JP2004123471A - 水熱固化体の製造方法 - Google Patents

水熱固化体の製造方法 Download PDF

Info

Publication number
JP2004123471A
JP2004123471A JP2002291637A JP2002291637A JP2004123471A JP 2004123471 A JP2004123471 A JP 2004123471A JP 2002291637 A JP2002291637 A JP 2002291637A JP 2002291637 A JP2002291637 A JP 2002291637A JP 2004123471 A JP2004123471 A JP 2004123471A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
sand
hydrothermal
based dust
hydrothermally
hydrothermally solidified
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2002291637A
Other languages
English (en)
Inventor
Hiroteru Maenami
前浪 洋輝
Hideaki Tanaka
田中 英昭
Noribumi Isu
井須 紀文
Masakazu Hayashi
林 雅一
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Sintokogio Ltd
Inax Corp
Original Assignee
Sintokogio Ltd
Inax Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Sintokogio Ltd, Inax Corp filed Critical Sintokogio Ltd
Priority to JP2002291637A priority Critical patent/JP2004123471A/ja
Publication of JP2004123471A publication Critical patent/JP2004123471A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Classifications

    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02PCLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES IN THE PRODUCTION OR PROCESSING OF GOODS
    • Y02P40/00Technologies relating to the processing of minerals
    • Y02P40/60Production of ceramic materials or ceramic elements, e.g. substitution of clay or shale by alternative raw materials, e.g. ashes
    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02WCLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES RELATED TO WASTEWATER TREATMENT OR WASTE MANAGEMENT
    • Y02W30/00Technologies for solid waste management
    • Y02W30/50Reuse, recycling or recovery technologies
    • Y02W30/91Use of waste materials as fillers for mortars or concrete

Landscapes

  • Curing Cements, Concrete, And Artificial Stone (AREA)

