JP2004124450A - 吐水装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】吐水口から吐水される流体を光で十分に発光させることにより、周囲の照明状態等に係わらず流体の温度を使用者が明確に視認し得る吐水装置を提供する。
【解決手段】先端部に吐水口が設けられた吐水管と、該吐水管の吐水口から流体を吐水させる操作部材と、その操作により吐水管から吐水される流体の温度を調整する温度調整部材と、を備えた吐水装置であって、吐水管から吐水される流体に光源から光を照射することにより流体の色を変化させる流体色調整手段を設けると共に、光源から照射される光を反射させて吐水口から吐水される流体を発光させる反射手段を設けたことを特徴とする。前記反射手段は、吐水管の内面を鏡面仕上げすることによって形成されたり、吐水管内にその反射方向が吐水口方向に指向した状態で配置された反射部材で形成される。
【選択図】 図1
【解決手段】先端部に吐水口が設けられた吐水管と、該吐水管の吐水口から流体を吐水させる操作部材と、その操作により吐水管から吐水される流体の温度を調整する温度調整部材と、を備えた吐水装置であって、吐水管から吐水される流体に光源から光を照射することにより流体の色を変化させる流体色調整手段を設けると共に、光源から照射される光を反射させて吐水口から吐水される流体を発光させる反射手段を設けたことを特徴とする。前記反射手段は、吐水管の内面を鏡面仕上げすることによって形成されたり、吐水管内にその反射方向が吐水口方向に指向した状態で配置された反射部材で形成される。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、例えば浴室水栓や洗面室水栓等のように、所定温度の湯や水をその吐水口から吐水させる吐水装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
一般的に、システムバス等の浴室においては、カウンタ上部に洗い場で使用する湯や水(湯水という)を吐水させる浴室水栓が設けられており、この浴室水栓としては、例えば図6もしくは図7に示すものが使用されている。図6に示す浴室水栓101は、カウンタ106の上面等に取り付けられるものでデッキタイプと称され、水栓カバー102の上面に回動可能に突出状態で配設された吐水管103と、水栓カバー102の右側面に設けられその操作により吐水管の吐水口から湯水を吐水させる操作ハンドル104と、水栓カバー102の上面前方の傾斜面に設けられた温度調整ダイヤル105等を有している。そして、吐水管103を回動させて吐水口をカウンタ106上部やバスタブ上部に位置させ、温度調整ダイヤル105を所定温度に設定して操作ハンドル104を操作することにより、所定温度の湯水を洗い場で使用したりバスタブ内へ供給したりすることができるようになっている。
【0003】
また、図7に示す浴室水栓101は、カウンタ106上部のミラーパネル206等に一体的に組み込まれるものでビルトインタイプと称され、水栓カバー202の下面に下方に向けて突出状態で配設された吐水口203(吐水管)と、水栓カバー202の右側面に設けられその操作により吐水口203から湯水を吐水させる操作ハンドル204と、水栓カバー202の前面上部の傾斜面に設けられた温度調整ダイヤル205等を有している。そして、温度調整ダイヤル205を所定温度に設定して操作ハンドル204を操作することにより、洗い場で所定温度の湯水が使用できるようになっている。
【0004】
そして、これらの浴室水栓101においては、図8に示すように、操作部105aを有する温度調整ダイヤル105、205(図では温度調整ダイヤル105のみ示す)の外形形状を略半球状に形成しその外周面に温度指示マーク105bを設けると共に、温度調整ダイヤル105の外周側の水栓カバー102の表面に、高温域107aと中温域107b及び低温域107cを、例えば色分け表示した温度表示部107が設けられている。
【0005】
ところが、このような浴室水栓101においては、温度表示部107や温度調整ダイヤル105、205の形状及びデザインが様々で一見して温度を明確に認識することが困難な場合がある。また、一般的に、浴室水栓101でデザイン性を優先する場合には、温度表示部107や温度指示マーク105aを必要以上に大きくし難いため温度表示部107等が見難くなる傾向にあり、逆に、温度表示部107等を見易くすると浴室水栓101のデザイン性が劣る傾向にある。さらに昨今、浴室内のリクラゼーション効果として、浴室全体の照明光量を落とし部分的な光(間接光等)を用いる浴室が提案されているが、このような薄暗い浴室内においては、浴室水栓101の前記温度表示部107等の視認性が劣り、より一層温度表示部107等が見難くなるといった不都合もあった。
【0006】
そこで、このように不都合を解消するために、例えば特許文献1に開示されているように、浴室水栓の吐水口部分に照明装置を配置して、水栓の手元を照らす浴室水栓や、特許文献2に開示されているように、浴室水栓の胴体部に赤、青、黄色のLEDを配置したハンドルを組み付け、吐水される湯水の温度によりハンドルの所定色のLEDを点灯させる浴室水栓も提案されている。
【0007】
【特許文献1】
特開平5−202540号公報
【特許文献2】
特開2001−123485号公報
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、特許文献1の浴室水栓においては、浴室水栓の手元部分を単に所定の照明で照らすだけであるため、入浴者が吐水される湯水の温度を前述したような温度表示部107等以外で視認することが困難であり、図6及び図7に示す浴室水栓101と同様、浴室内の各種照明状態において所望の温度の湯水を簡単に使用することが難しいという問題点を有している。
【0009】
また、特許文献2の浴室水栓においては、ハンドルの位置によって所定色のLEDが点灯することから、このLEDによって湯水の温度を視認できるものの、ハンドル操作(湯水の温度)に応じて、操作したハンドルに設けた所定色のLEDが点灯するのみであるため、湯水の温度を表示するLEDの表示が部分的となり易い。また、ハンドルの位置によっては点灯するLEDが吐水管で隠れる状態になる等、ハンドルとは異なる位置にある吐水口から吐水される湯水の温度を入浴者が明確に視認することが難しいという問題点を有している。
【0010】
