JP2004120015A - 撮像装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】多板式撮像装置において、合焦時間を長くすることなく、TTLコントラストピーク検出法のAF方式を採用する撮像装置を提供する。
【解決手段】このデジタルカメラは主として、ズームレンズ、フォーカシングレンズから構成される撮影光学系1と、複数の光束に分離する光路分離手段3と、CCD等で構成され、光を電気信号に変換する撮像素子A4と、撮像素子B6と、撮像素子A、Bからのデジタル信号からAF評価値を生成する画像処理部・AF評価値生成部8と、TTLコントラストピーク検出法の合焦動作(以下AF)等を行なう制御部・演算部9と、フォーカスモータ、ズームモータを駆動するモータドライバ12と、ズームモータ13と、ズーム機構部を駆動するズーム駆動部14と、フォーカスモータA17と、フォーカスモータB15と、フォーカス駆動部B16と、フォーカス駆動部A18と、撮像素子を駆動する撮像素子ドライバーA26と、撮像素子ドライバーB27から構成されている。
【選択図】 図1
【解決手段】このデジタルカメラは主として、ズームレンズ、フォーカシングレンズから構成される撮影光学系1と、複数の光束に分離する光路分離手段3と、CCD等で構成され、光を電気信号に変換する撮像素子A4と、撮像素子B6と、撮像素子A、Bからのデジタル信号からAF評価値を生成する画像処理部・AF評価値生成部8と、TTLコントラストピーク検出法の合焦動作(以下AF)等を行なう制御部・演算部9と、フォーカスモータ、ズームモータを駆動するモータドライバ12と、ズームモータ13と、ズーム機構部を駆動するズーム駆動部14と、フォーカスモータA17と、フォーカスモータB15と、フォーカス駆動部B16と、フォーカス駆動部A18と、撮像素子を駆動する撮像素子ドライバーA26と、撮像素子ドライバーB27から構成されている。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、撮像装置に関し、さらに詳しくは、合焦時間の短縮化に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来技術として、特開平10−4517号公報には、小型軽量化、低価格化及びシステムの簡素化を図ると共に、あらゆる被写体や撮像条件においても目的の被写体に安定して合焦する焦点調節装置について開示されている。それによると、 光学系から入射された光束をR、G、Bの3色に分解し、R、G、Bそれぞれに各CCDが配置されている。フォーカスレンズを移動させることにより、山登りAFを行なう。R、G、B任意のCCDの焦点信号により、合焦作動を行なうものである。
また、特開平5−64209号公報には、輝度信号とクロマ信号とを別個の撮像素子から得るようにした2板式のビデオカメラにおいて、コンパクト、低コストで耐久性も大、かつ高解像度システムにも対応し得る合焦装置について開示されている。これによると、輝度信号を得るための撮像素子CCDとクロマ信号を得るための撮像素子CCDの光路長を変えることにより、これら2つのCCDから光軸上の異なった位置の信号を得るよう構成し、さらに、クロマ信号用CCDを輝度信号の被写体深度の外に置くよう構成したものである。つまり、輝度信号を得るための撮像素子とクロマ信号を得るための撮像装置を光軸上の異なった位置に配置し、その出力信号を比較して、合焦方向を検知する。撮影時には輝度用の撮像素子のみに合焦させるものである。
また、特開平11−287946号公報には、コントラスト方式のオートフォーカスでの合焦時間を短縮し、且つ高画質化を損なうことのない多板式の電子カメラの焦点調整装置について開示されている。これによると、合焦位置検出時にプリズムの出射面と第2の撮像素子との間の光束中に平行板を進入させる。第1の撮像素子の電気信号と、平行板の進入により光路長が伸長された光束に対応する第2の撮像素子の電気信号とを用いて、フォーカスレンズが光軸方向の各位置にあるときのコントラストの積分値を求め、このフォーカスレンズ位置とコントラスト積分値との関係から合焦位置を検出するとしている。つまり、複数の撮像素子のうち、1つの撮像素子とプリズムの間に平行板を進入させ、バックフォーカスを変化させる。そのバックフォーカスを変化させた撮像素子のコントラスト積分値と変化させていないコントラスト積分値から合焦位置を検出するものである。
その他、特開平7−177527号公報には、色分解プリズムに複数の撮像素子を固着した撮像手段を光軸方向に移動させ、コントラスト検出の山登りAFを行なう技術について開示されている。また、特開平2001−61155公報には、被写体光を色分解する多板式の合焦装置において、受光距離を互いに異なる位置に配置して、各色のボケ特性情報から合焦の方向、合焦までの距離を推定し、レンズ系又は色分解手段を移動させる技術について開示されている。
【特許文献1】特開平10−4517号公報
【特許文献2】特開平5−64209号公報
【特許文献3】特開平11−287946号公報
【特許文献4】特開平7−177527号公報
【特許文献5】特開平2001−61155公報
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
従来のデジタルカメラの合焦方式としては、撮像素子の信号のコントラスト成分を利用する山登りAF(TTL(Through The Lens)コントラストピーク検出法)が一般的に採用されている。これはフォーカシングレンズ等を動かしながら、撮像素子の信号を比較することにより、最も高い信号が得られるポジションを合焦位置と判定する方式であり、他の測距装置を必要とすることがないため装置の小型化を達成でき、且つ、TTL方式なのでパララックスの影響が無いという利点がある。しかしながら、合焦位置を判定するためのスキャン領域が広くなったり、或いは、スキャンピッチが細かくなると全域をスキャンする時間が長くなってしまうという問題がある。スキャン時間が長いということは、撮影者が撮りたいと思ってシャッタ釦を押してから合焦までの時間が長くなるため、動きのある被写体ではピントが合いにくくなると共に、シャッタ釦を押して撮影を完了したと思いカメラを動かしてしまう、もしくは、合焦作動中に無意識にカメラを動かしてしまい、カメラブレを発生させる可能性がある。これらのスキャン時間が長くなる主な理由として、光学系の長焦点化により、フォーカシングによるレンズの繰出し量が多くなることと、撮像素子の画素の微小化によるフォーカシングレンズ等の高分解能化により繰出し量が多くなったり、或いは光学系の明るさが明るくなりフォーカシングレンズ等の高分解能化により繰出し量が多くなることが挙げられる。
また、特開平10−4517号公報は、フォーカスレンズを移動させながら撮影画像の比較を繰り返すため、繰り出し量が多い場合には特に時間がかかる。又、時間がかかれば、動きのある被写体にピントが合いづらくなるといった問題がある。
また、特開平5−64209号公報は、2つのCCDを互いに異なるピント位置に配置し、2つのCCDから得られる信号を比較することで合焦方向を検知し、AFさせるため2つのCCDのうち、一方のピントがずれたままの状態で撮影することとなり、複数のCCDによる高画質化の利点が失われてしまう。
また、特開平11−287946号公報は、撮像素子とプリズムの間に平行板を進入させ、バックフォーカスを変化させ、そのバックフォーカスを変化させた撮像素子のコントラスト積分値とバックフォーカスを変化させていないコントラスト積分値から合焦位置を検出するため平行板の退避スペースが必要となり、装置の大型化が予想される。
さらに、特開平7−177527号公報においては、色分解プリズムに複数の撮像素子を固着した撮像手段を光軸方向に移動させ、コントラスト検出の山登りAFを行なうため、繰り出し量が多い場合には特に時間がかかる。また、特開平2001−61155公報においては、被写体光を色分解する多板式の合焦装置において、受光距離を互いに異なる位置に配置して、各色のボケ特性情報から合焦の方向、合焦までの距離を推定し、レンズ系又は色分解手段を移動させるため、特定の被写体での距離推定は行なえるが、様々な被写体におけるボケ特性を把握するのは困難である。
本発明は、かかる課題に鑑み、多板式撮像装置において、合焦時間を長くすることなく、TTLコントラストピーク検出法のAF方式を採用する撮像装置を提供することを目的とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】
本発明はかかる課題を解決するために、請求項1は、撮像素子に光を到達させる撮像光学系と、前記撮像素子の結像面に到達するまでの光路を複数に分離する光路分離手段と、前記撮像光学系から入射した光を電気信号に変換する複数の撮像素子と、該撮像素子により変換された夫々の電気信号を処理する信号処理手段と、少なくとも2つ以上の撮像素子を夫々独立に光軸方向に移動させる移動手段と、夫々の移動手段を制御する制御手段と、前記複数の撮像素子から得られた電気信号に基づいて合焦位置を導き出す演算部と、を備え、前記制御手段は、焦点調節の繰り出し範囲を前記複数の撮像素子に分割し、前記複数の撮像素子を前記分割した繰り出し範囲に亘って前記移動手段により同時に光軸方向に移動すると共に、全走査範囲を前記複数の撮像素子により分割して走査するように制御することを特徴とする。
ズームとフォーカシングレンズで構成される鏡胴システムでは、フォーカシングの出し量全域を走査する時間は、テレとワイドでは大きく異なる。テレの場合この時間が最も長いため被写体が動いたり、カメラの手ぶれを起こす可能性が高くなる。それは合焦位置を誤ることを意味している。そこで、繰り出し量全域を走査する時間を極力短くするために、本発明ではフォーカスステップを範囲で分割して複数の撮像素子を同時に光軸方向に移動して、各撮像素子に走査範囲を分担するようにする。
かかる発明によれば、フォーカスステップを範囲で分割して複数の撮像素子を移動手段により同時に光軸方向に移動すると共に、全走査範囲を複数の撮像素子により分担して走査するので、フォーカシングの繰り出し量が多い場合でも合焦時間を短くすることができる。
請求項2は、撮像素子に光を到達させる撮像光学系と、前記撮像素子の結像面に到達するまでの光路を複数に分離する光路分離手段と、前記撮像光学系から入射した光を電気信号に変換する複数の撮像素子と、該撮像素子により変換された夫々の電気信号を処理する信号処理手段と、少なくとも2つ以上の撮像素子を夫々独立に光軸方向に移動させる移動手段と、夫々の移動手段を制御する制御手段と、前記複数の撮像素子から得られた電気信号に基づいて合焦位置を導き出す演算部と、を備え、前記制御手段は、焦点調節の繰り出し範囲のステップ順序を前記複数の撮像素子に順番に割り当て、前記複数の撮像素子を割り当てられた繰り出しステップに基づいて前記移動手段により同時に光軸方向に駆動すると共に、全走査範囲を前記複数の撮像素子により割り当てて走査するように制御することを特徴とする。
