JP2004122021A - 液滴吐出装置及び方法、デバイスの製造装置、デバイス製造方法、並びに電子機器 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】基板Wに対して液滴を吐出する液滴吐出装置において、互いに仕様が異なる複数種の液滴吐出ヘッド8と、液滴吐出ヘッド8各々を駆動する共通のヘッド駆動回路30と、ヘッド駆動装置30に対して液滴吐出ヘッド8を駆動する駆動信号COM及び液滴吐出ヘッド8の駆動、非駆動を制御する液滴吐出データを供給するパーソナルコンピュータ11とを備え、パーソナルコンピュータ11は、液滴吐出ヘッド8の種類毎の駆動信号COMを略共通の形式で記憶するハードディスク11eを備える。
【選択図】 図5
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、基板等のワークに対して液滴吐出ヘッドにより機能液の吐出を行う液滴吐出装置及び方法、デバイスの製造装置、デバイス製造方法、並びに電子機器に関する。
【0002】
【従来の技術】
カラー印刷が可能なインクジェットプリンタ等の液滴吐出装置は、キャリッジに複数の液滴吐出ヘッドが設けられており、この液滴吐出ヘッド各々に異なる色のインク(液滴)が導入される。かかる構成の液滴吐出装置においては、印刷データに従って各々のヘッドを個別に駆動し、各色の液滴吐出を制御することによりカラー印刷が行われる。このように、複数の液滴吐出ヘッドを備えた液滴吐出装置が案出されているが、かかる構成の液滴吐出装置に設けられる液滴吐出ヘッドは仕様が同じものが搭載される。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、機能液の吐出対象となるワークによっては、複数種の機能膜等を形成するために、粘性の異なる複数種の機能液を吐出する必要がある場合がある。例えば、プレパラート上の検体に染色剤を塗布し、これをコーティング材で封止固着させて、カバーグラスを省略するプレパラートの作成技術等である。この技術においては、液滴吐出ヘッドにより低粘性の検体染色剤(機能液)の吐出と、高粘性のコーティング材(機能液)の吐出とを行う必要がある。
【0004】
低粘性の検体染色剤を吐出する場合と高粘性のコーティング材を吐出する場合とでは、仕様の異なる液滴吐出ヘッドを用いる必要が生じる。このために、単純に考えると、各々が仕様の異なる液滴吐出ヘッドを搭載した2台の液滴吐出装置を用いるか、又は1台の液滴吐出装置に対して液滴吐出ヘッド(機能液供給系を含む)を適宜交換して用いる必要がある。
【0005】
しかしながら、前者の液滴吐出装置を用いるとワークの他の液滴吐出装置への搬送に時間を要し、後者の液滴吐出装置を用いると液滴吐出ヘッド等の付け替え(交換)に時間を要するため、全体として各ワークに対する液滴吐出処理が極めて煩雑になる。この問題は、粘性の異なる機能液を吐出するために複数の液滴吐出ヘッドを設けた場合のみならず、酸性度(pH)の異なる複数種類の機能液を吐出するために仕様の異なる複数の液滴吐出ヘッドを設けた場合、更には吐出量が異なる液滴吐出ヘッドを複数設けた場合にも生ずる問題である。
【0006】
また、仕様の異なる複数の液滴吐出ヘッドを用いる場合には、液滴吐出ヘッドの種類毎に駆動信号が異なるため、液滴吐出ヘッドの種類毎に専用の駆動回路(ドライバ)を備える必要があるとともに、駆動信号を生成するソフトウェアを液滴吐出ヘッドの種類毎に用意しなければならない。このため、装置の構成が複雑化するとともに装置の高コスト化を招き、更には駆動信号を生成する際のユーザの操作性が悪く、作業効率を低下させる原因になるという問題があった。
【0007】
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、装置構成の簡略化及びコスト低減を図ることができ、更には駆動信号生成時におけるユーザの作業効率を向上させることができる液滴吐出装置及び方法、デバイスの製造装置、デバイス製造方法、並びに電子機器を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために、本発明の第1の観点による液滴吐出装置は、ワークに対して液滴を吐出する液滴吐出装置において、複数種の液滴吐出ヘッドと、前記液滴吐出ヘッド各々を駆動するための駆動装置と、前記駆動装置に対して、前記液滴吐出ヘッドを駆動する駆動信号及び前記液滴吐出ヘッドを制御する液滴吐出データを供給する制御装置とを備え、前記制御装置は、前記複数種の液滴吐出ヘッドのそれぞれに対応した駆動信号を記憶する記憶装置を備えることを特徴としている。
この発明によれば、複数種の液滴吐出ヘッド各々を駆動するための駆動装置を設けるとともに、液滴吐出ヘッドのそれぞれに対応した駆動信号を用いて液滴吐出ヘッドを駆動しているため、装置構成の簡略化及びコスト低減を図ることができる。
また、本発明の第1の観点による液滴吐出装置は、記記憶装置が、前記液滴吐出ヘッドのそれぞれに対応した液滴吐出データを略共通の形式で記憶することを特徴としている。
この発明によれば、液滴吐出データが略共通化されているため、複数の液滴吐出ヘッドを共通の駆動装置で駆動する上で極めて好適であるという効果がある。
また、本発明の第1の観点による液滴吐出装置は、前記制御装置が、前記記憶装置に記憶された共通形式の駆動信号を表示する表示手段と、ユーザの操作内容に応じた操作信号を出力する操作手段と、前記操作手段から出力される操作信号に応じて前記駆動信号を編集する編集手段とを備えることが好ましい。
また、本発明の第1の観点による液滴吐出装置は、前記表示手段が、時間軸方向の尺度を可変して前記駆動信号を表示することが好ましく、前記駆動信号の時間的な変化率に応じて前記駆動信号の部分毎に前記時間軸方向の尺度を可変して前記駆動信号を表示することが好適であり、或いは、前記操作手段から出力される操作信号に応じて前記駆動信号の時間軸方向の尺度を可変して表示することが好ましい。
また、本発明の第1の観点による液滴吐出装置は、前記表示手段が、前記液滴吐出ヘッドを切り替えるためのヘッド切り替え画面を表示し、前記制御装置は、前記操作手段の操作に応じて駆動すべき液滴吐出ヘッドを選択することを特徴としている。
また、本発明の第1の観点による液滴吐出装置は、前記液滴吐出ヘッドが、各々の区別するための識別部を有しており、前記制御装置は、前記識別部の識別子を読み取ることにより前記液滴吐出ヘッドを識別することが好適である。
上記課題を解決するために、本発明の第2の観点による液滴吐出装置は、ワークに対して液滴を吐出する液滴吐出装置において、識別部と前記識別部の情報に対応した複数種の液滴吐出ヘッドとを備えたヘッドユニットと、前記液滴吐出ヘッドを駆動する駆動装置と、前記駆動装置に対して、前記液滴吐出ヘッドを駆動する駆動信号及び前記液滴吐出ヘッドを制御する液滴吐出データを供給する制御装置とを備え、前記制御装置は、前記複数種の液滴吐出ヘッドにそれぞれ対応した駆動信号を共通の形式で記憶する記憶装置と前記識別部を読み取る読み取り装置を備え、前記読み取り装置は前記識別部を読み取り、前記制御装置は、前記読み取り装置が読み取った情報に基づいて前記記憶装置に記憶された駆動信号及び液滴吐出データを前記駆動装置へ供給することを特徴としている。
本発明の液滴吐出方法は、ワークに対して液滴を吐出する液滴吐出方法において、複数種の液滴吐出ヘッドから特定の液滴吐出ヘッドを選択するヘッド選択工程と、少なくとも制御信号情報および波形線分情報とに基づいて形成され、前記複数種の液滴吐出ヘッドに対応した駆動信号の内、前記ヘッド選択工程で選択された液滴吐出ヘッドに対応する駆動信号を、選択された液滴吐出ヘッドに対して供給する駆動信号供給工程とを有することを特徴としている。
また、本発明の第1の観点による液滴吐出方法は、前記ヘッド選択工程で選択された液滴吐出ヘッドに対し、当該液滴吐出ヘッドの仕様に応じた形式で形成され、前記液滴吐出ヘッドを制御する液滴吐出データを供給する液滴吐出データ供給工程を有することを特徴としている。
本発明のデバイスの製造装置は、上記の何れかに記載の液滴吐出装置を備えることを特徴としている。
