JP2004122074A - 基板洗浄方法、基板洗浄装置及び電子デバイスの製造方法 - Google Patents

基板洗浄方法、基板洗浄装置及び電子デバイスの製造方法 Download PDF

Info

Publication number
JP2004122074A
JP2004122074A JP2002293551A JP2002293551A JP2004122074A JP 2004122074 A JP2004122074 A JP 2004122074A JP 2002293551 A JP2002293551 A JP 2002293551A JP 2002293551 A JP2002293551 A JP 2002293551A JP 2004122074 A JP2004122074 A JP 2004122074A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
substrate
cleaning liquid
cleaning
speed rotation
speed
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2002293551A
Other languages
English (en)
Inventor
Yoshiharu Hidaka
日高 義晴
Etsuro Kishio
岸尾 悦郎
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Panasonic Holdings Corp
Original Assignee
Matsushita Electric Industrial Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Matsushita Electric Industrial Co Ltd filed Critical Matsushita Electric Industrial Co Ltd
Priority to JP2002293551A priority Critical patent/JP2004122074A/ja
Publication of JP2004122074A publication Critical patent/JP2004122074A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Abstract

【課題】アスペクト比が高い凹部を有する基板に対して洗浄液を用いて洗浄を行なうときに、凹部内の洗浄液の置換効率を向上させる。
【解決手段】凹部を有する被処理基板を第1の回転速度で回転させる低速回転処理と、被処理基板を第1の回転速度よりも大きい第2の回転速度で回転させる高速回転処理とを交互に繰り返し行ないながら、被処理基板の表面に洗浄液を供給することによって被処理基板の表面を洗浄する。高速回転処理を行なう際には、被処理基板が配置された洗浄チャンバー内を減圧雰囲気にしてもよい。
【選択図】   図4

