JP2004122413A - 樹脂成形品の製造・検査方法およびその装置 - Google Patents

樹脂成形品の製造・検査方法およびその装置 Download PDF

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橋本 晴也
Shinya Takemura
竹村 信也
Yuji Saito
斎藤 裕司
Kenji Hashimoto
橋本 健司
Kazuto Ishida
石田 和人
Ayumi Imaoka
今岡 歩
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Abstract

【課題】溝を備えた樹脂成形品を適切に製造することができるとともに、上記溝の深さが適正であるか否かの判断も容易かつ適切に行なうことが可能な樹脂成形品の製造・検査方法を提供する。
【解決手段】成形用型2のキャビティ20から溝形成刃3を退避させた状態でキャビティ20内に溶融樹脂を充填するとともに、上記樹脂が硬化する前に溝形成刃3を前進させてその先端部を上記キャビティ20内に進入させることにより、溝11が形成された樹脂成形品1を製造する製造ステップと、上記製造ステップにおいて溝形成刃3が前進するときの溝形成刃3またはこれに連動する部材40の前進動作量を検出し、かつこの前進動作量のデータに基づいて溝11の形成が適正であるか否かを判断する検査ステップと、を有している。
【選択図】 図2

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本願発明は、自動車のインストルメントパネルなどの樹脂成形品、とくに溝が形成されている樹脂成形品の製造とその検査とを好適に行なうことができる樹脂成形品の製造・検査方法およびその装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
自動車の車室内の前面部に設けられるインストルメントパネルの内側には、助手席用のエアバッグ装置が設けられる場合があり、このような場合の構造としては、種々のものがある(たとえば、特許文献1,2参照)。
【0003】
図3および図4は、インストルメントパネルの構造の一例を示している。図示された構造においては、インストルメントパネル1の内側にエアバッグ装置8が固定して配されており、インストルメントパネル1のうち、エアバッグ装置8の正面部分がエアバッグドア部10となっている。このエアバッグドア部10は、インストルメントパネル1の他の部分と一体的に繋がっている。インストルメントパネル1の裏面には、エアバッグドア部10をインストルメントパネル1の他の部分から分離させるための複数の溝11が形成されている。このような構成によれば、エアバッグ装置8が作動してエアバッグ(図示略)が膨張展開したときには、複数条の溝11の形成部分が破断し、図4の仮想線で示すように、エアバッグドア部10は溝11bの部分において分断した2つのプレート状となって開く。その結果、上記エアバッグがインストルメントパネル1の外面側に適切に出現する。図4において、符号80で示す部材は、エアバッグドア部10が開いたときにこのエアバッグドア部10を保持し、車室内に飛散しないようにするためのリテーナである。
【0004】
従来において、上記したインストルメントパネル1を樹脂成形する場合には、たとえば図5に示すような成形装置が用いられている。
【0005】
この成形装置は、インストルメントパネル1を成形するためのキャビティ70を形成可能な上型7Aおよび下型7Bと、複数の溝形成刃39とを備えている。各溝形成刃39の先端部は、キャビティ70内に進入しており、この進入部分がインストルメントパネル1の溝11となる。したがって、上記手段によれば、たとえば溝を有しない形態のインストルメントパネルを樹脂成形してからレーザ加工により溝を形成する手段(特許文献3参照)と比較すると、インストルメントパネルの製造が容易である。
【0006】
【特許文献1】
特開2001−39254号公報
【特許文献2】
特開2001−47959号公報
【特許文献3】
特開平11−291069号公報
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記従来の成形装置を用いた手段においては、次に述べるような不具合を生じる場合があった。
【0008】
