JP2004123502A - 単分散超薄膜で包接された紫外線遮蔽超微粒子とその複合体 - Google Patents

単分散超薄膜で包接された紫外線遮蔽超微粒子とその複合体 Download PDF

Info

Publication number
JP2004123502A
JP2004123502A JP2002327534A JP2002327534A JP2004123502A JP 2004123502 A JP2004123502 A JP 2004123502A JP 2002327534 A JP2002327534 A JP 2002327534A JP 2002327534 A JP2002327534 A JP 2002327534A JP 2004123502 A JP2004123502 A JP 2004123502A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
plasma
thin film
film
ultrafine particles
particles
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2002327534A
Other languages
English (en)
Inventor
Atsushi Takeda
竹田 篤
Masuhiro Kokoma
小駒 益弘
Chihiro Shiyounai
墻内 千尋
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
ISI KK
Original Assignee
ISI KK
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by ISI KK filed Critical ISI KK
Priority to JP2002327534A priority Critical patent/JP2004123502A/ja
Publication of JP2004123502A publication Critical patent/JP2004123502A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Oxygen, Ozone, And Oxides In General (AREA)
  • Inorganic Compounds Of Heavy Metals (AREA)
  • Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)
  • Pigments, Carbon Blacks, Or Wood Stains (AREA)

Abstract

【課題】300nm〜400nmの波長範囲の紫外線を有機系紫外線吸収材を用いることなく多数の接着剤やコーティング剤に完全に単分散させる技術とそれらの複合体を提供する。
【解決手段】超微粒子表面へのシリカなどの極性機能膜を付与することによって、いったんそれらの超微粒子をアルコール系溶剤中に完全に超音波分散させ、初成的に粒子間で溶着していた粗い200nm以上のサイズの粒子を除去することにより、平均粒経を少なくとも50nm以下に抑え紫外線のレイリー散乱効果を改善することを目的としている。一方、ポリマー基体に対しては、前記超微粒子群をエチルシソケート又はその他のケイ素化合物中に均質分散したのち、基体をプラズマ又は/及び紫外線照射しつつ塗布し厚さ1ミクロン程度かそれ以下の薄膜を同時形成し、酸素バリアー性をも同時に付与する。
【選択図】なし

