JP2004116783A - 油圧緩衝器 - Google Patents

油圧緩衝器 Download PDF

Info

Publication number
JP2004116783A
JP2004116783A JP2003391262A JP2003391262A JP2004116783A JP 2004116783 A JP2004116783 A JP 2004116783A JP 2003391262 A JP2003391262 A JP 2003391262A JP 2003391262 A JP2003391262 A JP 2003391262A JP 2004116783 A JP2004116783 A JP 2004116783A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
cylinder
oil
pump
chamber
rod
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2003391262A
Other languages
English (en)
Other versions
JP4022658B2 (ja
Inventor
Chikaya Sekine
関根 知賀也
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Tokico Ltd
Original Assignee
Tokico Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Tokico Ltd filed Critical Tokico Ltd
Priority to JP2003391262A priority Critical patent/JP4022658B2/ja
Publication of JP2004116783A publication Critical patent/JP2004116783A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4022658B2 publication Critical patent/JP4022658B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Fluid-Damping Devices (AREA)

Abstract

【課題】シリンダ内とオイルタンク内との間を容易かつ確実にシールできる、セルフポンピング機構付きの油圧シリンダを提供する。
【解決手段】油液が封入されたシリンダ26と、シリンダ26の周りにリザーバ室25を形成するケース21と、油通路34を有するベースバルブ本体33と、リザーバ室25及びベースバルブ本体33の一端側を隔絶する仕切部材22と、一端部がベースバルブ本体33を貫通して仕切部材22に傾斜可能に連結され、他端部がシリンダ26内のピストンと一体のピストンロッド内に挿入された中空のポンプロッド31と、シリンダ26内とオイルタンク28との間をシールするシール部材97と、ピストンロッドの伸縮動に応じて作動し、ポンプロッド31を通じてオイルタンク28内の油液をシリンダ11内に揚げるセルフポンピング機構とを備えており、シール部材97にシリンダ26内の圧力が直接作用しないようにする。
【選択図】図1