すなわち、溝形成刃39については、図5の仮想線で示すように、たとえば往復動シリンダ78に連結させることにより、キャビティ70と対向する矢印Na方向に往復動自在とすることが好ましい。このようにすれば、キャビティ70内に樹脂が充填されるときには溝形成刃39をキャビティ70内から退出させておくことによって、溝形成刃39が樹脂の流れを阻害しないようにすることが可能である。また、樹脂の充填が完了した後の樹脂硬化前において、溝形成刃39を前進させてその先端部をキャビティ70内に進入させれば、溝11を適切に形成することが可能である。
【0009】
一方、インストルメントパネル1の溝11は、その深さ寸法の公差をたとえば0.05mm以内とするなど、非常に高い寸法精度に仕上げる必要がある。溝11の深さが浅すぎる場合には、エアバッグ装置8が作動したときにエアバッグドア部10が適切に開かない虞れがあり、また反対に溝11の深さが深すぎる場合には、エアバッグドア部10の強度不足を招くからである。
【0010】
ところが、上記したように溝形成刃39を矢印Na方向に往復動させようとした場合には、往復動シリンダ78の動作制御性能やその他の種々の事項に起因して、溝形成刃39を前進させたときのキャビティ70内への溝形成刃39の進入量にバラツキが生じる場合がある。往復動シリンダ78のロッドの前進ストロークをたとえばリミットスイッチやストッパなどを用いて所望の正確な値に制御しても、このような手段のみでは、キャビティ70内への溝形成刃39の進入量を所望の値に正確に規定することは難しく、溝11の深さの誤差が許容値を超えてしまう虞れがある。
【0011】
そこで、インストルメントパネル1の製造後には、溝11が適正なサイズに形成されているか否かの検査を的確に行なう必要がある。ところが、溝11は、インストルメントパネル1の端部から離れた箇所に設けられていることや、その幅が狭いなどの理由から、その深さを正確に、かつ効率良く検査することは難しい。溝11の深さの検査法としては、たとえば溝11を横切る位置でインストルメントパネル1を切断してから、この切断部分に測定具を接触させるようにして溝11の深さを測定するといった破壊検査の手法が用いられる。このような破壊検査は、非常に煩わしく、能率が悪いものであり、またこのような破壊検査の対象となったインストルメントパネル1は、もはや商品としての価値はないため、このような破壊検査を多くのインストルメントパネル1に対して行なうことは合理的ではない。さらに、このような検査を行なうことなく製品として出荷されるインストルメントパネル1については、溝11の深さが適正であるか否かの点において信頼性に欠けるものとなる。
【0012】
本願発明は、このような事情のもとで考え出されたものであって、溝を備えた樹脂成形品を適切に製造することができるとともに、上記溝の深さが適正であるか否かの判断も容易かつ適切に行なうことが可能な樹脂成形品の製造・検査方法およびその装置を提供することをその課題としている。
【0013】
【発明の開示】
上記の課題を解決するため、本願発明では、次の技術的手段を講じている。
【0014】
本願発明の第1の側面によって提供される樹脂成形品の製造・検査方法は、成形用型のキャビティから溝形成刃を退避させた状態で上記キャビティ内に溶融樹脂を充填するとともに、上記樹脂が硬化する前に上記溝形成刃を前進させてその先端部を上記キャビティ内に進入させることにより、溝が形成された樹脂成形品を製造する製造ステップと、上記製造ステップにおいて上記溝形成刃が前進するときの上記溝形成刃またはこれに連動する部材の前進動作量を検出し、かつこの前進動作量のデータに基づいて上記溝の形成が適正であるか否かを判断する検査ステップと、を有していることを特徴としている。
【0015】
本願発明によれば、次のような効果が得られる。
【0016】
第1に、樹脂成形品の溝の深さと溝形成刃の前進動作量とは密接な関係にあり、たとえば溝形成刃の前進動作量を多くするほど、樹脂成形品の溝の深さは深くなる。したがって、本願発明においては、溝形成刃またはこれに連動する部材の前進動作量のデータに基づいて樹脂成形品の溝が適正な深さに形成されているか否かを適切に判断することが可能である。このような検査は、樹脂成形品を破壊するようなことなく、容易かつ迅速に行なうことができる。また、上記検査は樹脂成形品の製造と並行して行なうことができるために、樹脂成形品の生産性を損なうといった虞れもない。
【0017】