Abstract

【課題】十分な強度を有する水熱固化体を安定的にかつ安価に製造することができ、これにより広範囲の使用済み鋳物砂の再利用をより一層実現する。
【解決手段】CaO分及びSiO分を含む水熱固化用調合物を用意する調合工程S1と、水熱固化用調合物を成形して成形体とする成形工程S2と、成形体を水熱処理してケイ酸カルシウム水和物を生じて固化した水熱固化体を得る水熱工程S3とを有している。水熱固化用調合物は鋳造後に回収された使用済み鋳物砂を含む。この使用済み鋳物砂は砂系ダストを含有している。成形工程S2を乾式プレス法により行う。
【選択図】    図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は水熱固化体の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、CaO分及びSiO分を含む水熱固化用調合物を用意する調合工程と、水熱固化用調合物を成形して成形体とする成形工程と、成形体を水熱処理してケイ酸カルシウム水和物を生じて固化した水熱固化体を得る水熱工程とを有する水熱固化体の製造方法が知られている(例えば、特許文献1)。また、特許文献2〜4には、水熱固化用調合物にSiO分を主成分とする無機系産業廃棄物を用いる方法が開示されている。特に、特許文献3又は特許文献4には、その無機系産業廃棄物として、鋳物工場等で生じる使用済み鋳物砂を用いる方法が開示されている。
【0003】
これらの製造方法により水熱固化体を製造すれば、焼成や焼結によって固化体を製造するよりも少ないエネルギの下、インターロッキングブロック、タイル等の実用的な固化体を製造することができる。特に、上記公報記載の方法によれば、使用済み鋳物砂等の無機系産業廃棄物を実用品に再利用できるという効果も奏する。
【0004】
【特許文献1】
特開第3196611号公報
【特許文献2】
特開昭49−128016号公報
【特許文献3】
特開平6−321651号公報
【特許文献4】
特許2940899号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、無機系産業廃棄物としての使用済み鋳物砂には、廃砂の他、砂系ダストがある。廃砂は、再生処理する前の廃鋳物砂や、再生処理しても鋳物砂のフロー収支から余り、従来は捨てざるを得ないもの等からなる。他方、砂系ダストは、造型ラインで鋳物砂により砂型を製造する際や研摩式再生機で砂型を再生処理する際等に発生する粉塵であり、集塵機等で回収された熱処理されていないものである。これら使用済み鋳物砂のうち、廃砂は従来からある程度は再利用されては来たものの、砂系ダストは、粒径が極めて細かいことから、再利用されることなく、埋め立て等の廃棄処分に供されるに過ぎなかった。このため、鋳造を行うメーカ等からは、この砂系ダストを再利用して欲しいという要求が近年高まって来ている。
【0006】
また、上記特開昭49−128016号公報記載の製造方法では、SiO分を主成分とする無機系産業廃棄物としての珪砂産業廃棄物が鉱山から採取された天然の原砂から砂利等の有利な部分を洗浄等によって取り除いた残渣であることから、その珪砂産業廃棄物中の粘土分の含有量等が大きく変動し、水熱固化体を安定して製造し難いという問題がある。さらに、この製造方法では、珪砂産業廃棄物が汚泥の形態で提供されやすいため、流し込みにより成形工程を行う場合にはそれは便宜ではあるが、そうして得られた成形体は、得られる水熱固化体の空隙率が高くなるために十分な強度を発揮し難い。仮にその汚泥形態の珪砂産業廃棄物を乾式プレス法で成形しようとすれば、乾式の混合を行う際にその珪砂産業廃棄物を予め乾燥する必要があり、乾燥のための手間や設備が必要となることから、製造コストの高騰化を生じてしまう。一方、特開平6−321651号公報記載の製造方法は、軽量気泡コンクリート(ALC)を製造する方法であることから、やはり流し込みにより成形工程を行っている。そして、得られる軽量気泡コンクリートは空隙率が極めて高いことから、建築材料としての強度を保ち得る軽量気泡コンクリートを得るためには、原料中の廃棄物の添加量を1〜20質量%に止める必要がある。このため、この製造方法では、十分な強度を有する水熱固化体を安価に製造することができない。
【0007】
本発明は、上記従来の実情に鑑みてなされたものであって、十分な強度を有する水熱固化体を安定的にかつ安価に製造することができ、これにより広範囲の使用済み鋳物砂の再利用をより一層実現することを解決すべき課題とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、上記課題解決のために鋭意研究を行い、使用済み鋳物砂として砂系ダストを用いても、乾式プレス法により成形工程を行えば上記課題を解決できることを発見し、本発明を完成させるに至った。
【0009】
すなわち、本発明の水熱固化体の製造方法は、CaO分及びSiO分を含む水熱固化用調合物を用意する調合工程と、該水熱固化用調合物を成形して成形体とする成形工程と、該成形体を水熱処理してケイ酸カルシウム水和物を生じて固化した水熱固化体を得る水熱工程とを有する水熱固化体の製造方法において、前記水熱固化用調合物は鋳造後に回収された使用済み鋳物砂を含み、該使用済み鋳物砂は砂系ダストを含有し、成形工程を乾式プレス法により行うことを特徴とする。
【0010】
本発明者らは、入手した廃砂及び砂系ダストについて、水熱固化の可能性を検討した。廃砂はSiO分を70〜90質量%含有し、砂系ダストはSiO分を40〜80質量%含有していることから、これらは水熱固化体のSiO源としての利用が可能であると考えた。しかし、これらは、SiO分以外にベントナイト等の粘土としてAl分を2〜15質量%程度含有しているとともに、澱粉や石炭粉等の有機分を1〜30質量%含有しているため、これらの成分が水熱固化体に対してどのような影響を及ぼすかが不明であった。発明者らはかかる状況下、試験によって、水熱固化用調合物の使用済み鋳物砂として砂系ダストを用いても、成形工程を乾式プレス法により行えば、製造後の水熱固化体が十分な強度を発揮可能であることを確認した。
【0011】
