JP2004121485A - 生体組織の結紮装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】生体組織を把持するアームを有するクリップ2と、このクリップ2に嵌着して装着することにより該クリップ2のアームを閉脚する締付部材としての押え管4と、この押え管4内に挿入可能で、前記クリップ2と係合する連結部材3と、前記クリップ2と押え管4とを収納可能な導入管5と、この導入管5内に進退自在に挿通された操作ワイヤ6と、前記クリップ2と前記押え管4が係合し、クリップ2が閉脚位置を越えて押え管4内に引き込まれるのを防止するループ段差部2hと内径段差部4hとを具備することを特徴とする。
【選択図】 図3
Description
【発明の属する技術分野】
この発明は、例えば経内視鏡的に体腔内に挿入し、生体組織をクリップによって結紮する生体組織の結紮装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
生体組織の結紮装置として、例えば、特開平8−280701号公報が知られている。特開平8−280701号公報は、生体組織を把持する一対のアームを有するクリップが締付リングに嵌着することにより該クリップのアームを閉脚し、締付リングから突出することにより、アームが開脚するようになっている。クリップと締付リングは内視鏡のチャンネルに挿通される導入管内に収納可能であり、クリップは連結部材を介して導入管内に進退自在に挿通された操作ワイヤに接続される。
【0003】
そして、手元操作部によって操作ワイヤを進退することにより、クリップを開脚・閉脚できる。また操作ワイヤを手元操作部の回転操作部材によって回転することにより、クリップの向きを変更でき、クリップを目的部位にアプローチできるようになっている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
従って、特開平8−280701号公報のものは、操作ワイヤによってクリップを締付リング内に引き込み、クリップのアームを閉脚して生体組織を結紮する。しかし、締付リングは、両端が開口した円筒状の管状体であるため、操作ワイヤによってクリップを締付リング内に引き込んでクリップのアームを閉脚する際に、閉脚位置を越えてクリップを締付リング内に引き込んでしまい、生体組織を把持しているクリップのアームの長さが短くなってしまうため、生体組織を意図した把持状態に維持できないという虞がある。
【0005】
この発明は、前記事情に着目してなされたもので、その目的とするところは、クリップによって生体組織を把持したとき、クリップと締付部材とが係合してクリップが閉脚位置を越えて締付部材内に引き込まれるのを防止でき、生体組織の意図した把持状態に維持でき、止血能力も向上する生体組織の結紮装置を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
この発明は、前記目的を達成するために、請求項1は、生体組織を把持するアームを有するクリップと、このクリップに嵌着して装着することにより該クリップのアームを閉脚する締付部材と、この締付部材内に挿入可能で、前記クリップと係合する連結部材と、前記クリップと前記締付部材が係合し、クリップが閉脚位置を越えて締付部材内に引き込まれるのを防止する係合部材とを具備することを特徴とする生体組織の結紮装置にある。
【0007】
請求項2は、請求項1の前記係合部材は、前記クリップと前記締付部材の両方に設けられていることを特徴とする。
【0008】
請求項3は、請求項1または2記載の前記クリップ及び締付部材の係合部材は、クリップが締付部材に引き込まれて閉脚したときに互いに当接する段差部であることを特徴とする。
【0009】
請求項4は、生体組織を把持する一対のアームと、前記アームを閉じる方向に動かす締付部材と、前記アームが閉脚位置を越えて締付部材内に引き込まれるのを防止する係合部材とを具備することを特徴とする生体組織の結紮装置にある。
