JP2004118882A - 光ピックアップ装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】レーザ素子を並べて配置することにより光ピックアップ装置をコンパクト化すると共に、各レーザ素子からのレーザ光にダイバージョン効果を適正に導入し得る光ピックアップ装置を提供する。
【解決手段】半導体レーザ100は、レーザ素子102からのレーザ光(波長λ2)がコリメータレンズ107によって平行ビームとされる位置に配置されている。平板プリズム104の前面には、レーザ素子101からのレーザ光(波長λ1)のみを透過する波長選択膜が形成されている。さらに、平板プリズム104の裏面には反射型ホログラムが形成されている。かかるホログラム104aは、レーザ素子101からのレーザ光(波長λ1)がコリメータレンズ107にて平行ビームとされるように、当該レーザ光の拡散度合を調整し得るパラメータにて形成されている。
【選択図】 図1
【解決手段】半導体レーザ100は、レーザ素子102からのレーザ光(波長λ2)がコリメータレンズ107によって平行ビームとされる位置に配置されている。平板プリズム104の前面には、レーザ素子101からのレーザ光(波長λ1)のみを透過する波長選択膜が形成されている。さらに、平板プリズム104の裏面には反射型ホログラムが形成されている。かかるホログラム104aは、レーザ素子101からのレーザ光(波長λ1)がコリメータレンズ107にて平行ビームとされるように、当該レーザ光の拡散度合を調整し得るパラメータにて形成されている。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、光ピックアップ装置に関し、特に、複数波長のレーザ光を発して情報を記録および/もしくは再生する光ピックアップ装置に用いて好適なものである。
【0002】
【従来の技術】
コンパクトディスク(CD)とデジタルバーサタイルディスク(DVD)の両方を互換再生できる光ピックアップ装置においては、波長の異なる2つの半導体レーザが光ピックアップ装置内に配備されている。図5に、かかる光ピックアップ装置の光学系を示す。
【0003】
図において、201はCD再生用のレーザ光を出射する半導体レーザ、202はDVD再生用のレーザ光を出射する半導体レーザ、203、204はレーザ光の拡散度合を調整するダイバージョンレンズ、205はハーフミラー、206は偏光ビームスプリッタ、207はλ/4板、208はコリメータレンズ、209は反射ミラー、210は対物レンズ、211はシリンドリカルレンズ、212は光検出器である。
【0004】
半導体レーザ201、202から出射されたレーザ光は、それぞれダイバージョンレンズ203、204にて拡散度合が調整された後、ハーフミラー205にて反射または透過される。ここで、半導体レーザ201、202は、ハーフミラー205で反射または透過された2つのレーザ光の光軸が一致するように、それぞれの配置が調整されている。
【0005】
しかして、ハーフミラー205で反射または透過されたレーザ光は、偏光ビームスプリッタ206を透過した後、λ/4板207にて円偏光に変換される。そして、コリメータレンズ208にて平行ビームとされた後、反射ミラー209にてディスク側に反射され、対物レンズ210にてディスク上に収束される。
【0006】
ディスクからの反射光は、上記の光路を逆行し、λ/4板207にて上記入射時の偏光方向に直行する直線偏光に変換される。これにより、反射光は偏光ビームスプリッタ206により全反射される。そして、シリンドリカルレンズ211によって一方向のみに収束作用を受け、その後、光検出器212上に収束される。ここで、シリンドリカルレンズ211は、周知の非点収差法によってフォーカス制御を行うためのものである。したがって、光検出器212は、反射光を受光するための4分割センサを備えている。
【0007】
上記において、ダイバージョンレンズ203、204は、半導体レーザ201、202からのレーザ光が、それぞれコリメータレンズ208によって平行ビームとされるように、各レーザ光の拡散度合を調整するものである。すなわち、ダイバージョンレンズ203、204は、コリメータレンズ208の収束作用を考慮して、その拡散作用のパラメータが設定されている。
【0008】
かかる光ピックアップ装置では、ハーフミラー205以降の光学系を2つの波長のレーザ光にて共用することができるから、部品点数およびコストの削減を図ることができる。しかしながら、異なる波長のレーザ光を出射する半導体レーザを別々に2個配することから、それぞれの半導体レーザの配置スペースを確保しなければならず、このため、光ピックアップ装置の外形寸法が、その分だけ大きくなってしまうとの問題が生じる。
【0009】
そこで、波長の異なるレーザ光を出射する2つのレーザ素子を並べて配置した、いわゆる2波長レーザを用いるものが提案されている(例えば、特許文献1参照)。この発明では、それぞれのレーザ素子から出射される互いに平行なレーザ光の光軸を、ビーム合致光学素子(立ち上げミラー)にて一致させるといった構成上の改良が施されている。
【0010】
【特許文献1】
特開2002−163836号公報
【0011】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、かかる発明を採用した場合、2つのレーザ光の出射光軸が互いに接近しているため、各レーザ光に対応付けて2つのダイバージョンレンズをそれぞれ個別に配置することができなくなる。すなわち、一方のレーザ光に対してダイバージョンレンズを配置すると、両レーザ光の光軸が接近しているがために、当該ダイバージョンレンズに他方のレーザ光が同時に入射する。かかる問題は、ダイバージョンレンズの半径寸法をレーザ光の光軸間距離よりも小さくすることにより解決できるが、ダイバージョンレンズの小型化には限界があり、また、光軸間距離を大きくすると、半導体レーザやビーム合致光学素子(立ち上げミラー)の形状が大型化するとの問題が生じてしまう。