本発明は、このような事情に鑑みてなされたもので、その目的は、吐水口から吐水される流体を光で十分に発光させることにより、周囲の照明状態等に係わらず流体の温度を使用者が明確に視認し得る吐水装置を提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】
かかる目的を達成すべく、本発明のうち請求項1に記載の発明は、先端部に吐水口が設けられた吐水管と、該吐水管の吐水口から流体を吐水させる操作部材と、その操作により吐水管から吐水される流体の温度を調整する温度調整部材と、を備えた吐水装置であって、前記吐水管から吐水される流体に光源から光を照射することにより流体の色を変化させる流体色調整手段を設けると共に、前記光源から照射される光を反射させて吐水口から吐水される流体を発光させる反射手段を設けたことを特徴とする。
【0012】
このように構成することにより、例えば温度調整部材を所定位置に設定して操作ハンドルを操作すると、流体色調整手段の光が吐水管中の流体に照射されて該流体が所定色に発光すると共に、吐水管内の流体が光を反射する反射手段によって発光が促進された状態で吐水される。これにより、流体が光によって効率的に発光されて、吐水装置の設置場所の照明状態等に係わらず流体自体の色で流体の温度が一見して明確に把握される等、流体温度の視認性が十分に高められる。
【0013】
そして、前記反射手段は、請求項2に記載の発明のように、吐水管の内面を鏡面仕上げすることによって形成されていることが好ましい。このように構成することにより、吐水管の内面を研磨やメッキ等して鏡面に仕上げることで反射手段が形成されることから、反射手段を簡易に構成できると共に、吐水管内面の流体抵抗の低減化が図れる。
【0014】
また、前記反射手段は、請求項3に記載の発明のように、吐水管内にその反射方向が吐水口方向に指向した状態で配置された反射部材で形成されていることが好ましい。このように構成することにより、反射鏡等の反射部材によって反射手段が形成されることから、反射部材を最適位置に設置できて、例えば吐水口から吐水される流体を光で一層効率的に発光できる。
【0015】
また、前記光源は、請求項4に記載の発明のように、その光が反射手段に向けて照射されるように吐水管の所定位置に設けられていることが好ましい。このように構成することにより、流体を発光させる光源が反射部材に対応して吐水管に設けられていることから、光源の光を反射手段に確実に照射できて、その反射光等で吐水口から吐水される流体を一層効率的に発光できる。
【0016】
また、前記流体色調整手段は、請求項5に記載の発明のように、光源からの光の色が前記温度調整部材に連動して調整されることが好ましい。このように構成することにより、流体の温度を設定する温度調整部材に連動して流体色調整手段が動作することから、例えば設定された流体の温度に応じた色で流体を発光させることができ、温度に応じた発光色の流体が容易に得られて、流体温度の把握が簡単かつ確実に行える。
【0017】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。
図1〜図3は、本発明に係わる吐水装置を浴室水栓に適用した場合の一実施形態を示し、図1がその基本的構成を模式的に示す縦断面図、図2がその流体色調整手段の具体的構成の断面図、図3が図2のA−A線矢視図である。
【0018】
図1において、吐水装置1は、箱状の水栓カバー2を有し、この水栓カバー2の上面後部の水平面上には、所定長さの吐水管3の基部が回動可能に配設されている。吐水管3は、その内部に吐水流路3aが形成されると共に、この吐水流路3aの端部である吐水管3の先端部には下方に指向した状態で吐水口3bが形成されている。そして、吐水管3は、その内面が研磨もしくはメッキ等の鏡面仕上げされることにより、内面全域に亘り鏡面3cが形成されている。
【0019】
また、前記水栓カバー2の上面前部の傾斜面には、温度指示部4bが一体的に設けられた外形形状略半球状の操作部4aと、この操作部4aの回転位置に応じた所定の制御信号(温度信号)を図示しない給湯機器等に出力する温度制御部4c等を有する温度調整ダイヤル4(温度調整部材)が回動操作可能に配設されている。なお、この吐水装置1の温度調整ダイヤル4や水栓カバー2あるいは図示しない操作ハンドル等は、図6に示す浴室水栓101と同様に構成されている。そして、この温度調整ダイヤル4と前記吐水管3の基部との間には、流体色調整手段5が配設されており、この流体色調整手段5は、吐水管3の基部で水栓カバー2内に配置され吐水管3内に複数色の光を照射する光源6と、この光源6から吐水管3内に照射される光の色を制御する光源制御部7等を有している。
【0020】
また、この流体色調整手段5の具体的構成は、図2及び図3に示すように、プリント基板等からなる基板8上に配置された光源6としての3つのLED6a〜6cと、この3つのLED6a〜6cの光を吐水管3の所定位置まで導く光ファイバ9等によって構成される。基板8上には、例えばマイコンもしくは適宜の制御回路等からなる前記光源制御部7が構築され、この光源制御部7は、温度調整ダイヤル4の前記温度制御部4cに電気的に接続されている。なお、光源制御部7と温度制御部4cは別体で形成することもできるが、温度制御部4cに光源制御部7の機能を兼用させることで、マイコン等の使用個数を減少させて構成の簡略化を図ることもできる。
【0021】
前記基板8上に搭載される3つのLED6a〜6cは、光の三原色である赤色を放つLED6aと青色(青紫色)を放つLED6b及び緑色を放つLED6cが使用され、これら3つのLED6a〜6cが円周上に互いに等間隔で配置されている。そして、この3つのLED6a〜6cの球心位置である前記円の中心位置に光ファイバ9の一方の端面が光進入口9aとして位置している。また、この光ファィバ9の光進入口9aと基板8との間の外周部は、略円錐形状の集光カバー10で覆われており、この集光カバー10によってLED6a〜6cから放たれる光が光ファイバ9の光進入口9aに反射されつつ案内されるようになっている。
【0022】
なお、3つのLED6a〜6cは、前記光源制御部7によって、その点灯・消灯が制御されると共に各LED6a〜6cの点灯時の明るさが段階的(もしくは無段階的に)制御されるように構成されている。また、図2の二点鎖線で示すように、集光カバー10内に集光レンズ11を配置して、3つのLED6a〜6cの光を光進入口9aに効率的に集光させる構成とすることもできる。
