JP2004124189A - 化合物粒子の製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】本発明は、金属粒子とアモルファス粒子若しくは非金属粒子とを粉砕して複合材料を生成し、複合粒子の特性の改良を実現する粒子複合化方法を提供することを目的とする。
【解決手段】金属粒子とアモルファス粒子若しくは非金属粒子のいずれか一方とを含む少なくとも2種類の粒子を複合化し、複合材料を生成する粒子複合化方法であって、前記粒子の混合粉体に加圧力とせん断力とを付与して粉砕混合し、局所的且つ断続的に前記粒子の表面層を溶融して、複合材料を生成する。
【選択図】  図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、金属粒子とアモルファス粒子若しくは非金属粒子とを粉砕して複合材料を生成する技術に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、複合粒子の製造は、原料(粒子)を粉体混合機や乳鉢を用いて混合し、焼成により結晶成長を促進させる等して実施されてきた。
【0003】
粉体混合機として、例えば、粉末状、粒状および/またはペースト状材料の混合、冷却、加熱、乾燥を行う装置であって、垂直軸を有する円錐状混合容器を備え、前記容器は下方に向かって狭まり、少なくとも1つの垂直混合軸が回転自在であり、混合軸から多数の要素が徐々に長く突出し、その外端部は容器の側壁の近傍まで延長し、回転数が高速〜超高速であり、この回転数によって、処理製品は前記要素および側壁の両方で非常に強い剪断作用を受け、前記要素および側壁の両方において、非常に短時間で、製品に対して非常に強力な混合を行うようにしたものがある(例えば、特許文献1参照)。
【0004】
【特許文献1】
特開平11−047573号公報(第3−6頁、第1図)
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、一般に市販されている原料の粒子径は原料毎に異なっていること等から、従来の粉体混合機を用いた混合や乳鉢混合では、混合が不十分なことによる組成のずれや、粉砕の程度のばらつきによる粒子径の不均一性、混合が不十分なために同一粒子が凝集されて残留し、その後焼成することによる、複合材料の粒子の粗大化といった課題が生じている。また、得られた複合材料を焼成する際に、合成し易いものである場合には、組成のずれに起因して、合成の伝播速度が不均一となる。この結果、各部に於ける焼成状態が変化することで、結晶成長の度合いが変化して粒子径にもばらつきが生じ、焼成後の組成が均一とはならなかった。
【0006】
更に、焼成による結晶成長の促進には、長時間、高温(例えば、超電導材料であるMgBの製造では、乳鉢混合後600℃〜630℃、5〜10時間の熱処理)が必要であり、これが製造コストの増加を招いている。また、蒸気圧の大きい材質粒子(例えば、マグネシウム等)を複合に用いる場合には、長時間の熱処理の間に蒸気圧の高い原料が蒸発しないように、精密な温度・圧力制御が必要とされる。例えば、マグネシウムの場合、約650℃で融解することから、複合はこの温度を超えない範囲で実施しなければならない。更に、従来の粉体混合機を用いた混合や乳鉢混合による混合粉体を用いた焼成では、混合が不十分なために同一粒子が凝集されて残留し、その後高温で焼成するために、複合材料の粒子の粗大化が生じ、複合材料の特性を悪化させている。
【0007】
また、所定の特性を有する複合粒子の探索(例えば、超電導材料の探索等)には、様々な種類の粒子を組合わせて複数種類の複合材料を生成する必要があるが、粒子の組合わせは無限にあり、組合わせる粒子の種類の特定が課題となる。また、複合材料の特性の改良、生成方法の容易化等、さらに改善の余地があった。
【0008】
本発明は上記の問題に鑑みてなされたものであり、その目的は、複数種の粒子を精密に混合し、得られた複合材料を焼成する際に、燃焼温度の低温化、燃焼期間の短期間化により製造コストを削減し、更に、低温焼成を利用して結晶の粒子径を微細に保つことにより、製造される複合材料の特性を改良しつつ、所定の特性を有する複合材料の探索・研究をより容易にする点にある。
