JP2004120983A - アウターロータ型モータ - Google Patents
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Abstract
【課題】モータ全体は大型化せずに冷却効果を高めて高出力を出すことができるアウターロータ型モータを提供する。
【解決手段】ベースプレート32と、ベースプレート32に対して軸受34,37を介して回転自在に設けられた回転軸36と、ベースプレート32上に配置された固定子40と、固定子40の外方に位置するマグネット46が設けられ、回転軸36に連結されたロータヨーク38とを具備するアウターロータ型モータ30において、ベースプレート32およびロータヨーク38のそれぞれには、1または複数の通風孔50,52が形成されていることを特徴とする。
【選択図】 図1
【解決手段】ベースプレート32と、ベースプレート32に対して軸受34,37を介して回転自在に設けられた回転軸36と、ベースプレート32上に配置された固定子40と、固定子40の外方に位置するマグネット46が設けられ、回転軸36に連結されたロータヨーク38とを具備するアウターロータ型モータ30において、ベースプレート32およびロータヨーク38のそれぞれには、1または複数の通風孔50,52が形成されていることを特徴とする。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、アウターロータ型モータに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来の一般的なアウターロータ型モータについて図6に基づいて説明する。
アウターロータ型モータ10は、金属製のベースプレート11と、ベースプレート11上に配置された電気配線用の基板12と、ベースプレート11と基板12に対して回転自在に装着された回転軸14と、回転軸14を回転自在に保持するハウジング15と、コイル16と鉄心17とからなる固定子18と、回転軸14に連結され、内壁にマグネット20が設けられたロータヨーク22とから構成される。
【0003】
アウターロータ型モータは、高トルクで定速駆動に優れており、例えばコンピュータ内のディスクドライブやコピー機のドラム駆動用、さらには車載機器として様々な分野に利用されている。
各分野の製品が全体として小型化を進めている以上、アウターロータ型モータも小型化を図る必要性がある。そこで、ベースプレートに固定子を収納するための穴である収納孔を設けることによって、回転軸の軸線方向の長さを短くしての薄型化を図ることが行なわれてきた(例えば、特許文献1参照)。
このように、ベースプレートに穴を形成することによって、固定子をベースプレート内に収納させて、この分だけモータを薄型化することができた。
【0004】
【特許文献1】
特開平5−211744号公報(第6図、第7図、第8図、第9図等)
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
なお、アウターロータ型モータの出力を上げようとする場合には、固定子の鉄心の積厚を増加させるか、あるいは冷却装置を装着してモータ全体を冷却する必要があった。
しかし、鉄心の積厚を増加させたり、冷却装置を装着することになるとモータの厚さが増加してしまうので、薄型のモータで高出力を実現することができなかった。
【0006】
一方、従来の技術で説明したような従来のアウターロータ型モータでは、ベースプレートに穴を穿設しているので固定子が外部に露出するという意味では若干の冷却効果があるとも考えられる。
しかし、この穴はあくまで固定子を収納することを目的としているので、この穴を通して空気を流通させることはできず、これによってモータを冷却させることはできなかった。
【0007】
そこで、本発明は上記課題を解決すべくなされ、その目的とするところは、モータ全体は大型化せずに冷却効果を高めて高出力を出すことができるアウターロータ型モータを提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
すなわち、本発明にかかるアウターロータ型モータによれば、ベースプレートと、該ベースプレートに対して軸受を介して回転自在に設けられた回転軸と、前記ベースプレート上に配置された固定子と、該固定子の外方に位置するマグネットが設けられ、前記回転軸に連結されたロータヨークとを具備するアウターロータ型モータにおいて、前記ベースプレートおよび前記ロータヨークのそれぞれには、1または複数の通風孔が形成されていることを特徴としている。