本発明のデバイス製造方法は、上記の何れかに記載の液滴吐出装置又は上記の液滴吐出方法を用いて、前記液滴を吐出する工程をデバイス製造工程の1つとして含むことを特徴としている。
本発明の電子機器は、上記の何れかに記載の液滴吐出装置又はデバイスの製造装置を用いて製造される。
【0009】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して本発明の実施形態による液滴吐出装置及び方法、デバイスの製造装置、デバイス製造方法、並びに電子機器について詳細に説明する。
【0010】
図1は、本発明の一実施形態による液滴吐出装置の概略構成を示すブロック図である。図1に示すように、本実施形態の液滴吐出装置1は、機台2上に設置されたX軸テーブル3及びY軸テーブル4を備える。X軸テーブル3上には、移動自在にメインキャリッジ5が取り付けられており、このメインキャリッジ5にはヘッドユニット6が設けられている。尚、詳細は後述するが、ヘッドユニット6には、サブキャリッジ7を介して、仕様の異なる複数種(本実施形態では、3種類)の液滴吐出ヘッド8(8a,8b,8c)が搭載されている。また、ヘッドユニット6には、不図示のヘッド駆動回路が設けられている。尚、このヘッド駆動回路の詳細については後述する。更に、ワークとしての基板Wは、Y軸テーブル4に搭載されている。
【0011】
また、液滴吐出装置1は、複数種の液滴吐出ヘッド8の各々に機能液を供給する機能液供給装置9を備えるとともに、X軸テーブル3及びY軸テーブル4並びに複数種の液滴吐出ヘッド8等の駆動を制御する駆動制御装置10を備えている。この駆動制御装置10には、複数種の液滴吐出ヘッド8の吐出パターンデータを生成するためのパーソナルコンピュータ11が接続されている。尚、パーソナルコンピュータ11は本発明にいう制御装置及び編集手段に相当する。また、上記吐出パターンデータは本発明にいう液滴吐出データに相当する。
【0012】
パーソナルコンピュータ11は、コンピュータ本体11a、ディスプレイ11b、キーボード11c、及びマウス11dを含んで構成されている。コンピュータ本体11aは、各種制御プログラム、液滴吐出ヘッド8を駆動するための駆動信号を生成するためのデータ、及び吐出パターンデータを記憶するハードディスク11eを含んで構成される。尚、コンピュータ本体11a内に設けられるハードディスク11eは、本発明にいう記憶装置に相当するものである。ここで、記憶装置としては、ハードディスク11e以外に、半導体メモリ、光記録媒体、又は光磁気記録媒体等の記録媒体を用いることができる。ディスプレイ11bは、本発明にいう表示手段に相当するものであり、CRT(Cathod Ray Tube)、液晶表示装置、有機EL表示装置、その他の表示装置で実現される。また、上記キーボード11c及びマウス11dは、本発明にいう操作手段に相当する。
【0013】
尚、図1においては図示を省略しているが、液滴吐出装置1は、液滴吐出ヘッド8の定期的なフラッシング(全吐出ノズルからの機能液の捨て吐出)を受けるフラッシングユニット、液滴吐出ヘッド8のノズル面をワイピングするワイピングユニット、及び液滴吐出ヘッド8の機能液吸引及び保管を行うクリーニングユニット等のユニットを備えている。
【0014】
X軸テーブル3は、モータ12と、モータ12によって駆動されるX軸スライダ13とを含んで構成されるX軸方向の駆動系を備え、これに上記のメインキャリッジ5を移動自在に搭載して構成されている。また、Y軸テーブル4は、モータ14と、モータ14によって駆動されるY軸スライダ15とを含んで構成されるY軸方向の駆動系を備え、これに吸着テーブル等からなるセットテーブル16を移動自在に搭載して構成されている。そして、セットテーブル16上に基板Wが位置決めされた状態で保持される。
【0015】
本実施形態の液滴吐出装置1は、X軸テーブル3の駆動による液滴吐出ヘッド8の移動に同期して各液滴吐出ヘッド8を駆動(機能液滴の選択的吐出)するように構成されている。つまり、液滴吐出ヘッド8のいわゆる主走査は、X軸テーブル3のX方向への往復運動により行われる。また、これに対応して、いわゆる副走査は、Y軸テーブル4による基板WのY軸方向への往復運動により行われる。そして、上記走査に同期した各液滴吐出ヘッド8の駆動は、上記のパーソナルコンピュータ11で作成された吐出パターンデータに基づいて行われる。
【0016】
機能液供給装置9は、液滴吐出ヘッド8の各々に対応した3種類のサブタンク17(17a,17b,17c)と、サブタンク17に接続された3種類のメインタンク及び各メインタンクの機能液を対応するサブタンク17に送液する圧力送液装置(何れも図示省略)とを備えている。各メインタンクの機能液は、対応する第1サブタンク17a、第2サブタンク17b、及び第3サブタンク17cにそれぞれ圧力液送される。各サブタンク17で圧力的に縁切りされた機能液は、それぞれ対応する各液滴吐出ヘッド8のポンプ作用により、各液滴吐出ヘッド8に送液される。尚、図示では省略しているが、上記の圧力送液装置も上記の駆動制御装置10により制御される。
【0017】
ここで、本実施形態の液滴吐出装置が備えるヘッドユニット6の構成について説明する。図2は、本発明の一実施形態による液滴吐出装置が備えるヘッドユニット6の構成を示す図である。図2に示すように、ヘッドユニット6は、ステンレス等の厚板で構成したサブキャリッジ7と、サブキャリッジ7に精度良く位置決め固定し3種類の液滴吐出ヘッド8とを含んで構成される。
【0018】
図2に示すように、液滴吐出ヘッド8は、第1吐出ヘッド8a、第2吐出ヘッド8b、及び第3吐出ヘッド8cからなる。第1吐出ヘッド8a〜第3吐出ヘッド8c各々の最外端に位置する吐出ノズルを基準ノズルN1〜N3とすると、第1吐出ヘッド8a〜第3吐出ヘッド8cの各々に設けられる吐出ノズルは、基準ノズルN1〜N3が主走査方向(X方向)に平行な仮想線L上に並ぶように、副操作方向(Y方向)に整列配置されている。また、X方向におけるサブキャリッジ7の中間位置であって、Y方向における両端部には、位置決め用の一対の基準ピンP1,P2が設けられている。
【0019】
上述した基準ノズルN1〜N3は、例えば、第1吐出ヘッド8aの両ノズル列間の着弾位置の補正や、第1吐出ヘッド8a、第2吐出ヘッド8b、及び第3吐出ヘッド8cの相互間における着弾位置の補正等における位置決め基準として用いられる。また、各吐出ヘッド8a,8b,8cのサブキャリッジ7への固定も、基準ノズルN1〜N3を基準として位置決めされる。一方、上述した一対の基準ピンP1,P2は、ヘッドユニット6の位置決め基準として用いられる。
【0020】
上述した3種類の液滴吐出ヘッド8(第1吐出ヘッド8a〜第3吐出ヘッド8c)は、相互に仕様の異なるものである。例えば、第1吐出ヘッド8aは、180個の吐出ノズルを列設した2本のノズル列を有する仕様であり、第2吐出ヘッド8bは、96個の吐出ノズルを列設した3本のノズル列を有する仕様であり、第3吐出ヘッド8cは、3個の吐出ノズルを列設した1本のノズル列を有する仕様である。
【0021】
このように、仕様の異なる液滴吐出ヘッド8を複数備えるのは、例えば種類の異なる液滴を、液滴の量(重量、体積)を変えて基板Wに吐出するためである。ここで、液滴吐出装置を用いた基板処理例について説明する。図3は、本発明の一実施形態による液滴吐出装置を用いた第1の基板処理例を示す図である。
【0022】
図3に示すように、バンクB1が形成されたマトリクス状の描画エリアR1が設定されたワークとしての基板Wの各凹部K1に、揮発性の第1機能液D1を吐出するとともに、各凹部K1に第1機能液D1を封止すべく描画エリアR1全体にオーバーコート用の第2機能液D2を吐出し、更に第1機能液D1及び第2機能液D2に吐出不良が生じた場合、不良品として基板WのマーキングエリアR2に第3機能液D3による不良マークを描画する場合を考える。
【0023】
この場合、例えば第1吐出ヘッド8aに上記した揮発性の第1機能液D1が導入され、第2吐出ヘッド8bにオーバーコート用の第2機能液D2が導入され、第3吐出ヘッド8cにマーキング用の第3機能液D3が導入され、基板Wと液滴吐出ヘッド8との相対位置を変えつつ、第1吐出ヘッド8a〜第3吐出ヘッド8cから液滴を吐出させる。尚、第1機能液D1は比較的粘度が低く、第2機能液D2は比較的粘度が高いものを用い、更にマーキング用の第3機能液D3は、第2機能液D2と略同一の粘性を有するものが用いられる。