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、単分散超薄膜で包接された紫外線遮蔽超微粒子とその複合体に関する。
【0002】
【従来の技術】
包装材料に使用されている有機合成材料は、その多くが300nm以下の紫外線を遮蔽する特徴を有している。逆に長波紫外線は、ほとんど透過してしまうため、食品や医薬品又は化粧料のなかで光化学反応するような物質、たとえばビタミンAやビタミンCなどは何らかの表面処理をされない包装材料を用いなければ長期保存はできなかった。同様にフラボノイドやカロチノイドは、可視光線領域で特定波長を吸収し変質しやすい。
【0003】
従来、この光線スクリーン材料は有機合成化合物ではオキシベンゼン系の紫外線吸収剤があったが、370・380nmに極大吸収がありその両翼は急激に能力が低下している。また、単なるコーティングはできないので樹脂中への練り込みが必要であるが、この場合樹脂成形体を製造したのち、これら吸収剤をブリージングアウトし、内容物や容器表面を汚染することが多い。これらベンゼンオキシ系化合物は面的構造を有しており、光吸収断面積(ε;イプシロン)が大であるため、紫外線を吸収したのちより波長の長い光を発生するとともに電子も放出する。そのため、発ガン性が強く懸念されている。
【0004】
一方、無機材料においては、従来本対象波長領域を完全にスクリーンできる単一層の超微粒子は無かった。そのため、ほとんどの場合アルミ蒸着フィルムを用いて包装材料を開発してきた。そのため、内容物は外から見えない。飲料においては、ジェル状食品に近い流動しやすいものがこのアルミ蒸着フィルムによるパックで発売されていが割高である。
【0005】
さらに、基本フィルム又はシートのポリマーはPENなど一部を除いてガスバリアー性が悪いので、光スクリーン機能のみならず、特に酸素バリアー性を付与しなくてはならない。そのため、特にオレフィン系素材ではコーティング剤やスパッタリング物質を強く接着できるように、表面をプラズマ処理しておかなくてはならない。近年大容量プラズマ処理が可能となってきたが、表面処理効果は時間変化が著しく、24時間後にはほとんど効果がないことが多いため、インライン中での連続的な表面処理とコーティング又はデポジションが必要である。そのため設備費は非常に高額になる。
【0006】
また、かなり広く紫外線スクリーン機能を持つ酸化鉄微粒子においては、透明性が欠けるとともに、容器内側へのコーティングは鉄イオンによる酸化還元作用によって食品組成を変質させることが多い上、溶出作用による味の劣化(特にビールにおいて)がまぬがれなかった。
【0007】
【本発明が解決しようとする課題】
本発明は前記のような事情に鑑みなされたものであって、下記の課題を解決しようとするものである。
【0008】
紫外線波長範囲200・400nmにおいて、少なくとも300・380nmにおいて紫外線を透過させず、300・400nmの範囲において少なくとも30%以下の紫外線透過率を有する超微粒子とその完全な分散体を提供すること、特にその分散体がグラビアインキ組成物又はアクリルまたはウレタン系クリアコート組成物に適量均質に凝集することなく配合されてなる分散体を提供することである。
【0009】
前記超微粒子では、酸化物の凝集を完全に解除し、又、アルカリ溶出による諸化学反応の防止をすること、又触媒作用などの防止をするとともに、最も低い固形分濃度で最高の紫外線散乱特性を発揮するための分散状態を、溶剤型組成物又はエマルション型組成物においても得ることを目的としている。
【0010】
特に溶剤型組成物においては、超微粒子表面へのシリカなどの極性機能膜を付与することによって、いったんそれらの超微粒子をアルコール系溶剤中に完全に超音波分散させ、初成的に粒子間で溶着していた粗い200nm以上のサイズの粒子を除去することにより、平均粒経を少なくとも50nm以下に抑え紫外線のレイリー散乱効果を改善することを目的としている。
【0011】
一方、ポリマー基体に対しては、前記超微粒子群をエチルシソケート又はその他のケイ素化合物中に均質分散したのち、基体をプラズマ又は/及び紫外線照射しつつ塗布し厚さ1ミクロン程度かそれ以下の薄膜を同時形成し、酸素バリアー性をも同時に付与することを目的としている。
【0012】
さらに前記ポリマー基体又はポリマー形成体の内部又は/及び外面の前記コーティンク面に対して、透明炭素層をプラズマ成膜することも目的としている。
【0013】
〔発明の課題を解決するための手段〕
本発明の対象となる紫外線スクリーン波長範囲である300・400nm、少なくとも300・380nmの範囲を有効にスクリーンするための超微粒子は次の通りである。また同時に本出願の基礎となる発明は、本発明者らによって次の通りなされている。
