JP2004116715A - 転がり軸受装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】案内部材11を外輪部材2と別体にすることにより、軽自動車のように案内部材11の径が比較的小さな車軸用転がり軸受装置1であっても、車両アウタ側開口部53における小径部55の径を、車両インナ側開口部50における小径部52と同一に形成することができるため、第1の保持器12を第2の保持器13と同一のものとすることができ、製造コストの低減を図り得、第1の保持器12として第2の保持器13と同一同径のものを用いることができることにより、各玉6の保持をいっそう確実に行い得る。
【選択図】 図3
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、転がり軸受装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来の車軸用転がり軸受装置は、外輪部材と、この外輪部材の径方向内方に配置された2列の玉と、外輪部材に2列の玉を介して配置された内輪部材とを有し、これら各列の玉が、それぞれ保持器に保持されている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
以下、図7に基づいて従来の車軸用転がり軸受装置について説明する。これは、軸心回りに回転自在な外輪部材60と、この外輪部材60に同心に配置される非回転の内輪部材61と、外輪部材60と内輪部材61との間に転動自在に介装される2列の玉62とを有する。
【0004】
外輪部材60は熱間鍛造によって形成され、その外周面に、径方向外向きに突出してブレーキディスク63およびタイヤホイール64を取付けるためのハブフランジ65を有する。ハブフランジ65の車両アウタ側部分は、ブレーキディスク63およびタイヤホイール64をハブフランジ65に重ねて取付ける際の案内機能を有する案内部(インロー部ともいう)66とされている。
【0005】
この案内部66は、適用させる車両によってその径の大小が決定される。案内部66は、熱間鍛造によって形成した鍛造物を切削加工することで、所定の径に形成される。また、各列の玉62は、保持器67,68によって円周方向等配位置に保持されている。
【0006】
【特許文献1】
実開平3−99225号(第1図)
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
上記従来の車軸用転がり軸受装置において、一般に軽自動車等のタイヤホイール64の内径が小さい車種では、案内部66の外径は普通自動車の案内部66の外径に比べて小さい。また案内部66は、負荷に耐えるために所定の径方向の厚みが必要である。このため、軽自動車等の場合では、案内部66の内径は、外輪軌道面を有する中心穴部69の径に比べて小さく形成しなければならない場合がある。
【0008】
ところで上記のように、各列の玉62はそれぞれ保持器67,68に保持されている。このような玉62および保持器67,68を外輪部材60に組付ける場合、車両インナ側では、保持器68に玉62を嵌込んだ組品状態で、外輪部材60の車両インナ側開口からこの組品を玉62が外輪軌道面に接触するよう組込む。
【0009】
そして、案内部66の内径は、外輪軌道面を有する中心穴部の径に比べて小さいので、車両アウタ側の保持器67および玉62を組込む場合は、前記組品の保持器68より小さな径の保持器67を外輪部材60の車両インナ側開口から外輪部材60の内部に挿入して保持し、この保持器67に対して玉62を順次組込むようにして製造する。
【0010】
このように、従来の車軸用転がり軸受装置では、車両インナ側の保持器68と、車両アウタ側の保持器67とは異なった種類のものを用いていた。
【0011】
【課題を解決するための手段】
