JP2004117980A - 感光性組成物 - Google Patents
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Abstract
【課題】耐ドライエッチング耐性が優れた感光性組成物を提供する。
【解決手段】オイルゲル化剤を含有する感光性組成物。
【選択図】 なし
【解決手段】オイルゲル化剤を含有する感光性組成物。
【選択図】 なし
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、IC等の半導体製造工程、液晶、サーマルヘッド等の回路基板、印刷版、光硬化性組成物の製造、さらにその他のフォトファブリケーション工程に使用される感光性組成物、特にレジスト組成物に関するものである。さらに詳しくは250nm以下の遠紫外線などの露光光源、および電子線などによる照射源とする場合に好適なレジスト組成物に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
化学増幅系レジスト組成物は、遠紫外光等の放射線の照射により露光部に酸を生成させ、この酸を触媒とする反応によって、活性放射線の照射部と非照射部の現像液に対する溶解性を変化させ、パターンを基板上に形成させるパターン形成材料である。
【0003】
KrFエキシマレーザーを露光光源とする場合には、主として248nm領域での吸収の小さい、ポリ(ヒドロキシスチレン)を基本骨格とする樹脂を主成分に使用するため、高感度、高解像度で、且つ良好なパターンを形成し、従来のナフトキノンジアジド/ノボラック樹脂系に比べて良好な系となっている。
【0004】
しかしながら、更なる短波長の光源、例えばArFエキシマレーザー(193nm)を露光光源として使用する場合は、芳香族基を有する化合物が本質的に193nm領域に大きな吸収を示すため、上記化学増幅系でも十分ではなかった。
また、193nm波長領域に吸収の小さいポリマーとして、ポリ(メタ)アクリレートの利用が非特許文献1(J.Vac.Sci.Technol.,B9,3357(1991)). に記載されているが、このポリマーは一般に半導体製造工程で行われるドライエッチングに対する耐性が、芳香族基を有する従来のフェノール樹脂に比べ低いという問題があった。
【0005】
近年の微細化要求のためにレジストの薄膜化が進んでおり、レジストのドライエッチング耐性が益々高く求められるようになってきた。
【0006】
一方、オイルに添加されることでオイルをゲル化する作用を持つオイルゲル化剤が徐々に見つかって来ており、非特許文献2(「表面」第36巻第6号291〜303項(1998年))等に紹介されている。しかし、その反応機構や使用方法等はあまり知られていない。
【0007】
【非特許文献1】
J.Vac.Sci.Technol.,B9,3357(1991)
【非特許文献2】
「表面」第36巻第6号291〜303項(1998年)
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
従って、本発明の目的は、ドライエッチング耐性が優れた感光性組成物を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明は、下記構成の感光性組成物であり、これにより本発明の上記目的が達成される。
【0010】
(1)オイルゲル化剤を含有する感光性組成物。
【0011】
以下に、好ましい態様を記載する。
(2)オイルゲル化剤に加えて、更に
(A)活性光線又は放射線の照射により酸を発生する化合物、及び
(B)酸の作用により分解し、アルカリ現像液中での溶解度を増大させる基を有する樹脂
を含有する感光性組成物(ポジ型レジスト組成物)。
(3)オイルゲル化剤に加えて、更に
(A)活性光線又は放射線の照射により酸を発生する化合物、
(D)アルカリ現像液に可溶な樹脂、及び
(E)酸の作用により該アルカリ現像液に可溶な樹脂と架橋する酸架橋剤
を含有する感光性組成物(ネガ型レジスト組成物)。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下、本発明に使用する化合物について詳細に説明する。
【0013】
≪オイルゲル化剤≫
本発明の感光性組成物は、オイルゲル化剤を含有することを特徴とする。
オイルゲル化剤とは、水素結合、ファンデルワールス力、Π−Πスタッキング、静電相互作用、配位結合などの、共有結合以外の2次的な作用を原動力として、化学反応を伴わずに添加するだけで、あるいは過熱・放冷という単純な操作で液体をゲル化することができる化合物である。例えば「表面」第36巻第6号291〜303項(1998年)に記載されている。ここで、ゲル化とは流動体が流動性を持たなくなり、自重でも崩れない程度に固まることを意味する。
【0014】
本発明においては、オイルゲル化剤として働くものであれば、特に限定されることなく用いることができる。好ましい具体例として、1,2,3,4−ジベンジリデン−D−ソルビト−ル、12−ヒドロキシステアリン酸、N−ラウロイル−L−グルタミン酸−α,γ−ビス−n−ブチルアミド、スピンラベル化ステロイド、コレステロール誘導体、ジアルキルリン酸アルミニウム、フェノール系環状オリゴマー、2,3 −ビス−n−ヘキサデシロキシアントラセン、環状デプシペプチド、部分フッ素化アルカン、シスチン誘導体、ビス(2−エチルヘキシル)スルホコハク酸ナトリウム、トリフェニルアミン誘導体、ブチロラクトン誘導体、4級アンモニウム塩、フッ素化アルキル化オリゴマー、尿素誘導体、ビタミンH誘導体、グルコンアミド誘導体、コール酸誘導体等があげられる。
【0015】
本発明で用いることができるオイルゲル化剤の具体例としては以下に示す化合物が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
【0016】
【化1】
【0017】
