JP2004119934A - 積層構造体の製造方法及び製造装置 - Google Patents
積層構造体の製造方法及び製造装置 Download PDFInfo
- Publication number
- JP2004119934A JP2004119934A JP2002284998A JP2002284998A JP2004119934A JP 2004119934 A JP2004119934 A JP 2004119934A JP 2002284998 A JP2002284998 A JP 2002284998A JP 2002284998 A JP2002284998 A JP 2002284998A JP 2004119934 A JP2004119934 A JP 2004119934A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- opening
- layer
- mask
- laminated structure
- electrode layer
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Withdrawn
Links
- 238000004519 manufacturing process Methods 0.000 title claims abstract description 53
- 239000000758 substrate Substances 0.000 claims abstract description 47
- 239000002994 raw material Substances 0.000 claims abstract description 32
- 239000000843 powder Substances 0.000 claims abstract description 29
- 230000000873 masking effect Effects 0.000 claims abstract description 15
- 238000005507 spraying Methods 0.000 claims description 19
- 239000002184 metal Substances 0.000 abstract description 65
- 229910052751 metal Inorganic materials 0.000 abstract description 65
- 238000007664 blowing Methods 0.000 abstract 1
- 239000000443 aerosol Substances 0.000 description 43
- 229910052451 lead zirconate titanate Inorganic materials 0.000 description 35
- 239000010419 fine particle Substances 0.000 description 26
- 238000000034 method Methods 0.000 description 18
- 230000015572 biosynthetic process Effects 0.000 description 16
- 239000000463 material Substances 0.000 description 11
- 239000012159 carrier gas Substances 0.000 description 8
- 238000000151 deposition Methods 0.000 description 7
- 239000011882 ultra-fine particle Substances 0.000 description 6
- 239000007789 gas Substances 0.000 description 4
- RIUWBIIVUYSTCN-UHFFFAOYSA-N trilithium borate Chemical compound [Li+].[Li+].[Li+].[O-]B([O-])[O-] RIUWBIIVUYSTCN-UHFFFAOYSA-N 0.000 description 3
- XKRFYHLGVUSROY-UHFFFAOYSA-N Argon Chemical compound [Ar] XKRFYHLGVUSROY-UHFFFAOYSA-N 0.000 description 2
- IJGRMHOSHXDMSA-UHFFFAOYSA-N Atomic nitrogen Chemical compound N#N IJGRMHOSHXDMSA-UHFFFAOYSA-N 0.000 description 2
- 238000007796 conventional method Methods 0.000 description 2
- 229910001873 dinitrogen Inorganic materials 0.000 description 2
- 238000005530 etching Methods 0.000 description 2
- 239000002245 particle Substances 0.000 description 2
- 230000005855 radiation Effects 0.000 description 2
- 239000011347 resin Substances 0.000 description 2
- 229920005989 resin Polymers 0.000 description 2
- MYMOFIZGZYHOMD-UHFFFAOYSA-N Dioxygen Chemical compound O=O MYMOFIZGZYHOMD-UHFFFAOYSA-N 0.000 description 1
- VYPSYNLAJGMNEJ-UHFFFAOYSA-N Silicium dioxide Chemical compound O=[Si]=O VYPSYNLAJGMNEJ-UHFFFAOYSA-N 0.000 description 1
- XUIMIQQOPSSXEZ-UHFFFAOYSA-N Silicon Chemical compound [Si] XUIMIQQOPSSXEZ-UHFFFAOYSA-N 0.000 description 1
- RTAQQCXQSZGOHL-UHFFFAOYSA-N Titanium Chemical compound [Ti] RTAQQCXQSZGOHL-UHFFFAOYSA-N 0.000 description 1
- 239000000853 adhesive Substances 0.000 description 1
- 230000001070 adhesive effect Effects 0.000 description 1
- 238000000137 annealing Methods 0.000 description 1
- 229910052786 argon Inorganic materials 0.000 description 1
- 239000003990 capacitor Substances 0.000 description 1
- 239000004020 conductor Substances 0.000 description 1
- 239000000470 constituent Substances 0.000 description 1
- 230000007547 defect Effects 0.000 description 1
- 230000008021 deposition Effects 0.000 description 1
- 238000001514 detection method Methods 0.000 description 1
- 238000010586 diagram Methods 0.000 description 1
- 239000003989 dielectric material Substances 0.000 description 1
- 229910001882 dioxygen Inorganic materials 0.000 description 1
- 230000000694 effects Effects 0.000 description 1
- 238000000605 extraction Methods 0.000 description 1
- 238000007667 floating Methods 0.000 description 1
- 239000011521 glass Substances 0.000 description 1
- 239000001307 helium Substances 0.000 description 1