【0012】
そこで本発明は、レーザ素子を並べて配置することにより外形寸法の小型化を図ると共に、シリンドリカルレンズや対物レンズ等の光学系を共用しながら、上記ダイバージョンレンズによる効果を適正に導入し得る光ピックアップ装置を提供することを課題とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】
上記課題に鑑み本発明は、それぞれ以下の特徴を有する。
【0014】
請求項1の発明は、波長の異なる互いに平行なレーザ光を発する複数のレーザ素子と、前記複数のレーザ光の光軸を一致させる光軸整合手段と、前記複数のレーザ光のうち所定の波長のレーザ光のみに拡散または収束作用を及ぼす調整手段とを備え、前記調整手段は、他の光学素子の作用と相俟って、前記各レーザ光が所定の焦点距離を有するように、その拡散または収束作用の度合いが調整されていることを特徴とする光ピックアップ装置である。
【0015】
請求項2の発明は、請求項1に記載の光ピックアップ装置において、前記光軸整合手段は、前記複数のレーザ光のうち所定のレーザ光のみを透過すると共に他のレーザ光を反射する第1の面と、当該第1の面を透過したレーザ光を反射して当該レーザ光を前記第1の面に導く第2の面とを有するプリズム手段を備え、前記調整手段は、当該プリズム手段の前記第2の面に配備されると共に前記第1の面を透過したレーザ光に拡散または収束作用を及ぼす光学手段を含むことを特徴とする。
【0016】
請求項3の発明は、請求項2に記載の光ピックアップ装置において、前記第1の面を透過したレーザ光に拡散または収束作用を及ぼす光学手段は、前記第2の面に形成されたホログラムによって構成されていることを特徴とする。
【0017】
請求項4の発明は、請求項2または3に記載の光ピックアップ装置において、前記第1の面には、所定波長のレーザ光のみを透過する波長選択膜が形成されていることを特徴とする。
【0018】
請求項5の発明は、請求項1ないし4の何れかに記載の光ピックアップ装置において、前記光軸整合手段は、前記複数のレーザ光のうち所定のレーザ光のみを透過すると共に他のレーザ光を反射する第1の面と、当該第1の面を透過したレーザ光を反射して当該レーザ光を前記第1の面に導く第2の面とを有するプリズム手段を備え、前記調整手段は、当該プリズム手段の前記第1の面によって反射されるレーザ光に拡散または収束作用を及ぼす光学手段を含むことを特徴とする。
【0019】
請求項6の発明は、請求項5に記載の光ピックアップ装置において、前記第1の面によって反射されるレーザ光に拡散または収束作用を及ぼす光学手段は、当該反射されるレーザ光のみに選択的に拡散または収束作用を及ぼす波長選択性の回折格子手段によって構成されていることを特徴とする。
【0020】
本発明の特徴は、以下に示す実施の形態の説明により更に明らかとなろう。
【0021】
ただし、以下の実施の形態は、あくまでも、本発明の一つの実施形態であって、本発明ないし各構成要件の用語の意義は、以下の実施の形態に記載されたものに制限されるものではない。
【0022】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態につき図面を参照して説明する。
【0023】
まず、図1に実施の形態に係るピックアップ装置の光学系を示す。図において、100は半導体レーザ、101は波長λ1のレーザ光を出射するレーザ素子、102は波長λ2のレーザ光を出射する半導体レーザ、103は三角プリズム、104は三角プリズム103の裏面にその上面が密着するようにして配された平板プリズム、105は波長λ1にレーザ光のみ偏光面を90°回転させる波長選択性λ/2板、106は偏光ビームスプリッタ、107はλ/4板、108はコリメータレンズ、109は反射ミラー、110は対物レンズ、111はシリンドリカルレンズ、112は光検出器である。
【0024】
上記三角プリズム103と平板プリズム104とは、互いに屈折率の異なる光透過性材料によって形成されている。また、三角プリズム103の裏面には、λ1の波長のレーザ光を透過し、λ2に波長のレーザ光を反射する偏光膜103aが形成されている。すなわち、レーザ素子101と102は、それぞれから出射されるレーザ光の偏光面が互いに直交するように配置されており、このうちレーザ素子101からのレーザ光の偏光面が偏光膜103aの偏光面に平行となっている。
【0025】
さらに、平板プリズム104の裏面には、レーザ光の拡散度合の調整効果(以下、「ダイバージョン効果」という)を生じるホログラム104aが形成されており、更に、その上に反射膜104bが形成されている。
【0026】
なお、ダイバージョン効果を有する反射型ホログラムについては、たとえば株式会社新技術コミュニケーションズ社発行、雑誌「O plus E」1996年5月号に記載の技術を用いて形成できる。ホログラムのパターンおよびピッチを調整することにより、レーザ光に拡散作用または収束作用を導入することができる。
【0027】
平板プリズム104の厚みは、図1に示す如く、平板プリズム104を透過したλ1のレーザ光の光軸と、三角プリズム103の裏面にて反射されたλ2のレーザ光の光軸が、当該三角プリズム103の裏面の反射点(λ2のレーザ光が反射される位置)において一致するような厚みに設定されている。また、平板プリズム104の裏面のホログラム104は、平板プリズム104に入射したλ1のレーザ光の光軸位置に形成されている。
【0028】
図1の光学系において、レーザ素子101から出射されたレーザ光は、ホログラム104aにて拡散度合が調整された後、三角プリズム103を介して波長選択性λ/2板105に入射され、偏光面が90°回転される。これにより、レーザ素子101からのレーザ光の偏光面は、レーザ素子102からのレーザ光の偏光面に一致する。しかる後、レーザ素子101からのレーザ光は偏光ビームスプリッタ106に入射する。
