JP2004119535A - 電子部品の実装方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】複数の電子部品を基板に規則的な間隔で配置し実装する電子部品の実装方法において、少ない情報量で総ての電子部品を基板に対して正確に配置して実装すると供に、その生産性の向上を図る。
【解決手段】所定位置に位置決め固定された基板11に規則的な間隔で配置し実装される複数の電子部品10,10,…のうち第1番目に配置する電子部品10を、上記基板11上の所定の基準位置からの距離情報に基づいて位置決めして実装し、上記複数の電子部品10,10,…のうち第2番目以降に配置する電子部品10を、それより前に実装された隣りの電子部品10の位置情報及び電子部品同士の間隔寸法情報に基づいて位置決めして実装する。これにより、少ない情報量で総ての電子部品10,10,…を上記基板11に対して正確に配置して実装すると供に、その生産性の向上を図ることができる。
【選択図】 図1
【解決手段】所定位置に位置決め固定された基板11に規則的な間隔で配置し実装される複数の電子部品10,10,…のうち第1番目に配置する電子部品10を、上記基板11上の所定の基準位置からの距離情報に基づいて位置決めして実装し、上記複数の電子部品10,10,…のうち第2番目以降に配置する電子部品10を、それより前に実装された隣りの電子部品10の位置情報及び電子部品同士の間隔寸法情報に基づいて位置決めして実装する。これにより、少ない情報量で総ての電子部品10,10,…を上記基板11に対して正確に配置して実装すると供に、その生産性の向上を図ることができる。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、複数の電子部品を基板に規則的な間隔で配置し実装する電子部品の実装方法に関し、詳しくは、ある電子部品の実装位置をそれより前に実装された電子部品の位置情報及び電子部品同士の間隔寸法情報に基づいて位置決めして実装することによって、少ない情報量で総ての電子部品を基板に対して正確に実装すると共に、その生産性の向上を図る電子部品の実装方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来から基板の所定位置に実装対象部品となる電子部品を配列して実装する装置があり、このような装置による電子部品の実装方法は、実装位置に関する実装角度を含む位置データによって、実装対象部品を含む各種部品についてイメージデータとともに予め作成され記憶された部品の形状、寸法、荷姿、色といった部品の実装に必要な部品テキストデータから、各実装位置の実装対象部品ごとの部品テキストデータを読み出し、実装位置データと、各実装位置の実装対象部品ごとに読み出した部品テキストデータとを含む自動データ処理にて、実装機が各部品の供給を受けてそれらを所定の実装位置に実装するための実装データを作成するようにしていた(例えば、特許文献1参照。)。
【0003】
【特許文献1】
特開2002−134995号公報 (第6頁、第2図)
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、このような従来の電子部品の実装方法においては、実装対象部品となる総ての電子部品について実装位置の座標データを登録し(特許文献1中の図2参照)、この登録された座標データ等を演算処理して総ての電子部品に関する各種情報、及び総ての電子部品のそれぞれを基板に組み込むための情報を作成し、これらの膨大な情報を記憶するようになっていた。そのため、電子部品を搭載した基板を新規に生産するときにおいては、総ての電子部品の座標データを登録して各種情報を作成しなければならず、その作業が煩雑であった。また、電子部品を基板の所定位置に実装する際に、該電子部品の搭載位置を逐一認識するようになっており、その時間が生産性を低下させる要因となっていた。さらに、実装装置の動作を制御するソフトウェアが複雑化するため、装置のコストがアップするという問題点もあった。
【0005】
そこで、本発明は、このような問題点に対処し、少ない情報量で総ての電子部品を基板に対して正確に配置して実装すると共に、その生産性の向上を図る電子部品の実装方法を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明による電子部品の実装方法は、実装対象部品となる複数の電子部品を、所定位置に位置決め固定された基板に規則的な間隔で配置し実装する電子部品の実装方法であって、上記電子部品のうち第1番目に配置する電子部品を、上記基板上の所定の基準位置からの距離情報に基づいて位置決めして実装するステップと、上記電子部品のうち第2番目以降に配置する電子部品を、それより前に実装された隣りの電子部品の位置情報及び電子部品同士の間隔寸法情報に基づいて位置決めして実装するステップと、を行うものである。
【0007】
このような構成により、所定位置に位置決め固定された基板に規則的な間隔で配置し実装される複数の電子部品のうち第1番目に配置する電子部品を、上記基板上の所定の基準位置からの距離情報に基づいて位置決めして実装し、上記電子部品のうち第2番目以降に配置する電子部品を、それより前に実装された隣りの電子部品の位置情報及び電子部品同士の間隔寸法情報に基づいて位置決めして実装する。これにより、少ない情報量で総ての電子部品を上記基板に対して正確に配置して実装すると共に、その生産性の向上を図ることができる。
【0008】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を添付図面に基づいて詳細に説明する。
図1は本発明による電子部品の実装方法の実施形態を示す説明図である。この電子部品の実装方法は、ある電子部品10の実装位置をそれより前に実装された電子部品10の位置情報及び電子部品10同士の間隔寸法情報に基づいて位置決めして実装することによって、少ない情報量で総ての電子部品10をプリント基板11に対して正確に実装可能とするもので、例えば図2に示すフリップチップボンダー(以下「実装機」という。)を使用して実施される。
