JP2004116827A - 浴槽に給湯等を行う給湯装置の凍結防止運転方法 - Google Patents

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Mitsuo Nishigori
錦織 満雄
▲くわ▼木 克也
Katsuya Kuwaki
Takemi Kinoshita
木下 武美
Masanori Fujiwara
藤原 巨典
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Abstract

【課題】浴槽に接続した2本の配管を用いて浴槽内の湯を給湯装置との間で循環させて凍結防止運転を行う際に、循環用ポンプの空運転による循環用ポンプの破損を防止することができるようにした浴槽に給湯等を行う給湯装置の凍結防止運転方法を提供すること。
【解決手段】浴槽10に2本の配管64、92を接続し、この2本の配管64、92を用いて浴槽10内の湯を給湯装置1との間で循環させるようにした浴槽10に給湯等を行う給湯装置の凍結防止運転方法において、初期設定において浴槽10の水位を水位データとして不揮発性メモリに書き込むようにし、凍結防止運転開始時に前記水位データの有無により、2本の配管64、92を用いて浴槽10内の湯を給湯装置との間で循環させて行う凍結防止運転と凍結防止運転禁止とを選択制御するようにする。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、浴槽に給湯等を行う給湯装置の凍結防止運転方法に関し、特に、浴槽に接続した2本の配管を用いて浴槽内の湯を給湯装置との間で循環させて凍結防止運転を行う際に、循環用ポンプの空運転による循環用ポンプの破損を防止することができるようにした浴槽に給湯等を行う給湯装置の凍結防止運転方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
浴槽に給湯等を行う電気温水器等の給湯装置として、浴槽に2本の配管を接続し、該2本の配管のうち一方の配管を介して浴槽に給湯装置から温水を、他方の配管を介して浴槽に水道水を、それぞれ供給するようにするとともに、前記2本の配管を用いて浴槽内の湯を給湯装置との間で循環させるようにしたものがある。
ところで、この種の給湯装置を寒冷地で使用する場合には、非稼働時に、循環用ポンプや水循環用配管内に残留する水が凍結し、循環用ポンプや水循環用配管が破損することがないように、これらをヒータで加熱するようにしたり、浴槽内の湯を給湯装置との間で循環させることによって、凍結防止を行うようにしている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、ヒータで加熱する方式の場合、ヒータの配設作業に手数を要するという問題に加え、ヒータは適度の加熱が困難であり、また、熱損失が多く、熱効率が悪いため、給湯装置の初期コスト及び維持コストが上昇するという問題があった。
【0004】
一方、浴槽内の湯を給湯装置との間で循環させる方式の場合、ヒータで加熱する方式と比較して、給湯装置の初期コスト及び維持コストを低廉にできる利点を有する反面、外気温及び水循環用配管内の水温が設定された温度以下になると、これを温度センサにより検知して、循環用ポンプを駆動するものであるため、給湯装置の設置直後等で循環用ポンプに水が供給されていない場合でも、循環用ポンプが駆動され、循環用ポンプが空運転によって破損するという問題があった。
【0005】
本発明は、上記従来の給湯装置が有する問題点に鑑み、浴槽に接続した2本の配管を用いて浴槽内の湯を給湯装置との間で循環させて凍結防止運転を行う際に、循環用ポンプの空運転による循環用ポンプの破損を防止することができるようにした浴槽に給湯等を行う給湯装置の凍結防止運転方法を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、本発明の浴槽に給湯等を行う給湯装置の凍結防止運転方法は、浴槽に2本の配管を接続し、該2本の配管を用いて浴槽内の湯を給湯装置との間で循環させるようにした浴槽に給湯等を行う給湯装置の凍結防止運転方法において、初期設定において浴槽の水位を水位データとして不揮発性メモリに書き込むようにし、凍結防止運転開始時に前記水位データの有無により、前記2本の配管を用いて浴槽内の湯を給湯装置との間で循環させて行う凍結防止運転と凍結防止運転禁止とを選択制御するようにしたことを特徴とする。
【0007】
