JP2004124159A - 金属焼結体の製造方法、製造装置並びに金属焼結体及びそれを用いた水素吸蔵材料 - Google Patents
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Abstract
【課題】焼結効率が良く、しかも均一に焼結させることができる金属焼結体の製造方法、製造装置並びに金属焼結体及びそれを用いた水素吸蔵材料を提供する。
【解決手段】金属焼結体は、金属又はその合金の粉末又は同粉末により成形された成形体22をマイクロ波が透過可能な隔壁を備えた収容容器20内に収容するとともに、粉末又は成形体の周囲を粉末又は成形体より誘電損失が低いセラミックス粉末23で充填する。そして、粉末又は成形体に対してマイクロ波を照射して焼結することにより製造される。成形体はプレス成形法により成形されるのが好ましく、金属は周期律表で第5属に属する金属が好ましい。さらに、セラミックス粉末23の温度を測定することにより、粉末又は成形体の焼結温度を測定可能に構成するのが好ましい。
【選択図】 図1
【解決手段】金属焼結体は、金属又はその合金の粉末又は同粉末により成形された成形体22をマイクロ波が透過可能な隔壁を備えた収容容器20内に収容するとともに、粉末又は成形体の周囲を粉末又は成形体より誘電損失が低いセラミックス粉末23で充填する。そして、粉末又は成形体に対してマイクロ波を照射して焼結することにより製造される。成形体はプレス成形法により成形されるのが好ましく、金属は周期律表で第5属に属する金属が好ましい。さらに、セラミックス粉末23の温度を測定することにより、粉末又は成形体の焼結温度を測定可能に構成するのが好ましい。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、燃料電池車等として使用される水素吸蔵材料等に利用することができる金属焼結体の製造方法、その製造方法に使用される製造装置並びに製造される金属焼結体及びそれを用いた水素吸蔵材料に関するものである。より詳しくは、焼結効率が良く、しかも均一に焼結させることができる金属焼結体の製造方法、製造装置並びに金属焼結体及びそれを用いた水素吸蔵材料に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来の金属焼結体の製造方法は、まず金(Au)等の金属粉末と水溶性セルロース等の有機系バインダと水とを混練して金属粘土組成物を調製した後、金属粘土造形物を形成する。次いで、マイクロ波が透過可能な耐熱容器内に、粒径が5〜3500μmであるとともに流動性を有する活性炭等のマイクロ波吸収発熱粉粒体を収容し、金属粘土造形物をマイクロ波吸収発熱粉粒体中に埋没させた後に電子レンジにて2〜20分間加熱する。電子レンジによって照射されたマイクロ波は耐熱容器を透過した後にマイクロ波吸収発熱粉粒体に吸収され、マイクロ波吸収発熱粉粒体はマイクロ波の吸収によって発熱する。そして、この発熱によって金属粘土造形物をその外側から加熱して焼結させ、金属焼結体を製造している(例えば特許文献1参照。)。
【0003】
【特許文献1】
特開平9−227904号公報(第2−4頁)
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、この従来の金属焼結体の製造方法においては、金属粘土造形物をその外側から加熱するために、金属粘土造形物は周縁部から中心部に向かって加熱される。さらに、図5に示すように、金属粘土造形物中の金属粉末12は、金属粘土造形物が加熱されるに伴って周縁部から中心部に向かって加熱されて溶融されるために、周縁部から中心部に向かって加熱溶融部13が形成される。
【0005】
このため、加熱温度が低いときには、周縁部の加熱溶融部13によって熱が中心部に伝わるのを遮られることにより、金属粘土造形物及び金属粉末12の周縁部が加熱されるのみでそれらの中心部は加熱されず、加熱が不均一になる。よって、焼結が不均一になるという問題があった。また、金属粘土造形物は、マイクロ波による直接加熱ではなくセラミックス粉体の発熱による間接加熱によって加熱されるために、焼結効率が悪いという問題があった。
【0006】
本発明は、上記のような従来技術に存在する問題点に着目してなされたものである。その目的とするところは、焼結効率が良く、しかも均一に焼結させることができる金属焼結体の製造方法、製造装置並びに金属焼結体及びその用途を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成するために、請求項1に記載の発明の金属焼結体の製造方法は、金属又はその合金の粉末又は同粉末により成形された成形体をマイクロ波が透過可能な隔壁を備えた収容容器内に収容するとともに、粉末又は成形体の周囲を粉末又は成形体より誘電損失が低いセラミックス粉末で充填し、粉末又は成形体に対してマイクロ波を照射して焼結するものである。
【0008】
請求項2に記載の発明の金属焼結体の製造方法は、請求項1に記載の発明において、前記粉末の成形体は、プレス成形法により得られるものである。
請求項3に記載の発明の金属焼結体の製造方法は、請求項1又は請求項2に記載の発明において、前記セラミックス粉末は酸化物系セラミックス又は窒化物系セラミックスの粉末である。
【0009】
請求項4に記載の発明の金属焼結体の製造方法は、請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の発明において、前記金属は周期律表で第5族に属する金属であるである。
【0010】
請求項5に記載の発明の金属焼結体の製造方法は、請求項1から請求項4のいずれか一項に記載の発明において、前記セラミックス粉末の温度を測定することにより粉末又は成形体の焼結温度を測定可能に構成したものである。
【0011】
請求項6に記載の発明の金属焼結体の製造方法は、金属又はその合金の粉末又は同粉末により成形された成形体をマイクロ波が透過可能な隔壁を備えた複数の個別容器に収容し、粉末又は成形体の周囲を粉末又は成形体より誘電損失が低いセラミックス粉末で充填するとともに、搬送手段によって各個別容器をマイクロ波が透過可能な隔壁を備えた収容容器内で搬送し、各粉末又は各成形体に対してマイクロ波を照射して連続的に焼結するものである。
【0012】
請求項7に記載の発明の金属焼結体の製造装置は、金属又はその合金の粉末又は同粉末により成形された成形体が収容され、粉末又は成形体に照射されるマイクロ波が透過可能な隔壁を備えた収容容器と、粉末又は成形体の周囲を充填する粉末又は成形体より誘電損失が低いセラミックス粉末と、粉末又は成形体に対してマイクロ波を照射するマイクロ波発生手段とを備えたものである。
【0013】
請求項8に記載の発明の金属焼結体は、請求項1から請求項6のいずれか一項に記載の金属焼結体の製造方法により得られるものである。
請求項9に記載の発明の水素吸蔵材料は、請求項8に記載の金属焼結体よりなるものである。
【0014】
【発明の実施の形態】
(第1の実施形態)
以下、本発明の第1の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。
