JP2004121022A - ペットフ−ド用組成物 - Google Patents
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Abstract
【目的】優れた嗜好性を有するペットフード用組成物を提供すること。
【構成】有効成分として、適当な温度(70〜100℃)で加熱処理を行うことにより犬、猫等の雑食・肉食性のペットの好むフレ−バ−を付与した酵母エキスを含有することを特徴とするペットフード用組成物。
【効果】ペットの好む良好なフレ−バ−を付与した酵母エキスを用いることで、容易かつ安価に、高い嗜好性を有する安全なペットフード用組成物を提供できる。
【選択図】なし
【構成】有効成分として、適当な温度(70〜100℃)で加熱処理を行うことにより犬、猫等の雑食・肉食性のペットの好むフレ−バ−を付与した酵母エキスを含有することを特徴とするペットフード用組成物。
【効果】ペットの好む良好なフレ−バ−を付与した酵母エキスを用いることで、容易かつ安価に、高い嗜好性を有する安全なペットフード用組成物を提供できる。
【選択図】なし
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ペットフード用組成物に関し、さらに詳しくは犬、猫等の雑食、肉食性ペット用のペットフ−ド用組成物に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
近年、動物愛護や少子化等の様々な理由からペットブームとなり、犬や猫等の愛玩動物が多く飼育されるようになってきている。本来犬猫等は野生の環境下では、獲物を捕獲して生の肉の状態のままで摂取してきたが、ペットとして飼われるようになってから、更には住宅事情の変化から人間と共に生活を強いられる事が多くなり、その食生活が大きく変化した。すなわち、人が調理・加工した食材から、より簡便なペットフードが普及し、ペットの嗜好に合わせた食材を利用し味付けもかなり工夫されてきている。こうしたペットをとりまく環境変化により、ペットフードの嗜好性向上に対する消費者ニーズも増大している。
【0003】
市販のペットフードには、水分が10%程度以下に調製加工されたドライタイプ、水分が70%程度のウエットタイプ(缶詰類)、水分が20〜40%程度加熱発泡させたソフトドライタイプ、発泡させないセミモイストタイプの4種に大別される。この中でドライタイプ、ソフトドライタイプ及びセミモイストタイプは栄養バランスをとりやすい、大量生産が可能及び低コスト等の理由で主流を占めている。しかしながら、これら水分含量の少ないタイプは一般的に嗜好性が劣るため、同じものを与え続けると直ぐに飽きて十分に摂取されず、ペットの健康にも支障をきたすといった問題点を有している。
これらの問題を解決するために、乳又は乳加工品のリパーゼ及びプロテアーゼによる酵素分解物を有効成分として含有する事を特徴とするペットフード用飼料添加剤が開示されている(例えば特許文献1参照)。
また、ペットフード用嗜好性物質として、テアニンを含有させる方法が開示されている。テアニンは緑茶葉に含まれる旨味成分であり生理活性も報告されているが、価格が非常に高価であり、ペットフードに広く使用するには価格的に困難である(例えば特許文献2参照)。
さらに、特定の水分含量の全肉タイプのペットフードと特定の水分含量のドライペットフードを配合し、熟成により水分均衡させることで嗜好性が改善したペットフードに関する技術が開示されている。しかし、製造工程中の水分管理が煩雑である等の欠点を有する(例えば特許文献3参照)。
【0004】
一方、において、糖類と混合加熱した加熱処理した酵母エキスを、家畜用の嗜好性飼料用原料に用いることが紹介されている。(例えば特許文献4参照)。
【特許文献1】
特開2001−145464号(第2項―第4項)
【特許文献2】
特開2001−29022号 (第2項―第4項)
【特許文献3】
特開平9−149764号 (第2項―第3項)
【特許文献4】
特許第3265101号 (第2項―第3項)