また、廃砂及び砂系ダストは、その構成材料が元々は天然原料ではあるが、鋳物砂を形成すべくケイ砂とベントナイト等を配合して作製した工業材料をもとに発生するため、粘土分の含有量等がさほど大きく変動することはない。このため、砂系ダストを含有する使用済み鋳物砂を用いても、水熱固化体を安定して製造することができる。さらに、廃砂及び砂系ダストは、ほぼ乾燥した形態で提供されるため、乾式プレス法により成形工程を行うことが便宜である。また、こうして得られた成形体は水熱工程中に割れ難く、得られる水熱固化体の嵩密度も高く、十分な強度を発揮しやすい。また、廃砂や砂系ダストを予め乾燥する必要がないため、製造コストの低廉化も実現可能である。
【0012】
したがって、本発明の水熱固化体の製造方法によれば、十分な強度を有する水熱固化体を安定的にかつ安価に製造することができるため、広範囲の使用済み鋳物砂の再利用をより一層実現することができる。
【0013】
本発明の製造方法により製造する水熱固化体は、インターロッキングブロック、タイル等の建築材料の他、浄化槽用の担体等に具体化可能である。成形体中の水分量等を調整することにより、空隙率の制御が可能であり、より多孔質の水熱固化体を製造することもできる。
【0014】
発明者らの試験結果によれば、砂系ダストを含有する使用済み鋳物砂と、他の原料とで水熱固化用調合物のSiO分を構成することができる。使用済み鋳物砂は砂系ダスト以外に廃砂を含んでいてもよい。他の原料としては、天然の珪砂等の他、例えばキラ、ガラス屑、タイル屑、石炭灰、下水汚泥焼却灰等の他の無機系産業廃棄物を採用することもできる。水熱固化用調合物に植物繊維等の繊維、貝殻やガラス片等の骨材を含めることにより、水熱固化体の強度をさらに高めることもできる。発明者らの試験結果によれば、SiO分を砂系ダストだけで構成した方がより強度の高い水熱固化体を製造できる。CaO分は消石灰(Ca(OH))等により構成することができる。
【0015】
砂系ダストを含有する使用済み鋳物砂によって強度の高い水熱固化体を製造できる原因は、砂系ダストが粘土分を含有していることによる。ここで、粘土分とは、「JIS Z2601」に規定されているように、鉱物としての粘土だけでなく、一定の方法で分離される直径20μmよりも小さい粒子及び水に可溶な物質の集合体をいう。また、砂系ダストを含有する使用済み鋳物砂によって強度の高い水熱固化体を製造できる原因は、砂系ダストは平均粒径が10〜100μmであることにもよる。
【0016】
砂系ダストのSiO分は40〜80質量%であることが好ましい。発明者らの試験結果によれば、砂系ダストは40〜80質量%のSiO分を含有していることで、水熱固化用調合物としての役割を果たしやすい。SiO分が40質量%未満であれば、水熱固化体が十分な量のケイ酸カルシウム水和物を生じず、水熱固化体が十分な強度を発揮しない。逆に、SiO分が80質量%を超えれば、反応性の高い粘土分の含有量が低くなり、水熱固化体が十分な強度を得ることが困難となる。この意味において、上記特開昭49−128016号公報記載の製造方法で用いる珪砂産業廃棄物は、90質量%以上のSiO分を含有しており、水熱固化体の製造方法に適し難い。
【0017】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を試験により説明する。
【0018】
「調合工程」
図1に示す調合工程S1として、まず、廃砂及び砂系ダスト等を用意する。廃砂及び砂系ダストの化学組成を表1に示し、廃砂及び砂系ダストの鉱物組成を図2に示し、廃砂及び砂系ダストの粒度分布を図3図に示す。図2において、QはQuartz(SiO)、CはCristobalite(SiO)、AはAlbite(NaAlSi)、OはOrthoclase(KAlSi)、MはMuscovite(KAlSi10(OH))、MoはMontmorillonite(Ca0.2(Al,Mg)Si10(OH)・4HO)である。
【0019】
【表1】
Figure 2004123471
【0020】
これらにより、廃砂は、SiO分を82.80質量%含有し、主に石英、長石及び雲母から構成されることがわかる。また、廃砂は、平均粒径が約200μmであり、比較的粗い粒子であることもわかる。一方、砂系ダストは、SiO分の含有量が59.30質量%と低く、主に石英、長石、雲母及び粘土(モンモリロナイト:Montmorillonite)から構成され、Al分に富む雲母等のXRDのピークが廃砂よりも高くなっていることがわかる。また、砂系ダストは、平均粒径が約30μmであり、かなり細かい粒子であることもわかる。
【0021】
そして、表2に示すように、廃砂を使用した調合(試験1)と、砂系ダストを使用した調合(試験2)とをそれぞれ検討し、これらの使用済み鋳物砂にCaO/SiO(モル比)=0.5となるように消石灰を添加した。また、添加水量を最適な成形密度が得られるように調整した。これら試験1、2の各原料を混合し、試験1、2の水熱固化用調合物を用意する。
【0022】
【表2】
Figure 2004123471
【0023】
「成形工程」
次いで、図1に示す成形工程S2として、乾式プレス成形機を用い、試験1、2の水熱固化用調合物を成形圧力30MPa、成形サイズ10mm×15mm×40mmにて一軸加圧成形し、試験1、2の成形体とする。
【0024】
「水熱工程」
この後、水熱工程S3として、試験1、2の成形体を180°Cの飽和水蒸気圧下で水熱処理し、ケイ酸カルシウム水和物を生じて固化した試験1、2の水熱固化体を得る。なお、SiO分に廃砂だけを用いた試験1の成形体に対しては、廃砂の粒径が大きく、反応性が低いことが予想されたため、20時間という比較的長い水熱処理を行った。他方、SiO分に砂系ダストだけを用いた試験2の成形体に対しては、砂系ダストの粒径が小さく、反応性が高いことが予想されたため、10時間という比較的短い水熱処理を行った。
【0025】
「乾燥工程」
乾燥工程S4として、水熱工程S3後、試験1、2の水熱固化体を80°Cの乾燥機内に2日間保持し、乾燥させる。なお、比較のため、試験1、2の成形体に対し、水熱処理をせずに乾燥のみを行った試験1、2の試験体も用意した。
【0026】
「評価」
