JP2004121324A - 空気清浄機 - Google Patents

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Toshihiro Shudo
周藤 敏弘
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Abstract

【課題】フィルターで雑菌が増殖するのを抑制し、且つ、有害なオゾンが本体ケース外に漏洩するのを防止する。
【解決手段】送風機34の駆動により本体ケース1内に吸い込んだ空気をフィルター29、30、31で浄化して本体ケース外に吹き出す空気清浄機において、オゾン発生装置37を制御すると共に送風機34を制御する制御部61を具え、この制御部61は、送風機34を所定の風量以下にて駆動した際に、オゾン発生装置37を動作可能とする。
【効果】オゾンが外部に漏洩する恐れの少ない所定の風量以下で運転している場合には、オゾンにてフィルターでの雑菌の殺菌や臭気成分の分解を行うことができ、オゾンの外部への漏洩の恐れが高くなる所定の風量以上で運転している場合には、オゾン発生手段を停止することで、オゾンの漏洩を防止した状態で部屋の空気を迅速且つ安全に浄化できる。
【選択図】   図9

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、送風機の駆動により本体ケース内に吸い込んだ空気を浄化して本体ケース外に吹き出す空気清浄機に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、この種の空気清浄機として、本体ケース内に設けられた送風機の駆動によって本体ケース内に吸い込んだ空気を、集塵フィルターと脱臭フィルターとを順次通過させ、集塵フィルターで塵埃を除去すると共に脱臭フィルターで臭気成分を除去して浄化し、この浄化した空気を本体ケース外に吹き出すものが知られている(特許文献1)。
【0003】
このような空気清浄機は、集塵フィルターにて捕集された塵埃に雑菌が付着して増殖すると、やがて、本体ケース外に吹き出された空気が臭うようになり、使用者に不快感を与えることがあった。また、集塵フィルターの交換時に増殖した雑菌が飛散し、不衛生となっていた。
【0004】
この点を解消するものとして、出願人は、既に、累積運転時間が所定時間に達する毎に、所定の動作時間だけ、送風機にて最も少ない微弱での送風を行い、且つ、オゾン発生装置にてオゾンを発生させ、集塵フィルターに付着した雑菌の殺菌及び臭気成分の分解を行うものを出願している(特許文献2)。
【0005】
しかしながら、浄化しようとしている部屋の空気が汚れている場合でも、累積運転時間が所定時間に達すると、オゾンを発生して風量は微弱にされるので、この間に効率良く部屋の空気の浄化を行えないという問題が生じる。かといって、このオゾン発生時に、部屋の空気の汚れ状態に応じて風量を変えるようにすると、空気が汚れて風量が多くなっている(風速が速くなる)場合に、有害なオゾンが充分に分解されずに浄化された空気と一緒に本体ケース外に漏洩しやすくなるという問題が生じる。
【0006】
【特許文献1】
特開2002−79018号公報(3頁の段落番号17から同頁の段落番号19及び図2)
【特許文献2】
特願2002−274660号(明細書の11頁の段落番号53から12頁の段落番号61及び図7)
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、オゾン発生手段を用いて集塵フィルター等のフィルターで雑菌が増殖するのを抑制できるようにしても、迅速に部屋の汚れた空気を浄化でき、且つ、有害なオゾンが本体ケース外に漏洩することのない空気清浄機を提供することを課題とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するための第1の手段は、送風機の駆動により本体ケース内に吸い込んだ空気をフィルターで浄化して本体ケース外に吹き出す空気清浄機において、オゾン発生手段を制御すると共に前記送風機を制御する制御部を具え、この制御部は、前記送風機を所定の風量以下にて駆動した際に、前記オゾン発生手段を動作可能とし、前記オゾン発生手段にて発生したオゾンを前記送風機にて発生した風により前記フィルターに当てるようにしたものである。
