実施例では、200秒間発熱要素に1アンペアの電流が流れているとすると、表2に示すように、各発熱要素114の発熱量Q(J)は中央で最高値を示し、外側ほど小さくなる。
Figure 2005091408
本実施例では、このように発熱要素114の位置に応じて発熱量Qが2次関数状に変化する。
上記の5つの発熱要素114に電流を流し、表2に示すような温度勾配をチャープファイバグレーティングに与えることにより、ファイバグレーティング112において発熱要素114に対応する部位の温度が、それぞれ、例えば31.1℃、33.4℃、38.7℃、33.4℃、および31.1℃に変化する。その結果、群遅延が図3に示すように変化する。本実施例では、図4に示すように温度勾配付与前では波長に対して120ps/nmで一定であるが、温度勾配の付与により、波長帯域1550nmから1552.5nmでの分散が100ps/nmから140ps/nmまで線形に変化する。この分散曲線の一次微分即ち、群遅延曲線の二次微分が分散スロープを表すため、分散スロープは温度印加前後で0ps/nm2から16ps/nm2へ変化することになる。
上記の各実施例では、各導電体層は直列的に接続されている。前述のとおり、各発熱要素の発熱量は電流量の二乗に比例するので、電流発生装置117によって発熱部を流れる電流の量を変化させることにより、ファイバグレーティングの温度分布を簡単に調節することができる。なお、温度検知器116は、各発熱要素に備え付ける必要はなく、一部の部位の温度を検知できれば良い。
分散を補償すべき波長帯域幅の中心が周囲の温度変化などの環境変化によって揺らぐことは好ましくない。このため、本実施形態では、ブラッググレーティング112の全体の温度を制御する目的でペルチェ素子118を基板113上に設けている。図1では、ペルチェ素子118が基板113の左端にのみ存在するかのように記載されているが、現実には、基板113上のファイバグレーティング112の略全体を覆っており、図1の中央から右側領域では記載を省略している。ペルチェ素子118は温度保持信号発生装置119によって駆動され、ブラッググレーティング112の温度を所定レベルに保持する機能を発揮する。光ファイバ111の軸方向温度分布のプロファイル自体は、前述したように、複数の発熱要素114によって調節されるが、温度のレベルは、ペルチェ素子118によってファイバグレーティング112の全体を加熱または冷却することによって制御することができる。ペルチェ素子118による加熱/冷却の程度は、分散補償器による分散補償の量に基づいて算出され得る。
本実施形態のペルチェ素子118は、光ファイバ111のコア中に形成されたグレーティング112を挟んで発熱要素114と対向する位置に設けられている。言い換えると、グレーティング112は、ペルチェ素子118と発熱要素114とによって挟まれた状態にある。このため、グレーティング112の温度勾配はステップ状にならず、滑らかになる。この理由は、ペルチェ素子118がグレーティング112を広い範囲で覆っているためである。
以上の構成を有する分散補償器を動作させるとき、光ファイバ111の一端を光ファイバ伝送路(不図示)に接続する必要がある。具体的に、図5に示す構成を採用して、分散保障きを光ファイバ伝送路に結合することができる。なお、ファイバグレーティング111の数および形状、発熱要素114の数、発熱要素114の形状や大きさ、ペルチェ素子118の形状や数、ァイバグレーティング111と発熱要素114との距離などの構造パラメータは、帯域幅や補償すべき光ファイバの分散量や高次の分散等の特性に応じて適宜好ましい値に設定されえる。高次の分散に対応するには、さらに複雑な温度勾配を与えればよい。そのためには、その温度勾配に対応した導電体層の組み合わせを配置すればよい。
本発明の分散補償器によれば、従来の分散補償器に比べて簡便な構成で分散制御を容易に行なうことができるため、光通信システムなどに好適に適用できる。
本発明による分散補償器の実施形態の構造を概略的に示す上面図である。 本発明の分散補償器の実施例1における波長―群遅延特性を示すグラフである。 本発明の分散補償器の実施例2における波長―群遅延特性を示すグラフである。 上記実施例2における分散補償器の波長―分散特性を示すグラフである。 ファイバグレーティングによる分散補償を説明する図である ファイバグレーティングを用いる従来の分散補償器を示す上面図である。
符号の説明
1 グレーティング付き光ファイバ
4 基板
15 ヒータ発熱部
16 テーパ付きパターン
111 光ファイバ
112 ブラッググレーティング
113 基板
114 発熱要素
115 溝
116 温度検知器
118 ペルチェ素子
119 温度保持信号発生装置
511 入力光
512 出力光
513 光サーキュレータ
514 光サーキュレータ端子
515 チャープブラッググレーティング
516 コア