本発明で用いることができるオイルゲル化剤は、通常市販されているものも用いることができる。また、例えば、「表面」第36巻第6号291〜303項(1998年)に記載されている文献を参照して製造することもできる。
【0018】
本発明の感光性組成物中におけるオイルゲル化剤の含量は、感光性組成物の状態ではゲル化しない範囲で加えることができ、組成物の固形分を基準として、5質量%以下が好ましく、より好ましくは0.001〜5質量%、更に好ましくは0.01〜3質量%である。これにより、感光性組成物の状態ではゲル化しないために扱いやすさを損なわず、かつ感光性組成物を塗布、乾燥させた際に感光性組成物が強固な膜を形成することができる。
【0019】
本発明に係わるオイルゲル化剤含有感光性組成物は、好ましくは化学増幅系ポジ型レジスト組成物及び化学増幅系ネガ型レジスト組成物である。本発明に係わる化学増幅系ポジ型レジスト組成物は、オイルゲル化剤に加え、
(A)活性光線又は放射線の照射により酸を発生する化合物(酸発生剤)、及び(B)酸の作用により分解し、アルカリ現像液中での溶解度を増大させる基を有する樹脂を含有し、必要に応じて更に(C)酸の作用により分解してアルカリ現像液中での溶解度を増大させる基を有する、溶解阻止化合物を含有するか、
或いは(A)活性光線又は放射線の照射により酸を発生する化合物(酸発生剤)、(D)アルカリ現像液に可溶な樹脂(アルカリ可溶性樹脂)、及び(C)酸の作用により分解してアルカリ現像液中での溶解度が増大する溶解阻止化合物を含有する。
本発明に係わる化学増幅系ネガ型レジスト組成物は、オイルゲル化剤に加え、(A)活性光線又は放射線の照射により酸を発生する化合物、(D)アルカリ現像液に可溶な樹脂(アルカリ可溶性樹脂)及び(E)酸の作用により該アルカリ現像液に可溶な樹脂と架橋する酸架橋剤を含有する。
【0020】
以下に、本発明のオイルゲル化剤含有レジスト組成物が含みうる、オイルゲル化剤以外の成分について説明する。
【0021】
≪(A)活性光線又は放射線の照射により酸を発生する化合物≫
本発明の組成物には、成分(A)として活性光線又は放射線の照射により酸を発生する化合物(光酸発生剤)を含有する。
そのような光酸発生剤としては、光カチオン重合の光開始剤、光ラジカル重合の光開始剤、色素類の光消色剤、光変色剤、あるいはマイクロレジスト等に使用されている活性光線又は放射線の照射により酸を発生する公知の化合物及びそれらの混合物を適宜に選択して使用することができる。
【0022】
たとえば、ジアゾニウム塩、アンモニウム塩、ホスホニウム塩、ヨードニウム塩、スルホニウム塩、セレノニウム塩、アルソニウム塩等のオニウム塩、有機ハロゲン化合物、有機金属/有機ハロゲン化物、o−ニトロベンジル型保護基を有する光酸発生剤、イミノスルフォネ−ト等に代表される光分解してスルホン酸を発生する化合物、ジアゾジスルホン等、ジスルホン化合物、トリスルホニルオキシベンゼン、オキシムスルホネート等を挙げることができる。
【0023】
(A)成分の化合物の本発明のレジスト組成物中の含量は、組成物の固形分を基準として、0.1〜20質量%が好ましく、より好ましくは0.5〜20質量%、更に好ましくは1〜15質量%である。
【0024】
本発明に使用される(A)活性光線又は放射線の照射により酸を発生する化合物の中で、特に好ましいものの例を以下に挙げる。
【0025】
【化2】
【0026】
【化3】
【0027】
≪(B)アルカリ現像液に対して不溶性あるいは難溶性であり、酸の作用でアルカリ現像液に対し可溶性となる樹脂(「酸分解性樹脂」ともいう)≫
【0028】
本発明の(B)酸分解性樹脂としては、アルカリ現像液に対して不溶性あるいは難溶性であり、酸の作用でアルカリ現像液に対して可溶性となる樹脂であれば、何れでもよく、アルカリ可溶性部位としての官能基としては、フェノール性水酸基、およびカルボキシル基が好ましい。
【0029】
本発明の(B)酸分解性樹脂としては、少なくとも一つのフェノール性水酸基構造を有し、酸の作用により分解し、アルカリ現像液中での溶解度が増大する樹脂が好ましい。具体的にはp−ヒドロキシスチレンユニットを少なくとも有する樹脂が好ましく、さらに、ポリ−p−ヒドロキシスチレンの一部分を酸分解基で保護したもの、p−ヒドロキシスチレンとt−ブチルアクリレートとの共重合体、及びそれらの誘導体がより好ましい。
例えば、以下に挙げるような樹脂が適用可能である。
【0030】
【化4】
【0031】
また、本発明の組成物がArF露光用であるときは、(B)酸分解性樹脂として、単環又は多環の脂環炭化水素構造を有する樹脂であることが好ましい。例えば、以下に挙げるような樹脂が使用できる。
【0032】
【化5】
【0033】
【化6】
【0034】
【化7】
【0035】
但し、本発明の組成物がArF露光用であるとき、ArF光への透明性の点から樹脂は芳香族基を有さないことが好ましい。
【0036】
また、(B)酸分解性樹脂として、ポリマー骨格の主鎖及び/又は側鎖にフッ素原子が置換した構造を有する樹脂(以下、フッ素基含有樹脂ともいう)も好ましく、さらに好ましくは1位がフッ素原子またはフロロアルキル基で置換された水酸基または1位がフッ素原子またはフロロアルキル基で置換された水酸基を酸分解基で保護した基を含有する樹脂であり、最も好ましくはヘキサフロロ−2−プロパノール構造またはヘキサフロロ−2−プロパノールの水酸基を酸分解基で保護した構造を含有する樹脂である。フッ素原子を導入することで遠紫外光、特にF2(157nm)光に対する透明性を向上させることができる。
例えば以下に挙げるような樹脂が使用可能である。
【0037】
【化8】
【0038】
【化9】
【0039】
上記具体例で表される繰り返し構造単位は、各々1種で使用してもよいし、複数を混合して用いてもよい。
また、本発明において、(B)樹脂は、1種で使用してもよいし、複数併用してもよい。
【0040】