上記目的を達成するために、本発明者はすでに特願2001−145679および特願2001−145667を出願しさらに、国際出願としてPCT/JP02/03400およびPCT/JP02/03401により基本技術を出願し本発明の基本特許である単分散超薄膜で包接された微粒子を開発した。
これらの発明によって、シリカなどの単分散性超薄膜は、核体超微粒子との境界面に0.5〜5nmの超薄膜、必要に応じて30〜40nmの膜厚でコーティングされてなる。さらにその表面がプラズマ処理され、薄膜中の有機官能基が分解切断されることにより、高エネルギー型のシロキサン結合シリカ膜が形成せられる。そのため該薄膜表面はシラノール基が結合することにより、粒子間で負の対抗電位が発生して単分散状態を得ている。
【0014】
また、上記目的を達成するために、本発明の単分散超薄膜で包接された微粒子においては、上記高純度シリカ超薄膜の上位に、他の無機酸化物薄膜、たとえばジルコニア、酸化チタンなどを重ねてプラズマ成膜するものである。
【0015】
本発明の核体をなす化合物が、非常に湿度に鋭敏な劣化反応を示す場合には、成膜材料中に水は作用できないため、無水エタノールや加水分解を防御する炭化水素系有機溶剤で、成膜材料を希釈溶解せしめたのち、すみやかにドライガスバランスさせたグローブボックスや真空チャンバー中でそれらを急激にジェット噴射などの方法でミキシングさせ、成膜の前駆体を形成せしめたのち、乾燥して、ループ状配管をもつプラズマ装置か高速ミキサー中に導入したプラズマを照射させ、当該有機金属化合物機能基を切断除去させ、同時に同空間中で縦新幅を40μm以上もつ超音波ホーンに成膜処理中の微粒子を激突させて凝集体を爆裂させ完全な単分散超薄膜で包接された微粒子を得るものである。
【0016】
さらに本発明で得た単分散超薄膜で包接された微粒子を、各種の目的で使用される中間体あるいは完成組成物に混合分散するのに、できる限り不必要な添加剤を除去し、また、必要に応じて縦振幅が30μm以上ある超音波ホモジナイザーによって前記の多機能性を有する液状単分散体を製造し、最終製品製造工程へ導入することが望ましい。
【0017】
(1)ヘキサゴナル超微粒子酸化亜鉛マルチレイアーコート材料
六方晶系(ろっぽうしょうけい)に属する酸化亜鉛表面に、シリカを大気圧プラズマ法又は100トール程度の中低圧プラズマ法により成膜し、必要に応じて600・700℃まで加熱し表面シリカ層を酸化亜鉛と反応させZnSiOに相転移せしめた超微粒子を得、新規の紫外線スクリーン素材を得るものである。さらにその上位にアモルファスシリカ又は酸化チタンさらにジルコニアを複層形成させることにより強い全反射力のある紫外線スクリーン超微粒子を得ることができる。
【0018】
(2)アルミニウム原子を結晶格子中に不均質に層状又は面的に分別晶出(ぶんべつしょうしゅつ)させ、紫外線極大吸収域を340・350nm及び360・380nmに新たに出現せしめるもので、アルミニウム粉末を適量金属チタン粉末中に混合したものを高周波プラズマ又は、直流プラズマ法によって生成せしめるものであり、当該粒子表面にOH基を結合させて、極性有機溶媒への分散性を飛躍的に改善するとともに、超純水中への分散を完全にするものである。
【0019】
(3)上記プラズマ法において、アルミニウムを鉄粉と置換した系であって、鉄が酸化チタンの結晶格子面に周期的に分別晶出するようにしたもので紫外線の極大吸収部分は300・320nm、340・350nm及び365・385nmに出現させたものであり、さらに当該粒子表面に、厚さ数nm以下のアモルファスシリカ膜を形成せしめ、粒子表面における鉄イオンの相互反応を防止したものである。
【0020】
【発明の実施の形態】
次に本発明の実施の形態と実施例について説明するが、本発明はこれらの説明に限定されない。
(本発明の単分散超薄膜で包接された紫外線遮蔽超微粒子の説明)
次に本発明の実施の具体的様態について説明する。紫外線遮蔽材として用いたシリカコート超微粒子は、堺化学株式会社製の平均粒子径20〜10nmの酸化亜鉛超微粒子であり、この表面に1〜2nmのアモルファスシリカ薄膜を単体粒子に成膜した。
【0021】
ここで用いた製造方法は、コルコート株式会社製高純度エチルシリケート(以下「TEOS」と表す。純度はシリカ純分として28%)をエタノール(試薬特級)に溶解したものを前記酸化亜鉛粉末に噴霧し、そののち40〜60℃で熱処理した後、内部圧が100トールのヘリウムプラズマで処理し、TEOSのエトキシ基を切断除去し、シロキサン結合を粒子表面に形成せしめた。
【0022】
上記のTEOS、エタノール及び酸化亜鉛の混合割合は次のとおりである。
( )内は固型分比。
(i)酸化亜鉛      920g(92重量部)
(ii)TEOS       285.7g
(シリカとして)  (80g)(8重量部)
(iii)エタノール    144.3g(残留せず)