本発明における転がり軸受装置は、軸方向両側に開口を有しかつ軸方向一方の外周部に径方向外向きのフランジを有する外輪部材と、前記外輪部材に対して同心位置に配置された内輪部材と、前記外輪部材と内輪部材との間に、互いに軸方向一方側および軸方向他方側に離隔して配置された2列の転動体と、前記各列の転動体を保持する環状の第1および第2の保持器と、前記外輪部材の軸方向一方側の開口周面に嵌着され、かつその開口に対して軸方向一方側に突出する部分の外周面がブレーキディスクおよびタイヤホイールを前記フランジに重ねて取付ける際の環状の案内面とされる、外輪部材とは別体の案内部材とを含み、前記外輪部材における軸方向一方側の開口の開口径が、軸方向他方側開口の開口径と実質同程度にまで拡径されていることにより、前記第1および第2の保持器が実質同一の外径を有している。
【0012】
上記構成のように、案内部材を外輪部材と別体として冷間鍛造によって成形することによれば、軸受装置全体の製造コストを低減し得る。
【0013】
このように、案内部材を外輪部材と別体にすることにより、外輪部材における軸方向一方側の開口の開口径を、軸方向他方側開口の開口径と実質同程度にまで拡径することができる。
【0014】
従って、例えば軽自動車等の場合で、案内部材の径が比較的小さい場合であっても、第1の保持器として第2の保持器に実質同一の外径を有するものを用いることができ、異なった種類の保持器を用いる必要がないため、保持器の共有化が実現でき、製造コストを低減し得る。
【0015】
また転がり軸受装置として、内輪部材に、車体側に非回転に組付けられる車軸が挿通されている構成としても、上記と同様に製造コストの低減を図り得る。
【0016】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態に係る転がり軸受装置を、車軸用転がり軸受装置を例に、図面に基づいて説明する。まず図1乃至図3に基づいて本発明の第一の実施形態を説明する。図1は本発明の第一の実施形態を示す車軸用転がり軸受装置の全体構成を示す断面図、図2は図1の要部拡大断面図、図3は分解図である。
【0017】
図1に示すように、第一の実施の形態における車軸用転がり軸受装置1は、従動輪側に好適に用いられるもので、軸心回りに回転自在な筒状の外輪部材2と、この外輪部材2の径方向内方に配置される内輪部材3,4と、外輪部材2と内輪部材3,4との間の環状空間5に転動自在に介装される転動体としての2列の玉6,7とを有する。
【0018】
外輪部材2は円筒状に形成されることにより、車両アウタ側(軸方向一方側)および車両インナ側(軸方向他方側)は開放されている。外輪部材2の車両アウタ側外周部に、径方向外向きに突出するようハブフランジ8が形成されている。
【0019】
各列の玉6,7は、互いに軸方向に所定距離だけ離隔して配置されている。各列の玉6,7は、第1および第2の保持器(冠形保持器が用いられている)12,13によって円周方向等配位置に保持されている。これら第1および第2の保持器12,13は、それぞれ同種同一径のものを、車両インナ側と車両アウタ側とで左右対称方向で用いられている。
【0020】
外輪部材2の車両インナ側端部は、他の部分に比べて薄肉に形成されている。これにより、図3に示すように、外輪部材2の車両インナ側開口部50は、外輪部材2と内輪部材3,4との間の環状空間5を、車両インナ側で密封する密封部材14を配置する大径部51と、他方列の玉7近傍の小径部52とを有する。この小径部52の径D1は第2の保持器13の外径D2よりもわずかに大きく形成されている。
【0021】
外輪部材2の車両アウタ側開口部53は、案内部材11が嵌着される大径部54と、一方列の玉6近傍の小径部55とを有する。図3に示すように、車両インナ側開口部50における小径部52の径D1と、車両アウタ側開口部53における小径部55の径D3とは同一に形成されている。従って、この小径部55の径D3は、第2の保持器13の外径D4よりもわずかに大きく形成されている。
【0022】
各内輪部材3,4は、軸方向両側に並設した2個の内輪部材3,4が背面組合せ式に用いられている。各内輪部材3,4の各外周面に、各列の玉6,7の内輪軌道面3b,3cが形成され、外輪部材2の内周面に、各列の玉6,7の外輪軌道面2a,2bが形成されている。
【0023】
両内輪部材3,4に、車軸16が挿通する中心穴15が形成されている。この車軸16の車両インナ側には、車両インナ側の内輪部材4のから軸方向に突出した位置で径方向外向きに拡径される固定用フランジ17が一体的に形成される。この固定用フランジ17は車体側に組付けられた、不図示のキャリアに対して軸心回りに非回転に固定される。