Claims (16)

  1. グレーティングが形成されたコアを有する少なくとも1つの光伝送路と、
    前記グレーティングの光伝搬方向における温度分布を制御する発熱部と、
    を備えた分散補償器であって、
    前記発熱部は、前記光伝搬方向に沿って配列された複数の発熱要素を有しており、
    前記複数の発熱要素に含まれる第1の発熱要素は、第1の抵抗率を有する材料から形成された第1導電体層を有し、かつ、前記複数の発熱要素に含まれる第2の発熱要素は、前記第1の抵抗率とは異なる第2の抵抗率を有する材料から形成された第2導電体層を有している、分散補償器。
  2. 前記光伝送路および前記発熱部を支持する基板を更に備えている請求項1に記載の分散補償器。
  3. 前記光伝送路は、ファイバグレーティングであり、
    前記基板には、前記ファイバグレーティングを保持するための溝が形成されており、前記ファイバグレーティングは前記溝に固定されている、請求項2に記載の分散補償器。
  4. 前記基板は、前記ファイバークレーティングの熱伝導率以下の熱伝導率を有している、請求項2または3に記載の分散補償器。
  5. 前記第1導電体層および前記第2導電体層は、前記基板上に形成され、かつ、直列的に接続されている、請求項2から4のいずれかに記載の分散補償器。
  6. 前記発熱部に電流を流すための回路を更に備えており、
    前記回路は、少なくとも第1および第2導電体層に同じ大きさの電流を流す、請求項2から5のいずれかに記載の分散補償器。
  7. 前記複数の発熱要素は直列的に接続されており、
    前記回路は、前記複数の発熱要素に同じ大きさの電流を流す、請求項6に記載の分散補償器。
  8. 前記基板上に形成された温度検出器を更に備えており、
    前記回路は、前記温度検出器の出力に基づいて、前記電流の大きさを調節することができる請求項6または7に記載の分散補償器。
  9. 前記基板上に形成された温度検出器および温度保持手段を更に備えており、
    前記温度保持手段は、前記温度検出器の出力に基づいて、前記光伝送路の温度分布を一定に保持する請求項2から7のいずれかに記載の分散補償器。
  10. 前記温度保持手段は、ペルチェ素子を含む請求項9に記載の分散補償器。
  11. 前記温度保持手段および前記発熱部は、それぞれ、前記基板上において前記光伝送路を挟む領域に配置されている請求項9または10に記載の分散補償器。
  12. 前記第1および第2導電体層は、略同じ平面形状を有している請求項1から11のいずれかに記載の分散補償器。
  13. 前記第1および第2導電体層は、略同じ厚さを有している請求項12に記載の分散補償器。
  14. 前記複数の発熱要素は、各々の発熱量が前記光伝送路に沿って線形的に変化するように配置されている請求項1から13のいずれかに記載の分散補償器。
  15. 前記複数の発熱要素は、各々の発熱量が前記光伝送路に沿って二次関数的に変化するように配置されている請求項1から13のいずれかに記載の分散補償器。
  16. 前記グレーティングは、光伝搬方向に沿って格子間隔が変化している請求項1から15のいずれかに記載の分散補償器。
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JP2016042164A (ja) * 2014-08-19 2016-03-31 富士通株式会社 光伝送媒体及び光増幅器

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