【0024】
図4は、本発明の一実施形態による液滴吐出装置を用いた第2の基板処理例を示す図である。図4に示すように、バンクB1が形成されたマトリクス状の描画エリアR1が設定されたワークとしての基板Wの各凹部K1に、2液タイプの発光機能液(或いはカラーフィルタのフィルタ機能液)であるA機能液(発光剤)D11とB機能液(硬化剤)D12とを順次吐出するとともに、上記と同様に、マーキングエリアR2に第3機能液D3による不良マークを描画する場合を考える。
【0025】
この場合には、例えば第1吐出ヘッド8aにA機能液D11が導入され、第2吐出ヘッド8bにB機能液D12が導入され、第3吐出ヘッド8cに第3機能液D3が導入され、基板Wと液滴吐出ヘッド8との相対位置を変えつつ、第1吐出ヘッド8a〜第3吐出ヘッド8cから液滴を吐出させる。このように、複数の液滴ヘッドを備えることにより、微小な異なる種類の液滴をドット状に精度良く吐出することができるため、例えば機能液(吐出対象液)に特殊なインク、発光性又は感光性の樹脂等を用いれば、各種部品、デバイス、及び装置等の製造分野へ応用することが可能である。
【0026】
尚、図3及び図4で示した基板処理例においては、第1機能液D1〜第3機能液D3の種類と、その吐出形態とを考慮し、第1吐出ヘッド8aは、単位ノズル当たりの機能液滴吐出量が少なく、第2吐出ヘッド8bは、単位ノズル当たりの機能液滴吐出量が多く、第3吐出ヘッド8cは、単位ノズル当たりの機能液滴吐出量が極端に多い仕様になっている。
【0027】
次に、駆動制御装置10及びヘッドユニット6に設けられるヘッド駆動回路について説明する。図5は、駆動制御装置10及びヘッドユニット6に設けられるヘッド駆動回路の構成を示すブロック図である。図5に示すように、駆動制御装置10は、コンピュータ本体11aから吐出条件等を受信するインターフェイス21と、各種データの記録を行うRAM22と、各種データ処理を行うためのルーチン等を記録したROM23と、CPU等からなる制御部24と、発振回路25と、液滴吐出ヘッド8に供給する駆動信号COMを発生させる駆動信号生成部26と、インターフェイス27とを備えている。インタ−フェイス27は、ドットパターンデータに展開された吐出データを液滴吐出ヘッド8に出力するとともに、駆動信号をモータ12及びモータ14に出力する。
【0028】
以上の構成において、コンピュータ本体11aから送られた吐出条件は、インターフェイス21を介して受信バッファ22aに保持される。受信バッファ22aに保持されたデータは、コマンド解析が行われてから中間バッファ22bへ送られる。中間バッファ22b内では、制御部24によって中間コードに変換された中間形式としてのデータが保持され、液滴の吐出位置等の情報を付加する処理が制御部24によって実行される。次に、制御部24は、中間バッファ22b内のデータを解析してデコード化した後、ドットパターンデータを出力バッファ22cに展開し、記録させる。
【0029】
液滴吐出ヘッド8の1スキャン分に相当するドットパターンデータが得られると、このドットパターンデータは、インターフェイス27を介して駆動装置としてのヘッド駆動回路30にシリアル転送される。出力バッファ22cから1スキャン分に相当するドットパターンデータが出力されると、中間バッファ22bの内容が消去されて、次の中間コード変換が行われる。
【0030】
ドットパターンデータに展開された吐出データSIは、発振回路25からのクロック信号CLKに同期してインターフェイス27を介して液滴吐出ヘッド8(第1吐出ヘッド8a〜第3吐出ヘッド8c)に対して共通に設けられたヘッド駆動回路30にシリアル出力される。ここで、ドットパターンデータに展開された吐出データSIには、第1吐出ヘッド8a〜第3吐出ヘッド8cの何れを駆動するか(選択するか)を示すヘッド選択データと、選択された液滴吐出ヘッド8に形成されている何れのノズルから液滴を吐出するかを規定するノズル選択データとが含まれているとともに、各ノズルから液滴を吐出するのに何れの駆動信号を用いるかを規定する波形選択データも含まれている。尚、詳細は後述するが、上記の波形選択データは、第1吐出ヘッド8aの液滴吐出量を高い精度で制御するために、波形の異なる複数のパルスを含む駆動信号COMから、特定波形のパルス(駆動信号)を選択するために用いられる。尚、第2吐出ヘッド8b及び第3吐出ヘッド8cを用いて液滴を吐出させる場合には、波形選択データは用いられない。
【0031】
ヘッド駆動回路30は、第1シフトレジスタ31a、第2シフトレジスタ31b、第1ラッチ回路32a、第2ラッチ回路32b、デコーダ33、レベルシフタ34、スイッチ回路35(スイッチ素子35−1,35−2,…,35−N)、及び制御ロジック36を含んで構成されている。このヘッド駆動回路30には、液滴吐出ヘッド8(第1吐出ヘッド8a〜第3吐出ヘッド8c)が接続されている。
【0032】
尚、液滴吐出ヘッド8(第1吐出ヘッド8a〜第3吐出ヘッド8c)は、設けられている吐出ノズルの数と同数のピエゾ素子等の圧力発生素子(図示省略)を備えており、この圧力発生素子の各々にスイッチ回路35に設けられたスイッチ素子35−1,35−2,…,35−Nがそれぞれ接続されている。但し、第2吐出ヘッド8b及び第3吐出ヘッド8cに設けられる吐出ノズルの数は第1吐出ヘッド8aに設けられる吐出ノズルの数よりも少ないため、スイッチ素子35−1,35−2,…,35−Nの内、第2吐出ヘッド8b及び第3吐出ヘッド8cに設けられた圧力発生素子に接続されてないものがある点に注意されたい。
【0033】
このヘッド駆動回路30において、駆動制御装置10から出力されてきた第1吐出ヘッド8a用の吐出データSIは、まず、第1シフトレジスタ31a、及び第2シフトレジスタ31bにシリアル伝送される。ここで、吐出データの上位ビットのデータが第2シフトレジスタ31bに入力され、下位ビットのデータが第1シフトレジスタ31aに入力される。
【0034】
シフトレジスタ31a,31bには、第1ラッチ回路32a及び第2ラッチ回路32bがそれぞれ接続されている。駆動制御装置10からのラッチ信号LATが各ラッチ回路32a,32bに入力されると、ラッチ回路32a,32bは、シフトレジスタ31a,31b各々によってパラレル変換された吐出データSIをそれぞれラッチする。従って、第1ラッチ回路32aには吐出データSIの下位ビットのデータがラッチされ、第2ラッチ回路32bには吐出データSIの上位ビットがラッチされる。
【0035】
各ラッチ回路32a,32bでラッチされた吐出データSIは、デコーダ33に入力される。このデコーダ33は、制御ロジック36からの信号によって、2ビットの吐出データSIを4ビットの吐出データSIに翻訳する。デコーダ33等によって翻訳された吐出データSIは、電圧増幅器たるレベルシフタ34によって、スイッチ回路35を駆動できる電圧、例えば数十ボルト程度の所定の電圧値まで昇圧される。所定の電圧値まで昇圧された吐出データSIは、スイッチ回路35に与えられる。また、スイッチ回路35に設けられた各スイッチ素子35−1,35−2,…,35−Nの入力側には、駆動信号生成部26からの駆動信号COMが印加される。
【0036】
吐出データSIは、スイッチ回路35の動作を各スイッチ素子35−1,35−2,…,35−N毎に制御する。例えば、各スイッチ素子35−1,35−2,…,35−Nに加わる吐出データSIが「1」である期間中は、駆動信号COMが圧力発生素子のそれぞれに印加され、この駆動信号COM応じて圧力発生素子は伸縮する。一方、各スイッチ素子35−1,35−2,…,35−Nに加わる吐出データSIが「0」の期間中は、圧力発生素子への駆動信号COMの供給が遮断される。
【0037】
ここで、駆動制御装置10からの吐出データSIは、例えば(10)、(01)等の如く、第1吐出ヘッド8aに設けられた各ノズル毎に、上位のビット1及び下位のビット0の合計2ビットデータで構成されている。そして、全てのノズルについてのビット0のデータが第1シフトレジスタ31aに入力され、全てのノズルについてのビット1のデータが第2シフトレジスタ31bに入力される。