【0009】
かかる構成により、オゾンの外部への漏洩の恐れが少ない所定の風量以下で運転している場合に、オゾン発生手段を動作させることで、オゾンにてフィルターに付着する雑菌の殺菌や臭気成分の分解を安全に行うことができると共に、オゾンの外部への漏洩の恐れが高くなる所定の風量以上で運転する場合には、オゾン発生手段を停止することでオゾンの漏洩を防止でき、部屋の空気を安全且つ迅速に浄化ができる。
【0010】
上記構成において、前記制御部は、運転時間が所定の累積時間に達する毎に、前記送風機が所定の風量以下の状態で前記オゾン発生手段を動作させるようにすれば、使用者が特段操作しなくとも定期的にオゾンを発生させ、フィルターに付着する雑菌を殺菌できる。またフィルターに吸着した臭気成分も分解して除去する。
【0011】
また、前記制御部は、前記オゾン発生手段を所定の時間動作させると共に前記送風機が所定の風量以下の場合に前記所定の時間のカウントを行うことで、所定時間の中にはオゾンが漏洩する恐れが高くなる所定の風量以上で運転している時間は含まれず、フィルターに付着した雑菌の殺菌や、臭気成分の分解を安全且つ充分に行うことができる。
【0012】
上記課題を解決するための第2の手段は、送風機の駆動により本体ケース内に吸い込んだ空気をフィルターで浄化して本体ケース外に吹き出す空気清浄機において、オゾン発生手段を制御すると共に浄化する空気の汚れ状態に応じて前記送風機を制御する制御部を具え、この制御部は、前記汚れ状態が所定以下の場合に、前記オゾン発生手段を動作可能とし、前記オゾン発生手段にて発生したオゾンを前記送風機にて発生した風により前記フィルターに当てるようにしたものである。
【0013】
かかる構成により、部屋の汚れ度合いが所定以下の場合には、オゾンの外部への漏洩の恐れが少ない風量で運転しているので、フィルターに付着する雑菌の殺菌や臭気成分の分解を行うためにオゾンを発生させてもオゾンの外部への漏洩を防止して安全に行うことができると共に、部屋の汚れ度合いが所定以上の場合には、オゾンの外部への漏洩の恐れが高くなる風量で運転しているので、オゾン発生手段を停止することでオゾンが外部に漏洩することがなく、部屋の空気を安全且つ迅速に浄化できる。
【0014】
上記構成において、前記制御部は、運転時間が所定の累積時間に達する毎に、前記汚れ状態が所定以下の状態で前記オゾン発生手段を動作させることで、使用者が特段操作しなくとも定期的にオゾンを発生させ、フィルターに付着する雑菌の殺菌やフィルターに吸着した臭気成分も分解して除去でき、しかも少ない風量で運転されているのでオゾンの外部への漏洩を防止できる。
【0015】
また、前記制御部は、前記オゾン発生手段を所定の時間動作させると共に前記汚れ状態が所定以下の場合に前記所定の時間のカウントを行うことで、所定時間の中には、部屋の汚れ状態が所定以上で所定の風量以上で運転する場合の時間は含まれず、フィルターに付着した雑菌の殺菌や、臭気成分の分解を安全且つ充分に行うことができる。
【0016】
また、前記オゾン発生手段は、前記フィルターの上部に位置させることで、空気より重いオゾンが自重により下方に移動して拡散するようになり、フィルターのより広い範囲を満遍なく殺菌したり臭気成分を分解したりすることができる。
【0017】
【発明の実施の形態】
本発明の実施の形態における空気清浄機を図1乃至図9に基づき説明する。尚、以降、前カバー3側を正面とし、後ケース2側を背面とする。
【0018】
