JP2004120242A - 測定モジュールおよび無線通信端末 - Google Patents

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JP2004120242A
JP2004120242A JP2002279746A JP2002279746A JP2004120242A JP 2004120242 A JP2004120242 A JP 2004120242A JP 2002279746 A JP2002279746 A JP 2002279746A JP 2002279746 A JP2002279746 A JP 2002279746A JP 2004120242 A JP2004120242 A JP 2004120242A
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黒瀬 賢吾
Yutaka Asanuma
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Abstract

【課題】信号に関する品質値を高精度に測定することを可能とする。
【解決手段】平均値算出部15aは、個別パイロットシンボルに関する全ての同相振幅値と直交振幅値との平均値を算出する。乗算部15b、減算部15c,15d、2乗平均算出部15eおよび比率算出部15fは、平均値算出部15aで算出された平均値に基づいてSIRを算出する。
【選択図】  図2

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、伝送信号に関する例えば信号電力対干渉電力比(SIR)などの所定の品質値を測定する測定モジュールおよび無線通信端末に関する。
【0002】
【従来の技術】
符号分割多元接続(CDMA)通信方式では、受信した信号に関するSIRに基づく送信電力制御を上りおよび下りリンクの個別チャネル(DPCH)に適用する。この送信電力制御では、所要受信品質に対して常に送信電力を最小に抑えることで、システム容量を増大する。特に、上りリンクにおいては遠近問題を解決するために、基地局において各移動局からの受信品質、あるいは受信電力が一定になるように制御する送信電力制御は必須である。一方、下りリンクにおいては、自セル内のマルチパス信号は独立なフェージング変動をして互いに干渉となり、また、セル周辺では他セル干渉の影響が大きくなってくる。したがって、マルチパス干渉および他セル干渉に対して、受信品質を一定に制御する送信電力制御が下りリンクにも適用されている。
【0003】
このような送信電力制御などのためにCDMA通信方式の通信装置においては、SIRなどのような信号に関する品質値の測定を行う必要がある。
【0004】
【特許文献1】
特開2001−128238号公報
【0005】
【特許文献2】
特開2000−307475号公報
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
そして、送信電力制御などを的確に行えるようにするために、信号に関する品質値を高精度に測定することが望まれる。
【0007】
そこで本発明は、信号に関する品質値を高精度に測定することを可能とすることを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
以上の目的を達成するために本発明は、信号点における同相成分振幅と直交成分振幅とが同一となる直交変調方式で変調されたパイロットシンボルを所定の単位期間内にn個(nは自然数)含む伝送信号に関する所定の品質値を測定する測定モジュールにおいて、前記単位期間内に含まれるn個のパイロットシンボルに関する全ての同相成分振幅および直交成分振幅に関する平均値を算出する平均値算出手段と、この平均値算出手段により算出された前記平均値を用いて前記品質値を算出する品質値算出手段とを備えた。
【0009】
このような手段を講じたことにより、単位期間内に含まれるn個のパイロットシンボルに関する全ての同相成分振幅および直交成分振幅に関する平均値が算出され、この算出された平均値を用いて品質値の算出が行われる。従って、品質値の算出には、パイロットシンボルのシンボル数nに対してその2倍の数の振幅がサンプル値として使用されることとなる。
【0010】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して本発明の一実施形態につき説明する。なおここでは、3GPPにて規定されたW−CDMA方式に準拠する移動無線通信システムに適合した無線通信端末を対象とする。また、SIRの推定にはいくつかの方法が考えられるが、本説明においては、個別チャネル(DPCH)に含まれる個別パイロットを使用するSIR推定方式を対象とする。
