JP2004125142A - クラッチ装置 - Google Patents

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井上 昌弘
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Abstract

【課題】高速回転域になると、自動的でかつ確実な動作で動力伝達を遮断するクラッチ装置を提供する。
【解決手段】第1回転軸1と、第2回転軸2と、これら第1回転軸1と第2回転軸2の間で、遠心力により機械的に回転の伝動と遮断とを相互に切り換える係脱手段3とを備えている。係脱手段3は、遠心力により径方向に移動する遠心移動部材(カム部材8)と、前記遠心移動部材の径方向外方への移動に関連して軸方向に移動する軸方向移動部材(クラッチ体7)とを含み、これら部材の作用により、所定の低速回転域では両回転軸1,2を回転一体に結合し、前記低速回転域を越える高速回転域では両回転軸1,2の間の回転伝動を遮断する。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、遠心力を利用したクラッチ装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、遠心力を利用したクラッチ装置(遠心クラッチ)は、回転数が低い場合は非伝動状態で、回転速度が設定回転速度以上に上がった場合、自動的に伝動状態となるものである(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
この種のクラッチ装置は、機械的に入り切りを行うので、動作が確実であり、そのため、自動二輪車や一般の自動車ばかりでなく、エンジンとモータとの2種の動力源を有する、いわゆるハイブリッド車にも設けられている(例えば、特許文献2参照)。ハイブリッド車において、前記クラッチ装置は、エンジンの駆動による発進が円滑に行えるよう、エンジンの動力伝達系に介装されている。
【0004】
【特許文献1】
特開平11−159547号公報(明細書の0046の項、図2)。
【特許文献2】
特開平11−78554号(明細書の0014の項、図5)。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、自動車は、メーカーが予定している以上の高速で走行運転されることがある。このような高速運転への対応策としては、駆動輪の回転速度が設定上限速度を越えると、自動的に駆動輪への動力伝達を遮断する装置を設けて、この装置により、走行速度が適正範囲を越えないようにすることが考えられる。
【0006】
上記のように、高速回転域で自動的に動力伝達を遮断する装置は、自動車に限らず、モータやエンジンを動力源として備える他の機械装置においても、その機械装置を安全に運転する上で必要である。
【0007】
この場合、上記の装置は、前記した遠心クラッチのように、機械的な入り切り動作により、自動的かつ確実に回転の伝動と遮断とを行うものであることが望ましい。
【0008】
そこで、本発明の主たる課題は、高速回転域になると、自動的でかつ確実な動作で動力伝達を遮断するクラッチ装置を提供することである。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上述した課題を達成するために、本発明は、第1回転軸と、第2回転軸と、これら第1回転軸と第2回転軸の間で、遠心力により径方向に移動する遠心移動部材、および前記遠心移動部材の径方向外方への移動に関連して軸方向に移動する軸方向移動部材により、回転の伝動と遮断とを相互に切り換える係脱手段とを備え、前記係脱手段は、所定の低速回転域では両回転軸を回転一体に結合し、前記低速回転域を越える高速回転域では両回転軸の間の回転伝動を遮断するクラッチ装置を構成している。
