JP2004122923A - チャイルドシート - Google Patents

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JP2004122923A JP2002289702A JP2002289702A JP2004122923A JP 2004122923 A JP2004122923 A JP 2004122923A JP 2002289702 A JP2002289702 A JP 2002289702A JP 2002289702 A JP2002289702 A JP 2002289702A JP 2004122923 A JP2004122923 A JP 2004122923A
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Kenji Hoshino
星野 賢司
Takayuki Ando
安藤 隆行
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Tokai Rika Co Ltd
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Tokai Rika Co Ltd
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Abstract

【課題】買い替えコストを低減できるチャイルドシートを得る。
【解決手段】チャイルドシート10では、1種類の座部12に対して体重が18kg以下の子供の体格に適応して形成された第1の背もたれ部14、及び、体重が15kg以上36kg以下の子供の体格に適応して形成された第2の背もたれ部14の2種類の背もたれ部が用意される。これらの第1の背もたれ部14及び第2の背もたれ部16は、共に座部12に対して着脱可能である。したがって、子供の成長に応じて背もたれ部を、第1の背もたれ部14から第2の背もたれ部16へと着け替えればよく、チャイルドシート自体を買い替える場合に比べ買い替えコストを低減できる。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、乳児や幼児等を車両に乗せる際に車両に取り付けられるチャイルドシートに関する。
【0002】
【従来の技術】
新生児や乳幼児等の子供を車両に乗車させる際には、例えば、下記特許文献1に示されるようなチャイルドシートを車両の座席に取り付け、これに子供を着席させることが義務付けられている。
【0003】
ところで、チャイルドシートには、子供の体重により4段階に区分された法規的なカテゴリー(W1〜W4)が存在している。このため、チャイルドシートには、子供の体重に対応した、いくつかの種類がある。
【0004】
例えば、子供が新生児や乳児等で体重が10kg未満である場合(W1)には、一般にベビーシート(またはインファントシート)と呼ばれるタイプのチャイルドシートが使用される。このタイプのチャイルドシートは、子供が車両の後方へ向いて着席するように座席に取り付けられ、子供専用のベルトで子供をシートに拘束する
また、子供が成長して体重が9〜18kg未満(W2)になると、ベビーシートより大柄な、幼児用チャイルドシートが使用される。このタイプのチャイルドシートは、子供が車両の前方へ向いて着席するように座席に取り付けられ、ベビーシートと同様に、子供専用のベルトで子供をシートに拘束する
さらに、子供がより大きくなって、例えば、体重が15kg〜36kg以下(W3及びW4)になると、所謂ジュニアシートと呼ばれるタイプのチャイルドシートが使用される。このジュニアシートは、通常は子供の着座位置を高くするための台座(ブースター)である。この場合、通常の(大人用の)シートベルト装置のウエビングで子供を拘束する。
【0005】
しかしながら、チャイルドシートを子供の成長に応じて、より大きいサイズへと順次買い替えていかなければならかったため、買い替えコストが掛かっていた。
【0006】
【特許文献1】
特開平6−141911号公報
