JP2004117859A - カメラおよび該カメラのグリップの成形方法 - Google Patents

カメラおよび該カメラのグリップの成形方法 Download PDF

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Eiji Yoshimatsu
吉松 栄二
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Abstract

【課題】万人の手に馴染む優れたグリップ感を提供できるグリップを有するカメラならびに該カメラのグリップの成形方法を提供すること。
【解決手段】カメラ(1)は、カメラ本体(2)と、当該カメラ本体(2)をカメラ使用者の手により保持するために該カメラ本体(2)に設けられるグリップ(10)と、を備える。グリップ(10)は、カメラ(1)の使用温度範囲の上限付近の温度よりも高温において変形可能で且つ当該使用温度範囲の上限付近の温度以下の温度では変形した形状を保つ合成樹脂で形成された把持体(4)と、当該把持体(4)と一体的に形成され且つカメラ本体(2)に着脱自在に取付けられる取付部材(3)と、を備えている。
【選択図】   図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、撮影(撮像)により被写体像を記録媒体に記録するカメラ、例えば、感光フイルムカメラ、感光紙カメラ、電子スチルカメラ、カムコーダー(ビデオカメラを含む)、等のカメラに関し、特に、カメラの使用者の手によってカメラ本体を確実に保持するためのカメラのグリップおよび該カメラのグリップの成形方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
カメラを手で保持するためにカメラ本体に設けられたグリップは、撮影等の操作時の手ぶれ低減や、落下防止のために、手に馴染み易い形状や材質とされるのが一般的である。従来のカメラのグリップには、ゴム部材に金具をインサート成形することにより、カメラ本体への取付けおよび該カメラ本体からの取外しを容易にすると共にグリップ感を向上させたものがある(例えば、特許文献1参照。)。
【0003】
また、カメラのグリップではないが、テレビゲーム機の操作に用いるコントローラを万人向けの手に持ち易いものとするため、コントローラ本体に対して交換可能に設けられ且つ手の大きさに合わせて大きさを異ならせた複数種のグリップを用意することが提案されている(例えば、特許文献2参照。)。
【0004】
【特許文献1】
特開平10−188544号公報(第3〜4頁、第1〜2図)
【特許文献2】
特開平11−53994号公報(第3頁、第2〜4図)
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
特許文献1に記載のグリップは、ゴム部材を用いることによりグリップ感を向上させると共に滑り難くしたものであって、カメラの落下防止には或る程度効果が認められる。しかしながら、グリップのサイズおよび形状は標準的な大きさの手や指に合わせた一定形状であって、標準的な大きさの手よりも大きい手または小さい手の人や、標準的な太さの指よりも太い指または細い指の人には、満足するグリップ感を与えることができない。また、手の小さい人には、カメラ保持に余計な握力が要求されるので、使い勝手の向上や落下防止の観点から改善の余地がある。
【0006】
また、特許文献2に記載のグリップによれば、手の大きさに合わせて大きさの異なるグリップに交換することにより、万人向けの手に持ち易いコントローラを提供することが可能となる。しかしながら、大きさや形状の異なる複種類のグリップを準備しなければならないことから、グリップを製作するための金型が複数種要求されるため、コスト的に非常に不利である。従って、このような不利な点を考慮すると、実際にはグリップの種類を限定せざるを得ない。それ故、多種類のグリップの中から最適な大きさおよび形状のグリップを選択するといった煩雑な作業を要するにも係わらず、全ての人が満足できるようなグリップ感が提供できない可能性がある。
