JP2004125010A - 無段変速機の制御装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】動力伝達部材の耐久性向上を図ることのできる無段変速機の制御装置を提供する。
【解決手段】無段変速機は、入力側及び出力側の可変プーリ間に挟圧状態で伝動ベルトを介在させ、両可変プーリに対する伝動ベルトの接触位置を変更することにより、変速比及び挟圧力を連続的に変化させる。電子制御装置(ECU)は、無段変速機の運転状態に基づき、伝動ベルトの一構成部品であるブロックに加わる荷重を推定し、そのうち疲れ限度よりも大きい値を累積することによりブロック累積荷重N1を算出及び記憶する。この記憶したブロック累積荷重N1と、ブロックが耐え得るブロック累積荷重の最大値N1max とを比較し(ステップ220)、ブロック累積荷重N1が最大値N1max よりも大きい場合には、変速線を、変速比が小さくなる側の変速線に切替える(ステップ230)。
【選択図】    図8

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、例えば車両のエンジン等の動力源と駆動輪との間に介在される無段変速機の制御装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
車両用の変速機として、例えば入力側回転体及び出力側回転体の間に挟圧状態で動力伝達部材を介在させ、両回転体に対する動力伝達部材の接触位置をアクチュエータで変更させることにより、変速比を連続的に(無段階に)変化させるようにした無段変速機が知られている。
【0003】
こうした無段変速機の1つにベルト式無段変速機がある。このタイプの無段変速機は、それぞれ有効径を可変にした入力側及び出力側の可変プーリと、両可変プーリに巻き掛けられて動力を伝達する伝動ベルトと、各可変プーリの溝幅を変化させる入力側及び出力側の油圧シリンダとを備えている。この無段変速機では、例えば、入力側油圧シリンダに対し作動油が供給又は排出されることにより変速比が制御される。また、出力側油圧シリンダ内の油圧が調圧されることにより、滑りが発生しないように伝動ベルトの張力が制御される。
【0004】
上述したベルト式無段変速機では、伝動ベルトが各可変プーリによって挟み込まれ、それらの伝動ベルトと可変プーリとの間の摩擦力によって動力伝達が行われるため、その伝動ベルトの耐久性が問題となる。
【0005】
これに対しては、伝動ベルトの寿命を予測する技術が提案されている(例えば、特許文献1参照)。これは、有限要素解析により、伝動ベルトに加わる荷重分担特性を予測し、その予測値に基づいて伝動ベルトの寿命を予測するものである。
【0006】
【特許文献1】
特開平7−332443号公報
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
前記特許文献1に記載された技術によると、有限要素解析による伝動ベルトの荷重分担特性が実際の特性に概ね一致することから、荷重分担特性を適正に予測することができる。また、この特性を、予め荷重分担に応じて求められている寿命特性と比較することで、実際に使用される伝動ベルトの寿命を予測することができる。
【0008】
ところが、前記特許文献1には、前記のように予測した寿命をどのように利用するか、具体的には、伝動ベルトの耐久期間を延ばすために、無段変速機の制御に活かすかについては言及されていない。
【0009】
本発明はこのような実情に鑑みてなされたものであって、その目的は、伝動ベルト等の動力伝達部材の耐久性向上を図ることのできる無段変速機の制御装置を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】
以下、上記目的を達成するための手段及びその作用効果について記載する。
請求項1に記載の発明では、入力側回転体及び出力側回転体の間に挟圧状態で動力伝達部材を介在させ、前記入力側及び出力側の両回転体に対する前記動力伝達部材の接触位置をアクチュエータで変更することにより、前記両回転体の回転速度の比である変速比を連続的に変化させるとともに、前記動力伝達部材に対する前記両回転体の挟圧力を連続的に変化させるようにした無段変速機と、前記無段変速機の運転状態に基づき前記動力伝達部材に加わる荷重を推定する推定手段と、前記推定手段による荷重のうち少なくとも疲れ限度よりも大きい値を累積することにより累積荷重を算出及び記憶する記憶手段と、前記記憶手段による累積荷重と、前記動力伝達部材が耐え得る累積荷重の最大値とを比較する比較手段と、前記比較手段の比較結果に応じて前記アクチュエータによる前記無段変速機の運転状態を変更する制御手段とを備えている。
【0011】
上記の構成によれば、推定手段では、動力伝達部材に加わる荷重が無段変速機の運転状態に基づいて推定される。記憶手段では、推定された荷重に基づき累積荷重が算出される。この算出に際しては、推定手段で推定された荷重のうち、少なくとも疲れ限度(無限回の繰り返しに耐える応力の上限値)よりも大きい値が累積される。この累積により得られた値は累積荷重として記憶される。比較手段では、前記のようにして記憶された累積荷重と、動力伝達部材が耐え得る累積荷重の最大値とが比較される。そして、制御手段では、アクチュエータによる無段変速機の運転状態が前記の比較結果に応じて変更される。
【0012】
従って、比較の結果、例えば実際の累積荷重が最大値を越えている場合に、無段変速機の運転状態を、動力伝達部材に加わる荷重が小さくなるように変更すれば、動力伝達部材の耐久性の向上を図ることが可能となる。
【0013】
請求項2に記載の発明では、請求項1に記載の発明において、前記入力側回転体は、入力軸に設けられた入力側可変プーリからなり、前記出力側回転体は、出力軸に設けられた出力側可変プーリからなり、前記動力伝達部材は、前記入力側及び出力側の両可変プーリに巻き掛けられて摩擦力により動力伝達を行う伝動ベルトからなり、前記アクチュエータは、前記入力側可変プーリの溝幅を変化させる入力側油圧シリンダ、及び前記出力側可変プーリの溝幅を変化させる出力側油圧シリンダからなり、前記変速比は、前記入力側及び出力側の両油圧シリンダの一方に作動油が供給又は排出されることにより制御され、前記挟圧力は、前記両油圧シリンダの他方の油圧が調圧されることにより制御されるものであるとする。
【0014】
上記の構成によれば、無段変速機では、入力側可変プーリの回転は伝動ベルトとの摩擦力によって出力側可変プーリに伝達される。この入力側可変プーリの溝幅は入力側油圧シリンダによって変更され、出力側可変プーリの溝幅は出力側油圧シリンダによって変更される。これらの溝幅の変更に伴い両可変プーリに対する伝動ベルトの接触位置が変化し、変速比及び挟圧力が連続的に変化する。特に、変速比は、入力側及び出力側の両油圧シリンダの一方に作動油が供給又は排出されることにより制御される。また、挟圧力は、前記両油圧シリンダの他方の油圧が調圧されることにより制御される。
【0015】
