JP2004120904A - ガス絶縁検電ブッシング - Google Patents
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Abstract
【課題】構造が簡単で組み立ての容易なガス絶縁検電ブッシングを提供する。
【解決手段】碍管1の一端に課電側フランジ金具2を固着し、他端に接地側フランジ金具3を固着し、碍管1の軸線上に配置した中心導体4を課電側フランジ金具2に取り付け、碍管1の外表面に105〜108Ωの表面抵抗率を有する半導電性材料からなる半導電層5を課電側フランジ金具2と電気的に接続して設け、接地側フランジ金具3またはその近傍に半導電層5と電気的に接続した電極6を備えて構成し、中心導体4から課電側フランジ金具2を介し半導電層5を通じて流れる漏れ電流を検出できるようにした。
【選択図】 図1
【解決手段】碍管1の一端に課電側フランジ金具2を固着し、他端に接地側フランジ金具3を固着し、碍管1の軸線上に配置した中心導体4を課電側フランジ金具2に取り付け、碍管1の外表面に105〜108Ωの表面抵抗率を有する半導電性材料からなる半導電層5を課電側フランジ金具2と電気的に接続して設け、接地側フランジ金具3またはその近傍に半導電層5と電気的に接続した電極6を備えて構成し、中心導体4から課電側フランジ金具2を介し半導電層5を通じて流れる漏れ電流を検出できるようにした。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ガス絶縁電気機器に取り付けられ、交流線路の電圧の有無または電圧の状態を検出するガス絶縁検電ブッシングに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来の検電ブッシングは、中心導体と、この中心導体の周囲に同軸状に取り付けられたエポキシ樹脂等からなる絶縁筒と、この絶縁筒の外周に付着された導電性塗料よりなる円筒電極と、これら中心導体,絶縁筒,円筒電極の周囲に塑造された絶縁円筒部とで構成されている。このような構成により中心導体と円筒電極の間に静電容量が形成されるので、この静電容量と直列にブッシング外部にコンデンサを接続して容量性分圧器を形成し、その電位差を検出していた。
【0003】
【特許文献1】
特開昭59−196475号公報(第1頁、第2図)
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
従来の検電ブッシングは以上のように構成されているので、中心導体に同軸に円筒電極を取り付ける作業が煩雑であった。また、高電圧で使用する場合は電界緩和のために円筒電極の端部形状を工夫しシールドを取り付ける等の措置が必要となり、円筒電極部分の構造が複雑になって、製造コストおよび作業時間がかかるという問題があった。
【0005】
本発明は、上記のような問題点を解消するためになされたもので、構造が簡単で安価なガス絶縁検電ブッシングを提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
この発明に係るガス絶縁検電ブッシングは、碍管の一端に課電側フランジ金具を固着し、他端に接地側フランジ金具を固着し、碍管の軸線上に配置した中心導体を課電側フランジ金具に取り付け、碍管の内部に絶縁ガスを封入して使用されるものにおいて、碍管の外側の表面に105〜108Ωの表面抵抗率を有する半導電性材料からなる半導電層を課電側フランジ金具と電気的に接続して設け、接地側フランジ金具またはその近傍に半導電層と電気的に接続した電極を備えたものである。
【0007】
また、碍管の内側の表面に105〜108Ωの表面抵抗率を有する半導電性材料からなる半導電層を中心導体と電気的に接続して設け、接地側フランジ金具またはその近傍に半導電層と電気的に接続した電極を備えたものである。
【0008】
【発明の実施の形態】
実施の形態1.