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、基板洗浄方法及び基板洗浄装置に関し、特に、電子デバイス製造においてポリマー等の反応生成物を洗浄液を用いて除去する方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
最近の微細化技術の急速な進展に伴い、電子デバイスの製造過程の中で、配線層数が増加している。すなわち、配線同士の間隔は狭くなっている。このため、リソグラフィー工程では、より正確なサイズを持つパターンを形状ずれなく製造するために、光の反射を防止する膜を使用している。また、配線やホールパターンの加工においては、配線溝、コンタクトホール又はビアホール(上層配線と下層配線とをつなぐ接続孔)等の凹部のアスペクト比(凹部の深さの凹部の開口径に対する比率)は大きくなっている。さらに、電子デバイスに対しては処理速度の高速化がより求められているので、配線間の容量を低減するために、配線間の層間膜として誘電率の低い膜が使用されている。
【0003】
以上のような状況によって、配線間の層間膜は、様々な材料よりなる複数の膜の積層構造を持つようになっている。また、微細化に伴い、基板洗浄に用いられる洗浄液に対しては、洗浄処理によるコンタクトホール等の横方向の広がりを極限まで無くすことが求められている。このため、様々な膜のエッチング量を極限まで低下させるために、現状では、洗浄液として、有機物を含む複数の溶剤の混合溶液が使用されている。このような洗浄液においては、通常、水を含む4種類以上の溶剤(水以外では、例えばPH調整剤、ポリマー除去剤、防食剤等)が添加されているため、粘度が比較的高くなる。高粘度の洗浄液を用いた場合、水のような粘度の低い洗浄液を用いた場合と比較すると、洗浄処理における新しい洗浄液への置換効率が悪くなるので、洗浄処理に要する時間が急激に長くなる傾向がある。
【0004】
また、現在使用されている洗浄液に対しては、様々な材料よりなる多層構造を持つ層間絶縁膜のエッチング量を極限まで低下させると同時に局所的に露出したアルミニウム配線又は銅配線等をエッチングしないことが求められている。このため、洗浄液に要するコストが、従来の無機系の洗浄液(例えばフッ酸等)と比較して非常に高くなってきている。
【0005】
尚、4種類以上の溶剤が混ぜ合わされた洗浄液の持つ粘度を2cp以下に低く抑えることは困難であるので、洗浄液の研究開発においては、エッチング量を極限まで低減させることが優先的に行なわれている。
【0006】
ところで、微細化に伴い、例えばビアホールの開口径が小さくなる一方、ビアホールの深さ(つまり上層配線と下層配線との間の絶縁膜の厚さ)は従来プロセスとほぼ同等であるため、ビアホールのアスペクト比が飛躍的に大きくなっている。その結果、基板洗浄において、ビアホール内の洗浄液の置換効率が非常に悪くなるので、洗浄処理に要する時間がさらに長くなってしまう。
【0007】
それに対して、アスペクト比が高い凹部を有する基板に対して洗浄液処理又はリンス処理等を効率良く実施する1つの方法として、低速回転、中速回転及び高速回転を組み合わせた回転処理を基板に対して行ないながら基板を洗浄する方法が折居らのグループから提案されている(特許文献1参照)。
【0008】
【特許文献1】
特開2002−110612号公報
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、折居らの方法を用いて、ビアホール又はコンタクトホール等の凹部内を洗浄した場合、凹部内の洗浄液の置換効率が十分に得られず、洗浄処理に要する時間が長くなってしまうという問題がある。また、凹部内の洗浄液の置換効率が不十分なため、ドライエッチング等の加工時に生じた反応生成物の除去状態が凹部毎にばらつくので、コンタクト抵抗等が増大してしまうという問題も起きる。
【0010】
前記に鑑み、本発明は、アスペクト比が高い凹部を有する基板に対して洗浄液を用いて洗浄を行なうときに、凹部内の洗浄液の置換効率を向上させることを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】
前記の目的を達成するため、本願発明者らは、折居らの方法において、凹部内の洗浄液の置換効率が悪くなる原因を検討したところ、次のような知見を得た。
【0012】
すなわち、折居らの方法においては、基板回転処理における高速回転及び低速回転のそれぞれの処理時間及び回転数の設定、並びに洗浄処理中のチャンバー内の雰囲気の設定が、洗浄液の粘度を考慮せずに行なわれている。このため、洗浄液の種類によっては洗浄時間が非常に長くなってしまう。
【0013】
また、洗浄液を効率よく使用するために、通常、洗浄液をポンプにより循環させることによって洗浄液は繰り返し使用される。また、チャンバー内には通常不活性ガスが導入されていると共に、チャンバー内の洗浄液には、この不活性ガスが混入する。ところで、洗浄液の循環ライン中にはキャビテーションが発生する点が存在している。また、洗浄液を循環させるために洗浄液には高い圧力が加えられている。このため、常圧状態(大気圧と同等の圧力状態)又はやや加圧状態(大気圧よりも高い圧力状態)のチャンバー内においてノズルから基板上に洗浄液を吐出した時点で、洗浄液中に多量の細かな気泡が発生してしまう。すなわち、基板洗浄に用いられる洗浄液には細かな気泡が混入している。このような細かな気泡が、開口径の小さなコンタクトホール等に入り込んだ場合、気泡の凝集が進まないので、これらの気泡がホール内で洗浄液置換の障害物となってしまう。このため、ホール内で洗浄液の置換が簡単に進まなくなるので、加工時に生じた反応生成物の除去状態がホール毎に大きく変化してしまうことになる。
【0014】
特に、従来の基板洗浄で粘度が2.0cpを越える洗浄液を使用する際には、洗浄液中に混入した細かな気泡を凝集させて大きな気泡として脱気させることが非常に困難である。このため、気泡が混入した洗浄液が細かい溝や開口径の小さいホール等に存在する場合、洗浄液の置換効率が非常に悪くなる。
【0015】
従って、粘度が2.0cpを越えるような洗浄液を用いた基板洗浄においては、基板回転処理における高速回転及び低速回転のそれぞれの処理時間を洗浄液の粘度に合わせて適切に設定することが必要である。このようにすると、基板上に洗浄液を十分に供給するための時間を確保できると共に、アスペクト比の大きなホール又は配線溝に入り込んだ洗浄液まで含めて、基板上に存在する洗浄液を置換する効率を上げることができるので、洗浄処理に要する時間を短縮できる。
【0016】
また、基板洗浄中に洗浄液から気泡を完全に抜くことは不可能であるため、アスペクト比が高い凹部を有する基板に対して高粘度の洗浄液を用いて洗浄を行なうときには、洗浄液の置換効率をさらに向上させる強力な方法が必要となる。具体的には、気泡を含んだ洗浄液が、アスペクト比の高いホールや配線溝に入り込んだ場合に、気泡がホール等の外側に速やかに排出される雰囲気を作ることと、気泡を、それを含んだ洗浄液と同時に強制的に置換させてしまうこととが必要である。
【0017】
本発明は、以上の知見に基づきなされたものであって、具体的には、本発明に係る基板洗浄方法は、凹部を有する被処理基板を第1の回転速度で回転させる低速回転処理と、被処理基板を第1の回転速度よりも大きい第2の回転速度で回転させる高速回転処理とを交互に繰り返し行ないながら、被処理基板の表面に洗浄液を供給することによって被処理基板の表面を洗浄する。
【0018】
本発明の基板洗浄方法によると、凹部を有する被処理基板に対して低速回転処理及び高速回転処理を繰り返し行ないながら、洗浄液を用いて被処理基板を洗浄する。このため、高速回転処理及び低速回転処理の処理時間を洗浄液の粘度に合わせて適切に設定することによって、次のような効果が得られる。すなわち、低速回転処理によって洗浄液を基板上に十分且つ均一に供給できると共に、高速回転処理によって、凹部に入り込んだ洗浄液まで含めて基板上に存在する洗浄液を置換する効率を上げることができる。従って、凹部の内壁に付着した反応生成物を確実に除去できるので、洗浄処理に要する時間を短縮することができる。また、加工時に発生した反応生成物の除去状態が凹部毎にばらつくことがないので、コンタクト抵抗等の増大を防止できる。
【0019】
本発明の基板洗浄方法において、被処理基板は、ガスが導入されたチャンバー内に配置されており、高速回転処理を行なうときに、チャンバー内を減圧雰囲気にすることが好ましい。
【0020】
このようにすると、凹部内に存在する洗浄液に含まれる気泡の凝集を減圧雰囲気によって促進させることができる。このため、アスペクト比の大きいコンタクトホールや配線溝等の凹部に洗浄液が入り込んでいる場合にも、洗浄液中から気泡が排出されやすくなり、それにより凹部内の洗浄液(又は気泡を含む洗浄液)の置換効率を向上させることができる。
【0021】
本発明の基板洗浄方法において、低速回転処理を行なってから高速回転処理を行なうまでの間に、被処理基板の回転を一旦停止させる回転停止処理を行なうことが好ましい。
【0022】
このようにすると、回転停止処理によって、高速回転処理への移行時に基板上の洗浄液に対してより強い初動の衝撃を与えることができるので、洗浄液の置換速度を増大させることができる。このため、アスペクト比の大きいコンタクトホールや配線溝等の凹部に洗浄液が入り込んでいる場合にも、凹部内の洗浄液(又は気泡を含む洗浄液)の置換効率を向上させることができる。
【0023】
また、この場合、被処理基板は、ガスが導入されたチャンバー内に配置されており、回転停止処理及び高速回転処理を行なうときに、チャンバー内を減圧雰囲気にすることが好ましい。
【0024】
このようにすると、凹部内に存在する洗浄液に含まれる気泡の凝集を減圧雰囲気によって促進させることができ、それにより、洗浄液中から気泡が排出されやすくなるので、凹部内の洗浄液(又は気泡を含む洗浄液)の置換効率をより一層向上させることができる。
【0025】
本発明の基板洗浄方法において、洗浄液の粘度は2.0cp以上であり、低速回転処理の一回の処理時間を30秒以上に設定すると共に高速回転処理の一回の処理時間を10秒以下に設定することが好ましい。
【0026】
このようにすると、洗浄液の粘度が高いために基板上で洗浄液の流速が極端に減少した場合にも、比較的長時間の低速回転処理によって基板全体に洗浄液を供給でき、それにより反応生成物等を十分に溶解することができる。また、比較的短時間の高速回転処理によって、基板を乾燥させることなく、基板上の洗浄液を十分に置換することができる。
【0027】
本発明の基板洗浄方法において、第1の回転速度は10rpm以上で且つ50rpm以下であり、第2の回転速度は500rpm以上で且つ800rpm以下であることが好ましい。
【0028】
このようにすると、低速回転処理によって洗浄液を基板全体に確実に供給できると共に、高速回転処理によって基板上の洗浄液の置換効率を確実に向上させることができる。