このような変速比及び挟圧力の制御中、伝動ベルトに加わる荷重が無段変速機の運転状態に基づいて推定され、その推定された荷重のうち疲れ限度よりも大きな値が累積荷重として累積され、記憶される。そして、この伝動ベルトの累積荷重と最大値とが比較され、その比較結果に応じて無段変速機の運転状態が変更される。従って、無段変速機が上記構成を有する場合、例えば実際の累積荷重が最大値を越えているときに、無段変速機の運転状態を、伝動ベルトに加わる荷重が小さくなるように変更すれば、請求項1に記載の発明と同様、伝動ベルトの耐久性の向上を図ることが可能となる。
【0016】
請求項3に記載の発明では、請求項2に記載の発明において、前記無段変速機は車両に搭載されており、前記推定手段は、前記車両の車速、前記変速比、前記無段変速機への入力トルク及び前記挟圧力の少なくとも1つに基づいて前記動力伝達部材に加わる荷重を推定するものであるとする。
【0017】
ここで、伝動ベルトの耐久性に影響を及ぼす要因としては、例えば車速、変速比、無段変速機への入力トルク、両可変プーリによる伝動ベルトの挟圧力等が考えられる。従って、上記構成のように、これらの要素の少なくとも1つを用いることで、伝動ベルトに加わる荷重を推定することが可能となる。
【0018】
請求項4に記載の発明では、請求項1〜3のいずれかに記載の発明において、前記推定手段による荷重の推定は第1の時間間隔で行われ、その第1の時間間隔は、アクセル操作量の変化度合及びブレーキ操作速度の少なくとも一方に応じて変更されるものであるとする。
【0019】
上記の構成によれば、推定手段による動力伝達部材に対する荷重の推定は、第1の時間間隔毎に行われる。この第1の時間間隔は、アクセル操作量の変化度合、及びブレーキ操作速度の少なくとも一方に応じて変更される。これらのパラメータは、動力伝達部材に加わる荷重の大きさとの間に一定の関係を有している。例えば、アクセル操作量の変化度合については、これが大きくなるほど、すなわちアクセル操作部材が大きく操作されるほど、動力伝達部材に加わる荷重が大きくなる。また、ブレーキ操作速度については、これが高くなるほど、すなわちブレーキ操作に応じた車両の減速度合が大きいほど(急減速されるほど)前記荷重が大きくなる。
【0020】
従って、例えば、アクセル操作量の変化度合については、これが大きいほど、第1の時間間隔を短くする。こうすると、たとえアクセル操作部材が大きく操作された後に、直ぐに元の状態に戻されたとしても、その操作に応じて動力伝達部材に加わった比較的大きな荷重を確実に推定することが可能となる。同様に、ブレーキ操作速度についても、これが高いほど、第1の時間間隔を短くする。こうすると、たとえブレーキ操作部材が速く操作された後に、直ぐに元の状態に戻されたとしても、その操作に応じて動力伝達部材に加わった比較的大きな荷重を確実に推定することが可能となる。
【0021】
なお、アクセル操作量の変化度合が比較的小さい場合、及びブレーキ操作速度が比較的低い場合には、動力伝達部材に加わる荷重が疲れ限度よりも小さいと考えられる。そのため、たとえアクセル操作部材又はブレーキ操作部材が操作された直後に元に戻されて荷重が推定されなかったとしても、そのことが累積荷重の算出に及ぼす影響は小さい。
【0022】
請求項5に記載の発明では、請求項4に記載の発明において、前記比較手段は、前記第1の時間間隔よりも大きな第2の時間間隔で前記累積荷重及び前記最大値の比較を行うものであるとする。
【0023】
ここで、動力伝達部材に加わる累積荷重が急激に増加することは、通常起りにくい。この点、請求項5に記載の発明の構成によれば、比較手段での累積荷重及び最大値の比較は、荷重が推定される第1の時間間隔よりも大きな第2の時間間隔毎に行われる。従って、制御手段による無段変速機の運転状態の変更が頻繁に行われるのを抑制しつつ、累積荷重が最大値よりも大きくなった場合には、前記運転状態を確実に変更することができる。
【0024】
請求項6に記載の発明では、請求項3〜5のいずれかに記載の発明において、前記比較手段における前記最大値は、前記車両の総走行距離に応じて変更されるものであるとする。
【0025】
一般に、車両の総走行距離が大きくなるに従い、動力伝達部材に加わる荷重の累積値(累積荷重)が増大する。このことから、比較手段における最大値と車両の総走行距離との間にも同様の関係があると考えられる。従って、この関係から求めた最大値を比較手段での比較に用いることで、制御手段による無段変速機の運転状態の変更の必要性を的確に把握することが可能となる。
【0026】
請求項7に記載の発明では、請求項1〜6のいずれかに記載の発明において、前記制御手段は、前記入力側及び出力側の両回転体のいずれかの目標回転速度を複数の変速線のうちの1つに基づき求め、実際の回転速度が前記目標回転速度に一致するように前記アクチュエータを制御するとともに、前記比較手段での比較により前記累積荷重が前記最大値よりも大きいと、前記目標回転速度を算出するための変速線を、変速比が小さくなる側の変速線に切替えるものであるとする。
【0027】
上記の構成によれば、制御手段では、比較手段での比較により累積荷重が最大値以下である場合、入力側回転体及び出力側回転体のいずれかの目標回転速度が、複数の変速線のうちの1つに基づいて求められる。実際の回転速度がこの目標回転速度に一致するようにアクチュエータが制御される。そして、比較手段での比較により累積荷重が最大値よりも大きくなると、目標回転速度を算出するための変速線が、変速比が小さくなる側の変速線に切替えられる。この変速線の切替えにより、動力伝達部材に加わる荷重が小さくなり、動力伝達部材の耐久性が向上する。
【0028】
請求項8に記載の発明では、請求項1〜6のいずれかに記載の発明において、前記制御手段は、前記入力側及び出力側の両回転体のいずれかの目標回転速度を変速線に基づき求め、実際の回転速度が前記目標回転速度に一致するように前記アクチュエータを制御するとともに、前記比較手段での比較により前記累積荷重が前記最大値よりも大きいと、前記変速線の特性を、変速比が小さくなる側へ変更するものであるとする。
【0029】
上記の構成によれば、制御手段では、比較手段での比較により累積荷重が最大値よりも大きい場合、変速比が小さくなる側へ変速線の特性が変更される。この変更により、動力伝達部材に加わる荷重が小さくなり、動力伝達部材の耐久性が向上する。
【0030】
請求項9に記載の発明では、請求項1〜8のいずれかに記載の発明において、前記制御手段は、前記無段変速機の運転状態の変更を所定時間継続すると、その運転状態を元の状態に戻すものであるとする。
【0031】
ここで、累積荷重と最大値との比較結果に応じて無段変速機の運転状態が変更されると、動力伝達部材の耐久性が向上する反面、駆動力が低下して、運転者が意図する動力性能が発揮されないおそれがある。この点、請求項9に記載の発明では、前記の運転状態の変更処理が所定時間継続して行われた場合、その処理が解除されて元の運転状態に戻される。このため、動力伝達部材の耐久性向上を図りながら、動力性能の低下を最小限に止めることが可能となる。
