JP2004125356A - 空気調和機 - Google Patents
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Abstract
【課題】床面積の小さい小部屋の壁面上部に取付けることができ、据付けスペースがわずかで、しかも邪魔にならずにすみ、上方部位からスポット的に快適空調を得られる空気調和機を提供する。
【解決手段】洗面所やサニタリールームあるいはトイレなど床面積の小さい小部屋Rの壁面S上部に取付け可能な形状寸法の筐体2に吸込み口6,7および吹出し口8を設け、内部に圧縮機9、蒸発器11、凝縮器12、その他の冷凍サイクル構成部品一式および送風機13を収容し、上記蒸発器は、送風機を駆動することにより形成される送風路中に配置される熱交換器の一部として室内空気と熱交換し、上記凝縮器は、熱交換器の残り一部であり送風路に導かれる室内空気の流通が遮断され、かつこの熱交換器部分に導かれる熱交換水と熱交換する。
【選択図】 図1
【解決手段】洗面所やサニタリールームあるいはトイレなど床面積の小さい小部屋Rの壁面S上部に取付け可能な形状寸法の筐体2に吸込み口6,7および吹出し口8を設け、内部に圧縮機9、蒸発器11、凝縮器12、その他の冷凍サイクル構成部品一式および送風機13を収容し、上記蒸発器は、送風機を駆動することにより形成される送風路中に配置される熱交換器の一部として室内空気と熱交換し、上記凝縮器は、熱交換器の残り一部であり送風路に導かれる室内空気の流通が遮断され、かつこの熱交換器部分に導かれる熱交換水と熱交換する。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、洗面所やサニタリールームあるいはトイレなど床面積が小さく、かつ水回り配管を備えた小部屋に取付けられるのに最適な一体型の空気調和機に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来から用いられる一体型空気調和機として、いわゆるウインド型空気調和機や床置き型空気調和機がある。ウインド型空気調和機の場合、本体内部は仕切板を介して機械室と熱交換室に区画され、熱交換室が室内側、機械室が室外側になるよう取付けられる。
熱交換室に吸込み口と吹出し口が開口され、蒸発器と送風機が配置される。機械室に外気吸込み口と吐出口が開口され、圧縮機と凝縮器および送風機が配置される。
【0003】
このような一体型空気調和機であれば、室内機と室外機とに分かれる分離型空気調和機と比較して、据付け作業が比較的簡単で手間がかからず据付けスペースが少なくてすむ。配管や配線が不要で部品費が低減され、メンテナンス作業が容易となるなど種々の長所がある。
その反面、多種類の窓の規格に合う多種類の窓枠用取付け部材を用意する必要があり、管理が煩雑になる。窓の開口部を大幅に閉鎖するので、採光面積が減小して環境的に好ましくない。アルミサッシなどの窓枠構造に空気調和機の重量を支持させるので、建築構造物に悪影響を与えてしまう。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
一方、たとえば洗面所、洗濯機等を備えたサニタリールーム、トイレなどの床面積の小さい小部屋を対象とし、小型で据付けスペースは最小限ですみ、必要な運転時間は短時間であるが、スポット的に確実な空調運転をなす空気調和機が要望されている。
そこで、冷凍サイクル構成機器一式を収容し、凝縮器を水冷する冷却水貯溜用タンクを空気調和機本体に一体的に取付け、上記タンクに水道水を供給する、コネクタが着脱自在に設けられる給水ホースを取付けたことを特徴とする空気調和機が提供されるに至った。(たとえば、特許文献1参照)
【0005】
【特許文献1】
特許番号 第2549457号公報(特許請求の範囲 請求項1参照)
上記した簡易一体型空気調和機は、運搬可能として洗面所やトイレなどの床面積の小さい小部屋に容易に設置でき、水冷式凝縮器としたので排気ダクトが不用となり、戸外に接した壁等がないトイレにも設置可能、とある。
【0006】
しかしながら、上記技術のものは、結果的にいわゆる床置き型の空気調和機を提供することにあって、必要な配置スペースを確保するには困難であり、洗面所やサニタリールームは勿論のこと、トイレ等の床面積の小さい小部屋専用とするには全く不適切である。
そして、床置き型であるから本体の高さ寸法の設定に限界があり、冷房時に冷気が低い位置の吹出し口から吹出される。頭寒足熱の言葉通り、冷気は頭部や顔面に沿うよう導かれることにより快適空調となるが、上記技術のものでは冷気が下半身に当たってしまう。
【0007】
本発明は上記事情に着目してなされたものであり、その目的とするところは、洗面所やサニタリールームあるいはトイレなどの床面積の小さい小部屋の壁面上部に取付けることができ、据付けスペースがわずかで、しかも邪魔にならずにすみ、上方部位からスポット的に快適空調を得られる空気調和機を提供しようとするものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決し目的を達成するために、本発明の空気調和機は、空気調和機本体を洗面所、サニタリールーム、トイレなど床面積の小さい小部屋の壁面上部に取付け可能な形状寸法とし、この空気調和機本体に吸込み口および吹出し口が設けられるとともに、内部に圧縮機、蒸発器、凝縮器、その他の冷凍サイクル構成部品一式および送風機を収容し、
上記蒸発器は、送風機を駆動することにより吸込み口から空気調和機本体内に吸込まれた室内空気を吹出し口から室内へ吹出すように形成される送風路中に配置される熱交換器の一部であり室内空気と熱交換し、上記凝縮器は、熱交換器の残り一部であり送風路に導かれる室内空気の流通が遮断され、かつこの熱交換器部分に導かれる熱交換水と熱交換する。