【0010】
上記構成のクラッチ装置は、低速回転域では回転伝動状態にあり、動力源の回転力が負荷側へ伝達されるが、回転速度が上がり、高速回転域になると、クラッチ装置は自動的に非伝動状態となり、負荷側には回転力が伝わらなくなる。このように、高速回転域では回転伝動が遮断されるから、トルクリミッタとして機能し、負荷が必要以上の速度で回転駆動されたり、また、負荷のかかった状態で動力源が必要以上の速度で駆動されることが未然に防止される。この場合、クラッチ装置は、遠心力を利用して機械的に入り切り動作するものなので、動作が確実である。
【0011】
本発明のクラッチ装置は、より具体的には、第1回転軸と、この第1回転軸と同軸に設けられた第2回転軸と、第1回転軸に対して回転方向に結合された状態で軸方向に移動可能なクラッチ体と、第1回転軸とクラッチ体との間に設けられ、第1回転軸から回転力を付与されて旋回し、その旋回時の遠心力により径方向に移動するカム部材とを備え、前記カム部材は、径方向外方に移動することで、前記クラッチ体をその付勢弾力に抗して押圧し、該クラッチ体を軸方向一方に移動させるものであり、前記クラッチ体は、第2回転軸に設けられた摩擦面に接触もしくは離間する摩擦面を有し、軸方向他方に移動した位置ではその摩擦面が第2回転軸の摩擦面と接触して第2回転軸と回転伝動状態となり、軸方向一方に移動した位置では、その摩擦面が第2回転軸の摩擦面から離間して第2回転軸とは回転非伝動状態となる構成となっている。
【0012】
上記構成のクラッチ装置は、通常、第1回転軸を入力軸、第2回転軸を出力軸として使用される。第1回転軸が停止もしくは低速で回転している場合は、カム部材は径方向内方の位置にあるので、クラッチ体はカム部材寄りの軸方向位置にあって、その摩擦面が第2回転軸の摩擦面に圧接しており、これにより、第2回転軸は第1回転軸と回転一体の伝動状態になっている。
【0013】
第1回転軸の回転速度が所定の低速域を越えると、カム部材は遠心力により径方向外方へと移動して、クラッチ体をカム部材から遠ざかる側へ押圧する。これで、クラッチ体の摩擦面が第2回転軸の摩擦面から離間し、第1回転軸から第2回転軸への回転伝動が遮断される。このようにして、高速回転域では自動的に非伝動状態となり、負荷側には回転動力が伝わらなくなる。
【0014】
上記構成のクラッチ装置において、カム部材は、遠心力により径方向外方に移動して、クラッチ体を軸方向一方に押動するものであればよいが、第1回転軸からクラッチ体に回転力を伝動する伝動部材を兼ねている構造とすることが好ましい。カム部材を前記のような構造とすると、クラッチ体を第1回転軸に回転一体に結合する部分を別に設ける必要がなくなり、構成が簡略化する。
【0015】
また、クラッチ体の摩擦面と、これに対応する第2回転軸の摩擦面とは、径方向外方へ広がる円板状の面としてもよいが、ともにテーパ面に形成されていることが望ましい。この構成では、摩擦面を径方向外方に大きく張り出させることなく、摩擦面として充分な面積を確保でき、クラッチ装置全体を小径にまとめて小型化を図ることができる。
【0016】
【発明の実施の形態】
〔一実施形態〕
図1ないし図5は、本発明の一実施形態を示すもので、図1は、一実施形態に係るクラッチ装置の断面図で、回転伝動状態を示している。図2は、図1のクラッチ装置の(2)−(2)線での断面図、図3は、図1のクラッチ装置の要部である係脱手段の分解斜視図、図4は、図1のクラッチ装置の一部であるカム部材を含む部分を平面状に展開して示した展開図で、(A)は、図1のクラッチ装置に含まれるカム部材を、(B)はその変形例を示している。図5は、図1のクラッチ装置の非伝動状態を示す半部の断面図である。
【0017】
図1に示すように、本発明のクラッチ装置は、第1回転軸1と、第2回転軸2と、これら両回転軸1,2の間で遠心力を利用して機械的に回転の伝動と遮断とを相互に切り換える係脱手段3とを備えている。