【0010】
請求項1〜3によれば、連結部材によってクリップが締付部材内に引き込まれると、クリップのアームが締付部材によって閉脚し、クリップによって生体組織を把持するとともに、閉脚位置でクリップと締付部材が係合して閉脚状態を保持する。しかも、係合部材の係合によってクリップが閉脚位置を越えて締付部材内に引き込まれるのを防止できる。
【0011】
請求項4によれば、アームが締付部材によって閉脚して生体組織を把持するとともに、閉脚位置でアームが締付部材が係合して閉脚状態を保持する。しかも、係合部材の係合によってアームが閉脚位置を越えて締付部材内に引き込まれるのを防止できる。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下、この発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
【0013】
図1〜図14は一実施形態を示し、図1は生体組織の結紮装置のクリップユニット1の斜視図である。クリップユニット1はクリップ2、連結部材3及び締付部材としての押え管4とから構成されている。
【0014】
クリップ2は、図2(a)〜(c)に示すように、例えばステンレス等の板バネ材等の金属製板材を中央部で折り曲げてループ部2aが形成されている。さらに、ループ部2aの近傍位置で交叉させたのちに、拡開習性を持つ一対のアーム2bをそれぞれ先端部が離間する状態で延出させたものであり、先端部には組織把持部2cが形成されている。
【0015】
また、クリップ2のアーム2bの交叉部は先端部側より狭幅に形成され、組織把持部2cが互いに対向するようになっている。さらに、アーム2bのループ部2aの基端部を他の部分より狭幅にして基端部から連続するループ部2aの両側部に係合部材としてのループ段差部2hが形成されている。また、アーム2bの略中間部には板幅方向に突出する鋸刃状の突起2dが設けられている。すなわち、突起2dはクリップ2を押え管4に引き込む方向に対しては押え管4の内面を摺動するが、引き込む方向と逆方向には押え管4の内面に食い込むように、組織把持部側は鋭角な斜面、ループ部側は鈍角な斜面に形成されている。
【0016】
また、アーム2bの先端部近傍の両側縁部2eは、後述する導入管の内部を滑りやすいようにC面取りが0.05mm以上またはR面取りが0.05mm以上に形成されている。さらに、組織把持部2cは内側ら向かって略90°〜150°に折曲され、組織把持部2cの一方は略三角形の凸部2fに、他方は凸部2fと噛み合う略三角形の凹部2gに形成されている。
【0017】
ここで、クリップ1の寸法について説明すると、生体組織の把持能力、内視鏡への挿通を考慮して大きさが設定されており、例えば、厚みは0.1〜0.5mm、全長は5mm〜10mmである。また、ループ部2aは、長径が1mm〜5mm、短径が1mm〜5mmの円形または楕円形である。さらに、組織把持部2cは長さが0.5mm〜1mm程度、幅が1〜2mm程度である。また、ループ段差部2hは0.1mm以上であり、突起2dは押え管4及び後述する先端管に引き込み可能な幅、1mm以上に設定されている。
【0018】
前記連結部材3は、図3(a)(b)に示すように、例えば、液晶ポリマーやナイロンなどの高強度な樹脂材料を射出成形することにより製作され、円柱棒状で、その先端部には突起部3aが設けられている。この突起部3aは基部3bから側方へ突出している。この突起部3aの幅3cは0.6mm〜1.2mm程度であり、突起部3aにクリップ2のループ部2aを引っ掛けてクリップ2を押え管4内に引き込んだとき、クリップ2が押え管4の内周面に圧接状態で摺動、つまり大きな摺動抵抗でゆっくりとクリップ2が引き込まれるように設計されている。
【0019】