【0015】
図1に示すように、金属焼結体の製造装置11を構成するチャンバ14はステンレス鋼等によって四角箱状に形成され、その内面はマイクロ波を反射可能に構成されている。チャンバ14の底壁の両側部には、円筒状の導入管15を介してマイクロ波発生手段としてのマイクロ波発振器16がそれぞれ接続されている。そして、各マイクロ波発振器16から出力されたマイクロ波が、導入管15内を経由してチャンバ14にそれぞれ入射されるように構成されている。
【0016】
各マイクロ波発振器16から出力されるマイクロ波の周波数は好ましくは0.9〜100GHz、より好ましくは0.9〜10GHz、特に好ましくは2.45GHzである。0.9GHz未満では、波長が長くなりすぎるとともにマイクロ波の吸収率の低下を招く。一方、100GHzを超えると、高価なマイクロ波発振器16が必要となるため、金属焼結体の製造コストが嵩むおそれがある。マイクロ波発振器16から出力されるマイクロ波の周波数を2.45GHzとした場合には、マイクロ波発振器16を比較的小型で低価格なもので済ませることができる。
【0017】
チャンバ14の両側壁において、各マイクロ波発振器16の上方位置には、先端部に撹拌羽根17が取付けられた回転軸18がそれぞれ貫通支持されている。各撹拌羽根17は、マイクロ波を反射するとともに、各回転軸18の基端部に取付けられた駆動モータ19によって回転軸18を中心として回転されるようにそれぞれ構成されている。そして、各導入管15内を経由してチャンバ14に入射されたマイクロ波が、回転されている撹拌羽根17で反射して拡散されるように構成されている。
【0018】
チャンバ14内の中央部には、四角箱状に形成されるとともに内部に収容容器20が配設可能に構成されている断熱容器21が配設されている。断熱容器21は、酸化アルミニウムファイバーや発泡酸化アルミニウム等のマイクロ波が透過可能であるとともに断熱性を有する材料により形成されている。
【0019】
収容容器20は、略有底円筒状の容器本体20aと円板状の蓋板20bとを備えている。容器本体20a及び蓋板20bは酸化アルミニウム等のマイクロ波が透過可能な材料によりそれぞれ形成され、これら容器本体20a及び蓋板20bによってマイクロ波が透過可能な隔壁が構成されている。容器本体には図示しないガス逃がし弁が取付けられ、収容容器20内のガス圧が高いときには、ガス逃がし弁によって収容容器20外へガスを放出することができるように構成されている。
【0020】
収容容器20は、その内部に被焼結体22が収容されるとともに、被焼結体22の周囲を被焼結体22より誘電損失が低いセラミックス粉末23(以下、単にセラミックス粉末ともいう)で充填されるように構成され、被焼結体22の表面を外気から遮断するようになっている。ここで、セラミックス粉末23は、被焼結体22より誘電損失が低いためにマイクロ波を吸収する割合が被焼結体22に比べて低く、マイクロ波が照射されたときにはそのマイクロ波を透過して被焼結体22に照射させることができるようになっている。さらに、外気から遮断とは、被焼結体22の表面が外気から完全に遮断される場合だけでなく、被焼結体22の内部における空気量比と表面における空気量比とが同じ値となるように外気と接触する場合を含む概念である。
【0021】
セラミックス粉末23は、被焼結体22に比べて誘電損失がより低いことによってマイクロ波を透過する割合がより高いために、酸化物系セラミックス又は窒化物系セラミックスの粉末が好ましい。酸化物系セラミックスの具体例としては酸化マグネシウム(MgO)、酸化アルミニウム(Al2O2)、二酸化ケイ素(SiO2)等が挙げられ、窒化物系セラミックスの具体例としては窒化ホウ素(BN)や図2に示す誘電損失を有する窒化ケイ素(Si3N4)等が挙げられる。ここで、焼結温度が1200℃以下では酸化マグネシウムが好ましく、焼結温度が約1500℃では酸化アルミニウムが好ましい。さらに、焼結温度が約1800℃では窒化ホウ素が好ましい。
【0022】
セラミックス粉末23の粒径は好ましくは1〜300μmである。1μm未満では、粒径が小さいために被焼結体22の内部にセラミックス粉末23が入り、製造される金属焼結体の純度の低下を招く。一方、300μmを超えると、充填されたセラミックス粉末23間の空隙が大きく過度に外気が入るために、被焼結体の表面を外気から遮断するのが困難になる。
【0023】
チャンバ14及び断熱容器21の上壁には円孔状の測定孔24がそれぞれ貫通形成され、チャンバ14の上方には赤外放射温度計25が配設されている。そして、金属焼結体が製造されるときには、赤外放射温度計25が各測定孔24及び断熱容器21内に配設された収容容器20を介してセラミックス粉末23の温度を測定することにより、被焼結体22の焼結温度を測定可能に構成されている。
【0024】
被焼結体22は、金属又はその合金の粉末により成形された成形体よりなるものである。このため、セラミックス粉末23は成形体よりも誘電損失が低い。金属又はその合金としてはいずれの種類の金属又はその合金でも使用可能であるが、金属焼結体を水素吸蔵材料として構成するときには、水素吸蔵能力が高いために、周期律表で第5属に属する金属、即ちバナジウム(V)、ニオブ(Nb)、タンタル(Ta)が好ましい。
【0025】
粉末の粒径は好ましくは0.1〜250μmである。0.1μm未満では、粒径が小さいために粉末の製造コストが嵩むおそれがある。一方、250μmを超えると、成形体を成形するときに粉末間に生じる空隙が大きくなることにより、被焼結体22を焼結するときにその収縮率を増す傾向にある。
【0026】
さて、金属焼結体を製造するときには、まず金属又はその合金の粉末から成形体を所定形状に成形して被焼結体22を得る。ここで、成形体は、その密度を向上させるためにプレス成形法により成形されるのが好ましい。次いで、被焼結体22を収容容器20内に収容するとともに被焼結体22の周囲をセラミックス粉末23で充填する。このとき、セラミックス粉末23の空孔率は、被焼結体22の表面における空気量比を内部における空気量比以下にするために、被焼結体22の空孔率以下が好ましい。
【0027】
続いて、収容容器20を断熱容器21内に配設した後、撹拌羽根17を回転させるとともにマイクロ波発振器16を作動させて、マイクロ波をチャンバ14に入射させる。チャンバ14に入射されたマイクロ波は、撹拌羽根17によって拡散されるとともにチャンバ14の内面によって反射され、断熱容器21及び収容容器20を透過してセラミックス粉末23に照射される。このとき、セラミックス粉末23は、照射されたマイクロ波のほとんどを透過して被焼結体22に照射させることができる。
【0028】
そして、被焼結体22に照射されたマイクロ波は、被焼結体22に吸収されることによって熱エネルギーに変換される。このとき、被焼結体22には、撹拌及び反射されたマイクロ波が多方向から照射されるために、その中心部が周縁部に比べて照射されるマイクロ波の量が多い。このため、被焼結体22を中心部から周縁部に向かって加熱することができる。さらに、図3に示すように、被焼結体中の粉末26は、被焼結体22と同様に中心部から周縁部に向かって加熱されて溶融されるために、中心部から周縁部に向かって加熱溶融部13が形成される。