上記(ii)を(iii)で希釈した後、(i)に噴霧して表面に均質にTEOS膜を形成させた。
【0023】
次にヘリウムプラズマ処理においては、上記で得た粉末を所定の温度で乾燥した後、直径80mm長さ500mmの合成石英製放電管中において、プラズマ放電部が直接該粉末にあたらないようにして官能基を切断せしめた。このため、処理時間は10分ないし20分とした。さらに、処理直後得られた粉末を一定量イオン交換水中に投入し超音波分散させた。このとき、一般に市販されている超音波洗浄機と、縦振幅が30ミクロンに設定された強力な超音波ホモジナイザーを用いた。
【0024】
次いで、前記のプラズマ処理されたシリカコート酸化亜鉛超微粒子を株式会社日立製作所製H9000高分解能透過型電子顕微鏡で1個体ごとの粒子形状と膜の状態を観察し、不均質に成膜されているときは、TEOSの配合比を変更することとした。
【0025】
また、前記TEMで用いたと同じ試料を高真空で減圧脱水した上その2mgを、脱水KBrと混合粉砕し透明ペレットを作成し、このペレットを、紫外線吸収スペクトルと、可視・紫外線吸収スペクトルを観察した。このとき、紫外線吸収部の2850〜3100カイザー部分に吸収があるときは、TEOSの分解が完全でないものと判定される。
【0026】
一方、超音波分散においては、短時間で完全に単体粒子毎に分散させ、酸化亜鉛粒子表面に均質に成膜されたアモルファスシリカの表面荷電(強いマイナス)によって粒子間に対抗電位を生じせしめる目的で、株式会社ギンセン製の縦振幅が30ミクロンに設計された強力な超音波ホモジナイザーを用いて次のとおりの配合条件で行いさらに分散体中の粒子除去を株式会社日立製作所製連続型遠心分離機で行った後、媒質中の固形分重量%を25%に調整した。
【0027】
上記において用いた分散媒質は、超純水とイソプロピルアルコールの2種類を用いた。超純水分散体はウレタンエマルションに対して配合するため、又イソプロピルアルコール分散体は、さらにこれを酢酸エチルに再度分散した上、アクリルポリマーに再分散するために調整した。
【0028】
前記の固型分が25%に調整された分散体は下記の通り紫外線スクリーン膜完成後の固形分比で決定した。
(1)ウレタンエマルションへの配合例
▲1▼紫外線スクリーン膜中の酸化亜鉛重量%が5.0%のときの配合例−1
a、ウレタンエマルション 100重量部(固形分として50)
b、超純水・酸化亜鉛分散体  x
(酸化亜鉛純分=2.63重量部
x、(2.63÷0.92)÷0.25=11.44重量部
【0029】
▲2▼同上スクリーン膜中の酸化亜鉛重量%が10%のときの配合例−2
a、ウレタンエマルション 100重量部(固型分として50)
b、上記と同一分散体    13.33重量部
【0030】
(2)アクリルポリマーへの配合例
ここでアクリル純分は40重量部に調整されたものを用いた。
▲3▼紫外線スクリーン膜中の酸化亜鉛重量%が5.0%のときの配合例−1
a、 アクリルポリマー(純分40%)   100重量部
b、 イソポリプロアルコール        x
x、 (2.105÷0.92)÷0.25  9.15重量部
ただし、ここで上記条件のとき、成膜後のポリマー含有重は36.3重量%となる。これは、通常印刷用グラビアンインキ(ペットボトル用として販売中のもの)のポリマー純分が30%であるため、上記xの配合に多少の酢酸エチルを混合させることができることを表している。このことは、上記のシリカコート酸化亜鉛超微粒子のポリマー中での安定性を長く維持するためにはきわめて重要である。
【0031】
▲4▼同上酸化亜鉛重量が10.0%のときの配合例−2
a,アクリルポリマー        100重量部
b,イソプロピルアルコール   13.55重量部
c,酸化亜鉛分散体       13.33重量部
【0029】
上記4種のコーティング剤をすべて粘性係数が一定になるように調整したコーティング剤を再度前記の超音波ホモジナイザーで分散させ2時凝集粒子の生成を防止した。そののちバーコーダーを用いて、プラズマエッチングされたポリプロピレンフィルム(厚さ100ミクロン)、ポリエステルフィルム(同100ミクロン)にコーティングした。この時のコーティング膜圧は乾燥後、1ミクロンであった。この時用いた分散体を高分解能透過型電子顕微鏡を用いて分散状態を評価分析した。
【0032】
さらに、成膜条件と同じコーティング剤を用いてスライドガラス上に同条件で膜形成した。同時に比較試料として、本発明のシリカコート酸化亜鉛を混合しない純ポリマーの膜を形成させ、大略の差を日立製作所製可視・紫外スペクトロメーターで透過率を測定した。
【0033】
(実施例の結果)
1、 TEM観察結果
▲1▼紫外線遮蔽ポリウレタン膜中の酸化亜鉛重量%が5.0%のときの配合例−1粒子は全体に単分散状態である。しかし、100ミクロン前後の板状結晶が見られる。超音波処理しても沈殿したものは、初生的に熱で粒子が製造されたときに溶着していたものと求められる。