【0009】
【課題を解決するための手段】
現在、超電導特性を有する複合材料の探索や、所定の複合材料についての特性の研究並びに応用研究が活発に行われている。
超電導材料についての探索及び研究等に於いて、金属系の超電導材料は超電導臨界温度(T)は低いものの、それ自体が金属であるため非常に合成・成型・加工が容易である。実際に実用化されているのは金属系の超電導材料であり、金属系の超電導材料で高い超電導臨界温度を持つ新しい超電導材料を得ることは、学術的にも応用面に於いても有益であると考えられる。
【0010】
尚、最近発表された金属系の超電導材料であるMgBは、冷凍機で比較的簡単に到達できる温度(20K)で使用できる可能性があり、もろさを補うための銀シースを必要とし、更に高温超電導体(High temperature super−conductor、HTS)結晶の方向をそろえることが必要なHTS線材と比較して製造コストがかなり低く、強度が高い線材を製造可能なことが予想される等といった特性をもち、電力ケーブルや情報デバイス、超電導磁気エネルギ貯蔵システム(SMES)や加速器、核融合用マグネット等、広い分野での応用が期待されており、帯磁率特性の改良や製造方法等の研究が進められている。
【0011】
この目的を達成するための本発明に係る粒子複合化方法の第一特徴構成は、特許請求の範囲の欄の請求項1に記載した如く、金属粒子とアモルファス粒子若しくは非金属粒子のいずれか一方とを含む少なくとも2種類の粒子を複合化し、複合材料を生成する粒子複合化方法であって、前記粒子の混合粉体に加圧力とせん断力とを付与して粉砕混合し、局所的且つ断続的に前記粒子の表面層を溶融して、前記複合材料を生成する点にある。
【0012】
即ち、本発明に係る粒子複合化方法の上記第一特徴構成によれば、金属粒子とアモルファス粒子若しくは非金属粒子のいずれか一方とを含む少なくとも2種類の粒子を用い、粒子間粉砕による局所的且つ断続的に発生する高温・圧縮場を利用して複合材料を製造する事ができる。
【0013】
超電導材料の探索にあたっては、様々な組合わせの粒子の複合体の生成を実施するが、金属粒子とアモルファス粒子若しくは非金属粒子のいずれか一方とを含む少なくとも2種類の粒子の混合粉体を用い、局所的且つ断続的に前記粒子の表面層を溶融して金属系の複合材料を生成することにより、半ば融合した状態の複合材料が生成されるために、その後の焼成において良好な結果を得ることができ、金属系の超電導材料の探索を容易にすることができると考えられる。
【0014】
尚、混合粉体に加圧力とせん断力とを付与して粉砕混合することにより、粉砕の程度のばらつきによる複合粒子の粒子径の不均一性の改良、混合が不十分なために同一粒子が凝集されて残留し、その後焼成することによる複合材料の粒子の粗大化の防止、半ば融合した状態の複合材料が生成されることによる焼成に係る時間の短期化及び低温化等を図ることができる。
【0015】
また、複合に用いられる粒子径の差が非常に大きい場合であっても、せん断力の付与による凝集した同一粒子の粉砕と、加圧力の付与による大粒子表面への小粒子の一体化(複合化)とが断続的に繰り返されることにより、従来に比べ、径の小さい粒子を径の大きい粒子のより深い部分まで溶融埋設させることが可能になり、複合粒子の特性を改良することができる。
【0016】
さらに、粉砕混合することにより異なる種類の粒子同士が接する機会が増大し、異なる種類の粒子の接する面で局所的且つ断続的に両者を融合させることで、マグネシウム等、蒸気圧の高い粒子を蒸発させることなく扱うことができる。
【0017】
従って、金属粒子とアモルファス粒子若しくは非金属粒子のいずれか一方とを含む少なくとも2種類の粒子を用いることにより、超電導材料の探索や製造を容易にし、且つ、混合粉体に加圧力とせん断力とを付与して粉砕混合し、局所的且つ断続的に粒子の表面層を溶融することにより、不均一性や組成のずれ、粗大化等の課題を解決する粒子複合化方法を実現する事が出来る。
【0018】
同第二特徴構成は、特許請求の範囲の欄の請求項2に記載した如く、上記第一特徴構成に加えて、前記複合材料は超電導材料である点にある。
