JP2004122116A - 高分子凝集剤およびその製造方法 - Google Patents
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Abstract
Description
【産業上の利用分野】
本発明は、各種産業排水や汚泥処理及び下水汚泥処理に用いられる曳糸性、溶解性および凝集性能が従来品より優れた超高分子量の高分子凝集剤及びその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来から高分子凝集剤は、その製品形態から粉体状、エマルジョン状(ラテックス状)、水溶液状或いは懸濁液状の各製品がそれぞれの特徴に応じて工業的に生産され市販されている。それぞれの生産方法は主として、塊状重合、逆相乳化重合、水溶液重合、懸濁重合であり、各々生産設備も異なる。又、高分子凝集剤は、一部の用途を除くと、一般的には、分子量が高く又より直鎖状に重合又は共重合したポリマー(重合体又は共重合体)が添加量も少なくてすみ、凝集操作として得られる生成フロックも大きくなり性能が優れる。
【0003】
一方、水溶性モノマー(単量体)を水系で重合又は共重合するに際し、工業的には少しでも高濃度で重合又は共重合した方が次の理由で工業的に有利である。すなわち、高濃度である程、全体に仕込み効率が上がる。製品形態別には粉状製品であれば乾燥工程での乾燥時間が短縮されるし、エマルジョン状製品(ラテックスポリマー)、水溶液状製品、懸濁液状製品であれば、製品の貯蔵スペースが減少し、輸送費も軽減される。
【0004】
しかしながら水相中のモノマー濃度を増していくと重合(又は共重合)時に重合速度のコントロールが難しく重合操作中高温度になり易くなり、生成するポリマー(重合体又は共重合体)の分子内又は分子間架橋が起こり易くなったり、結果的に生成したポリマー(重合体又は共重合体)は一部酸化分解したり、分枝構造ポリマーになったり、三次元架橋ポリマーになったりして性能の劣化をきたす。そこで従来は、モノマー濃度を可及的に抑えて重合操作を行なっているが必ずしも充分な成果が得られていない。
【0005】
このような問題点を解決するため、今日まで種々の提案がなされてきており、例えば、エチレンジアミン四酢酸塩、チオリンゴ酸、チオサリチル酸等を重合反応系に添加することによる水溶性ポリマーの劣化防止効果を期待するもの(特許文献1および2)やポリアミン塩又はポリアミン4級化物を水溶性ポリマー系に添加することによる劣化防止(架橋防止)効果を期待するもの(例えば、特許文献3)或いはアスコルビン酸誘導体の存在下に重合し、水溶性の良好な高分子量重合体を得る方法のもの(例えば、特許文献4)がある。
【0006】
その他、公知の尿素、チオ尿素、ハイドロキノン、グアニジン塩等を架橋防止剤として用いたり、重合触媒を工夫し重合時の生成ポリマーの熱劣化を防止したり、公知の連鎖移動剤を用いて分子量分布を平均化(重合時の不都合な架橋を防止)したり、特許文献5に提案されているように製造設備及び製造プロセスを工夫することにより水溶性高分子量ポリマーを得ようとするものものもある。
【0007】
【特許文献1】
特開昭58−40306号公報
【特許文献2】
特開昭58−61105号公報
【特許文献3】
特公昭54−32657号公報
【特許文献4】
特開平5−247136号公報
【特許文献5】
特開昭62−235305号公報
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながらこれら提案は、一応の効果はあるものの必ずしも充分ではない。今までの提案は、課題を解決するため重合系中に添加する、劣化防止剤であったり、架橋防止剤であったり、重合プロセスの工夫であったり、公知の連鎖移動剤による分子量分布のコントロールであったり、重合触媒の工夫であったりでそれぞれ一応の効果はあるものの必ずしも充分なものではない。