【0007】
本発明は、前述した課題に鑑みてなされたものであり、その目的は、万人の手に馴染む優れたグリップ感を提供できるグリップを有するカメラならびに該カメラのグリップの成形方法を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
前述した目的を達成するために、本発明のカメラは、請求項1に記載したように、カメラ本体と、当該カメラ本体を保持するため該カメラ本体に取付け固定されるグリップと、を備えるカメラであって、
前記グリップが、カメラの使用温度範囲の上限付近の温度よりも高温において変形可能で且つ前記使用温度範囲の上限付近の温度以下の温度では変形した形状を保つ熱可塑性樹脂で形成された把持体と、該把持体と一体的に形成され且つ前記カメラ本体に着脱自在に取付けられる取付部材と、を備えていることを特徴としている。
【0009】
請求項1に記載の発明によれば、カメラのグリップが、カメラの使用温度範囲の上限付近の温度よりも高温において変形可能で且つ前記使用温度範囲の上限付近の温度以下の温度では変形した形状を保つ熱可塑性樹脂で形成された把持体と、該把持体と一体的に形成され且つカメラ本体に着脱自在に取付けられる取付部材と、を備えているので、当該グリップをカメラ本体から取外した状態で加熱して把持体を変形可能なように軟化させてから該グリップをカメラ本体に取付け、該グリップを例えばカメラ使用者の手で把持して把持体をカメラの保持に最適な任意の形状に変形させ、その後、該グリップを冷却して前記把持体を変形した形状のまま硬化させることができる。よって、グリップ(把持体)をカメラ使用者の手(指)の大きさ、太さ、形状、等に適合させて成形したり、グリップ(把持体)をカメラ使用者の所望の任意形状に成形したりして、カメラの保持に最適な、即ち、手に馴染む形状にすることができる。更に、グリップ(把持体)は、その成形が実際に手でカメラを把持した状態で行なわれるため、カメラの重量や操作性に配慮された人間工学的に優れた機能を有するものとなる。従って、万人に満足のいく良好なグリップ感を与えることが可能なカメラを提供することができ、これにより、手ぶれやカメラ落下を防止でき且つ長時間使用しても手の疲れを低減できるので、より良い撮影(撮像)が可能となる。また、グリップの把持体がカメラの使用温度範囲の上限付近の温度よりも高温において変形可能で且つ当該使用温度範囲の上限付近の温度以下の温度では変形した形状を保つ熱可塑性樹脂で形成されているので、何度でも(即ち、繰り返し)把持体の形状を再成形することができる。よって、カメラ使用者がグリップに違和感を覚えたときや、カメラ使用者が変わったとき、等には、容易にグリップの形状を再度変形させて良好なグリップ感を得ることができる。
【0010】
また、前述した目的を達成するために、本発明のカメラのグリップの成形方法は、請求項2に記載したように、カメラを手で確実に保持するために該カメラのカメラ本体に取付け固定されるカメラのグリップの成形方法であって、
カメラの使用温度範囲の上限付近の温度よりも高温において変形可能で且つ前記使用温度範囲の上限付近の温度以下の温度では変形した形状を保つ熱可塑性樹脂で形成された把持体と、該把持体と一体的に形成され且つ前記カメラ本体に着脱自在に取付けられる取付部材と、を備えるグリップを準備し、
前記グリップを前記カメラ本体から取外した状態で加熱して前記把持体を変形可能なように軟化させ、
前記グリップを前記カメラ本体に取付け、
前記グリップをカメラ使用者の手で把持して前記把持体を前記カメラの保持に必要な任意の形状に変形させ、そして、
前記グリップを冷却して前記把持体を変形した形状のまま硬化させることを特徴としている。
【0011】