【0029】
他方、レーザ素子102から出射されたレーザ光は、ホログラム104aにて拡散度合が調整されることなく、且つ、波長選択性λ/2板105により偏光面が回転されることなく、三角プリズム103と波長選択性λ/2板105を介して、偏光ビームスプリッタ106に入射される。
【0030】
しかして、偏光ビームスプリッタ106に入射された各レーザ光は、偏光ビームスプリッタ106を透過した後、λ/4板107にて円偏光に変換される。そして、コリメータレンズ108にて平行ビームとされた後、反射ミラー109にてディスク側に反射され、対物レンズ110にてディスク上に収束される。
【0031】
ディスクからの反射光は、上記の光路を逆行し、λ/4板107にて上記入射時の偏光方向に直行する直線偏光に変換される。これにより、反射光は偏光ビームスプリッタ106により全反射される。そして、シリンドリカルレンズ111によって一方向のみに収束作用を受け、その後、光検出器112上に収束される。
【0032】
上記において、半導体レーザ100は、レーザ素子102からのレーザ光(波長λ2)がコリメータレンズ108によって平行ビームとされる位置に配置されている。したがって、ホログラム104aは、レーザ素子101からのレーザ光(波長λ1)がコリメータレンズ108にて平行ビームとされるように、当該レーザ光の拡散度合を調整し得るパラメータにて形成されている。
【0033】
しかして、レーザ素子101、102からの各レーザ光は、同一の光軸にてコリメータレンズ108に入射すると共に、両レーザ光ともコリメータレンズ108によって平行ビームとされるようになる。これにより、ディスクの記録面上に適正に各レーザ光を収束させることができ、よって、円滑な記録再生動作を実現することができるようになる。
【0034】
以上のように本実施の形態によれば、偏光膜103aとホログラム104aを形成するといった簡素な構成の追加により、2波長レーザからのレーザ光にダイバージョン効果を適正に導入することができる。よって、上記従来のピックアップ装置に比べ、光ピックアップ装置本体の形状を、飛躍的にコンパクト化することができる。
【0035】
図2に、他の実施形態に係る光ピックアップ装置の光学系を示す。本実施の形態では、それぞれのレーザ光の偏光面が一致するようにレーザ素子101、102を配置する。そして、レーザ素子101からのレーザ光の偏光面のみを波長選択性λ/2板120によって90°回転させる。三角プリズム103の裏面に形成された偏光膜103aは、上記第1の実施の形態と同様、レーザ素子101からのレーザ光のみを透過するように形成されている。すなわち、レーザ素子101からのレーザ光は、波長選択性λ/2板120によって偏光面が90°回転されることにより、その偏光面が偏光膜103aの偏光面に一致する。これにより、レーザ素子101、102から出射されるレーザ光のうち、レーザ素子101からのレーザ光のみが、三角プリズム103の裏面を透過し、上記と同様にして、ダイバージョン効果を受ける。
【0036】
なお、図2に示す光学系のうち、上述したレーザ素子101、102の配置および波長選択性λ/2板120以外の構成は、上記図1の光学系と同様であるので、ここではその説明を省略する。
【0037】
図3に、さらに他の実施形態に係る光ピックアップ装置の光学系を示す。本実施の形態では、波長選択性ホログラム素子130を配し、レーザ素子102からのレーザ光(波長λ2)にのみ、ダイバージョン効果を導入するものである。
【0038】
ここで、波長選択性ホログラム素子130は、レーザ素子102からのレーザ光(波長λ2)にのみ回折格子として機能するホログラムパターンを有する。かかるホログラムパターンは、レーザ素子102からのレーザ光(波長λ2)がコリメータレンズ108により平行ビームとされるように、当該レーザ光の拡散度合を調整し得るパラメータにて形成されている。
【0039】
また、ホログラム104aは、上記の実施形態(図1、図2)と同様、レーザ素子101からのレーザ光(波長λ1)がコリメータレンズ108にて平行ビームとされるように、当該レーザ光の拡散度合を調整し得るパラメータにて形成されている。その他の構成は、上記図1、図2の光学系と同様であるので、ここではその説明を省略する。
【0040】
本実施の形態によれば、レーザ素子101からのレーザ光(波長λ1)のみならずレーザ素子102からのレーザ光(波長λ2)にもダイバージョン効果を導入することができる。よって、半導体レーザ100の配置およびコリメータレンズ108の特性パラメータに自由度を持たせることができ、ピックアップ装置の小型化および設計の簡易化を図ることができる。
【0041】
図4に、さらに他の実施形態に係る光ピックアップ装置の光学系を示す。上記実施の形態では、2つのレーザ素子101、102を配するものであったが、本実施の形態では、波長の異なる3つのレーザ素子を有する半導体レーザを用いている。
【0042】
図4の光学系において、レーザ素子151、152、153は、そこから出射されるレーザ光の偏光面が互いに一致するようにして、半導体レーザ150に配されている。
【0043】
これら各レーザ光のうち、レーザ素子151からのレーザ光(波長λ1)は、波長選択性λ/2板154によって偏光面が90°回転される。これにより、かかるレーザ光(波長λ1)のみが、ホログラム156aに導かれ、これによってダイバージョン効果を受ける。かかる、かかるレーザ光(波長λ1)は、上記と同様、平板プリズム156の作用によって、レーザ素子152からのレーザ光(波長λ2)と光軸が一致するよう調製される。
【0044】