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、これまでの技術では、嗜好性向上、製造方法の簡便さ、そしてコスト面(コストを抑える)の全てを満足させる効果的な方法は開示されておらず、また、雑食性のペットの嗜好性を向上させるペットフード用組成物を提供されているとはいえない。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、ペットフードの嗜好性を向上させる観点から鋭意研究を行った結果、加熱処理しフレ−バ−を付与させた酵母エキスを添加することでペットフードの嗜好性を顕著に改善させることを見出し、本発明を完成するに至った。すなわち、本発明は加熱処理によりフレ−バ−の付与された酵母エキスを含有することを特徴とする嗜好性向上ペットフ−ド用組成物に関するものである。
【0007】
【発明の実施の形態】
本発明のペットフ−ド用組成物は、加熱処理しフレ−バ−を付与した酵母エキスが主成分である。
【0008】
本発明で酵母エキスの原料となる酵母は、可食性のものであれば特に制限はなく、ビール酵母,パン酵母,アルコール酵母,清酒用酵母など一般に食品工業で用いられているものを使用することが出来る。このような酵母としては、例えばサッカロマイセス(Saccharomyces)属、ピキア(Picia)属、ハンゼヌラ(Hansenula)属、デバリオマイセス(Debariomyces)属、キャンディダ(Candida)属、クリベロマイセス(Kluyveromyces)属、チゴサッカロマイセス(Zygosaccharomyces)属等に属する酵母が挙げられる。このような酵母の例としては、サッカロマイセス・セレビシエ(Saccharomyces cerevisiae IFO 1954,IFO0309,IAM 4274)、ピキア・ステイピティス(Picia stipitis IFO 1720)、ハンゼヌラ・アノマラ(Hansenula anomala IFO 1150)、デバリオマイセス・ハンセニイ(Debariomyces hansenii IFO 0855、IFO 1752)、キャンディダ・ユーティリス(Candida utilis IFO 0619,ATCC 15239)、クリベロマイセス・ラクチス(Kluyveromyces ATCC 56498)、クリベロマイセス・マルキシアヌス(Kluyveromyces marxianus ATCC 36534)、チゴサッカロマイセス・ルーキシー(Zygosaccharomyces rouxii ATCC 28253、ATCC 13356)等に属する酵母が挙げられる。これらの酵母の中から1種若しくは2種以上の酵母を用いる。中でもキャンディダ属酵母は菌体収率が高く培養もしやすいので好ましい。
酵母エキスの製法については、酵素分解法、自己消化法、酵素分解法と自己消化の併用等公知の方法で製造すればよい。
本発明の酵素分解法で使用する細胞壁溶解酵素剤としてはグルカナーゼ,マンナナーゼを含有し、酵母細胞壁を溶解するに十分な活性を有するものであればかまわないが、例えば市販の細胞壁溶解酵素としては、YL−15(天野エンザイム(株)製),ツニカーゼ(大和化成(株)製),キタラーゼ(クミアイ化学(株)製)などがあげられる。プロテアーゼについては、エンド型、エキソ型何れのものを使用してもかまわない。例えば市販のプロテアーゼ製剤としてはアマノM(天野エンザイム(株)製)、プロチンFN(大和化成(株)製)等があげられる。
【0009】
酵母を10〜15%程度の適当な濃度に懸濁させたのち、酵素分解法の場合には80〜120℃好ましくは90〜100℃で加熱し、菌体内酵素の失活を行う。加熱時間は10分程度で十分である。次に細胞壁溶解酵素、プロテアーゼを作用させ細胞内のタンパク質を分解し呈味成分を溶出させるが、酵素添加量、酵素反応温度、pHは特に限定するものではなく、各々の酵素の最適条件下で行えばよい。反応後、遠心分離して上澄液を濃縮しエキス分として回収し、スプレードライ等の方法により乾燥させる。
加熱処理は、乾燥前の酵母エキス濃縮液に施すのが有効である。加熱温度は特に制限するものではないが、有効なフレ−バ−を付加するためには70〜100℃の範囲が好ましい。70℃を下回る温度では効果が少なく、100℃を超える温度では酵母エキス成分の変性や苦味の発生等があるので好ましくない。また、加熱時間は加熱温度との関係で決めれば良く、酵母エキス成分の変性や苦味の発生を引き起こさずにフレ−バ−を付加する範囲で任意に選択する。なお、フレ−バ−の発生機構ははっきりしないが、酵母エキスに含まれる各種の成分(アミノ酸、ペプチド、油脂分、オリゴ糖、有機酸など)が適当な加熱条件のもとで分解、縮合し、各種の物質の複合物として生成されるものと思われる。