さらに、連結部材3の他端部には二股状に分岐され、分岐部に切欠部3dを有して後述する矢尻フックを把持する把持部3eが形成されている。また、連結部材3の中間部は先端側から後端側に向かって破断部としての細径部3f、中径部3g及び太径部3hに形成され、細径部3fは20N〜60Nの破断力量が加わったとき、破断するように寸法が設定されている。さらに、太径部3hの相反する面には軸方向に亘って平面部3jが形成され、太径部2hは非円形に形成されている。この平面部3jの端末部における太径部3hの外周面の一部には係止突起3iが設けられている。
【0020】
ここで、連結部材3の寸法について説明すると、全長は10mm程度で、把持部3eは内径φが0.6mm程度である。細径部3fの外径φが0.3mm以上で、太径部3hがφ1mm〜φ1.3mmである。さらに、係止突起3iは高さが0.1mm以上に設定されている。
【0021】
前記押え管4は、クリップより柔らかい材質、例えば、PPA(ポリフタルアミド)、PA(ポリアミド)等の適度な弾性を持つ高剛性の樹脂を射出成形することにより製作されている。この押え管4は、クリップ2のアーム2bに嵌着して装着することによりクリップ2のアーム2bを閉脚するものであり、先端部にステンレス等の高強度の金属からなる先端管4aが嵌着されている。
【0022】
この先端管4aの内径は押え管4に被嵌できる内径であり、外径は押え管4の外径と同等程度で、押え管4の先端嵌合部4bよりも短く形成されている。そして、先端管4aが先端嵌合部4bの先端より後方に位置して疑似テーパ部を形成していることにより、先端管4aが湾曲した導入管の内壁に引っ掛かることなく、スムーズに移動できるようになっている。
【0023】
押え管4の基端部における内径は前記連結部材3の太径部3hと密に嵌合するように後端縮径部4cを有し、段差の高さが0.1mm以上の係合部材としての内径段差部4hが形成されている。そして、前記クリップ2が押え管4内に引き込まれたとき、クリップ2のループ段差部2hと内径段差部4hとが係合(当接)してクリップ2が閉脚位置を越えて必要以上に押え管4内に引き込まれるのを防止するようになっている。
【0024】
押え管4の外周部には径方向に弾性的に突没自在な一対の突没ウイング4dが設けられ、また、押え管4の後端部には後端傾斜部4eが設けられている。
【0025】
ここで、押え管4の寸法について説明すると、全長、内外径はクリップ2の大きさによって設定されている。先端嵌合部4bの内径傾斜部4b’は角度15〜90°で、入口径φ1.6mm程度であり、クリップ2が組織を把持するのに好適な入口径及び角度を持っている。突没ウイング4dは略三角形で、最大突出幅は2mm以上で、導入管の内径以上に設定されている。さらに、後端傾斜部4eは連結部材3の太径部3hとの間の段差部が0.5mm以下である。
【0026】
ここで、クリップユニット1の組立てについて説明する。まず、押え管4の後端側から連結部材3を挿入し、連結部材3の突起部3aを押え管4から完全に突出させる。このとき、連結部材3の太径部3hに設けられた係止突起3iは、押え管4の内径に挿入できない大きさであるが、太径部3hの平面部3jが設けられていることにより、押え管4が楕円形状に変形することができ、係止突起3iは削れや変形を起こすことなく、挿入される。この状態で、連結部材3の突起部3aにクリップ2のループ部2aを係止させることができる。
【0027】
クリップ2が最大開脚直前状態では、図4(a)(b)に示すように、クリップ2のループ部2aが押え管4の内周面に圧接した状態に保持されている。この状態から連結部材3を手元側に引っ張ると、クリップ2のループ部2aが押え管4の内周面を摺動しながらゆっくりと引き込まれるため、図5に示すように、クリップ2のアーム2bが制御自在に開脚する。この状態で、さらに連結部材3を手元側に引っ張ると、図6(a)〜(d)に示すように、クリップ2のアーム2bが閉脚する。
【0028】