レーザ素子152からのレーザ光(波長λ2)は、波長選択性λ/2板157によって偏光面が90°回転される。これにより、上記光軸が一致されたレーザ素子151からのレーザ光(波長λ1)と偏光面が一致する。このようにして偏光面が一致された2つのレーザ光(波長λ1、λ2)は、偏光プリズム158の偏光面158aを透過し、反射面158bによって下方向に反射される。そして、三角プリズム159の偏光膜159によって反射され、波長選択性λ/2板161および波長選択性ホログラム素子162に導かれる。
【0045】
ここで、波長選択性λ/2板161は、波長λ1のレーザ光のみその偏光面を90°回転させる。また、波長選択性ホログラム素子162は、波長λ2のレーザ光のみにダイバージョン効果を及ぼすホログラムパターンを有する。よって、上記偏光膜159aにて反射された2つのレーザ光(波長λ1、λ2)は、波長選択性λ/2板161によっては偏光面が回転されず、そのままこれを透過する。また、2つのレーザ光のうち、レーザ素子152からのレーザ光(波長λ2)のみが、波長選択性ホログラム素子162によってダイバージョン効果を受ける。
【0046】
他方、これら2つのレーザ光(波長λ1、λ2)と偏光面が直交する、レーザ素子153からのレーザ光(波長λ3)は、偏光プリズム158の偏光面158aによって下方向に反射される。かかるレーザ光(波長λ3)は、三角プリズム159の裏面に形成された偏光膜159を透過し、ホログラム160aによってダイバージョン効果を受ける。
【0047】
このようにしてダイバージョン効果を受けたレーザ光(波長λ3)は、反射膜160bによって反射され、三角プリズム159へと導かれる。しかして、かかるレーザ光(波長λ3)は、上記偏光プリズム158の反射面158bによって反射された2つのレーザ光(波長λ1、λ2)と光軸が一致される。さらに、かかるレーザ光(波長λ3)は、波長選択性λ/2板161によって偏光面が90°回転される。これにより、上記2つのレーザ光(波長λ1、λ2)と偏光面が一致される。
【0048】
以上のようにしてダイバージョン効果を受けた3つのレーザ光(波長λ1、λ2、λ3)は、何れも偏光ビームスプリッタ106を透過する。そして、上記と同様、ディスク上に収束され、また、その反射光が光検出器112に導かれる。
【0049】
本実施の形態によれば、3つのレーザ素子151、152、153からのレーザ光の光軸を一致させることができると共に、ホログラム156a、160aおよび波長選択性ホログラム素子162によって、これら3つのレーザ光にダイバージョン効果を導入することができる。
【0050】
なお、本実施の形態は、3つレーザ素子を配するものであったが、偏光プリズム158、三角プリズム159および平板プリズム160の組合せを適宜配すれば、4つ以上のレーザ素子からのレーザ光に対する光軸あわせおよびダイバージョン効果の導入を行うこともできる。
【0051】
以上、本発明に係る種々の実施形態を説明したが、本発明は上記実施の形態に限定されるものではなく、他に種々の変更が可能であることは言うまでもない。例えば、上記実施の形態では、波長選択性ホログラム素子130を三角プリズム103の後段位置に配したが、三角プリズム103の前段位置に配するようにしても良い。同様に、ホログラム104aを三角プリズム103の裏面に配し、当該裏面にて反射されるレーザ光にダイバージョン効果を導入するようにしても良い。
【0052】
本発明の実施の形態は、本発明の技術的思想の範囲内において、適宜、種々の変更が可能である。
【0053】
【発明の効果】
以上、本発明によれば、コンパクトな形状にてダイバージョン効果を適正に導入し得る複数波長の光ピックアップ装置を実現できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施の形態に係る光ピックアップ装置の光学系を示す図
【図2】他の実施の形態に係る光ピックアップ装置の光学系を示す図
【図3】更に他の実施の形態に係る光ピックアップ装置の光学系を示す図
【図4】更に他の実施の形態に係る光ピックアップ装置の光学系を示す図
【図5】従来例に係る光ピックアップ装置の光学系を示す図
【符号の説明】
100 半導体レーザ
101 レーザ素子
102 レーザ素子
103 三角プリズム
103a 偏光膜
104 平板プリズム
104a ホログラム
104b 反射膜
105 波長選択性λ/2板
108 コリメータレンズ
120 波長選択性λ/2板
130 波長選択性ホログラム素子
150 半導体レーザ
151 レーザ素子
152 レーザ素子
153 レーザ素子
154 波長選択性λ/2板
155 三角プリズム
155a 偏光膜
156 平板プリズム
156a ホログラム
156b 反射膜
157 波長選択性λ/2板
158 偏光プリズム
159 三角プリズム
159a 偏光膜
160 平板プリズム
160a ホログラム
160b 反射膜
【発明の属する技術分野】
本発明は、光ピックアップ装置に関し、特に、複数波長のレーザ光を発して情報を記録および/もしくは再生する光ピックアップ装置に用いて好適なものである。
【0002】
【従来の技術】
コンパクトディスク(CD)とデジタルバーサタイルディスク(DVD)の両方を互換再生できる光ピックアップ装置においては、波長の異なる2つの半導体レーザが光ピックアップ装置内に配備されている。図5に、かかる光ピックアップ装置の光学系を示す。
【0003】
図において、201はCD再生用のレーザ光を出射する半導体レーザ、202はDVD再生用のレーザ光を出射する半導体レーザ、203、204はレーザ光の拡散度合を調整するダイバージョンレンズ、205はハーフミラー、206は偏光ビームスプリッタ、207はλ/4板、208はコリメータレンズ、209は反射ミラー、210は対物レンズ、211はシリンドリカルレンズ、212は光検出器である。
【0004】
半導体レーザ201、202から出射されたレーザ光は、それぞれダイバージョンレンズ203、204にて拡散度合が調整された後、ハーフミラー205にて反射または透過される。ここで、半導体レーザ201、202は、ハーフミラー205で反射または透過された2つのレーザ光の光軸が一致するように、それぞれの配置が調整されている。