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は上記事実を考慮して、買い替えコストを低減できるチャイルドシートを得ることが目的である。
【0008】
【課題を解決するための手段】
請求項1に係る発明のチャイルドシートは、乗員が着席する所定形状の1種類の座部と、互いに形状が異なり何れも前記座部に対して着脱可能とされ、何れか1つが選択的に前記座部に取り付けられる複数種類の背もたれ部と、を有している。
【0009】
請求項1記載のチャイルドシートでは、座部と背もたれ部とが別体で構成され、座部に背もたれ部が取り付けられる。このチャイルドシートは、上記取付状態で車両等のシートに固定され、これに乳児や幼児等の子供(乗員)が着席する。
【0010】
ここで、本チャイルドシートは、1種類の座部に対し、形状が異なる複数種類の背もたれ部が用意される。これらの背もたれ部は何れも座部に対して着脱可能とされ、これらの背もたれ部が座部に対して選択的に着け替えて使用される(すなわち、形状が異なる複数種類の背もたれ部が1種類の座部を共用する)。
【0011】
このため、チャイルドシートを使用する際(子供を着席させる際)に、上記複数の背もたれ部の中から何れか1つの背もたれ部を選択的に座部に取り付けることで、チャイルドシートの形状を異ならせることが可能となる。
【0012】
したがって、形状の異なった複数種類のチャイルドシートが必要となっても、背もたれ部だけを着け替え(買い替え)れば良く、複数種類のチャイルドシートを個別に購入する場合に比べ、費用が掛からない。
【0013】
請求項2に係る発明のチャイルドシートは、乗員が着席する所定形状の1種類の座部と、前記座部に対して着脱可能な第1の背もたれ部と、前記第1の背もたれ部の高さ方向寸法より高さ方向寸法が長く、前記座部に対して着脱可能な第2の背もたれ部と、を備え、前記第1の背もたれ部及び前記第2の背もたれ部の何れか一方が前記座部に対して選択的に取り付けられる、ことを特徴としている。
【0014】
請求項2記載のチャイルドシートでは、座部と背もたれ部とが別体で構成され、座部に背もたれ部が取り付けられる。このチャイルドシートは、上記取付状態で車両等のシートに固定され、これに乳児や幼児等の子供(乗員)が着席する。
【0015】
ここで、本チャイルドシートは、1種類の座部に対し、第1の背もたれ部及び第2の背もたれ部の2種類の背もたれ部が用意される。これらの背もたれ部は、何れも座部に対して着脱可能とされ、チャイルドシートを使用する際(子供を着席させる際)には、これらの背もたれ部が座部に対して選択的に着け替えて使用される(すなわち、2種類の背もたれ部が1種類の座部を共用する)。
【0016】
一方、これらの第1の背もたれ部と第2の背もたれ部とでは、第2の背もたれ部の高さ方向寸法の方が、第1の背もたれ部の高さ方向寸法より長い。
【0017】
このため、本チャイルドシートを使用する子供が、例えば、新生児や乳児等の体重18kg以下の子供である場合には、2種類の背もたれ部のうち高さ方向寸法が比較的短い第1背もたれ部が選択されて座部に取り付けられる。
【0018】
これに対して、子供が成長して身体が大きくなり、例えば、体重が15kg以上36kg以下となった場合には、2種類の背もたれ部のうち高さ方向寸法が比較的長い第2の背もたれ部が選択されて座部に取り付けられる。
【0019】
このように、本チャイルドシートは、上記2種類の背もたれ部のうち、何れか一方の背もたれ部を選択的に座部に取り付けることで、子供の身体の大きさに応じて(子供の成長に応じて)チャイルドシートの形状を異ならせることが可能になる。
【0020】
したがって、子供が成長して、より背もたれ部の高さ方向寸法が長い種類のチャイルドシートが必要となっても、背もたれ部だけを第1の背もたれ部から第2の背もたれ部に着け替えれば(買い替えれば)良く、子供の身体の大きさに応じてチャイルドシートを個別に購入する場合に比べ、費用が掛からない。
【0021】