【0032】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の無段変速機の制御装置を具体化した一実施形態について、図1〜図9に従って説明する。
【0033】
図1は、例えばFF(フロントエンジン・フロントドライブ)車両に横置きに搭載される動力伝達装置11の概略構成を示している。動力伝達装置11は、エンジン12、モータジェネレータ13及び遊星歯車装置14を備えている。エンジン12は燃料の燃焼によって動力を発生する。モータジェネレータ13は、電動機として作動するとともに、発電機(オルタネータ)としても作動する。これらのエンジン12及びモータジェネレータ13は、車両走行用の動力源として用いられている。
【0034】
遊星歯車装置14としては、サンギヤ15、キャリヤ16及びリングギヤ17を有するダブルピニオン型が用いられている。サンギヤ15にはエンジン12が連結され、キャリヤ16にはモータジェネレータ13が連結されている。リングギヤ17は第1ブレーキ(B1)18を介して無段変速機(CVT)20のケース19に連結されている。キャリヤ16は、第1クラッチ(C1)21を介して無段変速機20の入力軸22に連結されている。リングギヤ17は、第2クラッチ(C2)23を介して入力軸22に連結されている。両クラッチ21,23及び第1ブレーキ18は、いずれも油圧アクチュエータによって摩擦係合させられる湿式多板式の油圧式摩擦係合装置であり、バルブボディ(図示略)内の油圧制御回路25(図3参照)から供給される作動油によって摩擦係合させられる。
【0035】
前記入力軸22を通じて無段変速機20に入力された動力は、出力軸26からカウンタ歯車27を経て差動装置28のリングギヤ29に伝達される。この動力は差動装置28により左右の駆動輪(前輪)31に分配される。
【0036】
無段変速機20は、入力軸22に設けられた入力側回転体としての入力側可変プーリ32と、出力軸26に設けられた出力側回転体としての出力側可変プーリ33とを備えている。図2に示すように、入力側可変プーリ32は、固定回転体38、シリンダボディ39及び可動回転体41を備えている。固定回転体38及びシリンダボディ39は共に入力軸22に固定されている。可動回転体41は、入力軸22に軸方向(図2の左右方向)の移動可能かつ軸まわりの相対回転不能に取付けられており、固定回転体38との間に断面略V字状の溝(以下、V溝という)43を形成する。可動回転体41は、シリンダボディ39に対しては摺動可能に嵌合しており、ピストンとして機能する。そして、これらのシリンダボディ39及び可動回転体41によって、V溝43の溝幅を変化させるアクチュエータとしての入力側油圧シリンダ42が構成されている。この入力側油圧シリンダ42は変速用の油圧アクチュエータとして機能する。
【0037】
同様に、出力側可変プーリ33は、固定回転体44、シリンダボディ45及び可動回転体46を備えている。固定回転体44及びシリンダボディ45は共に出力軸26に固定されている。可動回転体46は、出力軸26に軸方向の移動可能かつ軸まわりの相対回転不能に取付けられており、固定回転体44との間に断面略V字状の溝(以下、V溝という)49を形成する。可動回転体46は、シリンダボディ45に対しては摺動可能に嵌合しており、ピストンとして機能する。そして、これらのシリンダボディ45及び可動回転体46によって、V溝49の溝幅を変化させるアクチュエータとしての出力側油圧シリンダ47が構成されている。
【0038】
なお、両油圧シリンダ42,47において、シリンダボディ39,45と可動回転体41,46との間には、油圧シリンダ42,47からの作動油の漏出を防止するためのシール部材40がそれぞれ設けられている。
【0039】
前記両V溝43,49には、動力伝達部材としての伝動ベルト34が巻き掛けられている。ここでは、伝動ベルト34として、2列のフープ(スチールリング)35と多数のブロック(摩擦片)36とからなる圧縮形式のベルトが用いられている。両フープ35はそれぞれ無端環状をなし、軸方向に互いに離間配置されている。多数のブロック36は、各フープ35の内周面に接し、かつ互いに厚み方向に密接した状態で連ねられている。そして、無段変速機20では、伝動ベルト34と両V溝43,49の壁面との間の摩擦力と、ブロック36の圧縮作用(ブロック36の押し出し)によって動力伝達が行われる。
【0040】
前記入力側可変プーリ32では、入力側油圧シリンダ42に供給或いはそれから排出される作動油の流量が、油圧制御回路25内の変速制御回路59(図4参照)によって調整される。この調整により、可動回転体41が軸方向へ移動し、V溝43の溝幅が変化する。この変化に伴い伝動ベルト34の掛かり径(巻き掛け半径)、すなわち有効径が変更され、変速比γが連続的に(無段階に)変化させられる。変速比γは、入力軸22の回転速度(入力側回転速度Nin)と出力軸26の回転速度(出力側回転速度Nout )との比(=Nin/Nout )である。このように、入力側可変プーリ32は溝幅(有効径)を可変に構成されている。
【0041】
また、出力側可変プーリ33では、可動回転体46及び固定回転体44間で伝動ベルト34を挟み込む力(ベルト挟圧力)が、出力側油圧シリンダ47内の油圧Pout に応じて変化する。このベルト挟圧力は、伝動ベルト34の張力に対応している。油圧Pout は、油圧制御回路25内の挟圧制御弁81(図3参照)によって、伝動ベルト34が滑りを生じないように調圧される。
【0042】
前記油圧制御回路25は、無段変速機20の変速比γやベルト張力を制御するための回路を備えており、共通の電動式油圧発生装置48からの作動油がこの回路に供給される。図3は油圧制御回路25のうち、元圧PCの基になるライン油圧PL を発生する部分を示している。
【0043】
電動式油圧発生装置48は、歯車ポンプ等の回転式ポンプからなるオイルポンプ51と、このオイルポンプ51を回転駆動する電動モータ52とを含んでいる。そして、オイルポンプ51によりストレーナ53を介して吸い上げられた作動油は、圧力制御弁として機能するプライマリレギュレータバルブ54によって所定の(伝達トルク等の基本特性に応じた)ライン油圧PL に調圧される。プライマリレギュレータバルブ54には、リニアソレノイド弁55の信号圧Psls が供給され、その信号圧Psls に応じてライン油圧PL が制御されるとともに、余剰の作動油が油路56へドレンされる。
【0044】
ライン油圧PL は、元圧PCの基になるほか、無段変速機20の変速制御やベルト挟圧力の制御にも用いられるものであり、目標ライン油圧PLoutとなるように調圧される。目標ライン油圧PLoutは、例えば、無段変速機20への入力トルクTin、変速比γ等をパラメータとして求められる。油路56の作動油は、油圧制御回路25の各部の潤滑部位や、オイルクーラ57へ供給される。この際、適量の作動油が潤滑部位、オイルクーラ57等へ供給されるように、作動油の油圧は調圧弁58によって所定値に調圧される。
【0045】
