JP2004118127A - 電子写真用キャリア製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】キャリア粒子を高効率に且つ、キャリア抵抗を安定的にコーティングできる電子写真用キャリアの製造方法を提供することであり、キャリアの画像への付着による画像汚れ及び、キャリア付着によるキャリア消費が見られず、且つ画像濃度ムラの発生がない良好な画像を得ること。
【解決手段】少なくとも下部(円筒部)と上部(円錐部+円筒部)から構成されている遠心転動流動装置を用い粉体粒子から静電荷像現像剤用キャリアを製造する方法において、装置下部からの供給エアの流速をVp、粉体粒子に作用する、装置上部に流入する空気の流速をVmとしたとき、
【数1】
1≦Vm/Vp≦2.5     …(数1)
であることを特徴とする電子写真用キャリア製造方法。
【選択図】    図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、電子写真キャリアを高効率で生産するための製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
現像技術の最近の展開として、カラー複写機及びカラープリンタの分野では、依然としてほとんどの機種に二成分磁気ブラシ現像法が適用されている。階調再現性やトナー搬送性、現像特性の安定性などの点で、いまだ一成分非磁性現像法が確たる優位性を持っていないためといえる。近年のカラー電子写真システムにおける高画質化、安定化、小型化などの要請は、二成分現像のさらなる改良を促した。特に高画質化については、トナー、キャリア、現像バイアス、現像器などの改良により、大きな進展が実現した。
まず、トナー粒子は平均粒径が5〜7μm程度まで小粒径化され、より繊密な画像をもたらした。これに伴って、キャリアも小粒径化され(10〜60μm)、キャリア低透磁率化、球形化、軽量化などと相俟って、ソフトな磁気ブラシが実現された。
従来の磁気ブラシ現像では、ブラシによるかきとりや掃き寄せなどで、いわゆる刷毛目が生じていたが、ソフトな磁気ブラシによって均一濃度の画像出力が可能になった。
【0003】
最近の二成分現像器では、現像隙間を数百μm〜数mmまで狭めることによって強い現像電極効果を引き出し、画質を改良しているものが多い。これは現像剤の薄層化によってなされるもので、磁気ブラシの穂先によるかきとり効果を軽減し画質を向上させる。しかし、一方では現像位置に送り込まれるトナー量が減少し、希望する画像の濃度が得られないという問題を生じ易い。この、現像効率の低下を改善するため、交流電界を導入する方法が実用化されている。
トナーは、キャリアによる搬送力に加え、AC電界の作用によって潜像面が供給される。その結果、小径スリーブでも高濃度をえることができる。
さらに、感光体と現像スリーブをほぼ等速で順方向に回転させても充分な濃度が得られるため、刷毛目のない均一な画像を出力できる。
【0004】
造粒装置の従来技術について説明すると、1970年頃から製薬・食品業界を中心に、少量多品種、混合、造粒、乾燥工程を同一容器内で処理が出来るので盛んに導入されてきた。また、造粒製品に要求される社会環境は、少量多品種生産に対し、粒径、密度、形状等の造粒物が任意に得られ混合・造粒・コーティング・乾燥が単独設備によって行なわれ、任意の工程選択が可能な複合操作と、前記した品質を任意に得ることができる多機能型のFA化無人化システムを望んでいた。これらの要望を受け、各装置メーカーでは、1980年頃から複合造粒装置の開発、商品化が進められ、流動層、攪拌、転動の各造粒法を同一容器内で処理する装置が実用化された。
複合型造粒は、同一容器内に攪拌造粒、転動造粒、流動層造粒の各機能を結合し或いは融合し、造粒物の形状、密度、粒径、などの品質を自在に製造する機能や混合、造粒、乾燥、コーティングなどの単位操作を目的に、用途に応じて任意に操作できる機能がある。
【0005】
ここで、各種複合型造粒装置の具体例を挙げると以下の装置が挙げられる。
まず、攪拌流動層型では、奈良機械製作所製の「スーパーファインマトリクスSMA型」や、パウレックス社製「マルチフレックスグラニュレーターMP型」がある。また、転動流動層型では、岡田精工社製「スピラコーターSP型」が挙げられる。そして、攪拌転動流動層では、フロイント産業製「スパイラスローSFC型」や不二パウダル社製「ニューマルメライザーNQ型」がある。
前記流動装置は、大半が回分式(バッチ処理方式)であり、流動板や攪拌羽根上部或いは側面よりスプレーノズル)により噴霧造粒(コーティング)される。
噴霧造粒処理が完了した処理品は、下部側面にある排出弁を介し製品排出口から外部へ排出される。
【0006】
これら装置、方式等には、噴霧液滴径について微粒化制御の記述はなく、このため粉体粒子衝突時に多くの分裂反跳液滴を発生させ、この液滴が装置内壁面や回転はね或いは他の粉体粒子に付着し、凝集体を多く発生させている。またそれと同時に分裂反跳液滴は、噴霧液滴に比べ非常に微粒化されているため、瞬時に固化するものも発生し、固化したコート物質は、乾燥固化状態(コートカス)で粉体表面に付着し、コート品質を悪化させる。