Description

 本発明は、自動車等の懸架装置に装着される油圧緩衝器に係り、より詳しくはピストンロッドの伸長長さを一定の範囲に制御するセルフポンピング機構を内蔵した油圧緩衝器に関するものである。
 この種の油圧緩衝器としては、有底筒状のケース内を仕切部材により二室に区画し、前記ケースの底部側室(オイルタンク)に油液を封入すると共に、その開口側の室に油液が封入されたシリンダを配設し、前記シリンダ内と該シリンダの周りのリザーバ室とを、該シリンダと前記仕切部材との間に配置したベースバルブを介して連通し、前記シリンダに減衰力発生機構を有するピストンを摺動自在に内装し、該ピストンに、前記ケースおよびシリンダの開口部に装着したシール手段を貫通してシリンダ外へ先端部を延ばした中空のピストンロッドの基端部を連結し、さらに、前記ピストンロッド内に、該ピストンロッドの伸縮動に応じて作動し、前記仕切部材から該ピストンロッド内に延ばしたポンプロッドを通じて、前記ケースの底部側室内の油液をシリンダ内に揚げるセルフポンピング機構を配設したものがある。
 図10は、そのような油圧緩衝器のベースバルブの周りの構造を示したものである。同図において1はケース、2は仕切部材、3はシリンダ、4はベースバルブ、5はセルフポンピング機構を構成するポンプロッドをそれぞれ表しており、シリンダ3の内室(下室)6とその周りのリザーバ室7とは、ベースバルブ4の本体4aに設けた油通路8によって連通され、ポンプロッド5の内部通路9とケース1の底部側室(オイルタンク)10とは、仕切部材2およびベースバルブ4の本体4aとの間に介装したリテーナ11の貫通孔12によって連通されている。ベースバルブ4は、油通路8を通じてリザーバ室7からシリンダ下室6への油液の流通を許容する逆止弁13と油通路8を常時連通させるオリフィス14とを有している。
 ポンプロッド5は、作動時における半径方向への傾きが許容されるように、その先端部がリテーナ11に設けた球面状の凹穴11aに摺動可能に嵌合され、さらに連結手段16によってリテーナ11に対して位置固定されている。この連結手段16は、ポンプロッド5の周面に設けた環状溝に嵌合する係合リング17と、この係合リング17の外面を押える押えリング18と、リテーナ11に螺合したナット19にかしめ止めされたストッパ板19aとから構成されている。このような連結手段16によれば、ナット19をリテーナ11に締込むことによりストッパ板17aが押えリング18の背面を押え、その押え力が係合リング17を介してポンプロッド5に伝達されて、リテーナ11に対してポンプロッド5が位置固定されるようになる。さらに、ポンプロッド5とリテーナ11の間には、シリンダ下室6とオイルタンク10との間をシールするシール部材Aが設けられる。
 しかしながら、上記従来のセルフポンピング機構付き油圧緩衝器によれば、セルフポンピング機構を構成するポンプロッド5とリテーナ11の間のシール部材Aには、最も圧力が高くなるシリンダ3内の室と圧力の低い底部側室10(オイルタンク)間という差圧の大きな部分をシールする必要があり、さらに、ポンプロッド5は、作動時における半径方向への傾きが許容されるので、このシールは、なかなか難しいという問題点があった。
 本発明は、上記問題点を解決するため、油液が封入されたシリンダと、該シリンダの外周に設けられ前記シリンダとの間にリザーバ室を形成するケースと、前記シリンダ内に摺動可能に嵌装されて前記シリンダ内を2室に画成するピストンと、一端部が前記ピストンに連結され、他端部が前記ケースおよびシリンダの他端側を閉塞する案内部材を介して外部に延出された中空のピストンロッドと、前記シリンダ内と前記リザーバ室とを連通する油通路を有するベースバルブ本体と、該ベースバルブ本体に設けられ、前記油通路の油液の流れを制御するバルブと、前記ケース内のリザーバ室及び前記ベースバルブ本体の一端側を隔絶する仕切部材と、一端がベースバルブ本体を貫通して前記仕切部材に傾斜可能に連結され、他端が前記ピストンロッド内に挿入された中空のポンプロッドと、前記ポンプロッドの一端側と接続されたオイルタンクと、前記シリンダ内とオイルタンクとの間をシールするシール部材と前記ピストンロッドの伸縮動に応じて作動し、前記ポンプロッドを通じて、前記オイルタンク内の油液をシリンダ内に揚げるセルフポンピング機構とを設けたことを特徴とする。
 また、前記ベースバルブ本体のポンプロッド貫通部に隙間を設け、さらに、前記ベースバルブ本体と前記仕切部材の間にリザーバ室と連通する通路を形成し、該通路及び前記隙間を介して前記シリンダ内と前記リザーバ室とを連通させたことを特徴とする。
 本発明の油圧緩衝器によれば、ポンプロッドがベースバルブ本体を貫通して前記仕切部材に傾斜可能に連結され、ポンプロッドの一端側にオイルタンクを接続したので、最も高圧となり、圧力変化の激しいシリンダ内と低圧のオイルタンク内の圧力を直接シールする構成とはならないので、シールが容易となる。
 請求項2の発明によれば、前記シリンダと前記仕切部材の間は、リザーバ室の圧力となり、シリンダ、リザーバ室、オイルタンクと圧力の高くなるほうから順に並ぶので、差圧が低く、シールが容易かつ確実となる。