第2に、本願発明においては、製造される樹脂成形品の全品を対象として、溝の深さの検査を行なうことが可能となる。したがって、品質の劣る樹脂成形品が誤って出荷されるといったことを防止するのに好適となる。本願発明においては、既述したとおり、樹脂成形品の製造に並行して樹脂成形品の検査を実行することができるために、複数の樹脂成形品の製造中に品質不良が発見されたときには、その時点で樹脂成形品の製造を中止するなどして対処することも可能となり、品質不良の樹脂成形品が多数連続して製造されるといったことを回避するのにも役立つ。
【0018】
第3に、樹脂成形品の製造手段としては、成形用型のキャビティ内に溶融樹脂を充填するときに溝形成刃をキャビティ内から退避させる方法を採用しているために、溝形成刃によって溶融樹脂の流れが阻害されないようにして、キャビティ内の全域に溶融樹脂を適切に行き渡らせることができる。したがって、成形不良の発生率も低くすることが可能である。
【0019】
本願発明の好ましい実施の形態においては、上記前進動作量と、上記キャビティに対する上記溝形成刃の進入量との対応関係を求めるステップをさらに有しており、かつ上記検査ステップにおける溝の形成が適正であるか否かの判断は、上記対応関係と上記前進動作量のデータとに基づいて行なう。このような構成によれば、樹脂成形品の溝が適正な深さに形成されているか否かの判断を、より的確に行なうことができる。
【0020】
本願発明の好ましい実施の形態においては、上記対応関係を求めるステップは、上記製造ステップを複数回にわたって繰り返して行なうときに定期または不定期な間隔で繰り返し実行する。樹脂成形品の成形を繰り返すと、溝形成刃の磨耗やその他の事情により、予め求めていた溝形成刃またはこれに連動する部材の前進動作量とキャビティに対する溝形成刃の進入量との対応関係が実情に合わない不正確な内容になる虞れがある。これに対し、上記構成によれば、上記対応関係の内容を実情に合ったものに更新することが可能となり、樹脂成形品の溝が適正な深さに形成されているか否かの判断をより適切に行なうことができる。
【0021】
本願発明の第2の側面によって提供される樹脂成形品の製造・検査装置は、樹脂成形品を成形するためのキャビティを形成する成形用型と、上記キャビティ内への進退が可能に往復動自在であり、かつ上記キャビティ内に先端部が進入することによって上記樹脂成形品に溝を形成可能な溝形成刃と、上記溝形成刃が上記キャビティに向けて前進するときの上記溝形成刃またはこれに連動する部材の前進動作量を検出可能な検出手段と、上記検出手段により検出された上記前進動作量のデータの記憶と出力とが可能な情報処理装置と、を備えていることを特徴としている。
【0022】
このような構成によれば、本願発明の第1の側面によって提供される樹脂成形品の製造・検査方法を適切に実施することが可能であり、上述したのと同様な効果が得られる。
【0023】
本願発明のその他の特徴および利点については、以下に行う発明の実施の形態の説明から、より明らかになるであろう。
【0024】
【発明の実施の形態】
以下、本願発明の好ましい実施の形態について、図面を参照しつつ具体的に説明する。
【0025】
図1および図2は、本願発明に係る樹脂成形品の製造・検査装置の一例を示している。本実施形態の樹脂成形品の製造・検査装置Aは、図3および図4を参照して先に説明したインストルメントパネル1を樹脂成形するように構成されたものである。したがって、インストルメントパネル1の各部については、従来技術で用いた符号と同一の符号を用いて説明する。
【0026】
図1によく表われているように、本実施形態の樹脂成形品の製造・検査装置Aは、上型2Aおよび下型2Bを有する金型2と、複数の溝形成刃3と、往復動シリンダ4と、検出器5と、情報処理装置6とを具備して構成されている。金型2は、本願発明でいう成形用型の一例に相当する。
【0027】
上型2Aおよび下型2Bは、上型2Aが下型2Bと対向する方向に移動自在な可動型として構成されていることにより、互いに接近および離反が自在である。これらは、図1および図2に示すように型締めされたときに、インストルメントパネル1を成形するためのキャビティ20を形成可能である。
【0028】