【0009】
この実装機1は、実装対象部品となる複数の電子部品10,10,…を載置する部品供給機構2と、電子部品10が実装されるプリント基板11を位置決めして固定する基板固定機構3と、電子部品10を保持するツール4と、このツール4を自在に移動可能とされたツール移動機構(5,6)と、上記部品供給機構2及び基板固定機構3の上面の全域を撮像可能とされたカメラユニット7とを備えて成る。
【0010】
図1において、実装対象部品となる電子部品10をプリント基板11に規則的な間隔で、例えばX方向にピッチPx、またY方向にピッチPyの間隔で配置して実装する方法について説明する。最初に、実装対象部品となる電子部品10の総てを部品供給機構2の上面に載置すると共に、該電子部品10を実装するためのプリント基板11を基板固定機構3で所定位置に位置決めして固定する。ここで、上記基板固定機構3の上面には、図1(a)に示すように、例えば3本の基板位置決めピン12,13,14が配設されると共に、エア吸着孔(図示省略)が設けられている。これにより、プリント基板11は、その側辺部を上記各基板位置決めピン12,13,14に当接させて位置決めされ、その裏面を上記エア吸着孔によりエア吸着して固定される。
【0011】
なお、プリント基板11の所定位置、例えばその隅部近傍には、図1(b)に示すように、アライメントマーク15が形成されている。このアライメントマーク15は、第1番目に配置する電子部品10を位置決めするときに用いるもので、例えば直径200μm程度の円形マークとされている。また、プリント基板11上にて各電子部品10の実装位置の近傍には、図1(b)に示すように、二つの部品位置決めマーク16a,16bがそれぞれ形成されている。この部品位置決めマーク16a,16bは、各電子部品10をプリント基板11の所定位置に位置決めして実装するときに用いるもので、例えば直径65μm程度の円形穴とされている。
【0012】
このような状態で、次に、図2に示す部品供給機構2の上面に載置された電子部品10のうち第1番目に配置する電子部品10を、図1に示すプリント基板11上の所定の基準位置からの距離情報に基づいて位置決めして実装を行う。ここで、図2に示す実装機1のツール4は、部品供給機構2の上面に載置された電子部品10を吸着して保持できるようになっている。また上記ツール4は、ツール移動機構(5,6)によって、図2(a)に示すように、水平面内でX方向移動及びY方向移動並びにθ回転させるようになっており、さらに同図(b)に示すように、その全体が垂直面内でZ方向に移動可能とされており、電子部品10をプリント基板11の所定位置に実装できるようになっている。
【0013】
これにより、図2(a)に示すツール移動機構5aによりツール4をX方向にて部品供給機構2側に移動し、ツール移動機構6に取り付けられたカメラユニット7で所定の電子部品10を認識し、この電子部品10をツール4で吸着保持する。次に、ツール移動機構5aによりツール4をX方向にて基板固定機構3側に移動し、上記ツール4で吸着保持された電子部品10をプリント基板11の上方の所定位置まで搬送する。
【0014】
このとき、上記第1番目に配置する電子部品10は、図1(b)に示すプリント基板11の隅部近傍に形成されたアライメントマーク15を基準として、例えばA列の1番目である実装位置A1に位置決めされるように設定されている。これにより、上記第1番目の電子部品10の中心が上記アライメントマーク15からX方向に距離Dx、Y方向に距離Dyだけ離れた座標上に位置決めされる。この場合、上記第1番目の電子部品10を実装する実装位置A1は、上記アライメントマーク15に最も近い位置であるため、図3に示すように、上記カメラユニット7(図2参照)の視野F内には、常に部品位置決めマーク16a(或いは部品位置決めマーク16b)がとらえられている。
【0015】
ここで、図3に示すカメラユニット7の視野F内に、部品位置決めマーク16a,16bをとらえためには、視野Fの縦横のサイズ(Fx,Fy)と部品位置決めマーク16の直径φの差が機械精度誤差を上回っていればよい。このような場合には、あらかじめプログラムされた座標値にカメラユニット7を移動することで部品位置決めマーク16をとらえることができる。このとき、上記部品位置決めマーク16aが所定の位置関係からずれていた場合、例えばカメラユニット7の視野Fの中心位置から外れていた場合には、その位置を調整して位置合わせしてもよい。
【0016】
そして、このように位置決めされた第1番目の電子部品10は、図2(b)に示すツール移動機構6に取り付けられたツール4を垂直面内でZ方向に移動することにより、図1(b)に示すように、あらかじめ設定された実装位置A1に実装される。なお、以上の説明において、第1番目に配置する電子部品10は、プリント基板11の隅部近傍に形成されたアライメントマーク15を基準として位置決めされるとしたが、本発明はこれに限られず、該プリント基板11の周辺の一隅部を基準に位置決めしてもよい。
【0017】
その後、図2に示す実装機1の部品供給機構2の上面に載置された電子部品10のうち第2番目以降に配置する電子部品10をそれより前に実装された隣りの電子部品10の位置情報及び電子部品10同士の間隔寸法情報に基づいて位置決めして実装を行う。具体的には、図2(a)に示すツール移動機構5aによりツール4を再びX方向にて部品供給機構2側に移動し、第2番目に配置する電子部品10をツール4で吸着保持した後、ツール4を再び基板固定機構3側に移動して上記電子部品10をプリント基板11の上方の所定位置まで搬送する。
【0018】
