JP2004125606A - 電波時計用アンテナ - Google Patents
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Abstract
【解決手段】柱状の磁性コア11の両端部に、磁性材からなるチップ12を、ボビン13に嵌合させた状態で接合し、チップ12の間に、巻線15を施して電波時計用アンテナを得る。ボビン13のチップ12を嵌合する側には、バネ機能を有する突起14を設けて、チップ12の接合を確実にすることも可能である。このような構成とすることにより、磁束を巻線の部分に効率的に導くことができ、アンテナとしての特性を向上できる。
【選択図】 図1
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、時刻情報を含む所定の電波を受信し、その情報に基づいて、自動的に時刻を修正する機能を有する電波時計に用いられる、アンテナに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
時計は言うまでもなく、正確な時刻を表示し、生活の便に寄与するものである。従って、形態や設置場所に拘わらず、正確な時刻を表示することが求められる。このため、時間を計測する方式は、改良が重ねられ、今日に至っている。
【0003】
現在、最も正確な時計は、セシウム原子時計である。一般に原子や分子は、特定周波数の電磁波を吸収・放出する性質があるが、セシウムは、9192631770Hzの電磁波を吸収する。水晶振動子を用いてこれと同じ周波数の電磁波を発生させて、セシウム原子にあてると、セシウム原子はこれを吸収するが、その振動数がずれると、セシウム原子は電磁波を吸収しなくなる。
【0004】
従って、この現象を水晶振動子にフィードバックすることで、正確な時間の計測が可能となり、30〜150万年に1秒だけずれるという精度が得られる。現在、国内においては、郵政省の管轄で、セシウム原子時計を用いた標準時刻の情報を含む電波が、全国土に届くように発信されている。
【0005】
電波時計は、前記の計測法による時刻情報を含む電波を、内蔵するアンテナで受信し、自動的に時刻のずれを修正する機能を具備している。このため、常時正確な時刻を表示することが可能で、近年急速に普及しつつある。
【0006】
時計の形態は、据置型から腕時計に至るまで、様々であり、前記技術を適用するには、時計に内蔵される標準電波受信用アンテナの小型化が大きな課題となる。一般にアンテナは、それを構成する磁性コアの材質や構造が同一の場合、小型化に伴い出力電圧が低下し、受信距離が短縮する。そして、従来の電波時計用アンテナの一つとして、下記の技術が開示されている。
【0007】
【特許文献1】特開2001−337181号公報
【0008】
前記特許文献1には、軟磁性体粉末と高分子材料を含む複合磁性体からなる磁性コアに巻線を施し、巻線を施す磁性材の耐衝撃性と絶縁性を向上する技術が開示されている。図5は、前記特許文献1に開示されている、代表的なアンテナの構造を示す図で、図5(a)は、斜視図、図5(b)は断面図である。図5において、51は前記複合磁性体からなる磁性コア、52は、巻線、53は、巻線の端末を接続するためのピン端子である。
【0009】
このような構造のアンテナでは、前記のように小型化に伴い、磁性コアの断面積や長さが減少するため、アンテナの誘起電圧が低下し、弱電界下では、感度も低下するという問題がある。
【0010】
また、磁性コアサイズの減少は、巻線を施し得るスペースの減少に繋がり、インダクタンスを十分なレベルまで上げることが困難となる。また、その状態で巻線が可能であるとしても、相当なターン数が必要となるため、巻線の直流抵抗が増加することによる損失が増加し、アンテナのQが低下する結果となる。
【0011】
一方で、主に腕時計のような小型の時計では、磁性コアの材料として、強度の観点からアモルファス合金が採用されるケースがある。しかしながら、アモルファス合金の場合、積層されたコアであっても、フェライトに比較して、渦電流、反磁界による損失が大きく、感度もフェライトに劣る。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】
従って、本発明の技術的な課題は、前記の問題を解決し、十分な機械的強度を有しながら、小型で十分な受信レベルを確保し得る、電波時計用アンテナを提供することにある。
【0013】
【課題を解決するための手段】
本発明は、前記の問題点に対処するため、電波時計用アンテナにおける、磁性コアや巻線の構成を検討した結果、なされたものである。
【0014】
即ち、本発明は、磁性コアにボビンが嵌合され、該ボビンに巻線が施された電波時計用アンテナにおいて、前記磁性コアに磁性材料からなるチップが取り付けられていることを特徴とする電波時計用アンテナである。
【0015】
また、本発明は、前記磁性コアが磁性金属箔を積層してなることを特徴とする、前記の電波時計用アンテナである。
【0016】
また、本発明は、前記チップの取り付け位置が、前記コアの両端部であり、前記ボビンが、前記コアと前記チップの両方を覆う状態で嵌合し、前記巻線が、前記ボビンの前記チップ間の部分に施されていることを特徴とする、前記の電波時計用アンテナである。
【0017】
また、本発明は、前記チップが、前記ボビンに嵌合することで、前記磁性コアに機械的に接合されていることを特徴とする、前記の電波時計用アンテナである。
【0018】
