JP2004120311A - 受光アンプ回路 - Google Patents

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Abstract

【課題】出力電圧に出力オフセット電圧を生じない受光アンプ回路を提供する。
【解決手段】主増幅器A11と主増幅器A12とをフォトダイオードPD1の出力が入力されるか否かということ以外は同一構造とし、抵抗R11と抵抗R13、抵抗R12と抵抗R14といったように、第1の負帰還抵抗と第2の負帰還抵抗との抵抗値を等しくし、前置アンプB11と前置アンプB12とをフォトダイオードPD1の接続を除いては同一構造とする。スイッチSW11が第1の負帰還抵抗として抵抗R11を選択したときにはSW12は第2の負帰還抵抗として抵抗R13を選択し、抵抗R12を選択したときには抵抗R14を選択する。差動増幅回路B13は前置アンプB11の出力電圧V11と前置アンプB12の出力電圧V12との差をとって増幅し、フォトダイオードPD1の出力の増幅結果を出力する。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、書き込み可能なコンパクトディスク(以降CD−R/RWディスクと呼ぶ)駆動装置や、書き込み可能なデジタルビデオディスク(以降DVDディスクと呼ぶ)駆動装置に用いられる光ピックアップ用受光デバイスなどにおける受光アンプ回路に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
CD−R/RWディスク駆動装置やDVDディスク駆動装置に用いられる光ピックアップ用受光デバイスには、複数のゲインを持ち、それらのゲインを切り替えられる受光アンプ回路が備えられる。
【0003】
従来の上記受光アンプ回路の構成を図7に示す(特許文献1参照)。受光アンプ回路は、大別して差動増幅回路とオフセット電圧補正回路とからなり、フォトダイオードPD5を差動増幅回路の差動アンプA51の負入力端子に接続した構成であって、差動アンプA51の出力電圧は、第1のスイッチSW51を介してゲイン抵抗となる負帰還抵抗Rf51または負帰還抵抗Rf52によって差動アンプA51の負入力端子へ負帰還する構成となっている。第1のスイッチSW51は、負帰還抵抗としてRf51あるいはRf52を選択するようになっているが、Rf51を選択するとき、PD5の出力する光電流Isc5は負帰還抵抗Rf51によって電流−電圧変換され、Rf52を選択するとき、フォトダイオードPD5の出力する光電流Isc5は負帰還抵抗Rf52によって電流−電圧変換される。
【0004】
また、第2のスイッチSW52は第1のスイッチSW51による差動アンプA51の出力経路の分岐を一つにまとめ、第2のスイッチSW52から出力される電圧を入力電圧とするアンプA52は緩衝アンプを構成している。
【0005】
オフセット電圧補正回路において、オフセット電圧補正アンプA53は差動アンプA51と同一構成のアンプである。オフセット電圧補正アンプA53の正入力端子と基準電圧Vref5の入力端子との間には、負帰還抵抗Rf51と抵抗値が等しい抵抗Rf53、および、負帰還抵抗Rf52と抵抗値が等しい抵抗Rf54が第3のスイッチSW53を介して接続されており、該正入力端子には、差動アンプA51の負入力端子電流IB51と同一の正入力端子電流IB53が生じる。
【0006】
フォトダイオードPD5の光電流が0のときすなわち、受光アンプ回路が遮光状態のとき、受光アンプ回路の出力電圧V55と基準電圧Vref5との差をオフセット電圧として定義している。例えば第1のスイッチSW51が負帰還抵抗Rf51を選択し、第3のスイッチSW53が抵抗Rf53を選択しているとき、オフセット電圧補正アンプA53の入力オフセット電圧を無視すると、
差動アンプA51の正入力端子電圧V51は、
V51=Vref5−Rf53×IB53
差動アンプA51の出力電圧V54は、
V54=V52=V51+Rf51×IB51
となる。
【0007】
ここで、Rf51=Rf53、IB51=IB53であるので、V52=Vref5となって、差動アンプA51の出力電圧V54は、オフセット電圧補正アンプA53の働きによって差動アンプA51のバイアス電流によるオフセット電圧を生じないようになる。
【0008】
第1のスイッチSW51が負帰還抵抗Rf52を選択し、第3のスイッチSW53が抵抗Rf54を選択したとしても、上記と同様に、差動アンプA51の出力電圧はオフセット電圧補正アンプA53の働きによって、差動アンプA51の入力バイアス電流によるオフセット電圧を生じないようになる。
【0009】
なお、負帰還抵抗Rf52にはこれと並列に、ダイオードD51・D52・D53の直列回路が接続されている。
【0010】
【特許文献1】
特開平11−186856号公報(公開日平成11年7月9日)
【0011】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記従来の受光アンプ回路においては、差動アンプA51は抵抗を介して出力が入力端子へ帰還しているのに対し、オフセット電圧補正アンプA53においては出力−入力間はショートされていることによって、差動アンプA51とオフセット電圧補正アンプA53とを全く同一にすることはできず、差動アンプA51の負入力端子のバイアス電流IB51とオフセット電圧補正アンプA53の正入力端子のバイアス電流IB53とを同一にすることは困難で、オフセット電圧補正アンプA53の入力オフセット電圧もゼロでないので、差動アンプA51の出力電圧V54すなわち受光アンプ回路の出力電圧V55には出力オフセット電圧を生じるという問題があった。
【0012】
本発明は、上記従来の問題点に鑑みなされたものであり、その目的は、出力電圧に出力オフセット電圧を生じない受光アンプ回路を提供することにある。
【0013】
【課題を解決するための手段】
本発明の受光アンプ回路は、上記課題を解決するために、受光素子の出力が入力される第1の前置アンプと、前記受光素子の出力が入力されないこと以外は前記第1の前置アンプと同一構造である第2の前置アンプと、前記第1の前置アンプの出力電圧と前記第2の前置アンプの出力電圧とを差動増幅するための差動増幅回路とを具備し、前記差動増幅回路から前記受光素子の出力の増幅結果を出力する受光アンプ回路であって、前記第1の前置アンプは、入力される前記受光素子の出力を増幅する第1の主増幅器と、前記第1の主増幅器の出力電圧を前記第1の主増幅器の入力端子へ負帰還する第1の負帰還抵抗とを備えた負帰還アンプであり、前記第2の前置アンプは、前記受光素子の出力が入力されないこと以外は前記第1の主増幅器と同一構造であって自身の出力端子から負帰還される電圧を増幅する第2の主増幅器と、前記第1の負帰還抵抗と抵抗値が等しく前記第2の主増幅器の出力電圧を前記第2の主増幅器の入力端子へ負帰還する第2の負帰還抵抗とを備えた負帰還アンプであり、前記差動増幅回路は、前記第1の主増幅器の出力電圧と前記第2の主増幅器の出力電圧との差をとって増幅し、前記受光素子の出力の増幅結果として出力することを特徴としている。
【0014】
上記の発明によれば、第1の前置アンプでは、第1の主増幅器が受光素子の出力を増幅し、その出力電圧は第1の負帰還抵抗を介して第1の主増幅器の入力端子に負帰還される。また、第2の前置アンプでは、第2の主増幅器が第2の負帰還抵抗を介して出力電圧が負帰還されたものを増幅する。ここで、第1の主増幅器と第2の主増幅器とは受光素子の出力が入力されるか否かということ以外は同一構造であり、第1の負帰還抵抗と第2の負帰還抵抗とは抵抗値が等しい。すなわち、従来のゲイン切り替え機能を持った受光アンプ回路のように、差動増幅回路の入力バイアス電流×負帰還抵抗によるオフセット電圧を補正するアンプを設ける必要がない。従って、差動増幅回路で第1の前置アンプの出力電圧と第2の前置アンプの出力電圧との差をとって増幅し、受光素子の出力の増幅結果を出力した場合に、オフセット電圧補正アンプで生じていたような入力オフセット電圧、および、差動増幅回路の入力バイアス電流とオフセット電圧補正アンプの入力バイアス電流との差によって生じていたようなオフセット電圧の発生を防止することができる。
【0015】
この結果、出力電圧に出力オフセット電圧を生じない受光アンプ回路を提供することができる。
【0016】
また、第1の前置アンプおよび第2の前置アンプを基準電圧に影響されない構成とすることで、第1の前置アンプおよび第2の前置アンプのダイナミックレンジが基準電圧に制約されないようにすることができる。
【0017】
さらに、従来、差動増幅回路で分岐した出力経路を一つにまとめるために要していたスイッチ回路、およびオフセット電圧補正アンプを省略することができるので、受光アンプ回路構成を簡素化することができる。
【0018】
さらに、受光アンプ回路をモノリシック集積回路で構成する場合はチップサイズの縮小が可能となる。
【0019】
さらに本発明の受光アンプ回路は、上記課題を解決するために、前記第1の負帰還抵抗として前記第1の主増幅器の出力端子と入力端子との間に複数の抵抗が互いに並列に設けられ、前記第1の前置アンプは、前記第1の負帰還抵抗としていずれか1つの抵抗を選択的に前記第1の主増幅器の出力端子と入力端子との間に接続する第1のスイッチを備え、前記第2の負帰還抵抗として前記第2の主増幅器の出力端子と入力端子との間に複数の抵抗が互いに並列に設けられ、前記第2の前置アンプは、前記第1のスイッチが選択的に接続した前記第1の負帰還抵抗と抵抗値が等しい抵抗を、第2の負帰還抵抗として選択的に前記第2の主増幅器の出力端子と入力端子との間に接続する第2のスイッチを備えていることを特徴としている。
【0020】
上記の発明によれば、第1の前置アンプが備える第1のスイッチおよび第2の前置アンプが備える第2のスイッチは、第1の負帰還抵抗および第2の負帰還抵抗として互いに並列に設けられた複数の抵抗を備えており、第1のスイッチがいずれか1つの第1の負帰還抵抗を第1の主増幅器の出力端子と入力端子との間に選択的に接続すると、第2のスイッチはそれと抵抗値が等しい抵抗を第2の負帰還抵抗として第2の主増幅器の出力端子と入力端子との間に選択的に接続する。これにより、選択した第1の負帰還抵抗および第2の負帰還抵抗の抵抗値に応じたゲインを適宜設定することができる。
【0021】
さらに本発明の受光アンプ回路は、上記課題を解決するために、前記第1の負帰還抵抗として第1抵抗および第3抵抗が設けられ、前記第1抵抗は前記第3抵抗よりも抵抗値が大きく、前記第2の負帰還抵抗として第2抵抗および第4抵抗が設けられ、前記第2抵抗は前記第1抵抗と抵抗値が等しく、前記第4抵抗は前記第3抵抗と抵抗値が等しいことを特徴としている。
【0022】
上記の発明によれば、第1の負帰還抵抗と第2負帰還抵抗とは、それぞれ抵抗値の異なる2種類の抵抗を備えているので、2種類のゲインを設定することができる。