試験1、2の水熱固化体及び試験体に対し、曲げ強度(MPa)、嵩密度(g/cm)、質量変化率(%)、寸法変化率(%)及び生成相(XRD)の測定を行った。曲げ強度の測定は、三点曲げ試験法により、スパン間距離30mm、クロスヘッドスピード0.5mm/分の条件下で行った。質量変化率は、成形工程S2直後の成形体の質量から加水分を計算で取り除いた質量を求め、この質量から乾燥工程S4後の水熱固化体又は試験体までの質量の変化率である。また、寸法変化率は、成形工程S2直後の成形体から乾燥工程S4後の水熱固化体又は試験体までの長さの変化率である。
【0027】
曲げ強度、嵩密度、質量変化率及び寸法変化率の測定結果を表3に示す。また、水熱固化体及び試験体のXRDの測定結果を図4示す。図4において、(a)が試験1の試験体の結果を示し、(b)が試験1の水熱固化体の結果を示し、(c)が試験2の試験体を示し、(d)が試験2の水熱固化体の結果を示す。また、Q、C、A、O、M及びMoは図2と同様であり、PはPortlandite(Ca(OH))、CaはCalcite(CaCO)、TはTobermorite(Ca(Si18)・4HO)、HはHydrogarnet(CaAl(SiO)(OH))である。
【0028】
【表3】
Figure 2004123471
【0029】
これらより、廃砂、砂系ダストのいずれを使用した場合においても(試験1、2)、未処理の成形体よりも水熱処理後の固化体の曲げ強度は増加しており、水熱処理により強度発現することがわかる。特に、砂系ダストを使用した場合(試験2)、曲げ強度は16.9MPaという比較的高い値を示した。成形サイズを10mm×15mm×40mmから200mm×200mm×60mm等のブロック形状にスケールアップした場合、曲げ強度が1/3〜1/2程度に低下することを考慮しても、砂系ダストによれば、インターロッキングブロック等の製品規格である曲げ強度5MPa以上を達成できる見込みがあると予想される。
【0030】
また、廃砂及び砂系ダストのいずれを使用した場合でも(試験1、2)、強度発現が示されたのは、水熱処理に伴い、消石灰とこれらの中の鉱物とが反応し、TobermoriteやHydrogarnetが生成したためであると考えられる。砂系ダストを使用した調合(試験2)では、180°C×10時間の水熱処理により添加した消石灰は全て消費され、TobermoriteやHydrogarnetの生成が明瞭に認められた。また、水熱処理に伴い、砂系ダスト中のMontmorilloniteやAlbite等のXRDピークの減少が認められていることから、これらの鉱物が消石灰と反応したと考えられる。一方、廃砂を使用した調合(試験1)では、180°C×20時間の水熱処理を行っても添加した消石灰が残存しており、生成相もHydrogarnetのみであり、Tobermoriteの生成が認められなかった。これは、廃砂は、粒子径が粗く、水熱反応性が低かったためであると考えられる。この水熱反応性の低さが廃砂を使用した調合(試験1)において、曲げ強度が砂系ダストを使用した調合(試験2)よりも低い値を示した一因であると考えられる。このため、SiO分を砂系ダストだけで構成した方が強度の高い水熱固化体を製造できることがわかる。
【0031】
さらに、嵩密度に関しては、廃砂を使用した調合(試験1)が1.74g/cmを示し、これは砂系ダストを使用した調合(試験2)の1.51g/cmよりも高い値である。つまり、曲げ強度とは逆の傾向を示している。これは、廃砂の方が砂系ダストよりも粒子径が粗いため、成形時の充填率が増したためであると考えられる。なお、水熱処理による嵩密度の大きな変化は特に認められなかった。
【0032】
また、質量変化率に関しては、いずれの調合においても(試験1、2)、わずかに増加する傾向が示された。これは、調合工程S1で添加した消石灰が処理プロセス中に空気中の二酸化炭素と反応(炭酸化反応)し、炭酸カルシウム(CaCO)が生成したためであると考えられる。
【0033】
さらに、寸法変化率に関しては、試験1、2の試験体が乾燥工程S4により収縮する傾向を示したのに対して、試験1、2の水熱固化体は、水熱工程S3及び乾燥工程S4を経て膨張する傾向が示された。特に、砂系ダストを使用した調合(試験2)では、約0.2%という比較的大きな膨張が認められるが、これは砂系ダスト中の有機分が水熱処理時に膨潤し、膨張に影響した可能性が考えられる。
【0034】
以上の評価から、砂系ダストを含有する使用済み鋳物砂と、他の原料とで水熱固化用調合物のSiO分を構成しても、十分な強度をもつ水熱固化体を製造できることがわかる。水熱固化用調合物に植物繊維等の繊維、貝殻やガラス片等の骨材を含め、水熱固化体の強度をさらに高めることができることはいうまでもない。
【0035】
また、廃砂及び砂系ダストは、その構成材料が元々は天然原料ではあるが、鋳物砂を形成すべくケイ砂とベントナイト等を配合して作製した工業材料をもとに発生するため、粘土分の含有量等がさほど大きく変動することはない。このため、砂系ダストを含有する使用済み鋳物砂を用いても、水熱固化体を安定して製造することができる。さらに、廃砂及び砂系ダストは、ほぼ乾燥した形態で提供されるため、乾式プレス法により成形工程を行うことが便宜である。また、こうして得られた成形体は水熱工程中に割れ難く、得られる水熱固化体の嵩密度も高く、十分な強度を発揮しやすい。また、廃砂や砂系ダストを予め乾燥する必要がないため、製造コストの低廉化も実現可能である。
【0036】
したがって、この水熱固化体の製造方法によれば、十分な強度を有する水熱固化体を安定的にかつ安価に製造することができるため、広範囲の使用済み鋳物砂の再利用をより一層実現することができることがわかる。特に、上記特開平6−321651号公報記載の製造方法では、使用済み鋳物砂の含有量が1〜20質量%であるのに対し、試験2の製造方法では、砂系ダストの含有量が73.2質量%であり、より大量の使用済み鋳物砂を再利用できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の試験に係る製造方法を示す流れ図である。
【図2】本発明の試験に係る製造方法で用いた廃砂及び砂系ダストの鉱物組成を示すX線チャートである。
【図3】本発明の試験に係る製造方法で用いた廃砂及び砂系ダストの粒度分布を示すグラフである。
【図4】本発明の試験に係る製造方法で作製した水熱固化体及び試験体の鉱物組成を示すX線チャートである。
【符号の説明】
S1…調合工程
S2…成形工程
S3…水熱工程