【0011】
図1は本実施形態に係る無線通信端末のブロック図である。
【0012】
図1に示すように本実施形態の無線通信端末は、アンテナ1、無線部2、CDMA処理部3、圧縮伸長部4、PCM処理部5、通話部6、ユーザインタフェース部7、記憶部8および主制御部9を有している。無線部2は、デュプレクサ(DUP)2a、受信回路(RX)2b、周波数シンセサイザ(SYN)2cおよび送信回路(TX)2dを有する。通話部6は、レシーバアンプ6a、スピーカ6b、マイクロホン6cおよび送話アンプ6dを有する。ユーザインタフェース部7は、表示部7aおよび入力部7bを有する。
【0013】
図示しない基地局から送信された無線信号は、アンテナ1で受信されたのち無線部2に入力される。無線部2では、上記無線信号はデュプレクサ2aを介して受信回路2bに入力される。無線信号は、周波数シンセサイザ2cから出力された受信局部発振信号と受信回路2bにおいてミキシングされることで中間周波信号に周波数変換される。なお、上記周波数シンセサイザ2cから発生される受信局部発振信号の周波数は、主制御部9から出力される制御信号によって設定される。
【0014】
上記中間周波信号は、CDMA処理部3に入力される。CDMA処理部3は、網側より割り当てられたスクランブリングコードとチャネライゼーションコードによって上記中間周波信号を逆拡散処理する。続いてCDMA処理部3は、例えばQPSK(Quadrature Phase Shift Keying)変調方式に対応する直交復調を行い、これによりデータレートに応じた所定のフォーマットの復調データまたはパケットデータに変換する。そしてCDMA処理部3は、この変換された復調データを圧縮伸長部4に与え、パケットデータを主制御部9に与える。
【0015】
圧縮伸長部4は、上記CDMA処理部3から出力された復調データに対し、主制御部9から通知される受信データレートに応じた伸長処理を施す。さらに圧縮伸長部4は、ビタビ復号などを用いた復号処理および誤り訂正復号処理を行って、ベースバンドの音声データを再生する。圧縮伸長部4は、音声データをPCM処理部5に与える。
【0016】
PCM処理部5は、圧縮伸長部4から出力されたディジタルの音声データをPCM復号してアナログの音声信号を得る。この音声信号は、レシーバアンプ6aで増幅されたのち、スピーカ6bより音声として出力される。
【0017】
話者が発した音声は、マイクロホン6cにより音声信号に変換される。この音声信号は、送話アンプ6dに入力される。音声信号は、送話アンプ6dにより適正レベルまで増幅されたのち、PCM処理部5へと与えられる。
【0018】
PCM処理部5は、上記音声信号に対してPCM符号化処理を施し、ディジタルの音声データを得る。PCM処理部5は、この音声データを圧縮伸長部4に与える。
【0019】
圧縮伸長部4は、音声データのエネルギー量を検出し、この検出結果に基づいてデータレートを決定する。そして圧縮伸長部4は、上記音声データを上記データレートに応じたフォーマットの信号にQCELP方式により圧縮する。さらに圧縮伸長部4は、音声データに対して例えば畳み込み符号化による誤り訂正符号化処理を施したのちCDMA処理部3へ出力する。
【0020】
CDMA処理部3は、圧縮伸長部4から個々に与えられる各種伝送チャネルの送信データを多重化する。さらにCDMA処理部3は、多重化後の送信データにより搬送波信号を変調する。この変調には、例えばQPSKが用いられる。CDMA処理部3は、変調された搬送波信号に対して、送信チャネルごとに割り当てられたPN符号を用いてスペクトラム拡散処理を施して送信信号を得る。そしてCDMA処理部3は、上記送信信号を無線部2の送信回路2dへと与える。
【0021】
送信回路2dは、上記送信信号を、周波数シンセサイザ2cから発生される送信局部発振信号と合成することで無線周波信号に変換する。そして、送信回路2dは、主制御部9により通知される送信データレートに基づいて、上記無線周波信号の有効部分だけを高周波増幅した上で出力する。この送信回路2dから出力された無線周波信号は、デュプレクサ2aを介してアンテナ1に供給され、このアンテナ1から接続中の基地局へ向けて送信される。
【0022】