【0023】
さらに本発明の受光アンプ回路は、上記課題を解決するために、前記第1の負帰還抵抗として第1抵抗、第3抵抗、および第5抵抗が設けられ、前記第1抵抗は前記第3抵抗よりも抵抗値が大きく、前記第3抵抗は前記第5抵抗よりも抵抗値が大きく、前記第2の負帰還抵抗として第2抵抗、第4抵抗、および第6抵抗が設けられ、前記第2抵抗は前記第1抵抗と抵抗値が等しく、前記第4抵抗は前記第3抵抗と抵抗値が等しく、前記第6抵抗は前記第5抵抗と抵抗値が等しいことを特徴としている。
【0024】
上記の発明によれば、第1の負帰還抵抗と第2負帰還抵抗とは、それぞれ抵抗値の異なる3種類の抵抗を備えているので、3種類のゲインを設定することができる。
【0025】
さらに本発明の受光アンプ回路は、上記課題を解決するために、前記第1の負帰還抵抗のうちの最も抵抗値の小さいものと並列に、ダイオード接続のトランジスタによる電圧クリップ回路が接続されていることを特徴としている。
【0026】
上記の発明によれば、最も抵抗値の小さい第1の負帰還抵抗と並列に、ダイオード接続のトランジスタによる電圧クリップ回路が接続されているので、その負帰還抵抗の両端の電圧の最大値が制限され、受光素子から大きな電流が出力されて負帰還抵抗の両端の電圧が大きくなることによる第1の主増幅器の飽和を防止することができる。
【0027】
さらに本発明の受光アンプ回路は、上記課題を解決するために、前記第1のスイッチは前記第1の主増幅器の出力端子と前記第1の負帰還抵抗との間に設けられ、前記第2のスイッチは前記第2の主増幅器の出力端子と前記第2の負帰還抵抗との間に設けられ、前記第1の主増幅器の出力端子と前記第1のスイッチとの接続点は、前記差動増幅回路の第1の入力抵抗を介して前記差動増幅回路の第1の差動入力端子に接続されており、前記第2の主増幅器の出力端子と前記第2のスイッチとの接続点は、前記差動増幅回路の第2の入力抵抗を介して前記差動増幅回路の第2の差動入力端子に接続されていることを特徴としている。
【0028】
上記の発明によれば、第1の主増幅器および第2の主増幅器の各出力端子は第1のスイッチあるいは第2のスイッチを介して複数の負帰還抵抗に接続されているが、負帰還抵抗の数に関わらず、第1の主増幅器の出力端子と第1のスイッチとの間、および第2の主増幅器の出力端子と第2のスイッチとの間の各1点から差動増幅回路の入力抵抗との接続を行うことができる。従って、差動増幅回路に、第1の主増幅器および第2の主増幅器のそれぞれに対して複数の入力端子を設ける必要がなく、構成が簡略化される。
【0029】
さらに本発明の受光アンプ回路は、上記課題を解決するために、前記第1の主増幅器の出力端子と前記第1の入力抵抗との間に設けられ、前記第1の主増幅器の出力電圧の直流成分のレベルを上昇させて前記第1の入力抵抗に入力する第1のレベルシフト回路と、前記第2の主増幅器の出力端子と前記第2の入力抵抗との間に設けられ、前記第2の主増幅器の出力電圧の直流成分のレベルを上昇させて前記第2の入力抵抗に入力する第2のレベルシフト回路とを備えていることを特徴としている。
【0030】
上記の発明によれば、第1の主増幅器の出力端子と第1の入力抵抗との間に設けられた第1のレベルシフト回路により、第1の主増幅器の出力電圧の直流成分のレベルを上昇させる。受光素子の出力がゼロであるときの第1の主増幅器の出力電圧は第1の主増幅器のオフセット電圧となり、第1の主増幅器のダイナミックレンジを大きくするためには第1の主増幅器のオフセット電圧を小さくした方がよいが、差動増幅回路に与える基準電圧に対してオフセット電圧が十分に小さいと第1の入力抵抗を差動増幅回路の入力端子側から第1の主増幅器の出力端子側へ向かって流れる電流が大きくなるので、上記のように第1のレベルシフト回路を設けることにより、上記電流を小さくし、また、第2の主増幅器にも同様のレベルシフト回路を設けることにより、第1の主増幅器の出力端子と第1のスイッチとの接続点、および第2の主増幅器の出力端子と第2のスイッチとの接続点がどのような電圧となっても差動増幅回路の入力電圧として活用できる。
【0031】
さらに本発明の受光アンプ回路は、上記課題を解決するために、前記第1の主増幅器の出力端子と前記第1の入力抵抗との間に設けられた第1の緩衝アンプと、前記第2の主増幅器の出力端子と前記第2の入力抵抗との間に設けられた第2の緩衝アンプとを備えていることを特徴としている。
【0032】
上記の発明によれば、差動増幅回路の第1の入力抵抗および第2の入力抵抗が接続されることによる第1の前置アンプおよび第2の前置アンプのゲイン低下を防止することができる。
【0033】
さらに本発明の受光アンプ回路は、上記課題を解決するために、前記第1の緩衝アンプおよび前記第2の緩衝アンプは、PNP型トランジスタを用いたエミッタフォロア回路であることを特徴としている。
【0034】
上記の発明によれば、簡素な構成で、第1の緩衝アンプを第1の主増幅器の出力電圧の直流成分のレベルを上昇させて第1の入力抵抗に入力するレベルシフト回路として、また、第2の緩衝アンプを第2の主増幅器の出力電圧の直流成分のレベルを上昇させて第2の入力抵抗に入力するレベルシフト回路としても動作させることができる。
【0035】
さらに本発明の受光アンプ回路は、上記課題を解決するために、前記第1の主増幅器および前記第2の主増幅器はそれぞれ、第1のNPN型トランジスタのエミッタ端子を接地したエミッタ接地増幅回路であり、前記第1のスイッチおよび前記第2のスイッチはそれぞれ、ベースに前記エミッタ接地増幅回路の出力端子が接続された複数のPNPトランジスタによって構成される第1のPNP型トランジスタおよび前記第1のPNP型トランジスタにエミッタ電流を供給する複数のPNPトランジスタによって構成される第1の定電流回路を用いた第1のエミッタフォロア回路と、ベースに前記第1のエミッタフォロア回路の出力端子が接続された複数のNPNトランジスタによって構成される第2のNPN型トランジスタおよび前記第2のNPN型トランジスタにエミッタ電流を供給する複数のNPNトランジスタによって構成される第2の定電流回路を用いた第2のエミッタフォロア回路とを、前記第1の負帰還抵抗および前記第2の負帰還抵抗のそれぞれに対応して備え、前記第2のエミッタフォロア回路の各出力端子は対応する前記第1の負帰還抵抗あるいは前記第2の負帰還抵抗に接続されており、選択的に接続する前記第1の負帰還抵抗および前記第2の負帰還抵抗に対応した前記第1の定電流回路および前記第2の定電流回路が活性状態とされ、残りの前記第1の負帰還抵抗および前記第2の負帰還抵抗に対応した前記第1の定電流回路および前記第2の定電流回路が遮断状態とされることを特徴としている。
【0036】
上記の発明によれば、第1の主増幅器および前記第2の主増幅器をエミッタ接地増幅回路で、また、第1のスイッチおよび第2のスイッチを第1および第2のエミッタフォロア回路で構成することにより、簡素な構成で複数のゲインを切り替えることのできる受光アンプ回路を提供することができる。
【0037】
さらに本発明の受光アンプ回路は、上記課題を解決するために、前記第1の前置アンプおよび前記第2の前置アンプはそれぞれ、ベースに前記エミッタ接地増幅回路の出力端子が接続された第2のPNP型トランジスタを用いた第3のエミッタフォロア回路と、ベースに前記第3のエミッタフォロア回路の出力端子が接続された第3のNPN型トランジスタを用いた第4のエミッタフォロア回路とを備え、前記第4のエミッタフォロア回路の出力端子を前記差動増幅回路側への出力端子とすることを特徴としている。
【0038】
上記の発明によれば、第1の主増幅器の出力電圧および第2の主増幅器の出力電圧を第3および第4のエミッタフォロア回路によって取り出すので、差動増幅回路の第1の入力抵抗および第2の入力抵抗が接続されることによる第1の前置アンプおよび第2の前置アンプのゲイン低下を防止することができる。
【0039】
さらに本発明の受光アンプ回路は、上記課題を解決するために、前記第1のスイッチおよび前記第2のスイッチはそれぞれ、前記第1の主増幅器および前記第2の主増幅器の対応する方の主増幅器の出力端子にベースが接続された複数のPNPトランジスタによって構成される第1のPNP型トランジスタおよび前記第1のPNP型トランジスタにエミッタ電流を供給する複数のPNPトランジスタによって構成される第1の定電流回路を有する第1のエミッタフォロア回路と、ベースが前記第1のエミッタフォロア回路の出力端子に接続された複数のNPNトランジスタによって構成される第2のNPN型トランジスタおよび前記第2のNPN型トランジスタにエミッタ電流を供給する複数のNPNトランジスタによって構成される第2の定電流回路を有する第2のエミッタフォロア回路とを、前記第1の負帰還抵抗および前記第2の負帰還抵抗のそれぞれに対応して備え、前記第2のエミッタフォロア回路の各出力端子は対応する前記第1の負帰還抵抗あるいは前記第2の負帰還抵抗に接続されており、選択的に接続する前記第1の負帰還抵抗および前記第2の負帰還抵抗に対応した前記第1の定電流回路および前記第2の定電流回路が活性状態とされ、他方の前記第1の負帰還抵抗および前記第2の負帰還抵抗に対応した前記第1の定電流回路および前記第2の定電流回路が遮断状態とされることを特徴としている。
【0040】
上記の発明によれば、簡素な構成で2つのゲインを切り換えることのできる受光アンプ回路を提供することができる。
【0041】
【発明の実施の形態】
〔実施の形態1〕
本発明の一実施の形態について、図1および図2に基づいて説明すれば以下の通りである。
【0042】
図1に、本実施の形態に係る受光アンプ回路1の構成を示す。受光アンプ回路1は、前置アンプB11、前置アンプB12、および差動増幅回路B13を備えている。
【0043】
前置アンプ(第1の前置アンプ)B11は、主増幅器A11、抵抗R11・R12、スイッチSW11、およびダイオードD11・D12・D13を備えている。主増幅器(第1の主増幅器)A11は、入力端子に接続されたフォトダイオード(受光素子)PD1の出力を増幅する増幅器である。抵抗(第1の負帰還抵抗)R11・R12はそれぞれ主増幅器A11の負帰還抵抗であって、抵抗(第1抵抗)R11と抵抗(第3抵抗)R12とは互いに並列に設けられており、抵抗R11の抵抗値は抵抗R12の抵抗値よりも大きい。
【0044】
スイッチ(第1のスイッチ)SW11は主増幅器A11に対する負帰還ループを分割するためのスイッチであり、主増幅器A11の出力端子と抵抗R11・R12との間に設けられ、該出力端子を抵抗R11・R12のいずれかの一端に接続することにより、抵抗R11または抵抗R12を増幅時の負帰還抵抗として選択的に主増幅器A11の出力端子と入力端子との間に接続する。これにより、負帰還抵抗として選択された抵抗R11またはR12を介して主増幅器A11の出力電圧V11を主増幅器A11の入力端子へ負帰還する。
【0045】
ダイオードD11・D12・D13については後述する。