図4は、無段変速機20の変速比γを制御する変速制御回路59の一例を示している。変速制御回路59には、変速比γを小さくするアップシフト用の弁として電磁開閉弁61及び流量制御弁62が設けられている。また、変速制御回路59には、変速比γを大きくするダウンシフト用の弁として電磁開閉弁63及び流量制御弁64が設けられている。
【0046】
アップシフト用の流量制御弁62には、電磁開閉弁61から供給され、かつモジュレータ圧PM を減圧した所定の制御圧Pvuが導かれる。この制御圧Pvuによって調圧されたライン油圧PL が供給油路69を通じて入力側油圧シリンダ42に供給される。この供給により、入力側可変プーリ32のV溝43の溝幅が狭くなって変速比γがアップシフト側へ連続的に変化する(小さくなる)。
【0047】
ダウンシフト用の流量制御弁64には、電磁開閉弁63から供給され、かつモジュレータ圧PM を減圧した所定の制御圧Pvdが導かれる。この制御圧Pvdに応じてドレンポート75が開かれることにより、入力側油圧シリンダ42内の作動油が排出油路74から所定の流量でドレンされる。このドレンにより入力側可変プーリ32のV溝43の溝幅が広くなり、変速比γがダウンシフト側へ連続的に変化する(大きくなる)。
【0048】
なお、ダウンシフト用の流量制御弁64には、その閉弁時にライン油路68と入力側油圧シリンダ42との間に僅かな流通断面積の流通路76が形成されるようになっている。そして、上記アップシフト用及びダウンシフト用の流量制御弁62,64が共に閉状態であるときには、変速比γを変化させないために、ライン油路68から絞り77、一方向弁78、上記流通路76を通して作動油が僅かに供給される。これは、入力側及び出力側の両油圧シリンダ42,47の回転軸心に対して偏った荷重が加えられること等により、シール部材40が摺動部分に設けられているにも拘らず作動油の僅かな漏れが存在するからである。
【0049】
一方、出力側油圧シリンダ47の油圧Pout は、伝動ベルト34が滑りを生じないように、前述した図3に示す挟圧制御弁81によって調圧される。挟圧制御弁81には、前記ライン油圧PL 、信号圧Psls 及びモジュレータ圧PM が供給される。油圧Pout は、リニアソレノイド弁55から出力される信号圧Psls に応じて連続的に制御される。油圧Pout は信号圧Psls が高くなるに従って上昇させられる。伝動ベルト34が滑りを生じない範囲で可及的にその伝動ベルト34に対するベルト挟圧力(ベルト張力)が小さくなるようにする。そして、油圧Pout が高くなるに従ってベルト挟圧力、すなわち可変プーリ32,33と伝動ベルト34との間の摩擦力が増大させられ、伝達トルク容量が大きくなる。
【0050】
車両には、無段変速機20の作動状態等を検出するために、図5に示すアクセル操作量センサ86、入力側回転速度センサ87、出力側回転速度センサ88、油圧センサ89、液圧センサ90等の各種センサが設けられている。アクセル操作量センサ86は、車両の運転席近傍に設けられたアクセル操作部材としてのアクセルペダルの操作量(アクセル開度θacc )を検出する。入力側回転速度センサ87は、無段変速機20における入力軸22の回転速度(入力側回転速度Nin)を検出し、出力側回転速度センサ88は出力軸26の回転速度(出力側回転速度Nout )を検出する。油圧センサ89は、出力側油圧シリンダ47内の油圧Pout (ベルト挟圧力制御圧)を検出する。液圧センサ90は、マスタシリンダ(図示略)内の液圧を検出する。マスタシリンダは周知のように車両の制動機構の一部をなし、かつ制動のために運転者によってブレーキペダルに加えられた力(踏力)を液圧に変換するものである。液圧はブレーキ操作部材としてのブレーキペダルの踏込み量に対応している。
【0051】
前記各種センサ86〜90の検出信号等に基づいて無段変速機20の各部を制御するために、マイクロコンピュータを中心として構成された電子制御装置(Electronic Control Unit :ECU)91が設けられている。ECU91は中央処理装置(CPU)92、読み出し専用メモリ(ROM)93、ランダムアクセスメモリ(RAM)94、バックアップRAM95、外部入力回路96及び外部出力回路97を備えている。これらの各回路はバス98によって互いに接続されている。
【0052】
ROM93は、所定の制御プログラムや初期データを予め記憶している。CPU92は、外部入力回路96を介して各種センサ86〜90の検出信号等を入力し、これらの信号に基づき、ROM93に記憶されている制御プログラム及び初期データに従って各種の演算処理を行う。そして、CPU92は、これらの演算結果に基づき、外部出力回路97を介してリニアソレノイド弁55、電磁開閉弁61,63等に対し制御信号を出力して、各種制御を実行する。RAM94は、CPU92による演算結果を一時的に記憶する。バックアップRAM95は、ECU91に対する電源供給が停止された後にも、RAM94内の各種データを保持するために、バッテリ(図示略)によってバックアップされている。
【0053】
上記ECU91による制御には、前述した変速制御、ベルト挟圧力制御等が含まれる。変速制御では、車両の走行中において、アクセル開度θacc 及び車速V(出力側回転速度Nout に対応)に基づいて入力側の目標回転速度Nint を算出する。ここで、アクセル開度θacc (%)は、実際の運転者の要求出力量を表すもの(アクセル操作量)として用いられる。この目標回転速度Nint の算出に際しては、例えば図6に示すように、アクセル開度θacc 及び車速V(出力側回転速度Nout に対応)をパラメータとして予め定められたマップが用いられる。このマップは、エンジン12を、その出力及び燃費が最適となる最適曲線に沿って作動させるために求められたものである。また、このマップでは、車速Vが低くアクセル開度θacc が大きいほど大きな変速比γになる目標回転速度Nint が設定されている。
【0054】
図6中、アクセル開度θacc の各値に対応する複数の曲線はそれぞれ変速線と呼ばれるものである。また、図6中のγmax は最大変速比であり、入力側可変プーリ32に対する伝動ベルト34の巻き掛け半径が最小で、かつ出力側可変プーリ33に対する伝動ベルト34の巻き掛け半径が最大のときに設定される。また、γmin は最小変速比であり、入力側可変プーリ32に対する伝動ベルト34の巻き掛け半径が最大で、かつ出力側可変プーリ33に対する伝動ベルト34の巻き掛け半径が最小のときに設定される。従って、変速比γは、これらの最大変速比γmax から最小変速比γmin との間で無段階に変更可能である。換言すると、変速比γの変化可能範囲は、図6において最大変速比γmax 及び最小変速比γmin によって挟まれた範囲である。
【0055】
そして、図6のマップにおいて、複数の変速線L1〜L6の中からそのときのアクセル開度θacc に対応する変速線を選び、その変速線と車速Vとに基づいて目標回転速度Nint を求める。
【0056】