【0029】
また、この場合、低速回転処理の一回の処理時間を、高速回転処理の一回の処理時間の5倍以上に設定することが好ましい。
【0030】
このようにすると、低速回転処理によって洗浄液を基板全体に均一に供給できる。
【0031】
本発明の基板洗浄方法において、被処理基板の表面への洗浄液の供給量は200ml/min以上で且つ500ml/min以下であることが好ましい。
【0032】
このようにすると、基板洗浄に必要な洗浄液量が満たされると同時に洗浄液の消費量が抑制されるので、コストバランスを図ることができる。
【0033】
本発明の基板洗浄方法において、高速回転処理を行なうときに、被処理基板の表面に洗浄液を供給しなくてもよい。
【0034】
本発明に係る基板洗浄装置は、被処理基板が配置されるチャンバーと、チャンバー内に設けられ、被処理基板を保持すると共に回転させるローターと、チャンバー内に設けられ、被処理基板の表面に洗浄液を供給するノズルと、チャンバー内にガスを導入するガスラインと、チャンバーから洗浄液を排出する廃液ラインと、廃液ラインの途中に設けられ、洗浄液から、その中に含まれるガスを分離するミスト分離ボックスと、ミスト分離ボックスからガスを排出する排気ラインと、排気ラインの途中に設けられ、チャンバー内の圧力を制御するバルブとを備えている。
【0035】
本発明の基板洗浄装置によると、基板が配置され且つガスが導入されるチャンバーから洗浄液を排出する廃液ラインの途中に、洗浄液に含まれるガスを分離するミスト分離ボックスが設けられている。また、ミスト分離ボックスからガスを排出する排気ラインの途中に、チャンバー内の圧力を制御するバルブが設けられている。このため、該バルブによって、チャンバー内の雰囲気を常圧状態又は加圧状態から減圧状態まで制御できるので、基板上のアスペクト比の高い凹部に入り込んだ洗浄液に含まれる気泡を、凹部の外側に速やかに排出できる雰囲気(具体的には減圧雰囲気)を作ることができる。従って、凹部内の洗浄液(又は気泡を含む洗浄液)の置換効率を向上させることができる。
【0036】
本発明の基板洗浄装置において、基板洗浄装置はスプレーバッチ式の基板洗浄装置であって、ノズルはチャンバーの内壁面に設けられており、洗浄液はノズルから被処理基板の端部に向けて扇形状に吐出され、扇形状の中心角は、ノズルを通る被処理基板の2本の接線が成す角度以上であることが好ましい。
【0037】
このようにすると、基板全体における洗浄処理の均一性を確保することができる。
【0038】
本発明に係る電子デバイスの製造方法は、基板上に絶縁膜を形成する工程と、絶縁膜に凹部を形成する工程と、凹部の内壁に付着した反応生成物を除去する工程とを備え、反応生成物を除去する工程において、基板を第1の回転速度で回転させる低速回転処理と、基板を第1の回転速度よりも大きい第2の回転速度で回転させる高速回転処理とを交互に繰り返し行ないながら、基板の表面に洗浄液を供給することによって基板の表面を洗浄する。
【0039】
本発明の電子デバイスの製造方法によると、基板上の絶縁膜に凹部を形成した後、凹部の内壁に付着した反応生成物を除去する際に、本発明の基板洗浄方法を用いる。このため、低速回転処理によって洗浄液を基板上に十分且つ均一に供給できると共に、高速回転処理によって、凹部に入り込んだ洗浄液まで含めて基板上に存在する洗浄液を置換する効率を上げることができる。従って、凹部の内壁に付着した反応生成物を確実に除去できるので、洗浄処理に要する時間を短縮することができる。また、反応生成物の除去状態が凹部毎にばらつくことがないので、コンタクト抵抗等の増大を防止できる。
【0040】
【発明の実施の形態】
(第1の実施形態)
以下、本発明の第1の実施形態に係る基板洗浄方法及び基板洗浄装置について図面を参照しながら説明する。
【0041】
本実施形態では、コンタクトホール等の凹部が設けられた絶縁膜や配線材料等をエッチングすることなく、加工時に生じた反応生成物を除去するために、複数の有機溶剤が混合されてなる洗浄液、例えばNH4 Fが0.5質量%以下の濃度で含まれ且つ3〜4種類の有機溶剤と水との混合液よりなる洗浄液を用いる。これにより、酸化膜、窒化膜、SiC膜及び金属膜等のそれぞれのエッチング量を1回の基板洗浄処理につき0.5nm以下程度とすることができる。また、本実施形態では、前述の洗浄液を室温で用いるものとし、その場合、洗浄液の粘度は2.5〜3.5cp程度となる。尚、洗浄液の粘度を下げるために、洗浄液を60〜80℃程度まで加熱して使用しても良い。
【0042】
さらに、本実施形態では、最近の微細化に対応してパーティクル除去効果を向上させることと、リンス時及び乾燥時に雰囲気制御を実施することとを目的として、基板を回転させながら基板に洗浄液を供給して洗浄処理を行なう方法を用いる。雰囲気制御可能な処理室(チャンバー)を備えた洗浄装置としては、基板となるウェハを1枚づつ処理する枚葉タイプ、及びウェハを25枚単位で処理するスプレーバッチタイプ等を用いることができる。尚、配線パターン形成やコンタクトホール形成のためのドライエッチング時に生じた反応生成物を除去する方法として、従来から用いられている方法、つまり洗浄液を槽の中に貯めて洗浄液の温度を制御しながら基板を洗浄液中に浸漬して洗浄処理を行なう方法は、本実施形態では使用しないものとする。
【0043】
図1は、本願発明者らにより得られた、洗浄液の粘度と、基板上における洗浄液の実際の流量との関係を示している。図1に示すように、洗浄液の粘度が高くなるに従って、基板上における洗浄液の実際の流量が低くなる。具体的には、粘度が約1cpの洗浄液を使用する場合の流量を1とすると、粘度が約3cpの洗浄液を使用する場合の流量は1/2まで低下することが判明した。この粘度と流量との間の関係は、洗浄液をノズルから基板上に吐出するためのポンプの圧力を上昇させた場合にも保たれる。
【0044】
このような洗浄液流量の低下の影響は、基板の中心部の上にあるノズルから基板中心部に向けて洗浄液が供給される枚葉タイプの洗浄装置を用いる場合よりも、基板の端部側にあるノズルから基板端部に向けて洗浄液がシャワー状に供給されるスプレーバッチタイプの洗浄装置を用いる場合の方が大きい。
【0045】
図2は、本実施形態で用いられる、スプレーバッチタイプの洗浄装置におけるチャンバー内の様子を示す図である。尚、図2は、チャンバー内に配置されたウェハ(基板)の主面に対して垂直な方向からチャンバー内を透視的に見た図である。
【0046】
図2に示すように、チャンバー1内には、ウェハ4を保持すると共に回転させるローター2が設けられている。また、チャンバー1の内壁面には、ウェハ4の表面に洗浄液を供給するノズル3が設けられている。
【0047】
ここで、ウェハ4全体の洗浄処理の均一性を確保するためには、ノズル3から吐出された洗浄液が拡がる形状(以下、吐出形状と称する)は、ウェハ4全体を覆うものでなければならない。従って、一般的に、洗浄液の吐出形状は、ノズル3が固定されているチャンバー1の内壁面とウェハ4との距離に基づいて決定されることになる。このため、本実施形態では、洗浄液の吐出形状(つまり扇形状)の中心角を、ノズル3の中心点からウェハ4の端部に延びる2本の接線L1及びL2が成す角度θ以上に設定する。具体的には、スプレーバッチタイプの洗浄装置が製造装置として適切な大きさを有している場合、ノズル3が固定されているチャンバー1の内壁面とウェハ4の端部との間の距離は20〜30mm程度であるため、洗浄液の吐出形状は、中心角が100°以上の扇形状でなければならない。また、このような洗浄液の吐出形状を実現するためには、基板1枚当たりの洗浄液の流量(供給量)を200ml/min程度以上にする必要がある。一方、高価な洗浄液の消費量を抑制すること、つまり洗浄液を効率よく使用することを考え合わせた場合、基板1枚当たりの洗浄液の供給量の上限を500ml/min程度に設定する必要がある。
【0048】
図3は、本願発明者らにより得られた、低粘度及び高粘度の洗浄液をそれぞれ用いた場合における、基板表面からの距離と洗浄液の流速との関係を示す図である。尚、図3に示す結果は、及び低い場合のそれぞれについて、基板上に同一の初速で洗浄液を供給することによって得られたものである。
【0049】
図3に示すように、同一の初速で基板上に洗浄液を供給したとしても、高粘度の洗浄液の場合、低粘度の洗浄液の場合と比べて、基板表面からの距離が小さくなるに従って、つまり基板表面に近づくに従って洗浄液の流速は急激に低下する。これは、例えばドライエッチング時に生じた反応生成物を溶解する能力が高い新鮮な洗浄液が基板表面まで供給される速度が著しく遅くなることを意味している。
【0050】
さらに、洗浄液の粘度が高い場合、開口径が小さくアスペクト比が高いホールや配線溝等の内部における洗浄液の置換効率は一層悪化する。
【0051】
そこで、本実施形態においては、基板上に存在する洗浄液の置換効率を、基板上の凹部に入り込んだ洗浄液の置換効率まで含めて向上させるために、基板を第1の回転速度で回転させる低速回転処理と、基板を第1の回転速度よりも大きい第2の回転速度で回転させる高速回転処理とを交互に繰り返し行ないながら、基板の表面に洗浄液を供給することによって基板の表面を洗浄する。
【0052】
本実施形態の低速回転処理は、基板全体に洗浄液を供給すると共に、ドライエッチング時に生じた反応生成物を溶解する時間を確保するために実施される。具体的には、基板が回転している状態で粘度の高い洗浄液を基板上に均一に塗布するためには、低速回転処理の回転速度(第1の回転速度)は、10rpm以上で且つ50rpm以下であることが好ましい。また、洗浄液を均一に基板上に塗布するためには、一回の低速回転処理における基板の回転回数は10回以上であることが好ましい。
【0053】
また、本実施形態の高速回転処理は、ホールや配線溝の底部付近でポリマー等との反応によって劣化が進んだ洗浄液を強制的に排除して、新しい洗浄液と入れ替えるために実施される。この洗浄液の置換は、低速回転から高速回転へ転じる際の衝撃と、高速回転中の遠心力とによって実現される。従って、高速回転処理の回転速度(第2の回転速度)は、500rpm以上で且つ800rpm以下であることが好ましい。尚、高速回転処理の回転速度の最大値は、回転により生じる遠心力によって、基板と、それを保持するローターとの間ですべりが起こらないように設定する。
【0054】
ここで、一回の高速回転処理の処理時間を、基板を乾燥させることなく、基板上の洗浄液を十分に置換できるように設定する。具体的には、洗浄液の粘度が2.0cp程度以上(例えば2.5〜3.5cp程度)である場合、低速回転から高速回転の最大回転速度(例えば800rpm)まで回転速度を上げるために3.5〜4秒程度かかることと、基板の乾燥を防止するということとを考慮して、一回の高速回転処理の処理時間を6秒程度と設定してもよい。但し、基板表面から洗浄液を排出する効果が最大になるのは、低速回転から高速回転の最大回転速度まで回転速度が上昇しているときであるので、一回の高速回転処理の処理時間を10秒以上にする必要はない。