一方、被コーティング物質の表面に滑らかな被膜を形成させることを目的とする浸漬法も紹介されている。この方式は、医薬品分野等で錠丸剤をコーティング液中に浸漬させ、これを引き上げ乾燥させる方法であるが、小粒子径の粉粒体の場合、被覆コーティングには不向きであった。小粒径の粉粒体の場合、浸漬後の乾燥工程で粒子同士が付着・凝集を起こし最終的には団魂状態となり、一次粒子としての形態が要求される分野では困難であった(例えば特許文献1〜10参照。)。
【0007】
【特許文献1】
特公平2−56935号公報(第1頁第1欄第2行目〜第12行目
請求項1)
【特許文献2】
特公平3−1063号公報
【特許文献3】
特公平3−420228号公報
【特許文献4】
特公平3−42029号公報
【特許文献5】
特公平3−135430号公報
【特許文献6】
特公平5−4128号公報(第2頁第3欄第4行目〜第8行目)
【特許文献7】
特開平5−49901号公報
【特許文献8】
特公平5−11508号公報(第2頁第3欄第2〜第5行目)
【特許文献9】
特公平5−192555号公報
【特許文献10】
特公平6−186号公報(第1頁第1欄第3行目〜第13行目の請求
項1、2)
【0008】
また、コーティング液の溶媒沸点が100℃以上の溶媒では、これまでに紹介した各造粒装置内での温度が沸点以下となるケースが多々あるため、乾燥不良品が発生することもある。特にジャケット加熱による乾燥を行なう混合造粒法:ミキサー等では、その傾向が顕著でコート後の粒子がブロック状の塊になりやすい。加えて、装置内に残留溶媒のガスが充満しやすく、環境・安全面に問題が残る。
【0009】
他方、以上紹介した各造粒法はバッチ処理(回分式)であるため、1バッチ当たりの処理時間が長く生産性も悪い。また、コートしょうとするキャリア粒子径が小粒径化した場合、同一生産条件(同一キャリア仕込み量・同一舞い上がりエア量・同一膜厚)で生産しようとすると、キャリアの単一粒子における表面積/体積量は小さくなる。しかし、同一仕込み量で比較すると表面積/体積量は増大し、乾燥熱量が不足する。また、単一粒子としては、小粒径化する前の粒径に比べ、舞い上がり量が多くなると共に舞い上がり高さも高くなり、装置外へ多量のコートキャリアが排出されやすくなり、回収率の低下を招く。
【0010】
そこで、回収率を向上させる目的で舞い上がり量を制御(高さ制御)すると、熱風量が減少しコート後のキャリア凝集体が多発したり、層内への付着が増加し、製品回収分が減少する。
また、層内のスムーズなエアの送排気がないため、層内で発生する樹脂ミストがキャリア被覆樹脂膜へ多量に付着する状態が層内に蔓延する結果、帯電制御性が著しく劣化することによる画像濃度の低下を招く。さらに、キャリアの画像への付着による画像汚れ及びキャリア消費、画像濃度ムラの発生等の問題が残る。
【0011】
一般的な転動流動層は、キャリア舞い上がりを制御すると自然に熱風量が低下する。その他に回収率を向上させる目的で、流動層排気部に多数のめの細かいフィルターを設置し、層外へ排出されるキャリアを防止しているが、この方式も問題がある。その一つとして、長期間使用したり粒子径の細かいキャリアをコートすると、フィルターに小粒径キャリアが付着したり、樹脂ミストが多量に付着したり、すぐ目詰まりを起こす。そのため層内ガス濃度が上昇し危険な状態(爆発等の危険)での生産を行なうことになる。また、層内おけるスムーズなエアの送排気がないため、層内の温度低下を招き、乾燥不良による凝集を起こす。従って、通常の転動流動層タイプのコーティング装置は、キャリア粒径が小径化した場合、いくつかの問題を抱えているため小粒径粒子のコーティングには向かない。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】
従って、本発明の目的は、上記従来の電子写真用キャリア製造装置の問題を解決することによって、キャリア粒子を高効率に且つ、キャリア抵抗を安定的にコーティングできる電子写真用キャリアの製造方法を提供することである。
そのことによりキャリアの画像への付着による画像汚れ及び、キャリア付着によるキャリア消費が見られず、且つ画像濃度ムラの発生がない良好な画像を得ることである。
【0013】
【課題を解決するための手段】
上記課題は、本発明の(1)「少なくとも下部(円筒部)と上部(円錐部+円筒部)から構成されている遠心転動流動装置を用い粉体粒子から静電荷像現像剤用キャリアを製造する方法において、装置下部からの供給エアの流速をVp、粉体粒子に作用する、装置上部に流入する空気の流速をVmとしたとき、
【0014】
【数2】
1≦Vm/Vp≦2.5     …(数1)
であることを特徴とする電子写真用キャリア製造方法」、
(2)「前記装置上部に流入する空気は、水平方向に流入され、装置内の円筒部壁で回転気流作用による遠心力で旋回流空気となり、その旋回流空気の入口風速はVm=5〜30(m/s)の範囲であることを特徴とする前記第(1)項に記載の電子写真用キャリア製造方法」、
(3)「キャリア被覆樹脂膜表面に付着する樹脂ミストの付着量を0.5mmg以下にすることを特徴とする前記第(1)項または第(2)項に記載の電子写真用キャリア製造方法」、