前記のようにして目標回転速度Nint を算出すると、実際の入力側回転速度Ninを目標回転速度Nint に一致させるための駆動デューティ比Dout (%)を決定する。この駆動デューティ比Dout に基づき、アップシフト用及びダウンシフト用の電磁開閉弁61,63への通電をデューティ制御する。この制御により、連続的に変化する制御圧Pvu,Pvdが各流量制御弁62,64に供給される。この供給に応じ、各流量制御弁62,64の開度が変化し、供給油路69又は排出油路74の流路面積が変化する。
【0057】
なお、電磁開閉弁61,63の一方に対する通電が前記駆動デューティ比Dout に基づいて制御される場合には、他方への通電が停止(Dout =0)される。従って、流量制御弁62,64の一方が開弁されるとき、他方は閉弁状体に保持される。
【0058】
そして、前記流路面積の変化に応じて、変速比γが目標回転速度Nint に対応する所定の目標変速比に一致するように、入力側油圧シリンダ42内へ供給される作動油、或いはその入力側油圧シリンダ42内から排出される作動油の流量が調整される。この調整に応じ、入力側可変プーリ32では可動回転体41が軸方向に移動し、V溝43の溝幅が変化して伝動ベルト34の掛かり径(有効径)が変更され、変速比γがアップ側及びダウン側へ連続的に変化する。このようにして、変速制御では、目標回転速度Nint 及び実際の入力側回転速度Ninの偏差に基づき変速比γがフィードバック制御される。この制御により、入力側回転速度Ninが目標回転速度Nint に一致される。
【0059】
一方、ベルト挟圧力制御では、無段変速機20の実際の入力トルクTin或いは伝達トルクに対応するアクセル開度θacc 及び実際の変速比γに基づいてベルト挟圧力制御圧(目標値)を算出する。この算出には、例えば伝達トルクに対応するアクセル開度θacc 及び変速比γをパラメータとして、ベルト滑りが生じないように予め定められた必要油圧(ベルト挟圧力に相当)のマップが用いられる。そして、前記ベルト挟圧力制御圧(目標値)が得られるように、油圧制御回路25内のリニアソレノイド弁55に対する通電が制御される。この制御に応じ、ベルト挟圧力、すなわち出力側可変プーリ内の油圧Pout が調圧される。なお、アクセル開度θacc に代えてエンジン12のスロットル弁開度やトルク等を用いることもできる。
【0060】
ECU91は、前述した制御のほかにも、伝動ベルト34に加わった荷重の累積値である累積ベルト荷重を算出及び記憶する制御、及びその記憶した累積ベルト荷重を利用して、変速制御における変速情報を設定する制御も行う。次に、これらの制御の詳細を図7及び図8のフローチャートに従って説明する。
【0061】
図7のフローチャートは累積ベルト荷重算出ルーチンを示しており、所定のタイミング、例えば一定時間毎に繰り返し実行される。
ECU91は、まずステップ105において、累積ベルト荷重を算出するタイミングであるかどうかを判定する。この判定には、第1の時間間隔T1を用いる。第1の時間間隔T1は一定の値でもよいが、アクセル開度θacc の変化度合、ブレーキ操作速度等のパラメータに応じて可変としてもよい。これらのパラメータは、伝動ベルト34に加わる荷重の大きさとの間に一定の関係を有する。例えば、アクセル開度θacc の変化度合については、これが大きくなるほど、すなわちアクセルペダルが大きく踏み込まれるほど、伝動ベルト34に加わる荷重が大きくなる。また、ブレーキ操作速度については、これが高くなるほど、すなわちブレーキ操作に応じた車両の減速度合が大きくなるほど(急減速されるほど)前記荷重が大きくなる。前記第1の時間間隔T1は、一定であっても可変であっても、数秒程度の値に設定されることが望ましい。
【0062】
前記ステップ105の判定条件が満たされていると、ステップ110においてバックアップRAM95にそれぞれ記憶されているブロック累積荷重N1及びフープ累積荷重N2を読出す。
【0063】
続いて、ステップ115において、ブロック36に加わっている荷重(ブロック荷重σ1)を推定し、ステップ120において、フープ35に加わっている荷重(フープ荷重σ2)を推定する。これらの推定は、いずれもブロック36及びフープ35に加わる荷重に影響を及ぼすと考えられる要因に基づき、例えば、予め設定された演算式に従って行うことができる。こういった要因としては、主として車速V、変速比γ、入力トルクTin、ベルト挟圧力等が挙げられる。ここで、車速Vは無段変速機20の出力軸26の回転速度(出力側回転速度Nout )に対応していることから、出力側回転速度センサ88の検出値に基づき車速Vを求めることができる。また、ベルト挟圧力は出力側油圧シリンダ47の油圧Pout に対応していることから、油圧センサ89の検出値に基づきベルト挟圧力を求めることができる。
【0064】
そして、これらの要因のうちの少なくとも1つ、望ましくは組み合わせに基づいてブロック荷重σ1及びフープ荷重σ2をそれぞれ推定する。なお、ここでの推定の手段は特に限定されず、例えば、前述した特許文献1に開示されているベルトの荷重分担予測方法が用いられてもよい。この方法では、一対の可変プーリ間に伝動ベルトを巻き掛けて伝動する伝動解析モデルが用意される。この伝動解析モデルに対し、その幾何データ、材料データ及び外力データが入力される。そして、入力されたデータに基づき、有限要素解析によって、ブロック又はフープに加わる荷重分担特性が予測される。
【0065】
続いて、ステップ125において、前記ステップ115でのブロック荷重σ1が、所定値αよりも大きいかどうかを判定する。所定値αとしては、例えば、S−N線図における疲れ限度(疲労限度、耐久限度ともいわれる)を設定することができる。S−N線図は、応力(S)とその繰り返しに耐えた回数(N)との関係を示す線図である。応力は、物体が荷重を受けたとき、その荷重に応じて物体の内部に生ずる抵抗力である。疲れ限度は、このS−N線図において横軸(回数N)に水平となる部分の応力であり、無限に繰り返しても耐え得ると考えられる応力の最大値である。従って、疲れ限度を所定値αとして設定すると、この所定値αは伝動ベルト34を無限に繰り返し使用しても、ブロック36が耐え得ると考えられる荷重の最大値となる。そして、このステップ125の判定条件が満たされている(σ1>α)と、前記ステップ110で読み込んだ前回までのブロック累積荷重N1に、今回推定した前記ステップ115でのブロック荷重σ1を加算する。この加算結果を、新たなブロック累積荷重N1として設定した後、ステップ135へ移行する。これに対し、ステップ125の判定条件が満たされていない(σ1≦α)と、前記ステップ130の処理を行うことなくステップ135へ移行する。
【0066】
ステップ135では、前記ステップ120でのフープ荷重σ2が、所定値βよりも大きいかどうかを判定する。この所定値βとしては、前述した所定値αと同様にして、S−N線図における疲れ限度を設定することができる。そして、このステップ135の判定条件が満たされている(σ2>β)と、前記ステップ110で読み込んだ前回までのフープ累積荷重N2に、今回推定した前記ステップ120でのフープ荷重σ2を加算する。この加算結果を、新たなフープ累積荷重N2として設定した後、ステップ145へ移行する。これに対し、ステップ135の判定条件が満たされていない(σ2≦β)と、前記ステップ140の処理を行うことなくステップ145へ移行する。