【0009】
さらに、上記蒸発器は熱交換器の上部に形成され、上記凝縮器は熱交換器の下部に形成される。
さらに、上記熱交換器は、側面視で略逆V字状の前側熱交換器部と後側熱交換器部とからなり、前側熱交換器部における少なくとも一部に蒸発器が形成され、後側熱交換器部における少なくとも一部に凝縮器が形成される。
【0010】
さらに、上記熱交換器は、狭小の間隙を存して並設されるフィンと、これらフィンを貫通して設けられ蛇行状の冷媒流路をなす熱交換パイプとから構成され、凝縮器において、熱交換パイプは冷媒用と熱交換水用が交互に配列され、もしくは前列と後列に分けて配列される。
さらに、上記凝縮器と送風機との間に、送風路に導かれる室内空気の流通を遮断し、もしくは開放状態に切換える可動式の遮蔽板が介在される。
このような課題を解決する手段を採用することにより、床面積の狭い小部屋の狭い壁面に取付けられ、据付けスペースがわずかで邪魔にならずにすみ、しかも一体型であって据付け手間がかからず、保守が容易で、水冷式熱交換器を備えることができて必要な空調効果を確保する。
【0011】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面にもとづいて説明する。
図1は、一部を欠落し内部を露出した簡易一体型の空気調和機の斜視図であり、図2は、空気調和機本体における所定部(熱交換室)の断面図である。
この種の簡易一体型空気調和機は、たとえば洗面所やサニタリールームもしくはトイレなどの、床面積が小さく、かつ水回り配管を備える小部屋Rを取付け対象とすることが最も目的にかなっている。
【0012】
上記水回り配管は、戸外に敷設される上水道本管に接続され住宅内に水道水を導入する上水道配管と、戸外に敷設される下水道本管に接続され使用したあとの水を住宅から導出する下水道配管とからなり、それぞれの配管が上記小部屋の床面下に延出されている。
そして、上水道配管および下水道配管は上記した小部屋に配備される給水器具および排水器具と、それぞれ配管もしくはホース類を介して連通していて、必要に応じて給水ができ円滑に排水される状態にある。
【0013】
なお、風呂場に隣設される脱衣所は、床面積が小さい小部屋であるうえ、上記風呂場に備えられる水回り配管に、風呂場を介して(間接的に)接続できるので、ほとんど取付け条件が整っている。
この簡易一体型空気調和機Mは、上記小部屋Rの壁面S上部に取付けられる据付け板1と、この据付け板に取付け固定される空気調和機本体2とからなる。換言すれば、空気調和機本体2は、上記小部屋の壁面S上部に取付け可能な寸法形状をなす。
【0014】
上記据付け板1は、単純な平板状をなし、周端部が取付けねじなどの取付け具を介して壁面S上部に取付けられる。上記空気調和機本体2は、その背面部aが適宜な手段によって据付け板1に取付けられる。
空気調和機本体2は、上面部b前端から前面部cに亘って断面ほぼ円弧状をなし、両側面部dと下面部eおよび背面部aは平板状に形成される筐体からなっている。したがって、これ以降、空気調和機本体を筐体2と呼ぶ。
【0015】
筐体2内部は仕切板3によって左右に仕切られている。この仕切板3は筐体2内の正面視における左側部寄りの位置にあって、仕切板3の左側筐体2内空間を機械室4、仕切板3の右側筐体2内空間を熱交換室5としている。
すなわち、上記機械室4と上記熱交換室5は、筐体2内部に左右に並んで区画形成されていて、機械室4の空間容量に対して熱交換室5の空間容量が3〜4倍になるように設計されている。
【0016】
上記機械室4の筐体2周面には開口部が設けられておらず、ほぼ密閉構造となっている。上記熱交換室5に対応する筐体2の上面部bは閉塞されているが、前面部cに吸込み口7が設けられ、下面部eには吹出し口8が設けられる。
上記機械室4内部には、冷凍サイクルを構成する圧縮機9と図示しない膨張弁などが配置される。したがって、これら圧縮機9および膨張弁はほぼ密閉された空間部に収容されることになる。
【0017】
上記熱交換室5内部には、前側熱交換器部10Aと後側熱交換器部10Bとからなり、側面視で略逆V字状に形成される熱交換器10が配置される。この熱交換器10には、後述するようにして蒸発器11および凝縮器12が一体に形成される。
上記熱交換器10を構成する前側熱交換器部10Aと後側熱交換器部10Bの相互間に、各熱交換器部10A,10Bで覆われる状態で送風機13が配設される。この送風機13は、ファンモータと、ファンモータの回転軸に一端部が嵌着され、他端部が軸受部材に支持される横流ファンとから構成される。
【0018】
上記ファンモータは、熱交換器の側端面から外れた位置に配置され、回転軸を前後側熱交換器部間方向に突出させている。上記横流ファンは、熱交換器部に対向する軸方向長さを備えている。
上記送風機13が駆動すれば、室内空気が吸込み口6,7から筐体2内に吸込まれ、前後側熱交換器部10A,10Bを流通したあと、横流ファンを介して吹出し口8から吹出される送風路Kが形成されるようになっている。
【0019】
上記熱交換器10を構成する前側熱交換器部10Aと後側熱交換器部10Bともに、狭小の間隙を存して並設される複数枚のフィンfと、これらフィンを貫通して設けられ蛇行状の流路をなす熱交換パイプpとから構成される。
前後側熱交換器部10A,10Bにおける熱交換パイプpは、それぞれ送風路Kに対して風上側と風下側の2列に分けて設けられている。ここでは、前側熱交換器部10Aにおける上半分の風上側列熱交換パイプpと風下側列熱交換パイプpとが連通状態にあり、これらで独立した流路が形成される。