【0010】
本発明におけるペットフードとは、ヒトが愛玩の目的で飼育する動物のための飼料を指し、具体的にはドッグフード、キャットフードが挙げられる。
【0011】
本発明におけるペットフードの形態は、ドライタイプ、ウエットタイプ、ソフトタイプ、セミモイストタイプ及びジャーキー類等、特に限定されないが、好ましくはペットの嗜好性が問題となっている観点からドライタイプ、セミドライタイプ及びセミモイストタイプが好ましい。
【0012】
本発明における嗜好性向上ペットフード用組成物のペットフードへの添加量は、嗜好性を改善するペットフードの種類により異なるが、一般にペットフードに対し、酵母エキスとして0.1重量%以上であれば充分な効果を得ることが可能である。酵母エキスの添加量に特に上限はないが、経済性及び添加効果を考慮すると10重量%以下が好ましい。従って、本発明の嗜好性向上ペットフ−ド用組成物がその効果を充分に発揮するためには、ペットフードに対し、酵母エキスとして0.1重量%〜10重量%添加することが好ましい。さらに望ましくは0.1重量%〜2重量%添加することが好ましい。
本発明において使用する酵母エキス以外のペットフード原料としては、例えばとうもろこし、小麦粉、大豆粕、魚粉、動植物油脂、ビタミン類、ミネラル類等が挙げられ、ペットの種類やペットフードのタイプ等により適宜選択して用いられる。酵母エキスの添加方法・時期については特に制限はなく、製品を得る任意の工程を選んで行うことが出来る。例えば主原料に対し0.1〜10重量%となる様添加後、十分混合して適量の水を加え、ニーダー等で練り合わせる。その後、加熱し加圧押出機などで成型し更に焼成する。又、原料の練合工程で酵母エキスを添加しない場合は、焼成前の工程で0.1〜10重量%の範囲で全体にまぶすか、油脂などと混合したものを塗布する。
この様にして本発明の酵母エキスを添加することにより、嗜好性の改良されたペットフードを製造することが出来る。
【0013】
以下、本発明を実施例により詳細に説明するが、本発明はこれに限定される物ではない。
【0014】
【実施例】
〔実施例1〕
表1に示す基本飼料の内、牛脂を除いたものを混合し、水分含量を25重量%に調整後加熱・加圧押出機に送り混合しダイの細孔より押出後、一定の長さに切断した。
【0015】
その後、送風乾燥機で乾燥したものに牛脂4重量%を添加し、本発明による表2の組成よりなる酵母エキスを1重量%なる様に塗布し、送風冷却機で冷却しドックフードA〜Fを得た。酵母エキス無添加のものを対照とした。
各種酵母エキスを添加したドッグフード及び無添加の対照を別々の容器に同量採り、各群10頭のビーグル犬に2日間、自由に摂取させ、その摂取量比(重量%)から嗜好性の優劣を比較した。その結果を表3に示した。加熱処理したした酵母エキスを含むドッグフ−ドの嗜好性が非常に高いことが判る。
【0016】
〔実施例2〕
表4に示す基本飼料の内、牛脂を除いたものを混合し、水分含量を25重量%に調整後加熱・加圧押出機に送り混合しダイの細孔より押出後、一定の長さに切断した。
【0017】
【0018】
その後、送風乾燥機で乾燥したものに牛脂4重量%を添加し、本発明による表5の組成よりなる酵母エキスを1重量%なる様に塗布し、送風冷却機で冷却しキャットフードA〜Fを得た。酵母エキス無添加のものを対照とした。
各種酵母エキスを添加したキャットフード及び無添加の対照を別々の容器に同量採り、各群10匹の猫に2日間、自由に摂取させ、その摂取量比(重量%)から嗜好性の優劣を比較した。その結果を表6に示した。この結果から加熱処理した酵母エキスを含むキャットフ−ドの嗜好性が非常に高いことが判る。
【0019】
【発明の効果】
本発明によれば、従来にはない嗜好性が高いペットフ−ド用組成物を得ることが出来るので、従来のタイプでは機能上利用に問題があったが、ペットフードに広く安全に使用出来、嗜好性改善が可能となる。
【発明の属する技術分野】
本発明は、ペットフード用組成物に関し、さらに詳しくは犬、猫等の雑食、肉食性ペット用のペットフ−ド用組成物に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