- 229910052734 helium Inorganic materials 0.000 description 1
- SWQJXJOGLNCZEY-UHFFFAOYSA-N helium atom Chemical compound [He] SWQJXJOGLNCZEY-UHFFFAOYSA-N 0.000 description 1
- 239000012212 insulator Substances 0.000 description 1
- 230000010354 integration Effects 0.000 description 1
- HFGPZNIAWCZYJU-UHFFFAOYSA-N lead zirconate titanate Chemical compound [O-2].[O-2].[O-2].[O-2].[O-2].[Ti+4].[Zr+4].[Pb+2] HFGPZNIAWCZYJU-UHFFFAOYSA-N 0.000 description 1
- 239000007788 liquid Substances 0.000 description 1
- 238000007639 printing Methods 0.000 description 1
- 239000000523 sample Substances 0.000 description 1
- 230000035945 sensitivity Effects 0.000 description 1
- 229910052710 silicon Inorganic materials 0.000 description 1
- 239000010703 silicon Substances 0.000 description 1
- 239000007787 solid Substances 0.000 description 1
- 239000007921 spray Substances 0.000 description 1
- 239000000126 substance Substances 0.000 description 1
- 238000004804 winding Methods 0.000 description 1
Images
Landscapes
- Details Or Accessories Of Spraying Plant Or Apparatus (AREA)
- Application Of Or Painting With Fluid Materials (AREA)
Abstract
【課題】容易に作製することができ、安定した性能を有する積層構造体の製造方法及び製造装置を提供する。
【解決手段】製造装置は、基板を戴置するステージ24と、該ステージに戴置された基板に予め形成されているマスク層の開口に向けて、原料の粉体を吹き付けるノズル24と、マスク層の開口の一部の領域をマスクするメタルマスク25と、原料の粉体がマスク層の開口の所定の領域に堆積するように、メタルマスクの位置又は向きを制御する制御部30とを具備し、上記制御部30が、一端がマスク層の開口における1つの内面に接するように第1の電極層が形成され、第1の電極層を覆うように絶縁層が形成され、一端がマスク層の開口における他の内面に接するように第2の電極層が形成されるように、上記メタルマスクを制御する。
【選択図】 図2
【解決手段】製造装置は、基板を戴置するステージ24と、該ステージに戴置された基板に予め形成されているマスク層の開口に向けて、原料の粉体を吹き付けるノズル24と、マスク層の開口の一部の領域をマスクするメタルマスク25と、原料の粉体がマスク層の開口の所定の領域に堆積するように、メタルマスクの位置又は向きを制御する制御部30とを具備し、上記制御部30が、一端がマスク層の開口における1つの内面に接するように第1の電極層が形成され、第1の電極層を覆うように絶縁層が形成され、一端がマスク層の開口における他の内面に接するように第2の電極層が形成されるように、上記メタルマスクを制御する。
【選択図】 図2
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、積層構造体の製造方法及び製造装置に関し、特に、成膜によって形成される積層構造体の製造方法及び製造装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
絶縁体(誘電体)と電極とが交互に形成されている積層構造は、積層コンデンサの他にも、圧電ポンプ、圧電アクチュエータ、超音波トランスデューサ等の様々な用途に利用されている。近年、MEMS(マイクロエレクトロメカニカルシステム)関連の機器の開発に伴い、このような積層構造を有する素子の微細化及び集積化がますます進んでいる。
【0003】
ところで、積層構造を有する素子においては、素子の面積を小さくすると電極間の容量が小さくなるので、素子の電気インピーダンスが上昇するという問題が生じている。例えば、圧電アクチュエータにおいて電気インピーダンスが上昇すると、圧電アクチュエータを駆動するための信号回路とのインピーダンスマッチングが取れなくなって電力が供給され難くなり、圧電アクチュエータとしての機能が落ちてしまう。或いは、圧電素子を用いた超音波トランスデューサにおいては、超音波の検出感度が落ちてしまう。そのため、素子を微細化しつつ電極間容量を大きくするために、複数の圧電材料層と複数の電極層とを交互に積層することが行われている。即ち、積層された複数の層を並列に接続することにより、素子全体の電極間容量を大きくすることができる。
【0004】
積層構造体の作製方法としては、圧電材料を薄く削り、電極層と交互に重ねて接着する方法がある。しかしながら、この方法は、微細加工が困難であり、製造工程が煩雑になる。また、出来上がった製品については、接着剤による装着性に問題があると共に、接着部分において応力が発生するという問題が生じている。従って、この方法によると、製造歩留まりが低下し、製造コストが上昇してしまうので、生産性の観点からも適当ではない。
【0005】
そのため、積層構造体を成膜によって作製することが検討されている。例えば、エアロゾルデポジション法、或いは、ジェットプリンティングシステム(JPS)と呼ばれる成膜方法を用い、対象物をマスクで覆って当該マスクの上方から対象物に向けて超微粒子を吹き付け、マスクの開口部を通して対象物の表面に超微粒子膜を付着させたり(特許文献1参照)、超微粒子化された圧電材料及び導電材料を基板上に直接描画することにより、圧電層と内部電極層とを交互に積層する方法(特許文献2参照)が開示されている。
【0006】
図12の(a)及び(b)は、従来の方法によって作製された積層構造体を示す断面図である。図12の(a)に示す電極層503及び圧電材料層504を含む積層構造体は、基板501に形成されたマスク層502の開口に、エアロゾルデポジション法によって原料の超微粒子を堆積させることにより作製されたものである。しかしながら、この方法によると、各層が開口内に一様に形成されてしまうので、圧電材料層を並列に接続するためにパターニングされた電極層を形成することはできない。
【0007】
また、図12の(b)に示す圧電材料層506及び電極層507を含む積層構造体は、ノズルから原料の超微粒子を噴射し、各層のパターンを基板505上に直接描画することにより作製されたものである。しかしながら、この方法によると、ノズルから噴射された超微粒子が基板505に到達するまでに拡がってしまうので、形成されたパターンの側面が傾斜してしまう。このため、電極層が短絡する等して、積層構造体としての安定した性能を得られないおそれがある。
【0008】
【特許文献1】
特開平6−93418号公報
【特許文献2】
特開2001−54946号公報
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
そこで、上記の点に鑑み、本発明は、安定した性能を有する積層構造体を容易に作製することができる提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】
以上の課題を解決するため、本発明の第1の観点に係る積層構造体の製造方法は、予め基板に形成されているマスク層の開口に向けて、少なくとも1つの可動マスクを用いて一部の領域をマスクしながら電極層の原料の粉体を吹き付けることにより、一端がマスク層の開口における1つの内面に接するように第1の電極層を形成する工程と、マスク層の開口に向けて、絶縁層の原料の粉体を吹き付けることにより、第1の電極層を覆うように絶縁層を形成する工程と、マスク層の開口に向けて、少なくとも1つの可動マスクを用いて他の一部の領域をマスクしながら電極層の原料の粉体を吹き付けることにより、一端がマスク層の開口における他の内面に接するように第2の電極層を形成する工程とを具備する。
【0011】