請求項2に記載の発明によれば、カメラの使用温度範囲の上限付近の温度よりも高温において変形可能で且つ前記使用温度範囲の上限付近の温度以下の温度では変形した形状を保つ熱可塑性樹脂で形成された把持体と、該把持体と一体的に形成され且つカメラ本体に着脱自在に取付けられる取付部材と、を備えるグリップを準備し、当該グリップをカメラ本体から取外した状態で加熱して把持体を変形可能なように軟化させてから該グリップをカメラ本体に取付け、該グリップをカメラ使用者の手で把持して把持体をカメラの保持に必要な任意の形状に変形させ、その後、該グリップを冷却して前記把持体を変形した形状のまま硬化させる。即ち、グリップ(把持体)をカメラ使用者の手(指)の大きさ、太さ、形状、等に適合させて成形したり、グリップ(把持体)をカメラ使用者の所望の任意形状に成形したりして、カメラの保持に最適な、即ち、手に馴染む形状にすることができる。更に、グリップ(把持体)は、その成形が実際に手でカメラを把持した状態で行なわれるため、カメラの重量や操作性に配慮された人間工学的に優れた機能を有するものとなる。従って、万人に満足のいく良好なグリップ感を与えることが可能なカメラを提供することができ、これにより、手ぶれやカメラ落下を防止でき且つ長時間使用しても手の疲れを低減できるので、より良い撮影(撮像)が可能となる。また、グリップの把持体がカメラの使用温度範囲の上限付近の温度よりも高温において変形可能で且つ当該使用温度範囲の上限付近の温度以下の温度では変形した形状を保つ熱可塑性樹脂で形成されているので、何度でも(即ち、繰り返し)把持体の形状を再成形することができる。よって、カメラ使用者がグリップに違和感を覚えたときや、カメラ使用者が変わったとき、等には、容易にグリップの形状を再度変形させて良好なグリップ感を得ることができる。
【0012】
また、前述した目的を達成するために、本発明のカメラは、請求項3に記載したように、カメラ本体と、当該カメラ本体を保持するため該カメラ本体に設けられるグリップと、を備えるカメラであって、
前記グリップが、前記カメラ本体に設けられた取付部材と、当該取付部材に一体的に形成され且つ膜状部材およびゲル状部材を有する把持体と、を備え、
前記膜状部材と前記取付部材との間に間隙が形成されるように前記膜状部材が前記取付部材上に固着され、当該間隙に前記ゲル状部材が充填されていることを特徴としている。
【0013】
請求項3に記載の発明によれば、カメラのグリップが、カメラ本体に設けられた取付部材と、当該取付部材に一体的に形成され且つ膜状部材およびゲル状部材を有する把持体と、を備えており、膜状部材と取付部材との間に間隙が形成されるように膜状部材が取付部材上に固着され、当該間隙にゲル状部材が充填されているので、そのように構成されたグリップをカメラ使用者が保持すると、把持体がカメラ使用者の手(指)の形状に応じて変形し、すぐにカメラのグリップをカメラ使用者の手(指)に馴染ませることができる。また、このようなグリップは、特定のカメラ使用者だけでなく、短期間に複数のカメラ使用者が同一のカメラを使用する場合等に有効である。
【0014】
以上、本発明について簡潔に説明した。更に、以下に説明される発明の実施の形態を添付の図面を参照して通読することにより、本発明の詳細は更に明確化されるであろう。
【0015】
【発明の実施の形態】
以下、本発明に係る好適な実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。図1は本発明の実施形態であるカメラおよびそのカメラ本体からグリップを取外した状態を示す分解図、図2はグリップが取付けられたカメラの部分横断面図、図3は把持体が変形される前のグリップの斜視図、そして図4は把持体が変形された後のグリップの斜視図である。
【0016】
図1に示される本発明のカメラ1は、撮影(撮像)により被写体像を記録媒体に記録するものである。カメラ1の例としては、感光フイルムカメラ、感光紙カメラ、電子スチルカメラ、カムコーダー(ビデオカメラを含む)、等が挙げられる。カメラ1が例えば感光フイルムカメラである場合は感光フイルムが記録媒体であり、カメラ1が例えば感光紙カメラである場合は感光紙が記録媒体であり、カメラ1が例えば電子スチルカメラである場合は半導体記録媒体、光記録媒体、磁気記録媒体、光磁気記録媒体、等が用いられ、そしてカメラ1が例えばカムコーダーである場合は半導体記録媒体、光記録媒体、磁気記録媒体、光磁気記録媒体、等が用いられる。