【0019】
即ち、同第二特徴構成によれば、上記第一特徴構成にかかる方法を用い、混合粉体に加圧力とせん断力とを付与して粉砕混合し、局所的且つ断続的に前記粒子の表面層を溶融して、超電導材料を生成する。
【0020】
超電導体材料は、省エネルギ(以下、省エネと略称)や安定化のために、電力システム(電力ケーブル、変圧器、超電導磁気エネルギー貯蔵システム等)や超電導マグネット、情報デバイス等の分野で利用され、現在、超電導物質の探索や超電導特性の研究並びに応用研究が多くの大学や研究機関などで行われている。超電導材料としては、炭化ニオブ(NbC)、ニオブ・ゲルマニウム合金(NbGe)、バナジウム・シリコン合金(VSi)、Nb−Al−Ge、二ホウ化マグネシウム(MgB)、ニオブ・ガリウム合金(NbGa)、ニオブ・スズ合金(NbSn)等がある。
【0021】
従って、上記第一特徴構成にかかる方法を用いて超電導材料を生成することにより、所定の超電導材料を実用化する上での課題、即ち、超電導材料の粒子の組成のずれ及び不均一性の軽減、粗大化の防止、超電導材料の帯磁率特性の改良等を実現することができ、更に、当該超電導材料の応用範囲を拡大することが可能になる。
【0022】
同第三特徴構成は、特許請求の範囲の欄の請求項3に記載した如く、上記第一特徴構成または上記第二特徴構成に加えて、前記金属粒子は、Nb、V、Al、Mgから選択され、前記アモルファス粒子若しくは前記非金属粒子は、C、Ge、Si、B、Ga、Snから選択される点にある。
【0023】
即ち、同第三特徴構成によれば、金属粒子と非金属粒子若しくはアモルファス粒子の種類を特定して複合材料を生成する。ここで、炭化ニオブ(NbC)、ニオブ・ゲルマニウム合金(NbGe)、バナジウム・シリコン合金(VSi)、Nb−Al−Ge、二ホウ化マグネシウム(MgB)、ニオブ・ガリウム合金(NbGa)、ニオブ・スズ合金(NbSn)は、超電導材料として知られ、これらの超電導材料を構成する成分粒子(金属粒子では、Nb、V、Al、Mg、非金属粒子若しくはアモルファス粒子では、C、Ge、Si、B、Ga、Sn)を用いて複合粒子を生成することにより、超電導特性をもつ複合材料を生成することができると考えられる。
【0024】
同第四特徴構成は、特許請求の範囲の欄の請求項4に記載した如く、上記第一特徴構成から上記第三特徴構成のいずれかに加えて、前記金属粒子は、粒子径が0.1μm以上100μm以下であり、前記アモルファス粒子若しくは前記非金属粒子は、粒子径が0.01μm以上100μm以下である点にある。
【0025】
即ち、同第四特徴構成によれば、複合に用いられる粒子を、金属粒子は粒子径が0.1μm以上100μm以下に、アモルファス粒子若しくは非金属粒子は、粒子径が0.01μm以上100μm以下に特定する。
従来は、径の大きさの差が非常に大きい粒子を用いた場合、径の大きい粒子のごく表面層でしか複合材料が形成されなかったが、第一特徴構成に於ける複合材料の生成では、粉砕混合により、表面層で局所的且つ断続的に両者を融合させ、従来に比べ径の大きい粒子のより深い部分まで径の小さい粒子を埋設させることができ、本発明方法の効果が従来の技術と比してより期待できると考えられる。
【0026】
尚、具体的には、例えば、超電導材料である二ホウ化マグネシウム(MgB)を製造する場合、Mgの平均粒子径は45μm、Bの平均粒子径は0.1μmである。このような粒子について、粉砕混合し、局所的且つ断続的にMg粒子の表面層を溶融してMgBを生成することにより、MgBの特性の改良、取り扱いの容易化が期待できる。
【0027】
【発明の実施の形態】
本発明に係る粒子複合化方法(以下、適宜「本発明方法」と略称する)の実施の形態について、図面に基づいて説明する。
【0028】
本実施例では、金属粒子としてマグネシウム(Mg)と、非金属粒子としてホウ素(B)とを用い、粉体処理装置によりマグネシウム及びホウ素を含む混合粉体に加圧力とせん断力とを付与して粉砕混合し、局所的且つ断続的に粒子の表面層を溶融して、超電導材料である複合材料(二ホウ化マグネシウム、MgB)を生成する方法について説明する。
【0029】