請求項1ではフォーカスステップを範囲で分割して複数の撮像素子を同時に光軸方向に移動しながら走査していたが、本発明では、フォーカスステップを交互に分割して複数の撮像素子を同時に光軸方向に移動しながら走査する方法である。
かかる発明によれば、焦点調節のためにフォーカスステップを範囲で分割して同時に合焦のためにスキャン移動させるので、フォーカシングの繰出し量が多い場合でも合焦時間を短くすることができる。
【0005】
請求項3は、撮像素子に光を到達させる撮像光学系と、前記撮像素子の結像面に到達するまでの光路を複数に分離する光路分離手段と、前記撮像光学系から入射した光を電気信号に変換する複数の撮像素子と、該撮像素子により変換された夫々の電気信号を処理する信号処理手段と、前記複数の撮像素子の少なくとも1つ以上の撮像素子を光軸方向に移動させる撮像素子移動手段と、前記撮像光学系全体を光軸方向に移動させる光学系移動手段と、夫々の移動手段を制御する制御手段と、前記撮像素子から得られた電気信号に基づいて合焦位置を導き出す演算部と、を備え、前記制御手段は、焦点調節の繰り出し範囲を前記複数の撮像素子の何れか一方の撮像素子と前記撮像光学系に分割し、前記撮像素子と撮像光学系を前記分割した繰り出し範囲に亘って前記移動手段及び光学系移動手段により同時に光軸方向に移動すると共に、全走査範囲を前記複数の撮像素子により分割して走査するように制御することを特徴とする。
請求項1、2では複数の撮像素子を同時に光軸方向に移動しながら走査していたが、本発明では、焦点調節の繰り出し範囲を光学系全体と一方の撮像素子に分割して夫々を同時に移動し、他方の撮像素子を固定して全走査範囲を夫々の撮像素子により分割して走査するものである。
かかる発明によれば、焦点調節のために光学系全体と撮像素子を同時に合焦のためにスキャン移動させ、全走査範囲を夫々の撮像素子により分割して走査するので、フォーカシングの繰出し量が多い場合でも合焦時間を短くすることができる。
【0006】
請求項4は、撮像素子に光を到達させる撮像光学系と、前記撮像素子の結像面に到達するまでの光路を複数に分離する光路分離手段と、前記撮像光学系から入射した光を電気信号に変換する複数の撮像素子と、該撮像素子により変換された夫々の電気信号を処理する信号処理手段と、前記複数の撮像素子の少なくとも1つ以上の撮像素子を光軸方向に移動させる撮像素子移動手段と、前記撮像光学系全体を光軸方向に移動させる光学系移動手段と、夫々の移動手段を制御する制御手段と、前記撮像素子から得られた電気信号に基づいて合焦位置を導き出す演算部と、を備え、前記制御手段は、焦点調節の繰り出し範囲のステップ順序を前記複数の何れか一方の撮像素子と撮像光学系に順番に割り当て、前記撮像素子と撮像光学系を割り当てられた繰り出しステップに基づいて、前記移動手段及び光学系移動手段により同時に光軸方向に駆動すると共に、全走査範囲を前記複数の撮像素子により割り当てて走査するように制御することを特徴とする。
請求項1、2では複数の撮像素子を同時に光軸方向に移動しながら走査していたが、本発明では、焦点調節の繰り出しステップを光学系全体と一方撮像素子に交互に割り当てて夫々を同時に移動し、他方の撮像素子を固定して全走査範囲を夫々の撮像素子により分割して走査するものである。
かかる発明によれば、焦点調節のために光学系全体と撮像素子を交互に割り当てて同時に合焦のためにスキャン移動させ、全走査範囲を夫々の撮像素子により分割して走査するので、フォーカシングの繰出し量が多い場合でも合焦時間を短くすることができる。
【0007】
請求項5は、撮像素子に光を到達させる撮像光学系と、前記撮像素子の結像面に到達するまでの光路を複数に分離する光路分離手段と、前記撮像光学系から入射した光を電気信号に変換する複数の撮像素子と、該撮像素子により変換された夫々の電気信号を処理する信号処理手段と、前記複数の撮像素子の少なくとも1つ以上の撮像素子を光軸方向に移動させる撮像素子移動手段と、前記撮像光学系を構成するフォーカシングレンズ群を光軸方向に移動させるレンズ移動手段と、夫々の移動手段を制御する制御手段と、前記撮像素子から得られた電気信号に基づいて合焦位置を導き出す演算部と、を備え、前記制御手段は、焦点調節の繰り出し範囲を前記複数の撮像素子の何れか一方の撮像素子とフォーカシングレンズ群に分割し、前記撮像素子とフォーカシングレンズ群を前記分割した繰り出し範囲に亘って前記移動手段及びレンズ移動手段により同時に光軸方向に移動すると共に、全走査範囲を前記複数の撮像素子により分割して走査するように制御することを特徴とする。
請求項1、2では複数の撮像素子を同時に光軸方向に移動しながら走査していたが、本発明では、焦点調節の繰り出し範囲をフォーカシングレンズ群と一方の撮像素子に分割して夫々を同時に移動し、他方の撮像素子を固定して全走査範囲を夫々の撮像素子により分割して走査するものである。
かかる発明によれば、焦点調節のためにフォーカシングレンズ群と撮像素子を同時に合焦のためにスキャン移動させ、全走査範囲を夫々の撮像素子により分割して走査するので、フォーカシングの繰出し量が多い場合でも合焦時間を短くすることができる。
請求項6は、撮像素子に光を到達させる撮像光学系と、前記撮像素子の結像面に到達するまでの光路を複数に分離する光路分離手段と、前記撮像光学系から入射した光を電気信号に変換する複数の撮像素子と、該撮像素子により変換された夫々の電気信号を処理する信号処理手段と、前記複数の撮像素子の少なくとも1つ以上の撮像素子を光軸方向に移動させる撮像素子移動手段と、前記撮像光学系を構成するフォーカシングレンズ群を光軸方向に移動させるレンズ移動手段と、夫々の移動手段を制御する制御手段と、前記撮像素子から得られた電気信号に基づいて合焦位置を導き出す演算部と、を備え、前記制御手段は、焦点調節の繰り出し範囲のステップ順序を前記複数の何れか一方の撮像素子とフォーカシングレンズ群に順番に割り当て、前記撮像素子とフォーカシングレンズ群を割り当てられた繰り出しステップに基づいて、前記移動手段及びレンズ移動手段により同時に光軸方向に駆動すると共に、全走査範囲を前記複数の撮像素子により割り当てて走査するように制御することを特徴とする。
請求項1、2では複数の撮像素子を同時に光軸方向に移動しながら走査していたが、本発明では、焦点調節の繰り出しステップをフォーカシングレンズ群と一方の撮像素子に交互に割り当てて夫々を同時に移動し、他方の撮像素子を固定して全走査範囲を夫々の撮像素子により分割して走査するものである。
かかる発明によれば、焦点調節のためにフォーカシングレンズ群と撮像素子を交互に割り当てて同時に合焦のためにスキャン移動させ、全走査範囲を夫々の撮像素子により分割して走査するので、フォーカシングの繰出し量が多い場合でも合焦時間を短くすることができる。
【0008】
請求項7は、前記制御手段は、複数の撮像素子又は撮像素子と撮像光学系又は撮像素子とフォーカシングレンズ群の移動タイミングが互いに異なるタイミングになるように前記各移動手段を制御することを特徴とする。
請求項1から7までは、複数の移動手段のタイミングは同じであった。そのため、複数のモータを同時に駆動する必要があるため、電流が同時に多く流れ、バッテリの負荷が重くっていた。そこで、本発明では駆動のタイミングをずらすことにより、バッテリの負荷を軽くするものである。
かかる発明によれば、駆動タイミングがずれているので、同時に流れる電流値が減少してバッテリの負荷を軽くすることができる。
請求項8は、前記制御手段は、前記焦点調節の全繰り出し範囲を、一旦粗い移動によりスキャンし、該スキャンの結果に基づいて微少スキャン範囲を判定し、該微少スキャン範囲を前記移動手段により再度微少スキャンするように制御することを特徴とする。
焦点調節は被写体の距離により異なり、望遠の場合繰り出し量が多いため合焦するまでに多くの時間を要する。そこで、本発明では繰り出し量が粗い場合と、細かい場合に分け、最初粗く繰り出して大まかに合焦範囲を検索し、その後、そのおおまかな合焦範囲を細かい繰り出し量により真の合焦点を探す。
かかる発明によれば、粗い繰り出しにより大まかに合焦範囲を決め、その後、その範囲を細かい繰り出しにより合焦点を見つけるので、トータルの合焦までの時間を更に短縮することができる。
【0009】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を図に示した実施形態を用いて詳細に説明する。但し、この実施形態に記載される構成要素、種類、組み合わせ、形状、その相対配置などは特定的な記載がない限り、この発明の範囲をそれのみに限定する主旨ではなく単なる説明例に過ぎない。
図1は本発明の第1の実施形態に係るデジタルカメラに適用した場合のブロック図である。このデジタルカメラは、ズームレンズ、フォーカシングレンズから構成される撮影光学系1と、擬色、モアレの発生源となる高周波成分をカットするOLPF(光学ローパスフィルター)2と、複数の光束に分離する光路分離手段3と、CCD等で構成され、光を電気信号に変換する撮像素子A4と、撮像素子B6と、CDSでは低周波ノイズを除去され、AGCでは映像信号のみ規定レベルまで増幅され、その後、A/DにてA/D変換されデジタル信号として出力するCDS、AGC、A/Dの5、7と、撮像素子A、Bからのデジタル信号からAF評価値を生成する画像処理部・AF評価値生成部8と、TTLコントラストピーク検出法の合焦動作(以下AF)等を行なう制御部・演算部9と、間引き処理を施したスルー画像を一旦蓄積するメモリ10と、圧縮処理を施された画像を蓄積する記録媒体11と、フォーカスモータ、ズームモータを駆動するモータドライバ12と、ズームモータ13と、ズーム機構部を駆動するズーム駆動部14と、フォーカスモータA17と、フォーカスモータB15と、フォーカス駆動部B16と、フォーカス駆動部A18と、電源を投入するメインスイッチ19と、レリーズスイッチ20と、ズーム位置を選択するズーム選択スイッチ21と、撮影モード、再生モード、消去モード等の選択をするモード選択スイッチ22と、モニタ画像を表示するLCD23と、ビデオ変換処理を施されたモニタ画像を増幅するビデオアンプ24と、その画像を表示するTV25と、撮像素子を駆動する撮像素子ドライバーA26と、撮像素子ドライバーB27から構成されている。
【0010】