【0005】
しかして、ハーフミラー205で反射または透過されたレーザ光は、偏光ビームスプリッタ206を透過した後、λ/4板207にて円偏光に変換される。そして、コリメータレンズ208にて平行ビームとされた後、反射ミラー209にてディスク側に反射され、対物レンズ210にてディスク上に収束される。
【0006】
ディスクからの反射光は、上記の光路を逆行し、λ/4板207にて上記入射時の偏光方向に直行する直線偏光に変換される。これにより、反射光は偏光ビームスプリッタ206により全反射される。そして、シリンドリカルレンズ211によって一方向のみに収束作用を受け、その後、光検出器212上に収束される。ここで、シリンドリカルレンズ211は、周知の非点収差法によってフォーカス制御を行うためのものである。したがって、光検出器212は、反射光を受光するための4分割センサを備えている。
【0007】
上記において、ダイバージョンレンズ203、204は、半導体レーザ201、202からのレーザ光が、それぞれコリメータレンズ208によって平行ビームとされるように、各レーザ光の拡散度合を調整するものである。すなわち、ダイバージョンレンズ203、204は、コリメータレンズ208の収束作用を考慮して、その拡散作用のパラメータが設定されている。
【0008】
かかる光ピックアップ装置では、ハーフミラー205以降の光学系を2つの波長のレーザ光にて共用することができるから、部品点数およびコストの削減を図ることができる。しかしながら、異なる波長のレーザ光を出射する半導体レーザを別々に2個配することから、それぞれの半導体レーザの配置スペースを確保しなければならず、このため、光ピックアップ装置の外形寸法が、その分だけ大きくなってしまうとの問題が生じる。
【0009】
そこで、波長の異なるレーザ光を出射する2つのレーザ素子を並べて配置した、いわゆる2波長レーザを用いるものが提案されている(例えば、特許文献1参照)。この発明では、それぞれのレーザ素子から出射される互いに平行なレーザ光の光軸を、ビーム合致光学素子(立ち上げミラー)にて一致させるといった構成上の改良が施されている。
【0010】
【特許文献1】
特開2002−163836号公報
【0011】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、かかる発明を採用した場合、2つのレーザ光の出射光軸が互いに接近しているため、各レーザ光に対応付けて2つのダイバージョンレンズをそれぞれ個別に配置することができなくなる。すなわち、一方のレーザ光に対してダイバージョンレンズを配置すると、両レーザ光の光軸が接近しているがために、当該ダイバージョンレンズに他方のレーザ光が同時に入射する。かかる問題は、ダイバージョンレンズの半径寸法をレーザ光の光軸間距離よりも小さくすることにより解決できるが、ダイバージョンレンズの小型化には限界があり、また、光軸間距離を大きくすると、半導体レーザやビーム合致光学素子(立ち上げミラー)の形状が大型化するとの問題が生じてしまう。
【0012】
そこで本発明は、レーザ素子を並べて配置することにより外形寸法の小型化を図ると共に、シリンドリカルレンズや対物レンズ等の光学系を共用しながら、上記ダイバージョンレンズによる効果を適正に導入し得る光ピックアップ装置を提供することを課題とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】
上記課題に鑑み本発明は、それぞれ以下の特徴を有する。
【0014】
請求項1の発明は、波長の異なる互いに平行なレーザ光を発する複数のレーザ素子と、前記複数のレーザ光の光軸を一致させる光軸整合手段と、前記複数のレーザ光のうち所定の波長のレーザ光のみに拡散または収束作用を及ぼす調整手段とを備え、前記調整手段は、他の光学素子の作用と相俟って、前記各レーザ光が所定の焦点距離を有するように、その拡散または収束作用の度合いが調整されていることを特徴とする光ピックアップ装置である。
【0015】
請求項2の発明は、請求項1に記載の光ピックアップ装置において、前記光軸整合手段は、前記複数のレーザ光のうち所定のレーザ光のみを透過すると共に他のレーザ光を反射する第1の面と、当該第1の面を透過したレーザ光を反射して当該レーザ光を前記第1の面に導く第2の面とを有するプリズム手段を備え、前記調整手段は、当該プリズム手段の前記第2の面に配備されると共に前記第1の面を透過したレーザ光に拡散または収束作用を及ぼす光学手段を含むことを特徴とする。
【0016】
請求項3の発明は、請求項2に記載の光ピックアップ装置において、前記第1の面を透過したレーザ光に拡散または収束作用を及ぼす光学手段は、前記第2の面に形成されたホログラムによって構成されていることを特徴とする。
【0017】
請求項4の発明は、請求項2または3に記載の光ピックアップ装置において、前記第1の面には、所定波長のレーザ光のみを透過する波長選択膜が形成されていることを特徴とする。
【0018】
請求項5の発明は、請求項1ないし4の何れかに記載の光ピックアップ装置において、前記光軸整合手段は、前記複数のレーザ光のうち所定のレーザ光のみを透過すると共に他のレーザ光を反射する第1の面と、当該第1の面を透過したレーザ光を反射して当該レーザ光を前記第1の面に導く第2の面とを有するプリズム手段を備え、前記調整手段は、当該プリズム手段の前記第1の面によって反射されるレーザ光に拡散または収束作用を及ぼす光学手段を含むことを特徴とする。
【0019】
請求項6の発明は、請求項5に記載の光ピックアップ装置において、前記第1の面によって反射されるレーザ光に拡散または収束作用を及ぼす光学手段は、当該反射されるレーザ光のみに選択的に拡散または収束作用を及ぼす波長選択性の回折格子手段によって構成されていることを特徴とする。