(4)「被覆用樹脂液をスプレーノズルを用い噴霧しており、ノズルスプレーに供給される空気圧が2.0Kg/cm以上、且つ消費風量が100L/min以上であり、被覆用樹脂液の供給速度が300mL/min以下の条件で微粒子キャリアの表面に樹脂を被覆することを特徴とする前記第(1)項乃至第(3)項の何れかに記載の電子写真用キャリア製造方法」、
(5)「噴霧液滴径が5〜20μmであり、噴霧液滴径全体の50%以上を占めている特徴とする前記第(3)項に記載の電子写真用キャリア製造方法」、
(6)「円板と器壁の隙間(スリット)に設置される金網の目開きが25.4mmの間に235〜500の目数を有していることを特徴とする前記第(1)項乃至第(5)項の何れかに記載の電子写真用キャリア製造方法」、
(7)「キャリア担持体は、造粒状態で存在し、造粒体は10〜60μmの大きさの集合体で形成されることを特徴とする前記第(1)項乃至第(6)項の何れかに記載の電子写真用キャリア製造方法」、
(8)「流動化開始する最小流速をVmfとした場合、キャリア粒子1Kgに対し、Vmf≦8.5(m/S)であることを特徴とする前記第(1)項乃至第(7)項の何れかに記載の電子写真用キャリア製造方法」、
(9)「キャリア担持体は、シリコーン樹脂を主成分とする樹脂で被覆され、コーティング装置内におけるコート/乾燥温度は、前記被覆樹脂溶液中の溶媒の沸点温度を(T℃)としたとき、旋回流空気温度=コート/乾燥温度=T−30以下(℃)の雰囲気で加熱されていることを特徴とする前記第(1)項乃至第(8)項の何れかに記載の電子写真用キャリア製造方法」、
(10)「下部の円板の回転の周速度1.5〜4.0(m/sec)で制御されることを特徴とする前記第(2)項に記載の電子写真用キャリア製造方法」により達成される。
【0015】
第(1)項記載の本発明において、微粒子(60μm以下)キャリアのコーティングは粒子の凝集力が強くコーティング装置としては遠心転動流動装置が適している。
この装置は下部(円筒部)と上部(円錐部+円筒部)から構成されており、装置下部(円筒部)において、被処理粒子は、下部典型的には底部に設けられた円板の回転により装置周壁に分散衝突し、円板外周と器壁の隙間(スリット)から、円板の回転により主に器壁方向に向かって噴出され加熱された流動化空気の流速(Vp)によって内壁を駆け上がり、装置下部(円筒部)内に形成される流動層の上面で空気と分離されて中心部に落下し再び流動化空気流により上昇する。
【0016】
装置上部(円錐部+円筒部)においては、転動流動層の舞い上がり防止と凝集粒子の解砕を行なう2次エア(流速Vm)が、円錐部の上に設けられた円筒部の上部より接線方向に流入され、この2次エアは円筒部の内壁に添って回りながら下降し、その過程で、流動層より膨張し浮遊する粒子を集めさらに落下そして円錐部へ達する。そうすると速度が大きくなりさらに下降し、流動層上面で衝突し境界層(フィルム層)が生じて速度は低下し粒子は落下し、空気は反転上昇を始め装置中心部を排気管へと上昇する。
【0017】
このような静電荷像現像剤用キャリアの製造方法において、上部2次エア(Vm)と流動化空気の流速(Vp)の比(Vm/Vp)を下記式(数1)で規制することを特徴とすることにより、粒子を安定な流動状態を保つことができる製造方法である。
【0018】
【数3】
1≦Vm/Vp≦2.5     …(数1)
【0019】
コーティング装置として遠心転動流動装置について説明する。
図1は、実施例に用いた遠心転動流動装置の一例の概念図である。
この図1において、装置は下部(円筒部)(1)と上部(円錐部+円筒部)(2)から構成される造粒筒を有し、下部(円筒部)(1)には流動層(3)が形成される。またこの例の装置は、下部(円筒部)(1)と上部(円錐部+円筒部)(2)の境目辺りに液ポンプ(4)を備え、下部(円筒部)(1)の底部には駆動モータ(18)により回転される円板(5)を備え、円板(5)の外周と器壁の間には、流動床形成のためのエアを吹き上げる隙間(スリット)(6)が設けられ、このスリット(6)の下にはエア室(6a)が設けられている。エア室(6a)はエアを貯蔵し、かつスリット(6)に分配する。スリット(6)からは、調温湿装置(7)、エア供給ブロワー(8)、2次エア用調温湿装置(9)、流速調整バルブ(15)、エア供給用流速計(16)、2次エア供給管(14)、エア供給管(11)を介して供給された外気が、エア分配室(6a)からスリット(6)を経て、装置内に供給される。
【0020】
上部(円錐部+円筒部)(2)は、円錐部(2a)とその上の大径の円筒部(2b)からなり、円筒部(2b)には、外気を2次エアとして供給し円筒部(2b)の内壁に添って回りながら下降させるための2次エア用調温湿装置(9)、2次エア用ブロワー(10)、流速調整バルブ(15)、2次エア供給用流量計(17)、エア供給管(11)が設けられ、また、排気管(12)に接続する排気管又はエア内筒管(13)が中央部に設けられている。この例の装置においては、内筒管(13)の開口端は円筒部(2b)の下部に位置している。装置内に下方向に導入された2次エアは、前記のように、円錐部(2a)の上に設けられた円筒部(2b)の上部より接線方向に流入され、円筒部(2b)の内壁に添って回りながら下降し、その過程で、流動層より膨張し浮遊する粒子を集めさらに落下そして円錐部へ達し、速度が大きくなりさらに下降し、流動層上面で衝突し境界層(フィルム層)(23)が生じて速度は低下し粒子は落下し、2次エアは旋回流(24)を描いて反転上昇し、装置中心部の排気管又はエア内筒管(13)へと上昇する。