【0020】
また、前側熱交換器部10Aにおける下半分の風上側列の熱交換パイプpと、後側熱交換器部10Bにおける風上側列の熱交換パイプpとが互いに連通され、これらで独立した流路が形成される。
残りの、前側熱交換器部10Aにおける下半分の風下側列の熱交換パイプと、後側熱交換器部10Bにおける風下側列の熱交換パイプとが互いに連通され、これらで独立した流路が形成される。
【0021】
上記前側熱交換器部10Aにおける上半分の風上・風下側列熱交換パイプpに冷媒を導びき蒸発器に相当する作用を行わせるようになっているので、以下、ここをエバ部11と呼ぶ。このエバ部11には、上記送風路Kに沿って導かれる室内空気が流通し、いわゆる空冷式熱交換器となる。
また、前側熱交換器部10A下半分の風上側列の熱交換パイプpから後側熱交換器部10B風上側列の熱交換パイプpに冷媒を導びき凝縮器に相当する作用を行わせるようになっているので、以下、ここをコンデ部12と呼ぶ。
【0022】
それぞれの熱交換器部10A,10Bの風下側列の熱交換パイプp(ハッチング付き○印)には、水回り配管から分岐する水道水配管によって水道水(熱交換水)を導びくように構成される。そして、前後側熱交換器部10A,10Bのコンデ部12における風下側で、送風機13との間にそれぞれ遮蔽板15が介設される。
上記送風機13が駆動され熱交換器10に室内空気が導かれても、遮蔽板15の存在により室内空気の流通が遮断され、コンデ部12は空冷式とならないうえに、風下側熱交換パイプpに水道水が熱交換水として導かれるので、コンデ部12は水冷式熱交換器となる。
【0023】
このようにして筐体2内に全ての構成部品が収容される一体型空気調和機Mであって、図示しない運転スイッチをオンすることにより圧縮機が駆動され、冷媒がコンデ部(凝縮器)12や膨張弁およびエバ部(蒸発器)11などに循環する冷凍サイクル運転がなされる。
同時に送風機13が駆動され、室内空気は吸込み口6,7から吸込まれ送風路Kに沿って導かれる。その途中で、エバ部11に導かれて熱交換する。室内空気は冷媒の蒸発潜熱を奪われて温度低下し、冷気に換わって吹出し口8から吹出される。
【0024】
上記コンデ部12には水道水が導かれる。したがって、水冷式熱交換器として熱交換をなし、効率のよい熱交換作用が行われる。熱交換器10自体、送風路Kに配置されているが、遮蔽板15により室内空気の流通が阻止され、コンデ部12と熱交換した暖気が吹出し口8に導かれることがほとんどない。
この一体型空気調和機Mを洗面所やサニタリールームあるいはトイレなどの床面積の小さい小部屋Rの壁面S上部に取付けることにより、吹出し口8から冷気のみが吹出され、スポット的な冷房運転が行われ快適空調を得られる。
【0025】
熱交換器10の前側熱交換器部10Aでは、上部にエバ部11を形成し、下部にコンデ部12を形成したので、熱交換作用にともなってエバ部11に生成されるドレン水滴が時間の経過とともに肥大してコンデ部12に流下する。
コンデ部12では熱交換水として水道水が導かれて熱交換しているが、さらにドレン水がエバ部11から流下するので、このドレン水とも熱交換する。したがって、コンデ部12における熱交換効率のさらなる向上化を得られる。
【0026】
上記熱交換器10は、側面視で略逆V字状の前側熱交換器部10Aと後側熱交換器部10Bとから構成し、前側熱交換器部10Aの少なくとも一部をエバ部11とし、後側熱交換器部10Bはコンデ部12としている。
前側熱交換器部10Aにエバ部11を設けたので、送風路Kに沿って導かれる室内空気とエバ部11が確実に熱交換作用をなし、この熱交換効率の向上を図れる。前側熱交換器部10Aおよび後側熱交換器部10Bにコンデ部12を形成することにより、熱交換器10全体の熱的バランスが良好となる。
【0027】
冷凍サイクル運転にともなって圧縮機9がある程度放熱することは避けられない。しかしながら、圧縮機9はほぼ密閉された機械室4に収容されており、通常用いられる空気調和機と比較して運転時間が短いので、筐体2から外部への熱的悪影響がない。
上記空気調和機Mは壁面Sの上部に取付けられることを前提にして構成されるので、圧縮機9から筐体2外へある程度の放熱があっても、熱は天井部に溜まり、空調効果が損なわれることはほとんどない。
【0028】
また、上記空気調和機Mを配置する床面積の小さい小部屋Rは、壁面S上部に換気扇が取付けられることが多い。この場合、換気扇の下部に空気調和機を取付ければ、圧縮機9の放熱があっても直ちに排気され、室内への熱的悪影響は全くない。
図3は、上述した一体型空気調和機MをトイレTRの壁面S上部に取付けた状態を模式的に示す斜視図である。
【0029】
たとえば、トイレTRの中に人が入ったことを筐体2に設けられるセンサーEが感知して冷凍サイクル運転を開始し、上記送風機12および便器Vに付設される洗浄水タンクT内の循環ポンプPを駆動して、上記エバ部11に対する空冷とコンデ部12に対する水冷をなし、トイレTRの中にいる人に対してスポット的な空調運転を行うようにする。
【0030】
トイレTRから人が出たら、上記センサーEは再びこれを感知して冷凍サイクル運転と送風機12および循環ポンプPを停止する制御をなせば、すこぶる使い勝手がよく、快適な空調作用が得られ、しかも省エネ的な運転となる。
いずれにしても、水回り配管を利用してコンデ部(凝縮器)11を水冷式熱交換器とし、小部屋Rにいる人に集中して冷房作用を行え、併せて、洗面所では化粧鏡の曇り止めをなし、サニタリールームでは湿気の除去に効果がある。
【0031】
