JP2004123274A - エレベータの制御リニューアル用マシン - Google Patents
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Abstract
【課題】エレベータの制御リニューアルを行う際に、既設の巻上機をそのまま利用することで、機重量物の交換作業を不要とし、リニューアル工事でのエレベータ停止時間の短縮化を図る。
【解決手段】既設の巻上機12に対し、新たな動力源となる制御リニューアル用マシン21を連結する。この制御リニューアル用マシン21は巻上機12と連結するための連結機構22、新たな制御方式に対応したモータ23と、モータ23の動力を連結機構22によって連結された巻上機12に伝達するための伝達機構24とを備え、巻上機12のシーブ14をモータ23の動力により回転させる。このような制御リニューアル用マシン21を用いることで、重量物の交換作業を不要とし、リニューアル工事でのエレベータ停止時間の短縮化を図る。
【選択図】 図1
【解決手段】既設の巻上機12に対し、新たな動力源となる制御リニューアル用マシン21を連結する。この制御リニューアル用マシン21は巻上機12と連結するための連結機構22、新たな制御方式に対応したモータ23と、モータ23の動力を連結機構22によって連結された巻上機12に伝達するための伝達機構24とを備え、巻上機12のシーブ14をモータ23の動力により回転させる。このような制御リニューアル用マシン21を用いることで、重量物の交換作業を不要とし、リニューアル工事でのエレベータ停止時間の短縮化を図る。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、巻上機によって乗りかごを昇降させるエレベータの制御リニューアルに用いられるマシンに関する。
【0002】
【従来の技術】
高層ビルなどに設置されたエレベータは、高速性、省電力性、制御の知能性、運転精度などの技術レベルに、安全性、意匠性などを加味した様々な要素で評価され、その総合的な商品価値が決定されている。また、近年のエレベータは電子技術の採用によってサービス機能が著しく進歩すると共に、意匠面においても現代感覚にあったものとなり、安全で快適な輸送設備としてその普及はめざましいものがある。その一方、老朽化したエレベータに対しての改造、改修、リニューアル工事も必要不可欠であり、既設のエレベータと新設のエレベータを入れ替えるという特異な工事形態の上でエレベータの利用者、あるいは、設置作業者の安全性や作業性を向上させるには様々な技術が必要となる。
【0003】
ここで、従来のエレベータの制御リニューアル方法について説明する。ここで言う制御リニューアルとは、エレベータの機械室内に設置された巻上機を新たな制御方式に対応させるべくリニューアルする場合を想定している。
【0004】
図5に既存のエレベータの機械室機器の概略構成を示す。
【0005】
つるべ式のエレベータにおいて、建物の機械室11内に巻上機12が設置される。エレベータは、機械室11から昇降路内の図示せぬ乗りかごとカウンタウエイトへと降ろされたメインロープ(主索)13を巻上機12に取り付けられているシーブ(綱車)14に巻回させ、シーブ14の回転によりメインロープ13を介してつるべ式動作により乗りかごとカウンタウエイトを昇降させることで運転を行う。巻上機12は、機械室11の床面11aに固定されたビーム15およびマシンベッド16を土台として設置されており、主たる動力であるモータ17、このモータ17の動力を伝達するギア(減速機)18、エレベータの動きが止まった状態を保持するためのブレーキ19などで構成されている。
【0006】
ここで、エレベータを新規に制御リニューアル(改修)工事する場合において、以下のような2通りの方法がある。
【0007】
第1の方法は、図6に示すように、既存の巻上機12を新規の巻上機12′に交換すると共に、図示せぬ制御盤をその巻上機12′に付けられたモータ17′の特性に合ったものに交換することで、新しいエレベータとして使用する方法である。第2の方法は、図7に示すように、既存の巻上機12のうちのモータ7′だけを部分交換すると共に、そのモータ7′の特性にあった制御盤と交換する方法である。
【0008】
