JP2004118681A - 茶系飲料供給装置の粉砕茶葉生成装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】茶葉を粉砕する機構部分をコンパクトに維持しながら、構造を単純化することができる茶系飲料供給装置の粉砕茶葉生成装置を提供する。
【解決手段】茶葉を粉砕することにより、茶系飲料の抽出原料としての粉砕茶葉を生成する茶系飲料供給装置の粉砕茶葉生成装置であって、上方に開口した茶葉投入口86aと、底部に側方に開口するように形成された粉砕茶葉吐出口86bとを有し、茶葉投入口86aを介して上方から投入された茶葉を収容するケーシング86と、ケーシング86内の底部に、一端部が粉砕茶葉吐出口86b付近に位置し、水平に延びるとともに回転自在に設けられ、ケーシング86内の茶葉を粉砕するとともに、これにより生成された粉砕茶葉を粉砕茶葉吐出口86bから外方へ送り出す粉砕刃87と、この粉砕刃87の他端側に配置され、粉砕刃87を回転駆動する駆動機構88と、を備えている。
【選択図】 図17
【解決手段】茶葉を粉砕することにより、茶系飲料の抽出原料としての粉砕茶葉を生成する茶系飲料供給装置の粉砕茶葉生成装置であって、上方に開口した茶葉投入口86aと、底部に側方に開口するように形成された粉砕茶葉吐出口86bとを有し、茶葉投入口86aを介して上方から投入された茶葉を収容するケーシング86と、ケーシング86内の底部に、一端部が粉砕茶葉吐出口86b付近に位置し、水平に延びるとともに回転自在に設けられ、ケーシング86内の茶葉を粉砕するとともに、これにより生成された粉砕茶葉を粉砕茶葉吐出口86bから外方へ送り出す粉砕刃87と、この粉砕刃87の他端側に配置され、粉砕刃87を回転駆動する駆動機構88と、を備えている。
【選択図】 図17
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、例えばカップ式自動販売機や飲料ディスペンサなどに適用され、茶葉を粉砕することにより、茶系飲料の抽出原料としての粉砕茶葉を生成する茶系飲料供給装置の粉砕茶葉生成装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、カップ式自動販売機に適用された粉砕茶葉生成装置として、特開平11−345365号公報に記載のものが知られている。この粉砕茶葉生成装置は、鉛直方向に延びる円筒状の外側ミル部と、この外側ミル部の内側に、鉛直軸線回りに回転自在に設けられた円柱状の内側ミル部と、この内側ミル部の上部の中心から上方に延びる回転軸を介して、内側ミル部を回転させるモータとを有している。外側ミル部の内周面および内側ミル部の外周面にはそれぞれ、複数の溝が形成されている。そして、この粉砕茶葉生成装置では、内側ミル部が回転することにより、次のようにして、茶葉から粉砕茶葉が生成される。
【0003】
すなわち、茶葉が外側ミル部の上方からその内部に投入されるとともに、内側ミル部が回転すると、その茶葉は、外側ミル部の内周面と内側ミル部の外周面との隙間に入り込み、両ミル部の互いに対向する溝を介して粉砕される。そして、生成された粉砕茶葉は、外側ミル部と内側ミル部との隙間から、下方に落下し、所定の混合器に供給されたり、カップに直接供給されたりする。なお、粉砕茶葉が供給された混合器やカップには、所定量の温水が供給されるとともに、粉砕茶葉と攪拌され、粉砕茶葉入りの茶系飲料が調理される。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
上記の粉砕茶葉生成装置では、茶葉を粉砕するために、円筒状の外側ミル部の内周面、および円柱状の内側ミル部の外周面を利用しているので、一般的な挽き臼タイプ、すなわち上下に円盤状のミル部を重ね合わせたものに比べて、茶葉を粉砕する機構部分をコンパクトに構成することが可能である。しかし、この粉砕茶葉生成装置では、粉砕茶葉の生成の際に、外側ミル部の上方から茶葉を投入するとともに、内側ミル部をその上方に延びる回転軸を介して回転させている。つまり、粉砕茶葉生成装置では、内側ミル部を回転させるために、その上方に延びる回転軸の付近、すなわち外側ミル部の上方に駆動機構を配置しなければならず、そのため、その駆動機構を避けながら粉砕すべき茶葉を投入しなければならない。その結果、粉砕茶葉生成装置の駆動機構や茶葉を投入する機器の構造が複雑になるとともに、装置自体の上下方向のサイズが大きくなってしまう。
【0005】
本発明は、以上のような課題を解決するためになされたものであり、茶葉を粉砕する機構部分をコンパクトに維持しながら、構造を単純化することができる茶系飲料供給装置の粉砕茶葉生成装置を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明に係る粉砕茶葉生成装置は、茶葉を粉砕することにより、茶系飲料の抽出原料としての粉砕茶葉を生成する茶系飲料供給装置の粉砕茶葉生成装置であって、上方に開口した茶葉投入口と、底部に側方に開口するように形成された吐出口とを有し、茶葉投入口を介して上方から投入された茶葉を収容する茶葉収容器と、茶葉収容器内の底部に、一端部が吐出口付近に位置し、水平に延びるとともに回転自在に設けられ、茶葉収容器内の茶葉を粉砕するとともに、これにより生成された粉砕茶葉を吐出口から外方へ送り出す粉砕刃と、この粉砕刃の他端側に配置され、粉砕刃を回転駆動する駆動手段と、を備えていることを特徴とする。
【0007】
この構成によれば、水平に延びる粉砕刃を駆動手段で所定方向に回転させることにより、上方から茶葉投入口を介して茶葉収容器に投入された茶葉を粉砕し、生成された粉砕茶葉を、吐出口から外方へ送り出す。茶葉収容器に投入すべき茶葉は、茶葉投入口を介して、茶葉収容器の上方から投入される一方、粉砕刃を回転駆動する駆動手段は、粉砕刃の他端側に配置されるので、茶葉収容器に茶葉を投入する際に、粉砕刃を駆動するための駆動手段などが邪魔になることがない。したがって、従来の粉砕茶葉生成装置に比べて、構成を単純化することができる。また、水平に延びる粉砕刃が、その軸線を中心に回転しながら茶葉を粉砕するので、一般的な挽き臼タイプと異なり、茶葉を粉砕する機構部分をコンパクトに構成することができる。
【0008】
この場合、粉砕刃は、水平に延びる回転軸部と、この回転軸部の表面に、螺旋状に連続的に延びるように設けられた螺旋刃部と、を有していることが好ましい。
【0009】
この構成によれば、回転軸部が所定方向に回転するだけで、螺旋刃部で茶葉を粉砕し、生成された粉砕茶葉を吐出口の外方に送り出す粉砕刃を、単純な構成で容易に実現することができる。
【0010】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照しながら、本発明の好ましい実施形態を詳細に説明する。図1は、本発明を適用したカップ式自動販売機の内部を示している。このカップ式自動販売機1は、一般的なジュースやレギュラーコーヒーの販売に加え、茶系飲料を販売時に1杯ごとに抽出を行い、購入者に提供するものである。なお、茶系飲料としては、例えば日本茶(例えば緑茶)、中国茶(例えば烏龍茶)および紅茶などがあり、以下の説明では、日本茶の販売を中心に説明する。
【0011】
図1に示すように、このカップ式自動販売機1は、前面が開口した縦長ボックス状の販売機本体2を有しており、その内部には、主にジュースを調理するジュース調理部3と、レギュラーコーヒーを調理するコーヒー調理部4と、茶系飲料を調理する茶系飲料調理部5と、これらを含め、カップ式自動販売機1内の各種の制御を行うマイクロコンピュータを有する制御装置(図示せず)とを備えている。また、販売機本体2内には、同図(b)に示すように、多数のカップCを互いに積み重ねた状態で収納するとともに、販売時に、1個ずつカップステージ6に供給するカップディスペンサ7が設けられている。
【0012】
ジュース調理部3は、販売機本体2内の主に左半部に配置されており、外部から取り込んだ水道水などの飲料用水を貯留するシスターン11と、ジュース原料の各種シロップをそれぞれ封入した複数のシロップタンク12(図1では1つのみ図示)と、炭酸ガスを封入した炭酸ガスボンベ13と、シスターン11内の水および炭酸ガスボンベ13内の炭酸ガスで、炭酸水を生成するカーボネータ(図示せず)と、このカーボネータを収容するとともに、冷却用水を貯留する冷却水槽14と、この冷却水槽14内の冷却用水を冷却する冷却ユニット15と、氷を製造しかつ貯蔵する製氷機16などを有している。
【0013】
このジュース調理部3では、購入者により所望のジュースが選択されると、そのジュースのシロップタンク12から所定量のシロップが、シスターン11から所定量の水が、冷却水槽14を介して冷却され、所定のコールド用飲料ノズル(図示せず)を介して、カップCに供給される。また、選択されたジュースが炭酸飲料である場合には、冷却水槽14で冷却された所定量の炭酸水が、炭酸水ノズル17を介して、カップCに供給される。さらに、氷入りが選択された場合には、製氷機16から所定量の氷がカップCに供給される。
【0014】
また、コーヒー調理部4は、販売機本体2内の主に右端部に配置されており、コーヒー豆を収納するコーヒー豆用キャニスタ21と、このキャニスタ21から供給されたコーヒー豆を挽き、挽き豆を生成するコーヒーミル22と、温水を貯留する温水タンク23と、販売時に、挽き豆および温水によりコーヒーを抽出するコーヒー抽出機24と、砂糖およびクリームをそれぞれ収納する砂糖用キャニスタ25およびクリーム用キャニスタ26などを有している。なお、クリーム用キャニスタ26には、一般的なクリームおよびホイップクリームがそれぞれ収納できるようになっている。
【0015】
このコーヒー調理部4では、購入者によりコーヒーが選択されると、コーヒー豆用キャニスタ21から所定量のコーヒー豆が、コーヒーミル22に供給され、挽き豆が生成される。次いで、その挽き豆、および温水タンク23から所定量の温水が、コーヒー抽出機24に供給され、その内部が加圧されながら、コーヒーが抽出される。そして、抽出されたコーヒーは、カップステージ6上のカップCに供給される。またこの場合、砂糖入り、あるいはクリーム入りのコーヒーが選択された場合には、砂糖用キャニスタ25から所定量の砂糖が、クリーム用キャニスタ26から所定量のクリームが、それぞれのキャニスタに対応するミキシングボウル27に供給されるとともに、それぞれのミキシングボウル27に、抽出されたコーヒーが供給される。そして、各ミキシングボウル27内で、コーヒーが砂糖やクリームとともに攪拌された後、ミキシングボウル27に接続されたチューブ(図示せず)、およびそのチューブの先端部に接続されたホット用飲料ノズル28を介して、砂糖および/またはクリーム入りコーヒーがカップCに供給される。なお、コーヒー抽出機24でコーヒーが抽出された後の挽き豆の滓などは、シュート29を介して、茶系飲料調理部5と共用される滓バケツ30に回収される。
【0016】
次に、茶系飲料調理部5について詳述する。この茶系飲料調理部5は主に、販売機本体2内の上記コーヒー調理部4の左側に配置されており、茶葉を収容する茶葉用キャニスタ31と、この茶葉用キャニスタ31から供給された茶葉を粉砕するとともに、これによって生成された粉砕茶葉を収容しかつ販売時に所定量分、送り出すミル・キャニスタユニット32と、販売時に、粉砕茶葉および温水により茶系飲料を抽出する茶系飲料抽出機33と、上記コーヒー調理部4と共用する温水タンク23などを備えている。温水タンク23には、調理すべき飲料に応じた複数の電磁弁23a(図1では2つのみ図示)が設けられており、その開閉により、温水タンク23から所定量の温水が、茶系飲料抽出機33などに送り出される。また、この温水タンク23には、図示しないヒータが設けられており、貯留された温水がほぼ97℃の温度に保たれるようになっている。
【0017】
なお、上記コーヒー調理部4の砂糖用キャニスタ25の左側には、茶系飲料用の2つのキャニスタ34、34が配置されており、例えば紅茶を販売する場合に、砂糖や、粉末状のレモンやクリームなどが収納できるようになっている。
【0018】