【0038】
各シフトレジスタ31a,31bに入力された各ノズル毎の吐出データSIは、各ラッチ回路32a,32bにラッチされて、デコーダ33に入力される。デコーダ33は、制御ロジック36からの信号に基づいて、2ビットの吐出データSIを4ビットの吐出データSIに翻訳する。そして、スイッチ回路35の各スイッチ素子35−1,35−2,…,35−Nに加わるビットデータが「1」の場合は、駆動信号COMが各圧力発生素子に直接印加され、各圧力発生素子は駆動信号COMの信号波形に応じて変位する。逆に、各スイッチ素子35−1,35−2,…,35−Nに加わるビットデータが「0」の場合は、各圧力発生素子への駆動信号COMが遮断され、各圧力発生素子は直前の電荷を保持する。
【0039】
以上、第1吐出ヘッド8a用の吐出データSIが駆動制御装置10から出力された場合の動作について説明した。第2吐出ヘッド8b用の吐出データSI又は第3吐出ヘッド8c用の吐出データSIが駆動制御装置10から出力されてきた場合には、吐出データSIは、第1シフトレジスタ31a及び第1ラッチ回路32aのみを介して(即ち、第2シフトレジスタ31b及び第1ラッチ回路32bは用いられずに)デコーダ33へ出力される。尚、駆動制御装置10から出力される吐出データSIの種類に応じたヘッド駆動回路30の動作の切り替え制御は、制御部24からの制御信号に基づいて制御ロジック36が行う。
【0040】
次に、駆動信号生成部26について図6〜図8を参照して説明する。図6は、駆動信号生成部26の構成を示すブロック図である。図7は、駆動信号生成部26において駆動信号COMに含まれる駆動信号を生成していく過程を示す説明図である。図8は、駆動信号生成部26においてデータ信号を用いてメモリに電位差(ΔV)を設定する場合の各信号のタイミングを示すタイミングチャートである。
【0041】
図6に示すように、駆動信号生成部26は、制御部24からの信号を受け取って記録するメモリ41、このメモリ41の内容を読み出して一時的に保持する第1のラッチ42、この第1のラッチ42の出力と後述するもう一つの第2のラッチ44の出力とを加算する加算器43、第2のラッチ44の出力をアナログデータに変換するD/A変換器45、及び変換されたアナログ信号を駆動信号の電圧まで増幅する電圧増幅部46を備えるとともに、電圧増幅部46から出力された駆動信号に対する電流増幅器47をそれぞれ備えている。
【0042】
メモリ41は、駆動信号COMの波形を決める所定のパラメータを記録しておく波形データ記録部である。駆動信号COMの波形は、予め制御部24から受け取った所定のパラメータにより決定される。即ち、駆動信号生成部26は、クロック信号801,802,803、データ信号830、アドレス信号810,811,812,813、リセット信号820、及びイネーブル信号840を受け取る。尚、制御部24から駆動信号生成部26に出力されるパラメータは、ユーザがコンピュータ11を操作して作成され、予めハードディスク11eに記録されている。
【0043】
上記のように構成した駆動信号生成部26においては、図7に示すように、駆動信号COMの生成に先立って、制御部24の電圧変化量を示すいくつかのデータ信号と、そのデータ信号のアドレスとがクロック信号801に同期して、駆動信号生成部26のメモリ41に出力される。データ信号830は、図8に示すように、クロック信号801を同期信号とするシリアル転送により、データをやり取りする構成になっている。
【0044】
即ち、制御部24から所定の電圧変化量を転送する場合には、まず、クロック信号801に同期して複数ビットのデータ信号を出力し、その後、このデータを格納するアドレスをイネーブル信号840に同期してアドレス信号810〜813として出力する。メモリ41は、このイネーブル信号840が出力されたタイミングでアドレス信号を読み取り、受け取ったデータをそのアドレスに書き込む。アドレス信号810〜813は4ビットの信号であるため、最大16種類の電圧変化量をメモリ41に記録することができる。尚、データの上位のビットは符号として用いられている。
【0045】
各アドレスA,B,…への電圧変化量の設定が終了した後、例えばアドレスBがアドレス信号810〜813に出力されると、最初のクロック信号802により、このアドレスBに対応した電圧変化量ΔV1が第1のラッチ42により保持される。この状態で、次にクロック信号803が出力されると、第2のラッチ44の出力に第1のラッチ42の出力が加算された値が、第2のラッチ44に保持される。即ち、図7に示すように、一旦、アドレス信号に対応した電圧変化量が選択されると、その後、クロック信号803を受けるたびに、第2のラッチ44の出力は、その電圧変化量に従って増減する。メモリ41のアドレスBに格納された電圧変化量ΔV1とクロック信号803の単位時間ΔTにより駆動波形のスルーレートが決まる。尚、増加か減少かは、各アドレスに格納されたデータの符号により決定される。
【0046】
図7に示した例では、アドレスAには、電圧変化量として値0、即ち、電圧を維持する場合の値が格納されている。従って、クロック信号802によりアドレスAが有効となると、駆動信号の波形は増減のないフラットな状態に保たれる。また、アドレスCには、駆動波形のスルーレートを決定するために、単位時間ΔT当たりの電圧変化量ΔV2が格納されている。従って、クロック信号802によりアドレスCが有効になった後は、この電圧ΔV2ずつ電圧が低下していくことになる。このように制御部24からアドレス信号とクロック信号とを出力するだけで、駆動信号COMの波形を自由に制御できる。
【0047】
また、本実施形態においては、制御部24がインターフェイス27を介して制御ロジック36に制御信号CHを出力することによって、図9に示すように、1吐出周期内に4つの駆動信号を含んでなる駆動信号COMを生成することができるように構成されている。尚、ここにいう1吐出周期は、駆動制御装置10からのラッチ信号LATの時間間隔をいう。
【0048】
図9は、本発明の一実施形態による液滴吐出装置で用いられる駆動信号COMの波形、この駆動信号COMに含まれる各駆動信号を液滴吐出ヘッド8の何れかに設けられた圧力発生素子に印加したときに吐出される液滴のドットの大小関係、及び吐出データSIに基づいて駆動信号COMから駆動信号を1つ選択して第1吐出ヘッド8aが備える圧力発生素子に印加する方法を示す説明図である。
【0049】
図9に示すように、駆動信号COMには1吐出周期内に4つの駆動信号COM1,COM2,COM3,COM4を含めることができ、第1駆動信号COM1、第2駆動信号COM2、及び第3駆動信号COM3は、最大電位VPSが第1駆動信号COM1、第2駆動信号COM2、及び第3駆動信号COM3の順に低くなっている。このため、第1駆動信号COM1、第2駆動信号COM2、及び第3駆動信号COM3を同一の圧力発生素子に印加した場合、ノズルから吐出される液滴の1ドット当たりの重量は、「大」、「中」、「小」となる。
【0050】
従って、第1駆動信号COM1、第2駆動信号COM2、第3駆動信号COM3についてはそれぞれ、大ドットパルス、中ドットパルス、小ドットパルスとして表現することもできる。ここで、重量は「大」、「中」、「小」で例えば数%程度の差がある。尚、第4駆動信号COM4は、液滴吐出ヘッド8のそれぞれに設けられたノズル付近の液滴を微振動させて液滴の粘度の増大や硬化を防止するためのものであり、この第4駆動信号COM4によっては液滴が吐出されることはない。従って、第4駆動信号COM4は「微振動パルス」として表現可能である。
【0051】
図2を参照して説明したように、本実施形態では、デコーダ33からスイッチ回路35に加わる吐出データSIのビットが「1」の期間中には、駆動信号COMが第1吐出ヘッド8aに設けられた圧力発生素子に印加され、圧力発生素子は駆動信号COMの波形に応じて伸縮する。一方、吐出データSIのビットが「0」の期間中には、圧力発生素子への駆動信号COMの供給が遮断され、圧力発生素子は直前の状態を保持する。従って、吐出データSIのビットを第1〜第4駆動信号COM1〜COM4の発生タイミングに同期させれば、第1〜第4駆動信号COM1〜COM4のうちいずれか1つを選択して圧力発生素子に印加することができる。
