JP2004125308A - 冷凍サイクル用アキュームレータ - Google Patents

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JP2004125308A
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liquid
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Yoshio Ueno
上野 嘉夫
Tatsuo Ono
小野 達生
Tomohiko Kasai
河西 智彦
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Mitsubishi Electric Corp
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Abstract

【課題】圧縮機流量が小さく、アキュームレータの液冷媒の量が多い場合でも圧縮機に戻る液冷媒の量を適正にすることができる冷凍サイクル用アキュームレータを提供する。
【解決手段】冷凍サイクルの蒸発器からの冷媒を密閉容器2内に導入し、ガス冷媒6と油を含む液冷媒5とに分離して、液冷媒5を上記密閉容器2の底部に貯留し、ガス冷媒6を上記密閉容器2の上部に貯留すると共に、上記ガス冷媒6と上記液冷媒5の一部を圧縮機に戻すようにしたアキュームレータにおいて、上記冷媒を圧縮機に戻すU字状の流出管4の下部の上記液冷媒領域に位置する部分及び上部の上記ガス冷媒領域に位置する部分にそれぞれ油戻し孔7、8を設け、上部の油戻し孔8には一端が上記液冷媒領域に達する配管9を連通させた構成とする。
【選択図】    図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、冷凍サイクルの蒸発器と圧縮機との間に設置される例えば容量制御圧縮機対応の冷凍サイクル用アキュームレータに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来の冷凍サイクル用アキュームレータは、密閉容器に設けられたU字状の流出管の下部にのみ油戻し孔を設け、この油戻し孔から油を含む液冷媒を吸い込んでガス冷媒と共に、圧縮機に戻すようにされていた。(例えば、特許文献1参照)
【0003】
【特許文献1】
特開昭58−64472号公報(第1−2ページ、第1図)
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
特許文献1に示されたアキュームレータにおいて、油戻し孔から流出管内に吸い込まれる液冷媒と油の量の比率、即ち、液バック率は、次の式(1)で示されるが、油戻し孔の前後差圧の影響を受けて変化する。
液バック率(%)=液冷媒の圧縮機への戻り量(kg/h)÷冷媒の圧縮機への戻り量(kg/h)×100    … (1)
【0005】
図7は、油戻し孔の前後差圧の影響を示すためのアキュームレータ内の冷媒流量と液バック率との関係を示すグラフで、Aはアキュームレータ内の液冷媒の液面が高く、液冷媒の量が多い場合を示し、Bは同じく液冷媒の液面が低く、液冷媒の量が少ない場合を示す。このグラフから見られるように、アキュームレータ内の液冷媒の量が多く、冷媒流量が少ない場合は、液バック率が大きくなる。
その理由は、液冷媒の液面に対応する液柱圧により、油戻し孔の前後差圧が大きくなり、式(1)の分子、つまり液冷媒と油の圧縮機への戻り量が大きくなるためである。また、冷媒流量が少ない場合に液バック率が大きくなる理由は、式(1)の分母が小さくなるためである。なお、冷媒流量が大きい場合に、アキュームレータ内の液冷媒の量が、液バック率に与える影響が小さい理由は、油戻し孔の前後差圧に占める液冷媒の液柱圧の割合が小さくなるためである。つまり、液冷媒の液柱圧が、油戻し孔に対するその他の前後差圧要因、即ち、流出管へ流れ込むガス冷媒が流出管端部の入り口部で急縮小することによる圧力損失、流出管入り口部から油戻し孔までの摩擦圧力損失、及び動圧の合計に比して大幅に小さくなるためである。
【0006】
従来のアキュームレータは、以上のように構成されているため、圧縮機流量が小さく、アキュームレータの液冷媒の量が多い場合には、多量の液冷媒が圧縮機に戻ることになり、圧縮機内の油希釈が発生し、圧縮機を破損させる恐れがあるという問題点があった。
【0007】
この発明は、上記のような問題点を解消するためになされたもので、圧縮機流量が小さく、アキュームレータの液冷媒の量が多い場合でも、圧縮機に戻る液冷媒の量を適正にすることができる冷凍サイクル用アキュームレータを得ることを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
この発明に係る冷凍サイクル用アキュームレータは、冷凍サイクルの蒸発器からの冷媒を密閉容器内に導入し、ガス冷媒と油を含む液冷媒とに分離して、液冷媒を上記密閉容器の底部に貯留し、ガス冷媒を上記密閉容器の上部に貯留すると共に、上記ガス冷媒と上記液冷媒の一部を圧縮機に戻すようにしたアキュームレータにおいて、上記冷媒を圧縮機に戻すU字状の流出管の下部の上記液冷媒領域に位置する部分及び上部の上記ガス冷媒領域に位置する部分にそれぞれ油戻し孔を設け、上部の油戻し孔には一端が上記液冷媒領域に達する配管を連通させたものである。
【0009】
【発明の実施の形態】
実施の形態1.
以下、この発明の実施の形態1を図にもとづいて説明する。図1は、実施の形態1の構成を示すアキュームレータの断面図である。この図において、アキュームレータ1は密閉された容器2と、冷凍サイクルの蒸発器(図示せず)から出た冷媒を密閉容器2内に導入する流入管3と、密閉容器2内の冷媒を圧縮機(図示せず)へ戻すU字状の流出管4とを有する。流入管3の先端は、密閉容器2の側壁方向に湾曲され、蒸発器からの冷媒を側壁に衝突させて旋回させ、冷媒に旋回流を発生させるようにされている。