【0017】
図1〜図4に示されるように、カメラ1はカメラ使用者の手によってカメラ本体2を確実に保持するためのグリップ10を備えている。当該グリップ10はカメラ本体2の保持部2aに着脱自在とされ、保持部2aに取付けられたグリップ10がカメラ使用者の手により把持されてカメラ1が保持されるようになっている。グリップ10は、取付部材3と、把持体4と、を備えている。取付部材3は、グリップ10の基部を構成すると共にグリップ10をカメラ本体2に取付けるためのものであって、略半円の断面形状を有する板状部材である。そして、この取付部材3に沿うような形で取付部材3上に把持体4が一体的に形成されている。グリップ10の半円形状部から略L字型に折り曲げられて形成された一端3aには、2つのネジ止め孔3bが形成され、そして該一端3aの反対側に位置するグリップ10の他端には、クランク状に折り曲げられた2個の係止片3cが突出して設けられている。
【0018】
取付部材3を形成する材料には、把持体4を形成する材料よりも軟化点温度(融点温度)が充分に高く(例えば、100℃以上)、且つ高い剛性を有する合成樹脂または金属を用いている。取付部材3を形成する合成樹脂や金属は、前述した条件を満たすものであれば、特に限定されるものではなく、合成樹脂としては、例えば、ABS樹脂、ポリカーボネート樹脂、等を用いることができ、また金属としては、例えば、鋼板、アルミニウム、マグネシウム、等を使用することができる。特に、カメラの取扱を容易なものとするために軽量化する観点から、合成樹脂、アルミニウム、マグネシウム、等を取付部材3を形成する材料として用いることが望ましい。取付部材3は、高い剛性を有しており、落下による衝撃力等を除き、外力が作用しても変形することはない。
【0019】
把持体4は、カメラ1を保持するとき、直接、カメラ使用者の手(指)が接触する部分であり、その形状や肌触りがカメラ1のグリップ感に大きな影響を与える。把持体4は、接着や一体成形等により取付部材3の外面を所定の厚さで覆うように固着されている。把持体4は、所定の温度範囲、即ちカメラ1の使用温度範囲の上限付近の温度よりも高温において軟化(溶融)して変形可能で且つ当該使用温度範囲の上限付近の温度以下の温度では変形した形状を保つことが可能な熱可塑性樹脂で形成されることが望ましい。本実施形態では、その一例として、把持体4を、カメラ1の使用温度範囲の上限温度よりも高温において軟化(溶融)して変形可能で且つ当該使用温度範囲の上限温度以下の温度では変形した形状を保つことが可能な熱可塑性樹脂で形成した。カメラ1の使用温度範囲はカメラ1の製品仕様上設定される動作保証等の品質保証のための設定温度範囲であるが、その上限温度は、把持体4が形状を維持できる温度(換言すれば、把持体4の軟化点温度(融点温度)よりも低い温度)に設定されることが望ましい。カメラ1の使用温度範囲が例えば−20℃〜35℃であると、その上限温度は35℃であるので、把持体4を形成する熱可塑性樹脂は軟化点温度(融点温度)が35℃よりも高いものが望ましい。
【0020】
把持体4を形成する熱可塑性樹脂としては、例えば、ポリカプロラクトン系樹脂、ポリトランスイソプレン系樹脂、等、公知の合成樹脂が挙げられる。ここに例示した熱可塑性樹脂は、軟化点温度(融点温度)を40℃〜80℃の間で調整可能であり、カメラ1の使用温度範囲が例えば−20℃〜35℃であると、その上限温度(即ち、35℃)よりも高温(40℃以上)において変形可能で且つ、カメラ1の使用温度範囲の上限温度以下の温度では変形した形状を保てるので好ましい。また、カメラ1の使用温度範囲の上限温度が40℃以上である場合は、軟化点温度(融点温度)がカメラ1の使用温度範囲の上限温度よりも上回るように適宜調整された熱可塑性樹脂を用いて把持体4を形成する。
【0021】
カメラ本体2は、アルミニウム、マグネシウム、等の軽量金属、または合成樹脂で成形されており、保持部2aの係止片3cに対向する位置には、スリット5が設けられ、また側面2cには雌ネジ2bが形成されている。グリップ10は、スリット5に取付部材3の係止片3cをそれぞれ挿入した後、ネジ止め孔3bに雄ネジ8をそれぞれ挿通して雌ネジ2bと螺合させることで、カメラ本体2に固定される。