1は合成樹脂にて形成された空気清浄機の本体ケースで、図4に示すように正面側を開口する後ケース2と、この後ケース2に着脱自在に装着される前カバー3とから構成されている。
【0019】
前カバー3には上部に後述する操作部39(図6)が形成され、図1に示すように正面の略中央には透光性を有する化粧板4が設けられている。この化粧板4の左右両側面と底部には図4及び図5に示すように前カバー3の裏面側と連通する開口5が形成されており、後述する側方吸気口8、下部吸気口7等に加え、これらの開口5からも本体ケース1内に空気を取り入れるようにしている。
【0020】
前記前カバー3において化粧板4の下方には、化粧板4の底部の開口5周縁から前方側に膨出する膨出部6が形成されており、この膨出部6の底面側には前カバー3のほぼ全体に渡って横長の下部吸気口7が形成されている。
【0021】
また、前カバー3の相対向する一側面(左側面)と他側面(右側面)には切り欠きにて側方吸気口8、8が夫々形成されている。これらの側方吸気口8、8の近傍には、側方吸気口8から吸い込んだ空気を前カバー3の裏面側へ案内する変向部9がネジ10にて夫々取り付けられている。
【0022】
また、前カバー3の裏面には、図3乃至図5に示すように各側方吸気口8周縁から内方に向かって複数のリブ11が形成されている。更に、底部から上方側に向かって複数のリブ12が形成されている。
【0023】
一側面側のリブ11の中間位置には斜め上方に傾斜する第1案内部13が形成され、他側面側のリブ11の中間位置には斜め下方に傾斜する第2案内部14が形成されている。更に、前カバー3の底部側のリブ12は、下部吸気口7近傍から一側面側へ屈曲され、斜め上方に傾斜する第3案内部15が形成されている。
【0024】
また、前カバー3の底部には、図4に示すように後ケース2の正面側下部に形成された係止孔16に挿入される係止部17が形成され、前カバー3の左右両側には図1及び図2に示す押しボタン18の操作により後述する仕切板27に着脱自在に係止される係止爪(図示せず)が形成されている。
【0025】
後ケース2の底部には脚19が一体に形成されている。この脚19の正面側には前カバー3の下部吸気口7に対面する個所に正面側に向かって下る傾斜面20が形成されている。そして、傾斜面20には連通口21が形成されている。また、後ケース2の両側面の下部には側面副吸気口22が形成され、背面の下部には背面副吸気口23が形成されている。そして、本体ケース1内には、側面副吸気口22及び背面副吸気口23と連通口21とを介して本体ケース1外と連通する通路24が脚19内の空間を利用して形成されている。ここで、1aは脚19内の空間と背面副吸気口23とを連通させるための穴である。
【0026】
後ケース2の上面には格子状の排気口25が形成され、背面には図示しない把手と渦巻き状のファンケーシング26が形成されており、このファンケーシング26内は排気口25を介して本体ケース1外と連通されている。
【0027】
27は本体ケース1内を前後に区画する仕切板で、その中央部に前後の空間を連通する穴27aが形成されている。この仕切板27には、前カバー3(正面)側を開口する凹状の収納部28が形成されており、この収納部28に、プレフィルター29と集塵フィルター30と脱臭フィルター31とが風下側に向かって順次収納される。
【0028】
前記プレフィルター29は、格子状の合成樹脂製枠体上に不織布からなるフィルター素材(図示せず)を保持した構成となっており、その上端を収納部28の上壁に形成されたリブ32と集塵フィルター30との間に挿入し、下端を収納部28の下壁に形成した孔33に係止して取り付けられる。
【0029】
前記集塵フィルター30は、エレクトレット化されたポリプロピレン不織布を襞折り状に加工してその周囲を紙製枠体に固着して形成されており、プレフィルター29を通過した空気中の塵埃を除去する。
【0030】