【0018】
第1回転軸1は、この実施形態では入力軸であって、これには通常、動力源であるモータMの駆動軸Maが直結される。この第1回転軸1の軸方向中途部の外周には、フランジ状の伝動部4が一体に設けられている。第2回転軸2は、第1回転軸1の外周を覆うように第1回転軸1と同軸に設けられた筒軸であって、軸方向の両端部の内周にそれぞれ設けられた2つの転がり軸受5,6(図示例では、いずれもアンギュラ玉軸受)により、第1回転軸1に対して回転可能に支持されている。この第2回転軸2は出力軸として、通常、駆動輪のような負荷Lに回転一体に結合される。歯車やプーリのような伝動部材を介して負荷Lに連動連結されることもある。この第2回転軸2の内周には、テーパ状の摩擦面2aが形成されている。
【0019】
係脱手段3は、第1回転軸1と第2回転軸2との間に形成される環状空間に設けられており、前記した第1回転軸1の伝動部4と、クラッチ体7と、カム部材8とからなる。
【0020】
クラッチ体7は、第1回転軸1の外周面に嵌合する環状体で、第1回転軸1に対して軸方向にスライドしうる。このクラッチ体7の背面側(第1回転軸1の伝動部4とは反対側で、図1において右面側)には、皿ばねのような弾性部材9が設けられ、この弾性部材9により、クラッチ体7には伝動部4の側に近づく軸方向(図1で左向きの方向)に弾力が付勢されている。また、クラッチ体7の外周部には、第2回転軸2の摩擦面2aに面接触しうるテーパ状の摩擦面7aが形成されている。この摩擦面7aと、第2回転軸2の摩擦面2aとは、同じ広がり角度で、伝動部4の側から弾性部材9の側に向けて拡開している。
【0021】
クラッチ体7は、上記のような構造なので、弾性部材9の付勢弾力により、伝動部4の側にスライドすることで、その摩擦面7aが第2回転軸2の摩擦面2aに全面的に圧接し、第2回転軸2と回転方向に結合されるものである。なお、クラッチ体7の内周部には、その背面側から軸方向内方にかけて環状に切除部7bが形成されていて、この切除部7bの存在により、クラッチ体7の摩擦面7aの部分は微量的に内径側へ変形しうるようになっている。
【0022】
カム部材8は、第1回転軸1伝動部4とクラッチ体7との間に径方向移動可能に設けられた部材で、第1回転軸1の伝動部4から回転力を付与されて第1回転軸1の外周側で旋回した場合、その旋回時の遠心力により径方向外方に移動するものである。このカム部材8は、図2および図3にも図示するように、径方向に沿った断面形状が扇形で、軸方向に沿った断面形状が、径方向外方ほど幅狭となった台形であり、複数個(図示例では6個)が第1回転軸1の外周側に円周方向等配に設けられている。
【0023】
このカム部材8の軸方向両側の各斜面(台形形状の各斜面)には、その斜面の傾斜角度に沿って径方向に伸びる嵌合溝8m,8nが形成されている。これら嵌合溝8m,8nに対応して、伝動部4とクラッチ体7とにはそれぞれ嵌合凸部4t,7tが形成されている。すなわち、伝動部4の嵌合凸部4tは、該伝動部4のカム部材8と対向する面部にあって、カム部材8の一方の嵌合溝8mに嵌合するもので、径方向外方ほどカム部材8の側に倒れ込む形で傾斜している。一方、クラッチ体7の嵌合凸部7tは、該クラッチ体7のカム部材8と対向する面部にあって、カム部材8の他方の嵌合溝8nに嵌合するもので、径方向外方ほどカム部材8の側に倒れ込む形で傾斜している。したがって、伝動部4の嵌合凸部4tとクラッチ体7の嵌合凸部7tとの間には、径方向外方ほど幅狭となる間隔が形成されている。
【0024】
カム部材8と、伝動部4の嵌合凸部4tと、クラッチ体7の嵌合凸部7tとは、上記したような構造であるので、カム部材8が第1回転軸1の外周側で旋回し、その旋回時の遠心力により径方向外方に移動した場合、カム部材8は、伝動部4の嵌合凸部4tとクラッチ体7の嵌合凸部7tとの間にクサビのように入り込んで、クラッチ体7を弾性部材9の付勢弾力に抗して弾性部材9の側に押動し、これによって、クラッチ体7の摩擦面7aを第2回転軸2の摩擦面2aから離間させる。