図1は本発明の実施の形態1によるガス絶縁検電ブッシングの断面構成図である。図において、ほぼ円筒形状をした磁器製の碍管1は所定の漏洩距離を得るために、外周に笠1aが形成されている。碍管1の一端には課電側フランジ金具2が、他端には接地側フランジ金具3がセメント等で固着されている。碍管1の中心の軸線上には電流の通電路となる中心導体4が配置され、課電側フランジ金具2に締結されている。
【0009】
碍管1の外側の表面には105〜108Ωの表面抵抗率を有する半導電性材料からなる半導電層5を課電側フランジ金具2および接地側フランジ金具3と電気的に接続して設けている。半導電性材料としては例えば酸化錫系導電釉薬があり、これを碍管1の外側の表面全周に施して形成する。接地側フランジ金具3に設けた電極6は接地側フランジ金具3を介して半導電層5に電気的に接続されている。
【0010】
以上のように構成されたガス絶縁検電ブッシングは、絶縁板7を介して、例えばガス遮断器等の電気機器の本体を収納した接地タンク8に電気的に絶縁して取り付けられる。接地タンク8及び碍管1の内部にはSF6ガス等の絶縁ガス9が充填されている。中心導体4の課電側は外部の交流架線(図示せず)に接続される。電極6からシールド付接地線10が引き出され、この途中にCT11を介して増幅器12が設けられ、増幅器12には演算器13が接続されている。
【0011】
次に動作について説明する。交流架線から中心導体4に課電されると、課電側フランジ金具2を介して半導電層5,接地側フランジ金具3,電極6の経路を通りシールド付接地線10に漏れ電流が流れる。この漏れ電流をCT11で検出し増幅器12で増幅して演算器13に送信する。演算器13では、あらかじめ課電電圧に対する漏れ電流値の特性を測定しておいたデータと検出電流とを比較することにより精度良く架線の状態を検知することができる。
【0012】
ここで、半導電層5の半導電性材料の表面抵抗率を105〜108Ωとした理由を説明する。通常の磁器碍管の釉薬では表面抵抗率が1014Ω以上あり、絶縁性が高く本発明のような検電ブッシングに適用するには不向きであるが、表面抵抗率が105〜108Ωの半導電性材料を使用すれば、所定の絶縁性能を確保しながら、測定に必要な漏れ電流を得ることができる。すなわち、ブッシングの耐電圧性能を確保しつつ適当な漏れ電流を得られる値として選定したものである。また半導電性材料の多くは負の温度特性を有しており、碍管表面温度が上昇すると碍管抵抗は低下する。このとき、あまり表面抵抗率が低い場合は発熱とそれによる抵抗値の減少により漏れ電流値が増大し、温度上昇が累積され、碍管が熱的に破壊する熱逸走現象を生じる恐れがある。このような現象を生じさせないためにも上記の範囲の表面抵抗率が適当である。
【0013】
なお、上記では電極6を接地側フランジ金具3に設けた場合について説明したが、図2に示すように、半導電層5と接地側フランジ金具3との間に半導電層5の無い絶縁部分を形成し、電極6を接地側フランジ金具3の近傍の半導電層5の端部に取り付けてもよい。このような構成にすれば、ガス絶縁検電ブッシングを接地タンク8に取り付ける際に、接地タンク8と接地側フランジ金具3との間に図1で示したような絶縁板を必要とせず、いわゆる絶縁取付構造とする必要がないので取付部の構造が簡単となる。
【0014】
本実施の形態の発明によれば、碍管の表面に流れる漏れ電流を利用して検電できるようにしたので、構成が簡素化され、複雑な組立作業を必要とせず、経済性に優れたガス絶縁検電ブッシングを提供することができる。
【0015】
実施の形態2.
図3は本発明の実施の形態2によるガス絶縁検電ブッシングの断面構成図である。図において、1〜4、6、8〜13は実施の形態1で説明した図1と同等なので符号の説明と動作の説明は省略する。碍管1の内側の表面には105〜108Ωの表面抵抗率を有する半導電性材料からなる半導電層14を設けている。半導電性材料としては例えば酸化錫系導電釉薬があり、これを碍管1の内側の表面全周のほぼ全長に亘り施して形成する。半導電層14の一端は中心導体4と電気的に接続されており、他端には電極6を設けている。
【0016】
このガス絶縁検電ブッシングをガス絶縁電気機器の収納容器である接地タンク8に取り付け、電極6から接地タンク8に気密に設けたブッシュ15を介してシールド付接地線10を引出し接地する。シールド付接地線10には、中心導体4,半導電層14,電極6を通じ漏れ電流が流れる。この漏れ電流をCT11で検出し増幅器12で増幅して演算器13によりその状態を監視する。あらかじめ測定しておいた課電電圧に対する漏れ電流値の特性データと検出電流とを比較することにより精度良く検電することができる。
【0017】
なお、図3ではブッシュ15を接地タンク8に設けた場合について説明したが、ガス絶縁検電ブッシング側の接地側フランジ金具3またはその近傍に電極とブッシュを兼ねて設ければ、接地タンク8に関係なくシールド付接地線10の引き出しができ、作業性が向上する。
【0018】
本実施の形態の発明によれば、碍管の内側の表面に流れる漏れ電流を利用して検電できるようにしたので、構成が簡素化され、複雑な組立作業を必要とせず、経済性に優れたガス絶縁検電ブッシングを提供できる。また、半導電層が外気環境による汚損や湿潤等の影響を受けないため電蝕の心配がない。更に、半導電層を碍管の外側の表面に配置した場合より半導電性材料が少ない量ですむので実施の形態1に比べ安価なガス絶縁検電ブッシングを提供できる。
【0019】
実施の形態3.