【0009】
本発明は、前述の架橋防止剤とは全く発想を逆にし、架橋剤を用いて分子構造的に生成ポリマーの不都合な架橋を防止し、超高分子量の水溶性ポリマーを得る方法であり、この様な発想にもとづく提案は前例のないものである。
【0010】
本発明は、重合操作中に起こる不都合な反応、特に三次元架橋を抑え、曳糸性、溶解性および凝集性能に優れた高分子凝集剤を提供することを目的として創案したものである。
【0011】
【課題を解決するための手段】
高分子凝集剤は、凝集剤生成時の架橋点が少なければ、水溶液としたとき水中で分子の広がりと曳糸性を保ちながら部分化学架橋により幹ポリマー同士の結合がなされ巨大な分子鎖が形成される。架橋点が多すぎると水中で分子はその広がりを阻害され縮まってしまい極端には不溶解となってしまう。本発明において凝集性能上重要なことは、あくまで幹ポリマー部分ができるだけ高分子量化した長いものであり架橋点は、できるだけ少ない架橋点を有することである。
【0012】
又、部分化学架橋を意図的に生起させることにより他の幹の途中でのコントロールできない不都合な架橋(自然架橋)結合をブロックできる(物理的、立体的に結合を阻害)との発想にもとづき実験により実証した。
【0013】
つまり高分子凝集剤においては幹ポリマーの長さと架橋部位、架橋点の数のバランスにより、凝集性能を向上させることが出来る。
【0014】
いずれにしても、本発明の手法は、架橋点の位置、数をコントロールすることが可能でそれにより、様々な性質の高分子凝集剤を創出することを可能にする。
【0015】
本発明の効果の1つである重合中の自然架橋を防止する効果に対する完全な理論的解明には更に時間を要するが、推定として、次のことが考えられる。すなわち、重合系中の架橋剤のエポキシ基がモノマー中の主として一部のカルボキシル基あるいは他の架橋点となり得る官応基と結合し、ポリマー側鎖をバルキーで安定な状態とし、不都合な三次元架橋を立体的に防いでいることが考えられる。重合系のモノマーが請求項中記載の一般式(B)のアクリルアミド又はメタクリルアミドのみの場合にも、又、重合系のモノマーが請求項中記載の一般式(C)、(D)のカチオンモノマーのみの場合にも、同様の効果を見られることは興味深く、今後の詳細な解明が必要だが重合系のモノマーが請求項中記載の一般式(B)の場合は、アミド基が微量加水分解しカルボキシル基が発生し、自然架橋の原因となる部分を、架橋剤のエポキシ基との反応により防いでいることが考えられるし、重合系のモノマーが請求項記載中の一般式(C)又は(D)のみの場合には、モノマー中に微量、残存するメタクリル酸又はアクリル酸が架橋剤のエポキシ基と反応することにより不都合な自然架橋の原因となる部分をブロックしていることが考えられる。
【0016】
しかして、前記目的を達成するために、架橋剤の存在下で重合又は共重合した下記一般式(C)、(D)、(A)、(B)
【0017】
【化13】
【0018】
【化14】
【0019】
【化15】
【0020】
【化16】
【0021】
で示す単量体(モノマー)のいずれか一方の重合体又はいずれか一方若しくは双方を含む共重合体で構成し、架橋剤としては、モノグリシジルエーテル、ジグリシジルエーテル、ポリグリシジルエーテル、ジエポキシ化合物、環状エポキシ化合物、ジイソシアナート、ポリイソシアナート、ジメチロールフェノール樹脂、ポリメチロールフェノール樹脂、アジリジン化合物、アミン化合物およびジアルデヒド化合物のいずれかを選択する。要するに、上記一般式(A)、(B)、(C)および(D)で示すアニオン性、カチオン性或いはノニオン性の各単量体(モノマー)に限っての組合わせ例として具体的に挙げれば、重合体としては(A)、(B),(C)および(D)それぞれの重合体があり、共重合体の組合わせとしての組成は、