【0024】
車軸16の車両アウタ側の端部には、車両アウタ側の内輪部材3から軸方向に突出した部分にねじ部18が形成されている。このねじ部18にナット19が螺着され、これにより各列の玉6,7に所定の予圧が付与される。
【0025】
図の符号20は、ハブボルトを示し、このハブボルト20は、ハブフランジ8に重ねられるブレーキディスク9およびタイヤホイール10に形成された取付け孔21に挿通されるものである。
【0026】
前記案内部材11は、ブレーキディスク9およびタイヤホイール10をハブフランジ8に対して重ねて取付ける際に、ブレーキディスク9およびタイヤホイール10のそれぞれの中心に形成された取付け穴9a,10aの周面を案内するものである。
【0027】
前記案内部材11は、前記外輪部材2とは別体であり、耐食性に優れる一枚の金属製の板材、あるいは管状の素材を冷間鍛造、あるいはプレス成形することによって形成されるものである。
【0028】
なお、案内部材11として、SUS304等の耐食性に優れる素材を用いたり、SS55やS55C等の炭素鋼の表面に塗装を施したものを用いることにより、案内部材11とブレーキディスク9およびタイヤホイール10との、錆による固着を防止できる。
【0029】
案内部材11は、径方向外側に配置されてブレーキディスク9およびタイヤホイール10の案内面23を有する筒状の外側案内部24と、この外側案内部24に、その車両アウタ側端部に径方向内方に向けて形成した折曲部25を介して車両インナ側に折曲して外側案内部24に平行に配置された筒状の内側補強部26と、この内側補強部26の車両インナ側端部から径方向内方に折曲して形成された環状の密封部27とから形成される。
【0030】
なお、外側案内部24に熱収縮フィルム等の樹脂フィルムを貼付けることにより、案内部材11とブレーキディスク9およびタイヤホイール10との、錆による固着を防止できる。
【0031】
外側案内部24と内側補強部26との間には、折曲部25によって間隙28が形成されている。外側案内部24の車両インナ側端部は、外輪部材2の中心穴29における車両アウタ側周面を切削して拡径した前記大径部54の周面に圧入されている。
【0032】
密封部27の端面27aと車両アウタ側の内輪部材3の端面3aとの間にはわずかな隙間31が形成され、密封部27の端面27aと車両アウタ側の内輪部材3の端面3aとでラビリンス機能を有する。これにより、軸受内部に泥水等が侵入するのを防止できる。
【0033】
次に、上記構成における車軸用転がり軸受装置1の製造方法および作用を説明する。まず、第1の保持器12および第2の保持器13にそれぞれ玉6および玉7をそれぞれ組付けておく。第1の保持器12および第2の保持器13は、それぞれ同一のものである。
【0034】
第1の保持器12に玉6を組付けて組品としたものを、外輪部材2の車両アウタ側から、玉6が外輪軌道面2aに当接するよう外輪部材2の内部に挿入し、保持する。このとき、外輪部材2の車両アウタ側開口部53は、案内部材11が嵌着される大径部54と、一方列の玉6近傍の小径部55とを有しているので、組品、すなわち第1の保持器12として、第2の保持器13と同一径を有するものを用いても、小径部55の径D3が第1の保持器12の外径D4より大きいので、組品を支障なく外輪部材2に挿入可能となる。
【0035】
このように、案内部材11を外輪部材2と別体として車両アウタ側開口部53に、大径部54と、第1の保持器12の外径D4より大きい径を有する小径部55とを形成しているので、軽自動車に上記車軸用転がり軸受装置1を適用させる際、案内部材11の径が普通自動車の場合に比べて小さい場合であっても、第2の保持器13と同一のものを用いることができる。
【0036】
このように、第1の保持器12に玉6を組付けて組品としたものを外輪部材2の車両アウタ側から挿入する一方で、第2の保持器13に玉7を組付けて組品としたものを、外輪部材2の車両インナ側から、玉7が外輪軌道面2bに当接するように挿入し、保持する。
【0037】