次に、本実施形態のデジタルカメラの動作について、順を追って説明する。メインスイッチ19をONすることにより、メインスイッチ19からの信号が制御部・演算部9に送られ、各種のイニシャライズ等が行なわれる。また、モード選択スイッチ22により撮影モード、再生モード、消去モード等の選択されたモード内容が信号として制御部・演算部9に送られ、各モードのセット状態となる。次に、モード選択スイッチ22により撮影モードが選択された場合の動作について説明する。撮影モードの場合はズーム動作が可能となり、ズーム選択スイッチ21により選択されたズーム位置が、ズーム位置信号として制御部・演算部9に送られる。選択されたズーム位置にレンズを移動させるために、所定量の信号を制御部・演算部9からモータドライバ12に送ることにより、フォーカス駆動用のフォーカスモータA17、フォーカスモータB15、ズーム駆動用のズームモータ13を回転することが可能となる。このフォーカスモータA17、B15、ズームモータ13はそれぞれフォーカス駆動部A18、B16、ズーム駆動部14と連動しており、ズームは撮影光学系1の図示しない撮影レンズと、フォーカスは撮像素子A4、B6と連動しており、それぞれを所定位置に移動し、選択されたズーム位置にセットする。
次に、レリーズスイッチ20が押され、記録媒体11に画像を書き込むまでの動作を説明する。レリーズスイッチ20が押されることにより、レリーズスイッチ20からの信号が制御部・演算部9に送られる。一方、撮影光学系1を通過した光は赤外カットフィルター、OLPF(光学ローパスフィルター)2にて赤外光をカットし、擬色、モアレの発生源となる高周波成分をカットされ、光路分離手段3により複数の光束に分離され、撮像素子A4と撮像素子B6に到達する。撮像素子A4と撮像素子B6はそれぞれ、撮像素子ドライバーA26、撮像素子ドライバーB27により、周期的な駆動を行なっている。そして撮像素子A4、B6に到達した光はこの撮像素子A4、B6により夫々電気信号に変換される。変換された電気信号はそれぞれ、CDS、AGC、A/Dの5、7に送られる。CDSでは低周波ノイズを除去され、AGCでは映像信号のみ規定レベルまで増幅され、その後、A/DにてA/D変換されデジタル信号として出力される。出力されたデジタル信号は画像処理部・AF評価値生成部8に送られる。
【0011】
また、レリーズスイッチ20からの信号を入力された制御部・演算部9は、TTLコントラストピーク検出法の合焦動作(以下AF)を行なうために、モータドライバにフォーカスモータA17、B15を駆動させるための制御信号を出力する。その制御信号により、撮像素子A4、B6はフォーカス駆動部A18、B16を介し、AF動作のための移動を行なう。画像処理部・AF評価値生成部8では、撮像素子A4、B6からのデジタル信号からAF評価値を生成する。生成されたAF評価値は制御部・演算部9に送られ演算処理により合焦位置を導き出す。さらに制御部・演算部9から導き出した合焦位置に撮像素子A4、B6を移動させるための信号を出力し、撮像素子A4、B6を合焦位置に移動させる。
撮像素子A4、B6が合焦位置に移動した後に、CDS、AGC、A/D5、7から出力されたそれぞれのデジタル信号は、画像処理部・AF評価値生成部8に送られ、色情報の補間処理、ホワイトバランスのゲイン処理、輪郭強調処理、γ処理、輝度信号と2つの色差信号に分離する変換処理、撮像素子A4、B6の信号の合成処理等を行い、メモリ10に送られる。記録媒体11に記録するためには、このメモリ10に格納された信号データを再度、画像処理部・AF評価値生成部8に送り、合成、圧縮処理を施した後、この記録媒体11に書き込む。
また、構図を決定するためのスルー画像を表示する場合は撮像素子A4、B6からの信号を間引きを行った信号のみ出力し、CDS、AGC、A/D5、7通過後、画像処理部・AF評価値生成部8にて同様の処理を行い、さらに間引き処理を施す。その後、メモリ10に一旦格納した後、画像処理部・AF評価値生成部8に送りビデオ変換処理を施し、ビデオアンプ24に出力する。TV(テレビモニター)25をつなげれば、TVモニター25にスルー画像を出力可能な状態となる。同様にLCD(液晶モニター)23に表示させるには、画像処理部・AF評価値生成部8で行なうビデオ変換処理の変わりに、液晶モニター表示用の変換処理を行なうことにより、LCD(液晶モニター)23に出力表示させることができる。
【0012】
次に、TTLコントラストピーク検出法の合焦時間について説明する。図2はズームレンズの被写体距離に対する合焦位置までの繰出しパルス数について示した図である。縦軸が繰り出しパルス数、横軸が被写体距離を表す。図中のLとは撮像面から被写体までの距離である。そして、1/Lにおける0とは被写体距離が無限を意味し、2.5というのは0.4mを示している。線図は代表的なズーム位置であるWIDE50、MEAN51、TELE52の3本が記してある。従って、WIDE50で0.4mの被写体にピントを合わせるには6パルスの繰出しが必要であり、同様にMEAN51では16パルス、TELE52では52パルスの繰出しが必要であることが解かる。つまり、同じ被写体距離では望遠側の焦点距離になるほど、繰出し量が増えるのが解かる。又、ここで1パルスの移動量は光学系のFナンバーと許容錯乱円(ここでは画素ピッチと仮定している)から求められる両側焦点深度としている。
次に、合焦までの時間の多くを支配しているスキャン時間ついて説明する。撮像素子は撮像素子ドライバーにより周期的に画像を読み出す。この周期的な時間というのは、LCDやTVに正確に出力されるように同期を合わせることや、消費電流から決定される。画像が出力されてから次の画像が出力されるまでの時間をVD時間(VD周期)(VDとは垂直同期を意味する)と呼び、撮像素子1つに対し1VD毎に1つの画像信号を得ることができる。つまり、繰出し量が6パルスの場合、1VD時間毎にピント位置を1パルス移動させて、その都度画像データからAF評価値を作成し、その6個のAF評価値を比較することで、合焦位置を知ることとなる。つまり、比較するための6個のAF評価値を得るためには、最低でも6VDの時間が必要となる。この時間をスキャン時間と呼ぶ。
【0013】
図3は、図2における鏡胴システムで、1VDを1/30秒とした場合、繰出し量全域をスキャンするのに必要な時間を表した図である。縦軸は全域スキャン時間、横軸は被写体距離を表す。WIDE53では合焦位置を知るための全域スキャン時間は0.2秒必要であり、MEAN54では0.54秒、TELE55においては1.75秒も必要となってしまう。つまり、無限から0.4mの被写体の合焦位置を知るためには、WIDE53で最低0.2秒、TELE55で最低1.75秒の時間が必要である。TELE55においては、1.75秒の間に被写体が動いたり、カメラの手振れを起こしたりする可能性が高まる。それは合焦位置を誤ることを意味する。
そこで、TELEの動作について更に詳しく考察してみる。図4はTELEの時の無限から0.4m迄の繰出しパルス数と被写体距離との関係を表す図である。図2と同様に最大で52パルスであるが、この範囲をP点を中心として2分割して、2つの撮像素子で分割されたそれぞれのスキャン範囲を移動すると考える。つまり、撮像素子A4は0パルスから26パルス(1/Lで0〜1.33、L(被写体距離)で無限から0.75m)までをスキャンし、撮像素子B6は26パルスから52パルス(1/Lで1.33〜2.5、L(被写体距離)で0.75mから0.4m)の範囲をスキャンする。ここで、撮像素子A4と撮像素子B6を同時に制御すれば、おのずと合焦検出に必要な時間は1/2となる。その様子を表したのが図5である。1つの撮像素子で合焦検出をした場合には1.75秒かかるのに対して、2つの撮像素子をスキャン範囲を変えて同時制御することで、全域をスキャンする時間は0.875秒と短縮することができる。これにより、同時に得られた撮像素子A4からのAF評価値と撮像素子B6からのAF評価値を比較することで、短期間で合焦位置を検出することが可能となる。
【0014】
次に撮像素子の画素の微小化による影響を述べる。図6は、許容錯乱円と焦点深度の関係を示す図である。許容錯乱円径δが決まると、δよりも小さいボケ量は判別できず、像平面に対しある一定の深度幅を持つ。これを両側焦点深度と言いεで表す。この深度以内のピント変動は検出することができない。ここで、許容錯乱円径を撮像素子の画素ピッチと仮定すると、同一光学系でも、さらに小さい画素ピッチを有した撮像素子を使用した場合は、許容錯乱円径δ’となり、両側焦点深度はε’となる。同一光学系なので、繰出し量も同一であるが、焦点深度が狭くなるため、繰出しピッチが狭くなり繰出しパルス数は多くなることが解かる。
尚、両側焦点深度は次式で表される。
ε=2×δ×Fno −−−−−−−(1)
Fnoは光学系で決まる数値であるが、ここで、Fno3.5のレンズで許容錯乱円=画素ピッチと仮定した場合に、画素ピッチが0.0042mmの撮像素子を使用した場合が図2から図5で示されている。スキャンピッチは両側焦点深度となり、ε=2×0.0042×3.5=0.0294mmとなる。
この光学系を使用して画素ピッチが0.0028mmの撮像素子を使用した場合のスキャンピッチはε=2×0.0028×3.5=0.0196mmとなる。この時の繰出しパルス数とスキャン時間を図2から図5に対応させた物を図7から図10に示す。図2でTELE52の0.4mで52パルスだったものが図7でTELE58の0.4mで79パルスに増え、図8のように全域スキャン時間も1.75秒だったものがTELE61で2.62秒に増えていることが解かる。しかし、同様に図9で1/Lで1.33のポイントで2分割することにより、図10で全域スキャン時間は1.31秒に短縮しているのが解かる。
【0015】
次に光学系の明るさによる影響について説明する。光学系の明るさが明るくなるということは、Fnoが低くなることを意味する。つまり、前記(1)式で解かるようにFnoが低くなると両側焦点深度εは小さくなる。この状態を模式化したのが、図14である。Fnoが低くなるとレンズから出射される光線の角度が広くなる。許容錯乱円径が同じ場合、両側焦点深度εはε’’となり小さくなるのが解かる。つまり、両側焦点深度が小さくなるとスキャンピッチが細かくなり、同じ繰出し量であれば、おのずと繰出しパルス数は増えるので、全域スキャン時間が長くなることが解かる。
図11は、本発明の第2の実施形態に係るデジタルカメラに適用した場合のブロック図である。図11が図1と異なる点は、フォーカス駆動部B16が撮像光学系1全体を駆動し、撮像素子B6が固定されている点である。同じ構成要素には同じ参照番号が付されているので、重複する説明は省略する。
図4と図11を参照して説明すると、図4で26パルス(1/Lで0から1.33)までは、フォーカス駆動部B16により、撮影光学系1を駆動する。その時のAF評価値は固定されている撮像素子B6からの情報により行なう。撮像素子A4は撮影光学系1のスキャンを始める前に26パルスに相当する位置まで移動する。それにより、1/Lで0パルス位置の出力は、撮像素子B6では0パルス位置での出力となり、撮像素子A4では26パルス位置での出力を得ることができる。スキャンは撮影光学系1のみを行なえば撮像素子B6では0から26パルスの情報を取得でき、撮像素子A4は26パルスから52パルスの出力を同時に得ることができる。
図12は、本発明の第3の実施形態に係るデジタルカメラに適用した場合のブロック図である。図12が図1と異なる点は、フォーカス駆動部B16が撮像光学系1内のフォーカシングレンズ30を駆動し、撮像素子B6が固定されている点である。同じ構成要素には同じ参照番号が付されているので、重複する説明は省略する。