【0025】
また、カム部材8と、伝動部4の嵌合凸部4tと、クラッチ体7の嵌合凸部7tとの間では、カム部材8の一方の嵌合溝8mに伝動部4の嵌合凸部4tが嵌合し、カム部材8の他方の嵌合溝8nにクラッチ体7の嵌合凸部7tが嵌合することで、伝動部4に対してカム部材8とクラッチ体7とが回転一体となるよう結合されている。このようにして、カム部材8は、第1回転軸1の回転をクラッチ体7に伝動する伝動部材となっている。
【0026】
なお、図1ないし図3に図示した例では、図4の(A)に平面状に展開して示しているように、カム部材8に嵌合溝8m,8nが形成され、伝動部4およびクラッチ体7にそれぞれ前記嵌合溝8m,8nに嵌合する嵌合凸部4t,7tが形成されているが、これとは逆に、図4の(B)に示すように、カム部材8に嵌合凸部8t,8tを形成し、これに対応する嵌合溝4m,7mを伝動部4およびクラッチ体7にそれぞれ形成してもよい。この場合、伝動部4のカム部材8と対向する面部には、カム部材8の一方の斜面に対応する傾斜面を形成し、この傾斜面の傾斜角度に沿って嵌合溝4mを形成する必要がある。また、クラッチ体7についても、カム部材8と対向する面部に、カム部材8の他方の斜面に対応する傾斜面を形成し、この傾斜面の傾斜角度に沿って嵌合溝7mを形成する必要がある。
【0027】
上記の構成において、第1回転軸1にはモータMから回転力が入力する。第1回転軸1が回転すると、その伝動部4を介して第1回転軸1に回転一体に結合されているカム部材8と、クラッチ体7とが同方向に旋回もしくは回転する。
【0028】
第1回転軸1が低速で回転している場合は、カム部材8は、第1回転軸1の周りで低速で旋回することになるから、充分に大きな遠心力を受けず、図1に示すように、第1回転軸1の外周面に接するか、僅かに離間した径方向内方の位置にある。そのため、クラッチ体7はカム部材8によりほとんど押圧されず、弾性部材9の付勢弾力によりカム部材8寄りの軸方向位置にあって、その摩擦面7aが第2回転軸2の摩擦面2aに圧接している。これにより、第2回転軸2にはクラッチ体7を介して第1回転軸1の回転が伝動されることになり、第2回転軸2は第1回転軸1と回転一体の伝動状態になっている。したがって、低速回転域ではモータMの回転力が負荷Lに伝達される。
【0029】
次に、第1回転軸1の回転速度が所定の低速域を越えると、カム部材8は高速で旋回し、大きな遠心力を受けるから、図5に示すように、径方向外方へと移動し、クラッチ体7をカム部材8から遠ざかる側へ押圧する。これで、クラッチ体7の摩擦面7aが第2回転軸2の摩擦面2aから離間し、第1回転軸1から第2回転軸2への回転伝動が遮断される。したがって、高速回転域では自動的に非伝動状態となり、負荷L側には回転動力が伝わらなくなる。
【0030】
このように、上記構成のクラッチ装置は、高速回転域での回転伝動が遮断されるから、トルクリミッタとして使用することができ、負荷Lが必要以上の速度で回転駆動されたり、また、負荷のかかった状態で動力源であるモータMが必要以上の速度で駆動されることが未然に防止される。
【0031】
また、上記構成のクラッチ装置は、エンジンとモータとの2種の動力源を有する、いわゆるハイブリッド車では、一方の動力源による走行の速度が一定の速度を越えた場合、他の動力源に切り換える切り換え手段として利用することができる。
【0032】
上記の各場合において、クラッチ装置は、遠心力を利用して機械的に入り切り動作するものなので、動作が確実である。また、係脱手段3の各部材の動作は、回転方向が時計方向であっても反時計方向であっても変わりがないので、いずれの方向の回転についてもその伝動と遮断とを相互に切り換えることができ、2方向クラッチとして使用しうる。