続いて内輪部材3,4をそれぞれ外輪部材2の車両アウタ側、車両インナ側から挿入し、各列の玉6,7に内輪部材3,4の内輪軌道面3b,3cを当接させる。続いて車軸16を内輪部材3,4の中心穴15に車両インナ側から挿通し、車軸16の端部のねじ部18に、ナット19を螺着する。これにより車軸16に内輪部材3,4を固定するとともに各列の玉6,7に所定の予圧を付与する。
【0038】
続いて、案内部材11における外側案内部24の端部を、外輪部材2の中心穴29における大径部54周面に圧入する。これにより、案内部材11を外輪部材2に組付ける。このとき、密封部27の端面27aと車両アウタ側の内輪部材3の端面3aとの間に隙間31が形成され、密封部27の端面27aと車両アウタ側の内輪部材3の端面3aとでラビリンス機能を有し、これにより、軸受内部に泥水等が侵入するのを防止できる。なお、図示しないが、案内部材11の開放側にはエンドキャップを設けることで、いっそうシール性は向上する。
【0039】
上記のようにして案内部材11を外輪部材2に組付けた後、ブレーキディスク9およびタイヤホイール10のそれぞれの中心に形成された取付け穴9a,10aを案内部材11における外側案内部24に案内させて、ブレーキディスク9およびタイヤホイール10をハブフランジ8に対して重ねて取付ける。
【0040】
そして、案内部材11は、外側案内部24に折曲部25を介して形成される内側補強部26を有しているので、車輪側から車両重量による負荷が働いた場合であっても、その荷重を充分に支持し得る。
【0041】
このように、案内部材11を外輪部材2と別体にすることにより、軽自動車のように案内部材11の径が比較的小さな車軸用転がり軸受装置1であっても、車両アウタ側開口部53における小径部55の径を、車両インナ側開口部50における小径部52と同一に形成することができる。
【0042】
これにより、第1の保持器12を第2の保持器13と同一のものとすることができ、製造コストの低減を図り得る。また、第1の保持器12として第2の保持器13と同一同径のものを用いることができることにより、各玉6の保持をいっそう確実に行い得る。
【0043】
また、第1の保持器12を第2の保持器13と同一のものとすることにより、玉6と保持器12、玉7と保持器12のそれぞれを組品としたうえで、外輪部材2の軸方向各側から内部に挿入することができるといった点で、従来に比べて製造工程が簡略化され、従って、さらに製造コストを低減することができる。
【0044】
さらに、案内部材11は外輪部材2とは別体である。このため外輪部材2は径方向と軸方向一方に張出す部分を有するのみであり、従って、その製造(例えば熱間鍛造)にあたって従来のように大掛かりな装置を使用する必要がなく、また製造のための時間も削減できる。あるいは、このような構成の外輪部材2は、冷間鍛造によって製造することも可能となり、この場合、さらに製造コストを低減させることができる。
【0045】
加えて、案内部材11は、一枚の金属製あるいは管状の素材を、冷間鍛造によって形成している。このため案内部材11は、それ自体安価なコストで製造することができる。
【0046】
図4に第二の実施形態を示す。図4は、第二の実施形態を示す要部拡大断面図である。第一の実施形態では、案内部材11は、一枚の金属製あるいは管状の素材を用いて、外側案内部24、折曲部25、内側補強部26および密封部27から形成されている。
【0047】
この第二の実施形態では、案内部材11は、一枚の金属製あるいは管状の素材を用いて、外側案内部24、折曲部25、内側補強部26、密封部27に加え、外輪部材2の中心穴29における大径部54にさらに拡径するよう形成した係止部31に係止する係止片32が形成されている。
【0048】
さらに外側案内部24の軸方向途中位置において径方向に沿う段部33が形成され、外側案内部24は車両インナ側のディスク装着部34と車両アウタ側のホイール装着部35とを有する。ディスク装着部34とホイール装着部35とはそれぞれ平行(同心)の環状に形成されている。
【0049】
なお係止片32は、円周方向等配位置に複数個形成されるもので、ディスク装着部34は、その周方向等配位置に不図示のスリットを有し、このスリットにより縮径して係止片32が係止部31に係合可能となる。他の構成は上記第一の実施形態と同様であるので、同一の符号を付してその説明を省略する。