【0046】
次に、前置アンプ(第2の前置アンプ)B12は、主増幅器A12、抵抗R13・R14、およびスイッチSW12を備えている。前置アンプB12は、フォトダイオードPD1の出力が入力されないこと以外は前置アンプB11と同一構造である。主増幅器(第2の主増幅器)A12は、フォトダイオードPD1の出力が入力されないこと以外は主増幅器A11と同一構造であって自身の出力端子から負帰還される電圧を増幅する。抵抗(第2の負帰還抵抗)R13・R14はそれぞれ主増幅器A12の負帰還抵抗であって、抵抗(第2抵抗)R13と抵抗(第4抵抗)R14とは互いに並列に設けられており、抵抗R13は前置アンプB11の抵抗R11と抵抗値が等しく、抵抗R14は前置アンプB11の抵抗R12と抵抗値が等しい。
【0047】
スイッチ(第2のスイッチ)SW12は主増幅器A12に対する負帰還ループを分割するためのスイッチであり、主増幅器A12の出力端子と抵抗R13・R14との間に設けられ、前置アンプB11のスイッチSW11が抵抗R11を負帰還抵抗として選択的に接続するときには、該出力端子を抵抗R13の一端に接続することにより、抵抗R13を増幅時の負帰還抵抗として選択的に主増幅器A12の出力端子と入力端子との間に接続する。また、スイッチSW12は、前置アンプB11のスイッチSW11が抵抗R12を負帰還抵抗として選択的に接続するときには、該出力端子を抵抗R14の一端に接続することにより、抵抗R14を増幅時の負帰還抵抗として選択的に主増幅器A12の出力端子と入力端子との間に接続する。これにより、負帰還抵抗として選択された抵抗R13または抵抗R14を介して主増幅器A12の出力電圧V12を主増幅器A12の入力端子へ負帰還する。
【0048】
次に、差動増幅回路B13は、差動アンプA13、入力抵抗R15・R16、抵抗R17・R18を備えている。差動アンプA13は、前置アンプB11の出力端子(出力電圧V11)から入力抵抗R15を介して入力される電圧と、第2の前置アンプB12の出力端子(出力電圧V12)から入力抵抗R16を介して入力される電圧との差をとって増幅し、フォトダイオードPD1の出力の増幅結果である電圧Vo1を出力するアンプである。入力抵抗(第1の入力抵抗)R15は、差動アンプA13の正入力端子(第1の差動入力端子)と、前置アンプA11の出力端子とスイッチSW11との接続点との間に接続されている。入力抵抗(第2の入力抵抗)R16は、差動アンプA13の負入力端子(第2の差動入力端子)と、前置アンプA12の出力端子とスイッチSW12との接続点との間に接続されている。入力抵抗R15と入力抵抗R16とは互いに抵抗値が等しい。
【0049】
また、抵抗R17は一端に基準電圧Vref1が与えられた抵抗で、その他端は差動アンプA13の正入力端子に接続されている。抵抗R18は、差動アンプA13の出力端子と入力端子との間に接続された負帰還抵抗である。抵抗R17と抵抗R18とは互いに抵抗値が等しい。
【0050】
次に、上記の構成の受光アンプ回路1の増幅動作について説明する。
【0051】
図1の前置アンプB11において、フォトダイオードPD1に光電流Isc1が流れているとき、主増幅器A11のオフセット電圧をV13、主増幅器A11の入力バイアス電流をIB11とし、また、スイッチSW11は負帰還抵抗として抵抗R11を選択しているとすると、主増幅器A11の出力電圧V11は、
V11=V13+R11×IB11+R11×Isc1
となる。
【0052】
また、前置アンプB12において、主増幅器A12のオフセット電圧をV14、主増幅器A12の入力バイアス電流をIB12とし、スイッチSW12は負帰還抵抗として抵抗R13を選択しているとすると、主増幅器A12の出力電圧V12は、
V12=V14+R13×IB12
となる。
【0053】
また、差動アンプA13の出力電圧Vo1は、
Vo1=(R18/R16)×(V11−V12)+Vref1
である。ここで、
V11−V12=(V13−V14)+(R11×IB11−R13×IB12)+R11×Isc1
であって、主増幅器A11と主増幅器A12とは同一構成のアンプなのでそのオフセット電圧も入力バイアス電流も等しいとするとR11=R13なので
V11−V12=R11×Isc1
となる。
【0054】
従って、
Vo1=(R18/R16)×R11×Isc1+Vref1   (1)
となる。
【0055】
また、スイッチSW11が負帰還抵抗として抵抗R12を選択し、スイッチSW12が負帰還抵抗として抵抗R14を選択するとき、
Vo1=(R18/R16)×R12×Isc1+Vref1   (2)
となる。
【0056】
ここで、主増幅器A11と主増幅器A12とを同一構造とすることのできる理由を以下に説明する。主増幅器A11の無光状態(無信号状態)での出力電圧は、主増幅器A12をフォトダイオードPD1が接続されている、接続されていないという点を除いて主増幅器A11と同一とすることで、主増幅器A12の出力で作ることができる。当該、無光状態での主増幅器A11の出力電圧は主増幅器A11の出力電圧と主増幅器A12の出力電圧との差をとることで相殺され、差動アンプA13の出力に反映されることはないので主増幅器A11の無光状態での出力電圧はいかなる値にも設定可能で、基準電圧に律束されない自由な回路設計が可能になる。従って、主増幅器A11と主増幅器A12とを同一構造とすることが可能となる。
【0057】
このように、本実施の形態に係る受光アンプ回路1によれば、主増幅器A11と主増幅器A12とはフォトダイオードPD1の出力が入力されるか否かということ以外は同一構造であり、第1の負帰還抵抗と第2の負帰還抵抗とは抵抗値が等しい。すなわち、従来のゲイン切り替え機能を持った受光アンプ回路のように、差動増幅回路の入力バイアス電流×負帰還抵抗によるオフセット電圧を補正するアンプを設ける必要がない。従って、差動増幅回路B13で前置アンプB11の出力電圧V11と前置アンプB12の出力電圧V12との差をとって増幅し、フォトダイオードPD1の出力の増幅結果を出力した場合に、オフセット電圧補正アンプで生じていたような入力オフセット電圧、および、差動増幅回路の入力バイアス電流とオフセット電圧補正アンプの入力バイアス電流との差によって生じていたようなオフセット電圧の発生を防止することができる。
【0058】
この結果、受光アンプ回路1では、出力電圧Vo1に出力オフセット電圧を生じない。
【0059】
また、前置アンプB11および前置アンプB12を基準電圧に影響されない構成とすることで、前置アンプB11および前置アンプB12のダイナミックレンジが基準電圧に制約されないようにすることができる。
【0060】
さらに、従来、差動増幅回路で分岐した出力経路を一つにまとめるために要していたスイッチ回路、およびオフセット電圧補正アンプを省略することができるので、受光アンプ回路構成を簡素化することができる。
【0061】
さらに、受光アンプ回路1をモノリシック集積回路で構成する場合はチップサイズの縮小が可能となる。
【0062】
また、本実施の形態に係る受光アンプ回路1によれば、スイッチSW11およびスイッチSW12は、第1の負帰還抵抗および第2の負帰還抵抗として互いに並列に設けられた複数の抵抗を備えており、スイッチSW11がいずれか1つの第1の負帰還抵抗を主増幅器A11の出力端子と入力端子との間に選択的に接続すると、スイッチSW12はそれと抵抗値が等しい抵抗を第2の負帰還抵抗として主増幅器A12の出力端子と入力端子との間に選択的に接続する。これにより、選択した第1の負帰還抵抗および第2の負帰還抵抗の抵抗値に応じたゲインを適宜設定することができる。
【0063】
特に、本実施の形態では第1の負帰還抵抗および第2の負帰還抵抗として抵抗が2つずつ設けられ、抵抗R11・R13の抵抗値>抵抗R12・R14の抵抗値であるので、式(1)・(2)より、2種類のゲインを有する受光アンプ回路を構成することができる。抵抗値の大きな方の負帰還抵抗である抵抗R11・R13をCDやDVDディスクの再生信号光電流の増幅に用い、抵抗値の小さな方の負帰還抵抗である抵抗R12・R14をCD−R/RWディスクや書き込み可能なDVDディスクの書き込み時における大きな信号光電流の増幅に用いることが可能になる。
【0064】
次に、前述したダイオードD11・D12・D13について説明する。ダイオードD11・D12・D13は、アノードをスイッチSW1側、カソードを主増幅器A11の入力端子側として直列に接続されて電圧クリップ回路を構成しており、この電圧クリップ回路が最も抵抗値の小さい第1の負帰還抵抗である抵抗R12と並列に接続されている。これらのダイオードはそれぞれ、トランジスタのコレクタ端子とベース端子とを接続し、ベース−エミッタ間のPN接合を使用する、いわゆるダイオード接続のトランジスタで構成することができる。スイッチSW11が抵抗R12を第1の負帰還抵抗として選択し、スイッチSW12が抵抗R14を第2の負帰還抵抗として選択し、前述のように抵抗R11の抵抗値>抵抗R12の抵抗値、抵抗R13の抵抗値>抵抗R14の抵抗値であるとき、抵抗R12および抵抗R14はCD−R/RWディスクや書き込み可能なDVDディスクの書き込み時における負帰還抵抗として用いられる。
【0065】
CD−R/RWディスクや書き込み可能なDVDディスクの書き込み時においてフォトダイオードPD1は大きな光電流Iscw1を出力する。前置アンプB11のダイナミックレンジをVD1とすると
抵抗R12の両端電圧=Iscw1×R12>VD1
となるとき、主増幅器A11は飽和し、異常な動作を生じる場合がある。ダイオードD11・D12・D13の順電圧をVF1とするとき、抵抗R12を流れる電流は電圧クリップ回路をバイパスして流れ、抵抗R12の両端電圧は3×VF1以上には上昇しないので、
抵抗R12の両端の最大電圧=3×VF1<VD1
とすることで主増幅器A11の飽和を防止することができる。
【0066】
また、本実施の形態に係る受光アンプ回路1によれば、前置アンプB11の出力電圧は、主増幅器A11の出力端子とスイッチSW11との接続点の電圧である主増幅器A11の出力電圧V11であって、差動増幅回路B13の入力抵抗R15を介して差動アンプA13の正入力端子へ印加される。そして、前置アンプB12の出力電圧は、主増幅器A12の出力端子とスイッチSW12との接続点の電圧である主増幅器A12の出力電圧V12であって、差動増幅回路B13の入力抵抗R16を介して差動アンプA13の負入力端子へ印加される。
【0067】
上記の構成のように、前置アンプB11の出力電圧と前置アンプB12の出力電圧との差をとる差動増幅回路B13の入力点を、前置アンプB11・B12の複数の負帰還ループが分岐するスイッチSW11・SW12よりも主増幅器A11・A12側、すなわち、主増幅器A11・A12の出力端子とスイッチSW11・SW12との接続点にすることにより、負帰還抵抗の数に関わらず、主増幅器A11の出力端子とスイッチSW11との間、および主増幅器A12の出力端子とスイッチSW12との間の各1点から差動増幅回路B13の入力抵抗R15・R16との接続を行うことができる。従って、差動増幅回路B13に、主増幅器A11・A12のそれぞれに対して複数の入力端子を設ける必要がなく、受光アンプ回路1の構成が簡略化される。