近年、動物愛護や少子化等の様々な理由からペットブームとなり、犬や猫等の愛玩動物が多く飼育されるようになってきている。本来犬猫等は野生の環境下では、獲物を捕獲して生の肉の状態のままで摂取してきたが、ペットとして飼われるようになってから、更には住宅事情の変化から人間と共に生活を強いられる事が多くなり、その食生活が大きく変化した。すなわち、人が調理・加工した食材から、より簡便なペットフードが普及し、ペットの嗜好に合わせた食材を利用し味付けもかなり工夫されてきている。こうしたペットをとりまく環境変化により、ペットフードの嗜好性向上に対する消費者ニーズも増大している。
【0003】
市販のペットフードには、水分が10%程度以下に調製加工されたドライタイプ、水分が70%程度のウエットタイプ(缶詰類)、水分が20〜40%程度加熱発泡させたソフトドライタイプ、発泡させないセミモイストタイプの4種に大別される。この中でドライタイプ、ソフトドライタイプ及びセミモイストタイプは栄養バランスをとりやすい、大量生産が可能及び低コスト等の理由で主流を占めている。しかしながら、これら水分含量の少ないタイプは一般的に嗜好性が劣るため、同じものを与え続けると直ぐに飽きて十分に摂取されず、ペットの健康にも支障をきたすといった問題点を有している。
これらの問題を解決するために、乳又は乳加工品のリパーゼ及びプロテアーゼによる酵素分解物を有効成分として含有する事を特徴とするペットフード用飼料添加剤が開示されている(例えば特許文献1参照)。
また、ペットフード用嗜好性物質として、テアニンを含有させる方法が開示されている。テアニンは緑茶葉に含まれる旨味成分であり生理活性も報告されているが、価格が非常に高価であり、ペットフードに広く使用するには価格的に困難である(例えば特許文献2参照)。
さらに、特定の水分含量の全肉タイプのペットフードと特定の水分含量のドライペットフードを配合し、熟成により水分均衡させることで嗜好性が改善したペットフードに関する技術が開示されている。しかし、製造工程中の水分管理が煩雑である等の欠点を有する(例えば特許文献3参照)。
【0004】
一方、において、糖類と混合加熱した加熱処理した酵母エキスを、家畜用の嗜好性飼料用原料に用いることが紹介されている。(例えば特許文献4参照)。
【特許文献1】
特開2001−145464号(第2項―第4項)
【特許文献2】
特開2001−29022号 (第2項―第4項)
【特許文献3】
特開平9−149764号 (第2項―第3項)
【特許文献4】
特許第3265101号 (第2項―第3項)
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、これまでの技術では、嗜好性向上、製造方法の簡便さ、そしてコスト面(コストを抑える)の全てを満足させる効果的な方法は開示されておらず、また、雑食性のペットの嗜好性を向上させるペットフード用組成物を提供されているとはいえない。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、ペットフードの嗜好性を向上させる観点から鋭意研究を行った結果、加熱処理しフレ−バ−を付与させた酵母エキスを添加することでペットフードの嗜好性を顕著に改善させることを見出し、本発明を完成するに至った。すなわち、本発明は加熱処理によりフレ−バ−の付与された酵母エキスを含有することを特徴とする嗜好性向上ペットフ−ド用組成物に関するものである。
【0007】
【発明の実施の形態】
本発明のペットフ−ド用組成物は、加熱処理しフレ−バ−を付与した酵母エキスが主成分である。
【0008】
本発明で酵母エキスの原料となる酵母は、可食性のものであれば特に制限はなく、ビール酵母,パン酵母,アルコール酵母,清酒用酵母など一般に食品工業で用いられているものを使用することが出来る。このような酵母としては、例えばサッカロマイセス(Saccharomyces)属、ピキア(Picia)属、ハンゼヌラ(Hansenula)属、デバリオマイセス(Debariomyces)属、キャンディダ(Candida)属、クリベロマイセス(Kluyveromyces)属、チゴサッカロマイセス(Zygosaccharomyces)属等に属する酵母が挙げられる。