ここで、上記第1番目の電子部品10の実装位置A1の座標(Dx,Dy)は既に知られており、また第2番目以降に配置する電子部品10は、上述したように、X方向にピッチPx、またY方向にピッチPyの規則的な間隔で配列するように設定されている。これにより、上記第2番目の電子部品10は、例えば図1(b)に示す基板11における実装位置A1の隣りのA2にて、すなわち上記実装位置A1の座標(Dx,Dy)からX方向にピッチPxだけ離れた座標(Dx+Px,Dy)にて位置決めされる。そして、上記ツール4をZ方向に移動することにより、第2番目の電子部品10が実装位置A2に実装される。
【0019】
以上のような動作を図1(a)に示すプリント基板11におけるA列のn番目である実装位置Anまで繰り返し行う。これにより、上記第n番目の電子部品10は、それより前に実装された隣りの電子部品10の位置情報及び電子部品10同士の間隔寸法情報に基づいて位置決めして実装される。そして、B列以降についても同様にして位置決めして実装し、総ての電子部品10を上記プリント基板11に規則的な間隔で配置し実装する。これにより、総ての電子部品10をプリント基板11に対して正確に配置して実装することができる。このような電子部品の実装方法においては、総ての電子部品10について実装位置の座標データを作成しなくてよいため、少ない情報量で総ての電子部品10をプリント基板11に対して正確に実装することができる。したがって、新規な基板を生産するときの作業を容易になり、その生産性の向上を図ることができる。
【0020】
また、図4(a)に示すように、プリント基板11を基板固定機構3(図2参照)に固定したとき、該プリント基板11が各基板位置決めピン12,13,14に完全に当接されず、破線11′で示すように、角度θ1だけずれた位置に位置決めされたとする。このとき、図4(a)に示す右側のアライメントマーク15に最も近い実装位置A1においては、図4(b)に示すように、実線で示す理想的な固定位置に対する位置ずれS1が比較的小さい。しかし、上記アライメントマーク15から最も離れたM列のn番目である実装位置Mnは、図4(c)に示すように、実線で示す理想的な固定位置に対する位置ずれS2が大きくなる。
【0021】
このような場合においても、ある電子部品10の実装位置をそれより前に実装された隣りの電子部品10の位置情報及び電子部品10同士の間隔寸法情報に基づいて位置決めすることによって、上記プリント基板11の位置ずれの影響を受けることなく、総ての電子部品10をプリント基板11に対して正確に配列して実装することができる。
【0022】
次に、本発明の他の実施形態について、図5〜図7を参照して説明する。この実施形態は、実装対象部品となる電子部品をインクジェットプリンタなどの画像形成装置のプリントヘッド20に用いられるチップ21とし、また電子部品を実装する対象となる基板を上記プリントヘッド20に用いられるノズル部材22としたものである。この場合は、図5に示すように、プリントヘッド20に用いられるノズル部材22の所定位置にチップ21が規則的な間隔で実装される。
【0023】
具体的には、図5に示すように、プリントヘッド20を構成するフレーム部材23には4列のインク流路24が形成されており、このフレーム部材23にはノズル部材22が貼り付けられている。そして、上記フレーム部材23の各インク流路24内にて露出したノズル部材22に、それぞれ16個のチップ21が実装され、合計64個のチップ21,21,…が規則的な間隔でタイリング実装される。ここで、上記64個のチップ21は、図6に示すように、該チップ21を正方向に配置したV系列と、該チップ21を逆方向に配置したW系列との2系列に分かれて直交配置(タイリング)されており、それぞれの系列におけるチップ21同士は規則的な間隔で実装される。なお、各チップ21には、図6に示すように、二つの位置合わせ穴21a,21bがそれぞれあけられている。この位置合わせ穴21a,21bは、各チップ21をノズル部材22の所定位置に位置決めするときの認識マークとなるもので、所定のマークピッチMpだけ離れた位置に形成されている。
【0024】
ここで、例えばV系列のチップ21を上記ノズル部材22に実装する場合は、まず、実装機1の部品供給機構2(図2参照)の上面にチップ21を載置すると共に、該実装機1の基板固定機構3(図2参照)によりプリントヘッド20に用いられるノズル部材22が貼り付けられたフレーム部材23を位置決めして固定する。
【0025】
このような状態で、次に、上記部品供給機構2(図2参照)の上面に載置されたチップ21のうち第1番目に配置するチップ21を所定の基準位置からの距離情報に基づいて位置決めして実装を行う。ここでは、上記V系列のうち第1番目に実装されるチップ21の実装位置をV11とする。この実装位置V11に実装されるチップ21の一方の位置合わせ穴21aは、例えば上記プリントヘッド20を構成するフレーム部材23の周辺の一隅部を基準位置25とすると、該基準位置25からX方向に距離Gx、またY方向に距離Gyだけ離れた座標(Gx,Gy)に配置されるように設定されている。また、このチップ21の他方の位置合わせ穴21bは、上記位置合わせ穴21aの座標からマークピッチMpだけ離れた座標(Gx+Mp,Gy)に位置決めされて配置される。
【0026】
その後、第2番目以降に配置するチップ21をそれより前に実装された隣りのチップ21の位置情報及びチップ21同士の間隔寸法情報に基づいて位置決めして実装を行う。ここで、上記第1番目のチップ21の実装位置V11の座標は既に知られており、また第2番目以降に配置するチップ21は、X方向にピッチJx、またY方向にピッチJyの規則的な間隔で配列するように設定されている。そのため、上記V系列のうち第2番目に実装されるチップ21の実装位置をV12とすると、第2番目のチップ21は、上記第1番目のチップ21の実装位置V11の座標(Gx,Gy)にX方向にピッチJxだけ加算した位置、すなわち座標(Gx+Jx,Gy)に位置決めされて配置される。
【0027】