本発明に係る(B)樹脂の重量平均分子量は、GPC法によりポリスチレン換算値として、好ましくは1,000〜200,000であり、更に好ましくは3,000〜20,000である。重量平均分子量が1,000未満では耐熱性やドライエッチング耐性の劣化が見られるため余り好ましくなく、200,000を越えると現像性が劣化したり、粘度が極めて高くなるため製膜性が劣化するなど余り好ましくない結果を生じる。
分子量分布(Mw/Mn)は、通常1〜10であり、好ましくは1〜5、更に好ましくは1〜4の範囲のものが使用される。分子量分布の小さいものほど、解像度、レジスト形状、及びレジストパターンの側壁がスムーズであり、ラフネス性に優れる。
【0041】
本発明のレジスト組成物において、本発明に係わる全ての樹脂の組成物全体中の配合量は、全レジスト固形分中40〜99.99質量%が好ましく、より好ましくは50〜99.97質量%である。
【0042】
≪(C)酸の作用により分解してアルカリ現像液中での溶解度が増大する溶解阻止化合物(以下、「(C)成分」或いは「酸分解性溶解阻止化合物」ともいう)≫
(C)酸の作用により分解してアルカリ現像液への溶解性が増大する、分子量3000以下の化合物としては、フェノール性水酸基を有する化合物のフェノール性水酸基を酸分解性基で保護した化合物、またはカルボキシル基を有する化合物のカルボキシル基を酸分解性基で保護した化合物が好ましい。
【0043】
酸分解性溶解阻止化合物の添加量は、化学増幅系レジスト組成物の全組成物の固形分に対し、好ましくは3〜50質量%であり、より好ましくは5〜40質量%である。
【0044】
以下に酸分解性溶解阻止化合物の具体例を示すが、これらに限定されない。
【0045】
【化10】
【0046】
≪(D)アルカリ現像液に可溶な樹脂(以下、「(D)成分」あるいは「アルカリ可溶性樹脂」ともいう)≫
アルカリ可溶性樹脂のアルカリ溶解速度は、0.261Nテトラメチルアンモニウムハイドロオキサイド(TMAH)で測定(23℃)して20Å/秒以上のものが好ましい。特に好ましくは200Å/秒以上のものである(Åはオングストローム)。
【0047】
本発明に用いられるアルカリ可溶性樹脂としてはフェノール性水酸基、カルボキシル基、スルホニルオキシ基、スルホンアミド基、スルホニルイミド基、などアルカリ解離性基を有する樹脂が好ましく、更に好ましくはノボラック樹脂、ヒドロキシスチレン誘導体、カルボキシル基含有(メタ)アクリル系樹脂であり、特に好ましくはヒドロキシスチレン繰り返し単位を有する樹脂である。
例えば以下に挙げるような樹脂が使用可能である。
【0048】
【化11】
【0049】
特に好ましいアルカリ可溶性樹脂はノボラック樹脂及びo−ポリヒドロキシスチレン、m−ポリヒドロキシスチレン、p−ポリヒドロキシスチレン及びこれらの共重合体、アルキル置換ポリヒドロキシスチレン、ポリヒドロキシスチレンの一部O−アルキル化、もしくはO−アシル化物、スチレン−ヒドロキシスチレン共重合体、α−メチルスチレン−ヒドロキシスチレン共重合体である。
該ノボラック樹脂は所定のモノマーを主成分として、酸性触媒の存在下、アルデヒド類と付加縮合させることにより得られる。
【0050】
また、アルカリ溶解性樹脂の重量平均分子量は、通常2000以上、好ましくは5000〜200000、より好ましくは5000〜100000である。
【0051】
ここで、重量平均分子量はゲルパーミエーションクロマトグラフィーのポリスチレン換算値をもって定義される。
本発明におけるこれらの(D)アルカリ可溶性樹脂は2種類以上組み合わせて使用してもよい。
アルカリ可溶性樹脂の使用量は、レジスト組成物の全組成物の固形分に対し、通常40〜97質量%、好ましくは60〜90質量%である。
【0052】
≪(E)酸の作用により上記アルカリ可溶性樹脂と架橋する酸架橋剤(以下「(E)成分」或いは「架橋剤」ともいう)≫
【0053】
架橋剤としては酸の作用によりアルカリ現像液に可溶な樹脂を架橋する化合物であればいずれも用いることができるが、以下の(1)〜(3)が好ましい。
(1)フェノール誘導体のヒドロキシメチル体、アルコキシメチル体、アシルオキシメチル体。
(2)N−ヒドロキシメチル基、N−アルコキシメチル基、N−アシルオキシメチル基を有する化合物。
(3)エポキシ基を有する化合物。
アルコキシメチル基としては炭素数6個以下、アシルオキシメチル基としては炭素数6個以下が好ましい。
これらの架橋剤の内、特に好ましいものを以下に挙げる。
【0054】
【化12】
【0055】
架橋剤は、全レジスト組成物固形分中、通常3〜70質量%、好ましくは5〜50質量%の添加量で用いられる。
架橋剤の添加量が3質量%未満であると残膜率が低下し、また、70質量%を越えると解像力が低下し、更にレジスト液の保存時の安定性の点で余り好ましくない。
【0056】
≪(F)塩基性化合物≫
本発明のレジスト組成物は、更に(F)塩基性化合物を含有する。塩基性化合物としては、例えば含窒素塩基性化合物が挙げられる。
【0057】
塩基性化合物としては有機アミン、塩基性オニウム塩、含窒素ヘテロ環状化合物などが好ましく、特に好ましくはアルキルアミン、ピリジン誘導体、アニリン誘導体、アンモニウムヒドロキシド、スルホニウムヒドロキシド、ジアザビシクロ化合物が挙げられる。
【0058】
これら塩基性化合物は、単独であるいは2種以上で用いられる。(F)塩基性化合物の使用量は、レジスト組成物の固形分を基準として、通常0.001〜10質量%、好ましくは0.01〜5質量%である。0.001質量%未満では上記塩基性化合物の添加の効果が得られない。一方、10質量%を超えると感度の低下や非露光部の現像性が悪化する傾向がある。
【0059】
≪(H)界面活性剤≫
本発明のレジスト組成物は、更に(H)界面活性剤を含有することが好ましい。界面活性剤の例としてはフッ素系、シリコン系、またはノニオン系界面活性剤を挙げることができるが、フッ素系及び/またはシリコン系を含有することが好ましい。
【0060】
(H)界面活性剤の使用量は、レジスト組成物全量(溶剤を除く)に対して、好ましくは0.0001〜2質量%、より好ましくは0.001〜1質量%である。