そして、前記脱臭フィルター31は活性炭等を内蔵し、空気中の臭気成分を吸着して除去する。
【0031】
また、収納部28の近傍には粉塵センサ60(図8)が設けられている。この粉塵センサ60は、本体ケース1内に吸い込まれた空気に光を照射して反射した光の量を検出する。そして、花粉が含まれる可能性のある直径が所定値d以上の粉塵(ここでは1μm以上)であるダスト大の量と、花粉が含まれる可能性の殆どない直径が所定値d未満の粉塵であるダスト小の量とを夫々検知し、後述する制御部61へ出力する。
【0032】
34は仕切板27の後ケース2側に配設される送風機で、仕切板27に取り付けられたモータ35と、このモータ35により駆動されるファン36とで構成されている。
【0033】
37はプレフィルター29の外側に位置して本体ケース1の上部に設けられたオゾン発生手段としてのオゾン発生装置で、セラミックで覆われた電極間に高電圧(ここでは直流6kV)を印加することでオゾンを発生させる。
【0034】
38は本体ケース1の上部に設けられた制御基板で、制御部61が設けられている。この制御部61には、図8に示すように、粉塵センサ60、ガスセンサ62、モード選択スイッチ46、受信部45、送風機34、オゾン発生装置37及び表示部63が接続されている。そして、制御部61は、粉塵センサ60、ガスセンサ62、モード選択スイッチ46、受信部45からの信号が入力され、粉塵センサ60と後述するガスセンサ62からの出力に応じて、ダスト大、ダスト小及び臭気成分の量を、少ない場合A、中程度の場合B、多い場合Cの3段階にそれぞれ判別すると共に、送風機34、オゾン発生装置37及び表示部63を制御する。また、電源が投入されると運転の累積時間Tのカウントを開始し、運転停止時に累積時間Tのカウントが停止されると共に累積時間Tの値及び後述するオゾン発生装置37の動作時間TTの値が記憶される。
【0035】
39は本体ケース1の上部に設けられた操作部で、図6に示すように交換時期表示灯40と、後述する図7に示すフィルター浄化モード時に表示される表示灯41と、タイマー表示灯42と、汚れ状態表示灯43と、運転モード表示灯44とから構成される前記表示部63と、図示しないリモコンからの信号を受信する前記受信部45と、前記モード選択スイッチ46等が設けられている。この操作部39の内方にはガスセンサ62が設けられている。
【0036】
交換時期表示灯40は累計の運転時間が所定値に達すると点滅し、この点滅により集塵フィルター30及び脱臭フィルター31の交換時期を使用者に知らせる。
【0037】
タイマー表示灯42はリモコンからの信号により設定された時間(ここでは1時間、2時間及び8時間の3種類)を3段階に点灯して表示すると共に、運転停止までの時間に応じて段階的に消灯し、使用者に運転停止までの時間を認識させる。
【0038】
汚れ状態表示灯43は、本体ケース1内に吸い込まれた空気の汚れ状態を粉塵センサ60からの出力に応じて表示するダスト大表示灯47及びダスト小表示灯48と、ガスセンサ62からの出力に応じて表示される臭い表示灯49とで構成されている。
【0039】
ダスト大表示灯47はダスト大の量に応じて制御部61にて制御され、少ない場合Aで緑、中程度の場合Bで黄色、多い場合Cで赤く点灯される。一方、ダスト小表示灯48はダスト小の量に応じて制御部61にて制御され、少ない場合Aで緑、中程度の場合Bで黄色、多い場合Cで赤く点灯される。
【0040】
そして、臭い表示灯49はガスセンサ62で検知された臭気成分の量に応じて制御部61にて制御され、少ない場合Aで緑、中程度の場合Bで黄色、多い場合Cで赤く点灯される。
【0041】
これらダスト大表示灯47、ダスト小表示灯48及び臭い表示灯49の表示にて使用者に部屋の汚れ状態を認識させる。
【0042】