この構成を採用することによって、ベースプレートとロータヨークとの間で空気が流通する流路が確保できるので、厚さは従来と変らずに且つ冷却効果が高いモータとすることができる。
【0009】
また、前記ロータヨークの通風孔は、平面視すると内周側が徐々に幅狭となるように形成されていることを特徴としている。
この構成によれば、通風孔の形状が円形、正方形または長方形の場合と比較して空気の流れを促進することができ、冷却効果を更に高めることができる。
【0010】
さらに、前記ロータヨークの通風孔は、断面視すると外方側と内方側の開口径が異なるように、内壁が傾斜して形成されていてもよい。
これによれば、ロータヨークが回転すると、通風孔の内壁にぶつかる空気は大径側の方へ移動する。したがって、モータ内部から空気が排出されるかまたはモータ内部へ空気が流入することにより、冷却効果を極めて高くすることができる。
【0011】
なお、前記ロータヨークの通風孔は、断面視すると外方側と内方側の開口径が異なるように、小径部と大径部とから形成されているようにしてもよい。
この構成によっても、ロータヨークが回転すると、通風孔の内壁にぶつかる空気は大径側の方へ移動する。したがって、モータ内部から空気が排出されるかまたはモータ内部へ空気が流入することにより、冷却効果を極めて高くすることができる。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の好適な実施の形態を添付図面に基づいて詳細に説明する。
図1はアウターロータ型モータの平面図、図2はアウターロータ型モータの底面図、図3は図1および図2におけるA−A断面図を示す。
なお、本実施形態で説明するモータとしては、アウターロータ型のDCブラシレスモータであるとする。
【0013】
まず、アウターロータ型モータの全体構造について説明する。
アウターロータ型モータ30(以下、単にモータという場合がある)は、ベースプレート32、ベースプレート32の中心部分に設けられたハウジング35、ハウジング35内の2つの軸受34,37によって回転自在に装着された回転軸36、ハウジング35の外周側に取り付けられてベースプレート32上に配置された、鉄心42とコイル44とから成る固定子40、回転軸36の先端に固定されたロータヨーク38、ロータヨーク38の内壁に取り付けられたマグネット46を備えている。
【0014】
ベースプレート32は金属製であって、底面が他の機器に取り付ける際の取付面となる。したがって、ベースプレートの底面側は平面状に形成され、且つ取り付けに用いられるネジ用の穴41が形成されている。
ベースプレート32の上面にはフレキシブル基板31が装着されている。フレキシブル基板31は、コイル44への通電用の配線を形成している。このため、フレキシブル基板31の端部はモータ外部へ突出していることが必要である。
【0015】
ロータヨーク38は、固定子40に対して回転する回転子ヨークであって、固定子40を覆うようなカップ状に形成されている。マグネット46は、ロータヨーク38のカップ状の周壁面に設けられている。
ロータヨーク38の中心部分は、取付部材49を介して回転軸36に固定されている。このためロータヨーク38は回転軸36を軸として回転可能となっている。
【0016】
以下、本願発明の特徴であるベースプレート32の通風孔50と、ロータヨーク38の通風孔52について説明する。
ベースプレート32には、複数個の通風孔50が形成されている。図3で示されているベースプレート32の通風孔50は、平面視すると長方形であるが、この形状に限定されることはない。また、通風孔50の数も図面に示されている数に限定されず、何箇所に穿設されていてもよい。
【0017】
なお、ベースプレート32上には、フレキシブル基板31が設けられているので、このフレキシブル基板31にも、ベースプレート32の通風孔50と連通する通風孔51が形成されている必要がある。この通風孔51は、少なくともベースプレート32の通風孔50と同じ形状で同じ大きさであって、ベープレートの通風孔50と一体の通風孔として作用することが好ましい。
【0018】
なお、ロータヨーク38にも、複数個の通風孔52が形成されている。
このように、本実施形態のアウターロータ型モータの特徴は、ベースプレート32およびロータヨーク38の両方に通風孔50,52が形成されている点である。通風孔をベースプレート32およびロータヨーク38の両方に形成したことで、モータ30を上下(回転軸の軸線方向)に貫通してモータ30内を空気が通過する流路が確保されることとなり、モータの冷却効果が上がる。
【0019】