【0016】
図13は、TTLコントラストピーク検出法のタイミングについて記した図である。縦軸はAF評価値を示し、横軸はフォーカスステップを示す。ここでは、10パルス=10フォーカスステップの範囲で合焦検知をする場合を示してある。つまり、全域をスキャンするには10VDが必要となる。つまり、1VD周期を1/30秒とすると、1VD周期は33msとなる。一方、フォーカスの駆動を500PPSで行なうとすると、500PPS=2msなので、AF時間はVD周期に支配されることが解かる。この例では、P点のフォーカスステップ7VDで合焦しているのが解る。逆にいうとAF時間を短くするには、VDの数を減らす(繰出しパルス数を減らす)ことと、VD周期を短くすることが有効なのが解かる。
図15は、本発明の実施形態のフォーカスステップを範囲で分割した場合の図である。縦軸はAF評価値を示し、横軸はフォーカスステップを示す。ここでは、撮像素子A71ではフォーカスステップ1〜5をスキャンし、撮像素子B70ではフォーカスステップ6〜10を同時にスキャンする。それぞれのAF評価値出力は図15の如く出力され、フォーカスステップ6が合焦位置であることを5VDで知ることが可能になる。
図16は、縦軸はAF評価値を示し、横軸はフォーカスステップを示す。ここでは、撮像素子A73が奇数のフォーカスステップを受け持ち、撮像素子B72が偶数のフォーカスステップを受け持つ。そして同時にスキャンしAF評価値出力が異なるが、同様に合焦位置を5VDで知ることが可能になる。
図17、図19は、前記図15、図16に対し、撮像素子Aと撮像素子Bのフォーカスステップのタイミングをずらしている。これにより、図15、図16に比べて、同期をずらした時間だけスキャン時間は長くなるが、モーター等を同時制御しないので、ピーク消費電流を減少できるので有利である。
【0017】
図18は本発明のスキャンを粗調、微調に分けた場合のモデルを示す図である。図18(a)は1つのCCDで全域をスキャンした場合である。この場合、全域を微調スキャン(黒丸)するとトータル21ステップ必要となる。
図18(b)は1つのCCDで粗調、微調に分けた場合である。上側の粗調スキャンの3、6、9、12、15、18、21で粗調スキャンを行い、大まかに合焦点のピークを検索する。この例では、4〜8の間に合焦点がありそうなので、その間を微調スキャンする。これにより、粗調ステップ7、微調ステップ5のトータル12ステップで合焦点を見つけることができる。
図18(c)は本発明の範囲を分割してスキャンする方法を説明する図である。この例では、上側の粗調スキャンの3、6、9、12まで撮像素子Aによりスキャンし、12、15、18、21まで撮像素子Bによりスキャンを行い、大まかに合焦点のピークを検索する。この例では、3〜8の間に合焦点がありそうなので、その間を微調スキャンする。つまり4、5、6まで撮像素子Aによりスキャンし、6、7、8まで撮像素子Bによりスキャンを行う。これにより、撮像素子Aは合計7ステップ、撮像素子Bは合計7ステップで合焦点を見つけることができる。
図18(d)は本発明の交互に分割してスキャンする方法を説明する図である。この例では、上側の粗調スキャンの3、9、15、21を撮像素子Aによりスキャンし、6、12、18、を撮像素子Bによりスキャンを行い、大まかに合焦点のピークを検索する。この例では、3〜8の間に合焦点がありそうなので、その間を微調スキャンする。つまり交互に4、6、8を撮像素子Aによりスキャンし、5、7を撮像素子Bによりスキャンを行う。これにより、撮像素子Aは合計7ステップ、撮像素子Bは合計5ステップで合焦点を見つけることができる。
以上より、図18(a)では21ステップであるのに対し、(b)では14ステップに減少し、さらに、(c)、(d)では7ステップに減少しているのが解かる。
以上で説明した実施形態は一例であり、撮像素子を3個使用し、繰出し域を3等分してもよいし、それ以上の個数で実施しても構わない。
【0018】
【発明の効果】
以上記載のごとく請求項1の発明によれば、複数の撮像素子を移動手段により同時に光軸方向に移動すると共に、全走査範囲を複数の撮像素子により分担して走査するので、フォーカシングの繰り出し量が多い場合でも合焦時間を短くすることができる。
また請求項2では、焦点調節のために光学系全体と撮像素子を同時に合焦のためにスキャン移動させることができるので、フォーカシングの繰出し量が多い場合でも合焦時間を短くすることができる。
また請求項3では、焦点調節のためにフォーカシングレンズと撮像素子を同時に合焦のためにスキャン移動させることができるので、フォーカシングの繰出し量が多い場合でも合焦時間を短くすることができると共に、装置を小型化することができる。
また請求項4では、焦点調節用の駆動源としてステッピングモーターを使用するので、制御を簡素化することができ、しかも装置を小型化することができる。また請求項5では、焦点調節用の駆動源としてDCモーターを使用するので、合焦時間を短縮することができ、装置を安価に構成することができる。
また請求項6では、焦点調節のための駆動源に圧電素子を使用することにより、回転駆動を直線駆動に変換する必要がなく力量伝達効率が向上でき、且つ、応答速度が速いため、合焦時間を短縮することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施形態に係るデジタルカメラに適用した場合のブロック図である。
【図2】本発明のズームレンズの被写体距離に対する合焦位置までの繰出しパルス数について示した図である。
【図3】本発明の図2における鏡胴システムで、1VDを1/30秒とした場合、繰出し量全域をスキャンするのに必要な時間を表した図である。
【図4】本発明のTELEの時の繰出しパルス数と被写体距離との関係を表す図である。
【図5】本発明の撮像素子を分担してスキャンした場合の繰出しパルス数と被写体距離との関係を表す図である。
【図6】本発明の許容錯乱円と焦点深度の関係を示す図である。
【図7】本発明の画素ピッチが小さい場合のズームレンズの被写体距離に対する合焦位置までの繰出しパルス数について示した図である。
【図8】本発明の画素ピッチが小さい場合の1VDを1/30秒とした場合、繰出し量全域をスキャンするのに必要な時間を表した図である。
【図9】本発明の画素ピッチが小さい場合のTELEの時の繰出しパルス数と被写体距離との関係を表す図である。
【図10】本発明の画素ピッチが小さい場合の撮像素子を分担してスキャンした場合の繰出しパルス数と被写体距離との関係を表す図である。
【図11】本発明の第2の実施形態に係るデジタルカメラに適用した場合のブロック図である。
【図12】本発明の第3の実施形態に係るデジタルカメラに適用した場合のブロック図である。
【図13】TTLコントラストピーク検出法のタイミングについて記した図である。
【図14】本発明の光学系の明るさを増加した場合の許容錯乱円と焦点深度の関係を示す図である。
【図15】本発明の実施形態のフォーカスステップを範囲で分割した場合の図である。
【図16】本発明の実施形態のフォーカスステップを交互に分割した場合の図である。
【図17】本発明の実施形態のフォーカスステップを範囲で分割した場合の撮像素子Aと撮像素子Bのフォーカスステップのタイミングをずらした図である。
【図18】本発明のスキャンを粗調、微調に分けた場合のモデルを示す図である。
【図19】本発明の実施形態のフォーカスステップを交互に分割した場合の撮像素子Aと撮像素子Bのフォーカスステップのタイミングをずらした図である。
【符号の説明】
1 撮影光学系、3 光路分離手段、4、6撮像素子、8 画像処理部・AF評価値生成部、9 制御部・演算部、14 ズーム駆動部、16、18 フォーカス駆動部、26、27 撮像素子ドライバー
【発明の属する技術分野】
本発明は、撮像装置に関し、さらに詳しくは、合焦時間の短縮化に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来技術として、特開平10−4517号公報には、小型軽量化、低価格化及びシステムの簡素化を図ると共に、あらゆる被写体や撮像条件においても目的の被写体に安定して合焦する焦点調節装置について開示されている。それによると、 光学系から入射された光束をR、G、Bの3色に分解し、R、G、Bそれぞれに各CCDが配置されている。フォーカスレンズを移動させることにより、山登りAFを行なう。R、G、B任意のCCDの焦点信号により、合焦作動を行なうものである。
また、特開平5−64209号公報には、輝度信号とクロマ信号とを別個の撮像素子から得るようにした2板式のビデオカメラにおいて、コンパクト、低コストで耐久性も大、かつ高解像度システムにも対応し得る合焦装置について開示されている。これによると、輝度信号を得るための撮像素子CCDとクロマ信号を得るための撮像素子CCDの光路長を変えることにより、これら2つのCCDから光軸上の異なった位置の信号を得るよう構成し、さらに、クロマ信号用CCDを輝度信号の被写体深度の外に置くよう構成したものである。つまり、輝度信号を得るための撮像素子とクロマ信号を得るための撮像装置を光軸上の異なった位置に配置し、その出力信号を比較して、合焦方向を検知する。撮影時には輝度用の撮像素子のみに合焦させるものである。
また、特開平11−287946号公報には、コントラスト方式のオートフォーカスでの合焦時間を短縮し、且つ高画質化を損なうことのない多板式の電子カメラの焦点調整装置について開示されている。これによると、合焦位置検出時にプリズムの出射面と第2の撮像素子との間の光束中に平行板を進入させる。第1の撮像素子の電気信号と、平行板の進入により光路長が伸長された光束に対応する第2の撮像素子の電気信号とを用いて、フォーカスレンズが光軸方向の各位置にあるときのコントラストの積分値を求め、このフォーカスレンズ位置とコントラスト積分値との関係から合焦位置を検出するとしている。つまり、複数の撮像素子のうち、1つの撮像素子とプリズムの間に平行板を進入させ、バックフォーカスを変化させる。そのバックフォーカスを変化させた撮像素子のコントラスト積分値と変化させていないコントラスト積分値から合焦位置を検出するものである。
その他、特開平7−177527号公報には、色分解プリズムに複数の撮像素子を固着した撮像手段を光軸方向に移動させ、コントラスト検出の山登りAFを行なう技術について開示されている。また、特開平2001−61155公報には、被写体光を色分解する多板式の合焦装置において、受光距離を互いに異なる位置に配置して、各色のボケ特性情報から合焦の方向、合焦までの距離を推定し、レンズ系又は色分解手段を移動させる技術について開示されている。
【特許文献1】特開平10−4517号公報
【特許文献2】特開平5−64209号公報
【特許文献3】特開平11−287946号公報