また、本発明の第1の観点に係る積層構造体の製造装置は、基板を戴置するステージと、該ステージに戴置された基板に予め形成されているマスク層の開口に向けて、原料の粉体を吹き付けるノズルと、マスク層の開口の一部の領域をマスクする少なくとも1つの可動マスクと、原料の粉体がマスク層の開口の所定の領域に堆積するように、少なくとも1つの可動マスクの位置又は向きを制御する制御手段とを具備し、上記制御手段が、一端がマスク層の開口における1つの内面に接するように第1の電極層が形成され、第1の電極層を覆うように絶縁層が形成され、一端がマスク層の開口における他の内面に接するように第2の電極層が形成されるように、上記少なくとも1つの可動マスクを制御する。
【0012】
本発明の第1の観点によれば、積層されたパターンの側面における傾斜が少なく、各層の垂直性が保たれた積層構造体を作製することができる。
【0013】
本発明の第2の観点に係る積層構造体の製造方法は、予め基板に形成されているマスクの開口に向けて、少なくとも1つの可動マスクを用いて第1の領域をマスクしながら電極層の原料の粉体を吹き付けることにより、一端がマスク層の開口における第1の内面に接するように第1の電極層を形成する工程と、マスク層の開口に向けて、少なくとも1つの可動マスクを用いて第2の領域をマスクしながら絶縁層の原料の粉体を吹き付けることにより、第1の電極の他端を覆うと共にマスク層の開口における第1及び第2の内面との間に隙間が生じるように絶縁層を形成する工程と、マスク層の開口に向けて、少なくとも1つの可動マスクを用いて第3の領域をマスクしながら電極層の原料の粉体を吹き付けることにより、一端がマスク層の開口における第2の内面に接するように第2の電極層を形成する工程とを具備する。
【0014】
本発明の第2の観点に係る積層構造体の製造装置は、上記の積層構造体の製造装置において、制御手段が、一端がマスク層の開口における第1の内面に接するように第1の電極層が形成され、第1の電極の他端を覆うと共にマスク層の開口における第1及び第2の内面との間に隙間が生じるように絶縁層が形成され、一端がマスク層の開口における第2の内面に接するように第2の電極層が形成されるように、少なくとも1つの可動マスクを制御する。
【0015】
本発明の第2の観点によれば、積層されたパターンの側面における傾斜が少なく、各層の垂直性が保たれた積層構造体を作製する際に、側面電極を同時に形成することができる。
【0016】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態について、図面を参照しつつ詳細に説明する。なお、同一の構成要素には同一の参照番号を付して、説明を省略する。
図1は、本発明の第1の実施形態に係る積層構造体の製造装置を示す模式図である。この製造装置は、エアロゾルデポジション法による成膜方法を用いて積層構造体を作製する装置であり、エアロゾル生成容器10及び成膜チャンバ20を有している。ここで、エアロゾルとは、気体中に浮遊する固体又は液体の微粒子のことをいう。
【0017】
エアロゾル生成容器10は、成膜原料の粉体が配置される容器であり、ここでエアロゾルの生成が行われる。エアロゾル生成容器10には、キャリアガス導入部11、エアロゾル導出部12、及び、圧力調整ノズル13が設けられている。キャリアガス導入部11は、原料の粉体をキャリアするために用いられる気体、即ち、キャリアガスをエアロゾル生成容器10の内部に導入する。即ち、エアロゾル生成容器10に配置された原料の粉体をキャリアガスによって噴き上げることにより、エアロゾルが生成される。このキャリアガスとしては、乾燥空気、窒素ガス、アルゴンガス、酸素ガス、ヘリウムガス等が用いられる。また、エアロゾル導出部12は、エアロゾル生成容器10において生成されたエアロゾルを吸引し、成膜チャンバ20に導く。圧力調整ノズル13は、エアロゾル生成容器10と成膜チャンバ20との圧力差を調整する際に用いられる。
【0018】
このようなエアロゾル生成容器10は、振動台14の上に戴置されている。振動台14は、エアロゾル生成容器10に振動を与えることにより、エアロゾル生成容器10に配置される原料の粉体を撹拌し、エアロゾルが効率的に生成されるようにする。
なお、本実施形態においては、複数の異なる材料を含む積層構造体を作製するので、このようなエアロゾル生成容器10を複数用意し、それぞれのエアロゾル生成容器10において原料の異なるエアロゾルが生成されるようにする。
【0019】
成膜チャンバ20には、排気管21と、エアロゾル導入部22と、ノズル23と、可動ステージ24と、メタルマスク25とが備えられている。排気管21は、真空ポンプに接続されており、成膜チャンバ20内を排気する。エアロゾル導入部22は、エアロゾル生成部10のエアロゾル導出部12に接続されており、エアロゾル生成部10において生成されたエアロゾルを成膜チャンバ20内に導入する。ノズル23は、エアロゾル導入部22を介して導入されたエアロゾルを基板2に向けて噴射する。可動ステージ24は、基板2を戴置させる。メタルマスク25は、基板2の一部の領域をマスクすることにより、ノズル23から噴射されるエアロゾルが基板2に付着する範囲を制限するために用いられる。
【0020】
図2は、図1に示す成膜チャンバ20の一部を詳しく示している。基板2に成膜を行う場合には、予め樹脂等のマスク層3が形成された基板2を可動ステージ24に戴置する。マスク層3には開口4が形成されており、その中に積層構造体の各層が成膜される。このように、マスク層3を用いることにより、積層構造体の形状を安定させることができる。可動ステージ24は3次元に移動可能なステージであり、基板2とノズル23との相対位置を変更する際に、可動ステージ駆動部31によって駆動される。
【0021】
ノズル23から噴射されたエアロゾルによって、原料の微粒子のビーム5が形成される。メタルマスク25は、基板2の一部の領域をマスクすることによって、微粒子が付着する基板2の領域を制限する。例えば、図2に示すように、メタルマスク25を開口4に対して左寄りに配置することにより、開口内の基板2の右側の領域がマスクされる。メタルマスク駆動部32は、メタルマスク25を水平に平行移動又は回転運動させることにより、微粒子が付着する基板2の領域を設定する。
【0022】
制御部30は、可動ステージ駆動部31及びメタルマスク駆動部32を制御する。これにより、基板2の所定の領域に原料の微粒子が吹き付けられ、成膜が行われる。
ここで、基板2とノズル23との距離は、例えば、5mm〜20mmの範囲で可変なので、メタルマスクの厚さは、1mm〜20mmの範囲を取ることが可能である。また、微粒子のビームの放射角は、基板2との距離に応じて、エアロゾルの供給圧力を調整することによって制御される。本実施形態においては、微粒子のビームの放射角を2°〜5°程度にすることが望ましい。
【0023】
次に、本発明の第1の実施形態に係る積層構造体の製造方法について、図1及び図3〜図5を参照しながら説明する。図3は、本実施形態に係る積層構造体の製造方法を示すフローチャートである。
本実施形態においては、PZT(チタン酸ジルコン酸鉛:Pb(lead) zirconatetitanate)層と電極層とが積層された構造体を作製するものとして説明を行う。PZT等の圧電材料を絶縁層(誘電体層)とする積層構造は、圧電ポンプや圧電アクチュエータ、又は、超音波用探触子等において超音波を発生及び受信する超音波トランスデューサ等に用いられる。
【0024】
本実施形態においては、原料として、サブミクロンオーダーの粒子径を有するPZTの粉体及び金属の粉体を用いている。また、積層構造体が形成される基板の材料としては、ガラス、シリコン(Si)、石英(SiO2)、ホウ酸リチウム(Li2B4O7)等を用いることができ、本実施形態においては、ホウ酸リチウムを用いている。ホウ酸リチウムは、成膜やアニール等による熱に耐えうる程度の耐熱性を有すると共に、機械的加工性や化学的加工性を有しているので、積層構造体を作製した後の工程においても引き続き使用することができて便利だからである。
【0025】
ステップS1において、成膜原料となるPZTの粉体及び金属の粉体を、図1に示すエアロゾル生成容器10にそれぞれ配置し、基板を成膜チャンバ20内の可動ステージ24に配置する。
【0026】
ステップS2において、それぞれのエアロゾル生成容器にキャリアガスを導入して原料の粉体を巻き上げることにより、エアロゾルを生成する。なお、本実施形態においては、キャリアガスとして窒素ガス(N2)を用いている。
【0027】
ステップS3において、成膜を行うことにより、基板に電極層及びPZT層を順次形成する。即ち、図2に示すように、ステップS1において生成されたエアロゾルをノズル23から基板2に向けて噴射すると、PZTの微粒子や金属の微粒子が基板2の所定の領域に付着して堆積する。
【0028】
図4は、ステップS3における成膜の様子を詳しく示している。図4に示すように、本実施形態においては、予め基板2に形成されている樹脂等のマスク層3によって囲まれる1つの開口4に積層構造体を形成するものとして説明する。