ロータヨーク38に形成されている通風孔52は、内周に向けて徐々に幅が狭くなるような形状に形成されているとよい。すなわち、通風孔52は、回転軸36の軸線方向から(平面視)見ると扇形に形成されているとよい。
このように通風孔52の形状を、内周に向けて徐々に幅を狭くすることによって以下のような効果が生ずると考えられる。
すなわち、ロータヨーク38に丸形、正方形または長方形の通風孔を穿設した場合では、上述したように空気の流通路は確保されるが、モータ30内の空気を強制的に排出させる効果までは生じ得ないと考えられる。
しかし、通風孔52を内周に向けて徐々に幅狭にすると、ロータヨーク38の回転方向に対して通風孔52の側面52aが直交せずに所定角度で傾いているので、側面52aがいわば羽根の役割を果たし、モータ30内外の空気を移動させるようになると考えられ、モータ30内から空気を強制的に排出させて冷却効率が上昇するのである。
【0020】
なお、図4〜図5に示すように、ロータヨーク38に形成した通風孔52の内壁を傾斜させると、さらにモータ30内部からの空気排出をさらに促進するので好適である。
図4には、ロータヨーク38に設けた通風孔52の内壁を、モータ30内部側に向けて孔が徐々に小径となるように傾斜させたところを図示している。このように、通風孔52の内壁54を傾斜させることで、ロータヨーク38の回転によって通風孔52の内壁54に空気が当接すると、傾斜によって空気がモータ外部へ誘導される(図4の矢印B)。
このため、内壁54が傾斜していると、モータ30内部から加熱された空気が強制的に排出され、一方のベースプレート32の通風孔50から空気がモータ30内部に流入するので冷却効率が高くなる。
【0021】
また、図5に示すように通風孔52の内壁54を傾斜面ではなく、外方側を大径部56、内方側を小径部55として段階的に径を変化させてもよい。
このような形状で構成した場合であっても、ロータヨーク38の回転によって空気が通風孔52の内壁に当接すると、小径部55から大径部56方向へ空気が押しやられるように移動する。したがって、モータ30内部の空気は強制的に外部へ排出され、一方のベースプレート32の通風孔50から空気がモータ30内部に流入するので冷却効率が高くなる。
【0022】
なお、通風孔52をモータ外部側とモータ内部側とで開口径が異なるようにした場合にあっては、図4と図5に示した形態ではモータ外部側が大径となるような形態のみを示した。
しかし、図4のようにテーパ状にした場合、および図5のように段階的に径を変えた場合の両方の場合で、モータ外部側の開口径を小径とし、モータ内部側の開口径を大径としても良い。このような構造とすることにより、ロータヨーク38の回転によって空気が通風孔52の内壁に当接すると、空気はモータ内部に押しやられるように移動する。このためモータ30内の加熱された空気はベースプレート32からモータ外部へ排出されることとなり、ロータヨーク38の通風孔52からはモータ内部に向けてモータ外部の空気が流入することとなる。つまり、かかる場合上述してきた場合と空気の流れは逆方向になるが、モータ30内部を空気は確実に、強制的に通過する。したがって、このような構成であっても、モータの冷却効果を高めることができる。
【0023】
なお、ロータヨーク38の通風孔52をモータ外部側とモータ内部側とで開口径を変えた形態では、図4と図5に示した形態に限定することはなく、他の形態であってもよい。例えば、傾斜部分のエッジが落とされ、いわゆる、だれが生じたような状態であってもよい。
【0024】
通風孔50,52の大きさとしては、図示したような程度の大きさに限られることはない。すなわち、ベースプレート32またはロータヨーク38の強度が維持できる程度に通風孔50,52を大きくすることで、モータ30内部への空気の流入量を増大させ、さらに冷却効率を上げることができる。
【0025】
以上本発明につき好適な実施例を挙げて種々説明したが、本発明はこの実施例に限定されるものではなく、発明の精神を逸脱しない範囲内で多くの改変を施し得るのはもちろんである。
【0026】
【発明の効果】
本発明に係るアウターロータ型モータによれば、ベースプレートとロータヨークとの間で空気が流通する流路が確保できるので、厚さは従来と変らずに、冷却効果が高いモータとすることができ、薄型且つ高出力のモータを提供できる。
【0027】
請求項2記載のアウターロータ型モータによれば、通風孔の形状が円形、正方形または長方形の場合と比較して空気の流れを促進することができ、冷却効果を更に高めることができる。
【0028】