【特許文献4】特開平7−177527号公報
【特許文献5】特開平2001−61155公報
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
従来のデジタルカメラの合焦方式としては、撮像素子の信号のコントラスト成分を利用する山登りAF(TTL(Through The Lens)コントラストピーク検出法)が一般的に採用されている。これはフォーカシングレンズ等を動かしながら、撮像素子の信号を比較することにより、最も高い信号が得られるポジションを合焦位置と判定する方式であり、他の測距装置を必要とすることがないため装置の小型化を達成でき、且つ、TTL方式なのでパララックスの影響が無いという利点がある。しかしながら、合焦位置を判定するためのスキャン領域が広くなったり、或いは、スキャンピッチが細かくなると全域をスキャンする時間が長くなってしまうという問題がある。スキャン時間が長いということは、撮影者が撮りたいと思ってシャッタ釦を押してから合焦までの時間が長くなるため、動きのある被写体ではピントが合いにくくなると共に、シャッタ釦を押して撮影を完了したと思いカメラを動かしてしまう、もしくは、合焦作動中に無意識にカメラを動かしてしまい、カメラブレを発生させる可能性がある。これらのスキャン時間が長くなる主な理由として、光学系の長焦点化により、フォーカシングによるレンズの繰出し量が多くなることと、撮像素子の画素の微小化によるフォーカシングレンズ等の高分解能化により繰出し量が多くなったり、或いは光学系の明るさが明るくなりフォーカシングレンズ等の高分解能化により繰出し量が多くなることが挙げられる。
また、特開平10−4517号公報は、フォーカスレンズを移動させながら撮影画像の比較を繰り返すため、繰り出し量が多い場合には特に時間がかかる。又、時間がかかれば、動きのある被写体にピントが合いづらくなるといった問題がある。
また、特開平5−64209号公報は、2つのCCDを互いに異なるピント位置に配置し、2つのCCDから得られる信号を比較することで合焦方向を検知し、AFさせるため2つのCCDのうち、一方のピントがずれたままの状態で撮影することとなり、複数のCCDによる高画質化の利点が失われてしまう。
また、特開平11−287946号公報は、撮像素子とプリズムの間に平行板を進入させ、バックフォーカスを変化させ、そのバックフォーカスを変化させた撮像素子のコントラスト積分値とバックフォーカスを変化させていないコントラスト積分値から合焦位置を検出するため平行板の退避スペースが必要となり、装置の大型化が予想される。
さらに、特開平7−177527号公報においては、色分解プリズムに複数の撮像素子を固着した撮像手段を光軸方向に移動させ、コントラスト検出の山登りAFを行なうため、繰り出し量が多い場合には特に時間がかかる。また、特開平2001−61155公報においては、被写体光を色分解する多板式の合焦装置において、受光距離を互いに異なる位置に配置して、各色のボケ特性情報から合焦の方向、合焦までの距離を推定し、レンズ系又は色分解手段を移動させるため、特定の被写体での距離推定は行なえるが、様々な被写体におけるボケ特性を把握するのは困難である。
本発明は、かかる課題に鑑み、多板式撮像装置において、合焦時間を長くすることなく、TTLコントラストピーク検出法のAF方式を採用する撮像装置を提供することを目的とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】
本発明はかかる課題を解決するために、請求項1は、撮像素子に光を到達させる撮像光学系と、前記撮像素子の結像面に到達するまでの光路を複数に分離する光路分離手段と、前記撮像光学系から入射した光を電気信号に変換する複数の撮像素子と、該撮像素子により変換された夫々の電気信号を処理する信号処理手段と、少なくとも2つ以上の撮像素子を夫々独立に光軸方向に移動させる移動手段と、夫々の移動手段を制御する制御手段と、前記複数の撮像素子から得られた電気信号に基づいて合焦位置を導き出す演算部と、を備え、前記制御手段は、焦点調節の繰り出し範囲を前記複数の撮像素子に分割し、前記複数の撮像素子を前記分割した繰り出し範囲に亘って前記移動手段により同時に光軸方向に移動すると共に、全走査範囲を前記複数の撮像素子により分割して走査するように制御することを特徴とする。
ズームとフォーカシングレンズで構成される鏡胴システムでは、フォーカシングの出し量全域を走査する時間は、テレとワイドでは大きく異なる。テレの場合この時間が最も長いため被写体が動いたり、カメラの手ぶれを起こす可能性が高くなる。それは合焦位置を誤ることを意味している。そこで、繰り出し量全域を走査する時間を極力短くするために、本発明ではフォーカスステップを範囲で分割して複数の撮像素子を同時に光軸方向に移動して、各撮像素子に走査範囲を分担するようにする。
かかる発明によれば、フォーカスステップを範囲で分割して複数の撮像素子を移動手段により同時に光軸方向に移動すると共に、全走査範囲を複数の撮像素子により分担して走査するので、フォーカシングの繰り出し量が多い場合でも合焦時間を短くすることができる。
請求項2は、撮像素子に光を到達させる撮像光学系と、前記撮像素子の結像面に到達するまでの光路を複数に分離する光路分離手段と、前記撮像光学系から入射した光を電気信号に変換する複数の撮像素子と、該撮像素子により変換された夫々の電気信号を処理する信号処理手段と、少なくとも2つ以上の撮像素子を夫々独立に光軸方向に移動させる移動手段と、夫々の移動手段を制御する制御手段と、前記複数の撮像素子から得られた電気信号に基づいて合焦位置を導き出す演算部と、を備え、前記制御手段は、焦点調節の繰り出し範囲のステップ順序を前記複数の撮像素子に順番に割り当て、前記複数の撮像素子を割り当てられた繰り出しステップに基づいて前記移動手段により同時に光軸方向に駆動すると共に、全走査範囲を前記複数の撮像素子により割り当てて走査するように制御することを特徴とする。
請求項1ではフォーカスステップを範囲で分割して複数の撮像素子を同時に光軸方向に移動しながら走査していたが、本発明では、フォーカスステップを交互に分割して複数の撮像素子を同時に光軸方向に移動しながら走査する方法である。
かかる発明によれば、焦点調節のためにフォーカスステップを範囲で分割して同時に合焦のためにスキャン移動させるので、フォーカシングの繰出し量が多い場合でも合焦時間を短くすることができる。
【0005】
請求項3は、撮像素子に光を到達させる撮像光学系と、前記撮像素子の結像面に到達するまでの光路を複数に分離する光路分離手段と、前記撮像光学系から入射した光を電気信号に変換する複数の撮像素子と、該撮像素子により変換された夫々の電気信号を処理する信号処理手段と、前記複数の撮像素子の少なくとも1つ以上の撮像素子を光軸方向に移動させる撮像素子移動手段と、前記撮像光学系全体を光軸方向に移動させる光学系移動手段と、夫々の移動手段を制御する制御手段と、前記撮像素子から得られた電気信号に基づいて合焦位置を導き出す演算部と、を備え、前記制御手段は、焦点調節の繰り出し範囲を前記複数の撮像素子の何れか一方の撮像素子と前記撮像光学系に分割し、前記撮像素子と撮像光学系を前記分割した繰り出し範囲に亘って前記移動手段及び光学系移動手段により同時に光軸方向に移動すると共に、全走査範囲を前記複数の撮像素子により分割して走査するように制御することを特徴とする。
請求項1、2では複数の撮像素子を同時に光軸方向に移動しながら走査していたが、本発明では、焦点調節の繰り出し範囲を光学系全体と一方の撮像素子に分割して夫々を同時に移動し、他方の撮像素子を固定して全走査範囲を夫々の撮像素子により分割して走査するものである。
かかる発明によれば、焦点調節のために光学系全体と撮像素子を同時に合焦のためにスキャン移動させ、全走査範囲を夫々の撮像素子により分割して走査するので、フォーカシングの繰出し量が多い場合でも合焦時間を短くすることができる。
【0006】
請求項4は、撮像素子に光を到達させる撮像光学系と、前記撮像素子の結像面に到達するまでの光路を複数に分離する光路分離手段と、前記撮像光学系から入射した光を電気信号に変換する複数の撮像素子と、該撮像素子により変換された夫々の電気信号を処理する信号処理手段と、前記複数の撮像素子の少なくとも1つ以上の撮像素子を光軸方向に移動させる撮像素子移動手段と、前記撮像光学系全体を光軸方向に移動させる光学系移動手段と、夫々の移動手段を制御する制御手段と、前記撮像素子から得られた電気信号に基づいて合焦位置を導き出す演算部と、を備え、前記制御手段は、焦点調節の繰り出し範囲のステップ順序を前記複数の何れか一方の撮像素子と撮像光学系に順番に割り当て、前記撮像素子と撮像光学系を割り当てられた繰り出しステップに基づいて、前記移動手段及び光学系移動手段により同時に光軸方向に駆動すると共に、全走査範囲を前記複数の撮像素子により割り当てて走査するように制御することを特徴とする。
請求項1、2では複数の撮像素子を同時に光軸方向に移動しながら走査していたが、本発明では、焦点調節の繰り出しステップを光学系全体と一方撮像素子に交互に割り当てて夫々を同時に移動し、他方の撮像素子を固定して全走査範囲を夫々の撮像素子により分割して走査するものである。
かかる発明によれば、焦点調節のために光学系全体と撮像素子を交互に割り当てて同時に合焦のためにスキャン移動させ、全走査範囲を夫々の撮像素子により分割して走査するので、フォーカシングの繰出し量が多い場合でも合焦時間を短くすることができる。
【0007】
請求項5は、撮像素子に光を到達させる撮像光学系と、前記撮像素子の結像面に到達するまでの光路を複数に分離する光路分離手段と、前記撮像光学系から入射した光を電気信号に変換する複数の撮像素子と、該撮像素子により変換された夫々の電気信号を処理する信号処理手段と、前記複数の撮像素子の少なくとも1つ以上の撮像素子を光軸方向に移動させる撮像素子移動手段と、前記撮像光学系を構成するフォーカシングレンズ群を光軸方向に移動させるレンズ移動手段と、夫々の移動手段を制御する制御手段と、前記撮像素子から得られた電気信号に基づいて合焦位置を導き出す演算部と、を備え、前記制御手段は、焦点調節の繰り出し範囲を前記複数の撮像素子の何れか一方の撮像素子とフォーカシングレンズ群に分割し、前記撮像素子とフォーカシングレンズ群を前記分割した繰り出し範囲に亘って前記移動手段及びレンズ移動手段により同時に光軸方向に移動すると共に、全走査範囲を前記複数の撮像素子により分割して走査するように制御することを特徴とする。
請求項1、2では複数の撮像素子を同時に光軸方向に移動しながら走査していたが、本発明では、焦点調節の繰り出し範囲をフォーカシングレンズ群と一方の撮像素子に分割して夫々を同時に移動し、他方の撮像素子を固定して全走査範囲を夫々の撮像素子により分割して走査するものである。
かかる発明によれば、焦点調節のためにフォーカシングレンズ群と撮像素子を同時に合焦のためにスキャン移動させ、全走査範囲を夫々の撮像素子により分割して走査するので、フォーカシングの繰出し量が多い場合でも合焦時間を短くすることができる。