なお、上述の実施の形態の空気調和機においては、冷房機器としての機能を得るよう構成したが、これに限定されるものではなく、除湿乾燥機器としての機能を得ることもできる。
図4は、第2の実施の形態の空気調和機の概略の断面図であり、先に説明したものと同一部品については、同番号を付して新たな説明を省略する。
一体型熱交換器10として、前後側熱交換器部10A,10Bを側面視で逆V字状にした構成は先に説明したものと全く同一である。
【0032】
ただし、コンデ部12を構成する前側熱交換器部10Aの下半分と後側熱交換器部10Bでは、それぞれの風上側列の熱交換パイプpと風下列側の熱交換パイプpを互いに連通させ、かつ冷媒を導くものとする。
換言すれば、この場合、水道水が導かれない。そして、熱交換器10と送風機3との間に、長手方向に沿って複数に分割された遮蔽板部15a,15bが介設され、それぞれの遮蔽板部は一斉に角度が可変する可動式となす。
【0033】
このようにして構成される空気調和機において、冷凍サイクル運転にともないエバ部11とコンデ部12のそれぞれに冷媒が導かれる。エバ部11では送風路Kに沿って流通する室内空気と熱交換し、冷気が導出される。
コンデ部12と送風機13との間に介在される全ての遮蔽板部15a,15bは図のように開放状態にあり、送風路Kに沿って導かれる室内空気がコンデ部12にも導かれ熱交換する。室内空気は凝縮熱を吸収して温度上昇し、暖気となって導出される。
【0034】
したがって、吹出し口8から吹出される状態では、エバ部11から導かれる冷気とコンデ部12から導かれる暖気とが混合する混合気となる。温度的には室内空気とほぼ同一となり、湿度が低下する除湿乾燥作用が得られる。
可動式とした上記遮蔽板部15a,15bの回動角度を調整することにより、暖気の流量を変えることができる。その結果、吹出し口9から吹出される混合気の温度の調整が可能となる。完全に閉成姿勢とすれば、ほとんど低温度の冷房作用が得られる。
【0035】
図5は、第3の実施の形態の空気調和機要部の構成図である。
熱交換器10Dは前側熱交換器部のみとし、後側熱交換器部は備えていない。これに対応して、吸込み口7は前面部cのみに備え、上面部bに吸込み口がなく閉塞面となっている。
【0036】
熱交換器10Dの上半分を空冷式蒸発器であるエバ部11とし、下半分を水冷式凝縮器であるコンデ部12とすることには変わりがない。先に図2で説明した前側の遮蔽板および後側の遮蔽板は、そのまま同位置に配置しておく。
このような熱交換器10Dを備えた空気調和機においては、エバ部11に室内空気が集中して導かれることになり、さらなる熱交換効率の向上を図れる。
図6は、第4の実施の形態の空気調和機要部の構成図である。
【0037】
一体型の熱交換器10Eとして、前側熱交換器部10Fと、後側熱交換器部10Bとの組み合わせからなる側面視で逆V字状であることには変わりがない。特に、前側熱交換器部10Fは上下方向の中途部で略くの字状に折曲形成されている。エバ部11は前側熱交換器部10Fの折曲された上半分に形成され、コンデ部12は折曲された下半分に形成される。
【0038】
先に説明したように湾曲成される前側熱交換器部10Aにエバ部11とコンデ部12を構成したものと相違して、エバ部11とコンデ部12がほとんど独立した状態で形成されることとなり、相互に熱の導通がなく、それぞれの熱交換効率の向上を図れる。
また、先に説明した実施の形態ではコンデ部12において、風上側列の熱交換パイプpに冷媒を導通させ、風下側列の熱交換パイプpに水道水(熱交換水)を導通させるようにしたが、これに限定されるものではない。
【0039】
図7は、第5の実施の形態の前側熱交換器部10Aの一部を示す図であり、コンデ部12を説明している。
すなわち、熱交換パイプpが風上側列と風下側列に配列されていることは変わりがないが、ここでは、風上・風下側列とも交互に冷媒と熱交換水の導通用とする。
【0040】
したがって、冷媒導通用の熱交換パイプp1と熱交換水導通用の熱交換パイプp2が熱交換器10Aに均等に備えられることになり、コンデ部12における熱交換効率のさらなる向上を得られる。
この他、本発明は要旨を変更しない範囲で種々変形実施可能であることは、勿論である。
【0041】
【発明の効果】
以上説明したように本発明によれば、洗面所、サニタリールームあるいはトイレなどの床面積の小さい小部屋の壁面に取付けられ、据付けスペースがわずかで邪魔にならずにすみ、一体型であって据付け手間がかからず保守が容易であり、凝縮器を水冷式として必要な空調効果を確保するなどの効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態に係る、一体型空気調和機の概略の構成図。
【図2】同実施の形態に係る、一体型空気調和機の概略の断面図。
【図3】同実施の形態に係る、一体型空気調和機をトイレに取付けた状態を示す図。
【図4】本発明の第2の実施の形態に係る、一体型空気調和機の概略の断面図。
【図5】本発明の第3の実施の形態に係る、一体型空気調和機の概略の断面図。
【図6】本発明の第4の実施の形態に係る、一体型空気調和機の概略の断面図。
【図7】本発明の第5の実施の形態に係る、熱交換器一部の概略の断面図。
【符号の説明】
2…筐体(空気調和機本体)、
6,7…吸込み口、
8…吹出し口、
9…圧縮機、
11…蒸発器(エバ部)、
12…凝縮器(コンデ部)、
13…送風機、
K…送風路、
10A…前側熱交換器部、
10B…後側熱交換器部、
f…フィン、
p…熱交換パイプ、
15a,15b…(可動式の)遮蔽板。
【発明の属する技術分野】