 以下、本発明の実施の形態を添付図面に基いて説明する。
 図1ないし図9は、本発明の実施の形態を示したものである。本実施の形態に係る油圧シリンダは、図4にその全体構造を示すように、有底筒状のケース21を備え、このケース21内を取付部材としての仕切部材22により上下2室に仕切り、その下室(底部側室)にケース21との間に環状室23(図1)を形成する内筒24を配置すると共に、その上室にケース21との間にリザーバ室25を形成するシリンダ26を配置している。内筒24内には、フリーピストン27が摺動可能に嵌装されており、このフリーピストン27の上側は油液を封入したオイルタンクとしてのオイル室28として、その下側は高圧ガスを封入したガス室29としてそれぞれ構成されている。なお、ガス室29は、内筒24の下端部に設けた通路(図示略)によって前記環状室23に連通されており、この環状室23にも高圧ガスが封入されている。
 シリンダ26の下端は、ベースバルブ30と、後述するポンプロッド31を仕切部材22に連結するための連結手段32とを介して仕切部材22に突当てられている。そして、シリンダ26内とリザーバ室25とは、図1に良く示されるように、ベースバルブ30の本体(ベースバルブ本体)33に設けた複数の油通路34および、この本体33とポンプロッド31とのわずかの(0.5mm 程度)嵌合隙間35並びに本体33と仕切部材22との間に形成された通路Fによって連通されている。ベースバルブ30は、油通路34を通じてリザーバ室25からシリンダ26内への油液の流通を許容する逆止弁(バルブ)36を有している。この逆止弁36は、前記油通路34の本体33の上面に離着座するディスクバルブ36aと。前記本体33とシリンダ26との間に介装したカップ部材37の底に一端を当接させて、常時はディスクバルブ36aを閉弁方向へ付勢するばね36bとからなっている。
 なお、仕切部材22には、シリンダ26内(リザーバ室25)とオイル室28とを連通する油通路38が設けられ、この油通路38には減圧弁39が介装されている。減圧弁39は、弁座が形成された弁座体40と、この弁座体40の弁座に離着座するボール41と、このボール41を常時は弁座に着座する方向へ付勢する弁ばね(板ばね)42とからなっており、シリンダ26内とオイル室28との差圧が所定値に達した時に、ボール41が弁ばね42の付勢力に抗して弁座から離れ、これにより、油通路38が開かれてシリンダ26内の圧力が過度に上昇するのが抑えられるようになる。
 シリンダ26内には、環状のピストン43が摺動可能に嵌装されており、このピストン43によってシリンダ26内がシリンダ上室44とシリンダ下室45とに区画されている。ピストン43には、図5に良く示されるように略円筒状のピストンボルト46が挿通され、その先端部にピストンナット47を螺着させて固定されている。ピストンボルト46の上端側のねじ部46aには、中空のピストンロッド48の下端部が螺着されており、ピストンロッド48の上端側は、ケース21およびシリンダ26の上端開口部に装着した後述のシール装置(シール手段)49を挿通して、シリンダ26およびケース21の外部へ延出されている。そして、シリンダ26内には油液が封入され、リザーバ室25には油液と高圧ガスとが封入されている。
 ピストン43には、シリンダ上室44とシリンダ下室45とを連通させる油通路50および51と、シリンダ上室44側の所定圧力によって撓んで、一方の油通路50の油液の流通を許容して減衰力を発生させる常閉のディスクバルブ52(減衰力発生機構)とが設けられている。ディスクバルブ52の弁座部には、オリフィス通路(減衰力発生機構)を形成する切欠53が設けられており、この切欠53によってシリンダ上・下室44,45間は常時連通している。また、ピストン43には、シリンダ下室45側の所定圧力によって撓んで、縮み側通路51の油液の流通を許容して減衰力を発生させる常閉のディスクバルブ54(減衰力発生機構)も設けられている。
 上記シール装置49は、図6に良く示されるように、シリンダ26に嵌合されピストンロッド48を摺動可能に案内するロッドガイド(案内部材)55と、ケース21およびピストンロッド48に嵌合され前記ロッドガイド55を上から押える中間リング56と、ケース21に螺合され前記中間リング56を上から押える締付リング57とを備えている。締付リング57をケース21に締込むことにより、その締付力が中間リング56およびロッドガイド55を介してシリンダ26に伝えられ、シリンダ26は、所定の軸力で前記仕切部材22に突き当てられることになる。
 そして、これらロッドガイド55と、中間リング56と締付リング57との間には、ガスシール用のOリング58と、ロッドシール用の第1、第2のシール部材59,60と、ガスシールおよびオイル逃し用チェック弁61とが支持されている。ロッドシール用の第1のシール部材59は摺動特性の良好なポリテトラフルオロエチレン製リングから、第2のシール部材60はシール性の良好なゴム製オイルシールからそれぞれ形成されており、第2のシール部材60には特に、中間リング56に形成した逃し通路62を閉鎖するチェック弁部63が一体に設けられている。このチェック弁部63は、シリンダ上室44から漏れ出た油液のリザーバ室23への流動は許容するが、リザーバ室23のガスが第1のシール部材59と第2のシール部材60との間や、シリンダ上室44へ流動するのを規制する役割をなすものである。