【0061】
≪(I)有機溶剤≫
本発明のレジスト組成物は、上記の成分を所定の有機溶剤に溶解して用いる。
使用し得る有機溶剤としては、例えば、エチレンジクロライド、シクロヘキサノン、シクロペンタノン、2−ヘプタノン、γ−ブチロラクトン、メチルエチルケトン、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、2−メトキシエチルアセテート、エチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、トルエン、酢酸エチル、乳酸メチル、乳酸エチル、メトキシプロピオン酸メチル、エトキシプロピオン酸エチル、ピルビン酸メチル、ピルビン酸エチル、ピルビン酸プロピル、N,N−ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、N−メチルピロリドン、テトラヒドロフラン等を挙げることができる。
【0062】
≪使用方法≫
本発明のレジスト組成物は、上記の成分を所定の有機溶剤、好ましくは前記混合溶剤に溶解し、次のように所定の支持体上に塗布して用いる。
すなわち、上記レジスト組成物を精密集積回路素子の製造に使用されるような基板(例:シリコン/二酸化シリコン被覆)上にスピナー、コーター等の適当な塗布方法により塗布する。
塗布後、所定のマスクを通して露光し、ベークを行い現像する。このようにすると、良好なレジストパターンを得ることができる。ここで露光光としては、好ましくは250nm以下、より好ましくは220nm以下の波長の遠紫外線である。具体的には、KrFエキシマレーザー(248nm)、ArFエキシマレーザー(193nm)、F2エキシマレーザー(157nm)、X線、電子ビーム等が挙げられる。
【0063】
現像工程では、現像液を次のように用いる。レジスト組成物のアルカリ現像液としては、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸ナトリウム、ケイ酸ナトリウム、メタケイ酸ナトリウム、アンモニア水等の無機アルカリ類、エチルアミン、n−プロピルアミン等の第一アミン類、ジエチルアミン、ジ−n−ブチルアミン等の第二アミン類、トリエチルアミン、メチルジエチルアミン等の第三アミン類、ジメチルエタノールアミン、トリエタノールアミン等のアルコールアミン類、テトラメチルアンモニウムヒドロキシド、テトラエチルアンモニウムヒドロキシド等の第四級アンモニウム塩、ピロール、ピヘリジン等の環状アミン類等のアルカリ性水溶液(通常0.1〜10質量%)を使用することができる。
さらに、上記アルカリ性水溶液にアルコール類、界面活性剤を適当量添加して使用することもできる。
【0064】
【実施例】
以下、本発明を実施例によって更に具体的に説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
【0065】
実施例1〜3及び比較例1〜3
(ポジ型レジスト組成物組成物の調製と評価)
表1に示す組成物をプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート/プロピレングリコールモノメチルエーテル(60/40質量比)に溶解させて固形分濃度15質量%の溶液を作成し、0.2μmのテフロンフィルターにより濾過した。スピンコーターにてシリコン基板上に均一に塗布し、100℃で90秒間ホットプレート上で加熱乾燥を行い、0.7μmのレジスト膜を形成させた。尚、比較例の組成物は、オイルゲル化剤を含まない以外は、実施例の組成物と同様に作製した。表1に示す各成分の記号は、先に例示の具体例を意味する。
得られた膜をULVAC製リアクティブイオンエッチング装置(CSE−1110)を用いて、CF4/O2(8/2)のガスに対するエッチング速度を測定したところ、表2に示す通りであった(エッチング条件:Power=500W、Pressure=4.6Pa、Gas Folw Rate=10sccm)。エッチング速度は数字が小さいほどエッチングされにくく、耐ドライエッチング性が優れている。
【0066】
【表1】
【0067】
ここで、樹脂k−13は、先に例示の樹脂であり、繰り返し単位の組成比は構造式左から15/60/25(モル比)であり、重量平均分子量は14,0000である。
【0068】
【表2】
【0069】
実施例4及び5、及び比較例4及び5
(ネガ型レジスト組成物組成物の調製と評価)
表3に示す組成物を用いてポジレジスト組成物と同様の手法により得られたレジスト膜を250nmのバンドパスフィルターを用い50mJ/cm2光照射し、100℃で90秒間ホットプレート上で加熱して全面硬化させた以外はポジレジストと同様にドライエッチング速度を測定したところ、表4に示す通りであった。比較例の組成物はオイルゲル化剤を含まない以外は実施例の組成物と同じものを用いた。表3に示す各成分の記号は、先に例示の具体例を意味する。
【0070】
【表3】
【0071】
【表4】
【0072】
表2及び表4から明らかなように本発明の組成物はドライエッチング耐性に優れていることが分かる。
【0073】
【発明の効果】
本発明は、耐ドライエッチング耐性に優れたレジスト組成物を提供することができる。
【発明の属する技術分野】
本発明は、IC等の半導体製造工程、液晶、サーマルヘッド等の回路基板、印刷版、光硬化性組成物の製造、さらにその他のフォトファブリケーション工程に使用される感光性組成物、特にレジスト組成物に関するものである。さらに詳しくは250nm以下の遠紫外線などの露光光源、および電子線などによる照射源とする場合に好適なレジスト組成物に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
化学増幅系レジスト組成物は、遠紫外光等の放射線の照射により露光部に酸を生成させ、この酸を触媒とする反応によって、活性放射線の照射部と非照射部の現像液に対する溶解性を変化させ、パターンを基板上に形成させるパターン形成材料である。