【0023】
そして、光ファイバ9は、水栓カバー2内を引き回されて、その他方の端面が吐水管3の基部に穿設された孔に気密状態で配置され、この光ファイバ9の他方の端面によって光照射口9bが形成されている。この光照射口9bから、図2の矢印イの如く吐水管3内に光が照射されることで、光により吐水管3内の吐水流路3aを矢印ロの如く流れる流体としての湯水W(図1参照)が発光し、この発光した湯水Wが吐水流路3aを流れて吐水口3bから例えばカウンタ12上に吐水される。なお、この例では、3つのLED6a〜6cによって光の三原色を放つように構成したが、LED6a〜6cの代わりに赤、青、緑の三原色の光をそれぞれ放つ3つの色付き電球等を使用することも勿論可能であるし、前記光源制御部7でLED6a〜6cの点灯・消灯のみを制御することもできる。
【0024】
この吐水装置1によれば、例えばカウンタ12上に置いた洗面器に所定温度の湯水Wを溜めようとした場合、先ず、水栓カバー2に設けられた温度調整ダイヤル4を所定位置に設定する。温度調整ダイヤル4が所定位置に設定されると、その位置に応じた温度制御部4cの信号によって光源制御部7を介して光源6に制御信号が出力され、3つのLED6a〜6cのうち所定のLED6a〜6cが点灯する。
【0025】
この時、例えば、温度調整ダイヤル4が「冷たい」温度位置(図8の低温域107c等)に設定されている場合は、光源制御部7で青色のLED6bのみを点灯させて湯水Wに寒色系(青色系)の光を照射し、温度調整ダイヤル4が「あつい」温度位置(図の高温域107a等)に設定されている場合は、赤色のLED6aのみを点灯させて湯水Wに暖色系(赤色系)の光を照射する。また、温度調整ダイヤル4が40℃等の中温位置(図8の中温域107b等)に設定されている場合は、例えば赤色のLED6aと緑色のLED6cを点灯させて略「黄色」の光を湯水Wに照射したり、各LED6a〜6cの明るさを光源制御部7で制御することにより、「だいだい色」や「ピンク色」の光を湯水Wに照射する。
【0026】
この温度調整ダイヤル4の位置に応じた光源6の各色の光が、集光カバー10等により集光されて光ファイバ9の光進入口9aから進入し、これが光ファイバ9で伝送されて光照射口9bから吐水管3内の湯水Wに照射される。この湯水Wへの光の照射により吐水管3内の湯水Wが発光し、吐水装置1の図示しない操作ハンドルが操作されることにより、吐水流路3a内の湯水Wが発光した状態で流れて吐水口3bからカウンタ12上に吐水される。この時、吐水管3の内面に鏡面3cが形成されていることから、吐水管3内に照射された光が湯水Wで屈折等されつつ、かつこの鏡面3cで反射されつつ湯水Wを効率的に発光させて吐水口3b方向に流れ、吐水口3bから湯水Wが所定色に十分に発光した状態で吐水されることになる。
【0027】
この吐水管3の吐水口3bから吐水される発光した湯水Wによって、入浴者が湯水Wの温度を一見して把握することができ、この吐水時、湯水W自体が発光することから、浴室内が薄暗い状態であっても、入浴者が湯水Wの温度を的確かつ簡単に視認できることになる。そして、湯水Wが所望の温度と異なる場合は、温度調整ダイヤル4を高温方向(例えば右方向)や低温方向(例えば左方向)に回動操作することにより、3つのLED6a〜6cの発光状態が変化して、湯水Wの発光色が変化する。したがって、この湯水Wの発光色の変化を確認しつつ温度調整ができて、所望温度の湯水Wを使用しつつ快適な入浴ができることになる。
【0028】
このように、上記実施形態の吐水装置1にあっては、水栓カバー2内に設けた光源6で、吐水管3内に温度調整ダイヤル4の設定位置に応じてその色が変化する光を照射しこの光で湯水Wを発光させるため、吐水口3bから吐水される湯水Wを温度調整ダイヤル4の位置、すなわち温度調整ダイヤル4で設定される湯水Wの温度に応じてその色を変化させることができる。特に、吐水管の内面が鏡面3cで形成されているため、吐水管3内の湯水Wに照射された所定光の光が湯水Wで屈折等されたり鏡面3cで反射されつつ吐水口3b方向に流れるため、例えば吐水管3の内面を凹凸形状に形成した場合に比較して、湯水Wの発光効率を高めて、吐水口3bから吐水される湯水Wを所定色に十分に発光させることができると共に、吐水管3内の湯水W自体の流れが良好となる。
【0029】
これにより、吐水口3bから吐水される湯水W自体を所定色に発光させることができて、その発光色により湯水Wの温度を入浴者が一見して把握することができ、例えば浴室内がリクラゼーション効果で薄暗い場合であっても、吐水される湯水Wの温度を確実かつ簡単に把握することができる。その結果、吐水装置1の浴室内おける操作性の向上が図れると共に、入浴者が誤って高温の湯を浴びたり冷水を浴びること等がなくなり、入浴時の安全性をも向上させることが可能になる。
【0030】
また、光源6として光の三原色を放つ3つのLED6a〜6cを使用し、これらが光ファィバ9の光進入口9aに対して円周上に等間隔で配置されているため、各LED6a〜6cの発光状態により所定の光が得られて湯水Wを温度に対応した所望色に発光させることができる。特に、各LED6a〜6cの点灯・消灯や明るさ制御により無限色の光が得られて、例えば冷たい温度の湯水Wの時には寒色系の色で発光させ、熱い温度の湯水Wの時には暖色系の色で発光させることができ、温度に応じた的確な発光色の湯水Wを容易に得ることが可能になる。
【0031】
さらに、光源6としてLED6a〜6cが使用されると共に、このLED6a〜6cの光が光ファイバ9を介して光照射口9bに導かれるため、光源6の消費電力の低減化が図れると共に、LED6a〜6cから発光される光を確実に伝送できて、吐水管3内に所定色の光を効率的に照射することができる。特に、光ファイバ9の光進入口9aとLED6a〜6cとの外周部に集光カバー10が設けられているため、LED6a〜6cの光を光ファイバ9の光進入口9aに確実に集光できると共に、集光レンズ11を配置すればLED6a〜6cの光を一層確実に集光できて、湯水Wの発光に係わる電力の一層の省エネ化を図ることが可能になる。
【0032】
また、吐水管3の内面を研磨やメッキ等の鏡面仕上げすることにより鏡面3cに形成されているため、例えば内面に凹凸部材等を形成する場合に比較して、吐水管3自体の構成を簡略化して安価に形成することができる。また、流体色調整手段5がLED6a〜6cとこのLED6a〜6cが搭載された基板8上に構築された光源制御部7等で形成されているため、流体色調整手段5自体の構成の簡略化が図れると共に、光源制御部7の機能を温度調整ダイヤル4の温度制御部4cに兼用させることもできて、その構成の一層の簡略化が図れる。これらのことから、構成簡易して安価であると共に付加価値の高い吐水装置1を容易に得ることが可能になる。