【0068】
次に、前置アンプB11・B12のより詳細な構成例を図2に示す。同図には、一方の前置アンプの構成のみを示す。他方はこれと同一構造である。なお、ダイオードD11・D12・D13は省略してある。
【0069】
同図において、トランジスタQ31と定電流回路I31とは主増幅器A11・A12をエミッタ接地増幅回路として構成している。トランジスタ(第1のNPN型トランジスタ)Q31はエミッタ接地されたNPN型トランジスタであり、ベース端子が主増幅器A11・A12の入力端子、コレクタ端子が主増幅器A11・A12の出力端子である。定電流回路I31はトランジスタQ31のコレクタ端子に接続されたトランジスタQ31の能動負荷である。
【0070】
トランジスタQ32および定電流回路I32と、トランジスタQ33および定電流回路I33とは、それぞれPNP型トランジスタによるエミッタフォロア回路(第1のエミッタフォロア回路)を構成している。トランジスタ(第1のPNP型トランジスタ)Q32・Q33はPNP型トランジスタであり、ベース端子はトランジスタQ31のコレクタ端子と接続されており、コレクタ端子は接地されている。エミッタ端子はこれらのエミッタフォロア回路の出力端子である。定電流回路(第1の定電流回路)I32はトランジスタQ32のエミッタ端子に接続されていてトランジスタQ32にエミッタ電流を供給し、定電流回路(第1の定電流回路)I33はトランジスタQ33のエミッタ端子に接続されていてトランジスタQ33にエミッタ電流を供給する。
【0071】
トランジスタQ34および定電流回路I34と、トランジスタQ35および定電流回路I35とは、それぞれNPN型トランジスタによるエミッタフォロア回路(第2のエミッタフォロア回路)を構成している。トランジスタ(第2のNPN型トランジスタ)Q34はNPN型トランジスタであり、ベース端子はトランジスタQ32のエミッタ端子に接続されており、コレクタ端子は電源Vccに接続されている。エミッタ端子はこのエミッタフォロア回路の出力端子である。定電流回路(第2の定電流回路)I34はトランジスタQ34のエミッタ端子に接続されていてトランジスタQ34にエミッタ電流を供給する。トランジスタ(第2のNPN型トランジスタ)Q35はNPN型トランジスタであり、ベース端子はトランジスタQ33のエミッタ端子に接続されており、コレクタ端子は電源Vccに接続されている。エミッタ端子はこのエミッタフォロア回路の出力端子である。定電流回路(第2の定電流回路)I35はトランジスタQ35のエミッタ端子に接続されていてトランジスタQ35にエミッタ電流を供給する。
【0072】
トランジスタQ34のエミッタ端子は、該エミッタフォロア回路の出力電圧を負帰還する抵抗R31(図1の抵抗R11・R13に相当する)を介してトランジスタQ31のベース端子に接続されている。トランジスタQ35のエミッタ端子は、該エミッタフォロア回路の出力電圧を負帰還する抵抗R32(図1の抵抗R12・R14に相当する)を介してトランジスタQ31のベース端子に接続されている。
【0073】
なお、主増幅器A11の入力端子にはフォトダイオードPD1が接続され、主増幅器A12の入力端子にはフォトダイオードPD1が接続されない構成となる。
【0074】
ここで、定電流回路I33・I35を遮断状態とし、定電流回路I32・I34を活性状態とすると、
Q31のコレクタ端子→Q33のエミッタ端子→Q35のエミッタ端子→R32→Q31のベース端子
の負帰還ループは遮断され、
Q31のコレクタ端子→Q32のエミッタ端子→Q34のエミッタ端子→R31→Q31のベース端子
の負帰還ループは活性となる。
【0075】
このとき、前置アンプB11・B12の負帰還抵抗として抵抗R31を選択したことになる。
【0076】
逆に定電流回路I33・I35を活性状態とし、定電流回路I32・I34を遮断状態とした場合、
Q31のコレクタ端子→Q33のエミッタ端子→Q35のエミッタ端子→R32→Q31のベース端子
の負帰還ループは活性となって、
Q31のコレクタ端子→Q32のエミッタ端子→Q34のエミッタ端子→R31→Q31のベース端子
の負帰還ループは遮断となる。
【0077】
このとき、前置アンプB11・B12の負帰還抵抗として抵抗R32を選択したことになる。
【0078】
上記に示すように、PNP型トランジスタを用いた2つのエミッタフォロア回路を構成する定電流回路I32・I33と、NPN型トランジスタを用いた2つのエミッタフォロア回路を構成する定電流回路I34・I35とを選択的に活性状態とする、すなわち、ある一組のPNP型トランジスタのエミッタフォロア回路とそれに接続されたNPN型トランジスタのエミッタフォロア回路とを活性状態とし、他は遮断状態とすることにより、図1のスイッチSW11・SW12の動作を実現することができる。このように、第1のエミッタフォロア回路および第2のエミッタフォロア回路を、第1の負帰還抵抗である抵抗R11・R12および第2の負帰還抵抗である抵抗R13・R14のそれぞれに対応して備えることにより、スイッチSW11・SW12を構成することができる。これにより、簡素な構成で複数のゲイン、ここでは2種類のゲインを切り替えることができる。
【0079】
また、図2において、トランジスタQ36および定電流回路I36は、PNP型トランジスタによるエミッタフォロア回路(第3のエミッタフォロア回路)を構成している。トランジスタ(第2のPNP型トランジスタ)Q36はPNP型トランジスタであり、ベース端子はトランジスタQ31のコレクタに接続されており、コレクタ端子は接地されている。エミッタ端子はこのエミッタフォロア回路の出力端子である。定電流回路(第3の定電流回路)I36はトランジスタQ36のエミッタ端子に接続されており、トランジスタQ36にエミッタ電流を供給する。
【0080】
トランジスタQ37および定電流回路I37はNPN型トランジスタによるエミッタフォロア回路(第4のエミッタフォロア回路)を構成している。トランジスタ(第3のNPN型トランジスタ)Q37はNPN型トランジスタであり、ベース端子はトランジスタQ36のエミッタ端子に接続されており、コレクタ端子は電源Vccに接続されている。エミッタ端子はこのエミッタフォロア回路の出力端子であり、前置アンプB11・B12の出力端子である。定電流回路(第4の定電流回路)I37はトランジスタQ37のエミッタ端子に接続されており、トランジスタQ37にエミッタ電流を供給する。
【0081】
ここで、定電流回路I32・I33の電流値と定電流回路I36の電流値とを等しくし、定電流回路I34・I35の電流値と定電流回路I37の電流値とを等しくする。すると、トランジスタQ32によるエミッタフォロア回路とトランジスタQ33によるエミッタフォロア回路とのうち活性状態である一方のエミッタフォロア回路のベース−エミッタ間電圧と、トランジスタQ36によるエミッタフォロア回路のベース−エミッタ間電圧とは等しく、トランジスタQ34によるエミッタフォロア回路とトランジスタQ35によるエミッタフォロア回路とのうち活性状態である一方のエミッタフォロア回路のベース−エミッタ間電圧と、トランジスタQ37によるエミッタフォロア回路のベース−エミッタ間電圧とは等しいので、スイッチSW11・SW12の端子電圧となる、トランジスタQ34・Q35によるエミッタフォロア回路のうち活性状態である一方の出力電圧(トランジスタQ34・Q35のうち活性状態である方のエミッタ端子電圧)と、トランジスタQ37によるエミッタフォロア回路の出力電圧Vo3とは等しくなる。従って、出力電圧Vo3を前置アンプB11・B12の出力電圧V11・V12(差動増幅回路B13側への出力電圧)とすることができる。
【0082】
このように、主増幅器A11の出力電圧V11および主増幅器A12の出力電圧V12を第4のエミッタフォロア回路によって取り出すので、差動増幅回路B13の入力抵抗R15・R16が接続されることによる前置アンプB11・B12のゲイン低下を防止することができる。
【0083】
〔実施の形態2〕
本発明の他の実施の形態について、図3および図4に基づいて説明すれば以下の通りである。
【0084】
図3に、本実施の形態に係る受光アンプ回路2の構成を示す。受光アンプ回路2は、前置アンプB21、前置アンプB22、および差動増幅回路B23を備えている。
【0085】
前置アンプ(第1の前置アンプ)B21は、主増幅器A21、抵抗R211・R212・R213、スイッチSW21、およびダイオードD21・D22・D23を備えている。主増幅器(第1の主増幅器)A21は、入力端子に接続されたフォトダイオード(受光素子)PD2の出力を増幅する増幅器である。抵抗(第1の負帰還抵抗)R211・R212・R213はそれぞれ主増幅器A21の負帰還抵抗であって、抵抗(第1抵抗)R211と抵抗(第3抵抗)R212と抵抗(第5抵抗)R213とは互いに並列に設けられており、抵抗R211の抵抗値は抵抗R212の抵抗値よりも大きく、抵抗R212の抵抗値は抵抗R213の抵抗値よりも大きい。
【0086】
スイッチ(第1のスイッチ)SW21は主増幅器A21に対する負帰還ループを分割するためのスイッチであり、主増幅器A21の出力端子と抵抗R211・R212・R213との間に設けられ、該出力端子を抵抗R211・R212・R213のいずれかの一端に接続することにより、抵抗R211、抵抗R212または抵抗R213を増幅時の負帰還抵抗として選択的に主増幅器A21の出力端子と入力端子との間に接続する。これにより、負帰還抵抗として選択された抵抗R211、抵抗R212、または抵抗R213を介して主増幅器A21の出力電圧V21を主増幅器A21の入力端子へ負帰還する。
【0087】
ダイオードD21・D22・D23は、実施の形態1のダイオードD11・D12・D13と同様にダイオード接続されたトランジスタによる電圧クリップ回路を構成しており、この電圧クリップ回路は抵抗R213と並列に接続されている。
【0088】
次に、前置アンプ(第2の前置アンプ)B22は、主増幅器A22、抵抗R214・R215・R216、およびスイッチSW22を備えている。前置アンプB22は、フォトダイオードPD2の出力が入力されないこと以外は前置アンプB21と同一構造である。主増幅器(第2の主増幅器)A22は、フォトダイオードPD2の出力が入力されないこと以外は主増幅器A21と同一構造であって自身の出力端子から負帰還される電圧を増幅する。抵抗(第2の負帰還抵抗)R214・R215・R216はそれぞれ主増幅器A22の負帰還抵抗であって、抵抗(第2抵抗)R214と抵抗(第4抵抗)R215と抵抗(第6抵抗)R216とは互いに並列に設けられており、抵抗R214は前置アンプB21の抵抗R211と抵抗値が等しく、抵抗R215は前置アンプB21の抵抗R212と抵抗値が等しく、抵抗R216は前置アンプB21の抵抗R213と抵抗値が等しい。