【0010】
また、流入管3から密閉容器2内に導入された冷媒は、油を含む液冷媒とガス冷媒とに分離され、油を含む液冷媒5は密閉容器2の底部に貯留され、ガス冷媒6は密閉容器の上部に貯留される。また、流出管4の下部の液冷媒5の領域に位置する部分には、第1の油戻し孔7が設けられ、流出管4の上部のガス冷媒6の領域に位置する部分には、第2の油戻し孔8が設けられると共に、第2の油戻し孔8に連通する配管9の上端が流出管4に固定されている。配管9の下端は液冷媒5に達するように密閉容器2の底部近くまで延在している。また、配管9は、その固有振動数が圧縮機の運転周波数から外れるようにされており、共振による大幅な振動を抑制して配管9の破損を防止するようにされている。
【0011】
図2は、この実施の形態の第1の油戻し孔7から流出管4に吸い込まれ、圧縮機へ戻る液バック率を示したグラフである。A、Bはそれぞれ図7のA、Bと同じであるため説明を省略する。図2と図7のグラフを比較すると、アキュームレータ内の液冷媒の量が多く、冷媒流量が少ない場合に、液バック率が大きくなるという点は同じであるが、図2の方が図7より液バック率が全体的に小さい。
これは、図2の実施の形態1では、上部に設けられた第2の油戻し孔8からも液冷媒と油が圧縮機に戻るため、第1の油戻し孔7を小さくしているためである。
【0012】
図3は、この実施の形態の第2の油戻し孔8から流出管4に吸い込まれ、圧縮機へ戻る液バック率を示したグラフである。A、Bはそれぞれ図7のA、Bと同じであるため説明を省略する。この場合には、上部に設けられた第2の油戻し孔8へ液冷媒が到達するまで、配管9を上る必要があるため、アキュームレータ内の液冷媒の量が少なくガス冷媒と液冷媒と油の合計流量が少ない場合は、液バック率が小さくなっている。
図4は、下部に設けられた第1の油戻し孔7からの液バック率(図2)と上部に設けられた第2の油戻し孔8からの液バック率(図3)とを加えたトータルの液バック率を示すグラフである。このグラフから分かるように、実施の形態1によれば、冷媒流量が小さく、アキュームレータの液冷媒の量が多い場合でも圧縮機に戻る液冷媒の量が大きくならず、適正値にすることができる。なお、冷媒流量が小さく、アキュームレータの液冷媒の量が少ないBの場合、液バック率が小さくなって圧縮機に戻る油の量が減少するが、圧縮機は、冷媒流量が小さい場合には、油の持ち出し率が極端に小さくなるため、圧縮機の油枯渇は発生しない。
【0013】
実施の形態2.
次に、この発明の実施の形態2を図にもとづいて説明する。図5は、実施の形態2の構成を示すアキュームレータの断面図である。この図において、図1と同一または相当部分には同一符号を付して説明を省略する。図1と異なる点は、配管9を密閉容器2のほぼ中心部に引き出し、ほぼ中心部において上下方向に設置した点である。蒸発器(図示せず)から流入管3を経て密閉容器2に流入したガス冷媒6は上述のように密閉容器内で旋回するため、ガス冷媒6の流れにより、底部に貯留された液冷媒5も旋回する。このため、液冷媒5の旋回による力が配管9に伝達されるが、配管9は密閉容器2の中心部に設置されているため、旋回する液冷媒6から受ける力が小さくなり、配管9の破損を防止することが出来る。
【0014】
実施の形態3.
次に、この発明の実施の形態3を図にもとづいて説明する。図6は、実施の形態3の構成を示すアキュームレータの断面図である。この図において、図1と同一または相当部分には同一符号を付して説明を省略する。図1と異なる点は、配管9の下端部を固定部10において流出管4の下部に固定した点である。
このような構成とすることにより、流入管3から導入されたガス冷媒6により、上述のように液冷媒5が旋回した場合でも配管9が動かないため、その破損を防止することが出来る。
【0015】
【発明の効果】
この発明に係る冷凍サイクル用アキュームレータは、冷凍サイクルの蒸発器からの冷媒を密閉容器内に導入し、ガス冷媒と油を含む液冷媒とに分離して、液冷媒を上記密閉容器の底部に貯留し、ガス冷媒を上記密閉容器の上部に貯留すると共に、上記ガス冷媒と上記液冷媒の一部を圧縮機に戻すようにしたアキュームレータにおいて、上記冷媒を圧縮機に戻すU字状の流出管の下部の上記液冷媒領域に位置する部分及び上部の上記ガス冷媒領域に位置する部分にそれぞれ油戻し孔を設け、上部の油戻し孔には一端が上記液冷媒領域に達する配管を連通させたものであるため、圧縮機流量が小さく、アキュームレータの液冷媒の量が多い場合でも圧縮機に戻る液冷媒の量を適正にすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の実施の形態1の構成を示すアキュームレータの断面図である。
【図2】実施の形態1におけるアキュームレータの第1の油戻し孔からの液バック率を示すグラフである。
【図3】実施の形態1におけるアキュームレータの第2の油戻し孔からの液バック率を示すグラフである。
【図4】実施の形態1におけるアキュームレータの第1の油戻し孔からの液バック率と第2の油戻し孔からの液バック率の合計を示すグラフである。
【図5】この発明の実施の形態2の構成を示すアキュームレータの断面図である。
【図6】この発明の実施の形態3の構成を示すアキュームレータの断面図である。
【図7】一般的なアキュームレータにおける油戻し孔からの液バック率を示すグラフである。
【符号の説明】
1 アキュームレータ、   2 密閉容器、   3 流入管、
4 流出管、   5 液冷媒、   6 ガス冷媒、
7 第1の油戻し孔、   8 第2の油戻し孔、   9 配管、
10 固定部。