【0033】
またさらに、光源6や光源制御部7等からなる流体色調整手段5を水栓カバー2内に内蔵することができるため、吐水装置1自体のデザイン性を損なうことがなく、吐水装置1をデザイン性が要求される例えば図6や図7に示すような浴室水栓にも容易に適用することができて、設置の汎用性の向上を図ることが可能になる。また、吐水装置1の流体色調整手段5の作動を、前述した浴室内にリクラゼーション効果を得るために、バスタブの水面にスポットライトを照射しその反射光を浴室の壁面や天井壁に写し出すスポットライト照明装置の作動と連動させることで、吐水口3bから吐水される発光した湯水Wにより浴室内のリクラゼーション効果を一層助長できて、快適な入浴が可能になるという付随的な作用効果を得ることもできる。
【0034】
ところで、上記実施形態においては、吐水管3の内面を鏡面仕上げしてその全域に鏡面3cを形成したが、例えば図4に示すように、吐水管3の内面所定位置に反射部材を配置することもできる。すなわち、吐水管3の先端部で吐水口3b上方の上コーナ部3dの内面に反射鏡14を配置し、この反射鏡14に略対向する状態で吐水管3の下コーナ部3eに前記光ファイバ9の光照射口9bを配置する。この時、光ファイバ9の光照射口9bの方向と反射鏡14の角度は、光照射口9bから照射される光が反射鏡14で反射されて吐水口3b方向に指向するように設定される。また、光ファイバ9は、吐水管3の外周下面外側にクランプ13や接着剤等により一体的に取り付けられるか、あるいは吐水管3の周壁内に埋設状態で配設される。
【0035】
このように構成すれば、光ファイバ9の光照射口9bから照射される光を、吐水管3の吐水口3b部分にのみ照射させて、吐水口3bから吐水される湯水Wを直接発光させることができると共に、反射鏡14で反射された光によっても湯水Wを発光させることができることから、少ない光量の光で吐水口3bから吐水され湯水Wが十分に発光させることができて、入浴者に湯水Wの色を確実に視認させることができる。この例の場合、図4の二点鎖線aで示すように、上コーナ部3dの内面形状を予め所定角度の平面に形成し、この平面を研磨やメッキ等の鏡面仕上げすることで所定面積の鏡面3cを形成し、この鏡面3cに前記反射鏡14と同様の機能を持たせることもできる。
【0036】
また、この例においては、吐水管3の下コーナ部3eに光ファイバ9の光照射口9bを配置したが、例えば図5に示すように、所定の色を放つ一つもしくは複数の電球等の光源6を直接的に配置し、この光源6からの光を前記反射鏡14等に照射・反射させるようにしても良い。この時、電球等の光源6を吐水口3bの外部でなく、図5の二点鎖線で示すように、吐水口3bの内部に配置して光の照射方向を拡大させても良い。このように構成しても、吐水口3bの外部や内部に配置した電球等の光源6で湯水Wを十分に発光させることができて、上記実施形態と同様の作用効果が得られる。
【0037】
なお、上記実施形態においては、吐水装置1を図6に示すデッキタイプの浴室水栓101に適用した場合について説明したが、図7に示すビルトインタイプの浴室水栓101にも適用することができるし、浴室のシャワー装置に適用しそのシャワーヘッドから吐水される湯水を発光させることもできる。また、浴室水栓に限らず、洗面室水栓やトイレ水栓、台所水栓等のように湯水を使用する各種水栓に適用して、その吐水口から吐水される湯水を温度に応じて十分に発光させることもできる。
【0038】
【発明の効果】
以上詳述したように、請求項1に記載の発明によれば、流体色調整手段の光が吐水管中の流体に照射されて該流体が所定色に発光すると共に、吐水管内の流体が光を反射する反射手段によって発光されつつ吐水されるため、流体が光によって効率的に発光されて、吐水装置の設置場所の照明状態等に係わらず流体自体の色で流体の温度が一見して明確に把握される等、流体温度の視認性を十分に高めることができる。
【0039】
また、請求項2に記載の発明によれば、請求項1に記載の発明の効果に加え、吐水管の内面を鏡面に仕上げることで反射手段が形成されるため、反射手段を簡易に構成できると共に、吐水管内面の流体抵抗の低減化が図れて、発光した流体の良好な吐水状態を得ることができる。
【0040】
また、請求項3に記載の発明によれば、請求項1に記載の発明の効果に加え、反射鏡等の反射部材によって反射手段が形成されるため、反射部材を吐水管の最適位置に容易に設置できて、吐水口から吐水される流体を光により一層効率的に発光させることができる。
【0041】
また、請求項4に記載の発明によれば、請求項1ないし3に記載の発明の効果に加え、流体を発光させる光源が反射部材に対応して吐水管に設けられているため、光源の光を反射手段に確実に照射することができて、その反射光等で吐水口から吐水される流体をより一層効率的に発光させることができる。
【0042】
また、請求項5に記載の発明によれば、請求項1ないし4に記載の発明の効果に加え、流体の温度を設定する温度制御部材に連動して流体色調整手段が動作するため、例えば設定された流体の温度に応じた色で流体を発光させることができ、温度に応じた発光色の流体を容易に得ることができて、流体温度の把握が簡単かつ確実に行える等の効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係わる吐水装置の一実施形態の基本的構成を示す一部破断した縦断面図
【図2】同流体色調整手段の具体的構成を示す断面図
【図3】同図2のA−A線矢視図
【図4】同反射手段の変形例を示す断面図
【図5】同光源の変形例を示す断面図
【図6】従来の浴室水栓の斜視図
【図7】従来の他の浴室水栓の斜視図
【図8】同浴室水栓における温度調整ダイヤル部分の正面図
【符号の説明】
1・・・・・・・吐水装置
2・・・・・・・水栓カバー
3・・・・・・・吐水管
3a・・・・・・吐水流路
3b・・・・・・吐水口
3c・・・・・・鏡面
4・・・・・・・温度調整ダイヤル
4a・・・・・・操作部
4b・・・・・・温度指示部
4c・・・・・・温度制御部
5・・・・・・・流体色調整手段
6・・・・・・・光源
6a〜6c・・・LED