図1に示すように、茶葉用キャニスタ31は、横幅が狭くかつ縦長ボックス状に形成された保冷庫35に収容されている。この保冷庫35内は、低温に保たれるとともに、除湿装置35aなどによって、湿度も低く保たれている。茶葉用キャニスタ31は、茶葉が収容されるとともに、下面が開口したキャニスタ本体36と、このキャニスタ本体36の下端部に取り付けられ、キャニスタ本体36内の茶葉を送り出す茶葉送出し装置37とを有している。この茶葉送出し装置37は、いずれも図示しないが、前後方向に延びる軸線を中心に回転可能な螺旋形状のオーガと、これを回転駆動するモータなどを有している。オーガが所定方向に、所定時間回転することにより、所定量の茶葉が、前方の吐出部37aに向かって送り出され、これを介して下方に吐出される。そして、この吐出された茶葉は、シュート38を介して、ミル・キャニスタユニット32に供給される。
【0019】
また、上記茶葉用キャニスタ31に日本緑茶用の茶葉を収容し、日本緑茶を販売する場合には、その茶葉用キャニスタ31に、煎茶:玉露の混合比が、2.5:1ないし3:1の茶葉を収納することが好ましい。このような混合比の日本緑茶用の茶葉を茶葉用キャニスタ31に収容することによって、後述する茶系飲料の調理時にも、同様の混合比を有する茶葉で、高品質の日本緑茶を抽出することができる。すなわち、煎茶に上記割合の玉露を加えることにより、煎茶だけの場合に比べて、渋味を抑えるとともに、適度な甘みが付加された日本緑茶を得ることができ、そのような高品質の日本緑茶を利用者に提供することができる。
【0020】
図2〜図4は、ミル・キャニスタユニット32の外観を示しており、また、図5〜図7は、ミル・キャニスタユニット32の内部構造を説明するための図である。これらの図に示すように、ミル・キャニスタユニット32は、茶葉用キャニスタ31から供給された茶葉を粉砕し、粉砕茶葉を生成するミル41と、生成した粉砕茶葉を収容するとともに、販売時に所定量の粉砕茶葉を茶系飲料抽出機33に送り出す粉砕茶葉キャニスタ42とを有しており、これらのミル41および粉砕茶葉キャニスタ42が、金属製のベース板43に載置された状態で一体に組み付けられている。
【0021】
ミル41は、一般的な挽き臼タイプの機能に加えて、茶葉を挽いて粉砕する前に、茶葉(特に、針状の茎や縒れた葉)を細断する機能を備えている。このミル41は、ミル本体44と、このミル本体44を駆動するミルモータ45とを有している。ミル本体44は、上半部がほぼ円筒状に形成されたケーシング51と、このケーシング51内に、鉛直軸線を中心に回転自在に収容された下ミル部52と、ケーシング51内の下ミル部52の上側に配置され、上下方向に若干スライド可能に構成された上ミル部53と、ケーシング51を上方から覆うように配置されるとともに、上記茶葉用キャニスタ31から供給された茶葉を、上下のミル部52、53に案内するホッパ54とを有している。
【0022】
下ミル部52は、図6(b)および図7に示すように、平面形状が円形に形成されるとともに、上面に多数の溝55aが形成された下ミル円盤部55と、この下ミル円盤部55の上面中心部に突設され、上ミル部53の後述する細断外刃62と協働して、茶葉を細断する細断内刃56とを有している。下ミル円盤部55の上面には、前述したように、多数の溝55aが形成されている。これらの溝55aは、下ミル円盤部55の中心付近から互いに等角度で放射状に延びる8本(図6(b)では7本)の主溝55bと、互いに隣り合う主溝55b、55b間に、一方の主溝55bと平行でかつ互いに等間隔で延びるように形成された多数の副溝55cとで構成されている。一方、細断内刃56は、所定高さを有しかつ外形がほぼ逆漏斗状の内刃支持部56aと、この内刃支持部56aの側面に、互いに反対の側方に突出しかつ段状に形成された左右一対の内刃部56b、56bとで構成されている。
【0023】
このように構成された下ミル部52の下部には、図7に示すように、上下方向に延びる所定形状の駆動軸57が固定されている。また、この駆動軸57の下端部には、駆動ギヤ58が固定されており、この駆動ギヤ58が、ギヤボックス59の出力軸59aに固定された中間ギヤ60にかみ合っている。したがって、上記ミルモータ45が回転することにより、ギヤボックス59、中間ギヤ60、駆動ギヤ58および駆動軸57を介して、下ミル部52が所定方向(例えば図6(b)の矢印方向)に回転する。
【0024】
一方、上ミル部53は、図6(a)および図7に示すように、平面形状がドーナツ状に形成されるとともに、その下面に、上記下ミル円盤部55と同様の多数の溝(図示せず)が形成された上ミル円盤部61と、ほぼ円筒状に上下方向に延び、下端部が上ミル円盤部61の中心部に嵌合した状態で固定されるとともに、上記下ミル部52の細断内刃56が下方から回転可能な状態で挿入された細断外刃62とを有しており、これらの上ミル円盤部61および細断外刃62が上ミルホルダ63によって保持されている。
【0025】
細断外刃62は、上記細断内刃56の外周を覆うとともに、内周面がすり鉢状に形成された外刃周壁部62aと、この外刃周壁部62aの内周面に、互いに等角度でかつ細断内刃62に向かって突出するように設けられた3つの外刃部62bとで構成されている。各外刃部62bは、その上端部が細断内刃62に向かって前下がりに形成されるとともに、その細断内刃56側の端部が、段状の内刃部56bに対応するように、段状に形成されている。なお、各外刃部62bに、細断内刃56の内刃部56bが対向したとき、すなわち最も接近したときには、外刃部62bと内刃部56bとの間が約0.5mmとなる。
【0026】
また、上記の上ミル円盤部61および細断外刃62を保持する上ミルホルダ63は、ケーシング51の上部内周面に対して螺合しており、上ミル円盤部61および細断外刃62とともに、ケーシング51に対し、鉛直軸線を中心に回りながら上下方向に若干移動できるように構成されている。また、この上ミルホルダ63は、ミル・キャニスタユニット32の上部に設けられ、かつ、左右方向に延びる軸線を中心に回転自在の調整ねじ64に係合している。この調整ねじ64が手動で回されることにより、上ミルホルダ63が上下方向に移動し、これにより、下ミル円盤部55と上ミル61との隙間が調整されることによって、茶葉の粉砕粒度が調整される。
【0027】
以上のように構成されたミル41において、上方の茶葉用キャニスタ31からの茶葉が、ホッパ54を介して、上ミル部53に供給されるとともに、下ミル部52が回転すると、その茶葉は次のように粉砕される。まず、上ミル部53の細断外刃62の内側に供給された茶葉は、回転中の細断内刃56で攪拌されながら、細断外刃62の外刃部62bと、細断内刃56の内刃部56bとによって、細断される。通常、一般的な茶葉には、針状の茎や縒れた葉などが含まれている。これらが細断外刃62と細断内刃56との協働によって細断されることにより、茎などが外刃周壁部62a内に留まってしまうことがなく、細断された茶葉は、下ミル円盤部55と上ミル円盤部61との隙間に円滑に導かれる。また、このような茶葉の細断時には、細断外刃62の外刃部62bと、細断内刃56の内刃部56bとは、それらの数および配置の関係上、互いに一個所でしか対向しないので、下ミル部52に作用する細断の負荷を低減でき、これにより、下ミル部52が円滑に回転しながら茶葉を確実に細断することができる。なお、細断外刃62の外刃部62bおよび細断内刃56の内刃部56bの数および位置については、特に限定されるものではなく、茶葉の細断時に、外刃部62bと内刃部56bとが互いに一個所でのみ対向するように構成されていればよい。
【0028】
上記のように細断され、下ミル円盤部55と上ミル円盤部61との隙間に導かれた茶葉は、上下ミル円盤部61、55の互いに対向する面で粉砕されながら、上下ミル円盤部61、55の外周側に向かって送り出される。そして、その送り出された粉砕茶葉は、図7に2点鎖線で示すケーシング51の落下孔51aを介して落下し、粉砕茶葉キャニスタ42に収容される。
【0029】
粉砕茶葉キャニスタ42は、上面が開口し、粉砕茶葉を収容する粉砕茶葉キャニスタ本体71と、その下部に設けられ、粉砕茶葉キャニスタ本体71内の粉砕茶葉を、販売時に所定量ずつ送り出す粉砕茶葉送出し装置72とを有している。粉砕茶葉キャニスタ本体71は、側面形状がほぼ逆台形状に形成されており(図4、7参照)、前端下部には、前方に突出しかつ内部に連通した吐出口71aが設けられている。また、この粉砕茶葉キャニスタ本体71は、所定の容積、例えば茶系飲料を約10杯分調理するのに要する粉砕茶葉(例えば30g)を収容可能な容積を有している。さらに、粉砕茶葉キャニスタ本体71は、所定のキャニスタホルダ73で支持されており、このキャニスタホルダ73に、粉砕茶葉キャニスタ本体71を間にした状態で、左右に粉砕茶葉残量センサ74、74が設けられている。この粉砕茶葉残量センサ74、74は、例えば発光素子および受光素子を有する光センサなどで構成されており、粉砕茶葉キャニスタ本体71内の粉砕茶葉の残存量が所定量を下回ったか否かを検出する。
【0030】
また、粉砕茶葉送出し装置72は、上述した茶葉用キャニスタ31の茶葉送出し装置37とほぼ同様に構成されている。具体的には、前後方向に延びる軸線を中心に回転可能なオーガ75(図4参照)と、これを回転駆動するオーガモータ76とを有している。オーガ75の後端部には駆動ギヤ75aが固定されており、この駆動ギヤ75aに、オーガモータ76の回転軸に固定されたモータギヤ76aがかみ合っている。したがって、販売時にオーガモータ76が回転することにより、モータギヤ76aおよび駆動ギヤ75aを介して、オーガ75が所定方向に所定時間回転する。これにより、粉砕茶葉キャニスタ本体71内の粉砕茶葉が、前方の吐出口71aから吐出され、シュート77を介して下方に落下し、茶系飲料抽出機33に供給される。
【0031】
また、ミル・キャニスタユニット32では、上記ミル41が、防振機構81を介してベース板43上に取り付けられている。この防振機構81は、ベース板43上に、互いに間隔を隔てて突設され、例えばゴムなどの弾性材料からなる複数の防振部材82と、これらの防振部材82の上半部が貫通した状態で、ベース板43上に隙間をあけた状態で配置された防振プレート83とを有している。また、この防振プレート83の左右両端部は、ミル・キャニスタユニット32の左右の側壁を構成しかつミル41の上部を支持する下向きコ字状のケース84に取り付けられている。このような防振機構81により、ミル41の作動に伴う振動が粉砕茶葉キャニスタ42に及ぶのを防止し、これにより、粉砕茶葉キャニスタ本体71の吐出口71aから、粉砕茶葉が勝手に零れ出ることを防止することができる。
【0032】
図16は、上記ミル・キャニスタユニット32におけるミル41の変形例を示しており、図17は、その内部構造を示している。このミル85は、本発明の粉砕茶葉生成装置を適用した、左右方向の厚さが薄いタイプのものである。ミル85は、所定形状のケーシング86(茶葉収容器)と、このケーシング86内の底部に、前後方向(図17では左右方向)に延びる軸線を中心に回転自在に設けられた粉砕刃87と、この粉砕刃87を回転駆動する駆動機構88(駆動手段)とを備えている。ケーシング86は、上方に開口した茶葉投入口86aと、底部前端部に前方に突出するように設けられた円筒状の粉砕茶葉吐出口86bとを有している。また、図16(a)に示すように、ケーシング86は、左右方向の厚さが薄く、上述したミル・キャニスタユニット32における粉砕茶葉キャニスタ42の左右方向の寸法と同程度に形成されている。さらに、図17に示すように、粉砕茶葉吐出口86bの内周面には、アダプタ89を介して、内周面に複数の溝あるいは多数の凹凸などが形成された円筒状の円筒刃90が取り付けられている。
【0033】
また、粉砕刃87は、図17に示すように、前後方向に延びる回転軸部87aと、この回転軸部87aの表面に、螺旋状に連続的に延びる螺旋刃部87bとを有している。粉砕刃87の前端部は、螺旋刃部87bを介して、上記粉砕茶葉吐出口86b内の円筒刃90の内周面に摺接している。一方、粉砕刃87の後端部は、ケーシング86に回転自在に支持されるとともに、ケーシング86の背面側に設けられた駆動機構88に連結されている。この駆動機構88は、モータや複数のギヤなどで構成されており、粉砕刃87を前後方向に延びる軸線を中心に所定方向(図17の矢印方向)に回転駆動するようになっている。
【0034】
このように構成されたミル85では、上記ミル41と同様に、上方の茶葉用キャニスタ31から、上端部の茶葉投入口86aを介してケーシング86内に供給された茶葉は、次のようにして粉砕される。すなわち、駆動機構88により、粉砕刃87が回転すると、ケーシング86内の茶葉は、粉砕刃87のほぼ後半部の螺旋刃部87bで細断されるとともに、前方の粉砕茶葉吐出口86bに向かって送られる。その細断された茶葉は、粉砕刃87のほぼ前半部の螺旋刃部87bと円筒刃90との協働により、粉砕されながら更に前方に送られる。そして、生成された粉砕茶葉は、粉砕茶葉吐出口86bを介して前方に吐出され、上記粉砕茶葉キャニスタ42に供給される。