入力部7bには、各種のキーを含むキー群が設けられている。入力部7bは、これらのキーの押下による使用者指示を入力する。また表示部7aには、LCD(liquid crystal display)およびLED(light emitting diode)等が設けられている。表示部7aは、これらLCDおよびLEDを用いて、通信相手の端末の電話番号および例えば着信状態などのような自端末の動作状態をはじめ、WEBサイトからのダウンロード情報、送受信メール、動画像、図示しないバッテリのDischarge状態等を表示する。
【0023】
記憶部8は、例えばROM、DRAM(dynamic RAM)、SRAM(static RAM)、あるいはフラッシュメモリなどを適宜用いてなる。この記憶部8は、主制御部9用の動作プログラムを記憶する。また記憶部8は、各種の設定情報や各種の受信データ、あるいは本装置で作成された各種のデータなど、さまざまなデータを記憶する。
【0024】
主制御部9は、記憶部8に記憶されている動作プログラムに基づくソフトウェア処理により各部の制御処理を行うことで、無線通信端末としての動作を実現する。
【0025】
ところでCDMA処理部3には、TPCモジュール3aが設けられている。図2はTPCモジュール3aのブロック図である。
【0026】
図2に示すようにTPCモジュール3aは、長区間品質測定部11、目標品質設定部12、BLER比較判定部13、目標SIR生成部14、SIR測定モジュール15、SIR比較判定部16およびTPCビット生成部17を有している。SIR測定モジュール15はさらに、平均値算出部15a、乗算部15b、減算部15c,15d、2乗平均算出部15eおよび比率算出部15fを有している。
【0027】
CDMA処理部3にて受信ベースバンド信号を逆拡散部3bで逆拡散された後、Rake受信部3cにてRake合成および誤り訂正・復号化がなされた受信データ系列は、長区間品質測定部11へと与えられる。長区間品質測定部11では、上記受信データ系列において、CRC結果が一致したトランスポートブロックの個数によりBLERを数百msから数s程度の長区間で測定する。長区間品質測定部11は、この測定により得られた値(以下、測定BLER値と称する)をBLER比較判定部13へと与える。目標品質設定部12は、所要とするBLER値(以下、目標BLER値と称する)をBLER比較判定部13へと与える。BLER比較判定部13は、測定BLER値と目標BLER値との差に比例した値として目標SIR値の補正値を求める。そしてBLER比較判定部13は、上記補正値を目標SIR生成部14へと与える。
【0028】
目標SIR生成部14では、インナーループ送信電力制御のための目標SIR値を出力し、この目標SIR値をSIR比較判定部16へと与える。目標SIR生成部14は、出力する目標SIR値を上記補正値に基づいて増減する。具体的には、目標SIR生成部14は、新たに求められた補正値がBLER比較判定部13から与えられた場合に、目標SIR値をその新たな補正値を加算した値に更新する。これにより目標SIR値は、測定BLER値が目標BLER値より大きい場合、すなわち受信品質が悪い場合には大きくされ、逆に測定BLER値が目標BLER値より小さい場合、すなわち受信品質が良い場合には小さくされる。
【0029】
SIR測定モジュール15には、Rake受信部3cで得られる同相成分および直交成分のそれぞれの振幅値スカラー量が与えられる。SIR測定モジュール15において、同相成分の振幅値スカラー量(以下、同相振幅値と称する)は平均値算出部15aおよび減算部15cへと与えられる。直交成分の振幅値スカラー量(以下、直交振幅値と称する)は平均値算出部15aおよび減算部15dへと与えられる。
【0030】
平均値算出部15aは、個別パイロットシンボルに関する全ての同相振幅値と直交振幅値との平均値を算出する。個別パイロットシンボルは、W−CDMA方式においては伝送フレームにおける各スロットにnpilot個が含まれる。平均値算出部15aは、単一のスロットに含まれるnpilot個の個別パイロットシンボルを対象として上記の平均値を算出する。平均値算出部15aは、算出した平均値を乗算部15b、減算部15cおよび減算部15dへとそれぞれ与える。
【0031】
乗算部15bは、上記平均値を2乗してさらに2倍した値として信号電力を算出する。乗算部15bは、算出した信号電力を比率算出部15fへと与える。
【0032】
減算部15cは、1スロットに含まれるnpilot個の同相振幅値をそれぞれ保持しておく。減算部15cは、上記のnpilot個の同相振幅値のそれぞれから上記平均値を減算して両値の差をそれぞれ算出する。そして減算部15cは、算出したnpilot個の値をそれぞれ2乗平均算出部15eへと与える。
【0033】