このとき、アーム2bの突起2dは押え管4はクリップ2より柔らかい適度な弾性を持つ樹脂で形成されているため、図6(a)(c)に示すように、クリップ2のアーム2b及び突起2dによって押え管4の先端嵌合部4bが非円形状態に変形し、クリップ2が押え管4の内部で軸方向に移動することが拘束され、閉脚状態に維持されるようになっている。
【0029】
クリップ2が押え管4内にさらに引き込まれると、図6(b)(d)に示すように、ループ段差部2hが押え管4の内径段差部4hに係合し、クリップ2が閉脚位置を越えて押え管4内に引き込まれるのを防止する。
【0030】
次に、図7(a)(b)に示す導入管5及び操作ワイヤ6について説明する。導入管5はステンレス等のバネ性材料を密巻きした可撓性を有する手元側コイル5aと、この手元側コイル5aの先端部に接続されたステンレス等のバネ性材料を密巻きした可撓性を有する先端側コイル5bとから構成されている。
【0031】
手元側コイル5aは、内視鏡のチャンネルに挿通可能な外径、例えばφ2mm〜φ6mmで、操作ワイヤ6を挿通可能な内径に形成され、その肉厚は0.25〜0.7mm程度である。先端側コイル5bは、内視鏡のチャンネルに挿通可能な外径、例えばφ2mm以上で、クリップユニット1や操作ワイヤ6を挿通可能な内径に形成され、その肉厚は0.25〜0.7mm程度である。さらに、先端側コイル5bの先端近傍には薄肉部5cが研削等の後加工によって形成され、長さは1mm〜10mm程度、肉厚は0.2mm〜0.65mm程度である。
【0032】
先端側コイル5bの先端近傍に薄肉部5cを設けることにより、可撓性が増し、内視鏡のチャンネルへの挿入性が向上する。また、先端側コイル5bは熱処理されているが、熱処理後に研削加工して薄肉部5cを形成している。従って、薄肉部5cは他の部分と異なる金属光沢面となるため、マーキングの効果があり、内視鏡の先端部から突出したときに、その突出量を内視鏡によって確認できる。
【0033】
先端コイル5bの先端部にはステンレス等の金属からなる先端チップ7が設けられている。この先端チップ7は、内視鏡のチャンネルに挿通可能な外径、例えばφ2mm〜φ6mmで、クリップユニット1や操作ワイヤ6を挿通可能なように内径がφ2mm程度に形成されている。この先端チップ7の外周面には先端に向かって漸次細径となるように角度が5°〜90°のチップ斜面部7aが形成されている。
【0034】
前記操作ワイヤ6は、ステンレス、NiTi等の適度な弾性を有する金属線の芯ストランドと側ストランドからなる撚り線で形成されている。この操作ワイヤ6の外径がφ1.2mm〜φ1.8mmで、先端側コイル5bの内径とのクリアランスが0.4mm以下であり、さらに外表面にテフロン(登録商標)コートが施されている。操作ワイヤ6を太くして先端側コイル5bの内径とのクリアランスを0.03mm以下に小さくすることにより、操作ワイヤ6の変形、座屈を防止することができる。
【0035】
操作ワイヤ6の先端部にはステンレス等の金属材料からなる円筒状のワイヤ固定部8aが嵌着され、このワイヤ固定部8aには軸部8cを介して一体に矢尻フック8が設けられている。
【0036】
矢尻フック8は、軸部8cの先端部に形成された円錐形状で、角度が10°〜120°の矢尻斜面部8bを有しており、矢尻大径部8dは、φ0.8mm〜φ1.2mm程度である。
【0037】
図8〜図10は操作部9を示し、操作部本体10は、先端側の筒状部10aと、この筒状部10aと一体に後端側へ延長する軸状部10b及びこの軸状部10bの基端部に回転自在に設けられた指掛けリング10cとから構成されている。操作部本体10の軸状部10bには軸方向にスリット10dが設けられ、スリット10dには外周面に指掛け凹部11aを有するスライダ11が進退自在に設けられている。従って、操作部本体10に対してスライダ11を進退することによって操作ワイヤ6が導入管5の内部を進退するようになっている。
【0038】
操作部本体10の筒状部10aに挿通されている操作ワイヤ6にはステンレスからなるパイプ15が嵌合されている。また、筒状部10aの先端部には内周拡径部16が形成され、この内周拡径部16には筒状部10aに対して固定されたコイル継ぎ管17が固定されている。
【0039】
コイル継ぎ管17には操作ワイヤ6に嵌合する折止めコイル18が連結されている。この折止めコイル18はステンレス等のバネ性材料あるいはシリコン熱収縮チューブ等の適度な軟性を持つ樹脂材料によって形成され、導入管5の手元側コイル5aと嵌合されている。コイル継ぎ管17と折止めコイル18との結合部を操作部本体10の内部に設けることにより、強度の弱い結合部を操作部本体10で保護することができる。
【0040】
次に、前述のように構成された生体組織の結紮装置の作用について説明する。
【0041】
図11に示すように、予め体腔内に挿入された内視鏡20のチャンネル21を介して導入管5を体腔内に導入し、内視鏡20により体腔内を観察しながら導入管5の先端を対象部位まで導く。
【0042】
図12及び図13は生体組織をクリップ2によって結紮する手順を示す。スライダ11を先端側に押し出す操作により、図12(a)に示すように、操作ワイヤ6を介してクリップユニット1が導入管5の内部を前進する。スライダ11によって操作ワイヤ6をさらに前進させると、図12(b)に示すように、クリップユニット1が導入管5から突き出る。このとき、押え管4の突没ウイング4dは先端側に向かって下り勾配の傾斜面になっているため、クリップユニット1はスムーズにかつ抵抗なく押し出される。そして、押え管4の突没ウイング4dは導入管5の内面との接触状態から開放され、押え管4から外周方向に突出する。また、図13(a)に示すように、クリップ2の一対のアーム2bは拡開習性を持っているため、導入管5から突き出ると同時に開脚する。
【0043】
その後、スライダ11を基端側に移動すると、図12(c)に示すように、操作ワイヤ6が基端側へ引き戻され、押え管4の突没ウイング4dの基端側端面が先端チップ7の端面に係合する。
【0044】
スライダ11をさらに基端側に移動して操作ワイヤ6を引き戻すと、連結部材3を介してクリップ2のループ2aが押え管4内に引き込まれる。そして、クリップ2のループ部2aが押え管4の内壁に圧接し、図4(a)及び図13(b)に示すようにアーム2bが最大に開脚する。
【0045】
この状態で、内視鏡20によって観察しながら生体組織の目的部位にクリップ2をアプローチし、クリップ2の組織把持部2cを押し当てる。このとき、操作部9の指掛けリング10cに親指を挿入し、人差指と中指によってスライダ11を挟み込んで操作するが、指掛けリング10cは操作部本体10に対して回転自在である。従って、クリップ2を回転して向きを変更する際には、操作部本体10を回転させるが、指掛けリング10cに親指を挿入したままでも操作部本体10を回転させることができる。
【0046】
そして、スライダ11をさらに基端側に移動すると、操作ワイヤ6が後退し、連結部材3を介してクリップ2のアーム2b,2bが押え管4内に引き込まれる。従って、図6(a)及び図13(c)に示すようにクリップ2のアーム2bが閉脚される。生体組織をクリップ2のアーム2b間に確実に挟み込んだ状態となる。このとき、押え管4はクリップ2より柔らかい適度な弾性を持つ樹脂で形成されているため、クリップ2の突起2dは押え管4の内壁に食い込み、クリップ2が押え管4の内部で軸方向に移動することが拘束され、閉脚状態に維持される。
【0047】
クリップ2が押え管4内に引き込まれたとき、図6(b)に示すように、クリップ2のループ段差部2hと内径段差部4hとが係合(当接)してクリップ2が閉脚位置を越えて押え管4内に引き込まれるのが防止できる。
【0048】
スライダ11をさらに基端側に移動して操作ワイヤ6を後退させると、クリップ2の連結部材3の破断部として細径部3fが図13(d)に示されるように破断し、クリップ2は連結部材3との結合が解除され、クリップ2は結紮装置から離脱して生体組織を把持したまま体腔内に留置される。
【0049】