【0021】
図2は、造粒工程の一例の概念図である。
この図2において、造粒筒の(1)下部(円筒部)にキャリア粒子を供給し、円板(5)で攪拌され、エア供給ブロワー(8)を介して調温湿装置を通り加熱空気がスリット(6)から供給して流動層(3)を形成する。被覆樹脂溶液は液ポンプ(4)によりこの流動層内に位置するスプレーノズル(20)に送られ、ノズル(20)から圧縮空気(21)と伴に噴霧液滴となる。噴霧液滴はキャリア粒子表面に付着し、乾燥しながら被覆膜を形成する。
造粒筒の(1)下部(円筒部)に送り込まれた加熱空気および被覆樹脂溶液の溶媒の揮発分、樹脂ミストは、排気管(12)より外部へ排出される。
このとき、本発明による2次エア供給管(14)より旋回流となった2次エアを供給することにより、転動流動層の舞い上がり防止と凝集粒子が解砕される。
このとき、上部2次空気(Vm)と流動化空気の流速(Vp)の比(Vm/Vp)が下記式(数1)となる。
【0022】
【数4】
1≦Vm/Vp≦2.5     …(数1)
【0023】
Vm/Vp≦1となるとき、流動層の舞い上がり高さが高くなり、排気管(12)よりキャリア粒子および多量のコートキャリアが排出されやすくなり、回収率の低下を招く。
Vm/Vp≧2.5となるとき、流動層の舞い上がり高さを低く押え込みすぎる。
そのため、層内ガス濃度が上昇し危険な状態(爆発等の危険)での生産を行なうことになる。また、層内おけるスムーズなエアの送排気がないため、層内の温度低下をまねき、乾燥不良による凝集を起こす。
【0024】
1≦Vm/Vp≦2.5のとき、流入した2次空気は旋回流となり流流動層上面で衝突し境界層(フィルム層)をつくり、コート後舞い上がってきたキャリア粒子およびコートキャリアを下部へ押え込む。流動層の舞い上がり高さを適正な高さに調整することにより、層内おけるスムーズなエアの送排気を行なうことで、層内の温度調整を行ない、乾燥不良による凝集を防ぎ、高回収率を維持することが出来る。
【0025】
本発明の第(2)項は、円筒部上部より接線方向に流入した空気(流速Vp)は造粒筒の上部中心に設置された樹脂ミストと上昇空気を分級する内筒管と上部円筒部の内壁面から出来る隙間を通すことから発生する旋回流空気である。
分級する内筒管は、図3に示すように、円柱状の中空とし、下部底板の中心部に孔(開口部)を設けている構造を基本としている。キャリアと樹脂ミストを分離し、比重差により樹脂ミストのみを外部に排気する。円筒部を設置しない状態で、2次空気を造粒筒上部(円筒部)流入したとき、空気が広がり流速が落ち下降する推進力を失うことで流動層上面で衝突し境界層(フィルム層)をつくることが難しくなり、流動層の舞い上がり高さが高くなり、排気管(12)よりキャリア粒子および多量のコートキャリアが排出されやすくなり、回収率の低下を招く。
【0026】
本発明の第(3)項は、キャリア被覆樹脂膜表面に付着する樹脂ミストの付着量を0.5mmg以下にするとよい。被覆樹脂膜表面に付着する樹脂ミストの付着量が0.5mmgを超えると、表面の凹凸の発生が著しくなり、キャリアの抵抗が低下することにより、帯電制御が経時で劣化し帯電量が上昇し上限制御が不充分である。
【0027】
本発明の第(4)項は、被覆樹脂液をスプレーノズルを用い噴霧しており、ノズルスプレーに供給される空気圧が2.0Kg/cm以上、且つ消費風量が100L/min以上であり、被覆樹脂液の供給速度が300mL/min以下の条件で微粒子キャリアの表面に樹脂を被覆することができる。ノズルスプレーに供給される空気圧が2.0Kg/cm未満の場合のノズルからスプレーされる被覆樹脂液の液滴が充分に小さな液滴にならずにキャリア表面での乾燥速度が遅いため造粒してしまう。且つ消費風量が100L/min未満でも、キャリア表面での乾燥速度が遅いため造粒してしまう傾向にある。被覆樹脂液の供給速度が300mL/min以上の条件でも、同様な理由で造粒する傾向がある。
【0028】
本発明の第(5)項は、噴霧液滴径が5〜20μmであり、噴霧液滴径全体の50%以上を占めているとき、微粒子キャリアの表面に樹脂を被覆することができる。被覆樹脂液をスプレーノズルを用い噴霧液滴径が5μmより小さい場合、被覆樹脂液の溶媒がガス化し、キャリア表面に付着する前に樹脂ミストとなり、樹脂膜の被覆不足となり、噴霧液滴径が20μmより大きい場合、被覆樹脂液の液滴が充分に小さな液滴にならずにキャリア表面での乾燥速度が遅いため造粒してしまう。噴霧液滴径全体の50%以下の場合もキャリア表面に付着する前に樹脂ミストとなる傾向になり樹脂膜の被覆不足となる。
【0029】