図4は本発明の実施の形態3によるガス絶縁検電ブッシングの構成図である。図において、1〜4,6,8,10〜13は実施の形態1で説明した図1と同等なので符号の説明と動作の説明は省略する。本実施の形態では半導電層16は碍管1の全周ではなく軸線方向の表面に帯状に設けている。そして、一端は課電側フランジ金具2と電気的に接続され、他端は接地側フランジ金具3またはその近傍まで伸びて端部には電極6が設けられている。半導電層16を形成する半導電性材料は実施の形態1または2と同じである。
【0020】
なお、図4では、半導電層16を碍管1の外側の表面に形成した場合について説明したが、碍管1の内側の表面に形成してもよい。すなわち、実施の形態2で説明した図3において、半導電層14を碍管1の内側の表面の全周ではなく、所定の幅で軸線方向に帯状に形成するものである。
【0021】
本実施の形態によれば、半導電層を碍管軸線方向に帯状に形成したので、実施の形態1または2に比べ、半導電性材料がより少ない量ですみ、安価なガス絶縁検電ブヅシングを提供することができる。
【0022】
なお、上記実施の形態1〜3では半導電層の半導電性材料として酸化錫系導電釉薬を使用する場合について説明したが、例えばカーボン系塗料からなる半導電性塗料や半導電性テープを使用してもよい。そうすれば、製造コストをさらに低減することができる。
【0023】
また、上記実施の形態1〜3では内部シールド無しの磁器製碍管について説明したが、内部シールド付の場合や有機複合絶縁碍管を使用する場合に適用しても同様な効果を得ることができる。
【0024】
なお、漏れ電流の測定装置部分に関しては、上記の説明のようにCTを介して検出した検出電流を増幅器により増幅し演算器で演算する方法に替えて、図5に示すように、電極6と接地間に電圧検出用インピーダンス17を設け、その両端に発生する電圧を増幅器12で増幅し、演算器13によりその電圧を監視するようにしてもよい。
【0025】
【発明の効果】
以上説明したように、この発明のガス絶縁検電ブッシングによれば、碍管の外側の表面に105〜108Ωの表面抵抗率を有する半導電性材料からなる半導電層を課電側フランジ金具と電気的に接続して設け、半導電層を通じて流れる漏れ電流を測定できるようにしたので、構成が簡素化され、複雑な組立作業を必要とせず、経済性に優れたガス絶縁検電ブッシングを提供することができる。
【0026】
また、碍管の内側の表面に105〜108Ωの表面抵抗率を有する半導電性材料からなる半導電層を中心導体と電気的に接続して設け、半導電層を通じて流れる漏れ電流を測定できるようにしたので、上記の効果に加え、半導電層が外気環境による汚損や湿潤等の影響を受けないため電蝕の心配がなく、更に半導電性材料が少ない量ですむため安価なガス絶縁検電ブッシングを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の実施の形態1を示すガス絶縁検電ブッシングの断面構成図である。
【図2】この発明の実施の形態1の他の例を示すガス絶縁検電ブッシングの断面構成図である。
【図3】この発明の実施の形態2を示すガス絶縁検電ブッシングの断面構成図である。
【図4】この発明の実施の形態3を示すガス絶縁検電ブッシングの構成図である。
【図5】この発明のガス絶縁検電ブッシングに接続される検電装置部分の他の例である。
【符号の説明】
1 碍管 2 課電側フランジ金具
3 接地側フランジ金具 4 中心導体
5、14、16 半導電層 6 電極。
【発明の属する技術分野】
本発明は、ガス絶縁電気機器に取り付けられ、交流線路の電圧の有無または電圧の状態を検出するガス絶縁検電ブッシングに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来の検電ブッシングは、中心導体と、この中心導体の周囲に同軸状に取り付けられたエポキシ樹脂等からなる絶縁筒と、この絶縁筒の外周に付着された導電性塗料よりなる円筒電極と、これら中心導体,絶縁筒,円筒電極の周囲に塑造された絶縁円筒部とで構成されている。このような構成により中心導体と円筒電極の間に静電容量が形成されるので、この静電容量と直列にブッシング外部にコンデンサを接続して容量性分圧器を形成し、その電位差を検出していた。
【0003】
【特許文献1】
特開昭59−196475号公報(第1頁、第2図)
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
従来の検電ブッシングは以上のように構成されているので、中心導体に同軸に円筒電極を取り付ける作業が煩雑であった。また、高電圧で使用する場合は電界緩和のために円筒電極の端部形状を工夫しシールドを取り付ける等の措置が必要となり、円筒電極部分の構造が複雑になって、製造コストおよび作業時間がかかるという問題があった。