(A)+(B)、(A)+(B)+(C)、(A)+(B)+(D)、
(A)+(B)+(C)+(D)、(A)+(C)、(A)+(D)、
(A)+(C)+(D)、(B)+(C)、(B)+(D)および
(B)+(C)+(D)の組合せを挙げることができる。これらの組合わせによって前記目的を達成するのである。そしてこの凝集剤は、ジグリシジルエーテル又はポリグリシジルエーテル若しくはモノグリシジルエーテルの存在下で下記一般式(C)、(D)、(A)、(B)
【0022】
【化17】
【0023】
【化18】
【0024】
【化19】
【0025】
【化20】
【0026】
で示す単量体(モノマー)を重合又は共重合して得られ、更には、
【0027】
【化21】
【0028】
【化22】
【0029】
【化23】
【0030】
【化24】
【0031】
上記一般式で示すモノマーを架橋剤の存在下に重合又は共重合する際、架橋点となる活性水素を有する官応基をもつモノマーが微量存在する条件下で、高分子鎖中の架橋部位が生成ポリマーの曳糸性、溶解性、凝集性能のマイナスにならない範囲で架橋点の数及び位置をコントロールして得られ、架橋点となる活性水素を有する官応基とはカルボキシル基、アミノ基、ヒドロキシル基などを挙げることができる。なお、官応基を持つモノマーが多すぎると架橋点が増加することにより必要以上の架橋を生じ、曳糸性、溶解性が損われる。
【0032】
前記一般式(A)で表わすアニオン性モノマー(単量体)は具体例としては、アクリル酸、メタクリル酸及びそれらのアルカリ金属塩、又は部分中和塩があり、これらを組合わせたものでもよい。また、前記一般式(B)で表わすノニオン性のモノマーは、具体例としてはメタクリルアミド、アクリルアミドなどであり、これらの組合せでもよく、前記一般式(C)で表わすカチオン性モノマーは、ジアルキルアミノエチルメタクリレートの四級アンモニウム塩であり、具体例としてはジメチルアミノエチルメタクリレートの塩化メチル四級化物、ジエチルアミノエチルメタクリレートの塩化メチル四級化物、同様のジエチル硫酸四級化物、塩化ベンジル四級化物などであり単独で用いても複数の四級化物を組み合わせてもよい。
【0033】
さらに、前記一般式(D)で表わすカチオン性モノマーは、ジアルキルアミノエチルアクリレートの四級アンモニウム塩であり、具体例としては、ジメチルアミノエチルアクリレートの塩化メチル四級化物、ジエチルアミノエチルアクリレートの塩化メチル四級化物、同様のジエチル硫酸四級化物、塩化ベンジル四級化物などがあり、これらの組合わせでもよい。
【0034】
本発明で用いるモノグリシジルエーテルは下記一般式
【0035】
【化25】
【0036】
で表わされ、具体例としては、アリルグリシジルエーテル、ブチルグリシジルエーテル、フェニルグリシジルエーテル、2−エチルヘキシルグリシジルエーテル、2−メチルオクチルグリシジルエーテル、グリシドール、フェノール(EO)n グリシジルエーテル、ラウリルアルコール(EO)n グリシジルエーテル、ブチルフェニルグリシジルエーテルなどがあるが、特に実用上、水溶性のものが好ましい。その具体例として、フェノール(EO)5 グリシジルエーテル、ラウリルアルコール(EO)1 5 グリシジルエーテルなどが挙げられる。これらのモノグリシジルエーテルは単独又は2種以上の併用でもかまわない。
【0037】
また下記一般式で
【0038】
【化26】
【0039】
で表わすジグリシジルエーテルは、具体例としては、エチレングリコールジグリシジルエーテル、ポリエチレングリコールジググリシジルエーテル、があるが、その他には、プロピレングリコールジグリシジルエーテル、ポリプロピレングリコールジグリシジルエーテルなどエポキシ基を2ヶ有するものであればよい。但し、実用上は水溶性のものが好ましい。これらジグリシジルエーテルは、単独又は、2種以上の併用でもかまわない。