【0029】
続いて、粉末26全体が加熱溶融された後、加熱溶融された粉末26同士が結合することによって焼結され、金属焼結体が製造される。このとき、被焼結体22の表面はセラミックス粉末23によって外気から実質上遮断されているために、表面に金属の酸化膜がほとんど形成されることなく金属焼結体を製造することができる。
【0030】
さらに、金属焼結体の内部においても、金属がほとんど酸化されることなく製造することができる。これは、被焼結体22の空孔中に残存する酸素等によって粉末26の周縁部に金属の酸化膜が形成されていても、粉末26が加熱されるときに近接する粉末26間で電子の多重衝突が起こる。そして、この電子の多重衝突によって金属の酸化膜から酸素が取出され、粉末26同士が結合するときに被焼結体22の外部に押出されるためと推測される。
【0031】
ここで、被焼結体22の外部に押出された酸素等のガスは、容器本体20aに取付けられた図示しないガス逃がし弁によって、収容容器20外に放出することができる。被焼結体22が加熱されるときには、その熱によってセラミックス粉末23が加熱される。このため、赤外放射温度計25によって加熱されたセラミックス粉末23の温度を測定することにより、被焼結体22の焼結温度を測定することができる。
【0032】
以上詳述した第1の実施形態によれば、次のような効果が発揮される。
・ 第1の実施形態においては、金属焼結体は、金属又はその合金の粉末により成形された成形体よりなる被焼結体22を収容容器20内に収容するとともに、被焼結体22の周囲をセラミックス粉末23で充填する。そして、被焼結体22にマイクロ波を照射して焼結することによって製造される。よって、被焼結体22の中心部から周縁部に向かって加熱することができるために、被焼結体22の中心部に未加熱部が形成されることなく均一に加熱することでき、均一に焼結することができる。さらに、被焼結体22を直接加熱することによって従来の金属焼結体の製造方法に比べて焼結効率を向上させることができるとともに、ほとんど酸化されることなく金属焼結体を製造することができる。
【0033】
ここで、製造される金属焼結体の表面に金属の酸化膜が形成されるのを防止するために、セラミックス粉末23の代わりに水素等の還元性ガスやアルゴン、窒素等の不活性ガスを収容容器内に充填することが考えられる。しかし、水素は取り扱いに注意が必要であるとともに、収容容器20内の雰囲気を水素雰囲気下に制御する必要があるために、金属焼結体の製造が煩雑になる。
【0034】
上記に比べて第1の実施形態では、被焼結体22の周囲をセラミックス粉末23で充填することによって大気雰囲気中で金属焼結体を製造することができるために、金属焼結体を容易に製造することができる。さらに、製造された金属焼結体により構成された水素吸蔵材料は、金属焼結体が均一に焼結されることにより、均一に水素吸蔵能力を有することができる。
【0035】
・ 成形体は、プレス成形法により成形されるのが好ましい。この場合、成形体の密度が向上されることにより、焼結されるときに収縮率を低下させることができる。
【0036】
・ セラミックス粉末23は、酸化物系セラミックス又は窒化物系セラミックスの粉末が好ましい。この場合、マイクロ波を透過する割合がより高いために、被焼結体22に照射されるマイクロ波の量を向上させることができる。
【0037】
・ 金属は周期律表で第5属に属する金属が好ましい。この場合、製造される金属焼結体を水素吸蔵材料として構成することができる。
・ 第1の実施形態の金属焼結体の製造装置11においては、チャンバ14の上方に配設された赤外放射温度計25によってセラミックス粉末23の温度を測定することにより、被焼結体22の焼結温度を測定可能に構成されている。このため、被焼結体22の焼結温度を容易に測定することができる。
【0038】
・ 収容容器20は断熱容器21内に配設されている。ここで、被焼結体22が加熱されるときには、その熱によってセラミックス粉末23が加熱された後に収容容器20が加熱され、さらに収容容器20と断熱容器21との間の外気が加熱される。この外気は断熱容器21によって収容容器20と断熱容器21との間に滞留するために、収容容器20が撹拌羽根17の回転等によって冷却されるのを防止するこができる。よって、収容容器20が冷却されることによってセラミックス粉末23を介して被焼結体22が冷却されるのを防止することにより、金属焼結体を製造するときに焼結温度が低下するのを防止することができる。
(第2の実施形態)
以下、本発明の第2の実施形態を図4に基づいて詳細に説明する。尚、この第2の実施形態については、第1の実施形態と異なる点を中心に説明する。
【0039】
金属焼結体の製造装置11を構成する収容容器20は、横方向に延びるとともに、中央部の上壁が両側部の上壁より上方に位置する筒状に形成されている。収容容器20内の中央部は、その両側に取付けられた扉27によって開放又は閉塞されるように構成されている。
【0040】
収容容器20の中央部の上方には図示しないマイクロ波発振器が配設され、収容容器20の上壁において、マイクロ波発振器の下方位置には先端部に撹拌羽根17が取付けられた回転軸18が貫通支持されている。そして、収容容器20を透過したマイクロ波が回転されている撹拌羽根17で反射し、拡散されるように構成されている。
【0041】
収容容器20の底壁上において、両側部にはローラコンベア28がそれぞれ配設されるとともに、中央部には複数のローラ29が配設されている。そして、これらローラコンベア28及びローラ29によって搬送手段が構成され、図4の矢視線で示すように、収容容器20内の一側側から他側側に向かって複数の後述する個別容器30が搬送されるように構成されている。
【0042】
個別容器30は、板状の底板30aと、円筒状の容器本体30bと、円板状の蓋板30cとを備えている。底板30a、容器本体30b及び蓋板30cは酸化アルミニウム等のマイクロ波が透過可能な材料によりそれぞれ形成され、これら底板30a、容器本体30b及び蓋板30cによってマイクロ波が透過可能な隔壁が構成されている。容器本体30bには図示しないガス逃がし弁が取付けられ、個別容器30内のガス圧が高いときには、ガス逃がし弁によって個別容器外へガスを放出することができるように構成されている。
【0043】
個別容器30は、その内部に被焼結体22が収容されるとともに、被焼結体22の周囲をセラミックス粉末23で充填されるように構成され、被焼結体22の表面を外気から遮断するようになっている。
【0044】
さて、金属焼結体を製造するときには、まず複数の個別容器30内に被焼結体22をそれぞれ収容するとともに、各被焼結体22の周囲をセラミックス粉末23でそれぞれ充填する。次いで、各個別容器30を一側側のローラコンベア28上に配設した後、各ローラコンベア28及びローラ29を作動させて各個別容器30を他側側へ搬送する。
【0045】