 一方、ピストンロッド48内には、その中空部48aよりもやや小径の大径部64aと小径部64bとからなる段付のポンプチューブ64が挿入されている。ピストンロッド48の上端は閉じられており、ポンプチューブ64は、図7に良く示されるように、その小径部64b側の端部がピストンロッド48の閉じ端付近で保持ばね65に押圧されて、その大径部64a側の端部をピストンボルト46に当接させて位置固定されている(図5)。そして、ピストンロッド48の内面とポンプチューブ64との間に環状の油通路66が形成され、ピストンロッド48の側壁に設けられた開口67(図5)を介してシリンダ上室44に連通されている。
 前記仕切部材22に連結手段32を介して連結されたポンプロッド31の先端側は、シリンダ26の軸線に沿って延ばされ、ピストンボルト46を挿通してポンプチューブ64の大径部64aに遊挿入され、さらに小径部64bに摺動可能に嵌挿されている。そして、ポンプロッド31の先端部によってポンプチューブ64の小径部64b内の上部側にポンプ室68が形成されており、このポンプ室68は、ポンプロッド31内の通路31aおよび仕切部材22の貫通孔22aによって構成される油通路69によって前記オイル室28に連通されている(図1)。
 ポンプチューブ64の小径部64bの上端部には、ポンプ室68から油通路66への油液の流通のみを許容する逆止弁70が設けられており(図7)、また、ポンプロッド31の先端部には、油通路69を通じてオイル室18からポンプ室68への油液の流通のみを許容する逆止弁71が設けられている(図8)。逆止弁70は、図7に良く示されるように、ポンプチューブ64の小径部64bの先端部に固定した略U字形のリテーナ72に一端が係止された弁ばね73により小径部64bの開口端に押えられた弁体74を備えており、ポンプ室68側の圧力によって、弁体74が弁ばね73の弾性力に抗して小径部64bの開口端から押上げられて開弁するようになっている。なお、図中、75は弁体64の移動を規制するストッパである。一方、ポンプロッド31の先端の逆止弁71は、図5に示すように、ポンプロッド31の先端部に固定した略U字形のリテーナ76に一端が係止された弁ばね77によりポンプロッド31の開口端に押えられた弁体78を備えており、前記オイル室18に通じる油通路69側の圧力によって、弁体78が弁ばね77の弾性力に抗してポンプロッド31の開口端から押上げられて開弁するようになっている。なお、ポンプロッド31、ポンプチューブ64、ポンプ室68、逆止弁70,71等はセルフポンピング機構を構成している。
 ピストンボルト46およびポンプチューブ64の大径部64aとポンプロッド31との間には、シリンダ下室45に連通する環状通路79が形成されている(図5)。また、ポンプロッド31には、ポンプチューブ64に嵌合された先端部から軸方向に所定部位まで延びる切欠80が形成されており、この切欠80によってポンプロッド31とポンプチューブ64の小径部64bとの間に液通路81が形成されている(図5)。切欠80は、ピストンロッド48の伸長長さが所定の標準範囲よりも短いとき(標準範囲の下限となる第1所定位置より短いとき)、ポンプチューブ64の小径部64bのみと重なり、大径部64aとは重ならない位置にあって液通路81と環状通路79との連通が遮断される。また、ピストンロッド48が所定の標準範囲まで伸長したとき(標準範囲の下限となる第1所定位置まで伸長したとき)、ポンプチューブ64がピストンロッド48とともに移動して大径部64aが切欠80に重なって、液通路81が環状通路79に連通されてシリンダ上・下室44,45に連通されるようになっている。
 また、ポンプロッド31の側壁には、油通路69から壁面に貫通するオリフィス通路82が設けられている(図5)。このオリフィス通路82は、切欠80の下側終端に対してポンプ室68寄りの部位に配置されており、ピストンロッド48の伸長長さが所定の標準範囲以下のとき、ポンプチューブ64の小径部64bと重なる位置にあり、オリフィス通路82と環状通路79との連通が遮断されている。また、ピストンロッド48の伸長長さが所定の標準範囲を越えたとき、オリフィス通路82は、ポンプチューブ64の大径部64aと重なって、オリフィス通路82が環状通路79に連通されてシリンダ上・下室26,27と連通されるようになっている。なお、83はピストンロッド48に外装されたリバウンドストッパである。
 ここで、ポンプロッド31は、図1に良く示されるように、その基端部がベースバルブ30の本体33を遊挿して仕切部材22側へ延ばされ、仕切部材22に設けた凹部84内に嵌入されている。このポンプロッド31を仕切部材22に連結するための連結手段32は、ポンプロッド31に設けた周溝90に内周縁部が嵌合された弾性変形可能なリング状ディスク91と、シリンダ26の軸力を前記ベースバルブ30の本体33を介して受けてディスク91を仕切部材22の載置面22bに押えるリング状リテーナ92とから構成されている。