【0022】
次に、本実施形態の作用を説明する。図3に示されるように、成形前(即ち、初期状態)のグリップ10は、把持体4が略均一の厚さで取付部材3上に固着されている。把持体4は、常温(カメラ1の使用温度範囲内の温度)において硬化し、剛性を有しているので、そのままの形状でカメラの保持に問題のない使用者は、把持体4を変形させることなく、そのままの形状でカメラ本体2に取付け固定して使用することができる。
【0023】
把持体4がそのままの形状では手に馴染まなかったり、把持体4のグリップ感を更に向上させたい使用者は、グリップ10をカメラ本体2から取外し、ドライヤ等により熱風を吹き付けたり、湯中に浸漬したりする等の適宜な加熱方法で、カメラ1の使用温度範囲の上限温度よりも高い温度でグリップ10を加熱する。このとき、把持体4を軟化(溶融)して変形可能な状態にする。ここで、グリップ10をカメラ本体2にネジ8で固定し(ただし、ネジ8で固定せずに取付けるだけでグリップ10をカメラ本体2に対して安定して位置決めできるような形態とした場合には、単にグリップ10をカメラ本体2に取付け)、そして把持体4が変形可能な状態のうちにカメラ1(即ち、カメラ本体2に取付けられたグリップ10)を使用時と同様に手で把持してカメラ1の保持に最適な任意の形状に把持体4を変形させる。
【0024】
このとき把持体4は手(指)の把持動作に応じて変形し、図4に示されるように手(指)の形状および把持動作に応じた型が把持体4に形成される。その後、ドライヤ等により冷風を吹き付けたり、単に放置したりする等の適宜な冷却方法で、把持体4を凝固点温度以下に至るまで冷却すると、把持体4が変形したままの状態で硬化する。以後、その把持体4の形状は、少なくともカメラの使用温度範囲においては維持される。従って、カメラの使用者毎に微妙に形状の異なる、グリップ感に優れた最適形状のグリップ10を提供することができる(換言すれば、カメラの使用者毎にカスタマイズされた最適形状のグリップを容易且つ安価に提供することができる。)。更に、グリップ10(把持体4)は、その成形が実際に手でカメラ1を把持した状態で行なわれるため、カメラの重量や操作性に配慮された人間工学的に優れた機能を有するものとなる。
【0025】
尚、把持体4を形成する熱可塑性樹脂の軟化点温度(融点温度)は、把持体4を成形時に手で把持できる程度の温度に設定する必要がある。ただし、素手で把持体4を成形することが困難な軟化点温度(融点温度)の熱可塑性樹脂を用いた場合でも、断熱性および耐熱性を有する例えばゴム等の材料からなる手袋を準備して手に装着すれば、当該把持体4を成形することができる。このような手袋は、把持体4の形状を素手で成形したものに近づけるため、薄手のものを用いることが望ましい。
【0026】
次に、カメラ1の変形例を図5を参照して説明する。図5はグリップの変形例の構成を示す要部拡大断面図である。以下の説明において、既に図1〜図4で説明した同一部分については、同一符号を付して説明を簡略化または省略する。図5に示されるようにグリップ100は、カメラ本体2の保持部2aに取付け固定される取付部材3を備え、更に当該取付部材3に一体的に形成され且つゲル状部材11および膜状部材12を有する把持体を備えている。膜状部材12は、例えば弾性を有する薄肉の合成樹脂またはゴム等のシートを成形して形成されており、その周縁部12aが全周にわたって取付部材3の外面に液密に固着されている。従って、取付部材3と膜状部材12との間には、密閉された間隙13が形成される。当該間隙13内には、例えばゲル状シリコン等のゲル状部材11が充填されている。ゲル状部材11は、温度に関係なく、常にゲル状態を維持し、硬化することはない。尚、このグリップの変形例において取付部材3はカメラ本体2に対して着脱自在とする必要はなく、カメラ本体2と一体に設けられていてもよい。
【0027】