【0089】
スイッチ(第2のスイッチ)SW22は主増幅器A22に対する負帰還ループを分割するためのスイッチであり、主増幅器A22の出力端子と抵抗R214・R215・R216との間に設けられ、前置アンプB21のスイッチSW21が抵抗R211を負帰還抵抗として選択的に接続するときには、該出力端子を抵抗R214の一端に接続することにより、抵抗R214を増幅時の負帰還抵抗として選択的に主増幅器A22の出力端子と入力端子との間に接続する。また、スイッチSW22は、前置アンプB21のスイッチSW21が抵抗R212を負帰還抵抗として選択的に接続するときには、該出力端子を抵抗R215の一端に接続することにより、抵抗R215を増幅時の負帰還抵抗として選択的に主増幅器A22の出力端子と入力端子との間に接続する。また、スイッチSW22は、前置アンプB21のスイッチSW21が抵抗R213を負帰還抵抗として選択的に接続するときには、該出力端子を抵抗R216の一端に接続することにより、抵抗R216を増幅時の負帰還抵抗として選択的に主増幅器A22の出力端子と入力端子との間に接続する。これにより、負帰還抵抗として選択された抵抗R214、抵抗R215、または抵抗216を介して主増幅器A22の出力電圧V22を主増幅器A22の入力端子へ負帰還する。
【0090】
次に、差動増幅回路B23は、差動アンプA23、入力抵抗R225・R226、抵抗R227・R228を備えている。差動アンプA23は、前置アンプB21の出力端子(出力電圧V21)から入力抵抗R225を介して入力される電圧と前置アンプB22の出力端子(出力電圧V22)から入力抵抗R226を介して入力される電圧との差をとって増幅し、フォトダイオードPD2の出力の増幅結果である電圧Vo2を出力するアンプである。入力抵抗R225は、差動アンプA23の正入力端子(第1の差動入力端子)と、前置アンプA21の出力端子とスイッチSW21との接続点との間に接続されている。入力抵抗R226は、差動アンプA23の負入力端子(第2の差動入力端子)と、前置アンプA22の出力端子とスイッチSW22との接続点との間に接続されている。抵抗R225と抵抗R226とは互いに抵抗値が等しい。
【0091】
また、抵抗R227は一端に基準電圧Vref2が与えられた抵抗で、その他端は差動アンプA23の正入力端子に接続されている。抵抗R228は、差動アンプA23の出力端子と入力端子との間に接続された負帰還抵抗である。抵抗R227と抵抗R228とは互いに抵抗値が等しい。
【0092】
上記の構成の受光アンプ回路2は、実施の形態1の受光アンプ回路1における第1の負帰還抵抗および第2の負帰還抵抗をそれぞれ3本とし、3つの負帰還ループの分岐を有するようにした受光アンプ回路に相当する。
【0093】
受光アンプ回路2における増幅動作は、受光アンプ回路1と同様である。フォトダイオードPD2の受光光電流をIsc2とすると、スイッチSW21が第1の負帰還抵抗として抵抗R211を選択し、スイッチSW22が第2の負帰還抵抗として抵抗R214を選択したときには、差動アンプA23の出力電圧Vo2は、
Vo2=(R228/R226)×R211×Isc2+Vref2
となり、スイッチSW21が第1の負帰還抵抗として抵抗R212を選択し、スイッチSW22が第2の負帰還抵抗として抵抗R215を選択したときには、
Vo2=(R228/R226)×R212×Isc2+Vref2
となり、スイッチSW21が第1の負帰還抵抗として抵抗R213を選択し、スイッチSW22が第2の負帰還抵抗として抵抗R216を選択したときには、
Vo2=(R228/R226)×R213×Isc2+Vref2
となる。
【0094】
従って、抵抗R211の抵抗値>抵抗R212の抵抗値>抵抗R213の抵抗値とすることで、3種類のゲインを有する受光アンプ回路を構成することができる。最も抵抗値が大きい負帰還抵抗である抵抗R211・R214を、反射率が低く反射光量が小さいCD−RWディスクや2層構造のDVD−ROMディスクの再生信号光電流の増幅に用い、2番目に抵抗値が大きい負帰還抵抗である抵抗R212・R215を、反射率が大きく反射光量が大きいCD−ROMや1層構造のDVD−ROMディスクの再生信号光電流の増幅に用い、最も抵抗値が小さい負帰還抵抗である抵抗R213・R216を、CD−R/RWディスクや書き込み可能なDVDディスクの書き込み時の大きな信号光電流の増幅に用いることが可能となる。
【0095】
次に、前置アンプB21・B22のより詳細な構成例を図4に示す。同図には、一方の前置アンプの構成のみを示す。他方はこれと同一構造である。なお、ダイオードD21・D22・D23は省略してある。
【0096】
同図の前置アンプB21・B22は、図2で示した前置アンプB11・B12の構成に第1のエミッタフォロア回路および第2のエミッタフォロア回路と負帰還抵抗とがもう一組付け加えられた構成となっている。図4の前置アンプB21・B22にさらに第1のエミッタフォロア回路および第2のエミッタフォロア回路と負帰還抵抗とをもう一組付け加えることで4本の負帰還抵抗を具備した前置アンプも構成可能となる。
【0097】
図4において、トランジスタQ41と定電流回路I41とは主増幅器A21・A22をエミッタ接地増幅回路として構成している。トランジスタ(第1のNPN型トランジスタ)Q41はエミッタ接地されたNPN型トランジスタであり、ベース端子が主増幅器A21・A22の入力端子、コレクタ端子が主増幅器A21・A22の出力端子である。定電流回路I41はトランジスタQ41のコレクタ端子に接続されたトランジスタQ41の能動負荷である。
【0098】
トランジスタQ42および定電流回路I42と、トランジスタQ43および定電流回路I43と、トランジスタQ44および定電流回路I44とは、それぞれPNP型トランジスタによるエミッタフォロア回路(第1のエミッタフォロア回路)を構成している。トランジスタ(第1のPNP型トランジスタ)Q42・Q43・Q44はPNP型トランジスタであり、ベース端子はトランジスタQ41のコレクタ端子と接続されており、コレクタ端子は接地されている。エミッタ端子はこれらのエミッタフォロア回路の出力端子である。定電流回路(第1の定電流回路)I42はトランジスタQ42のエミッタ端子に接続されていてトランジスタQ42にエミッタ電流を供給し、定電流回路(第1の定電流回路)I43はトランジスタQ43のエミッタ端子に接続されていてトランジスタQ43にエミッタ電流を供給し、定電流回路(第1の定電流回路)I44はトランジスタQ44のエミッタ端子に接続されていてトランジスタQ44にエミッタ電流を供給する。
【0099】
トランジスタQ45および定電流回路I45と、トランジスタQ46および定電流回路I46と、トランジスタQ47および定電流回路I47とは、それぞれNPN型トランジスタによるエミッタフォロア回路(第2のエミッタフォロア回路)を構成している。トランジスタ(第2のNPN型トランジスタ)Q45はNPN型トランジスタであり、ベース端子はトランジスタQ42のエミッタ端子に接続されており、コレクタ端子は電源Vccに接続されている。エミッタ端子はこのエミッタフォロア回路の出力端子である。定電流回路(第2の定電流回路)I45はトランジスタQ45のエミッタ端子に接続されていてトランジスタQ45にエミッタ電流を供給する。トランジスタ(第2のNPN型トランジスタ)Q46はNPN型トランジスタであり、ベース端子はトランジスタQ43のエミッタ端子に接続されており、コレクタ端子は電源Vccに接続されている。エミッタ端子はこのエミッタフォロア回路の出力端子である。定電流回路(第2の定電流回路)I46はトランジスタQ46のエミッタ端子に接続されていてトランジスタQ46にエミッタ電流を供給する。トランジスタ(第2のNPN型トランジスタ)Q47はNPN型トランジスタであり、ベース端子はトランジスタQ44のエミッタ端子に接続されており、コレクタ端子は電源Vccに接続されている。エミッタ端子はこのエミッタフォロア回路の出力端子である。定電流回路(第2の定電流回路)I47はトランジスタQ47のエミッタ端子に接続されていてトランジスタQ47にエミッタ電流を供給する。
【0100】
トランジスタQ45のエミッタ端子は、このエミッタフォロア回路の出力電圧を帰還する負帰還抵抗R41(図3の抵抗R211・R214に相当する)を介してトランジスタQ41のベース端子に接続されている。トランジスタQ46のエミッタ端子は、このエミッタフォロア回路の出力電圧を負帰還する抵抗R42(図3の抵抗R212・R215に相当する)を介してトランジスタQ41のベース端子に接続されている。トランジスタQ47のエミッタ端子は、このエミッタフォロア回路の出力電圧を負帰還する抵抗R43(図3の抵抗R213・R216に相当する)を介してトランジスタQ41のベース端子に接続されている。
【0101】
なお、主増幅器A21の入力端子にはフォトダイオードPD2が接続され、主増幅器A22の入力端子にはフォトダイオードPD2が接続されない構成となる。
【0102】
ここで、定電流回路I43・I44・I46・I47を遮断状態とし、定電流回路I42・I45を活性状態とすると、
Q41のコレクタ端子→Q43のエミッタ端子→Q46のエミッタ端子→R42→Q41のベース端子
の負帰還ループ、および、
Q41のコレクタ端子→Q44のエミッタ端子→Q47のエミッタ端子→R43→Q41のベース端子
の負帰還ループは遮断され、
Q41のコレクタ端子→Q42のエミッタ端子→Q45のエミッタ端子→R41→Q41のベース端子
の負帰還ループは活性となる。
【0103】
このとき、前置アンプB21・B22の負帰還抵抗として抵抗R41を選択したことになる。
【0104】
上記と同様にトランジスタQ43によるエミッタフォロア回路とトランジスタQ46によるエミッタフォロア回路とを活性状態とし、他のエミッタフォロア回路を遮断状態とすれば、前置アンプB11・B12の負帰還抵抗として抵抗R42が選択される。また、トランジスタQ44によるエミッタフォロア回路とトランジスタQ47によるエミッタフォロア回路とを活性状態とし、他のエミッタフォロア回路を遮断状態とすれば、前置アンプB11・B12の負帰還抵抗として抵抗R43が選択される。
【0105】