運転モード表示灯44は、自動モードを表示する自動表示灯50と、風量が微弱、弱、中、強、特強の順で段階的に表示領域が広くなって各風量を識別可能に表示する風量表示灯51と、ターボモードを表示するターボ表示灯52と、花粉モードを表示する花粉表示灯53とから構成される。風量表示灯51は微弱モード、弱モード、中モード、強モード、特強モードで設定される風量によって各モードを認識できるようにもなっている。
【0043】
モード選択スイッチ46は、押す毎に、自動モード、微弱モード、弱モード、中モード、強モード、特強モード、ターボモード、花粉モード、運転停止とが順次切り換えられるようになっている。
【0044】
自動モードでは粉塵センサ60やガスセンサ62で検知された出力に基づいて制御部61によって送風機34による風量が自動的に調整される。具体的には、粉塵センサ60で検知されたダスト大の量とダスト小の量及びガスセンサ62にて検知された臭気成分の量のうちの全てが少ない場合Aで微弱の風量に設定され、いずれかが中程度の場合Bで他が少ない場合Aに弱の風量に設定され、いずれかが多い場合Cで中の風量に設定される。
【0045】
微弱モード、弱モード、中モード、強モード及び特強モードでは、粉塵センサ60やガスセンサ62からの出力に関係なく、微弱モード、弱モード、中モード、強モード、特強モードの順に風量が多くなるようにそれぞれ風量が設定されて運転される。
【0046】
ターボモードにおいては所定時間(ここでは3分)特強の風量で運転した後、所定時間(ここでは3分)強の風量で運転して停止される。このモードを行うことで、部屋が多くの塵埃や臭気成分で汚れた状態であっても、塵埃や臭気成分を急速に除去して所定の量以下の状態に迅速にすることができる。
【0047】
花粉モードでは、ダスト大の量によって設定される風量を通常の風量より一段階多くなる、具体的には、ダスト大が少ない場合Aで弱、中程度の場合Bで中、多い場合Cで強の風量に設定される。そして、自動運転時と同様に、ダスト大の量に応じた風量と、ダスト小の量に応じた風量と、臭い成分の量に応じた風量の内、最も多い風量でファン36が駆動される。この花粉モードの運転を花粉が多く浮遊していると思われる時期に行うことで、通常の風量より多くして気になる花粉を迅速に除去することができる。
【0048】
次に動作について説明する。
【0049】
電源切り状態からモード選択スイッチ46を押すと電源が投入され、制御部61に記憶された累積時間Tの値からカウントが開始されると共に、モード選択スイッチ46を押す毎に運転モードが切り換えられる。そして、自動モード等が選択されると、送風機34のファン36が選択されたモードに応じた風量にて駆動される。
【0050】
ファン36が駆動されると、一側面及び他側面の側方吸気口8、8からは変向部9にてリブ11側に案内されながら本体ケース1のプレフィルター29の風上側に空気が吸い込まれる。そして、プレフィルター29の風上側の面に沿うようにして、一側面側から吸い込まれた空気は一側面側のリブ11に形成された第1案内部13に案内されて風向が水平方向から斜め上方側に向かって変更され、他側面から吸い込まれた空気は他側面側のリブ11に形成された第2案内部14に案内されて風向が斜め下方に変更される。
【0051】
そして、下部吸気口7からは脚19の傾斜面20に案内されてスムーズに床面近傍の空気が吸い込まれ、リブ12に形成された第3案内部15に案内されて風向が上方から一側面側の斜め上方に変更される。
【0052】
このように、第1案内部13と第2案内部14と第3案内部15で夫々風向を変向することで、吸引された空気はプレフィルター29の風上側の面に沿うようにして旋回しながらプレフィルター29側に向かうようになる。
【0053】
また、化粧板4の周縁の開口5からも本体ケース1内に空気が吸い込まれる。特に、下側の開口5からは膨出部6に案内されてスムーズに空気が取り入れられる。
【0054】
また、下部吸気口7から吸い込まれる空気の流れに誘引されて、背面副吸気口23及び左右両側面の側面副吸気口22、22から床面近傍の空気が吸い込まれ、通路24から連通口21、下部吸気口7を介して本体ケース1内のプレフィルター29の風上側に流入する。