このような酵母の例としては、サッカロマイセス・セレビシエ(Saccharomyces cerevisiae IFO 1954,IFO0309,IAM 4274)、ピキア・ステイピティス(Picia stipitis IFO 1720)、ハンゼヌラ・アノマラ(Hansenula anomala IFO 1150)、デバリオマイセス・ハンセニイ(Debariomyces hansenii IFO 0855、IFO 1752)、キャンディダ・ユーティリス(Candida utilis IFO 0619,ATCC 15239)、クリベロマイセス・ラクチス(Kluyveromyces ATCC 56498)、クリベロマイセス・マルキシアヌス(Kluyveromyces marxianus ATCC 36534)、チゴサッカロマイセス・ルーキシー(Zygosaccharomyces rouxii ATCC 28253、ATCC 13356)等に属する酵母が挙げられる。これらの酵母の中から1種若しくは2種以上の酵母を用いる。中でもキャンディダ属酵母は菌体収率が高く培養もしやすいので好ましい。
酵母エキスの製法については、酵素分解法、自己消化法、酵素分解法と自己消化の併用等公知の方法で製造すればよい。
本発明の酵素分解法で使用する細胞壁溶解酵素剤としてはグルカナーゼ,マンナナーゼを含有し、酵母細胞壁を溶解するに十分な活性を有するものであればかまわないが、例えば市販の細胞壁溶解酵素としては、YL−15(天野エンザイム(株)製),ツニカーゼ(大和化成(株)製),キタラーゼ(クミアイ化学(株)製)などがあげられる。プロテアーゼについては、エンド型、エキソ型何れのものを使用してもかまわない。例えば市販のプロテアーゼ製剤としてはアマノM(天野エンザイム(株)製)、プロチンFN(大和化成(株)製)等があげられる。
【0009】
酵母を10〜15%程度の適当な濃度に懸濁させたのち、酵素分解法の場合には80〜120℃好ましくは90〜100℃で加熱し、菌体内酵素の失活を行う。加熱時間は10分程度で十分である。次に細胞壁溶解酵素、プロテアーゼを作用させ細胞内のタンパク質を分解し呈味成分を溶出させるが、酵素添加量、酵素反応温度、pHは特に限定するものではなく、各々の酵素の最適条件下で行えばよい。反応後、遠心分離して上澄液を濃縮しエキス分として回収し、スプレードライ等の方法により乾燥させる。
加熱処理は、乾燥前の酵母エキス濃縮液に施すのが有効である。加熱温度は特に制限するものではないが、有効なフレ−バ−を付加するためには70〜100℃の範囲が好ましい。70℃を下回る温度では効果が少なく、100℃を超える温度では酵母エキス成分の変性や苦味の発生等があるので好ましくない。また、加熱時間は加熱温度との関係で決めれば良く、酵母エキス成分の変性や苦味の発生を引き起こさずにフレ−バ−を付加する範囲で任意に選択する。なお、フレ−バ−の発生機構ははっきりしないが、酵母エキスに含まれる各種の成分(アミノ酸、ペプチド、油脂分、オリゴ糖、有機酸など)が適当な加熱条件のもとで分解、縮合し、各種の物質の複合物として生成されるものと思われる。
【0010】
本発明におけるペットフードとは、ヒトが愛玩の目的で飼育する動物のための飼料を指し、具体的にはドッグフード、キャットフードが挙げられる。
【0011】
本発明におけるペットフードの形態は、ドライタイプ、ウエットタイプ、ソフトタイプ、セミモイストタイプ及びジャーキー類等、特に限定されないが、好ましくはペットの嗜好性が問題となっている観点からドライタイプ、セミドライタイプ及びセミモイストタイプが好ましい。
【0012】
本発明における嗜好性向上ペットフード用組成物のペットフードへの添加量は、嗜好性を改善するペットフードの種類により異なるが、一般にペットフードに対し、酵母エキスとして0.1重量%以上であれば充分な効果を得ることが可能である。酵母エキスの添加量に特に上限はないが、経済性及び添加効果を考慮すると10重量%以下が好ましい。従って、本発明の嗜好性向上ペットフ−ド用組成物がその効果を充分に発揮するためには、ペットフードに対し、酵母エキスとして0.1重量%〜10重量%添加することが好ましい。さらに望ましくは0.1重量%〜2重量%添加することが好ましい。
本発明において使用する酵母エキス以外のペットフード原料としては、例えばとうもろこし、小麦粉、大豆粕、魚粉、動植物油脂、ビタミン類、ミネラル類等が挙げられ、ペットの種類やペットフードのタイプ等により適宜選択して用いられる。酵母エキスの添加方法・時期については特に制限はなく、製品を得る任意の工程を選んで行うことが出来る。例えば主原料に対し0.1〜10重量%となる様添加後、十分混合して適量の水を加え、ニーダー等で練り合わせる。その後、加熱し加圧押出機などで成型し更に焼成する。又、原料の練合工程で酵母エキスを添加しない場合は、焼成前の工程で0.1〜10重量%の範囲で全体にまぶすか、油脂などと混合したものを塗布する。