 ポンプロッド31は、その基端部を仕切部材22の凹部84に底付きとなるまで嵌入させて位置固定されており、この位置固定状態で、該ポンプロッド31の周溝90の下側壁面と仕切部材22の載置面22bとの間には所定の大きさδの段差が形成されるようになっている。しかして、リテーナ92の内周側の下面には階段状の逃げ部93が形成されており、ディスク91は,その内周縁部を前記逃げ部93内に撓ませて仕切部材22とリテーナ92との間に挟持されている。すなわち、このディスク91の撓みにより、前記ポンプロッド31には、ディスク91から仕切部材22側への押付力、すなわち所定のセット荷重が加えられるようになっている。このセット荷重は、ピストンロッド48の伸び行程時にポンプロッド31に加わる引張力以上の値に設定され、したがって、ポンプロッド31の周溝90内でディスク91が遊ぶことがなくなる。
 上記ディスク91は、一例として図2に示すように、ポンプロッド31より小径の中心孔94Aと、外周側に位置して円周方向に断続的に設けられた円周方向切欠94Bと、この円周方向切欠94Bと前記中心孔91Aとを連接する半径方向切欠94Cとにより分割された複数の爪片95を有しており、その爪片95の弾性変形により上記セット荷重を発生させるようになっている。このディスク91をポンプロッド31に組付けるには、例えば図3に示すようにポンプロッド31の先端部に予め薄肉のキャップ96を嵌合し((1))、このキャップ96の先端のテーパ部96aを利用してディスク91を押上げて、ポンプロッド31の周溝90に嵌める((2))方法を採用することができる。
 ディスク91は、上記したように予めポンプロッド31に組付けた後、この上にリテーナ92およびベースバルブ30を重ねて仕切部材22上に載置される。その後、シリンダ26等を組込んで油圧緩衝器としての組付けを完了すると、シリンダ26に加わる軸力でディスク91が仕切部材22とリテーナ92との間に挟持され、上記したようにポンプロッド31にセット荷重が加えられる。ディスク91の板厚は、組付性を考慮してポンプロッド31の周溝90の幅より十分薄くなっているが、油圧緩衝器の組付状態では、前記セット荷重により周溝90内でのディスク91の遊びが解消され、したがって作動中にガタ音が発生することはなくなる。
 なお、ポンプロッド31は、ベースバルブ30の本体33との嵌合隙間35により、作動時における半径方向への傾きが許容されている。また、仕切部材22の凹部84内には、仕切部材22とポンプロッド31との間をシールするOリング(シール部材)97とバックアップリング98とが配設されているが、前記バックアップリング98は、シリンダ26内とオイル室28との圧力差によりOリング97が変形し、仕切部材22とポンプロッド31との嵌合隙間に入り込んで破損するのを防止する役割をなすもので、樹脂により形成されている。このOリング97に加わる圧力は、リザーバ室25とオイル室28との差圧である。
 本油圧緩衝器は、ピストンロッド48の上端部を車体側(図示せず)に、ケース21の下端部を車輪側(図示せず)にそれぞれ連結させることによって、車両の懸架装置として装着されるようになっており、図4に示すようにケース21の下端部には車輪側への取付用ブラケット100が、その上端部には懸架ばね(図示せず)を受けるばね受け101がそれぞれ固定されている。
 以下、上記のように構成した実施形態の作用について説明する。
 ピストンロッド48の伸び行程時には、ピストン43の移動にともないシリンダ上室44側の油液が加圧され、この圧油が油通路50を通ってシリンダ下室45側へ流れ、切欠53が形成するオリフィスによって減衰力が発生する。この時、ピストンロッド48がシリンダ26から退出した分の油液は、図9の右半分に示すように、ガスの膨張によりリザーバ室25からベースバルブ30の油通路34を通り、逆止弁36を開いてシリンダ下室45に補給され、これと同時にポンプロッド31とベースバルブ30の本体33との嵌合隙間35を通って補給される。また、ピストン速度が速くなり、シリンダ上室44側の油圧が所定圧力に達すると、ディスクバルブ52が開いて減衰力の過度の上昇を抑制する。
 一方、ピストンロッド48の縮み行程時には、ピストン43の移動にともないシリンダ下室45側の油液が加圧され、油通路50を通ってシリンダ上室44側へ流れ、切欠53が形成するオリフィスによって減衰力が発生する。このとき、ピストンロッド48がシリンダ26内に進入した分の油液は、図9の左半分に示すように、ポンプロッド31とベースバルブ30の本体33との嵌合隙間35および本体33と仕切部材22との間の通路Fを通ってリザーバ室25内に流入してガスを圧縮する。また、ピストン速度が速くなり、シリンダ下室45の油圧が所定圧力に達すると、ディスクバルブ54が開いて縮み側通路51に油液を流通させることによって減衰力の過度の上昇を抑制する。
 次に、油圧緩衝器1の車高調整機能について説明する。
 空車時(標準車高時)において、底部側のガス室29とリザーバ室25とは同圧になっており、ピストンロッド48の伸長長さは所定の標準範囲内にある。この状態では、ポンプロッド31の切欠80がポンプチューブ64の大径部64aと重なっており、ポンプ室68が液通路81および環状通路79を介してシリンダ上下室26,27に連通され、ポンピング作用は行われない。