また、第2列の1番目である実装位置V21に次のチップ21を実装する場合には、該チップ21は、上記第1番目のチップ21の実装位置V11の座標(Gx,Gy)にY方向にピッチJyだけ加算した位置、すなわち座標(Gx,Gy+Jy)に位置決めされて配置される。これと同様に、第2列の2番目の実装位置V22に実装されるチップ21は、座標(Gx+Jx,Gy+Jy)の位置に認識マークとなる位置合わせ穴21aが位置決めされる。これにより、それより前に実装された隣りのチップ21の位置情報にチップ21の配列ピッチを順次加算することにより、総てのチップ21に対して認識座標を算出して、その位置にチップ21を実装することができる。
【0028】
次に、W系列のチップ21をノズル部材22に実装する場合においても、上述と同様に、W系列における第1番目のチップ21の実装位置W11の座標(Hx,Hy)に対して、配列ピッチKx,Kyをそれぞれの座標に順次加算することにより、総てのチップ21に対して認識座標を算出して、その位置にチップ21を実装することができる。
【0029】
従来の電子部品の実装方法においては、フレーム部材23の固定位置を知るための認識マークが2箇所、及び64個のチップ21の認識座標がそれぞれ2箇所あり、合計130ポイントを装置に入力するか、あるいは64個のチップ21の各中心座標が64箇所、及びチップ21の中心位置から認識マークまでの座標位置が2箇所あり、合計68ポイントを入力する必要があった。これに対し、本発明においては、第1番目に実装するチップの実装位置の認識マーク位置、チップの配列情報(縦数、横数)、X方向及びY方向の搭載ピッチの4ポイント+4変数(V系列とW系列)の合計8ポイントの入力で64個のチップを実装することができる。したがって、総てのチップ21について実装位置の座標データを作成しなくてよいため、少ない情報量で総てのチップ21をノズル部材22に対して正確に実装することができる。
【0030】
また、図7に示すように、上記プリントヘッド20のフレーム部材23を基板固定機構3(図2参照)に固定したとき、該フレーム部材23が理想的な固定位置に固定されず、二点鎖線23′で示すように、角度θ2だけずれた位置に位置決めされたとする。ことのき、理想的な実装位置V11の座標(Gx,Gy)が実際には座標(Qx1,Qy1)にシフトし、また理想的な実装位置の座標(Gx+Jx,Gy)が実際には座標(Qx2,Qy2)にシフトする。このような場合においても、あるチップ21の実装位置をそれより前に実装されたチップの位置情報及びチップ21同士の間隔寸法情報に基づいて位置決めすることによって、上記フレーム部材23の位置ずれの影響を受けることなく、総てのチップ21をプリントヘッド20のノズル部材22に対して正確に配列して実装することができる。
【0031】
ここで、図7に示すように、カメラユニット7(図2参照)の視野F内に、各チップ21を位置決めするときの認識マークとなる位置合わせ穴21aがとらえられていれば、上記フレーム部材23の位置ずれ量を補正しながら次の認識座標を決めることができる。したがって、基準位置25から最も離れた位置に実装されるチップ21の実装位置についても順次補正しながら加算することで、認識視野内に捕らえることが可能となる。
【0032】
【発明の効果】
本発明は以上のように構成されたので、請求項1に係る発明によれば、実装対象部品となる電子部品が規則的な間隔で実装される基板を基板固定機構で位置決めして固定し、該基板に実装される電子部品のうち第1番目に配置する電子部品を所定の基準位置からの距離情報に基づいてツール移動機構で位置決めして実装し、上記電子部品のうち第2番目以降に配置する電子部品をそれより前に実装された隣りの電子部品の位置情報及び電子部品同士の間隔寸法情報に基づいて上記ツール移動機構で位置決めして実装することができる。これにより、少ない情報量で総ての電子部品を上記基板に対して正確に配列して実装することができる。したがって、新規な基板を生産するときの作業を容易になり、その生産性の向上を図ることができる。
【0033】
また、請求項2に係る発明によれば、上記基板上の所定の基準位置は、該基板に形成されたアライメントマーク又は該基板の周辺の一隅部であることにより、上記第1番目に配置する電子部品の実装位置が上記所定の基準位置に最も近い位置となる。これにより、総ての電気部品及び基板の上面全域を撮像可能とされカメラユニットの視野内に、各電子部品を基板の所定位置に位置決めして実装するときに用いる部品位置決めマークを常にとらえることができる。
【0034】
そして、請求項3及び請求項4に係る発明によれば、実装対象部品となる電子部品をインクジェットプリンタなどの画像形成装置のプリントヘッドに用いられるチップとし、また電子部品を実装する対象となる基板を上記プリントヘッドに用いられるノズル部材としたことにより、総てのチップを上記ノズル部材に対して規則的に配列して実装することができる。したがって、総てのチップをノズル部材に対して正確に配列して実装することができ、プリントヘッドの生産性の向上を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による電子部品の実装方法の実施の形態を示す説明図で、(a)は電子部品が基板に規則的な間隔で実装された状態を示す全体図、(b)は符号Aの拡大図である。
【図2】本発明による電子部品の実装方法の実施に使用する実装機を示す説明図である。
【図3】上記実装機のカメラユニットの視野内に部品位置決めマークをとらえた状態を示す説明図である。
【図4】上記プリント基板がずれて固定された状態を示す説明図で、(a)はその全体図、(b)は符号Bの拡大図、(c)は符号Cの拡大図である。
【図5】画像形成装置のプリントヘッドを示す平面図である。
【図6】上記プリントヘッドに用いられるノズル部材にチップがタイリング実装された状態を示す説明図で、図5の符号Eの拡大図である。
【図7】上記プリントヘッドのノズル部材がずれて固定された状態を示す説明図である。
【符号の説明】
1…実装機