【0055】
一方、一回の高速回転処理の処理時間を6秒と固定した状態で、本願発明者らは、一回の低速回転処理の処理時間として適切な時間がどれくらいかを検討してみた。具体的には、一回の低速回転処理の処理時間を20秒から10秒づつ増加させながら、各処理時間におけるビアホール内でのポリマー除去性及びビアコンタクト抵抗のバラツキを検討してみた。尚、基板洗浄の全体の処理時間(低速回転処理と高速回転処理とを繰り返し行なうトータルの時間)は、従来方法で反応生成物の除去性が不十分になる15分に設定した。その結果、ビアホール内のポリマー除去性が十分になり且つビアコンタクト抵抗のばらつきが5%以下になるためには、一回の低速回転処理の処理時間として30秒以上の処理時間が必要であることが判明した。
【0056】
すなわち、2.5〜3.5cp程度の粘度を持つ洗浄液を用いて安定した基板洗浄を行なうためには、一回の低速回転処理における基板の回転回数を10回以上にすると共に、一回の低速回転処理の処理時間を、一回の高速回転処理の処理時間の5倍以上に設定する必要があることが判明した。また、洗浄液の粘度が高くなるに従って、ノズルから基板に向けて供給される洗浄液の流速が低下するので、洗浄液の粘度が1cp上昇する毎に、一回の低速回転処理の処理時間を10秒以上ずつ長くする必要がある。
【0057】
以上に説明したように、第1の実施形態によると、基板に対して低速回転処理及び高速回転処理を繰り返し行ないながら、洗浄液を用いて基板を洗浄する。このため、高速回転処理及び低速回転処理のそれぞれの処理時間を洗浄液の粘度に合わせて適切に設定することによって、前述のような色々な効果が得られる。すなわち、低速回転処理によって洗浄液を基板上に十分且つ均一に供給できると共に、高速回転処理によって、凹部に入り込んだ洗浄液まで含めて基板上に存在する洗浄液を置換する効率を上げることができる。従って、凹部の内壁に付着した反応生成物を確実に除去できるので、洗浄処理に要する時間を短縮することができる。また、加工時に発生した反応生成物の除去状態が凹部毎にばらつくことがないので、コンタクト抵抗等の増大を防止できる。
【0058】
尚、第1の実施形態において、洗浄液の粘度が2.0cp以上である場合には、低速回転処理の一回の処理時間を30秒以上に設定すると共に高速回転処理の一回の処理時間を10秒以下に設定することが好ましい。このようにすると、洗浄液の粘度が高いために基板上で洗浄液の流速が極端に減少した場合にも、比較的長時間の低速回転処理によって基板全体に洗浄液を供給でき、それにより反応生成物等を十分に溶解することができる。また、比較的短時間の高速回転処理によって、基板を乾燥させることなく、基板上の洗浄液を十分に置換することができる。
【0059】
また、第1の実施形態において、低速回転処理の回転速度(第1の回転速度)は10rpm以上で且つ50rpm以下であると共に、高速回転処理の回転速度(第2の回転速度)は500rpm以上で且つ800rpm以下であることが好ましい。このようにすると、低速回転処理によって洗浄液を基板全体に確実に供給できると共に、高速回転処理によって基板上の洗浄液の置換効率を確実に向上させることができる。また、この場合、低速回転処理の一回の処理時間を、高速回転処理の一回の処理時間の5倍以上に設定すると、低速回転処理によって洗浄液を基板全体に均一に供給できる。
【0060】
また、第1の実施形態において、基板表面への洗浄液の供給量は200ml/min以上で且つ500ml/min以下であることが好ましい。このようにすると、基板洗浄に必要な洗浄液量が満たされると同時に洗浄液の消費量が抑制されるので、コストバランスを図ることができる。
【0061】
また、第1の実施形態において、高速回転処理を行なう際には、基板表面に洗浄液を供給してもよいし、又は基板表面に洗浄液を供給しなくてもよい。
【0062】
(第2の実施形態)
以下、本発明の第2の実施形態に係る基板洗浄方法について図面を参照しながら説明する。
【0063】
さて、第1の実施形態に係る基板洗浄方法において洗浄液の粘度が高いと共に洗浄装置がスプレーバッチタイプである場合、基板1枚当たりの洗浄液の流量(供給量)を200ml/min程度以上にすると共に洗浄液の吐出形状を、中心角が100°以上の扇形状(図2参照)にするためには、洗浄液を循環させたり又はノズルから吐出させたりするためのポンプの駆動圧力を増大させる必要がある。その場合、ノズルから洗浄液が吐出された際にキャビテーション状態となるため、洗浄液中に気泡が多数混入することになる。しかし、洗浄液の粘度が高い場合、洗浄液中において気泡が凝集して大きくなって該大きな気泡が洗浄液中を上昇して洗浄液中から脱気するまでの時間が長くなる。そのため、洗浄処理を実施しているときに、基板上の凹部(例えばビアホールや配線溝)の内部の洗浄液に細かな気泡が入り込むことになる。凹部内の洗浄液に入り込んだ気泡は、洗浄液の置換速度をさらに遅くさせる。これらのことは、例えばリンス時のビアホール内におけるアルミニウム配線等の異常エッチング現象から明らかである。
【0064】
従って、凹部内の洗浄液に入り込んだ気泡を抜くための雰囲気設定が必要となる。そこで、本実施形態では、第1の実施形態の基板洗浄方法において、洗浄装置のチャンバー内の雰囲気を減圧状態(常圧(大気圧)よりも圧力が低い状態)にする。但し、洗浄処理の全体に亘ってチャンバー内を減圧雰囲気に保持した場合、洗浄処理中に基板の乾燥が過度に促進されてしまうことになるため、第1の実施形態の基板洗浄方法のうち、つまり低速回転処理及び高速回転処理の繰り返しのうち、高速回転処理を行なっている間のみを減圧雰囲気にすることとした。
【0065】
図4は、本実施形態の基板洗浄方法における洗浄処理シーケンスの一例を示している。尚、図4において、高速回転の最大回転速度(例えば800rpm)から低速回転まで回転速度を下げる処理を高速回転処理とみなしているが、これに代えて、該回転速度を下げる処理を低速回転処理とみなして、該回転速度を下げる処理を行なっている間を減圧雰囲気にしなくてもよい。
【0066】
第2の実施形態によると、第1の実施形態に加えて、次のような効果が得られる。すなわち、凹部内に存在する洗浄液に含まれる気泡の凝集を減圧雰囲気によって促進させることができるため、アスペクト比の大きいコンタクトホールや配線溝等の凹部に洗浄液が入り込んでいる場合にも、洗浄液中から気泡が排出されやすくなる。より詳しくは、気泡内は高圧状態(大気圧(約10万Pa)よりも圧力が高い状態)になっているため、チャンバー内を、例えば数万Pa以下の単純な減圧雰囲気にすることによって、凹部内の洗浄液から気泡を排出させることができる。その結果、凹部内の洗浄液(又は気泡を含む洗浄液)の置換効率を向上させることができる。従って、凹部の内壁に付着した反応生成物をより確実に除去できるので、洗浄処理に要する時間をより一層短縮することができる。また、加工時に発生した反応生成物の除去状態が凹部毎にばらつくことがないので、コンタクト抵抗等の増大をより確実に防止できる。
【0067】
例えば、洗浄液の粘度が2.0cp程度以上である場合において一回の低速回転処理の処理時間を30秒以上にすると共に一回の高速回転処理の処理時間を10秒以下にした場合、高速回転処理を行なっている間を減圧雰囲気にすることによって、次のような効果が得られた。すなわち、ビアホール内のポリマー除去性が十分になり且つビアコンタクト抵抗のばらつきが5%以下になるために必要な、基板洗浄の全体の処理時間を、従来の20分程度から12分程度まで短縮することができた。
【0068】
尚、第2の実施形態において、スプレーバッチタイプの洗浄装置に代えて、枚葉タイプの洗浄装置を用いてもよい。
【0069】
(第3の実施形態)
以下、本発明の第3の実施形態に係る基板洗浄方法について図面を参照しながら説明する。
【0070】
第2の実施形態で述べたように、第1の実施形態に係る基板洗浄方法において洗浄液の粘度が高いと共に洗浄装置がスプレーバッチタイプである場合、基板1枚当たりの洗浄液の流量(供給量)を200ml/min程度以上にすると共に洗浄液の吐出形状を、中心角が100°以上の扇形状(図2参照)にするためには、洗浄液を循環させたり又はノズルから吐出させたりするためのポンプの駆動圧力を増大させる必要がある。その場合、ノズルから洗浄液が吐出された際にキャビテーション状態となるため、洗浄液中に気泡が多数混入することになる。しかし、洗浄液の粘度が高い場合、洗浄液中において気泡が凝集して大きくなって該大きな気泡が洗浄液中を上昇して洗浄液中から脱気するまでの時間が長くなる。そのため、洗浄処理を実施しているときに、基板上の凹部、例えばビアホールや配線溝の内部の洗浄液に細かな気泡が入り込むことになる。凹部内の洗浄液に入り込んだ気泡は、洗浄液の置換速度をさらに遅くさせる。これらのことは、例えばリンス時のビアホール内におけるアルミニウム配線等の異常エッチング現象から明らかである。
【0071】
従って、凹部内の洗浄液に入り込んだ気泡を抜くことにより、基板洗浄に要する時間を短縮したり又はビアコンタクト抵抗をさらに安定化させたりすることが可能になると予測できる。すなわち、凹部内の洗浄液に入り込んだ気泡を抜くための雰囲気設定が必要となると同時に、凹部内の洗浄液を含む基板上の洗浄液に対してさらに大きなエネルギーを与えることが必要となる。そこで、本実施形態では、まず、第2の実施形態と同様に、第1の実施形態の基板洗浄方法において、洗浄装置のチャンバー内の雰囲気を減圧状態にする。さらに、本実施形態では、第1の実施形態の基板洗浄方法において、つまり低速回転処理及び高速回転処理の繰り返しにおいて、低速回転処理を行なってから高速回転処理を行なうまでの間に、基板の回転を一旦停止させる回転停止処理を行なう。
【0072】
尚、本実施形態において、洗浄処理の全体に亘ってチャンバー内を減圧雰囲気に保持した場合、洗浄処理中に基板の乾燥が過度に促進されてしまうことになるため、高速回転処理及び回転停止処理を行なっている間を減圧雰囲気にすることとした。また、回転停止処理の時間を、低速回転からの減速度を考慮して、言い換えると、低速回転から回転停止まで回転速度を下げる時間を含めて2秒程度に設定した。
【0073】
図5は、本実施形態の基板洗浄方法における洗浄処理シーケンスの一例を示している。但し、図5において、高速回転の最大回転速度(例えば800rpm)から低速回転まで回転速度を下げる処理を高速回転処理とみなしているが、これに代えて、該回転速度を下げる処理を低速回転処理とみなして、該回転速度を下げる処理を行なっている間を減圧雰囲気にしなくてもよい。また、図5において、回転停止(0rpm)から高速回転の最大回転速度まで回転速度を上げる処理を高速回転処理とみなしている。しかし、これに代えて、例えば回転停止から低速回転処理の回転速度(第1の回転速度)まで回転速度を上げる処理については回転停止処理とみなしてもよい。