本発明は、洗面所やサニタリールームあるいはトイレなど床面積が小さく、かつ水回り配管を備えた小部屋に取付けられるのに最適な一体型の空気調和機に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来から用いられる一体型空気調和機として、いわゆるウインド型空気調和機や床置き型空気調和機がある。ウインド型空気調和機の場合、本体内部は仕切板を介して機械室と熱交換室に区画され、熱交換室が室内側、機械室が室外側になるよう取付けられる。
熱交換室に吸込み口と吹出し口が開口され、蒸発器と送風機が配置される。機械室に外気吸込み口と吐出口が開口され、圧縮機と凝縮器および送風機が配置される。
【0003】
このような一体型空気調和機であれば、室内機と室外機とに分かれる分離型空気調和機と比較して、据付け作業が比較的簡単で手間がかからず据付けスペースが少なくてすむ。配管や配線が不要で部品費が低減され、メンテナンス作業が容易となるなど種々の長所がある。
その反面、多種類の窓の規格に合う多種類の窓枠用取付け部材を用意する必要があり、管理が煩雑になる。窓の開口部を大幅に閉鎖するので、採光面積が減小して環境的に好ましくない。アルミサッシなどの窓枠構造に空気調和機の重量を支持させるので、建築構造物に悪影響を与えてしまう。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
一方、たとえば洗面所、洗濯機等を備えたサニタリールーム、トイレなどの床面積の小さい小部屋を対象とし、小型で据付けスペースは最小限ですみ、必要な運転時間は短時間であるが、スポット的に確実な空調運転をなす空気調和機が要望されている。
そこで、冷凍サイクル構成機器一式を収容し、凝縮器を水冷する冷却水貯溜用タンクを空気調和機本体に一体的に取付け、上記タンクに水道水を供給する、コネクタが着脱自在に設けられる給水ホースを取付けたことを特徴とする空気調和機が提供されるに至った。(たとえば、特許文献1参照)
【0005】
【特許文献1】
特許番号 第2549457号公報(特許請求の範囲 請求項1参照)
上記した簡易一体型空気調和機は、運搬可能として洗面所やトイレなどの床面積の小さい小部屋に容易に設置でき、水冷式凝縮器としたので排気ダクトが不用となり、戸外に接した壁等がないトイレにも設置可能、とある。
【0006】
しかしながら、上記技術のものは、結果的にいわゆる床置き型の空気調和機を提供することにあって、必要な配置スペースを確保するには困難であり、洗面所やサニタリールームは勿論のこと、トイレ等の床面積の小さい小部屋専用とするには全く不適切である。
そして、床置き型であるから本体の高さ寸法の設定に限界があり、冷房時に冷気が低い位置の吹出し口から吹出される。頭寒足熱の言葉通り、冷気は頭部や顔面に沿うよう導かれることにより快適空調となるが、上記技術のものでは冷気が下半身に当たってしまう。
【0007】
本発明は上記事情に着目してなされたものであり、その目的とするところは、洗面所やサニタリールームあるいはトイレなどの床面積の小さい小部屋の壁面上部に取付けることができ、据付けスペースがわずかで、しかも邪魔にならずにすみ、上方部位からスポット的に快適空調を得られる空気調和機を提供しようとするものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決し目的を達成するために、本発明の空気調和機は、空気調和機本体を洗面所、サニタリールーム、トイレなど床面積の小さい小部屋の壁面上部に取付け可能な形状寸法とし、この空気調和機本体に吸込み口および吹出し口が設けられるとともに、内部に圧縮機、蒸発器、凝縮器、その他の冷凍サイクル構成部品一式および送風機を収容し、
上記蒸発器は、送風機を駆動することにより吸込み口から空気調和機本体内に吸込まれた室内空気を吹出し口から室内へ吹出すように形成される送風路中に配置される熱交換器の一部であり室内空気と熱交換し、上記凝縮器は、熱交換器の残り一部であり送風路に導かれる室内空気の流通が遮断され、かつこの熱交換器部分に導かれる熱交換水と熱交換する。
【0009】
さらに、上記蒸発器は熱交換器の上部に形成され、上記凝縮器は熱交換器の下部に形成される。
さらに、上記熱交換器は、側面視で略逆V字状の前側熱交換器部と後側熱交換器部とからなり、前側熱交換器部における少なくとも一部に蒸発器が形成され、後側熱交換器部における少なくとも一部に凝縮器が形成される。
【0010】
さらに、上記熱交換器は、狭小の間隙を存して並設されるフィンと、これらフィンを貫通して設けられ蛇行状の冷媒流路をなす熱交換パイプとから構成され、凝縮器において、熱交換パイプは冷媒用と熱交換水用が交互に配列され、もしくは前列と後列に分けて配列される。
さらに、上記凝縮器と送風機との間に、送風路に導かれる室内空気の流通を遮断し、もしくは開放状態に切換える可動式の遮蔽板が介在される。
このような課題を解決する手段を採用することにより、床面積の狭い小部屋の狭い壁面に取付けられ、据付けスペースがわずかで邪魔にならずにすみ、しかも一体型であって据付け手間がかからず、保守が容易で、水冷式熱交換器を備えることができて必要な空調効果を確保する。
【0011】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面にもとづいて説明する。
図1は、一部を欠落し内部を露出した簡易一体型の空気調和機の斜視図であり、図2は、空気調和機本体における所定部(熱交換室)の断面図である。
この種の簡易一体型空気調和機は、たとえば洗面所やサニタリールームもしくはトイレなどの、床面積が小さく、かつ水回り配管を備える小部屋Rを取付け対象とすることが最も目的にかなっている。
【0012】