【0003】
KrFエキシマレーザーを露光光源とする場合には、主として248nm領域での吸収の小さい、ポリ(ヒドロキシスチレン)を基本骨格とする樹脂を主成分に使用するため、高感度、高解像度で、且つ良好なパターンを形成し、従来のナフトキノンジアジド/ノボラック樹脂系に比べて良好な系となっている。
【0004】
しかしながら、更なる短波長の光源、例えばArFエキシマレーザー(193nm)を露光光源として使用する場合は、芳香族基を有する化合物が本質的に193nm領域に大きな吸収を示すため、上記化学増幅系でも十分ではなかった。
また、193nm波長領域に吸収の小さいポリマーとして、ポリ(メタ)アクリレートの利用が非特許文献1(J.Vac.Sci.Technol.,B9,3357(1991)). に記載されているが、このポリマーは一般に半導体製造工程で行われるドライエッチングに対する耐性が、芳香族基を有する従来のフェノール樹脂に比べ低いという問題があった。
【0005】
近年の微細化要求のためにレジストの薄膜化が進んでおり、レジストのドライエッチング耐性が益々高く求められるようになってきた。
【0006】
一方、オイルに添加されることでオイルをゲル化する作用を持つオイルゲル化剤が徐々に見つかって来ており、非特許文献2(「表面」第36巻第6号291〜303項(1998年))等に紹介されている。しかし、その反応機構や使用方法等はあまり知られていない。
【0007】
【非特許文献1】
J.Vac.Sci.Technol.,B9,3357(1991)
【非特許文献2】
「表面」第36巻第6号291〜303項(1998年)
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
従って、本発明の目的は、ドライエッチング耐性が優れた感光性組成物を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明は、下記構成の感光性組成物であり、これにより本発明の上記目的が達成される。
【0010】
(1)オイルゲル化剤を含有する感光性組成物。
【0011】
以下に、好ましい態様を記載する。
(2)オイルゲル化剤に加えて、更に
(A)活性光線又は放射線の照射により酸を発生する化合物、及び
(B)酸の作用により分解し、アルカリ現像液中での溶解度を増大させる基を有する樹脂
を含有する感光性組成物(ポジ型レジスト組成物)。
(3)オイルゲル化剤に加えて、更に
(A)活性光線又は放射線の照射により酸を発生する化合物、
(D)アルカリ現像液に可溶な樹脂、及び
(E)酸の作用により該アルカリ現像液に可溶な樹脂と架橋する酸架橋剤
を含有する感光性組成物(ネガ型レジスト組成物)。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下、本発明に使用する化合物について詳細に説明する。
【0013】
≪オイルゲル化剤≫
本発明の感光性組成物は、オイルゲル化剤を含有することを特徴とする。
オイルゲル化剤とは、水素結合、ファンデルワールス力、Π−Πスタッキング、静電相互作用、配位結合などの、共有結合以外の2次的な作用を原動力として、化学反応を伴わずに添加するだけで、あるいは過熱・放冷という単純な操作で液体をゲル化することができる化合物である。例えば「表面」第36巻第6号291〜303項(1998年)に記載されている。ここで、ゲル化とは流動体が流動性を持たなくなり、自重でも崩れない程度に固まることを意味する。
【0014】
本発明においては、オイルゲル化剤として働くものであれば、特に限定されることなく用いることができる。好ましい具体例として、1,2,3,4−ジベンジリデン−D−ソルビト−ル、12−ヒドロキシステアリン酸、N−ラウロイル−L−グルタミン酸−α,γ−ビス−n−ブチルアミド、スピンラベル化ステロイド、コレステロール誘導体、ジアルキルリン酸アルミニウム、フェノール系環状オリゴマー、2,3 −ビス−n−ヘキサデシロキシアントラセン、環状デプシペプチド、部分フッ素化アルカン、シスチン誘導体、ビス(2−エチルヘキシル)スルホコハク酸ナトリウム、トリフェニルアミン誘導体、ブチロラクトン誘導体、4級アンモニウム塩、フッ素化アルキル化オリゴマー、尿素誘導体、ビタミンH誘導体、グルコンアミド誘導体、コール酸誘導体等があげられる。
【0015】
本発明で用いることができるオイルゲル化剤の具体例としては以下に示す化合物が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
【0016】
【化1】
【0017】
本発明で用いることができるオイルゲル化剤は、通常市販されているものも用いることができる。また、例えば、「表面」第36巻第6号291〜303項(1998年)に記載されている文献を参照して製造することもできる。
【0018】
本発明の感光性組成物中におけるオイルゲル化剤の含量は、感光性組成物の状態ではゲル化しない範囲で加えることができ、組成物の固形分を基準として、5質量%以下が好ましく、より好ましくは0.001〜5質量%、更に好ましくは0.01〜3質量%である。これにより、感光性組成物の状態ではゲル化しないために扱いやすさを損なわず、かつ感光性組成物を塗布、乾燥させた際に感光性組成物が強固な膜を形成することができる。
【0019】
本発明に係わるオイルゲル化剤含有感光性組成物は、好ましくは化学増幅系ポジ型レジスト組成物及び化学増幅系ネガ型レジスト組成物である。本発明に係わる化学増幅系ポジ型レジスト組成物は、オイルゲル化剤に加え、
(A)活性光線又は放射線の照射により酸を発生する化合物(酸発生剤)、及び(B)酸の作用により分解し、アルカリ現像液中での溶解度を増大させる基を有する樹脂を含有し、必要に応じて更に(C)酸の作用により分解してアルカリ現像液中での溶解度を増大させる基を有する、溶解阻止化合物を含有するか、