【0020】
本発明の特徴は、以下に示す実施の形態の説明により更に明らかとなろう。
【0021】
ただし、以下の実施の形態は、あくまでも、本発明の一つの実施形態であって、本発明ないし各構成要件の用語の意義は、以下の実施の形態に記載されたものに制限されるものではない。
【0022】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態につき図面を参照して説明する。
【0023】
まず、図1に実施の形態に係るピックアップ装置の光学系を示す。図において、100は半導体レーザ、101は波長λ1のレーザ光を出射するレーザ素子、102は波長λ2のレーザ光を出射する半導体レーザ、103は三角プリズム、104は三角プリズム103の裏面にその上面が密着するようにして配された平板プリズム、105は波長λ1にレーザ光のみ偏光面を90°回転させる波長選択性λ/2板、106は偏光ビームスプリッタ、107はλ/4板、108はコリメータレンズ、109は反射ミラー、110は対物レンズ、111はシリンドリカルレンズ、112は光検出器である。
【0024】
上記三角プリズム103と平板プリズム104とは、互いに屈折率の異なる光透過性材料によって形成されている。また、三角プリズム103の裏面には、λ1の波長のレーザ光を透過し、λ2に波長のレーザ光を反射する偏光膜103aが形成されている。すなわち、レーザ素子101と102は、それぞれから出射されるレーザ光の偏光面が互いに直交するように配置されており、このうちレーザ素子101からのレーザ光の偏光面が偏光膜103aの偏光面に平行となっている。
【0025】
さらに、平板プリズム104の裏面には、レーザ光の拡散度合の調整効果(以下、「ダイバージョン効果」という)を生じるホログラム104aが形成されており、更に、その上に反射膜104bが形成されている。
【0026】
なお、ダイバージョン効果を有する反射型ホログラムについては、たとえば株式会社新技術コミュニケーションズ社発行、雑誌「O plus E」1996年5月号に記載の技術を用いて形成できる。ホログラムのパターンおよびピッチを調整することにより、レーザ光に拡散作用または収束作用を導入することができる。
【0027】
平板プリズム104の厚みは、図1に示す如く、平板プリズム104を透過したλ1のレーザ光の光軸と、三角プリズム103の裏面にて反射されたλ2のレーザ光の光軸が、当該三角プリズム103の裏面の反射点(λ2のレーザ光が反射される位置)において一致するような厚みに設定されている。また、平板プリズム104の裏面のホログラム104は、平板プリズム104に入射したλ1のレーザ光の光軸位置に形成されている。
【0028】
図1の光学系において、レーザ素子101から出射されたレーザ光は、ホログラム104aにて拡散度合が調整された後、三角プリズム103を介して波長選択性λ/2板105に入射され、偏光面が90°回転される。これにより、レーザ素子101からのレーザ光の偏光面は、レーザ素子102からのレーザ光の偏光面に一致する。しかる後、レーザ素子101からのレーザ光は偏光ビームスプリッタ106に入射する。
【0029】
他方、レーザ素子102から出射されたレーザ光は、ホログラム104aにて拡散度合が調整されることなく、且つ、波長選択性λ/2板105により偏光面が回転されることなく、三角プリズム103と波長選択性λ/2板105を介して、偏光ビームスプリッタ106に入射される。
【0030】
しかして、偏光ビームスプリッタ106に入射された各レーザ光は、偏光ビームスプリッタ106を透過した後、λ/4板107にて円偏光に変換される。そして、コリメータレンズ108にて平行ビームとされた後、反射ミラー109にてディスク側に反射され、対物レンズ110にてディスク上に収束される。
【0031】
ディスクからの反射光は、上記の光路を逆行し、λ/4板107にて上記入射時の偏光方向に直行する直線偏光に変換される。これにより、反射光は偏光ビームスプリッタ106により全反射される。そして、シリンドリカルレンズ111によって一方向のみに収束作用を受け、その後、光検出器112上に収束される。
【0032】
上記において、半導体レーザ100は、レーザ素子102からのレーザ光(波長λ2)がコリメータレンズ108によって平行ビームとされる位置に配置されている。したがって、ホログラム104aは、レーザ素子101からのレーザ光(波長λ1)がコリメータレンズ108にて平行ビームとされるように、当該レーザ光の拡散度合を調整し得るパラメータにて形成されている。
【0033】
しかして、レーザ素子101、102からの各レーザ光は、同一の光軸にてコリメータレンズ108に入射すると共に、両レーザ光ともコリメータレンズ108によって平行ビームとされるようになる。これにより、ディスクの記録面上に適正に各レーザ光を収束させることができ、よって、円滑な記録再生動作を実現することができるようになる。
【0034】
以上のように本実施の形態によれば、偏光膜103aとホログラム104aを形成するといった簡素な構成の追加により、2波長レーザからのレーザ光にダイバージョン効果を適正に導入することができる。よって、上記従来のピックアップ装置に比べ、光ピックアップ装置本体の形状を、飛躍的にコンパクト化することができる。
【0035】
図2に、他の実施形態に係る光ピックアップ装置の光学系を示す。本実施の形態では、それぞれのレーザ光の偏光面が一致するようにレーザ素子101、102を配置する。そして、レーザ素子101からのレーザ光の偏光面のみを波長選択性λ/2板120によって90°回転させる。三角プリズム103の裏面に形成された偏光膜103aは、上記第1の実施の形態と同様、レーザ素子101からのレーザ光のみを透過するように形成されている。すなわち、レーザ素子101からのレーザ光は、波長選択性λ/2板120によって偏光面が90°回転されることにより、その偏光面が偏光膜103aの偏光面に一致する。これにより、レーザ素子101、102から出射されるレーザ光のうち、レーザ素子101からのレーザ光のみが、三角プリズム103の裏面を透過し、上記と同様にして、ダイバージョン効果を受ける。