上記に示すように、PNP型トランジスタを用いた3つのエミッタフォロア回路を構成する定電流回路I42・I43・I44と、NPN型トランジスタを用いた3つのエミッタフォロア回路を構成する定電流回路I45・I46・I47とを選択的に活性状態とする、すなわち、ある一組のPNP型トランジスタのエミッタフォロア回路とそれに接続されたNPN型トランジスタのエミッタフォロア回路とを活性状態とし、他は遮断状態とすることにより、図3のスイッチSW21・SW22の動作を実現することができる。このように、第1のエミッタフォロア回路および第2のエミッタフォロア回路を、第1の負帰還抵抗である抵抗R211・R212・R213および第2の負帰還抵抗である抵抗R214・R215・R216のそれぞれに対応して備えることにより、スイッチSW21・SW22を構成することができる。これにより、簡素な構成で複数のゲイン、ここでは3種類のゲインを切り替えることができる。
【0106】
また、図4において、トランジスタQ48および定電流回路I48は、PNP型トランジスタによるエミッタフォロア回路(第3のエミッタフォロア回路)を構成している。トランジスタ(第2のPNP型トランジスタ)Q48はPNP型トランジスタであり、ベース端子はトランジスタQ41のコレクタに接続されており、コレクタ端子は接地されている。エミッタ端子はこのエミッタフォロア回路の出力端子である。定電流回路(第3の定電流回路)I48はトランジスタQ48のエミッタに接続されており、トランジスタQ48にエミッタ電流を供給する。
【0107】
トランジスタQ49および定電流回路I49はNPN型トランジスタによるエミッタフォロア回路(第4のエミッタフォロア回路)を構成している。トランジスタ(第3のNPN型トランジスタ)Q49はNPN型トランジスタであり、ベース端子はトランジスタQ48のエミッタ端子に接続されており、コレクタ端子は電源Vccに接続されている。エミッタ端子はこのエミッタフォロア回路の出力端子であり、前置アンプB21・B22の出力端子である。定電流回路(第4の定電流回路)I49はトランジスタQ49のエミッタ端子に接続されており、トランジスタQ49にエミッタ電流を供給する。
【0108】
ここで、定電流回路I42・I43・I44の電流値と定電流回路I48の電流値とを等しくし、定電流回路I45・I46・I47の電流値と定電流回路I49の電流値とを等しくする。すると、トランジスタQ42によるエミッタフォロア回路とトランジスタQ43によるエミッタフォロア回路とトランジスタQ44によるエミッタフォロア回路とのうち活性状態である1つのエミッタフォロア回路のベース−エミッタ間電圧と、トランジスタQ48によるエミッタフォロア回路のベース−エミッタ間電圧とは等しく、トランジスタQ45によるエミッタフォロア回路とトランジスタQ46によるエミッタフォロア回路とトランジスタQ47によるエミッタフォロア回路とのうち活性状態である1つのエミッタフォロア回路のベース−エミッタ間電圧と、トランジスタQ49によるエミッタフォロア回路のベース−エミッタ間電圧とは等しいので、スイッチSW21・SW22の端子電圧となる、トランジスタQ45・Q46・Q47によるエミッタフォロア回路の活性状態である1つの出力電圧(トランジスタQ45・Q46・Q47のうちの活性状態である1つのエミッタ端子電圧)と、トランジスタQ49によるエミッタフォロア回路の出力電圧Vo4とは等しくなる。従って、出力電圧Vo4を前置アンプB21・B22の出力電圧V21・V22(差動増幅回路B23側への出力電圧)とすることができる。
【0109】
このように、主増幅器A21の出力電圧V21および主増幅器A22の出力電圧V22を第4のエミッタフォロア回路によって取り出すので、差動増幅回路B23の入力抵抗R225・R226が接続されることによる前置アンプB21・B22のゲイン低下を防止することができる。
【0110】
〔実施の形態3〕
本発明のさらに他の実施の形態について、図5に基づいて説明すれば以下の通りである。なお、前記実施の形態1および2で述べた構成要素と同一の機能を有する構成要素については同一の符号を付し、その説明を省略する。
【0111】
図5に、本実施の形態に係る受光アンプ回路3の構成を示す。受光アンプ回路3は、実施の形態1の受光アンプ回路1(図1)にさらにレベルシフト回路LS11・LS12を設けたものである。実施の形態2の受光アンプ回路2(図3)にさらにレベルシフト回路LS11・LS12を設けてもよいが、動作は同じであるので、以下では図5に示した構成で説明する。
【0112】
レベルシフト回路(第1のレベルシフト回路)LS11は、主増幅器A11の出力端子と入力抵抗R15との間に挿入されており、主増幅器A11の出力電圧V11の直流成分のレベルを上昇させる。レベルシフト回路(第2のレベルシフト回路)LS12は、主増幅器A12の出力端子と入力抵抗R16との間に挿入されており、主増幅器A12の出力電圧V12の直流成分のレベル(オフセット電圧レベル)を上昇させる。
【0113】
受光アンプ回路3において、フォトダイオードPD1の光電流がないとき、主増幅器A11の入力バイアス電流を無視すると、主増幅器A11の出力電圧V11は主増幅器A11のオフセット電圧となる。フォトダイオードPD1の光電流は主増幅器A11の出力電圧を上昇させるように働くので、主増幅器A11のダイナミックレンジを大きくするためには主増幅器A11のオフセット電圧を小さくしたほうがよく、Vref1>V11となる。このとき、基準電圧Vref1の印加端子から主増幅器A11の出力端子に向かって
(Vref1−V11)/(R15+R17)
となる電流が流れる。主増幅器A11の出力端子と入力抵抗R15の間にはレベルシフト回路LS11が挿入されているので、Vref1とV11との差は小さくなり、上記の(Vref1−V11)/(R15+R17)で示される電流を小さくすることができる。
【0114】
ここで、前置アンプB12はフォトダイオードPD1が接続されないこと以外は前置アンプB11と同一構成であるので、レベルシフト回路LS12としては、レベルシフト回路LS11と同一のものが挿入される。
【0115】
これにより、主増幅器A11の出力端子とスイッチSW11との接続点、および主増幅器A12の出力端子とスイッチSW12との接続点がどのような電圧となっても差動増幅回路B13の入力電圧として活用できる。
【0116】
〔実施の形態4〕
本発明のさらに他の実施の形態について、図6に基づいて説明すれば以下の通りである。なお、前記実施の形態1ないし3で述べた構成要素と同一の機能を有する構成要素には同一の符号を付し、その説明を省略する。
【0117】
図6に、本実施の形態に係る受光アンプ回路4の構成を示す。受光アンプ回路4は、実施の形態1の受光アンプ回路1(図1)にさらに緩衝アンプBf11・Bf12を設けたものである。実施の形態2の受光アンプ回路2(図3)にさらに緩衝アンプBf11・Bf12を設けてもよいが、動作は同じであるので、以下では図6に示した構成で説明する。
【0118】
実施の形態1の受光アンプ回路1においては、実施の形態3で述べたように、基準電圧Vref1と主増幅器A11の出力電圧との差によって生じる(Vref1−V11)/(R15+R17)となる電流が、基準電圧Vref1の印加端子から主増幅器A11の出力端子に向かって流れる。そこで、該電流によって主増幅器A11のゲインが低下することを防止するため、図6に示すように、主増幅器A11の出力端子と入力抵抗R15との間に緩衝アンプ(第1の緩衝アンプ)Bf11を、また、主増幅器A12の出力端子と入力抵抗R16との間に緩衝アンプ(第2の緩衝アンプ)Bf12を挿入するとよい。
【0119】
ここで、前置アンプB12はフォトダイオードPD1が接続されないこと以外は前置アンプB11と同一構成であるので、緩衝アンプBf12としては、緩衝アンプBf11と同一のものが挿入される。
【0120】
これにより、差動増幅回路B13の入力抵抗R15および入力抵抗R16が接続されることによる前置アンプB11・B12のゲイン低下を防止することができる。
【0121】
また、該緩衝アンプBf11・Bf12をPNP型トランジスタを用いたエミッタフォロア回路で構成することにより、簡素な構成で実施の形態3で述べたレベルシフト回路LS11をも兼用することができる。
【0122】
【発明の効果】
本発明の受光アンプ回路は、以上のように、受光素子の出力が入力される第1の前置アンプと、前記受光素子の出力が入力されないこと以外は前記第1の前置アンプと同一構造である第2の前置アンプと、前記第1の前置アンプの出力電圧と前記第2の前置アンプの出力電圧とを差動増幅するための差動増幅回路とを具備し、前記差動増幅回路から前記受光素子の出力の増幅結果を出力する受光アンプ回路であって、前記第1の前置アンプは、入力される前記受光素子の出力を増幅する第1の主増幅器と、前記第1の主増幅器の出力電圧を前記第1の主増幅器の入力端子へ負帰還する第1の負帰還抵抗とを備えた負帰還アンプであり、前記第2の前置アンプは、前記受光素子の出力が入力されないこと以外は前記第1の主増幅器と同一構造であって自身の出力端子から負帰還される電圧を増幅する第2の主増幅器と、前記第1の負帰還抵抗と抵抗値が等しく前記第2の主増幅器の出力電圧を前記第2の主増幅器の入力端子へ負帰還する第2の負帰還抵抗とを備えた負帰還アンプであり、前記差動増幅回路は、前記第1の主増幅器の出力電圧と前記第2の主増幅器の出力電圧との差をとって増幅し、前記受光素子の出力の増幅結果として出力する構成である。
【0123】
それゆえ、従来のゲイン切り替え機能を持った受光アンプ回路のように、差動増幅回路の入力バイアス電流×負帰還抵抗によるオフセット電圧を補正するアンプを設ける必要がない。従って、差動増幅回路で第1の前置アンプの出力電圧と第2の前置アンプの出力電圧との差をとって増幅し、受光素子の出力の増幅結果を出力した場合に、オフセット電圧補正アンプで生じていたような入力オフセット電圧、および、差動増幅回路の入力バイアス電流とオフセット電圧補正アンプの入力バイアス電流との差によって生じていたようなオフセット電圧の発生を防止することができる。
【0124】
この結果、出力電圧に出力オフセット電圧を生じない受光アンプ回路を提供することができるという効果を奏する。
【0125】
また、第1の前置アンプおよび第2の前置アンプを基準電圧に影響されない構成とすることで、第1の前置アンプおよび第2の前置アンプのダイナミックレンジが基準電圧に制約されないようにすることができるという効果を奏する。
さらに、従来、差動増幅回路で分岐した出力経路を一つにまとめるために要していたスイッチ回路、およびオフセット電圧補正アンプを省略することができるので、受光アンプ回路構成を簡素化することができるという効果を奏する。
【0126】
さらに、受光アンプ回路をモノリシック集積回路で構成する場合はチップサイズの縮小が可能となるという効果を奏する。
【0127】
さらに本発明の受光アンプ回路は、以上のように、前記第1の負帰還抵抗として前記第1の主増幅器の出力端子と入力端子との間に複数の抵抗が互いに並列に設けられ、前記第1の前置アンプは、前記第1の負帰還抵抗としていずれか1つの抵抗を選択的に前記第1の主増幅器の出力端子と入力端子との間に接続する第1のスイッチを備え、前記第2の負帰還抵抗として前記第2の主増幅器の出力端子と入力端子との間に複数の抵抗が互いに並列に設けられ、前記第2の前置アンプは、前記第1のスイッチが選択的に接続した前記第1の負帰還抵抗と抵抗値が等しい抵抗を、第2の負帰還抵抗として選択的に前記第2の主増幅器の出力端子と入力端子との間に接続する第2のスイッチを備えている構成である。