まず、図4の(a)に示すように、メタルマスク25を左側に寄せた状態で、ノズル23から金属の微粒子を吹き付ける。これにより、開口4内の基板2の右側の領域がマスクされ、開口4の左側に偏るように電極層101が形成される。次に、図4の(b)に示すように、メタルマスク25を中央に配置した状態で、ノズル23からPZTの微粒子を吹き付ける。これにより、開口4の底面全体に渡ってPZT層102が形成される。
【0029】
さらに、図4の(c)に示すように、メタルマスク25を右側に寄せた状態で、ノズル23から金属の微粒子を吹き付ける。これにより、開口4内の基板2の左側の領域がマスクされ、開口4の右側に偏るように電極層103が形成される。同様に、図4の(d)に示すように、メタルマスク25を中央に配置した状態で、ノズル23からPZTの微粒子を吹き付ける。これにより、開口4の底面全体に渡ってPZT層104が形成される。さらに、図4の(a)〜(d)に示すように電極層及びPZT層の形成を繰り返す。
【0030】
次に、ステップS4において、基板2に形成されているマスク層3を、エッチング等によって除去する。これにより、図5の(a)に示すように、電極層の左右のいずれか一方の端部が側面に剥き出しになっている積層体が得られる。
さらに、ステップS5において、図5の(b)に示すように、ステップS4において得られた積層体に側面電極105、106を形成する。これにより、PZT層を挟む電極層が並列に接続されている積層構造が得られる。
【0031】
本実施形態によれば、側面において各層の垂直性が維持されているので、それぞれの電極層の間で短絡が生じない、性能の良い積層構造体を、少ない製造工程で容易に得ることができる。
【0032】
本発明の第2の実施形態に係る積層構造体の製造方法について、図6及び図7を参照しながら説明する。図6は、本実施形態に係る積層構造体の製造方法を示すフローチャートである。
本実施形態においては、まず、本発明の第1の実施形態におけるものと同様に、ステップS1において、原料の粉体及び基板を所定の位置に配置し、ステップS2において、エアロゾルを生成する。
【0033】
次に、ステップS6において、基板2に成膜を行う。ここで、図7は、ステップS6における成膜の様子を詳しく示している。本実施形態においては、図1に示すメタルマスク25の替わりに、メタルマスク26が用いられる。メタルマスク26の開口幅は、積層構造体に形成されるPZT層の幅に合わせて決定されている。
【0034】
まず、図7の(a)に示すように、メタルマスク26を左側に寄せ、ノズル23から金属の微粒子を吹き付ける。これにより、開口4内の基板2の右側の領域がマスクされ、開口4の左側に偏るように電極層201が形成される。次に、図7の(b)に示すように、メタルマスク26を中央に配置し、ノズル23からPZTの微粒子を吹き付ける。これにより、開口4内の基板2の両端の領域がマスクされ、開口4の中央部にPZT層202が形成される。その際に、PZT層202は、電極層201の右端を覆うように形成されているので、電極層201の右端は絶縁される。
【0035】
次に、図7の(c)に示すように、メタルマスク26を右側に寄せ、ノズル23から金属の微粒子を吹き付ける。これにより、開口4内の基板2の左側の領域がマスクされ、開口4の右側に偏るように電極層203が形成される。その際に、電極層203は、PZT層202の側面とマスク層3との間に生じた隙間にも充たされる。次に、図7の(d)に示すように、メタルマスク26を中央に配置し、ノズル23からPZTの微粒子を吹き付ける。これにより、開口4内の基板2の両端の領域がマスクされ、開口4の中央部にPZT層204が形成される。
【0036】
さらに、図7の(e)に示すようにメタルマスク26を左側に寄せ、ノズル23から金属の微粒子を吹き付ける。これにより、開口4内の基板2の右側の領域がマスクされ、開口4の左側に偏るように電極層205が形成される。その際に、電極層205は、PZT層202及び204とマスク層3との間に生じた隙間にも充たされ、電極層201と接続される。さらに、図7の(b)〜(e)に示すようにPZT層及び電極層の形成を繰り返す。
【0037】
次に、ステップS7において、基板に形成されている絶縁マスクを、エッチング等によって除去する。これにより、図8に示すように、PZT層を挟む電極層が並列に接続されている積層構造が得られる。
【0038】
本実施形態によれば、成膜によってPZT層及び電極層を順次形成する際に、側面電極を同時に形成するので、製造工程をさらに短縮して効率良く積層構造体を製造することができる。
【0039】
次に、本発明の第3の実施形態に係る積層構造体の製造方法について、図9を参照しながら説明する。図9に示すように、本実施形態においては、図1に示す積層構造体の製造装置のメタルマスク25の替わりにメタルマスク27が用いられる。
【0040】
図9の(a)に示すように、本実施形態において用いられるメタルマスク27には、長辺と短辺とを有する開口6が形成されている。また、点Oは、メタルマスク27の回転中心を示している。開口6は、その長辺がメタルマスク27の中心線について非対称になるように配置されている。このようなメタルマスク27を、点Oを中心として回転させることにより、開口幅や開口の位置を変更することができる。
【0041】
まず、図9の(b)に示す向きにメタルマスク27を配置し、開口4に向けて金属の微粒子を吹き付けることにより、電極層301を形成する。次に、図9の(c)に示すように、メタルマスク27をプラス90°回転させ、開口4に向けてPZTの微粒子を吹き付けることにより、PZT層302を形成する。さらに、図9の(d)に示すように、メタルマスク27をプラス90°回転させ、開口4に向けて金属の微粒子を吹き付けることにより、電極層303を形成する。次に、図9の(e)に示すように、メタルマスク27をプラス90°回転させ、開口4に向けてPZTの微粒子を吹き付けることにより、PZT層304を形成する。このように、メタルマスク27を回転させながらPZT層及び電極層を交互に形成することにより、図8に示すように、側面電極が形成された積層構造体が得られる。
なお、図9の(b)又は(d)に示すように、開口4内の左右のいずれかに偏った層を形成する場合には、メタルマスク27を平行移動させることによってマスクする位置を変更しても良い。
【0042】
次に、本発明の第4の実施形態に係る積層構造体の製造装置について、図10を参照しながら説明する。図10は、本実施形態に係る積層構造体の製造装置の一部を示す断面図である。
この製造装置は、メタルマスク25に加えて、第2のメタルマスク28を有しており、さらに、第2のメタルマスク28を駆動する第2メタルマスク駆動部33を有している。その他の構成については、図1に示す製造装置と同様である。
【0043】
本発明の第4の実施形態に係る積層構造体の製造方法について、図11を参照しながら説明する。本実施形態に係る積層構造体の製造方法においては、2つのメタルマスクを用いることにより、開口幅を変更しながら成膜を行う。
【0044】
まず、図11の(a)に示すように、メタルマスク25を左側に寄せ、メタルマスク28を中央に配置した状態で、開口4に向けて金属の微粒子を吹き付けことにより、電極層401が形成される。次に、図11の(b)に示すように、メタルマスク25を若干右側に戻し、メタルマスク28を右側に寄せた状態で、開口4に向けてPZTの微粒子を吹き付けることにより、PZT層402が形成される。さらに、図11の(c)に示すように、メタルマスク25を右側に寄せ、メタルマスク28を中央に戻した状態で、開口4に向けて金属の微粒子を吹き付けることにより、電極層403が形成される。次に、図11の(d)に示すように、メタルマスク25を若干左側に戻し、メタルマスク28を左側に寄せた状態で、開口4に向けてPZTの微粒子を吹き付けることにより、PZT層404が形成される。このように、メタルマスク25及び28の位置をそれぞれ変更しながら、PZT層及び電極層を交互に形成することにより、図8に示すように、側面電極が形成された積層構造体が得られる。
【0045】
本実施形態によれば、2つのメタルマスクを組み合わせることによってメタルマスクの開口幅を変更することができるので、所望の厚さの側面電極が形成された積層構造体を得ることができる。
【0046】
本発明の第1〜第4の実施形態においては、エアロゾルデポジション法を用いて成膜を行ったが、その他、原料の微粒子を基板等に堆積させる成膜方法であれば、本発明に係る積層構造体の製造方法に適用することができる。
【0047】
【発明の効果】
以上述べたように、本発明によれば、積層構造体を成膜によって形成するので、多数の素子を同時に製造することが可能になり、製造効率を上げることができる。また、各層を成膜によって形成するので、それぞれの層間の密着性が高くなり、積層構造体の性能を高めることができる。さらに、側面の垂直性が維持されているので、電極の短絡等の不良が少なくなり、製造歩留まりを上げることができる。従って、安定的な性能を有する微細な積層構造体を集積化することが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施形態に係る積層構造体の製造装置の構成を示す模式図である。
【図2】図1に示す製造装置の一部を示す断面図である。