【0074】
第3の実施形態によると、第1の実施形態に加えて、次のような効果が得られる。すなわち、凹部内に存在する洗浄液に含まれる気泡の凝集を減圧雰囲気によって促進させることができるため、アスペクト比の大きいコンタクトホールや配線溝等の凹部に洗浄液が入り込んでいる場合にも、洗浄液中から気泡が排出されやすくなる。より詳しくは、気泡内は高圧状態(大気圧(約10万Pa)よりも圧力が高い状態)になっているため、チャンバー内を、例えば数万Pa以下の単純な減圧雰囲気にすることによって、凹部内の洗浄液から気泡を排出させることができる。また、低速回転処理を行なってから高速回転処理を行なうまでの間に回転停止処理を行なうため、回転停止処理によって、高速回転処理への移行時に基板上の洗浄液に対してより強い初動の衝撃を与えることができるので、凹部内における気泡を含んだ洗浄液の排出を加速させることができる。その結果、凹部内の洗浄液(又は気泡を含む洗浄液)の置換効率を向上させることができる。従って、凹部の内壁に付着した反応生成物をより確実に除去できるので、洗浄処理に要する時間をより一層短縮することができる。また、加工時に発生した反応生成物の除去状態が凹部毎にばらつくことがないので、コンタクト抵抗等の増大をより確実に防止できる。
【0075】
例えば、洗浄液の粘度が2.0cp程度以上である場合において一回の低速回転処理の処理時間を30秒以上にすると共に一回の高速回転処理の処理時間を10秒以下にした場合、低速回転処理と高速回転処理との間に2秒程度の回転停止処理を行なうと共に回転停止処理及び高速回転処理を行なっている間を減圧雰囲気にすることによって、次のような効果が得られた。すなわち、ビアホール内のポリマー除去性が十分になり且つビアコンタクト抵抗のばらつきが5%以下になるために必要な、基板洗浄の全体の処理時間を、従来の20分程度から10分程度まで短縮することができた。
【0076】
尚、第3の実施形態において、スプレーバッチタイプの洗浄装置に代えて、枚葉タイプの洗浄装置を用いてもよい。
【0077】
また、第3の実施形態において、回転停止処理及び高速回転処理を行なっている間を減圧雰囲気にしたが、これに代えて、高速回転処理を行なっている間のみを減圧雰囲気にしてもよい。また、基板洗浄の全体を通して減圧雰囲気を用いることなく、低速回転処理と高速回転処理との間に回転停止処理を行なうだけにしてもよい。
【0078】
(第4の実施形態)
以下、本発明の第4の実施形態に係る基板洗浄装置について図面を参照しながら説明する。尚、第4の実施形態に係る基板洗浄装置は、本発明の第2又は第3の実施形態に係る基板洗浄方法を実施するためのもである。
【0079】
図6は、第4の実施形態に係る基板洗浄装置、具体的にはスプレーバッチタイプの洗浄装置の概略構成を示す図である。尚、図6において、チャンバー内の様子については、チャンバー内に配置されたウェハ(基板)の主面に対して平行な方向からチャンバー内を透視的に見た様子を示している。また、図6において、図2に示す第1の実施形態に係る基板洗浄方法で用いられる、スプレーバッチタイプの洗浄装置と同一の構成要素には同一の符号を付している。
【0080】
図6に示すように、チャンバー1内には、被処理基板であるウェハ4を保持すると共に回転させるローター2が設けられている。詳しくは、モーター5によって、ローター2と共にウェハ4が回転させられる。チャンバー1の天井部の内壁面には、ウェハ4の表面に洗浄液を供給するノズル3が設けられている。また、チャンバー1には、チャンバー1の内部にガス(例えば窒素を含む不活性ガス)を導入するためのガスライン6がガス導入口6aを介して接続されている。さらに、チャンバー1には、チャンバー1から洗浄液を排出するための廃液ライン7が接続されている。
【0081】
廃液ライン7の途中には、洗浄液から、その中に含まれるガス(チャンバー1内に導入されたガス)を分離するためのミスト分離ボックス8が設けられている。ミスト分離ボックス8には、ミスト分離ボックス8から前述のガスを排出するための排気ライン9が接続されている。すなわち、ミスト分離ボックス8において、廃液ライン7と排気ライン9とが分岐する。
【0082】
排気ライン9の途中には、チャンバー1内の圧力(ガス圧力)を制御するためのバルブ10、例えば大容量のMFC(mass flow controller)が設けられている。これにより、チャンバー1内の雰囲気制御をスムーズに行なうことができる。尚、MFCは、その排気流量を圧力に換算してチャンバー1内の圧力の制御を行なう。また、MFCの容量は、適切な排気圧力よりも大きな圧力で排気を行なえるように設定される。
【0083】
ミスト分離ボックス8から分岐した廃液ライン7は洗浄液タンク11に接続されている。廃液ライン7を経て洗浄液タンク11に戻された洗浄液は、再び、送液ライン12を経てノズル3まで送られる。送液ライン12の途中には、洗浄液を循環させたり又はノズル3から吐出させたりするためのポンプ13、及び洗浄液を濾過するためのフィルター(図示省略)等が設けられている。
【0084】
第4の実施形態によると、ウェハ4(基板)が配置され且つガスが導入されるチャンバー1から洗浄液を排出する廃液ライン7の途中に、洗浄液に含まれるガスを分離するミスト分離ボックス8が設けられている。また、ミスト分離ボックス8からガスを排出する排気ライン9の途中に、チャンバー1内の圧力を制御するバルブ10が設けられている。このため、バルブ10によって、チャンバー1内の雰囲気を常圧状態又は加圧状態から減圧状態まで(或いはその逆)スムーズに制御できる。すなわち、ウェハ4つまり基板上のアスペクト比の高い凹部に入り込んだ洗浄液に含まれる気泡を、凹部の外側に速やかに排出できる雰囲気(具体的には減圧雰囲気)を作ることができる。従って、凹部内の洗浄液(又は気泡を含む洗浄液)の置換効率を向上させることができるので、第2又は第3の実施形態に係る基板洗浄方法と同様の効果が得られる。
【0085】
具体的には、本実施形態でバルブ10としてMFCを用いた場合、チャンバー1内の雰囲気を常圧状態又は加圧状態から減圧状態まで(或いはその逆)制御するのに要した時間は1秒以内であった。
【0086】
尚、第4の実施形態において、チャンバー1の内部にガスを導入するために、独立したガスライン6を設けた。しかし、これに代えて、ノズル3を含む送液ライン12をガスラインとして用いてもよい。この場合、洗浄液及びガスが同時に送液ライン12に送られることはない。
【0087】
また、第4の実施形態において、ノズル3からの洗浄液の吐出形状(つまり扇形状)の中心角を、ノズル3を通るウェハ4の2本の接線が成す角度以上に設定することが好ましい(図2参照)。このようにすると、ウェハ4の全体、つまり基板全体における洗浄処理の均一性を確保することができる。
【0088】
また、第4の実施形態において、スプレーバッチタイプの洗浄装置を対象としたが、これに代えて、枚葉タイプの洗浄装置を対象としてもよいことは言うまでもない。
【0089】
(第5の実施形態)
以下、本発明の第5の実施形態に係る電子デバイスの製造方法について図面を参照しながら説明する。尚、第5の実施形態に係る電子デバイスの製造方法は、本発明の第1〜第3の実施形態に係る基板洗浄方法のいずれか、又は本発明の第4の実施形態に係る基板洗浄装置を用いた、電子デバイスの製造方法である。
【0090】
図7(a)〜(c)、図8(a)、(b)及び図9(a)、(b)は、第5の実施形態に係る電子デバイスの製造方法の各工程を示す断面図である。
【0091】
まず、図7(a)に示すように、トランジスタ等の素子(図示省略)が形成された半導体基板101の上に、例えばCVD(chemical vapor depositon)法を用いて酸化膜よりなる第1の層間絶縁膜102を形成する。その後、第1の層間絶縁膜102の上に、例えばCVD法を用いて、酸化膜、又は炭素を含む低誘電率膜よりなる第2の層間絶縁膜103を形成する。その後、第1の層間絶縁膜102中に形成され且つ下層の拡散層又はトランジスタと電気的に接続するコンタクト部分と、第2の層間絶縁膜103中に形成され且つ素子同士を電気的に接続する配線部分とを持つ第1の金属配線104を形成する。最近の微細化ルールを考慮して、第1の金属配線104の材料として、タングステン(W)及び銅(Cu)を用いてもよい。
【0092】
次に、図7(b)に示すように、第2の層間絶縁膜103の上に、例えばCVD法を用いて、酸化膜、又は炭素を含む低誘電率膜よりなる第3の層間絶縁膜105を形成する。第3の層間絶縁膜105には上層金属配線が形成される。
【0093】
次に、図7(c)に示すように、リソグラフィ法及びドライエッチング法を用いて、第3の層間絶縁膜105に、第1の金属配線104に達するビアホール106、つまり第1の金属配線104とその上層金属配線とを電気的に接続するための接続孔を形成する。このドライエッチング時に、レジストとエッチングガスと層間絶縁膜との反応によって、ビアホール106の壁面に、ポリマー等の反応生成物107が付着する。
【0094】
次に、ビアホール106の壁面に付着した反応生成物107を除去するために、第1〜第3の実施形態に係る基板洗浄方法のいずれか、又は本発明の第4の実施形態に係る基板洗浄装置を用いて、半導体基板101の表面を洗浄する。これにより、図8(a)に示すように、半導体基板101上の全てのビアホール106において反応生成物107を十分に除去できるので、各ビアホール106に形成されるビアプラグについて正常なコンタクト抵抗が得られる。
【0095】
具体的には、反応生成物107を除去するための半導体基板101の洗浄工程において、半導体基板101を第1の回転速度で回転させる低速回転処理と、半導体基板101を第1の回転速度よりも大きい第2の回転速度で回転させる高速回転処理とを交互に繰り返し行ないながら、半導体基板101の表面に洗浄液を供給する。
【0096】
次に、図8(b)に示すように、リソグラフィ法及びドライエッチング法を用いて、第3の層間絶縁膜105に、ビアホール106と接続する上層金属配線用溝109、つまり素子同士を接続する上層金属配線を埋め込むための溝を形成する。このとき、図7(c)に示す工程で形成されたビアホール106の上部は上層金属配線用溝109に吸収されてしまう。また、上層金属配線用溝109の形成時に、図7(c)に示す工程で形成されたビアホール106の下部(最終的にビアプラグが埋め込まれるビアホールとなる)を、ドライエッチングダメージや後工程の基板洗浄によるダメージから保護するために、上層金属配線用溝109の形成前に次のような処理を行なっておく。すなわち、図7(c)に示す工程で形成されたビアホール106の下部に、例えばレジスト等の有機材料よりなるビアホール保護用埋め込み膜108を形成しておく。ここで、ビアホール保護用埋め込み膜108の表面は、上層金属配線用溝109の底面と同じ高さに位置している。ビアホール保護用埋め込み膜108は、第3の層間絶縁膜105のドライエッチングに、配線溝パターンを有するレジスト膜と共に、マスクとして用いられる。尚、このドライエッチング時には、レジストとエッチングガスと層間絶縁膜との反応によって、上層金属配線用溝109の壁面に、ポリマー等の反応生成物110が付着する。