続いて、複数の個別容器30の内の他側側に位置する個別容器30が、収容容器20の中央部の他側側の端部に到達したときには、各ローラコンベア28及びローラ29を停止するとともに収容容器20の中央部を閉塞する。そして、撹拌羽根17を回転させるとともにマイクロ波発振器を作動させ、収容容器20の中央部内に位置する各個別容器30内の被焼結体22にマイクロ波を照射し、金属焼結体をそれぞれ製造する。
【0046】
そして、撹拌羽根17の回転及びマイクロ波発振器を停止するとともに収容容器20の中央部を開放した後、各ローラコンベア28及びローラ29を作動させて、マイクロ波が被焼結体22に照射された各個別容器30を、収容容器20の中央部から他側側へ搬送する。次いで、マイクロ波が被焼結体22に照射されていない個別容器30の内の他側側に位置する個別容器30が、収容容器20の中央部の他側側の端部に到達したときには、上述と同様にして金属焼結体を製造する。
【0047】
従って、第2の実施形態においては、複数の個別容器30の各被焼結体22に連続してマイクロ波を照射することにより、金属焼結体を連続して製造することができる。
【0048】
なお、前記各実施形態を次のように変更して構成することもできる。
・ 前記各実施形態において、被焼結体22を金属又はその合金の粉末によって構成してもよい。
【0049】
・ 前記第2の実施形態において、扉27を省略するとともに各ローラコンベア28及びローラ29を一旦停止させることなく常に作動させることによって、複数の個別容器30が連続して収容容器20内を搬送されるように構成してもよい。
【0050】
・ 前記各実施形態において、マイクロ波発振器から出力されるマイクロ波の周波数が常に一定になるように構成してもよいし、焼結の時間経過とともに変化するように構成してもよい。このように構成した場合、焼結の時間経過とともにマイクロ波の周波数を変化することにより、焼結温度を容易に調節することができる。
【0051】
【実施例】
次に、実施例を挙げて前記実施形態をさらに具体的に説明する。
(実施例1〜14)
表1に示す各組成の金属又はその合金の粉末から、実施例1〜14の各成形体をプレス成形法によりそれぞれ成形した。ここで、実施例1〜10における粉末の粒径は2〜3μm程度であり、実施例11〜14における粉末の粒径は100〜150μm程度である。各実施例においては、表1に示す重量の粉末から成形体を成形し、各成形体の寸法はそれぞれ縦40mm、横10mm及び厚さ5mmとした。次いで、各成形体の相対密度を測定した後、第1の実施形態の金属焼結体の製造装置11を用いて、表1に示す焼成条件によって金属焼結体をそれぞれ得た。そして、金属焼結体の密度、相対密度及び空孔率を測定した。それらの結果を表1に示す。
【0052】
【表1】
表1に示すように、実施例1、実施例2、実施例5及び実施例7〜10においては、空孔率が大きいためにその構造はポーラスであり、ポーラスの構造を要する用途に使用することができた。実施例3、実施例4及び実施例6においては、空孔率が小さいために緻密な構造を有し、緻密な構造を要する用途に使用することができた。実施例11〜実施例14においては、バナジウムにより形成されているとともに空孔率が大きいために、得られた金属焼結体は水素吸蔵材料として使用することができた。さらに、各実施例の金属焼結体の断面を電子顕微鏡で観察したところ、それぞれ均一に焼結されていた。
(実施例15)
実施例15においては、粒径が100〜150μm程度のバナジウムの粉末8gから、プレス成形法により縦40mm、横10mm及び厚さ5mmの成形体を成形した。次いで、実施例1と同様にして金属焼結体を得た。ここで、焼結温度は1610℃とし、焼結時間は5分間とした。次いで、得られた金属焼結体の質量を測定した後に水素雰囲気下で3分間放置した。このとき、500℃程度に加熱するとともに、0.5MPa程度にまで加圧した。ここで、バナジウムは、下記反応式(1)及び下記反応式(2)に示すように、水素と反応してバナジウム水素化物となった。
【0053】
V+H→VH …(1)
V+2H→VH2 …(2)
そして、放置後の金属焼結体の質量を測定した。その結果、放置前の質量は6.79gであったのに対して放置後は7.01gとなり、質量が0.22g増加していた。バラジウム水素化物におけるバナジウムと水素との原子比の平均は、バナジウム:水素=1:1.7であった。このため、実施例15の金属焼結体は水素吸蔵能力を有していた。
【0054】
次に、前記実施形態から把握できる技術的思想について以下に記載する。
・ 前記セラミックス粉末の空孔率は、粉末又は成形体の空孔率以下に設定されている請求項1から請求項6のいずれか一項に記載の金属焼結体の製造方法。この構成によれば、粉末又は成形体の表面における空気量比を内部における空気量比以下にすることにより、表面に金属の酸化膜がほとんど形成されることなく金属焼結体を製造することができる。
【0055】
【発明の効果】
本発明は、以上のように構成されているため、次のような効果を奏する。
請求項1に記載の発明の金属焼結体の製造方法及び請求項7に記載の金属焼結体の製造装置によれば、焼結効率が良く、しかも均一に焼結させることができる。
【0056】
請求項2に記載の発明の金属焼結体の製造方法によれば、請求項1に記載の発明の効果に加え、焼結されるときに収縮率を低下させることができる。
請求項3に記載の発明の金属焼結体の製造方法によれば、請求項1又は請求項2に記載の発明の効果に加え、粉末又は成形体に照射されるマイクロ波の量を向上させることができる。
【0057】
請求項4に記載の発明の金属焼結体の製造方法によれば、請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の発明の効果に加え、製造される金属焼結体を水素吸蔵材料として構成することができる。
【0058】
請求項5に記載の発明の金属焼結体の製造方法によれば、請求項1から請求項4のいずれか一項に記載の発明の効果に加え、粉末又は成形体の焼結温度を容易に測定することができる。
【0059】
請求項6に記載の発明の金属焼結体の製造方法によれば、焼結効率が良く、しかも均一に焼結させることができるとともに、金属焼結体を連続して製造することができる。
【0060】
請求項8に記載の発明の金属焼結体によれば、焼結を均一にすることができる。
請求項9に記載の発明の水素吸蔵材料によれば、均一に水素吸蔵能力を有することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1の実施形態の金属焼結体の製造装置を示す概念図。
【図2】誘電損失と温度との関係を示すグラフ。
【図3】粉末を示す断面図。
【図4】第2の実施形態の金属焼結体の製造装置を示す概念図。
【図5】金属粉末を示す断面図。
【符号の説明】
11…金属焼結体の製造装置、16…マイクロ波発生手段としてのマイクロ波発振器、20…収容容器、23…セラミックス粉末、26…粉末、28…搬送手段を構成するローラコンベア、29…搬送手段を構成するローラ、30…個別容器。
【発明の属する技術分野】