【0035】
以上のように、ミル85では、ケーシング86に供給される茶葉が、茶葉投入口86aを介して、上方から投入される一方、粉砕刃87を回転駆動する駆動機構88が、粉砕刃87の後ろ側に配置されているので、ケーシング86に茶葉を投入する際に、従来と異なり、駆動機構88が邪魔になることがない。したがって、従来の粉砕茶葉生成装置に比べて、構成を単純化することができる。また、前後方向に延びる粉砕刃87が、その軸線を中心に回転しながら茶葉を粉砕するので、従来の粉砕茶葉生成装置や上記ミル41のような一般的な挽き臼タイプと異なり、茶葉を粉砕する機構部分、特に上下左右の寸法をコンパクトに構成することができる。その結果、カップ式自動販売機1内に設置されるミル・キャニスタユニット32の省スペース化を図ることができ、これにより、複数種類の茶系飲料を販売するために、複数の茶葉用キャニスタ31をカップ式自動販売機1内に設置しても、それらに対応して、複数のミル・キャニスタユニット32を省スペースで設置することが可能である。
【0036】
ここで、上記のように構成された茶葉用キャニスタ31およびミル・キャニスタユニット32の動作制御について、図8〜図11を参照しながら説明する。図8は、その動作制御のメイン処理を示すフローチャートである。本処理ではまず、ステップ1(「S1」と図示。以下同じ)において、粉砕茶葉残量センサ74により、粉砕茶葉キャニスタ42内の粉砕茶葉の残存量が、所定量(例えば、最大収容量の半分程度)を下回ったか否かを判別する。この判別結果がNOであるとき、すなわち粉砕茶葉の残存量が所定量以上であるときには、そのまま本メイン処理を終了する。一方、粉砕茶葉の残存量が所定量を下回ったときには(ステップ1:YES)、続くステップ2のミル内の茶葉払出し処理を実行する。
【0037】
図9に示すように、ミル内の茶葉払出し処理ではまず、ミル41を作動させる(ステップ11)。その作動開始後、所定時間(例えば20秒)が経過したときに(ステップ12:YES)、ミル41を停止させる(ステップ13)。本サブルーチンは、ミル41に茶葉を供給することなく、ミル41を所定時間作動させることにより、ミル41内に茶葉が残存している場合に、その茶葉を粉砕し、粉砕茶葉キャニスタ42に払い出すものである。本サブルーチンの終了後、図8のステップ3に進み、粉砕茶葉の残存量が所定量以上になったか否かを判別する。
【0038】
このステップ3の判別結果がYES、すなわち、ミル41内に残存していた茶葉が粉砕茶葉キャニスタ42に払い出されることによって、粉砕茶葉の残存量が増加し、所定量以上になったときには、そのままメイン処理を終了する。一方、ステップ3の判別結果がNO、すなわち、ミル41の作動だけでは、粉砕茶葉キャニスタ42の残存量が十分に増加せず、所定量以上に達しなかったときには、ミル41への茶葉供給処理を実行する(ステップ4)。
【0039】
図10に示すように、ミル41への茶葉供給処理ではまず、ミル41への茶葉供給回数Nを値0にセットし(ステップ21)、ミル41を作動させるとともに(ステップ22)、茶葉用キャニスタ31から所定量の茶葉をミル41に供給する(ステップ23)。具体的には、茶葉用キャニスタ31の茶葉送出し装置37を所定時間(例えば1〜2秒)作動させることによって、所定量の茶葉をミル41に供給する。これに伴い、茶葉供給回数Nを値1だけインクリメントする(ステップ24)。
【0040】
次いで、粉砕茶葉キャニスタ42内の粉砕茶葉の残存量が、所定量以上になったか否かをチェックとともに(ステップ25)、ミル41への茶葉の供給後、所定時間(例えば10秒)経過したか否かをチェックする(ステップ26)。これらのチェックが行われるのは、ミル41に茶葉が供給されてから、その茶葉が粉砕され、生成された粉砕茶葉が粉砕茶葉キャニスタ42に収容されるのにタイムラグが生じるからである。
【0041】
そして、ミル41への茶葉供給後、所定時間(例えば10秒)が経過したときには(ステップ26:YES)、N=3であるか否か、すなわち茶葉用キャニスタ31からミル41への茶葉の供給が3回行われたか否かを判別する(ステップ27)。この判別結果がNO、すなわち茶葉供給回数Nが3未満であるときには、上記ステップ23へ戻り、再度、ミル41へ茶葉を供給する。つまり、粉砕茶葉キャニスタ42内の粉砕茶葉の残存量が、所定量以上にならない限り、上記ステップ23〜27が繰り返される。より具体的には、茶葉用キャニスタ31が茶葉供給の間欠動作を行うことにより、ミル41への茶葉の供給が、所定時間(例えば10秒)をあけて、最大3回行われる。
【0042】
上記ステップ25の判別結果がYESで、粉砕茶葉の残存量が所定量以上になったとき、あるいはステップ27の判別結果がYESで、ミル41への茶葉の供給が3回行われたときには、ステップ28に進み、上記ステップ22におけるミル41の作動開始後、所定時間(例えば3分)が経過したか否かを判別する。そして、この判別結果がYESのときには、粉砕茶葉キャニスタ42内の粉砕茶葉の残存量が、所定量以上になったか否かを判別する(ステップ29)。
【0043】
ステップ29の判別結果がNOで、粉砕茶葉の残存量が所定量以上にならなかったときには、売切れフラグを1にセットし(ステップ30)、逆に、判別結果がYESで、粉砕茶葉の残存量が所定量以上になったときには、売切れフラグを0にセットして(ステップ31)、作動中のミル41を停止し(ステップ32)、本サブルーチンを終了する。上記ステップ29では、茶葉用キャニスタ31によるミル41への茶葉の供給動作を行い、かつ、ミル41を十分な時間、作動させたことを条件として、粉砕茶葉の残存量をチェックしている。したがって、その条件を実行してもなお、粉砕茶葉の残存量が所定量以上にならないときには、茶葉用キャニスタ31内の茶葉が無くなったと推定でき、後述する売切れ処理の実行判別に利用するために、売切れフラグを1にセットしている。
【0044】
図8に戻り、ステップ5において、売切れフラグが1であるか否かを判別する。前述したように、売切れフラグが1であるときには(ステップ5:YES)、茶葉用キャニスタ31内の茶葉が無くなったと推定され、所定の売切れ処理が実行される(ステップ6)。この売切れ処理は、例えば、粉砕茶葉キャニスタ42内の残存量から、茶系飲料の販売可能数を算出し、その販売可能数分の販売が行われた後に、カップ式自動販売機1の茶系飲料の選択ボタン付近で売切れ表示などを行う。
【0045】
一方、売切れフラグが1でないとき(ステップ5:NO)、すなわち茶葉用キャニスタ31内に茶葉があるときには、ミル41への茶葉追加供給処理を実行する。図11に示すように、この茶葉追加供給処理ではまず、ミル41を作動させるとともに(ステップ41)、上述したステップ23と同様に、茶葉用キャニスタ31から所定量の茶葉をミル41に供給する(ステップ42)。そして、ミル41の作動後、所定時間(例えば1分)が経過したときに(ステップ43:YES)、作動中のミル41を停止し、本サブルーチンを終了する。このように、所定量の粉砕茶葉が残存する粉砕茶葉キャニスタ42に、さらに粉砕茶葉を追加することにより、ミル41および茶葉用キャニスタ31の作動頻度を少なくできるとともに、粉砕茶葉キャニスタ42内の粉砕茶葉をできる限り少なくすることで、その粉砕茶葉の鮮度を常に良好に保つことが可能となる。
【0046】
以上のように、最終的に、ステップ6の売切れ処理、あるいはステップ7のミルへの茶葉追加供給処理を実行して、本メイン処理を終了する。このようなメイン処理の実行により、粉砕茶葉を粉砕茶葉キャニスタ42に、安定してかつ新鮮な状態で収容しておくことができる。また、粉砕茶葉キャニスタ42側に設けた粉砕茶葉残量センサ74、74により、粉砕茶葉の残存量の検出に加えて、茶葉用キャニスタ31内の茶葉の有無(売切れ)を判別でき、したがって、茶葉用キャニスタ31側に茶葉の有無を検出するセンサなどを省略でき、その分、製造コストを低減することができる。
【0047】
図12は、粉砕茶葉および温水により茶系飲料を抽出する茶系飲料抽出機33を示している。この茶系飲料抽出機33は、抽出機本体91と、ロール状に巻かれたペーパーフィルタFを所定長さずつ引き出しながら、抽出機本体91に供給するフィルタ供給機92とを備えている。抽出機本体91は、ペーパーフィルタFを下方から支持した状態でセットするためのフィルタブロック93と、このフィルタブロック93の上側で、上下方向に移動自在に構成された抽出シリンダ94と、この抽出シリンダ94の後述する原料導入口113を開閉するコントロールバルブ95と、抽出シリンダ94内にエアを送り込むためのエアポンプ(図示せず)などを有している。なお、詳細は省略するが、この抽出機本体91に温水やエアを送ったり、抽出された茶系飲料を飲料ノズルへ送ったりする配管回路が、所定の弾性材料からなるチューブで構成されている。また、その配管路の適宜の位置には、チューブの完全な押潰しやその解除を行うことでチューブ内を開閉する複数のバルブが設けられている。
【0048】
フィルタブロック93は、上方に大きく開口した抽出凹部101を有しており、その上部周縁部に、抽出時に抽出シリンダ94の下端周縁部が圧接するリング状のガスケット102が設けられている。また、フィルタブロック93の下端部には、横T字状のコネクタ管103が取り付けられており、このT字コネクタ管103を介して、エアを抽出凹部101および抽出シリンダ94内に導入したり、抽出した茶系飲料を外部に導出したりできるようになっている。なお、いずれも図示しないが、T字コネクタ管103の側方に延びる端部103aには、エアポンプや飲料ノズルなどに接続されたチューブが接続される一方、下方に延びる端部103bには、配管回路内の残飲料を滓バケツ30に排出するためのチューブが接続されている。
【0049】
抽出シリンダ94は、上下方向に延びる所定の筒状に形成されており、具体的には、上方に大きく開口したほぼ漏斗状の原料投入部111と、この原料投入部111の下端に連なり、下方に延びる釣鐘状の抽出部112とで構成されている。これらの原料投入部111と抽出部112との接続部分である原料導入口113は、その上下部分に比べて横断面積が小さく形成されている。そして、原料投入部111に投入された粉砕茶葉および温水が、この原料導入口113を介して、抽出部112に導入される。また、抽出部112の上部には、エアポンプからのエアを抽出部112内に導入するためのエア導入口112aが設けられている。さらに、この抽出シリンダ94は、図示しないシリンダ昇降機構により、昇降駆動されるようになっており、抽出時には、フィルタブロック93との協働により、抽出部112の下端周縁部と、フィルタブロック93のガスケット102との間で、ペーパーフィルタFを上下から強く挟持する。
【0050】
コントロールバルブ95は、ドーム状のバルブ本体114と、このバルブ本体114から上方に所定長さ延びるとともに、図示しないバルブ昇降機構に上端部が連結されたバルブロッド115とを有している。このコントロールバルブ95が、バルブ昇降機構で昇降駆動されることにより、バルブ本体114によって、抽出シリンダ94の原料導入口113が下方から開閉されるようになっている。
【0051】
一方、フィルタ供給機92は、抽出機本体91の側方に設けられ、ロール状のペーパーフィルタFを回転自在に収容するフィルタボックス116と、抽出機本体91を間にして、フィルタボックス116と反対の側方(図12(a)では右方)に設けられ、ペーパーフィルタFを所定長さずつ引き出すフィルタ引出し機構117とで構成されている。フィルタ引出し機構117は、ペーパーフィルタFを挟持する2つのローラ117a、117aを有しており、これら両ローラ117a、117aが互いに反対の所定方向に回転することで、ペーパーフィルタFを所定長さずつ引き出すようになっている。
【0052】
また、ペーパーフィルタFは、目の細かいものから粗いものまで、種々のものが用意されており、抽出すべき茶系飲料の種類に応じて、フィルタボックス116にセットされる。具体的には、日本茶を抽出する場合には、粉砕茶葉を若干通す目の粗いペーパーフィルタFがセットされ、これにより、抽出された日本茶には粉砕茶葉が若干混入し、急須で煎茶を入れた場合とほぼ同様の本格的な高品質の日本茶を利用者に提供することができる。これに対し、紅茶や烏龍茶などを抽出する場合には、粉砕茶葉をほとんど通さない目の細かいペーパーフィルタFがセットされ、これにより、抽出された紅茶や烏龍茶には粉砕茶葉がほとんど混入せず、高品質の紅茶や烏龍茶を利用者に提供することができる。