請求項3に係る発明のチャイルドシートは、請求項2記載のチャイルドシートにおいて、前記第1の背もたれ部における前記着席した乗員の両肩部に対応する部位に、前記第1の背もたれ部を厚さ方向に貫通し乗員拘束用のベルトが通される貫通孔を一対形成した、ことを特徴としている。
【0022】
請求項3記載のチャイルドシートでは、使用する子供が、例えば、新生児や乳児等の体重18kg以下の子供である場合に、第1の背もたれ部が座部に取り付けられる。
【0023】
ところで、このクラスの子供用のチャイルドシートには、通常子供専用の拘束用ベルトが設けられている。この場合、チャイルドシートの背もたれ部を厚さ方向に貫通した貫通孔が、着席した乗員の両肩部に対応する部位に一対形成されており、これらの貫通孔に、例えば、中間部分で折り返され略V字状とされた乗員拘束用のベルトの両端部側がそれぞれ通される。このベルトの両端部は、背もたれ部の裏面側に係止され、乗員は頭をV字状ループに通すことで両肩部が拘束される。
【0024】
ここで、本チャイルドシートでは、第1の背もたれ部を厚さ方向に貫通した貫通孔が、着席した乗員の両肩部に対応する部位に一対形成され、これらの一対の貫通孔に乗員拘束用のベルトが通される。したがって、従来のチャイルドシートと同様に、乗員の肩部を拘束することができる。
【0025】
請求項4に係る発明のチャイルドシートは、請求項2または請求項3記載のチャイルドシートにおいて、前記第2の背もたれ部の幅方向両側端から前記着席した乗員の両側方に一対の側壁部を設けると共に、前記側壁部における前記乗員の両肩部に対応する部位に前記背もたれ部の幅方向に沿って乗員拘束用のベルトを通す切欠部を形成した、ことを特徴としている。
【0026】
請求項4記載のチャイルドシートでは、使用する子供の体重が、例えば、15kg以上36kg以下である場合に、第2の背もたれ部が座部に取り付けられる。
【0027】
ところで、従来、このクラスの子供用のチャイルドシートは、子供の着座位置を高くするための台座(ブースター)であり、通常(大人用)の3点式シートベルト装置のウエビングで子供を拘束していた。このため、例えば、側方からの衝撃から乗員を保護するための保護手段を有していなかった(仮に乗員の両側方に保護手段を設けると、ウエビングがこの保護手段に干渉される)。
【0028】
ここで、本チャイルドシートでは、第2の背もたれ部の幅方向両側端から着席した乗員の両側方に一対の側壁部が設けられる。これにより、例えば、側方からの衝撃を受けた場合にこの側壁部によって乗員が保護される。
【0029】
一方、これらの側壁部には一対の切欠部が形成される。これらの切欠部は、側壁部における乗員の両肩部に対応する部位が、背もたれ部の幅方向に沿って切り欠かれることで形成される。また、ウエビングで子供(乗員)を拘束する際には、この切欠部にウエビングが通される(例えば、チャイルドシートを車両の右座席に取り付ける場合には、ウエビングを乗員から見て右側の切欠部に通される)。
【0030】
したがって、ウエビングに対して側壁部が障害になること(乗員の身体に対して側壁部が高すぎ、ウエビングが側壁部に干渉されてウエビングと乗員の身体との間に隙間が生ずること)がなく、確実に乗員を拘束することができる。
【0031】
【発明の実施の形態】
図1には、本発明の実施の形態に係るチャイルドシート10の要部の構成が分解斜視図によって示されている。
【0032】
チャイルドシート10は、座部12を構成するベース部20を備えている。ベース部20は合成樹脂材により略矩形の板状に形成されており、ウレタン等で形成された柔軟性を有するクッション21により座面部22(図1における上方へ向いた面部)が覆われている。
【0033】
また、ベース部20は軸支部24を有している。この軸支部24は、ベース部20の後端部から上方へ向けて突出して形成されている。軸支部24は、中間支持部26と軸端支持部28とで構成されている。中間支持部26はベース部20の幅方向略中央に設けられている。また、軸端支持部28はベース部20の幅方向両側端側に一対設けられている。
【0034】