上記水回り配管は、戸外に敷設される上水道本管に接続され住宅内に水道水を導入する上水道配管と、戸外に敷設される下水道本管に接続され使用したあとの水を住宅から導出する下水道配管とからなり、それぞれの配管が上記小部屋の床面下に延出されている。
そして、上水道配管および下水道配管は上記した小部屋に配備される給水器具および排水器具と、それぞれ配管もしくはホース類を介して連通していて、必要に応じて給水ができ円滑に排水される状態にある。
【0013】
なお、風呂場に隣設される脱衣所は、床面積が小さい小部屋であるうえ、上記風呂場に備えられる水回り配管に、風呂場を介して(間接的に)接続できるので、ほとんど取付け条件が整っている。
この簡易一体型空気調和機Mは、上記小部屋Rの壁面S上部に取付けられる据付け板1と、この据付け板に取付け固定される空気調和機本体2とからなる。換言すれば、空気調和機本体2は、上記小部屋の壁面S上部に取付け可能な寸法形状をなす。
【0014】
上記据付け板1は、単純な平板状をなし、周端部が取付けねじなどの取付け具を介して壁面S上部に取付けられる。上記空気調和機本体2は、その背面部aが適宜な手段によって据付け板1に取付けられる。
空気調和機本体2は、上面部b前端から前面部cに亘って断面ほぼ円弧状をなし、両側面部dと下面部eおよび背面部aは平板状に形成される筐体からなっている。したがって、これ以降、空気調和機本体を筐体2と呼ぶ。
【0015】
筐体2内部は仕切板3によって左右に仕切られている。この仕切板3は筐体2内の正面視における左側部寄りの位置にあって、仕切板3の左側筐体2内空間を機械室4、仕切板3の右側筐体2内空間を熱交換室5としている。
すなわち、上記機械室4と上記熱交換室5は、筐体2内部に左右に並んで区画形成されていて、機械室4の空間容量に対して熱交換室5の空間容量が3〜4倍になるように設計されている。
【0016】
上記機械室4の筐体2周面には開口部が設けられておらず、ほぼ密閉構造となっている。上記熱交換室5に対応する筐体2の上面部bは閉塞されているが、前面部cに吸込み口7が設けられ、下面部eには吹出し口8が設けられる。
上記機械室4内部には、冷凍サイクルを構成する圧縮機9と図示しない膨張弁などが配置される。したがって、これら圧縮機9および膨張弁はほぼ密閉された空間部に収容されることになる。
【0017】
上記熱交換室5内部には、前側熱交換器部10Aと後側熱交換器部10Bとからなり、側面視で略逆V字状に形成される熱交換器10が配置される。この熱交換器10には、後述するようにして蒸発器11および凝縮器12が一体に形成される。
上記熱交換器10を構成する前側熱交換器部10Aと後側熱交換器部10Bの相互間に、各熱交換器部10A,10Bで覆われる状態で送風機13が配設される。この送風機13は、ファンモータと、ファンモータの回転軸に一端部が嵌着され、他端部が軸受部材に支持される横流ファンとから構成される。
【0018】
上記ファンモータは、熱交換器の側端面から外れた位置に配置され、回転軸を前後側熱交換器部間方向に突出させている。上記横流ファンは、熱交換器部に対向する軸方向長さを備えている。
上記送風機13が駆動すれば、室内空気が吸込み口6,7から筐体2内に吸込まれ、前後側熱交換器部10A,10Bを流通したあと、横流ファンを介して吹出し口8から吹出される送風路Kが形成されるようになっている。
【0019】
上記熱交換器10を構成する前側熱交換器部10Aと後側熱交換器部10Bともに、狭小の間隙を存して並設される複数枚のフィンfと、これらフィンを貫通して設けられ蛇行状の流路をなす熱交換パイプpとから構成される。
前後側熱交換器部10A,10Bにおける熱交換パイプpは、それぞれ送風路Kに対して風上側と風下側の2列に分けて設けられている。ここでは、前側熱交換器部10Aにおける上半分の風上側列熱交換パイプpと風下側列熱交換パイプpとが連通状態にあり、これらで独立した流路が形成される。
【0020】
また、前側熱交換器部10Aにおける下半分の風上側列の熱交換パイプpと、後側熱交換器部10Bにおける風上側列の熱交換パイプpとが互いに連通され、これらで独立した流路が形成される。
残りの、前側熱交換器部10Aにおける下半分の風下側列の熱交換パイプと、後側熱交換器部10Bにおける風下側列の熱交換パイプとが互いに連通され、これらで独立した流路が形成される。
【0021】
上記前側熱交換器部10Aにおける上半分の風上・風下側列熱交換パイプpに冷媒を導びき蒸発器に相当する作用を行わせるようになっているので、以下、ここをエバ部11と呼ぶ。このエバ部11には、上記送風路Kに沿って導かれる室内空気が流通し、いわゆる空冷式熱交換器となる。
また、前側熱交換器部10A下半分の風上側列の熱交換パイプpから後側熱交換器部10B風上側列の熱交換パイプpに冷媒を導びき凝縮器に相当する作用を行わせるようになっているので、以下、ここをコンデ部12と呼ぶ。
【0022】
それぞれの熱交換器部10A,10Bの風下側列の熱交換パイプp(ハッチング付き○印)には、水回り配管から分岐する水道水配管によって水道水(熱交換水)を導びくように構成される。そして、前後側熱交換器部10A,10Bのコンデ部12における風下側で、送風機13との間にそれぞれ遮蔽板15が介設される。
上記送風機13が駆動され熱交換器10に室内空気が導かれても、遮蔽板15の存在により室内空気の流通が遮断され、コンデ部12は空冷式とならないうえに、風下側熱交換パイプpに水道水が熱交換水として導かれるので、コンデ部12は水冷式熱交換器となる。
【0023】