【0053】
ここで、上記のように構成された茶系飲料抽出機33による茶系飲料の抽出動作について、図13および図14を参照しながら、順に説明する。なお、抽出動作開始前の茶系飲料抽出機33では、図12に示すように、抽出シリンダ94が下限位置に位置することで、ペーパーフィルタFを挟持する一方、コントロールバルブ95も下限位置に位置することで、抽出シリンダ94の原料導入口113を開放している。また、T字コネクタ管103の下側の端部103bは、所定のバルブで閉鎖されている。
【0054】
まず、図13(a)に示すように、抽出シリンダ94の原料投入部111に、上記ミル・キャニスタユニット32の粉砕茶葉キャニスタ42から、所定量の粉砕茶葉を供給するとともに、上記温水タンク23から、所定量の温水を供給する。この場合、温水タンク23と抽出シリンダ94との間に図示しない加熱器を設け、この加熱器により、温水タンク23から抽出シリンダ94に到達するまでに低下した温水の温度を高める他、茶葉の種類に応じて、温水を最適な温度にしてから、抽出シリンダ94に供給してもよい。例えば、日本茶を抽出する場合には、温水温度は85〜90℃が好ましく、また紅茶や烏龍茶を抽出する場合には、日本茶の場合よりも高く、約95℃とすることが好ましい。このように、抽出すべき茶系飲料の種類に応じて、抽出シリンダ94に供給すべき温水を最適な温度に調整することにより、より一層良質の茶系飲料を調理することができる。
【0055】
図13(b)に示すように、抽出シリンダ94の抽出部112内に、所定量の粉砕茶葉Lおよび温水Wが入った後、T字コネクタ管103の側方の端部103aからエアを導入し、抽出シリンダ94内の粉砕茶葉Lおよび温水Wを所定時間、攪拌する。この攪拌終了後、同図(c)に示すように、コントロールバルブ95を上昇させ、抽出シリンダ94の原料導入口113を閉鎖する。これにより、抽出シリンダ94の抽出部112内が密閉される。次いで、図14(a)に示すように、抽出シリンダ94のエア導入口112aを介して、抽出部112内にエアを導入し、その内部を加圧する。これにより、粉砕茶葉Lのエキスが浸出した茶系飲料が、ペーパーフィルタFを介して、フィルタブロック93の抽出凹部101に移動し、さらにT字コネクタ管103の側方の端部103a、およびこれに接続されたチューブを介して、上述したミキシングボウル27や、後述する茶系飲料ノズル121に送り出される。
【0056】
その後、図14(b)に示すように、抽出シリンダ94が上昇し、これにより、フィルタブロック93上でのペーパーフィルタFの挟持が解除される。そして、フィルタ引出し機構117が作動することにより、ペーパーフィルタFが所定長さ引き出される。これにより、ペーパーフィルタF上の粉砕茶葉Lの滓が滓バケツ30に回収されるとともに、同図(c)に示すように、ペーパーフィルタFの新たな部分が、次回の販売に備えてフィルタブロック93上にセットされる。なお、これと同時に、T字コネクタ管103の下側の端部103bが開放され、配管回路内の残液などが、排液として滓バケツ30に回収される。
【0057】
図15は、飲料をカップCに注ぐための飲料ノズルを示している。上述したように、ジュースやレギュラーコーヒーをカップCに注ぐ場合には、カップCの上方に位置するコールド用飲料ノズル(図示せず)や炭酸水ノズル17、ホット用飲料ノズル28を介して、カップステージ6上のカップCに飲料が供給される。
【0058】
一方、上記のように抽出された茶系飲料を、カップCに注ぐ場合には、レギュラーコーヒーと同様に、ミキシングボウル27に一旦供給してから、ホット用飲料ノズル28を介して、カップCに供給される他、茶系飲料の種類によっては、ホット用飲料ノズル28の下方に配置された茶系飲料ノズル121を介して、カップCに供給される。この茶系飲料ノズル121は、炭酸水ノズル17やホット用飲料ノズル28に比べて、傾斜角度が小さくなるよう、水平に近い傾斜角度(例えば10〜20度)に配置されている。これにより、茶系飲料ノズル121を介して供給される茶系飲料は、カップC内の側壁上部に向かって吐出するように供給される。その結果、茶系飲料ノズル121からの茶系飲料の落下距離を短くすることができ、茶系飲料がカップCに供給される際の泡立ちや濁りなどを抑制することができる。
【0059】
また、茶系飲料の種類によっては、抽出時などに泡立ちやすくなるもの(例えばダージリン茶)があり、そのような茶系飲料をカップCに供給する場合には、例えば、抽出した茶系飲料を、適宜のボウル(攪拌を行わないミキシングボウルを含む)に一旦供給した後、そのボウルの下端部から、茶系飲料ノズル121やホット用飲料ノズル28に送るようにしてもよい。この場合には、抽出時に生じた泡をボウル内に残すことが可能である。また、抽出した茶系飲料を、茶系飲料抽出機33から茶系飲料ノズル121に送る場合に、その途中のチューブを、適宜の押潰し機構(図示せず)により、所定量押し潰すようにしてもよい。この場合の押潰し量を、例えば茶系飲料がチューブ内を流れることができ、かつ、生じた泡が流れるのを阻止できる程度に設定することにより、その泡がカップC内に流入するのを確実に防止することができる。
【0060】
また、カップCへの飲料の供給時に、カップステージ6を図示しない昇降機構で昇降させるようにしてもよい。具体的には、カップCへの飲料の供給に先立ち、図15の2点鎖線で示すように、カップステージ6を上昇させることによって、カップCをホット用飲料ノズル28および茶系飲料ノズル121に接近させる。この状態で、茶系飲料をカップCに供給することにより、供給時の泡立ちや濁りなどを、より一層抑制することができる。
【0061】
次に、上記のように構成されたカップ式自動販売機1における茶系飲料の販売動作について簡単に説明する。まず、購入者により、茶系飲料が選択されると、ミル・キャニスタユニット32の粉砕茶葉キャニスタ42から、所定量の粉砕茶葉が茶系飲料抽出機33に供給される。これと同時に、あるいはその直後に、温水タンク23から、所定量の温水も茶系飲料抽出機33に供給される。そして、この茶系飲料抽出機33の抽出シリンダ94内で、粉砕茶葉および温水がエアで攪拌された後、加圧されることによって、茶系飲料が抽出される。
【0062】
この抽出された茶系飲料は、チューブを介して、茶系飲料ノズル121に搬送される。あるいは、茶系飲料が紅茶などの場合であって、砂糖入りやレモン入りなどが選択されたときには、茶系飲料用のキャニスタ34から所定量の砂糖やレモン粉末が、対応するミキシングボウル27に供給されるとともに、そのミキシングボウル27に抽出された茶系飲料が供給される。ミキシングボウル27内で、茶系飲料が砂糖やレモン粉末とともに攪拌された後、チューブを介して、ホット用飲料ノズル28に搬送される。
【0063】
また、茶系飲料が烏龍茶の場合には、温水タンク23から所定量の温水を、希釈用として、抽出された茶系飲料に追加するようにしてもよい。茶系飲料抽出機33から抽出しただけの烏龍茶では、渋味が強くなることがあり、茶系飲料に所定量の温水を追加することにより、渋味が和らいだ烏龍茶を得ることができる。
【0064】
以上のようにして、茶系飲料ノズル121あるいはホット用飲料ノズル28に搬送された茶系飲料は、それぞれの飲料ノズル121、28を介して、カップステージ6上のカップCに供給され、カップ入りの茶系飲料が購入者に提供される。
【0065】
以上詳述したように、本実施形態によれば、茶系飲料を抽出するための抽出原料として、通常の茶葉よりも細かい粉砕茶葉を用いるので、通常の茶葉を抽出原料とする場合に比べて、エキスを十分に浸出させる抽出を短時間で行うことができる。そのため、販売時ごとに、茶系飲料を抽出しても、購入者をあまり待たせることがなく、しかも、入れ立ての茶系飲料を供給することができるので、高品質の茶系飲料を購入者に提供することができる。また、粉砕茶葉キャニスタ42内の粉砕茶葉の収容量を、できる限り少なくしているので、粉砕茶葉が茶系飲料の抽出に用いられるまでの時間を短くすることができ、これにより、粉砕茶葉の消費サイクルを短縮化することができる。その結果、茶葉をミルで粉砕してからあまり時間の経っていない新鮮な粉砕茶葉を用いることによって、より一層高品質の茶系飲料を利用者に提供することができる。
【0066】
なお、本発明は、説明した上記実施形態に限定されることなく、種々の態様で実施することができる。例えば、実施形態では、本発明をカップ式自動販売機に適用した場合について説明したが、これに限定されるものではなく、給茶機などの飲料ディスペンサに適用することもできる。また、実施形態では、茶葉用キャニスタ31およびミル・キャニスタユニット32をそれぞれ1つずつ、カップ式自動販売機1内に設置したが、それらを複数組、設置するとともに、茶系飲料抽出機33を共用することにより、複数種類の茶系飲料を販売することが可能である。また、実施形態で示したカップ式自動販売機1やミル・キャニスタユニット32の細部の構成などは、あくまで例示であり、本発明の趣旨の範囲内で適宜、変更することができる。
【0067】
【発明の効果】
以上詳述したように、本発明の粉砕茶葉生成装置は、茶葉を粉砕する機構部分をコンパクトに維持しながら、構造を単純化することができるなどの効果を有する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の粉砕茶葉生成装置を備えたカップ自動販売機の内部を示す図であり、(a)は正面図、(b)は(a)のA−A線の矢視図である。
【図2】ミル・キャニスタユニットを示す斜視図である。
【図3】(a)は図2のミル・キャニスタユニットの正面図、(b)はその右側面図を示す。
【図4】図2のミル・キャニスタユニットの左側面図を示す。
【図5】図2のミル・キャニスタユニットのホッパ付近を斜め上方から示す図である。
【図6】(a)は、上ミル部を示す斜視図であり、(b)は、下ミル部を示す斜視図である。
【図7】ミルの中心を縦に切断した状態を示す左断面図である。
【図8】茶葉用キャニスタおよびミル・キャニスタユニットの動作制御のメイン処理を示すフローチャートである。
【図9】ミル内の茶葉払出し処理のサブルーチンを示すフローチャートである。
【図10】ミルへの茶葉供給処理のサブルーチンを示すフローチャートである。
【図11】ミルへの茶葉追加供給処理のサブルーチンを示すフローチャートである。
【図12】茶系飲料抽出機の内部を示す図であり、(a)は正面図、(b)は右側面図を示す。
【図13】茶系飲料抽出機による茶系飲料の抽出動作を順に説明する説明図である。
【図14】図13に続く抽出動作を順に説明する説明図である。
【図15】飲料ノズルを示す図であり、(a)は正面図、(b)は右側面図である。
【図16】本発明の粉砕茶葉生成装置を適用したミルを示す図であり、(a)は正面図、(b)は右側面図である。
【図17】図16のミルの内部構造を示す図である。
【符号の説明】
1 カップ式自動販売機
5 茶系飲料調理部
31 茶葉用キャニスタ
32 ミル・キャニスタユニット
85 ミル(粉砕茶葉生成装置)
86 ケーシング(茶葉収容器)
86a 茶葉投入口
86b 粉砕茶葉吐出口(吐出口)
87 粉砕刃
87a 回転軸部
87b 螺旋刃部
88 駆動機構(駆動手段)
89 アダプタ
90 円筒刃
C カップ
F ペーパーフィルタ
【発明の属する技術分野】
本発明は、例えばカップ式自動販売機や飲料ディスペンサなどに適用され、茶葉を粉砕することにより、茶系飲料の抽出原料としての粉砕茶葉を生成する茶系飲料供給装置の粉砕茶葉生成装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、カップ式自動販売機に適用された粉砕茶葉生成装置として、特開平11−345365号公報に記載のものが知られている。この粉砕茶葉生成装置は、鉛直方向に延びる円筒状の外側ミル部と、この外側ミル部の内側に、鉛直軸線回りに回転自在に設けられた円柱状の内側ミル部と、この内側ミル部の上部の中心から上方に延びる回転軸を介して、内側ミル部を回転させるモータとを有している。外側ミル部の内周面および内側ミル部の外周面にはそれぞれ、複数の溝が形成されている。そして、この粉砕茶葉生成装置では、内側ミル部が回転することにより、次のようにして、茶葉から粉砕茶葉が生成される。