▲2▼同上スクリーン膜中の酸化亜鉛重量%が10.0%のときの配合例−2
粒子は全体に単分散状態である。しかし、100ミクロン前後の板状結晶が見られる。ややフィルムに空間が多い。
▲3▼紫外線遮蔽アクリル膜中の酸化亜鉛重量%が5.0%のときの配合例−1
粒子は、全体的には高い分散性能を保っている。
▲4▼同上酸化亜鉛重量が10.0%のときの配合例−2
粒子の凝集が上記▲3▼にくらべて同等の高い分散性能を保っている。
【0034】
(可視・紫外線吸収スペクトル観察結果)
▲1▼紫外線スクリーン膜中の酸化亜鉛重量%が5.0%のときの配合例−1
375nm以下に急激な紫外部の吸収があった。可視部は膜厚によるが60%〜70%の透過率があった。
▲2▼同上スクリーン膜中の酸化亜鉛重量%が2%のときの配合例−2
375nm以下に急激な紫外部の吸収があった。可視部は50%〜60%の透過率があった。透明度は上記▲1▼に比べて、少し低下する。
▲3▼紫外線スクリーン膜中の酸化亜鉛重量%が5.0%のときの配合例−1
375nm以下に急激な紫外部の吸収があった。可視部は膜厚によるが65%〜75%の透過率があった。
▲4▼同上酸化亜鉛重量が2.0%のときの配合例−2
375nm以下に急激な紫外部の吸収があった。可視部は膜厚によるが55%〜65%の透過率があった。
【0035】
(赤外線吸収スペクトル観察結果)
▲1▼紫外線スクリーン膜中の酸化亜鉛重量%が5.0%のときの配合例−1
2,900から3,000cm−1においてごくわずかのC−Hによる吸収があったがほとんど粒子表面には官能基は残留していない。そのため、分散剤を配合しないでも本発明のシリカコート酸化亜鉛は当該エマルション中に完全に単分散する。
▲2▼同上スクリーン膜中の酸化亜鉛重量%が10.0%のときの配合例−2
結果は上記▲1▼と同様。
▲3▼紫外線スクリーン膜中の酸化亜鉛重量%が5.0%のときの配合例−1
2,900から3,000cm−1においてごくわずかのC−Hによる吸収があったがほとんど粒子表面には官能基は残留していない。そのため、分散剤を配合しないでも本発明のシリカコート酸化亜鉛は当該エマルション中に完全に単分散する。
▲4▼同上酸化亜鉛重量が10.0%のときの配合例−2
結果は上記▲3▼と同様。
【0036】
(上記紫外線遮蔽剤のペットボトルへの直接噴霧試験結果)
下記のとおりTEOSと超純水を加水分解させつつ、その中に本発明のアルミニウム原子をドーピングした熱プラズマ合成酸化チタン(250℃、40分仮焼)をシリカ固形分比で5%配合したのち、このコンパウンドをエアレスガン式ロータリージェットノズルを搭載したロボット塗装機によってペットボトル外側面全体に前記TEOS−純水エマルションを噴霧した。
その結果、膜厚が1ミクロン以下であれば透明度が維持できた。
なお、紫外線の遮蔽効果は下記の通りであった。
Figure 2004123502
【0037】
【発明の効果】
以上の通り、本発明によって紫外線を幅広く遮蔽でき可視部を透過させる超微粒子単分散コーティング剤の開発が完成した。従来の技術では、粉体特性だけはよいものの純水、有機溶剤、モノマー、オリゴマー、ダイマー、ポリマー、エラストマー、そのた複合材料への完全な分散は不可能で、失透現象が必ず随伴した。また、シリカ超薄膜中に幅広い紫外線域のバンドギャップを有する粒子径30nm程度以下に調整されて製造された熱プラズマ合成球状酸化チタンは表面をシリカコートすることにより容易にエチルシリケートなどの酸素バリアー薄膜形成材料に単分散できるため、今後幅広い分野で本発明の効果が工業的に利用されるものと考えられる。この分野では、従来CVD法などによるデポジションが多く利用されていたが、真空プラズマを用いるため、極めて高額な設備投資が必要となっていた。今回提案する発明では、さらに今後成膜方法を大気圧プラズマの利用を併用してゆくことができるため、安価でシンプルな生産ラインが考えられ製品のコストに大きな優位性をもたらすものと考えられる。また、安全性については、シリカなど非常に安定な無機化合物の強固な薄膜を用いることにより、さらにこれらの膜形成を従来では到底用いられなかった高分解能透過型電子顕微鏡や、高性能分光分析装置とを併用するほか、光ナノテクノロジー関連技術やプラズマ総合技術を活用するため、従来なしえなかった技術を提供できる上で非常に意味深い発明である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のプラズマ法によるシリカ超薄膜形成酸化亜鉛超微粒子を臭化カリウム中に混合して透明ペレットを作ったのちに計測した光透過率であって、縦軸は透過率を表す。横軸は、測定波長を表す。この結果にっよって、370nm以下の短波長紫外線は完全に遮蔽できる。