【0097】
次に、上層金属配線用溝109の壁面に付着した反応生成物110、及びビアホール106に埋め込まれたビアホール保護用埋め込み膜108を除去するために、第1〜第3の実施形態に係る基板洗浄方法のいずれか、又は本発明の第4の実施形態に係る基板洗浄装置を用いて、半導体基板101の表面を洗浄する。これにより、図9(a)に示すように、半導体基板101上の全てのビアホール106においてビアホール保護用埋め込み膜108を十分に除去できると共に、半導体基板101上の全ての上層金属配線用溝109において反応生成物110を十分に除去できる。従って、各ビアホール106に形成されるビアプラグ及び各上層金属配線用溝109に形成される配線について正常なコンタクト抵抗及び正常な配線抵抗が低ばらつきで得られる。
【0098】
具体的には、反応生成物110及びビアホール保護用埋め込み膜108を除去するための半導体基板101の洗浄工程において、半導体基板101を第1の回転速度で回転させる低速回転処理と、半導体基板101を第1の回転速度よりも大きい第2の回転速度で回転させる高速回転処理とを交互に繰り返し行ないながら、半導体基板101の表面に洗浄液を供給する。
【0099】
次に、半導体基板101上に、例えばスパッタ法及びメッキ法を用いて銅膜をビアホール106及び上層金属配線用溝109が完全に埋まるように形成した後、例えばCMP(chemical mechanical polishing )法を用いて、前述の銅膜における上層金属配線用溝109の外側部分を除去すると共に、ビアホール106及び上層金属配線用溝109に埋め込まれた銅膜の表面を平坦化する。これにより、図9(b)に示すように、第1の金属配線104と電気的に接続するコンタクト部分と、素子同士を電気的に接続する配線部分とを持つ第2の金属配線111が形成される。
【0100】
以上に説明したように、第5の実施形態によると、半導体基板101上の絶縁膜(第3の層間絶縁膜105)に凹部(ビアホール106及び上層金属配線用溝109)を形成する。その後、凹部の内壁に付着した反応生成物(反応生成物107及び反応生成物110)を除去する際に、第1〜第3の実施形態に係る基板洗浄方法のいずれか、又は本発明の第4の実施形態に係る基板洗浄装置を用いて、半導体基板101の表面を洗浄する。このため、低速回転処理によって洗浄液を半導体基板101上に十分且つ均一に供給できると共に、高速回転処理によって、凹部に入り込んだ洗浄液まで含めて半導体基板101上に存在する洗浄液を、置換する効率を上げることができる。従って、凹部の内壁に付着した反応生成物を確実に除去できるので、洗浄処理に要する時間を短縮することができる。また、反応生成物の除去状態が凹部毎にばらつくことがないので、コンタクト抵抗等の増大を防止できる。
【0101】
具体的には、基板洗浄の全体の処理時間を、従来の20分程度から10分程度まで短縮した場合にも、ビアホール106に形成されたビアプラグ(第2の金属配線111の一部)のコンタクト抵抗のばらつきを5%以下に安定させることができた。
【0102】
尚、第5の実施形態において、ビアホール106及び上層金属配線用溝109を連続的に形成して各々に配線用導電膜を埋め込むダマシン法による配線形成を行なった。しかし、本実施形態において配線形成方法は特に限定されるものではない。具体的には、ダマシン法に代えて、次のような配線形成方法を用いてもよい。すなわち、まず、トランジスタ等の素子が形成された基板上に層間絶縁膜を形成した後、層間絶縁膜の表面をCMP法を用いて平坦化する。その後、層間絶縁膜に、素子に達するコンタクトホールを形成した後、該コンタクトホールにタングステン等よりなる金属膜を埋め込み、その後、埋め込まれた金属膜の表面を含む層間絶縁膜の表面を平坦化する。その後、層間絶縁膜の上に、窒化チタン(TiN)、チタン(Ti)又はアルミニウム銅(AlCu)等よりなる金属膜を形成した後、該金属膜に対してドライエッチングを行なって、凸型形状の配線を形成する。ところで、この配線形成方法を用いた場合にも、金属膜のドライエッチング時に、レジストとエッチングガスと層間絶縁膜との反応が生じ、それによって配線の側壁にポリマー等の反応生成物が付着する。このとき、近年の微細化された配線パターンにおいては、隣り合う配線同士によって形成される凹部の開口幅が狭いので、配線の側壁に付着した反応生成物の除去に、第1〜第3の実施形態に係る基板洗浄方法のいずれか、又は本発明の第4の実施形態に係る基板洗浄装置を用いることは非常に効果的である。すなわち、第1〜第5の実施形態で、基板上の凹部とは、配線溝、コンタクトホール及びビアホール等のみを意味するものではなく、例えば凸型形状の配線等が隣接することによって生じる凹部をも意味する。例えば、トランジスタのゲート電極を形成した後の基板洗浄において、狭い幅の開口部を持つゲート電極パターンが形成された基板上に存在するレジスト又は反応生成物等を除去するために、粘度が2.0cpを越えるような洗浄液を使用する場合、第1〜第3の実施形態に係る基板洗浄方法のいずれか、又は本発明の第4の実施形態に係る基板洗浄装置を用いることによって次のような効果が得られる。すなわち、開口部内の洗浄液の置換効率を向上させることができるので、レジスト残り等に起因するパターン精度の劣化によって製造歩留まりが低下することを防止できる。
【0103】
また、第5の実施形態において、反応生成物107又は反応生成物110等を除去するための半導体基板101の洗浄工程で、高速回転処理を行なう際にチャンバー内を減圧雰囲気にしてもよい。また、低速回転処理を行なってから高速回転処理を行なうまでの間に、半導体基板101の回転を一旦停止させる回転停止処理を行なってもよい。この場合、回転停止処理及び高速回転処理を行なう際にチャンバー内を減圧雰囲気にしてもよい。
【0104】
また、第5の実施形態において、反応生成物107又は反応生成物110等を除去するための半導体基板101の洗浄工程で粘度が2.0cpを越えるような洗浄液を使用する場合、低速回転処理の一回の処理時間を30秒以上に設定すると共に高速回転処理の一回の処理時間を10秒以下に設定することが好ましい。このようにすると、洗浄液の粘度が高いために半導体基板101上で洗浄液の流速が極端に減少した場合にも、比較的長時間の低速回転処理によって半導体基板101全体に洗浄液を供給でき、それにより反応生成物等を十分に溶解することができる。また、比較的短時間の高速回転処理によって、半導体基板101を乾燥させることなく、半導体基板101上の洗浄液を十分に置換できる。
【0105】
また、第5の実施形態において、反応生成物107又は反応生成物110等を除去するための半導体基板101の洗浄工程で、低速回転処理の回転速度(第1の回転速度)は10rpm以上で且つ50rpm以下であると共に、高速回転処理の回転速度(第2の回転速度)は500rpm以上で且つ800rpm以下であることが好ましい。このようにすると、低速回転処理によって洗浄液を半導体基板101全体に確実に供給できると共に、高速回転処理によって半導体基板101上の洗浄液の置換効率を確実に向上させることができる。また、この場合、低速回転処理の一回の処理時間を、高速回転処理の一回の処理時間の5倍以上に設定することが好ましい。このようにすると、低速回転処理によって洗浄液を半導体基板101全体に均一に供給できる。
【0106】
また、第5の実施形態において、反応生成物107又は反応生成物110等を除去するための半導体基板101の洗浄工程で、半導体基板101の表面への洗浄液の供給量は200ml/min以上で且つ500ml/min以下であることことが好ましい。このようにすると、基板洗浄に必要な洗浄液量が満たされると共に洗浄液の消費量が抑制されるので、コストバランスを図ることができる。
【0107】
また、第5の実施形態において、反応生成物107又は反応生成物110等を除去するための半導体基板101の洗浄工程で、高速回転処理を行なう際には、基板表面に洗浄液を供給してもよいし、又は基板表面に洗浄液を供給しなくてもよい。
【0108】
【発明の効果】
本発明によると、低速回転処理によって洗浄液を基板上に十分且つ均一に供給できると共に、高速回転処理によって、基板上の凹部に入り込んだ洗浄液(又は気泡を含む洗浄液)まで含めて基板上に存在する洗浄液を置換する効率を上げることができる。従って、凹部の内壁に付着した反応生成物を確実に除去できるので、洗浄処理に要する時間を短縮することができる。また、加工時に発生した反応生成物の除去状態が凹部毎にばらつくことがないので、コンタクト抵抗等の増大を防止できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本願発明者らにより得られた、洗浄液の粘度と、基板上における洗浄液の実際の流量との関係を示す図である。
【図2】本発明の第1の実施形態に係る基板洗浄方法において用いられる、スプレーバッチタイプの洗浄装置におけるチャンバー内の様子を示す図である。
【図3】本願発明者らにより得られた、低粘度及び高粘度の洗浄液をそれぞれ用いた場合における、基板表面からの距離と洗浄液の流速との関係を示す図である。
【図4】本発明の第2の実施形態に係る基板洗浄方法における洗浄処理シーケンスの一例を示す図である。
【図5】本発明の第3の実施形態に係る基板洗浄方法における洗浄処理シーケンスの一例を示す図である。
【図6】本発明の第4の実施形態に係る基板洗浄装置の概略構成を示す図である。
【図7】(a)〜(c)は本発明の第5の実施形態に係る電子デバイスの製造方法の各工程を示す断面図である。
【図8】(a)及び(b)は本発明の第5の実施形態に係る電子デバイスの製造方法の各工程を示す断面図である。
【図9】(a)及び(b)は本発明の第5の実施形態に係る電子デバイスの製造方法の各工程を示す断面図である。
【符号の説明】
1  チャンバー
2  ローター
3  ノズル
4  ウェハ
5  モーター
6  ガスライン
6a ガス導入口
7  廃液ライン
8  ミスト分離ボックス
9  排気ライン
10  バルブ
11  洗浄液タンク
12  送液ライン
13  ポンプ
101  半導体基板
102  第1の層間絶縁膜
103  第2の層間絶縁膜
104  第1の金属配線
105  第3の層間絶縁膜
106  ビアホール
107  反応生成物
108  ビアホール保護用埋め込み膜
109  上層金属配線用溝
110  反応生成物
111  第2の金属配線
L1  ノズル3の中心点からウェハ4の端部に延びる一の接線
L2  ノズル3の中心点からウェハ4の端部に延びる他の接線
θ  接線L1及びL2が成す角度