【0005】
本発明は、上記のような問題点を解消するためになされたもので、構造が簡単で安価なガス絶縁検電ブッシングを提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
この発明に係るガス絶縁検電ブッシングは、碍管の一端に課電側フランジ金具を固着し、他端に接地側フランジ金具を固着し、碍管の軸線上に配置した中心導体を課電側フランジ金具に取り付け、碍管の内部に絶縁ガスを封入して使用されるものにおいて、碍管の外側の表面に105〜108Ωの表面抵抗率を有する半導電性材料からなる半導電層を課電側フランジ金具と電気的に接続して設け、接地側フランジ金具またはその近傍に半導電層と電気的に接続した電極を備えたものである。
【0007】
また、碍管の内側の表面に105〜108Ωの表面抵抗率を有する半導電性材料からなる半導電層を中心導体と電気的に接続して設け、接地側フランジ金具またはその近傍に半導電層と電気的に接続した電極を備えたものである。
【0008】
【発明の実施の形態】
実施の形態1.
図1は本発明の実施の形態1によるガス絶縁検電ブッシングの断面構成図である。図において、ほぼ円筒形状をした磁器製の碍管1は所定の漏洩距離を得るために、外周に笠1aが形成されている。碍管1の一端には課電側フランジ金具2が、他端には接地側フランジ金具3がセメント等で固着されている。碍管1の中心の軸線上には電流の通電路となる中心導体4が配置され、課電側フランジ金具2に締結されている。
【0009】
碍管1の外側の表面には105〜108Ωの表面抵抗率を有する半導電性材料からなる半導電層5を課電側フランジ金具2および接地側フランジ金具3と電気的に接続して設けている。半導電性材料としては例えば酸化錫系導電釉薬があり、これを碍管1の外側の表面全周に施して形成する。接地側フランジ金具3に設けた電極6は接地側フランジ金具3を介して半導電層5に電気的に接続されている。
【0010】
以上のように構成されたガス絶縁検電ブッシングは、絶縁板7を介して、例えばガス遮断器等の電気機器の本体を収納した接地タンク8に電気的に絶縁して取り付けられる。接地タンク8及び碍管1の内部にはSF6ガス等の絶縁ガス9が充填されている。中心導体4の課電側は外部の交流架線(図示せず)に接続される。電極6からシールド付接地線10が引き出され、この途中にCT11を介して増幅器12が設けられ、増幅器12には演算器13が接続されている。
【0011】
次に動作について説明する。交流架線から中心導体4に課電されると、課電側フランジ金具2を介して半導電層5,接地側フランジ金具3,電極6の経路を通りシールド付接地線10に漏れ電流が流れる。この漏れ電流をCT11で検出し増幅器12で増幅して演算器13に送信する。演算器13では、あらかじめ課電電圧に対する漏れ電流値の特性を測定しておいたデータと検出電流とを比較することにより精度良く架線の状態を検知することができる。
【0012】
ここで、半導電層5の半導電性材料の表面抵抗率を105〜108Ωとした理由を説明する。通常の磁器碍管の釉薬では表面抵抗率が1014Ω以上あり、絶縁性が高く本発明のような検電ブッシングに適用するには不向きであるが、表面抵抗率が105〜108Ωの半導電性材料を使用すれば、所定の絶縁性能を確保しながら、測定に必要な漏れ電流を得ることができる。すなわち、ブッシングの耐電圧性能を確保しつつ適当な漏れ電流を得られる値として選定したものである。また半導電性材料の多くは負の温度特性を有しており、碍管表面温度が上昇すると碍管抵抗は低下する。このとき、あまり表面抵抗率が低い場合は発熱とそれによる抵抗値の減少により漏れ電流値が増大し、温度上昇が累積され、碍管が熱的に破壊する熱逸走現象を生じる恐れがある。このような現象を生じさせないためにも上記の範囲の表面抵抗率が適当である。
【0013】
なお、上記では電極6を接地側フランジ金具3に設けた場合について説明したが、図2に示すように、半導電層5と接地側フランジ金具3との間に半導電層5の無い絶縁部分を形成し、電極6を接地側フランジ金具3の近傍の半導電層5の端部に取り付けてもよい。このような構成にすれば、ガス絶縁検電ブッシングを接地タンク8に取り付ける際に、接地タンク8と接地側フランジ金具3との間に図1で示したような絶縁板を必要とせず、いわゆる絶縁取付構造とする必要がないので取付部の構造が簡単となる。
【0014】
本実施の形態の発明によれば、碍管の表面に流れる漏れ電流を利用して検電できるようにしたので、構成が簡素化され、複雑な組立作業を必要とせず、経済性に優れたガス絶縁検電ブッシングを提供することができる。
【0015】
実施の形態2.