本発明は、燃料電池車等として使用される水素吸蔵材料等に利用することができる金属焼結体の製造方法、その製造方法に使用される製造装置並びに製造される金属焼結体及びそれを用いた水素吸蔵材料に関するものである。より詳しくは、焼結効率が良く、しかも均一に焼結させることができる金属焼結体の製造方法、製造装置並びに金属焼結体及びそれを用いた水素吸蔵材料に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来の金属焼結体の製造方法は、まず金(Au)等の金属粉末と水溶性セルロース等の有機系バインダと水とを混練して金属粘土組成物を調製した後、金属粘土造形物を形成する。次いで、マイクロ波が透過可能な耐熱容器内に、粒径が5〜3500μmであるとともに流動性を有する活性炭等のマイクロ波吸収発熱粉粒体を収容し、金属粘土造形物をマイクロ波吸収発熱粉粒体中に埋没させた後に電子レンジにて2〜20分間加熱する。電子レンジによって照射されたマイクロ波は耐熱容器を透過した後にマイクロ波吸収発熱粉粒体に吸収され、マイクロ波吸収発熱粉粒体はマイクロ波の吸収によって発熱する。そして、この発熱によって金属粘土造形物をその外側から加熱して焼結させ、金属焼結体を製造している(例えば特許文献1参照。)。
【0003】
【特許文献1】
特開平9−227904号公報(第2−4頁)
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、この従来の金属焼結体の製造方法においては、金属粘土造形物をその外側から加熱するために、金属粘土造形物は周縁部から中心部に向かって加熱される。さらに、図5に示すように、金属粘土造形物中の金属粉末12は、金属粘土造形物が加熱されるに伴って周縁部から中心部に向かって加熱されて溶融されるために、周縁部から中心部に向かって加熱溶融部13が形成される。
【0005】
このため、加熱温度が低いときには、周縁部の加熱溶融部13によって熱が中心部に伝わるのを遮られることにより、金属粘土造形物及び金属粉末12の周縁部が加熱されるのみでそれらの中心部は加熱されず、加熱が不均一になる。よって、焼結が不均一になるという問題があった。また、金属粘土造形物は、マイクロ波による直接加熱ではなくセラミックス粉体の発熱による間接加熱によって加熱されるために、焼結効率が悪いという問題があった。
【0006】
本発明は、上記のような従来技術に存在する問題点に着目してなされたものである。その目的とするところは、焼結効率が良く、しかも均一に焼結させることができる金属焼結体の製造方法、製造装置並びに金属焼結体及びその用途を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成するために、請求項1に記載の発明の金属焼結体の製造方法は、金属又はその合金の粉末又は同粉末により成形された成形体をマイクロ波が透過可能な隔壁を備えた収容容器内に収容するとともに、粉末又は成形体の周囲を粉末又は成形体より誘電損失が低いセラミックス粉末で充填し、粉末又は成形体に対してマイクロ波を照射して焼結するものである。
【0008】
請求項2に記載の発明の金属焼結体の製造方法は、請求項1に記載の発明において、前記粉末の成形体は、プレス成形法により得られるものである。
請求項3に記載の発明の金属焼結体の製造方法は、請求項1又は請求項2に記載の発明において、前記セラミックス粉末は酸化物系セラミックス又は窒化物系セラミックスの粉末である。
【0009】
請求項4に記載の発明の金属焼結体の製造方法は、請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の発明において、前記金属は周期律表で第5族に属する金属であるである。
【0010】
請求項5に記載の発明の金属焼結体の製造方法は、請求項1から請求項4のいずれか一項に記載の発明において、前記セラミックス粉末の温度を測定することにより粉末又は成形体の焼結温度を測定可能に構成したものである。
【0011】
請求項6に記載の発明の金属焼結体の製造方法は、金属又はその合金の粉末又は同粉末により成形された成形体をマイクロ波が透過可能な隔壁を備えた複数の個別容器に収容し、粉末又は成形体の周囲を粉末又は成形体より誘電損失が低いセラミックス粉末で充填するとともに、搬送手段によって各個別容器をマイクロ波が透過可能な隔壁を備えた収容容器内で搬送し、各粉末又は各成形体に対してマイクロ波を照射して連続的に焼結するものである。
【0012】
請求項7に記載の発明の金属焼結体の製造装置は、金属又はその合金の粉末又は同粉末により成形された成形体が収容され、粉末又は成形体に照射されるマイクロ波が透過可能な隔壁を備えた収容容器と、粉末又は成形体の周囲を充填する粉末又は成形体より誘電損失が低いセラミックス粉末と、粉末又は成形体に対してマイクロ波を照射するマイクロ波発生手段とを備えたものである。
【0013】
請求項8に記載の発明の金属焼結体は、請求項1から請求項6のいずれか一項に記載の金属焼結体の製造方法により得られるものである。
請求項9に記載の発明の水素吸蔵材料は、請求項8に記載の金属焼結体よりなるものである。
【0014】
【発明の実施の形態】
(第1の実施形態)
以下、本発明の第1の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。
【0015】
図1に示すように、金属焼結体の製造装置11を構成するチャンバ14はステンレス鋼等によって四角箱状に形成され、その内面はマイクロ波を反射可能に構成されている。チャンバ14の底壁の両側部には、円筒状の導入管15を介してマイクロ波発生手段としてのマイクロ波発振器16がそれぞれ接続されている。そして、各マイクロ波発振器16から出力されたマイクロ波が、導入管15内を経由してチャンバ14にそれぞれ入射されるように構成されている。
【0016】
各マイクロ波発振器16から出力されるマイクロ波の周波数は好ましくは0.9〜100GHz、より好ましくは0.9〜10GHz、特に好ましくは2.45GHzである。0.9GHz未満では、波長が長くなりすぎるとともにマイクロ波の吸収率の低下を招く。一方、100GHzを超えると、高価なマイクロ波発振器16が必要となるため、金属焼結体の製造コストが嵩むおそれがある。マイクロ波発振器16から出力されるマイクロ波の周波数を2.45GHzとした場合には、マイクロ波発振器16を比較的小型で低価格なもので済ませることができる。
【0017】
チャンバ14の両側壁において、各マイクロ波発振器16の上方位置には、先端部に撹拌羽根17が取付けられた回転軸18がそれぞれ貫通支持されている。各撹拌羽根17は、マイクロ波を反射するとともに、各回転軸18の基端部に取付けられた駆動モータ19によって回転軸18を中心として回転されるようにそれぞれ構成されている。そして、各導入管15内を経由してチャンバ14に入射されたマイクロ波が、回転されている撹拌羽根17で反射して拡散されるように構成されている。
【0018】
チャンバ14内の中央部には、四角箱状に形成されるとともに内部に収容容器20が配設可能に構成されている断熱容器21が配設されている。断熱容器21は、酸化アルミニウムファイバーや発泡酸化アルミニウム等のマイクロ波が透過可能であるとともに断熱性を有する材料により形成されている。