さらに、中間支持部26及び軸端支持部28との間には、それぞれ、座部12の幅方向(図1の寸法W方向)と略平行な丸棒状の軸部30が一対設けられている。これらの軸部30は、その一端側が中間支持部26に接続され、他端側が軸端支持部28に接続されている。
【0035】
また、座部12は一対のサイドサポート32を備えている。これらのサイドサポート32は、ベース部20の幅方向両側端から図1における上方へ向けてそれぞれ立設されており、これにより、座部12の幅方向に沿った断面形状が略U字状になっている。これらのサイドサポート32の内側面は、座面部22と同様にクッション21により覆われている。
【0036】
さらに、これらのサイドサポート32の前後方向(図1の寸法D方向)中間部分には、それぞれ切欠部34が形成されている。これらの切欠部34は、サイドサポート32の上端部を、その厚さ方向に沿って切り欠くことで形成されている。また、切欠部34から見てサイドサポート32後端側の両側面上部には、それぞれ雌ねじ加工が施されたねじ孔36が形成されている。
【0037】
また、チャイルドシート10は、第1の背もたれ部14を構成するベース部40を備えている。ベース部40は合成樹脂材により略矩形の板状に形成されており、ウレタン等で形成された柔軟性を有するクッション41により、表面部43(図1における矢印FR方向へ向いた面部)が覆われている。また、ベース部40の幅方向寸法は、座部12のベース部20の幅方向寸法と略同一となっている。また、ベース部40の高さ方向寸法(図1の寸法H1)は、新生児や乳児等の体重が18kg以下の子供の体格に適応するように設定されている。
【0038】
このベース部40の略中央には、ベース部40をその厚さ方向に貫通した複数の貫通孔42が形成されている。これらの貫通孔42は、ベース部40の幅方向に沿って一対設けられると共に、ベース部40の高さ方向に沿って複数段(本実施の形態では3段)設けられている。
【0039】
また、図2に示す如く、第1の背もたれ部14には、乗員拘束用のベルト44が取り付けられている。ベルト44は長尺の帯状に形成され、中間部分が折り返され略V字状になっている。このベルト44の折り返し部分には、座面部22の略中央に取り付けられる図示しないバックル装置に着脱可能なタング46が設けられている。また、ベルト44は両端部側が貫通孔42をそれぞれ通ると共に、両端部が第1の背もたれ部14の裏面側に係止されている。
【0040】
さらに、ベース部40は、高さ方向下端部に係合爪48を一対有している。これらの係合爪48は、軸支部24及び軸部30に対応して、第1の背もたれ部14の幅方向に沿って二つ設けられている。これらの係合爪48は、軸部30の外周形状に対応して湾曲した板状部であり、内周面が第1の背もたれ部14の裏面側へ向くようになっている。また、図2に示す座部12と第1の背もたれ部14との取付状態では、係合爪48の内側には軸部30が入り込んでいる。これにより、第1の背もたれ部14は、座部12に対して軸部30周りに回動可能になっている。
【0041】
また、第1の背もたれ部14は一対のサイドサポート50を備えている。これらのサイドサポート50は、ベース部40の幅方向両側端からチャイルドシート10の前方(図1の矢印FR方向)へ向けてそれぞれ立設されており、これにより、第1の背もたれ部14の幅方向に沿った断面形状が略U字状になっている。また、これらのサイドサポート50は、下端側でその高さ方向寸法がベース部40の高さ方向寸法より短くなっており、図2に示す座部12と第1の背もたれ部14との取付状態では、第1の背もたれ部14のサイドサポート50の下端部と、座部12のサイドサポート50の上端部が当接している。さらに、これらのサイドサポート50の内側面も、表面部43と同様にクッション41により覆われている。
【0042】