Claims (12)

  1. 凹部を有する被処理基板を第1の回転速度で回転させる低速回転処理と、前記被処理基板を前記第1の回転速度よりも大きい第2の回転速度で回転させる高速回転処理とを交互に繰り返し行ないながら、前記被処理基板の表面に洗浄液を供給することによって前記被処理基板の表面を洗浄することを特徴とする基板洗浄方法。
  2. 前記被処理基板は、ガスが導入されたチャンバー内に配置されており、
    前記高速回転処理を行なうときに、前記チャンバー内を減圧雰囲気にすることを特徴とする請求項1に記載の基板洗浄方法。
  3. 前記低速回転処理を行なってから前記高速回転処理を行なうまでの間に、前記被処理基板の回転を一旦停止させる回転停止処理を行なうことを特徴とする請求項1に記載の基板洗浄方法。
  4. 前記被処理基板は、ガスが導入されたチャンバー内に配置されており、
    前記回転停止処理及び高速回転処理を行なうときに、前記チャンバー内を減圧雰囲気にすることを特徴とする請求項3に記載の基板洗浄方法。
  5. 前記洗浄液の粘度は2.0cp以上であり、
    前記低速回転処理の一回の処理時間を30秒以上に設定すると共に前記高速回転処理の一回の処理時間を10秒以下に設定することを特徴とする請求項1に記載の基板洗浄方法。
  6. 前記第1の回転速度は10rpm以上で且つ50rpm以下であり、
    前記第2の回転速度は500rpm以上で且つ800rpm以下であることを特徴とする請求項1に記載の基板洗浄方法。
  7. 前記低速回転処理の一回の処理時間を、前記高速回転処理の一回の処理時間の5倍以上に設定することを特徴とする請求項6に記載の基板洗浄方法。
  8. 前記被処理基板の表面への前記洗浄液の供給量は200ml/min以上で且つ500ml/min以下であることを特徴とする請求項1に記載の基板洗浄方法。
  9. 前記高速回転処理を行なうときに、前記被処理基板の表面に前記洗浄液を供給しないことを特徴とする請求項1に記載の基板洗浄方法。
  10. 被処理基板が配置されるチャンバーと、
    前記チャンバー内に設けられ、前記被処理基板を保持すると共に回転させるローターと、
    前記チャンバー内に設けられ、前記被処理基板の表面に洗浄液を供給するノズルと、
    前記チャンバー内にガスを導入するガスラインと、
    前記チャンバーから前記洗浄液を排出する廃液ラインと、
    前記廃液ラインの途中に設けられ、前記洗浄液から、その中に含まれる前記ガスを分離するミスト分離ボックスと、
    前記ミスト分離ボックスから前記ガスを排出する排気ラインと、
    前記排気ラインの途中に設けられ、前記チャンバー内の圧力を制御するバルブとを備えていることを特徴とする基板洗浄装置。
  11. 前記基板洗浄装置はスプレーバッチ式の基板洗浄装置であって、
    前記ノズルは前記チャンバーの内壁面に設けられており、
    前記洗浄液は前記ノズルから前記被処理基板の端部に向けて扇形状に吐出され、
    前記扇形状の中心角は、前記ノズルを通る前記被処理基板の2本の接線が成す角度以上であることを特徴とする請求項10に記載の基板洗浄装置。
  12. 基板上に絶縁膜を形成する工程と、
    前記絶縁膜に凹部を形成する工程と、
    前記凹部の内壁に付着した反応生成物を除去する工程とを備え、
    前記反応生成物を除去する工程において、前記基板を第1の回転速度で回転させる低速回転処理と、前記基板を前記第1の回転速度よりも大きい第2の回転速度で回転させる高速回転処理とを交互に繰り返し行ないながら、前記基板の表面に洗浄液を供給することによって前記基板の表面を洗浄することを特徴とする電子デバイスの製造方法。
JP2002293551A 2002-10-07 2002-10-07 基板洗浄方法、基板洗浄装置及び電子デバイスの製造方法 Pending JP2004122074A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2002293551A JP2004122074A (ja) 2002-10-07 2002-10-07 基板洗浄方法、基板洗浄装置及び電子デバイスの製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2002293551A JP2004122074A (ja) 2002-10-07 2002-10-07 基板洗浄方法、基板洗浄装置及び電子デバイスの製造方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2004122074A true JP2004122074A (ja) 2004-04-22