本発明に用いる粉体処理装置の概略を図1及び図2に示す。
当該装置は、図1に示すように、主に、基台1に設置した略円筒形状のケーシング2、及び、ケーシング2の内部に設けた同じく略円筒形状の筒状回転体3、筒状回転体3との間に加圧力及びせん断力を発生させて混合粉体4を処理すべく筒状回転体3の内部に配設したプレスヘッド5とからなる。
【0030】
筒状回転体3は、図1、図2を参照して、軸心周りに回転自在に設けられ、筒状回転体3を回転させることで、筒状回転体3の内周面に形成した受け面6とプレスヘッド5とを相対回転させ、受け面6とプレスヘッド5との間の空間7に存する混合粉体4に加圧力及びせん断力を付与して、原料の複合化・混合等を行うものである。その結果、Mg粒子の表面層を局所的且つ断続的に溶融し、B粒子との化合物を生成させることができる。
【0031】
プレスヘッド5によって加圧力及びせん断力を付与された混合粉体4は、主に筒状回転体3の周壁8に設けた孔部9を介して外方に排出され、周壁8の外周部に形成した羽根部材10によって再び筒状回転体3の内部に循環させる。本構成にすることで、プレスヘッド5と受け面6との間に挟まれた混合粉体4を積極的に流動・循環させ、受け面6に対する混合粉体4の付着量を少なくすることができる。
【0032】
尚、原料の種類によっては、過大な加圧力或いはせん断力を加えると物性を損ねたりする場合がある。しかし、当該粉体処理装置のごとく、孔部9を介して混合粉体4を循環させる構成の装置を用いることとすれば、混合粉体4に作用させる加圧力・せん断力を適宜加減することができる。例えば、孔部9の開口面積を広く設定しておけば、混合粉体4は筒状回転体3の外部に容易に排出されるから、混合粉体4に対するプレスヘッド5の作用時間が短かくなり、混合粉体4に作用する加圧力が結果的に弱まることとなる。逆に、孔部9の開口面積を狭く設定しておけば、混合粉体4に対するプレスヘッド5の作用時間が長くなり、加圧力は強まることとなる。
【0033】
このように、本構成の粉体処理装置を用いる場合には、混合粉体4に作用させる加圧力・せん断力を任意に変更して最適な粉体処理条件を得ることが可能であり、優れた品質の製品を得ることができる。
【0034】
続いて、本実施例で用いるマグネシウム(Mg)及びホウ素(B)について、表1に示し、その製造について説明する。
本実施例で用いたMg及びBは、一般に市販されているものである。ここで、表1より、本実施例で用いたMgの平均粒子径は45μm、Bの平均粒子径は0.1μmであり、平均粒子径の差が非常に大きいと言える。
【0035】
本実施例では、これらの混合粉体を、図1に示した粉体処理装置により、複合化を実施し、複合材料Aを得、更に、乳鉢混合により複合材料Bを得た。尚、配合比は、本発明方法、乳鉢混合共に、[Mg]:[B]=1:2(モル比)、Mg:B=52.9:47.1(mass%)である。
【0036】
【表1】
Figure 2004124189
【0037】
次に、本実施例では更に、複合材料A、B共に、500℃、10時間、アルゴンガス中で焼成を実施した。図3は、焼成後の複合材料A(本発明方法)と、焼成後の複合材料B(乳鉢混合)とについて、帯磁率特性(e.m.u./g)と温度(K)との関係を示している。
【0038】
図3より、焼成後の複合材料A(本発明方法)は、焼成後の複合材料B(乳鉢混合)と比較して強い帯磁率特性を有することが読みとれる。具体的には、焼成後の複合材料A(本発明方法)、焼成後の複合材料B(乳鉢混合)共に36K〜38Kより帯磁率特性を示しはじめ、焼成後の複合材料A(本発明方法)は温度が低下するに伴って焼成後の複合材料B(乳鉢混合)より強い帯磁率特性を示している。4Kでは約500倍近い帯磁率特性を示していた。
【0039】
また、従来は、一般的には、乳鉢混合後、600℃〜630℃、10時間の熱処理を実施していた。この場合には、複合材料B(乳鉢混合)の帯磁率特性は、複合材料A(本発明方法)を500℃で10時間熱処理した場合の帯磁率特性と同じ帯磁率特性を示すという結果を得ている。さらに、複合材料A(本発明方法)を600℃で10時間熱処理した場合には、500℃で10時間熱処理した場合の略2倍の帯磁率特性を有するという結果も得ている。