減算部15dは、1スロットに含まれるnpilot個の直交振幅値をそれぞれ保持しておく。減算部15dは、上記のnpilot個の直交振幅値のそれぞれから上記平均値を減算して両値の差をそれぞれ算出する。そして減算部15cは、算出したnpilot個の値をそれぞれ2乗平均算出部15eへと与える。
【0034】
2乗平均算出部15eは、減算部15cから与えられるnpilot個の値と減算部15dから与えられるnpilot個の値とに関する2乗平均値として干渉電力を算出する。2乗平均算出部15eは、算出した干渉電力を比率算出部15fへと与える。
【0035】
比率算出部15fは、乗算部15bから与えられる信号電力と2乗平均算出部15eから与えられる干渉電力との比率を受信SIR値として算出する。比率算出部15fは、算出した受信SIR値をSIR比較判定部16へと与える。
【0036】
SIR比較判定部16は、SIR測定モジュール15から与えられる受信SIR値と、目標SIR生成部14から与えられる目標SIR値とを比較し、受信SIR値が目標SIR値以上であるか否かを判定する。SIR比較判定部16は、上記の判定の結果をTPCビット生成部17へと与える。TPCビット生成部17は、SIR比較判定部16での判定結果に基づき、受信SIR値が目標SIR値に達していない場合には“Up”コマンドを示すTPCビットを出力し、また受信SIR値が目標SIR値以上である場合には“Down”コマンドを示すTPCビットを出力する。このTPCビットは、UL−DPCCHにマッピングされて基地局へと送られる。
【0037】
次に以上のように構成された無線通信端末の動作につき説明する。なお、音声通話機能などのような無線通信端末における一般的な機能を実現するための処理や電力制御のためのTPCモジュール3aにおける処理は従来と同様であるのでその説明は省略する。ここでは、SIR測定モジュール15での処理に関して詳しく説明する。
【0038】
Rake受信部3cからの出力には、1スロット当りnpilotシンボル分ずつの個別パイロットシンボルに関する同相振幅値および直交振幅値が含まれている。そこで平均値算出部15aでは、これら総計2npilot個の振幅値の平均値が算出される。1スロットに含まれるnpilotシンボルの個別パイロットシンボルにおけるi番目の個別パイロットシンボルの同相振幅値および直交振幅値をそれぞれSIRx,iおよびSQRx,1と示す場合に、平均値算出部15aでは次の式の演算が行われることとなる。
【0039】
【数1】
Figure 2004120242
【0040】
さて、本実施形態においては、個別パイロットシンボルはマッピング点がπ/4,3π/4,5π/4,7π/4であるQPSKで変調されていることを前提とする。従って、個別パイロットシンボルは干渉を受けていなければ、同相振幅値と直交振幅値とが等しい。すなわち、平均値算出部15aが平均値の算出に用いる2npilot個の振幅値は、理想状態においては全て等しい値のはずであるが、伝送時の干渉の影響により個々に変動しているのである。そこで平均値算出部15aでは、2npilot個の振幅値に関する平均的な振幅値が基準となる振幅値として求められる。
【0041】
通常、QPSK変調された信号に関する信号電力は、マッピング点のベクトル量に相当する電力量で表わされる。しかしながら、平均値算出部15aで求められる平均値はスカラー量である。そこで、乗算部15bにて上記平均値を2乗してさらに2倍した値を求めることで、同相振幅値および直交振幅値がいずれも上記平均値であるマッピング点のベクトル量に相当する電力量に変換される。そして、乗算部15bにてこのように算出される値が信号電力Sとされるのである。このとき、信号電力Sは次の式により表わされる。
【0042】
【数2】
Figure 2004120242
【0043】
一方、減算部15cでは、npilot個の同相振幅値をそれぞれ保持しておき、平均値算出部15aから平均値が与えられたならば、上記の保持した同相振幅値のそれぞれから上記平均値を減算して両値の差がそれぞれ算出される。すなわち、保持してあるnpilot個の同相振幅値のうちのj番目の同相振幅値をSIRx,jと示す場合に、減算部15cでは次の式がjを1からnまでの範囲でそれぞれ変化させながら行われる。
【0044】
【数3】
Figure 2004120242
【0045】
このようにして減算部15cでは、基準となる平均振幅値に対する実際の同相振幅値のそれぞれの誤差が算出される。
【0046】