【0050】
この第二の実施形態において、外側案内部24の軸方向途中位置において径方向に沿う段部33を形成している分だけ案内部材11の剛性が向上し、より確実に負荷を支持することができる。さらに、案内部材11に係止片32を形成して大径部54に形成した係止部31に係止させているので、案内部材11の引抜き抵抗を増大させることができる。他の作用効果は、上記第一の実施形態と同様であるのでその説明を省略する。
【0051】
次に、図5に基づいて本発明の第三の実施形態を説明する。図5は本発明の第三の実施形態を示す要部拡大断面図である。第一の実施形態では、案内部材11は、一枚の金属製あるいは管状の素材を用いて、外側案内部24、折曲部25、内側補強部26および密封部27から形成されている。
【0052】
この第三の実施形態では、案内部材11の外側案内部24の軸方向途中位置に、周方向に沿う凹部37が形成されている。この凹部37の両側には、径方向に沿う段部38,39が形成され、車両アウタ側の段部38の方が車両インナ側の段部39に比べて低く形成され、これにより、外側案内部24は車両アウタ側のホイール装着部40と、車両インナ側のディスク装着部41とを有する。
【0053】
凹部37を形成する底部42は、ホイール装着部40よりもさらに小径で、ホイール装着部40およびディスク装着部41に平行(同心)な環状に形成されている。案内部材11の車両アウタ側端面から凹部37までの軸方向に沿った距離は、タイヤホイール10の幅に等しく形成され、凹部37からハブフランジ8までの軸方向に沿った距離は、ブレーキディスク9の幅に等しく形成されている。他の構成は上記第一の実施形態と同様であるので、同一の符号を付してその説明を省略する。
【0054】
この第三の実施形態において、案内部材11に、段部38,39を設けた分だけ案内部材11の剛性が向上し、負荷に対する抵抗力を増大させることができる。
【0055】
ところで、一般に、案内部の外周面には、タイヤホイール10の取付け穴10aの周面との凝着を防止するために、凝着防止用の塗装が施される。これは、製造コストの上昇要因となる。
【0056】
しかし、本発明の第三の実施形態では、ホイール装着部40に凹部37を形成して、ホイール装着部40の外周面とタイヤホイール10の取付け穴10aの周面との接触面積を従来に比べて小さくしてある。これにより、タイヤホイール10の取付け穴10aの周面との凝着を抑えることができるため、従来の凝着防止用の塗装を省略することができ、製造コストの低減を図り得る。他の作用効果は、上記第一の実施形態と同様であるので、その説明を省略する。
【0057】
なお図示しないが、案内部材11と、タイヤホイール10の取付け穴10aの周面との凝着を防止する他の例として、径方向にくぼむ凹部37を、軸方向に沿って外側案内部24の円周方向等配位置に配置するようにしてもよい。この場合も、双方の部材の接触面積が小さくなり、双方の部材の凝着を防止することができ、凝着防止用の塗装を省略することができる。
【0058】
図6は、本発明の第四の実施形態を示す。この実施形態における案内部材11は、外輪部材2の車両アウタ側開口部53における大径部54周面に嵌着された嵌着部11aと、この嵌着部11aの端部から径方向内向きに延長された第1環状部11bと、この第1環状部11bの端部から車両アウタ側に延長されて、外周面がブレーキディスク9およびタイヤホイール10のそれぞれの中心に形成された取付け穴9a,10aを案内する案内面23となる外側円筒部11cと、この外側円筒部11cの車両アウタ側端部から径方向内方に延長された折曲部11dと、この折曲部11dの径方向内方端部から180度車両インナー側に折返して延長されて外側円筒部11cの径方向内側位置で外側円筒部11cに平行に配置される内側補強円筒部11eと、この内側補強円筒部11eの車両インナ側端部から径方向内方に延長された第二環状部11fとから、プレス成形によって一体的に構成されている。
【0059】