【0052】
ここで、第1吐出ヘッド8aを駆動する際の動作について説明する。コンピュータ本体11aにおいて、基板Wに対する液滴の吐出パターンSIが指定されると、この吐出パターンSIはヘッド選択データ、ノズル選択データ、及び波形選択データとともに吐出条件として駆動制御装置10に出力される。そして、駆動制御装置10において、制御部24により吐出パターンがドットパターンデータに展開される際、吐出データSIには、ノズル選択データに対応して、駆動信号COMに含まれる駆動信号COM1〜COM4から何れの駆動信号を印加するかを規定する波形選択データが付加される。
【0053】
ここで、波形選択データは、2ビットの吐出データ(00)、(01)、(10)、(11)として表され、この2ビットの吐出データは、デコーダ33によって4ビットデータに翻訳され、この4ビットのデータは、駆動信号COMに含まれる駆動信号COM1〜COM4の発生と同期させてある。
【0054】
例えば、2ビットのデータ(00)は、デコーダ33によって4ビットデータ(1000)にデコードされる結果、このデータに対応するノズルを駆動する圧力発生素子には、第1駆動信号COM1のみが印加される。また、2ビットのデータ(01)は、デコーダ33によって4ビットデータ(0100)に翻訳(デコード)される結果、このデータに対応するノズルを駆動する圧力発生素子には、第2駆動信号COM2のみが印加される。
【0055】
更に、2ビットのデータ(10)は、デコーダ33によって4ビットデータ(0010)にデコードされる結果、このデータに対応するノズルを駆動する圧力発生素子には、第3駆動信号COM3のみが印加される。更にまた、2ビットのデータ(11)は、デコーダ33によって4ビットデータ(0001)に翻訳(デコード)される結果、このデータに対応するノズルを駆動する圧力発生素子には、第4駆動信号COM4のみが印加される。このようにして第1吐出ヘッド8aが駆動される。尚、第2吐出ヘッド8b及び第3吐出ヘッド8bを駆動する場合には、コンピュータ本体11aからは波形選択データが出力されない点、及び、駆動制御装置10においてノズル選択データに対応して波形選択データが付加されない点を除いて、上記と同様の動作を行う。
【0056】
次に、パーソナルコンピュータ11が備えるハードディスク11eに記憶される各種データの内、駆動信号COMを生成するためのデータと吐出パターンデータのデータ形式について説明する。まず、駆動信号COMを生成するためのデータ(以下、駆動信号生成データという)のデータ形式について説明する。本実施形態においては、液滴吐出ヘッド8の種類毎の駆動信号生成データは、略共通の形式でハードディスク11eに記憶される。
【0057】
図10は、駆動信号生成データの基本形式を示す図である。図10に示すように、駆動信号生成データは、波形線分情報を格納するフィールドF1、制御信号情報を格納するフィールドF2、UP・DOWN情報を格納するフィールドF3、及びその他の情報を格納するフィールドF4からなる。
【0058】
ここで、波形線分情報は、駆動信号COMの時間的変化率に応じて駆動信号COMを複数の線分で表したときに、その線分の増減率を示す情報である。例えば、図7に示した駆動信号COMは、電圧値が電圧変化量ΔV1づつ増大する線分、電圧Vを維持する線分、及び電圧変化量ΔV2づつ減少する線分の3つの線分で表すことができる。各線分を表す波形線分情報は、線分の開始時点におけるレベル(最大電位を100としたパーセント表記)と、その線分が持続する時間とからなる。
【0059】
制御信号情報は、液滴吐出ヘッド8を駆動するための制御信号を示す情報であり、例えば前述したラッチ信号LAT、制御信号CH等である。この制御信号は上述した1つの線分又は複数の線分に対応付けられる。UP・DOWN情報は、上記の線分が増大するものであるか又は減少するものであるかを示す情報である。その他の情報は、クロック信号803の周波数、駆動信号COMの最大電圧、最小電圧等を示す情報である。駆動信号生成データの内、液滴吐出ヘッド8の種類に大きく依存するのは制御信号情報であるが、本実施形態においては制御信号情報をフィールドF2にまとめた形式としており、これにより液滴吐出ヘッド8の種類にほぼ依存せず、略共通の形式で駆動信号生成データを記憶することができる。
【0060】
次に吐出パターンデータのデータ形式について説明する。図11は、吐出パターンデータのデータ形式を示す図である。本実施形態においては、吐出パターンデータは略共通の形式でハードディスク11eに記憶される。図11に示すように、吐出パターンデータは、複数の領域A1〜A7,…からなる形式であり、各領域A1〜A7,…には基本的に液滴吐出ヘッド8に設けられた吐出ノズルの数の分のデータが記憶される。
【0061】
第1吐出ヘッド8a用の吐出パターンデータ(吐出データSI)は、前述したように上位ビットのデータと下位ビットのデータとからなるため、各領域A1〜A7,…には上位ビットを記憶する領域UBと下位ビットを記憶する領域LBとが設けられる。第2吐出ヘッド8b及び第3吐出ヘッド8c用の吐出パターンデータは、第1吐出ヘッド8a用の吐出パターンデータの如く上位、下位ビットが設けられていないため、液滴吐出ヘッド8に設けられた吐出ノズルの数の分のデータが各領域A1〜A7,…に記憶される。
【0062】
但し、第3吐出ヘッド8bに設けられる吐出ヘッドの数は、第2吐出ヘッド8bに設けられるヘッドの数よりも少ないが、第3吐出ヘッド8c用の吐出パターンデータの各領域A1〜A7,…のデータ量は、ダミーデータを設けて第3吐出ヘッド8c用の駆動信号生成データの各領域A1〜A7,…のデータ量と同じに設定される。これは、第2吐出ヘッド8b用の吐出パターンデータの形式と第3吐出ヘッド8c用の吐出パターンデータの形式とを極力同一にすることで、ヘッド駆動回路30の構成を簡単化するためである。尚、上述した駆動信号生成データ及び吐出パターンデータは、ユーザがコンピュータ11を用い、エディタ等のプログラムを起動させて予め作成しておく。
【0063】
以上説明した液滴吐出装置の動作は、基本的にユーザがパーソナルコンピュータ11を操作して制御プログラムに指示を与え、この指示に基づいて制御プログラムが制御する。次に、パーソナルコンピュータ11が備えるディスプレイ11bの表示内容について説明する。図12は、液滴吐出装置の動作を制御する制御プログラムのメイン画面の一例を示す図である。図12に示すように、ディスプレイ11bには、ヘッド選択画面WD1、現在位置表示画面WD2、相対値移動画面WD3、絶対位置登録画面WD4、液滴重量設定画面WD5、非印字時定期捨て位置画面WD6、及び非印字時微振動設定画面WD7、並びに、波形設定ボタンBT1、印刷設定ボタンBT2、設定保存ボタンBT3、設定読込ボタンBT4、ヘルプボタンBT5、及び終了ボタンBT6が1つのウィンドウ内に表示される。
【0064】
ヘッド選択画面WD1は、ユーザが液滴吐出ヘッド8(第1吐出ヘッド8a〜第3吐出ヘッド8c)を選択するための画面であり、画面内に設けられた3つのラジオボタンの何れかを択一的にチェックすることにより液滴吐出ヘッドの選択を行う。但し、吐出データSIにヘッド選択データを用いた場合、このラジオボタンは自動で切り替わるようになっており、ヘッド選択データを用いない場合のみラジオボタンは有効となる。尚、ラジオボタンのチェックは、ユーザがマウス11dを操作して行う。現在位置表示画面WD2は、選択されている液滴吐出ヘッド8の現在位置が表示される画面である。相対値移動画面WD3は、選択されている液滴吐出ヘッド8を手動で移動させるための画面である。尚、液滴吐出ヘッド8の移動は、ユーザがマウス11dを用いて画面内に表示された4つの矢印ボタンを押下することで移動方向を決定し、キーボード11cを用いて移動距離を入力することで行う。
【0065】
絶対位置登録画面WD4は、液滴吐出ヘッド8を駆動する上で必要となる各種部材の絶対位置を登録するための画面である。具体的な項目には、基板Wの供給位置、位置合わせのためのアライメントマーク位置、描画開始位置、定期的に液滴を捨て打ちするための位置、液滴吐出ヘッド8から吐出される液滴の重量を測定する位置、液滴の重量測定のために液滴吐出ヘッド8を退避させる位置、予備のための任意移動位置、及びフラッシングを行う位置がある。