【0033】
カム部材8は、前記したように、遠心力により径方向外方に移動してクラッチ体7を軸方向一方に押動するものであるが、本実施形態では、第1回転軸1の伝動部4からクラッチ体7に回転力を伝動する伝動部材を兼ねている。そのため、クラッチ体7を第1回転軸1に回転一体に結合する部分を別に設ける必要がなく、構成が簡略化する。
【0034】
また、クラッチ体7の摩擦面7aと、これに対応する第2回転軸2の摩擦面2aとは、ともにテーパ面に形成されているので、摩擦面を径方向外方に大きく張り出させることなく、摩擦面として充分な面積を確保でき、装置全体を小径にまとめて小型化を図ることができる。
【0035】
〔他の実施形態〕
上記実施形態においては、カム部材8は、第1回転軸1からクラッチ体7に回転を伝動する伝動部材を兼ねているが、図6の(A)と(B)とに示すように、カム部材8が遠心力により径方向外方に移動してクラッチ体7を軸方向一方に押動する部分3Aと、第1回転軸1からクラッチ体7に回転を伝動する部分3Bとを別個に設けてもよい。これらの部分3A,3Bは第1回転軸の外周部に円周方向に沿って交互に配設すればよい。
【0036】
図6(A)に図示の押動部分3Aでは、カム部材8は軸方向に沿った断面形状が台形で、軸方向両側に斜面があればよい。また、第1回転軸1の伝動部4には、カム部材8の一方の斜面に接する傾斜面4sを形成し、クラッチ体7にも、カム部材8の他方の斜面に接する傾斜面7sを形成する必要がある。図6(B)に図示の伝動部分3Bでは、第1回転軸1の伝動部4に、クラッチ体7に向けて突出する係合歯4kが設けられ、クラッチ体7には、伝動部4の係合歯4kに噛み合う係合歯7kが設けられており、これらの係合歯4k,7kの係合により、クラッチ体7は第1回転軸1の伝動部4に回転一体に結合されている。
【0037】
図7は、さらに他の実施形態を示すもので、この実施形態でも、カム部材8が径方向外方に移動することでクラッチ体7を軸方向一方に押動する部分と、第1回転軸1からクラッチ体7に回転を伝動する部分とが別個に設けられている。
【0038】
この実施形態では、カム部材8は、第1回転軸1の伝動部4に回転方向には一体で、径方向には移動可能に支持されている。カム部材8の軸方向一方の側に斜面があり、この斜面にクラッチ体7の傾斜面7sが当接するようになっている。一方、第1回転軸1の外周部にはスプライン部1aが形成され、このスプライン部1aにクラッチ体7が回転方向には一体で、軸方向にはスライド可能に設けられている。他の部分は、図1ないし図3に図示した実施形態のものと変わりがないので、対応する部分には同一の符号を付して詳細な説明は省略する。
【0039】
第1回転軸1の回転が所定の低速回転域を越えると、カム部材8が径方向外方に移動し、これに伴いクラッチ体7が弾性部材9の側に移動して、その摩擦面7aが第2回転軸2の摩擦面2aから離間し、これにより、第1回転軸1から第2回転軸2への回転伝動が遮断される点は、図1ないし図3の実施形態と同じである。
【0040】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明のクラッチ装置は、低速回転域では回転伝動状態で、動力源の回転力を負荷側に伝達するが、高速回転域になると、非伝動状態となり、負荷側への回転伝動を遮断する。そのため、トルクリミッタとして使用でき、負荷が必要以上の速度で回転駆動されたり、また、負荷のかかった状態で動力源が必要以上の速度で駆動されることが未然に防止される。
【0041】
この場合、クラッチ装置は、遠心力を利用して機械的に入り切り動作するものなので、動作が確実である。
【0042】
なお、遠心移動部材であるカム部材が、軸方向移動部材であるクラッチ体に回転力を伝動する伝動部材を兼ねている構造であると、クラッチ体を第1回転軸に回転一体に結合する部分を別に設ける必要がなくなり、構成が簡略化する。