請求項6は、撮像素子に光を到達させる撮像光学系と、前記撮像素子の結像面に到達するまでの光路を複数に分離する光路分離手段と、前記撮像光学系から入射した光を電気信号に変換する複数の撮像素子と、該撮像素子により変換された夫々の電気信号を処理する信号処理手段と、前記複数の撮像素子の少なくとも1つ以上の撮像素子を光軸方向に移動させる撮像素子移動手段と、前記撮像光学系を構成するフォーカシングレンズ群を光軸方向に移動させるレンズ移動手段と、夫々の移動手段を制御する制御手段と、前記撮像素子から得られた電気信号に基づいて合焦位置を導き出す演算部と、を備え、前記制御手段は、焦点調節の繰り出し範囲のステップ順序を前記複数の何れか一方の撮像素子とフォーカシングレンズ群に順番に割り当て、前記撮像素子とフォーカシングレンズ群を割り当てられた繰り出しステップに基づいて、前記移動手段及びレンズ移動手段により同時に光軸方向に駆動すると共に、全走査範囲を前記複数の撮像素子により割り当てて走査するように制御することを特徴とする。
請求項1、2では複数の撮像素子を同時に光軸方向に移動しながら走査していたが、本発明では、焦点調節の繰り出しステップをフォーカシングレンズ群と一方の撮像素子に交互に割り当てて夫々を同時に移動し、他方の撮像素子を固定して全走査範囲を夫々の撮像素子により分割して走査するものである。
かかる発明によれば、焦点調節のためにフォーカシングレンズ群と撮像素子を交互に割り当てて同時に合焦のためにスキャン移動させ、全走査範囲を夫々の撮像素子により分割して走査するので、フォーカシングの繰出し量が多い場合でも合焦時間を短くすることができる。
【0008】
請求項7は、前記制御手段は、複数の撮像素子又は撮像素子と撮像光学系又は撮像素子とフォーカシングレンズ群の移動タイミングが互いに異なるタイミングになるように前記各移動手段を制御することを特徴とする。
請求項1から7までは、複数の移動手段のタイミングは同じであった。そのため、複数のモータを同時に駆動する必要があるため、電流が同時に多く流れ、バッテリの負荷が重くっていた。そこで、本発明では駆動のタイミングをずらすことにより、バッテリの負荷を軽くするものである。
かかる発明によれば、駆動タイミングがずれているので、同時に流れる電流値が減少してバッテリの負荷を軽くすることができる。
請求項8は、前記制御手段は、前記焦点調節の全繰り出し範囲を、一旦粗い移動によりスキャンし、該スキャンの結果に基づいて微少スキャン範囲を判定し、該微少スキャン範囲を前記移動手段により再度微少スキャンするように制御することを特徴とする。
焦点調節は被写体の距離により異なり、望遠の場合繰り出し量が多いため合焦するまでに多くの時間を要する。そこで、本発明では繰り出し量が粗い場合と、細かい場合に分け、最初粗く繰り出して大まかに合焦範囲を検索し、その後、そのおおまかな合焦範囲を細かい繰り出し量により真の合焦点を探す。
かかる発明によれば、粗い繰り出しにより大まかに合焦範囲を決め、その後、その範囲を細かい繰り出しにより合焦点を見つけるので、トータルの合焦までの時間を更に短縮することができる。
【0009】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を図に示した実施形態を用いて詳細に説明する。但し、この実施形態に記載される構成要素、種類、組み合わせ、形状、その相対配置などは特定的な記載がない限り、この発明の範囲をそれのみに限定する主旨ではなく単なる説明例に過ぎない。
図1は本発明の第1の実施形態に係るデジタルカメラに適用した場合のブロック図である。このデジタルカメラは、ズームレンズ、フォーカシングレンズから構成される撮影光学系1と、擬色、モアレの発生源となる高周波成分をカットするOLPF(光学ローパスフィルター)2と、複数の光束に分離する光路分離手段3と、CCD等で構成され、光を電気信号に変換する撮像素子A4と、撮像素子B6と、CDSでは低周波ノイズを除去され、AGCでは映像信号のみ規定レベルまで増幅され、その後、A/DにてA/D変換されデジタル信号として出力するCDS、AGC、A/Dの5、7と、撮像素子A、Bからのデジタル信号からAF評価値を生成する画像処理部・AF評価値生成部8と、TTLコントラストピーク検出法の合焦動作(以下AF)等を行なう制御部・演算部9と、間引き処理を施したスルー画像を一旦蓄積するメモリ10と、圧縮処理を施された画像を蓄積する記録媒体11と、フォーカスモータ、ズームモータを駆動するモータドライバ12と、ズームモータ13と、ズーム機構部を駆動するズーム駆動部14と、フォーカスモータA17と、フォーカスモータB15と、フォーカス駆動部B16と、フォーカス駆動部A18と、電源を投入するメインスイッチ19と、レリーズスイッチ20と、ズーム位置を選択するズーム選択スイッチ21と、撮影モード、再生モード、消去モード等の選択をするモード選択スイッチ22と、モニタ画像を表示するLCD23と、ビデオ変換処理を施されたモニタ画像を増幅するビデオアンプ24と、その画像を表示するTV25と、撮像素子を駆動する撮像素子ドライバーA26と、撮像素子ドライバーB27から構成されている。
【0010】
次に、本実施形態のデジタルカメラの動作について、順を追って説明する。メインスイッチ19をONすることにより、メインスイッチ19からの信号が制御部・演算部9に送られ、各種のイニシャライズ等が行なわれる。また、モード選択スイッチ22により撮影モード、再生モード、消去モード等の選択されたモード内容が信号として制御部・演算部9に送られ、各モードのセット状態となる。次に、モード選択スイッチ22により撮影モードが選択された場合の動作について説明する。撮影モードの場合はズーム動作が可能となり、ズーム選択スイッチ21により選択されたズーム位置が、ズーム位置信号として制御部・演算部9に送られる。選択されたズーム位置にレンズを移動させるために、所定量の信号を制御部・演算部9からモータドライバ12に送ることにより、フォーカス駆動用のフォーカスモータA17、フォーカスモータB15、ズーム駆動用のズームモータ13を回転することが可能となる。このフォーカスモータA17、B15、ズームモータ13はそれぞれフォーカス駆動部A18、B16、ズーム駆動部14と連動しており、ズームは撮影光学系1の図示しない撮影レンズと、フォーカスは撮像素子A4、B6と連動しており、それぞれを所定位置に移動し、選択されたズーム位置にセットする。
次に、レリーズスイッチ20が押され、記録媒体11に画像を書き込むまでの動作を説明する。レリーズスイッチ20が押されることにより、レリーズスイッチ20からの信号が制御部・演算部9に送られる。一方、撮影光学系1を通過した光は赤外カットフィルター、OLPF(光学ローパスフィルター)2にて赤外光をカットし、擬色、モアレの発生源となる高周波成分をカットされ、光路分離手段3により複数の光束に分離され、撮像素子A4と撮像素子B6に到達する。撮像素子A4と撮像素子B6はそれぞれ、撮像素子ドライバーA26、撮像素子ドライバーB27により、周期的な駆動を行なっている。そして撮像素子A4、B6に到達した光はこの撮像素子A4、B6により夫々電気信号に変換される。変換された電気信号はそれぞれ、CDS、AGC、A/Dの5、7に送られる。CDSでは低周波ノイズを除去され、AGCでは映像信号のみ規定レベルまで増幅され、その後、A/DにてA/D変換されデジタル信号として出力される。出力されたデジタル信号は画像処理部・AF評価値生成部8に送られる。
【0011】
また、レリーズスイッチ20からの信号を入力された制御部・演算部9は、TTLコントラストピーク検出法の合焦動作(以下AF)を行なうために、モータドライバにフォーカスモータA17、B15を駆動させるための制御信号を出力する。その制御信号により、撮像素子A4、B6はフォーカス駆動部A18、B16を介し、AF動作のための移動を行なう。画像処理部・AF評価値生成部8では、撮像素子A4、B6からのデジタル信号からAF評価値を生成する。生成されたAF評価値は制御部・演算部9に送られ演算処理により合焦位置を導き出す。さらに制御部・演算部9から導き出した合焦位置に撮像素子A4、B6を移動させるための信号を出力し、撮像素子A4、B6を合焦位置に移動させる。
撮像素子A4、B6が合焦位置に移動した後に、CDS、AGC、A/D5、7から出力されたそれぞれのデジタル信号は、画像処理部・AF評価値生成部8に送られ、色情報の補間処理、ホワイトバランスのゲイン処理、輪郭強調処理、γ処理、輝度信号と2つの色差信号に分離する変換処理、撮像素子A4、B6の信号の合成処理等を行い、メモリ10に送られる。記録媒体11に記録するためには、このメモリ10に格納された信号データを再度、画像処理部・AF評価値生成部8に送り、合成、圧縮処理を施した後、この記録媒体11に書き込む。
また、構図を決定するためのスルー画像を表示する場合は撮像素子A4、B6からの信号を間引きを行った信号のみ出力し、CDS、AGC、A/D5、7通過後、画像処理部・AF評価値生成部8にて同様の処理を行い、さらに間引き処理を施す。その後、メモリ10に一旦格納した後、画像処理部・AF評価値生成部8に送りビデオ変換処理を施し、ビデオアンプ24に出力する。TV(テレビモニター)25をつなげれば、TVモニター25にスルー画像を出力可能な状態となる。同様にLCD(液晶モニター)23に表示させるには、画像処理部・AF評価値生成部8で行なうビデオ変換処理の変わりに、液晶モニター表示用の変換処理を行なうことにより、LCD(液晶モニター)23に出力表示させることができる。
【0012】
次に、TTLコントラストピーク検出法の合焦時間について説明する。図2はズームレンズの被写体距離に対する合焦位置までの繰出しパルス数について示した図である。縦軸が繰り出しパルス数、横軸が被写体距離を表す。図中のLとは撮像面から被写体までの距離である。そして、1/Lにおける0とは被写体距離が無限を意味し、2.5というのは0.4mを示している。線図は代表的なズーム位置であるWIDE50、MEAN51、TELE52の3本が記してある。従って、WIDE50で0.4mの被写体にピントを合わせるには6パルスの繰出しが必要であり、同様にMEAN51では16パルス、TELE52では52パルスの繰出しが必要であることが解かる。つまり、同じ被写体距離では望遠側の焦点距離になるほど、繰出し量が増えるのが解かる。又、ここで1パルスの移動量は光学系のFナンバーと許容錯乱円(ここでは画素ピッチと仮定している)から求められる両側焦点深度としている。