複数の溝形成刃3は、金属製のプレート状であり、インストルメントパネル1の複数の溝11の形状に対応した平面視矩形状に繋がっている。これら複数の溝形成刃3は、それらの基端部が連結部材30に支持されており、下型2Bに形成された孔部25内に配されている。複数の溝形成刃3が平面視矩形状に繋がっていることにより、下型2Bは、それら複数の溝形成刃3によって囲まれている2つのコア21a,21bを有している。これらのコア21a,21bは、インストルメントパネル1のエアバッグドア部10の片面12を形成するためのものであり、下型2Bの他の部分とは別体に形成されている。これらのコア21a,21bは、孔部25内に配された適当な支持部材(図示略)によって支持されている。
【0029】
往復動シリンダ4は、たとえば油圧式のものであり、下型2Bの孔部25の下方にそのシリンダ本体部分が設けられている。この往復動シリンダ4のロッド40の先端部は、連結部材30に連結されている。このことにより、複数の溝形成刃3は、往復動シリンダ4の駆動力によって、キャビティ20と対向する矢印N1方向に孔部25の周壁面に摺接しながら往復動自在である。ロッド40の往復ストロークは、図示されていないコントローラによって変更自在となっている。
【0030】
検出器5は、ロッド40の前進動作量を検出するためのものであり、下型2Bの孔部25内に配されている。この検出器5は、たとえばロッド40に設けられた凸状または非凸状の検知対象部位41が矢印N1方向に移動したときに、その移動位置に対応した出力レベルをもつ検出信号を出力可能に構成されている。より具体的には、この検出器5は、その検知領域内に検知対象部位41が進入することによりこの検知対象部位41を検知すると、検出信号を出力するようになっており、その出力レベルは、検知対象部位41がキャビティ20に接近するほど高く(または低く)なるようになっている。したがって、ロッド40がキャビティ20に向けて前進したときには上記検出信号から出力される検出信号の最大(または最低)の出力レベルに基づき、ロッド40の前進動作量を知ることが可能である。ロッド40の前進動作量は、ロッド40の前進距離そのものの値である必要はなく、適当に選択された基準位置からの移動距離であってもかまわない。たとえば、検出器5の正面の適当な部分を基準位置に選択し、かつこの基準位置から検知対象部位41が前方に進んだ距離をロッド40の前進動作量とすることもできる。上記検出信号は、デジタル信号に変換されてから情報処理装置6に入力される。検出器5としては、上記したような構成のものに代えて、光学方式、磁気方式、あるいはそれ以外の方式の種々のものを用いることが可能である。ただし、いずれの方式の検出器を用いる場合であっても、インストルメントパネル1の溝11の公差よりも小さい寸法単位でロッド40の前進動作量を検出可能なものを用いることが望まれる。
【0031】
情報処理装置6としては、たとえばパーソナルコンピュータが用いられている。この情報処理装置6においては、検出器5から送信されてくるロッド40の前進動作量のデータを記憶し、かつこの記憶したデータを必要に応じて出力可能である。上記データの出力の態様としては、たとえばディスプレイを利用した画像表示出力、プリンタを利用した印字出力がある。この情報処理装置6は、後述するように、ロッド40の前進動作量とキャビティ20に対する溝形成刃3の進入量との対応関係のデータの記憶用途などにも利用される。
【0032】
次に、上記した樹脂成形品の製造・検査装置Aを用いて、インストルメントパネル1の製造および検査を行なう方法の一例について説明する。
【0033】
まず、インストルメントパネル1を製造するには、図1に示すように、複数の溝形成刃3をキャビティ20から退避させている状態において、キャビティ20内に溶融樹脂(図示略)を充填する。このようにすれば、溶融樹脂の流動が各溝形成刃3によって阻害されることが無く、キャビティ20の全域への樹脂の充填が適切かつ迅速に行なわれる。次いで、上記した充填樹脂が硬化する前に、往復動シリンダ4を駆動し、図2に示すように、各溝形成刃3をその先端部がキャビティ20内に進入するように前進させる。このことにより上記充填樹脂に複数の溝11が形成され、それら複数の溝11を備えたインストルメントパネル1が適切に製造される。
【0034】
上記した製造作業を繰り返して行なう場合、各溝形成刃3の前進動作がなされる都度、その際のロッド40の前進動作量が検出器5によって検出され、そのデータが情報処理装置6に記憶される。一方、各溝形成刃3の前進動作量とインストルメントパネル1の溝11の深さとは一定の関係にあり、上記前進動作量が多いほど溝11の深さは深くなる。したがって、複数のインストルメントパネル1の各溝11の深さが所望の許容範囲内にあるか否かを、上記情報処理装置6に記憶された前進動作量のデータに基づいて、個々に判断することが可能となり、いわゆる全品検査を実現することができる。この検査をより的確に行なう方法としては、次のような方法が用いられる。