請求項3記載のアウターロータ型モータによれば、ロータヨークが回転すると、通風孔の内壁にぶつかる空気は大径側の方へ移動し、モータ内部から空気が排出されるかまたはモータ内部へ空気が流入することにより、冷却効果を極めて高くすることができる。
【0029】
請求項4記載のアウターロータ型モータによっても、ロータヨークが回転すると、通風孔の内壁にぶつかる空気は大径側の方へ移動し、モータ内部から空気が排出されるかまたはモータ内部へ空気が流入することにより、冷却効果を極めて高くすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明にかかるアウターロータ型モータの平面図である。
【図2】アウターロータ型モータの底面図である。
【図3】アウターロータ型モータの側面からの断面図である。
【図4】ロータヨークの通風孔の一実施形態を示す断面図である。
【図5】ロータヨークの通風孔の他の実施形態を示す断面図である。
【図6】従来のアウターロータ型モータの側面からの一部断面図である。
【符号の説明】
30 アウターロータ型モータ
31 フレキシブル基板
32 ベースプレート
34,37 軸受
35 ハウジング
36 回転軸
38 ベースプレート
38 ロータヨーク
40 固定子
41 穴
42 鉄心
44 コイル
46 マグネット
49 取付部材
50,51,52 通風孔
52a 側面
54 内壁
55 小径部
56 大径部
【発明の属する技術分野】
本発明は、アウターロータ型モータに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来の一般的なアウターロータ型モータについて図6に基づいて説明する。
アウターロータ型モータ10は、金属製のベースプレート11と、ベースプレート11上に配置された電気配線用の基板12と、ベースプレート11と基板12に対して回転自在に装着された回転軸14と、回転軸14を回転自在に保持するハウジング15と、コイル16と鉄心17とからなる固定子18と、回転軸14に連結され、内壁にマグネット20が設けられたロータヨーク22とから構成される。
【0003】
アウターロータ型モータは、高トルクで定速駆動に優れており、例えばコンピュータ内のディスクドライブやコピー機のドラム駆動用、さらには車載機器として様々な分野に利用されている。
各分野の製品が全体として小型化を進めている以上、アウターロータ型モータも小型化を図る必要性がある。そこで、ベースプレートに固定子を収納するための穴である収納孔を設けることによって、回転軸の軸線方向の長さを短くしての薄型化を図ることが行なわれてきた(例えば、特許文献1参照)。
このように、ベースプレートに穴を形成することによって、固定子をベースプレート内に収納させて、この分だけモータを薄型化することができた。
【0004】
【特許文献1】
特開平5−211744号公報(第6図、第7図、第8図、第9図等)
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
なお、アウターロータ型モータの出力を上げようとする場合には、固定子の鉄心の積厚を増加させるか、あるいは冷却装置を装着してモータ全体を冷却する必要があった。
しかし、鉄心の積厚を増加させたり、冷却装置を装着することになるとモータの厚さが増加してしまうので、薄型のモータで高出力を実現することができなかった。
【0006】
一方、従来の技術で説明したような従来のアウターロータ型モータでは、ベースプレートに穴を穿設しているので固定子が外部に露出するという意味では若干の冷却効果があるとも考えられる。
しかし、この穴はあくまで固定子を収納することを目的としているので、この穴を通して空気を流通させることはできず、これによってモータを冷却させることはできなかった。
【0007】
そこで、本発明は上記課題を解決すべくなされ、その目的とするところは、モータ全体は大型化せずに冷却効果を高めて高出力を出すことができるアウターロータ型モータを提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
すなわち、本発明にかかるアウターロータ型モータによれば、ベースプレートと、該ベースプレートに対して軸受を介して回転自在に設けられた回転軸と、前記ベースプレート上に配置された固定子と、該固定子の外方に位置するマグネットが設けられ、前記回転軸に連結されたロータヨークとを具備するアウターロータ型モータにおいて、前記ベースプレートおよび前記ロータヨークのそれぞれには、1または複数の通風孔が形成されていることを特徴としている。