このようにして筐体2内に全ての構成部品が収容される一体型空気調和機Mであって、図示しない運転スイッチをオンすることにより圧縮機が駆動され、冷媒がコンデ部(凝縮器)12や膨張弁およびエバ部(蒸発器)11などに循環する冷凍サイクル運転がなされる。
同時に送風機13が駆動され、室内空気は吸込み口6,7から吸込まれ送風路Kに沿って導かれる。その途中で、エバ部11に導かれて熱交換する。室内空気は冷媒の蒸発潜熱を奪われて温度低下し、冷気に換わって吹出し口8から吹出される。
【0024】
上記コンデ部12には水道水が導かれる。したがって、水冷式熱交換器として熱交換をなし、効率のよい熱交換作用が行われる。熱交換器10自体、送風路Kに配置されているが、遮蔽板15により室内空気の流通が阻止され、コンデ部12と熱交換した暖気が吹出し口8に導かれることがほとんどない。
この一体型空気調和機Mを洗面所やサニタリールームあるいはトイレなどの床面積の小さい小部屋Rの壁面S上部に取付けることにより、吹出し口8から冷気のみが吹出され、スポット的な冷房運転が行われ快適空調を得られる。
【0025】
熱交換器10の前側熱交換器部10Aでは、上部にエバ部11を形成し、下部にコンデ部12を形成したので、熱交換作用にともなってエバ部11に生成されるドレン水滴が時間の経過とともに肥大してコンデ部12に流下する。
コンデ部12では熱交換水として水道水が導かれて熱交換しているが、さらにドレン水がエバ部11から流下するので、このドレン水とも熱交換する。したがって、コンデ部12における熱交換効率のさらなる向上化を得られる。
【0026】
上記熱交換器10は、側面視で略逆V字状の前側熱交換器部10Aと後側熱交換器部10Bとから構成し、前側熱交換器部10Aの少なくとも一部をエバ部11とし、後側熱交換器部10Bはコンデ部12としている。
前側熱交換器部10Aにエバ部11を設けたので、送風路Kに沿って導かれる室内空気とエバ部11が確実に熱交換作用をなし、この熱交換効率の向上を図れる。前側熱交換器部10Aおよび後側熱交換器部10Bにコンデ部12を形成することにより、熱交換器10全体の熱的バランスが良好となる。
【0027】
冷凍サイクル運転にともなって圧縮機9がある程度放熱することは避けられない。しかしながら、圧縮機9はほぼ密閉された機械室4に収容されており、通常用いられる空気調和機と比較して運転時間が短いので、筐体2から外部への熱的悪影響がない。
上記空気調和機Mは壁面Sの上部に取付けられることを前提にして構成されるので、圧縮機9から筐体2外へある程度の放熱があっても、熱は天井部に溜まり、空調効果が損なわれることはほとんどない。
【0028】
また、上記空気調和機Mを配置する床面積の小さい小部屋Rは、壁面S上部に換気扇が取付けられることが多い。この場合、換気扇の下部に空気調和機を取付ければ、圧縮機9の放熱があっても直ちに排気され、室内への熱的悪影響は全くない。
図3は、上述した一体型空気調和機MをトイレTRの壁面S上部に取付けた状態を模式的に示す斜視図である。
【0029】
たとえば、トイレTRの中に人が入ったことを筐体2に設けられるセンサーEが感知して冷凍サイクル運転を開始し、上記送風機12および便器Vに付設される洗浄水タンクT内の循環ポンプPを駆動して、上記エバ部11に対する空冷とコンデ部12に対する水冷をなし、トイレTRの中にいる人に対してスポット的な空調運転を行うようにする。
【0030】
トイレTRから人が出たら、上記センサーEは再びこれを感知して冷凍サイクル運転と送風機12および循環ポンプPを停止する制御をなせば、すこぶる使い勝手がよく、快適な空調作用が得られ、しかも省エネ的な運転となる。
いずれにしても、水回り配管を利用してコンデ部(凝縮器)11を水冷式熱交換器とし、小部屋Rにいる人に集中して冷房作用を行え、併せて、洗面所では化粧鏡の曇り止めをなし、サニタリールームでは湿気の除去に効果がある。
【0031】
なお、上述の実施の形態の空気調和機においては、冷房機器としての機能を得るよう構成したが、これに限定されるものではなく、除湿乾燥機器としての機能を得ることもできる。
図4は、第2の実施の形態の空気調和機の概略の断面図であり、先に説明したものと同一部品については、同番号を付して新たな説明を省略する。
一体型熱交換器10として、前後側熱交換器部10A,10Bを側面視で逆V字状にした構成は先に説明したものと全く同一である。
【0032】
ただし、コンデ部12を構成する前側熱交換器部10Aの下半分と後側熱交換器部10Bでは、それぞれの風上側列の熱交換パイプpと風下列側の熱交換パイプpを互いに連通させ、かつ冷媒を導くものとする。
換言すれば、この場合、水道水が導かれない。そして、熱交換器10と送風機3との間に、長手方向に沿って複数に分割された遮蔽板部15a,15bが介設され、それぞれの遮蔽板部は一斉に角度が可変する可動式となす。
【0033】
このようにして構成される空気調和機において、冷凍サイクル運転にともないエバ部11とコンデ部12のそれぞれに冷媒が導かれる。エバ部11では送風路Kに沿って流通する室内空気と熱交換し、冷気が導出される。
コンデ部12と送風機13との間に介在される全ての遮蔽板部15a,15bは図のように開放状態にあり、送風路Kに沿って導かれる室内空気がコンデ部12にも導かれ熱交換する。室内空気は凝縮熱を吸収して温度上昇し、暖気となって導出される。
【0034】
したがって、吹出し口8から吹出される状態では、エバ部11から導かれる冷気とコンデ部12から導かれる暖気とが混合する混合気となる。温度的には室内空気とほぼ同一となり、湿度が低下する除湿乾燥作用が得られる。
可動式とした上記遮蔽板部15a,15bの回動角度を調整することにより、暖気の流量を変えることができる。その結果、吹出し口9から吹出される混合気の温度の調整が可能となる。完全に閉成姿勢とすれば、ほとんど低温度の冷房作用が得られる。