或いは(A)活性光線又は放射線の照射により酸を発生する化合物(酸発生剤)、(D)アルカリ現像液に可溶な樹脂(アルカリ可溶性樹脂)、及び(C)酸の作用により分解してアルカリ現像液中での溶解度が増大する溶解阻止化合物を含有する。
本発明に係わる化学増幅系ネガ型レジスト組成物は、オイルゲル化剤に加え、(A)活性光線又は放射線の照射により酸を発生する化合物、(D)アルカリ現像液に可溶な樹脂(アルカリ可溶性樹脂)及び(E)酸の作用により該アルカリ現像液に可溶な樹脂と架橋する酸架橋剤を含有する。
【0020】
以下に、本発明のオイルゲル化剤含有レジスト組成物が含みうる、オイルゲル化剤以外の成分について説明する。
【0021】
≪(A)活性光線又は放射線の照射により酸を発生する化合物≫
本発明の組成物には、成分(A)として活性光線又は放射線の照射により酸を発生する化合物(光酸発生剤)を含有する。
そのような光酸発生剤としては、光カチオン重合の光開始剤、光ラジカル重合の光開始剤、色素類の光消色剤、光変色剤、あるいはマイクロレジスト等に使用されている活性光線又は放射線の照射により酸を発生する公知の化合物及びそれらの混合物を適宜に選択して使用することができる。
【0022】
たとえば、ジアゾニウム塩、アンモニウム塩、ホスホニウム塩、ヨードニウム塩、スルホニウム塩、セレノニウム塩、アルソニウム塩等のオニウム塩、有機ハロゲン化合物、有機金属/有機ハロゲン化物、o−ニトロベンジル型保護基を有する光酸発生剤、イミノスルフォネ−ト等に代表される光分解してスルホン酸を発生する化合物、ジアゾジスルホン等、ジスルホン化合物、トリスルホニルオキシベンゼン、オキシムスルホネート等を挙げることができる。
【0023】
(A)成分の化合物の本発明のレジスト組成物中の含量は、組成物の固形分を基準として、0.1〜20質量%が好ましく、より好ましくは0.5〜20質量%、更に好ましくは1〜15質量%である。
【0024】
本発明に使用される(A)活性光線又は放射線の照射により酸を発生する化合物の中で、特に好ましいものの例を以下に挙げる。
【0025】
【化2】
【0026】
【化3】
【0027】
≪(B)アルカリ現像液に対して不溶性あるいは難溶性であり、酸の作用でアルカリ現像液に対し可溶性となる樹脂(「酸分解性樹脂」ともいう)≫
【0028】
本発明の(B)酸分解性樹脂としては、アルカリ現像液に対して不溶性あるいは難溶性であり、酸の作用でアルカリ現像液に対して可溶性となる樹脂であれば、何れでもよく、アルカリ可溶性部位としての官能基としては、フェノール性水酸基、およびカルボキシル基が好ましい。
【0029】
本発明の(B)酸分解性樹脂としては、少なくとも一つのフェノール性水酸基構造を有し、酸の作用により分解し、アルカリ現像液中での溶解度が増大する樹脂が好ましい。具体的にはp−ヒドロキシスチレンユニットを少なくとも有する樹脂が好ましく、さらに、ポリ−p−ヒドロキシスチレンの一部分を酸分解基で保護したもの、p−ヒドロキシスチレンとt−ブチルアクリレートとの共重合体、及びそれらの誘導体がより好ましい。
例えば、以下に挙げるような樹脂が適用可能である。
【0030】
【化4】
【0031】
また、本発明の組成物がArF露光用であるときは、(B)酸分解性樹脂として、単環又は多環の脂環炭化水素構造を有する樹脂であることが好ましい。例えば、以下に挙げるような樹脂が使用できる。
【0032】
【化5】
【0033】
【化6】
【0034】
【化7】
【0035】
但し、本発明の組成物がArF露光用であるとき、ArF光への透明性の点から樹脂は芳香族基を有さないことが好ましい。
【0036】
また、(B)酸分解性樹脂として、ポリマー骨格の主鎖及び/又は側鎖にフッ素原子が置換した構造を有する樹脂(以下、フッ素基含有樹脂ともいう)も好ましく、さらに好ましくは1位がフッ素原子またはフロロアルキル基で置換された水酸基または1位がフッ素原子またはフロロアルキル基で置換された水酸基を酸分解基で保護した基を含有する樹脂であり、最も好ましくはヘキサフロロ−2−プロパノール構造またはヘキサフロロ−2−プロパノールの水酸基を酸分解基で保護した構造を含有する樹脂である。フッ素原子を導入することで遠紫外光、特にF2(157nm)光に対する透明性を向上させることができる。
例えば以下に挙げるような樹脂が使用可能である。
【0037】
【化8】
【0038】
【化9】
【0039】
上記具体例で表される繰り返し構造単位は、各々1種で使用してもよいし、複数を混合して用いてもよい。
また、本発明において、(B)樹脂は、1種で使用してもよいし、複数併用してもよい。
【0040】
本発明に係る(B)樹脂の重量平均分子量は、GPC法によりポリスチレン換算値として、好ましくは1,000〜200,000であり、更に好ましくは3,000〜20,000である。重量平均分子量が1,000未満では耐熱性やドライエッチング耐性の劣化が見られるため余り好ましくなく、200,000を越えると現像性が劣化したり、粘度が極めて高くなるため製膜性が劣化するなど余り好ましくない結果を生じる。
分子量分布(Mw/Mn)は、通常1〜10であり、好ましくは1〜5、更に好ましくは1〜4の範囲のものが使用される。分子量分布の小さいものほど、解像度、レジスト形状、及びレジストパターンの側壁がスムーズであり、ラフネス性に優れる。
【0041】
本発明のレジスト組成物において、本発明に係わる全ての樹脂の組成物全体中の配合量は、全レジスト固形分中40〜99.99質量%が好ましく、より好ましくは50〜99.97質量%である。
【0042】
≪(C)酸の作用により分解してアルカリ現像液中での溶解度が増大する溶解阻止化合物(以下、「(C)成分」或いは「酸分解性溶解阻止化合物」ともいう)≫
(C)酸の作用により分解してアルカリ現像液への溶解性が増大する、分子量3000以下の化合物としては、フェノール性水酸基を有する化合物のフェノール性水酸基を酸分解性基で保護した化合物、またはカルボキシル基を有する化合物のカルボキシル基を酸分解性基で保護した化合物が好ましい。