この構成を採用することによって、ベースプレートとロータヨークとの間で空気が流通する流路が確保できるので、厚さは従来と変らずに且つ冷却効果が高いモータとすることができる。
【0009】
また、前記ロータヨークの通風孔は、平面視すると内周側が徐々に幅狭となるように形成されていることを特徴としている。
この構成によれば、通風孔の形状が円形、正方形または長方形の場合と比較して空気の流れを促進することができ、冷却効果を更に高めることができる。
【0010】
さらに、前記ロータヨークの通風孔は、断面視すると外方側と内方側の開口径が異なるように、内壁が傾斜して形成されていてもよい。
これによれば、ロータヨークが回転すると、通風孔の内壁にぶつかる空気は大径側の方へ移動する。したがって、モータ内部から空気が排出されるかまたはモータ内部へ空気が流入することにより、冷却効果を極めて高くすることができる。
【0011】
なお、前記ロータヨークの通風孔は、断面視すると外方側と内方側の開口径が異なるように、小径部と大径部とから形成されているようにしてもよい。
この構成によっても、ロータヨークが回転すると、通風孔の内壁にぶつかる空気は大径側の方へ移動する。したがって、モータ内部から空気が排出されるかまたはモータ内部へ空気が流入することにより、冷却効果を極めて高くすることができる。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の好適な実施の形態を添付図面に基づいて詳細に説明する。
図1はアウターロータ型モータの平面図、図2はアウターロータ型モータの底面図、図3は図1および図2におけるA−A断面図を示す。
なお、本実施形態で説明するモータとしては、アウターロータ型のDCブラシレスモータであるとする。
【0013】
まず、アウターロータ型モータの全体構造について説明する。
アウターロータ型モータ30(以下、単にモータという場合がある)は、ベースプレート32、ベースプレート32の中心部分に設けられたハウジング35、ハウジング35内の2つの軸受34,37によって回転自在に装着された回転軸36、ハウジング35の外周側に取り付けられてベースプレート32上に配置された、鉄心42とコイル44とから成る固定子40、回転軸36の先端に固定されたロータヨーク38、ロータヨーク38の内壁に取り付けられたマグネット46を備えている。
【0014】
ベースプレート32は金属製であって、底面が他の機器に取り付ける際の取付面となる。したがって、ベースプレートの底面側は平面状に形成され、且つ取り付けに用いられるネジ用の穴41が形成されている。
ベースプレート32の上面にはフレキシブル基板31が装着されている。フレキシブル基板31は、コイル44への通電用の配線を形成している。このため、フレキシブル基板31の端部はモータ外部へ突出していることが必要である。
【0015】
ロータヨーク38は、固定子40に対して回転する回転子ヨークであって、固定子40を覆うようなカップ状に形成されている。マグネット46は、ロータヨーク38のカップ状の周壁面に設けられている。
ロータヨーク38の中心部分は、取付部材49を介して回転軸36に固定されている。このためロータヨーク38は回転軸36を軸として回転可能となっている。
【0016】
以下、本願発明の特徴であるベースプレート32の通風孔50と、ロータヨーク38の通風孔52について説明する。
ベースプレート32には、複数個の通風孔50が形成されている。図3で示されているベースプレート32の通風孔50は、平面視すると長方形であるが、この形状に限定されることはない。また、通風孔50の数も図面に示されている数に限定されず、何箇所に穿設されていてもよい。
【0017】
なお、ベースプレート32上には、フレキシブル基板31が設けられているので、このフレキシブル基板31にも、ベースプレート32の通風孔50と連通する通風孔51が形成されている必要がある。この通風孔51は、少なくともベースプレート32の通風孔50と同じ形状で同じ大きさであって、ベープレートの通風孔50と一体の通風孔として作用することが好ましい。
【0018】
なお、ロータヨーク38にも、複数個の通風孔52が形成されている。
このように、本実施形態のアウターロータ型モータの特徴は、ベースプレート32およびロータヨーク38の両方に通風孔50,52が形成されている点である。通風孔をベースプレート32およびロータヨーク38の両方に形成したことで、モータ30を上下(回転軸の軸線方向)に貫通してモータ30内を空気が通過する流路が確保されることとなり、モータの冷却効果が上がる。
【0019】