【0066】
また、マウス11dを操作して絶対位置登録画面WD4内に設けられている原点復帰ボタンを押下すると、予め定められている原点に液滴吐出ヘッド8を移動させることができ、また、位置を設定する項目に対応して設けられたラジオボタンの何れか1つをチェックして移動ボタンを押下すれば、そのラジオボタンに対応する項目で設定した位置に液滴吐出ヘッド8を移動させることができる。
【0067】
液滴重量設定画面WD5は、液滴吐出ヘッド8から吐出される液滴の重量を測定する時及び測定直前に行う捨て打ちの時に使用される吐出周波数、液滴の重量を測定する直前に行う捨て打ちショット数(吐出回数)、及び液滴の吐出量を測定する際のショット数を設定するための画面である。これらの設定はユーザがキーボード11cを用いて各々の値を入力することで行う。また、非印字時定期捨て位置画面WD6は、非印字時において機能液の粘性の向上を防止するために定期的に捨て打ちするときの吐出周波数等を設定する画面である。更に、非印字時微振動設定画面WD7は、非印字時において機能液の粘性を安定(ほぼ、同じ粘性)にするために、液滴が吐出しない程度に液滴吐出ヘッド8を微振動させる周波数を設定する画面である。
【0068】
また、波形設定ボタンBT1は、予め作成してハードディスク11eに記憶されている駆動信号COMの編集等を行うためのボタンであり、印刷設定ボタンBT2は、ハードディスク11eに記憶されている吐出パターンデータから、使用する吐出パターンデータを選択するボタンである。また、設定保存ボタンBT3は、ヘッド選択画面WD1〜非印字時微振動設定画面WD7で設定した内容をハードディスク11eに保存し、設定読込ボタンBT4は設定保存ボタンBT3で保存した内容を読み込むためのボタンである。更に、ヘルプボタンBT5は、ヘッド選択画面WD1〜非印字時微振動設定画面WD7の操作する上でのヘルプ(補助的な説明)を表示させるためのボタンであり、終了ボタンBT6は図12に示したウィンドウを閉じて液滴吐出装置を制御するプログラムを終了させるボタンである。
【0069】
以上制御プログラムのメイン画面について説明したが、次に、駆動信号COM(駆動信号生成データ)の編集方法(設定方法)について説明する。駆動信号COMの編集を行う場合には、ユーザはマウス11dを操作して、図12に示したメイン画面中の波形設定ボタンBT1を押下し、波形設定画面を表示させる。図13は、波形設定画面の一例を示す図である。
【0070】
ディスプレイ11bに波形設定画面が表示されている状態で、ユーザがマウス11dを操作して図13中のデータ読込ボタンBT11を押下すると、ハードディスク11eに記憶されている予め作成した駆動信号生成データから編集対象となる駆動信号生成データが読み出され、駆動信号COMの波形が波形表示画面WD16に表示される。
【0071】
尚、駆動信号COMは、液滴の吐出時点において急激に圧力発生素子を変形させることにより液滴を吐出させてる。このため、図13において、符号Qを付して指し示したように、液滴吐出時点における駆動信号COMが急激に変化し、計時変化を視認することができない箇所がある。このような箇所の計時変化を確認するためには、ユーザがキーボード11cを操作して縮尺画面WD14に縮尺率(尺度)を設定することで、波形表示画面WD16の時間方向(横軸)の縮尺を変更して駆動信号COMを表示することができるように構成されている。
【0072】
尚、ユーザがマウス11dを操作して縮尺の変更を行う箇所を指定し、その指定された箇所の縮尺が変更されるように構成することが好ましい。かかる構成とすることで、ユーザが駆動信号COMの任意の箇所の縮尺を変更することが可能となる。また、データ読込ボタンBT11を操作して駆動信号生成データを読み込んで駆動信号COMを波形表示画面WD16に表示する際に、駆動信号COMの変化率(傾き)に応じて時間軸方向の縮尺を自動的に変更して表示するように構成することも好適である。
【0073】
駆動信号COMの編集を行う場合には、波形編集画面WD13を用いる。波形編集画面WD13においては、駆動信号COMの最大電位VHを設定することができるとともに、駆動信号COMをなす線分毎のレベル(最大電位を100としたパーセント表記)の設定、及び線分毎の継続時間を設定することができるよう構成されている。よって、ユーザは駆動信号COMの最大値を変更する場合には、キーボード11cを用いてその値を入力する。また、駆動信号COMをなす線分毎の編集を行う場合には、編集対象の線分を選択した後で、その線分の初期のレベル及び継続時間をキーボード11cを操作して入力する。
【0074】
ここで、図9を用いて説明したように、第1吐出ヘッド8aはラッチ信号LATの時間間隔で規定される1吐出周期内に複数の駆動信号を含めることができ、これらの駆動信号から制御信号CHにより第1吐出ヘッド8aに印加する駆動信号を選択することができるように構成されている。図13に示した波形設定画面においては、第1吐出ヘッド8aに対して印加する駆動信号の設定が可能となっている。かかる設定を行う場合には、ユーザがマウス11dを操作して、画面WD12内に設けられた項目「SP編集」に対応したラジオボタンをチェックする。この操作を行うと、波形表示画面WD16の表示が図14に示すように変化する。
【0075】
図14は、第1吐出ヘッド8aに対する制御信号CH等の設定を行う画面の一例を示す図である。図14に示すように、波形表示画面WD16には4行8列からなる32ビットのマトリクスが表示される。このマトリクスの各行は波形選択データに相当し、上の行から順に、図9に示す2ビットの吐出データ(00)、(01)、(10)、(11)にそれぞれ相当する。また、マトリクスの各列は駆動信号COMの時系列の状態を表している。ユーザがマウス11dを操作してマトリクス内をクリックするとクリックした部分が反転表示され、これによりその部分が「1」に設定される。尚、反転表示されていない箇所の値は「0」である。このように、ユーザは視覚的に制御信号CHの設定を行うことができるため、操作が容易になりとともに、設定ミスも低減することができる。
【0076】
以上説明した手順によって駆動信号生成データ(ここでは、制御信号CHの設定を含む)の編集が終了すると、図13及び図14に示した波形選択画面WD11において、編集した波形が「微振動」時の波形であるのか、「印字」時の波形であるのか、又は「捨て打ち」時の波形であるのかを選択する。そして、最後データ転送ボタンBT12を押下すれば、編集した駆動信号生成データがコンピュータ本体11aから駆動制御装置10に転送されて保持される。
【0077】
次に、上記構成における本発明の一実施形態による液滴吐出装置の液滴吐出時の動作について説明する。基板Wに対する液滴の吐出動作を開始する前に、制御装置10からヘッド駆動回路30へ滴吐出ヘッド8を選択する制御信号が出力される。この制御信号に基づいて、ヘッド駆動回路30は液滴吐出ヘッド8(第1吐出ヘッド8a〜第3吐出ヘッド8cの何れか)を選択する(ヘッド選択工程)。ここでは、第1吐出ヘッド8aが選択されたとする。
【0078】
液滴吐出ヘッドが選択されると、例えば、図3に示した基板処理においては、モータ12を駆動してヘッドユニット6をX方向に走査し、共通の形式で作成された駆動波形の内、第1吐出ヘッド8a用の駆動波形が第1吐出ヘッド8aに供給され(駆動波形供給工程)、各凹部K1に第1機能液D1が吐出される。続いて、上記と同様に駆動制御装置10から出力される制御信号に従って、液滴吐出ヘッド8の選択が行われる。ここでは、第2吐出ヘッド8bが選択されたとする。選択が終了すると、続いて第2吐出ヘッド8bにより描画エリアR1に第2機能液D2をべた塗り様に吐出する。
【0079】
また、図4に示した基板処理においては、ヘッドユニット6の走査において、第1吐出ヘッド8aを第2吐出ヘッド8bに先行させ(一方向のみの走査)、第1吐出ヘッド8aにより各凹部K1にA機能液D11を吐出し、その直後に第2吐出ヘッド8bによりA機能液D11上にB機能液D12を吐出する。尚、マーキング用の第3吐出ヘッド8cは、上記の基板処理の後、不図示の基板認識カメラによりドット抜けを画像認識し、その認識結果により適宜駆動するようにしている。第3吐出ヘッド8cによるマーキングは、不良品を仕分けするための画像認識用であり、機能液の滴吐出量が極端に多い第3吐出ヘッド8cにより、短時間で描画可能である。