この様にして本発明の酵母エキスを添加することにより、嗜好性の改良されたペットフードを製造することが出来る。
【0013】
以下、本発明を実施例により詳細に説明するが、本発明はこれに限定される物ではない。
【0014】
【実施例】
〔実施例1〕
表1に示す基本飼料の内、牛脂を除いたものを混合し、水分含量を25重量%に調整後加熱・加圧押出機に送り混合しダイの細孔より押出後、一定の長さに切断した。
【0015】
その後、送風乾燥機で乾燥したものに牛脂4重量%を添加し、本発明による表2の組成よりなる酵母エキスを1重量%なる様に塗布し、送風冷却機で冷却しドックフードA〜Fを得た。酵母エキス無添加のものを対照とした。
各種酵母エキスを添加したドッグフード及び無添加の対照を別々の容器に同量採り、各群10頭のビーグル犬に2日間、自由に摂取させ、その摂取量比(重量%)から嗜好性の優劣を比較した。その結果を表3に示した。加熱処理したした酵母エキスを含むドッグフ−ドの嗜好性が非常に高いことが判る。
【0016】
〔実施例2〕
表4に示す基本飼料の内、牛脂を除いたものを混合し、水分含量を25重量%に調整後加熱・加圧押出機に送り混合しダイの細孔より押出後、一定の長さに切断した。
【0017】
【0018】
その後、送風乾燥機で乾燥したものに牛脂4重量%を添加し、本発明による表5の組成よりなる酵母エキスを1重量%なる様に塗布し、送風冷却機で冷却しキャットフードA〜Fを得た。酵母エキス無添加のものを対照とした。
各種酵母エキスを添加したキャットフード及び無添加の対照を別々の容器に同量採り、各群10匹の猫に2日間、自由に摂取させ、その摂取量比(重量%)から嗜好性の優劣を比較した。その結果を表6に示した。この結果から加熱処理した酵母エキスを含むキャットフ−ドの嗜好性が非常に高いことが判る。
【0019】
【発明の効果】
本発明によれば、従来にはない嗜好性が高いペットフ−ド用組成物を得ることが出来るので、従来のタイプでは機能上利用に問題があったが、ペットフードに広く安全に使用出来、嗜好性改善が可能となる。
Claims (3)
- 加熱処理した酵母エキスを含有するペットフード用組成物。
- 酵母がトルラ酵母又はサッカロマイセス酵母である請求項1記載のペットフード用組成物。
- 酵母エキスを0.1〜10重量%含有する請求項1又は2記載のペットフード用組成物。
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Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2002286015A JP2004121022A (ja) | 2002-09-30 | 2002-09-30 | ペットフ−ド用組成物 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2002286015A JP2004121022A (ja) | 2002-09-30 | 2002-09-30 | ペットフ−ド用組成物 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2004121022A true JP2004121022A (ja) | 2004-04-22 |
Family
ID=32279174
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
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JP2002286015A Pending JP2004121022A (ja) | 2002-09-30 | 2002-09-30 | ペットフ−ド用組成物 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2004121022A (ja) |
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---|---|---|---|---|
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