また、サイドサポート50の両外側面下部には一対の取付板52が設けられている。これらの取付板52は、第1の背もたれ部14の高さ方向に沿って下方へ向けてサイドサポート50から突出している。また、これらの取付板52の略中央部には、取付板52を厚さ方向に貫通した孔部54が一対形成されている。これらの孔部54は、上記座部12のねじ孔36に対応して設けられており、第1の背もたれ部14が軸部30周りに回動したときの所定の回動位置でねじ孔36に対して、その軸線方向に沿って対向するようになっている。また、図2に示す、第1の背もたれ部14が座部12に取り付けられた状態では、一対のねじ56(一方は図示省略)が孔部54を貫通してねじ孔36に螺合しており、座部12と第1の背もたれ部14とが固定されている。
【0043】
また、チャイルドシート10は、第2の背もたれ部16を構成するベース部60を備えている。ベース部60は合成樹脂材により略矩形の板状に形成されており、ウレタン等で形成された柔軟性を有するクッション61により、表面部63(図1における矢印FR方向へ向いた面部)が覆われている。また、ベース部60の幅方向寸法は、座部12のベース部20の幅方向寸法と略同一となっている。また、ベース部60の高さ方向寸法(図1の寸法H2)は、体重15kg以上36kg以下の子供の体格に適応するように設定されている。
【0044】
また、ベース部60は、高さ方向下端部に係合爪62を一対有している。これらの係合爪62は、軸部30及び中間支持部26に対応して、第2の背もたれ部16の幅方向に沿って二つ設けられている。これらの係合爪62は、軸部30の外周形状に対応して湾曲した板状部であり、内周面が第2の背もたれ部16の裏面側へ向くようになっている。図3に示す座部12と第2の背もたれ部16との取付状態では、係合爪62の内側には軸部30が入り込んでいる。これにより、第2の背もたれ部16は、座部12に対して軸部30周りに回動可能になっている。
【0045】
さらに、第2の背もたれ部16はサイドサポート64を備えている。サイドサポート64は、ベース部60の幅方向両側端からチャイルドシート10の前方(図1の矢印FR方向)へ向けてそれぞれ立設されており、これにより、第2の背もたれ部16の幅方向に沿った断面形状が略U字状になっている。また、これらのサイドサポート64は、下端側でその高さ方向寸法がベース部60の高さ方向寸法より、短くなっており、図2に示す座部12と第2の背もたれ部16との取付状態では、第2の背もたれ部16のサイドサポート64の下端部と、座部12のサイドサポート64の上端部が当接している。さらに、これらのサイドサポート32の内側面も、表面部63と同様にクッション61により覆われている。
【0046】
また、サイドサポート64の両外側面下部には一対の取付板66が設けられている。これらの取付板66は第2の背もたれ部16の高さ方向に沿って下方へ向けてサイドサポート64から突出している。また、これらの取付板66の略中央部には、取付板66を厚さ方向に貫通した孔部68が一対形成されている。これらの孔部68は、上記座部12のねじ孔36に対応して設けられており、第2の背もたれ部16が軸部30周りに回動したときの所定の回動位置でねじ孔36に対して、その軸線方向に沿って対向するようになっている。また、図3に示す、第2の背もたれ部16が座部12に取り付けられた状態では、一対のねじ70(一方は図示省略)が孔部68を貫通してねじ孔36に螺合しており、座部12と第2の背もたれ部16とが固定されている。
【0047】
すなわち、これらの係合爪62及び取付板66(孔部68)は、上記第1の背もたれ部14に設けられた係合爪48及び取付板52(孔部54)と、同一の形状(構造)で形成されている。
【0048】
さらに、これらサイドサポート64には一対の切欠部72が形成されている。切欠部72は、サイドサポート64の上端側であって、チャイルドシート10に乗員が着席した場合に、乗員の両肩に対応する部位を第2の背もたれ部16の幅方向(サイドサポート64の厚さ方向)に沿って切り欠くことで形成されている。また、これらの切欠部72は、内側に乗員拘束用のウエビング74の幅方向寸法より長い深さ方向寸法を有するスリット状に形成されており、チャイルドシート10の前端側へ向けて開口している。
【0049】
次に、本実施の形態の作用を説明する。
【0050】