【0043】
酸分解性溶解阻止化合物の添加量は、化学増幅系レジスト組成物の全組成物の固形分に対し、好ましくは3〜50質量%であり、より好ましくは5〜40質量%である。
【0044】
以下に酸分解性溶解阻止化合物の具体例を示すが、これらに限定されない。
【0045】
【化10】
【0046】
≪(D)アルカリ現像液に可溶な樹脂(以下、「(D)成分」あるいは「アルカリ可溶性樹脂」ともいう)≫
アルカリ可溶性樹脂のアルカリ溶解速度は、0.261Nテトラメチルアンモニウムハイドロオキサイド(TMAH)で測定(23℃)して20Å/秒以上のものが好ましい。特に好ましくは200Å/秒以上のものである(Åはオングストローム)。
【0047】
本発明に用いられるアルカリ可溶性樹脂としてはフェノール性水酸基、カルボキシル基、スルホニルオキシ基、スルホンアミド基、スルホニルイミド基、などアルカリ解離性基を有する樹脂が好ましく、更に好ましくはノボラック樹脂、ヒドロキシスチレン誘導体、カルボキシル基含有(メタ)アクリル系樹脂であり、特に好ましくはヒドロキシスチレン繰り返し単位を有する樹脂である。
例えば以下に挙げるような樹脂が使用可能である。
【0048】
【化11】
【0049】
特に好ましいアルカリ可溶性樹脂はノボラック樹脂及びo−ポリヒドロキシスチレン、m−ポリヒドロキシスチレン、p−ポリヒドロキシスチレン及びこれらの共重合体、アルキル置換ポリヒドロキシスチレン、ポリヒドロキシスチレンの一部O−アルキル化、もしくはO−アシル化物、スチレン−ヒドロキシスチレン共重合体、α−メチルスチレン−ヒドロキシスチレン共重合体である。
該ノボラック樹脂は所定のモノマーを主成分として、酸性触媒の存在下、アルデヒド類と付加縮合させることにより得られる。
【0050】
また、アルカリ溶解性樹脂の重量平均分子量は、通常2000以上、好ましくは5000〜200000、より好ましくは5000〜100000である。
【0051】
ここで、重量平均分子量はゲルパーミエーションクロマトグラフィーのポリスチレン換算値をもって定義される。
本発明におけるこれらの(D)アルカリ可溶性樹脂は2種類以上組み合わせて使用してもよい。
アルカリ可溶性樹脂の使用量は、レジスト組成物の全組成物の固形分に対し、通常40〜97質量%、好ましくは60〜90質量%である。
【0052】
≪(E)酸の作用により上記アルカリ可溶性樹脂と架橋する酸架橋剤(以下「(E)成分」或いは「架橋剤」ともいう)≫
【0053】
架橋剤としては酸の作用によりアルカリ現像液に可溶な樹脂を架橋する化合物であればいずれも用いることができるが、以下の(1)〜(3)が好ましい。
(1)フェノール誘導体のヒドロキシメチル体、アルコキシメチル体、アシルオキシメチル体。
(2)N−ヒドロキシメチル基、N−アルコキシメチル基、N−アシルオキシメチル基を有する化合物。
(3)エポキシ基を有する化合物。
アルコキシメチル基としては炭素数6個以下、アシルオキシメチル基としては炭素数6個以下が好ましい。
これらの架橋剤の内、特に好ましいものを以下に挙げる。
【0054】
【化12】
【0055】
架橋剤は、全レジスト組成物固形分中、通常3〜70質量%、好ましくは5〜50質量%の添加量で用いられる。
架橋剤の添加量が3質量%未満であると残膜率が低下し、また、70質量%を越えると解像力が低下し、更にレジスト液の保存時の安定性の点で余り好ましくない。
【0056】
≪(F)塩基性化合物≫
本発明のレジスト組成物は、更に(F)塩基性化合物を含有する。塩基性化合物としては、例えば含窒素塩基性化合物が挙げられる。
【0057】
塩基性化合物としては有機アミン、塩基性オニウム塩、含窒素ヘテロ環状化合物などが好ましく、特に好ましくはアルキルアミン、ピリジン誘導体、アニリン誘導体、アンモニウムヒドロキシド、スルホニウムヒドロキシド、ジアザビシクロ化合物が挙げられる。
【0058】
これら塩基性化合物は、単独であるいは2種以上で用いられる。(F)塩基性化合物の使用量は、レジスト組成物の固形分を基準として、通常0.001〜10質量%、好ましくは0.01〜5質量%である。0.001質量%未満では上記塩基性化合物の添加の効果が得られない。一方、10質量%を超えると感度の低下や非露光部の現像性が悪化する傾向がある。
【0059】
≪(H)界面活性剤≫
本発明のレジスト組成物は、更に(H)界面活性剤を含有することが好ましい。界面活性剤の例としてはフッ素系、シリコン系、またはノニオン系界面活性剤を挙げることができるが、フッ素系及び/またはシリコン系を含有することが好ましい。
【0060】
(H)界面活性剤の使用量は、レジスト組成物全量(溶剤を除く)に対して、好ましくは0.0001〜2質量%、より好ましくは0.001〜1質量%である。
【0061】
≪(I)有機溶剤≫
本発明のレジスト組成物は、上記の成分を所定の有機溶剤に溶解して用いる。
使用し得る有機溶剤としては、例えば、エチレンジクロライド、シクロヘキサノン、シクロペンタノン、2−ヘプタノン、γ−ブチロラクトン、メチルエチルケトン、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、2−メトキシエチルアセテート、エチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、トルエン、酢酸エチル、乳酸メチル、乳酸エチル、メトキシプロピオン酸メチル、エトキシプロピオン酸エチル、ピルビン酸メチル、ピルビン酸エチル、ピルビン酸プロピル、N,N−ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、N−メチルピロリドン、テトラヒドロフラン等を挙げることができる。
【0062】
≪使用方法≫
本発明のレジスト組成物は、上記の成分を所定の有機溶剤、好ましくは前記混合溶剤に溶解し、次のように所定の支持体上に塗布して用いる。