図3は本発明の実施の形態2によるガス絶縁検電ブッシングの断面構成図である。図において、1〜4、6、8〜13は実施の形態1で説明した図1と同等なので符号の説明と動作の説明は省略する。碍管1の内側の表面には105〜108Ωの表面抵抗率を有する半導電性材料からなる半導電層14を設けている。半導電性材料としては例えば酸化錫系導電釉薬があり、これを碍管1の内側の表面全周のほぼ全長に亘り施して形成する。半導電層14の一端は中心導体4と電気的に接続されており、他端には電極6を設けている。
【0016】
このガス絶縁検電ブッシングをガス絶縁電気機器の収納容器である接地タンク8に取り付け、電極6から接地タンク8に気密に設けたブッシュ15を介してシールド付接地線10を引出し接地する。シールド付接地線10には、中心導体4,半導電層14,電極6を通じ漏れ電流が流れる。この漏れ電流をCT11で検出し増幅器12で増幅して演算器13によりその状態を監視する。あらかじめ測定しておいた課電電圧に対する漏れ電流値の特性データと検出電流とを比較することにより精度良く検電することができる。
【0017】
なお、図3ではブッシュ15を接地タンク8に設けた場合について説明したが、ガス絶縁検電ブッシング側の接地側フランジ金具3またはその近傍に電極とブッシュを兼ねて設ければ、接地タンク8に関係なくシールド付接地線10の引き出しができ、作業性が向上する。
【0018】
本実施の形態の発明によれば、碍管の内側の表面に流れる漏れ電流を利用して検電できるようにしたので、構成が簡素化され、複雑な組立作業を必要とせず、経済性に優れたガス絶縁検電ブッシングを提供できる。また、半導電層が外気環境による汚損や湿潤等の影響を受けないため電蝕の心配がない。更に、半導電層を碍管の外側の表面に配置した場合より半導電性材料が少ない量ですむので実施の形態1に比べ安価なガス絶縁検電ブッシングを提供できる。
【0019】
実施の形態3.
図4は本発明の実施の形態3によるガス絶縁検電ブッシングの構成図である。図において、1〜4,6,8,10〜13は実施の形態1で説明した図1と同等なので符号の説明と動作の説明は省略する。本実施の形態では半導電層16は碍管1の全周ではなく軸線方向の表面に帯状に設けている。そして、一端は課電側フランジ金具2と電気的に接続され、他端は接地側フランジ金具3またはその近傍まで伸びて端部には電極6が設けられている。半導電層16を形成する半導電性材料は実施の形態1または2と同じである。
【0020】
なお、図4では、半導電層16を碍管1の外側の表面に形成した場合について説明したが、碍管1の内側の表面に形成してもよい。すなわち、実施の形態2で説明した図3において、半導電層14を碍管1の内側の表面の全周ではなく、所定の幅で軸線方向に帯状に形成するものである。
【0021】
本実施の形態によれば、半導電層を碍管軸線方向に帯状に形成したので、実施の形態1または2に比べ、半導電性材料がより少ない量ですみ、安価なガス絶縁検電ブヅシングを提供することができる。
【0022】
なお、上記実施の形態1〜3では半導電層の半導電性材料として酸化錫系導電釉薬を使用する場合について説明したが、例えばカーボン系塗料からなる半導電性塗料や半導電性テープを使用してもよい。そうすれば、製造コストをさらに低減することができる。
【0023】
また、上記実施の形態1〜3では内部シールド無しの磁器製碍管について説明したが、内部シールド付の場合や有機複合絶縁碍管を使用する場合に適用しても同様な効果を得ることができる。
【0024】
なお、漏れ電流の測定装置部分に関しては、上記の説明のようにCTを介して検出した検出電流を増幅器により増幅し演算器で演算する方法に替えて、図5に示すように、電極6と接地間に電圧検出用インピーダンス17を設け、その両端に発生する電圧を増幅器12で増幅し、演算器13によりその電圧を監視するようにしてもよい。
【0025】
【発明の効果】
以上説明したように、この発明のガス絶縁検電ブッシングによれば、碍管の外側の表面に105〜108Ωの表面抵抗率を有する半導電性材料からなる半導電層を課電側フランジ金具と電気的に接続して設け、半導電層を通じて流れる漏れ電流を測定できるようにしたので、構成が簡素化され、複雑な組立作業を必要とせず、経済性に優れたガス絶縁検電ブッシングを提供することができる。
【0026】