【0067】
ステップ145では、前記ステップ125等でのブロック累積荷重N1と、前記ステップ140等でのフープ累積荷重N2とをそれぞれバックアップRAMに記憶し、その後この累積ベルト荷重算出ルーチンを一旦終了する。一方、前記ステップ105の判定条件が満たされていない場合、すなわち、荷重算出タイミングが到来していない場合には、同様に累積ベルト荷重算出ルーチンを一旦終了する。
【0068】
一方、図8のフローチャートは、前記のようにして記憶したブロック累積荷重N1に応じて変速情報を設定する変速情報設定ルーチンを示しており、所定のタイミング、例えば一定時間毎に繰り返し実行される。ここでの変速情報は、前述した図6のマップにおける変速線、より詳しくは、アクセル開度θacc とそれに対応する変速線との関係である。
【0069】
ECU91はまずステップ205において、変速情報を設定するタイミングであるかどうか、すなわち変速線とアクセル開度θacc との関係を設定する設定周期が到来したかどうかを判定する。この判定には、第2の時間間隔T2を用いる。第2の時間間隔T2は、前述した累積ベルト荷重の計算周期である第1の時間間隔T1よりも大きな値、例えば数ヶ月〜1年程度の値に設定されることが望ましい。これは、伝動ベルト34に対する累積荷重が急激に増加することがないことから、前記の周期で設定しても問題がないと考えられるからである。
【0070】
ステップ205の判定条件が満たされていると、ステップ210において、バックアップRAM95に記憶されているブロック累積荷重N1を読出す。ステップ215において、車両の総走行距離をパラメータとし、その総走行距離のときに伝動ベルト34が耐え得るブロック累積荷重の最大値N1max を算出する。この算出に際しては、例えば、図9に示すように、総走行距離と、その総走行距離の増大に伴い増加する最大値N1max との関係を予め実験等によって求めて規定したマップを用いることができる。
【0071】
次に、ステップ220において、前記ステップ210でのブロック累積荷重N1が前記ステップ210での最大値N1max よりも大きいかどうかを判定する。この判定条件が満たされていない(N1max ≧N1)と、ステップ225において、通常の変速線を設定する。例えば、図6において、アクセル開度θacc が0%、20%、40%、60%、80%、100%のときの変速線が、それぞれL1,L2,L3,L4,L5,L6となるように、変速線とアクセル開度θacc との関係を設定する。
【0072】
これに対し、ステップ220の判定条件が満たされている(N1max <N1)と、ステップ230において、アクセル開度θacc のうち大きな値(例えば100%)については、そのアクセル開度θacc に対応する変速線を、通常時よりも変速比γが小さくなる側の変速線に切替える。例えば、通常時には、θacc =100%のとき変速線L6が選択されるが、この変速線L6を、変速比γが小さくなる側に設定されている変速線L5に切替える。
【0073】
そして、ステップ225又は230の処理を経た後、この変速情報設定ルーチンの一連の処理を一旦終了する。また、前記ステップ205の判定条件が満たされていない場合、すなわち設定タイミングでない場合には、前記ステップ210〜230の処理を行うことなく変速情報設定ルーチンを一旦終了する。このようにして設定された変速情報(変速線とアクセル開度θacc との関係)は、前述した変速制御において、アクセル開度θacc 及び車速Vに基づいて目標回転速度Nint を算出する際に用いられる。
【0074】
上記のように構成された本実施形態では、累積ベルト荷重算出ルーチンにおけるステップ115,120の処理が、伝動ベルト34(フープ35、ブロック36)に加わる荷重を推定する推定手段に相当する。また、ステップ125〜145の処理が、累積荷重N1,N2を算出及び記憶する記憶手段に相当する。また、変速情報設定ルーチンにおけるステップ215,220の処理が、累積荷重N1と最大値N1max とを比較する比較手段に相当する。ステップ230の処理が無段変速機20の運転状態を変更する制御手段に相当する。
【0075】
このように本実施形態によると、伝動ベルト34のブロック36に加わる荷重(ブロック荷重σ1)、及びフープ35に加わる荷重(フープ荷重σ2)が、無段変速機20の運転状態に基づいてそれぞれ推定される(ステップ115,120)。この推定は、第1の時間間隔T1毎に車速V、変速比γ、入力トルクTin、ベルト挟圧力の少なくとも1つに基づいて行われる。
【0076】
第1の時間間隔T1は、アクセル開度θacc の変化度合及びブレーキ操作速度の少なくとも一方に応じて変更される。これらのパラメータは、伝動ベルト34に加わる荷重の大きさとの間に一定の関係を有している。例えば、アクセル開度θacc の変化度合については、これが大きくなるほど、すなわちアクセルペダルが大きく踏み込まれるほど、伝動ベルト34に加わる荷重が大きくなる。また、ブレーキ操作速度については、これが高くなるほど、すなわちブレーキ操作に応じた車両の減速度合が大きいほど(急減速されるほど)前記荷重が大きくなる。
【0077】
従って、例えば、アクセル開度θacc の変化度合については、これが大きいほど第1の時間間隔T1を短くすると、たとえアクセルペダルが大きく操作された後に直ぐに元の状態に戻されたとしても、その操作に応じて伝動ベルト34に加わった比較的大きな荷重を確実に推定することができる。同様に、ブレーキ操作速度についても、これが高いほど第1の時間間隔T1を短くすると、たとえブレーキペダルが速く操作された後に直ぐに元の状態に戻されたとしても、その操作に応じて伝動ベルト34に加わった比較的大きな荷重を確実に推定することができる。
【0078】
なお、アクセル開度θacc の変化度合が比較的小さい場合、及びブレーキ操作速度が比較的低い場合の多くは、伝動ベルト34に加わる荷重が所定値α,βよりも小さいと考えられる。そのため、たとえアクセルペダル又はブレーキペダルが操作された直後に元に戻されて荷重が推定されなかったとしても、そのことが累積荷重の算出に及ぼす影響は小さいと考えられる。
【0079】
そして、前記のようにして推定されたブロック荷重σ1及びフープ荷重σ2に基づき、ブロック累積荷重N1及びフープ累積荷重N2がそれぞれ算出される。この算出に際しては、ブロック荷重σ1及びフープ荷重σ2のうち、疲れ限度に対応した所定値α,βよりも大きい値が累積される(ステップ125〜140)。この累積により得られた値は累積荷重N1,N2として記憶される(ステップ145)。
【0080】
このようにして記憶されたブロック累積荷重N1と、ブロック36が耐え得る累積荷重の最大値N1max とが比較される(ステップ220)。この比較は、前記第1の時間間隔T1よりも大きな第2の時間間隔T2毎に行われる。また、最大値N1max は、車両の総走行距離に応じて変更される。そして、比較の結果、ブロック累積荷重N1が最大値N1max よりも大きい場合、目標回転速度Nint を算出するための変速線は、変速比γが小さくなる側の変速線に切替えられる(ステップ230)。