本発明においては、磁性コアの両端に磁性材からなるチップを接合することで、チップの部分が鍔部に相当するドラム形状となる。このような構造とすることで、本発明の磁性コアは、前記特許文献1に開示されている磁性コアとは、構造が異なることになる。しかも非磁性の高分子材料を含まないので、巻線部に対し効率的に磁束を集中し得る磁気回路の構成が可能となる。
【0019】
なお、磁性コアとチップは、同一の材質で構成してもよいが、別材質で構成してもよく、必要な特性に応じて、使い分けることができる。
【0020】
本発明のアンテナのような構造を有する、バーアンテナにおいては、巻線部の中で、磁性コアの表面に最も近い部分、即ち、巻線の第1層の特性に対する寄与が大きい。そして、前記チップを接合しない状態に比較して少ないターン数で、より大きなインダクタンスを発現することが可能となり、Qも高くなる。そして、これに伴い、弱電界におけるアンテナとしての特性も向上する。
【0021】
また、本発明の電波時計用アンテナにおいては、磁性コアとチップを密着させる必要があるが、接着剤を使用すると、接着剤がギャップとして作用し、磁気的な損失に繋がるので、機械的な嵌合で密着させる必要がある。本発明においては、ボビンに磁性コアを挿通してから、チップを挿入、埋設するので、コアを取り付けた時点で密着させることができる。この際、ボビンとチップの嵌め合いは、締まり嵌めとしておくのが好ましい。
【0022】
なお、ボビンを構成する材質として、高分子材料を用いることで、アンテナ全体としての耐衝撃性を向上することができるとともに、磁性コアと巻線の絶縁を確保することも可能となる。その場合、ボビンを、所要の形状に適当な成形方法で、予め成形しておいてもよいし、磁性コアにチップを密着させた状態で、成形金型に挿入し、一体化成形してもよい。
【0023】
【発明の実施の形態】
次に、具体的な例を挙げ、本発明の実施の形態について説明する。
【0024】
図1は、本発明の一実施の形態に係る電波時計用アンテナの断面図である。図1において、11は、磁性コア、12は、チップ、13は、ボビン、14は、チップ12を磁性コア11に密着させるためのバネ機能を有する突起、15は、巻線である。また、図2は、図1において、破線で描いた円の部分、即ち、突起の部分を拡大した図である。
【0025】
図2に示した構造とすることで、突起にバネとしての機能を付与することができる。但し、突起の構造は、これ以外でもバネとしての機能を具備するものであればよいことは、勿論である。
【0026】
また、図3は、磁性コアにチップを接合した状態を示す斜視図である。図3において、11は、磁性コア、12は、チップを示す。そして、ここでは、磁性コア11は、アモルファス合金薄帯を切断して積層して構成した。チップ12には、高透磁率を有するNi−Zn系の焼結フェライト材を用いた。また、ボビン13は、ナイロン66で構成した。なお、この電波時計用アンテナの長さは、18mmである。
【0027】
このような構成とすることで、アンテナとしての特性は、チップを用いない通常の棒状の磁性コアを用いた場合に比較して、Qにおいては、10向上し、感度においては、5dB向上するという結果が得られた。
【0028】
また、図4は、前記と別の、本発明の一実施の形態における、磁性コアとチップの構成例を示す斜視図である。図4において、41は、磁性コア、42は、チップを示す。
【0029】
このような構造の磁性コアとチップを用いる場合、磁性コアは軟磁性金属材料を切削加工して構成してもよいし、高透磁率フェライト焼結体でもよいし、軟磁性金属材料の薄帯を渦巻状に巻き付けて円筒または円柱状としてもよい。また、チップについても、軟磁性金属材料の切削加工品、フェライト系の材料などを用いることができる。
【0030】
このような構成の磁性コアとチップを、ボビンに嵌合し、巻線を施すことで電波時計用のアンテナを得ることができる。そして、チップを接合することでアンテナとしての特性を向上できることが確認できた。
【0031】
【発明の効果】
以上に説明したように、本発明によれば、巻線を施す磁性コアの両端に、磁性材料からなるチップを接合することで、優れた特性を有する電波時計用アンテナを提供することができる。これによって、電波時計の小型化に寄与でき、その普及に資するところは大きい。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施の形態に係る電波時計用アンテナの断面図。
【図2】突起の部分を拡大した図。
【図3】磁性コアにチップを接合した状態を示す斜視図。
【図4】本発明の一実施の形態における磁性コアとチップの構成例を示す斜視図。
【図5】特許文献に開示されている代表的なアンテナの構造を示す図。図5(a)は、斜視図。図5(b)は断面図。
【符号の説明】
11,41,51 磁性コア
12,42 チップ
13 ボビン
14 突起
15,52 巻線
53 ピン端子
Claims (3)
- 柱状の磁性コアと、該磁性コアの両端部に配置された磁性材料からなるチップの両方を覆う状態でボビンが嵌合され、前記ボビンの前記チップの間に巻線が施されていることを特徴とする電波時計用アンテナ。
- 前記磁性コアは、磁性金属箔を積層してなることを特徴とする、請求項1に記載の電波時計用アンテナ。
- 前記チップは、前記ボビンに嵌合することで、前記磁性コアに機械的に接合されていることを特徴とする、請求項1または請求項2に記載の電波時計用アンテナ。
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