7・・・・・・・光源制御部
8・・・・・・・基板
9・・・・・・・光ファイバ
9a・・・・・・光進入口
9b・・・・・・光照射口
10・・・・・・集光カバー
14・・・・・・反射鏡
W・・・・・・・湯水
【発明の属する技術分野】
本発明は、例えば浴室水栓や洗面室水栓等のように、所定温度の湯や水をその吐水口から吐水させる吐水装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
一般的に、システムバス等の浴室においては、カウンタ上部に洗い場で使用する湯や水(湯水という)を吐水させる浴室水栓が設けられており、この浴室水栓としては、例えば図6もしくは図7に示すものが使用されている。図6に示す浴室水栓101は、カウンタ106の上面等に取り付けられるものでデッキタイプと称され、水栓カバー102の上面に回動可能に突出状態で配設された吐水管103と、水栓カバー102の右側面に設けられその操作により吐水管の吐水口から湯水を吐水させる操作ハンドル104と、水栓カバー102の上面前方の傾斜面に設けられた温度調整ダイヤル105等を有している。そして、吐水管103を回動させて吐水口をカウンタ106上部やバスタブ上部に位置させ、温度調整ダイヤル105を所定温度に設定して操作ハンドル104を操作することにより、所定温度の湯水を洗い場で使用したりバスタブ内へ供給したりすることができるようになっている。
【0003】
また、図7に示す浴室水栓101は、カウンタ106上部のミラーパネル206等に一体的に組み込まれるものでビルトインタイプと称され、水栓カバー202の下面に下方に向けて突出状態で配設された吐水口203(吐水管)と、水栓カバー202の右側面に設けられその操作により吐水口203から湯水を吐水させる操作ハンドル204と、水栓カバー202の前面上部の傾斜面に設けられた温度調整ダイヤル205等を有している。そして、温度調整ダイヤル205を所定温度に設定して操作ハンドル204を操作することにより、洗い場で所定温度の湯水が使用できるようになっている。
【0004】
そして、これらの浴室水栓101においては、図8に示すように、操作部105aを有する温度調整ダイヤル105、205(図では温度調整ダイヤル105のみ示す)の外形形状を略半球状に形成しその外周面に温度指示マーク105bを設けると共に、温度調整ダイヤル105の外周側の水栓カバー102の表面に、高温域107aと中温域107b及び低温域107cを、例えば色分け表示した温度表示部107が設けられている。
【0005】
ところが、このような浴室水栓101においては、温度表示部107や温度調整ダイヤル105、205の形状及びデザインが様々で一見して温度を明確に認識することが困難な場合がある。また、一般的に、浴室水栓101でデザイン性を優先する場合には、温度表示部107や温度指示マーク105aを必要以上に大きくし難いため温度表示部107等が見難くなる傾向にあり、逆に、温度表示部107等を見易くすると浴室水栓101のデザイン性が劣る傾向にある。さらに昨今、浴室内のリクラゼーション効果として、浴室全体の照明光量を落とし部分的な光(間接光等)を用いる浴室が提案されているが、このような薄暗い浴室内においては、浴室水栓101の前記温度表示部107等の視認性が劣り、より一層温度表示部107等が見難くなるといった不都合もあった。
【0006】
そこで、このように不都合を解消するために、例えば特許文献1に開示されているように、浴室水栓の吐水口部分に照明装置を配置して、水栓の手元を照らす浴室水栓や、特許文献2に開示されているように、浴室水栓の胴体部に赤、青、黄色のLEDを配置したハンドルを組み付け、吐水される湯水の温度によりハンドルの所定色のLEDを点灯させる浴室水栓も提案されている。
【0007】
【特許文献1】
特開平5−202540号公報
【特許文献2】
特開2001−123485号公報
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、特許文献1の浴室水栓においては、浴室水栓の手元部分を単に所定の照明で照らすだけであるため、入浴者が吐水される湯水の温度を前述したような温度表示部107等以外で視認することが困難であり、図6及び図7に示す浴室水栓101と同様、浴室内の各種照明状態において所望の温度の湯水を簡単に使用することが難しいという問題点を有している。
【0009】
また、特許文献2の浴室水栓においては、ハンドルの位置によって所定色のLEDが点灯することから、このLEDによって湯水の温度を視認できるものの、ハンドル操作(湯水の温度)に応じて、操作したハンドルに設けた所定色のLEDが点灯するのみであるため、湯水の温度を表示するLEDの表示が部分的となり易い。また、ハンドルの位置によっては点灯するLEDが吐水管で隠れる状態になる等、ハンドルとは異なる位置にある吐水口から吐水される湯水の温度を入浴者が明確に視認することが難しいという問題点を有している。
【0010】
本発明は、このような事情に鑑みてなされたもので、その目的は、吐水口から吐水される流体を光で十分に発光させることにより、周囲の照明状態等に係わらず流体の温度を使用者が明確に視認し得る吐水装置を提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】
かかる目的を達成すべく、本発明のうち請求項1に記載の発明は、先端部に吐水口が設けられた吐水管と、該吐水管の吐水口から流体を吐水させる操作部材と、その操作により吐水管から吐水される流体の温度を調整する温度調整部材と、を備えた吐水装置であって、前記吐水管から吐水される流体に光源から光を照射することにより流体の色を変化させる流体色調整手段を設けると共に、前記光源から照射される光を反射させて吐水口から吐水される流体を発光させる反射手段を設けたことを特徴とする。
【0012】
このように構成することにより、例えば温度調整部材を所定位置に設定して操作ハンドルを操作すると、流体色調整手段の光が吐水管中の流体に照射されて該流体が所定色に発光すると共に、吐水管内の流体が光を反射する反射手段によって発光が促進された状態で吐水される。これにより、流体が光によって効率的に発光されて、吐水装置の設置場所の照明状態等に係わらず流体自体の色で流体の温度が一見して明確に把握される等、流体温度の視認性が十分に高められる。
【0013】