【0055】
このようにして、プレフィルター29の風上側に流入した空気は第1案内部13、第2案内部14及び第3案内部15に風向を変更されることで旋回しながらプレフィルター29を通過して粗塵が除去され、集塵フィルター30を通過してプレフィルター29を通過した塵埃が除去され、脱臭フィルター31を通過して臭気成分が除去される。そして、塵埃や臭気成分を除去して浄化された空気は穴27aからファンケーシング26内に流入し、ファンケーシング26に案内されて排気口25から吹き出される。これにより、空気清浄機が設置された部屋の空気が浄化される。
【0056】
次に、図9のフローチャートに基づいて上記運転中に行われるフィルター浄化モードについて説明する。
【0057】
上記運転中、累積時間Tが所定時間t0(ここでは24時間)以上なったかどうかが判断され(ステップS1)、t0より小さい場合はそのままの運転で累積時間Tのカウントが行われ(ステップS2)、ステップS1に戻る。
【0058】
t0以上になると累積時間Tが初期化される(ステップS3)。そして、累積時間Tのカウントを行い(ステップS4)、運転中の風量、即ち、前述の微弱、弱、中、強、特強のいずれかを検知し、この風量が所定値(ここでは「弱」)以下かどうかが判断される(ステップS5)。
【0059】
風量が所定値を超える(中以上)場合には、フィルター浄化モードでの運転は行わず、オゾン発生装置37を停止し、動作時間TTをそのままの値とし(ステップS6)、ステップS8に移行する。
【0060】
風量が所定値以下の場合は、オゾンを発生させても外部に漏洩する恐れの少ない風量であると判断し、表示灯41を点灯する。そして、オゾン発生装置37を図7に示すように第1所定時間t1(ここでは6分)動作した後第2所定時間t2(ここでは6分)停止するという動作を繰り返すフィルター浄化モードでの運転を開始すると共に、動作時間TTのカウントを開始し(ステップS7)、ステップS8に移行する。
【0061】
この運転時、オゾン発生装置37を動作するとオゾンが発生する。発生したオゾンは、空気より重いことから、プレフィルター29の上方に位置するオゾン発生装置37から自重でプレフィルター29側へ拡散すると共に、第1案内部13と第2案内部14と第3案内部15によって旋回するように流れる空気に乗ってプレフィルター29の上流側で満遍なく拡散する。拡散されるオゾンは短時間のうちに分解されて、活性酸素等を発生させながらプレフィルター29、集塵フィルター30、脱臭フィルター31を通過する。
【0062】
そして、拡散されたオゾンの分解にて発生した活性酸素等にて、プレフィルター29、集塵フィルター30及び脱臭フィルター31に付着した雑菌が満遍なく殺菌され、雑菌の増殖が抑制されると共に、吸着した臭気成分が満遍なく分解される。
【0063】
この運転中、フィルター浄化モードでの動作時間TTが所定時間t3に達したかどうかが判断され(ステップS8)、達していない場合にはステップS4に戻り、上記運転が継続される。
【0064】
達した場合には、プレフィルター29、集塵フィルター30及び脱臭フィルター31等に付着した雑菌や臭気成分の除去が充分に行われたと判断し、動作時間TTを初期化して(ステップS9)、フィルター浄化モードでの運転を完了し、ステップS1に戻る。
【0065】
上述の如く、所定時間t0毎にプレフィルター29、集塵フィルター30及び脱臭フィルター31を浄化するフィルター浄化モードでの運転を自動的に行うことで、プレフィルター29、集塵フィルター30及び脱臭フィルター31での雑菌の増殖を抑制できると共に臭気成分の除去を行うことができるので、長期間運転を行っても増殖した雑菌が排気口25から排出されることがなく使用できると共に、臭気成分が排気される風に乗って排出されることがなく、快適に使用できる。また、プレフィルター29等の交換時に、プレフィルター29や集塵フィルター30から増殖した雑菌が飛散することがなく、衛生的に作業を行うことができる。