この浴槽に給湯等を行う給湯装置の凍結防止運転方法は、初期設定において浴槽の水位を水位データとして不揮発性メモリに書き込むようにし、凍結防止運転開始時に前記水位データの有無により、前記2本の配管を用いて浴槽内の湯を給湯装置との間で循環させて行う凍結防止運転と凍結防止運転禁止とを選択制御するようにし、これにより、給湯装置の設置直後等で循環用ポンプに水が供給されていない場合に、外気温及び水循環用配管内の水温が設定された温度以下になり、これを温度センサにより検知しても、初期設定において浴槽の水位を水位データとして不揮発性メモリに書き込みが行われていないため、凍結防止運転が開始されないようにすることができる。
【0008】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の浴槽に給湯等を行う給湯装置の凍結防止運転方法の実施の形態を図面に基づいて説明する。
【0009】
図1〜図2に、本発明の浴槽に給湯等を行う給湯装置の凍結防止運転方法を実施するための給湯装置の一実施例を示す。
【0010】
この給湯装置は、電気温水器を用いるもので、電気温水器は、所要の容量を有する円筒状のタンク1と、タンク1の上部と下部に設置され、タンク1内の水を設定温度まで加温するための上部ヒータ2及び下部ヒータ3と、上部ヒータ2の上方に配設され、タンク1の外部から供給される水をタンク1内に貯留された温水により加温する熱交換器4とを備えている。
【0011】
熱交換器4は、特に限定されるものではないが、例えば、螺旋状に形成し、その中心軸が、タンク1の中心軸と略一致するように配設するようにすることにより、熱交換器4の周囲の熱交換によって冷却された温水が下降流となり、この下降流に対応して熱交換器4の中心部に上昇流が生じ、このタンク1内に貯留された温水の対流により、温水の循環が良好に維持され、熱交換を効率よく、かつ、確実に行うことができるようにしている。
【0012】
電気温水器のタンク1は、その底部位置に給水管5、上部位置に出湯管6を設けて、給水管5から給水することによりタンク1内の湯を押し上げるようにして、出湯管6から出湯するようにし、また、タンク1の胴部に取り付けた温度センサ32によって、温度の低下を迅速、かつ、正確に検知することができ、必要に応じて行う上部ヒータ2及び/又は下部ヒータ3による追加的な加熱を適切に実施することができるようにしている。
【0013】
そして、本実施例では、このような給湯装置を基本として、2本の配管、すなわち、出湯管6と水道水側配管9とを浴槽10に接続し、これら2本の配管のうち一方の出湯管6を介して浴槽10にタンク1の温水を、他方の水道水側配管9を介して浴槽10に水道水を、それぞれ供給するようにされている。
【0014】
出湯管6は、逃し弁30を接続した配管と分岐した温水側配管61を形成し、この温水側配管61の温水は、熱交換器4の配管8との合流部T2を経て、配管63、64を介して浴槽10に供給される。
また、水道水側配管9は、減圧逆止弁11の下流で水道管Sから分岐され、この水道水側配管9の水は、熱交換器4の配管7との合流部T1を経て、水道水側配管91、92を介して浴槽10に供給される。
【0015】
また、温水側配管61の合流部T2の上流側には、ソレノイドバルブ19、流量センサ20及び逆止弁21を備えた制御手段22が、水道水側配管9の合流部T1の上流側には、制御手段23が、それぞれ設けられ、この制御手段22の下流側と、制御手段23の上流側には、それぞれ温度センサ31が配設されている。
これらの制御手段22、23は、同じ構成で、温水側の出湯管6から電気温水器の温水を、水道管S、水道水側配管9から水道水を、それぞれ浴槽10に供給するに際し、浴槽10に供給される温水及び水道水の温度に基づいて、電気温水器の温水及び水道水の水量を調節し、浴槽10の湯の温度及び湯量を制御するものである。
【0016】
このように、制御手段22、23によって給湯装置の温水及び水道水の水量を調節し、浴槽10の湯の温度及び湯量を制御するとともに、2本の配管、すなわち、出湯管6と、水道水側配管9とを用いて浴槽10に給湯することにより、浴槽10の湯の温度や湯量を適正にしながら、給湯速度を上げて給湯時間を大幅に短縮することができる。
この場合、温水側配管63と水道水側配管91とを、逆止弁25を備えた接続管24により接続し、少なくとも水道水の一部を、電気温水器の温水と共に、温水側配管63より分岐した温水側配管64を介して浴槽10に供給するようにしている。
これにより、温水側配管64で高温の温水に水道水を混合し、温水の温度を下げることによって、水道水側配管92からの水道水と温度ムラのできにくい状態で浴槽10に給湯することができる。
【0017】
また、前記制御手段22、23は、浴槽10の湯量が設定した量に近づいたとき、浴槽10への水道水の供給を停止し、電気温水器の温水のみを供給するように構成されている。