本発明の第(6)項は、円板と器壁の隙間(スリット)に設置される金網の目開きが25.4mmの間に235〜500の目数を有している。金網の目開きが25.4mmの間に235より少なくなると、キャリア粒子径より目開きが大きくなり、円板(5)及びスリット(6)の下部へキャリア粒子が落下し、回収率の低下を招く。また、金網の目開きが25.4mmの間に500より多くなると、目開きが細かくなり抵抗が増すことで、エア供給量が低下し、流動層の舞い上がり低くなり、そのため層内ガス濃度が上昇し危険な状態(爆発等の危険)での生産を行なうことになる。また、層内おけるスムーズなエアの送排気がないため、層内の温度低下をまねき、乾燥不良による凝集を起こす。
【0030】
本発明の第(7)項において、本発明の第(1)項のキャリア担持体は、造粒状態で存在し、造粒体は、10〜60μmの大きさの集合体で形成されている。
10μmより小さい場合、層外へ排出され、製品回収率が低下し、60μm以上の場合は、流動層の舞い上がり高さが低くなり、凝集体が増加する。
【0031】
本発明の第(8)項は、流動化開始する最小流速をVmfとした場合、キャリア粒子1Kgに対し、Vmf≦8.5(m/S)である。流動層の舞い上がり高さが高くなり、層外へ排出され、製品回収率が低下する。
【0032】
本発明の第(9)項において、キャリア担持体は、シリコーン樹脂を主成分とする樹脂で被覆され、コーティング装置内におけるコート/乾燥温度は、前記被覆樹脂溶液中の架橋剤の沸点温度を(T℃)としたとき、旋回流空気温度=コート/乾燥温度=T−30以下(℃)の雰囲気で加熱されている。架橋剤の沸点より−30℃以上になると架橋剤が乾燥中に沸騰しやすくなり、被覆膜ないから離脱し膜強度が弱くなる。
【0033】
本発明の第(10)項は、本発明の第(2)項記載の下部の円板の回転の周速度1.5〜4.0(m/sec)で制御される。周速度が1.5(m/sec)未満では凝集体を形成しやすく、また、4.0(m/sec)を超えると、キャリア粒子の崩壊を招く傾向がある。
【0034】
本発明において現像剤を構成するキャリアの核体粒子としては、従来より公知のものでよく、例えば鉄、コバルト、ニッケル等の強磁性金属;マグネタイト、ヘマタイト、フェライトなどの合金や化合物;前記強磁性体微粒子と樹脂との複合体等が挙げられる。
【0035】
被覆層を形成する樹脂としては、例えばポリエチレン、ポリプロピレン、塩素化ポリエチレン、クロロスルホン化ポリエチレン等のポリオレフィン系樹脂;ポリスチレン、アクリル(例えばポリメチルメタクリレート)、ポリアクリロニトリル、ポリビニルアセテート、ポリビニルアルコール、ポリビニルブチラール、ポリ塩化ビニル、ポリビニルカルバゾール、ポリビニルエーテル、ポリビリケトン等のポリビニル及びポリビニリデン系樹脂;塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体;;オルガノシロキサン結合からなるシリコーン樹脂またはその変成品(例えばアルキッド樹脂、ポリエステル樹脂、エポキシ樹脂、ポリウレタン等による変成品);ポリテトラフルオロエチレン、ポリ弗化ビニル、ポリ弗化ビニリデン、ポリクロロトリフルオロエチレン等の弗素樹脂;ポリアミド;ポリエステル;ポリウレタン;ポリカーボネート;尿素−ホルムアルデヒド樹脂等のアミノ樹脂;エポキシ樹脂等が挙げられる。中でもトナースペントを防止する点で好ましいのはシリコーン樹脂またはその変成品、弗素樹脂、特にシリコーン樹脂またはその変成品である。
【0036】
シリコーン樹脂としては、従来から知られているいずれのシリコーン樹脂であってもよく、下記一般式(化1)で示されるオルガノシロキサン結合のみからなるストレートシリコーンおよびアルキド、ポリエステル、エポキシ、ウレタンなどで変成したシリコーン樹脂が挙げられる。
【0037】
【化1】
Figure 2004118127
【0038】
上記式中、Rは水素原子、炭素原子1〜4のアルキル基またはフェニル基、RおよびRは水素基、炭素原子数1〜4のアルコキシ基、フェニル基、フェノキシ基、炭素原子数2〜4のアリケニル基、炭素原子数2〜4のアルケニルオキシ基、ヒドロキシ基、カルボキシル基、エチレンオキシド基、グリシジル基または下記式で示される基である。
【0039】
【化2】
Figure 2004118127
【0040】
上記式中、R,Rはヒドロキシ基、カルボキシル基、炭素原子数1〜4のアルキル基、炭素原子数1〜4のアルコキシ基、炭素原子数2〜4のアルケニル基、炭素原子数2〜4のアルケニルオキシ基、フェニル基、フェノキシ基、k,l,m,n,o,pは1以上の整数を示す。
上記各置換基は未置換のもののほか、例えばアミノ基、ヒドロキシ基、カルボキシル基、メルカプト基、アルキル基、フェニル基、エチレンオキサイド基、グリシジル基、ハロゲン原子のような置換基を有してもよい。
【0041】
また、本発明で用いられるキャリアは、被覆層中に導電性付与材料を分散しても良い。分散される導電性材付与は従来より公知のものでよく、例えば鉄、金、銅等の金属;フェライト、マグネタイト等の酸化鉄;カーボンブラック等の顔料が挙げられる。