【0066】
このフィルター浄化モードでの運転を、浄化しようとする部屋の空気の汚れ状態に応じて設定される風量を検知して、風量が所定値(弱)を超える(中以上)場合に一次停止するようにすることで(ステップS5、ステップS6)、部屋の空気の汚れがひどい場合には、オゾンを発生させず、オゾンの外部への漏洩の恐れのない状態で部屋の空気の汚れの浄化を優先的に行うことができる。
【0067】
また、風量が所定値以下になるまでフィルター浄化モードでの運転を一次停止することで、フィルター浄化モードでの動作時間TTの中に、部屋の空気の汚れ状態がひどくなって風量が所定値以上で運転される時間は含まれず、フィルター浄化モードでの運転が所定時間行われ、プレフィルター29、集塵フィルター30及び脱臭フィルター31を安全且つ充分に浄化できる。
【0068】
尚、上記実施の形態の如く、累積時間Tが所定値t0毎にフィルター浄化モードでの運転を行うようにして、使用者が特段操作しなくとも定期的にオゾンを発生させ、プレフィルター29、集塵フィルター30及び脱臭フィルター31を浄化するようにしたが、手動スイッチ等によりフィルター浄化モードを行うようにしても良い。
【0069】
また、フィルター浄化モードにおいて部屋の空気の汚れ状態に応じて風量が変化する場合を示したが、これに限定されるものではなく、モード選択スイッチ46の手動操作により風量が設定される場合にも同様の制御が行われるようになっている。
【0070】
このフィルター浄化モードは、浄化する空気の汚れ状態に応じて設定される風量を検知して、この風量に基づいてフィルター浄化モードでの運転を行うかどうかを判断したが、浄化する空気の汚れ状態、即ち、粉塵センサ60やガスセンサ62からの出力に応じてフィルター浄化モードでの運転を行うかどうかを判断するようにしても良い。
【0071】
また、オゾン発生装置37をプレフィルター29の外方で上方側に位置させ、プレフィルター29などの交換に邪魔にならず、且つ、発生するオゾンをその自重でプレフィルター29の下方側に向かって拡散させるようにすることが望ましいが、オゾン発生装置37はプレフィルターの側方側等他の場所に設けても良い。
【0072】
また、フィルターとしてプレフィルター29と集塵フィルター30と脱臭フィルター31とを設けた場合を示したが、これらのうちの一つ又は2つが設けられていても良い。
【0073】
【発明の効果】
本発明の請求項1によれば、オゾンの外部への漏洩の恐れが少ない所定の風量以下で運転している場合には、オゾン発生手段を動作させることで、オゾンにてフィルターに付着する雑菌の殺菌や臭気成分の分解を安全に行うことができると共に、オゾンの外部への漏洩の恐れが高くなる所定の風量以上で運転している場合には、オゾン発生手段を停止することでオゾンの漏洩を防止でき、部屋の空気を安全且つ迅速に浄化できる。
【0074】
本発明の請求項2によれば、使用者が特段操作しなくとも定期的にオゾンを発生させ、フィルターに付着する雑菌の殺菌や吸着した臭気成分の分解を行うことができる。
【0075】
本発明の請求項3によれば、所定時間の中には、オゾンが漏洩する恐れが高くなる所定の風量以上で運転している時間は含まれず、フィルターに付着した雑菌の殺菌や、臭気成分の分解を安全且つ充分に行うことができる。
【0076】
本発明の請求項4によれば、部屋の汚れ度合いが所定以下の場合には、オゾンの外部への漏洩の恐れが少ない風量で運転しているので、フィルターに付着する雑菌の殺菌や臭気成分の分解を行うためにオゾンを発生させてもオゾンの外部への漏洩を防止して安全に行うことができると共に、部屋の汚れ度合いが所定以上の場合には、オゾンの外部への漏洩の恐れが高くなる風量で運転しているので、オゾン発生手段を停止することでオゾンが外部に漏洩することがなく、部屋の空気を安全且つ迅速に浄化できる。