2…部品供給機構
3…基板固定機構
4…ツール
5,6…ツール移動機構
7…カメラユニット
10…電子部品
11…プリント基板
15…アライメントマーク
16a,16b…部品位置決めマーク
20…プリントヘッド
21…チップ
22…ノズル部材
23…フレーム部材
【発明の属する技術分野】
本発明は、複数の電子部品を基板に規則的な間隔で配置し実装する電子部品の実装方法に関し、詳しくは、ある電子部品の実装位置をそれより前に実装された電子部品の位置情報及び電子部品同士の間隔寸法情報に基づいて位置決めして実装することによって、少ない情報量で総ての電子部品を基板に対して正確に実装すると共に、その生産性の向上を図る電子部品の実装方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来から基板の所定位置に実装対象部品となる電子部品を配列して実装する装置があり、このような装置による電子部品の実装方法は、実装位置に関する実装角度を含む位置データによって、実装対象部品を含む各種部品についてイメージデータとともに予め作成され記憶された部品の形状、寸法、荷姿、色といった部品の実装に必要な部品テキストデータから、各実装位置の実装対象部品ごとの部品テキストデータを読み出し、実装位置データと、各実装位置の実装対象部品ごとに読み出した部品テキストデータとを含む自動データ処理にて、実装機が各部品の供給を受けてそれらを所定の実装位置に実装するための実装データを作成するようにしていた(例えば、特許文献1参照。)。
【0003】
【特許文献1】
特開2002−134995号公報 (第6頁、第2図)
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、このような従来の電子部品の実装方法においては、実装対象部品となる総ての電子部品について実装位置の座標データを登録し(特許文献1中の図2参照)、この登録された座標データ等を演算処理して総ての電子部品に関する各種情報、及び総ての電子部品のそれぞれを基板に組み込むための情報を作成し、これらの膨大な情報を記憶するようになっていた。そのため、電子部品を搭載した基板を新規に生産するときにおいては、総ての電子部品の座標データを登録して各種情報を作成しなければならず、その作業が煩雑であった。また、電子部品を基板の所定位置に実装する際に、該電子部品の搭載位置を逐一認識するようになっており、その時間が生産性を低下させる要因となっていた。さらに、実装装置の動作を制御するソフトウェアが複雑化するため、装置のコストがアップするという問題点もあった。
【0005】
そこで、本発明は、このような問題点に対処し、少ない情報量で総ての電子部品を基板に対して正確に配置して実装すると共に、その生産性の向上を図る電子部品の実装方法を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明による電子部品の実装方法は、実装対象部品となる複数の電子部品を、所定位置に位置決め固定された基板に規則的な間隔で配置し実装する電子部品の実装方法であって、上記電子部品のうち第1番目に配置する電子部品を、上記基板上の所定の基準位置からの距離情報に基づいて位置決めして実装するステップと、上記電子部品のうち第2番目以降に配置する電子部品を、それより前に実装された隣りの電子部品の位置情報及び電子部品同士の間隔寸法情報に基づいて位置決めして実装するステップと、を行うものである。
【0007】
このような構成により、所定位置に位置決め固定された基板に規則的な間隔で配置し実装される複数の電子部品のうち第1番目に配置する電子部品を、上記基板上の所定の基準位置からの距離情報に基づいて位置決めして実装し、上記電子部品のうち第2番目以降に配置する電子部品を、それより前に実装された隣りの電子部品の位置情報及び電子部品同士の間隔寸法情報に基づいて位置決めして実装する。これにより、少ない情報量で総ての電子部品を上記基板に対して正確に配置して実装すると共に、その生産性の向上を図ることができる。
【0008】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を添付図面に基づいて詳細に説明する。
図1は本発明による電子部品の実装方法の実施形態を示す説明図である。この電子部品の実装方法は、ある電子部品10の実装位置をそれより前に実装された電子部品10の位置情報及び電子部品10同士の間隔寸法情報に基づいて位置決めして実装することによって、少ない情報量で総ての電子部品10をプリント基板11に対して正確に実装可能とするもので、例えば図2に示すフリップチップボンダー(以下「実装機」という。)を使用して実施される。
【0009】
この実装機1は、実装対象部品となる複数の電子部品10,10,…を載置する部品供給機構2と、電子部品10が実装されるプリント基板11を位置決めして固定する基板固定機構3と、電子部品10を保持するツール4と、このツール4を自在に移動可能とされたツール移動機構(5,6)と、上記部品供給機構2及び基板固定機構3の上面の全域を撮像可能とされたカメラユニット7とを備えて成る。
【0010】
図1において、実装対象部品となる電子部品10をプリント基板11に規則的な間隔で、例えばX方向にピッチPx、またY方向にピッチPyの間隔で配置して実装する方法について説明する。最初に、実装対象部品となる電子部品10の総てを部品供給機構2の上面に載置すると共に、該電子部品10を実装するためのプリント基板11を基板固定機構3で所定位置に位置決めして固定する。ここで、上記基板固定機構3の上面には、図1(a)に示すように、例えば3本の基板位置決めピン12,13,14が配設されると共に、エア吸着孔(図示省略)が設けられている。これにより、プリント基板11は、その側辺部を上記各基板位置決めピン12,13,14に当接させて位置決めされ、その裏面を上記エア吸着孔によりエア吸着して固定される。
【0011】