【0043】
また、クラッチ体の摩擦面と、これに対応する第2回転軸の摩擦面とが、ともにテーパ面に形成されていると、摩擦面を径方向外方に大きく張り出させることなく、摩擦面として充分な面積を確保でき、クラッチ装置全体を小径にまとめて小型化を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態に係るクラッチ装置の断面図で、回転伝動状態を示している。
【図2】図1のクラッチ装置の(2)−(2)線での断面図である。
【図3】図1のクラッチ装置の要部である係脱手段の分解斜視図である。
【図4】図1のクラッチ装置の一部であるカム部材を含む部分を平面状に展開して示した展開図で、(A)は、図1のクラッチ装置に含まれるカム部材を、(B)はその変形例を示している。
【図5】図1のクラッチ装置の非伝動状態を示す半部の断面図である。
【図6】本発明の他の実施形態に係るクラッチ装置のクラッチ体部分の軸方向に沿った断面図で、(A)は、カム部材がクラッチ体を軸方向一方に押動する部分を示し、(B)は、第1回転軸からクラッチ体に回転を伝動する部分を示している。
【図7】本発明のさらに他の実施形態に係るクラッチ装置の半部の断面図である。
【符号の説明】
1  第1回転軸
2  第2回転軸
2a 摩擦面
3  係脱手段
7  クラッチ体
7a 摩擦面
8  カム部材
9  弾性部材

Claims (4)

  1. 第1回転軸と、第2回転軸と、これら第1回転軸と第2回転軸の間で、遠心力により径方向に移動する遠心移動部材、および前記遠心移動部材の径方向外方への移動に関連して軸方向に移動する軸方向移動部材により、回転の伝動と遮断とを相互に切り換える係脱手段とを備え、
    前記係脱手段は、所定の低速回転域では両回転軸を回転一体に結合し、前記低速回転域を越える高速回転域では両回転軸の間の回転伝動を遮断することを特徴とするクラッチ装置。
  2. 第1回転軸と、この第1回転軸と同軸に設けられた第2回転軸と、第1回転軸に対して回転方向に結合された状態で軸方向に移動可能なクラッチ体と、第1回転軸とクラッチ体との間に設けられ、第1回転軸から回転力を付与されて旋回し、その旋回時の遠心力により径方向に移動するカム部材とを備え、
    前記カム部材は、径方向外方に移動することで、前記クラッチ体をその付勢弾力に抗して押圧し、該クラッチ体を軸方向一方に移動させるものであり、
    前記クラッチ体は、第2回転軸に設けられた摩擦面に接触もしくは離間する摩擦面を有し、軸方向他方に移動した位置ではその摩擦面が第2回転軸の摩擦面と接触して第2回転軸と回転伝動状態となり、軸方向一方に移動した位置では、その摩擦面が第2回転軸の摩擦面から離間して第2回転軸とは回転非伝動状態となるものであることを特徴とするクラッチ装置。
  3. カム部材は、第1回転軸からクラッチ体に回転を伝動する伝動部材を兼ねている請求項2に記載のクラッチ装置。
  4. クラッチ体の摩擦面と、これに対応する第2回転軸の摩擦面とは、ともにテーパ面に形成されている請求項2または請求項3に記載のクラッチ装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2016509190A (ja) * 2013-03-14 2016-03-24 シェフラー テクノロジーズ アー・ゲー ウント コー. カー・ゲーSchaeffler Technologies AG & Co. KG 車両用のクラッチアッセンブリ及び車両を運転する方法
CN110081093A (zh) * 2019-05-22 2019-08-02 东莞市秦基减速电机有限公司 自动离合装置

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