【0040】
また、本発明でいうポリグリシジルエーテルとは、エポキシ基を3ヶ以上含むものを意味し、その具体例としては、ポリグリセロールポリグリシジルエーテル、ソルビトールポリグリシジルエーテル、グリセロールポリグリシジルエーテル、ジグリセロールポリグリシジルエーテル、トリメチロールプロパンポリグリシジルエーテル等がある。但し実用上は、水溶性のものが好ましい。これらポリグリシジルエーテルは、単独又は、2種以上の併用でもかまわない。又モノ、ジ、ポリの各グリシジルエーテルの併用でもかまわない。
【0041】
このグリシジルエーテルの適用にあたっては単量体(モノマー類)と同一系に仕込むが、例えば、あらかじめ一般式(A)で示されるアニオンモノマーと反応させたものをアニオンモノマーの代わりに適用してもよい。グリシジルエーテルの添加量は、それぞれの配合内容に応じて、特に一般式(A)で示すアクリル酸等のアニオンモノマーの量を考慮して決める必要があるが特に制限はない。しかし、実用上は対モノマー当り5重量%以下、好ましくは2重量%以下が良い。
【0042】
本発明の効果を生起する他の物質(架橋剤)としては、幹ポリマー鎖に対して、特定の架橋点を橋渡し出来る物質又は特定の架橋点に結合して物理的、立体的に他の望ましくない自然架橋の発生をブロック出来る物質であれば可能である。
【0043】
すなわち、末端に活性水素をもつカルボキシル基、アミノ基、ヒドロキシル基等と化学反応を起こす能力を有する物質(架橋剤)であればいずれでも良く例えばジエポキシ化合物、環状エポキシ化合物、ジ及びポリイソシアナート化合物、ジ及びポリメチロールフェノール樹脂、アジリジン化合物、アミン化合物、ジアルデヒド化合物などを挙げることが出来る。
【0044】
本発明は製造方法に於いて、塊状重合、逆相乳化重合、水溶液重合、懸濁重合等の常法(公知方法)のいずれの方法にも適用でき(これらに限る必要はない)、その製品形態も粉体状、エマルジョン状(ラテックスポリマー)、水溶液状、懸濁状、いずれの場合も含まれる。
【0045】
次に実施例を挙げ本発明をより具体的に説明するが、本発明はこれらによって限定されるものではない。
【0046】
【実施例】
実施例1乃至実施例5
500mlセパラブルフラスコに80%アクリル酸1.79重量部、50%アクリルアミド226.31重量部、25%カセイソーダ3.18重量部、アゾ系開始剤0.08重量部、脱イオン水153.26重量部、フェノール(EO)5グリシジルエーテル1.3重量部を仕込み、酸およびアルカリで系のPHを8.0に調整し撹拌下40分間窒素置換した後、ウォーターバスの温度38℃で24時間密閉静置重合した。
【0047】
得られた塊状ポリマーをミートチョッパーで粗砕し減圧乾燥機で品温が50℃以上に上がらない様に乾燥した後、微粉砕機で粉砕し、粉状ポリマーを得た。
【0048】
以下同様の方法で組成比のみを変え比較例1〜5及び実施例2〜5のサンプルを作成した。
【0049】
サンプルを表1に示す。
【0050】
【表1】
【0051】
表1の各サンプルをポリマー分で0.1%になるように純水で溶解し、5%カオリン懸濁液に対する凝集性能をそれぞれ実施例について比較例と比較した。5重量%カオリン懸濁液100mlを正確に比色管にはかりとり、所定量のポリマーを添加し、10回転倒撹拌後のフロックの状態をシリンダーテスト法で判定した結果それぞれ表2乃至6で示す。
【0052】
なお、曳糸性は、糸で吊るした金属円板(直径22mm、厚さ1.5mm)を、500ccビーカーに収容した0.1%水溶液(温度は30℃)中に液面にぎりぎりに没入させ、該ビーカー没入状態から200mm/秒の速度で液中より垂直に引き上げることによって前記金属円板と液面の間でつくるポリマー水溶液の曳糸状態によって判定した(実施例6以下も同様)。