なお、プリント基板11の所定位置、例えばその隅部近傍には、図1(b)に示すように、アライメントマーク15が形成されている。このアライメントマーク15は、第1番目に配置する電子部品10を位置決めするときに用いるもので、例えば直径200μm程度の円形マークとされている。また、プリント基板11上にて各電子部品10の実装位置の近傍には、図1(b)に示すように、二つの部品位置決めマーク16a,16bがそれぞれ形成されている。この部品位置決めマーク16a,16bは、各電子部品10をプリント基板11の所定位置に位置決めして実装するときに用いるもので、例えば直径65μm程度の円形穴とされている。
【0012】
このような状態で、次に、図2に示す部品供給機構2の上面に載置された電子部品10のうち第1番目に配置する電子部品10を、図1に示すプリント基板11上の所定の基準位置からの距離情報に基づいて位置決めして実装を行う。ここで、図2に示す実装機1のツール4は、部品供給機構2の上面に載置された電子部品10を吸着して保持できるようになっている。また上記ツール4は、ツール移動機構(5,6)によって、図2(a)に示すように、水平面内でX方向移動及びY方向移動並びにθ回転させるようになっており、さらに同図(b)に示すように、その全体が垂直面内でZ方向に移動可能とされており、電子部品10をプリント基板11の所定位置に実装できるようになっている。
【0013】
これにより、図2(a)に示すツール移動機構5aによりツール4をX方向にて部品供給機構2側に移動し、ツール移動機構6に取り付けられたカメラユニット7で所定の電子部品10を認識し、この電子部品10をツール4で吸着保持する。次に、ツール移動機構5aによりツール4をX方向にて基板固定機構3側に移動し、上記ツール4で吸着保持された電子部品10をプリント基板11の上方の所定位置まで搬送する。
【0014】
このとき、上記第1番目に配置する電子部品10は、図1(b)に示すプリント基板11の隅部近傍に形成されたアライメントマーク15を基準として、例えばA列の1番目である実装位置A1に位置決めされるように設定されている。これにより、上記第1番目の電子部品10の中心が上記アライメントマーク15からX方向に距離Dx、Y方向に距離Dyだけ離れた座標上に位置決めされる。この場合、上記第1番目の電子部品10を実装する実装位置A1は、上記アライメントマーク15に最も近い位置であるため、図3に示すように、上記カメラユニット7(図2参照)の視野F内には、常に部品位置決めマーク16a(或いは部品位置決めマーク16b)がとらえられている。
【0015】
ここで、図3に示すカメラユニット7の視野F内に、部品位置決めマーク16a,16bをとらえためには、視野Fの縦横のサイズ(Fx,Fy)と部品位置決めマーク16の直径φの差が機械精度誤差を上回っていればよい。このような場合には、あらかじめプログラムされた座標値にカメラユニット7を移動することで部品位置決めマーク16をとらえることができる。このとき、上記部品位置決めマーク16aが所定の位置関係からずれていた場合、例えばカメラユニット7の視野Fの中心位置から外れていた場合には、その位置を調整して位置合わせしてもよい。
【0016】
そして、このように位置決めされた第1番目の電子部品10は、図2(b)に示すツール移動機構6に取り付けられたツール4を垂直面内でZ方向に移動することにより、図1(b)に示すように、あらかじめ設定された実装位置A1に実装される。なお、以上の説明において、第1番目に配置する電子部品10は、プリント基板11の隅部近傍に形成されたアライメントマーク15を基準として位置決めされるとしたが、本発明はこれに限られず、該プリント基板11の周辺の一隅部を基準に位置決めしてもよい。
【0017】
その後、図2に示す実装機1の部品供給機構2の上面に載置された電子部品10のうち第2番目以降に配置する電子部品10をそれより前に実装された隣りの電子部品10の位置情報及び電子部品10同士の間隔寸法情報に基づいて位置決めして実装を行う。具体的には、図2(a)に示すツール移動機構5aによりツール4を再びX方向にて部品供給機構2側に移動し、第2番目に配置する電子部品10をツール4で吸着保持した後、ツール4を再び基板固定機構3側に移動して上記電子部品10をプリント基板11の上方の所定位置まで搬送する。
【0018】
ここで、上記第1番目の電子部品10の実装位置A1の座標(Dx,Dy)は既に知られており、また第2番目以降に配置する電子部品10は、上述したように、X方向にピッチPx、またY方向にピッチPyの規則的な間隔で配列するように設定されている。これにより、上記第2番目の電子部品10は、例えば図1(b)に示す基板11における実装位置A1の隣りのA2にて、すなわち上記実装位置A1の座標(Dx,Dy)からX方向にピッチPxだけ離れた座標(Dx+Px,Dy)にて位置決めされる。そして、上記ツール4をZ方向に移動することにより、第2番目の電子部品10が実装位置A2に実装される。
【0019】
以上のような動作を図1(a)に示すプリント基板11におけるA列のn番目である実装位置Anまで繰り返し行う。これにより、上記第n番目の電子部品10は、それより前に実装された隣りの電子部品10の位置情報及び電子部品10同士の間隔寸法情報に基づいて位置決めして実装される。そして、B列以降についても同様にして位置決めして実装し、総ての電子部品10を上記プリント基板11に規則的な間隔で配置し実装する。これにより、総ての電子部品10をプリント基板11に対して正確に配置して実装することができる。このような電子部品の実装方法においては、総ての電子部品10について実装位置の座標データを作成しなくてよいため、少ない情報量で総ての電子部品10をプリント基板11に対して正確に実装することができる。したがって、新規な基板を生産するときの作業を容易になり、その生産性の向上を図ることができる。
【0020】