ロータヨーク38に形成されている通風孔52は、内周に向けて徐々に幅が狭くなるような形状に形成されているとよい。すなわち、通風孔52は、回転軸36の軸線方向から(平面視)見ると扇形に形成されているとよい。
このように通風孔52の形状を、内周に向けて徐々に幅を狭くすることによって以下のような効果が生ずると考えられる。
すなわち、ロータヨーク38に丸形、正方形または長方形の通風孔を穿設した場合では、上述したように空気の流通路は確保されるが、モータ30内の空気を強制的に排出させる効果までは生じ得ないと考えられる。
しかし、通風孔52を内周に向けて徐々に幅狭にすると、ロータヨーク38の回転方向に対して通風孔52の側面52aが直交せずに所定角度で傾いているので、側面52aがいわば羽根の役割を果たし、モータ30内外の空気を移動させるようになると考えられ、モータ30内から空気を強制的に排出させて冷却効率が上昇するのである。
【0020】
なお、図4〜図5に示すように、ロータヨーク38に形成した通風孔52の内壁を傾斜させると、さらにモータ30内部からの空気排出をさらに促進するので好適である。
図4には、ロータヨーク38に設けた通風孔52の内壁を、モータ30内部側に向けて孔が徐々に小径となるように傾斜させたところを図示している。このように、通風孔52の内壁54を傾斜させることで、ロータヨーク38の回転によって通風孔52の内壁54に空気が当接すると、傾斜によって空気がモータ外部へ誘導される(図4の矢印B)。
このため、内壁54が傾斜していると、モータ30内部から加熱された空気が強制的に排出され、一方のベースプレート32の通風孔50から空気がモータ30内部に流入するので冷却効率が高くなる。
【0021】
また、図5に示すように通風孔52の内壁54を傾斜面ではなく、外方側を大径部56、内方側を小径部55として段階的に径を変化させてもよい。
このような形状で構成した場合であっても、ロータヨーク38の回転によって空気が通風孔52の内壁に当接すると、小径部55から大径部56方向へ空気が押しやられるように移動する。したがって、モータ30内部の空気は強制的に外部へ排出され、一方のベースプレート32の通風孔50から空気がモータ30内部に流入するので冷却効率が高くなる。
【0022】
なお、通風孔52をモータ外部側とモータ内部側とで開口径が異なるようにした場合にあっては、図4と図5に示した形態ではモータ外部側が大径となるような形態のみを示した。
しかし、図4のようにテーパ状にした場合、および図5のように段階的に径を変えた場合の両方の場合で、モータ外部側の開口径を小径とし、モータ内部側の開口径を大径としても良い。このような構造とすることにより、ロータヨーク38の回転によって空気が通風孔52の内壁に当接すると、空気はモータ内部に押しやられるように移動する。このためモータ30内の加熱された空気はベースプレート32からモータ外部へ排出されることとなり、ロータヨーク38の通風孔52からはモータ内部に向けてモータ外部の空気が流入することとなる。つまり、かかる場合上述してきた場合と空気の流れは逆方向になるが、モータ30内部を空気は確実に、強制的に通過する。したがって、このような構成であっても、モータの冷却効果を高めることができる。
【0023】
なお、ロータヨーク38の通風孔52をモータ外部側とモータ内部側とで開口径を変えた形態では、図4と図5に示した形態に限定することはなく、他の形態であってもよい。例えば、傾斜部分のエッジが落とされ、いわゆる、だれが生じたような状態であってもよい。
【0024】
通風孔50,52の大きさとしては、図示したような程度の大きさに限られることはない。すなわち、ベースプレート32またはロータヨーク38の強度が維持できる程度に通風孔50,52を大きくすることで、モータ30内部への空気の流入量を増大させ、さらに冷却効率を上げることができる。
【0025】
以上本発明につき好適な実施例を挙げて種々説明したが、本発明はこの実施例に限定されるものではなく、発明の精神を逸脱しない範囲内で多くの改変を施し得るのはもちろんである。
【0026】
【発明の効果】
本発明に係るアウターロータ型モータによれば、ベースプレートとロータヨークとの間で空気が流通する流路が確保できるので、厚さは従来と変らずに、冷却効果が高いモータとすることができ、薄型且つ高出力のモータを提供できる。
【0027】
請求項2記載のアウターロータ型モータによれば、通風孔の形状が円形、正方形または長方形の場合と比較して空気の流れを促進することができ、冷却効果を更に高めることができる。
【0028】
請求項3記載のアウターロータ型モータによれば、ロータヨークが回転すると、通風孔の内壁にぶつかる空気は大径側の方へ移動し、モータ内部から空気が排出されるかまたはモータ内部へ空気が流入することにより、冷却効果を極めて高くすることができる。