【0053】
【表2】
【0054】
【表3】
【0055】
【表4】
【0056】
【表5】
【0057】
【表6】
【0058】
上記各表で示す通り、比較例と較べ実施例の方が凝集性(曳糸性)に優れていることが判明した。
【0059】
実施例6および実施例7
500mlセパラブルフラスコに80%アクリル酸1.61重量部、50%アクリルアミド48.88重量部、25%カセイソーダ2.86重量部、78%ジメチルアミノエチルメタクリレート塩化メチル四級塩222.62重量部、アゾ系開始剤0.026重量部、脱イオン水(140.85重量部又は224.23重量部)、フェノール(EO)5 グリシジルエーテル4.48重量部を仕込み、酸およびアルカリで系のPHを4.0に調整して撹拌下60分間窒素置換した後、ウォーターバスの温度38℃で24時間密閉静置重合した。得られた塊状ポリマーをミートチッパーで粗砕し、減圧乾燥機で品温が50℃以上に上がらない様に乾燥した後、微粉砕機で粉砕し、粉状ポリマーを得た。
【0060】
以下同様の方法で組成比のみを変え比較例6、7及び実施例7のサンプルを作成した。これらサンプルを表7に示す。
【0061】
【表7】
【0062】
表7の各サンプルをポリマー分で0.1%になるように純水で溶解し、下水処理汚泥に対する凝集性能について比較した。
【0063】
300mlトールビーカーに汚泥を200g正確にはかりとり、所定量のポリマーを添加し、ジャーテスター(撹拌羽根タテ45mm×ヨコ20mmの長方形板羽根を撹拌シャフトに2連で取りつけた)にて回転数60rpm、で30秒間撹拌後のフロックの大きさを計測した。
【0064】
【表8】
【0065】
【表9】
【0066】
やはり、実施例1乃至6と同様、凝集性が優れていることが判明した。
【0067】
実施例8
撹拌機、温度計及び不活性ガス導入口を備えた密閉重合容器に脱イオン水147重量部、25%液体カセイソーダ2.4重量部、50%液体アクリルアミド218.8重量部、80%アクリル酸1.4重量部、フェノール(EO)5 グリシジルエーテル1.6重量部を仕込み、PH=8.0に調整した。次に炭素分布がC12〜C15であるn−パラフィン137重量部にソルビタンモノオレエート(HLB=4.8)を10重量部、オレイン酸ポリグリコールエステル(HLB=13.5)4.1重量部を溶解した油相を反応容器に混入し60分間窒素置換した後、水溶性アゾ系重合開始剤0.05重量部を加えて、重合容器ジャケット温度を40℃とし撹拌下に18時間重合を行ないポリマー濃度19.6%の安定なラテックスポリマーを得た。このラテックスからポリマーのみを取り出し、微粉状のサンプルとした。
【0068】
以下同様の方法で組成のみを変え比較例8のサンプルを作成した。これらのサンプルを表10に示す。
【0069】
【表10】
【0070】
表10の各サンプルをポリマー分で0.1%になるように純水で溶解し、5%カオリン懸濁液に対する凝集性能を比較した。
【0071】
5重量%カオリン懸濁液100mlを正確に比色管にはかりとり、所定量のポリマーを添加し、10回転倒撹拌後のフロックの状態を比較した。
【0072】
【表11】
【0073】
結果は、他の実施例と同様であった。
【0074】
実施例9
500mlセパラブルフラスコに80%アクリル酸0.025重量部、25%カセイソーダ0.07重量部、78%ジメチルアミノエチルメタクリレート塩化メチル四級塩286.38重量部、アゾ系開始剤0.024重量部、ポリエチレングリコールジグリシジルエーテル(n=9)2.0重量部、脱イオン水57.24重量部を仕込み酸およびアルカリで系のPHを4.0に調整して撹拌下60分間窒素置換した後、ウォーターバスの温度38℃で24時間、密閉静置重合した。