すなわち、上記レジスト組成物を精密集積回路素子の製造に使用されるような基板(例:シリコン/二酸化シリコン被覆)上にスピナー、コーター等の適当な塗布方法により塗布する。
塗布後、所定のマスクを通して露光し、ベークを行い現像する。このようにすると、良好なレジストパターンを得ることができる。ここで露光光としては、好ましくは250nm以下、より好ましくは220nm以下の波長の遠紫外線である。具体的には、KrFエキシマレーザー(248nm)、ArFエキシマレーザー(193nm)、F2エキシマレーザー(157nm)、X線、電子ビーム等が挙げられる。
【0063】
現像工程では、現像液を次のように用いる。レジスト組成物のアルカリ現像液としては、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸ナトリウム、ケイ酸ナトリウム、メタケイ酸ナトリウム、アンモニア水等の無機アルカリ類、エチルアミン、n−プロピルアミン等の第一アミン類、ジエチルアミン、ジ−n−ブチルアミン等の第二アミン類、トリエチルアミン、メチルジエチルアミン等の第三アミン類、ジメチルエタノールアミン、トリエタノールアミン等のアルコールアミン類、テトラメチルアンモニウムヒドロキシド、テトラエチルアンモニウムヒドロキシド等の第四級アンモニウム塩、ピロール、ピヘリジン等の環状アミン類等のアルカリ性水溶液(通常0.1〜10質量%)を使用することができる。
さらに、上記アルカリ性水溶液にアルコール類、界面活性剤を適当量添加して使用することもできる。
【0064】
【実施例】
以下、本発明を実施例によって更に具体的に説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
【0065】
実施例1〜3及び比較例1〜3
(ポジ型レジスト組成物組成物の調製と評価)
表1に示す組成物をプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート/プロピレングリコールモノメチルエーテル(60/40質量比)に溶解させて固形分濃度15質量%の溶液を作成し、0.2μmのテフロンフィルターにより濾過した。スピンコーターにてシリコン基板上に均一に塗布し、100℃で90秒間ホットプレート上で加熱乾燥を行い、0.7μmのレジスト膜を形成させた。尚、比較例の組成物は、オイルゲル化剤を含まない以外は、実施例の組成物と同様に作製した。表1に示す各成分の記号は、先に例示の具体例を意味する。
得られた膜をULVAC製リアクティブイオンエッチング装置(CSE−1110)を用いて、CF4/O2(8/2)のガスに対するエッチング速度を測定したところ、表2に示す通りであった(エッチング条件:Power=500W、Pressure=4.6Pa、Gas Folw Rate=10sccm)。エッチング速度は数字が小さいほどエッチングされにくく、耐ドライエッチング性が優れている。
【0066】
【表1】
【0067】
ここで、樹脂k−13は、先に例示の樹脂であり、繰り返し単位の組成比は構造式左から15/60/25(モル比)であり、重量平均分子量は14,0000である。
【0068】
【表2】
【0069】
実施例4及び5、及び比較例4及び5
(ネガ型レジスト組成物組成物の調製と評価)
表3に示す組成物を用いてポジレジスト組成物と同様の手法により得られたレジスト膜を250nmのバンドパスフィルターを用い50mJ/cm2光照射し、100℃で90秒間ホットプレート上で加熱して全面硬化させた以外はポジレジストと同様にドライエッチング速度を測定したところ、表4に示す通りであった。比較例の組成物はオイルゲル化剤を含まない以外は実施例の組成物と同じものを用いた。表3に示す各成分の記号は、先に例示の具体例を意味する。
【0070】
【表3】
【0071】
【表4】
【0072】
表2及び表4から明らかなように本発明の組成物はドライエッチング耐性に優れていることが分かる。
【0073】
【発明の効果】
本発明は、耐ドライエッチング耐性に優れたレジスト組成物を提供することができる。
Claims (3)
- オイルゲル化剤を含有する感光性組成物。
- 更に、(A)活性光線又は放射線の照射により酸を発生する化合物、及び(B)酸の作用により分解し、アルカリ現像液中での溶解度を増大させる基を有する樹脂を含有することを特徴とする、請求項1に記載の感光性組成物。
- 更に(A)活性光線又は放射線の照射により酸を発生する化合物、(D)アルカリ現像液に可溶な樹脂、及び(E)酸の作用により該アルカリ現像液に可溶な樹脂と架橋する酸架橋剤を含有することを特徴とする、請求項1に記載の感光性組成物。
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Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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WO2015030198A1 (ja) * | 2013-08-30 | 2015-03-05 | 日産化学工業株式会社 | レジストパターンの形成方法及びレジストパターン形成用組成物 |
-
2002
- 2002-09-27 JP JP2002282943A patent/JP2004117980A/ja active Pending
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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WO2015030198A1 (ja) * | 2013-08-30 | 2015-03-05 | 日産化学工業株式会社 | レジストパターンの形成方法及びレジストパターン形成用組成物 |
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