しかしながら、前者のように巻上機自体を交換する方法では、重量物である巻上機12の撤去作業、さらに巻上機12′の新設作業などが必要であり、クレーン等を用いて多数の作業員による非常に手間のかかる作業になってしまうといった問題がある。また、後者のように部分交換による方法では、既設のギア18が残ったままになるため、新たなモータ7′との連結不良や、老朽化したギア8の磨耗による振動など、乗り心地の悪化状態がリニューアル後もそのまま引き継がれるといった問題がある。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
上記したように、エレベータの制御リニューアル(改修)工事を進める場合に、既存の巻上機を撤去して新設する方法では、重量物の既存建物内の揚重、或いは、建物付近の道路を使用してのクレーン揚重などの手段を取るしかなく、大かがり作業を必要とし、その工費もかなりかかってしまうことになる。しかも、この方法では、エレベータの運行を長時間停止しなければならないため、利用者に多大な迷惑をかけることになる。
【0010】
一方、モータのみ交換する方法をとった場合は、ある程度の要望には応えることができるものの、老朽化した効率の悪い部品をそのまま使い続けることになり、エレベータ全体のシステムの信頼性の向上を図るという本来の制御リニューアルの目的に反する部分が生じてしまう。また、モータの交換だけでも、その交換作業にはある程度の時間を要すため、その間、エレベータ運行を停止しなければならない。
【0011】
本発明は上記のような点に鑑みなされたもので、エレベータの制御リニューアルを行う際に、既設の巻上機をそのまま利用することで、機重量物の交換作業を不要とし、リニューアル工事でのエレベータ停止時間の短縮化を図ることのできるエレベータの制御リニューアル用マシンを提供することを目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】
本発明のエレベータの制御リニューアル用マシンは、既設の巻上機と並設されるエレベータの制御リニューアル用マシンであって、上記既設の巻上機と連結するための連結機構と、新たな制御方式に対応したモータと、このモータの動力を上記連結機構によって連結された上記既設の巻上機に伝達するための伝達機構とを備え、上記既設の巻上機に備えられたシーブを上記モータの動力により回転させるものである。
【0013】
また、上記連結機構は、上記モータの動力を受けて回転するディスク板と、このディスク板を上記既設の巻上機に備えられたシーブに回転可能に固定するための固定部材とで構成される。
【0014】
このような構成によれば、既設の巻上機に対し、新たな動力源となる制御リニューアル用マシンを連結するだけでリニューアルを実現できる。この場合、クレーン等を用いた重量物の交換作業は不要であり、エレベータの停止時間も制御リニューアル用マシンを巻上機に連結する僅かな間で済む。また、モータだけを部分交換した場合のような信頼性の低下はなく、新たな制御方式の下で正常にエレベータを運転することができる。
【0015】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して本発明の一実施形態を説明する。
【0016】
図1は本発明の一実施形態に係るエレベータの制御リニューアル用マシンが設置された機械室内の機器の構成を示す図、図2はその機械室内の機器の構成を上から見た場合の図である。なお、図5と同一部分には同一符号を付して説明する。
【0017】
本発明では、エレベータの制御リニューアルを行う際に、既設の巻上機をそのまま使用することを特徴としている。図1において、符号12が機械室11内に既に設置されていた巻上機である。この巻上機12は、モータ17、このモータ17の動力を伝達するギア(減速機)18、エレベータの動きが止まった状態を保持するためのブレーキ19などからなり、機械室11の床面11aに固定されたビーム15およびマシンベッド16を土台として設置されている。
【0018】
また、この巻上機12にはメインロープ13が巻回されたシーブ14が備えられており、このシーブ14の回転によってメインロープ13を介して昇降路内の図示せぬ乗りかごとカウンタウエイトをつるべ式に昇降させるように構成されている。
【0019】
このような既設の巻上機12に対し、本発明の制御リニューアル用マシン21が並設される。この制御リニューアル用マシン21は、既設の巻上機12と連結するための連結機構22と、新たな制御方式に対応したモータ23と、このモータ23の動力を連結機構22によって連結された巻上機12に伝達するための伝達機構24とを備え、機械室11の床面11aに固定されたビーム25およびマシンベッド26を土台として設置される。