【0035】
すなわち、複数のインストルメントパネル1を順次製造していく場合、そのうちの少なくとも1つをサンプリングし、このサンプルの各溝11の実際の深さを測定する。この測定は、たとえば前述したいわゆる破壊検査の手法により行なうが、むろんこれ以外の手法により行なってもかまわない。上記サンプルの各溝11の深さは、上記サンプルを樹脂成形するときに各溝形成刃3の先端部がキャビティ20に進入したときの進入量と一致する。本願発明でいう「キャビティに対する溝形成刃の進入量」は、インストルメントパネル1の樹脂成形時においては直接測定することはできないため、この値については、上記したように実際に成形されたインストルメントパネル1の各溝11の深さを測定することによって求めることができる。
【0036】
一方、情報処理装置6を利用することにより、上記サンプルが製造されたときのロッド40の前進動作量を確認し、この前進動作量のデータと上記サンプルの各溝11の実際の深さのデータとを対比する。このことにより、それら2種類のデータの対応関係を求める。この対応関係が判ると、ロッド40の前進動作量に基づき、インストルメントパネル1の各溝11の実際の深さを推定することができる。
【0037】
たとえば、上記サンプルの各溝11の深さが0.52mmであるのに対し、ロッド40の前進動作量が0.50mmである場合には、インストルメントパネル1の溝11の実際の深さは、ロッド40の前進動作量に0.02mmを加えた寸法であると推定することができる。したがって、このような溝11に関する推定値が、所望の許容寸法範囲内にあるか否かにより、溝11の深さが適正であるか否かを判断することが可能となる。このような判断は、情報処理装置6に実行させることが可能であり、本実施形態における情報処理装置6はそのような判断処理を行なうように構成されている。また、この情報処理装置6は、溝11の深さが適正ではないと判断したときには、警告音の発生、あるいは警告灯の点灯駆動を行なわせるための制御を実行するように構成されている。このことにより、製造不良の発生がオペレータに直ちに察知され、不良品がその後も引き続いて製造されないように対処可能となる。
【0038】
上記したようにロッド40の前進動作量とサンプルの溝11の実際の深さとの対応関係が判明すれば、ロッド40の前進ストロークの修正も適正に行なうことが可能となる。たとえば、溝11の深さの目標寸法が0.50mmである場合に、上記サンプルの溝11の深さが0.52mmであったとすると、この場合には溝11が0.02mm深過ぎである。したがって、ロッド40を前進させるときには、上記サンプルを樹脂成形したときよりも0.02mmだけ前進ストロークを短くするように往復動シリンダ4の制御内容を変更すれば、溝11の深さを目標寸法に近づけることが可能となる。
【0039】
インストルメントパネル1の樹脂成形を多数回にわたって繰り返すと、たとえば溝形成刃3が磨耗するなどして先に求めたロッド40の前進動作量とサンプルの溝11の深さとの対応関係が、実情とは合わなくなる虞れがある。そこで、上記したようなインストルメントパネル1のサンプリングおよびこのサンプルの溝11の深さの測定は、たとえばインストルメントパネル1の樹脂成形回数が予め定められた回数になる都度行なうなど、定期的にまたは不定期な適当な間隔で繰り返して行なう。このことにより、ロッド40の前進動作量とサンプルの溝11の深さとの対応関係を実情にあった内容に更新し、溝11の検査をより的確に行なうことが可能となる。
【0040】
本願発明は、上述の実施形態の内容に限定されない。本願発明に係る樹脂成形品の製造・検査方法の各ステップの具体的な構成は、種々に変更自在である。また、装置の各部の具体的な構成も、種々に設計変更自在である。
【0041】
本願発明でいう「キャビティに対する溝形成刃の進入量」は、サンプリングされたインストルメントパネル1の各溝11の深さを測定するのに代えて、次のような手法により測定することもできる。すなわち、まず上型2Aおよび下型2Bを型開きし、この状態で各溝形成刃3を樹脂成形時と同一の前進位置まで前進させる。次いで、下型2Bのコア21a,21bの表面部から各溝形成刃3が上方に突出する量を測定する。この測定値も、本願発明でいう「キャビティに対する溝形成刃の進入量」に相当し、インストルメントパネル1の溝11の深さが適正であるか否かの判断に際しては、この測定値を利用してもかまわない。