【0019】
収容容器20は、略有底円筒状の容器本体20aと円板状の蓋板20bとを備えている。容器本体20a及び蓋板20bは酸化アルミニウム等のマイクロ波が透過可能な材料によりそれぞれ形成され、これら容器本体20a及び蓋板20bによってマイクロ波が透過可能な隔壁が構成されている。容器本体には図示しないガス逃がし弁が取付けられ、収容容器20内のガス圧が高いときには、ガス逃がし弁によって収容容器20外へガスを放出することができるように構成されている。
【0020】
収容容器20は、その内部に被焼結体22が収容されるとともに、被焼結体22の周囲を被焼結体22より誘電損失が低いセラミックス粉末23(以下、単にセラミックス粉末ともいう)で充填されるように構成され、被焼結体22の表面を外気から遮断するようになっている。ここで、セラミックス粉末23は、被焼結体22より誘電損失が低いためにマイクロ波を吸収する割合が被焼結体22に比べて低く、マイクロ波が照射されたときにはそのマイクロ波を透過して被焼結体22に照射させることができるようになっている。さらに、外気から遮断とは、被焼結体22の表面が外気から完全に遮断される場合だけでなく、被焼結体22の内部における空気量比と表面における空気量比とが同じ値となるように外気と接触する場合を含む概念である。
【0021】
セラミックス粉末23は、被焼結体22に比べて誘電損失がより低いことによってマイクロ波を透過する割合がより高いために、酸化物系セラミックス又は窒化物系セラミックスの粉末が好ましい。酸化物系セラミックスの具体例としては酸化マグネシウム(MgO)、酸化アルミニウム(Al2O2)、二酸化ケイ素(SiO2)等が挙げられ、窒化物系セラミックスの具体例としては窒化ホウ素(BN)や図2に示す誘電損失を有する窒化ケイ素(Si3N4)等が挙げられる。ここで、焼結温度が1200℃以下では酸化マグネシウムが好ましく、焼結温度が約1500℃では酸化アルミニウムが好ましい。さらに、焼結温度が約1800℃では窒化ホウ素が好ましい。
【0022】
セラミックス粉末23の粒径は好ましくは1〜300μmである。1μm未満では、粒径が小さいために被焼結体22の内部にセラミックス粉末23が入り、製造される金属焼結体の純度の低下を招く。一方、300μmを超えると、充填されたセラミックス粉末23間の空隙が大きく過度に外気が入るために、被焼結体の表面を外気から遮断するのが困難になる。
【0023】
チャンバ14及び断熱容器21の上壁には円孔状の測定孔24がそれぞれ貫通形成され、チャンバ14の上方には赤外放射温度計25が配設されている。そして、金属焼結体が製造されるときには、赤外放射温度計25が各測定孔24及び断熱容器21内に配設された収容容器20を介してセラミックス粉末23の温度を測定することにより、被焼結体22の焼結温度を測定可能に構成されている。
【0024】
被焼結体22は、金属又はその合金の粉末により成形された成形体よりなるものである。このため、セラミックス粉末23は成形体よりも誘電損失が低い。金属又はその合金としてはいずれの種類の金属又はその合金でも使用可能であるが、金属焼結体を水素吸蔵材料として構成するときには、水素吸蔵能力が高いために、周期律表で第5属に属する金属、即ちバナジウム(V)、ニオブ(Nb)、タンタル(Ta)が好ましい。
【0025】
粉末の粒径は好ましくは0.1〜250μmである。0.1μm未満では、粒径が小さいために粉末の製造コストが嵩むおそれがある。一方、250μmを超えると、成形体を成形するときに粉末間に生じる空隙が大きくなることにより、被焼結体22を焼結するときにその収縮率を増す傾向にある。
【0026】
さて、金属焼結体を製造するときには、まず金属又はその合金の粉末から成形体を所定形状に成形して被焼結体22を得る。ここで、成形体は、その密度を向上させるためにプレス成形法により成形されるのが好ましい。次いで、被焼結体22を収容容器20内に収容するとともに被焼結体22の周囲をセラミックス粉末23で充填する。このとき、セラミックス粉末23の空孔率は、被焼結体22の表面における空気量比を内部における空気量比以下にするために、被焼結体22の空孔率以下が好ましい。
【0027】
続いて、収容容器20を断熱容器21内に配設した後、撹拌羽根17を回転させるとともにマイクロ波発振器16を作動させて、マイクロ波をチャンバ14に入射させる。チャンバ14に入射されたマイクロ波は、撹拌羽根17によって拡散されるとともにチャンバ14の内面によって反射され、断熱容器21及び収容容器20を透過してセラミックス粉末23に照射される。このとき、セラミックス粉末23は、照射されたマイクロ波のほとんどを透過して被焼結体22に照射させることができる。
【0028】
そして、被焼結体22に照射されたマイクロ波は、被焼結体22に吸収されることによって熱エネルギーに変換される。このとき、被焼結体22には、撹拌及び反射されたマイクロ波が多方向から照射されるために、その中心部が周縁部に比べて照射されるマイクロ波の量が多い。このため、被焼結体22を中心部から周縁部に向かって加熱することができる。さらに、図3に示すように、被焼結体中の粉末26は、被焼結体22と同様に中心部から周縁部に向かって加熱されて溶融されるために、中心部から周縁部に向かって加熱溶融部13が形成される。
【0029】
続いて、粉末26全体が加熱溶融された後、加熱溶融された粉末26同士が結合することによって焼結され、金属焼結体が製造される。このとき、被焼結体22の表面はセラミックス粉末23によって外気から実質上遮断されているために、表面に金属の酸化膜がほとんど形成されることなく金属焼結体を製造することができる。
【0030】
さらに、金属焼結体の内部においても、金属がほとんど酸化されることなく製造することができる。これは、被焼結体22の空孔中に残存する酸素等によって粉末26の周縁部に金属の酸化膜が形成されていても、粉末26が加熱されるときに近接する粉末26間で電子の多重衝突が起こる。そして、この電子の多重衝突によって金属の酸化膜から酸素が取出され、粉末26同士が結合するときに被焼結体22の外部に押出されるためと推測される。
【0031】
ここで、被焼結体22の外部に押出された酸素等のガスは、容器本体20aに取付けられた図示しないガス逃がし弁によって、収容容器20外に放出することができる。被焼結体22が加熱されるときには、その熱によってセラミックス粉末23が加熱される。このため、赤外放射温度計25によって加熱されたセラミックス粉末23の温度を測定することにより、被焼結体22の焼結温度を測定することができる。
【0032】
以上詳述した第1の実施形態によれば、次のような効果が発揮される。
・ 第1の実施形態においては、金属焼結体は、金属又はその合金の粉末により成形された成形体よりなる被焼結体22を収容容器20内に収容するとともに、被焼結体22の周囲をセラミックス粉末23で充填する。そして、被焼結体22にマイクロ波を照射して焼結することによって製造される。よって、被焼結体22の中心部から周縁部に向かって加熱することができるために、被焼結体22の中心部に未加熱部が形成されることなく均一に加熱することでき、均一に焼結することができる。さらに、被焼結体22を直接加熱することによって従来の金属焼結体の製造方法に比べて焼結効率を向上させることができるとともに、ほとんど酸化されることなく金属焼結体を製造することができる。