【図3】本発明の第1の実施形態に係る積層構造体の製造方法を示すフローチャートである。
【図4】本発明の第1の実施形態に係る積層構造体の製造工程を詳しく説明するための図である。
【図5】本発明の第1の実施形態に係る積層構造体の製造工程を詳しく説明するための図である。
【図6】本発明の第2の実施形態に係る積層構造体の製造方法を示すフローチャートである。
【図7】本発明の第2の実施形態に係る積層構造体の製造工程を詳しく説明するための図である。
【図8】本発明の第2の実施形態に係る積層構造体の製造方法を用いて製造された積層構造体を示す断面図である。
【図9】本発明の第3の実施形態に係る積層構造体の製造方法を説明するための図である。
【図10】本発明の第4の実施形態に係る積層構造体の製造装置の一部を示す断面図である。
【図11】本発明の第4の実施形態に係る積層構造体の製造方法を説明するための図である。
【図12】従来の方法によって作製された積層構造体を示す断面図である。
【符号の説明】
1 原料の粉体
2、501、505 基板
3、502 マスク層(絶縁マスク)
4 開口
10 エアロゾル生成容器
11 キャリアガス導入部
12 エアロゾル導出部
13 圧力調整ノズル
14 振動台
20 成膜チャンバ
21 排気管
22 エアロゾル導入部
23 ノズル
24 可動ステージ
25、26、27、28 メタルマスク
30 制御部
31 可動ステージ駆動部
32、33 メタルマスク駆動部
101、103、201、203、301、
303、401、403、205、503、507 電極層
102、104、202、204、302、
304、402、404、504、506 PZT層(圧電材料層)
105、106 側面電極
【発明の属する技術分野】
本発明は、積層構造体の製造方法及び製造装置に関し、特に、成膜によって形成される積層構造体の製造方法及び製造装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
絶縁体(誘電体)と電極とが交互に形成されている積層構造は、積層コンデンサの他にも、圧電ポンプ、圧電アクチュエータ、超音波トランスデューサ等の様々な用途に利用されている。近年、MEMS(マイクロエレクトロメカニカルシステム)関連の機器の開発に伴い、このような積層構造を有する素子の微細化及び集積化がますます進んでいる。
【0003】
ところで、積層構造を有する素子においては、素子の面積を小さくすると電極間の容量が小さくなるので、素子の電気インピーダンスが上昇するという問題が生じている。例えば、圧電アクチュエータにおいて電気インピーダンスが上昇すると、圧電アクチュエータを駆動するための信号回路とのインピーダンスマッチングが取れなくなって電力が供給され難くなり、圧電アクチュエータとしての機能が落ちてしまう。或いは、圧電素子を用いた超音波トランスデューサにおいては、超音波の検出感度が落ちてしまう。そのため、素子を微細化しつつ電極間容量を大きくするために、複数の圧電材料層と複数の電極層とを交互に積層することが行われている。即ち、積層された複数の層を並列に接続することにより、素子全体の電極間容量を大きくすることができる。
【0004】
積層構造体の作製方法としては、圧電材料を薄く削り、電極層と交互に重ねて接着する方法がある。しかしながら、この方法は、微細加工が困難であり、製造工程が煩雑になる。また、出来上がった製品については、接着剤による装着性に問題があると共に、接着部分において応力が発生するという問題が生じている。従って、この方法によると、製造歩留まりが低下し、製造コストが上昇してしまうので、生産性の観点からも適当ではない。
【0005】
そのため、積層構造体を成膜によって作製することが検討されている。例えば、エアロゾルデポジション法、或いは、ジェットプリンティングシステム(JPS)と呼ばれる成膜方法を用い、対象物をマスクで覆って当該マスクの上方から対象物に向けて超微粒子を吹き付け、マスクの開口部を通して対象物の表面に超微粒子膜を付着させたり(特許文献1参照)、超微粒子化された圧電材料及び導電材料を基板上に直接描画することにより、圧電層と内部電極層とを交互に積層する方法(特許文献2参照)が開示されている。
【0006】
図12の(a)及び(b)は、従来の方法によって作製された積層構造体を示す断面図である。図12の(a)に示す電極層503及び圧電材料層504を含む積層構造体は、基板501に形成されたマスク層502の開口に、エアロゾルデポジション法によって原料の超微粒子を堆積させることにより作製されたものである。しかしながら、この方法によると、各層が開口内に一様に形成されてしまうので、圧電材料層を並列に接続するためにパターニングされた電極層を形成することはできない。
【0007】
また、図12の(b)に示す圧電材料層506及び電極層507を含む積層構造体は、ノズルから原料の超微粒子を噴射し、各層のパターンを基板505上に直接描画することにより作製されたものである。しかしながら、この方法によると、ノズルから噴射された超微粒子が基板505に到達するまでに拡がってしまうので、形成されたパターンの側面が傾斜してしまう。このため、電極層が短絡する等して、積層構造体としての安定した性能を得られないおそれがある。
【0008】
【特許文献1】
特開平6−93418号公報
【特許文献2】
特開2001−54946号公報
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
そこで、上記の点に鑑み、本発明は、安定した性能を有する積層構造体を容易に作製することができる提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】
以上の課題を解決するため、本発明の第1の観点に係る積層構造体の製造方法は、予め基板に形成されているマスク層の開口に向けて、少なくとも1つの可動マスクを用いて一部の領域をマスクしながら電極層の原料の粉体を吹き付けることにより、一端がマスク層の開口における1つの内面に接するように第1の電極層を形成する工程と、マスク層の開口に向けて、絶縁層の原料の粉体を吹き付けることにより、第1の電極層を覆うように絶縁層を形成する工程と、マスク層の開口に向けて、少なくとも1つの可動マスクを用いて他の一部の領域をマスクしながら電極層の原料の粉体を吹き付けることにより、一端がマスク層の開口における他の内面に接するように第2の電極層を形成する工程とを具備する。
【0011】
また、本発明の第1の観点に係る積層構造体の製造装置は、基板を戴置するステージと、該ステージに戴置された基板に予め形成されているマスク層の開口に向けて、原料の粉体を吹き付けるノズルと、マスク層の開口の一部の領域をマスクする少なくとも1つの可動マスクと、原料の粉体がマスク層の開口の所定の領域に堆積するように、少なくとも1つの可動マスクの位置又は向きを制御する制御手段とを具備し、上記制御手段が、一端がマスク層の開口における1つの内面に接するように第1の電極層が形成され、第1の電極層を覆うように絶縁層が形成され、一端がマスク層の開口における他の内面に接するように第2の電極層が形成されるように、上記少なくとも1つの可動マスクを制御する。
【0012】
本発明の第1の観点によれば、積層されたパターンの側面における傾斜が少なく、各層の垂直性が保たれた積層構造体を作製することができる。
【0013】
本発明の第2の観点に係る積層構造体の製造方法は、予め基板に形成されているマスクの開口に向けて、少なくとも1つの可動マスクを用いて第1の領域をマスクしながら電極層の原料の粉体を吹き付けることにより、一端がマスク層の開口における第1の内面に接するように第1の電極層を形成する工程と、マスク層の開口に向けて、少なくとも1つの可動マスクを用いて第2の領域をマスクしながら絶縁層の原料の粉体を吹き付けることにより、第1の電極の他端を覆うと共にマスク層の開口における第1及び第2の内面との間に隙間が生じるように絶縁層を形成する工程と、マスク層の開口に向けて、少なくとも1つの可動マスクを用いて第3の領域をマスクしながら電極層の原料の粉体を吹き付けることにより、一端がマスク層の開口における第2の内面に接するように第2の電極層を形成する工程とを具備する。
【0014】
本発明の第2の観点に係る積層構造体の製造装置は、上記の積層構造体の製造装置において、制御手段が、一端がマスク層の開口における第1の内面に接するように第1の電極層が形成され、第1の電極の他端を覆うと共にマスク層の開口における第1及び第2の内面との間に隙間が生じるように絶縁層が形成され、一端がマスク層の開口における第2の内面に接するように第2の電極層が形成されるように、少なくとも1つの可動マスクを制御する。
【0015】
本発明の第2の観点によれば、積層されたパターンの側面における傾斜が少なく、各層の垂直性が保たれた積層構造体を作製する際に、側面電極を同時に形成することができる。
【0016】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態について、図面を参照しつつ詳細に説明する。なお、同一の構成要素には同一の参照番号を付して、説明を省略する。