【0003】
すなわち、茶葉が外側ミル部の上方からその内部に投入されるとともに、内側ミル部が回転すると、その茶葉は、外側ミル部の内周面と内側ミル部の外周面との隙間に入り込み、両ミル部の互いに対向する溝を介して粉砕される。そして、生成された粉砕茶葉は、外側ミル部と内側ミル部との隙間から、下方に落下し、所定の混合器に供給されたり、カップに直接供給されたりする。なお、粉砕茶葉が供給された混合器やカップには、所定量の温水が供給されるとともに、粉砕茶葉と攪拌され、粉砕茶葉入りの茶系飲料が調理される。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
上記の粉砕茶葉生成装置では、茶葉を粉砕するために、円筒状の外側ミル部の内周面、および円柱状の内側ミル部の外周面を利用しているので、一般的な挽き臼タイプ、すなわち上下に円盤状のミル部を重ね合わせたものに比べて、茶葉を粉砕する機構部分をコンパクトに構成することが可能である。しかし、この粉砕茶葉生成装置では、粉砕茶葉の生成の際に、外側ミル部の上方から茶葉を投入するとともに、内側ミル部をその上方に延びる回転軸を介して回転させている。つまり、粉砕茶葉生成装置では、内側ミル部を回転させるために、その上方に延びる回転軸の付近、すなわち外側ミル部の上方に駆動機構を配置しなければならず、そのため、その駆動機構を避けながら粉砕すべき茶葉を投入しなければならない。その結果、粉砕茶葉生成装置の駆動機構や茶葉を投入する機器の構造が複雑になるとともに、装置自体の上下方向のサイズが大きくなってしまう。
【0005】
本発明は、以上のような課題を解決するためになされたものであり、茶葉を粉砕する機構部分をコンパクトに維持しながら、構造を単純化することができる茶系飲料供給装置の粉砕茶葉生成装置を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明に係る粉砕茶葉生成装置は、茶葉を粉砕することにより、茶系飲料の抽出原料としての粉砕茶葉を生成する茶系飲料供給装置の粉砕茶葉生成装置であって、上方に開口した茶葉投入口と、底部に側方に開口するように形成された吐出口とを有し、茶葉投入口を介して上方から投入された茶葉を収容する茶葉収容器と、茶葉収容器内の底部に、一端部が吐出口付近に位置し、水平に延びるとともに回転自在に設けられ、茶葉収容器内の茶葉を粉砕するとともに、これにより生成された粉砕茶葉を吐出口から外方へ送り出す粉砕刃と、この粉砕刃の他端側に配置され、粉砕刃を回転駆動する駆動手段と、を備えていることを特徴とする。
【0007】
この構成によれば、水平に延びる粉砕刃を駆動手段で所定方向に回転させることにより、上方から茶葉投入口を介して茶葉収容器に投入された茶葉を粉砕し、生成された粉砕茶葉を、吐出口から外方へ送り出す。茶葉収容器に投入すべき茶葉は、茶葉投入口を介して、茶葉収容器の上方から投入される一方、粉砕刃を回転駆動する駆動手段は、粉砕刃の他端側に配置されるので、茶葉収容器に茶葉を投入する際に、粉砕刃を駆動するための駆動手段などが邪魔になることがない。したがって、従来の粉砕茶葉生成装置に比べて、構成を単純化することができる。また、水平に延びる粉砕刃が、その軸線を中心に回転しながら茶葉を粉砕するので、一般的な挽き臼タイプと異なり、茶葉を粉砕する機構部分をコンパクトに構成することができる。
【0008】
この場合、粉砕刃は、水平に延びる回転軸部と、この回転軸部の表面に、螺旋状に連続的に延びるように設けられた螺旋刃部と、を有していることが好ましい。
【0009】
この構成によれば、回転軸部が所定方向に回転するだけで、螺旋刃部で茶葉を粉砕し、生成された粉砕茶葉を吐出口の外方に送り出す粉砕刃を、単純な構成で容易に実現することができる。
【0010】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照しながら、本発明の好ましい実施形態を詳細に説明する。図1は、本発明を適用したカップ式自動販売機の内部を示している。このカップ式自動販売機1は、一般的なジュースやレギュラーコーヒーの販売に加え、茶系飲料を販売時に1杯ごとに抽出を行い、購入者に提供するものである。なお、茶系飲料としては、例えば日本茶(例えば緑茶)、中国茶(例えば烏龍茶)および紅茶などがあり、以下の説明では、日本茶の販売を中心に説明する。
【0011】
図1に示すように、このカップ式自動販売機1は、前面が開口した縦長ボックス状の販売機本体2を有しており、その内部には、主にジュースを調理するジュース調理部3と、レギュラーコーヒーを調理するコーヒー調理部4と、茶系飲料を調理する茶系飲料調理部5と、これらを含め、カップ式自動販売機1内の各種の制御を行うマイクロコンピュータを有する制御装置(図示せず)とを備えている。また、販売機本体2内には、同図(b)に示すように、多数のカップCを互いに積み重ねた状態で収納するとともに、販売時に、1個ずつカップステージ6に供給するカップディスペンサ7が設けられている。
【0012】
ジュース調理部3は、販売機本体2内の主に左半部に配置されており、外部から取り込んだ水道水などの飲料用水を貯留するシスターン11と、ジュース原料の各種シロップをそれぞれ封入した複数のシロップタンク12(図1では1つのみ図示)と、炭酸ガスを封入した炭酸ガスボンベ13と、シスターン11内の水および炭酸ガスボンベ13内の炭酸ガスで、炭酸水を生成するカーボネータ(図示せず)と、このカーボネータを収容するとともに、冷却用水を貯留する冷却水槽14と、この冷却水槽14内の冷却用水を冷却する冷却ユニット15と、氷を製造しかつ貯蔵する製氷機16などを有している。
【0013】
このジュース調理部3では、購入者により所望のジュースが選択されると、そのジュースのシロップタンク12から所定量のシロップが、シスターン11から所定量の水が、冷却水槽14を介して冷却され、所定のコールド用飲料ノズル(図示せず)を介して、カップCに供給される。また、選択されたジュースが炭酸飲料である場合には、冷却水槽14で冷却された所定量の炭酸水が、炭酸水ノズル17を介して、カップCに供給される。さらに、氷入りが選択された場合には、製氷機16から所定量の氷がカップCに供給される。
【0014】
また、コーヒー調理部4は、販売機本体2内の主に右端部に配置されており、コーヒー豆を収納するコーヒー豆用キャニスタ21と、このキャニスタ21から供給されたコーヒー豆を挽き、挽き豆を生成するコーヒーミル22と、温水を貯留する温水タンク23と、販売時に、挽き豆および温水によりコーヒーを抽出するコーヒー抽出機24と、砂糖およびクリームをそれぞれ収納する砂糖用キャニスタ25およびクリーム用キャニスタ26などを有している。なお、クリーム用キャニスタ26には、一般的なクリームおよびホイップクリームがそれぞれ収納できるようになっている。
【0015】
このコーヒー調理部4では、購入者によりコーヒーが選択されると、コーヒー豆用キャニスタ21から所定量のコーヒー豆が、コーヒーミル22に供給され、挽き豆が生成される。次いで、その挽き豆、および温水タンク23から所定量の温水が、コーヒー抽出機24に供給され、その内部が加圧されながら、コーヒーが抽出される。そして、抽出されたコーヒーは、カップステージ6上のカップCに供給される。またこの場合、砂糖入り、あるいはクリーム入りのコーヒーが選択された場合には、砂糖用キャニスタ25から所定量の砂糖が、クリーム用キャニスタ26から所定量のクリームが、それぞれのキャニスタに対応するミキシングボウル27に供給されるとともに、それぞれのミキシングボウル27に、抽出されたコーヒーが供給される。そして、各ミキシングボウル27内で、コーヒーが砂糖やクリームとともに攪拌された後、ミキシングボウル27に接続されたチューブ(図示せず)、およびそのチューブの先端部に接続されたホット用飲料ノズル28を介して、砂糖および/またはクリーム入りコーヒーがカップCに供給される。なお、コーヒー抽出機24でコーヒーが抽出された後の挽き豆の滓などは、シュート29を介して、茶系飲料調理部5と共用される滓バケツ30に回収される。
【0016】
次に、茶系飲料調理部5について詳述する。この茶系飲料調理部5は主に、販売機本体2内の上記コーヒー調理部4の左側に配置されており、茶葉を収容する茶葉用キャニスタ31と、この茶葉用キャニスタ31から供給された茶葉を粉砕するとともに、これによって生成された粉砕茶葉を収容しかつ販売時に所定量分、送り出すミル・キャニスタユニット32と、販売時に、粉砕茶葉および温水により茶系飲料を抽出する茶系飲料抽出機33と、上記コーヒー調理部4と共用する温水タンク23などを備えている。温水タンク23には、調理すべき飲料に応じた複数の電磁弁23a(図1では2つのみ図示)が設けられており、その開閉により、温水タンク23から所定量の温水が、茶系飲料抽出機33などに送り出される。また、この温水タンク23には、図示しないヒータが設けられており、貯留された温水がほぼ97℃の温度に保たれるようになっている。
【0017】
なお、上記コーヒー調理部4の砂糖用キャニスタ25の左側には、茶系飲料用の2つのキャニスタ34、34が配置されており、例えば紅茶を販売する場合に、砂糖や、粉末状のレモンやクリームなどが収納できるようになっている。
【0018】
図1に示すように、茶葉用キャニスタ31は、横幅が狭くかつ縦長ボックス状に形成された保冷庫35に収容されている。この保冷庫35内は、低温に保たれるとともに、除湿装置35aなどによって、湿度も低く保たれている。茶葉用キャニスタ31は、茶葉が収容されるとともに、下面が開口したキャニスタ本体36と、このキャニスタ本体36の下端部に取り付けられ、キャニスタ本体36内の茶葉を送り出す茶葉送出し装置37とを有している。この茶葉送出し装置37は、いずれも図示しないが、前後方向に延びる軸線を中心に回転可能な螺旋形状のオーガと、これを回転駆動するモータなどを有している。オーガが所定方向に、所定時間回転することにより、所定量の茶葉が、前方の吐出部37aに向かって送り出され、これを介して下方に吐出される。そして、この吐出された茶葉は、シュート38を介して、ミル・キャニスタユニット32に供給される。
【0019】
また、上記茶葉用キャニスタ31に日本緑茶用の茶葉を収容し、日本緑茶を販売する場合には、その茶葉用キャニスタ31に、煎茶:玉露の混合比が、2.5:1ないし3:1の茶葉を収納することが好ましい。このような混合比の日本緑茶用の茶葉を茶葉用キャニスタ31に収容することによって、後述する茶系飲料の調理時にも、同様の混合比を有する茶葉で、高品質の日本緑茶を抽出することができる。すなわち、煎茶に上記割合の玉露を加えることにより、煎茶だけの場合に比べて、渋味を抑えるとともに、適度な甘みが付加された日本緑茶を得ることができ、そのような高品質の日本緑茶を利用者に提供することができる。
【0020】
図2〜図4は、ミル・キャニスタユニット32の外観を示しており、また、図5〜図7は、ミル・キャニスタユニット32の内部構造を説明するための図である。これらの図に示すように、ミル・キャニスタユニット32は、茶葉用キャニスタ31から供給された茶葉を粉砕し、粉砕茶葉を生成するミル41と、生成した粉砕茶葉を収容するとともに、販売時に所定量の粉砕茶葉を茶系飲料抽出機33に送り出す粉砕茶葉キャニスタ42とを有しており、これらのミル41および粉砕茶葉キャニスタ42が、金属製のベース板43に載置された状態で一体に組み付けられている。
【0021】
ミル41は、一般的な挽き臼タイプの機能に加えて、茶葉を挽いて粉砕する前に、茶葉(特に、針状の茎や縒れた葉)を細断する機能を備えている。このミル41は、ミル本体44と、このミル本体44を駆動するミルモータ45とを有している。ミル本体44は、上半部がほぼ円筒状に形成されたケーシング51と、このケーシング51内に、鉛直軸線を中心に回転自在に収容された下ミル部52と、ケーシング51内の下ミル部52の上側に配置され、上下方向に若干スライド可能に構成された上ミル部53と、ケーシング51を上方から覆うように配置されるとともに、上記茶葉用キャニスタ31から供給された茶葉を、上下のミル部52、53に案内するホッパ54とを有している。
【0022】