減算部15dでは、減算部15cと同様な処理が直交振幅値を対象として行われる。すなわち、保持してあるnpilot個の直交振幅値のうちのj番目の同相振幅値をSIRx,jと示す場合に、減算部15dでは次の式がjを1からnまでの範囲でそれぞれ変化させながら行われる。
【0047】
【数4】
Figure 2004120242
【0048】
そしてこのようにして減算部15dでは、基準となる平均振幅値に対する実際の同相振幅値のそれぞれの誤差が算出される。
【0049】
2乗平均算出部15eでは、上述のように減算部15cおよび減算部15dでそれぞれ算出されたnpilot個ずつの値、すなわち総計2npilot個の値に関する2乗平均が算出される。すなわち2乗平均算出部15eでは、基準となる平均振幅値に対する実際の同相振幅値のそれぞれの誤差に相当する電力の平均値が求められるのである。そして、2乗平均算出部15eにてこのように算出される値が干渉電力Iとされるのである。このとき、干渉電力Iは次の式により表わされる。
【0050】
【数5】
Figure 2004120242
【0051】
この後に比率算出部15fでは、乗算部15bで算出された信号電力Sと2乗平均算出部15eで算出された干渉電力Iとの比率として、受信SIR値が算出される。
【0052】
以上のように本実施形態によれば、信号電力Sおよび干渉電力Iの算出のために、同相成分の振幅値スカラー量および直交成分の振幅値スカラー量を用いる。
【0053】
さて、信号電力Sおよび干渉電力Iの算出は、個別パイロットシンボルのベクトル量を用いることも考えられる。しかしながら、このように個別パイロットシンボルのベクトル量を用いると、信号電力Sおよび干渉電力Iの算出に用いる値のサンプル数がnpilotサンプルに限られてしまう。このため、個別パイロットシンボルのシンボル数npilotが例えば2シンボルと少ない場合には、サンプル数不足のために十分な測定精度が得られない恐れがある。
【0054】
しかしながら、パイロットシンボル中の直交成分と同相成分は当然同一伝搬路から受信されるため、同相成分と直交成分の振幅値が等しい場合は、同相成分と直交成分共に同等の干渉を受けていると考えられる。そのため、本実施形態によれば、信号電力Sおよび干渉電力Iの算出に用いる値のサンプル数が2npilotサンプルとなりサンプル数が増えるために、測定精度が向上することになる。
【0055】
以下に、本実施形態による受信SIR値の測定精度と、前述のように信号電力Sおよび干渉電力Iの算出を個別パイロットシンボルのベクトル量を用いて行う別方式での受信SIR値の測定精度との違いについての評価結果について説明する。
【0056】
図3はSIR測定の測定精度を計算機シミュレーションで評価するために用いた評価モデルを示す図である。
【0057】
図3中のフォーマットでマッピングされたシンボルをスタティック環境下で伝送し、受信シンボルに熱雑音を入力する。その雑音が加えられたシンボルに対して同期検波を行った結果を測定対象信号として、その束帯対象信号に関するSIR測定の計算機シミュレーションを行う。本説明では、送信時の個別パイロットシンボルは(0.707106781,0.707106781)にマッピングされているものとする。変調はQPSKを仮定している。一般的にパイロットシンボルにも予め定まった変調が行われているが、通常は受信側で復調を行った後使用される。このため、本実施形態および上記の別方式でのSIR測定には、この変調/復調処理は影響を及ぼさない。そこで記述の煩雑さをさけるため、シンボル位置を固定としている。
【0058】
図4,図5,図6は、上記の評価モデルにおいて、S/N=3[dB]の雑音を入力して計算機シミュレーションを3000回試行した結果を示す。これらの図中の「他方式」は、個別パイロットシンボルのベクトル量を用いて信号電力Sおよび干渉電力Iを算出している。
【0059】
図4は信号電力Sの分布を示し、図4(a)および図4(b)は使用する個別パイロットシンボル(DPCHパイロットシンボル)の数をそれぞれ2シンボルおよび4シンボルとした場合を示す。なおこの計算機シミュレーションでは、入力しているS/Nは3[dB]であるので、受信電力の理想値は1[dB]となる。
【0060】
この図4から、受信電力Sの測定においては、使用する個別パイロットシンボル数に拘らず、本実施形態と別方式とでの差はあまりないことが分かる。
【0061】
図5は干渉電力Iの分布を示し、図5(a)および図5(b)は使用する個別パイロットシンボル数をそれぞれ2シンボルおよび4シンボルとした場合を示す。なおこの計算機シミュレーションでは、入力しているS/Nは3[dB]であるので、干渉電力Iの理想値は0.5[dB]である。