Claims (6)

  1. CaO分及びSiO分を含む水熱固化用調合物を用意する調合工程と、該水熱固化用調合物を成形して成形体とする成形工程と、該成形体を水熱処理してケイ酸カルシウム水和物を生じて固化した水熱固化体を得る水熱工程とを有する水熱固化体の製造方法において、
    前記水熱固化用調合物は鋳造後に回収された使用済み鋳物砂を含み、該使用済み鋳物砂は砂系ダストを含有し、成形工程を乾式プレス法により行うことを特徴とする水熱固化体の製造方法。
  2. SiO分を砂系ダストだけで構成していることを特徴とする請求項1記載の水熱固化体の製造方法。
  3. 砂系ダストは粘土分を含有していることを特徴とする請求項1又は2記載の水熱固化体の製造方法。
  4. 粘土分はモンモリロナイトを含有していることを特徴とする請求項3記載の水熱固化体の製造方法。
  5. 砂系ダストは平均粒径が10〜100μmであることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項記載の水熱固化体の製造方法。
  6. 砂系ダストのSiO分は40〜80質量%であることを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1項記載の水熱固化体の製造方法。
JP2002291637A 2002-10-03 2002-10-03 水熱固化体の製造方法 Pending JP2004123471A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2002291637A JP2004123471A (ja) 2002-10-03 2002-10-03 水熱固化体の製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2002291637A JP2004123471A (ja) 2002-10-03 2002-10-03 水熱固化体の製造方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2004123471A true JP2004123471A (ja) 2004-04-22