 車両の積載荷重が増加して車高が標準車高よりも低くなり、ピストンロッド48の伸長長さが標準範囲よりも短くなると、ポンプロッド31の切欠80がポンプチューブ64の小径部64bと重なって閉鎖される。この状態では、走行時の懸架装置の振動によってピストンロッド48が伸縮すると、伸び行程時には、ポンプチューブ64の小径部64b内のポンプロッド31が後退することによりポンプ室68内の圧力が低下し、逆止弁71が開いて油通路69を通して下方のオイル室18内の油液がポンプ室68に導入され、また、縮み行程時には、ポンプロッド31が前進してポンプ室68内が加圧され、逆止弁70が開いてポンプ室68内の油液が、ポンプチューブ64の周りの油通路66およびピストンロッド48の開口67を通ってシリンダ上室44に供給されて、シリンダ上・下室44,45およびリザーバ室25を加圧してピストンロッド48を伸長させる。このようにして、走行時の振動を利用してポンピング動作を繰り返すことによって車高を上げる。そして、車高が標準車高に達して、ピストンロッドの伸長長さが標準範囲内になると、ポンプロッド31の切欠80がポンプチューブ64の大径部64aと重なってポンプ室68がシリンダ上・下室44,45に連通されてポンピング動作が解除される。
 また、車両の積載荷重が減少して車高が標準車高よりも高くなり、ピストンロッド48の伸長長さが標準範囲よりも長くなると、ポンプロッド31の切欠80およびオリフィス通路82がポンプチューブ64の大径部64aと重なり、ポンプ室68がシリンダ上・下室44,45に連通されてポンピング動作が解除されるとともに、シリンダ上・下室44,45が環状通路79およびオリフィス通路82を介してポンプロッド31内の油通路69に連通され、シリンダ上・下室44,45内の圧油がオイル室18に戻されて、シリンダ上・下室44,45およびリザーバ室25が減圧されて車高が下がる。車高が標準車高まで下がってピストンロッド48の伸長長さが標準範囲内になると、ポンプロッド31のオリフィス通路82がポンプチューブ64の小径部64bと重なって閉鎖され、シリンダ上・下室44,45内の圧油の戻し動作が停止する。
 以上のようにして、走行時の懸架装置の振動を利用して、ポンピング作用および戻し作用を繰り返すことによって、積載荷重にかかわらず車高を一定に調整することができる。
 ところで、ピストンロッド48の縮み行程時およびポンピング作用時には、シリンダ上・下室44,45の油圧が上り、油液がシール装置49から漏れ出ようとする。しかし、本実施形態では、ロッドシールを二段に設けているので、たとえ摺動特性を重視した第1のシール部材59から油漏れが生じても、ゴム製のオイルシールからなる第2のシール部材60によって外部への漏出が防止される。また、漏れ油の圧力が上った場合は、第2のシール部材60のチェック弁部63が開いて、油液が逃し通路62を通ってリザーバ室25に流入し、したがって外部への油液の流出は完全に防止される。しかも、本実施形態では、仕切部材22に減圧弁39を設けているので、シリンダ上・下室44,45の圧力が極端に上がる場合は、この減圧弁39が開いてシリンダ26内の油液が下方のオイル室28に流出し、より安全が確保されるようになっている。
 上記実施の形態では、ケース21内にリザーバ室25、シリンダ26、オイルタンクとしてのオイル室28を設けたものを示したが、本発明は、これに限らず、例えば、オイル室をケース21とは別に設け、配管によりオイル室と仕切部材21の貫通孔22aとを接続するようにしてもよい。
本発明に係る油圧緩衝器の要部構造を示す断面図である。 本発明の連結手段を構成するディスクの形状の一例を示す平面図である。 ポンプロッドに対するディスクの組付方法および組付状態を示す正面図である。 本油圧緩衝器の全体構造を示す断面図である。 本油圧緩衝器のピストン部分とその周りの構造を示す断面図である。 本油圧緩衝器のシール構造を示す断面図である。 ポンプチューブの逆止弁とその周りの構造を示す断面図である。 ポンプロッドの逆止弁とその周りの構造を示す断面図である。 本油圧緩衝器の要部の作動状態を示す断面図である。 従来の油圧緩衝器のポンプロッドと仕切部材との連結構造を示す断面図である。
符号の説明
 21 ケース
 22 仕切部材
 25 リザーバ室
 26 シリンダ
 28 オイル室(底部側室)
 30 ベースバルブ
 31 ポンプロッド
 32 連結手段
 33 ベースバルブの本体(ベースバルブ本体)
 34 油通路
 35 嵌合隙間
 36 逆止弁(バルブ)
 43 ピストン
 48 ピストンロッド
 49 シール装置(シール手段)
 52 ディスクバルブ(減衰力発生機構)
 53 オリフィス通路(減衰力発生機構)
 55 ロッドガイド(案内部材)
 64 ポンプチューブ(セルフポンピング機構)
 68 ポンプ室(セルフポンピング機構)
 70 ポンプチューブの逆止弁(セルフポンピング機構)
 71 ポンプロッドの逆止弁(セルフポンピング機構)
 90 ポンプロッドの周溝
 91 ディスク
 92 リテーナ
 97 Oリング(シール部材)
 F  通路