【0081】
以上詳述した本実施形態によれば、次の効果が得られる。
(1)ブロック荷重σ1及びフープ荷重σ2を無段変速機20の運転状態に基づいてそれぞれ推定し、これらの荷重σ1,σ2のうち所定値α、βよりも大きい値を累積してブロック累積荷重N1及びフープ累積荷重N2を算出及び記憶している。そして、ブロック累積荷重N1と最大値N1max とを比較し、その比較の結果、ブロック累積荷重N1が最大値N1max よりも大きい場合に、目標回転速度Nint を算出するための変速線を、変速比γが小さくなる側の変速線に切替えるようにしている。この変速線の切替えにより、ブロック36に加わる荷重を小さくして、伝動ベルト34の耐久性向上を図ることができる。
【0082】
(2)車速V、変速比γ、無段変速機20への入力トルクTin、両可変プーリ32,33によるベルト挟圧力を、伝動ベルト34の耐久性に影響を及ぼすと考えられる要因として捉え、これらの少なくとも1つをブロック荷重σ1及びフープ荷重σ2の推定に用いている。そのため、これらのブロック荷重σ1及びフープ荷重σ2を確実に推定することが可能となる。
【0083】
(3)両荷重σ1,σ2の推定を行う周期(第1の時間間隔T1)をアクセル開度θacc の変化度合及びブレーキ操作速度の少なくとも一方に応じて変更している。このため、例えばアクセル開度θacc の変化度合が大きいほど、第1の時間間隔T1を短くすることで、比較的大きな荷重を確実に推定することが可能となる。同様に、ブレーキ操作速度が高いほど、第1の時間間隔T1を短くすることで、比較的大きな荷重を確実に推定することが可能となる。
【0084】
(4)また、第1の時間間隔T1を可変とすることにより、一定の値とする場合よりも推定の回数、ひいては累積荷重N1,N2の算出回数を少なくして、記憶されるデータの容量を少なくすることが可能となる。
【0085】
(5)伝動ベルト34に対する累積荷重が急激に増加することは、通常起りにくい。この点、本実施形態では、累積荷重N1及び最大値N1max の比較を、荷重σ1,σ2が推定される第1の時間間隔T1よりも大きな第2の時間間隔T2毎に行うようにしている。このため、変速線の切替えが不要に行われるのを抑制しつつ、累積荷重N1が最大値N1max よりも大きくなった場合には、変速線を確実に切替えることができる。
【0086】
(6)一般に、車両の総走行距離が大きくなるに従い、伝動ベルト34に加わる荷重の累積値(累積荷重)が増大する。このことから、最大値N1max と車両の総走行距離との間にも同様の関係があると考えられる。従って、この関係から求めた最大値N1max を累積荷重N1との比較に用いることで、変速線の切替えの必要性を的確に把握することが可能となる。
【0087】
(7)最大値N1max は、車両の総走行距離との関係に基づいて定められたものである。従って、例えば、伝動ベルトに大きな負荷がかかる頻度が高くなって累積荷重N1が最大値N1max よりも大きくなっても、その後に前記の頻度が低くなると累積荷重N1が最大値N1max 以下になることがあり得る。この場合、本実施形態ではステップ220→225の順に処理が行われ、通常の変速線が設定されるため、元の状態に戻すことができる。
【0088】
なお、本実施形態では、変速情報設定ルーチンにおいて、ブロック累積荷重N1と最大値N1max との比較、変速線の切替え等を行う場合について説明したが、フープ累積荷重N2について同様の処理を行うようにしてもよい。
【0089】
本発明は次に示す別の実施形態に具体化することができる。
・累積荷重N1が最大値N1max よりも大きくなった場合の制御として、そのとき選択されている変速線自体の特性を、変速比が最大変速比γmax よりも小さくなる側へ変更してもよい。
【0090】
例えば、図10において二点鎖線で示すように、通常時(N1≦N1max )には変速線L6が最大変速比γmax によって制限され、車速V2以下の速度領域では変速線L6が最大変速比γmax に一致している場合を考える。この領域では、最大変速比γmax で加速が行われるため、伝動ベルト34に大きな荷重が加わる。そこで、ブロック累積荷重N1が最大値N1max よりも大きい場合には、実線で示すように、変速線L6において最大変速比γmax から制約を受ける速度領域が狭まるように、その変速線L6の特性を変更する。この変更により、最大変速比γmax から制約を受ける速度領域の上限値が車速V2から車速V1(<V2)となる。このようにしても、変速線を切替えるようにした前記実施形態と同様に、伝動ベルト34に加わる荷重を小さくして、伝動ベルト34の耐久性向上を図ることができる。なお、図10では、変速線L1〜L5についての図示が省略されている。
【0091】
・所定のパラメータ、例えばアクセル開度θacc 及び車速Vに基づいて要求駆動力を求め、実際の駆動力がこの要求駆動力に一致するように、エンジンの燃料噴射量等や無段変速機のギヤ比等を制御するものにあっては、累積荷重N1が最大値N1max よりも大きい場合に、要求駆動力自体を制限してもよい。この制限により、要求駆動力を小さくすると、変速線を切替えるようにした前記実施形態と同様に、伝動ベルト34に加わる荷重を小さくして、伝動ベルト34の耐久性向上を図ることができる。
【0092】
・累積荷重N1が最大値N1max よりも大きい場合の処理、例えば変速線の切替え、変速線の特性変更、要求駆動力の制限等が行われると、伝動ベルトの耐久性が向上する反面、駆動力が低下して、運転者の意図する動力性能が発揮されないおそれがある。そこで、前記の処理が所定時間継続して行われた場合、その処理を解除するようにしてもよい。このようにすると、伝動ベルトの耐久性向上を図りながら、動力性能の低下を最小限に止めることが可能となる。
【0093】
・車両の総走行距離とブロック累積荷重N1との関係、及び同総走行距離とフープ累積荷重N2との関係を予め実験等によって求めておいてもよい。そして、バックアップRAM95に記憶したブロック累積荷重N1及びフープ累積荷重N2が万が一消失した場合には、前記関係に基づき、そのときの総走行距離に応じたブロック累積荷重N1及びフープ累積荷重N2を求め、これらをバックアップRAM95に新たに記憶する。さらに、データ消失前の履歴に代えて、この記憶した各累積荷重N1,N2を基に、ブロック荷重σ1及びフープ荷重σ2を積算を再開する。このようにすれば、データ消滅後に、最初からブロック荷重σ1及びフープ荷重σ2を積算する場合に比べ、精度の高いブロック累積荷重N1及びフープ累積荷重N2を算出することができる。
【0094】
・累積ベルト荷重算出ルーチンのステップ115,120で推定したブロック荷重σ1及びフープ荷重σ2を、車両の走行状況に応じて適宜補正してもよい。例えば、車両が悪路(凹凸路等)や低μ路(路面の摩擦係数が低く滑りやすい道路)を走行しているときには、路面から無段変速機20に入力が入るため、各荷重σ1,σ2を通常の道路を走行している場合よりも大きな値となるように補正してもよい。補正の方法としては、例えば、悪路を走行しているかどうかを判定し、悪路走行判定時に推定したブロック荷重σ1及びフープ荷重σ2に対しては、係数(>1.0)を乗算する。