この中でも特にカーボンブラックの一つであるファーネスブラックとアセチレンブラックの混合物を用いることにより、少量の導電性微粉末の添加で効果的に導電性の調整が可能で、更に被覆層の耐摩耗性に優れたキャリアを得ることが可能となった。これらの導電性微粉末は、粒径0.01〜10μm程度のものが好ましく、被覆樹脂100重量部に対して2〜30重量部添加されることが好ましく、さらには5〜20重量部が好ましい。
【0042】
また、キャリア被覆層中には核体粒子との接着性を向上させたり導電性付与剤の分散性を向上させる目的でシランカップリング剤、チタンカップリング剤等を添加しても良い。
本発明で用いるシランカップリング剤としては下記一般式(化3)で示される化合物である。
【0043】
【化3】
Y−R−Si−X     ・・・(化3)
【0044】
但し、Xはけい素原子に結合している加水分解基でクロル基、アルコキシ基、アセトキシ基、アルキルアミノ基、プロペノキシ基などがある。
Yは、有機マトリックスと反応する有機官能基でビニル基、メタクリル基、エポキシ基、グリシドキシ基、アミノ基、メルカプト基などがある。
Rは、炭素数1〜20のアルキル基またはアルキレン基である。
このシランカップリング剤の中でも、特に負帯電性を有する現像剤を得るにはYにアミノ基を有するアミノシランカップリング剤が好ましく、正帯電性を有する現像剤を得るにはYにエポキシ基を有するエポキシシランカップリング剤が好ましい。
【0045】
被覆層の形成法としては、従来と同様、キャリア核体粒子の表面に被覆層形成液を噴霧法で塗布すればよい。
被覆層の厚さは0.1〜0.5μmが好ましい。
【0046】
トナーに使用される結着樹脂としては、例えば、ポリスチレン、ポリ−p−クロルスチレン、ポリビニルトルエンの如きスチレン及びその置換体の単重合体;スチレン−p−クロルスチレン共重合体、スチレン−ビニルトルエン共重合体、スチレン−ビニルナフタリン共重合体、スチレン−アクリル酸エステル共重合体、スチレン−メタクリル酸エステル共重合体、スチレン−α−クロルメタクリル酸メチル共重合体、スチレン−アクリロニトリル共重合体、スチレン−ビニルメチルエーテル共重合体、スチレン−ビニルエチルエーテル共重合体、スチレン−ビニルメチルケトン共重合体、スチレン−ブタジエン共重合体、スチレン−イソプレン共重合体、スチレン−アクリロニトリル−インデン共重合体の如きスチレン系共重合体;ポリ塩化ビニル;フェノール樹脂;天然変性フェノール樹脂;天然樹脂変性マレイン酸樹脂;アクリル樹脂;メタクリル樹脂;ポリ酢酸ビニール;シリコーン樹脂;ポリエステル樹脂;ポリウレタン;ポリアミド樹脂;フラン樹脂;エポキシ樹脂;キシレン樹脂;ポリビニルブチラール;テルペン樹脂;クマロンインデン樹脂;及び石油系樹脂が使用できる。
【0047】
トナー粒子に含有される着色剤としては、従来より知られている無機又は有機の染料/顔料が使用可能であり、例えば、カーボンブラック、アニリンブラック、アセチレンブラック、ナフトールイエロー、ハンザイエロー、ローダムンレーキ、アリザリンレーキ、ベンガラ、フタロシアニンブルー、インダスレンブルーが挙げられる。
これらは通常、結着樹脂100質量部に対し0.5〜20質量部使用される。
【0048】
必要に応じて着色剤として磁性材料を用いることも可能である。
磁性材料としては、マグネタイト、γ−酸化鉄、フェライト鉄、過剰型フェライトの如き酸化鉄;鉄、コバルト、ニッケルの如き磁性金属;酸化鉄又は磁性金属と、コバルト、スズ、チタン、銅、鉛、亜鉛、マグネシウム、マンガン、アルミニウム、珪素の如き金属との複合金属酸化物合金又は、混合物が挙げられる。
これら磁性粒子は、平均粒径が0.05乃至1.0μmの範囲内であることが好ましく、より好ましくは0.1乃至0.6μmの範囲内、さらに好ましくは0.1乃至0.4μmの範囲内であることが良い。
これらの磁性粒子は、窒素吸着法によるBET比表面積が好ましくは1乃至20m/gの範囲内、特に2.5乃至12m/gの範囲内であることが良く、更にモース硬度が5〜7の範囲内であることが良い。
磁性粒子の形状としては、8面体、6面体、球形、針状、鱗片状があるが、8面体、6面体、球形の異方性の少ないものが好ましい。
磁性トナーとして用いる場合、磁性材料を含有する磁性トナー粒子は、結着樹脂100質量部に対し10〜150質量部、好ましくは20〜120質量部磁性材料を含有することが良い。
【0049】
添加剤としては、例えばポリテトラフロロエチレン系フッ素樹脂粉末、ステアリン酸亜鉛粉末、ポリフッ化ビニリデン粉末の如き滑剤粉末;酸化セリウム粉末、炭化硅素粉末、チタン酸ストロンチウム粉末の如き研磨剤;例えば酸化チタン粉末、酸化アルミニウム粉末の如き流動性付与剤又はケーキング防止剤;例えばカーボンブラック粉末、酸化亜鉛粉末、酸化スズ粉末の如き導電性付与剤;及び逆極性の有機微粒子又は無機微粒子が挙げられる。
他の添加剤としては、例えばポリテトラフロロエチレン系フッ素樹脂粉末、ステアリン酸亜鉛粉末、ポリフッ化ビニリデン粉末の如き滑剤粉末;酸化セリウム粉末、炭化硅素粉末、チタン酸ストロンチウム粉末の如き研磨剤;例えば酸化チタン粉末、酸化アルミニウム粉末の如き流動性付与剤又はケーキング防止剤;例えばカーボンブラック粉末、酸化亜鉛粉末、酸化スズ粉末の如き導電性付与剤;及び逆極性の有機微粒子又は無機微粒子が挙げられる。