【0033】
ここで、製造される金属焼結体の表面に金属の酸化膜が形成されるのを防止するために、セラミックス粉末23の代わりに水素等の還元性ガスやアルゴン、窒素等の不活性ガスを収容容器内に充填することが考えられる。しかし、水素は取り扱いに注意が必要であるとともに、収容容器20内の雰囲気を水素雰囲気下に制御する必要があるために、金属焼結体の製造が煩雑になる。
【0034】
上記に比べて第1の実施形態では、被焼結体22の周囲をセラミックス粉末23で充填することによって大気雰囲気中で金属焼結体を製造することができるために、金属焼結体を容易に製造することができる。さらに、製造された金属焼結体により構成された水素吸蔵材料は、金属焼結体が均一に焼結されることにより、均一に水素吸蔵能力を有することができる。
【0035】
・ 成形体は、プレス成形法により成形されるのが好ましい。この場合、成形体の密度が向上されることにより、焼結されるときに収縮率を低下させることができる。
【0036】
・ セラミックス粉末23は、酸化物系セラミックス又は窒化物系セラミックスの粉末が好ましい。この場合、マイクロ波を透過する割合がより高いために、被焼結体22に照射されるマイクロ波の量を向上させることができる。
【0037】
・ 金属は周期律表で第5属に属する金属が好ましい。この場合、製造される金属焼結体を水素吸蔵材料として構成することができる。
・ 第1の実施形態の金属焼結体の製造装置11においては、チャンバ14の上方に配設された赤外放射温度計25によってセラミックス粉末23の温度を測定することにより、被焼結体22の焼結温度を測定可能に構成されている。このため、被焼結体22の焼結温度を容易に測定することができる。
【0038】
・ 収容容器20は断熱容器21内に配設されている。ここで、被焼結体22が加熱されるときには、その熱によってセラミックス粉末23が加熱された後に収容容器20が加熱され、さらに収容容器20と断熱容器21との間の外気が加熱される。この外気は断熱容器21によって収容容器20と断熱容器21との間に滞留するために、収容容器20が撹拌羽根17の回転等によって冷却されるのを防止するこができる。よって、収容容器20が冷却されることによってセラミックス粉末23を介して被焼結体22が冷却されるのを防止することにより、金属焼結体を製造するときに焼結温度が低下するのを防止することができる。
(第2の実施形態)
以下、本発明の第2の実施形態を図4に基づいて詳細に説明する。尚、この第2の実施形態については、第1の実施形態と異なる点を中心に説明する。
【0039】
金属焼結体の製造装置11を構成する収容容器20は、横方向に延びるとともに、中央部の上壁が両側部の上壁より上方に位置する筒状に形成されている。収容容器20内の中央部は、その両側に取付けられた扉27によって開放又は閉塞されるように構成されている。
【0040】
収容容器20の中央部の上方には図示しないマイクロ波発振器が配設され、収容容器20の上壁において、マイクロ波発振器の下方位置には先端部に撹拌羽根17が取付けられた回転軸18が貫通支持されている。そして、収容容器20を透過したマイクロ波が回転されている撹拌羽根17で反射し、拡散されるように構成されている。
【0041】
収容容器20の底壁上において、両側部にはローラコンベア28がそれぞれ配設されるとともに、中央部には複数のローラ29が配設されている。そして、これらローラコンベア28及びローラ29によって搬送手段が構成され、図4の矢視線で示すように、収容容器20内の一側側から他側側に向かって複数の後述する個別容器30が搬送されるように構成されている。
【0042】
個別容器30は、板状の底板30aと、円筒状の容器本体30bと、円板状の蓋板30cとを備えている。底板30a、容器本体30b及び蓋板30cは酸化アルミニウム等のマイクロ波が透過可能な材料によりそれぞれ形成され、これら底板30a、容器本体30b及び蓋板30cによってマイクロ波が透過可能な隔壁が構成されている。容器本体30bには図示しないガス逃がし弁が取付けられ、個別容器30内のガス圧が高いときには、ガス逃がし弁によって個別容器外へガスを放出することができるように構成されている。
【0043】
個別容器30は、その内部に被焼結体22が収容されるとともに、被焼結体22の周囲をセラミックス粉末23で充填されるように構成され、被焼結体22の表面を外気から遮断するようになっている。
【0044】
さて、金属焼結体を製造するときには、まず複数の個別容器30内に被焼結体22をそれぞれ収容するとともに、各被焼結体22の周囲をセラミックス粉末23でそれぞれ充填する。次いで、各個別容器30を一側側のローラコンベア28上に配設した後、各ローラコンベア28及びローラ29を作動させて各個別容器30を他側側へ搬送する。
【0045】
続いて、複数の個別容器30の内の他側側に位置する個別容器30が、収容容器20の中央部の他側側の端部に到達したときには、各ローラコンベア28及びローラ29を停止するとともに収容容器20の中央部を閉塞する。そして、撹拌羽根17を回転させるとともにマイクロ波発振器を作動させ、収容容器20の中央部内に位置する各個別容器30内の被焼結体22にマイクロ波を照射し、金属焼結体をそれぞれ製造する。
【0046】
そして、撹拌羽根17の回転及びマイクロ波発振器を停止するとともに収容容器20の中央部を開放した後、各ローラコンベア28及びローラ29を作動させて、マイクロ波が被焼結体22に照射された各個別容器30を、収容容器20の中央部から他側側へ搬送する。次いで、マイクロ波が被焼結体22に照射されていない個別容器30の内の他側側に位置する個別容器30が、収容容器20の中央部の他側側の端部に到達したときには、上述と同様にして金属焼結体を製造する。
【0047】
従って、第2の実施形態においては、複数の個別容器30の各被焼結体22に連続してマイクロ波を照射することにより、金属焼結体を連続して製造することができる。
【0048】
なお、前記各実施形態を次のように変更して構成することもできる。
・ 前記各実施形態において、被焼結体22を金属又はその合金の粉末によって構成してもよい。
【0049】
・ 前記第2の実施形態において、扉27を省略するとともに各ローラコンベア28及びローラ29を一旦停止させることなく常に作動させることによって、複数の個別容器30が連続して収容容器20内を搬送されるように構成してもよい。
【0050】
・ 前記各実施形態において、マイクロ波発振器から出力されるマイクロ波の周波数が常に一定になるように構成してもよいし、焼結の時間経過とともに変化するように構成してもよい。このように構成した場合、焼結の時間経過とともにマイクロ波の周波数を変化することにより、焼結温度を容易に調節することができる。
【0051】
【実施例】
次に、実施例を挙げて前記実施形態をさらに具体的に説明する。
(実施例1〜14)