下ミル部52は、図6(b)および図7に示すように、平面形状が円形に形成されるとともに、上面に多数の溝55aが形成された下ミル円盤部55と、この下ミル円盤部55の上面中心部に突設され、上ミル部53の後述する細断外刃62と協働して、茶葉を細断する細断内刃56とを有している。下ミル円盤部55の上面には、前述したように、多数の溝55aが形成されている。これらの溝55aは、下ミル円盤部55の中心付近から互いに等角度で放射状に延びる8本(図6(b)では7本)の主溝55bと、互いに隣り合う主溝55b、55b間に、一方の主溝55bと平行でかつ互いに等間隔で延びるように形成された多数の副溝55cとで構成されている。一方、細断内刃56は、所定高さを有しかつ外形がほぼ逆漏斗状の内刃支持部56aと、この内刃支持部56aの側面に、互いに反対の側方に突出しかつ段状に形成された左右一対の内刃部56b、56bとで構成されている。
【0023】
このように構成された下ミル部52の下部には、図7に示すように、上下方向に延びる所定形状の駆動軸57が固定されている。また、この駆動軸57の下端部には、駆動ギヤ58が固定されており、この駆動ギヤ58が、ギヤボックス59の出力軸59aに固定された中間ギヤ60にかみ合っている。したがって、上記ミルモータ45が回転することにより、ギヤボックス59、中間ギヤ60、駆動ギヤ58および駆動軸57を介して、下ミル部52が所定方向(例えば図6(b)の矢印方向)に回転する。
【0024】
一方、上ミル部53は、図6(a)および図7に示すように、平面形状がドーナツ状に形成されるとともに、その下面に、上記下ミル円盤部55と同様の多数の溝(図示せず)が形成された上ミル円盤部61と、ほぼ円筒状に上下方向に延び、下端部が上ミル円盤部61の中心部に嵌合した状態で固定されるとともに、上記下ミル部52の細断内刃56が下方から回転可能な状態で挿入された細断外刃62とを有しており、これらの上ミル円盤部61および細断外刃62が上ミルホルダ63によって保持されている。
【0025】
細断外刃62は、上記細断内刃56の外周を覆うとともに、内周面がすり鉢状に形成された外刃周壁部62aと、この外刃周壁部62aの内周面に、互いに等角度でかつ細断内刃62に向かって突出するように設けられた3つの外刃部62bとで構成されている。各外刃部62bは、その上端部が細断内刃62に向かって前下がりに形成されるとともに、その細断内刃56側の端部が、段状の内刃部56bに対応するように、段状に形成されている。なお、各外刃部62bに、細断内刃56の内刃部56bが対向したとき、すなわち最も接近したときには、外刃部62bと内刃部56bとの間が約0.5mmとなる。
【0026】
また、上記の上ミル円盤部61および細断外刃62を保持する上ミルホルダ63は、ケーシング51の上部内周面に対して螺合しており、上ミル円盤部61および細断外刃62とともに、ケーシング51に対し、鉛直軸線を中心に回りながら上下方向に若干移動できるように構成されている。また、この上ミルホルダ63は、ミル・キャニスタユニット32の上部に設けられ、かつ、左右方向に延びる軸線を中心に回転自在の調整ねじ64に係合している。この調整ねじ64が手動で回されることにより、上ミルホルダ63が上下方向に移動し、これにより、下ミル円盤部55と上ミル61との隙間が調整されることによって、茶葉の粉砕粒度が調整される。
【0027】
以上のように構成されたミル41において、上方の茶葉用キャニスタ31からの茶葉が、ホッパ54を介して、上ミル部53に供給されるとともに、下ミル部52が回転すると、その茶葉は次のように粉砕される。まず、上ミル部53の細断外刃62の内側に供給された茶葉は、回転中の細断内刃56で攪拌されながら、細断外刃62の外刃部62bと、細断内刃56の内刃部56bとによって、細断される。通常、一般的な茶葉には、針状の茎や縒れた葉などが含まれている。これらが細断外刃62と細断内刃56との協働によって細断されることにより、茎などが外刃周壁部62a内に留まってしまうことがなく、細断された茶葉は、下ミル円盤部55と上ミル円盤部61との隙間に円滑に導かれる。また、このような茶葉の細断時には、細断外刃62の外刃部62bと、細断内刃56の内刃部56bとは、それらの数および配置の関係上、互いに一個所でしか対向しないので、下ミル部52に作用する細断の負荷を低減でき、これにより、下ミル部52が円滑に回転しながら茶葉を確実に細断することができる。なお、細断外刃62の外刃部62bおよび細断内刃56の内刃部56bの数および位置については、特に限定されるものではなく、茶葉の細断時に、外刃部62bと内刃部56bとが互いに一個所でのみ対向するように構成されていればよい。
【0028】
上記のように細断され、下ミル円盤部55と上ミル円盤部61との隙間に導かれた茶葉は、上下ミル円盤部61、55の互いに対向する面で粉砕されながら、上下ミル円盤部61、55の外周側に向かって送り出される。そして、その送り出された粉砕茶葉は、図7に2点鎖線で示すケーシング51の落下孔51aを介して落下し、粉砕茶葉キャニスタ42に収容される。
【0029】
粉砕茶葉キャニスタ42は、上面が開口し、粉砕茶葉を収容する粉砕茶葉キャニスタ本体71と、その下部に設けられ、粉砕茶葉キャニスタ本体71内の粉砕茶葉を、販売時に所定量ずつ送り出す粉砕茶葉送出し装置72とを有している。粉砕茶葉キャニスタ本体71は、側面形状がほぼ逆台形状に形成されており(図4、7参照)、前端下部には、前方に突出しかつ内部に連通した吐出口71aが設けられている。また、この粉砕茶葉キャニスタ本体71は、所定の容積、例えば茶系飲料を約10杯分調理するのに要する粉砕茶葉(例えば30g)を収容可能な容積を有している。さらに、粉砕茶葉キャニスタ本体71は、所定のキャニスタホルダ73で支持されており、このキャニスタホルダ73に、粉砕茶葉キャニスタ本体71を間にした状態で、左右に粉砕茶葉残量センサ74、74が設けられている。この粉砕茶葉残量センサ74、74は、例えば発光素子および受光素子を有する光センサなどで構成されており、粉砕茶葉キャニスタ本体71内の粉砕茶葉の残存量が所定量を下回ったか否かを検出する。
【0030】
また、粉砕茶葉送出し装置72は、上述した茶葉用キャニスタ31の茶葉送出し装置37とほぼ同様に構成されている。具体的には、前後方向に延びる軸線を中心に回転可能なオーガ75(図4参照)と、これを回転駆動するオーガモータ76とを有している。オーガ75の後端部には駆動ギヤ75aが固定されており、この駆動ギヤ75aに、オーガモータ76の回転軸に固定されたモータギヤ76aがかみ合っている。したがって、販売時にオーガモータ76が回転することにより、モータギヤ76aおよび駆動ギヤ75aを介して、オーガ75が所定方向に所定時間回転する。これにより、粉砕茶葉キャニスタ本体71内の粉砕茶葉が、前方の吐出口71aから吐出され、シュート77を介して下方に落下し、茶系飲料抽出機33に供給される。
【0031】
また、ミル・キャニスタユニット32では、上記ミル41が、防振機構81を介してベース板43上に取り付けられている。この防振機構81は、ベース板43上に、互いに間隔を隔てて突設され、例えばゴムなどの弾性材料からなる複数の防振部材82と、これらの防振部材82の上半部が貫通した状態で、ベース板43上に隙間をあけた状態で配置された防振プレート83とを有している。また、この防振プレート83の左右両端部は、ミル・キャニスタユニット32の左右の側壁を構成しかつミル41の上部を支持する下向きコ字状のケース84に取り付けられている。このような防振機構81により、ミル41の作動に伴う振動が粉砕茶葉キャニスタ42に及ぶのを防止し、これにより、粉砕茶葉キャニスタ本体71の吐出口71aから、粉砕茶葉が勝手に零れ出ることを防止することができる。
【0032】
図16は、上記ミル・キャニスタユニット32におけるミル41の変形例を示しており、図17は、その内部構造を示している。このミル85は、本発明の粉砕茶葉生成装置を適用した、左右方向の厚さが薄いタイプのものである。ミル85は、所定形状のケーシング86(茶葉収容器)と、このケーシング86内の底部に、前後方向(図17では左右方向)に延びる軸線を中心に回転自在に設けられた粉砕刃87と、この粉砕刃87を回転駆動する駆動機構88(駆動手段)とを備えている。ケーシング86は、上方に開口した茶葉投入口86aと、底部前端部に前方に突出するように設けられた円筒状の粉砕茶葉吐出口86bとを有している。また、図16(a)に示すように、ケーシング86は、左右方向の厚さが薄く、上述したミル・キャニスタユニット32における粉砕茶葉キャニスタ42の左右方向の寸法と同程度に形成されている。さらに、図17に示すように、粉砕茶葉吐出口86bの内周面には、アダプタ89を介して、内周面に複数の溝あるいは多数の凹凸などが形成された円筒状の円筒刃90が取り付けられている。
【0033】
また、粉砕刃87は、図17に示すように、前後方向に延びる回転軸部87aと、この回転軸部87aの表面に、螺旋状に連続的に延びる螺旋刃部87bとを有している。粉砕刃87の前端部は、螺旋刃部87bを介して、上記粉砕茶葉吐出口86b内の円筒刃90の内周面に摺接している。一方、粉砕刃87の後端部は、ケーシング86に回転自在に支持されるとともに、ケーシング86の背面側に設けられた駆動機構88に連結されている。この駆動機構88は、モータや複数のギヤなどで構成されており、粉砕刃87を前後方向に延びる軸線を中心に所定方向(図17の矢印方向)に回転駆動するようになっている。
【0034】
このように構成されたミル85では、上記ミル41と同様に、上方の茶葉用キャニスタ31から、上端部の茶葉投入口86aを介してケーシング86内に供給された茶葉は、次のようにして粉砕される。すなわち、駆動機構88により、粉砕刃87が回転すると、ケーシング86内の茶葉は、粉砕刃87のほぼ後半部の螺旋刃部87bで細断されるとともに、前方の粉砕茶葉吐出口86bに向かって送られる。その細断された茶葉は、粉砕刃87のほぼ前半部の螺旋刃部87bと円筒刃90との協働により、粉砕されながら更に前方に送られる。そして、生成された粉砕茶葉は、粉砕茶葉吐出口86bを介して前方に吐出され、上記粉砕茶葉キャニスタ42に供給される。
【0035】
以上のように、ミル85では、ケーシング86に供給される茶葉が、茶葉投入口86aを介して、上方から投入される一方、粉砕刃87を回転駆動する駆動機構88が、粉砕刃87の後ろ側に配置されているので、ケーシング86に茶葉を投入する際に、従来と異なり、駆動機構88が邪魔になることがない。したがって、従来の粉砕茶葉生成装置に比べて、構成を単純化することができる。また、前後方向に延びる粉砕刃87が、その軸線を中心に回転しながら茶葉を粉砕するので、従来の粉砕茶葉生成装置や上記ミル41のような一般的な挽き臼タイプと異なり、茶葉を粉砕する機構部分、特に上下左右の寸法をコンパクトに構成することができる。その結果、カップ式自動販売機1内に設置されるミル・キャニスタユニット32の省スペース化を図ることができ、これにより、複数種類の茶系飲料を販売するために、複数の茶葉用キャニスタ31をカップ式自動販売機1内に設置しても、それらに対応して、複数のミル・キャニスタユニット32を省スペースで設置することが可能である。
【0036】
ここで、上記のように構成された茶葉用キャニスタ31およびミル・キャニスタユニット32の動作制御について、図8〜図11を参照しながら説明する。図8は、その動作制御のメイン処理を示すフローチャートである。本処理ではまず、ステップ1(「S1」と図示。以下同じ)において、粉砕茶葉残量センサ74により、粉砕茶葉キャニスタ42内の粉砕茶葉の残存量が、所定量(例えば、最大収容量の半分程度)を下回ったか否かを判別する。この判別結果がNOであるとき、すなわち粉砕茶葉の残存量が所定量以上であるときには、そのまま本メイン処理を終了する。一方、粉砕茶葉の残存量が所定量を下回ったときには(ステップ1:YES)、続くステップ2のミル内の茶葉払出し処理を実行する。
【0037】
図9に示すように、ミル内の茶葉払出し処理ではまず、ミル41を作動させる(ステップ11)。その作動開始後、所定時間(例えば20秒)が経過したときに(ステップ12:YES)、ミル41を停止させる(ステップ13)。本サブルーチンは、ミル41に茶葉を供給することなく、ミル41を所定時間作動させることにより、ミル41内に茶葉が残存している場合に、その茶葉を粉砕し、粉砕茶葉キャニスタ42に払い出すものである。本サブルーチンの終了後、図8のステップ3に進み、粉砕茶葉の残存量が所定量以上になったか否かを判別する。
【0038】