図1は、本発明の第1の実施形態に係る積層構造体の製造装置を示す模式図である。この製造装置は、エアロゾルデポジション法による成膜方法を用いて積層構造体を作製する装置であり、エアロゾル生成容器10及び成膜チャンバ20を有している。ここで、エアロゾルとは、気体中に浮遊する固体又は液体の微粒子のことをいう。
【0017】
エアロゾル生成容器10は、成膜原料の粉体が配置される容器であり、ここでエアロゾルの生成が行われる。エアロゾル生成容器10には、キャリアガス導入部11、エアロゾル導出部12、及び、圧力調整ノズル13が設けられている。キャリアガス導入部11は、原料の粉体をキャリアするために用いられる気体、即ち、キャリアガスをエアロゾル生成容器10の内部に導入する。即ち、エアロゾル生成容器10に配置された原料の粉体をキャリアガスによって噴き上げることにより、エアロゾルが生成される。このキャリアガスとしては、乾燥空気、窒素ガス、アルゴンガス、酸素ガス、ヘリウムガス等が用いられる。また、エアロゾル導出部12は、エアロゾル生成容器10において生成されたエアロゾルを吸引し、成膜チャンバ20に導く。圧力調整ノズル13は、エアロゾル生成容器10と成膜チャンバ20との圧力差を調整する際に用いられる。
【0018】
このようなエアロゾル生成容器10は、振動台14の上に戴置されている。振動台14は、エアロゾル生成容器10に振動を与えることにより、エアロゾル生成容器10に配置される原料の粉体を撹拌し、エアロゾルが効率的に生成されるようにする。
なお、本実施形態においては、複数の異なる材料を含む積層構造体を作製するので、このようなエアロゾル生成容器10を複数用意し、それぞれのエアロゾル生成容器10において原料の異なるエアロゾルが生成されるようにする。
【0019】
成膜チャンバ20には、排気管21と、エアロゾル導入部22と、ノズル23と、可動ステージ24と、メタルマスク25とが備えられている。排気管21は、真空ポンプに接続されており、成膜チャンバ20内を排気する。エアロゾル導入部22は、エアロゾル生成部10のエアロゾル導出部12に接続されており、エアロゾル生成部10において生成されたエアロゾルを成膜チャンバ20内に導入する。ノズル23は、エアロゾル導入部22を介して導入されたエアロゾルを基板2に向けて噴射する。可動ステージ24は、基板2を戴置させる。メタルマスク25は、基板2の一部の領域をマスクすることにより、ノズル23から噴射されるエアロゾルが基板2に付着する範囲を制限するために用いられる。
【0020】
図2は、図1に示す成膜チャンバ20の一部を詳しく示している。基板2に成膜を行う場合には、予め樹脂等のマスク層3が形成された基板2を可動ステージ24に戴置する。マスク層3には開口4が形成されており、その中に積層構造体の各層が成膜される。このように、マスク層3を用いることにより、積層構造体の形状を安定させることができる。可動ステージ24は3次元に移動可能なステージであり、基板2とノズル23との相対位置を変更する際に、可動ステージ駆動部31によって駆動される。
【0021】
ノズル23から噴射されたエアロゾルによって、原料の微粒子のビーム5が形成される。メタルマスク25は、基板2の一部の領域をマスクすることによって、微粒子が付着する基板2の領域を制限する。例えば、図2に示すように、メタルマスク25を開口4に対して左寄りに配置することにより、開口内の基板2の右側の領域がマスクされる。メタルマスク駆動部32は、メタルマスク25を水平に平行移動又は回転運動させることにより、微粒子が付着する基板2の領域を設定する。
【0022】
制御部30は、可動ステージ駆動部31及びメタルマスク駆動部32を制御する。これにより、基板2の所定の領域に原料の微粒子が吹き付けられ、成膜が行われる。
ここで、基板2とノズル23との距離は、例えば、5mm〜20mmの範囲で可変なので、メタルマスクの厚さは、1mm〜20mmの範囲を取ることが可能である。また、微粒子のビームの放射角は、基板2との距離に応じて、エアロゾルの供給圧力を調整することによって制御される。本実施形態においては、微粒子のビームの放射角を2°〜5°程度にすることが望ましい。
【0023】
次に、本発明の第1の実施形態に係る積層構造体の製造方法について、図1及び図3〜図5を参照しながら説明する。図3は、本実施形態に係る積層構造体の製造方法を示すフローチャートである。
本実施形態においては、PZT(チタン酸ジルコン酸鉛:Pb(lead) zirconatetitanate)層と電極層とが積層された構造体を作製するものとして説明を行う。PZT等の圧電材料を絶縁層(誘電体層)とする積層構造は、圧電ポンプや圧電アクチュエータ、又は、超音波用探触子等において超音波を発生及び受信する超音波トランスデューサ等に用いられる。
【0024】
本実施形態においては、原料として、サブミクロンオーダーの粒子径を有するPZTの粉体及び金属の粉体を用いている。また、積層構造体が形成される基板の材料としては、ガラス、シリコン(Si)、石英(SiO2)、ホウ酸リチウム(Li2B4O7)等を用いることができ、本実施形態においては、ホウ酸リチウムを用いている。ホウ酸リチウムは、成膜やアニール等による熱に耐えうる程度の耐熱性を有すると共に、機械的加工性や化学的加工性を有しているので、積層構造体を作製した後の工程においても引き続き使用することができて便利だからである。
【0025】
ステップS1において、成膜原料となるPZTの粉体及び金属の粉体を、図1に示すエアロゾル生成容器10にそれぞれ配置し、基板を成膜チャンバ20内の可動ステージ24に配置する。
【0026】
ステップS2において、それぞれのエアロゾル生成容器にキャリアガスを導入して原料の粉体を巻き上げることにより、エアロゾルを生成する。なお、本実施形態においては、キャリアガスとして窒素ガス(N2)を用いている。
【0027】
ステップS3において、成膜を行うことにより、基板に電極層及びPZT層を順次形成する。即ち、図2に示すように、ステップS1において生成されたエアロゾルをノズル23から基板2に向けて噴射すると、PZTの微粒子や金属の微粒子が基板2の所定の領域に付着して堆積する。
【0028】
図4は、ステップS3における成膜の様子を詳しく示している。図4に示すように、本実施形態においては、予め基板2に形成されている樹脂等のマスク層3によって囲まれる1つの開口4に積層構造体を形成するものとして説明する。
まず、図4の(a)に示すように、メタルマスク25を左側に寄せた状態で、ノズル23から金属の微粒子を吹き付ける。これにより、開口4内の基板2の右側の領域がマスクされ、開口4の左側に偏るように電極層101が形成される。次に、図4の(b)に示すように、メタルマスク25を中央に配置した状態で、ノズル23からPZTの微粒子を吹き付ける。これにより、開口4の底面全体に渡ってPZT層102が形成される。
【0029】
さらに、図4の(c)に示すように、メタルマスク25を右側に寄せた状態で、ノズル23から金属の微粒子を吹き付ける。これにより、開口4内の基板2の左側の領域がマスクされ、開口4の右側に偏るように電極層103が形成される。同様に、図4の(d)に示すように、メタルマスク25を中央に配置した状態で、ノズル23からPZTの微粒子を吹き付ける。これにより、開口4の底面全体に渡ってPZT層104が形成される。さらに、図4の(a)〜(d)に示すように電極層及びPZT層の形成を繰り返す。
【0030】
次に、ステップS4において、基板2に形成されているマスク層3を、エッチング等によって除去する。これにより、図5の(a)に示すように、電極層の左右のいずれか一方の端部が側面に剥き出しになっている積層体が得られる。
さらに、ステップS5において、図5の(b)に示すように、ステップS4において得られた積層体に側面電極105、106を形成する。これにより、PZT層を挟む電極層が並列に接続されている積層構造が得られる。
【0031】
本実施形態によれば、側面において各層の垂直性が維持されているので、それぞれの電極層の間で短絡が生じない、性能の良い積層構造体を、少ない製造工程で容易に得ることができる。
【0032】
本発明の第2の実施形態に係る積層構造体の製造方法について、図6及び図7を参照しながら説明する。図6は、本実施形態に係る積層構造体の製造方法を示すフローチャートである。
本実施形態においては、まず、本発明の第1の実施形態におけるものと同様に、ステップS1において、原料の粉体及び基板を所定の位置に配置し、ステップS2において、エアロゾルを生成する。
【0033】
次に、ステップS6において、基板2に成膜を行う。ここで、図7は、ステップS6における成膜の様子を詳しく示している。本実施形態においては、図1に示すメタルマスク25の替わりに、メタルマスク26が用いられる。メタルマスク26の開口幅は、積層構造体に形成されるPZT層の幅に合わせて決定されている。
【0034】