また、図4(a)に示すように、プリント基板11を基板固定機構3(図2参照)に固定したとき、該プリント基板11が各基板位置決めピン12,13,14に完全に当接されず、破線11′で示すように、角度θ1だけずれた位置に位置決めされたとする。このとき、図4(a)に示す右側のアライメントマーク15に最も近い実装位置A1においては、図4(b)に示すように、実線で示す理想的な固定位置に対する位置ずれS1が比較的小さい。しかし、上記アライメントマーク15から最も離れたM列のn番目である実装位置Mnは、図4(c)に示すように、実線で示す理想的な固定位置に対する位置ずれS2が大きくなる。
【0021】
このような場合においても、ある電子部品10の実装位置をそれより前に実装された隣りの電子部品10の位置情報及び電子部品10同士の間隔寸法情報に基づいて位置決めすることによって、上記プリント基板11の位置ずれの影響を受けることなく、総ての電子部品10をプリント基板11に対して正確に配列して実装することができる。
【0022】
次に、本発明の他の実施形態について、図5〜図7を参照して説明する。この実施形態は、実装対象部品となる電子部品をインクジェットプリンタなどの画像形成装置のプリントヘッド20に用いられるチップ21とし、また電子部品を実装する対象となる基板を上記プリントヘッド20に用いられるノズル部材22としたものである。この場合は、図5に示すように、プリントヘッド20に用いられるノズル部材22の所定位置にチップ21が規則的な間隔で実装される。
【0023】
具体的には、図5に示すように、プリントヘッド20を構成するフレーム部材23には4列のインク流路24が形成されており、このフレーム部材23にはノズル部材22が貼り付けられている。そして、上記フレーム部材23の各インク流路24内にて露出したノズル部材22に、それぞれ16個のチップ21が実装され、合計64個のチップ21,21,…が規則的な間隔でタイリング実装される。ここで、上記64個のチップ21は、図6に示すように、該チップ21を正方向に配置したV系列と、該チップ21を逆方向に配置したW系列との2系列に分かれて直交配置(タイリング)されており、それぞれの系列におけるチップ21同士は規則的な間隔で実装される。なお、各チップ21には、図6に示すように、二つの位置合わせ穴21a,21bがそれぞれあけられている。この位置合わせ穴21a,21bは、各チップ21をノズル部材22の所定位置に位置決めするときの認識マークとなるもので、所定のマークピッチMpだけ離れた位置に形成されている。
【0024】
ここで、例えばV系列のチップ21を上記ノズル部材22に実装する場合は、まず、実装機1の部品供給機構2(図2参照)の上面にチップ21を載置すると共に、該実装機1の基板固定機構3(図2参照)によりプリントヘッド20に用いられるノズル部材22が貼り付けられたフレーム部材23を位置決めして固定する。
【0025】
このような状態で、次に、上記部品供給機構2(図2参照)の上面に載置されたチップ21のうち第1番目に配置するチップ21を所定の基準位置からの距離情報に基づいて位置決めして実装を行う。ここでは、上記V系列のうち第1番目に実装されるチップ21の実装位置をV11とする。この実装位置V11に実装されるチップ21の一方の位置合わせ穴21aは、例えば上記プリントヘッド20を構成するフレーム部材23の周辺の一隅部を基準位置25とすると、該基準位置25からX方向に距離Gx、またY方向に距離Gyだけ離れた座標(Gx,Gy)に配置されるように設定されている。また、このチップ21の他方の位置合わせ穴21bは、上記位置合わせ穴21aの座標からマークピッチMpだけ離れた座標(Gx+Mp,Gy)に位置決めされて配置される。
【0026】
その後、第2番目以降に配置するチップ21をそれより前に実装された隣りのチップ21の位置情報及びチップ21同士の間隔寸法情報に基づいて位置決めして実装を行う。ここで、上記第1番目のチップ21の実装位置V11の座標は既に知られており、また第2番目以降に配置するチップ21は、X方向にピッチJx、またY方向にピッチJyの規則的な間隔で配列するように設定されている。そのため、上記V系列のうち第2番目に実装されるチップ21の実装位置をV12とすると、第2番目のチップ21は、上記第1番目のチップ21の実装位置V11の座標(Gx,Gy)にX方向にピッチJxだけ加算した位置、すなわち座標(Gx+Jx,Gy)に位置決めされて配置される。
【0027】
また、第2列の1番目である実装位置V21に次のチップ21を実装する場合には、該チップ21は、上記第1番目のチップ21の実装位置V11の座標(Gx,Gy)にY方向にピッチJyだけ加算した位置、すなわち座標(Gx,Gy+Jy)に位置決めされて配置される。これと同様に、第2列の2番目の実装位置V22に実装されるチップ21は、座標(Gx+Jx,Gy+Jy)の位置に認識マークとなる位置合わせ穴21aが位置決めされる。これにより、それより前に実装された隣りのチップ21の位置情報にチップ21の配列ピッチを順次加算することにより、総てのチップ21に対して認識座標を算出して、その位置にチップ21を実装することができる。
【0028】
次に、W系列のチップ21をノズル部材22に実装する場合においても、上述と同様に、W系列における第1番目のチップ21の実装位置W11の座標(Hx,Hy)に対して、配列ピッチKx,Kyをそれぞれの座標に順次加算することにより、総てのチップ21に対して認識座標を算出して、その位置にチップ21を実装することができる。
【0029】
従来の電子部品の実装方法においては、フレーム部材23の固定位置を知るための認識マークが2箇所、及び64個のチップ21の認識座標がそれぞれ2箇所あり、合計130ポイントを装置に入力するか、あるいは64個のチップ21の各中心座標が64箇所、及びチップ21の中心位置から認識マークまでの座標位置が2箇所あり、合計68ポイントを入力する必要があった。これに対し、本発明においては、第1番目に実装するチップの実装位置の認識マーク位置、チップの配列情報(縦数、横数)、X方向及びY方向の搭載ピッチの4ポイント+4変数(V系列とW系列)の合計8ポイントの入力で64個のチップを実装することができる。したがって、総てのチップ21について実装位置の座標データを作成しなくてよいため、少ない情報量で総てのチップ21をノズル部材22に対して正確に実装することができる。