このステップ3の判別結果がYES、すなわち、ミル41内に残存していた茶葉が粉砕茶葉キャニスタ42に払い出されることによって、粉砕茶葉の残存量が増加し、所定量以上になったときには、そのままメイン処理を終了する。一方、ステップ3の判別結果がNO、すなわち、ミル41の作動だけでは、粉砕茶葉キャニスタ42の残存量が十分に増加せず、所定量以上に達しなかったときには、ミル41への茶葉供給処理を実行する(ステップ4)。
【0039】
図10に示すように、ミル41への茶葉供給処理ではまず、ミル41への茶葉供給回数Nを値0にセットし(ステップ21)、ミル41を作動させるとともに(ステップ22)、茶葉用キャニスタ31から所定量の茶葉をミル41に供給する(ステップ23)。具体的には、茶葉用キャニスタ31の茶葉送出し装置37を所定時間(例えば1〜2秒)作動させることによって、所定量の茶葉をミル41に供給する。これに伴い、茶葉供給回数Nを値1だけインクリメントする(ステップ24)。
【0040】
次いで、粉砕茶葉キャニスタ42内の粉砕茶葉の残存量が、所定量以上になったか否かをチェックとともに(ステップ25)、ミル41への茶葉の供給後、所定時間(例えば10秒)経過したか否かをチェックする(ステップ26)。これらのチェックが行われるのは、ミル41に茶葉が供給されてから、その茶葉が粉砕され、生成された粉砕茶葉が粉砕茶葉キャニスタ42に収容されるのにタイムラグが生じるからである。
【0041】
そして、ミル41への茶葉供給後、所定時間(例えば10秒)が経過したときには(ステップ26:YES)、N=3であるか否か、すなわち茶葉用キャニスタ31からミル41への茶葉の供給が3回行われたか否かを判別する(ステップ27)。この判別結果がNO、すなわち茶葉供給回数Nが3未満であるときには、上記ステップ23へ戻り、再度、ミル41へ茶葉を供給する。つまり、粉砕茶葉キャニスタ42内の粉砕茶葉の残存量が、所定量以上にならない限り、上記ステップ23〜27が繰り返される。より具体的には、茶葉用キャニスタ31が茶葉供給の間欠動作を行うことにより、ミル41への茶葉の供給が、所定時間(例えば10秒)をあけて、最大3回行われる。
【0042】
上記ステップ25の判別結果がYESで、粉砕茶葉の残存量が所定量以上になったとき、あるいはステップ27の判別結果がYESで、ミル41への茶葉の供給が3回行われたときには、ステップ28に進み、上記ステップ22におけるミル41の作動開始後、所定時間(例えば3分)が経過したか否かを判別する。そして、この判別結果がYESのときには、粉砕茶葉キャニスタ42内の粉砕茶葉の残存量が、所定量以上になったか否かを判別する(ステップ29)。
【0043】
ステップ29の判別結果がNOで、粉砕茶葉の残存量が所定量以上にならなかったときには、売切れフラグを1にセットし(ステップ30)、逆に、判別結果がYESで、粉砕茶葉の残存量が所定量以上になったときには、売切れフラグを0にセットして(ステップ31)、作動中のミル41を停止し(ステップ32)、本サブルーチンを終了する。上記ステップ29では、茶葉用キャニスタ31によるミル41への茶葉の供給動作を行い、かつ、ミル41を十分な時間、作動させたことを条件として、粉砕茶葉の残存量をチェックしている。したがって、その条件を実行してもなお、粉砕茶葉の残存量が所定量以上にならないときには、茶葉用キャニスタ31内の茶葉が無くなったと推定でき、後述する売切れ処理の実行判別に利用するために、売切れフラグを1にセットしている。
【0044】
図8に戻り、ステップ5において、売切れフラグが1であるか否かを判別する。前述したように、売切れフラグが1であるときには(ステップ5:YES)、茶葉用キャニスタ31内の茶葉が無くなったと推定され、所定の売切れ処理が実行される(ステップ6)。この売切れ処理は、例えば、粉砕茶葉キャニスタ42内の残存量から、茶系飲料の販売可能数を算出し、その販売可能数分の販売が行われた後に、カップ式自動販売機1の茶系飲料の選択ボタン付近で売切れ表示などを行う。
【0045】
一方、売切れフラグが1でないとき(ステップ5:NO)、すなわち茶葉用キャニスタ31内に茶葉があるときには、ミル41への茶葉追加供給処理を実行する。図11に示すように、この茶葉追加供給処理ではまず、ミル41を作動させるとともに(ステップ41)、上述したステップ23と同様に、茶葉用キャニスタ31から所定量の茶葉をミル41に供給する(ステップ42)。そして、ミル41の作動後、所定時間(例えば1分)が経過したときに(ステップ43:YES)、作動中のミル41を停止し、本サブルーチンを終了する。このように、所定量の粉砕茶葉が残存する粉砕茶葉キャニスタ42に、さらに粉砕茶葉を追加することにより、ミル41および茶葉用キャニスタ31の作動頻度を少なくできるとともに、粉砕茶葉キャニスタ42内の粉砕茶葉をできる限り少なくすることで、その粉砕茶葉の鮮度を常に良好に保つことが可能となる。
【0046】
以上のように、最終的に、ステップ6の売切れ処理、あるいはステップ7のミルへの茶葉追加供給処理を実行して、本メイン処理を終了する。このようなメイン処理の実行により、粉砕茶葉を粉砕茶葉キャニスタ42に、安定してかつ新鮮な状態で収容しておくことができる。また、粉砕茶葉キャニスタ42側に設けた粉砕茶葉残量センサ74、74により、粉砕茶葉の残存量の検出に加えて、茶葉用キャニスタ31内の茶葉の有無(売切れ)を判別でき、したがって、茶葉用キャニスタ31側に茶葉の有無を検出するセンサなどを省略でき、その分、製造コストを低減することができる。
【0047】
図12は、粉砕茶葉および温水により茶系飲料を抽出する茶系飲料抽出機33を示している。この茶系飲料抽出機33は、抽出機本体91と、ロール状に巻かれたペーパーフィルタFを所定長さずつ引き出しながら、抽出機本体91に供給するフィルタ供給機92とを備えている。抽出機本体91は、ペーパーフィルタFを下方から支持した状態でセットするためのフィルタブロック93と、このフィルタブロック93の上側で、上下方向に移動自在に構成された抽出シリンダ94と、この抽出シリンダ94の後述する原料導入口113を開閉するコントロールバルブ95と、抽出シリンダ94内にエアを送り込むためのエアポンプ(図示せず)などを有している。なお、詳細は省略するが、この抽出機本体91に温水やエアを送ったり、抽出された茶系飲料を飲料ノズルへ送ったりする配管回路が、所定の弾性材料からなるチューブで構成されている。また、その配管路の適宜の位置には、チューブの完全な押潰しやその解除を行うことでチューブ内を開閉する複数のバルブが設けられている。
【0048】
フィルタブロック93は、上方に大きく開口した抽出凹部101を有しており、その上部周縁部に、抽出時に抽出シリンダ94の下端周縁部が圧接するリング状のガスケット102が設けられている。また、フィルタブロック93の下端部には、横T字状のコネクタ管103が取り付けられており、このT字コネクタ管103を介して、エアを抽出凹部101および抽出シリンダ94内に導入したり、抽出した茶系飲料を外部に導出したりできるようになっている。なお、いずれも図示しないが、T字コネクタ管103の側方に延びる端部103aには、エアポンプや飲料ノズルなどに接続されたチューブが接続される一方、下方に延びる端部103bには、配管回路内の残飲料を滓バケツ30に排出するためのチューブが接続されている。
【0049】
抽出シリンダ94は、上下方向に延びる所定の筒状に形成されており、具体的には、上方に大きく開口したほぼ漏斗状の原料投入部111と、この原料投入部111の下端に連なり、下方に延びる釣鐘状の抽出部112とで構成されている。これらの原料投入部111と抽出部112との接続部分である原料導入口113は、その上下部分に比べて横断面積が小さく形成されている。そして、原料投入部111に投入された粉砕茶葉および温水が、この原料導入口113を介して、抽出部112に導入される。また、抽出部112の上部には、エアポンプからのエアを抽出部112内に導入するためのエア導入口112aが設けられている。さらに、この抽出シリンダ94は、図示しないシリンダ昇降機構により、昇降駆動されるようになっており、抽出時には、フィルタブロック93との協働により、抽出部112の下端周縁部と、フィルタブロック93のガスケット102との間で、ペーパーフィルタFを上下から強く挟持する。
【0050】
コントロールバルブ95は、ドーム状のバルブ本体114と、このバルブ本体114から上方に所定長さ延びるとともに、図示しないバルブ昇降機構に上端部が連結されたバルブロッド115とを有している。このコントロールバルブ95が、バルブ昇降機構で昇降駆動されることにより、バルブ本体114によって、抽出シリンダ94の原料導入口113が下方から開閉されるようになっている。
【0051】
一方、フィルタ供給機92は、抽出機本体91の側方に設けられ、ロール状のペーパーフィルタFを回転自在に収容するフィルタボックス116と、抽出機本体91を間にして、フィルタボックス116と反対の側方(図12(a)では右方)に設けられ、ペーパーフィルタFを所定長さずつ引き出すフィルタ引出し機構117とで構成されている。フィルタ引出し機構117は、ペーパーフィルタFを挟持する2つのローラ117a、117aを有しており、これら両ローラ117a、117aが互いに反対の所定方向に回転することで、ペーパーフィルタFを所定長さずつ引き出すようになっている。
【0052】
また、ペーパーフィルタFは、目の細かいものから粗いものまで、種々のものが用意されており、抽出すべき茶系飲料の種類に応じて、フィルタボックス116にセットされる。具体的には、日本茶を抽出する場合には、粉砕茶葉を若干通す目の粗いペーパーフィルタFがセットされ、これにより、抽出された日本茶には粉砕茶葉が若干混入し、急須で煎茶を入れた場合とほぼ同様の本格的な高品質の日本茶を利用者に提供することができる。これに対し、紅茶や烏龍茶などを抽出する場合には、粉砕茶葉をほとんど通さない目の細かいペーパーフィルタFがセットされ、これにより、抽出された紅茶や烏龍茶には粉砕茶葉がほとんど混入せず、高品質の紅茶や烏龍茶を利用者に提供することができる。
【0053】
ここで、上記のように構成された茶系飲料抽出機33による茶系飲料の抽出動作について、図13および図14を参照しながら、順に説明する。なお、抽出動作開始前の茶系飲料抽出機33では、図12に示すように、抽出シリンダ94が下限位置に位置することで、ペーパーフィルタFを挟持する一方、コントロールバルブ95も下限位置に位置することで、抽出シリンダ94の原料導入口113を開放している。また、T字コネクタ管103の下側の端部103bは、所定のバルブで閉鎖されている。
【0054】
まず、図13(a)に示すように、抽出シリンダ94の原料投入部111に、上記ミル・キャニスタユニット32の粉砕茶葉キャニスタ42から、所定量の粉砕茶葉を供給するとともに、上記温水タンク23から、所定量の温水を供給する。この場合、温水タンク23と抽出シリンダ94との間に図示しない加熱器を設け、この加熱器により、温水タンク23から抽出シリンダ94に到達するまでに低下した温水の温度を高める他、茶葉の種類に応じて、温水を最適な温度にしてから、抽出シリンダ94に供給してもよい。例えば、日本茶を抽出する場合には、温水温度は85〜90℃が好ましく、また紅茶や烏龍茶を抽出する場合には、日本茶の場合よりも高く、約95℃とすることが好ましい。このように、抽出すべき茶系飲料の種類に応じて、抽出シリンダ94に供給すべき温水を最適な温度に調整することにより、より一層良質の茶系飲料を調理することができる。
【0055】
図13(b)に示すように、抽出シリンダ94の抽出部112内に、所定量の粉砕茶葉Lおよび温水Wが入った後、T字コネクタ管103の側方の端部103aからエアを導入し、抽出シリンダ94内の粉砕茶葉Lおよび温水Wを所定時間、攪拌する。この攪拌終了後、同図(c)に示すように、コントロールバルブ95を上昇させ、抽出シリンダ94の原料導入口113を閉鎖する。これにより、抽出シリンダ94の抽出部112内が密閉される。次いで、図14(a)に示すように、抽出シリンダ94のエア導入口112aを介して、抽出部112内にエアを導入し、その内部を加圧する。これにより、粉砕茶葉Lのエキスが浸出した茶系飲料が、ペーパーフィルタFを介して、フィルタブロック93の抽出凹部101に移動し、さらにT字コネクタ管103の側方の端部103a、およびこれに接続されたチューブを介して、上述したミキシングボウル27や、後述する茶系飲料ノズル121に送り出される。