Claims (2)

  1.   油液が封入されたシリンダと、該シリンダの外周に設けられ前記シリンダとの間にリザーバ室を形成するケースと、前記シリンダ内に摺動可能に嵌装されて前記シリンダ内を2室に画成するピストンと、一端が前記ピストンに連結されて他端が前記ケースおよびシリンダの他端側を閉塞する案内部材を介して外部に延出された中空のピストンロッドと、前記シリンダ内と前記リザーバ室とを連通する油通路を有するベースバルブ本体と、該ベースバルブ本体に設けられ、前記油通路の油液の流れを制御するバルブと、前記ケース内のリザーバ室及び前記ベースバルブ本体の一端側を隔絶する仕切部材と、一端部がベースバルブ本体を貫通して前記仕切部材に傾斜可能に連結され、他端部が前記ピストンロッド内に挿入された中空のポンプロッドと、前記ポンプロッドの一端側と接続されたオイルタンクと、前記シリンダ内とオイルタンクとの間をシールするシール部材と、前記ピストンロッドの伸縮動に応じて作動し、前記ポンプロッドを通じて、前記オイルタンク内の油液をシリンダ内に揚げるセルフポンピング機構とを設けたことを特徴とする油圧緩衝器。
  2.  前記ベースバルブ本体のポンプロッド貫通部に隙間を設け、さらに、前記ベースバルブ本体と前記仕切部材の間にリザーバ室と連通する通路を形成し、該通路及び前記隙間を介して前記シリンダ内と前記リザーバ室とを連通させたことを特徴とする請求項1記載の油圧緩衝器。