Family

ID=32284423

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2002293551A Pending JP2004122074A (ja) 2002-10-07 2002-10-07 基板洗浄方法、基板洗浄装置及び電子デバイスの製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2004122074A (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2013207042A (ja) * 2012-03-28 2013-10-07 Dainippon Screen Mfg Co Ltd 基板処理装置および基板処理方法

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2013207042A (ja) * 2012-03-28 2013-10-07 Dainippon Screen Mfg Co Ltd 基板処理装置および基板処理方法
US9640382B2 (en) 2012-03-28 2017-05-02 SCREEN Holdings Co., Ltd. Substrate processing apparatus and substrate processing method

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4891475B2 (ja) エッチング処理した基板表面の洗浄方法
JP5013685B2 (ja) 基板処理においてメニスカスを用いるための装置および方法
KR20060049724A (ko) 동심 근접 처리 헤드
US20080230092A1 (en) Method and apparatus for single-substrate cleaning
KR20100138760A (ko) 액처리 장치 및 액처리 방법
JP2020198356A (ja) 基板処理方法および基板処理装置
JP2009021409A (ja) 凍結処理装置、凍結処理方法および基板処理装置
US20100015731A1 (en) Method of low-k dielectric film repair
US8277570B2 (en) Method of preventing premature drying
JP4532776B2 (ja) 基板洗浄方法及び電子デバイスの製造方法
KR20160124011A (ko) 도금 처리 방법, 기억 매체 및 도금 처리 시스템
EP1459363B1 (en) Method for post-etch and strip residue removal on coral films
JP2003077918A (ja) 半導体装置の製造方法
KR20070086411A (ko) 반도체 기판 세정을 위한 장치 및 방법
JP2004122074A (ja) 基板洗浄方法、基板洗浄装置及び電子デバイスの製造方法
JP2003273064A (ja) 堆積物の除去装置及び除去方法
CN1572027A (zh) Soi基板的加工方法
JP2003282527A (ja) 基板処理装置および基板処理方法
JP2001316878A (ja) 液処理装置および液処理システムならびに液処理方法
JP2001015480A (ja) 基板の処理方法
JP7470785B2 (ja) 洗浄装置および洗浄方法
WO2023276458A1 (ja) 基板処理方法、および、基板処理装置
JP2003168670A (ja) ウェハの洗浄方法
JP7201494B2 (ja) 基板処理方法および基板処理装置
JP7228638B2 (ja) 基板処理液回収ユニットを備える基板処理装置

Legal Events

Date Code Title Description
A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20050624

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20060704

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20060724

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20061107

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20061221

A911 Transfer of reconsideration by examiner before appeal (zenchi)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A911

Effective date: 20070112

A912 Removal of reconsideration by examiner before appeal (zenchi)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A912

Effective date: 20070202