次に、合焦までの時間の多くを支配しているスキャン時間ついて説明する。撮像素子は撮像素子ドライバーにより周期的に画像を読み出す。この周期的な時間というのは、LCDやTVに正確に出力されるように同期を合わせることや、消費電流から決定される。画像が出力されてから次の画像が出力されるまでの時間をVD時間(VD周期)(VDとは垂直同期を意味する)と呼び、撮像素子1つに対し1VD毎に1つの画像信号を得ることができる。つまり、繰出し量が6パルスの場合、1VD時間毎にピント位置を1パルス移動させて、その都度画像データからAF評価値を作成し、その6個のAF評価値を比較することで、合焦位置を知ることとなる。つまり、比較するための6個のAF評価値を得るためには、最低でも6VDの時間が必要となる。この時間をスキャン時間と呼ぶ。
【0013】
図3は、図2における鏡胴システムで、1VDを1/30秒とした場合、繰出し量全域をスキャンするのに必要な時間を表した図である。縦軸は全域スキャン時間、横軸は被写体距離を表す。WIDE53では合焦位置を知るための全域スキャン時間は0.2秒必要であり、MEAN54では0.54秒、TELE55においては1.75秒も必要となってしまう。つまり、無限から0.4mの被写体の合焦位置を知るためには、WIDE53で最低0.2秒、TELE55で最低1.75秒の時間が必要である。TELE55においては、1.75秒の間に被写体が動いたり、カメラの手振れを起こしたりする可能性が高まる。それは合焦位置を誤ることを意味する。
そこで、TELEの動作について更に詳しく考察してみる。図4はTELEの時の無限から0.4m迄の繰出しパルス数と被写体距離との関係を表す図である。図2と同様に最大で52パルスであるが、この範囲をP点を中心として2分割して、2つの撮像素子で分割されたそれぞれのスキャン範囲を移動すると考える。つまり、撮像素子A4は0パルスから26パルス(1/Lで0〜1.33、L(被写体距離)で無限から0.75m)までをスキャンし、撮像素子B6は26パルスから52パルス(1/Lで1.33〜2.5、L(被写体距離)で0.75mから0.4m)の範囲をスキャンする。ここで、撮像素子A4と撮像素子B6を同時に制御すれば、おのずと合焦検出に必要な時間は1/2となる。その様子を表したのが図5である。1つの撮像素子で合焦検出をした場合には1.75秒かかるのに対して、2つの撮像素子をスキャン範囲を変えて同時制御することで、全域をスキャンする時間は0.875秒と短縮することができる。これにより、同時に得られた撮像素子A4からのAF評価値と撮像素子B6からのAF評価値を比較することで、短期間で合焦位置を検出することが可能となる。
【0014】
次に撮像素子の画素の微小化による影響を述べる。図6は、許容錯乱円と焦点深度の関係を示す図である。許容錯乱円径δが決まると、δよりも小さいボケ量は判別できず、像平面に対しある一定の深度幅を持つ。これを両側焦点深度と言いεで表す。この深度以内のピント変動は検出することができない。ここで、許容錯乱円径を撮像素子の画素ピッチと仮定すると、同一光学系でも、さらに小さい画素ピッチを有した撮像素子を使用した場合は、許容錯乱円径δ’となり、両側焦点深度はε’となる。同一光学系なので、繰出し量も同一であるが、焦点深度が狭くなるため、繰出しピッチが狭くなり繰出しパルス数は多くなることが解かる。
尚、両側焦点深度は次式で表される。
ε=2×δ×Fno −−−−−−−(1)
Fnoは光学系で決まる数値であるが、ここで、Fno3.5のレンズで許容錯乱円=画素ピッチと仮定した場合に、画素ピッチが0.0042mmの撮像素子を使用した場合が図2から図5で示されている。スキャンピッチは両側焦点深度となり、ε=2×0.0042×3.5=0.0294mmとなる。
この光学系を使用して画素ピッチが0.0028mmの撮像素子を使用した場合のスキャンピッチはε=2×0.0028×3.5=0.0196mmとなる。この時の繰出しパルス数とスキャン時間を図2から図5に対応させた物を図7から図10に示す。図2でTELE52の0.4mで52パルスだったものが図7でTELE58の0.4mで79パルスに増え、図8のように全域スキャン時間も1.75秒だったものがTELE61で2.62秒に増えていることが解かる。しかし、同様に図9で1/Lで1.33のポイントで2分割することにより、図10で全域スキャン時間は1.31秒に短縮しているのが解かる。
【0015】
次に光学系の明るさによる影響について説明する。光学系の明るさが明るくなるということは、Fnoが低くなることを意味する。つまり、前記(1)式で解かるようにFnoが低くなると両側焦点深度εは小さくなる。この状態を模式化したのが、図14である。Fnoが低くなるとレンズから出射される光線の角度が広くなる。許容錯乱円径が同じ場合、両側焦点深度εはε’’となり小さくなるのが解かる。つまり、両側焦点深度が小さくなるとスキャンピッチが細かくなり、同じ繰出し量であれば、おのずと繰出しパルス数は増えるので、全域スキャン時間が長くなることが解かる。
図11は、本発明の第2の実施形態に係るデジタルカメラに適用した場合のブロック図である。図11が図1と異なる点は、フォーカス駆動部B16が撮像光学系1全体を駆動し、撮像素子B6が固定されている点である。同じ構成要素には同じ参照番号が付されているので、重複する説明は省略する。
図4と図11を参照して説明すると、図4で26パルス(1/Lで0から1.33)までは、フォーカス駆動部B16により、撮影光学系1を駆動する。その時のAF評価値は固定されている撮像素子B6からの情報により行なう。撮像素子A4は撮影光学系1のスキャンを始める前に26パルスに相当する位置まで移動する。それにより、1/Lで0パルス位置の出力は、撮像素子B6では0パルス位置での出力となり、撮像素子A4では26パルス位置での出力を得ることができる。スキャンは撮影光学系1のみを行なえば撮像素子B6では0から26パルスの情報を取得でき、撮像素子A4は26パルスから52パルスの出力を同時に得ることができる。
図12は、本発明の第3の実施形態に係るデジタルカメラに適用した場合のブロック図である。図12が図1と異なる点は、フォーカス駆動部B16が撮像光学系1内のフォーカシングレンズ30を駆動し、撮像素子B6が固定されている点である。同じ構成要素には同じ参照番号が付されているので、重複する説明は省略する。
【0016】
図13は、TTLコントラストピーク検出法のタイミングについて記した図である。縦軸はAF評価値を示し、横軸はフォーカスステップを示す。ここでは、10パルス=10フォーカスステップの範囲で合焦検知をする場合を示してある。つまり、全域をスキャンするには10VDが必要となる。つまり、1VD周期を1/30秒とすると、1VD周期は33msとなる。一方、フォーカスの駆動を500PPSで行なうとすると、500PPS=2msなので、AF時間はVD周期に支配されることが解かる。この例では、P点のフォーカスステップ7VDで合焦しているのが解る。逆にいうとAF時間を短くするには、VDの数を減らす(繰出しパルス数を減らす)ことと、VD周期を短くすることが有効なのが解かる。
図15は、本発明の実施形態のフォーカスステップを範囲で分割した場合の図である。縦軸はAF評価値を示し、横軸はフォーカスステップを示す。ここでは、撮像素子A71ではフォーカスステップ1〜5をスキャンし、撮像素子B70ではフォーカスステップ6〜10を同時にスキャンする。それぞれのAF評価値出力は図15の如く出力され、フォーカスステップ6が合焦位置であることを5VDで知ることが可能になる。
図16は、縦軸はAF評価値を示し、横軸はフォーカスステップを示す。ここでは、撮像素子A73が奇数のフォーカスステップを受け持ち、撮像素子B72が偶数のフォーカスステップを受け持つ。そして同時にスキャンしAF評価値出力が異なるが、同様に合焦位置を5VDで知ることが可能になる。
図17、図19は、前記図15、図16に対し、撮像素子Aと撮像素子Bのフォーカスステップのタイミングをずらしている。これにより、図15、図16に比べて、同期をずらした時間だけスキャン時間は長くなるが、モーター等を同時制御しないので、ピーク消費電流を減少できるので有利である。
【0017】
図18は本発明のスキャンを粗調、微調に分けた場合のモデルを示す図である。図18(a)は1つのCCDで全域をスキャンした場合である。この場合、全域を微調スキャン(黒丸)するとトータル21ステップ必要となる。
図18(b)は1つのCCDで粗調、微調に分けた場合である。上側の粗調スキャンの3、6、9、12、15、18、21で粗調スキャンを行い、大まかに合焦点のピークを検索する。この例では、4〜8の間に合焦点がありそうなので、その間を微調スキャンする。これにより、粗調ステップ7、微調ステップ5のトータル12ステップで合焦点を見つけることができる。
図18(c)は本発明の範囲を分割してスキャンする方法を説明する図である。この例では、上側の粗調スキャンの3、6、9、12まで撮像素子Aによりスキャンし、12、15、18、21まで撮像素子Bによりスキャンを行い、大まかに合焦点のピークを検索する。この例では、3〜8の間に合焦点がありそうなので、その間を微調スキャンする。つまり4、5、6まで撮像素子Aによりスキャンし、6、7、8まで撮像素子Bによりスキャンを行う。これにより、撮像素子Aは合計7ステップ、撮像素子Bは合計7ステップで合焦点を見つけることができる。
図18(d)は本発明の交互に分割してスキャンする方法を説明する図である。この例では、上側の粗調スキャンの3、9、15、21を撮像素子Aによりスキャンし、6、12、18、を撮像素子Bによりスキャンを行い、大まかに合焦点のピークを検索する。この例では、3〜8の間に合焦点がありそうなので、その間を微調スキャンする。つまり交互に4、6、8を撮像素子Aによりスキャンし、5、7を撮像素子Bによりスキャンを行う。これにより、撮像素子Aは合計7ステップ、撮像素子Bは合計5ステップで合焦点を見つけることができる。
以上より、図18(a)では21ステップであるのに対し、(b)では14ステップに減少し、さらに、(c)、(d)では7ステップに減少しているのが解かる。
以上で説明した実施形態は一例であり、撮像素子を3個使用し、繰出し域を3等分してもよいし、それ以上の個数で実施しても構わない。
【0018】
【発明の効果】
以上記載のごとく請求項1の発明によれば、複数の撮像素子を移動手段により同時に光軸方向に移動すると共に、全走査範囲を複数の撮像素子により分担して走査するので、フォーカシングの繰り出し量が多い場合でも合焦時間を短くすることができる。
また請求項2では、焦点調節のために光学系全体と撮像素子を同時に合焦のためにスキャン移動させることができるので、フォーカシングの繰出し量が多い場合でも合焦時間を短くすることができる。
また請求項3では、焦点調節のためにフォーカシングレンズと撮像素子を同時に合焦のためにスキャン移動させることができるので、フォーカシングの繰出し量が多い場合でも合焦時間を短くすることができると共に、装置を小型化することができる。
また請求項4では、焦点調節用の駆動源としてステッピングモーターを使用するので、制御を簡素化することができ、しかも装置を小型化することができる。また請求項5では、焦点調節用の駆動源としてDCモーターを使用するので、合焦時間を短縮することができ、装置を安価に構成することができる。