【0030】
また、図7に示すように、上記プリントヘッド20のフレーム部材23を基板固定機構3(図2参照)に固定したとき、該フレーム部材23が理想的な固定位置に固定されず、二点鎖線23′で示すように、角度θ2だけずれた位置に位置決めされたとする。ことのき、理想的な実装位置V11の座標(Gx,Gy)が実際には座標(Qx1,Qy1)にシフトし、また理想的な実装位置の座標(Gx+Jx,Gy)が実際には座標(Qx2,Qy2)にシフトする。このような場合においても、あるチップ21の実装位置をそれより前に実装されたチップの位置情報及びチップ21同士の間隔寸法情報に基づいて位置決めすることによって、上記フレーム部材23の位置ずれの影響を受けることなく、総てのチップ21をプリントヘッド20のノズル部材22に対して正確に配列して実装することができる。
【0031】
ここで、図7に示すように、カメラユニット7(図2参照)の視野F内に、各チップ21を位置決めするときの認識マークとなる位置合わせ穴21aがとらえられていれば、上記フレーム部材23の位置ずれ量を補正しながら次の認識座標を決めることができる。したがって、基準位置25から最も離れた位置に実装されるチップ21の実装位置についても順次補正しながら加算することで、認識視野内に捕らえることが可能となる。
【0032】
【発明の効果】
本発明は以上のように構成されたので、請求項1に係る発明によれば、実装対象部品となる電子部品が規則的な間隔で実装される基板を基板固定機構で位置決めして固定し、該基板に実装される電子部品のうち第1番目に配置する電子部品を所定の基準位置からの距離情報に基づいてツール移動機構で位置決めして実装し、上記電子部品のうち第2番目以降に配置する電子部品をそれより前に実装された隣りの電子部品の位置情報及び電子部品同士の間隔寸法情報に基づいて上記ツール移動機構で位置決めして実装することができる。これにより、少ない情報量で総ての電子部品を上記基板に対して正確に配列して実装することができる。したがって、新規な基板を生産するときの作業を容易になり、その生産性の向上を図ることができる。
【0033】
また、請求項2に係る発明によれば、上記基板上の所定の基準位置は、該基板に形成されたアライメントマーク又は該基板の周辺の一隅部であることにより、上記第1番目に配置する電子部品の実装位置が上記所定の基準位置に最も近い位置となる。これにより、総ての電気部品及び基板の上面全域を撮像可能とされカメラユニットの視野内に、各電子部品を基板の所定位置に位置決めして実装するときに用いる部品位置決めマークを常にとらえることができる。
【0034】
そして、請求項3及び請求項4に係る発明によれば、実装対象部品となる電子部品をインクジェットプリンタなどの画像形成装置のプリントヘッドに用いられるチップとし、また電子部品を実装する対象となる基板を上記プリントヘッドに用いられるノズル部材としたことにより、総てのチップを上記ノズル部材に対して規則的に配列して実装することができる。したがって、総てのチップをノズル部材に対して正確に配列して実装することができ、プリントヘッドの生産性の向上を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による電子部品の実装方法の実施の形態を示す説明図で、(a)は電子部品が基板に規則的な間隔で実装された状態を示す全体図、(b)は符号Aの拡大図である。
【図2】本発明による電子部品の実装方法の実施に使用する実装機を示す説明図である。
【図3】上記実装機のカメラユニットの視野内に部品位置決めマークをとらえた状態を示す説明図である。
【図4】上記プリント基板がずれて固定された状態を示す説明図で、(a)はその全体図、(b)は符号Bの拡大図、(c)は符号Cの拡大図である。
【図5】画像形成装置のプリントヘッドを示す平面図である。
【図6】上記プリントヘッドに用いられるノズル部材にチップがタイリング実装された状態を示す説明図で、図5の符号Eの拡大図である。
【図7】上記プリントヘッドのノズル部材がずれて固定された状態を示す説明図である。
【符号の説明】
1…実装機
2…部品供給機構
3…基板固定機構
4…ツール
5,6…ツール移動機構
7…カメラユニット
10…電子部品
11…プリント基板
15…アライメントマーク
16a,16b…部品位置決めマーク
20…プリントヘッド
21…チップ
22…ノズル部材
23…フレーム部材
Claims (4)
- 実装対象部品となる複数の電子部品を、所定位置に位置決め固定された基板に規則的な間隔で配置し実装する電子部品の実装方法であって、
上記電子部品のうち第1番目に配置する電子部品を、上記基板上の所定の基準位置からの距離情報に基づいて位置決めして実装するステップと、
上記電子部品のうち第2番目以降に配置する電子部品を、それより前に実装された隣りの電子部品の位置情報及び電子部品同士の間隔寸法情報に基づいて位置決めして実装するステップと、
を行うことを特徴とする電子部品の実装方法。 - 上記基板上の所定の基準位置は、該基板に形成されたアライメントマーク又は該基板の周辺の一隅部であることを特徴とする請求項1記載の電子部品の実装方法。
- 上記電子部品は、画像形成装置のプリントヘッドに用いられるチップであることを特徴とする請求項1記載の電子部品の実装方法。
- 上記基板は、画像形成装置のプリントヘッドに用いられるノズル部材であることを特徴とする請求項1記載の電子部品の実装方法。
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