JP2003391262A 2003-11-20 2003-11-20 油圧緩衝器 Expired - Fee Related JP4022658B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2003391262A JP4022658B2 (ja) 2003-11-20 2003-11-20 油圧緩衝器

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2003391262A JP4022658B2 (ja) 2003-11-20 2003-11-20 油圧緩衝器

Related Parent Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP11410496A Division JP3723938B2 (ja) 1995-07-22 1996-04-11 油圧緩衝器

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2004116783A true JP2004116783A (ja) 2004-04-15
JP4022658B2 JP4022658B2 (ja) 2007-12-19

Family

ID=32291080

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2003391262A Expired - Fee Related JP4022658B2 (ja) 2003-11-20 2003-11-20 油圧緩衝器

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4022658B2 (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007192402A (ja) * 2006-01-20 2007-08-02 Mando Corp 車高調節用ショックアブソーバのピストンロッドおよびその加工方法
KR100803156B1 (ko) 2006-09-08 2008-02-14 주식회사 만도 외장형 셀프 펌핑유닛을 갖는 쇽업소버

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007192402A (ja) * 2006-01-20 2007-08-02 Mando Corp 車高調節用ショックアブソーバのピストンロッドおよびその加工方法
KR100803156B1 (ko) 2006-09-08 2008-02-14 주식회사 만도 외장형 셀프 펌핑유닛을 갖는 쇽업소버

Also Published As

Publication number Publication date
JP4022658B2 (ja) 2007-12-19

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5077549B2 (ja) 油圧緩衝器の製造方法
US20090038897A1 (en) Shock absorber
US8448759B2 (en) Single cylinder type hydraulic shock absorber for vehicle
US8985008B2 (en) Cylinder apparatus
KR20120021258A (ko) 완충기
US8052128B2 (en) Self-pumping hydropneumatic spring strut
KR20150018461A (ko) 완충기
US8042791B2 (en) Self-pumping hydropneumatic shock absorber
US8091870B2 (en) Self-pumping hydropneumatic spring strut
US5921166A (en) Cylinder apparatus
US4274517A (en) Hydraulic shock absorber
JPH09217779A (ja) 油圧緩衝器
JP2008115881A (ja) シリンダ装置
JP4022658B2 (ja) 油圧緩衝器
US6863163B2 (en) Self leveling vehicle suspension damper
JP2012067923A (ja) 油圧緩衝器の製造方法
JP2005201345A (ja) 自動二輪車等のフロントフォーク
JP3780654B2 (ja) アキュムレータ
JP3723938B2 (ja) 油圧緩衝器
JP4491371B2 (ja) 緩衝器
JP5034080B2 (ja) 油圧緩衝器
JP7356622B1 (ja) 緩衝器
JPH09257079A (ja) 油圧緩衝器
JP2000337424A (ja) 車高調整機構付きダンパ
JP4323648B2 (ja) 車高調整機構付きダンパ

Legal Events

Date Code Title Description
A711 Notification of change in applicant

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A712

Effective date: 20041129

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20070613

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20070806

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20070905

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20070913

R150 Certificate of patent (=grant) or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20101012

Year of fee payment: 3

S111 Request for change of ownership or part of ownership

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313111

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20101012

Year of fee payment: 3

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20101012

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20111012

Year of fee payment: 4

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20111012

Year of fee payment: 4

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20121012

Year of fee payment: 5

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20121012

Year of fee payment: 5

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20131012

Year of fee payment: 6

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20131012

Year of fee payment: 6

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20141012

Year of fee payment: 7

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees