JP2004121368A - パチンコ玉搬送樋の自走式清掃装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】パチンコ玉の搬送樋内に残る塵埃等の汚れを排除する際の従業員の負担を軽減する。
【解決手段】清掃しようとする搬送路内において自走する清掃装置(1)であって、走行方向に長い略長方形の金属製シャーシー(3)を本体とし、シャーシー(3)には、ガイドローラー(5,5,..)、回転ブラシ(7)、ブラシ用モーター(9)、駆動輪(11,11)、可逆モーター(13)、切替スイッチ(15)、バッテリー(17)及び補助液タンク(19)を設けてある。清掃装置1は、駆動輪(11)による走行と、ガイドローラー(5,5,..)によるガイド機能と、回転ブラシ(7)の回転による研磨と、により搬送路内を自走清掃することができるように構成してある。この清掃装置(1)によれば、従業員が負っていた清掃作業の負担を大幅に軽減することができる。
【選択図】 図1
【解決手段】清掃しようとする搬送路内において自走する清掃装置(1)であって、走行方向に長い略長方形の金属製シャーシー(3)を本体とし、シャーシー(3)には、ガイドローラー(5,5,..)、回転ブラシ(7)、ブラシ用モーター(9)、駆動輪(11,11)、可逆モーター(13)、切替スイッチ(15)、バッテリー(17)及び補助液タンク(19)を設けてある。清掃装置1は、駆動輪(11)による走行と、ガイドローラー(5,5,..)によるガイド機能と、回転ブラシ(7)の回転による研磨と、により搬送路内を自走清掃することができるように構成してある。この清掃装置(1)によれば、従業員が負っていた清掃作業の負担を大幅に軽減することができる。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、パチンコ遊技機にパチンコ玉を補給するための補給樋や、パチンコ遊技機が排出したパチンコ玉を搬送するための集合樋に代表されるパチンコ玉搬送樋を、その長さ方向に自走しながら清掃するためのパチンコ玉搬送樋の自走式清掃装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
パチンコ玉搬送樋(以下、「搬送樋」と略称する)は、底板と、当該底板両側から起立する両側壁とを含む構成となっており、一般には、複数のパチンコ機が配設されたパチンコ島内においてパチンコ玉を循環させるために使用されている。このようにして循環するパチンコ玉には循環装置の機械油や遊技客の手垢等の塵埃が付着しており、その付着した塵埃が搬送樋の底板上面等に乗り移って汚れとなり、この汚れをそのままにしておくとパチンコ玉の搬送に支障を起こす恐れがあった。そこで、清掃を行う必要があったが、この清掃は、パチンコ玉の循環を中断して手作業により行われているのが実態である。
【0003】
しかしながら、前述したように、搬送樋はパチンコ島内に設けられるのが一般的であり、このパチンコ島内部は、パチンコ遊技場の限られた敷地内に設置されるため非常に狭く、また、たいへん入り組んでいる。このため、そのような場所に設置された搬送樋を清掃することは、想像以上に煩わしく従業員にとってたいへんな負担であった。さらに、パチンコ玉の循環を中断できるのはパチンコ遊技場が閉店後でなければならないことから、清掃できるのは夜間に限られている。このため、搬送樋の清掃は、時間的な面においても従業員にとって酷となる問題であった。そこで、本願出願人は、清掃を行おうとする従業員の負担を軽くするために、搬送樋に塵埃落下孔を設けることを提案した(特許文献1参照)。塵埃落下孔から塵埃を落下させることにより、搬送樋内にできるだけ汚れが残らないようにするためである。
【0004】
【特許文献1】
特開2002−119741号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
塵埃落下孔は良好に動作し、それだけ従業員の負担が軽くなったが、塵埃落下孔だけでは塵埃を完全に排除することはできない。このため、搬送樋内に残った汚れを排除するために、やはり清掃が必要であり、程度の差こそあれ従業員へのある程度の負担は存在した。本発明が解決しようとする課題は、この従業員の負担を、さらに軽減することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成するために発明者は、清掃するときの従業員の負担を軽くするためには、従業員に代わって清掃作業の大部分を担う装置が必要であるとの結論を得た。底板と、当該底板の両側端から起立する両側壁を含む構造を備えた搬送樋の特徴を踏まえながら研究を重ねた結果、自走式の清掃装置を完成させた。その構成の詳細については、次項以下において説明する。なお、何れかの請求項に係る発明の説明に当たって行う用語の定義等は、その性質上可能な範囲において他の請求項に係る発明にも適用されるものとする。
【0007】
(請求項1に記載した発明の特徴)
請求項1に記載した発明に係るパチンコ玉搬送樋の自走式清掃装置(以下、適宜「清掃装置」という)は、底板と、当該底板両側から起立する両側壁とを含むパチンコ玉搬送樋を、その長さ方向に自走しながら清掃するための装置である。請求項1の清掃装置は、上面と下面とを有するシャーシーと、清掃時に当該シャーシーをガイドするために当該両側壁と連続又は間歇に接触可能に構成したガイド手段と、当該シャーシー下面側に設けた回転ブラシと、当該回転ブラシを回転させるために当該シャーシーに設けたブラシ用モーターと、当該シャーシーを往復走行可能とする少なくとも1対の駆動輪と、当該駆動輪を、直接又は間接に駆動する可逆モーターと、当該可逆モーターの回転方向を切り替えるための切替スイッチと、当該ブラシ用モーターと当該可逆モーターとに電源供給するための電力供給端子と、を備えていることを特徴とする。駆動輪を2対以上としてもよいし、1対又は2対以上の駆動輪とともに直接駆動を行わない駆動輪を併設してもよい。たとえば、側壁と連続又は間歇に接触するシャーシー端面や、側壁と転がり接触可能なローラーのような部材が、ガイド手段に該当する。駆動輪は、底板と転がり接触するように構成してもよいが、側壁と転がり接触するように構成してもよい。底板と側壁の両者でもよい。
【0008】
請求項1の清掃装置によれば、パチンコ玉搬送樋を自走清掃することができる。自走機能は、可逆モーターの回転による駆動輪による走行と、ガイド手段によるガイド機能とにより主として発揮される。ブラシの形状によっては、ブラシの回転も走行に寄与しうる。ブラシ用モーターは回転ブラシを回転させ、このブラシの回転が搬送路内を研磨する。切替スイッチを作動させることにより、往路走行から復路走行に切り替え、さらに、その逆の切り替えが可能になり、搬送樋内を往復しながら清掃を行うことができる。切替スイッチは、自動作動、他動作動の何れとしてもよい。前者の場合は何らかの契機、たとえば、走行方向に存在する障害物との衝突によりスイッチが作動されるようにすると、手間がかからず便利である。後者の場合は、たとえば、従業員等がスイッチを操作して切り替えるようにする。ブラシ用モーターと可逆モーターへの電力供給は、電力供給端子を介して行う。電源は、シャーシーに搭載してもよいし、シャーシー外に設置してもよい。パチンコ玉搬送樋の自走清掃により、手作業で行っていた清掃による従業員への負担を大幅に軽減することができる。
【0009】
(請求項2に記載した発明の特徴)
請求項2に記載した発明に係る清掃装置は、請求項1の清掃装置であって、前記シャーシーが、清掃時に前記両側壁と対向する両側部を備え、前記ガイド手段を、当該両側部に設けた少なくとも2対のガイドローラーにより構成してあることを特徴とする。
【0010】
請求項2の清掃装置によれば、請求項1の清掃装置の作用効果に加え、ガイドローラーが側壁と転がり接触することで、単なる摺動接触に比べて摩擦抵抗の少ないガイドを実現する。よって、側壁やシャーシーの磨耗を少なくなる。少なくとも2対のガイドローラーにより構成してあるので、1対だけの場合に比べてシャーシーのぶれが少ないので、より安定した走行を可能とする。
【0011】
(請求項3に記載した発明の特徴)
請求項3に記載した発明に係る清掃装置は、請求項1又は2の清掃装置であって、前記1対の駆動輪を、清掃時に前記底板上を走行可能に構成してあることを特徴とする。
【0012】
請求項3の清掃装置によれば、請求項1又は2の清掃装置の作用効果に加え、底板上を走行させることにより、清掃装置の重量の大部分を駆動輪が支え、側壁部への負担を少なくすることができる。側壁への負担が少ないことは、より安定した走行につながる。
【0013】
(請求項4に記載した発明の特徴)
請求項4に記載した発明に係る清掃装置は、請求項1乃至3の何れかの清掃装置であって、前記切替スイッチには、当該シャーシーの自走方向両端から突き出す1対のアクチュエーターを設けてあり、当該アクチュエーターの各々が、清掃時に自走方向前方に存在する障害物(たとえば、搬送樋終端にある仕切壁)を検知したときに当該切替スイッチが作動するように構成してあることを特徴とする。障害物の検知は、物理的な接触を検知する接触検知でもよいし、近接センサが行うような非接触検知でもよい。
【0014】
請求項4の清掃装置によれば、請求項1乃至3の何れかの清掃装置の作用効果に加え、アクチュエーターを介して障害物を検知したときに、切替スイッチが働いて可逆モーターの回転方向を逆転させる。逆転により、駆動輪が逆転して往路方向からきた清掃装置が、逆方向である復路方向に走行を始める。復路方向前方に障害物があれば、上記と逆の手順で走行方向が転換する。このように往復走行を自動で行うので、その分、清掃をしようとする従業員の手間を省くことができるため、それらの者の負担を軽くすることができる。
【0015】
(請求項5に記載した発明の特徴)
請求項5に記載した発明に係る清掃装置は、請求項1乃至4の清掃装置であって、前記電力供給端子が、前記シャーシー上面に設置したバッテリーのバッテリー端子であることを特徴とする。つまり、清掃装置自体に電源を搭載してある。
【0016】
請求項5の清掃装置によれば、請求項1乃至4の何れかの清掃装置の作用効果に加え、バッテリーを電源としたことにより、自走走行しやすくなる。つまり、バッテリー以外のものを電源とするなら、たとえば、電源供給線を設けたり、供給用のブラシやパンタグラフのようなものを設けたりする必要があって、これらが走行の妨げになる場合が考えられる。つまり、清掃装置の外部に電源を設置し、そこから何らかの方法を介して電力供給端子へ電力を供給する方法もあるが、そのような方法を介さないで済むバッテリーのほうが便利である。さらに、バッテリーの重量が、回転ブラシの回転によるシャーシーの跳ね上がりを防ぐ等のために役に立つ。
【0017】
(請求項6に記載した発明の特徴)
請求項6に記載した発明に係る清掃装置は、請求項5の清掃装置であって、前記シャーシー上面側から見た当該ブラシ用モーターを中心とする前記回転ブラシの回転領域内に、前記バッテリーの重心が位置するように当該バッテリーを配してあり、当該シャーシー上面上の当該回転ブラシの回転領域内であって、当該ブラシ用モーターを挟んで当該バッテリーと対向する位置に前記可逆モーターの重心が位置するように当該可逆モーターを配してあることを特徴とする。
【0018】
請求項6の清掃装置によれば、請求項5の清掃装置の作用効果に加え、回転ブラシの回転領域内にバッテリーと可逆モーターを配することにより、そのように配していない場合に比べてブラシの回転によるシャーシーの跳ね上がりを有効防止することができる。シャーシーの跳ね上がりが起きると、ブラシが底板から離れて磨きムラ等の原因となり得るが、その跳ね上がりをできるだけ抑えることにより、効率のよい清掃が実現する。しかも、バッテリーと可逆モーターを、ブラシ用モーターを挟んで対向させてあるので、回転ブラシの回転領域における両者の重量がバランスされる。そのバランスもシャーシーの跳ね上がり防止に貢献する。
【0019】
(請求項7に記載した発明の特徴)
請求項7に記載した発明に係る清掃装置は、請求項1乃至6の何れかの清掃装置であって、前記シャーシー上面には、洗浄補助液を貯留するための補助液タンクを設けてあり、当該補助液タンクが、清掃時に前記底板上に当該洗浄補助液を滴下可能とする滴下路を備えていることを特徴とする。補助液は、単なる水でもよいが、洗剤や薬剤等を含むものでもよい。
【0020】
請求項7の清掃装置によれば、請求項1乃至6の何れかの清掃装置の作用効果に加え、清掃時に補助液タンク内の洗浄補助液が、滴下路を通って底板上に滴下する。洗浄補助液の働きにより回転ブラシの磨きが、より効率のよいものとなる。
【0021】
【発明の実施の形態】
各図を参照しながら、本発明の実施の形態(以下、「本実施形態」という)について説明する。図1は、搬送樋に設置した清掃装置の平面図である。図2は、図1に示す清掃装置の正面図である。図3は、回転ブラシの変形例を示す概略斜視図である。図4は、駆動輪の変形例を示す概略正面図である。
【0022】
(パチンコ玉搬送樋の構造)
図1及び2に示すように、搬送樋101は、底板103と、この底板103の両側部105,105から起立する側壁107,107を備えている。このような構造を持つ搬送樋101は、たとえば、パチンコ遊技機(図示を省略)が排出した遊技済みパチンコ玉をパチンコ玉研磨装置(図示を省略)へ搬送したり、このパチンコ玉研磨装置が研磨した研磨済みパチンコ玉をパチンコ遊技機(図示を省略)へ搬送したりする際に用いられる。前者は集合樋と、後者は補給樋と呼ばれることもある。集合樋と補給樋とは、その搬送用途の違いから、若干の構造上の違いはあるが、底板と両側壁を有する点で共通している。
【0023】
(清掃装置の概略構造)
図1及び2に基づいて、清掃装置の概略構造について説明する。清掃装置1は、清掃しようとする搬送路101内に収納可能な幅寸法を有しており、走行方向に長い略長方形の金属製シャーシー3を本体とする。シャーシー3には、ガイドローラー5,5,..、回転ブラシ7、ブラシ用モーター9、駆動輪11,11、可逆モーター13、切替スイッチ15、バッテリー17及び補助液タンク19が設けてある。各部材の詳細な構成は、次項以下において説明する。
【0024】
(シャーシーの構造)
シャーシー3は、上面3a、下面3b、両側部3c,3c及び走行方向両端3d,3dを有し、必要な強度と重量を考慮して加工した鉄板により構成してある。重量を考慮したのは、清掃装置1自体にある程度の重量を持たせ、これにより、主として清掃装置1が搬送路から跳ね上がりづらくするためである。上記理由によりシャーシー3を鉄板により構成してあるが、他の金属により構成したり、板材以外の形態の材料を用いたりしてもよい。シャーシー3の両側部3c,3cのほぼ中央部には、駆動輪11,11を受け入れるための切欠11d,11dを形成してある。また、切欠11d,11dを形成する際に、その一部を切り欠かずに残した突片11e,11eを上面11a方向に折り起こしてある。
【0025】
(ガイド手段の構造)
シャーシー3の4隅に当たる両側部3c,3cの上面3aには、ガイド手段として機能する4個のガイドローラー5,5,..を設けてある。各ガイドローラー5は、その支持軸5aを中心にして自由に回転するようになっており、その外周面5bが両側部3c,3cの両端面3c´,3c´より側方(両側壁107,107方向)に突き出している。清掃時に搬送路101の両側壁107,107と接触するのをローラー5,5,..だけとすることにより、両側壁107,107との転がり接触により接触摩擦をできるだけ小さくするためである。ガイドローラー5,5,..は、側壁107,107と連続又は間歇に接触してシャーシー3を搬送路101の長さ方向、すなわち走行方向に無理なくガイドする機能を有している。ガイドローラー5,5,..を4個、すなわち2対としたのは、シャーシー3の横ブレを防止するために必要最小限の数だからであり、1対のみではシャーシー3を案内するに当たって横ブレを生じやすいからである。シャーシー3の形状の違い等により横ブレ防止のために必要があるなら、3対以上、すなわち、6個以上のローラーを設けることを妨げない。また、ローラー5,5,..の代わりに、両端面3c´,3c´を両側壁107,107に対して滑りやすい形状とする等の工夫を施し、これをガイド手段としてもよい。ローラー5,5,..は、製造し易さや低価格であることを考慮して合成樹脂製としたが、金属その他の素材により構成可能であることはいうまでもない。
【0026】
(駆動輪の構造)
シャーシー3の上面3a方向に折り起こした突片11e,11eには、駆動輪11,11の駆動シャフト12を支持するための軸受12a,12aを設けてある。駆動シャフト12には、駆動ギア13aと噛み合う従動ギア12aを固定してある。駆動ギア13aは、可逆モーター13のシャフトに固定してある。可逆モーター13は、シャーシー3の上面3aに取り付けてあり、その回転により駆動ギア13a、従動ギア12a及び駆動シャフト12を介して駆動輪11,11を回転させるように構成してある。可逆モーター13は、後述する切替スイッチ15,15の作動により、その回転方向、すなわち、駆動輪11,11の走行方向が切り替わるように構成してある。駆動輪11,11は、清掃時に底板103上を走行し易いようにこれをゴム製としたが、他の素材であっても構わない。
【0027】
(回転ブラシの構造)
回転ブラシ7は、底面が円形のスカート状をしており、多数の合成樹脂製ブラシ毛を束ねてなるものである。回転ブラシ7は、シャーシー3の下面3b側で水平方向に回転するように構成してあり、これを回転させるのは、シャーシー3の上面3aに設けたブラシ用モーター9である。回転ブラシ7は、ブラシ用モーター9の駆動シャフト9aの下端に固定してあり、その底辺が駆動論11,11の下端より僅かに下方に突き出るように構成してある。これは、清掃時において、駆動輪11,11を底板103上に置いたときに清掃装置1全体の重みにより回転ブラシ7を沈ませ、これによりブラシ毛先端を底板103にしっかりと密着させ効率良く磨かせるためである。回転ブラシ7の回転領域、具体的にはその底辺の直径は、搬送樋101の幅寸法(底板107,107の幅寸法)を考慮した上で、磨こうとする範囲をカバーするように設定する。回転ブラシ7は、少なくとも1個あれば足りるが、これを2個以上としたり、回転ブラシ7を補助するための補助ブラシ(図示を省略)等を併設してもよい。さらに、ブラシ毛の材質を合成樹脂製のもの以外のものにより構成してもよいし、ブラシ形態以外の磨き部材(たとえば、布)を採用してもよい。汚れの度合いや、粗磨き仕上げ磨きのように磨きの程度によりブラシを交換するようにしてもよい。
【0028】
(切替スイッチの構造)
切替スイッチ15は、前述したように、可逆モーター13の回転方向を切り替えるためのスイッチであって、シャーシー3の上面3a上に設けた制御基板21上に設けてある。切替スイッチ15は、シャーシー3の両端に設けてあるアクチュエーター16,16が走行方向前方にある障害物を検知したときに、可逆モーター13に供給する電流の極性を切り替えるように構成してある。アクチュエーター16,16の検知は接触型又は非接触型の何れでもよい。
【0029】
(電力供給)
シャーシー3の上面に据え付けたバッテリー17は、上述したブラシ用モーター9と可逆モーター13に電力を供給する。電力供給は、バッテリー17の上面にある電力供給端子17a,17bから制御基板21を介して行われる。電力供給は、その電源を搭載したバッテリーではなく、シャーシー3外にある電源(図示を省略)に求め、そこから電力供給線とシャーシー3に設けた電力供給端子とを介して行うようにしてもよい。ただ、バッテリー17を搭載することにより、そのような電力供給線を設ける煩わしさをなくし、さらに、バッテリー17の重量を利用して清掃時におけるシャーシー3の跳ね上がりを抑えることができる点で便利である。なお、図2に示す符号23は、電力供給用のメインスイッチを示している。
【0030】
(補助液タンクの構造)
補助液タンク19は、上面開口の箱型タンクであって、その底部に細長スリット(滴下路)20を形成してある。補助液タンク19の側壁はスリット20に向かって傾斜しており、貯留した洗浄補助液がスリット20に流れ込むようにしてある。スリット20の幅寸法は、洗浄補助液が時間をかけて滴下する程度に設定してあり、滴下した洗浄補助液が底板103上に届くようにシャーシー3には滴下路(図示を省略)を形成してある。洗浄補助液は、水だけでもよいが、これに洗浄を促進する薬剤や洗剤等を混ぜたものも好適に用いることができる。洗浄補助液の滴下により、回転ブラシ7の磨きがより効率のよいものとなる。
【0031】
(バッテリーの位置)
図1に示す符号25は、シャーシー3の上面3a側から見たブラシ用モーター9を中心とする回転ブラシ7の回転領域を示している。この回転領域25内には、バッテリー17の重心Gb及び可逆モーター13の重心Gmが位置するように、バッテリー17及び可逆モーター13を配してある。さらに、重心Gbと重心Gmとは、ブラシ用モーター9を挟んで対向関係にある。このように配したのは、バッテリー17と可逆モーター13とを重量的にバランスさせることにより、回転ブラシ7にかかる荷重を平均化させるためである。荷重が平均化すれば、磨くときの圧力が平均化するので、回転ブラシ7の回転によるシャーシー3の跳ね上がりを抑え磨きムラを少なくすることができる。
【0032】
(清掃装置の使用方法)
図1及び2に示すように清掃装置1を搬送樋101の底板103上に設置し、メインスイッチ23を閉鎖する。可逆モーター13の起動により駆動輪11,11が回転して清掃装置1を走行方向に走行させる。このとき、ガイドローラー5,5,..は、搬送樋101の両側壁107,107に連続又は間歇に接触して回転しながらシャーシー3をガイドする。自走とともに、ブラシ用モーター9が回転ブラシ7を回転させ底板103を磨く。洗浄補助液が補助液タンク19のスリット20から滴下して洗浄を補助する。走行が続きアクチュエーター16が前方の障害物(たとえば、搬送樋101終端の仕切壁・図示を省略)を検知すると切替スイッチ15が起動して可逆モーター13の回転方向を転換させる。回転方向の転換により駆動輪11,11が、これまでの走行方向とは逆方向に走行し始める。このときのガイドローラー5,5,..や回転ブラシ7の作用効果は上記したものと異ならない。走行が続き、前方に障害物(たとえば、搬送樋101における他の仕切壁・図示を省略)を検知すると、可逆モーター13の回転方向が転換してまた逆方向に走行を始める。このように、清掃装置1は、搬送樋101の底板103上を、その長さ方向に往復自走して底板103を磨くようになっているので、従業員等が手作業で行っていた清掃作業の手間を大幅に軽減することができる。清掃作業の中止は、メインスイッチ23の開放により行う。
【0033】
(変形例)
図3に基づいて回転ブラシの変形例について説明する。本変形例に係る回転ブラシ31は、前記した回転ブラシ7が水平方向に回転するように構成してあるのに対し、回転ブラシ31は垂直方向に回転するように構成してある点でのみ異なる。回転ブラシ31は、略円柱状に形成してあり、その支軸33の一端に設けた従動ギア35及びこの従動ギア35とアイドルギア36を介して噛み合う駆動ギア43を介して可逆モーター41により回転されるように構成してある。可逆モーター41の制御は、前述した可逆モーター13と同様に行えばよい。また、回転ブラシ31は、複数としてもよい。
【0034】
図4に基づいて駆動輪の変形例について説明する。駆動輪51,51は、その側面に多数のブラシ毛53,53を設けてある。ブラシ毛53,53は、清掃時に搬送樋101の両側壁107,107に接触し、そこを駆動輪51,51の回転により磨くためのものである。前述した回転ブラシ7或いは31と併せて、駆動輪51,51を採用することにより、底板103と両側壁107,107を同時に磨くことができるので、たいへん便利である。
【0035】
【発明の効果】
本発明によれば、搬送樋の清掃を自走式の清掃装置により行うことができるので、従業員が負っていた清掃作業の負担を大幅に軽減することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】搬送樋に設置した清掃装置の平面図である。
【図2】図1に示す清掃装置の正面図である。
【図3】回転ブラシの変形例を示す概略斜視図である。
【図4】駆動輪の変形例を示す概略正面図である。
【符号の説明】
1 清掃装置
3 シャーシー
5 ガイドローラー(ガイド手段)
7,31 回転ブラシ7
9 ブラシ用モーター
11,51 駆動輪
12 駆動シャフト
13,41 可逆モーター
15 切替スイッチ
16 アクチュエーター
17 バッテリー
18 電力供給用端子
19 補助液タンク
20 スリット
21 制御基板
23 メインスイッチ
25 回転領域
33 支軸
【発明の属する技術分野】
この発明は、パチンコ遊技機にパチンコ玉を補給するための補給樋や、パチンコ遊技機が排出したパチンコ玉を搬送するための集合樋に代表されるパチンコ玉搬送樋を、その長さ方向に自走しながら清掃するためのパチンコ玉搬送樋の自走式清掃装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
パチンコ玉搬送樋(以下、「搬送樋」と略称する)は、底板と、当該底板両側から起立する両側壁とを含む構成となっており、一般には、複数のパチンコ機が配設されたパチンコ島内においてパチンコ玉を循環させるために使用されている。このようにして循環するパチンコ玉には循環装置の機械油や遊技客の手垢等の塵埃が付着しており、その付着した塵埃が搬送樋の底板上面等に乗り移って汚れとなり、この汚れをそのままにしておくとパチンコ玉の搬送に支障を起こす恐れがあった。そこで、清掃を行う必要があったが、この清掃は、パチンコ玉の循環を中断して手作業により行われているのが実態である。
【0003】
しかしながら、前述したように、搬送樋はパチンコ島内に設けられるのが一般的であり、このパチンコ島内部は、パチンコ遊技場の限られた敷地内に設置されるため非常に狭く、また、たいへん入り組んでいる。このため、そのような場所に設置された搬送樋を清掃することは、想像以上に煩わしく従業員にとってたいへんな負担であった。さらに、パチンコ玉の循環を中断できるのはパチンコ遊技場が閉店後でなければならないことから、清掃できるのは夜間に限られている。このため、搬送樋の清掃は、時間的な面においても従業員にとって酷となる問題であった。そこで、本願出願人は、清掃を行おうとする従業員の負担を軽くするために、搬送樋に塵埃落下孔を設けることを提案した(特許文献1参照)。塵埃落下孔から塵埃を落下させることにより、搬送樋内にできるだけ汚れが残らないようにするためである。
【0004】
【特許文献1】
特開2002−119741号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
塵埃落下孔は良好に動作し、それだけ従業員の負担が軽くなったが、塵埃落下孔だけでは塵埃を完全に排除することはできない。このため、搬送樋内に残った汚れを排除するために、やはり清掃が必要であり、程度の差こそあれ従業員へのある程度の負担は存在した。本発明が解決しようとする課題は、この従業員の負担を、さらに軽減することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成するために発明者は、清掃するときの従業員の負担を軽くするためには、従業員に代わって清掃作業の大部分を担う装置が必要であるとの結論を得た。底板と、当該底板の両側端から起立する両側壁を含む構造を備えた搬送樋の特徴を踏まえながら研究を重ねた結果、自走式の清掃装置を完成させた。その構成の詳細については、次項以下において説明する。なお、何れかの請求項に係る発明の説明に当たって行う用語の定義等は、その性質上可能な範囲において他の請求項に係る発明にも適用されるものとする。
【0007】
(請求項1に記載した発明の特徴)
請求項1に記載した発明に係るパチンコ玉搬送樋の自走式清掃装置(以下、適宜「清掃装置」という)は、底板と、当該底板両側から起立する両側壁とを含むパチンコ玉搬送樋を、その長さ方向に自走しながら清掃するための装置である。請求項1の清掃装置は、上面と下面とを有するシャーシーと、清掃時に当該シャーシーをガイドするために当該両側壁と連続又は間歇に接触可能に構成したガイド手段と、当該シャーシー下面側に設けた回転ブラシと、当該回転ブラシを回転させるために当該シャーシーに設けたブラシ用モーターと、当該シャーシーを往復走行可能とする少なくとも1対の駆動輪と、当該駆動輪を、直接又は間接に駆動する可逆モーターと、当該可逆モーターの回転方向を切り替えるための切替スイッチと、当該ブラシ用モーターと当該可逆モーターとに電源供給するための電力供給端子と、を備えていることを特徴とする。駆動輪を2対以上としてもよいし、1対又は2対以上の駆動輪とともに直接駆動を行わない駆動輪を併設してもよい。たとえば、側壁と連続又は間歇に接触するシャーシー端面や、側壁と転がり接触可能なローラーのような部材が、ガイド手段に該当する。駆動輪は、底板と転がり接触するように構成してもよいが、側壁と転がり接触するように構成してもよい。底板と側壁の両者でもよい。
【0008】
請求項1の清掃装置によれば、パチンコ玉搬送樋を自走清掃することができる。自走機能は、可逆モーターの回転による駆動輪による走行と、ガイド手段によるガイド機能とにより主として発揮される。ブラシの形状によっては、ブラシの回転も走行に寄与しうる。ブラシ用モーターは回転ブラシを回転させ、このブラシの回転が搬送路内を研磨する。切替スイッチを作動させることにより、往路走行から復路走行に切り替え、さらに、その逆の切り替えが可能になり、搬送樋内を往復しながら清掃を行うことができる。切替スイッチは、自動作動、他動作動の何れとしてもよい。前者の場合は何らかの契機、たとえば、走行方向に存在する障害物との衝突によりスイッチが作動されるようにすると、手間がかからず便利である。後者の場合は、たとえば、従業員等がスイッチを操作して切り替えるようにする。ブラシ用モーターと可逆モーターへの電力供給は、電力供給端子を介して行う。電源は、シャーシーに搭載してもよいし、シャーシー外に設置してもよい。パチンコ玉搬送樋の自走清掃により、手作業で行っていた清掃による従業員への負担を大幅に軽減することができる。
【0009】
(請求項2に記載した発明の特徴)
請求項2に記載した発明に係る清掃装置は、請求項1の清掃装置であって、前記シャーシーが、清掃時に前記両側壁と対向する両側部を備え、前記ガイド手段を、当該両側部に設けた少なくとも2対のガイドローラーにより構成してあることを特徴とする。
【0010】
請求項2の清掃装置によれば、請求項1の清掃装置の作用効果に加え、ガイドローラーが側壁と転がり接触することで、単なる摺動接触に比べて摩擦抵抗の少ないガイドを実現する。よって、側壁やシャーシーの磨耗を少なくなる。少なくとも2対のガイドローラーにより構成してあるので、1対だけの場合に比べてシャーシーのぶれが少ないので、より安定した走行を可能とする。
【0011】
(請求項3に記載した発明の特徴)
請求項3に記載した発明に係る清掃装置は、請求項1又は2の清掃装置であって、前記1対の駆動輪を、清掃時に前記底板上を走行可能に構成してあることを特徴とする。
【0012】
請求項3の清掃装置によれば、請求項1又は2の清掃装置の作用効果に加え、底板上を走行させることにより、清掃装置の重量の大部分を駆動輪が支え、側壁部への負担を少なくすることができる。側壁への負担が少ないことは、より安定した走行につながる。
【0013】
(請求項4に記載した発明の特徴)
請求項4に記載した発明に係る清掃装置は、請求項1乃至3の何れかの清掃装置であって、前記切替スイッチには、当該シャーシーの自走方向両端から突き出す1対のアクチュエーターを設けてあり、当該アクチュエーターの各々が、清掃時に自走方向前方に存在する障害物(たとえば、搬送樋終端にある仕切壁)を検知したときに当該切替スイッチが作動するように構成してあることを特徴とする。障害物の検知は、物理的な接触を検知する接触検知でもよいし、近接センサが行うような非接触検知でもよい。
【0014】
請求項4の清掃装置によれば、請求項1乃至3の何れかの清掃装置の作用効果に加え、アクチュエーターを介して障害物を検知したときに、切替スイッチが働いて可逆モーターの回転方向を逆転させる。逆転により、駆動輪が逆転して往路方向からきた清掃装置が、逆方向である復路方向に走行を始める。復路方向前方に障害物があれば、上記と逆の手順で走行方向が転換する。このように往復走行を自動で行うので、その分、清掃をしようとする従業員の手間を省くことができるため、それらの者の負担を軽くすることができる。
【0015】
(請求項5に記載した発明の特徴)
請求項5に記載した発明に係る清掃装置は、請求項1乃至4の清掃装置であって、前記電力供給端子が、前記シャーシー上面に設置したバッテリーのバッテリー端子であることを特徴とする。つまり、清掃装置自体に電源を搭載してある。
【0016】
請求項5の清掃装置によれば、請求項1乃至4の何れかの清掃装置の作用効果に加え、バッテリーを電源としたことにより、自走走行しやすくなる。つまり、バッテリー以外のものを電源とするなら、たとえば、電源供給線を設けたり、供給用のブラシやパンタグラフのようなものを設けたりする必要があって、これらが走行の妨げになる場合が考えられる。つまり、清掃装置の外部に電源を設置し、そこから何らかの方法を介して電力供給端子へ電力を供給する方法もあるが、そのような方法を介さないで済むバッテリーのほうが便利である。さらに、バッテリーの重量が、回転ブラシの回転によるシャーシーの跳ね上がりを防ぐ等のために役に立つ。
【0017】
(請求項6に記載した発明の特徴)
請求項6に記載した発明に係る清掃装置は、請求項5の清掃装置であって、前記シャーシー上面側から見た当該ブラシ用モーターを中心とする前記回転ブラシの回転領域内に、前記バッテリーの重心が位置するように当該バッテリーを配してあり、当該シャーシー上面上の当該回転ブラシの回転領域内であって、当該ブラシ用モーターを挟んで当該バッテリーと対向する位置に前記可逆モーターの重心が位置するように当該可逆モーターを配してあることを特徴とする。
【0018】
請求項6の清掃装置によれば、請求項5の清掃装置の作用効果に加え、回転ブラシの回転領域内にバッテリーと可逆モーターを配することにより、そのように配していない場合に比べてブラシの回転によるシャーシーの跳ね上がりを有効防止することができる。シャーシーの跳ね上がりが起きると、ブラシが底板から離れて磨きムラ等の原因となり得るが、その跳ね上がりをできるだけ抑えることにより、効率のよい清掃が実現する。しかも、バッテリーと可逆モーターを、ブラシ用モーターを挟んで対向させてあるので、回転ブラシの回転領域における両者の重量がバランスされる。そのバランスもシャーシーの跳ね上がり防止に貢献する。
【0019】
(請求項7に記載した発明の特徴)
請求項7に記載した発明に係る清掃装置は、請求項1乃至6の何れかの清掃装置であって、前記シャーシー上面には、洗浄補助液を貯留するための補助液タンクを設けてあり、当該補助液タンクが、清掃時に前記底板上に当該洗浄補助液を滴下可能とする滴下路を備えていることを特徴とする。補助液は、単なる水でもよいが、洗剤や薬剤等を含むものでもよい。
【0020】
請求項7の清掃装置によれば、請求項1乃至6の何れかの清掃装置の作用効果に加え、清掃時に補助液タンク内の洗浄補助液が、滴下路を通って底板上に滴下する。洗浄補助液の働きにより回転ブラシの磨きが、より効率のよいものとなる。
【0021】
【発明の実施の形態】
各図を参照しながら、本発明の実施の形態(以下、「本実施形態」という)について説明する。図1は、搬送樋に設置した清掃装置の平面図である。図2は、図1に示す清掃装置の正面図である。図3は、回転ブラシの変形例を示す概略斜視図である。図4は、駆動輪の変形例を示す概略正面図である。
【0022】
(パチンコ玉搬送樋の構造)
図1及び2に示すように、搬送樋101は、底板103と、この底板103の両側部105,105から起立する側壁107,107を備えている。このような構造を持つ搬送樋101は、たとえば、パチンコ遊技機(図示を省略)が排出した遊技済みパチンコ玉をパチンコ玉研磨装置(図示を省略)へ搬送したり、このパチンコ玉研磨装置が研磨した研磨済みパチンコ玉をパチンコ遊技機(図示を省略)へ搬送したりする際に用いられる。前者は集合樋と、後者は補給樋と呼ばれることもある。集合樋と補給樋とは、その搬送用途の違いから、若干の構造上の違いはあるが、底板と両側壁を有する点で共通している。
【0023】
(清掃装置の概略構造)
図1及び2に基づいて、清掃装置の概略構造について説明する。清掃装置1は、清掃しようとする搬送路101内に収納可能な幅寸法を有しており、走行方向に長い略長方形の金属製シャーシー3を本体とする。シャーシー3には、ガイドローラー5,5,..、回転ブラシ7、ブラシ用モーター9、駆動輪11,11、可逆モーター13、切替スイッチ15、バッテリー17及び補助液タンク19が設けてある。各部材の詳細な構成は、次項以下において説明する。
【0024】
(シャーシーの構造)
シャーシー3は、上面3a、下面3b、両側部3c,3c及び走行方向両端3d,3dを有し、必要な強度と重量を考慮して加工した鉄板により構成してある。重量を考慮したのは、清掃装置1自体にある程度の重量を持たせ、これにより、主として清掃装置1が搬送路から跳ね上がりづらくするためである。上記理由によりシャーシー3を鉄板により構成してあるが、他の金属により構成したり、板材以外の形態の材料を用いたりしてもよい。シャーシー3の両側部3c,3cのほぼ中央部には、駆動輪11,11を受け入れるための切欠11d,11dを形成してある。また、切欠11d,11dを形成する際に、その一部を切り欠かずに残した突片11e,11eを上面11a方向に折り起こしてある。
【0025】
(ガイド手段の構造)
シャーシー3の4隅に当たる両側部3c,3cの上面3aには、ガイド手段として機能する4個のガイドローラー5,5,..を設けてある。各ガイドローラー5は、その支持軸5aを中心にして自由に回転するようになっており、その外周面5bが両側部3c,3cの両端面3c´,3c´より側方(両側壁107,107方向)に突き出している。清掃時に搬送路101の両側壁107,107と接触するのをローラー5,5,..だけとすることにより、両側壁107,107との転がり接触により接触摩擦をできるだけ小さくするためである。ガイドローラー5,5,..は、側壁107,107と連続又は間歇に接触してシャーシー3を搬送路101の長さ方向、すなわち走行方向に無理なくガイドする機能を有している。ガイドローラー5,5,..を4個、すなわち2対としたのは、シャーシー3の横ブレを防止するために必要最小限の数だからであり、1対のみではシャーシー3を案内するに当たって横ブレを生じやすいからである。シャーシー3の形状の違い等により横ブレ防止のために必要があるなら、3対以上、すなわち、6個以上のローラーを設けることを妨げない。また、ローラー5,5,..の代わりに、両端面3c´,3c´を両側壁107,107に対して滑りやすい形状とする等の工夫を施し、これをガイド手段としてもよい。ローラー5,5,..は、製造し易さや低価格であることを考慮して合成樹脂製としたが、金属その他の素材により構成可能であることはいうまでもない。
【0026】
(駆動輪の構造)
シャーシー3の上面3a方向に折り起こした突片11e,11eには、駆動輪11,11の駆動シャフト12を支持するための軸受12a,12aを設けてある。駆動シャフト12には、駆動ギア13aと噛み合う従動ギア12aを固定してある。駆動ギア13aは、可逆モーター13のシャフトに固定してある。可逆モーター13は、シャーシー3の上面3aに取り付けてあり、その回転により駆動ギア13a、従動ギア12a及び駆動シャフト12を介して駆動輪11,11を回転させるように構成してある。可逆モーター13は、後述する切替スイッチ15,15の作動により、その回転方向、すなわち、駆動輪11,11の走行方向が切り替わるように構成してある。駆動輪11,11は、清掃時に底板103上を走行し易いようにこれをゴム製としたが、他の素材であっても構わない。
【0027】
(回転ブラシの構造)
回転ブラシ7は、底面が円形のスカート状をしており、多数の合成樹脂製ブラシ毛を束ねてなるものである。回転ブラシ7は、シャーシー3の下面3b側で水平方向に回転するように構成してあり、これを回転させるのは、シャーシー3の上面3aに設けたブラシ用モーター9である。回転ブラシ7は、ブラシ用モーター9の駆動シャフト9aの下端に固定してあり、その底辺が駆動論11,11の下端より僅かに下方に突き出るように構成してある。これは、清掃時において、駆動輪11,11を底板103上に置いたときに清掃装置1全体の重みにより回転ブラシ7を沈ませ、これによりブラシ毛先端を底板103にしっかりと密着させ効率良く磨かせるためである。回転ブラシ7の回転領域、具体的にはその底辺の直径は、搬送樋101の幅寸法(底板107,107の幅寸法)を考慮した上で、磨こうとする範囲をカバーするように設定する。回転ブラシ7は、少なくとも1個あれば足りるが、これを2個以上としたり、回転ブラシ7を補助するための補助ブラシ(図示を省略)等を併設してもよい。さらに、ブラシ毛の材質を合成樹脂製のもの以外のものにより構成してもよいし、ブラシ形態以外の磨き部材(たとえば、布)を採用してもよい。汚れの度合いや、粗磨き仕上げ磨きのように磨きの程度によりブラシを交換するようにしてもよい。
【0028】
(切替スイッチの構造)
切替スイッチ15は、前述したように、可逆モーター13の回転方向を切り替えるためのスイッチであって、シャーシー3の上面3a上に設けた制御基板21上に設けてある。切替スイッチ15は、シャーシー3の両端に設けてあるアクチュエーター16,16が走行方向前方にある障害物を検知したときに、可逆モーター13に供給する電流の極性を切り替えるように構成してある。アクチュエーター16,16の検知は接触型又は非接触型の何れでもよい。
【0029】
(電力供給)
シャーシー3の上面に据え付けたバッテリー17は、上述したブラシ用モーター9と可逆モーター13に電力を供給する。電力供給は、バッテリー17の上面にある電力供給端子17a,17bから制御基板21を介して行われる。電力供給は、その電源を搭載したバッテリーではなく、シャーシー3外にある電源(図示を省略)に求め、そこから電力供給線とシャーシー3に設けた電力供給端子とを介して行うようにしてもよい。ただ、バッテリー17を搭載することにより、そのような電力供給線を設ける煩わしさをなくし、さらに、バッテリー17の重量を利用して清掃時におけるシャーシー3の跳ね上がりを抑えることができる点で便利である。なお、図2に示す符号23は、電力供給用のメインスイッチを示している。
【0030】
(補助液タンクの構造)
補助液タンク19は、上面開口の箱型タンクであって、その底部に細長スリット(滴下路)20を形成してある。補助液タンク19の側壁はスリット20に向かって傾斜しており、貯留した洗浄補助液がスリット20に流れ込むようにしてある。スリット20の幅寸法は、洗浄補助液が時間をかけて滴下する程度に設定してあり、滴下した洗浄補助液が底板103上に届くようにシャーシー3には滴下路(図示を省略)を形成してある。洗浄補助液は、水だけでもよいが、これに洗浄を促進する薬剤や洗剤等を混ぜたものも好適に用いることができる。洗浄補助液の滴下により、回転ブラシ7の磨きがより効率のよいものとなる。
【0031】
(バッテリーの位置)
図1に示す符号25は、シャーシー3の上面3a側から見たブラシ用モーター9を中心とする回転ブラシ7の回転領域を示している。この回転領域25内には、バッテリー17の重心Gb及び可逆モーター13の重心Gmが位置するように、バッテリー17及び可逆モーター13を配してある。さらに、重心Gbと重心Gmとは、ブラシ用モーター9を挟んで対向関係にある。このように配したのは、バッテリー17と可逆モーター13とを重量的にバランスさせることにより、回転ブラシ7にかかる荷重を平均化させるためである。荷重が平均化すれば、磨くときの圧力が平均化するので、回転ブラシ7の回転によるシャーシー3の跳ね上がりを抑え磨きムラを少なくすることができる。
【0032】
(清掃装置の使用方法)
図1及び2に示すように清掃装置1を搬送樋101の底板103上に設置し、メインスイッチ23を閉鎖する。可逆モーター13の起動により駆動輪11,11が回転して清掃装置1を走行方向に走行させる。このとき、ガイドローラー5,5,..は、搬送樋101の両側壁107,107に連続又は間歇に接触して回転しながらシャーシー3をガイドする。自走とともに、ブラシ用モーター9が回転ブラシ7を回転させ底板103を磨く。洗浄補助液が補助液タンク19のスリット20から滴下して洗浄を補助する。走行が続きアクチュエーター16が前方の障害物(たとえば、搬送樋101終端の仕切壁・図示を省略)を検知すると切替スイッチ15が起動して可逆モーター13の回転方向を転換させる。回転方向の転換により駆動輪11,11が、これまでの走行方向とは逆方向に走行し始める。このときのガイドローラー5,5,..や回転ブラシ7の作用効果は上記したものと異ならない。走行が続き、前方に障害物(たとえば、搬送樋101における他の仕切壁・図示を省略)を検知すると、可逆モーター13の回転方向が転換してまた逆方向に走行を始める。このように、清掃装置1は、搬送樋101の底板103上を、その長さ方向に往復自走して底板103を磨くようになっているので、従業員等が手作業で行っていた清掃作業の手間を大幅に軽減することができる。清掃作業の中止は、メインスイッチ23の開放により行う。
【0033】
(変形例)
図3に基づいて回転ブラシの変形例について説明する。本変形例に係る回転ブラシ31は、前記した回転ブラシ7が水平方向に回転するように構成してあるのに対し、回転ブラシ31は垂直方向に回転するように構成してある点でのみ異なる。回転ブラシ31は、略円柱状に形成してあり、その支軸33の一端に設けた従動ギア35及びこの従動ギア35とアイドルギア36を介して噛み合う駆動ギア43を介して可逆モーター41により回転されるように構成してある。可逆モーター41の制御は、前述した可逆モーター13と同様に行えばよい。また、回転ブラシ31は、複数としてもよい。
【0034】
図4に基づいて駆動輪の変形例について説明する。駆動輪51,51は、その側面に多数のブラシ毛53,53を設けてある。ブラシ毛53,53は、清掃時に搬送樋101の両側壁107,107に接触し、そこを駆動輪51,51の回転により磨くためのものである。前述した回転ブラシ7或いは31と併せて、駆動輪51,51を採用することにより、底板103と両側壁107,107を同時に磨くことができるので、たいへん便利である。
【0035】
【発明の効果】
本発明によれば、搬送樋の清掃を自走式の清掃装置により行うことができるので、従業員が負っていた清掃作業の負担を大幅に軽減することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】搬送樋に設置した清掃装置の平面図である。
【図2】図1に示す清掃装置の正面図である。
【図3】回転ブラシの変形例を示す概略斜視図である。
【図4】駆動輪の変形例を示す概略正面図である。
【符号の説明】
1 清掃装置
3 シャーシー
5 ガイドローラー(ガイド手段)
7,31 回転ブラシ7
9 ブラシ用モーター
11,51 駆動輪
12 駆動シャフト
13,41 可逆モーター
15 切替スイッチ
16 アクチュエーター
17 バッテリー
18 電力供給用端子
19 補助液タンク
20 スリット
21 制御基板
23 メインスイッチ
25 回転領域
33 支軸
Claims (7)
- 底板と、当該底板両側から起立する両側壁とを含むパチンコ玉搬送樋を、その長さ方向に自走しながら清掃するためのパチンコ玉搬送樋の自走式清掃装置であって、
上面と下面とを有するシャーシーと、
清掃時に当該シャーシーをガイドするために当該両側壁と連続又は間歇に接触可能に構成したガイド手段と、
当該シャーシー下面側に設けた回転ブラシと、
当該回転ブラシを回転させるために当該シャーシーに設けたブラシ用モーターと、
当該シャーシーを往復走行可能とする少なくとも1対の駆動輪と、
当該駆動輪を、直接又は間接に駆動する可逆モーターと、
当該可逆モーターの回転方向を切り替えるための切替スイッチと、
当該ブラシ用モーターと当該可逆モーターとに電源供給するための電力供給端子と、を備えている
ことを特徴とするパチンコ玉搬送樋の自走式清掃装置。 - 前記シャーシーが、清掃時に前記両側壁と対向する両側部を備え、
前記ガイド手段を、当該両側部に設けた少なくとも2対のガイドローラーにより構成してある
ことを特徴とする請求項1に記載した自走式清掃装置。 - 前記1対の駆動輪を、清掃時に前記底板上を走行可能に構成してある
ことを特徴とする請求項1又は2に記載した自走式清掃装置。 - 前記切替スイッチには、当該シャーシーの自走方向両端から突き出す1対のアクチュエーターを設けてあり、
当該アクチュエーターの各々が、清掃時に自走方向前方に存在する障害物を検知したときに当該切替スイッチが作動するように構成してある
ことを特徴とする請求項1乃至3の何れかに記載したパチンコ玉搬送樋の自走式清掃装置。 - 前記電力供給端子が、前記シャーシー上面に設置したバッテリーのバッテリー端子である
ことを特徴とする請求項1乃至4の何れかに記載したパチンコ玉搬送樋の自走式清掃装置。 - 前記シャーシー上面側から見た当該ブラシ用モーターを中心とする前記回転ブラシの回転領域内に、前記バッテリーの重心が位置するように当該バッテリーを配してあり、
当該シャーシー上面上の当該回転ブラシの回転領域内であって、当該ブラシ用モーターを挟んで当該バッテリーと対向する位置に前記可逆モーターの重心が位置するように当該可逆モーターを配してある
ことを特徴とする請求項5に記載したパチンコ玉搬送樋の自走式清掃装置。 - 前記シャーシー上面には、洗浄補助液を貯留するための補助液タンクを設けてあり、
当該補助液タンクが、清掃時に前記底板上に当該洗浄補助液を滴下可能とする滴下路を備えている
ことを特徴とする請求項1乃至6の何れかに記載したパチンコ玉搬送樋の自走式清掃装置。
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Cited By (1)
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CN115156214A (zh) * | 2022-06-29 | 2022-10-11 | 中建八局第一建设有限公司 | 一种不锈钢集水槽清理装置 |
-
2002
- 2002-09-30 JP JP2002286972A patent/JP2004121368A/ja active Pending
Cited By (2)
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