【0050】
ワックス類としては、パラフィンワックス及びその誘導体、マイクロクリスタリンワックス及びその誘導体、フィッシャートロプシュワックス及びその誘導体、ポリオレフィンワックス及びその誘導体、カルナバワックス及びその誘導体が挙げられる。誘導体は、酸化物、ビニル系モノマーとのブロック共重合体、ビニル系モノマーのグラフト変性物を含む。
その他、アルコール、脂肪酸、酸アミド、エステル、ケトン、硬化ヒマシ油及びその誘導体、植物系ワックス、動物性ワックス、鉱物系ワックス、ペトロラクタムも利用できる。
【0051】
トナーを負荷電性に制御する荷電制御剤としては、例えば有機金属錯体、キレート化合物が有効であり、モノアゾ金属錯体、アセチルアセトン金属錯体、芳香族ハイドロキシカルボン酸系金属錯体、芳香族ダイカルボン酸系金属錯体があげられる。他には、芳香族ハイドロキシカルボン酸、芳香族モノ及びポリカルボン酸及びその金属塩、その無水物、そのエステル類、ビスフェノールの如きフェノール誘導体類がある。
【0052】
トナーを正荷電性に制御する荷電制御剤としては、ニグロシン及び脂肪酸金属塩による変性物;トリブチルベンジルアンモニウム−1−ヒドロキシ−4−ナフトスルフォン酸塩、テトラブチルアンモニウムテトラフルオロボレートの如き四級アンモニウム塩、及びこれらの類似体であるホスホニウム塩の如きオニウム塩及びこれらのレーキ顔料、トリフェニルメタン染料及びこれらのレーキ顔料(レーキ化剤としては、燐タングステン酸、燐モリブデン酸、燐タングステンモリブデン酸、タンニン酸、ラウリン酸、没食子酸、フェリシアン化物、フェロシアン化物)、高級脂肪酸の金属塩;ジブチルスズオキサイド、ジオクチルスズオキサイド、ジシクロヘキシルスズオキサイドの如きジオルガノスズオキサイド;ジブチルスズボレート、ジオクチルスズボレート、ジシクロヘキシルスズボレートの如きジオルガノスズボレート類;が挙げられる。これらは、単独あるいは2種類以上組み合わせて用いることができる。
【0053】
この微粒子状の荷電制御剤の個数平均粒径は好ましくは4μm以下、より好ましくは3μm以下が良い。これらの荷電制御剤をトナー粒子中に内添する場合には、トナー粒子は、結着樹脂100質量部に対して好ましくは0.1〜20質量部、より好ましくは0.2〜10質量部含有することが良い。
トナーとキャリアとの混合割合は、一般にキャリア100重量部に対しトナー0.5〜6.0重量部程度が適当である。
【0054】
【実施例】
以下、実施例によって本発明を具体的に説明する。
(実施例1)
アクリル樹脂溶液(固形分=20重量%)                    30部
グアナミン樹脂溶液(固形分=70重量%)                    7部
ストレートシリコーン樹脂(固形分=20%)        100部
γ−(2アミノエチル)アミノプロピルトリメトキシシラン    1部
ジブチルチンジアセテート                   1部
アルミナ粒子(個数平均粒径=0.3μm)          75部
カーボンブラック                                            3部
トルエン                        1000部
上記、処方をホモミキサーで30分間分散してコート層形成用の塗工液を調整した。
この被覆層形成液を平均粒径10〜60μmの球状フェライト5000部の表面に遠心転動流動装置を用いて被覆層をコート形成して、150℃/1時間加熱してキャリア粒子(C1)を得た。
次に、キャリア粒子(C1)とトナー70部を、ターブラーミキサーにて2分間混合し、二成分現像剤を得た。
この二成分現像剤を用いて、リコー Imagio MF 6550 を使用し、実写耐久試験を行ない画像評価を行なった結果、キャリアの画像への付着による画像汚れ、及びキャリア付着によるキャリア消費が見られず、且つ画像濃度ムラの発生がない良好な画像が得られた。
【0055】
実施例1〜18及び比較例1〜10を表1の条件で試験を行ない、その結果を表2に示した。
【0056】
【表1】
Figure 2004118127
【0057】
表1の結果の評価方法
1;製品回収率
総投入量に対するコート後の回収重量比(wt%)。但し、凝集発生した粉粒体はコート後の出来高から除いた。
2;凝集発生度
投入コーティング前のキャリア粒子と、噴霧後のコート液が乾燥した時の樹脂固形分の合計総投入量とし、その重量に対する基準メッシュ以上残留した重量比を5段階にランク分けし、良いものを[◎]、悪いものを[×]としている。
3;平均液滴径
レーザー粒度分布測定装置を用いて平均粒径を測定し、基準値(目標値)に対するずれ度合いを5段階に分類し、ずれ度合いの少ないものを[◎]、悪いものを[×]としている。
4;動抵抗
動抵抗測定装置を用いて動抵抗を測定し、基準値(目標値)に対するずれ度合い5段階に分類し、ずれ度合いの少ないものを[◎]、悪いものを[×]としている。
5;帯電特性
帯電測定装置で帯電を測定し、基準値(目標値)に対するずれ度合い5段階に分類し、ずれ度合いの少ないものを[◎]、悪いものを[×]としている。