そして、前記反射手段は、請求項2に記載の発明のように、吐水管の内面を鏡面仕上げすることによって形成されていることが好ましい。このように構成することにより、吐水管の内面を研磨やメッキ等して鏡面に仕上げることで反射手段が形成されることから、反射手段を簡易に構成できると共に、吐水管内面の流体抵抗の低減化が図れる。
【0014】
また、前記反射手段は、請求項3に記載の発明のように、吐水管内にその反射方向が吐水口方向に指向した状態で配置された反射部材で形成されていることが好ましい。このように構成することにより、反射鏡等の反射部材によって反射手段が形成されることから、反射部材を最適位置に設置できて、例えば吐水口から吐水される流体を光で一層効率的に発光できる。
【0015】
また、前記光源は、請求項4に記載の発明のように、その光が反射手段に向けて照射されるように吐水管の所定位置に設けられていることが好ましい。このように構成することにより、流体を発光させる光源が反射部材に対応して吐水管に設けられていることから、光源の光を反射手段に確実に照射できて、その反射光等で吐水口から吐水される流体を一層効率的に発光できる。
【0016】
また、前記流体色調整手段は、請求項5に記載の発明のように、光源からの光の色が前記温度調整部材に連動して調整されることが好ましい。このように構成することにより、流体の温度を設定する温度調整部材に連動して流体色調整手段が動作することから、例えば設定された流体の温度に応じた色で流体を発光させることができ、温度に応じた発光色の流体が容易に得られて、流体温度の把握が簡単かつ確実に行える。
【0017】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。
図1〜図3は、本発明に係わる吐水装置を浴室水栓に適用した場合の一実施形態を示し、図1がその基本的構成を模式的に示す縦断面図、図2がその流体色調整手段の具体的構成の断面図、図3が図2のA−A線矢視図である。
【0018】
図1において、吐水装置1は、箱状の水栓カバー2を有し、この水栓カバー2の上面後部の水平面上には、所定長さの吐水管3の基部が回動可能に配設されている。吐水管3は、その内部に吐水流路3aが形成されると共に、この吐水流路3aの端部である吐水管3の先端部には下方に指向した状態で吐水口3bが形成されている。そして、吐水管3は、その内面が研磨もしくはメッキ等の鏡面仕上げされることにより、内面全域に亘り鏡面3cが形成されている。
【0019】
また、前記水栓カバー2の上面前部の傾斜面には、温度指示部4bが一体的に設けられた外形形状略半球状の操作部4aと、この操作部4aの回転位置に応じた所定の制御信号(温度信号)を図示しない給湯機器等に出力する温度制御部4c等を有する温度調整ダイヤル4(温度調整部材)が回動操作可能に配設されている。なお、この吐水装置1の温度調整ダイヤル4や水栓カバー2あるいは図示しない操作ハンドル等は、図6に示す浴室水栓101と同様に構成されている。そして、この温度調整ダイヤル4と前記吐水管3の基部との間には、流体色調整手段5が配設されており、この流体色調整手段5は、吐水管3の基部で水栓カバー2内に配置され吐水管3内に複数色の光を照射する光源6と、この光源6から吐水管3内に照射される光の色を制御する光源制御部7等を有している。
【0020】
また、この流体色調整手段5の具体的構成は、図2及び図3に示すように、プリント基板等からなる基板8上に配置された光源6としての3つのLED6a〜6cと、この3つのLED6a〜6cの光を吐水管3の所定位置まで導く光ファイバ9等によって構成される。基板8上には、例えばマイコンもしくは適宜の制御回路等からなる前記光源制御部7が構築され、この光源制御部7は、温度調整ダイヤル4の前記温度制御部4cに電気的に接続されている。なお、光源制御部7と温度制御部4cは別体で形成することもできるが、温度制御部4cに光源制御部7の機能を兼用させることで、マイコン等の使用個数を減少させて構成の簡略化を図ることもできる。
【0021】
前記基板8上に搭載される3つのLED6a〜6cは、光の三原色である赤色を放つLED6aと青色(青紫色)を放つLED6b及び緑色を放つLED6cが使用され、これら3つのLED6a〜6cが円周上に互いに等間隔で配置されている。そして、この3つのLED6a〜6cの球心位置である前記円の中心位置に光ファイバ9の一方の端面が光進入口9aとして位置している。また、この光ファィバ9の光進入口9aと基板8との間の外周部は、略円錐形状の集光カバー10で覆われており、この集光カバー10によってLED6a〜6cから放たれる光が光ファイバ9の光進入口9aに反射されつつ案内されるようになっている。
【0022】
なお、3つのLED6a〜6cは、前記光源制御部7によって、その点灯・消灯が制御されると共に各LED6a〜6cの点灯時の明るさが段階的(もしくは無段階的に)制御されるように構成されている。また、図2の二点鎖線で示すように、集光カバー10内に集光レンズ11を配置して、3つのLED6a〜6cの光を光進入口9aに効率的に集光させる構成とすることもできる。
【0023】
そして、光ファイバ9は、水栓カバー2内を引き回されて、その他方の端面が吐水管3の基部に穿設された孔に気密状態で配置され、この光ファイバ9の他方の端面によって光照射口9bが形成されている。この光照射口9bから、図2の矢印イの如く吐水管3内に光が照射されることで、光により吐水管3内の吐水流路3aを矢印ロの如く流れる流体としての湯水W(図1参照)が発光し、この発光した湯水Wが吐水流路3aを流れて吐水口3bから例えばカウンタ12上に吐水される。なお、この例では、3つのLED6a〜6cによって光の三原色を放つように構成したが、LED6a〜6cの代わりに赤、青、緑の三原色の光をそれぞれ放つ3つの色付き電球等を使用することも勿論可能であるし、前記光源制御部7でLED6a〜6cの点灯・消灯のみを制御することもできる。
【0024】
この吐水装置1によれば、例えばカウンタ12上に置いた洗面器に所定温度の湯水Wを溜めようとした場合、先ず、水栓カバー2に設けられた温度調整ダイヤル4を所定位置に設定する。温度調整ダイヤル4が所定位置に設定されると、その位置に応じた温度制御部4cの信号によって光源制御部7を介して光源6に制御信号が出力され、3つのLED6a〜6cのうち所定のLED6a〜6cが点灯する。
【0025】