【0080】
以上説明したように、本発明の一実施形態においては、複数の液滴吐出ヘッド8に対して1つのヘッド駆動回路30を設けた構成とし、更には、駆動信号COMを略共通化してヘッド駆動回路30で各々の液滴吐出ヘッド8を駆動しているため、装置構成の簡略化及びコスト低減を図ることができる。また、駆動信号COM(駆動信号生成データ)の形式を略共通化しているため、駆動信号生成データ作成時の効率を向上させることができる。更には、図12に示したように、複数の液滴吐出ヘッド8を操作するプログラムのインターフェイスを共通化しているため、ユーザの操作性も向上させることができる。
【0081】
以上、本発明の一実施形態による液滴吐出装置について説明した。上述した実施形態では、液滴吐出ヘッド8(第1吐出ヘッド8a〜第3吐出ヘッド8c)が固定された構成であったため、ヘッド駆動回路30は予め第1吐出ヘッド8a〜第3吐出ヘッド8cの搭載位置が分かっている状況であった。しかしながら、第1吐出ヘッド8a〜第3吐出ヘッド8cが交換可能に構成された場合には、どの液滴吐出ヘッドがどの位置に搭載されているかが不明になることが考えられる。
【0082】
このため、液滴吐出ヘッド8に各々を識別するための識別部を設け、ヘッド駆動回路30がこの識別部の識別子を読み取り、ヘッド駆動回路30及びパーソナルコンピュータ11が液滴吐出ヘッド8各々の搭載位置を識別できるように構成することが望ましい。尚、上記識別部は、例えば液滴吐出ヘッド毎に一意に割り当てられたディジタル情報を読み出すための電気的な端子等の電気的な手段、又は、液滴吐出ヘッド毎に取り付け位置が異なる突起部等の機械的な手段が考えられる。
【0083】
以上、本発明の実施形態による液滴吐出装置について説明したが、この液滴吐出装置は膜を形成する成膜装置又はマイクロレンズアレイ、液晶表示装置、有機EL装置等の発光装置等のデバイス製造装置として用いることができる。図15及び図16は、それぞれ、本発明の実施形態による液滴吐出装置を用いて製造した光インタコネクション装置用のマイクロレンズアレイの説明図である。液滴吐出装置において、図15及び図16に示す透明基板からなる基板W1の所定の位置に液滴吐出ヘッドから感光性の透明樹脂(液滴)を吐出した後、紫外線硬化させて、透明基板上の所定位置に所定の大きさのマイクロレンズLを形成すれば、光インタコネクション装置用のマイクロレンズアレイ50a,50bを製造することができる。
【0084】
ここで、図15に示すマイクロレンズアレイ50aでは、マイクロレンズLがX方向及びY方向にマトリクス状に配列されている。また、図16に示すマイクロレンズアレイ50bでは、マイクロレンズLがX方向及びY方向に不規則に分散して形成されている。尚、マクロレンズアレイは、光インタコネクション装置の他、液晶パネルにも用いられているが、この液晶装置用のマイクロレンズを製造するにあたっても、本発明を適用したインクジェット式装置を用いれば、フォトリソグラフィ技術を用いる必要がないので、マイクロレンズアレイの生産効率を向上することができる。
【0085】
図17は、本発明の実施形態による液滴吐出装置を用いて製造したカラーフィルタ基板を用いた液晶装置の構成を模式的に示す断面図であり、図17(a),(b)はそれぞれ、カラーフィルタ基板における各色の配置を示す説明図である。図17において、液晶装置60では、例えば、カラーフィルタ基板61とTFTアレイ基板62とが所定の間隙を介して貼り合わされ、かつ、これらの基板間には電気光学物質としての液晶63が封入されている。TFTアレイ基板62において、透明基板64の内側の面には、画素スイッチング用のTFT(図示せず)及び画素電極65がマトリクス状に配置され、その表面に配向膜66が形成されている。これに対して、カラーフィルタ基板61において、透明基板67には、画素電極65に対向する位置にR、G、Bのカラーフィルタ層72R、72G、72Bが形成され、その表面に平坦化膜68、対向電極70、及び配向膜71が形成されている。
【0086】
カラーフィルタ基板61において、カラーフィルタ層72R、72G、72Bは、周りが1段又は段付きのバンク68で囲まれ、このバンク68の内側に形成されている。図18は、カラーフィルタ層72R、72G、72Bの配列例を示す図であり、カラーフィルタ層72R、72G、72Bは、図18(a)に示すデルタ配列、又は図18(b)に示すストライプ配列等、所定のレイアウトに配置される。
【0087】
このような構成のカラーフィルタ基板61を製造するにあたっては、まず、透明基板67の表面にバンク68を形成した後、上述した一実施形態〜第3実施形態で説明した液滴吐出装置を用いて、各バンク68の内側に所定色の樹脂(液滴)を供給した後、紫外線硬化又は熱硬化させて、カラーフィルタ層72R、72G、72Bを形成する。従って、フォトリソグラフィ技術を用いずにカラーフィルタ層72R、72G、72Bを形成できるので、カラーフィルタ基板61の生産性を向上することができる。
【0088】
図19は、有機エレクトロルミネッセンス(EL)を利用した表示装置において、各画素を構成する有機EL素子の構成を模式的に示す断面図である。EL表示デバイスは、蛍光性の無機および有機化合物を含む薄膜を、陰極と陽極とで挟んだ構成を有し、前記薄膜に電子および正孔(ホール)を注入して再結合させることにより励起子(エキシトン)を生成させ、このエキシトンが失活する際の光の放出(蛍光・燐光)を利用して発光させる素子である。こうしたEL表示素子に用いられる蛍光性材料のうち、赤、緑および青色の発光色を呈する材料を本発明のデバイス製造装置を用いて、例えばTFT等の素子基板上に液滴吐出パターニングすることで、自発光フルカラーEL表示デバイスを製造することができる。
【0089】
本発明におけるデバイスの範囲にはこのようなEL表示デバイスの基板をも含むものである。図に示すようにこの有機EL装置301は、基板311、回路素子部321、画素電極331、バンク部341、発光素子351、陰極361(対向電極)、および封止基板371から構成された有機EL素子302に、フレキシブル基板(図示略)の配線および駆動IC(図示略)を接続したものである。回路素子部321は基板311上に形成され、複数の画素電極331が回路素子部321上に整列している。そして、各画素電極331間にはバンク部341が格子状に形成されており、バンク部341により生じた凹部開口344に、発光素子351が形成されている。陰極361は、バンク部341および発光素子351の上部全面に形成され、陰極361の上には、封止用基板371が積層されている。
【0090】
有機EL素子を含む有機EL装置301の製造プロセスは、バンク部341を形成するバンク部形成工程と、発光素子351を適切に形成するためのプラズマ処理工程と、発光素子351を形成する発光素子形成工程と、陰極361を形成する対向電極形成工程と、封止用基板371を陰極361上に積層して封止する封止工程とを備えている。
【0091】
発光素子形成工程は、凹部開口344、すなわち画素電極331上に正孔注入/輸送層352および発光層353を形成することにより発光素子351を形成するもので、正孔注入/輸送層形成工程と発光層形成工程とを具備している。そして、正孔注入/輸送層形成工程は、正孔注入/輸送層352を形成するための第1組成物(機能液)を各画素電極331上に吐出する第1液滴吐出工程と、吐出された第1組成物を乾燥させて正孔注入/輸送層352を形成する第1乾燥工程とを有し、発光層形成工程は、発光層353を形成するための第2組成物(機能液)を正孔注入/輸送層352の上に吐出する第2液滴吐出工程と、吐出された第2組成物を乾燥させて発光層353を形成する第2乾燥工程とを有している。
【0092】
この発光層形成工程では、上記の液滴吐出装置を用いて上記発光素子を形成している。従って、メタルマスクを介しての部分蒸着によって蛍光性有機化合物層を所定領域に形成する必要がないため、有機エレクトロルミネッセンス表示装置の高精細化、大面積化、生産効率の向上を図ることができる。