【0020】
図3は既設の巻上機12に備えられたシーブ14の構成を示す図、図4はこのシーブ14と連結機構22との関係を示す図である。
【0021】
図3および図4に示すように、既設の巻上機12に備えられたシーブ14には、複数の貫通孔14aが円周状に穿設されている。この貫通孔14aはシーブ孔と呼ばれるものであり、部材軽量化のために設けられている。その形状は様々であるが、ここでは円形であるとする。一方、制御リニューアル用マシン21の連結機構22は、このシーブ14に取り付けられるディスク板31と、このディスク板31上に設けられ、シーブ14の各貫通孔14aに嵌挿される複数の結合ボルト32と、貫通孔14aの直径よりも大きな直径を有し、複数の結合ボルト32のうちの少なくとも1つが嵌着されるプレート33とからなる。
【0022】
このような構成において、エレベータの制御リニューアルを行う場合に、建物の機械室11内に設置されている既存の巻上機12はそのままの状態にして、その巻上機12の横に制御リニューアル用マシン21を巻上機12と同じ床面11a上に並設する。この制御リニューアル用マシン21には、制御リニューアル用に交換された図示せぬ新たな制御盤の制御方式に対応した小型のモータ23と、そのモータ23の動力を伝達する高効率のギア(例えばヘリカルギア)を用いた伝達機構24(減速機)とが備えられる。
【0023】
ここで、連結機構22として、巻上機12のシーブ14と同じ径を有するディスク板31を用い、このディスク板31をシーブ14に固定する。この場合、シーブ14とディスク板31との固定は、図3に示すように、シーブ14に予め形成されている複数の貫通孔14aを用いて行う。すなわち、図4に示すように、ディスク板31に設けられた複数の結合ボルト32をシーブ14上の各貫通孔14aにそれぞれ通した後、そのうちの1つを反対側から貫通孔14aの直径よりも大きな直径を有したプレート33にて挟み込むことで接合する。このように接合部位をシーブ14の中心ではなく、シーブ14の外径に近い部分とすることで、シーブ14をディスク板31にて回転させる場合のトルクを低くすることを可能とする。
【0024】
また、この制御リニューアル用マシン21は、ビーム25とマシンベッド26などを用いて床面11aに固定される。この場合、既存の巻上機12がエレベータの乗りかご自体の重量を支えているため、制御リニューアル用マシン21については、その巻上機12のシーブ14を回転させるに足りる動きを確保できる程度の固定方法をとることができる。
【0025】
このように、本発明によれば、機械室11内の既設の巻上機12に対し、新たな動力源となる制御リニューアル用マシン21を連結するだけでリニューアルを実現できる。この場合、従来のように既設の巻上機12の撤去して新設する方法であれば、クレーンなどを用いた重量物の交換作業が必要であり、しかも、その間にエレベータの運転を停止しなければならないが、本発明では、このような重量物の交換作業は不要であり、エレベータの停止時間についても制御リニューアル用マシン21を巻上機12に連結する僅かな間で済む。
【0026】
また、モータ17だけを部分交換する方法であれば、老朽化した効率の悪い部品をそのまま使い続けることになり、エレベータ全体のシステムの信頼性の低下を招くことになるが、本発明では、新設された制御リニューアル用マシン21が動力源になるため、老朽化した部品による影響を受けずに新たな制御方式の下で正常な運転を行うことができる。リニューアル後の巻上機12はつるべ式機構としての役割だけを担うことになるが、これを撤去する作業がない分、結果的に作業工数を短縮化ができ、作業も容易に、しかも安価にリニューアルでき、さらに、長時間のエレベータ停止を回避することができる。
【0027】
【発明の効果】
以上詳記したように本発明によれば、既設の巻上機に対し、新たな動力源となる制御リニューアル用マシンを連結するだけの簡単な作業でエレベータの制御リニューアルを実現することができる。この場合、既設の巻上機をそのまま使用することで、クレーン等を用いた重量物の交換作業を不要とし、リニューアル工事でのエレベータ停止時間の短縮化を図ることができ、また、新設の制御リニューアル用マシンを動力源とすることで、老朽化した部品による影響を受けずに新たな制御方式の下で正常な運転を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態に係るエレベータの制御リニューアル用マシンが設置された機械室内の機器の構成を示す図。