この時、例えば、温度調整ダイヤル4が「冷たい」温度位置(図8の低温域107c等)に設定されている場合は、光源制御部7で青色のLED6bのみを点灯させて湯水Wに寒色系(青色系)の光を照射し、温度調整ダイヤル4が「あつい」温度位置(図の高温域107a等)に設定されている場合は、赤色のLED6aのみを点灯させて湯水Wに暖色系(赤色系)の光を照射する。また、温度調整ダイヤル4が40℃等の中温位置(図8の中温域107b等)に設定されている場合は、例えば赤色のLED6aと緑色のLED6cを点灯させて略「黄色」の光を湯水Wに照射したり、各LED6a〜6cの明るさを光源制御部7で制御することにより、「だいだい色」や「ピンク色」の光を湯水Wに照射する。
【0026】
この温度調整ダイヤル4の位置に応じた光源6の各色の光が、集光カバー10等により集光されて光ファイバ9の光進入口9aから進入し、これが光ファイバ9で伝送されて光照射口9bから吐水管3内の湯水Wに照射される。この湯水Wへの光の照射により吐水管3内の湯水Wが発光し、吐水装置1の図示しない操作ハンドルが操作されることにより、吐水流路3a内の湯水Wが発光した状態で流れて吐水口3bからカウンタ12上に吐水される。この時、吐水管3の内面に鏡面3cが形成されていることから、吐水管3内に照射された光が湯水Wで屈折等されつつ、かつこの鏡面3cで反射されつつ湯水Wを効率的に発光させて吐水口3b方向に流れ、吐水口3bから湯水Wが所定色に十分に発光した状態で吐水されることになる。
【0027】
この吐水管3の吐水口3bから吐水される発光した湯水Wによって、入浴者が湯水Wの温度を一見して把握することができ、この吐水時、湯水W自体が発光することから、浴室内が薄暗い状態であっても、入浴者が湯水Wの温度を的確かつ簡単に視認できることになる。そして、湯水Wが所望の温度と異なる場合は、温度調整ダイヤル4を高温方向(例えば右方向)や低温方向(例えば左方向)に回動操作することにより、3つのLED6a〜6cの発光状態が変化して、湯水Wの発光色が変化する。したがって、この湯水Wの発光色の変化を確認しつつ温度調整ができて、所望温度の湯水Wを使用しつつ快適な入浴ができることになる。
【0028】
このように、上記実施形態の吐水装置1にあっては、水栓カバー2内に設けた光源6で、吐水管3内に温度調整ダイヤル4の設定位置に応じてその色が変化する光を照射しこの光で湯水Wを発光させるため、吐水口3bから吐水される湯水Wを温度調整ダイヤル4の位置、すなわち温度調整ダイヤル4で設定される湯水Wの温度に応じてその色を変化させることができる。特に、吐水管の内面が鏡面3cで形成されているため、吐水管3内の湯水Wに照射された所定光の光が湯水Wで屈折等されたり鏡面3cで反射されつつ吐水口3b方向に流れるため、例えば吐水管3の内面を凹凸形状に形成した場合に比較して、湯水Wの発光効率を高めて、吐水口3bから吐水される湯水Wを所定色に十分に発光させることができると共に、吐水管3内の湯水W自体の流れが良好となる。
【0029】
これにより、吐水口3bから吐水される湯水W自体を所定色に発光させることができて、その発光色により湯水Wの温度を入浴者が一見して把握することができ、例えば浴室内がリクラゼーション効果で薄暗い場合であっても、吐水される湯水Wの温度を確実かつ簡単に把握することができる。その結果、吐水装置1の浴室内おける操作性の向上が図れると共に、入浴者が誤って高温の湯を浴びたり冷水を浴びること等がなくなり、入浴時の安全性をも向上させることが可能になる。
【0030】
また、光源6として光の三原色を放つ3つのLED6a〜6cを使用し、これらが光ファィバ9の光進入口9aに対して円周上に等間隔で配置されているため、各LED6a〜6cの発光状態により所定の光が得られて湯水Wを温度に対応した所望色に発光させることができる。特に、各LED6a〜6cの点灯・消灯や明るさ制御により無限色の光が得られて、例えば冷たい温度の湯水Wの時には寒色系の色で発光させ、熱い温度の湯水Wの時には暖色系の色で発光させることができ、温度に応じた的確な発光色の湯水Wを容易に得ることが可能になる。
【0031】
さらに、光源6としてLED6a〜6cが使用されると共に、このLED6a〜6cの光が光ファイバ9を介して光照射口9bに導かれるため、光源6の消費電力の低減化が図れると共に、LED6a〜6cから発光される光を確実に伝送できて、吐水管3内に所定色の光を効率的に照射することができる。特に、光ファイバ9の光進入口9aとLED6a〜6cとの外周部に集光カバー10が設けられているため、LED6a〜6cの光を光ファイバ9の光進入口9aに確実に集光できると共に、集光レンズ11を配置すればLED6a〜6cの光を一層確実に集光できて、湯水Wの発光に係わる電力の一層の省エネ化を図ることが可能になる。
【0032】
また、吐水管3の内面を研磨やメッキ等の鏡面仕上げすることにより鏡面3cに形成されているため、例えば内面に凹凸部材等を形成する場合に比較して、吐水管3自体の構成を簡略化して安価に形成することができる。また、流体色調整手段5がLED6a〜6cとこのLED6a〜6cが搭載された基板8上に構築された光源制御部7等で形成されているため、流体色調整手段5自体の構成の簡略化が図れると共に、光源制御部7の機能を温度調整ダイヤル4の温度制御部4cに兼用させることもできて、その構成の一層の簡略化が図れる。これらのことから、構成簡易して安価であると共に付加価値の高い吐水装置1を容易に得ることが可能になる。
【0033】
またさらに、光源6や光源制御部7等からなる流体色調整手段5を水栓カバー2内に内蔵することができるため、吐水装置1自体のデザイン性を損なうことがなく、吐水装置1をデザイン性が要求される例えば図6や図7に示すような浴室水栓にも容易に適用することができて、設置の汎用性の向上を図ることが可能になる。また、吐水装置1の流体色調整手段5の作動を、前述した浴室内にリクラゼーション効果を得るために、バスタブの水面にスポットライトを照射しその反射光を浴室の壁面や天井壁に写し出すスポットライト照明装置の作動と連動させることで、吐水口3bから吐水される発光した湯水Wにより浴室内のリクラゼーション効果を一層助長できて、快適な入浴が可能になるという付随的な作用効果を得ることもできる。
【0034】