6;樹脂ミスト付着量
磁気ブラシ現像方式でキャリア樹脂膜表面に付着している樹脂ミストを対向電極を用いて引き寄せ捕集した数量を5段階に分類し、ずれ度合いの少ないものを[◎]、悪いものを[×]としている。
7;総合評価
製品の生産性、品質を含め総合的に評価し、最も優れているものを[◎]、悪いものを[×]とし5段階に分類した。
【0058】
【表2】
Figure 2004118127
【0059】
【発明の効果】
以上、詳細かつ具体的な説明から明らかなように、本発明の電子写真用キャリアの製造装置によれば、流動層は適正な高さに制御され膜厚はバラツキはなく、且つ流動層内の粒子は装置外へ持ち出されることなく、生産性回収率は向上し、コスト低減が達成でき、また、供給エア速度を落さず流動層の高さを制御することが可能となり、ガス濃度を安定化し安全の確保が達成でき、且つ、凝集体が低減するので、品質特性の目標値が安定する。さらに、キャリア被覆樹脂膜表面に付着する樹脂ミストが低減し、キャリア抵抗の特性値が安定し、現像剤の帯電劣化による画像濃度、画像のキャリア付着の画像品質が安定する。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例に用いた遠心転動流動装置の一例の概念図である。
【図2】本発明の造粒工程の一例の概念図である。
【図3】分級する内筒管の基本構造の例を示した図である。
【符号の説明】
1 造粒筒(下部;円筒部)
2 造粒筒(上部;円錐部+円筒部)
2a 円錐部
2b 円筒部
3 流動層
4 液ポンプ
5 円板
6 スリット
6a エア室
7 エア供給用調温湿装置
8 エア供給ブロワ
9 2次エア用調温湿装置
10 2次エア用ブロワ
11 エア供給管
12 排気管
13 内筒管
14 2次エア供給管
15 流速調整バルブ
16 エア供給用流量計
17 2次エア供給用流量計
18 円板駆動モータ
19 金網
20 スプレーノズル
21 圧縮エア
22 被覆樹脂溶液
23 境界層
24 2次エア旋回流

Claims (10)

  1. 少なくとも下部(円筒部)と上部(円錐部+円筒部)から構成されている遠心転動流動装置を用い粉体粒子から静電荷像現像剤用キャリアを製造する方法において、装置下部からの供給エアの流速をVp、粉体粒子に作用する、装置上部に流入する空気の流速をVmとしたとき、
    Figure 2004118127
    であることを特徴とする電子写真用キャリア製造方法。
  2. 前記装置上部に流入する空気は、水平方向に流入され、装置内の円筒部壁で回転気流作用による遠心力で旋回流空気となり、その旋回流空気の入口風速はVm=5〜30(m/s)の範囲であることを特徴とする請求項1に記載の電子写真用キャリア製造方法。
  3. キャリア被覆樹脂膜表面に付着する樹脂ミストの付着量を0.5mmg以下にすることを特徴とする請求項1または2に記載の電子写真用キャリア製造方法。
  4. 被覆用樹脂液をスプレーノズルを用い噴霧しており、ノズルスプレーに供給される空気圧が2.0Kg/cm以上、且つ消費風量が100L/min以上であり、被覆用樹脂液の供給速度が300mL/min以下の条件で微粒子キャリアの表面に樹脂を被覆することを特徴とする請求項1乃至3の何れかに記載の電子写真用キャリア製造方法。
  5. 噴霧液滴径が5〜20μmであり、噴霧液滴径全体の50%以上を占めている特徴とする請求項3に記載の電子写真用キャリア製造方法。
  6. 円板と器壁の隙間(スリット)に設置される金網の目開きが25.4mmの間に235〜500の目数を有していることを特徴とする請求項1乃至5の何れかに記載の電子写真用キャリア製造方法。
  7. キャリア担持体は、造粒状態で存在し、造粒体は10〜60μmの大きさの集合体で形成されることを特徴とする請求項1乃至6の何れかに記載の電子写真用キャリア製造方法。
  8. 流動化開始する最小流速をVmfとした場合、キャリア粒子1Kgに対し、Vmf≦8.5(m/S)であることを特徴とする請求項1乃至7の何れかに記載の電子写真用キャリア製造方法。
  9. キャリア担持体は、シリコーン樹脂を主成分とする樹脂で被覆され、コーティング装置内におけるコート/乾燥温度は、前記被覆樹脂溶液中の溶媒の沸点温度を(T℃)としたとき、旋回流空気温度=コート/乾燥温度=T−30以下(℃)の雰囲気で加熱されていることを特徴とする請求項1乃至8の何れかに記載の電子写真用キャリア製造方法。
  10. 下部の円板の回転の周速度1.5〜4.0(m/sec)で制御されることを特徴とする請求項2に記載の電子写真用キャリア製造方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2015190995A (ja) * 2014-03-27 2015-11-02 パウダーテック株式会社 電子写真現像剤用フェライトキャリア芯材、フェライトキャリア及び該フェライトキャリアを用いた電子写真現像剤

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