【0036】
なお、図2に示す光学系のうち、上述したレーザ素子101、102の配置および波長選択性λ/2板120以外の構成は、上記図1の光学系と同様であるので、ここではその説明を省略する。
【0037】
図3に、さらに他の実施形態に係る光ピックアップ装置の光学系を示す。本実施の形態では、波長選択性ホログラム素子130を配し、レーザ素子102からのレーザ光(波長λ2)にのみ、ダイバージョン効果を導入するものである。
【0038】
ここで、波長選択性ホログラム素子130は、レーザ素子102からのレーザ光(波長λ2)にのみ回折格子として機能するホログラムパターンを有する。かかるホログラムパターンは、レーザ素子102からのレーザ光(波長λ2)がコリメータレンズ108により平行ビームとされるように、当該レーザ光の拡散度合を調整し得るパラメータにて形成されている。
【0039】
また、ホログラム104aは、上記の実施形態(図1、図2)と同様、レーザ素子101からのレーザ光(波長λ1)がコリメータレンズ108にて平行ビームとされるように、当該レーザ光の拡散度合を調整し得るパラメータにて形成されている。その他の構成は、上記図1、図2の光学系と同様であるので、ここではその説明を省略する。
【0040】
本実施の形態によれば、レーザ素子101からのレーザ光(波長λ1)のみならずレーザ素子102からのレーザ光(波長λ2)にもダイバージョン効果を導入することができる。よって、半導体レーザ100の配置およびコリメータレンズ108の特性パラメータに自由度を持たせることができ、ピックアップ装置の小型化および設計の簡易化を図ることができる。
【0041】
図4に、さらに他の実施形態に係る光ピックアップ装置の光学系を示す。上記実施の形態では、2つのレーザ素子101、102を配するものであったが、本実施の形態では、波長の異なる3つのレーザ素子を有する半導体レーザを用いている。
【0042】
図4の光学系において、レーザ素子151、152、153は、そこから出射されるレーザ光の偏光面が互いに一致するようにして、半導体レーザ150に配されている。
【0043】
これら各レーザ光のうち、レーザ素子151からのレーザ光(波長λ1)は、波長選択性λ/2板154によって偏光面が90°回転される。これにより、かかるレーザ光(波長λ1)のみが、ホログラム156aに導かれ、これによってダイバージョン効果を受ける。かかる、かかるレーザ光(波長λ1)は、上記と同様、平板プリズム156の作用によって、レーザ素子152からのレーザ光(波長λ2)と光軸が一致するよう調製される。
【0044】
レーザ素子152からのレーザ光(波長λ2)は、波長選択性λ/2板157によって偏光面が90°回転される。これにより、上記光軸が一致されたレーザ素子151からのレーザ光(波長λ1)と偏光面が一致する。このようにして偏光面が一致された2つのレーザ光(波長λ1、λ2)は、偏光プリズム158の偏光面158aを透過し、反射面158bによって下方向に反射される。そして、三角プリズム159の偏光膜159によって反射され、波長選択性λ/2板161および波長選択性ホログラム素子162に導かれる。
【0045】
ここで、波長選択性λ/2板161は、波長λ1のレーザ光のみその偏光面を90°回転させる。また、波長選択性ホログラム素子162は、波長λ2のレーザ光のみにダイバージョン効果を及ぼすホログラムパターンを有する。よって、上記偏光膜159aにて反射された2つのレーザ光(波長λ1、λ2)は、波長選択性λ/2板161によっては偏光面が回転されず、そのままこれを透過する。また、2つのレーザ光のうち、レーザ素子152からのレーザ光(波長λ2)のみが、波長選択性ホログラム素子162によってダイバージョン効果を受ける。
【0046】
他方、これら2つのレーザ光(波長λ1、λ2)と偏光面が直交する、レーザ素子153からのレーザ光(波長λ3)は、偏光プリズム158の偏光面158aによって下方向に反射される。かかるレーザ光(波長λ3)は、三角プリズム159の裏面に形成された偏光膜159を透過し、ホログラム160aによってダイバージョン効果を受ける。
【0047】
このようにしてダイバージョン効果を受けたレーザ光(波長λ3)は、反射膜160bによって反射され、三角プリズム159へと導かれる。しかして、かかるレーザ光(波長λ3)は、上記偏光プリズム158の反射面158bによって反射された2つのレーザ光(波長λ1、λ2)と光軸が一致される。さらに、かかるレーザ光(波長λ3)は、波長選択性λ/2板161によって偏光面が90°回転される。これにより、上記2つのレーザ光(波長λ1、λ2)と偏光面が一致される。
【0048】
以上のようにしてダイバージョン効果を受けた3つのレーザ光(波長λ1、λ2、λ3)は、何れも偏光ビームスプリッタ106を透過する。そして、上記と同様、ディスク上に収束され、また、その反射光が光検出器112に導かれる。
【0049】
本実施の形態によれば、3つのレーザ素子151、152、153からのレーザ光の光軸を一致させることができると共に、ホログラム156a、160aおよび波長選択性ホログラム素子162によって、これら3つのレーザ光にダイバージョン効果を導入することができる。
【0050】
なお、本実施の形態は、3つレーザ素子を配するものであったが、偏光プリズム158、三角プリズム159および平板プリズム160の組合せを適宜配すれば、4つ以上のレーザ素子からのレーザ光に対する光軸あわせおよびダイバージョン効果の導入を行うこともできる。
【0051】