上述したグリップ100は、特定のカメラ使用者だけでなく、短期間に複数のカメラ使用者が同一のカメラを使用する場合等に有効であり、カメラ使用者がカメラ1のグリップ100を保持すると、間隙13内のゲル状部材11がカメラ使用者の手(指)の形状に応じて変形し、すぐにカメラ1のグリップ100をカメラ使用者の手(指)に馴染ませることができる。
【0028】
尚、本発明は、前述した実施形態や変形例に限定されるものではなく、適宜、変形、改良、等が可能である。その他、前述した実施形態や変形例における各構成要素の材質、形状、寸法、数値、形態、数、配置箇所、等は本発明を達成できるものであれば任意であり、限定されない。
【0029】
尚、本発明に係る実施形態としてグリップを有するカメラを説明したが、カメラ以外の装置に本発明に係るグリップを使用してもよいことは言うまでもない。
【0030】
【発明の効果】
以上、説明したように、本発明の第1のカメラによれば、グリップが、カメラの使用温度範囲の上限付近の温度よりも高温において変形可能で且つ前記使用温度範囲の上限付近の温度以下の温度では変形した形状を保つ熱可塑性樹脂で形成された把持体と、該把持体と一体的に形成され且つカメラ本体に着脱自在に取付けられる取付部材と、を備えているので、当該グリップをカメラ本体から取外した状態で加熱して把持体を変形可能なように軟化させてから該グリップをカメラ本体に取付け、該グリップを例えばカメラ使用者の手で把持して把持体をカメラの保持に最適な任意の形状に変形させ、その後、該グリップを冷却して前記把持体を変形した形状のまま硬化させることができる。よって、グリップ(把持体)をカメラ使用者の手(指)の大きさ、太さ、形状、等に適合させて成形したり、グリップ(把持体)をカメラ使用者の所望の任意形状に成形したりして、カメラの保持に最適な、即ち、手に馴染む形状にすることができる。更に、グリップ(把持体)は、その成形が実際に手でカメラを把持した状態で行なわれるため、カメラの重量や操作性に配慮された人間工学的に優れた機能を有するものとなる。従って、万人に満足のいく良好なグリップ感を与えることが可能なカメラを提供することができ、これにより、手ぶれやカメラ落下を防止でき且つ長時間使用しても手の疲れを低減できるので、より良い撮影(撮像)が可能となる。また、グリップの把持体がカメラの使用温度範囲の上限付近の温度よりも高温において変形可能で且つ当該使用温度範囲の上限付近の温度以下の温度では変形した形状を保つ熱可塑性樹脂で形成されているので、何度でも(即ち、繰り返し)把持体の形状を再成形することができる。よって、カメラ使用者がグリップに違和感を覚えたときや、カメラ使用者が変わったとき、等には、容易にグリップの形状を再度変形させて良好なグリップ感を得ることができる。
【0031】
また、本発明のカメラのグリップの成形方法によれば、カメラの使用温度範囲の上限付近の温度よりも高温において変形可能で且つ前記使用温度範囲の上限付近の温度以下の温度では変形した形状を保つ熱可塑性樹脂で形成された把持体と、該把持体と一体的に形成され且つカメラ本体に着脱自在に取付けられる取付部材と、を備えるグリップを準備し、当該グリップをカメラ本体から取外した状態で加熱して把持体を変形可能なように軟化させてから該グリップをカメラ本体に取付け、該グリップをカメラ使用者の手で把持して把持体をカメラの保持に必要な任意の形状に変形させ、その後、該グリップを冷却して前記把持体を変形した形状のまま硬化させる。即ち、グリップ(把持体)をカメラ使用者の手(指)の大きさ、太さ、形状、等に適合させて成形したり、グリップ(把持体)をカメラ使用者の所望の任意形状に成形したりして、カメラの保持に最適な、即ち、手に馴染む形状にすることができる。更に、グリップ(把持体)は、その成形が実際に手でカメラを把持した状態で行なわれるため、カメラの重量や操作性に配慮された人間工学的に優れた機能を有するものとなる。従って、万人に満足のいく良好なグリップ感を与えることが可能なカメラを提供することができ、これにより、手ぶれやカメラ落下を防止でき且つ長時間使用しても手の疲れを低減できるので、より良い撮影(撮像)が可能となる。また、グリップの把持体がカメラの使用温度範囲の上限付近の温度よりも高温において変形可能で且つ当該使用温度範囲の上限付近の温度以下の温度では変形した形状を保つ熱可塑性樹脂で形成されているので、何度でも(即ち、繰り返し)把持体の形状を再成形することができる。よって、カメラ使用者がグリップに違和感を覚えたときや、カメラ使用者が変わったとき、等には、容易にグリップの形状を再度変形させて良好なグリップ感を得ることができる。