【0077】
本発明の請求項5によれば、使用者が特段操作しなくとも定期的にオゾンを発生させ、フィルターに付着する雑菌の殺菌やフィルターに吸着した臭気成分も分解して除去できる。
【0078】
本発明の請求項6によれば、所定時間の中にはオゾンが漏洩する恐れが高くなる所定の風量以上で運転している時間は含まれず、フィルターに付着した雑菌の殺菌や、臭気成分の分解を安全且つ充分に行うことができる。
【0079】
本発明の請求項7によれば、空気より重いオゾンが自重により下方に移動して拡散するようになり、フィルターのより広い範囲を満遍なく殺菌したり臭気成分を分解したりすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態を示す空気清浄機の正面図である。
【図2】同空気清浄機の側面図である。
【図3】同空気清浄機の前カバーを取り外した状態での正面図である。
【図4】同空気清浄機の側面断面図である。
【図5】同空気清浄機の平面断面図である。
【図6】同空気清浄機の操作部近傍の詳細図である。
【図7】同空気清浄機のオゾン発生装置の動作状態を示す図である。
【図8】同空気清浄機のブロック回路図である。
【図9】同空気清浄機のフィルター浄化モードが行われる場合の制御を示したフローチャートである。
【符号の説明】
1    本体ケース
29    プレフィルター
30    集塵フィルター
31    脱臭フィルター
34    送風機
37    オゾン発生装置(オゾン発生手段)
41    表示灯(報知手段)
61    制御部
T    累積時間
t0    所定時間(所定の累積時間)
TT    動作時間
t3    所定時間

Claims (7)

  1. 送風機の駆動により本体ケース内に吸い込んだ空気をフィルターで浄化して本体ケース外に吹き出す空気清浄機において、オゾン発生手段を制御すると共に前記送風機を制御する制御部を具え、該制御部は、前記送風機を所定の風量以下にて駆動した際に、前記オゾン発生手段を動作可能とし、前記オゾン発生手段にて発生したオゾンを前記送風機にて発生した風により前記フィルターに当てるようにしたことを特徴とする空気清浄機。
  2. 前記制御部は、運転時間が所定の累積時間に達する毎に、前記送風機が所定の風量以下の状態で前記オゾン発生手段を動作させることを特徴とする請求項1に記載の空気清浄機。
  3. 前記制御部は、前記オゾン発生手段を所定の時間動作させると共に前記送風機が所定の風量以下の場合に前記所定の時間のカウントを行うことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の空気清浄機。
  4. 送風機の駆動により本体ケース内に吸い込んだ空気をフィルターで浄化して本体ケース外に吹き出す空気清浄機において、オゾン発生手段を制御すると共に浄化する空気の汚れ状態に応じて前記送風機を制御する制御部を具え、該制御部は、前記汚れ状態が所定以下の場合に、前記オゾン発生手段を動作可能とし、前記オゾン発生手段にて発生したオゾンを前記送風機にて発生した風により前記フィルターに当てるようにしたことを特徴とする空気清浄機。
  5. 前記制御部は、運転時間が所定の累積時間に達する毎に、前記汚れ状態が所定以下の状態で前記オゾン発生手段を動作させることを特徴とする請求項4に記載の空気清浄機。
  6. 前記制御部は、前記オゾン発生手段を所定の時間動作させると共に前記汚れ状態が所定以下の場合に前記所定の時間のカウントを行うことを特徴とする請求項4乃至請求項5に記載の空気清浄機。
  7. 前記オゾン発生手段は、前記フィルターの上部に位置させてなる請求項1乃至請求項6のいずれかに記載の空気清浄機。
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