【0042】
本願発明においては、溝形成刃が前進するときにこの溝形成刃と一緒に移動する部材(上記実施形態においてはロッド40が相当する)の前進動作量を検出するのに代えて、上記溝形成刃の前進動作量を直接検出し、溝の深さの適否はこの溝形成刃の前進動作量に基づいて判断してもかまわない。本願発明でいう溝形成刃またはこれに連動する部材の前進動作量は、溝形成刃またはこれに連動する部材が前進するときのその全移動距離である必要もない。
【0043】
本願発明は、樹脂成形されるインストルメントパネルの具体的な形状やサイズが限定されないことは勿論のこと、本願発明でいう樹脂成形品は、インストルメントパネルに限定されない。本願発明は、インストルメントパネル以外のエアバッグカバー体の製造に適用したり、あるいはエアバッグとは無関係な用途に用いられる樹脂成形品の製造に適用することもできる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本願発明に係る樹脂成形品の製造・検査装置の一例を示す要部断面図である。
【図2】図1に示す樹脂成形品の製造・検査装置の動作を示す要部断面図である。
【図3】インストルメントパネルの一例を示す斜視図である。
【図4】図3のIV−IV断面図である。
【図5】従来技術の一例を示す要部断面図である。
【符号の説明】
A 樹脂成形品の製造・検査装置
1 インストルメントパネル(樹脂成形品)
2 金型(成形用型)
2A 上型(金型の)
2B 下型(金型の)
3 溝形成刃
4 往復動シリンダ
5 検出器
6 情報処理装置
11 溝
20 キャビティ
40 ロッド

Claims (4)

  1. 成形用型のキャビティから溝形成刃を退避させた状態で上記キャビティ内に溶融樹脂を充填するとともに、上記樹脂が硬化する前に上記溝形成刃を前進させてその先端部を上記キャビティ内に進入させることにより、溝が形成された樹脂成形品を製造する製造ステップと、
    上記製造ステップにおいて上記溝形成刃が前進するときの上記溝形成刃またはこれに連動する部材の前進動作量を検出し、かつこの前進動作量のデータに基づいて上記溝の形成が適正であるか否かを判断する検査ステップと、
    を有していることを特徴とする、樹脂成形品の製造・検査方法。
  2. 上記前進動作量と、上記キャビティに対する上記溝形成刃の進入量との対応関係を求めるステップをさらに有しており、かつ、
    上記検査ステップにおける溝の形成が適正であるか否かの判断は、上記対応関係と上記前進動作量のデータとに基づいて行なう、請求項1に記載の樹脂成形品の製造・検査方法。
  3. 上記対応関係を求めるステップは、上記製造ステップを複数回にわたって繰り返して行なうときに定期または不定期な間隔で繰り返し実行する、請求項2に記載の樹脂成形品の製造・検査方法。
  4. 樹脂成形品を成形するためのキャビティを形成する成形用型と、
    上記キャビティ内への進退が可能に往復動自在であり、かつ上記キャビティ内に先端部が進入することによって上記樹脂成形品に溝を形成可能な溝形成刃と、上記溝形成刃が上記キャビティに向けて前進するときの上記溝形成刃またはこれに連動する部材の前進動作量を検出可能な検出手段と、
    上記検出手段により検出された上記前進動作量のデータの記憶と出力とが可能な情報処理装置と、
    を備えていることを特徴とする、樹脂成形品の製造・検査装置。
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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN112406041A (zh) * 2020-10-30 2021-02-26 刘前勇 一种抽芯长度可调的注塑模具

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CN112406041A (zh) * 2020-10-30 2021-02-26 刘前勇 一种抽芯长度可调的注塑模具
CN112406041B (zh) * 2020-10-30 2022-08-30 石招军 一种抽芯长度可调的注塑模具

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