【0032】
また、本発明の第2のカメラによれば、カメラのグリップが、カメラ本体に設けられた取付部材と、当該取付部材に一体的に形成され且つ膜状部材およびゲル状部材を有する把持体と、を備えており、膜状部材と取付部材との間に間隙が形成されるように膜状部材が取付部材上に固着され、当該間隙にゲル状部材が充填されているので、そのように構成されたグリップをカメラ使用者が保持すると、把持体がカメラ使用者の手(指)の形状に応じて変形し、すぐにカメラのグリップをカメラ使用者の手(指)に馴染ませることができる。また、このようなグリップは、特定のカメラ使用者だけでなく、短期間に複数のカメラ使用者が同一のカメラを使用する場合等に有効である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態であるカメラおよびそのカメラ本体からグリップを取外した状態を示す分解図である。
【図2】グリップが取付けられたカメラの部分横断面図である。
【図3】把持体が変形される前のグリップの斜視図である。
【図4】把持体が変形された後のグリップの斜視図である。
【図5】本発明の実施形態であるカメラの変形例であり、特にグリップの変形例を示す要部拡大断面図である。
【符号の説明】
1      カメラ
2      カメラ本体
2a     保持部
3      取付部材
4      把持体
10,100 グリップ
11     ゲル状部材
12     膜状部材
13     間隙

Claims (3)

  1. カメラ本体と、当該カメラ本体を保持するため該カメラ本体に取付け固定されるグリップと、を備えるカメラであって、
    前記グリップが、カメラの使用温度範囲の上限付近の温度よりも高温において変形可能で且つ前記使用温度範囲の上限付近の温度以下の温度では変形した形状を保つ熱可塑性樹脂で形成された把持体と、該把持体と一体的に形成され且つ前記カメラ本体に着脱自在に取付けられる取付部材と、を備えていることを特徴とするカメラ。
  2. カメラを手で確実に保持するために該カメラのカメラ本体に取付け固定されるカメラのグリップの成形方法であって、
    カメラの使用温度範囲の上限付近の温度よりも高温において変形可能で且つ前記使用温度範囲の上限付近の温度以下の温度では変形した形状を保つ熱可塑性樹脂で形成された把持体と、該把持体と一体的に形成され且つ前記カメラ本体に着脱自在に取付けられる取付部材と、を備えるグリップを準備し、
    前記グリップを前記カメラ本体から取外した状態で加熱して前記把持体を変形可能なように軟化させ、
    前記グリップを前記カメラ本体に取付け、
    前記グリップをカメラ使用者の手で把持して前記把持体を前記カメラの保持に必要な任意の形状に変形させ、そして、
    前記グリップを冷却して前記把持体を変形した形状のまま硬化させることを特徴とするカメラのグリップの成形方法。
  3. カメラ本体と、当該カメラ本体を保持するため該カメラ本体に設けられるグリップと、を備えるカメラであって、
    前記グリップが、前記カメラ本体に設けられた取付部材と、当該取付部材に一体的に形成され且つ膜状部材およびゲル状部材を有する把持体と、を備え、
    前記膜状部材と前記取付部材との間に間隙が形成されるように前記膜状部材が前記取付部材上に固着され、当該間隙に前記ゲル状部材が充填されていることを特徴とするカメラ。
JP2002281279A 2002-09-26 2002-09-26 カメラおよび該カメラのグリップの成形方法 Pending JP2004117859A (ja)

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