これにより、浴槽10の底部に滞留している低温の湯を最後に供給した温水の対流により撹拌して、浴槽10内の湯の温度を均一にすることができる。
【0018】
さらに、浴槽10に温水側配管64を介して接続した温水側配管63を合流部T2で熱交換器4の配管8に接続し、また、浴槽10と水道水側配管91、92を介して接続した水道水側配管9を合流部T1で熱交換器4の配管7に接続し、これにより、熱交換器4に浴槽10内の湯を循環させ、浴槽10内の湯の追い炊きを可能としている。
そして、このように構成することにより、特に、深夜電力を利用する電気温水器を使用する場合には、低コストの深夜電力の利用を促進することができる。
【0019】
このように、本実施例では、熱交換器4に浴槽10内の湯を循環させるように構成している関係上、熱交換器4の内部圧力が、電気温水器のタンク1の内部圧力より常に低くなるように構成するようにしている。
これにより、万一、熱交換器4に孔があいた場合でも、熱交換器4内を流通する水が、電気温水器のタンク1内に流出することを防止することができ、熱交換器4内を流通する水によって、電気温水器のタンク1の内部が汚染されることを確実に防止することができるものとなる。
【0020】
また、アダプタ33は、浴槽10に直接接続した2本の配管、すなわち、温水側配管64と、水道水側配管92に連なり、電気温水器のタンク1内に貯留されていた温水及び水道管より供給される水道水を、浴槽10に接続したこれら2本の配管64、92を介して、アダプタ33の混合室内で混合した後、その吐出口から浴槽10に供給するようにすることにより、入浴中の人に電気温水器のタンク1内に貯留されていた高温の温水が、そのまま直接当たることを確実に防止することができるようにしている。
【0021】
また、循環用ポンプ15によって、熱交換器4に浴槽10内の湯を循環させるようにする場合には、浴槽10に接続した2本の配管64、92のうちの一方の配管92の吸引口から、循環用ポンプ15によって浴槽10内の湯を吸引し、熱交換器4に浴槽10内の湯を循環させた後、熱交換器4において加温した湯を、他方の配管64の吐出口からアダプタ33の混合室内に導入し、混合室から浴槽10に供給するようにすることにより、熱交換器4において加温した湯が、アダプタ33の位置でショートパスしないようにしている。
【0022】
また、水道水側配管91を、熱交換器4の配管7に接続し、その下流側の水道水側配管91に配設したソレノイドバルブ18を調節することにより、少なくとも水道水の一部を熱交換器4に導入して加温した後、熱交換器4の配管8から温水側配管64を介して浴槽10に供給することも可能であり、これにより、浴槽10に供給する温水の温度を適度な温度にすることができるとともに、タンク1内に貯留された温水を減らすことなく浴槽10に給湯できるようになっている。なお、水道水側配管91に配設したソレノイドバルブ18は、必須のものではなく、省略することもできる。
【0023】
そして、本実施例では、熱交換器4から延びる2本の配管7、8は、その先端に温水側配管64、水道水側配管92を接続し、かつアダプタ33を介して浴槽10に接続しており、これにより、熱交換器4に浴槽10内の湯を循環させ、浴槽10内の湯の追い炊きができるようになっている。
また、熱交換器4の配管7には、水位センサ12、ストレーナ13、温度センサ14、循環用ポンプ15、ソレノイドバルブ16及び逆止弁17がそれぞれ上流側から順に配設されており、水位センサ12と温度センサ14で浴槽10の水位と温度を検出するとともに、循環用ポンプ15によって浴槽10内の湯を吸い上げ、熱交換器4に浴槽10内の湯を循環させるようになっている。
【0024】
また、水道水側配管9の制御手段23の上流側で水道水側配管93を分岐するとともに、温水側配管61の制御手段22の上流側で温水側配管62を分岐し、これら分岐した水道水側配管93と温水側配管62とを混合弁26を介して接続するとともに、この混合弁26より他の配管経路29を接続し、この配管経路29に温度センサ27と流量センサ28を備えている。
この配管経路29では、設定された温度に基づいて、電気温水器の温水と水道水の水量を調節し、配管経路29を経て供給される湯の水温を制御して、カラン等より給湯することができるようにする。
【0025】
次に、この浴槽10に給湯等を行うようにした給湯装置を、寒冷地などで使用する場合の凍結防止運転方法について説明する。
この給湯装置は、給湯装置を新たに設置したり、補修したとき、給湯装置に附設された制御回路(図示省略)に対して、図1に示す手順で初期設定を行うようにする。