【0075】
得られた塊状ポリマーを粗砕し、減圧乾燥機で品温が50℃以上に上がらないように乾燥した後、微粉砕機で粉砕、粉状ポリマーを得た。
【0076】
比較例9
実施例9と同様の方法でポリエチレングリコールジクリシジルエーテル(n=9)のみを除いて、比較例9のサンプルを作成した。
【0077】
【表12】
【0078】
上記サンプルをポリマー分で0.1%になるように純水で溶解し、みそ(市販品・神州一みそ)10%懸濁液に対する凝集性能について比較した。10%みそ懸濁液80mlを正確に比色管にはかりとり、所定量のポリマーを添加し、15回転倒撹拌後フロック状態を比較した。
【0079】
【表13】
【0080】
実施例9は比較例9に比べ凝集性能が優れていることが判明した。
【0081】
実施例10
500mlセパラブルフラスコに80%アクリル酸0.037重量部、25%カセイソーダ0.065重量部、50%液体アクリルアミド55.97重量部、78%ジメチルアミノエチルメタクリレート塩化メチル四級塩244.88重量部、脱イオン水64.40重量部、アゾ系開始剤0.029重量部、ポリエチレングリコールジグリシジルエーテル(n=9)2.0重量部を仕込み酸およびアルカリで系のPHを4.0に調整して撹拌下60分間窒素置換した後ウォーターバスの温度38℃で24時間密閉静置重合した。得られた塊状ポリマーを粗砕し減圧乾燥機で品温が50℃以上に上がらない様に乾燥した後、微粉砕機で粉砕し粉状ポリマーを得た。
【0082】
比較例10
実施例10と同様の方法でポリエチレングリコールジグリシジルエーテル(n=9)のみを除いて、比較例10のサンプルを作成した。
【0083】
【表14】
【0084】
上記各サンプルをポリマー分で0.1%になるように純水で溶解し、みそ(市販品・神州一みそ)、10%懸濁液に対する凝集性能について比較した。10%味噌懸濁液80mlを正確に比色管にはかりとり、所定量のポリマーを添加し、15回転倒撹拌後のフロックの状態を比較した。
【0085】
【表15】
【0086】
上記各サンプルをポリマー分で0.1%になるように純粋で溶解し、みそ(市販品・神州一みそ)、10%懸濁液に対する凝集性能について比較した。10%みそ懸濁液80mlを正確に比色管にはかりとり、所定量のポリマーを添加し、15回転倒撹拌後のフロックの状態を比較した。
【0087】
【表16】
【0088】
実施例10は比較例10に比べ溶解性、曳糸性に優れ(比較例10は自然架橋ゲル発生により、不均一溶解気味である)、凝集性能が優れていることが判明した。
【0089】
【発明の効果】
本発明の効果に対する理論的解明はなされていないが、曳糸性、溶解性および凝集性能の優れた超高分子量の凝集剤を提供できるのである。
【図面の簡単な説明】
【図1】フロックの大きさを判定するためのフロック粒径判定表。
Claims (6)
- 架橋剤をモノグリシジルエーテル、ジグリシジルエーテル、ポリグリシジルエーテル、ジエポキシ化合物、環状エポキシ化合物、ジイソシアナート、ポリイソシアナート、ジメチロールフェノール樹脂、ポリメチロールフェノール樹脂、アジリジン化合物、アミン化合物およびジアルデヒド化合物のいずれかとした請求項1記載の高分子凝集剤。
- 架橋剤がモノグリシジルエーテル又はジグリシジルエーテル若しくはポリグリシジルエーテルであることを特徴とする請求項4記載の高分子凝集剤の製造方法。
- 活性水素を有する官応基がカルボキシル基、アミノ基又はヒドロキシル基であることを特徴とする請求項4記載の高分子凝集剤の製造方法。
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