Claims (4)

  1. 冷凍サイクルの蒸発器からの冷媒を密閉容器内に導入し、ガス冷媒と油を含む液冷媒とに分離して、液冷媒を上記密閉容器の底部に貯留し、ガス冷媒を上記密閉容器の上部に貯留すると共に、上記ガス冷媒と上記液冷媒の一部を圧縮機に戻すようにしたアキュームレータにおいて、上記冷媒を圧縮機に戻すU字状の流出管の下部の上記液冷媒領域に位置する部分及び上部の上記ガス冷媒領域に位置する部分にそれぞれ油戻し孔を設け、上部の油戻し孔には一端が上記液冷媒領域に達する配管を連通させたことを特徴とする冷凍サイクル用アキュームレータ。
  2. 上記蒸発器からの冷媒を上記密閉容器内に導入する流入管の先端を上記密閉容器の側壁方向に湾曲させ、上記密閉容器内の冷媒に旋回流を発生させると共に、上記配管を上記密閉容器のほぼ中心部において上下方向に設置したことを特徴とする請求項1記載の冷凍サイクル用アキュームレータ。
  3. 上記配管の下端部を上記流出管に固定したことを特徴とする請求項1または請求項2記載の冷凍サイクル用アキュームレータ。
  4. 上記配管の固有振動数が上記圧縮機の運転周波数から外れるようにしたことを特徴とする請求項1または請求項2記載の冷凍サイクル用アキュームレータ。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2014178045A (ja) * 2013-03-13 2014-09-25 Mitsubishi Electric Corp アキュムレータ及び空気調和機
WO2015029204A1 (ja) * 2013-08-30 2015-03-05 株式会社日立製作所 空気調和装置

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