【0040】
従って、従来方法では、良好な帯磁率特性結果を得るために600℃〜630℃の焼成温度を必要としていたが、本発明方法では500℃の焼成温度で良好な結果を得ることができ、焼成に要する温度を低く設定することができるものとなっている。また、従来と同様、630℃の温度で焼成を実施した場合には、従来に比べ非常に良好な(本実施例では略2倍の)結果を得ることができることから、複合材料の特性の改良が実現できていると言える。
【0041】
図4及び図5は、焼成前の複合材料A(本発明方法)及び焼成前の複合材料B(乳鉢混合)の結晶表面を示しており、粒子径の大きい(45μm)Mgの表面に、粒子径の小さい(0.1μm)Bが分散して付着している。図5と比較して、図4のMgの表面に付着しているBの数が著しく少なく大きさも小さいことが読みとれ、Mgの表面層のより深い部分にまでBが埋設されていると考えられる。
【0042】
図3の結果、及び、図4、図5より、本発明方法を用いた複合材料Aの方が、乳鉢混合による複合材料Bと比較して、ホウ素(B)が、マグネシウム(Mg)の表面から乳鉢混合の場合より深い領域にまで混合されていると考えられ、より多くの二ホウ化マグネシウム(MgB)が生成されていると言える。尚、金属粒子は、粒子径が0.1μm以上100μm以下、アモルファス粒子若しくは非金属粒子は、粒子径が0.01μm以上100μm以下であることが望ましいといえる。
【0043】
尚、本実施例では、金属粒子としてマグネシウムを、非金属粒子としてホウ素を用いたが、これに限るものではなく、金属粒子とアモルファス粒子若しくは非金属粒子のいずれか一方とを用いていればよい。但し、金属粒子は、Nb、V、Al、Mgから選択され、アモルファス粒子若しくは非金属粒子は、C、Ge、Si、B、Ga、Snから選択されることが望ましい。
【0044】
また、本実施例では、粒子の混合のために粉体処理装置を用いたが、これに限るものではない。粒子の混合粉体に加圧力とせん断力とを付与して粉砕混合し、局所的且つ断続的に粒子の表面層を溶融することが可能な任意の装置を用いて実施されて良い。更に、本実施例では焼成を行って結晶成長を促したが、必ずしも実施する必要はなく、また、他の方法を用いて結晶成長させてもよい。いずれの方法であっても本発明方法の目的を達成することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】粉体処理装置の概略立面図
【図2】粉体処理装置の概略平面図
【図3】本実施例及び従来技術によって生成された複合材料の帯磁率特性を示す図
【図4】本発明方法によって生成された複合材料の表面写真
【図5】従来方法によって生成された複合材料の表面写真
【符号の説明】
1 基台
2 ケーシング
3 筒状回転体
4 混合粉体
5 プレスヘッド
6 受け面
7 空間
8 周壁
9 孔部
10 羽根部材

Claims (4)

  1. 金属粒子とアモルファス粒子若しくは非金属粒子のいずれか一方とを含む少なくとも2種類の粒子を複合化し、複合材料を生成する粒子複合化方法であって、
    前記粒子の混合粉体に加圧力とせん断力とを付与して粉砕混合し、局所的且つ断続的に前記粒子の表面層を溶融して、前記複合材料を生成することを特徴とする粒子複合化方法。
  2. 前記複合材料は超電導材料であることを特徴とする請求項1記載の粒子複合化方法。
  3. 前記金属粒子は、Nb、V、Al、Mgから選択され、前記アモルファス粒子若しくは前記非金属粒子は、C、Ge、Si、B、Ga、Snから選択されることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の粒子複合化方法。
  4. 前記金属粒子は、粒子径が0.1μm以上100μm以下であり、前記アモルファス粒子若しくは前記非金属粒子は、粒子径が0.01μm以上100μm以下であることを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の粒子複合化方法。
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