案内部材11の第1環状部11bは、その車両アウタ側の側面が、ハブフランジ8の車両アウタ側の側面に一致し、径方向内向きに延長されていることにより、ハブフランジ8における車両アウタ側の側面と案内部材11の第1環状部11bにおける車両アウタ側の側面とでタイヤホイール10とブレーキディスク9の装着面が構成されている。他の部分の構成は、上記第一の実施形態と同様であるので、同一の符号を付してその説明を省略する。
【0060】
上記構成において、タイヤホイール10とブレーキディスク9が種々な寸法や形状に変更された場合、第1環状部11bの径方向寸法を、タイヤホイール10とブレーキディスク9の寸法や形状の変更に合わせて、タイヤホイール10とブレーキディスク9の寸法や形状に対応した寸法とする。
【0061】
このようにすることにより、外輪部材2の寸法や形状を変更する必要がなくなる。すなわち、この実施形態では、車種やその他の要因によりタイヤホイール10とブレーキディスク9の寸法や形状が異なっていても、外輪部材2の共通化を図ることが可能となる。このため、外輪部材2の種類が少なくてすみ、製造コストを低減することができる。
【0062】
なお、第1の保持器12を第2の保持器13と同一のものとすることができ、製造コストの低減を図り得、第1の保持器12として第2の保持器13と同一同径のものを用いることができることにより、各玉6,7の保持を確実に行い得ることは、上記各実施形態と同様である。
【0063】
【発明の効果】
以上の説明から明らかな通り、本発明によれば、案内部材を外輪部材と別体にすることにより、外輪部材における軸方向一方側の開口の開口径を、軸方向他方側開口の開口径と実質同程度にまで拡径して、第1の保持器として第2の保持器に実質同一の外径を有するものを用いることができる。そして、異なった種類の保持器を用いる必要がないため、保持器の共有化が実現でき、製造コストを低減し得る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第一の実施形態を示す車軸用転がり軸受装置の全体構成を示す断面図である。
【図2】同じく図1の要部拡大断面図である。
【図3】同じく車軸用転がり軸受装置の組立て工程を示す分解図である。
【図4】本発明の第二の実施形態を示す要部拡大断面図である。
【図5】本発明の第三の実施形態を示す要部拡大断面図である。
【図6】本発明の第四の実施形態を示す要部拡大断面図である。
【図7】従来例を示す車軸用転がり軸受装置の全体構成を示す断面図である。
【符号の説明】
1 車軸用転がり軸受装置
2 外輪部材
3,4 内輪部材
8 ハブフランジ
9 ブレーキディスク
10 タイヤホイール
11 案内部材
23 案内面
24 外側案内部
25 折曲部
26 内側補強部
27 密封部
31 隙間
Claims (2)
- 軸方向両側に開口を有しかつ軸方向一方の外周部に径方向外向きのフランジを有する外輪部材と、前記外輪部材に対して同心位置に配置された内輪部材と、前記外輪部材と内輪部材との間に、互いに軸方向一方側および軸方向他方側に離隔して配置された2列の転動体と、前記各列の転動体を保持する環状の第1および第2の保持器と、前記外輪部材の軸方向一方側の開口周面に嵌着され、かつその開口に対して軸方向一方側に突出する部分の外周面が、ブレーキディスクおよびタイヤホイールを前記フランジに重ねて取付ける際の環状の案内面とされる、前記外輪部材とは別体の案内部材とを含み、
前記外輪部材における軸方向一方側の開口の開口径が、軸方向他方側開口の開口径と実質同程度にまで拡径されていることにより、前記第1および第2の保持器が実質同一の外径を有している、転がり軸受装置。 - 請求項1記載の転がり軸受装置であって、
前記内輪部材に、車体側に非回転に組付けられる車軸が挿通されている、転がり軸受装置。
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-
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- 2002-09-27 JP JP2002283225A patent/JP2004116715A/ja active Pending
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