【0093】
上記の液晶装置、有機エレクトロルミネッセンス素子は、ノート型コンピュータ及び携帯電話等の電子機器に設けられる。だだし、本発明にいう電子機器は、上記のノート型コンピュータ及び携帯電話に限られる訳ではなく、種々の電子機器に適用することができる。例えば、液晶プロジェクタ、マルチメディア対応のパーソナルコンピュータ(PC)及びエンジニアリング・ワークステーション(EWS)、ページャ、ワードプロセッサ、テレビ、ビューファインダ型又はモニタ直視型のビデオテープレコーダ、電子手帳、電子卓上計算機、カーナビゲーション装置、POS端末、タッチパネルを備えた装置等の電子機器に適用することが可能である。
【0094】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、複数の液滴吐出ヘッドに対して共通の駆動装置を設けるとともに、駆動信号を略共通化して各々の液滴吐出ヘッドを駆動しているため、装置構成の簡略化及びコスト低減を図ることができるという効果がある。また、駆動信号の形式を略共通化しているため、駆動信号の生成時における効率を向上させることができるという効果がある。更には、液滴吐出データも略共通化されているため、複数の液滴吐出ヘッドを共通の駆動装置で駆動する上で、極めて好適であるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態による液滴吐出装置の概略構成を示すブロック図である。
【図2】本発明の一実施形態による液滴吐出装置が備えるヘッドユニット6の構成を示す図である。
【図3】本発明の一実施形態による液滴吐出装置を用いた第1の基板処理例を示す図である。
【図4】本発明の一実施形態による液滴吐出装置を用いた第2の基板処理例を示す図である。
【図5】駆動制御装置10及びヘッドユニット6に設けられるヘッド駆動回路の構成を示すブロック図である。
【図6】駆動信号生成部26の構成を示すブロック図である。
【図7】駆動信号生成部26において駆動信号COMに含まれる駆動信号を生成していく過程を示す説明図である。
【図8】駆動信号生成部26においてデータ信号を用いてメモリに電位差(ΔV)を設定する場合の各信号のタイミングを示すタイミングチャートである。
【図9】本発明の一実施形態による液滴吐出装置で用いられる駆動信号COMの波形等を示す図である。
【図10】駆動信号生成データの基本形式を示す図である。
【図11】吐出パターンデータのデータ形式を示す図である。
【図12】液滴吐出装置の動作を制御する制御プログラムのメイン画面の一例を示す図である。
【図13】波形設定画面の一例を示す図である。
【図14】第1吐出ヘッド8aに対する制御信号CH等の設定を行う画面の一例を示す図である。
【図15】本発明の実施形態による液滴吐出装置を用いて製造した光インタコネクション装置用のマイクロレンズアレイの説明図である。
【図16】本発明の実施形態による液滴吐出装置を用いて製造した光インタコネクション装置用のマイクロレンズアレイの説明図である。
【図17】本発明の実施形態による液滴吐出装置を用いて製造したカラーフィルタ基板を用いた液晶装置の構成を模式的に示す断面図である。
【図18】カラーフィルタ層72R、72G、72Bの配列例を示す図であり、図18(a),(b)はそれぞれ、カラーフィルタ基板における各色の配置を示す説明図である。
【図19】有機エレクトロルミネッセンスを利用した表示装置において、各画素を構成する有機エレクトロルミネッセンス素子の構成を模式的に示す断面図である。
【符号の説明】
8……液滴吐出ヘッド
8a……第1吐出ヘッド(液滴吐出ヘッド)
8b……第2吐出ヘッド(液滴吐出ヘッド)
8c……第3吐出ヘッド(液滴吐出ヘッド)
11……パーソナルコンピュータ(制御装置、編集手段)
11b……ディスプレイ(表示手段)
11c……キーボード(操作手段)
11d……マウス(操作手段)
11e……ハードディスク(記憶装置)
30……ヘッド駆動回路(駆動装置)
COM……駆動信号
W……基板(ワーク)
Claims (14)
- ワークに対して液滴を吐出する液滴吐出装置において、
複数種の液滴吐出ヘッドと、
前記液滴吐出ヘッド各々を駆動するための駆動装置と、
前記駆動装置に対して、前記液滴吐出ヘッドを駆動する駆動信号及び前記液滴吐出ヘッドを制御する液滴吐出データを供給する制御装置とを備え、
前記制御装置は、前記複数種の液滴吐出ヘッドのそれぞれに対応した駆動信号を記憶する記憶装置を備えることを特徴とする液滴吐出装置。 - 前記記憶装置は、前記液滴吐出ヘッドのそれぞれに対応した液滴吐出データを略共通の形式で記憶することを特徴とする請求項1記載の液滴吐出装置。
- 前記制御装置は、前記記憶装置に記憶された共通形式の駆動信号を表示する表示手段と、
ユーザの操作内容に応じた操作信号を出力する操作手段と、
前記操作手段から出力される操作信号に応じて前記駆動信号を編集する編集手段と
を備えることを特徴とする請求項1記載の液滴吐出装置。 - 前記表示手段は、時間軸方向の尺度を可変して前記駆動信号を表示することを特徴とする請求項3記載の液滴吐出装置。
- 前記表示手段は、前記駆動信号の時間的な変化率に応じて前記駆動信号の部分毎に前記時間軸方向の尺度を可変して前記駆動信号を表示することを特徴とする請求項4記載の液滴吐出装置。
- 前記表示手段は、前記操作手段から出力される操作信号に応じて前記駆動信号の時間軸方向の尺度を可変して表示することを特徴とする請求項3から請求項5の何れか一項に記載の液滴吐出装置。
- 前記表示手段は、前記液滴吐出ヘッドを切り替えるためのヘッド切り替え画面を表示し、
前記制御装置は、前記操作手段の操作に応じて駆動すべき液滴吐出ヘッドを選択する
ことを特徴とする請求項3から請求項6の何れか一項に記載の液滴吐出装置。 - 前記液滴吐出ヘッドは、各々の区別するための識別部を有しており、
前記制御装置は、前記識別部の識別子を読み取ることにより前記液滴吐出ヘッドを識別することを特徴とする請求項1から請求項7の何れか一項に記載の液滴吐出装置。 - ワークに対して液滴を吐出する液滴吐出装置において、
識別部と前記識別部の情報に対応した複数種の液滴吐出ヘッドとを備えたヘッドユニットと、
前記液滴吐出ヘッドを駆動する駆動装置と、
前記駆動装置に対して、前記液滴吐出ヘッドを駆動する駆動信号及び前記液滴吐出ヘッドを制御する液滴吐出データを供給する制御装置とを備え、
前記制御装置は、前記複数種の液滴吐出ヘッドにそれぞれ対応した駆動信号を共通の形式で記憶する記憶装置と前記識別部を読み取る読み取り装置を備え、
前記読み取り装置は前記識別部を読み取り、
前記制御装置は、前記読み取り装置が読み取った情報に基づいて前記記憶装置に記憶された駆動信号及び液滴吐出データを前記駆動装置へ供給する
ことを特徴とする液滴吐出装置。 - ワークに対して液滴を吐出する液滴吐出方法において、
複数種の液滴吐出ヘッドから特定の液滴吐出ヘッドを選択するヘッド選択工程と、
少なくとも制御信号情報および波形線分情報とに基づいて形成され、前記複数種の液滴吐出ヘッドに対応した駆動信号の内、前記ヘッド選択工程で選択された液滴吐出ヘッドに対応する駆動信号を、選択された液滴吐出ヘッドに対して供給する駆動信号供給工程と
を有することを特徴とする液滴吐出方法。 - 前記ヘッド選択工程で選択された液滴吐出ヘッドに対し、当該液滴吐出ヘッドの仕様に応じた形式で形成され、前記液滴吐出ヘッドを制御する液滴吐出データを供給する液滴吐出データ供給工程を有することを特徴とする請求項10記載の液滴吐出方法。
- 請求項1から請求項9の何れか一項に記載の液滴吐出装置を備えることを特徴とするデバイスの製造装置。
- 請求項1から請求項9の何れか一項に記載の液滴吐出装置又は請求項10若しくは請求項11記載の液滴吐出方法を用いて、前記液滴を吐出する工程をデバイス製造工程の1つとして含むことを特徴とするデバイス製造方法。
- 請求項1から請求項9記載の液滴吐出装置又は請求項12記載のデバイスの製造装置を用いて製造された電子機器。
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