【図2】上記制御リニューアル用マシンが設置された機械室内の機器の構成を上から見た場合の図。
【図3】既設の巻上機に備えられたシーブの構成を示す図。
【図4】上記既設の巻上機に備えられたシーブと上記制御リニューアル用マシンの連結機構との関係を示す図。
【図5】既存のエレベータの機械室内の機器の構成を示す図。
【図6】従来のリニューアル工法(既設の巻上機を撤去する方法)を用いた場合のエレベータの機械室内の機器の構成を示す図。
【図7】従来のリニューアル工法(巻上機のモータ部分だけを交換する方法)を用いた場合のエレベータの機械室内の機器の構成を示す図。
【符号の説明】
11…機械室
12…巻上機
13…メインロープ
14…シーブ
15…ビーム
16…マシンベッド
17…モータ
18…ギア(減速機)
19…ブレーキ
21…制御リニューアル用マシン
22…連結機構
23…モータ
24…伝達機構
31…ディスク板
32…結合ボルト
33…プレート
【発明の属する技術分野】
本発明は、巻上機によって乗りかごを昇降させるエレベータの制御リニューアルに用いられるマシンに関する。
【0002】
【従来の技術】
高層ビルなどに設置されたエレベータは、高速性、省電力性、制御の知能性、運転精度などの技術レベルに、安全性、意匠性などを加味した様々な要素で評価され、その総合的な商品価値が決定されている。また、近年のエレベータは電子技術の採用によってサービス機能が著しく進歩すると共に、意匠面においても現代感覚にあったものとなり、安全で快適な輸送設備としてその普及はめざましいものがある。その一方、老朽化したエレベータに対しての改造、改修、リニューアル工事も必要不可欠であり、既設のエレベータと新設のエレベータを入れ替えるという特異な工事形態の上でエレベータの利用者、あるいは、設置作業者の安全性や作業性を向上させるには様々な技術が必要となる。
【0003】
ここで、従来のエレベータの制御リニューアル方法について説明する。ここで言う制御リニューアルとは、エレベータの機械室内に設置された巻上機を新たな制御方式に対応させるべくリニューアルする場合を想定している。
【0004】
図5に既存のエレベータの機械室機器の概略構成を示す。
【0005】
つるべ式のエレベータにおいて、建物の機械室11内に巻上機12が設置される。エレベータは、機械室11から昇降路内の図示せぬ乗りかごとカウンタウエイトへと降ろされたメインロープ(主索)13を巻上機12に取り付けられているシーブ(綱車)14に巻回させ、シーブ14の回転によりメインロープ13を介してつるべ式動作により乗りかごとカウンタウエイトを昇降させることで運転を行う。巻上機12は、機械室11の床面11aに固定されたビーム15およびマシンベッド16を土台として設置されており、主たる動力であるモータ17、このモータ17の動力を伝達するギア(減速機)18、エレベータの動きが止まった状態を保持するためのブレーキ19などで構成されている。
【0006】
ここで、エレベータを新規に制御リニューアル(改修)工事する場合において、以下のような2通りの方法がある。
【0007】
第1の方法は、図6に示すように、既存の巻上機12を新規の巻上機12′に交換すると共に、図示せぬ制御盤をその巻上機12′に付けられたモータ17′の特性に合ったものに交換することで、新しいエレベータとして使用する方法である。第2の方法は、図7に示すように、既存の巻上機12のうちのモータ7′だけを部分交換すると共に、そのモータ7′の特性にあった制御盤と交換する方法である。
【0008】
しかしながら、前者のように巻上機自体を交換する方法では、重量物である巻上機12の撤去作業、さらに巻上機12′の新設作業などが必要であり、クレーン等を用いて多数の作業員による非常に手間のかかる作業になってしまうといった問題がある。また、後者のように部分交換による方法では、既設のギア18が残ったままになるため、新たなモータ7′との連結不良や、老朽化したギア8の磨耗による振動など、乗り心地の悪化状態がリニューアル後もそのまま引き継がれるといった問題がある。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