また請求項6では、焦点調節のための駆動源に圧電素子を使用することにより、回転駆動を直線駆動に変換する必要がなく力量伝達効率が向上でき、且つ、応答速度が速いため、合焦時間を短縮することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施形態に係るデジタルカメラに適用した場合のブロック図である。
【図2】本発明のズームレンズの被写体距離に対する合焦位置までの繰出しパルス数について示した図である。
【図3】本発明の図2における鏡胴システムで、1VDを1/30秒とした場合、繰出し量全域をスキャンするのに必要な時間を表した図である。
【図4】本発明のTELEの時の繰出しパルス数と被写体距離との関係を表す図である。
【図5】本発明の撮像素子を分担してスキャンした場合の繰出しパルス数と被写体距離との関係を表す図である。
【図6】本発明の許容錯乱円と焦点深度の関係を示す図である。
【図7】本発明の画素ピッチが小さい場合のズームレンズの被写体距離に対する合焦位置までの繰出しパルス数について示した図である。
【図8】本発明の画素ピッチが小さい場合の1VDを1/30秒とした場合、繰出し量全域をスキャンするのに必要な時間を表した図である。
【図9】本発明の画素ピッチが小さい場合のTELEの時の繰出しパルス数と被写体距離との関係を表す図である。
【図10】本発明の画素ピッチが小さい場合の撮像素子を分担してスキャンした場合の繰出しパルス数と被写体距離との関係を表す図である。
【図11】本発明の第2の実施形態に係るデジタルカメラに適用した場合のブロック図である。
【図12】本発明の第3の実施形態に係るデジタルカメラに適用した場合のブロック図である。
【図13】TTLコントラストピーク検出法のタイミングについて記した図である。
【図14】本発明の光学系の明るさを増加した場合の許容錯乱円と焦点深度の関係を示す図である。
【図15】本発明の実施形態のフォーカスステップを範囲で分割した場合の図である。
【図16】本発明の実施形態のフォーカスステップを交互に分割した場合の図である。
【図17】本発明の実施形態のフォーカスステップを範囲で分割した場合の撮像素子Aと撮像素子Bのフォーカスステップのタイミングをずらした図である。
【図18】本発明のスキャンを粗調、微調に分けた場合のモデルを示す図である。
【図19】本発明の実施形態のフォーカスステップを交互に分割した場合の撮像素子Aと撮像素子Bのフォーカスステップのタイミングをずらした図である。
【符号の説明】
1 撮影光学系、3 光路分離手段、4、6撮像素子、8 画像処理部・AF評価値生成部、9 制御部・演算部、14 ズーム駆動部、16、18 フォーカス駆動部、26、27 撮像素子ドライバー
Claims (8)
- 撮像素子に光を到達させる撮像光学系と、前記撮像素子の結像面に到達するまでの光路を複数に分離する光路分離手段と、前記撮像光学系から入射した光を電気信号に変換する複数の撮像素子と、該撮像素子により変換された夫々の電気信号を処理する信号処理手段と、少なくとも2つ以上の撮像素子を夫々独立に光軸方向に移動させる移動手段と、夫々の移動手段を制御する制御手段と、前記複数の撮像素子から得られた電気信号に基づいて合焦位置を導き出す演算部と、を備え、
前記制御手段は、焦点調節の繰り出し範囲を前記複数の撮像素子に分割し、前記複数の撮像素子を前記分割した繰り出し範囲に亘って前記移動手段により同時に光軸方向に移動すると共に、全走査範囲を前記複数の撮像素子により分割して走査するように制御することを特徴とする撮像装置。 - 撮像素子に光を到達させる撮像光学系と、前記撮像素子の結像面に到達するまでの光路を複数に分離する光路分離手段と、前記撮像光学系から入射した光を電気信号に変換する複数の撮像素子と、該撮像素子により変換された夫々の電気信号を処理する信号処理手段と、少なくとも2つ以上の撮像素子を夫々独立に光軸方向に移動させる移動手段と、夫々の移動手段を制御する制御手段と、前記複数の撮像素子から得られた電気信号に基づいて合焦位置を導き出す演算部と、を備え、
前記制御手段は、焦点調節の繰り出し範囲のステップ順序を前記複数の撮像素子に順番に割り当て、前記複数の撮像素子を割り当てられた繰り出しステップに基づいて前記移動手段により同時に光軸方向に駆動すると共に、全走査範囲を前記複数の撮像素子により割り当てて走査するように制御することを特徴とする撮像装置。 - 撮像素子に光を到達させる撮像光学系と、前記撮像素子の結像面に到達するまでの光路を複数に分離する光路分離手段と、前記撮像光学系から入射した光を電気信号に変換する複数の撮像素子と、該撮像素子により変換された夫々の電気信号を処理する信号処理手段と、前記複数の撮像素子の少なくとも1つ以上の撮像素子を光軸方向に移動させる撮像素子移動手段と、前記撮像光学系全体を光軸方向に移動させる光学系移動手段と、夫々の移動手段を制御する制御手段と、前記撮像素子から得られた電気信号に基づいて合焦位置を導き出す演算部と、を備え、
前記制御手段は、焦点調節の繰り出し範囲を前記複数の撮像素子の何れか一方の撮像素子と前記撮像光学系に分割し、前記撮像素子と撮像光学系を前記分割した繰り出し範囲に亘って前記移動手段及び光学系移動手段により同時に光軸方向に移動すると共に、全走査範囲を前記複数の撮像素子により分割して走査するように制御することを特徴とする撮像装置。 - 撮像素子に光を到達させる撮像光学系と、前記撮像素子の結像面に到達するまでの光路を複数に分離する光路分離手段と、前記撮像光学系から入射した光を電気信号に変換する複数の撮像素子と、該撮像素子により変換された夫々の電気信号を処理する信号処理手段と、前記複数の撮像素子の少なくとも1つ以上の撮像素子を光軸方向に移動させる撮像素子移動手段と、前記撮像光学系全体を光軸方向に移動させる光学系移動手段と、夫々の移動手段を制御する制御手段と、前記撮像素子から得られた電気信号に基づいて合焦位置を導き出す演算部と、を備え、
前記制御手段は、焦点調節の繰り出し範囲のステップ順序を前記複数の何れか一方の撮像素子と撮像光学系に順番に割り当て、前記撮像素子と撮像光学系を割り当てられた繰り出しステップに基づいて、前記移動手段及び光学系移動手段により同時に光軸方向に駆動すると共に、全走査範囲を前記複数の撮像素子により割り当てて走査するように制御することを特徴とする撮像装置。 - 撮像素子に光を到達させる撮像光学系と、前記撮像素子の結像面に到達するまでの光路を複数に分離する光路分離手段と、前記撮像光学系から入射した光を電気信号に変換する複数の撮像素子と、該撮像素子により変換された夫々の電気信号を処理する信号処理手段と、前記複数の撮像素子の少なくとも1つ以上の撮像素子を光軸方向に移動させる撮像素子移動手段と、前記撮像光学系を構成するフォーカシングレンズ群を光軸方向に移動させるレンズ移動手段と、夫々の移動手段を制御する制御手段と、前記撮像素子から得られた電気信号に基づいて合焦位置を導き出す演算部と、を備え、
前記制御手段は、焦点調節の繰り出し範囲を前記複数の撮像素子の何れか一方の撮像素子とフォーカシングレンズ群に分割し、前記撮像素子とフォーカシングレンズ群を前記分割した繰り出し範囲に亘って前記移動手段及びレンズ移動手段により同時に光軸方向に移動すると共に、全走査範囲を前記複数の撮像素子により分割して走査するように制御することを特徴とする撮像装置。 - 撮像素子に光を到達させる撮像光学系と、前記撮像素子の結像面に到達するまでの光路を複数に分離する光路分離手段と、前記撮像光学系から入射した光を電気信号に変換する複数の撮像素子と、該撮像素子により変換された夫々の電気信号を処理する信号処理手段と、前記複数の撮像素子の少なくとも1つ以上の撮像素子を光軸方向に移動させる撮像素子移動手段と、前記撮像光学系を構成するフォーカシングレンズ群を光軸方向に移動させるレンズ移動手段と、夫々の移動手段を制御する制御手段と、前記撮像素子から得られた電気信号に基づいて合焦位置を導き出す演算部と、を備え、
前記制御手段は、焦点調節の繰り出し範囲のステップ順序を前記複数の何れか一方の撮像素子とフォーカシングレンズ群に順番に割り当て、前記撮像素子とフォーカシングレンズ群を割り当てられた繰り出しステップに基づいて、前記移動手段及びレンズ移動手段により同時に光軸方向に駆動すると共に、全走査範囲を前記複数の撮像素子により割り当てて走査するように制御することを特徴とする撮像装置。 - 前記制御手段は、複数の撮像素子又は撮像素子と撮像光学系又は撮像素子とフォーカシングレンズ群の移動タイミングが互いに異なるタイミングになるように前記各移動手段を制御することを特徴とする請求項1乃至6の何れか一項に記載の撮像装置。
- 前記制御手段は、前記焦点調節の全繰り出し範囲を、一旦粗い移動によりスキャンし、該スキャンの結果に基づいて微少スキャン範囲を判定し、該微少スキャン範囲を前記移動手段により再度微少スキャンするように制御することを特徴とする請求項1乃至6の何れか一項に記載の撮像装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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Cited By (6)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2006285013A (ja) * | 2005-04-01 | 2006-10-19 | Canon Inc | オートフォーカス用固体撮像装置 |
JP2007074388A (ja) * | 2005-09-07 | 2007-03-22 | Casio Comput Co Ltd | 撮像装置及びそのプログラム |
JP2007072254A (ja) * | 2005-09-08 | 2007-03-22 | Casio Comput Co Ltd | 撮像装置及びそのプログラム |
US7339751B2 (en) | 2004-07-09 | 2008-03-04 | Ricoh Company, Ltd. | Lens barrel and photographing apparatus |
JP2011242790A (ja) * | 2011-07-15 | 2011-12-01 | Casio Comput Co Ltd | 撮像装置及びそのプログラム |
JP2014074777A (ja) * | 2012-10-03 | 2014-04-24 | Fujitsu Semiconductor Ltd | 合焦評価値生成装置、合焦評価値生成方法、及び、合焦評価値生成プログラム |
-
2002
- 2002-09-20 JP JP2002276361A patent/JP2004120015A/ja active Pending
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