【0128】
それゆえ、選択した第1の負帰還抵抗および第2の負帰還抵抗の抵抗値に応じたゲインを適宜設定することができるという効果を奏する。
【0129】
さらに本発明の受光アンプ回路は、以上のように、前記第1の負帰還抵抗として第1抵抗および第3抵抗が設けられ、前記第1抵抗は前記第3抵抗よりも抵抗値が大きく、前記第2の負帰還抵抗として第2抵抗および第4抵抗が設けられ、前記第2抵抗は前記第1抵抗と抵抗値が等しく、前記第4抵抗は前記第3抵抗と抵抗値が等しい構成である。
【0130】
それゆえ、2種類のゲインを設定することができるという効果を奏する。
【0131】
さらに本発明の受光アンプ回路は、以上のように、前記第1の負帰還抵抗として第1抵抗、第3抵抗、および第5抵抗が設けられ、前記第1抵抗は前記第3抵抗よりも抵抗値が大きく、前記第3抵抗は前記第5抵抗よりも抵抗値が大きく、前記第2の負帰還抵抗として第2抵抗、第4抵抗、および第6抵抗が設けられ、前記第2抵抗は前記第1抵抗と抵抗値が等しく、前記第4抵抗は前記第3抵抗と抵抗値が等しく、前記第6抵抗は前記第5抵抗と抵抗値が等しい構成である。
【0132】
それゆえ、3種類のゲインを設定することができるという効果を奏する。
【0133】
さらに本発明の受光アンプ回路は、以上のように、前記第1の負帰還抵抗のうちの最も抵抗値の小さいものと並列に、ダイオード接続のトランジスタによる電圧クリップ回路が接続されている構成である。
【0134】
それゆえ、負帰還抵抗の両端の電圧の最大値が制限され、受光素子から大きな電流が出力されて負帰還抵抗の両端の電圧が大きくなることによる第1の主増幅器の飽和を防止することができるという効果を奏する。
【0135】
さらに本発明の受光アンプ回路は、以上のように、前記第1のスイッチは前記第1の主増幅器の出力端子と前記第1の負帰還抵抗との間に設けられ、前記第2のスイッチは前記第2の主増幅器の出力端子と前記第2の負帰還抵抗との間に設けられ、前記第1の主増幅器の出力端子と前記第1のスイッチとの接続点は、前記差動増幅回路の第1の入力抵抗を介して前記差動増幅回路の第1の差動入力端子に接続されており、前記第2の主増幅器の出力端子と前記第2のスイッチとの接続点は、前記差動増幅回路の第2の入力抵抗を介して前記差動増幅回路の第2の差動入力端子に接続されている構成である。
【0136】
それゆえ、負帰還抵抗の数に関わらず、第1の主増幅器の出力端子と第1のスイッチとの間、および第2の主増幅器の出力端子と第2のスイッチとの間の各1点から差動増幅回路の入力抵抗との接続を行うことができる。従って、差動増幅回路に、第1の主増幅器および第2の主増幅器のそれぞれに対して複数の入力端子を設ける必要がなく、構成が簡略化されるという効果を奏する。
【0137】
さらに本発明の受光アンプ回路は、以上のように、前記第1の主増幅器の出力端子と前記第1の入力抵抗との間に設けられ、前記第1の主増幅器の出力電圧の直流成分のレベルを上昇させて前記第1の入力抵抗に入力する第1のレベルシフト回路と、前記第2の主増幅器の出力端子と前記第2の入力抵抗との間に設けられ、前記第2の主増幅器の出力電圧の直流成分のレベルを上昇させて前記第2の入力抵抗に入力する第2のレベルシフト回路とを備えている構成である。
【0138】
それゆえ、第1の入力抵抗を差動増幅回路の入力端子側から第1の主増幅器の出力端子側へ向かって流れる電流を小さくし、また、第2の主増幅器にも同様のレベルシフト回路を設けることにより、第1の主増幅器の出力端子と第1のスイッチとの接続点、および第2の主増幅器の出力端子と第2のスイッチとの接続点がどのような電圧となっても差動増幅回路の入力電圧として活用できるという効果を奏する。
【0139】
さらに本発明の受光アンプ回路は、以上のように、前記第1の主増幅器の出力端子と前記第1の入力抵抗との間に設けられた第1の緩衝アンプと、前記第2の主増幅器の出力端子と前記第2の入力抵抗との間に設けられた第2の緩衝アンプとを備えている構成である。
【0140】
それゆえ、差動増幅回路の第1の入力抵抗および第2の入力抵抗が接続されることによる第1の前置アンプおよび第2の前置アンプのゲイン低下を防止することができるという効果を奏する。
【0141】
さらに本発明の受光アンプ回路は、以上のように、前記第1の緩衝アンプおよび前記第2の緩衝アンプは、PNP型トランジスタを用いたエミッタフォロア回路である構成である。
【0142】
それゆえ、簡素な構成で、第1の緩衝アンプを第1の主増幅器の出力電圧の直流成分のレベルを上昇させて第1の入力抵抗に入力するレベルシフト回路として、また、第2の緩衝アンプを第2の主増幅器の出力電圧の直流成分のレベルを上昇させて第2の入力抵抗に入力するレベルシフト回路としても動作させることができるという効果を奏する。
【0143】
さらに本発明の受光アンプ回路は、以上のように、前記第1の主増幅器および前記第2の主増幅器はそれぞれ、第1のNPN型トランジスタのエミッタ端子を接地したエミッタ接地増幅回路であり、前記第1のスイッチおよび前記第2のスイッチはそれぞれ、ベースに前記エミッタ接地増幅回路の出力端子が接続された複数のPNPトランジスタによって構成される第1のPNP型トランジスタおよび前記第1のPNP型トランジスタにエミッタ電流を供給する複数のPNPトランジスタによって構成される第1の定電流回路を用いた第1のエミッタフォロア回路と、ベースに前記第1のエミッタフォロア回路の出力端子が接続された複数のNPNトランジスタによって構成される第2のNPN型トランジスタおよび前記第2のNPN型トランジスタにエミッタ電流を供給する複数のNPNトランジスタによって構成される第2の定電流回路を用いた第2のエミッタフォロア回路とを、前記第1の負帰還抵抗および前記第2の負帰還抵抗のそれぞれに対応して備え、前記第2のエミッタフォロア回路の各出力端子は対応する前記第1の負帰還抵抗あるいは前記第2の負帰還抵抗に接続されており、選択的に接続する前記第1の負帰還抵抗および前記第2の負帰還抵抗に対応した前記第1の定電流回路および前記第2の定電流回路が活性状態とされ、残りの前記第1の負帰還抵抗および前記第2の負帰還抵抗に対応した前記第1の定電流回路および前記第2の定電流回路が遮断状態とされる構成である。
【0144】
それゆえ、簡素な構成で複数のゲインを切り替えることのできる受光アンプ回路を提供することができるという効果を奏する。
【0145】
さらに本発明の受光アンプ回路は、以上のように、前記第1の前置アンプおよび前記第2の前置アンプはそれぞれ、ベースに前記エミッタ接地増幅回路の出力端子が接続された第2のPNP型トランジスタを用いた第3のエミッタフォロア回路と、ベースに前記第3のエミッタフォロア回路の出力端子が接続された第3のNPN型トランジスタを用いた第4のエミッタフォロア回路とを備え、前記第4のエミッタフォロア回路の出力端子を前記差動増幅回路側への出力端子とする構成である。
【0146】
それゆえ、差動増幅回路の第1の入力抵抗および第2の入力抵抗が接続されることによる第1の前置アンプおよび第2の前置アンプのゲイン低下を防止することができるという効果を奏する。
【0147】
さらに本発明の受光アンプ回路は、以上のように、前記第1のスイッチおよび前記第2のスイッチはそれぞれ、前記第1の主増幅器および前記第2の主増幅器の対応する方の主増幅器の出力端子にベースが接続された複数のPNPトランジスタによって構成される第1のPNP型トランジスタおよび前記第1のPNP型トランジスタにエミッタ電流を供給する複数のPNPトランジスタによって構成される第1の定電流回路を有する第1のエミッタフォロア回路と、ベースが前記第1のエミッタフォロア回路の出力端子に接続された複数のNPNトランジスタによって構成される第2のNPN型トランジスタおよび前記第2のNPN型トランジスタにエミッタ電流を供給する複数のNPNトランジスタによって構成される第2の定電流回路を有する第2のエミッタフォロア回路とを、前記第1の負帰還抵抗および前記第2の負帰還抵抗のそれぞれに対応して備え、前記第2のエミッタフォロア回路の各出力端子は対応する前記第1の負帰還抵抗あるいは前記第2の負帰還抵抗に接続されており、選択的に接続する前記第1の負帰還抵抗および前記第2の負帰還抵抗に対応した前記第1の定電流回路および前記第2の定電流回路が活性状態とされ、他方の前記第1の負帰還抵抗および前記第2の負帰還抵抗に対応した前記第1の定電流回路および前記第2の定電流回路が遮断状態とされる構成である。
【0148】
それゆえ、簡素な構成で2つのゲインを切り換えることのできる受光アンプ回路を提供することができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態に係る受光アンプ回路の構成を示す回路ブロック図である。
【図2】図1の受光アンプ回路における前置アンプの構成をより詳細に示す回路図である。
【図3】本発明の第2の実施の形態に係る受光アンプ回路の構成を示す回路ブロック図である。
【図4】図3の受光アンプ回路における前置アンプの構成をより詳細に示す回路図である。
【図5】本発明の第3の実施の形態に係る受光アンプ回路の構成を示す回路ブロック図である。
【図6】本発明の第4の実施の形態に係る受光アンプ回路の構成を示す回路ブロック図である。
【図7】従来の受光アンプ回路の構成を示す回路ブロック図である。
【符号の説明】
1〜4         受光回路アンプ
A11・A21     主増幅器(第1の主増幅器)
A12・A22     主増幅器(第2の主増幅器)
B11・B21     前置アンプ(第1の前置アンプ)
B12・B22     前置アンプ(第2の前置アンプ)
B13・B23     差動増幅回路
Bf11        緩衝アンプ(第1の緩衝アンプ、エミッタフォロア
回路、第1のレベルシフト回路)
Bf12        緩衝アンプ(第2の緩衝アンプ、エミッタフォロア
回路、第2のレベルシフト回路)
D11・D12・D13 ダイオード(ダイオード接続のトランジスタ)
D21・D22・D23 ダイオード(ダイオード接続のトランジスタ)
I32・I33     定電流回路(第1の定電流回路)
I34・I35     定電流回路(第2の定電流回路)
I36・I48     定電流回路(第3の定電流回路)
I37・I49     定電流回路(第4の定電流回路)
I42・I43・I44 定電流回路(第1の定電流回路)
I45・I46・I47 定電流回路(第2の定電流回路)
LS11        レベルシフト回路(第1のレベルシフト回路)
LS12        レベルシフト回路(第2のレベルシフト回路)
PD1・PD2     フォトダイオード(受光素子)