Claims (9)

  1. 加水分解しにくい有機金属化合物と、超純水または/および加水分解を防御する有機溶剤とからなる薄膜形成材料を、乾式混合機中で少なくとも0.1重量部を標的粉体に均質にジェット噴射させたのち、有機金属化合物を損傷しないまま乾燥成膜させてなることを特徴とする前駆体を、空間中で、縦振幅を40μm以上もつ超音波ホーンによって完全に単分散させつつ、高エネルギー紫外線または/およびプラズマを照射させ、当該有機金属官能基を切断除去させて得た酸化物超薄膜で被覆されたことを特徴とする単分散薄膜で包接された紫外線遮蔽超微粒子。
  2. 請求項1記載の微粒子が、プラズマ合成金属原子ドーピング酸化チタン、酸化亜鉛超微粒子、酸化セリウム超微粒子、酸化鉄超微粒子の群から選択される紫外線遮蔽材料300−400nm範囲を遮蔽可能な超微粒子であることを特徴とする単分散薄膜で包接された微粒子。
  3. 請求項1および請求項2記載の薄膜が、Me1−nxOy(ここで、Me1−nは金属元素とその数(n=整数)、1≦x,y≦9でx,yは整数)またはその複数積層膜よりなり、媒質によって侵食溶解されない強固な膜厚40nm以上の透明膜、好ましくは3nm以下の透明膜をなし、包接される微粒子の変質が防御されるとともに、好ましくは耐熱性、耐酸化性、透明性、流動性および機械強度すべての機能特性を改善してなることを特徴とする単分散薄膜で包接された超微粒子。
  4. 請求項1から請求項3記載の薄膜を形成してなる超微粒子であって、酸素バリアー性を有する酸化ケイ素、二酸化ケイ素のうち少なくとも1種と、紫外線遮蔽可能な酸化亜鉛超微粒子又は/及び320nm−385nmにバンドギャップによる少なくとも2以上の極大吸収を有する酸化チタン超微粒子のうち1種以上を混合分散してなる複合体。
  5. 請求項4記載の樹脂ワニスが、アクリル、ポリウレタン、ポリスチレン、ポリエステル、ポリスチレン、ポリビニルアルコールの群から選択される溶剤型又はこれらの水系エマルションであることを特徴とする複合体。
  6. 請求項4または5記載の複合体が、表面又は内部面をプラズマによって表面又は内部面をプラズマによって表面処理され接着性を改善されてなるか、メタライズされてなり、該材料がポリエステル、ポリプロレン、ポリエチレン、ナイロン、ポリスチレン、EVA、ポリメチルペンテン、テロラエトキシシランの群から選択される少なくとも1種より構成されてなる樹脂または包装材料であることを特徴とする複合体。
  7. 請求項6記載のプラズマによって表面処理され接着性を改善されてなる包装材料基体が、アルゴン、酸素、ヘリウム、アセトン、水素の群から選ばれる少なくとも1種のガスをプラズマソースガスとし、真空プラズマ、中低圧プラズマ、大気圧プラズマのいずれかのプラズマを用いてエッチング又は表面酸化されてなることを特徴とする複合体。
  8. 請求項7記載の複合体が飲料容器であって、飲料充てん部内面が透明カーボン質超薄膜、アモルファスシリカ超薄膜のいずれかがデポジションされてなることを特徴とする複合体。
  9. 請求項4記載の樹脂ワニス中に、可視光線領域に特定の極大吸収を有するシリカ超薄膜を形成されてなる無機材料又は/及び有機材料を均質に分散してなることを特徴とする透明着色体である複合体。
JP2002327534A 2002-10-05 2002-10-05 単分散超薄膜で包接された紫外線遮蔽超微粒子とその複合体 Pending JP2004123502A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2002327534A JP2004123502A (ja) 2002-10-05 2002-10-05 単分散超薄膜で包接された紫外線遮蔽超微粒子とその複合体