【0062】
この図5から、干渉電力Iの測定においては、個別パイロットシンボル数を2シンボルおよび4シンボルのいずれとした場合でも、本実施形態は別方式に比べ測定精度が向上していることが分かる。特に、個別パイロットシンボル数を2シンボルとしたとき、他方式では干渉電力Iは0に近い分布となってしまっているのに対し、本実施形態ではこのような現象が改善されている。これは、個別パイロットシンボル数を2シンボルとしたとき、他方式では2つのベクトル値のみがサンプル値となるため、2シンボルの個別パイロットシンボルがベクトル的に近い場合、干渉電力Iを求めるための基準ベクトルが個別パイロットシンボルのベクトルと非常に近い位置になり、干渉電力Iとして0に近い値が算出されるためである。本実施形態では、他方式に比べてサンプル数を倍にすることで、上記不具合が回避され測定精度が向上している。
【0063】
図6はSIRの分布を示し、図6(a)および図6(b)は使用する個別パイロットシンボル数をそれぞれ2シンボルおよび4シンボルとした場合を示す。なおこの計算機シミュレーションでは、入力しているS/Nは3[dB]であるので、SIRの理想値は3[dB]である。
【0064】
この図6から、個別パイロットシンボル数を2シンボルおよび4シンボルのいずれとした場合でも、本実施形態は別方式に比べ理想値である3[dB]により近い分布を実現しており、測定精度が向上していることが分かる。特に、個別パイロットシンボル数を2シンボルとしたとき、4シンボルとしたときに比べて改善の幅が大きい。
【0065】
図7は上記の計算機シミュレーションにおけるSIRの測定結果の平均値、中央値および分散を示す図である。
【0066】
この図7からも、本実施形態は他方式に比べ理想値に近い測定結果が得られていることが確認できる。特に、他方式で個別パイロットシンボル数を2シンボルとした場合はSIR値と理想SIR値との差が5[dB]以上もあったが、本実施形態ではその差が2[dB]強となっており、大きな改善が見られる。
【0067】
図8はパラメーターをS/N[dB]として、受信環境による特性比較を行った図である。図8は、本実施形態と他方式とにより測定されたSIR[dB]の中央値と、そのとき与えているS/N[dB]との差を示している。つまり、測定値と理想値との差分(測定値−理想値)を示している。この図8から、本発明によるSIR測定方式は従来技術に比べ、評価した環境下(S/N=−3〜10[dB])全てにおいて誤差が減少していることが分かる。
【0068】
なお、本発明は上記実施形態に限定されるものではない。例えば上記実施形態は、理想的なマッピング点が同相成分振幅と直交成分振幅とが等しくなるような変調方式が採用されていることを前提として成り立つ。しかし、理想的なマッピング点が同相成分振幅と直交成分振幅とが等しくならないような変調方式を採用する場合であっても、その変調方式がIQ平面を回転させることで理想的なマッピング点が同相成分振幅と直交成分振幅とが等しくなるものであれば、IQ平面の回転のための移相処理を追加することで本発明を適用することができる。具体的には、個別パイロットシンボルはマッピング点が0,π/2,3π/2,5π/2であるQPSKで変調されているとするならば、I成分にcos45°をかけ、またQ成分にsin45°をかけるようにすれば、以降は前記実施形態のように処理することができる。
【0069】
乗算部15および比率算出部15fを省略し、干渉電力Iを最終的に測定する品質値とする測定モジュールとして実現することも可能である。
【0070】
このほか、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の変形実施が可能である。
【0071】
【発明の効果】
本発明によれば、単位期間内に含まれるn個のパイロットシンボルに関する全ての同相成分振幅および直交成分振幅に関する平均値を算出し、この算出した平均値を用いて品質値の算出を行うこととしたので、品質値の算出には、パイロットシンボルのシンボル数nに対してその2倍の数の振幅がサンプル値として使用されることとなり、この結果、信号に関する品質値を高精度に測定することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態に係る無線通信端末のブロック図。
【図2】図1中のTPCモジュール3aのブロック図。
【図3】SIR測定の測定精度を計算機シミュレーションで評価するために用いた評価モデルを示す図。
【図4】計算機シミュレーションを3000回試行して得られた信号電力Sの分布を示す図。