また、碍管の内側の表面に105〜108Ωの表面抵抗率を有する半導電性材料からなる半導電層を中心導体と電気的に接続して設け、半導電層を通じて流れる漏れ電流を測定できるようにしたので、上記の効果に加え、半導電層が外気環境による汚損や湿潤等の影響を受けないため電蝕の心配がなく、更に半導電性材料が少ない量ですむため安価なガス絶縁検電ブッシングを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の実施の形態1を示すガス絶縁検電ブッシングの断面構成図である。
【図2】この発明の実施の形態1の他の例を示すガス絶縁検電ブッシングの断面構成図である。
【図3】この発明の実施の形態2を示すガス絶縁検電ブッシングの断面構成図である。
【図4】この発明の実施の形態3を示すガス絶縁検電ブッシングの構成図である。
【図5】この発明のガス絶縁検電ブッシングに接続される検電装置部分の他の例である。
【符号の説明】
1 碍管 2 課電側フランジ金具
3 接地側フランジ金具 4 中心導体
5、14、16 半導電層 6 電極。
Claims (3)
- 碍管の一端に課電側フランジ金具を固着し、他端に接地側フランジ金具を固着し、上記碍管の軸線上に配置した中心導体を上記課電側フランジ金具に取り付け、上記碍管の内部に絶縁ガスを封入して使用されるものにおいて、上記碍管の外側の表面に105〜108Ωの表面抵抗率を有する半導電性材料からなる半導電層を上記課電側フランジ金具と電気的に接続して設け、上記接地側フランジ金具またはその近傍に上記半導電層と電気的に接続した電極を備えたことを特徴とするガス絶縁検電ブッシング。
- 碍管の一端に課電側フランジ金具を固着し、他端に接地側フランジ金具を固着し、上記碍管の軸線上に配置した中心導体を上記課電側フランジ金具に取り付け、上記碍管の内部に絶縁ガスを封入して使用されるものにおいて、上記碍管の内側の表面に105〜108Ωの表面抵抗率を有する半導電性材料からなる半導電層を上記中心導体と電気的に接続して設け、上記接地側フランジ金具またはその近傍に上記半導電層と電気的に接続した電極を備えたことを特徴とするガス絶縁検電ブッシング。
- 請求項1または請求項2に記載のガス絶縁検電ブッシングにおいて、上記半導電層は碍管の表面の軸線方向に帯状に設けたことを特徴とするガス絶縁検電ブッシング。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2002281478A JP2004120904A (ja) | 2002-09-26 | 2002-09-26 | ガス絶縁検電ブッシング |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2002281478A JP2004120904A (ja) | 2002-09-26 | 2002-09-26 | ガス絶縁検電ブッシング |
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ID=32275911
Family Applications (1)
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JP (1) | JP2004120904A (ja) |
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
KR101169647B1 (ko) | 2011-02-10 | 2012-08-03 | 동우전기 주식회사 | 자기 부싱 |
KR101172795B1 (ko) | 2010-07-26 | 2012-08-09 | 한국전기연구원 | 전계완화형 컴포지트 부싱 |
CN104734111A (zh) * | 2015-04-09 | 2015-06-24 | 国家电网公司 | 一种设置有带电显示装置的应力锥 |
CN104992793A (zh) * | 2015-07-08 | 2015-10-21 | 清华大学深圳研究生院 | 防覆冰绝缘子设备及输电线路 |
-
2002
- 2002-09-26 JP JP2002281478A patent/JP2004120904A/ja active Pending
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KR101169647B1 (ko) | 2011-02-10 | 2012-08-03 | 동우전기 주식회사 | 자기 부싱 |
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A711 | Notification of change in applicant |
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