【0056】
その後、図14(b)に示すように、抽出シリンダ94が上昇し、これにより、フィルタブロック93上でのペーパーフィルタFの挟持が解除される。そして、フィルタ引出し機構117が作動することにより、ペーパーフィルタFが所定長さ引き出される。これにより、ペーパーフィルタF上の粉砕茶葉Lの滓が滓バケツ30に回収されるとともに、同図(c)に示すように、ペーパーフィルタFの新たな部分が、次回の販売に備えてフィルタブロック93上にセットされる。なお、これと同時に、T字コネクタ管103の下側の端部103bが開放され、配管回路内の残液などが、排液として滓バケツ30に回収される。
【0057】
図15は、飲料をカップCに注ぐための飲料ノズルを示している。上述したように、ジュースやレギュラーコーヒーをカップCに注ぐ場合には、カップCの上方に位置するコールド用飲料ノズル(図示せず)や炭酸水ノズル17、ホット用飲料ノズル28を介して、カップステージ6上のカップCに飲料が供給される。
【0058】
一方、上記のように抽出された茶系飲料を、カップCに注ぐ場合には、レギュラーコーヒーと同様に、ミキシングボウル27に一旦供給してから、ホット用飲料ノズル28を介して、カップCに供給される他、茶系飲料の種類によっては、ホット用飲料ノズル28の下方に配置された茶系飲料ノズル121を介して、カップCに供給される。この茶系飲料ノズル121は、炭酸水ノズル17やホット用飲料ノズル28に比べて、傾斜角度が小さくなるよう、水平に近い傾斜角度(例えば10〜20度)に配置されている。これにより、茶系飲料ノズル121を介して供給される茶系飲料は、カップC内の側壁上部に向かって吐出するように供給される。その結果、茶系飲料ノズル121からの茶系飲料の落下距離を短くすることができ、茶系飲料がカップCに供給される際の泡立ちや濁りなどを抑制することができる。
【0059】
また、茶系飲料の種類によっては、抽出時などに泡立ちやすくなるもの(例えばダージリン茶)があり、そのような茶系飲料をカップCに供給する場合には、例えば、抽出した茶系飲料を、適宜のボウル(攪拌を行わないミキシングボウルを含む)に一旦供給した後、そのボウルの下端部から、茶系飲料ノズル121やホット用飲料ノズル28に送るようにしてもよい。この場合には、抽出時に生じた泡をボウル内に残すことが可能である。また、抽出した茶系飲料を、茶系飲料抽出機33から茶系飲料ノズル121に送る場合に、その途中のチューブを、適宜の押潰し機構(図示せず)により、所定量押し潰すようにしてもよい。この場合の押潰し量を、例えば茶系飲料がチューブ内を流れることができ、かつ、生じた泡が流れるのを阻止できる程度に設定することにより、その泡がカップC内に流入するのを確実に防止することができる。
【0060】
また、カップCへの飲料の供給時に、カップステージ6を図示しない昇降機構で昇降させるようにしてもよい。具体的には、カップCへの飲料の供給に先立ち、図15の2点鎖線で示すように、カップステージ6を上昇させることによって、カップCをホット用飲料ノズル28および茶系飲料ノズル121に接近させる。この状態で、茶系飲料をカップCに供給することにより、供給時の泡立ちや濁りなどを、より一層抑制することができる。
【0061】
次に、上記のように構成されたカップ式自動販売機1における茶系飲料の販売動作について簡単に説明する。まず、購入者により、茶系飲料が選択されると、ミル・キャニスタユニット32の粉砕茶葉キャニスタ42から、所定量の粉砕茶葉が茶系飲料抽出機33に供給される。これと同時に、あるいはその直後に、温水タンク23から、所定量の温水も茶系飲料抽出機33に供給される。そして、この茶系飲料抽出機33の抽出シリンダ94内で、粉砕茶葉および温水がエアで攪拌された後、加圧されることによって、茶系飲料が抽出される。
【0062】
この抽出された茶系飲料は、チューブを介して、茶系飲料ノズル121に搬送される。あるいは、茶系飲料が紅茶などの場合であって、砂糖入りやレモン入りなどが選択されたときには、茶系飲料用のキャニスタ34から所定量の砂糖やレモン粉末が、対応するミキシングボウル27に供給されるとともに、そのミキシングボウル27に抽出された茶系飲料が供給される。ミキシングボウル27内で、茶系飲料が砂糖やレモン粉末とともに攪拌された後、チューブを介して、ホット用飲料ノズル28に搬送される。
【0063】
また、茶系飲料が烏龍茶の場合には、温水タンク23から所定量の温水を、希釈用として、抽出された茶系飲料に追加するようにしてもよい。茶系飲料抽出機33から抽出しただけの烏龍茶では、渋味が強くなることがあり、茶系飲料に所定量の温水を追加することにより、渋味が和らいだ烏龍茶を得ることができる。
【0064】
以上のようにして、茶系飲料ノズル121あるいはホット用飲料ノズル28に搬送された茶系飲料は、それぞれの飲料ノズル121、28を介して、カップステージ6上のカップCに供給され、カップ入りの茶系飲料が購入者に提供される。
【0065】
以上詳述したように、本実施形態によれば、茶系飲料を抽出するための抽出原料として、通常の茶葉よりも細かい粉砕茶葉を用いるので、通常の茶葉を抽出原料とする場合に比べて、エキスを十分に浸出させる抽出を短時間で行うことができる。そのため、販売時ごとに、茶系飲料を抽出しても、購入者をあまり待たせることがなく、しかも、入れ立ての茶系飲料を供給することができるので、高品質の茶系飲料を購入者に提供することができる。また、粉砕茶葉キャニスタ42内の粉砕茶葉の収容量を、できる限り少なくしているので、粉砕茶葉が茶系飲料の抽出に用いられるまでの時間を短くすることができ、これにより、粉砕茶葉の消費サイクルを短縮化することができる。その結果、茶葉をミルで粉砕してからあまり時間の経っていない新鮮な粉砕茶葉を用いることによって、より一層高品質の茶系飲料を利用者に提供することができる。
【0066】
なお、本発明は、説明した上記実施形態に限定されることなく、種々の態様で実施することができる。例えば、実施形態では、本発明をカップ式自動販売機に適用した場合について説明したが、これに限定されるものではなく、給茶機などの飲料ディスペンサに適用することもできる。また、実施形態では、茶葉用キャニスタ31およびミル・キャニスタユニット32をそれぞれ1つずつ、カップ式自動販売機1内に設置したが、それらを複数組、設置するとともに、茶系飲料抽出機33を共用することにより、複数種類の茶系飲料を販売することが可能である。また、実施形態で示したカップ式自動販売機1やミル・キャニスタユニット32の細部の構成などは、あくまで例示であり、本発明の趣旨の範囲内で適宜、変更することができる。
【0067】
【発明の効果】
以上詳述したように、本発明の粉砕茶葉生成装置は、茶葉を粉砕する機構部分をコンパクトに維持しながら、構造を単純化することができるなどの効果を有する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の粉砕茶葉生成装置を備えたカップ自動販売機の内部を示す図であり、(a)は正面図、(b)は(a)のA−A線の矢視図である。
【図2】ミル・キャニスタユニットを示す斜視図である。
【図3】(a)は図2のミル・キャニスタユニットの正面図、(b)はその右側面図を示す。
【図4】図2のミル・キャニスタユニットの左側面図を示す。
【図5】図2のミル・キャニスタユニットのホッパ付近を斜め上方から示す図である。
【図6】(a)は、上ミル部を示す斜視図であり、(b)は、下ミル部を示す斜視図である。
【図7】ミルの中心を縦に切断した状態を示す左断面図である。
【図8】茶葉用キャニスタおよびミル・キャニスタユニットの動作制御のメイン処理を示すフローチャートである。
【図9】ミル内の茶葉払出し処理のサブルーチンを示すフローチャートである。
【図10】ミルへの茶葉供給処理のサブルーチンを示すフローチャートである。
【図11】ミルへの茶葉追加供給処理のサブルーチンを示すフローチャートである。
【図12】茶系飲料抽出機の内部を示す図であり、(a)は正面図、(b)は右側面図を示す。
【図13】茶系飲料抽出機による茶系飲料の抽出動作を順に説明する説明図である。
【図14】図13に続く抽出動作を順に説明する説明図である。
【図15】飲料ノズルを示す図であり、(a)は正面図、(b)は右側面図である。
【図16】本発明の粉砕茶葉生成装置を適用したミルを示す図であり、(a)は正面図、(b)は右側面図である。
【図17】図16のミルの内部構造を示す図である。
【符号の説明】
1 カップ式自動販売機
5 茶系飲料調理部
31 茶葉用キャニスタ
32 ミル・キャニスタユニット
85 ミル(粉砕茶葉生成装置)
86 ケーシング(茶葉収容器)
86a 茶葉投入口
86b 粉砕茶葉吐出口(吐出口)
87 粉砕刃
87a 回転軸部
87b 螺旋刃部
88 駆動機構(駆動手段)
89 アダプタ
90 円筒刃
C カップ
F ペーパーフィルタ
Claims (2)
- 茶葉を粉砕することにより、茶系飲料の抽出原料としての粉砕茶葉を生成する茶系飲料供給装置の粉砕茶葉生成装置であって、
上方に開口した茶葉投入口と、底部に側方に開口するように形成された吐出口とを有し、前記茶葉投入口を介して上方から投入された茶葉を収容する茶葉収容器と、
前記茶葉収容器内の前記底部に、一端部が前記吐出口付近に位置し、水平に延びるとともに回転自在に設けられ、前記茶葉収容器内の茶葉を粉砕するとともに、これにより生成された粉砕茶葉を前記吐出口から外方へ送り出す粉砕刃と、
この粉砕刃の他端側に配置され、当該粉砕刃を回転駆動する駆動手段と、
を備えていることを特徴とする茶系飲料供給装置の粉砕茶葉生成装置。 - 前記粉砕刃は、
水平に延びる回転軸部と、
この回転軸部の表面に、螺旋状に連続的に延びるように設けられた螺旋刃部と、
を有していることを特徴とする請求項1に記載の茶系飲料供給装置の粉砕茶葉生成装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2002283374A JP2004118681A (ja) | 2002-09-27 | 2002-09-27 | 茶系飲料供給装置の粉砕茶葉生成装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2002283374A JP2004118681A (ja) | 2002-09-27 | 2002-09-27 | 茶系飲料供給装置の粉砕茶葉生成装置 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2004118681A true JP2004118681A (ja) | 2004-04-15 |
Family
ID=32277256
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2002283374A Pending JP2004118681A (ja) | 2002-09-27 | 2002-09-27 | 茶系飲料供給装置の粉砕茶葉生成装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2004118681A (ja) |
-
2002
- 2002-09-27 JP JP2002283374A patent/JP2004118681A/ja active Pending
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Legal Events
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A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20050117 |
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A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20061013 |
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A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20061024 |
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