Q31・Q41     トランジスタ(第1のNPN型トランジスタ)
Q32・Q33     トランジスタ(第1のPNP型トランジスタ)
Q34・Q35     トランジスタ(第2のNPN型トランジスタ)
Q36・Q48     トランジスタ(第2のPNP型トランジスタ)
Q37・Q49     トランジスタ(第3のNPN型トランジスタ)
Q42・Q43・Q44 トランジスタ(第1のPNP型トランジスタ)
Q45・Q46・Q47 トランジスタ(第2のNPN型トランジスタ)
R11         負帰還抵抗(第1の負帰還抵抗、第1抵抗)
R12         負帰還抵抗(第1の負帰還抵抗、第3抵抗)
R13         負帰還抵抗(第2の負帰還抵抗、第2抵抗)
R14         負帰還抵抗(第2の負帰還抵抗、第4抵抗)
R15         入力抵抗(第1の入力抵抗)
R16         入力抵抗(第2の入力抵抗)
R31・R32     抵抗(第1の負帰還抵抗、第2の負帰還抵抗)
R41・R42・R43 抵抗(第1の負帰還抵抗、第2の負帰還抵抗)
R211        負帰還抵抗(第1の負帰還抵抗、第1抵抗)
R212        負帰還抵抗(第1の負帰還抵抗、第3抵抗)
R213        負帰還抵抗(第1の負帰還抵抗、第5抵抗)
R214        負帰還抵抗(第2の負帰還抵抗、第2抵抗)
R215        負帰還抵抗(第2の負帰還抵抗、第4抵抗)
R216        負帰還抵抗(第2の負帰還抵抗、第6抵抗)
R225        入力抵抗(第1の入力抵抗)
R226        入力抵抗(第2の入力抵抗)
SW11・SW21   スイッチ(第1のスイッチ)
SW12・SW22   スイッチ(第2のスイッチ)
V11         第1の主増幅器出力電圧
V12         第2の主増幅器出力電圧
Vref1、Vref2     基準電圧
Vo1、Vo2       出力電圧

Claims (12)

  1. 受光素子の出力が入力される第1の前置アンプと、前記受光素子の出力が入力されないこと以外は前記第1の前置アンプと同一構造である第2の前置アンプと、前記第1の前置アンプの出力電圧と前記第2の前置アンプの出力電圧とを差動増幅するための差動増幅回路とを具備し、前記差動増幅回路から前記受光素子の出力の増幅結果を出力する受光アンプ回路であって、
    前記第1の前置アンプは、入力される前記受光素子の出力を増幅する第1の主増幅器と、前記第1の主増幅器の出力電圧を前記第1の主増幅器の入力端子へ負帰還する第1の負帰還抵抗とを備えた負帰還アンプであり、
    前記第2の前置アンプは、前記受光素子の出力が入力されないこと以外は前記第1の主増幅器と同一構造であって自身の出力端子から負帰還される電圧を増幅する第2の主増幅器と、前記第1の負帰還抵抗と抵抗値が等しく前記第2の主増幅器の出力電圧を前記第2の主増幅器の入力端子へ負帰還する第2の負帰還抵抗とを備えた負帰還アンプであり、
    前記差動増幅回路は、前記第1の主増幅器の出力電圧と前記第2の主増幅器の出力電圧との差をとって増幅し、前記受光素子の出力の増幅結果として出力することを特徴とする受光アンプ回路。
  2. 前記第1の負帰還抵抗として前記第1の主増幅器の出力端子と入力端子との間に複数の抵抗が互いに並列に設けられ、
    前記第1の前置アンプは、前記第1の負帰還抵抗としていずれか1つの抵抗を選択的に前記第1の主増幅器の出力端子と入力端子との間に接続する第1のスイッチを備え、
    前記第2の負帰還抵抗として前記第2の主増幅器の出力端子と入力端子との間に複数の抵抗が互いに並列に設けられ、
    前記第2の前置アンプは、前記第1のスイッチが選択的に接続した前記第1の負帰還抵抗と抵抗値が等しい抵抗を、第2の負帰還抵抗として選択的に前記第2の主増幅器の出力端子と入力端子との間に接続する第2のスイッチを備えていることを特徴とする請求項1に記載の受光アンプ回路。
  3. 前記第1の負帰還抵抗として第1抵抗および第3抵抗が設けられ、前記第1抵抗は前記第3抵抗よりも抵抗値が大きく、
    前記第2の負帰還抵抗として第2抵抗および第4抵抗が設けられ、前記第2抵抗は前記第1抵抗と抵抗値が等しく、前記第4抵抗は前記第3抵抗と抵抗値が等しいことを特徴とする請求項2に記載の受光アンプ回路。
  4. 前記第1の負帰還抵抗として第1抵抗、第3抵抗、および第5抵抗が設けられ、前記第1抵抗は前記第3抵抗よりも抵抗値が大きく、前記第3抵抗は前記第5抵抗よりも抵抗値が大きく、
    前記第2の負帰還抵抗として第2抵抗、第4抵抗、および第6抵抗が設けられ、前記第2抵抗は前記第1抵抗と抵抗値が等しく、前記第4抵抗は前記第3抵抗と抵抗値が等しく、前記第6抵抗は前記第5抵抗と抵抗値が等しいことを特徴とする請求項2に記載の受光アンプ回路。
  5. 前記第1の負帰還抵抗のうちの最も抵抗値の小さいものと並列に、ダイオード接続のトランジスタによる電圧クリップ回路が接続されていることを特徴とする請求項2ないし4のいずれかに記載の受光アンプ回路。
  6. 前記第1のスイッチは前記第1の主増幅器の出力端子と前記第1の負帰還抵抗との間に設けられ、
    前記第2のスイッチは前記第2の主増幅器の出力端子と前記第2の負帰還抵抗との間に設けられ、
    前記第1の主増幅器の出力端子と前記第1のスイッチとの接続点は、前記差動増幅回路の第1の入力抵抗を介して前記差動増幅回路の第1の差動入力端子に接続されており、
    前記第2の主増幅器の出力端子と前記第2のスイッチとの接続点は、前記差動増幅回路の第2の入力抵抗を介して前記差動増幅回路の第2の差動入力端子に接続されていることを特徴とする請求項2ないし5のいずれかに記載の受光アンプ回路。
  7. 前記第1の主増幅器の出力端子と前記第1の入力抵抗との間に設けられ、前記第1の主増幅器の出力電圧の直流成分のレベルを上昇させて前記第1の入力抵抗に入力する第1のレベルシフト回路と、
    前記第2の主増幅器の出力端子と前記第2の入力抵抗との間に設けられ、前記第2の主増幅器の出力電圧の直流成分のレベルを上昇させて前記第2の入力抵抗に入力する第2のレベルシフト回路とを備えていることを特徴とする請求項6に記載の受光アンプ回路。
  8. 前記第1の主増幅器の出力端子と前記第1の入力抵抗との間に設けられた第1の緩衝アンプと、
    前記第2の主増幅器の出力端子と前記第2の入力抵抗との間に設けられた第2の緩衝アンプとを備えていることを特徴とする請求項6に記載の受光アンプ回路。
  9. 前記第1の緩衝アンプおよび前記第2の緩衝アンプは、PNP型トランジスタを用いたエミッタフォロア回路であることを特徴とする請求項8に記載の受光アンプ回路。
  10. 前記第1の主増幅器および前記第2の主増幅器はそれぞれ、第1のNPN型トランジスタのエミッタ端子を接地したエミッタ接地増幅回路であり、
    前記第1のスイッチおよび前記第2のスイッチはそれぞれ、ベースに前記エミッタ接地増幅回路の出力端子が接続された複数のPNPトランジスタによって構成される第1のPNP型トランジスタおよび前記第1のPNP型トランジスタにエミッタ電流を供給する複数のPNPトランジスタによって構成される第1の定電流回路を用いた第1のエミッタフォロア回路と、ベースに前記第1のエミッタフォロア回路の出力端子が接続された複数のNPNトランジスタによって構成される第2のNPN型トランジスタおよび前記第2のNPN型トランジスタにエミッタ電流を供給する複数のNPNトランジスタによって構成される第2の定電流回路を用いた第2のエミッタフォロア回路とを、前記第1の負帰還抵抗および前記第2の負帰還抵抗のそれぞれに対応して備え、前記第2のエミッタフォロア回路の各出力端子は対応する前記第1の負帰還抵抗あるいは前記第2の負帰還抵抗に接続されており、選択的に接続する前記第1の負帰還抵抗および前記第2の負帰還抵抗に対応した前記第1の定電流回路および前記第2の定電流回路が活性状態とされ、残りの前記第1の負帰還抵抗および前記第2の負帰還抵抗に対応した前記第1の定電流回路および前記第2の定電流回路が遮断状態とされることを特徴とする請求項2ないし9のいずれかに記載の受光アンプ回路。
  11. 前記第1の前置アンプおよび前記第2の前置アンプはそれぞれ、ベースに前記エミッタ接地増幅回路の出力端子が接続された第2のPNP型トランジスタを用いた第3のエミッタフォロア回路と、ベースに前記第3のエミッタフォロア回路の出力端子が接続された第3のNPN型トランジスタを用いた第4のエミッタフォロア回路とを備え、前記第4のエミッタフォロア回路の出力端子を前記差動増幅回路側への出力端子とすることを特徴とする請求項10に記載の受光アンプ回路。
  12. 前記第1のスイッチおよび前記第2のスイッチはそれぞれ、前記第1の主増幅器および前記第2の主増幅器の対応する方の主増幅器の出力端子にベースが接続された複数のPNPトランジスタによって構成される第1のPNP型トランジスタおよび前記第1のPNP型トランジスタにエミッタ電流を供給する複数のPNPトランジスタによって構成される第1の定電流回路を有する第1のエミッタフォロア回路と、ベースが前記第1のエミッタフォロア回路の出力端子に接続された複数のNPNトランジスタによって構成される第2のNPN型トランジスタおよび前記第2のNPN型トランジスタにエミッタ電流を供給する複数のNPNトランジスタによって構成される第2の定電流回路を有する第2のエミッタフォロア回路とを、前記第1の負帰還抵抗および前記第2の負帰還抵抗のそれぞれに対応して備え、前記第2のエミッタフォロア回路の各出力端子は対応する前記第1の負帰還抵抗あるいは前記第2の負帰還抵抗に接続されており、選択的に接続する前記第1の負帰還抵抗および前記第2の負帰還抵抗に対応した前記第1の定電流回路および前記第2の定電流回路が活性状態とされ、他方の前記第1の負帰還抵抗および前記第2の負帰還抵抗に対応した前記第1の定電流回路および前記第2の定電流回路が遮断状態とされることを特徴とする請求項3に記載の受光アンプ回路。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US7427738B2 (en) * 2005-10-31 2008-09-23 Sharp Kabushiki Kaisha Light-receiving amplifier and optical pickup device
JP2010278489A (ja) * 2009-05-26 2010-12-09 Mitsutoyo Corp 非反転増幅回路、及び測定機
CN110207840A (zh) * 2019-06-19 2019-09-06 深圳市麦格米特驱动技术有限公司 一种检测电路

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