【図5】計算機シミュレーションを3000回試行して得られた干渉電力Iの分布を示す図。
【図6】計算機シミュレーションを3000回試行して得られたSIRの分布を示す図。
【図7】計算機シミュレーションにおけるSIRの測定結果の平均値、中央値および分散を示す図。
【図8】パラメーターをS/N[dB]として、受信環境による特性比較を行った図。
【符号の説明】
1…アンテナ
2…無線部
3…CDMA処理部
3a…TPCモジュール
3b…逆拡散部
3c…Rake受信部
4…圧縮伸長部
5…PCM処理部
6…通話部
7…ユーザインタフェース部
8…記憶部
9…主制御部
11…長区間品質測定部
12…目標品質設定部
13…BLER比較判定部
14…目標SIR生成部
15…SIR測定モジュール
15a…平均値算出部
15b…乗算部
15c,15d…減算部
15e…2乗平均算出部
15f…比率算出部
16…SIR比較判定部
17…TPCビット生成部

Claims (5)

  1. 信号点における同相成分振幅と直交成分振幅とが同一となる直交変調方式で変調されたパイロットシンボルを所定の単位期間内にn個(nは自然数)含む伝送信号に関する所定の品質値を測定する測定モジュールにおいて、
    前記単位期間内に含まれるn個のパイロットシンボルに関する全ての同相成分振幅および直交成分振幅に関する平均値を算出する平均値算出手段と、
    この平均値算出手段により算出された前記平均値を用いて前記品質値を算出する品質値算出手段とを具備したことを特徴とする測定モジュール。
  2. 信号点における同相成分振幅と直交成分振幅とが異なる直交変調方式で変調されたパイロットシンボルを所定の単位期間内にn個(nは自然数)含む伝送信号に関する所定の品質値を測定する測定モジュールにおいて、
    前記伝送信号における同相成分および直交成分の位相を、同相成分振幅と直交成分振幅とが同一となる所定量だけ回転させる位相回転手段と、
    この位相回転手段により位相回転がなされた伝送信号に関して前記単位期間内に含まれるn個のパイロットシンボルに関する全ての同相成分振幅および直交成分振幅に関する平均値を算出する平均値算出手段と、
    この平均値算出手段により算出された前記平均値を用いて前記品質値を算出する品質値算出手段とを具備したことを特徴とする測定モジュール。
  3. 前記品質値算出手段は、
    前記平均値を2乗してさらに2倍した値として信号電力を算出する信号電力算出手段と、
    前記パイロットシンボルに関する同相成分振幅および直交成分振幅のそれぞれと前記平均値との差をそれぞれ算出する振幅差算出手段と、
    この振幅差算出手段により前記単位期間内に含まれるn個のパイロットシンボルに関して算出される合計2n個の差に関する2乗平均値として干渉電力を算出する干渉電力算出手段と、
    前記信号電力算出手段により算出された信号電力と前記干渉電力算出手段により算出された干渉電力との比率として前記信号電力対干渉電力比を算出する信号電力対干渉電力比算出手段とを具備し、
    前記品質値として前記信号電力対干渉電力比を算出することを特徴とする請求項1または請求項2に記載の測定モジュール。
  4. 前記品質値算出手段は、
    前記パイロットシンボルに関する同相成分振幅および直交成分振幅のそれぞれと前記平均値との差をそれぞれ算出する振幅差算出手段と、
    この振幅差算出手段により前記単位期間内に含まれるn個のパイロットシンボルに関して算出される合計2n個の差に関する2乗平均値として干渉電力を算出する干渉電力算出手段とを具備し、
    前記品質値として前記干渉電力を算出することを特徴とする請求項1または請求項2に記載の測定モジュール。
  5. 無線回線を介する伝送信号を受信する無線通信端末において、
    前記受信した伝送信号に前記品質値の測定のために前記請求項1または請求項2に記載の測定モジュールを装備したことを特徴とする無線通信端末。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2012506187A (ja) * 2008-10-15 2012-03-08 エレクトロビット・システム・テスト・オサケユキテュア データ収集及びシミュレーション
JP2014030205A (ja) * 2007-12-06 2014-02-13 Ntt Docomo Inc Mimo−ofdma初期レンジングプロセスのためのレンジング信号の設計及び伝送の方法

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