例えば、体腔内の出血部位の生体組織をクリップ2のアーム2b間で挟み込んで圧迫し、その状態のままクリップ2を留置することによって、出血部位の血管を圧迫し出血を止めることができる。生体組織をクリップ2によって把持した状態で数日放置されるが、クリップ2の突起2dは押え管4の内壁に食い込み、クリップ2が押え管4の内部で軸方向に移動することが拘束され、閉脚状態に維持される。
【0050】
クリップ2の留置後、結紮装置を内視鏡20のチャンネル21内から抜去する。矢尻フック8から連結部材3を取り外す際には、操作ワイヤ6の軸線に対して連結部材3を切欠部3dの開口方向に沿って回動することにより、矢尻フック8が連結部材3の切欠部3dから抜き取ることができる。
【0051】
【発明の効果】
以上説明したように、この発明によれば、クリップが締付部材内に引き込まれると、クリップのアームが締付部材によって閉脚し、クリップによって生体組織を把持するとともに、クリップと締付部材とが係合してクリップが閉脚位置を越えて締付部材内に引き込まれるのを防止でき、生体組織の意図した把持状態に維持でき、止血能力も向上する。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の第1の実施形態を示し、クリップユニットの斜視図。
【図2】同実施形態を示し、(a)はクリップの斜視図、(b)はループ部の斜視図、(c)はA−A線に沿う断面図。
【図3】同実施形態を示し、(a)はクリップユニットの縦断平面図、(b)はクリップユニットの縦断側面図。
【図4】同実施形態のクリップが開脚した状態のクリップユニットを示し、(a)は縦断側面図、(b)はB−B線に沿う断面図。
【図5】同実施形態のクリップが開脚した状態のクリップユニットを示す縦断側面図。
【図6】同実施形態のクリップが閉脚した状態を示し、(a)は縦断平面図、(b)は縦断側面図、(c)はC−C線に沿う断面図、(d)はD−D線に沿う断面図。
【図7】同実施形態を示し、(a)は結紮装置の先端部の縦断側面図、(b)は連結部材の縦断側面図。
【図8】同実施形態の結紮装置の操作部を示し、(a)は縦断側面図、(b)はF−F線に沿う断面図、(c)はG−G線に沿う断面図。
【図9】同実施形態の結紮装置の操作部を示し、(a)(b)は縦断側面図。
【図10】同実施形態を示し、操作部本体の先端部の縦断側面図。
【図11】同実施形態を示し、(a)は内視鏡の挿入部の縦断側面図、(b)はH−H線に沿う断面図。
【図12】同実施形態を示し、(a)〜(c)は作用説明図。
【図13】同実施形態を示し、(a)〜(d)は作用説明図。
【符号の説明】
1…クリップユニット
2…クリップ
2h…ループ段差部
3…連結部材
4…押え管
4h…内径段差部
5…導入管
6…操作ワイヤ
Claims (4)
- 生体組織を把持するアームを有するクリップと、
このクリップに嵌着して装着することにより該クリップのアームを閉脚する締付部材と、
前記クリップと前記締付部材が係合し、クリップが閉脚位置を越えて締付部材内に引き込まれるのを防止する係合部材と、
を具備することを特徴とする生体組織の結紮装置。 - 前記係合部材は、前記クリップと前記締付部材の両方に設けられていることを特徴とする請求項1記載の生体組織の結紮装置。
- 前記クリップ及び締付部材の係合部材は、クリップが締付部材に引き込まれて閉脚したときに互いに当接する段差部であることを特徴とする請求項1または2記載の生体組織の結紮装置。
- 生体組織を把持する一対のアームと、
前記アームを閉じる方向に動かす締付部材と、
前記アームが閉脚位置を越えて締付部材内に引き込まれるのを防止する係合部材と、
を具備することを特徴とする生体組織の結紮装置。
Priority Applications (12)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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