【0035】
図5は、第3の実施の形態の空気調和機要部の構成図である。
熱交換器10Dは前側熱交換器部のみとし、後側熱交換器部は備えていない。これに対応して、吸込み口7は前面部cのみに備え、上面部bに吸込み口がなく閉塞面となっている。
【0036】
熱交換器10Dの上半分を空冷式蒸発器であるエバ部11とし、下半分を水冷式凝縮器であるコンデ部12とすることには変わりがない。先に図2で説明した前側の遮蔽板および後側の遮蔽板は、そのまま同位置に配置しておく。
このような熱交換器10Dを備えた空気調和機においては、エバ部11に室内空気が集中して導かれることになり、さらなる熱交換効率の向上を図れる。
図6は、第4の実施の形態の空気調和機要部の構成図である。
【0037】
一体型の熱交換器10Eとして、前側熱交換器部10Fと、後側熱交換器部10Bとの組み合わせからなる側面視で逆V字状であることには変わりがない。特に、前側熱交換器部10Fは上下方向の中途部で略くの字状に折曲形成されている。エバ部11は前側熱交換器部10Fの折曲された上半分に形成され、コンデ部12は折曲された下半分に形成される。
【0038】
先に説明したように湾曲成される前側熱交換器部10Aにエバ部11とコンデ部12を構成したものと相違して、エバ部11とコンデ部12がほとんど独立した状態で形成されることとなり、相互に熱の導通がなく、それぞれの熱交換効率の向上を図れる。
また、先に説明した実施の形態ではコンデ部12において、風上側列の熱交換パイプpに冷媒を導通させ、風下側列の熱交換パイプpに水道水(熱交換水)を導通させるようにしたが、これに限定されるものではない。
【0039】
図7は、第5の実施の形態の前側熱交換器部10Aの一部を示す図であり、コンデ部12を説明している。
すなわち、熱交換パイプpが風上側列と風下側列に配列されていることは変わりがないが、ここでは、風上・風下側列とも交互に冷媒と熱交換水の導通用とする。
【0040】
したがって、冷媒導通用の熱交換パイプp1と熱交換水導通用の熱交換パイプp2が熱交換器10Aに均等に備えられることになり、コンデ部12における熱交換効率のさらなる向上を得られる。
この他、本発明は要旨を変更しない範囲で種々変形実施可能であることは、勿論である。
【0041】
【発明の効果】
以上説明したように本発明によれば、洗面所、サニタリールームあるいはトイレなどの床面積の小さい小部屋の壁面に取付けられ、据付けスペースがわずかで邪魔にならずにすみ、一体型であって据付け手間がかからず保守が容易であり、凝縮器を水冷式として必要な空調効果を確保するなどの効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態に係る、一体型空気調和機の概略の構成図。
【図2】同実施の形態に係る、一体型空気調和機の概略の断面図。
【図3】同実施の形態に係る、一体型空気調和機をトイレに取付けた状態を示す図。
【図4】本発明の第2の実施の形態に係る、一体型空気調和機の概略の断面図。
【図5】本発明の第3の実施の形態に係る、一体型空気調和機の概略の断面図。
【図6】本発明の第4の実施の形態に係る、一体型空気調和機の概略の断面図。
【図7】本発明の第5の実施の形態に係る、熱交換器一部の概略の断面図。
【符号の説明】
2…筐体(空気調和機本体)、
6,7…吸込み口、
8…吹出し口、
9…圧縮機、
11…蒸発器(エバ部)、
12…凝縮器(コンデ部)、
13…送風機、
K…送風路、
10A…前側熱交換器部、
10B…後側熱交換器部、
f…フィン、
p…熱交換パイプ、
15a,15b…(可動式の)遮蔽板。
Claims (5)
- 空気調和機本体を、洗面所や洗濯機等が配置されるサニタリールームあるいはトイレなど床面積の小さい小部屋の壁面上部に取付け可能な形状寸法とし、
この空気調和機本体に吸込み口および吹出し口が設けられるとともに、内部に圧縮機、蒸発器、凝縮器、その他の冷凍サイクル構成部品一式および送風機を収容する空気調和機において、
上記蒸発器は、上記送風機を駆動することにより吸込み口から空気調和機本体内に吸込まれた室内空気を吹出し口から室内へ吹出すように形成される送風路中に配置される熱交換器の一部であって、この熱交換器部分に導かれる室内空気と熱交換し、
上記凝縮器は、上記熱交換器の残り一部であるとともに、送風路に導かれる室内空気の流通が遮断され、かつこの熱交換器部分に導かれる熱交換水と熱交換することを特徴とする空気調和機。 - 上記蒸発器は熱交換器の上部に形成され、上記凝縮器は熱交換器の下部に形成されることを特徴とする請求項1記載の空気調和機。
- 上記熱交換器は、側面視で略逆V字状の前側熱交換器部と後側熱交換器部とからなり、
上記前側熱交換器部における少なくとも一部に蒸発器が形成され、上記後側熱交換器部における少なくとも一部に凝縮器が形成されることを特徴とする請求項1記載の空気調和機。 - 上記熱交換器は、狭小の間隙を存して並設されるフィンと、これらフィンを貫通して設けられ蛇行状の冷媒流路をなす熱交換パイプとから構成され、
上記凝縮器において、上記熱交換パイプは冷媒用と熱交換水用が交互に配列され、もしくは前列と後列に分けて配列されることを特徴とする請求項1記載の空気調和機。 - 上記凝縮器と送風機との間に、送風路に導かれる室内空気の流通を遮断し、もしくは開放状態に切換える可動式の遮蔽板が介在されることを特徴とする請求項1記載の空気調和機。
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