上記構成のチャイルドシート10は、車両の座席上に載置され、これに乳児や幼児等の乗員が着席する。
【0051】
ここで、乗員が新生児や乳児等の体重が18kg以下の子供である場合には、第1の背もたれ部14及び第2の背もたれ部16のうちから、このような子供の体格に適応するような高さ方向寸法が設定された第1の背もたれ部14が選択されて座部12に取り付けられる。
【0052】
この第1の背もたれ部14を座部12に取り付ける際には、先ず、係合爪48の内側に軸部30を入り込ませ、第1の背もたれ部14を座部12に対して軸部30周りに回動可能とする。次いで、第1の背もたれ部14を軸部30周りに回動させ、孔部54とねじ孔36とを重ね合わせる。この後、ねじ56を孔部54に貫通させて、ねじ孔36に螺合させる。
【0053】
また、乗員(子供)を乗せる際には、座部12にバックル装置を取り付け、このバックルを跨いだ状態で座部12に着席させる。次いで、V字状ループとされたベルト44に子供の頭を通し、この後、タング46をバックルに装着する。これにより、子供の身体がベルト44によりチャイルドシート10に拘束される。
【0054】
ここで、上記第1の背もたれ部14の係合爪48及び取付板52(孔部54)と、第2の背もたれ部16の係合爪62及び取付板66(孔部68)とは、同一の形状(構造)である。このため、第1の背もたれ部14及び第2の背もたれ部16の双方を座部12に装着できる。
【0055】
したがって、乗員が体重15kg以上36kg以下の子供である場合には、第1の背もたれ部14及び第2の背もたれ部16のうちから、このような子供の体格に適応するように高さ方向寸法が設定された第2の背もたれ部16が選択されて座部12に取り付けられる。
【0056】
この第2の背もたれ部16を座部12に取り付ける際には、先ず、係合爪62の内側に軸部30を入り込ませ、第2の背もたれ部16が座部12に対して軸部30周りに回動可能とする。次いで、第2の背もたれ部16を軸部30周りに回動させ、孔部68とねじ孔36とを重ね合わせる。この後、ねじ70を孔部68に貫通させて、ねじ孔36に螺合させる。また、乗員(子供)を乗せる際には、座部12からバックル装置を取り外した後、大人が着席するときと同様に3点式シートベルト装置のウエビング74によって子供の身体を拘束する。このとき、ウエビング74を切欠部72に通す(例えば、チャイルドシート10を車両の右座席に取り付ける場合には、図3に示す如く、ウエビング74を乗員から見て右側の切欠部72に通す)。
【0057】
このように、本チャイルドシート10は、体重が18kg以下の子供に対応して形成された第1の背もたれ部14と、体重が15kg以上36kg以下の子供に対応して形成された第2の背もたれ部16との2種類の背もたれ部が用意され、これらは何れも1種類の座部12に対して着脱可能である。したがって、これらの第1の背もたれ部14及び第2の背もたれ部16のうちから乗員の体重に応じた何れか一方を選択して座部12に取り付けことで、チャイルドシート10を法規的なカテゴリーにおけるW1〜W4の全てに対応させることができる。これにより、チャイルドシート10に新生児から体重が36kg以下(年齢的には0歳から12歳程度まで)の幼児までの何れをも着席させることが可能になる。
【0058】
このため、子供が成長して、より背もたれ部の高さ方向寸法が長い種類のチャイルドシートが必要となっても、背もたれ部だけを第1の背もたれ部14から第2の背もたれ部16に着け替えれば(買い替えれば)良く、子供の身体の大きさに応じてチャイルドシートを個別に購入する場合に比べ、費用が掛からない。
【0059】
しかも、第1の背もたれ部14はサイドサポート50を、また、第2の背もたれ部16はサイドサポート64を有するので、全てのカテゴリー(W1〜W4)において側方からの衝撃から乗員を保護することができる(所謂、側突対応可能になる)。
【0060】
また、第1の背もたれ部14には、乗員拘束用のベルト44を通す貫通孔42が乗員の肩部に対応する位置に形成されており、従来のカテゴリーW1及びW2のチャイルドシートと同様に、乗員の肩部を確実に拘束することができる。