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2002327534A JP2004123502A (ja) 2002-10-05 2002-10-05 単分散超薄膜で包接された紫外線遮蔽超微粒子とその複合体

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2004123502A true JP2004123502A (ja) 2004-04-22

Family

ID=32289939

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2002327534A Pending JP2004123502A (ja) 2002-10-05 2002-10-05 単分散超薄膜で包接された紫外線遮蔽超微粒子とその複合体

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2004123502A (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN105714476A (zh) * 2015-09-18 2016-06-29 安徽义林塑业有限公司 一种防紫外线聚丙烯纺粘无纺布及其制备方法

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN105714476A (zh) * 2015-09-18 2016-06-29 安徽义林塑业有限公司 一种防紫外线聚丙烯纺粘无纺布及其制备方法

Similar Documents

Publication Publication Date Title
EP2221349B1 (en) Process for producing fine particles of surface treated zinc oxide, fine particles of surface treated zinc oxide, dispersion liquid and dispersion solid of the fine particles of surface treated zinc oxide, and base material coated with fine particles of zinc oxide
EP2905096B1 (en) Method of making surface energy modified particles and apparatus therefor
CN101184815B (zh) 含有中空状SiO2的分散液、涂料组合物及带防反射涂膜的基材
Gedanken Using sonochemistry for the fabrication of nanomaterials
EP3392199B1 (en) Ultrafine particles of complex tungsten oxide, and fluid dispersion thereof
EP2634146B1 (en) Indium tin oxide powder, method for producing same, dispersion, paint, and functional thin film
CN101278015B (zh) 珠光颜料及其制造方法、涂料组合物和多层涂层
JP5185522B2 (ja) 真珠光沢顔料、その製造方法、塗料組成物および塗膜組成物
CA2620724C (en) Coating with infrared and ultraviolet blocking characteristics
EP3546426B1 (en) Black-film-forming mixed powder and production method therefor
Akinay et al. Synthesis and characterization of the pearlescent pigments based on mica deposited with SiO2, AlN and TiO2: First report of its dielectric properties
Wang et al. Fabrication of core–shell structural SiO2@ DNA–LDH nanocomposite with low infrared emissivity
Joni et al. Dispersion of amorphous silica nanoparticles via beads milling process and their particle size analysis, hydrophobicity and anti-bacterial activity
US11661350B2 (en) Near-infrared absorbing material fine particle dispersion, near-infrared absorber, near-infrared absorber laminate, and laminated structure for near-infrared absorption
JP4849807B2 (ja) 酸化マグネシウム微粒子分散液
JP2004123502A (ja) 単分散超薄膜で包接された紫外線遮蔽超微粒子とその複合体
Ye et al. Synthesis and infrared emissivity study of collagen-g-PMMA/Ag@ TiO2 composite
JP5891580B2 (ja) 近赤外線吸収粒子の製造方法、分散液の製造方法および樹脂組成物の製造方法
JPWO2003083008A1 (ja) 紫外線遮蔽粉体、その粉体を含有する分散物、紫外線遮蔽フィルム及び紫外線遮蔽容器
JP2006213576A (ja) 日射遮蔽用ホウ化物微粒子、このホウ化物微粒子を用いた日射遮蔽体形成用分散液および日射遮蔽体、並びに日射遮蔽用ホウ化物微粒子の製造方法および日射遮蔽体形成用分散液の製造方法
JP2004124033A (ja) 非凝集性赤外線遮蔽材料
TW201605732A (zh) 氧化鎂微粒子分散液及其製造方法
EP3761082A1 (en) Near infrared ray absorption material micro-particle dispersion, near infrared ray absorber, near infrared ray absorption laminate, combined structure for near infrared ray absorption
Dobrzański et al. Transparent conductive nanocomposite layers with polymer matrix and silver nanowires reinforcement
EP3984956A1 (en) Amorphous silica-titania composite oxide powder, resin composition, liquid dispersion, and method for producing silica-coated silica-titania composite oxide powder