上記したように、エレベータの制御リニューアル(改修)工事を進める場合に、既存の巻上機を撤去して新設する方法では、重量物の既存建物内の揚重、或いは、建物付近の道路を使用してのクレーン揚重などの手段を取るしかなく、大かがり作業を必要とし、その工費もかなりかかってしまうことになる。しかも、この方法では、エレベータの運行を長時間停止しなければならないため、利用者に多大な迷惑をかけることになる。
【0010】
一方、モータのみ交換する方法をとった場合は、ある程度の要望には応えることができるものの、老朽化した効率の悪い部品をそのまま使い続けることになり、エレベータ全体のシステムの信頼性の向上を図るという本来の制御リニューアルの目的に反する部分が生じてしまう。また、モータの交換だけでも、その交換作業にはある程度の時間を要すため、その間、エレベータ運行を停止しなければならない。
【0011】
本発明は上記のような点に鑑みなされたもので、エレベータの制御リニューアルを行う際に、既設の巻上機をそのまま利用することで、機重量物の交換作業を不要とし、リニューアル工事でのエレベータ停止時間の短縮化を図ることのできるエレベータの制御リニューアル用マシンを提供することを目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】
本発明のエレベータの制御リニューアル用マシンは、既設の巻上機と並設されるエレベータの制御リニューアル用マシンであって、上記既設の巻上機と連結するための連結機構と、新たな制御方式に対応したモータと、このモータの動力を上記連結機構によって連結された上記既設の巻上機に伝達するための伝達機構とを備え、上記既設の巻上機に備えられたシーブを上記モータの動力により回転させるものである。
【0013】
また、上記連結機構は、上記モータの動力を受けて回転するディスク板と、このディスク板を上記既設の巻上機に備えられたシーブに回転可能に固定するための固定部材とで構成される。
【0014】
このような構成によれば、既設の巻上機に対し、新たな動力源となる制御リニューアル用マシンを連結するだけでリニューアルを実現できる。この場合、クレーン等を用いた重量物の交換作業は不要であり、エレベータの停止時間も制御リニューアル用マシンを巻上機に連結する僅かな間で済む。また、モータだけを部分交換した場合のような信頼性の低下はなく、新たな制御方式の下で正常にエレベータを運転することができる。
【0015】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して本発明の一実施形態を説明する。
【0016】
図1は本発明の一実施形態に係るエレベータの制御リニューアル用マシンが設置された機械室内の機器の構成を示す図、図2はその機械室内の機器の構成を上から見た場合の図である。なお、図5と同一部分には同一符号を付して説明する。
【0017】
本発明では、エレベータの制御リニューアルを行う際に、既設の巻上機をそのまま使用することを特徴としている。図1において、符号12が機械室11内に既に設置されていた巻上機である。この巻上機12は、モータ17、このモータ17の動力を伝達するギア(減速機)18、エレベータの動きが止まった状態を保持するためのブレーキ19などからなり、機械室11の床面11aに固定されたビーム15およびマシンベッド16を土台として設置されている。
【0018】
また、この巻上機12にはメインロープ13が巻回されたシーブ14が備えられており、このシーブ14の回転によってメインロープ13を介して昇降路内の図示せぬ乗りかごとカウンタウエイトをつるべ式に昇降させるように構成されている。
【0019】
このような既設の巻上機12に対し、本発明の制御リニューアル用マシン21が並設される。この制御リニューアル用マシン21は、既設の巻上機12と連結するための連結機構22と、新たな制御方式に対応したモータ23と、このモータ23の動力を連結機構22によって連結された巻上機12に伝達するための伝達機構24とを備え、機械室11の床面11aに固定されたビーム25およびマシンベッド26を土台として設置される。
【0020】
図3は既設の巻上機12に備えられたシーブ14の構成を示す図、図4はこのシーブ14と連結機構22との関係を示す図である。
【0021】
図3および図4に示すように、既設の巻上機12に備えられたシーブ14には、複数の貫通孔14aが円周状に穿設されている。この貫通孔14aはシーブ孔と呼ばれるものであり、部材軽量化のために設けられている。その形状は様々であるが、ここでは円形であるとする。一方、制御リニューアル用マシン21の連結機構22は、このシーブ14に取り付けられるディスク板31と、このディスク板31上に設けられ、シーブ14の各貫通孔14aに嵌挿される複数の結合ボルト32と、貫通孔14aの直径よりも大きな直径を有し、複数の結合ボルト32のうちの少なくとも1つが嵌着されるプレート33とからなる。