【0029】
請求項4記載のアウターロータ型モータによっても、ロータヨークが回転すると、通風孔の内壁にぶつかる空気は大径側の方へ移動し、モータ内部から空気が排出されるかまたはモータ内部へ空気が流入することにより、冷却効果を極めて高くすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明にかかるアウターロータ型モータの平面図である。
【図2】アウターロータ型モータの底面図である。
【図3】アウターロータ型モータの側面からの断面図である。
【図4】ロータヨークの通風孔の一実施形態を示す断面図である。
【図5】ロータヨークの通風孔の他の実施形態を示す断面図である。
【図6】従来のアウターロータ型モータの側面からの一部断面図である。
【符号の説明】
30 アウターロータ型モータ
31 フレキシブル基板
32 ベースプレート
34,37 軸受
35 ハウジング
36 回転軸
38 ベースプレート
38 ロータヨーク
40 固定子
41 穴
42 鉄心
44 コイル
46 マグネット
49 取付部材
50,51,52 通風孔
52a 側面
54 内壁
55 小径部
56 大径部
Claims (4)
- ベースプレートと、
該ベースプレートに対して軸受を介して回転自在に設けられた回転軸と、
前記ベースプレート上に配置された固定子と、
該固定子の外方に位置するマグネットが設けられ、前記回転軸に連結されたロータヨークとを具備するアウターロータ型モータにおいて、
前記ベースプレートおよび前記ロータヨークのそれぞれには、1または複数の通風孔が形成されていることを特徴とするアウターロータ型モータ。 - 前記ロータヨークの通風孔は、平面視すると内周側が徐々に幅狭となるように形成されていることを特徴とする請求項1記載のアウターロータ型モータ。
- 前記ロータヨークの通風孔は、断面視すると外方側と内方側の開口径が異なるように、内壁が傾斜して形成されていることを特徴とする請求項1または2記載のアウターロータ型モータ。
- 前記ロータヨークの通風孔は、断面視すると外方側と内方側の開口径が異なるように、小径部と大径部とから形成されていることを特徴とする請求項1または2記載のアウターロータ型モータ。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2002285074A JP2004120983A (ja) | 2002-09-30 | 2002-09-30 | アウターロータ型モータ |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2002285074A JP2004120983A (ja) | 2002-09-30 | 2002-09-30 | アウターロータ型モータ |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2004120983A true JP2004120983A (ja) | 2004-04-15 |
Family
ID=32278467
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2002285074A Pending JP2004120983A (ja) | 2002-09-30 | 2002-09-30 | アウターロータ型モータ |
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Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2004120983A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2018038179A (ja) * | 2016-08-31 | 2018-03-08 | 日本電産株式会社 | モータ |
-
2002
- 2002-09-30 JP JP2002285074A patent/JP2004120983A/ja active Pending
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP2018038179A (ja) * | 2016-08-31 | 2018-03-08 | 日本電産株式会社 | モータ |
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