【0061】
一方、第2の背もたれ部16には切欠部72が形成されており、乗員を拘束する際には、ウエビング74をこの切欠部72に通す。したがって、ウエビング74に対してサイドサポート64が障害になること(乗員の身体に対してサイドサポート64が高すぎ、ウエビング74がサイドサポート64に干渉されてウエビング74と乗員の身体との間に隙間が生ずること)がなく、確実に乗員を拘束することができる。
【0062】
また、第1の背もたれ部14を座部12に取り付け、新生児や乳児を乗車させる際(W1のカテゴリーのチャイルドシートとして使用する場合)には、その前端側が車両の後方へ向くようにチャイルドシート10を座席に取り付けるが、このとき、第1の背もたれ部14は、その高さ方向寸法が第2の背もたれ部16に比べ比較的短いので、車両に取り付ける際のスペースが少なくて済む。
【0063】
なお、本実施の形態では、第1の背もたれ部14と第2の背もたれ部16とは、乗員の体重に対応してその形状が異なるものとされているが、請求項1に記載の本発明の観点からすれば、これらの背もたれ部の形状の相異は、乗員の体重に対応したものに限られない。すなわち、何れも1種類の座部12に着脱可能であれば、デザインや機能等が異なる複数種類の背もたれ部を用意しても良く、また、それらの種類も2種類以上であっても良い。
【0064】
【発明の効果】
以上説明した如く本発明に係るチャイルドシートは、買い替えコストを低減できるという優れた効果を有している。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態に係るチャイルドシートの要部の構成を示す分解斜視図である。
【図2】本発明の実施の形態に係るチャイルドシートにおいて、座部に第1の背もたれ部が取り付けられた状態を示す斜視図である。
【図3】本発明の実施の形態に係るチャイルドシートにおいて、座部に第2の背もたれ部が取り付けられた状態を示す斜視図である。
【符号の説明】
10 チャイルドシート
12 座部
14 第1の背もたれ部
16 第2の背もたれ部
42 貫通孔
64 サイドサポート(側壁部)
72 切欠部

Claims (4)

  1. 乗員が着席する所定形状の1種類の座部と、
    互いに形状が異なり何れも前記座部に対して着脱可能とされ、何れか1つが選択的に前記座部に取り付けられる複数種類の背もたれ部と、
    を有するチャイルドシート。
  2. 乗員が着席する所定形状の1種類の座部と、
    前記座部に対して着脱可能な第1の背もたれ部と、
    前記第1の背もたれ部の高さ方向寸法より高さ方向寸法が長く、前記座部に対して着脱可能な第2の背もたれ部と、を備え、
    前記第1の背もたれ部及び前記第2の背もたれ部の何れか一方が前記座部に対して選択的に取り付けられる、
    ことを特徴とするチャイルドシート。
  3. 前記第1の背もたれ部における前記着席した乗員の両肩部に対応する部位に、前記第1の背もたれ部を厚さ方向に貫通し乗員拘束用のベルトが通される貫通孔を一対形成した、
    ことを特徴とする請求項2記載のチャイルドシート。
  4. 前記第2の背もたれ部の幅方向両側端から前記着席した乗員の両側方に一対の側壁部を設けると共に、前記側壁部における前記乗員の両肩部に対応する部位に前記背もたれ部の幅方向に沿って乗員拘束用のベルトを通す切欠部を形成した、
    ことを特徴とする請求項2または請求項3記載のチャイルドシート。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2009056880A (ja) * 2007-08-30 2009-03-19 Bridgestone Cycle Co 子供乗せ装置及び二輪車
CN105365604A (zh) * 2015-12-02 2016-03-02 力帆实业(集团)股份有限公司 一种车辆座椅测重装置以及车辆
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