まず、図7の(a)に示すように、メタルマスク26を左側に寄せ、ノズル23から金属の微粒子を吹き付ける。これにより、開口4内の基板2の右側の領域がマスクされ、開口4の左側に偏るように電極層201が形成される。次に、図7の(b)に示すように、メタルマスク26を中央に配置し、ノズル23からPZTの微粒子を吹き付ける。これにより、開口4内の基板2の両端の領域がマスクされ、開口4の中央部にPZT層202が形成される。その際に、PZT層202は、電極層201の右端を覆うように形成されているので、電極層201の右端は絶縁される。
【0035】
次に、図7の(c)に示すように、メタルマスク26を右側に寄せ、ノズル23から金属の微粒子を吹き付ける。これにより、開口4内の基板2の左側の領域がマスクされ、開口4の右側に偏るように電極層203が形成される。その際に、電極層203は、PZT層202の側面とマスク層3との間に生じた隙間にも充たされる。次に、図7の(d)に示すように、メタルマスク26を中央に配置し、ノズル23からPZTの微粒子を吹き付ける。これにより、開口4内の基板2の両端の領域がマスクされ、開口4の中央部にPZT層204が形成される。
【0036】
さらに、図7の(e)に示すようにメタルマスク26を左側に寄せ、ノズル23から金属の微粒子を吹き付ける。これにより、開口4内の基板2の右側の領域がマスクされ、開口4の左側に偏るように電極層205が形成される。その際に、電極層205は、PZT層202及び204とマスク層3との間に生じた隙間にも充たされ、電極層201と接続される。さらに、図7の(b)〜(e)に示すようにPZT層及び電極層の形成を繰り返す。
【0037】
次に、ステップS7において、基板に形成されている絶縁マスクを、エッチング等によって除去する。これにより、図8に示すように、PZT層を挟む電極層が並列に接続されている積層構造が得られる。
【0038】
本実施形態によれば、成膜によってPZT層及び電極層を順次形成する際に、側面電極を同時に形成するので、製造工程をさらに短縮して効率良く積層構造体を製造することができる。
【0039】
次に、本発明の第3の実施形態に係る積層構造体の製造方法について、図9を参照しながら説明する。図9に示すように、本実施形態においては、図1に示す積層構造体の製造装置のメタルマスク25の替わりにメタルマスク27が用いられる。
【0040】
図9の(a)に示すように、本実施形態において用いられるメタルマスク27には、長辺と短辺とを有する開口6が形成されている。また、点Oは、メタルマスク27の回転中心を示している。開口6は、その長辺がメタルマスク27の中心線について非対称になるように配置されている。このようなメタルマスク27を、点Oを中心として回転させることにより、開口幅や開口の位置を変更することができる。
【0041】
まず、図9の(b)に示す向きにメタルマスク27を配置し、開口4に向けて金属の微粒子を吹き付けることにより、電極層301を形成する。次に、図9の(c)に示すように、メタルマスク27をプラス90°回転させ、開口4に向けてPZTの微粒子を吹き付けることにより、PZT層302を形成する。さらに、図9の(d)に示すように、メタルマスク27をプラス90°回転させ、開口4に向けて金属の微粒子を吹き付けることにより、電極層303を形成する。次に、図9の(e)に示すように、メタルマスク27をプラス90°回転させ、開口4に向けてPZTの微粒子を吹き付けることにより、PZT層304を形成する。このように、メタルマスク27を回転させながらPZT層及び電極層を交互に形成することにより、図8に示すように、側面電極が形成された積層構造体が得られる。
なお、図9の(b)又は(d)に示すように、開口4内の左右のいずれかに偏った層を形成する場合には、メタルマスク27を平行移動させることによってマスクする位置を変更しても良い。
【0042】
次に、本発明の第4の実施形態に係る積層構造体の製造装置について、図10を参照しながら説明する。図10は、本実施形態に係る積層構造体の製造装置の一部を示す断面図である。
この製造装置は、メタルマスク25に加えて、第2のメタルマスク28を有しており、さらに、第2のメタルマスク28を駆動する第2メタルマスク駆動部33を有している。その他の構成については、図1に示す製造装置と同様である。
【0043】
本発明の第4の実施形態に係る積層構造体の製造方法について、図11を参照しながら説明する。本実施形態に係る積層構造体の製造方法においては、2つのメタルマスクを用いることにより、開口幅を変更しながら成膜を行う。
【0044】
まず、図11の(a)に示すように、メタルマスク25を左側に寄せ、メタルマスク28を中央に配置した状態で、開口4に向けて金属の微粒子を吹き付けことにより、電極層401が形成される。次に、図11の(b)に示すように、メタルマスク25を若干右側に戻し、メタルマスク28を右側に寄せた状態で、開口4に向けてPZTの微粒子を吹き付けることにより、PZT層402が形成される。さらに、図11の(c)に示すように、メタルマスク25を右側に寄せ、メタルマスク28を中央に戻した状態で、開口4に向けて金属の微粒子を吹き付けることにより、電極層403が形成される。次に、図11の(d)に示すように、メタルマスク25を若干左側に戻し、メタルマスク28を左側に寄せた状態で、開口4に向けてPZTの微粒子を吹き付けることにより、PZT層404が形成される。このように、メタルマスク25及び28の位置をそれぞれ変更しながら、PZT層及び電極層を交互に形成することにより、図8に示すように、側面電極が形成された積層構造体が得られる。
【0045】
本実施形態によれば、2つのメタルマスクを組み合わせることによってメタルマスクの開口幅を変更することができるので、所望の厚さの側面電極が形成された積層構造体を得ることができる。
【0046】
本発明の第1〜第4の実施形態においては、エアロゾルデポジション法を用いて成膜を行ったが、その他、原料の微粒子を基板等に堆積させる成膜方法であれば、本発明に係る積層構造体の製造方法に適用することができる。
【0047】
【発明の効果】
以上述べたように、本発明によれば、積層構造体を成膜によって形成するので、多数の素子を同時に製造することが可能になり、製造効率を上げることができる。また、各層を成膜によって形成するので、それぞれの層間の密着性が高くなり、積層構造体の性能を高めることができる。さらに、側面の垂直性が維持されているので、電極の短絡等の不良が少なくなり、製造歩留まりを上げることができる。従って、安定的な性能を有する微細な積層構造体を集積化することが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施形態に係る積層構造体の製造装置の構成を示す模式図である。
【図2】図1に示す製造装置の一部を示す断面図である。
【図3】本発明の第1の実施形態に係る積層構造体の製造方法を示すフローチャートである。
【図4】本発明の第1の実施形態に係る積層構造体の製造工程を詳しく説明するための図である。
【図5】本発明の第1の実施形態に係る積層構造体の製造工程を詳しく説明するための図である。
【図6】本発明の第2の実施形態に係る積層構造体の製造方法を示すフローチャートである。
【図7】本発明の第2の実施形態に係る積層構造体の製造工程を詳しく説明するための図である。
【図8】本発明の第2の実施形態に係る積層構造体の製造方法を用いて製造された積層構造体を示す断面図である。
【図9】本発明の第3の実施形態に係る積層構造体の製造方法を説明するための図である。
【図10】本発明の第4の実施形態に係る積層構造体の製造装置の一部を示す断面図である。
【図11】本発明の第4の実施形態に係る積層構造体の製造方法を説明するための図である。
【図12】従来の方法によって作製された積層構造体を示す断面図である。
【符号の説明】
1 原料の粉体
2、501、505 基板
3、502 マスク層(絶縁マスク)
4 開口
10 エアロゾル生成容器
11 キャリアガス導入部
12 エアロゾル導出部
13 圧力調整ノズル
14 振動台
20 成膜チャンバ
21 排気管
22 エアロゾル導入部
23 ノズル
24 可動ステージ
25、26、27、28 メタルマスク
30 制御部
31 可動ステージ駆動部
32、33 メタルマスク駆動部
101、103、201、203、301、
303、401、403、205、503、507 電極層
102、104、202、204、302、
304、402、404、504、506 PZT層(圧電材料層)
105、106 側面電極
Claims (5)
- 予め基板に形成されているマスク層の開口に向けて、少なくとも1つの可動マスクを用いて一部の領域をマスクしながら電極層の原料の粉体を吹き付けることにより、一端が前記マスク層の開口における1つの内面に接するように第1の電極層を形成する工程と、
前記マスク層の開口に向けて、絶縁層の原料の粉体を吹き付けることにより、前記第1の電極層を覆うように絶縁層を形成する工程と、
前記マスク層の開口に向けて、少なくとも1つの可動マスクを用いて他の一部の領域をマスクしながら電極層の原料の粉体を吹き付けることにより、一端が前記マスク層の開口における他の内面に接するように第2の電極層を形成する工程と、