ところで、上記実施形態においては、吐水管3の内面を鏡面仕上げしてその全域に鏡面3cを形成したが、例えば図4に示すように、吐水管3の内面所定位置に反射部材を配置することもできる。すなわち、吐水管3の先端部で吐水口3b上方の上コーナ部3dの内面に反射鏡14を配置し、この反射鏡14に略対向する状態で吐水管3の下コーナ部3eに前記光ファイバ9の光照射口9bを配置する。この時、光ファイバ9の光照射口9bの方向と反射鏡14の角度は、光照射口9bから照射される光が反射鏡14で反射されて吐水口3b方向に指向するように設定される。また、光ファイバ9は、吐水管3の外周下面外側にクランプ13や接着剤等により一体的に取り付けられるか、あるいは吐水管3の周壁内に埋設状態で配設される。
【0035】
このように構成すれば、光ファイバ9の光照射口9bから照射される光を、吐水管3の吐水口3b部分にのみ照射させて、吐水口3bから吐水される湯水Wを直接発光させることができると共に、反射鏡14で反射された光によっても湯水Wを発光させることができることから、少ない光量の光で吐水口3bから吐水され湯水Wが十分に発光させることができて、入浴者に湯水Wの色を確実に視認させることができる。この例の場合、図4の二点鎖線aで示すように、上コーナ部3dの内面形状を予め所定角度の平面に形成し、この平面を研磨やメッキ等の鏡面仕上げすることで所定面積の鏡面3cを形成し、この鏡面3cに前記反射鏡14と同様の機能を持たせることもできる。
【0036】
また、この例においては、吐水管3の下コーナ部3eに光ファイバ9の光照射口9bを配置したが、例えば図5に示すように、所定の色を放つ一つもしくは複数の電球等の光源6を直接的に配置し、この光源6からの光を前記反射鏡14等に照射・反射させるようにしても良い。この時、電球等の光源6を吐水口3bの外部でなく、図5の二点鎖線で示すように、吐水口3bの内部に配置して光の照射方向を拡大させても良い。このように構成しても、吐水口3bの外部や内部に配置した電球等の光源6で湯水Wを十分に発光させることができて、上記実施形態と同様の作用効果が得られる。
【0037】
なお、上記実施形態においては、吐水装置1を図6に示すデッキタイプの浴室水栓101に適用した場合について説明したが、図7に示すビルトインタイプの浴室水栓101にも適用することができるし、浴室のシャワー装置に適用しそのシャワーヘッドから吐水される湯水を発光させることもできる。また、浴室水栓に限らず、洗面室水栓やトイレ水栓、台所水栓等のように湯水を使用する各種水栓に適用して、その吐水口から吐水される湯水を温度に応じて十分に発光させることもできる。
【0038】
【発明の効果】
以上詳述したように、請求項1に記載の発明によれば、流体色調整手段の光が吐水管中の流体に照射されて該流体が所定色に発光すると共に、吐水管内の流体が光を反射する反射手段によって発光されつつ吐水されるため、流体が光によって効率的に発光されて、吐水装置の設置場所の照明状態等に係わらず流体自体の色で流体の温度が一見して明確に把握される等、流体温度の視認性を十分に高めることができる。
【0039】
また、請求項2に記載の発明によれば、請求項1に記載の発明の効果に加え、吐水管の内面を鏡面に仕上げることで反射手段が形成されるため、反射手段を簡易に構成できると共に、吐水管内面の流体抵抗の低減化が図れて、発光した流体の良好な吐水状態を得ることができる。
【0040】
また、請求項3に記載の発明によれば、請求項1に記載の発明の効果に加え、反射鏡等の反射部材によって反射手段が形成されるため、反射部材を吐水管の最適位置に容易に設置できて、吐水口から吐水される流体を光により一層効率的に発光させることができる。
【0041】
また、請求項4に記載の発明によれば、請求項1ないし3に記載の発明の効果に加え、流体を発光させる光源が反射部材に対応して吐水管に設けられているため、光源の光を反射手段に確実に照射することができて、その反射光等で吐水口から吐水される流体をより一層効率的に発光させることができる。
【0042】
また、請求項5に記載の発明によれば、請求項1ないし4に記載の発明の効果に加え、流体の温度を設定する温度制御部材に連動して流体色調整手段が動作するため、例えば設定された流体の温度に応じた色で流体を発光させることができ、温度に応じた発光色の流体を容易に得ることができて、流体温度の把握が簡単かつ確実に行える等の効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係わる吐水装置の一実施形態の基本的構成を示す一部破断した縦断面図
【図2】同流体色調整手段の具体的構成を示す断面図
【図3】同図2のA−A線矢視図
【図4】同反射手段の変形例を示す断面図
【図5】同光源の変形例を示す断面図
【図6】従来の浴室水栓の斜視図
【図7】従来の他の浴室水栓の斜視図
【図8】同浴室水栓における温度調整ダイヤル部分の正面図
【符号の説明】
1・・・・・・・吐水装置
2・・・・・・・水栓カバー
3・・・・・・・吐水管
3a・・・・・・吐水流路
3b・・・・・・吐水口
3c・・・・・・鏡面
4・・・・・・・温度調整ダイヤル
4a・・・・・・操作部
4b・・・・・・温度指示部
4c・・・・・・温度制御部
5・・・・・・・流体色調整手段
6・・・・・・・光源
6a〜6c・・・LED
7・・・・・・・光源制御部
8・・・・・・・基板
9・・・・・・・光ファイバ
9a・・・・・・光進入口
9b・・・・・・光照射口
10・・・・・・集光カバー
14・・・・・・反射鏡
W・・・・・・・湯水
Claims (5)
- 先端部に吐水口が設けられた吐水管と、該吐水管の吐水口から流体を吐水させる操作部材と、その操作により吐水管から吐水される流体の温度を調整する温度調整部材と、を備えた吐水装置であって、
前記吐水管から吐水される流体に光源から光を照射することにより流体の色を変化させる流体色調整手段を設けると共に、前記光源から照射される光を反射させて吐水口から吐水される流体を発光させる反射手段を設けたことを特徴とする吐水装置。 - 前記反射手段は、吐水管の内面を鏡面仕上げすることによって形成されていることを特徴とする請求項1に記載の吐水装置。
- 前記反射手段は、吐水管内にその反射方向が吐水口方向に指向した状態で配置された反射部材で形成されていることを特徴とする請求項1に記載の吐水装置。
- 前記光源は、その光が反射手段に向けて照射されるように吐水管の所定位置に設けられていることを特徴とする請求項1ないし3のいずれかに記載の吐水装置。
- 前記流体色調整手段は、光源からの光の色が前記温度調整部材に連動して調整されることを特徴とする請求項1ないし4のいずれかに記載の吐水装置。
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