Family

ID=32283182

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2002291637A Pending JP2004123471A (ja) 2002-10-03 2002-10-03 水熱固化体の製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2004123471A (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2010172813A (ja) * 2009-01-29 2010-08-12 Sintokogio Ltd 鋳物工場における廃棄物処理方法および鋳造ラインシステム
JP2016169123A (ja) * 2015-03-13 2016-09-23 住友金属鉱山シポレックス株式会社 軽量気泡コンクリートパネルの製造方法

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2010172813A (ja) * 2009-01-29 2010-08-12 Sintokogio Ltd 鋳物工場における廃棄物処理方法および鋳造ラインシステム
JP4736067B2 (ja) * 2009-01-29 2011-07-27 新東工業株式会社 鋳物工場における廃棄物処理方法
JP2016169123A (ja) * 2015-03-13 2016-09-23 住友金属鉱山シポレックス株式会社 軽量気泡コンクリートパネルの製造方法

Similar Documents

Publication Publication Date Title
Azevedo et al. Effect of curing temperature, activator solution composition and particle size in Brazilian fly-ash based geopolymer production
KR20080077002A (ko) 응고성 복합재를 위한 다기능성 조성물 및 조성물의 제조방법
CN112723831A (zh) 一种胶结固化重金属的铅锌渣基生态胶凝材料及其制备方法
Kamwa et al. A comparative study of compressed lateritic earth bricks stabilized with natural pozzolan-based geopolymer binders synthesized in acidic and alkaline conditions
CN114890705A (zh) 一种地质聚合物注浆材料用微硅粉基复合激发剂及其制备方法
JP4827045B2 (ja) 水浄化材、および水浄化材の製造方法
Ikeda Preparation of fly ash monoliths consolidated with a sodium silicate binder at ambient temperature
Wei et al. Preparation and characterization of unfired lightweight bricks using dealkalized calcium silicate residue from low-calcium sintering red mud
US20080093774A1 (en) Method for Producing Components
JP3750269B2 (ja) 産業廃棄物の固化方法及び産業廃棄物の固化体
JP2004123471A (ja) 水熱固化体の製造方法
JP4664462B2 (ja) 炭酸硬化体の製造方法
Sakamoto et al. Preparation of geopolymer cement from crushed stone by-product using alkali fusion
Ikeda et al. Consolidation of silica sand slime with a geopolymer binder at room temperature and the Strength of the Monoliths
JPH05238791A (ja) コンクリート用人工骨材の製造方法およびコンクリート用人工骨材
JP3847531B2 (ja) 製鋼スラグの骨材化処理方法
JP2993359B2 (ja) 再生珪酸カルシウム保温材の製造方法
JP4426752B2 (ja) 珪酸カルシウム水和物の製造法
JP2005075716A (ja) 赤泥の固化方法
JP2002114562A (ja) 水熱硬化体およびその製造方法
JP4317391B2 (ja) エコ石灰セメント及びその製造方法並びにエコ石灰セメント固化体の製造方法
JP2843520B2 (ja) 石炭灰質固化物の製造方法
JP4340057B2 (ja) 水熱固化体の製造方法
JP4077226B2 (ja) 水熱固化体の製造方法
JP4340058B2 (ja) 水熱固化体の製造方法

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20050620

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20080513

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20080520

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20081021