を具備する積層構造体の製造方法。 - 予め基板に形成されているマスクの開口に向けて、少なくとも1つの可動マスクを用いて第1の領域をマスクしながら電極層の原料の粉体を吹き付けることにより、一端が前記マスク層の開口における第1の内面に接するように第1の電極層を形成する工程と、
前記マスク層の開口に向けて、少なくとも1つの可動マスクを用いて第2の領域をマスクしながら絶縁層の原料の粉体を吹き付けることにより、前記第1の電極の他端を覆うと共に前記マスク層の開口における第1及び第2の内面との間に隙間が生じるように絶縁層を形成する工程と、
前記マスク層の開口に向けて、少なくとも1つの可動マスクを用いて第3の領域をマスクしながら電極層の原料の粉体を吹き付けることにより、一端が前記マスク層の開口における第2の内面に接するように第2の電極層を形成する工程と、
を具備する積層構造体の製造方法。 - 基板を戴置するステージと、
前記ステージに戴置された基板に予め形成されているマスク層の開口に向けて、原料の粉体を吹き付けるノズルと、
前記マスク層の開口の一部の領域をマスクする少なくとも1つの可動マスクと、
原料の粉体が前記マスク層の開口の所定の領域に堆積するように、前記少なくとも1つの可動マスクの位置又は向きを制御する制御手段と、
を具備する積層構造体の製造装置。 - 前記制御手段が、一端が前記マスク層の開口における1つの内面に接するように第1の電極層が形成され、前記第1の電極層を覆うように絶縁層が形成され、一端が前記マスク層の開口における他の内面に接するように第2の電極層が形成されるように、前記少なくとも1つの可動マスクを制御する、請求項3記載の積層構造体の製造装置。
- 前記制御手段が、一端が前記マスク層の開口における第1の内面に接するように第1の電極層が形成され、前記第1の電極の他端を覆うと共に前記マスク層の開口における第1及び第2の内面との間に隙間が生じるように絶縁層が形成され、一端が前記マスク層の開口における第2の内面に接するように第2の電極層が形成されるように、前記少なくとも1つの可動マスクを制御する、請求項3記載の積層構造体の製造装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2002284998A JP2004119934A (ja) | 2002-09-30 | 2002-09-30 | 積層構造体の製造方法及び製造装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2002284998A JP2004119934A (ja) | 2002-09-30 | 2002-09-30 | 積層構造体の製造方法及び製造装置 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2004119934A true JP2004119934A (ja) | 2004-04-15 |
Family
ID=32278408
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2002284998A Withdrawn JP2004119934A (ja) | 2002-09-30 | 2002-09-30 | 積層構造体の製造方法及び製造装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2004119934A (ja) |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2006203077A (ja) * | 2005-01-21 | 2006-08-03 | Fuji Photo Film Co Ltd | 積層型圧電構造体の製造方法 |
JP2008100128A (ja) * | 2006-10-17 | 2008-05-01 | Fujifilm Corp | 成膜方法及び成膜装置 |
KR101558109B1 (ko) | 2014-12-08 | 2015-10-12 | 엔젯 주식회사 | 전기 집속을 이용한 패터닝 장치 |
-
2002
- 2002-09-30 JP JP2002284998A patent/JP2004119934A/ja not_active Withdrawn
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2006203077A (ja) * | 2005-01-21 | 2006-08-03 | Fuji Photo Film Co Ltd | 積層型圧電構造体の製造方法 |
JP2008100128A (ja) * | 2006-10-17 | 2008-05-01 | Fujifilm Corp | 成膜方法及び成膜装置 |
JP4741447B2 (ja) * | 2006-10-17 | 2011-08-03 | 富士フイルム株式会社 | 成膜方法及び成膜装置 |
KR101558109B1 (ko) | 2014-12-08 | 2015-10-12 | 엔젯 주식회사 | 전기 집속을 이용한 패터닝 장치 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
US7087970B2 (en) | Laminated structure, method of manufacturing the same and ultrasonic transducer array | |
EP1953839B1 (en) | Piezoelectric Element, Ink Jet Head, and Ink Jet Recording Device | |
US7581295B2 (en) | Piezoelectric element and method of manufacturing the same | |
JP2007300071A (ja) | 圧電素子及びその製造方法、電子デバイス、インクジェット装置 | |
CN106877836A (zh) | 一种薄膜体声波谐振器及其制造方法和电子装置 | |
JP5099468B2 (ja) | 成膜装置及び電子部品の製造方法 | |
JPWO2004070819A1 (ja) | 表示装置の製造方法 | |
JP2007149995A (ja) | 積層型圧電素子及びその製造方法 | |
JP2006093449A (ja) | 積層構造体及び積層構造体アレイ、並びに、それらの製造方法 | |
JP5263915B2 (ja) | キャパシタ素子の製造方法 | |
JP3352140B2 (ja) | 誘電体積層部品とその製造方法 | |
JP2004119934A (ja) | 積層構造体の製造方法及び製造装置 | |
JP4261374B2 (ja) | 積層構造体及びその製造方法、並びに、超音波トランスデューサ | |
JP2007162077A (ja) | 成膜装置、成膜方法、セラミック膜、無機構造体、及び、デバイス | |
JP2005286153A (ja) | 圧電膜の製造方法、基板と圧電膜との積層構造、圧電アクチュエータおよびその製造方法 | |
KR102000689B1 (ko) | 원심 패턴 충진 장치 및 이를 이용한 초음파 압전 센서의 제조 방법, 그리고 이러한 방법으로 제조된 초음파 압전 센서 혹은 초음파 인식 센서 | |
WO2011118307A1 (ja) | コンデンサ内蔵基板の製造方法、及び該製造方法に使用可能な素子シートの製造方法 | |
US9837938B2 (en) | Vibration element, method for manufacturing same, and vibration-type driving device | |
JP2008172157A (ja) | 圧電素子の製造方法 | |
JP4516327B2 (ja) | 積層構造体の製造方法 | |
JP3356820B2 (ja) | 超音波トランスデューサとその製造方法 | |
KR101929306B1 (ko) | 초음파 압전 센서의 제조방법과 이러한 방법으로 제조된 초음파 압전 센서 및 이를 포함하는 초음파 인식 센서 | |
JP5536310B2 (ja) | 積層型圧電素子及びその製造方法 | |
JP4908746B2 (ja) | 積層構造体及び圧電アクチュエータ、並びに、それらの製造方法 | |
JP3699071B2 (ja) | 超音波振動子の製造方法 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A300 | Application deemed to be withdrawn because no request for examination was validly filed |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A300 Effective date: 20060110 |