【0095】
・前記実施形態において、変速線の変更に伴う駆動力の低下を、モータジェネレータによって補うようにすれば、駆動力の低下を抑えつつ伝動ベルトの耐久期間を長くすることができる。
【0096】
・所定値α,βとしては、S−N線図における疲れ限度自体に限らず、その疲れ限度よりも若干大きな値を設定してもよい。
・前記実施形態では、入力側油圧シリンダ42を変速用の油圧アクチュエータとしたが、これに代えて、出力側油圧シリンダ47を変速用の油圧アクチュエータとしてもよい。
【0097】
・本発明は、前記実施形態のように、流量制御弁62,64の一方が開弁されるとき、他方が閉弁状態に保持されるよう両電磁開閉弁61,63を駆動制御するものに限らず、流量制御弁62,64が両方とも開弁状態となるように両電磁開閉弁61,63を駆動制御するものにも適用可能である。
【0098】
・本発明は、ベルト式の無段変速機20に限らず、入力側回転体及び出力側回転体の間に挟圧状態で動力伝達部材を介在させ、両回転体に対する動力伝達部材の接触位置を変更するようにした他の無段変速機にも適用可能である。
【0099】
・本発明は、車両走行用の動力源を1つ有する動力伝達装置にも適用可能である。例えば、動力源としてエンジンを用い、そのエンジンの駆動力をトルクコンバータを介して無段変速機へ伝達するタイプの動力伝達装置であってもよい。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を具体化した一実施形態における動力伝達装置の概略図。
【図2】無段変速機の一部を破断して示す正面図。
【図3】油圧制御回路のうち油圧を発生する部分及び挟圧力制御を行う部分を示す回路図。
【図4】油圧制御回路のうち変速制御を行う部分を示す回路図。
【図5】無段変速機の制御装置の電気的構成を示すブロック図。
【図6】目標回転速度の決定に用いられるマップのマップ構造を示す略図。
【図7】累積ベルト荷重を算出する手順を示すフローチャート。
【図8】変速情報を設定する手順を示すフローチャート。
【図9】ブロック累積荷重の最大値の決定に用いられるマップのマップ構造を示す略図。
【図10】目標回転速度の決定に用いられるマップのマップ構造について、別の実施形態を示す略図。
【符号の説明】20…無段変速機、22…入力軸、26…出力軸、32…入力側可変プーリ(入力側回転体)、33…出力側可変プーリ(出力側回転体)、34…伝動ベルト(動力伝達部材)、42…入力側油圧シリンダ(アクチュエータ)、47…出力側油圧シリンダ(アクチュエータ)、91…ECU(推定手段、記憶手段、比較手段、制御手段)、L1〜L6…変速線、Nint …目標回転速度、Nin…入力側回転速度(実際の回転速度)、N1…ブロック累積荷重、N1max …ブロック累積荷重の最大値、N2…フープ累積荷重、Pin,Pout …油圧、Tin…入力トルク、T1…第1の時間間隔、T2…第2の時間間隔、V…車速、α,β…所定値(疲れ限度に対応)、γ…変速比、σ1…ブロック荷重、σ2…フープ荷重。

Claims (9)

  1. 入力側回転体及び出力側回転体の間に挟圧状態で動力伝達部材を介在させ、前記入力側及び出力側の両回転体に対する前記動力伝達部材の接触位置をアクチュエータで変更することにより、前記両回転体の回転速度の比である変速比を連続的に変化させるとともに、前記動力伝達部材に対する前記両回転体の挟圧力を連続的に変化させるようにした無段変速機と、
    前記無段変速機の運転状態に基づき前記動力伝達部材に加わる荷重を推定する推定手段と、
    前記推定手段による荷重のうち少なくとも疲れ限度よりも大きい値を累積することにより累積荷重を算出及び記憶する記憶手段と、
    前記記憶手段による累積荷重と、前記動力伝達部材が耐え得る累積荷重の最大値とを比較する比較手段と、
    前記比較手段の比較結果に応じて前記アクチュエータによる前記無段変速機の運転状態を変更する制御手段と
    を備えることを特徴とする無段変速機の制御装置。
  2. 前記入力側回転体は、入力軸に設けられた入力側可変プーリからなり、
    前記出力側回転体は、出力軸に設けられた出力側可変プーリからなり、
    前記動力伝達部材は、前記入力側及び出力側の両可変プーリに巻き掛けられて摩擦力により動力伝達を行う伝動ベルトからなり、
    前記アクチュエータは、前記入力側可変プーリの溝幅を変化させる入力側油圧シリンダ、及び前記出力側可変プーリの溝幅を変化させる出力側油圧シリンダからなり、
    前記変速比は、前記入力側及び出力側の両油圧シリンダの一方に作動油が供給又は排出されることにより制御され、前記挟圧力は、前記両油圧シリンダの他方の油圧が調圧されることにより制御されるものである請求項1に記載の無段変速機の制御装置。
  3. 前記無段変速機は車両に搭載されており、前記推定手段は、前記車両の車速、前記変速比、前記無段変速機への入力トルク及び前記挟圧力の少なくとも1つに基づいて前記動力伝達部材に加わる荷重を推定するものである請求項2に記載の無段変速機の制御装置。
  4. 前記推定手段による荷重の推定は第1の時間間隔で行われ、その第1の時間間隔は、アクセル操作量の変化度合及びブレーキ操作速度の少なくとも一方に応じて変更される請求項1〜3のいずれかに記載の無段変速機の制御装置。
  5. 前記比較手段は、前記第1の時間間隔よりも大きな第2の時間間隔で前記累積荷重及び前記最大値の比較を行うものである請求項4に記載の無段変速機の制御装置。
  6. 前記比較手段における前記最大値は、前記車両の総走行距離に応じて変更されるものである請求項3〜5のいずれかに記載の無段変速機の制御装置。
  7. 前記制御手段は、前記入力側及び出力側の両回転体のいずれかの目標回転速度を複数の変速線のうちの1つに基づき求め、実際の回転速度が前記目標回転速度に一致するように前記アクチュエータを制御するとともに、前記比較手段での比較により前記累積荷重が前記最大値よりも大きいと、前記目標回転速度を算出するための変速線を、変速比が小さくなる側の変速線に切替えるものである請求項1〜6のいずれかに記載の無段変速機の制御装置。
  8. 前記制御手段は、前記入力側及び出力側の両回転体のいずれかの目標回転速度を変速線に基づき求め、実際の回転速度が前記目標回転速度に一致するように前記アクチュエータを制御するとともに、前記比較手段での比較により前記累積荷重が前記最大値よりも大きいと、前記変速線の特性を、変速比が小さくなる側へ変更するものである請求項1〜6のいずれかに記載の無段変速機の制御装置。
  9. 前記制御手段は、前記無段変速機の運転状態の変更を所定時間継続すると、その運転状態を元の状態に戻すものである請求項1〜8のいずれかに記載の無段変速機の制御装置。
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