すなわち、浴槽10内に水を張りながら、浴槽の水位を水位センサ12により測定して、水位データと水量(水道水側配管9及び温水側配管61に配設した流量センサ20により測定する。)を記憶し、満水になったときの水位データを、無揮発性メモリに書き込むようにする。
【0026】
このように、制御回路の初期設定することにより、水位データが制御回路に入力されるとともに、循環用ポンプ15にも水が供給されることとなる。
【0027】
したがって、制御回路の初期設定を行った後は、外気温及び水循環用配管、例えば、配管7内の水温が設定された温度以下になり、これを温度センサ14が検知して、凍結防止運転を行うために循環用ポンプ15を駆動しても、循環用ポンプ15に水が供給されているため、循環用ポンプ15が空運転によって破損することはない。
【0028】
なお、凍結防止運転は、特に限定されるものではないが、本実施例においては、循環用ポンプ15を所定時間又は水循環用配管、例えば、配管7内の水温が設定された温度に上昇するまで駆動することにより、浴槽10内の湯を、配管92、7を介して熱交換器4に導入し、配管8、63、64を介して浴槽10に戻すことにより行うようにしている。
なお、浴槽10内に湯がないときは、所定時間循環用ポンプ15を駆動した後、駆動を停止するようにするが、この場合でも、循環用ポンプ15には水が供給されている(残留している)ため、循環用ポンプが空運転によって破損することはない。
【0029】
一方、給湯装置を新たに設置したり、補修して、制御回路の初期設定を行っていないとき、すなわち、浴槽10内に水を一度も張っていないときは、循環用ポンプ15に水が供給されていないため、この状態で凍結防止運転を行うために循環用ポンプ15を駆動すると、循環用ポンプ15が空運転によって破損することとなる。
【0030】
このため、外気温及び水循環用配管、例えば、配管7内の水温が設定された温度以下になり、これを温度センサ14が検知して、凍結防止運転を行うに際して、制御回路(図示省略)の無揮発性メモリに満水になったときの水位データが書き込まれているかどうかを自動的に調べ、水位データがある場合には、上記のとおり凍結防止運転を行い、一方、水位データがない場合には、凍結防止運転を行わないようにして、循環用ポンプ15が空運転によって破損しないようにする。
【0031】
以上、本発明の給湯装置の凍結防止運転方法について、その実施例に基づいて説明したが、本発明は上記実施例に記載した構成に限定されるものではなく、その趣旨を逸脱しない範囲において適宜その構成を変更することができるものである。
【0032】
【発明の効果】
本発明の浴槽に給湯等を行う給湯装置の凍結防止運転方法によれば、初期設定において浴槽の水位を水位データとして不揮発性メモリに書き込むようにし、凍結防止運転開始時に前記水位データの有無により、前記2本の配管を用いて浴槽内の湯を給湯装置との間で循環させて行う凍結防止運転と凍結防止運転禁止とを選択制御するようにしたので、給湯装置の設置直後等で循環用ポンプに水が供給されていない場合に、外気温及び水循環用配管内の水温が設定された温度以下になり、これを温度センサにより検知しても、初期設定において浴槽の水位を水位データとして不揮発性メモリに書き込みが行われていないため、凍結防止運転が開始されず、循環用ポンプが空運転によって破損することを確実に防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の給湯装置の凍結防止運転方法のフローチャートである。
【図2】本発明の給湯装置の凍結防止運転方法の一実施例を示す概略構造図である。
【符号の説明】
1  タンク
2  上部ヒータ
3  下部ヒータ
4  熱交換器
5  給水管
6  温水側配管
7  熱交換器の配管
8  熱交換器の配管
9  水道水側配管
10 浴槽
12 水位センサ
14,27 温度センサ
15 循環用ポンプ
16,18,19 ソレノイドバルブ
20 流量センサ
22,23 制御手段
31,32 温度センサ

Claims (1)

  1. 浴槽に2本の配管を接続し、該2本の配管を用いて浴槽内の湯を給湯装置との間で循環させるようにした浴槽に給湯等を行う給湯装置の凍結防止運転方法において、初期設定において浴槽の水位を水位データとして不揮発性メモリに書き込むようにし、凍結防止運転開始時に前記水位データの有無により、前記2本の配管を用いて浴槽内の湯を給湯装置との間で循環させて行う凍結防止運転と凍結防止運転禁止とを選択制御するようにしたことを特徴とする浴槽に給湯等を行う給湯装置の凍結防止運転方法。
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