【0022】
このような構成において、エレベータの制御リニューアルを行う場合に、建物の機械室11内に設置されている既存の巻上機12はそのままの状態にして、その巻上機12の横に制御リニューアル用マシン21を巻上機12と同じ床面11a上に並設する。この制御リニューアル用マシン21には、制御リニューアル用に交換された図示せぬ新たな制御盤の制御方式に対応した小型のモータ23と、そのモータ23の動力を伝達する高効率のギア(例えばヘリカルギア)を用いた伝達機構24(減速機)とが備えられる。
【0023】
ここで、連結機構22として、巻上機12のシーブ14と同じ径を有するディスク板31を用い、このディスク板31をシーブ14に固定する。この場合、シーブ14とディスク板31との固定は、図3に示すように、シーブ14に予め形成されている複数の貫通孔14aを用いて行う。すなわち、図4に示すように、ディスク板31に設けられた複数の結合ボルト32をシーブ14上の各貫通孔14aにそれぞれ通した後、そのうちの1つを反対側から貫通孔14aの直径よりも大きな直径を有したプレート33にて挟み込むことで接合する。このように接合部位をシーブ14の中心ではなく、シーブ14の外径に近い部分とすることで、シーブ14をディスク板31にて回転させる場合のトルクを低くすることを可能とする。
【0024】
また、この制御リニューアル用マシン21は、ビーム25とマシンベッド26などを用いて床面11aに固定される。この場合、既存の巻上機12がエレベータの乗りかご自体の重量を支えているため、制御リニューアル用マシン21については、その巻上機12のシーブ14を回転させるに足りる動きを確保できる程度の固定方法をとることができる。
【0025】
このように、本発明によれば、機械室11内の既設の巻上機12に対し、新たな動力源となる制御リニューアル用マシン21を連結するだけでリニューアルを実現できる。この場合、従来のように既設の巻上機12の撤去して新設する方法であれば、クレーンなどを用いた重量物の交換作業が必要であり、しかも、その間にエレベータの運転を停止しなければならないが、本発明では、このような重量物の交換作業は不要であり、エレベータの停止時間についても制御リニューアル用マシン21を巻上機12に連結する僅かな間で済む。
【0026】
また、モータ17だけを部分交換する方法であれば、老朽化した効率の悪い部品をそのまま使い続けることになり、エレベータ全体のシステムの信頼性の低下を招くことになるが、本発明では、新設された制御リニューアル用マシン21が動力源になるため、老朽化した部品による影響を受けずに新たな制御方式の下で正常な運転を行うことができる。リニューアル後の巻上機12はつるべ式機構としての役割だけを担うことになるが、これを撤去する作業がない分、結果的に作業工数を短縮化ができ、作業も容易に、しかも安価にリニューアルでき、さらに、長時間のエレベータ停止を回避することができる。
【0027】
【発明の効果】
以上詳記したように本発明によれば、既設の巻上機に対し、新たな動力源となる制御リニューアル用マシンを連結するだけの簡単な作業でエレベータの制御リニューアルを実現することができる。この場合、既設の巻上機をそのまま使用することで、クレーン等を用いた重量物の交換作業を不要とし、リニューアル工事でのエレベータ停止時間の短縮化を図ることができ、また、新設の制御リニューアル用マシンを動力源とすることで、老朽化した部品による影響を受けずに新たな制御方式の下で正常な運転を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態に係るエレベータの制御リニューアル用マシンが設置された機械室内の機器の構成を示す図。
【図2】上記制御リニューアル用マシンが設置された機械室内の機器の構成を上から見た場合の図。
【図3】既設の巻上機に備えられたシーブの構成を示す図。
【図4】上記既設の巻上機に備えられたシーブと上記制御リニューアル用マシンの連結機構との関係を示す図。
【図5】既存のエレベータの機械室内の機器の構成を示す図。
【図6】従来のリニューアル工法(既設の巻上機を撤去する方法)を用いた場合のエレベータの機械室内の機器の構成を示す図。