表1に示す各組成の金属又はその合金の粉末から、実施例1〜14の各成形体をプレス成形法によりそれぞれ成形した。ここで、実施例1〜10における粉末の粒径は2〜3μm程度であり、実施例11〜14における粉末の粒径は100〜150μm程度である。各実施例においては、表1に示す重量の粉末から成形体を成形し、各成形体の寸法はそれぞれ縦40mm、横10mm及び厚さ5mmとした。次いで、各成形体の相対密度を測定した後、第1の実施形態の金属焼結体の製造装置11を用いて、表1に示す焼成条件によって金属焼結体をそれぞれ得た。そして、金属焼結体の密度、相対密度及び空孔率を測定した。それらの結果を表1に示す。
【0052】
【表1】
表1に示すように、実施例1、実施例2、実施例5及び実施例7〜10においては、空孔率が大きいためにその構造はポーラスであり、ポーラスの構造を要する用途に使用することができた。実施例3、実施例4及び実施例6においては、空孔率が小さいために緻密な構造を有し、緻密な構造を要する用途に使用することができた。実施例11〜実施例14においては、バナジウムにより形成されているとともに空孔率が大きいために、得られた金属焼結体は水素吸蔵材料として使用することができた。さらに、各実施例の金属焼結体の断面を電子顕微鏡で観察したところ、それぞれ均一に焼結されていた。
(実施例15)
実施例15においては、粒径が100〜150μm程度のバナジウムの粉末8gから、プレス成形法により縦40mm、横10mm及び厚さ5mmの成形体を成形した。次いで、実施例1と同様にして金属焼結体を得た。ここで、焼結温度は1610℃とし、焼結時間は5分間とした。次いで、得られた金属焼結体の質量を測定した後に水素雰囲気下で3分間放置した。このとき、500℃程度に加熱するとともに、0.5MPa程度にまで加圧した。ここで、バナジウムは、下記反応式(1)及び下記反応式(2)に示すように、水素と反応してバナジウム水素化物となった。
【0053】
V+H→VH …(1)
V+2H→VH2 …(2)
そして、放置後の金属焼結体の質量を測定した。その結果、放置前の質量は6.79gであったのに対して放置後は7.01gとなり、質量が0.22g増加していた。バラジウム水素化物におけるバナジウムと水素との原子比の平均は、バナジウム:水素=1:1.7であった。このため、実施例15の金属焼結体は水素吸蔵能力を有していた。
【0054】
次に、前記実施形態から把握できる技術的思想について以下に記載する。
・ 前記セラミックス粉末の空孔率は、粉末又は成形体の空孔率以下に設定されている請求項1から請求項6のいずれか一項に記載の金属焼結体の製造方法。この構成によれば、粉末又は成形体の表面における空気量比を内部における空気量比以下にすることにより、表面に金属の酸化膜がほとんど形成されることなく金属焼結体を製造することができる。
【0055】
【発明の効果】
本発明は、以上のように構成されているため、次のような効果を奏する。
請求項1に記載の発明の金属焼結体の製造方法及び請求項7に記載の金属焼結体の製造装置によれば、焼結効率が良く、しかも均一に焼結させることができる。
【0056】
請求項2に記載の発明の金属焼結体の製造方法によれば、請求項1に記載の発明の効果に加え、焼結されるときに収縮率を低下させることができる。
請求項3に記載の発明の金属焼結体の製造方法によれば、請求項1又は請求項2に記載の発明の効果に加え、粉末又は成形体に照射されるマイクロ波の量を向上させることができる。
【0057】
請求項4に記載の発明の金属焼結体の製造方法によれば、請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の発明の効果に加え、製造される金属焼結体を水素吸蔵材料として構成することができる。
【0058】
請求項5に記載の発明の金属焼結体の製造方法によれば、請求項1から請求項4のいずれか一項に記載の発明の効果に加え、粉末又は成形体の焼結温度を容易に測定することができる。
【0059】
請求項6に記載の発明の金属焼結体の製造方法によれば、焼結効率が良く、しかも均一に焼結させることができるとともに、金属焼結体を連続して製造することができる。
【0060】
請求項8に記載の発明の金属焼結体によれば、焼結を均一にすることができる。
請求項9に記載の発明の水素吸蔵材料によれば、均一に水素吸蔵能力を有することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1の実施形態の金属焼結体の製造装置を示す概念図。
【図2】誘電損失と温度との関係を示すグラフ。
【図3】粉末を示す断面図。
【図4】第2の実施形態の金属焼結体の製造装置を示す概念図。
【図5】金属粉末を示す断面図。
【符号の説明】
11…金属焼結体の製造装置、16…マイクロ波発生手段としてのマイクロ波発振器、20…収容容器、23…セラミックス粉末、26…粉末、28…搬送手段を構成するローラコンベア、29…搬送手段を構成するローラ、30…個別容器。
Claims (9)
- 金属又はその合金の粉末又は同粉末により成形された成形体をマイクロ波が透過可能な隔壁を備えた収容容器内に収容するとともに、粉末又は成形体の周囲を粉末又は成形体より誘電損失が低いセラミックス粉末で充填し、粉末又は成形体に対してマイクロ波を照射して焼結することを特徴とする金属焼結体の製造方法。
- 前記粉末の成形体は、プレス成形法により得られるものである請求項1に記載の金属焼結体の製造方法。
- 前記セラミックス粉末は酸化物系セラミックス又は窒化物系セラミックスの粉末である請求項1又は請求項2に記載の金属焼結体の製造方法。
- 前記金属は周期律表で第5族に属する金属である請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の金属焼結体の製造方法。
- 前記セラミックス粉末の温度を測定することにより粉末又は成形体の焼結温度を測定可能に構成した請求項1から請求項4のいずれか一項に記載の金属焼結体の製造方法。
- 金属又はその合金の粉末又は同粉末により成形された成形体をマイクロ波が透過可能な隔壁を備えた複数の個別容器に収容し、粉末又は成形体の周囲を粉末又は成形体より誘電損失が低いセラミックス粉末で充填するとともに、搬送手段によって各個別容器をマイクロ波が透過可能な隔壁を備えた収容容器内で搬送し、各粉末又は各成形体に対してマイクロ波を照射して連続的に焼結することを特徴とする金属焼結体の製造方法。
- 金属又はその合金の粉末又は同粉末により成形された成形体が収容され、粉末又は成形体に照射されるマイクロ波が透過可能な隔壁を備えた収容容器と、粉末又は成形体の周囲を充填する粉末又は成形体より誘電損失が低いセラミックス粉末と、粉末又は成形体に対してマイクロ波を照射するマイクロ波発生手段とを備えたことを特徴とする金属焼結体の製造装置。
- 請求項1から請求項6のいずれか一項に記載の金属焼結体の製造方法により得られることを特徴とする金属焼結体。
- 請求項8に記載の金属焼結体よりなることを特徴とする水素吸蔵材料。
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