以上、本発明に係る種々の実施形態を説明したが、本発明は上記実施の形態に限定されるものではなく、他に種々の変更が可能であることは言うまでもない。例えば、上記実施の形態では、波長選択性ホログラム素子130を三角プリズム103の後段位置に配したが、三角プリズム103の前段位置に配するようにしても良い。同様に、ホログラム104aを三角プリズム103の裏面に配し、当該裏面にて反射されるレーザ光にダイバージョン効果を導入するようにしても良い。
【0052】
本発明の実施の形態は、本発明の技術的思想の範囲内において、適宜、種々の変更が可能である。
【0053】
【発明の効果】
以上、本発明によれば、コンパクトな形状にてダイバージョン効果を適正に導入し得る複数波長の光ピックアップ装置を実現できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施の形態に係る光ピックアップ装置の光学系を示す図
【図2】他の実施の形態に係る光ピックアップ装置の光学系を示す図
【図3】更に他の実施の形態に係る光ピックアップ装置の光学系を示す図
【図4】更に他の実施の形態に係る光ピックアップ装置の光学系を示す図
【図5】従来例に係る光ピックアップ装置の光学系を示す図
【符号の説明】
100 半導体レーザ
101 レーザ素子
102 レーザ素子
103 三角プリズム
103a 偏光膜
104 平板プリズム
104a ホログラム
104b 反射膜
105 波長選択性λ/2板
108 コリメータレンズ
120 波長選択性λ/2板
130 波長選択性ホログラム素子
150 半導体レーザ
151 レーザ素子
152 レーザ素子
153 レーザ素子
154 波長選択性λ/2板
155 三角プリズム
155a 偏光膜
156 平板プリズム
156a ホログラム
156b 反射膜
157 波長選択性λ/2板
158 偏光プリズム
159 三角プリズム
159a 偏光膜
160 平板プリズム
160a ホログラム
160b 反射膜
Claims (6)
- 波長の異なる互いに平行なレーザ光を発する複数のレーザ素子と、前記複数のレーザ光の光軸を一致させる光軸整合手段と、前記複数のレーザ光のうち所定の波長のレーザ光のみに拡散または収束作用を及ぼす調整手段とを備え、
前記調整手段は、他の光学素子の作用と相俟って、前記各レーザ光が所定の焦点距離を有するように、その拡散または収束作用の度合いが調整されている、
ことを特徴とする光ピックアップ装置。 - 請求項1において、
前記光軸整合手段は、前記複数のレーザ光のうち所定のレーザ光のみを透過すると共に他のレーザ光を反射する第1の面と、当該第1の面を透過したレーザ光を反射して当該レーザ光を前記第1の面に導く第2の面とを有するプリズム手段を備え、
前記調整手段は、当該プリズム手段の前記第2の面に配備されると共に前記第1の面を透過したレーザ光に拡散または収束作用を及ぼす光学手段を含む、
ことを特徴とする光ピックアップ装置。 - 請求項2において、
前記第1の面を透過したレーザ光に拡散または収束作用を及ぼす光学手段は、前記第2の面に形成されたホログラムによって構成されている、
ことを特徴とする光ピックアップ装置。 - 請求項2または3において、
前記第1の面には、所定波長のレーザ光のみを透過する波長選択膜が形成されている、
ことを特徴とする光ピックアップ装置。 - 請求項1ないし4の何れかにおいて、
前記光軸整合手段は、前記複数のレーザ光のうち所定のレーザ光のみを透過すると共に他のレーザ光を反射する第1の面と、当該第1の面を透過したレーザ光を反射して当該レーザ光を前記第1の面に導く第2の面とを有するプリズム手段を備え、
前記調整手段は、当該プリズム手段の前記第1の面によって反射されるレーザ光に拡散または収束作用を及ぼす光学手段を含む、
ことを特徴とする光ピックアップ装置。 - 請求項5において、
前記第1の面によって反射されるレーザ光に拡散または収束作用を及ぼす光学手段は、
当該反射されるレーザ光のみに選択的に拡散または収束作用を及ぼす波長選択性のホログラムによって構成されている、
ことを特徴とする光ピックアップ装置。
Priority Applications (1)
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Publications (1)
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Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
EP1923878A1 (en) * | 2006-11-16 | 2008-05-21 | Funai Electric Co., Ltd. | Optical pickup device |
EP1923877A1 (en) * | 2006-11-17 | 2008-05-21 | Funai Electric Co., Ltd. | Optical pickup device |
EP1930890A1 (en) * | 2006-12-04 | 2008-06-11 | Funai Electric Co., Ltd. | Optical pickup device |
-
2002
- 2002-09-24 JP JP2002276760A patent/JP2004118882A/ja active Pending
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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EP1923878A1 (en) * | 2006-11-16 | 2008-05-21 | Funai Electric Co., Ltd. | Optical pickup device |
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