【図7】従来のリニューアル工法(巻上機のモータ部分だけを交換する方法)を用いた場合のエレベータの機械室内の機器の構成を示す図。
【符号の説明】
11…機械室
12…巻上機
13…メインロープ
14…シーブ
15…ビーム
16…マシンベッド
17…モータ
18…ギア(減速機)
19…ブレーキ
21…制御リニューアル用マシン
22…連結機構
23…モータ
24…伝達機構
31…ディスク板
32…結合ボルト
33…プレート
Claims (2)
- 既設の巻上機と並設されるエレベータの制御リニューアル用マシンであって、
上記既設の巻上機と連結するための連結機構と、
新たな制御方式に対応したモータと、
このモータの動力を上記連結機構によって連結された上記既設の巻上機に伝達するための伝達機構とを備え、
上記既設の巻上機に備えられたシーブを上記モータの動力により回転させることを特徴とするエレベータの制御リニューアル用マシン。 - 上記連結機構は、上記モータの動力を受けて回転するディスク板と、このディスク板を上記既設の巻上機に備えられたシーブに回転可能に固定するための固定部材とで構成されることを特徴とする請求項1記載のエレベータの制御リニューアル用マシン。
Priority Applications (1)
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JP2002287780A JP2004123274A (ja) | 2002-09-30 | 2002-09-30 | エレベータの制御リニューアル用マシン |
Applications Claiming Priority (1)
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---|---|---|---|
JP2002287780A JP2004123274A (ja) | 2002-09-30 | 2002-09-30 | エレベータの制御リニューアル用マシン |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2004123274A true JP2004123274A (ja) | 2004-04-22 |
Family
ID=32280466
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2002287780A Pending JP2004123274A (ja) | 2002-09-30 | 2002-09-30 | エレベータの制御リニューアル用マシン |
Country Status (1)
Country | Link |
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JP (1) | JP2004123274A (ja) |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2005037702A1 (ja) * | 2003-10-21 | 2005-04-28 | Nabtesco Corporation | エレベータの改造作業方法及びエレベータ |
JP2013052972A (ja) * | 2011-09-05 | 2013-03-21 | Mitsubishi Electric Corp | 昇降機改修工事用補助装置および昇降機の改修方法 |
CN105293262A (zh) * | 2014-06-13 | 2016-02-03 | 株式会社日立建筑系统 | 电梯装置的卷扬机及卷扬机的更新方法 |
-
2002
- 2002-09-30 JP JP2002287780A patent/JP2004123274A/ja active Pending
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WO2005037702A1 (ja) * | 2003-10-21 | 2005-04-28 | Nabtesco Corporation | エレベータの改造作業方法及びエレベータ |
JP2013052972A (ja) * | 2011-09-05 | 2013-03-21 | Mitsubishi Electric Corp | 昇降機改修工事用補助装置および昇降機の改修方法 |
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